JP2006018101A - 光伝送モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 光導波路素子と光ファイバとが光路結合してあり、光導波路素子が封止されてなる構成の光伝送モジュールにおいて、気密性の向上及び小型軽量化を実現することを目的とする。
【解決手段】 上面の中央に光導波路素子63が形成してあり、上面のうち光導波路素子を囲む部分に接着面66が用意してある主基板60と、主基板の接着面に接着されて光導波路素子を封止する封止用基板70と、主基板と封止用基板との間に挟まれて固定してあり、光導波路素子と光路結合してある光ファイバ81〜86とを有する。主基板60自体及び封止用基板70自体が光伝送モジュールの外形を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 上面の中央に光導波路素子63が形成してあり、上面のうち光導波路素子を囲む部分に接着面66が用意してある主基板60と、主基板の接着面に接着されて光導波路素子を封止する封止用基板70と、主基板と封止用基板との間に挟まれて固定してあり、光導波路素子と光路結合してある光ファイバ81〜86とを有する。主基板60自体及び封止用基板70自体が光伝送モジュールの外形を構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は光伝送モジュールに係り、特に、光導波路素子と光ファイバとが接着剤によって光路結合してあり、光導波路素子が封止してある構成の光伝送モジュールに関する。
この光伝送モジュールは、光通信経路の途中に設けられて使用され、光通信において重要な役割を有する。光伝送モジュールは、設置される場所が屋外であることが多いことから、気密封止性、耐衝撃性、耐振動性等が求められ、且つ、寿命が長いことが求められる。また、光伝送モジュールは、一般の電子モジュールと同じく、小型、軽量であること、更に、製造コストが安価であることが求められる。
図12及び図13は従来の光伝送モジュール1を示す。光伝送モジュール1は、光伝送モジュール本体2が、これとは別の構造体である直方体形状のケース10の内部に収納されて固定してあり、内部の空間19が充填剤20でもって充填されている構成であり、幅がW1、高さがH1である大きさである。光伝送モジュール本体2がケース10内に収納されている関係から、空間19が比較的広く、これにより外部の湿度が空間19に侵入する所謂呼び込みが起き易くなるので、この空間19を狭くして呼び込みが起きないようにするために、上記の充填剤20が充填されている。
光伝送モジュール本体2は、長方形の基板3の上面にその全長に亘って光導波路素子4が膜形成、エッチング等の技術で形成してあり、複数本の光ファイバ5、6の先端が基板3の端面及び光導波路素子4の端面に接着剤によって接着してあり、光ファイバ5、6は光導波路素子4と光路結合してある構成である。
ケース10は、箱形状の箱部材11と蓋部材15とよりなる。箱部材11及び蓋部材15は共に合成樹脂の成形部品である。箱部材11は底板部12と四辺の側壁部13−1〜13−4とよりなる。短辺の側壁部13−1、13−2には、夫々光ファイバ5、6を通す切欠13−1a、13−2aが形成してある。14は側壁部13−1〜13−4の上面である。箱部材11の底板部12の上面には、熱応力吸収のための緩衝材21が固定してある。
光伝送モジュール本体2は、その基板3の下面を箱部材11の底板部12上の緩衝材21の上面に接着樹脂部22によって固定してあり、光ファイバ5、6が夫々切欠12−1a、12−2aを通ってケース10の長手方向に延出している。蓋部材15はその下面15aを側壁部13−1〜13−4の上面14と封止を目的とした接着樹脂部23によって接着してある。接着樹脂部23は平面図上四角枠形状であり、切欠13−1a、13−2a内も埋めている。これによって、光伝送モジュール本体2は気密封止されている。
特開平6−138340号公報
この光伝送モジュール1は以下の問題点があった。
(1)気密封止性について:
箱部材11及び蓋部材15は共に合成樹脂の成形部品であるので、接着される面14及び15aは成形型の機械加工されている内面の精度によって決定され、共に鏡面には程遠く、数100μmの粗度を有しており、しかも、粗度は一様ではなくばらつきがある。面14及び15aが数100μmの粗度を有しているので、接着樹脂部23の厚さt1は数100μmと厚い。
(1)気密封止性について:
