JP2006029087A - 地域電力エネルギ生成システム - Google Patents
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Abstract
【課題】バイオガスを発電に用いる際に、発電端効率を向上させるとともにRPS電力証書を得ることができるようにする。
【解決手段】複数のバイオガス発生装置1は、収集された蓄糞等からバイオガスを生成し、該ガスを、バイオガス配管6及び圧縮機4を介して、天然ガスパイプライン5に供給する。ガスタービン複合発電所2は、バイオガスが混入された天然ガスを燃料として発電を行い、電力網8を介して電力を外部に提供する。バイオガス発生装置1には、燃料として、天然ガスパイプライン5中の天然ガスが、膨張タービン3及び天然ガス枝管7を介して供給される。バイオガスを用いた発電を天然ガス炊きの発電所で行うので、発電端効率が向上し、得られた電力を電力網に供給するので、RPS電力証書を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】複数のバイオガス発生装置1は、収集された蓄糞等からバイオガスを生成し、該ガスを、バイオガス配管6及び圧縮機4を介して、天然ガスパイプライン5に供給する。ガスタービン複合発電所2は、バイオガスが混入された天然ガスを燃料として発電を行い、電力網8を介して電力を外部に提供する。バイオガス発生装置1には、燃料として、天然ガスパイプライン5中の天然ガスが、膨張タービン3及び天然ガス枝管7を介して供給される。バイオガスを用いた発電を天然ガス炊きの発電所で行うので、発電端効率が向上し、得られた電力を電力網に供給するので、RPS電力証書を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、地域電力エネルギ生成システムに関し、より詳細には、天然ガスを燃料とする発電所において、バイオガス発生装置によって生成されたバイオガスを、天然ガスとともに燃料として発電を行うことにより、バイオガスを有効利用できるようにした地域電力エネルギ生成システムに関する。
従来、ガスエンジン発電機とバイオガス生成装置とを組み合わせることにより、比較的低いランニングコストで発電を行うとともに、地球環境を考慮して効率的にエネルギを生成することができるようにしたシステムが提案されている。
このような発電システムの一例が以下の特許文献1に記載されている。この例の発電システムにおいて、ガスエンジン発電機では、その燃料としてバイオガスを使用しており、一方、該燃料として使用するバイオガスを発生させるバイオガス発生装置の動力電源として、ガスエンジン発電機によって発生された電力を使用し、また、ガスエンジン発電機からの排熱を、バイオガス発生装置の加温に使用している。
特開2002−275482号公報
このような発電システムの一例が以下の特許文献1に記載されている。この例の発電システムにおいて、ガスエンジン発電機では、その燃料としてバイオガスを使用しており、一方、該燃料として使用するバイオガスを発生させるバイオガス発生装置の動力電源として、ガスエンジン発電機によって発生された電力を使用し、また、ガスエンジン発電機からの排熱を、バイオガス発生装置の加温に使用している。
ガスエンジン発電機の発電効率は、燃料として天然ガスを用いた場合に比べて、バイオガスを用いた場合の方が低い。例えば、6kWガスエンジン発電機では、天然ガスを用いた場合は発電効率が約26%であるが、バイオガスを用いた場合には発電効率が約20%であり、発電効率は6%程度低下する。
また、2003年4月から、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(通称、RPS法)」が施行され、この法律により、エネルギの安定供給及び環境保全に寄与するために、電気事業者に対して、一定割合以上の風力、太陽光、バイオマス等から発電される新エネルギの利用が義務づけられている。そして、新エネルギの利用義務を達成できない場合、電気事業者は、RPS電力証書、すなわち「新エネルギー等電気(電気価値+環境価値)」又は「新エネルギー等電気相当量(環境価値)」を他から購入することが義務づけられている。しかしながら、上記したバイオガス発電システムでは、発電された電力を電力網に供給していないので、RPS電力証書を取得することができない。
さらに、バイオガス発電システムを大型化しようとしても、バイオガス発生装置の消化漕の容量に限界があること及び糞尿の輸送距離が増大すること等により、実用化が困難である。
