JP2006022378A - 水電解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧力容器の耐圧性を向上させるとともに、重量の増加およびコストアップを抑えることができる水電解装置を提供する。
【解決手段】 圧力容器3は多層構造であり、内層14がステンレス鋼で形成され、外層15がステンレス鋼よりも引張り強度が大きい炭素鋼で形成されている。内層14の厚みは、外層15の厚みよりも小さくなされている。外層15に、内層14に通じる連通路26が設けられ、連通路26外側開口部に、内層14から漏洩したガスの濃度を検知するセンサ8が設けられている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、水電解装置に関し、特に高圧の水素の供給を可能とする水電解装置に関する。
固体高分子膜を用いる水電解槽を圧力容器内に設置して電気を供給し、発生した水素ガスおよび酸素ガスを圧力容器外に取り出す水電解装置は、例えば特許文献1に記載されているように、高圧の水素を供給する水素供給装置として使用することが考えられている。この水電解装置で使用されている圧力容器は、1層とされており、耐食性を考慮してステンレス鋼(例えば、SUS316L)により形成されている。
特開2003−342768号公報
水電解装置を高圧の水素を供給するために使用する場合、圧力容器の耐圧性の向上が必要となる。そのためには、ステンレス鋼の厚みを増加すればよいが、この場合には、重量が増加して装置全体が大きくなるとともに、コストが大幅に増加するという問題がある。
この発明は、圧力容器の耐圧性を向上させるとともに、重量の増加およびコストアップを抑えることができる水電解装置を提供することを目的とする。
この発明による水電解装置は、固体高分子膜を用いる水電解槽を圧力容器内に設置して電気を供給し、発生した水素ガスおよび酸素ガスを圧力容器外に取り出す水電解装置において、圧力容器は多層構造であり、内層がステンレス鋼で形成され、内層以外の層が内層のステンレス鋼よりも引張り強度が大きい鋼で形成されていることを特徴とするものである。
引張り強度は、許容引張応力の大きさによって表すことができる。
圧力容器は、例えば、内層(=最内層)および外層(=内層以外の層)からなる2層構造とされるが、内層(=最内層)、少なくとも1層の中間層(=内層以外の層)および外層(=内層以外の層)からなる3層以上の構造とされることもある。
内層の厚みは、圧力容器全体の厚みの1/2未満とされ、3〜30mmとされることがより好ましい。ステンレス鋼としては、例えば、SUS316Lが好適に使用される。
引張り強度が大きい鋼は、ステンレス鋼の1.5倍以上の引張り強度を有するものが好ましく、このような鋼としては、例えば、SCM440(炭素鋼)が好適に使用される。これにより、容器肉厚を従来の半分以下にすることができる。このほか、SCM440以外の炭素鋼や低合金鋼も使用可能である。
SUS316Lと同等の耐食性を有しかつ強度がこれより高い材料として、ニッケルを多量に含有する特殊合金や耐熱合金があるが、このような材料は、トータルで大幅なコスト増となり、薄肉化とコスト低減とのバランスの点で好ましくない。
圧力容器の内層の厚みは、内層以外の層のトータル厚みよりも小さくされていることが好ましい。
すなわち、2層の圧力容器の場合には、内層の厚み<外層の厚みとされ、3層以上の圧力容器の場合には、内層の厚み<(中間層の厚みの和+外層の厚み)とされる。このようにすると、内層のステンレス鋼よりも引張り強度が大きい鋼の割合が増加し、より一層肉厚を薄くかつコストを下げることができる。
水電解槽の一方の電極が圧力容器の内層に接触させられ、前記接触させられた圧力容器の内層以外の層で前記一方の電極の近傍に、接続端子となる良導電体が埋設され、水電解槽の電極へ通電可能になされていることが好ましい。
水電解槽の電極は、圧力容器の内層の底壁に接触させられてもよく、同頂壁に接触させられてもよい。良導電体としては、ステンレス鋼および鋼よりも抵抗が小さい銅やアルミニウム(合金を含む)が好ましい。このようにすると、圧力容器の底壁がステンレス鋼または鋼で形成されていることを利用して、これらを電源と水電解槽の電極との電気的接続のための部材の一部として使用することができ、配線のために圧力容器の底壁を貫通させる必要がないので、貫通孔加工や孔のシールなどが不要となり、配線が簡単で、コストを低減することができる。
