JP2006029026A - 内装用吸音パネルおよび吸音壁構造 - Google Patents

内装用吸音パネルおよび吸音壁構造 Download PDF

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Jun Uematsu
純 植松
Toshifumi Teramura
敏史 寺村
Noriki Matsuo
憲樹 松尾
Masashi Sakashita
雅司 坂下
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Abstract

【課題】
多孔質コンクリート系吸音パネルの表面から粉落ちを防止し、さらに、意匠性および吸音性能を向上させる内装用吸音パネルを提供する。
【解決手段】
直径0.3〜2mmの気孔が直径0.01〜1mmの連通孔により連結して形成される連続気孔の総容積がパネル全体積の30%以上を占め、かつ、かさ密度が250〜400kg/m3である多孔質コンクリート系吸音パネルの室内側表面が、通気度10〜100cm3/sec/cm2のシート状表面材により被覆されている内装用吸音パネルとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質コンクリート系吸音パネルの表面がシート状表面材により被覆されることにより、パネル表面のコンクリート粉の飛散や落下を防止し、さらに、意匠性および吸音性能を向上させる内装用吸音パネルに関する。
近年、住宅の洋風化が進み、ビニルクロス・フローリング・ブラインドといった音を反射しやすい内装仕上げが普及している。また、一方で、生活環境の快適さから高気密・高断熱性の住宅が普及しているとともに、遮音性に優れた壁材・工法が開発されていることにより、室内の音が外部に漏れない高い遮音機能を備えた住宅が求められている。また、このような住宅環境の状況から、室内において発生した音、話し声、テレビ・ラジオ等の音の反響が問題となってきている。
例えば、ホームシアタールームとして地下室を使用した場合、反響音が大きくなり過ぎて本来の音楽や音声を楽しむことができなくなる。このような反響音の問題は、一般住宅だけではなく、オフィス、ホテルなどの様々な場所で発生している。
この対策として、壁や天井等の一部として設置でき、室内の反響音を十分に調整し、しかも、機械的な衝撃にも強い剛性を備えた吸音材が求められていた。さらに、この剛性を備えた吸音材は室内に設置するため、その表面における意匠性も併せて要求されていた。
剛性を備えた強度のある吸音材として、多孔質コンクリート系吸音材が知られており、その技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
これらの多孔質コンクリート系吸音材は、ケイ酸質原料と石灰質原料とを主原料とする水スラリーに発泡剤、増粘剤および界面活性剤を添加して発泡および半硬化させた後に、その半硬化体をオートクレーブ養生することにより製造される。
この多孔質コンクリート系吸音材は、連続気孔の総容積がパネル全体積の30%以上を占め、そのかさ密度は250〜400kg/m3となっていた。
なお、特許文献1記載の吸音材の表面は平坦であり、他方特許文献2の吸音材パネルの表面には、深さおよび幅が連続的に変化する溝部が形成されており、その吸音材の吸音性能を向上させた構造となっている。
そして、これらの吸音材は高速道路、掘割、トンネル、工場建物など屋外の壁面や天井面などに取り付けられる。
また、板状多孔質吸音材の裏面側に繊維質裏打ち材を貼り付けた複合吸音材が、特許文献3により開示されている。
この複合吸音材は、セメント、珪酸カルシウムなどを発泡させた板状の多孔質吸音材の裏面側または側面に、繊維質の裏打ち材を貼り付けたものであり、トンネルや掘割式道路の屋外の壁面などに固定して道路用防音壁を構成するためのものである。
この裏打ち材は、吸音材の機械的衝撃に対する強度を向上させるともに、破損時に破片が脱落し難いことを目的として、接着剤により吸音材の裏面側に貼り付けられている。
さらに、特許文献4により繊維素材の心材(中材)が布帛状の表皮材で包皮された吸音材が知られている。
この吸音材は、心材および表皮材としてポリエルテルなどの合成繊維が使用されており、道路、鉄道、建築など屋外に設置されて排水性、耐候性、形状安定性等の向上を目的とした吸音材である。