本発明は、従来例のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイオガスを天然ガス炊き発電所の燃料として用いることにより、発電端効率(LHV)を向上させるとともに、RPS電力証書を得ることができるようにすることである。
また、2003年4月から、電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(通称、RPS法)」が施行され、この法律により、エネルギの安定供給及び環境保全に寄与するために、電気事業者に対して、一定割合以上の風力、太陽光、バイオマス等から発電される新エネルギの利用が義務づけられている。そして、新エネルギの利用義務を達成できない場合、電気事業者は、RPS電力証書、すなわち「新エネルギー等電気(電気価値+環境価値)」又は「新エネルギー等電気相当量(環境価値)」を他から購入することが義務づけられている。しかしながら、上記したバイオガス発電システムでは、発電された電力を電力網に供給していないので、RPS電力証書を取得することができない。
さらに、バイオガス発電システムを大型化しようとしても、バイオガス発生装置の消化漕の容量に限界があること及び糞尿の輸送距離が増大すること等により、実用化が困難である。
本発明は、従来例のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バイオガスを天然ガス炊き発電所の燃料として用いることにより、発電端効率(LHV)を向上させるとともに、RPS電力証書を得ることができるようにすることである。
上記した目的を達成するために、本発明は、地域電力エネルギ生成システムであって、
天然ガスパイプラインと、
該天然パイプラインによって搬送されるガスを燃料として発電を行う発電所と、
複数のバイオガス発生装置と、
バイオガス発生装置によって発生されたバイオガスを天然ガスパイプラインに導く第1の配管と、
第1の配管に介挿され、第1の配管中のバイオガスを昇圧して、天然ガスパイプライン側に供給する圧縮機と
からなり、
発電所は、バイオガス発生装置によって発生されたバイオガスを天然ガスとともに燃料として使用して、発電を行う
ことを特徴とする地域電力エネルギ生成システムを提供する。
天然ガスパイプラインと、
該天然パイプラインによって搬送されるガスを燃料として発電を行う発電所と、
複数のバイオガス発生装置と、
バイオガス発生装置によって発生されたバイオガスを天然ガスパイプラインに導く第1の配管と、
第1の配管に介挿され、第1の配管中のバイオガスを昇圧して、天然ガスパイプライン側に供給する圧縮機と
からなり、
発電所は、バイオガス発生装置によって発生されたバイオガスを天然ガスとともに燃料として使用して、発電を行う
ことを特徴とする地域電力エネルギ生成システムを提供する。
上記した本発明に係る地域電力エネルギ生成システムはさらに、天然ガスパイプライン中の天然ガスをバイオガス発生装置に導く第2の配管と、第2の配管に介挿され、第2の配管中の天然ガスを中圧に減圧して、バイオガス発生装置側に供給する膨張タービンとを備え、バイオガス発生装置は、第2の配管中の天然ガスをバイオガス発生装置の燃料としてバイオガスを発生し、圧縮機は、膨張タービンの回収動力により駆動されることが好適である。
また、本発明に係る地域電力エネルギ生成システムにおいて、バイオガス発生装置は、蓄糞を処理してバイオガスを生成する蓄糞処理設備であることが好ましい。
また、本発明に係る地域電力エネルギ生成システムにおいて、バイオガス発生装置は、蓄糞を処理してバイオガスを生成する蓄糞処理設備であることが好ましい。
本発明は、上記したように構成されているので、バイオガス発電の発電端効率を向上させることができ、また、RPS電力証書販売による収入増加によりバイオガス発生装置の投資回収が向上する。さらに、等価的にバイオマス発電を増大させることができるので、化石燃料を節約することができる。
さらにまた、バイオガス発生装置の一種である蓄糞処理設備は、蓄糞野積みによる地下水汚染を防止するために必要な社会資本であり、また、天然ガスパイプラインもCO2削減効果の高い社会資本であるが、本発明によれば、これらの社会資本を有効に活用して良質な地域電力エネルギを提供することができる。