圧力容器の外層に、内層に通じる連通路が設けられ、連通路外側開口部に、内層から漏洩したガスの濃度を検知するセンサ(水素センサまたは酸素センサ)が設けられ、センサで検出されたガス濃度が所定の範囲に入ったときに、電解槽への給電を停止するか、または、圧力容器内の空間に貯留されたガスを排出する制御を行う監視制御装置が設けられていることが好ましい。
このようにすると、内層から水素(または酸素)が漏洩した場合には、この水素(または酸素)が連通路から外部へ速やかに排出されるとともに、水素(または酸素)の排出量がセンサによって検出され、水素(または酸素)の漏洩量に異常がないかどうかが検出される。センサの数は、1つに限らず、複数としてもよい。センサで検出される漏洩水素(または漏洩酸素)の濃度が所定値以上となったときには、監視制御装置が電解槽への給電停止および圧力容器内の水素(または酸素)ガス排出のいずれかを行い、これにより、安全性が確保される。
この発明の水電解装置によると、内層がステンレス鋼で形成されているので、水、水素、酸素などに接触することによって腐食することはなく、また、内層以外の層が内層のステンレス鋼よりも引張り強度が大きい鋼(例えばステンレス鋼の1.5倍以上の引張り強度を有する鋼)で形成されているので、圧力容器の全体の厚みを薄くすることができ、しかも、圧力容器の製造コストを下げることができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
図1はこの発明の水電解装置の第1実施形態を示しており、水電解装置(1)は、高分子電解質膜を用いて水を電解し、陽極に酸素を、陰極に水素をそれぞれ発生させる固体高分子型水電解槽(2)と、水電解槽(2)を収める円筒形圧力容器(3)と、電解槽(2)に直流電流を供給する電源装置(4)と、圧力容器(3)の底壁(3a)に設けられた水供給ライン(5)および水素排出ライン(6)と、圧力容器(3)の頂壁(3b)に設けられた酸素排出ライン(7)と、漏洩ガスの濃度を検知する酸素センサ(8)と、酸素センサ(8)で検出されたガス濃度に基づいた制御を行う監視制御装置(9)とを備えている。
この水電解装置(1)によると、例えば燃料電池用水素ステーションで30〜70MPa(300〜700kg/cm)の高圧水素ガスを供給することができる。
固体高分子型水電解槽(2)は、公知のもので、両端に配された陽極主電極(11)および陰極主電極(12)と、これらの主電極(11)(12)の間に直列に配された複数の単位セル(13)とを有し、1つのセル(13)は、陽極給電体(13a)、電極接合体膜(13b)、および陰極給電体(13c)などから構成されている。
圧力容器(3)は、ステンレス鋼(例えばSUS316L)製の内層(14)および炭素鋼(例えばSCM440)製の外層(15)からなる2層構造とされている。内層(14)は、円筒状本体(14a)、ドーム状(断面形状が上に凸の円弧状)に形成された頂壁(14b)、本体(14a)下端部に設けられたフランジ部(14c)、および本体(14a)下端開口を塞ぎその外周縁部がフランジ部(14c)に重ね合わせられた底壁(14d)からなる。外層(15)は、内層(14)の円筒状本体(14a)に密接する円筒状本体(15a)、ドーム状(断面形状が上に凸の円弧状)に形成されて内層(14)の頂壁(14b)に密接する頂壁(15b)、本体(15a)下端部に設けられかつ内層(14)のフランジ部(14c)に上から重ね合わせられたフランジ部(14c)、および内層(14)の底壁(14d)に下から重ね合わせられた底壁(15d)からなり、外層(15)のフランジ部(15c)、内層(14)のフランジ部(14c)、内層(14)の底壁(14d)外周縁部および外層(15)の底壁(15d)外周縁部がボルト(16)によって結合されている。
圧力容器(3)の肉厚tは、次式で決定されている。
t=Di/2{√(δ+p)/√(δ−p)−1}
Di:容器内径、δ:許容引張応力(δaη)、p:設計圧力
この式を用いて必要な肉厚を求めると、例えば、許容引張応力δが91MPaであるSUS316Lを使用し、設計圧力40MPa、内径400mmとした場合、約120mm程度の肉厚が必要となる。