箱部材11及び蓋部材15は共に合成樹脂の成形部品であるので、接着される面14及び15aは成形型の機械加工されている内面の精度によって決定され、共に鏡面には程遠く、数100μmの粗度を有しており、しかも、粗度は一様ではなくばらつきがある。面14及び15aが数100μmの粗度を有しているので、接着樹脂部23の厚さt1は数100μmと厚い。
接着樹脂部23の厚さt1が数100μmと厚いため、外部の湿度が接着樹脂部23自体の内部を透過して侵入する体積透湿が起きてしまう。
面14、15aの粗度のばらつきが、平面図上四角枠形状の接着樹脂部23と面14及び15aとの界面の密着の状態のばらつきとなり、界面の密着の状態が良くない部分では、外部の湿度が界面に沿って侵入する界面透湿が起き易かった。
よって、従来の光伝送モジュール1は気密封止性が十分ではなかった。
(2)小型化について:
ケース10自体の強度を上げるために、箱部材11の特に側壁部13−1〜13−4の高さ寸法をある程度大きく定める必要があり、小型化が難しかった。
(3)軽量化について:
内部の空間19が充填剤20で充填されている関係で、光伝送モジュール1は重さが約20grとなり、それ以上の軽量化は難しかった。
(4)耐衝撃性、耐振動性について:
光伝送モジュール1は重さが約20grと重いため、外部から衝撃を加えた場合に、光伝送モジュール1に作用する衝撃が高くなる。よって、光ファイバ5、6の先端が光導波路素子4に接着剤によって光路結合してある部分に作用する応力が高くなり、光伝送モジュール1は特性変動を起こしやすくなる。
(5)製造コストについて:
光伝送モジュール本体2とは別の構造体である直方体形状のケース10を使用しているので、部品点数が多くなり、また、組立工数も多くなり、製造コストを低減することが難しかった。
(2)小型化について:
ケース10自体の強度を上げるために、箱部材11の特に側壁部13−1〜13−4の高さ寸法をある程度大きく定める必要があり、小型化が難しかった。
(3)軽量化について:
内部の空間19が充填剤20で充填されている関係で、光伝送モジュール1は重さが約20grとなり、それ以上の軽量化は難しかった。
(4)耐衝撃性、耐振動性について:
光伝送モジュール1は重さが約20grと重いため、外部から衝撃を加えた場合に、光伝送モジュール1に作用する衝撃が高くなる。よって、光ファイバ5、6の先端が光導波路素子4に接着剤によって光路結合してある部分に作用する応力が高くなり、光伝送モジュール1は特性変動を起こしやすくなる。
(5)製造コストについて:
光伝送モジュール本体2とは別の構造体である直方体形状のケース10を使用しているので、部品点数が多くなり、また、組立工数も多くなり、製造コストを低減することが難しかった。
そこで、本発明は、上記課題を解決した光伝送モジュールを提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解決するため、本発明は、光ファイバが光導波路素子に接着剤によって光路結合してあり、該光導波路素子が封止されてなる構成の光伝送モジュールにおいて、
上面のうち接着が予定される接着面で囲まれる特定の領域に上記光導波路素子(63)が形成してあり、且つ、上記接着面の一部に光ファイバを外部から上記光導波路素子まで導き入れる光ファイバ導入用溝(67)が形成してある主基板(60)と、
下面に、上記光ファイバ導入用溝に対応して光ファイバ固定用溝(77)が形成してあり、該主基板の上面に上記光導波路素子を覆うように設けられた封止用基板(70)と、
先端の部分が上記光ファイバ導入用溝と光ファイバ固定用溝とに嵌合して位置決めされた光ファイバ(81〜84)とよりなり、
接着剤によって、光ファイバの先端が光導波路素子の端と接着してあり、且つ光ファイバが光ファイバ導入用溝及び光ファイバ固定用溝に接着してあり、且つ、封止用基板の下面が主基板の上面に接着してある構成としたことを特徴とする。
上面のうち接着が予定される接着面で囲まれる特定の領域に上記光導波路素子(63)が形成してあり、且つ、上記接着面の一部に光ファイバを外部から上記光導波路素子まで導き入れる光ファイバ導入用溝(67)が形成してある主基板(60)と、
下面に、上記光ファイバ導入用溝に対応して光ファイバ固定用溝(77)が形成してあり、該主基板の上面に上記光導波路素子を覆うように設けられた封止用基板(70)と、
先端の部分が上記光ファイバ導入用溝と光ファイバ固定用溝とに嵌合して位置決めされた光ファイバ(81〜84)とよりなり、
接着剤によって、光ファイバの先端が光導波路素子の端と接着してあり、且つ光ファイバが光ファイバ導入用溝及び光ファイバ固定用溝に接着してあり、且つ、封止用基板の下面が主基板の上面に接着してある構成としたことを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べて、気密封止性の向上、小型化、軽量化、耐衝撃性の向上、製造コストの低減を図ることができる。