さらにまた、バイオガス発生装置の一種である蓄糞処理設備は、蓄糞野積みによる地下水汚染を防止するために必要な社会資本であり、また、天然ガスパイプラインもCO2削減効果の高い社会資本であるが、本発明によれば、これらの社会資本を有効に活用して良質な地域電力エネルギを提供することができる。
図1は、本発明の好適な実施形態の地域電力エネルギ生成システムを示すブロック図である。図1において、1はバイオガス発生装置、2は高効率のガスタービン複合発電所(天然ガス炊き)、3は膨張タービン(天然ガスを中圧に減圧)、4は昇圧用の圧縮機(バイオガスを高圧に昇圧)である。また、5は天然ガスパイプライン、6はバイオガス搬送用の配管(第1の配管)、7は中圧天然ガス搬送用の枝管(第2の配管)、8は電力網である。
天然ガスパイプラインの圧力は一般に高い(例えば、5MPaG程度)ことから、天然ガスをバイオガス発生装置1の燃料として供給し使用するためには、天然ガスを降圧するために膨張タービン3が必要であり、逆に、バイオガスを天然ガスパイプライン5で搬送するためには、バイオガスを昇圧するための圧縮機4が必要である。圧力比が大きい場合には、往復動ピストン型のものを用いることが好ましい。また、圧縮機4は、膨張タービン3の回収動力により、駆動されることが好ましい。
このような地域電力エネルギ生成システムにおいて、バイオガス発生装置1において発生されたバイオガスは、バイオガス配管6により搬送されて、昇圧用の圧縮機4により圧縮され、そして天然ガスパイプライン5に供給されて、該パイプライン中を、天然ガスと混合された状態で、ガスタービン複合発電所2まで搬送される。ガスタービン複合発電所2では、バイオガスが混入された天然ガスを燃料として発電を行い、発電された電力は電力網8を介して外部に供給される。
また、天然ガスパイプライン5中の天然ガスは、膨張タービン3により中圧に減圧され、天然ガス枝管7を介してバイオガス発生装置1に供給され、該装置において、燃料として使用される。
また、天然ガスパイプライン5中の天然ガスは、膨張タービン3により中圧に減圧され、天然ガス枝管7を介してバイオガス発生装置1に供給され、該装置において、燃料として使用される。
図1に示した地域エネルギ生成システムの具体例を以下に説明する。なお、以下の具体例は単なる一例であって、本発明がこれに限定されるものではないことは、言うまでもない。
また、地域エネルギ生成システムに具備される天然ガスを燃料とするガスタービン複合発電所2、天然ガスパイプライン5、電力網7が既に存在する地域であって、バイオガス発生装置1の配置に好適な地域に、本システムを構築すれば効率的である。そのため、以下においては、このような地域の一例として現存する地域を一例として説明する。
また、地域エネルギ生成システムに具備される天然ガスを燃料とするガスタービン複合発電所2、天然ガスパイプライン5、電力網7が既に存在する地域であって、バイオガス発生装置1の配置に好適な地域に、本システムを構築すれば効率的である。そのため、以下においては、このような地域の一例として現存する地域を一例として説明する。
サハリンから稚内までの約200kmの航路の海底に、口径500mm、設計圧力10MPaG、設計寿命30年、設計流量700万Nm3/日の天然ガスパイプラインが敷設されている。この天然ガスパイプラインに連続して、稚内から南に約200kmにある西名寄変電所付近に存在する出力400MWの天然ガス炊きガスタービン複合発電所2まで、鉄道廃線跡地及び国道に天然ガスパイプライン5を敷設する。
そして、後者のパイプラインすなわち陸上の天然ガスパイプライン5には、10km毎に、緊急遮断弁、膨張タービン3及び昇圧用の圧縮機4を備えたバルブステーションを配置する。バルブステーションの数は20カ所となる。
そして、後者のパイプラインすなわち陸上の天然ガスパイプライン5には、10km毎に、緊急遮断弁、膨張タービン3及び昇圧用の圧縮機4を備えたバルブステーションを配置する。バルブステーションの数は20カ所となる。
陸上の天然ガスパイプライン5は、宗谷及び上川地域を横断することになるが、これらの北部は牧畜が盛んな地域であり、宗谷地方の牛の数は78,000頭、上川地方の牛の数は41,000頭である。陸上の天然ガスパイプライン5に付設されたすべてのバルブステーションの付近に、メタンガス発酵装置を備えた蓄糞処理施設すなわちバイオガス発生装置1を配置する。バイオガス発生装置1の数も20となる。
上記した地域の全ての牛の糞を、20カ所の蓄糞処理設備数で処理するよう設定すると、1つの蓄糞処理設備当たりの処理能力は、
牛の数/設備数
=119,000/20
