JP2006023514A - 感光性転写シート、感光性積層体、画像パターン形成方法、及び配線パターン形成方法 - Google Patents

感光性転写シート、感光性積層体、画像パターン形成方法、及び配線パターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 容易に画像内に厚みが異なる所望のパターン形成が可能な感光性転写シートを提供する。
【解決手段】 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層がこの順に積層されてなり、第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光したときに形成される硬化物が、突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上であることを特徴とする感光性転写シート。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感光性転写シート、感光性積層体、画像パターン形成方法、及び配線パターン形成方法に関する。本発明は、特にプリント配線板製造用として有用な感光性転写シート、積層体、そして該感光性転写シートもしくは積層体を用いてプリント配線板の配線パターンを形成する方法に関する。
支持体と感光層とを有する感光性転写シートは、プリント配線板、カラーフィルターや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料などの製造のための画像様パターン形成材料として広く利用されている。
プリント配線板の製造分野においては、配線パターンを、透明支持体(例えばポリエチレンテレフタレート)と、その支持体の上に形成された感光層とからなる感光性転写シート(ドライフィルムレジストとも言う)を用いたフォトリソ技術によって形成することが行われている。例えば、スルーホールを有するプリント配線板の製造の場合、プリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属めっき層を形成した後、基板表面に感光性転写シートの感光層を重ね合わせて密着させ、配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域のそれぞれに光を所定のパターン状に照射して感光層を硬化させる。次いで、感光性転写シートの支持体を剥がし取り、配線パターン形成領域上の硬化領域及びスルーホール開口部領域上の硬化領域(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化領域を現像液を利用して溶解除去した後、露出した金属層部分をエッチング処理し、その後に硬化領域を除去することにより、基板表面に配線パターンを生成させることが行われている。
上記のテント膜を用いて、スルーホールの金属めっき層を保護する方法は、一般にテンティング法と呼ばれている。また多層構成のプリント配線板においてはビアホールと呼ばれる層間接続用のホールが設けられる場合があり、この場合にも同様に、配線パターン形成時には、テント膜によりビアホール部を保護することが必要である。
近年、プリント配線板への高密度化の要求が高くなってきており、より高解像度が可能なフォトレジストフィルムが求められている。フォトレジストフィルムの解像度を高くするためには、その感光層の膜厚を薄くすることが有効である。しかし前述のように、感光層が硬化した硬化層はプリント配線板に形成されたスルーホール又はビアホールを保護する役割もあり、単純に感光層の膜厚を薄くしてしまうと、感光性樹脂組成物の未硬化領域を溶解除去する工程や露出した金属層部分をエッチング処理する工程で、このテント膜が破れてしまうという問題が発生する。
これまでにも高解像度のパターン形成が可能であって、破れにくいテント膜を形成できる感光性転写シートの開発が盛んに行われており、その成果が次のように開示されている。
特許文献1には、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のビニルウレタン化合物と特定のアクリレート化合物とを含むモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光層を有する感光性転写シートが記載されている。
特許文献2には、支持体の上に、アルカリ可溶性で、加熱による流動性が小さく、活性エネルギー線に感応する第一の感光層を設け、さらにその上にアルカリ可溶性で、加熱による流動性が大きく、活性エネルギー線に感応する第二の感光層を設けてなる二層の感光層を有する感光性転写シートが記載されている。この特許文献では、感光性転写シートの第二の感光層をスルーホール内に埋め込むことによりスルーホールの金属層を保護することができると説明されている。
特許文献3には、支持体の上に第一の感光層と第二の感光層を有する感光性樹脂積層体であって、これらの二層が互いに異なるビニル共重合体を有し、かつ両層に特定の単官能モノマーを含む例が記載されており、その効果として、密着と解像が向上すると記載されている。
特許文献4には、支持体の上に非粘着性の感光層と粘着性の感光層とを有するフォトレジスト、及びこれを用いるプリント配線板の形成方法が記載されており、その効果として、テント性と解像性が向上することが記載されている。
特許文献5には、基材上に、光重合速度が互いに異なる少なくとも二層の光重合性層(厚みは25μm〜2.5mm)を有し、基材に近い側の重合速度が速い印刷レリーフ製造用の感光板が開示されており、印刷面の基部が頂部よりも広くなるようなレリーフ像を形成する例が記載されている。
また、テント信頼性を向上させるための膜物性に関する技術が特許文献6に開示されている。この特許文献には、ウレタン基を含有したモノマーを含有し、現像液に対する膨潤度が0〜20%、テント膜強度が2.45N以上、テント膜突き刺し伸度が1.0mm以上の感光性樹脂組成物について記載されている。
特開平10−142789号公報 特開平8−54732号公報 特開平10−111573号公報 特開平3−17650号公報 特公昭37−1306号公報 特開2001−117225号公報
本発明の課題は、画像内に厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することができる感光性転写シートおよび感光性積層体を提供することにある。
本発明の課題はまた、感光性転写シートあるいは感光性積層体を用いて、画像内に厚みが異なる所望のパターンを工業的に有利に形成することができる方法を提供することにもある。
本発明の課題は特に、プリント配線板の製造に有効で、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成することができる感光性転写シートを提供することにある。
本発明の課題はまた、感光性転写シートを用いて、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を工業的に有利に製造できる方法を提供することにもある。
本発明は第一に、支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層がこの順に積層されてなり、第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光したときに形成される硬化物が、突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上であることを特徴とする感光性転写シートにある。
感光性転写シートのテント性と解像性を両立させるためには、第一感光層は膜強度(突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度)が高く、第二感光層は解像度が高くなるようにすることが好ましい。すなわち、第一感光層の硬化物が、第二感光層の硬化物よりも突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度が大きい方が好ましい。第一感光層の硬化物単独の突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上であればより好ましい。
硬化物の突き刺し破断強度と突き刺し破断伸度とを高くするためには、感光層の構成材料に、ウレタン結合(−NHCOO−)を有する化合物を用いることが有効である。
従って、第一感光層のバインダー、重合性化合物、又は光重合開始剤がウレタン結合を有する化合物であるか、第一感光層がさらにウレタン結合を有する化合物を含むことが好ましい。感光層の一般的な組成比から考えて、バインダー及び重合性化合物がウレタン結合を有する化合物であることが最も好ましい。
上記の第一の発明の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されている。
(2)バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む。
(3)バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む。
(4)バリアー層が、0.1〜5μmの範囲の厚みを有する。
(5)第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200の範囲にある。
(6)第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量BとのA/Bで表される比が、0.005〜0.5の範囲にある。
(7)第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量CとのC/Aで表される比が、1〜10の範囲にある。
(8)第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含む。
(9)第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量よりも多い。
(10)第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合開始剤の量よりも多い。
(11)第二感光層に含有されている重合性化合物の量が第一感光層に含有されている重合性化合物の量よりも多い。
(12)第一感光層が、1〜100μmの範囲の厚みを有し、かつその厚みが第二感光層の厚みよりも大きい。
(13)第二感光層が、0.1〜15μmの範囲の厚みを有する。
(14)支持体が合成樹脂製で、かつ透明である。
(15)支持体が長尺支持体である。
(16)第二感光層の上に保護フィルムが配置されている。
(17)長尺体であって、ロール状に巻かれている。
(18)プリント配線板製造用である。
本発明は第二に、基体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第二感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第二感光層の光感度よりも相対的に低い光感度を示す第一感光層がこの順に積層されてなり、第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光したときに形成される硬化物が、突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上であることを特徴とする感光性積層体にもある。
上記の第二の発明の好ましい実施態様は次の通りである。
(1)第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されている。
(2)バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む。
(3)バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む。
(4)バリアー層が、0.1〜5μmの範囲の厚みを有する。
(5)第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200の範囲にある。
(6)第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量BとのA/Bで表される比が、0.005〜0.5の範囲にある。
(7)第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量CとのC/Aで表される比が、1〜10の範囲にある。
(8)第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含む。
(9)第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量よりも多い。
(10)第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合開始剤の量よりも多い。
(11)第二感光層に含有されている重合性化合物の量が第一感光層に含有されている重合性化合物の量よりも多い。
(12)第一感光層が、1〜100μmの範囲の厚みを有し、かつその厚みが第二感光層の厚みよりも大きい。
(13)第二感光層が、0.1〜15μmの範囲の厚みを有する。
(14)基体がプリント配線板形成用基板である。
(15)第一感光層の上に支持体(特に透明樹脂フィルムであることが好ましい)が積層されている。
(16)プリント配線板製造用である。
本発明は第三に、下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂層が存在する領域と硬化樹脂層が存在しない領域とから構成される画像パターンを形成する方法にある。
(1)基板上に、前記第一の発明の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
(2)積層体の第一感光層の側から所定の画像パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程;
(3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
本発明は第四に、下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂層が存在する領域、第二感光層が硬化することにより形成された樹脂層が存在する領域、そして硬化樹脂層が存在しない領域から構成される画像パターンを形成する方法にある。
(1)基板上に、前記第一の発明の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
(2)積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定する画像パターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる工程;
(3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
本発明の第三の発明と第四の発明における好ましい態様は、次の通りである。
(1)上記(3)の積層体から支持体を除去する工程を、工程(2)と工程(4)との間で行う代わりに、工程(1)と工程(2)との間で行う。
(2)工程(2)における光照射をレーザ光の照射により行う。
本発明は第五に、下記の工程を含む、プリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されている領域と基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法にある。
(1)基板上に、前記第一の発明の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
(2)積層体の第一感光層の側から所定の配線パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程;
(3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