特開平09−52778号公報 特開平10−317534号公報 特開平2000−148157号公報 特開平2002−180566号公報
しかし、上記各吸音材は屋外での使用を目的としているとともに、吸音性能を重視しているため、次に示すような問題点があった。
すなわち、特許文献1または特許文献2記載の多孔質コンクリート系吸音パネルは、吸音性能が阻害されないように通常は表面塗装がされないため、白色コンクリートの多孔質な地肌がそのまま吸音面に露出した状態で設置して使用される。
このため、この吸音材を内装壁として使用すると、室内が無機質な感じとなったり、また、かさ密度が大きく脆弱なコンクリートであるため、その表面部のコンクリート粉が飛散したり落下して室内の汚れが問題となる。
また、特許文献2の吸音材のように、吸音性能の向上を目的とする大柄な凹凸模様は、一般住宅の室内装飾用の壁に適用されるとその意匠に対する違和感が強く感じられる。
また、これらの問題点は、特許文献3に開示された複合吸音材であっても、室内側の吸音面において同様に発生する。
一方、特許文献4に記載された繊維素材の心材が布帛状の表皮材で包皮された吸音材は、内装用壁として一見適用できそうである。
しかし、この吸音材は心材および表皮材が繊維系であるために十分な剛性が得られない。そのため、表皮材に張力をかけながら心材の表面部へ張り付けると、その張力で心材の中央部が湾曲して折れ曲がったり、また吸音材の四角部分が丸くなり鮮明なエッジ部が形成されなくなる。この不具合は、吸音材の大きさ、すなわち表皮材の表面が大きくなればなるほど顕著となっていた。
さらに、表皮面への機械的衝撃あるいは経年に伴う繊維素材の劣化や伸び等によって、表面材の弛みやシワが一層多く発生するようになる。
壁一面に継ぎ目なくクロス等を貼り付ける住宅やホテルの内装において、この外観意匠(見栄え)が悪いことは致命的な問題となる。
また、グラスウール板に布などの表皮材を接着した吸音材は、低周波域の吸音性能が劣るため裏面側に空気層を設けると、さらに剛性の低い壁構造となるとともに、その壁構造が厚くなり室内の居住空間をより狭くする問題がある。
結果として、この繊維素材の吸音材は、シワや表面の平滑性があまり気にならない屋外や人目に付き難い部位に使用され、人や物による機械的な衝撃で弛みが発生し易い室内壁用としての採用は困難であった。
そこで、本発明の目的は上記問題点を解決して、意匠性に優れているとともに吸音性能が十分にある内装用吸音パネルを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するために、
直径0.3〜2mmの気孔が直径0.01〜1mmの連通孔により連結して形成された連続気孔の総容積がパネル全体積の30%以上を占め、かつ、かさ密度が250〜400kg/m3である多孔質コンクリート系吸音パネルの室内側表面が、通気度10〜100cm3/sec/cm2であるシート状表面材により被覆されている内装用吸音パネルを採用した。
さらに、次の項目を好ましい条件とした。
1)シート状表面材は、その表面から裏面まで通じる通過孔の径が0.5mm以下である。
2)シート状表面材は、布帛または紙からなる。
3)シート状表面材が、表面引っ張りによるシート浮き寸法が40mm以下で張着されている。
4)多孔質コンクリート系吸音パネル表面に複数の溝または凹部が形成されている。
5)その複数の溝または凹部に、繊維系吸音材がシート状表面材の裏面に至るまで充填されている。
そして、前記内装用吸音パネルが室内壁面に取付固定されている吸音壁構造も採用した。
本発明における貼着とは、多孔質コンクリート系吸音パネルの表面にシート状表面材をシート取付具、ビス、接着剤等で固定することを言い。張着とは、シート状表面材に張力を掛けて貼着することを言う。
表面引っ張りによるシート浮き寸法が40mm以下で、シート状表面材が張着されているとは、次の方法により計測された値を基準とする。
すなわち、図2(a)、(b)に示すように、一辺が10mm角、厚さ25mmの金属片5をシート状表面材3の表面中央部に接着剤で貼り付ける。
そして、金属片5に接合させたひも7をバネばかり6の先端フックに係止させて、5Nの力を維持しながら上方へ引き上げる。このとき、シート状表面材3の端部と中央部との高低差Sを測定し、その値を「表面引っ張りによるシート浮き寸法」とした。
また、本発明における内装用吸音パネルとは次の2つの状態を含む。