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1、図4乃至図6は本発明の実施例1になる光伝送モジュール50を示す。図1は斜視図、図4及び図6は夫々図1中、IV-IV線、V-V線、VI-VI線を含む垂直面で断面し且つ拡大して示す拡大断面図である。Z1−Z2は長手方向、X1−X2は幅方向、Y1−Y2は高さ方向である。なお、図4及び図5は、光伝送モジュール50の大きさを従来の光伝送モジュール1と対比できるように、図13と略同じ縮尺で表してある。
光伝送モジュール50は、主基板60と、封止用基板70と、光ファイバ81〜86とを有し、積み重なっている主基板60及び封止用基板70が光伝送モジュール50の外形を形成する構成であり、幅がW10、高さがH10である大きさである。主基板60に着目すると、主基板60自体が光伝送モジュール50の外形の一部を形成している。幅W10は説明の便宜上、図13に示す従来の光伝送モジュール1の幅W1と略等しくしてある。ケースが無いため、実際には幅W10を短くすることも可能である。同じくケースが無いため、高さH10は従来の光伝送モジュール1の高さH1の数分の1と低い。90は主基板−光ファイバ組立体である。この主基板−光ファイバ組立体90を一つの部品として把握した場合には、光伝送モジュール50は、主基板−光ファイバ組立体90と封止用基板70とを有する構成である。
図2に示すように、主基板60は、鏡面研磨された単結晶シリコンウェハーから切りだされた略正方形のものであり、上面61は鏡面であり、4つの辺62Z1、62Z2、62X1、62X2を有する。63は光導波路素子であり、膜形成、エッチング等の技術でもって主基板60の上面61の略中央の領域に形成してある。光導波路素子63は、高分子型であり、Z1−Z2方向に延在する光導波路64を有している。光導波路素子63は具体的にはスプリッタ素子である。光導波路素子63は、Z1及びZ2側に端面65Z1、65Z2を有する。図7に拡大して示すように、光導波路64のZ2側の端64Z2は端面65Z2にまで到って端面65Z2に露出している。光導波路64のZ1側の端64Z1は端面65Z1にまで到って端面65Z1に露出している。光導波路素子63は、主基板60の上面61から僅かの寸法a=約70μm高くなっている。
66は接着が予定される接着面であり、主基板60の上面61のうち光導波路素子63を取り囲む領域の面である。接着面66は、X1側の接着面部66X1と、X2側の接着面部66X2と、Z1側の接着面部66Z1と、Z2側の接着面部66Z2とよりなり、光導波路素子63を取り囲んでいる。接着面部66X1、66X2、66Z1、66Z2が光導波路素子63を取り囲むように配置してある理由は、光導波路素子63を気密封止するためである。
67は光ファイバー導入用V溝であり、接着面部66Z2にこれを横切って辺62Z2と端面65Z2との間に、光導波路64の端64Z2に一致させて形成してある。68は別の光ファイバー導入用V溝であり、接着面部66Z1にこれを横切って辺62Z1と端面65Z1との間に、光導波路64の端に一致させて形成してある。光ファイバー導入用V溝67,68は、エッチング法又はブレードを使用したカット法でもって形成される。また、光ファイバー導入用V溝67,68は、共にZ1−Z2方向に延在している。この光ファイバー導入用V溝67,68は、光導波路素子63の端面65Z1、65Z2が主基板60の辺62Z1、62Z2の位置より後退した位置にある関係上、光ファイバーを主基板60の外側から光導波路素子63の端面65Z1、65Z2にまで導き入れるために形成してある。
上記の光導波路素子63及び光ファイバー導入用V溝67,68を有する主基板60は、膜形成及びエッチング等がされた単結晶シリコンウェハーから切り出されて多数個取りされたものの一つである。上面61の鏡面は、鏡面研磨された単結晶シリコンウェハーが元々有していた鏡面である。