本発明は第六に、下記の工程を含む、ホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されているホール部、第二感光層が硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されている領域、そして基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法にある。
(1)基板上に、前記第一の発明の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
(2)積層体の第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして配線形成領域には、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を与えて第二感光層を硬化させるような画像パターンの光照射を行う工程;
(3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
本発明の第五の発明と第六の発明における好ましい態様は、次の通りである。
(1)上記(3)の積層体から支持体を除去する工程を、工程(2)と工程(4)との間で行う代わりに、工程(1)と工程(2)との間で行う。
(2)工程(2)における光照射をレーザ光の照射により行う。
本発明の感光性転写シートおよび感光性積層体は、その光の照射量(露光量と言い換えることができる)を変えることにより、厚さの異なる硬化層を任意の領域に形成することができる。従って、本発明の感光性転写シートあるいは感光性積層体を用いて画像形成を行なうと、所望の領域毎に任意の厚さの硬化層を形成することができる(三次元の画像を形成することができる)、所望の領域毎に光の透過量を変えることができる(画像の濃度を変えることができる)、所望の領域毎に所望の膜強度を示す硬化層を形成することができるなどの数多くの利点がある。たとえば、硬化層の膜強度を強くしたい領域では、硬化層の厚みを厚くすることができ、また解像度を高くしたい領域では、硬化層の厚みを薄くするといったパターン形成も可能となる。
従って、本発明の感光性転写シートおよび感光性積層体は、プリント配線板の製造、特にスルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に用いた場合、配線パターン形成領域には相対的に厚さの薄い、高解像の硬化層を形成させ、スルーホール又はビアホールには相対的に厚さが厚く、高強度の硬化層を形成させることができる。このため、本発明を利用することにより、工業的に有利なテンティング法で高解像度のプリント配線板を製造することができる。
[感光性転写シートの基本構成]
本発明の感光性転写シートの一例として、感光層を二層有する構成の模式断面図を図1乃至4に示す。
図1において、感光性転写シート10は、支持体11、第一感光層12、第二感光層14がこの順で積層されている。第一感光層12及び第二感光層14はそれぞれ、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、光の照射により硬化する。本発明の感光性転写シートは、第二感光層14が第一感光層12よりも相対的に光感度が高い点に主な特徴がある。ここで、光感度とは、それぞれの感光層が硬化するのに必要な光エネルギー量に相当し、光感度が高いとは、第二感光層14の硬化が、第一感光層12よりも少ない光の照射量で開始する、または第二感光層14の硬化が、第一感光層12よりも少ない光の照射量で完了することを意味する。
本発明の感光性転写シートは、第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されていてよく、このバリアー層を配置した感光性転写シートが好ましい。図2は、第一感光層12、第二感光層14の間に、さらにバリアー層13を有する感光性転写シートを表す。
図3および図4は、それぞれ図1および図2の感光性転写シートに、更に保護フィルム15が積層された感光性転写シートである。
第一感光層、バリアー層そして第二感光層の厚みはそれぞれ、目的に応じて任意に設定可能である。ただし、第一感光層は、1〜100μmの範囲の厚みを有するのが好ましく、さらに5〜80μmの範囲の厚みを有するのが好ましく、特に10〜50μmの範囲の厚みを有するのが好ましい。第一感光層の厚みが1μmより薄いと、膜強度を強くするには不適当となる場合があり、厚みが100μmを超えると現像残渣が残りやすくなるなどの現像上の問題がでてくる場合がある。第一感光層の厚みは、第二感光層の厚みよりも大きいほうが好ましい。
バリアー層は、0.1〜5μmの範囲の厚みを有するのが好ましく、さらに0.5〜4μmの範囲の厚みを有するのが好ましく、特に1〜3μmの範囲の厚みを有するのが好ましい。バリアー層の厚みが0.1μmより薄いと、充分なバリアー性が得られない場合があり、厚みが5μmを超えると現像に長時間を要するようになる。第二感光層は、0.1〜15μmの範囲の厚みを有するのが好ましく、さらに1〜12μmの範囲の厚みを有するのが好ましく、特に3〜10μmの範囲の厚みを有するのが好ましい。第二感光層の厚みが0.1μmより薄いと、塗布の際の厚みムラがでやすくなり、厚みが15μmを超えると解像性が低下するなどの問題がでてくる。
本発明の感光性転写シートの層構成は、上記の図1乃至図4で図示した層構成に限定されるものではなく、図1乃至図4で示した層以外の層を有しても良い。例えば、支持体11と第一感光層12との間や、保護フィルム15と第二感光層14との間に、支持体や基板との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層、あるいはバリアー層などを設けても良い。この場合のバリアー層は、感光層、支持体、あるいは保護フィルムに含まれる物質の移行防止や移行の抑制、酸素や湿度などの外的影響を防止したり、抑制したりする役割等を有する。
次に本発明の感光性転写シートおよび感光性積層体における光の照射量と感光層の硬化量との関係を、図5を参照しながら説明する。図5は、例えば、図1に示した感光性転写シート、あるいは図3に示した感光性転写シートから保護フィルムを剥離した感光性転写シートを、基板上に転写して積層体を形成させた場合、その積層体に対して、基板とは反対の側から、支持体を有している場合には支持体を通して、あるいは必要に応じて支持体を剥離して感光層に光を照射した場合の、光の照射量と、この照射(露光)と、それに続く現像処理により生成する硬化層の厚さとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。図5において、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化させ、現像処理を行った後に得られた硬化層の厚さを表す。縦軸のDは第二感光層から形成される硬化層の厚さを、Eは第一感光層から形成される硬化層の厚さと第二感光層から形成される硬化層の厚さとを合計した厚さを表わす。
図5に示すように、本発明の感光性転写シートでは、支持体側から照射した光は、支持体を有する場合は支持体、第一感光層、そして第二感光層の順に進むにもかかわらず、第二感光層の硬化は、第一感光層よりも先に、少ない光エネルギー量で始まる。そして、第二感光層の全体が硬化した後、光エネルギー量を増加すると、第一感光層の硬化が始まり、さらに光エネルギー量を多くすると、第一感光層の全体が硬化する。
第一感光層の感度と第二感光層の感度との関係については、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200の範囲にあるのが好ましく、2.5〜100の範囲にあるのがさらに好ましく、特に3〜50の範囲にあるのが好ましい。
第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと同量であってもよいが、光エネルギー量Aよりも大きい方が好ましい。
図2及び図4に示した感光性転写シートの様に、第一感光層と第二感光層との間にバリアー層を有する場合でも、図5と同様な光の照射量と硬化層の厚さの関係が得られる。但し、この場合の膜厚Eは第一感光層から形成された硬化層の厚さと第二感光層から形成された硬化層の厚さに更にバリアー層の厚さを合計した厚さを表す。
また本発明の感光性転写シートは、二層以上の感光層を有していてもよい。その一例として感光層が三層の場合の断面図を図6に示す。また各感光層の間にバリアー層を有する場合を図7に、図6の感光層の上に保護フィルムを有する場合を図8に、図7の感光層の上に保護フィルム56を有する場合を図9に示す。
図6乃至図9の感光性転写シート50において、支持体は51で表わされ、その支持体51の上に、第一の感光層52、第二の感光層54、そして第三の感光層55が順次積層されている。図7の感光性転写シート50では、第一の感光層52と第二の感光層54、そして第二の感光層54と第三の感光層55との間に、それぞれバリアー層53が設けられている。図8は、図6の感光性転写シートに保護層56が設けられた構成を示し、そして図9は、図7の感光性転写シートに保護層56が設けられた構成を示している。
これらの三層の感光層構成の場合でも、各感光層は、支持体に近い側の感光層の感度に比べて、支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高くなる。すなわち、感光層の感度は、第三の感光層が最も高く、次いで第二の感光層が高く、第一の感光層の感度が最も低い。
図6乃至9に図示した構成の感光性転写シートを用い、パターン形成に用いる光エネルギー量を必要な領域に応じて、第三感光層のみを硬化させる光エネルギー量X、第三の感光層と第二の感光層とを硬化させる光エネルギー量Y、第三の感光層、第二の感光層、及び第一の感光層の全てを硬化させる光エネルギー量Zと光照射量を変化させることで、図10に示した様に、基板57の上に、第三の感光層55のみが硬化した厚みを有する領域、第三の感光層55と第二の感光層54とが硬化した厚みを有する領域、第三の感光層55、第二の感光層54及び第一の感光層52の全てが硬化した厚みを有する領域という三段階の異なる厚みを有するパターンを一種類の感光性転写シートで形成することが可能になる。
また同様に感光層がN層(感光層の数がN)で、支持体に近い側の感光層の感度に比べて、支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高い感光性転写シートを用いれば、N段階の異なる厚みを有する硬化層パターンを一種類の感光性転写シートで形成することが可能になる。
これまでに記載したように、本発明の感光性転写シートは、その露光量(いわゆる光エネルギー量)に応じて、露光及び現像処理により得られる硬化層の厚さを所望の厚さとすることが可能であり、露光量のパターンを必要に応じて変更することにより、基板に最も近い感光層のみを硬化させる領域から、順次厚みを変えて全ての感光層を硬化させる領域までを作り分けることが可能である。従って、画像の内部で厚みが異なる三次元造形や、所望の領域のみの膜の強度を高くする、あるいは所望の領域のみの画像濃度を高める等の特性を付与した硬化樹脂画像などを一種類の感光性転写シートで形成することが可能となる。
従って、本発明の感光性転写シートをプリント配線板の製造、特にスルーホールやビアホールを有するプリント配線板の製造に用いると、配線パターン形成領域には相対的に厚さが薄く、高解像の硬化層を形成し、スルーホールまたはビアホールには相対的に厚さが厚い、高強度の硬化層を形成することができる。従って、本発明の感光性転写シートを用いることにより、テンティング法として利用できる充分なテント膜強度を有し、かつ高解像度が必要な部分では充分な解像度の硬化樹脂パターンを容易に形成することができる。
本発明により、前記したような感度曲線を有する感光性転写シートは、各感光層の感度を支持体に近い側から支持体から離れた側に向かうに従って順に相対的に高くすることで実現できることが判明した。この感光層を二層以上とし、それらの感光層の感度を順次相対的に高くする方法は、公知の高感度化技術を全て用いることができる。すなわち、例えば高感度の開始剤の使用、増感剤の使用、光重合開始剤及び/又は増感剤の含有量の増量、あるいは感光層中の重合性化合物の含有率を多くする、重合抑制剤または重合禁止剤の割合を少なくするなどの手法によって得ることができる。特に感光層が二層の場合であれば、例えば高感度の開始剤を用いるほか、第二感光層に増感剤を添加する、第二感光層中の光重合開始剤及び/又は増感剤の含有量を第一感光層より多くする、あるいは第二感光層中の重合性化合物の含有率を第一感光層より多くするなどの手法によっても得ることができる。
本発明の、支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層がこの順に積層されてなる感光性転写シート、または第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されている感光性転写シートを用いて画像パターン(硬化樹脂パターン)を形成する場合、第二感光層の硬化が始まる光エネルギー量Sは、0.05〜10mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、さらに0.1〜5mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、特に0.15〜2.5mJ/cm2の範囲にあることが好ましい。また第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、0.1〜20mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、さらに0.2〜15mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、特に0.4〜10mJ/cm2の範囲であることが好ましい。
第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bとの比(A/B)は、0.005〜0.5の範囲にあることが好ましく、さらに0.01〜0.4の範囲にあることが好ましく、特に0.02〜0.35の範囲にあることが好ましい。そして、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまで必要な光エネルギー量Cとの比(C/A)が1〜10の範囲にあることが好ましく、さらに1.1〜9の範囲にあることが好ましく、特に1.3〜8の範囲であることが好ましい。またこの光エネルギー量Cは、0.1〜200mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、さらに1〜100mJ/cm2の範囲にあることが好ましく、特に2〜50mJ/cm2の範囲であることが好ましい。
[硬化物の突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度]
本発明の感光性転写シートにおいては、第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光したときに形成される硬化物が、突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上である。第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が介在する場合は、硬化物はバリアー層を含む。
突き刺し破断強度は、1.2〜5.0Nの範囲にあることが好ましく、1.4〜3.0Nの範囲にあることがより好ましい。突き刺し破断伸度は、1.1〜5.0mmの範囲にあることが好ましく、1.2〜3.0mmの範囲にあることがより好ましい。突き刺し破断強度が1.0N未満であったり、突き刺し破断伸度が1mm未満であると、スルーホール部位のテント膜が現像液シャワーやエッチング液のシャワーで破れることが多い。
本明細書において、突き刺し破断強度とは、硬化物の表面に、先端形状直径0.5mmの針を0.2mm/秒の速度で突き刺したときに、針が貫通する(硬化物が破れる)までに要する最大荷重を意味する。突き刺し破断伸度は、針が貫通したときの針の挿入距離(硬化物が破れずに伸びた距離)をいう。硬化物の突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度の測定には、公知の測定装置、例えば、シグマ光機(株)製の突き刺し強度試験機を用いることができる。