1)1枚の多孔質コンクリート系吸音パネルの室内側表面がシート状表面材により被覆されているもの。
2)複数枚の多孔質コンクリート系吸音パネルが集成され、その集成パネルの表面から構成される室内側全表面に跨って、大きなシート状表面材によって被覆されているもの。
本発明によれば、多孔質コンクリート系吸音パネルの表面が通気性を有するシート状表面材で被覆されているため表面コンクリートの粉落ちがなく、かつ、吸音性能も向上した内装用吸音パネルが得られる。
また、シート状表面材は常に平滑な状態でシワの発生がないため、住宅やホテル室内の壁面用として優れた効果を奏する。さらに、シート状表面材に色彩や模様を付加することにより意匠性に一層優れた内装用吸音パネルを得ることができる。
また、表面に複数の溝または凹部が形成された多孔質コンクリート系吸音パネルにシート状表面材を被覆させることにより、室内壁の外観は全く同じであっても吸音性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は、シート状表面材が多孔質コンクリート系吸音パネル表面に貼着される一実施例を示す斜視説明図である。図2は、表面引っ張りによるシート張力の測定方法を示す斜視説明図である。図3は、表面に溝または凹部を有する多孔質コンクリート系吸音パネルを示す正面図である。
図1に示すように、実施形態の内装用吸音パネル1は、多孔質コンクリート系吸音パネル1の室内側表面が通気性のあるシート状表面材3により被覆されている。
そして、この多孔質コンクリート系吸音パネル1は、直径0.3〜2mmの気孔が直径0.01〜1mmの連通孔により連結して形成された連続気孔の総容積がパネル全体積の30%以上を占めており、かつ、かさ密度が250〜400kg/m3の多孔質コンクリートである。
この多孔質コンクリート系吸音パネル1は、連続気孔の総容積がパネル全体積の30%以上を占めているため、吸音性能に優れている。そして、かさ密度が250〜400kg/m3であるため、壁体として使用可能な剛性がありシート状表面材3に張力をかけてパネル上に固定しても、その係止部分が破損することがなく、連続気孔の総容積も十分に確保される。
さらに、多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内側表面が、通気度10〜100cm3/sec/cm2のシート状表面材3で被覆されているため、パネル表面の機械的衝撃や摩擦により発生するコンクリート粉がパネル周囲に飛散や落下することが防止されるとともに、吸音性能が向上する。
そして、色彩や模様を備えたシート状表面材3で被覆した内装用吸音パネル1を室内の壁面に配設すると、優れた吸音性能とともに意匠性をも有する部屋とすることができる。
さらに、多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内側表面に、通気度10〜100cm3/sec/cm2のシート状表面材3を採用したことにより、315〜500Hzにおける吸音率が若干向上するという効果が認められた。
この理由は明らかではないが、多孔質コンクリート系吸音パネル2とシート表面材3との材質の違いや、多孔質コンクリート系吸音パネル2の気孔径よりもシート状表面材3の通過孔の径が小さいことが吸音率に影響していると考えられる。
また、所定の張力が掛かった状態で張着されたシート状表面材3の膜振動により、吸音率が向上している可能性もある。
この315〜500Hzにおける吸音率の向上は、表面材の通気度が小さいと顕著となり垂直入射吸音率が最大で0.1〜0.15程度(約20〜30%)向上する。しかし、あまり通気度を小さくし過ぎると、シート状表面材3が音を反射するようになり、800〜1000Hzにおける吸音率の低下してしまう。
これらの経験より、シート表面材3の通気度を10〜100cm3/sec/cm2とすることにより、周波数全般域に渡ってバランスのとれた吸音率が得られる。
シート状表面材3としては、布帛、紙、ビニール、金属膜、合成フィルムが使用でき、布帛や紙が吸音性および意匠性(高級な質感)が容易に得られて好ましい。その厚みは0.1〜1.0mmが耐久性、通気性の面から好ましい。
シート状表面材3は、織物でも不織布でも使用でき、織物の場合、天然繊維でも化学繊維でも良く、その織り方(平織り、綾織り、朱子織)に特に限定されない。
本発明における、多孔質コンクリート系吸音パネル2は、次のようにして製造される。
