JP2006026605A - 水素酸化触媒及び燃料電池電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高価な白金触媒の代替となる水素酸化触媒を提供する。
【解決手段】 μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置されたことを特徴とする水素酸化触媒。μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒。μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置され、かつ、前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒。及びこれら水素酸化触媒を用いた燃料電池電極。
【選択図】 図1
【解決手段】 μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置されたことを特徴とする水素酸化触媒。μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒。μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置され、かつ、前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒。及びこれら水素酸化触媒を用いた燃料電池電極。
【選択図】 図1
Description
本発明は、優れた水素酸化活性を有する水素酸化触媒及びその製造方法に関する。また、水素酸化触媒をアノード極の触媒層に有する燃料電池電極、及び水素酸化触媒をカソード極のカソード拡散層に分散させた燃料電池電極に関する。
高分子電解質型燃料電池の燃料として、炭化水素、メタノールの改質ガスを用いる場合、水素、二酸化炭素以外に数十ppm程度の一酸化炭素が混入する。この一酸化炭素は、アノードの白金触媒を被毒するため、アノード用触媒としてはルテニウムと白金を合金化させた触媒が用いられる。この合金触媒では、ルテニウム上に生成したヒドロキシル基により、白金に吸着した一酸化炭素が酸化され、触媒活性が良好に保たれる。
具体的には、アノード触媒としては、白金−ルテニウムを含む貴金属をカーボンブラックに担持した触媒が用いられてきた。白金−ルテニウム担持カーボンブラックは、塩化白金酸水溶液に、亜硫酸水素ナトリウムを加えた後、過酸化水素水と反応させ、生じた白金コロイドをカーボンブラックに吸着させ、洗浄後、必要に応じて熱処理し、次にルテニウムを担持させて、その後加熱により合金化させることにより調製する手法が一般的である。高分子電解質型燃料電池では、白金−ルテニウム担持カーボンブラックを高分子電解質溶液に分散させてペーストとし、そのペーストをカーボンペーパーなどのガス拡散電極に塗布し、乾燥した後、2枚のガス拡散電極で高分子電解質膜をはさみ、ホットプレスをすることにより電解質膜−電極接合体(MEA)が製造される。
高分子電解質型燃料電池を実用化する上での課題の一つは、材料コストである。これを解決する手段の一つが白金量の低減である。アノード触媒として白金−ルテニウム合金が用いられ、白金とルテニウムのモル比は1:1近くが良好とされている。一般に、白金−ルテニウム触媒は、白金粒子をカーボンブラックに担持してから、ルテニウムを担持させて、その後加熱により合金化させる手法により調製されている。ルテニウムは、白金よりもイオン化傾向が大きいため、ルテニウム担持の際白金が溶出することを防ぐためこの手法がとられているのである。しかし、このような調製法によると、白金触媒をある程度の大きさの粒子にしないと合金化が不十分となるなどの問題がある。このような理由により、燃料極に供給する燃料中に一酸化炭素を酸化するための空気を混入させない場合、アノードの白金の量は0.2〜0.5mg/cm2以上必要であるといわれている。
ところで、高分子電解質型燃料電池においては、電池反応によって固体高分子電解質膜と電極の界面に形成された触媒層において過酸化物が生成し、生成した過酸化物が拡散しながら過酸化物ラジカルとなって電解質を劣化させる。例えば、燃料電池では燃料極で燃料の酸化、酸素極で酸素の還元が行われるが、水素を燃料とし、酸性の電解質を用いる場合の理想的な反応は、下記(1)式及び(2)式に示したように表される。
アノード(水素極):H2→2H++2e− …(1)
カソード(酸素極):2H++2e−+(1/2)O2→H2O …(2)
アノード(水素極):H2→2H++2e− …(1)
カソード(酸素極):2H++2e−+(1/2)O2→H2O …(2)
アノードで式(1)の反応により生成した水素イオンは、H+ (XH2O)の水和状態で固体高分子電解質膜を透過(拡散)し、膜を透過した水素イオンは、カソードで式(2)の反応に供される。このアノード及びカソードにおける電極反応は、固体高分子電解質膜に密着した電極触媒層を反応サイトとし、当該電極触媒層における触媒と固体高分子電解質膜との界面で進行する。
しかしながら、実際の燃料電池ではこれらの主反応の他に副反応が起こる。その代表的なものが過酸化水素(H2O2)の生成である。その生成のメカニズムについては必ずしも完全に理解されているわけではないが、考えられるメカニズムは次のようである。すなわち、過酸化水素の生成は水素極、酸素極どちらの極でも起こりうるものであり、例えば、酸素極では、酸素の不完全還元反応により次に示した式によって過酸化水素が生じると考えられる。