硬化物の突き刺し破断強度及び感光層の突き刺し破断伸度は、例えば、次のようにして測定することができる。
まず、直径3mmの穴があいている銅張積層板の上に感光性シートを、その第二感光層が銅張積層板側となる位置関係にてラミネートする。感光性転写シートの支持体の側から第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量をあらかじめ測定し、その光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光する。次いで、感光性シートの支持体を剥がし取った後、針を第一感光層の表面から突き刺して、硬化物の突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度を測定する。
次に、本発明の感光性転写シートおよび感光性積層体の感光層に用いる各材料について説明する。
[バインダー]
各感光層に用いるバインダーは、アルカリ水溶液に可溶であることが好ましく、あるいは少なくとも膨潤性を有することが好ましい。このようなバインダーの例としては、酸性基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基など)を有するものが利用できるが、特にカルボキシル基を有するバインダーが代表的であり、例えばカルボキシル基含有ビニル共重合体、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられるが、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さなどからカルボキシル基含有ビニル共重合体が好ましい。
カルボキシル基含有ビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基含有ビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
上記の共重合体の合成に用いることができるその他の共重合可能なモノマーとしては特に制限はなく、この様なモノマーの例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。この様な例としては例えば以下の様な化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt-Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記化合物の他にも、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(たとえばビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
また、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエチル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)なども利用できる。
上記の化合物以外にも、例えばウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることが出来る。この様なウレタン基、又はウレア基を有するモノマーとしては、例えばイソシアナート基と水酸基、又はアミノ基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと水酸基を1個含有する化合物または1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、又は水酸基含有モノマーまたは1級あるいは2級アミノ基含有モノマーとモノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
イソシアナート基含有モノマーの具体例としては、例えば下記のような化合物が挙げられる(R1は水素原子又はメチル基を表す)。
Figure 2006023514
モノイソシアネートの具体例としては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
水酸基含有モノマーの具体例としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる(R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1以上の整数を表す)。
Figure 2006023514
水酸基を1個含有する化合物としては、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等も挙げられる。
1級あるいは2級アミノ基含有モノマーの例としては例えばビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
1級あるいは2級アミノ基を1個含有する化合物の具体例としては、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組み合わせ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)等が挙げられる。
上記の化合物は一種のみでも、また二種以上を併用しても良い。特に好ましいその他のモノマーの例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどである。
この様なビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法で常法に従って共重合させることで得られる。例えばこれらのモノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。また水性媒体中に上記のモノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合をおこなっても良い。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いるモノマー、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)の様なアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドの様な過酸化物、及び過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの様な過硫酸塩などが利用できる。
これらのモノマーから得られるビニル共重合体中のカルボキシル基を有する重合性化合物に由来の繰り返し単位の含有率は、各感光層ともに共重合体の全繰り返し単位中の5〜50モル%が好ましく、更に好ましくは10〜40モル%であり、15〜35モル%が特に好ましい。該含有率が5モル%未満であるとアルカリ水への現像性が不足する場合があり、50モル%を越えると硬化部(画像部)の現像液耐性が不足する場合がある。
カルボキシル基を有するバインダーの分子量は任意に調整が可能であるが、各感光層ともに質量平均分子量として2000〜300000が好ましく、4000〜150000が特に好ましい。質量平均分子量が2000未満であると膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になる傾向にある。また分子量が300000を超えると現像性が低下する傾向にある。
またこれらのカルボキシル基を有するバインダーは、各感光層ともに一種でも二種以上のバインダーを併用してもよい。2種以上のバインダーを併用する場合の例としては、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、異なる分散度の2種以上のバインダー等があげられる。
カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部または全てが塩基性物質で中和されていてもよい。バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等構造の異なる樹脂を併用しても良い。ポリウレタン樹脂は、アルカリ可溶性基(カルボキシル基)を有していることが好ましい。また、末端にビニル基や架橋性基(アリル基、メタクリル基)等を有していてもよい。アルカリ可溶性基(カルボキシル基)及びビニル基や架橋性基を有するポリウレン樹脂は、特開2001−312062号に記載がある。
また、バインダーの例としては、特許2873889号等に記載のアルカリ水溶液に可溶な樹脂などもあげられる。
感光層中のバインダーの含有量は各感光層ともに通常、10〜90質量%であり、好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは40〜80質量%である。バインダーの含有量が少ないと、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下しやすく、多くなり過ぎると、現像時間に対する安定性や硬化膜(テント膜)の強度が低下する傾向にある。また感度調整の為に、上記範囲内で第二感光層に含有されているバインダーの含有率が第一感光層に含有されているバインダーの含有率より低く(重合性化合物の含有率を高く)するなどの調整を行ってもよい。
第一感光層のバインダーには、ポリウレン樹脂又はウレタン結合を有する繰り返し単位を含有するカルボキシル基含有ビニル共重合体を用いることが好ましい。特に、ポリウレン樹脂を用いることが好ましい。
カルボキシル基含有ビニル共重合体中のウレタン結合を有する繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位中の10〜40モル%の範囲にあることが好ましく、15〜35モル%の範囲にあることが特に好ましい。
ウレタン結合を有するバインダーの含有量は、全バインダーに対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
[重合性化合物]
感光層には、重合性化合物(いわゆるモノマー)を用いるが、特に重合性基を2個以上含有するモノマー、あるいはオリゴマー(多官能モノマー、多官能オリゴマー)を用いることが好ましい。重合性基としてはエチレン性不飽和結合(例えば(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテルなどのビニル基、アリルエーテルやアリルエステルなどのアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えばエポキシ基、オキセタン基など)などが挙げられる。これらの内でエチレン性不飽和結合が好ましい。
このような多官能モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(たとえばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(たとえばジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなど)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ぺンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(たとえばWO01/98832号公報に記載の化合物など)、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレート等がある。
上記の(メタ)アクリル酸エステル類の中でも好ましい例としては、その入手の容易さから、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
イタコン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、及びソルビトールテトラマレート等がある。
また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドの例としては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、及びキシリレンビス(メタ)アクリルアミド等がある。
更に、ビスフェノール骨格を有する2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したエチレンオキシ基の数が2から20の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンなど)、2,2−ビス[4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン、フェノール性のOH基1個に置換したプロピレンオキシ基の数が2から20の2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパンなど)やこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両者を含む化合物なども挙げられる(たとえばWO01/98832号公報に記載の化合物など)。これらの化合物は例えばBPE−200,BPE−500,BPE−1000(新中村化学工業(株)製)などとして入手できる。
また、ビスフェノールとエチレンオキシドやプロピレンオキシドなどの付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物に対してイソシアネート基と重合基を有する化合物(2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネートなど)の付加体の様にビスフェノール骨格とウレタン基を有する重合性化合物も利用できる。
また、ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物も利用できる。
また、重合性基とウレタン基を含有する化合物も利用できる。この様な化合物の例としては特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報などに記載されており、例えば1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルジイソシアネートやこれらのジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレートなどの3量体、これらのジイソシアネート類とトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリンなどの多官能アルコール、またはこれらのエチレンオキシド付加物など得られる多官能アルコールとの付加体など)と分子中に水酸基を含有するビニルモノマー(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、など)とを付加せしめることで得られる1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等があげられる。またトリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等の様なイソシアヌレート環を有する化合物も利用できる。
ウレタン結合を有する重合性化合物として、(メタ)アクリル系モノマーの連結部にウレタン結合を導入した重合性化合物も用いることができる。具体的には、特開2000−231189号公報、特開2001−117225号公報、特開2001−209177号公報、特開平10−111565号公報、特開平10−111573号公報、特開平10−161308号公報、特開平10−198033号公報、特開平10−198027号公報、特開平10−218918号公報、特開平11−84672号公報、特開平11−174667号公報、特開2000−56456号公報、特開2000−227657号公報、特開2002−23365号公報、特開2000−241971号公報等に記載のウレタン結合含有モノマーが挙げられる。
特に好ましいウレタン結合含有モノマーの構造式として、下記一般式(I)及び一般式
(II)で表される。
Figure 2006023514
