JP2006019381A - Izo膜のウエットエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フラットパネルディスプレイ用薄膜トランジスター液晶表示装置等の透明電極に好適なIZO膜の画像の高精細化回路形成等に関し、エッチングによるアンダーカットを小さくし、かつ汚泥発生量の少なく簡素な方法でインジウム等の重金属を回収可能とするエッチング方法の提供。
【解決手段】 エッチング液として濃度が50質量%以下の硫酸水溶液を用い、かつ使用する硫酸水溶液の濃度と温度で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、50質量%と30℃、5質量%と60℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法。
【選択図】 なし。
【解決手段】 エッチング液として濃度が50質量%以下の硫酸水溶液を用い、かつ使用する硫酸水溶液の濃度と温度で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、50質量%と30℃、5質量%と60℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、フラットパネルディスプレイ用薄膜トランジスター液晶表示装置等の透明電極に使われるIZO(インジウム亜鉛酸化物)膜をウエットエッチングする際に利用されるエッチング方法に関する。
フラットパネルディスプレイ用薄膜トランジスター液晶表示装置等の透明電極に好適な材料として、透明度が高く電気導電性に優れる薄膜である、IZO(インジウム酸化物と亜鉛酸化物の混合体)やITO(インジウム酸化物と錫酸化物の混合体)がよく使用される。この金属酸化物は、インジウム:亜鉛または錫の混合比で9:1〜8:2程度のものが多く使用され、ガラス基盤へのスパッタリング等にて製膜される。膜厚は20〜300nm程度である。これらへの電気回路形成等の加工にはフォトエッチングを行うのが一般的であり、エッチング剤としては液体を使用するウエットエッチングや気体を使用するドライエッチングがある。非結晶性ITO膜に比べてIZO膜は完全非晶質であるため、エッチング残りの原因となるノジュールが発生しないことから、結晶性のITO膜または非結晶性のITO膜に比べて歩留まりの向上が期待でき特に大型パネル等に多く用いられている。
IZO膜のエッチングにおいて、エッチング液として蓚酸水溶液が用いられていることが特許文献1に記載されており優れたエッチング特性を示している。しかし、画質アップの観点から、ディスプレイ画素数増加等の高精細化加工には、さらにアンダーカットの小さいエッチング液が必要である。また、エッチング液やそのリンス排水の処理は、活性汚泥処理または消石灰で沈澱処理をする方法があるが、何れも大型の排水処理装置が必要であり、かつ、大量の汚泥が発生するため、処理費用全体ではコスト高になる。さらに、透明電極にはインジウム等の高価な金属が多量に使用されているため、この回収は環境負荷の面からも重要であるが、前記の多量の汚泥中に低濃度で含まれるためこの分離が困難であった。
IZO膜と同じく非結晶の透明電極としては非結晶ITO膜がある。
非結晶性のITO膜を得るには、前記結晶性ITOより低温領域で作成することにより可能であるが、非結晶の状態を維持するのは難しく部分的に結晶化しノジュールが発生してしまい完全な非結晶体を得ることは困難である。
非結晶ITO膜は、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の希釈された酸でエッチングできる事が、特許文献2に記載されているが、アンダーカット抑制の点にまでは言及されていない。
非結晶性のITO膜を得るには、前記結晶性ITOより低温領域で作成することにより可能であるが、非結晶の状態を維持するのは難しく部分的に結晶化しノジュールが発生してしまい完全な非結晶体を得ることは困難である。
非結晶ITO膜は、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等の希釈された酸でエッチングできる事が、特許文献2に記載されているが、アンダーカット抑制の点にまでは言及されていない。