O2+2H++2e−→2H2O2…(3)
O2+2H++2e−→2H2O2…(3)
また、水素極では、ガス中に不純物としてあるいは意図的に混ぜることによって入っている酸素、もしくは酸素極で電解質にとけ込み水素極に拡散してきた酸素が反応に関与すると考えられ、その反応式は上記(3)式と同一か、もしくは次に示した式で表されると考えられる。
2M-H+O2−→2M+H2O2…(4)
2M-H+O2−→2M+H2O2…(4)
ここで、Mは、水素極に用いられている触媒金属を示し、M-Hはその触媒金属に水素が吸着した状態を示す。通常触媒金属には白金(Pt)等の貴金属が用いられる。
これらの電極上で発生した過酸化水素は、電極から拡散等のため離れ、電解質中に移動する。この過酸化水素は酸化力の強い物質で、電解質を構成する多くの有機物を酸化する。その詳しいメカニズムは必ずしも明らかになっていないが、多くの場合、過酸化水素がラジカル化し、生成した過酸化水素ラジカルが酸化反応の直接の反応物質になっていると考えられる。すなわち、次式のような反応で発生したラジカルが、電解質の有機物から水素を引き抜いたり、他の結合を切断すると考えられる。ラジカル化する原因は、必ずしも明らかでないが、重金属イオンとの接触が触媒作用を有していると考えられている。このほか、熱、光等でもラジカル化すると考えられる。
H2O2→2・OH
又は
H2O2→・H+・OOH
H2O2→2・OH
又は
H2O2→・H+・OOH
燃料電池システムにおいて、アノードに水素、カソードに酸素がある状態でガスの流通を停止し、無負荷状態(開回路状態)で放置するとアノードから透過する水素ガスにより燃料電池の発電性能が経時的に低下する。この問題に対しての従来技術として、下記特許文献1では、透過水素により発生したラジカルを「分解」、「不活性化」、「トラップ+不活性化」する化合物を、電解質内部に添加することにより、ラジカルによる燃料電池の劣化を防いでいる。具体的には、固体高分子電解質中に、過酸化物を接触分解する酸化マンガン、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化イリジウム、酸化鉛などの遷移金属酸化物を分散配合するか、過酸化物のラジカル化を阻止するスズ化合物のような過酸化物安定剤を分散配合するか、あるいは発生した過酸化物ラジカルをトラップして不活性化するフェノール性水酸化基を有する化合物を配合している。
一方、下記特許文献2には、白金等の貴金属を用いない新規な酸素還元錯体触媒として、μ−オキソ二核鉄(III)錯体が、テトラフェニルポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、プロトポルフィリンIXのような大環状配位子をもって構成された錯体系が開示されている。
特開2001−118591号公報
特開平10−249208号公報
特許文献1に記載の、ラジカルを「分解」、「不活性化」、トラップ+不活性化」する化合物を添加する方法では、(1)電解質膜の伝導度の低下する恐れがあり、(2)電解質膜が汚染する恐れがあり、(3)「トラップ+不活性化」に関しては、添加量分が消費されれば劣化防止機能は無くなる、という問題があった。又、特許文献2に記載の、大環状配位子を有する非貴金属触媒は活性が充分ではなかった。
そこで、本発明は、高い活性を有する水素酸化触媒を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、高い活性を有する水素酸化触媒を提供することを目的とする。
本発明者は、自然界に存在する酵素ミメティク触媒(金属錯体触媒)に着目し、これを高効率の水素酸化触媒に改質することにより、本発明に到達した。
即ち、自然界には、メタン資化菌と呼ばれる微生物が生育している。メタン資化菌が保有している金属酵素メタンモノオキシゲナーゼ(MMO)は、高い酸化力を有している。その活性中心構造は、EXAFS等の分光法及びX線結晶構造解析により、二核鉄錯体構造から構成されていることが明らかにされている。本発明の水素酸化触媒は、二核鉄錯体に代表されるμ−オキソ遷移金属錯体を用いるものである。
第1に、本発明は、μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置されたことを特徴とする水素酸化触媒である。配位子を介することによって、μ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面との距離を調整しつつ固定できるので、この配位子が電子の通路となって、その水素酸化活性を向上させる。また、配位子を介することに加えて、前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基を配置させることによって、水素酸化活性を更に向上させることが出来る。炭素数6〜10である疎水基を触媒の活性中心であるμ−オキソ遷移金属錯体の周囲に設けることにより、水で変性されやすいμ−オキソ遷移金属錯体を保護するとともに、水素酸化反応時に活性中心から酸、水分を除去することが可能となる。後述するように、疎水性基の炭素数6〜10は本発明者が見出した最適長さである。
ここで、前記μ−オキソ遷移金属錯体としては、μ−オキソ二核鉄(III)錯体またはμ−オキソ二核ニッケル(III)錯体が好ましく例示される。また、前記配位子としては、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子が好ましく例示される。