一般式(I)及び一般式(II)中、R1及びR2は、それぞれ水素原子及び又はメチル
基を表す。
1及びY2は、それぞれ炭素数2〜30の2価の炭化水素基を表す。
1は、3価の連結基を表す。
1及びX2は、それぞれ下記一般式(A)、(B)、(C)及び(D)の中から選ばれる基の少なくとも一種の基もしくは2種以上が連結した基を表す。一般式(A)、(B)、(C)及び(D)において、l、m、n及びoは、それぞれ1〜60の整数を表す。2種以上の基が連結した基の場合、l、m、n及びoの合計は2〜60の整数であることが好ましい。l、m、n及びoは、2〜30であることが好ましく、4〜15であることがより好ましく、4〜10であることが最も好ましい。
Figure 2006023514


上記一般式(I)及び一般式(II)中、X1及びX2は、式(A)及び式(B)で表され
る基であることが好ましく、式(B)で表される基あることが最も好ましい。
具体的な化合物のとしては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
また、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。またフタル酸やトリメリット酸などと前記の分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物なども挙げられる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
また、アリルエステル(例えばフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレートなど);及びジアリルアミド(例えばジアリルアセトアミドなど)なども利用できる。
また、重合性化合物としてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えばブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテルなど)、エポキシ化合物(ノボラック型エポキシ樹脂、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)、オキセタン類(例えば1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼンなど)を用いることもできる。またエポキシ化合物、オキセタン類としては、WO01/22165に記載の化合物を用いることもできる。
ビニルエステル類の例として、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート及びジビニルブタン−1,4−ジスルホネート等も利用できる。
スチレン化合物の例としては、ジビニルベンゼン、4−アリルスチレン及び4−イソプロペンスチレン等を挙げることができる。
更に、上記化合物以外の化合物として、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレートなどの、異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物も、本発明に好適に用いられる化合物として挙げることができる。
これらの多官能モノマー、オリゴマーは単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
更に、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用することもできる。単官能モノマーの例としては、前述のバインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に開示されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)の様な単官能モノマー(例えばγ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレートなど)などや、特許2744643号、WO00/52529号、特許2548016号公報などに記載の化合物があげられる。
感光層のモノマーの含有量は、各感光層ともに一般に5〜90質量%の範囲にあり、好ましくは15〜60質量%の範囲であり、特に好ましくは20〜50質量%の範囲である。モノマーの含有量が上記の範囲より少ないとテント膜の強度が低下し、多いと保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化する傾向にある。また全モノマーの内の重合性基を2ヶ以上含有する多官能モノマーの含有量は、一般に5〜100質量%の範囲であり、好ましくは20〜100質量%の範囲であり、さらに好ましくは40〜100質量%の範囲である。また感度調整の為に、上記範囲内で第二感光層のモノマー含有率の方を高くするなどの調整をおこなってもよい。
第一感光層は、ウレタン結合を有する重合性化合物を含有することが好ましい。ウレタン結合を有する重合性化合物は、(メタ)アクリル系モノマーの連結部にウレタン結合を導入した重合性化合物であることが好ましい。ウレタン結合を有する重合性化合物の含有量は、全重合性化合物量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
[光重合開始剤]
本発明の感光性転写シートに用いる光重合開始剤としては、前述のモノマー成分の重合を開始する能力を有する化合物は全て使用可能であり、特に紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものであれば好適に使用できる。光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも一種含有していることが好ましい。光重合開始剤はまた、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、またモノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
感光層にて好ましく使用される光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えばトリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル等を挙げることができる。この内、特にトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトン化合物を用いることが、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から好ましい。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、次のような化合物が挙げられる。
若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン。
英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジン。
特開昭53−133428号公報記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン。
独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジン。
特開昭62−58241号公報記載の化合物、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
特開平5−281728号公報記載の化合物、例えば2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン。
特開平5−34920号公報記載の2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
また、米国特許第4212976号明細書等に記載されているオキサジアゾール骨格を有する化合物等も挙げることができる。オキサジアゾール骨格を有する化合物としては例えば2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、下記一般式で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
Figure 2006023514
本発明に使用することができるヘキサアリールビイミダゾールとしては、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−フロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物等が挙げられる。
上記のビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、およびJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
ケトン化合物としては、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシー2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等が挙げられる。
またこの他、アクリジン誘導体(例えば9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン等があげられ、他に特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号公報などに記載のクマリン化合物があげられる)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル及びペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキシド類(例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えばビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェイト(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に開示されている化合物なども挙げられる。
更に米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物やその他例示のラジカル発生剤など、またトリアリールスルホニウム塩(ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩などのようなホスホニウム塩化合物(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などを用いることもできる。
光重合開始剤は、一つまたは二つ以上を併用して使用することができる。この様な組み合わせとしては、例えば米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組み合わせなど、またチオキサントンなどの芳香族ケトン化合物と水素供与体(例えばジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物など)の組み合わせ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組み合わせ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組み合わせも利用できる。
光重合開始剤の使用量は、各感光層ともに感光層の全成分に対して、一般に0.1〜30質量%の範囲が一般的であり、好ましくは0.5〜20質量%の範囲であり、特に好ましくは0.5〜15質量%の範囲である。また各感光層の感度差を光重合開始剤の含有量で調整する場合には、第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合性開始剤の量よりも多くすればよい。第二感光層の光重合開始剤含有量は、第一感光層の光重合開始剤の含有量に対して1.5〜100倍の量とすることが好ましく、さらに1.8倍〜50倍の量が好ましく、特に2〜20倍の量とすることが好ましい。
[増感剤]
各感光層の露光における感度や感光波長を調整する目的で増感剤を添加することができる。露光の光線(活性エネルギー線)として可視光線や紫外光・可視光レーザを用いる場合などに、増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えばラジカル発生剤、酸発生剤など)と相互作用(例えばエネルギー移動、電子移動など)し、ラジカルや酸などの有用基を発生することが可能である。
増感剤としては、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等があげられ、他に特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号などの各公報に記載のクマリン化合物があげられる)なども利用できる。
重合開始剤と増感剤の組み合わせとしては、例えば特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤および増感色素、(2)電子受容型開始剤および増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素および電子受容型開始剤(三元開始系)]などに記載の例などが挙げられる。
第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含んでいてもよい。増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全成分に対し、一般に0.05〜30質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲であり、特に好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。増感剤の添加量が多いと感光層から保存時に析出し、あまりに少ないと活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性を低下することがある。
各感光層の感度差を増感剤で調整する場合には、第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量より多くすればよい。第二感光層の増感剤含有量は、第一感光層の増感剤の含有量に対して1.5〜100倍の量とすることが好ましく、さらに1.8倍〜50倍の量が好ましく、特に2〜20倍の量とすることが好ましい。また第一感光層には増感剤を含有しないなどの調整をしてもよい。
[その他の成分]
感光層は、必要に応じて熱重合禁止剤、可塑剤、発色剤、着色剤、更に基体表面への密着促進剤及びその他の助剤類(例えば顔料、導電性粒子、充填剤、消泡剤、難燃剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、表面張力調整剤、連鎖移動剤など)を併用してもよく、これによって目的とする感光性転写シートの安定性、写真性、焼きだし性、膜物性等の性質を調節することができる。前記の成分は、第一感光層および第二感光層のいずれにも添加可能であり、その添加量は目的に応じて決めればよく、またそれぞれの感光層への添加量は同じでも異なっていてもよい。
[熱重合禁止剤]
熱重合禁止剤は、感光層の重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、感光層の重合性化合物に対して0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%の範囲であり、特に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。熱重合禁止剤の添加量が、この範囲を超えて多くなると活性エネルギー線に対する感度が低下する傾向にあり、この範囲を超えて少なくなると保存時の安定性が低下する傾向にある。
[可塑剤]
可塑剤は、感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。可塑剤の例としては、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