図4は、許容引張応力δおよび設計圧力pを変更した場合に必要な肉厚tを容器内径Diが500mmの場合について求めたもので、同図に示すように、δ=100,150および200の材料を使用した場合の容器肉厚は、特に、設計圧力が大きいところで大きな差が生じており、δ=100の材料を使用して設計圧力を大きくする場合には、大幅な増厚が必要となる。この事実から、2層構造の外層(15)の材料として、SCM440に限らず、ステンレス鋼の1.5倍以上の引張り強度を有する鋼(炭素鋼の他に、低合金鋼なども可能)を利用することで、薄肉化が可能であることが分かる。SCM440は、その許容引張応力δ=245MPaであり、薄肉化とする際の好適な材料となる。この薄肉化により、装置全体をコンパクトにすることができるとともに、コストを下げることができる。
なお、圧力容器(3)内の純水の温度は、70〜80℃程度であり、この条件下で、水素、酸素および純水に接しているステンレス鋼製の内層(14)は、十分な耐食性を有している。
水電解槽(2)は、その陰極主電極(12)を圧力容器(3)の内層(14)の底壁(14d)内面に接触させるように、圧力容器(3)内に収められている。
電源装置(4)は、直流電源(17)と、電解槽(2)の陽極主電極(11)に接続された陽極側配線(18)と、陽極側配線(18)途中に設けられたスイッチ(19)と、電解槽(2)の陰極主電極(12)に接続された陰極側配線(20)と、圧力容器(3)の側壁を貫通しかつ陽極側配線(18)を通過させる陽極側配線支持部(21)と、圧力容器(3)の外層(15)の底壁(15d)に設けられかつ水電解槽(2)の陰極主電極(12)への接続端子となる良導電体(22)とを有している。
良導電体(22)は、例えば、銅またはアルミニウム(合金を含む)によって形成されており、圧力容器(3)の内層(14)の底壁(14d)に接触するように、圧力容器(3)の外層(15)の底壁(15d)に設けられた貫通孔に嵌め入れられている。陽極側配線支持部(21)は、図示省略するが、圧力容器(3)に電線取出し用開口部を形成して、ここに絶縁碍子を取り付けるとともに、開口を塞ぐカバーを設けることで形成されている。陰極側配線(20)についても、圧力容器(3)の底壁(3a)に貫通孔を設けて陽極側配線支持部(21)と同様の支持部を形成することも可能であるが、電解槽(2)の電極(12)と圧力容器(3)とを接触させることで、電解槽(2)と圧力容器(3)とを電気的に接続するとともに、圧力容器(3)に良導電体(22)を設けてこれを電極端子とし、これにより、圧力容器(3)の内層(14)の底壁(14d)がステンレス鋼で形成され、外層(15)の底壁(15d)が鋼で形成されていることを利用して、これらの底壁(14d)(15d)を直流電源(17)と水電解槽(2)の電極(12)との電気的接続のための部材の一部として使用することができ、配線のために圧力容器(3)の底壁(3a)を貫通させる必要がないので、貫通孔加工や孔のシールなどが不要となり、配線が簡単で、コストを低減することができる。
水供給ライン(5)は、水電解槽(2)に当接しない箇所に設けられた水入口からポンプ(図示略)により圧力容器(3)内に純水を導入するもので、これにより、圧力容器(3)と水電解槽(2)との間隙が純水で充満され、圧力容器(3)内の純水が水電解槽(2)への供給水を兼ねるようになされている。
水素排出ライン(6)は、水電解槽(2)の陰極にて発生した水素とこれに同伴する水を取り出す排出管(23)と、これらの水素および同伴水を分離して水素を取り出す水素気液分離器(24)とを有している。水素気液分離器(24)により分離された水素は、所定の圧力(例えば、30〜70MPa)で外部に供給される。
酸素排出ライン(7)には、圧力調整弁(25)が設けられている。圧力容器(3)の上部には、酸素が貯留され、この酸素は、酸素排出ライン(7)によって外部に排出される。
漏洩ガスの濃度を検知する酸素センサ(8)は、圧力容器(3)の外層(15)の円筒状本体(15a)に設けられており、圧力容器(3)の外層(15)の円筒状本体(15a)には、これを貫通して内層(14)の本体(14a)の外周面に通じる連通路(26)が設けられ、連通路(26)外側開口部に酸素センサ(8)が設置されている。圧力容器(3)の内層(14)と外層(15)とは、溶着などの手段により隙間無く密着させられているのではなく、内層(14)と外層(15)との間には、気体が通過可能な程度の隙間が存在している。したがって、内層(14)から酸素が漏洩した場合には、この酸素が連通路(26)から外部へ速やかに排出される。これにより、内層(14)に大きな圧力がかかることが防止されている。