更に、前記疎水性基としては、炭素数6〜10のアルキルトリエトキシシラノ基が好ましく例示される。
第2に、本発明は、μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒である。カーボン等の導電性担体の表面を親水処理することにより、担体表面の活性サイトが増加し、これにより、水素酸化活性が向上する。親水処理としては、硝酸処理、プラズマ処理等のカーボン担体表面改質法が好ましく例示される。
第3に、本発明は、上記第1の発明と第2の発明を組み合わせたもので、μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置され、かつ、前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒である。炭素数6〜10である疎水性基と、導電性担体表面の親水処理を併用することによって、水素酸化性能が更に向上する。
第4に、本発明は、上記の水素酸化触媒をアノード極の触媒層に有することを特徴とする燃料電池電極である。
第5に、本発明は、上記の水素酸化触媒をカソード極の拡散層に分散させたことを特徴とする燃料電池電極である。具体的には以下の態様が挙げられる。(1)導電性担体に配位子を用いて固定され、かつ炭素数6〜10である疎水基で修飾されたμ−オキソ遷移金属錯体触媒が、拡散層マトリックス中に混合されている、(2)μ−オキソ遷移金属錯体触媒が、拡散層の親水処理されたカーボン材に配位子を用いて固定されている、(3)μ−オキソ遷移金属錯体触媒が、拡散層のカーボン材に配位子を用いて固定され、かつ炭素数6〜10である疎水基により修飾されている、(4)親水処理された導電性担体に配位子を用いて固定され、かつ炭素数6〜10である疎水基で修飾されたμ−オキソ遷移金属錯体触媒が、酸素極触媒層に混合されている。前述の通り、過酸化水素は燃料電池の酸素極の劣化要因の一つであるが、2核鉄錯体のようなμ−オキソ遷移金属錯体触媒は過酸化水素分解能を有するために、燃料電池の劣化抑制に効果がある。
第6〜8に、本発明は、水素酸化触媒の製造方法であり、配位子と導電性担体を溶媒の存在下に混合して配位子固定導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体に炭素数6〜10である疎水性基含有シラン化合物を反応させ配位子固定疎水化導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体とμ−オキソ遷移金属錯体を反応させμ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面に配位子を介して固定化する工程とを含む。又、導電性担体の表面を親水処理する工程と、配位子と前記導電性担体を溶媒の存在下に混合して配位子固定導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体とμ−オキソ遷移金属錯体を反応させμ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面に配位子を介して固定化する工程とを含む。更に、導電性担体の表面を親水処理する工程と、配位子と前記導電性担体を溶媒の存在下に混合して配位子固定導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体に炭素数6〜10である疎水性基含有シラン化合物を反応させ配位子固定疎水化導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体とμ−オキソ遷移金属錯体を反応させμ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面に配位子を介して固定化する工程とを含む。
第1の発明と同様に、前記μ−オキソ遷移金属錯体としては、μ−オキソ二核鉄(III)錯体またはμ−オキソ二核ニッケル(III)錯体が好ましく例示される。また、前記配位子としては、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子が好ましく例示される。更に、前記疎水性基含有シラン化合物としては、炭素数6〜10であるアルキルトリエトキシシランが好ましく例示される。
本発明によれば、高価な白金触媒の代替となる水素酸化触媒が得られる。また、この水素酸化触媒を用いることにより、優れた特性の燃料電池電極を得ることができる。特に、過酸化水素は燃料電池の酸素極の劣化要因の一つであるが、2核鉄錯体のようなμ−オキソ遷移金属錯体触媒は過酸化水素分解能を有するために、燃料電池の劣化抑制に効果がある。
図1に、本発明の水素酸化触媒の模式図を示す。図1は、μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に疎水性基が配置されている状態を示している。ここで、μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基を配置させることによって、水で変性されやすいμ−オキソ遷移金属錯体を保護するとともに、水素酸化反応時に活性中心から酸、水分を効率良く除去することが可能となり、水素酸化活性を更に向上させることが出来る。
以下、本発明を実施例により説明する。
[μ−オキソ遷移金属錯体]