可塑剤の添加量は、感光層の全成分に対して0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜40質量%の範囲、特に好ましくは1〜30質量%の範囲である。
[発色剤]
発色剤は、露光後の感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−[4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル]メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもっていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)を挙げることができる。特に好ましいものはロイコクリスタルバイオレットなどのトリアリールメタン系化合物である。
更に、これらのロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが知られている。ハロゲン化合物の例としてはハロゲン化炭化水素(例えば四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノンなど);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテルなど);ハロゲン化エステル化合物(例えば酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−シクロロアクリル酸エチルなど);ハロゲン化アミド化合物(例えばクロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えばトリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェートなど)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物のうちでは同一炭素原子に結合した二個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化物が好ましく、特に好ましくは一個の炭素原子に三個のハロゲン原子を持つハロゲン化物である。有機ハロゲン化合物は単独で使用してもよく、二種以上併用してもよい。これらのうち特に好ましい有機ハロゲン化合物は、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールである。
発色剤の添加量は、感光層の全成分に対して0.01〜20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。またハロゲン化合物の量は、感光層の全成分に対し0.001〜5質量%の範囲が一般的で、0.005〜1質量%が好ましい。
[染料]
感光層には、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色したり、保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。好適な染料の例としては、ブリリアントグリーン(例えばその硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、及びローダミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどを挙げることができる。カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸または無機酸の残基であればよく、たとえば臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)があげられる。好ましい染料は、カチオン染料であり、たとえばマラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩などがあげられる。
染料の好ましい添加量は、感光層の全成分に対して0.001〜10質量%の範囲の量である。より好ましくは0.01〜5質量%の範囲、特に好ましくは0.1〜2質量%の範囲である。
[密着促進剤]
各層間の密着性、あるいは感光性転写シートと基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
密着促進剤としては、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報などに記載の密着促進剤が好適に使用できる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などを挙げることができる。
密着促進剤の好ましい添加量は、感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%の範囲にある。より好ましくは0.01〜10質量%の範囲であり、特に好ましくは0.1質量%〜5質量%の範囲である。
感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、光還元性色素、及び有機ハロゲン化合物などを含んでいても良い。有機硫黄化合物の例としては、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールを挙げることができる。過酸化物の例としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組み合わせからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。アゾ及びジアゾ化合物としては、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類を挙げることができる。光還元性色素としては、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンを挙げることができる。
[界面活性剤]
感光性転写シートを製造する時に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の例として、アニオン系およびカチオン系界面活性剤やノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。添加量は、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましく、0.001質量%未満では面状改良の効果が得られなく、10質量%を超えると密着性が低下するという問題が発生しやすい。フッ素系の界面活性剤として炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、且つ非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレートまたはメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤なども好ましい。
[バリアー層]
本発明の感光性転写シートあるいは感光性積層体は第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されていていることが好ましい。バリアー層は感光層、支持体、保護フィルムに含まれる物質の移行防止や移行の抑制、酸素や湿度などの外的影響を防止、抑制する役割等を有する。例えば、バリアー層の設置は、各感光層の成分が他の層に移行して感度や膜物性が変化してしまうのを防ぐなどの効果がある。
バリアー層は樹脂を含有することが好ましく、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含むのが好ましい。親和性とは、前記溶媒に対して乳化、分散、膨潤、一部溶解、濡れ性を有することをあらわす。またバリアー層は、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含むのが好ましい。
上記のバリアー層の製造には、感光層と同様なバインダーを用いても良いが、これらとは異なるバインダーからなる層であることが好ましい。この様なポリマーとしては、例えば各種のアルコール可溶性、水溶性ポリマー、アルコール分散性、水分散性、乳化性あるいはアルカリ可溶性ポリマーが使用でき、例えばポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコール類も含む)、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリアミド、ゼラチン、セルロース等及びこれらの誘導体などが挙げられる。これらのポリマーは単独で使用してもよいし、二種以上を併用しても良い。更に水溶性、アルカリ水可溶性を損なわない範囲でアクリル系ポリマー、アミド系ポリマー、エステル系ポリマーなどの各種ポリマーを添加してもよい。バリアー層には、特許2794242号に記載の熱可塑性樹脂や中間層に使用されている化合物も使用可能である。
[感光性転写シートの製造]
本発明の感光性転写シートは、例えば次のようにして製造することができる。
まず、上記の各種材料を、水または溶剤に溶解、乳化または分散させて、第一感光層形成用の第一感光性樹脂組成物溶液と第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製する。またバリアー層を有する場合にはバリアー層形成用の溶液を調製する。
第一感光性樹脂組成物溶液、及び第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどを挙げることができ、これらは混合して用いてもよい。第一感光性樹脂組成物溶液、及び第二感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
バリアー層形成用のポリマー溶液の溶剤には、感光層と同様の塗布溶媒を用いても良いし、水、あるいは水と溶剤との混合溶剤を用いることができる。溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類などの前記親水性溶媒などを用いることができる。溶剤の使用は、固形分10%〜90%の塗布液になるように用いればよい。
次に、第一感光性樹脂組成物溶液を支持体の上に塗布し、乾燥することにより第一感光層を形成する。バリアー層を有する場合にはバリアー層形成用の塗布液を第一感光層の上に塗布、乾燥する。その上に第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥することにより、第二感光層を形成する。重層する際の塗布は、前述のように逐次塗布でもよいし、同時に重層で塗布してもよい。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法は、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等の各種の方法を採用することができる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
感光層が二層よりも多い場合でも、同様の操作を繰り返すことによって、所望の感光性転写シートを製造することができる。感光層を二層以上とすることで、感光層の厚みの総和を10μm〜1mmの範囲にすることも可能である。
[支持体及び保護フィルム]
支持体は、感光層を剥離可能であること、かつ光の透過性が良好であること、また表面の平滑性が良好であることが望ましい。支持体は合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましい。支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムを挙げることができる。更にこれらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。支持体の厚さは、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、特に8〜50μmが好ましい。支持体は長尺支持体であることが好ましい。本発明の感光性転写シートを製造する際に使用する長尺支持体の長さは任意に決めればよいが、たとえば10m〜20000mの長さのものが使用可能である。
本発明の感光性転写シートは、第二感光層の上に保護フィルムを配置することができる。上記保護フィルムの例としては、前記支持体に使用されるもの及び、紙、あるいはポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙などを挙げることができる。特にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、5〜100μmの範囲が好ましく、さらに8〜50μmの範囲が好ましく、特に10〜30μmの範囲が好ましい。その際、感光層と支持体の接着力Aと感光層と保護フィルムの接着力Bとが、接着力A>接着力Bの関係になるようにする必要がある。支持体/保護フィルムの組み合わせの例としては、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロファン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどをあげることができる。また、支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。また、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。これらの静摩擦係数は、0.3〜1.4が好ましく、特に0.5〜1.2が好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生する。また1.4を超えた場合、良好なロール状に巻くことが困難となる。
本発明の感光性転写シートは例えば円筒状の巻芯に巻き取って、長尺体でロール状に巻かれて保管される。この長尺体の長さは任意に決めればよく、たとえば10mから20000mの範囲で選択すればよい。ユーザーが使いやすいようにスリット加工し100mから1000mの範囲で長尺体であってロール状にしてもよい。なおこの際には支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また前記ロール状の感光性転写シートをシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
保護フィルムを表面処理しても良い。表面処理は、保護フィルムと感光層との接着性を調整するためにおこなわれる。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般におこなわれる。また、感光層、バリアー層、支持体、保護フィルムの他にクッション層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。
[基体]
本発明の感光性転写シートを転写する基体としては、表面平滑性の高いものから凸凹のある表面を持つものまで任意に選択できる。好ましくは板状の基体、いわゆる基板が使用される。具体的には、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などがあげられる。
基体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第二感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第二感光層の光感度よりも相対的に低い光感度を示す第一感光層がこの順に積層されてなる感光性積層体を形成する。さらに前記第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されている感光性積層体を形成することが好ましい。
本発明の感光性転写シートは、プリント配線板、カラーフィルターや柱材、リブ材、スペーサー、隔壁などのディスプレイ用部材、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料、パターン形成材料として広く利用することが可能である。このなかで、プリント配線板、ディスプレイ部材への応用が好ましく、特にプリント配線板への応用が好ましい。