銀系薄膜と金属酸化物の積層膜に関しては、蓚酸と硝酸の混酸系エッチング液にアンダーカット抑制効果があることが、特許文献3に記載されている。しかしながら、このエッチング液をIZO単層膜に適用しようとした場合には、アンダーカットが大きくなってしまうという問題点がある。またエッチング液の処理については前述の蓚酸単体エッチング液と同様の問題があることに加えて、汚泥中や処理排水中に富栄養化の原因となる窒素分を含むという問題点がある。
さらに、銀系薄膜と酸化インジウムとの積層膜に関しては、硫酸と硝酸の混酸系エッチング液にアンダーカット抑制効果があることが、特許文献4に記載されている。しかしながら、このエッチング液をIZO単層膜に適用しようとした場合には、前述同様アンダーカットが大きくなってしまうという問題点がある。またエッチング液の処理については、汚泥中や処理排水中に富栄養化の原因となる窒素分を含むという問題点がある。
さらに、エッチングは生産性の観点から高速で行われる事が必要であるが、エッチングコントロールの観点からは、調整の利く決められた時間の範囲内での処理が好ましく、即ち適切な速度が存在する。適切な速度としてはIZO膜の残渣が存在しなくなるまでのエッチングを30秒〜3分程度かけて行うのが好ましく、1〜2分が最も適当である。エッチングではこの速度の他、電気回路を形成する上でのアンダーカット幅が重要でありこれを小さくすることにより、さらに緻密なパターニングが可能となる。エッチング速度とアンダーカットの抑制の両立には温度依存性が高く、一般的には温度を高くすることにより向上する。
またアンダーカットはフォトレジストを使用する場合この相性が重要であるが、一般的にノボラック系、環化ゴム系、アクリル系が使用され、適宜仕上がり特性や工程上の制約から選定がされる。
またアンダーカットはフォトレジストを使用する場合この相性が重要であるが、一般的にノボラック系、環化ゴム系、アクリル系が使用され、適宜仕上がり特性や工程上の制約から選定がされる。
本発明の解決すべき課題は、フラットパネルディスプレイ用薄膜トランジスター液晶表示装置等の透明電極に好適なIZO膜の画像の高精細化回路形成等に関し、エッチングによるアンダーカットを小さくし、かつ汚泥発生量の少なく簡素な方法でインジウム等の重金属を回収可能とするエッチング方法を提供せんとするものである。
本発明者等は、前記課題を克服するため鋭意検討した結果、濃度が50質量%以下の硫酸水溶液を用いたエッチングにて低アンダーカットでのエッチングが可能であり、環境負荷を大幅に軽減させ得ることを見出し本発明を完成するに至った。
IZO膜のエッチングにおいて本発明のエッチング方法を用いれば、既存のエッチング液を用いた場合よりもアンダーカットを小さくでき、ディスプレイの高精細化に対応可能である。本発明のエッチング方法を用いると、排水の処理もpH調整だけであり汚泥が殆ど発生せず、地球環境保全の面からも好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の好ましい態様は、硫酸水溶液を用い、エッチングの条件が硫酸水溶液の濃度と温度で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、50質量%と30℃、5質量%60℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法、並びに前記使用条件が、2質量%と50℃、3質量%と40℃、20質量%と40℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法である。
本発明の好ましい態様は、硫酸水溶液を用い、エッチングの条件が硫酸水溶液の濃度と温度で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、50質量%と30℃、5質量%60℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法、並びに前記使用条件が、2質量%と50℃、3質量%と40℃、20質量%と40℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法である。
IZO膜は希酸でエッチングができるが、前記の適切なエッチング速度に見合う酸を検討したが十分なものはなかった。即ち、フッ酸や塩酸では、エッチング速度は硫酸に比べ10倍以上速いもののアンダーカットが大きくなり、燐酸、硝酸や塩化第二鉄ではほぼ同等の適切なエッチング速度は得られるが、硫酸に比べてアンダーカットが2倍程度あり、アンダーカットの抑制効果は少なかった。また、酢酸や安息香酸では十分なエッチング速度が得られなかった。