下記化学式1で示されるμ−オキソ遷移金属錯体(遷移金属=Fe)を合成した。
[μ−オキソ遷移金属錯体]
下記化学式1で示されるμ−オキソ遷移金属錯体(遷移金属=Fe)を合成した。
[導電性担体]
導電性担体として、カーボン担体:Ketjen ECを用い、上記μ−オキソ遷移金属錯体を3モル%吸着させた(比較例)。上記カーボン担体について、プラズマ処理を、圧力:40torで、10時間行った(実施例)。図2に、FT−IRによる評価結果を示す。図2に示されるように、プラズマ処理を行った実施例のカーボン担体には、1500〜1000cm−1に、親水性官能基であるCOO−及びC−Oのピークが見られた。
導電性担体として、カーボン担体:Ketjen ECを用い、上記μ−オキソ遷移金属錯体を3モル%吸着させた(比較例)。上記カーボン担体について、プラズマ処理を、圧力:40torで、10時間行った(実施例)。図2に、FT−IRによる評価結果を示す。図2に示されるように、プラズマ処理を行った実施例のカーボン担体には、1500〜1000cm−1に、親水性官能基であるCOO−及びC−Oのピークが見られた。
[配位子]
遷移金属錯体と導電性担体を結合するために、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子を用いた。図3に、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子の合成スキームを示す。
遷移金属錯体と導電性担体を結合するために、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子を用いた。図3に、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子の合成スキームを示す。
[配位子固定化カーボン]
導電性担体として、カーボン担体Vulcan XC72(キャボット社製)を用い、上記モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子をカーボン担体上に固定化した。図4に、カーボン担体への配位子固定化手順を示す。また、図5に、配位子固定化カーボンの概念図を示す。
導電性担体として、カーボン担体Vulcan XC72(キャボット社製)を用い、上記モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子をカーボン担体上に固定化した。図4に、カーボン担体への配位子固定化手順を示す。また、図5に、配位子固定化カーボンの概念図を示す。
[配位子固定化カーボンへの錯体触媒の導入]
上記配位子固定化カーボンに上記化学式1のμ−オキソ遷移金属錯体を導入した。図6に、配位子固定化カーボンへの錯体触媒の導入手順を示す。また、図7に、錯体触媒導入後の触媒構造の概念図を示す。
上記配位子固定化カーボンに上記化学式1のμ−オキソ遷移金属錯体を導入した。図6に、配位子固定化カーボンへの錯体触媒の導入手順を示す。また、図7に、錯体触媒導入後の触媒構造の概念図を示す。
[疎水基の導入]
疎水基として炭素数10のアルキルトリエトキシシランを用いた。図8に、配位子固定化カーボンへの疎水基の導入手順を示す。また、図9に、疎水基導入後の触媒構造の概念図を示す。
疎水基として炭素数10のアルキルトリエトキシシランを用いた。図8に、配位子固定化カーボンへの疎水基の導入手順を示す。また、図9に、疎水基導入後の触媒構造の概念図を示す。
[水素酸化活性評価]
下記の条件で、水素酸化活性を評価した。結果を表1に示す。
電気化学測定システム:Solartron
セル容器:パイレックスガラス(BASサンプルバイアル)
作用電極:GC電極(BAS 電極外径6mmφ、GCディスク直径3mmディスク、
電極面積0.07cm2)
対極:Pt線(BAS)
参照電極:Ag/Clsat.KCl(BAS RE−6)(測定後RHEで校正)
電解溶液:0.5M硫酸水溶液
触媒塗布量(計算値):触媒分散エタノール溶液71μg/cm2
下記の条件で、水素酸化活性を評価した。結果を表1に示す。
電気化学測定システム:Solartron
セル容器:パイレックスガラス(BASサンプルバイアル)
作用電極:GC電極(BAS 電極外径6mmφ、GCディスク直径3mmディスク、
電極面積0.07cm2)
対極:Pt線(BAS)
参照電極:Ag/Clsat.KCl(BAS RE−6)(測定後RHEで校正)
電解溶液:0.5M硫酸水溶液
触媒塗布量(計算値):触媒分散エタノール溶液71μg/cm2
[疎水性基の炭素数評価]
疎水性基として炭素数6〜12のアルキルトリエトキシシランを用いた。親水処理なしの導電性担体と親水処理ありの導電性担体を用いた。上記と同様の条件で、水素酸化活性を評価した。結果を図10に示す。図10(a)及び図10(b)より、疎水性基として炭素数6〜10が最適であることが分かる。
疎水性基として炭素数6〜12のアルキルトリエトキシシランを用いた。親水処理なしの導電性担体と親水処理ありの導電性担体を用いた。上記と同様の条件で、水素酸化活性を評価した。結果を図10に示す。図10(a)及び図10(b)より、疎水性基として炭素数6〜10が最適であることが分かる。
これらの結果より、本発明のμ−オキソ遷移金属錯体触媒が、優れた過酸化水素分解活性を有することが分かる。又、本発明のμ−オキソ遷移金属錯体触媒を有する燃料電池は優れた発電性能を示すことが期待できる。