監視制御装置(9)は、酸素センサ(8)からの酸素ガス濃度信号が入力されるセンサ信号入力線(27)と、酸素センサ(8)の酸素ガス濃度信号に基づいて電源のスイッチ(19)をオン・オフする電源オフ信号出力線(28)と、酸素センサ(8)の酸素ガス濃度信号に基づいて酸素排出ライン(7)の圧力調整弁(25)を開閉するバルブ開度調整信号出力線(29)とを有しており、酸素センサ(8)で検出された酸素ガス濃度が所定の範囲に入ったときに、電解槽(2)への給電を停止するか、または、圧力容器(3)内の空間に貯留されたガスを排出する制御を行う。これにより、酸素の漏洩を検知して圧力容器(3)の状態を把握することができるとともに、適宜な制御を行うことができる。
この実施形態の水電解装置(1)によると、圧力容器(3)内に導入された水は、水電解槽(2)の給水ヘッダーに加圧供給され、給水ヘッダーから各単位セル(13)内に導かれ、電極接合体膜(13b)の表面で電気分解され、陽極側では酸素、陰極側では水素がそれぞれ発生する。発生した酸素および水素はそれぞれ多孔質の給電体(13a)(13c)を通って複極板の陽極側および陰極側に達し、酸素は水電解槽(2)上部から、水素は水電解槽(2)下部からそれぞれ排出される。
図2はこの発明の水電解装置の第2実施形態を示しており、水電解装置(31)は、高分子電解質膜を用いて水を電解し、陽極に酸素を、陰極に水素をそれぞれ発生させる固体高分子型水電解槽(2)と、水電解槽(2)を収める円筒形圧力容器(3)と、電解槽(2)に直流電流を供給する電源装置(4)と、圧力容器(3)の底壁(3a)に設けられた水供給ライン(5)、水排出ライン(35)および酸素排出ライン(36)と、圧力容器(3)の頂壁(3b)に設けられた水素排出ライン(37)と、漏洩ガスの濃度を検知する水素センサ(34)と、圧力容器(3)内の水高さを検出するための複数の圧力センサ(39)と、水素センサ(34)で検出されたガス濃度および圧力センサ(39)で検出された水面高さに基づいた制御を行う監視制御装置(9)とを備えている。
図2において、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略し、以下では、第2実施形態の主要部および第1実施形態と異なる点について説明する。
圧力容器(3)は、ステンレス鋼(例えばSUS316L)製の内層(14)および炭素鋼(例えばSCM440)製の外層(15)からなる2層構造とされている。
この実施形態では、水供給ライン(5)は、水電解槽(2)に当接する箇所に設けられた水入口に接続されており、水素と同伴水が圧力容器(3)内の空間に放出されて貯留され、酸素と電解に利用されなかった水が、酸素排出ライン(36)によって排出されている。
監視制御装置(9)は、水素センサ(34)からの水素ガス濃度信号が入力されるセンサ信号入力線(27)と、水素センサ(34)の水素ガス濃度信号に基づいて電源のスイッチ(19)をオン・オフする電源オフ信号出力線(28)と、水素センサ(34)の水素ガス濃度信号に基づいて水素排出ライン(37)の圧力調整弁(45)を開閉するバルブ開度調整信号出力線(29)とを有しており、水素センサ(34)で検出された水素ガス濃度が所定の範囲に入ったときに、電解槽(2)への給電を停止するか、または、圧力容器(3)内の空間に貯留されたガスを排出する制御を行う。これにより、水素の漏洩を検知して圧力容器(3)の状態を把握することができるとともに、適宜な制御を行うことができる。水素の可燃限界濃度は、4vol%であることから、漏洩水素の濃度を0.1%〜1%程度未満に抑えることにより、燃焼や爆発を未然に防止することができる。
電源装置(4)は、直流電源(17)と、電解槽(2)の陽極主電極(11)に接続された陽極側配線(18)と、電解槽(2)の陰極主電極(12)に接続された陰極側配線(20)と、圧力容器(3)の側壁を貫通しかつ陽極側配線(18)を通過させる陽極側配線支持部(21)と、圧力容器(3)の外層(15)の底壁(15d)に設けられかつ水電解槽(2)の陰極主電極(12)への接続端子となる良導電体(42)とを有している。