セメント等の水硬性粉体と珪石等のケイ酸質粉体とを主原料として、石膏を硬化調節材として添加する。そして、これらの粉体原料に、発泡剤(アルミニウム金属粉末)、気泡連結剤(界面活性剤)、粘度調節剤(増粘剤)および水を混合して混練してスラリーとし、型枠内に打設して発泡・硬化させた後に、その半硬化体をオートクレーブ養生して製造される。
さらに、起泡剤を使用してプレフォーム法またはミックスフォーム法により製造される気泡コンクリートや、セメントまたは有機質バインダーにより骨材、軽量骨材または繊維質材料を結合して製造される多孔質コンクリート系吸音パネルであっても良い。
そして、これらの製造方法により得られた多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内側表面にシート状表面材3を貼着して内装用吸音パネル1を作成する。この貼着作業は、出荷前に工場で予め実施しても、建築現場にて多孔質コンクリート系吸音材パネル2が室内壁面へ取り付け固定施工された後に実施しても良い。
単独の多孔質コンクリート系吸音パネルにシート状表面材を貼着する場合、通常は、吸音材1枚毎または数枚の集成パネルの表面にシート状表面材3が貼着される。このため、大型の内装用吸音パネル1の製作は難しい。
しかし、図1に示すように、多孔質コンクリート系吸音パネル1の側面や裏面を利用したシート取付具4、ビス止め、あるいは吸音パネル表面の気泡を埋めない程度の接着剤による貼着が簡単で、また、単品ユニットとしての取り扱いも容易である。
また、多孔質コンクリート系吸音材パネル2が室内壁面へ取り付け固定施工された後にシート状表面材を貼着する場合、複数枚の多孔質コンクリート系吸音パネル2が壁面に既に隙間無く取り付けられた状態では、その側面や裏面への取付具やビスの取付固定は困難となるが、その一方で、複数枚の多孔質コンクリート系吸音パネル2に跨って大きなシート状表面材3による被覆ができるようになり、各多孔質コンクリート系吸音パネル2間の継ぎ目のない優れた意匠の壁面を構築できる
一枚の多孔質コンクリート系吸音パネルまたは複数枚のパネルが合わされた集成多孔質コンクリート系吸音パネルの周縁部に、枠状に取り付けたシート取付具4にシート状表面材3の端を固定して、多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内側表面にシート状表面材3を貼着することにより、内装用吸音パネル1を製作することができる。また、多孔質コンクリート系吸音パネル2の表面にシート取付具4を埋め込んでシート状表面材を貼着する方法も可能である。
なお、多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内壁面への取り付けは、取付金具、ビス止めなどの従来の方法が利用できる。
シート状表面材3の表面から裏面まで通じる通過孔の径が0.5mm以下であると、多孔質コンクリート吸音パネル2の表面から出た粉がシート状表面材3の内部でほとんど捕獲されて、内装用吸音パネル1から外部へ飛散することがなくなる。
さらに、濃い色のシート状表面材3により多孔質コンクリート系吸音パネル2が被覆されても、コンクリート地の白色が表面に透けてできる斑点模様はなくなる。また、複数枚で集成されたパネル表面が、薄い色または明るい色の大きなシート状表面材3により被覆されても、パネル間の目地部が透けてスジ模様が内装用吸音パネル1の表面に浮き出ることもなくなる。
なお、伸縮性の高いシート状表面材3については、その通過孔の径が0.3mm以下であることが好ましい。
表面引っ張りによるシート浮き寸法が40mm以下で多孔質コンクリート系吸音パネル2の表面にシート状表面材3が(張力がかかった状態で)張着されていると、張着時にシート表面材3が弛まないとともに、将来、機械的衝撃があってもシワや弛みが生じ難くくなるため、シート表面材3の優れた意匠性がいつまでも保たれるようになる。
シート状表面材3は、その材質にかかわらず表面引っ張りによるシート浮き寸法を40mm以下とすることが好ましい。
シート状表面材3は引っ張られた状態で貼着されているため、伸縮率の高い繊維であっても弛みやシワ等の発生を十分に無くすことが可能となる。
また、耐久性、色あせ防止の面から合成繊維が好ましく、その中でも寸法安定性や難燃性に優れたポリエステル系の布帛が最も望ましい。