=約6,000頭
以上である必要がある。
上記した地域の全ての牛の糞を、20カ所の蓄糞処理設備数で処理するよう設定すると、1つの蓄糞処理設備当たりの処理能力は、
牛の数/設備数
=119,000/20
=約6,000頭
以上である必要がある。
牛の糞(1頭1日)からのバイオガスの生成量を1.7m3/(頭・日)とすると、1カ所のバイオガス発生装置1当たりのバイオガスの生成量は、
1.7m3/(頭・日)×6000頭
=10,200m3/日
となる。
バイオガスの成分は、メタンが約60V%、二酸化炭素が約40V%であるとすると、バイオガス1Nm3当たりの低位発熱量は、約21.5MJ/Nm3となる。
一方、天然ガスの低位発熱量は約36.8MJ/Nm3であり、上記地域の牛の蓄糞処理から得られる熱量は、天然ガス換算で、
5,959Nm3/日×20カ所
=119,000Nm3/日
となる。これを年間でみると、
119,000Nm3/日×365日
=43,435,000Nm3/年(天然ガス換算)
となる。
1.7m3/(頭・日)×6000頭
=10,200m3/日
となる。
バイオガスの成分は、メタンが約60V%、二酸化炭素が約40V%であるとすると、バイオガス1Nm3当たりの低位発熱量は、約21.5MJ/Nm3となる。
一方、天然ガスの低位発熱量は約36.8MJ/Nm3であり、上記地域の牛の蓄糞処理から得られる熱量は、天然ガス換算で、
5,959Nm3/日×20カ所
=119,000Nm3/日
となる。これを年間でみると、
119,000Nm3/日×365日
=43,435,000Nm3/年(天然ガス換算)
となる。
西名寄変電所付近に設置された天然ガス炊きガスタービン複合発電所2(出力400MW)の低位発熱量基準発電効率が57%とすると、必要な天然ガス量は68,580Nm3/hとなる。発電所の利用率を75%とすると、年間発電量は、
400MW×8,760h×0.75
=2,628,000MWh/年
となり、年間の天然ガス使用量は、
68,580Nm3/h×24h×365日×0.75
=450,571,000Nm3/年
となる。
400MW×8,760h×0.75
=2,628,000MWh/年
となり、年間の天然ガス使用量は、
68,580Nm3/h×24h×365日×0.75
=450,571,000Nm3/年
となる。
バイオガス発生量との比は、
43,435,000/450,571,000×100
=9.6%
となる。
バイオガスによる発電量は、
2,628,000MWh/年×0.096
=252,300MWh/年
となる。
一方、小規模6kW級のガスエンジンによるバイオガス使用時の発電効率を20%とすると、蓄糞処理により得られたバイオガスを利用した場合の発電量は88,500MWh/年にすぎない。これに対して、本発明によれば、上記したように、252,300MWh/年の発電量を得ることができ、小規模6kW級ガスエンジンを用いた場合に対比して、約3倍の発電量を得ることができる。
43,435,000/450,571,000×100
=9.6%
となる。
バイオガスによる発電量は、
2,628,000MWh/年×0.096
=252,300MWh/年
となる。
一方、小規模6kW級のガスエンジンによるバイオガス使用時の発電効率を20%とすると、蓄糞処理により得られたバイオガスを利用した場合の発電量は88,500MWh/年にすぎない。これに対して、本発明によれば、上記したように、252,300MWh/年の発電量を得ることができ、小規模6kW級ガスエンジンを用いた場合に対比して、約3倍の発電量を得ることができる。
現在商用化されている天然ガスを燃料とする発電方式のなかで最も発電効率が高いものは400MW級のガスタービン複合発電方式であり、バイオガスを最も効率よく電力変換することができる。しかしながら、搬送効率の観点から見ると、総延長200kmに散在する畜産農家から発電所まで蓄糞を輸送して該発電所でバイオガスを得ることは経済的ではない。そのため、本発明の一実施形態においては、上記したように、膨張タービン3及び圧縮機4を備えたバルブステーション毎にバイオガス発生装置1(蓄糞処理設備)を設けて、バイオガスを天然ガスパイプライン5で発電所に搬送する方式を採用している。
なお、バイオガス発生装置1と圧縮機4とを1対1に設ける代わりに、全てのバイオガス発生装置1を直列的に接続するようにバイオガス配管6を敷設し、収集したバイオガスを、天然ガスパイプライン5に最も近いバイオガス発生装置1の後段に配置したタンクに蓄蔵し、その後、圧縮機4を介して、バイオガスを天然ガスパイプライン5に投入するようにしてもよい。