良導電体(42)は、例えば、銅またはアルミニウム(合金を含む)によって形成されており、第1実施形態の良導電体(22)に対応するものであるが、この実施形態では、圧力容器(3)の内層(14)の底壁(14d)に接触しない状態で、圧力容器(3)の外層(15)の底壁(15d)に設けられた凹所に嵌め入れられている。このような構成であっても、圧力容器(3)の内層(14)の底壁(14d)および外層(15)の底壁(15d)を直流電源(17)と水電解槽(2)の電極(12)との電気的接続のための部材の一部として使用することができ、配線のために圧力容器の底壁を貫通させる必要がないので、貫通孔加工や孔のシールなどが不要となり、配線が簡単で、そのコストを低減することができる。
水排出ライン(35)は、排出弁(38)および三方弁(40)を有しており、圧力容器(3)内の空間に放出されて貯留された同伴水は、所定高さを越えた場合に、排出弁(38)を介して排出される。水の排出後は、圧力容器(3)内は気相(ガス相)となる。電解槽(2)の内外は、同一圧力であり、電極接合体膜(13b)は差圧を受けないので、電極接合体膜(13b)が差圧で破損されない。
酸素排出ライン(36)は、酸素および水を取り出す排出管(43)と、これらの酸素および水を分離して酸素を取り出す酸素気液分離器(44)とを有している。酸素気液分離器(44)により分離された酸素は、外部に供給される。
水素排出ライン(37)には、圧力調整弁(45)が設けられている。圧力容器(3)の上部に貯留された水素は、圧力調整弁(45)によって所定の圧力(例えば、30〜70MPa)に調整されて外部に供給される。
図3はこの発明の水電解装置の第3実施形態を示しており、水電解装置(51)は、高分子電解質膜を用いて水を電解し、陽極に酸素を、陰極に水素をそれぞれ発生させる固体高分子型水電解槽(2)と、水電解槽(2)を収める円筒形圧力容器(53)と、電解槽(2)に直流電流を供給する電源装置(4)と、圧力容器(53)の底壁(53a)に設けられた水供給ライン(54)および水素排出ライン(55)と、圧力容器(53)の頂壁(53b)に設けられた酸素排出ライン(56)と、漏洩ガスの濃度を検知する酸素センサ(8)と、酸素センサ(8)で検出されたガス濃度に基づいた制御を行う監視制御装置(図示略)とを備えている。
図3において、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略し、以下では、第3実施形態の主要部および第1実施形態と異なる点について説明する。
圧力容器(53)は、ステンレス鋼(例えばSUS316L)製の内層(57)および炭素鋼(例えばSCM440)製の外層(58)からなる2層構造とされている。
内層(57)は、円筒状本体(57a)、ドーム状(断面形状が下に凸の円弧状)に形成された底壁(57b)、本体(57a)上端部に設けられたフランジ部(57c)、および本体(57a)上端開口を塞ぎその外周縁部がフランジ部(57c)に重ね合わせられた頂壁(57d)からなる。外層(58)は、内層(57)の円筒状本体(57a)に密接する円筒状本体(58a)、ドーム状(断面形状が下に凸の円弧状)に形成されて内層(57)の底壁(57b)に密接する底壁(58b)、本体(58a)上端部に設けられかつ内層(57)のフランジ部(57c)に下から重ね合わせられたフランジ部(58c)、および内層(57)の頂壁(57d)に上から重ね合わせられた頂壁(58d)からなり、外層(58)のフランジ部(58c)、内層(57)のフランジ部(57c)、内層(57)の頂壁(57d)外周縁部および外層(58)の頂壁(58d)外周縁部がボルト(16)によって結合されている。内層(57)の底壁(57b)の上面中央部は、水電解槽(2)との密着性を上げるために平坦面とされている。
水供給ライン(54)は、ポンプ(図示略)により圧力容器(53)内に純水を導入するもので、これにより、圧力容器(53)と水電解槽(2)との間隙が純水で充満され、圧力容器(53)内の純水が水電解槽(2)への供給水を兼ねるようになされている。
水素排出ライン(55)は、水電解槽(2)の陰極にて発生した水素とこれに同伴する水を取り出すもので、図示省略したが、水素および同伴水を分離して水素を取り出す水素気液分離器を有し、水素気液分離器により分離された水素は、所定の圧力(例えば、30〜70MPa)で外部に供給される。
酸素排出ライン(56)には、圧力調整弁(59)が設けられている。圧力容器(53)の上部には、酸素が貯留され、この酸素は、酸素排出ライン(56)によって外部に排出される。