単体の多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内側表面(幅:400mm〜800mm未満)にシート状表面材3を張着する場合は、表面引っ張りによるシート浮き寸法を25mm以下とすることが好ましく、さらに10mm以下が望ましい。
複数枚の多孔質コンクリート系吸音パネル2から成る集成パネル(幅:800mm〜3000mm)の室内側全表面に跨って大きなシート状表面材3を張着する場合は、表面引っ張りによるシート浮き寸法を40mm以下とすることが好ましく、さらに20mm以下が望ましい。
また、図3に示すように、複数の溝または凹部2aがパネル表面に形成されている多孔質コンクリート系吸音パネル2にシート状表面材3を貼張することにより、同一壁面であっても、その外観意匠は変えないで吸音性能を向上させることが可能となる。
さらに、繊維系吸音材(図示せず)が、それらの複数の溝または凹部2aにシート状表面材3の裏面に至るまで充填されていると、シート状表面材3が表面が側から押されても、窪んだり弛むことがなく吸音性能も向上して望ましい。
これらの内装用吸音パネル1が室内壁面に取付固定されている吸音壁構造であると、その室内の吸音性能とともに意匠性が十分に確保される。
さらに、色彩や模様に優れたシート状表面材3が使用されると、室内壁面の意匠性がより向上して優れた居住空間となる。
このとき、複数枚の多孔質コンクリート系吸音パネル2が同一壁面に取り付け固定された壁面全体に跨って、大きなシート状表面材3で被覆された吸音壁構造とすると、さらに望ましい。
以下、本発明の実施例および比較例を説明する。
ケイ酸質原料として珪石粉末51重量%、石灰質原料として早強セメント47重量%、および石膏2重量%からなる固形分100重量%を主原料とし、これに対して(外割として)軽量気泡コンクリートの半硬化物5重量%と水78重量%、そして増粘剤としてメチルセルロース0.4重量%を添加し、混合攪拌を2分間して一次スラリーを得る。
この一次スラリーに発泡剤として金属アルミニウム粉末0.12重量%、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン0.5重量%を添加し、均一に混合攪拌して温度を40℃に調整した2次スラリーを得る。
そして、この2次スラリーを補強材(ラス網)がセットされた型枠内に打設した後、40℃に保持されたヤード内に静置して発泡・硬化させ、脱型可能な硬さの半硬化体を得た。
脱型した半硬化体をピアノ線で切断した後、温度180℃、圧力10気圧の条件で4時間オートクレーブで養生し、完全に硬化した長さ1800mm×幅600mm×厚さ50mmの多孔質コンクリート系吸音パネル2を得た。
この多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内側となる表面に、図1に示すように、ポリエステル100%からなる平織りの布帛3を張着して内装用吸音パネル1を得た。
このポリエステル布帛3は、青色で、その通気度が25.4cm3/sec/cm2、通過孔の径が0.3mm以下のものを使用し、表面引っ張りによるシート浮き寸法を20mmとした。
また、ポリエステル布帛3の張着方法は、図1に示すように、先ず、多孔質コンクリート系吸音パネル2の室内表面側の4方の周縁部をシート取付具4(川島織物社製FAB−ACE用ジョイナー)が収納されるように切削し、その切削された部位へシート取付具4を収めるとともにタッカーでパネル表面に固定する。
そして、取付具4の溝4aにポリエステル布帛3の端部3aを挿入し挟み込ませて固定する。この状態で、表面引っ張りによるシート浮き寸法が20mmとなるように布帛3の端部3aの挿入量を調整した。
そして、この内装用吸音パネル1の吸音率、粉落ち、および外観意匠について評価した。(実施例2および比較例1〜4についても同様に評価した。)
その結果は、表1に示すように、シート状表面材無しのもの(比較例1)と比べて、800Hz,1000Hzにおける垂直入射吸音率は、その値が若干減少したが実質的な吸音性能に問題はなく、400Hzにおいては吸音率が向上していた。また、粉落ちもコンクリート地の白色の透けも見られず、張着された布帛3にシワもなく意匠も良好であった。
多孔質コンクリート系吸音パネル2の表面に、ポリエステル100%からなる朱子織で白色の布帛3を、実施例1と同様のシート取付具4により張着して内装用吸音パネル1を得た。
この布帛3の通気度は26.3cm3/sec/cm2、通過孔の径は0.1mm以下のものを使用した。