本発明によれば、高価な白金触媒の代替となる水素酸化触媒が得られる。また、この水素酸化触媒を用いることにより、優れた特性の燃料電池電極を得ることができる。これにより、燃料電池の普及に貢献する。
Claims (16)
- μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置されたことを特徴とする水素酸化触媒。
- μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、かつ前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒。
- μ−オキソ遷移金属錯体が導電性担体表面に配位子を介して固定化され、前記μ−オキソ遷移金属錯体の近傍に炭素数6〜10である疎水性基が配置され、かつ、前記導電性担体表面に親水処理が施されていることを特徴とする水素酸化触媒。
- 前記μ−オキソ遷移金属錯体が、μ−オキソ二核鉄(III)錯体またはμ−オキソ二核ニッケル(III)錯体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水素酸化触媒。
- 前記配位子が、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水素酸化触媒。
- 前記疎水性基が、炭素数6〜10のアルキルトリエトキシシラノ基であることを特徴とする請求項1、3乃至5のいずれかに記載の水素酸化触媒。
- 前記親水処理が、硝酸処理及び/又はプラズマ処理のカーボン担体表面改質法であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の水素酸化触媒。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の水素酸化触媒をアノード極の触媒層に有することを特徴とする燃料電池電極。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の水素酸化触媒をカソード極のカソード拡散層に分散させたことを特徴とする燃料電池電極。
- 配位子と導電性担体を溶媒の存在下に混合して配位子固定導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体に炭素数6〜10である疎水性基含有シラン化合物を反応させ配位子固定疎水化導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体とμ−オキソ遷移金属錯体を反応させμ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面に配位子を介して固定化する工程とを含む水素酸化触媒の製造方法。
- 導電性担体の表面を親水処理する工程と、配位子と前記導電性担体を溶媒の存在下に混合して配位子固定導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体とμ−オキソ遷移金属錯体を反応させμ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面に配位子を介して固定化する工程とを含む水素酸化触媒の製造方法。
- 導電性担体の表面を親水処理する工程と、配位子と前記導電性担体を溶媒の存在下に混合して配位子固定導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体に炭素数6〜10である疎水性基含有シラン化合物を反応させ配位子固定疎水化導電性担体を製造する工程と、前記配位子固定導電性担体とμ−オキソ遷移金属錯体を反応させμ−オキソ遷移金属錯体を導電性担体表面に配位子を介して固定化する工程とを含む水素酸化触媒の製造方法。
- 前記μ−オキソ遷移金属錯体が、μ−オキソ二核鉄(III)錯体またはμ−オキソ二核ニッケル(III)錯体であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の水素酸化触媒の製造方法。
- 前記配位子が、モノヒドロイミド酢酸−イミノジ酢酸型配位子であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の水素酸化触媒の製造方法。
- 前記疎水性基含有シラン化合物が、炭素数6〜10のアルキルトリエトキシシランであることを特徴とする請求項10、12乃至14のいずれかに記載の水素酸化触媒の製造方法。
- 前記親水処理が、硝酸処理及び/又はプラズマ処理のカーボン担体表面改質法であることを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載の水素酸化触媒の製造方法。
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JP2004213104A JP2006026605A (ja) | 2004-07-21 | 2004-07-21 | 水素酸化触媒及び燃料電池電極 |
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2004
- 2004-07-21 JP JP2004213104A patent/JP2006026605A/ja not_active Withdrawn
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