第3実施形態の圧力容器(53)は、図1に示した第1実施形態の圧力容器(3)では、下部構造をフランジ(14c)(15c)としたのに対し、上部構造をフランジ(58c)(58d)としたもので、図示省略したが、図2に示した第2実施形態の圧力容器(3)をもとにして、上部構造をフランジとした圧力容器を得ることもできる。また、図示省略したが、本体の上下端部の両方にフランジを形成し、ドーム状とされている底壁または頂壁を平坦な底壁または頂壁とすることもできる。いずれの場合でも、外層が内層のステンレス鋼よりも引張り強度が大きい鋼で形成されていることにより、圧力容器の耐圧性を向上させるとともに、重量の増加およびコストアップを抑えることができる。
上記各実施形態において、外部に供給される水素の圧力は、水素ラインに設定した圧力調整弁により常時調整され、水素ラインおよび酸素ラインの間に設置した差圧計と酸素ラインに設置した差圧調整弁とにより、水素ラインと酸素ラインとの間の差圧は、設定値(例えば1.0MPa)以下に調整される。これにより、水電解槽(2)の電極接合体膜(固体高分子膜)(13b)が保護されるとともに、水電解槽(2)内外のシール性も維持される。
また、上記第2実施形態では、水電解セルが水中に没した形態としたが、必ずしもそうである必要はなく、圧力センサ(39)で検知する水面高さは、水電解セルを水没しない状態、例えば、水素電解セルが設置された下部構造の内層(14d)面よりも数cm程度上であるようにして、水電解セルを水素(気相)で包むようにしても良い。この場合も、差圧計と差圧調整弁とを使用した上記の差圧制御が行われることにより、電極接合体膜(固体高分子膜)(13b)が保護されるとともに、水電解槽(2)内外のシール性も維持される。
また、上記第1から第3までの実施形態では、圧力容器(3)(53)内の下部構造に水電解槽(2)を設置したが、上部構造に吊り下げた形で上部の電極(11)が内層(14)(57)の頂壁(14b)(57d)に接触するように固定することも可能である。この場合、上部構造の外層(15)(58)(の頂壁(15b)(58d)またはその近傍)に接続端子となる良導電体が埋設される。
なお、圧力容器(3)(53)の外層(15)(58)は、1層に限られるものではなく、2層以上とすることも可能であり、この場合には、最内層だけがステンレス鋼製とされ、その他の層は、炭素鋼または低合金鋼などとされる。
この発明による水電解装置の第1実施形態を示す垂直断面図である。 この発明による水電解装置の第2実施形態を示す垂直断面図である。 この発明による水電解装置の第3実施形態を示す垂直断面図である。 この発明による水電解装置で使用した設計圧力と肉厚との関係を示すグラフである。
符号の説明
(1)(31)(51) 水電解装置
(2) 水電解槽
(3)(53) 圧力容器
(3a)(53a) 底壁
(8) 酸素センサ(センサ)
(9) 監視制御装置
(12) 水電解槽電極
(14)(57) 内層
(14d)(57b) 底壁
(15)(58) 外層
(15d)(58b) 底壁
(22)(42) 良導電体
(26) 連通路
(34) 水素センサ(センサ)

Claims (4)

  1. 固体高分子膜を用いる水電解槽を圧力容器内に設置して電気を供給し、発生した水素ガスおよび酸素ガスを圧力容器外に取り出す水電解装置において、圧力容器は多層構造であり、内層がステンレス鋼で形成され、内層以外の層が内層のステンレス鋼よりも引張り強度が大きい鋼で形成されていることを特徴とする水電解装置。
  2. 圧力容器の内層の厚みは、内層以外の層のトータル厚みよりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載の水電解装置。
  3. 水電解槽の一方の電極が圧力容器の内層に接触させられ、前記接触させられた圧力容器の内層以外の層で前記一方の電極の近傍に、接続端子となる良導電体が埋設され、水電解槽の電極へ通電可能になされていることを特徴とする請求項1または2に記載の水電解装置。
  4. 圧力容器の外層に、内層に通じる連通路が設けられ、連通路外側開口部に、内層から漏洩したガスの濃度を検知するセンサが設けられ、センサで検出されたガス濃度が所定の範囲に入ったときに、電解槽への給電を停止するか、または、圧力容器内の空間に貯留されたガスを排出する制御を行う監視制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の水電解装置。
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