また、すべてのバイオガス発生装置1用の天然ガスを1つの高圧プラントに蓄蔵し、その後膨張タービン3を介して、バイオガス発生装置1を直列的に接続するように敷設された天然ガス枝管7を介して、個々のバイオガス発生装置1に天然ガスを供給するようにしてもよい。
また、すべてのバイオガス発生装置1用の天然ガスを1つの高圧プラントに蓄蔵し、その後膨張タービン3を介して、バイオガス発生装置1を直列的に接続するように敷設された天然ガス枝管7を介して、個々のバイオガス発生装置1に天然ガスを供給するようにしてもよい。
バイオガスの原料として、上記例においては蓄糞を用いているが、蓄糞以外にも生ごみ等の適宜のバイオマスを利用することができる。バイオマスとして60%以上の含水量のものを利用することが好適であるが、廃材、もみがらなどの含有率が低いバイオマスが得られる地域では、バイオガス発生装置1において、部分酸化等のガス化方式により水素と一酸化炭素からなるドライ形バイオガスを発生させ、天然ガスパイプライン5に圧入すればよい。
天然ガスパイプライン5の沿線に石油化学工場が存在する場合には、これら工場で発生される副生ガスから必要電力及び蒸気を賄った後の剰余副生ガスを、天然ガスパイプライン1を介してガスエネルギの形態でガスタービン複合発電所1に搬送することができる。副生ガスは、石油化学工場で発生される他、廃プラ、廃材チップ、オイルコークスをガス化炉でガス化することによって得ることができる。この場合、ガス化炉への投入成分比率から、発生ガス中のバイオガス比率(=バイオマス燃料の入熱量/ガス化炉への総入熱量)が求められる。
バイオガス比率は、例えば、以下の手順により求めることができる。
・ガス化炉への投入燃料の重量を4半期毎に計算する。
・燃料毎の成分分析を4半期毎に実施し、燃料毎の低位発熱量を求める。
・燃料毎の重量と低位発熱量との積を合算し、4半期毎のガス化炉への総入熱量を得る。
・バイオガス由来の入熱量を、各バイオマスの投入重量と各バイオマスの低位発熱量との積を求め、これらを合算することにより得る。
・バイオガス由来の入熱量をガス化炉への総熱量で除算することにより、バイオガス比率を得る。
なお、RPS法では、投入熱量のうち、バイオマス由来のものだけを対象とし、化石燃料由来の廃プラスチックによる電力は、PRS証書の対象外となっている。したがって、バイオマス由来の発電量を求めるために、バイオガス比率を求めて、該バイオガス比率をガス化炉への総入熱量にバイオガス比率を乗算する必要がある。
・ガス化炉への投入燃料の重量を4半期毎に計算する。
・燃料毎の成分分析を4半期毎に実施し、燃料毎の低位発熱量を求める。
・燃料毎の重量と低位発熱量との積を合算し、4半期毎のガス化炉への総入熱量を得る。
・バイオガス由来の入熱量を、各バイオマスの投入重量と各バイオマスの低位発熱量との積を求め、これらを合算することにより得る。
・バイオガス由来の入熱量をガス化炉への総熱量で除算することにより、バイオガス比率を得る。
なお、RPS法では、投入熱量のうち、バイオマス由来のものだけを対象とし、化石燃料由来の廃プラスチックによる電力は、PRS証書の対象外となっている。したがって、バイオマス由来の発電量を求めるために、バイオガス比率を求めて、該バイオガス比率をガス化炉への総入熱量にバイオガス比率を乗算する必要がある。
1つの400MW級ガスタービン複合発電所を用いた本発明による地域電力エネルギ生成システムと、小規模6kWガスエンジン発電機を複数分散配置したシステム(分散配置システム)とを対比すると、発電量及びCO2削減効果は、以下の通りとなる。
発電量(本実施例のシステム/分散配置システム)
=252,300/88,500×100
=285%
CO2削減効果(本実施例のシステム/分散配置システム)
=285%
発電量(本実施例のシステム/分散配置システム)
=252,300/88,500×100
=285%
CO2削減効果(本実施例のシステム/分散配置システム)
=285%
上記において、本実施例のシステムによるCO2削減効果は、バイオガス由来の発電量(MWh)と、電気事業連合会より2001年度の火力発電所の平均CO2排出原単位として発表された0.6(t−CO2/MWh)との積を求め、
252,300×0.6=151,380(t−CO2/年)