硫酸は適したエッチング速度を有しながら、アンダーカットの抑制に特異的であり、同じ解像力のフォトレジストでも微細な加工ができ、ディスプレイの高精細化に寄与できる。なお、硫酸を希釈する水の種類としては、水道水や浄化水が使用できるが、イオン交換水や逆浸透水が好適である。
硫酸は適したエッチング速度を有しながら、アンダーカットの抑制に特異的であり、同じ解像力のフォトレジストでも微細な加工ができ、ディスプレイの高精細化に寄与できる。なお、硫酸を希釈する水の種類としては、水道水や浄化水が使用できるが、イオン交換水や逆浸透水が好適である。
ウエットエッチング方法とは、スプレー法、浸漬方法、浸漬揺動方法で代表される、液を均等に薄膜と接触する方法で、エッチングによる溶出物が溶液側に拡散し除去されることにより達成される。フラットパネル等では大型化がされておりスプレー法が主に使用される。
ウエットエッチング方法では、使用環境や装置の耐薬品や耐熱性から、またエネルギー消費の抑制から可能な範囲で外水温や気温に近い事が望ましい。
また、エッチング速度やアンダーカット抑制に温度依存性があることからこれを一定にする必要があり、外水温や気温から若干高めの設定として一定温度に保つ事が一般的である。これら条件に当てはめるため硫酸の使用条件としては温度条件として30℃〜60℃であるが、適切なエッチング速度の達成と低アンダーカットを両立するため硫酸の濃度を設定する必要があり、硫酸濃度を縦軸と温度を横軸にとった場合の順で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、5質量%60℃、50質量%と30℃、始点の0.3質量%と30℃の点で囲まれる範囲内が好ましく、1質量%と55℃、2質量%と40℃、20質量%と35℃、40質量%と35℃、始点の1質量%と55℃で囲まれる範囲内がさらに好ましく、2質量%と50℃、3質量%と40℃、20質量%と40℃、始点の2質量%と50℃の点で囲まれる範囲が最も好ましい。
ウエットエッチング方法では、使用環境や装置の耐薬品や耐熱性から、またエネルギー消費の抑制から可能な範囲で外水温や気温に近い事が望ましい。
また、エッチング速度やアンダーカット抑制に温度依存性があることからこれを一定にする必要があり、外水温や気温から若干高めの設定として一定温度に保つ事が一般的である。これら条件に当てはめるため硫酸の使用条件としては温度条件として30℃〜60℃であるが、適切なエッチング速度の達成と低アンダーカットを両立するため硫酸の濃度を設定する必要があり、硫酸濃度を縦軸と温度を横軸にとった場合の順で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、5質量%60℃、50質量%と30℃、始点の0.3質量%と30℃の点で囲まれる範囲内が好ましく、1質量%と55℃、2質量%と40℃、20質量%と35℃、40質量%と35℃、始点の1質量%と55℃で囲まれる範囲内がさらに好ましく、2質量%と50℃、3質量%と40℃、20質量%と40℃、始点の2質量%と50℃の点で囲まれる範囲が最も好ましい。
なお、この範囲の中においても、IZO膜の膜厚によって好ましい範囲がある。即ち、IZO膜のエッチングは前述のとおり1〜2分で完了することが好ましいが、エッチング速度=IZO膜厚み/エッチング時間であるため、IZO膜厚みが薄い場合は、エッチングが早く完了してしまわないよう、温度を下げることが好ましくなる。例えばIZO膜厚が20〜100nmと薄い場合は、該範囲での低温領域である40℃未満が好適であり、100〜300nmと厚膜の場合は高温側である40℃以上が好適となる。
ウエットエッチングではエッチング後の使用済エッチング液やIZOパネル等を洗浄するリンス排水の処理が必要となる。硫酸を用いた本発明のエッチング方法では、排水が酸性であり、さらに溶出した重金属を含むことになるが、苛性ソーダ等により中性(5<pH<9)領域に中和をするだけでこれら有害成分を除去する事ができる。即ち、硫酸は無害な硫酸ナトリウムとなり、金属は水酸化インジウム、水酸化亜鉛等の不溶解性の成分をろ過等の方法により除去および回収が可能となるため廃棄物の発生が微少となり、環境負荷が少なく経済的でもある。またさらに水質を考慮し、Na型にした陽イオン交換樹脂や活性炭等を併用する事によりインジウムや亜鉛を微少領域まで回収する事も可能である。さらに亜鉛は両性金属であるため、回収した不溶解性成分を一旦pH11以上のアルカリ性としてインジウムを不溶化し除去回収、その後硫酸や塩酸等で中性領域に戻して亜鉛を分別除去して回収する事も可能である。なお、河川に隣接する地域での使用の場合は排水として、塩化物イオン(例えば塩酸や塩化第二鉄等に由来)が飲料水原料として好ましくない場合があるが、本発明の方法では硫酸ナトリウム等の無害な成分しか有しないため好適である。