ポリエステル布帛3の張着方法は、実施例1と同様の方法で、表面引っ張りによるシート浮き寸法が20mmとなるように調整した。
その結果は、表1に示すように、吸音率はシート状表面材無しのもの(比較例1)と比べて、実施例1と同様に、中高音域での垂直入射吸音率は若干減少したが、低音域での吸音率は向上した。
また、粉落ちもコンクリート地の白色の透けも見られなかった。さらに、張着された布帛3にシワはなく意匠も良好であった。
[比較例1]
シート状表面材を貼着しない多孔質コンクリート系吸音パネル単体の吸音率を測定して、その結果を表1に示した。
[比較例2]
シート状表面材3として、青色、通気度8.7cm3/sec/cm2、通過孔の径0.1mm以下のポリエステル100%からなる平織りの布帛を使用して、表面引っ張りによるシート浮き寸法を20mmとした以外は、実施例1と同様の条件とした。
その結果、表1に示すように、粉落ち、シワ、およびコンクリートの白地の透けについては問題なかったが、中音域における吸音率の低下が見られた。
[比較例3]
シート状表面材3として、白色、通気度25.4cm3/sec/cm2、通過孔の径0.3mm以下のポリエステル100%からなる平織りの布帛を使用して、表面引っ張りによるシート浮き寸法を50mmとした以外は、実施例1と同様の条件とした。
その結果、表1に示すように、吸音率、粉落ち、およびコンクリートの白地の透けについては問題なかったが、布帛の中央部に弛み(シワ)が発生していた。
[比較例4]
シート状表面材3として、青色、通気度145.0cm3/sec/cm2、通過孔の径0.6mm以下のポリエステル100%からなる平織りの布帛を使用して、表面引っ張りによるシート浮き寸法を20mmとした以外は、実施例1と同様の条件とした。
その結果、表1に示すように、吸音率とシワについて問題はなかった。しかし、コンクリートの粉が内装用吸音パネル1の布帛表面から出てくるとともに、内部コンクリート地の白色が透けていた。
Figure 2006029026
なお、内装用吸音パネルの吸音率は、JIS A 1409 残響室法吸音率の測定方法に準じて計測した。
本発明の具体的な構成は、これら実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
本発明によれば、オフィス、ホテル、あるいは一般住宅において、吸音性能および意匠性に優れた内装壁を構築することができる。
本発明における一実施例を示す斜視説明図。 (a)本発明におけるシート張力の測定方法を示す斜視説明図。 (b)本発明におけるシート張力の測定方法を示す側面説明図。 (a)本発明における表面に溝または凹部を有する多孔質コンクリート系吸音パネルを示す正面図。 (b)(a)におけるA−A断面図。 (c)(a)におけるB−B断面図。
符号の説明
1 内装用吸音パネル
2 多孔質コンクリート系吸音パネル
2a 溝または凹部
3 シート状表面材
3a 端部
4 シート取付具
4a 溝
5 金属片
6 バネばかり
6a フック
7 ひも

Claims (7)

  1. 直径0.3〜2mmの気孔が直径0.01〜1mmの連通孔により連結して形成された連続気孔の総容積がパネル全体積の30%以上を占め、かつ、かさ密度が250〜400kg/m3である多孔質コンクリート系吸音パネルの室内側表面が、通気度10〜100cm3/sec/cm2のシート状表面材により被覆されていることを特徴とする内装用吸音パネル。
  2. シート状表面材は、その表面から裏面まで通じる通過孔の径が0.5mm以下である請求項1記載の内装用吸音パネル。
  3. シート状表面材は、布帛または紙からなる請求項1または2記載の内装用吸音パネル。
  4. シート状表面材は、表面引っ張りによるシート浮き寸法が40mm以下となるように張着されている請求項1、2または3記載の内装用吸音パネル。
  5. 多孔質コンクリート系吸音パネル表面に複数の溝または凹部が形成されている1〜4のいずれか1項に記載の内装用吸音パネル。
  6. 複数の溝または凹部に繊維系吸音材がシート状表面材の裏面に至るまで充填されている請求項5記載の内装用吸音パネル。
  7. 請求項1〜6の内装用吸音パネルが室内壁面に取付固定されている吸音壁構造。
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