[パターン形成方法]
本発明の感光性転写シートは、(1)基板上に、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程、(2)積層体の第一感光層の側から所定の画像パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、そして、(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程を含む、基板上に第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂が存在する領域と硬化樹脂が存在しない領域とから構成される画像パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明の感光性転写シートは、(1)基板上に、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程、(2)積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定する画像パターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、そして(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程を含む、基板上に第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂が存在する領域、第二感光層が硬化することにより形成された樹脂が存在する領域、そして硬化樹脂が存在しない領域から構成される画像パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
ただし、上記の方法において、(3)の積層体から支持体を除去する工程を、工程(2)と工程(4)との間で行う代わりに、工程(1)と工程(2)との間で行ってもよい。
工程(2)における光照射の光源としては、支持体を介して光照射を行う場合には支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、波長が300〜1500nm、好ましくは320〜800nmの範囲の紫外から可視光線を発生させる光源、特に好ましくは330nm〜650nmの範囲の光源が用いられる。例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源を使用することができる。この他に、電子線あるいはX線などを用いてもよい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光源を用いることができる。このなかで、光照射がレーザ光の照射に行われることが好ましく、レーザの波長は200〜1500nmの範囲が好ましく、さらに300〜800nmの範囲が好ましく、特に370nm〜650nmの範囲が好ましく、400nm〜450nmの範囲が一番好ましい。
[プリント配線板の製造方法]
本発明の感光性転写シートは、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。
本発明の感光性転写シートは、(1)基板上に、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程、(2)積層体の第一感光層の側から所定の配線パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、そして、(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程を含む、プリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明の感光性転写シートは、(1)基板上に、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程、(2)積層体の第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして配線形成領域には、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を与えて第二感光層を硬化させるような画像パターンの光照射を行う工程、(3)積層体から支持体を除去する工程、そして、(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程を含む、ホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されているホール部、第二感光層が硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域、そして基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
上記の方法において、(3)の積層体から支持体を除去する工程を、工程(2)と工程(4)との間で行う代わりに、工程(1)と工程(2)との間で行ってもよい。
工程(2)における光照射の光源としては、支持体を介して光照射を行う場合には支持体を透過し、かつ前記と同様な光源が用いられる。光源としては、レーザ光の照射により行うことが好ましい。
その後、プリント配線板を得るには、上記配線パターンが形成されたプリント配線板形成用基板を、エッチングもしくはめっきする工程を行う方法、たとえば公知のサブトラクティブ法またはアディティブ法(セミアディティブ法、フルアディティブ法)で処理すればよい。本発明の、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成する目的のためにはエッチングによるサブトラクティブ法を用いるのが好ましい。上記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離すればよく、また、セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすればよく、所望のプリント配線板を形成できる。また、多層プリント配線板も、上記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、本発明の感光性転写シートを用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図11を参照しながら説明する。図11は、図2に示した感光性転写シート、あるいは図4に示した感光性転写シートを用いる場合を示しているが、図1または図3に示した感光性転写シートを用いる場合でも、バリアー層13を含まないこと以外は同様である。
まず、図11(A)に示すように、スルーホール22を有し、表面が金属めっき層23で覆われたプリント配線板形成用基板21を用意する。プリント配線板形成用基板21としては、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、図11(B)に示すように、感光性転写シート10を、保護フィルムを有する場合には、この保護フィルムを剥離して、その第二感光層14がプリント配線板形成用基板21の表面に接する様にして加圧ローラ31を用いて圧着する(積層工程)。これにより、プリント配線板形成用基板21、第二感光層14、バリアー層13、第一感光層12、そして支持体11がこの順で積層された積層体が得られる。感光性転写シートの積層は、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)で行うことができる。特に、60〜140℃の加熱下でおこなうことが好ましい。圧着ロールのロール圧は1〜10kg/cm2の範囲にあることが好ましい。圧着速度は、1〜3m/分の速度とすることが好ましい。またプリント配線板形成用基板21を予備加熱しておいてもよい。また、減圧下で積層してもよい。
感光性転写シートを用いる代わりに、感光性転写シート製造用の第二感光性樹脂組成物溶液、バリアー層溶液、第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、プリント配線板形成用基板、第二感光層、バリアー層、そして第一感光層がこの順で積層された積層体を得ることもできる。
次に、図11(C)に示すように、積層体の支持体11側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。なおこの際、必要に応じて(例えば支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから光照射を行なってもよい。プリント配線板形成用基板21の配線パターン形成領域には、第二感光層14を硬化させるために必要な光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射して、配線パターン形成用の硬化層16の領域を形成する(配線部露光工程)。プリント配線板形成用基板のスルーホール22の開口部及びその周囲には、第一感光層12と第二感光層14とをそれぞれ硬化させるために必要な光エネルギー量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用硬化層17の領域を形成する(ホール部露光工程)。配線部露光工程とホール部露光工程とは、それぞれ独立しておこなってもよいが、並行しておこなう方が好ましい。露光は、フォトマスクを介して光を照射することによりおこなうか、レーザ露光装置を用いてレーザー光を照射することによりおこなう。特に、後者のレーザ露光装置を用いる方法は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製品の製造などに適している。
フォトマスクを介して光を照射する場合には、配線パターン形成用の硬化層16の領域形成用のフォトマスクを介して第二感光層のみを硬化させる光エネルギー量を照射し、スルーホールの金属層保護用の硬化層17の領域形成用のフォトマスクを介して第二感光層と第一感光層の両層を硬化させる光エネルギー量を照射する様に露光を2回行う方法も利用できる。あるいは配線パターン形成用の硬化層16の領域部に対応する光透過率が低く、スルーホールの金属層保護用の硬化層17の領域部に対応する光透過率が高くなるように作成されたフォトマスクを用いて一括露光を行うこともできる。一方レーザ露光装置を用いてレーザ光を照射する場合では、それぞれの必要な領域で光照射量を変更しながら走査露光を行うことが好ましい。
支持体を未だ剥離していない場合には、図11(D)に示すように、積層体から支持体11を剥がす(支持体剥離工程)。
次に、図11(E)に示すように、プリント配線板形成用基板21上の第一感光層12、バリアー層13及び第二感光層14の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層16とスルーホールの金属層保護用硬化層17のパターンを形成し、基板表面の金属めっき層23を露出させる(現像工程)。現像液は、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤など感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いればよい。現像液としては、弱アルカリ水溶液が好ましい。この弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。また現像に用いる弱アルカリ水溶液のpHは約8〜12、特に約9〜11とすることが好ましい。具体的には0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などを用いることができる。また現像液の温度は感光層の現像性に合わせて調整できるが、一般に約25℃〜40℃が好ましい。また該現像液には界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や現像を促進させるため有機溶剤(アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)を併用してもよい。現像液は、水またはアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液を使用してもよく、有機溶剤単独でもよい。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理をおこなってもよい。現像は上記のようなウエット現像法でもよいし、ドライ現像法で行ってもよい。
次いで、図11(F)に示すように、基板表面の露出した金属めっき層23をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。スルーホール22の開口部は硬化樹脂組成物(テント膜)17で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属めっきを腐食することなく、スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。これよりプリント配線板形成用基板21に配線パターン24が形成される。金属めっき層23が銅で形成されている場合、エッチング液としては塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などを用いることが出来る。これらの中でも特に塩化第二鉄溶液がエッチングファクターの点から好ましい。
次に、図11(G)に示すように、強アルカリ水溶液などにて、硬化層16、17を剥離片18として、プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。強アルカリ水溶液の塩基成分としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また用いる強アルカリ水溶液のpHは約12〜14、特に約13〜14とすることが好ましい。具体的には、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、プリント配線板は多層構成のプリント配線板でもよい。また本発明の感光性転写シートは上記のエッチングプロセスのみでなく、めっきプロセスに使用してもよい。めっき法としては、たとえば硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイスローはんだめっきなどのはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきなどがある。
[実施例1]
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、25μm厚の感光層(第一感光層)を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
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・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・重合性化合物(a−5) 8質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
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次に、第一感光層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、5μm厚の感光層(第二感光層)を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
────────────────────────────────────────
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):40/26.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90,000、Tg:50℃) 15質量部
・下記の重合性化合物(b) 8質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシー2−プロパノール 20質量部