本発明のエッチング方法は概略次の工程で行われる。ガラス基板に製膜したIZO膜に感光性フォトレジストを塗布し、所望のパターンを露光して感光性フォトレジストの不要な部分を取り除いて転写する。この後該硫酸水溶液を用いてエッチングする。純水でリンスした後、フォトレジストを苛性ソーダで除去する。
次に本発明に係るエッチングの実施例を記載するが、これらは本発明を限定するものではない。
厚さ0.7mmのソーダガラスに厚さ80nmのSiO2をディップコートした上にマグネトロンDCスパッタで厚さ250nmのIZO膜を形成した。IZO膜の上にスピナを用いてノボラック系のポジ型フォトレジストを厚さ約2μm塗布した。フォトレジストを90℃15分間プリベークし、露光機を用いて所望のパターンをフォトレジストに転写した。アルカリ性現像液に25℃90秒間浸漬して現像し、不要なフォトレジストを除去した。120℃30分間ポストベークを実施した。この段階でアンダーカット算出用の寸法A(図1参照)を顕微鏡で測定した。エッチング液として表1に記載の薬剤をイオン交換水で表1記載の濃度に希釈した水溶液を用い、前述のパターンを表1記載の温度および時間浸漬してエッチングした。さらに水洗しフォトレジストを3質量%苛性ソーダで除去した後、IZOの間隔B(図1参照)を顕微鏡で観察した。アンダーカットは予め測定しておいた寸法AとIZOの間隔Bから次式(B−A)/2で求め表1に記載した。
その結果、各実施例では0.6μm以下の良好なアンダーカットを示した。
その結果、各実施例では0.6μm以下の良好なアンダーカットを示した。
本発明によるIZO膜のエッチング方法を用いると、IZO膜の画像の高精細化回路形成が可能となるため、特にフラットパネルディスプレイ用薄膜トランジスター液晶表示装置等の製造に好適である。
1 SiO2ディップ膜付ソーダガラス
2 IZO膜
3 フォトレジスト
2 IZO膜
3 フォトレジスト
Claims (3)
- エッチング液として濃度が50質量%以下の硫酸水溶液を用いることを特徴とするIZO膜のウエットエッチング方法。
- エッチングの条件が、使用する硫酸水溶液の濃度と温度で、0.3質量%と30℃、0.3質量%と60℃、50質量%と30℃、5質量%と60℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とする請求項1のIZO膜のウエットエッチング方法。
- エッチングの条件が、使用する硫酸水溶液の濃度と温度で、2質量%と50℃、3質量%と40℃、20質量%と40℃の点で囲まれる範囲内であることを特徴とする請求項2のIZO膜のウエットエッチング方法。
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JP2007027708A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Samsung Electronics Co Ltd | エッチング液及びこれを用いた液晶表示装置の製造方法 |
JP2010245287A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Canon Inc | 半導体装置の製造方法 |
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KR101347455B1 (ko) * | 2008-01-24 | 2014-01-02 | 동우 화인켐 주식회사 | 인듐계 산화막의 식각액 조성물 및 이를 이용한 금속패턴의 형성방법 |
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2004
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