として得たものである。一方、分散配置システムにおけるCO2削減効果は、複数のガスエンジン発電機それぞれのCO2削減効果を同様にして演算し、それらの合計を求めることにより得たものである。
太陽光発電1Kwの年間CO2削減量は、0.6(t−CO2)であるので、本実施例によるCO2削減効果は252,300KWの太陽光発電と同じであり、1戸当たり3KWとすると、約8万軒の太陽光発電に相当する。
252,300×0.6=151,380(t−CO2/年)
として得たものである。一方、分散配置システムにおけるCO2削減効果は、複数のガスエンジン発電機それぞれのCO2削減効果を同様にして演算し、それらの合計を求めることにより得たものである。
太陽光発電1Kwの年間CO2削減量は、0.6(t−CO2)であるので、本実施例によるCO2削減効果は252,300KWの太陽光発電と同じであり、1戸当たり3KWとすると、約8万軒の太陽光発電に相当する。
また、分散配置システムでは、発生された電力は自家消費されるため、RPS電力証書の対象外であるが、本発明のシステムにおいてはバイオガスが大型発電所の燃料として使用されるため、RPS電力証書(天然ガスの熱量比)が得られる。例えば、400MW級ガスタービン複合発電所の所内率(発生する電力に対する設備内で使用する電力の割合)を2%とすると、
RPS電力証書
=252,3000MWh/年×(100−2)/100
=247,300MWh/年
となる。
そして、RPS電力証書が9.0円/kWhで売却できたとすると、2,226百万円/年の収入が見込まれる。陸上の天然ガスパイプラインの建設コストは100百万円/km程度であるので、200km全体の総建築コスト20,000百万円は、単純計算で約9年で回収できることになる。
RPS電力証書
=252,3000MWh/年×(100−2)/100
=247,300MWh/年
となる。
そして、RPS電力証書が9.0円/kWhで売却できたとすると、2,226百万円/年の収入が見込まれる。陸上の天然ガスパイプラインの建設コストは100百万円/km程度であるので、200km全体の総建築コスト20,000百万円は、単純計算で約9年で回収できることになる。
Claims (3)
- 地域電力エネルギ生成システムにおいて、
天然ガスパイプラインと、
該天然パイプラインによって搬送されるガスを燃料として発電を行う発電所と、
複数のバイオガス発生装置と、
バイオガス発生装置によって発生されたバイオガスを天然ガスパイプラインに導く第1の配管と、
第1の配管に介挿され、第1の配管中のバイオガスを昇圧して、天然ガスパイプライン側に供給する圧縮機と
からなり、
発電所は、バイオガス発生装置によって発生されたバイオガスを天然ガスとともに燃料として使用して、発電を行う
ことを特徴とする地域電力エネルギ生成システム。 - 請求項1記載の地域電力エネルギ生成システムにおいて、該システムはさらに、
天然ガスパイプライン中の天然ガスをバイオガス発生装置に導く第2の配管と、
第2の配管に介挿され、第2の配管中の天然ガスを中圧に減圧して、バイオガス発生装置側に供給する膨張タービンと
を備え、
バイオガス発生装置は、第2の配管中の天然ガスをバイオガス発生装置の燃料としてバイオガスを発生し、
圧縮機は、膨張タービンの回収動力により駆動される
ことを特徴とする地域電力エネルギ生成システム。 - 請求項1又は2記載の地域電力エネルギ生成システムにおいて、バイオガス発生装置は、蓄糞を処理してバイオガスを生成する蓄糞処理設備であることを特徴とする地域電力エネルギ生成システム。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008156980A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Furutochi Kensetsu:Kk | 鉄道の廃線跡地の利用方法 |
WO2008119516A2 (de) * | 2007-04-02 | 2008-10-09 | Natcon7 Gmbh | Hybridanlage mit einer biogasanlage |
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2004
- 2004-07-12 JP JP2004204203A patent/JP2006029087A/ja active Pending
Cited By (4)
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