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Figure 2006023514
最後に第二感光層の上に、20μm厚のポリエチレンフィルムを積層して感光性転写シートを得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は25秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は10であった。
[実施例2]
実施例1における第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部に変更する以外は実施例1と同様にして感光性転写シートを得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は25秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは7、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
[実施例3]
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、25μm厚の感光層(第一感光層)を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
────────────────────────────────────────
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90,000、Tg:70℃) 15質量部
・重合性化合物(a−5) 8.0質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
────────────────────────────────────────
次に、第一感光層の上に、下記の組成からなる水溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して1.6μm厚のバリアー層を形成した。
[水溶性ポリマー溶液の組成]
────────────────────────────────────────
・ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製) 13質量部
・ポリビニルピロリドン 6質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
────────────────────────────────────────
次に、バリアー層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、5μm厚の感光層(第二感光層)を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
────────────────────────────────────────
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):40/26.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90,000、Tg:50℃) 15質量部
・重合性化合物(b) 8.0質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
────────────────────────────────────────
最後に第二感光層の上に、12μm厚のポリプロピレンフィルムを積層して感光性転写シートを得た。次に巻き芯に上記感光性転写シートを幅550mm、長さ200mで支持体側を外側になるように巻き取りロール状物を得た。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は10であった。
[実施例4]
実施例3における第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部に変更する以外は実施例3と同様にして感光性転写シートを得た。いずれの層も膜厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定した結果、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは7、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
[実施例5]
実施例4の第一感光性樹脂組成物溶液の重合性化合物(a−5)8.0質量部を、重合性化合物(a−1)8.0質量部に、第二感光性樹脂組成物溶液の重合性化合物(b)8.0質量部を、重合性化合物(b)4.0質量部、重合性化合物前記(a−1)4.0質量部とに変更する以外は、実施例4と同様にして感光性転写シートを作成した。いずれの層も膜厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定した結果、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは7、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
[実施例6]
実施例4の第二感光性樹脂組成物溶液の重合性化合物(b)8.0質量部を、ドデカポリプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部に変更する以外は、実施例4と同様にして感光性転写シートを作成した。いずれの層も膜厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定した結果、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは7、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
[実施例7]
実施例4の第一感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8)15質量部を、下記合成例に従って合成したポリウレタン樹脂15質量部に変更する以外は、実施例4と同様にして感光性転写シートを作成した。いずれの層も膜厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定した結果、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは7、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
(ポリウレタン樹脂の合成法)
2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸13.4質量部をN,N−ジメチルアセトアミド57.6質量部に溶解した。これに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート25.0質量部、ジブチル錫ジラウリレート0.l質量部を添加し、90℃にて、7時間加熱撹拌した。その後、1−メトキシ−2―プロパノール13.8質量部を加えることで、ポリウレタン樹脂(固形分35wt%)を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、重量平均分子量(ポリスチレン標準)で75000であった。
[実施例8]
実施例4の第二感光性樹脂組成物溶液の第一感光層の重合性化合物(a−5)8.0質量部を重合性化合物(a−5)4.0質量部、ドデカポリプロピレングリコールジアクリレート3.3質量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート0.7質量部に変更する以外は、実施例4と同様にして感光性転写シートを作成した。いずれの層も膜厚ムラが±5%以内であった。こうして得た感光性転写シートの感度を後述の方法により測定した結果、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは14mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは7、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
[比較例1]
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、実施例4の第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、30μm厚の感光層を形成した。さらに、12μm厚のポリプロピレンフィルムを積層して感光性転写シートを得た。次に巻き芯に上記感光性転写シートを幅550mm、長さ200mで支持体側を外側になるように巻き取りロール状物を得た。
[比較例2]
20μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、実施例4の第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、5μm厚の感光層を形成した。さらに、12μm厚のポリプロピレンフィルムを積層して感光性転写シートを得た。次に巻き芯に上記感光性転写シートを幅550mm、長さ200mで支持体側を外側になるように巻き取りロール状物を得た。
[感度の測定方法]
(1)最短現像時間の測定方法
表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、感光性転写シートの保護フィルムを剥がしながら、感光性転写シートの第二感光層が基板に接するように感光性転写シートをラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、第二感光層、(実施例4〜7では、更にバリアー層)、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作成する。圧着条件は圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cm2、そして圧着速度1m/分とした。積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、銅張積層板上の感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーする。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とする。
(2)感度の測定(実施例1〜7)
最短現像時間の測定と同様にして基板上に感光性転写シートを積層する。感光性転写シートの感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2まで光エネルギー量の異なる光を照射して、感光層を硬化させる。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定する。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。こうして得た感度曲線から硬化層の厚さが5μmとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量A)、硬化層の厚さが30μm(実施例4〜7では31.6μm)となった時の光エネルギー量(光エネルギー量B)、及び硬化層の厚さが5μmを超えた時の光エネルギー量(光エネルギー量C)を読み取る。
(3)感度の測定(比較例1、2)
最短現像時間の測定と同様にして基板上に感光性転写シートを積層する。感光性転写シートの感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2まで光エネルギー量の異なる光を照射して、感光層を硬化させる。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定する。次いで、光の照射量と、硬化層の厚さとの関係をプロットして感度曲線を得る。
実施例1〜7及び比較例1〜2にて製造した感光性転写シートの解像度、テント破れ率、感光層の硬化物の突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度を下記の方法により評価した。その結果を表1に示す。
[解像度の測定方法]
上記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、第二感光層、(実施例4〜7では更にバリアー層)、第一感光層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行う。露光量は、上記感度測定で算出した感光層(実施例1〜7の感光性転写シートでは第二感光層)を硬化させるために必要な光エネルギー量)で行った。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とする。
[テント破れ率]
直径3mmの穴が複数個空いている銅張積層板の表面に感光性転写シートを積層し、裏側をセロハンテープで補強した後、上記感度測定で算出した感光層(実施例1〜7の感光性転写シートでは第一感光層)を硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の露光量で露光し、0.2MPaでスプレーし最短現像時間の1.5倍で現像した。全穴数分の破れた穴数を%表示したものをテント破れ率とした。
[感光層の硬化物の突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度]
銅張り積層板に感光性シートをその第二感光層が銅張積層板側となる位置関係にてラミネートし、超高圧水銀灯露光機により、富士フイルム(株)製15段ステップタブレット(濃度ステップ0.3)を介して露光し、第一感光層、第二感光層の両方が完全に硬化させるために必要な光エネルギー量を算出する。
次いで、直径3mmの穴があいている銅張積層板の上に感光性シートを、その第二感光層が銅張積層板側となる位置関係にてラミネートする。感光性転写シートの支持体の側から上記で測定した第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、超高圧水銀灯露光機を用いて第一感光層と第二感光層とを露光する。次いで、感光性転写シートの支持体を剥がし取った後、突き刺し強度試験機(シグマ光機製)を用いて、先端形状直径0.5mmの針を0.2mm/秒の速度で突き刺して、硬化物の突き刺し破断強度及び突き刺し破断伸度を測定する。
表1
────────────────────────────────────────
解像度 テント破れ率 破断強度(N) 破断伸度(mm)
────────────────────────────────────────
実施例1 15μm以下 3%以下 1.57 1.5
実施例2 15μm以下 3%以下 1.57 1.5
実施例3 15μm以下 3%以下 1.57 1.5
実施例4 15μm以下 3%以下 1.67 1.5
実施例5 20μm以下 3%以下 1.57 1.8
実施例6 20μm以下 3%以下 2.16 2.4
実施例7 20μm以下 10%以下 1.23 1.2
────────────────────────────────────────
比較例1 25μm以上 3%以下 1.48 1.8
比較例2 15μm以下 10%を越える 0.20 0.1
────────────────────────────────────────
感光層の硬化物の突き刺し破断強度が1.0N以上で突き刺し破断伸度が1.0mm以上の感光性シート(実施例1〜7)は、硬化後の膜強度が十分高いため、テント膜破れ率が少なかった。また、露光量により、第二感光層のみ残すことが可能なため、高い解像度が得られた。一方、比較例1、2の感光性シートは感光層が1層しかなく、露光量による膜厚変更が出来ないため、解像度とテント性の両立は困難であった。
本発明に従う感光性転写シートの一例の模式断面図である。 本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 本発明の感光性転写シートに支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 本発明に従う感光性転写シートの一例の模式断面図である。 本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 本発明に従う感光層が三層である感光性転写シートを用いて形成が可能な画像例(硬化層パターン)を示す模式図である。 本発明に従うスルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す工程図である。
符号の説明
10 感光性転写シート
11 支持体
12 第一感光層
13 バリアー層
14 第二感光層
15 保護フィルム
16 配線パターン形成用の硬化層
17 スルーホールの金属層保護用硬化層
18 剥離片
21 プリント配線板形成用基板
22 スルーホール
23 金属めっき層
24 配線パターン
31 加圧ローラ
50 感光性転写シート
51 支持体
52 第一感光層
53 バリアー層
54 第二感光層
55 第三感光層
56 保護フィルム
57 基板

Claims (39)

  1. 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第一感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第一感光層の光感度よりも相対的に高い光感度を示す第二感光層がこの順に積層されてなり、第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光したときに形成される硬化物が、突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上であることを特徴とする感光性転写シート。
  2. 第一感光層のバインダー、重合性化合物、又は光重合開始剤がウレタン結合を有する化合物であるか、第一感光層がさらにウレタン結合を有する化合物を含む請求項1に記載の感光性転写シート。
  3. 第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されている請求項1もしくは2に記載の感光性転写シート。
  4. バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む請求項3に記載の感光性転写シート。
  5. バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む請求項3もしくは4に記載の感光性転写シート。
  6. バリアー層が、0.1〜5μmの範囲の厚みを有する請求項3から5のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  7. 第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200の範囲にある請求項1から6のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  8. 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量BとのA/Bで表される比が、0.005〜0.5の範囲にある請求項1から7のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  9. 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量CとのC/Aで表される比が、1〜10の範囲になる請求項1から8のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  10. 第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含む請求項1から9のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  11. 第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量よりも多い請求項10に記載の感光性転写シート。
  12. 第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合開始剤の量よりも多い請求項1から11のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  13. 第二感光層に含有されている重合性化合物の量が第一感光層に含有されている重合性化合物の量よりも多い請求項1から12のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  14. 第一感光層が、1〜100μmの範囲の厚みを有し、かつその厚みが第二感光層の厚みよりも大きい請求項1から13のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  15. 第二感光層が、0.1〜15μmの範囲の厚みを有する請求項1から14のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  16. 支持体が合成樹脂製で、かつ透明である請求項1から15のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  17. 支持体が長尺支持体である請求項1から16のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  18. 第二感光層の上に保護フィルムが配置されている請求項1から17のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  19. 長尺体であって、ロール状に巻かれている請求項1から18のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  20. プリント配線板製造用である請求項1から19のうちのいずれかの項に記載の感光性転写シート。
  21. 基体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる第二感光層、そしてバインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなり、第二感光層の光感度よりも相対的に低い光感度を示す第一感光層がこの順に積層されてなり、第一感光層と第二感光層とを共に硬化させるために必要な光エネルギー量の2倍の光エネルギー量で、第一感光層と第二感光層とを露光したときに形成される硬化物が、突き刺し破断強度が1.0N以上で、かつ突き刺し破断伸度が1.0mm以上であることを特徴とする感光性積層体。
  22. 第一感光層のバインダー、重合性化合物、又は光重合開始剤がウレタン結合を有する化合物であるか、第一感光層がさらにウレタン結合を有する化合物を含む請求項21に記載の感光性積層体。
  23. 第一感光層と第二感光層との間にバリアー層が配置されている請求項21もしくは22に記載の感光性積層体。
  24. バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む請求項23に記載の感光性積層体。
  25. バリアー層が、水もしくは炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む請求項23もしくは24に記載の感光性積層体。
  26. 基体がプリント配線板形成用基板である請求項21から25のうちのいずれかの項に記載の感光性積層体。
  27. 第一感光層の上に支持体が積層されている請求項21から26のうちのいずれかの項に記載の感光性積層体。
  28. 下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂層が存在する領域と硬化樹脂層が存在しない領域とから構成される画像パターンを形成する方法:
    (1)基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    (2)積層体の第一感光層の側から所定の画像パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程;
    (3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
    (4) 積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  29. 下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂層が存在する領域と硬化樹脂層が存在しない領域とから構成される画像パターンを形成する方法:
    基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    積層体から支持体を除去する工程;
    積層体の第一感光層の側から所定の画像パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程;そして、
    積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  30. 光照射をレーザ光の照射により行う請求項28もしくは29に記載の方法。
  31. 下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂層が存在する領域、第二感光層が硬化することにより形成された樹脂層が存在する領域、そして硬化樹脂層が存在しない領域から構成される画像パターンを形成する方法:
    (1)基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    (2)積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定する画像パターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる工程;
    (3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
    (4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  32. 下記の工程を含む、基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂層が存在する領域、第二感光層が硬化することにより形成された樹脂層が存在する領域、そして硬化樹脂層が存在しない領域から構成される画像パターンを形成する方法:
    基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    積層体から支持体を除去する工程;
    積層体の第一感光層の側から、互いに相違する少なくとも二レベルの照射エネルギー量の光を照射する領域を規定する画像パターンにて光照射し、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の第二感光層を硬化させる工程;そして、
    積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  33. 光照射をレーザ光の照射により行う請求項31もしくは32に記載の方法。
  34. 下記の工程を含む、プリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されている領域と基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法:
    (1)基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    (2)積層体の第一感光層の側から所定の配線パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程;
    (3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
    (4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  35. 下記の工程を含む、プリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されている領域と基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法:
    基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    積層体から支持体を除去する工程;
    積層体の第一感光層の側から所定の配線パターンの光照射を行い、その光照射を受けた領域の第一感光層と第二感光層とを共に硬化させる工程;そして、
    積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  36. 光照射をレーザ光の照射により行う請求項34もしくは35に記載の方法。
  37. 下記の工程を含む、ホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されているホール部、第二感光層が硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されている領域、そして基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法:
    (1)基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    (2)積層体の第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして配線形成領域には、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を与えて第二感光層を硬化させるような画像パターンの光照射を行う工程;
    (3)積層体から支持体を除去する工程;そして、
    (4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  38. 下記の工程を含む、ホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、第一感光層と第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されているホール部、第二感光層が硬化することにより形成された硬化樹脂層で被覆されている領域、そして基板表面が露出している領域とから構成される配線パターンを形成する方法:
    基板上に、請求項1に記載の感光性転写シートを、その第二感光層が基板側となる位置関係にて積層して積層体を得る工程;
    積層体から支持体を除去する工程;
    積層体の第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて第一感光層と第二感光層とを共に硬化させ、そして配線形成領域には、光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を与えて第二感光層を硬化させるような画像パターンの光照射を行う工程;そして、
    積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程。
  39. 光照射をレーザ光の照射により行う請求項37もしくは38に記載の方法。

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JP2008139680A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 感光性樹脂組成物及びその用途

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