図1及び図3に示すように、封止用基板70は、鏡面研磨されたガラス板(商品名Pyrex)であって熱膨張係数が単結晶シリコンウェハーの熱膨張係数と実質的に同じとなるように成分が調製してあるガラス板から切りだされた略正方形のものであり、主基板60と同じ大きさであり、下面71は鏡面であり、4つの辺72Z1、72Z2、72X1、72X2を有する。下面71の中央には、浅い凹部73が形成してある。凹部73は、その縦横の寸法が光導波路素子63よりも少し大きく、その深さ寸法bが約100μmであり光導波路素子63の高さ寸法aよりも少し大きい大きさである。76は接着が予定される接着面であり、下面71のうち凹部73を取り囲む領域の面であり、X1側の接着面部76X1と、X2側の接着面部76X2と、Z1側の接着面部76Z1と、Z2側の接着面部76Z2とよりなる。77は光ファイバー固定用V溝であり、接着面部76Z2にこれを横切って辺72Z2と凹部73との間に形成してある。78は別の光ファイバー固定用V溝であり、接着面部76Z1にこれを横切って辺72Z1と凹部73との間に形成してある。光ファイバー固定用V溝77,78は、主基板60上に位置合わせされて重ねられた封止用基板70の光ファイバー導入用V溝67、68と対向するように形成してある。凹部73及び光ファイバー固定用V溝77,78はエッチング法でもって形成される。
この凹部73及び光ファイバー固定用V溝77,78を有する封止用基板70は、ガラス板から切り出されて多数個取りされたものの一つである。下面71の鏡面は、鏡面研磨されたガラス板が元々有していた鏡面である。
封止用基板70は、光導波路素子63を覆うように主基板60上に重ねられた状態で接着樹脂部110によって接着してあり、図4及び図6に示すように、凹部73によって主基板60と封止用基板70との間に空間100が形成してあり、光導波路素子63はこの空間100内に位置して収容されている。
接着樹脂部110は、封止用基板70の接着面部76X1、76X2、76Z1、76Z2を夫々主基板60の接着面部66X1、66X2、66Z1、66Z2に接着している。この接着樹脂部110は平面図上四角枠形状をなして空間100を囲んでおり、光導波路素子63は気密封止されている。光導波路素子63の上面63aと凹部73の面73aとの間には隙間101が存在している。この隙間101の存在によって、光導波路素子63は封止用基板70から熱応力を受けない。隙間101の寸法cは約30μmであり僅かである。
空間100は上記の隙間101が極めて僅かである狭い空間であるので、所謂湿度の呼び込みは起きず、また、充填材の充填も困難であるので、充填材は充填されていない。
81〜84は光信号出力用の光ファイバ、85、86は光信号入力用の光ファイバであり、共にコーティング層の厚さが僅かである素線であり、径は250μmである。
図6に示すように、光信号出力用の光ファイバ81〜84の先端側部分81a〜84aは、Y1−Y2方向上対向している光ファイバー導入用V溝68と光ファイバー固定用V溝78とに嵌合して位置決めされて、光ファイバの芯線が光導波路64の端64Z2と一致するように調芯されており、先端面81b〜84bが光導波路素子63の端面65Z2と接着樹脂部111によって接着してある。先端側部分81a〜84aは、接着樹脂部112によって光ファイバー導入用V溝67に接着してあり、接着樹脂部113によって光ファイバー固定用V溝77に接着してある。光信号入力用の光ファイバ85、86の先端側部分85a、86aは、Y1−Y2方向上対向している光ファイバー導入用V溝67と光ファイバー固定用V溝77とに嵌合して位置決めされて、光ファイバの芯線が光導波路64の端64Z1と一致するように調芯されており、先端面85b、86bが光導波路素子63の端面65Z1と接着樹脂部114によって接着してある。先端側部分85a、86aは、接着樹脂部115によって光ファイバー導入用V溝68に接着してあり、接着樹脂部116によって光ファイバー固定用V溝78に接着してある。よって、光信号出力用の光ファイバ81〜84及び光信号入力用の光ファイバ85、86は共に光導波路素子63と光学的及び機械的に接続されて光路結合されている。
上記の全部の接着樹脂部110〜116は、紫外線硬化型の樹脂であり、屈折率が光ファイバーの芯線の屈折率と同じとなるように調製してある樹脂が硬化して形成されたものである。よって、接着樹脂部111,114は、光ファイバ81〜86の光導波路素子63への接続部に、光路を形成する。接着樹脂部110、112、113,115,116は封止の役割を有する。
接着樹脂部110は空間100の四方を取り囲んで存在しており、接着樹脂部112、113は光ファイバ81〜84が光導波路素子63に導入されている部分の隙間を埋め、接着樹脂部115、116は光ファイバ85、86が光導波路素子63に導入されている部分の隙間を埋め、空間100は光伝送モジュール50の外部に対して気密の状態にあり、光導波路素子63は気密封止されている。
以上が光伝送モジュール50の構成である。この光伝送モジュール50は、積み重なっている主基板60及び封止用基板70とでもって外形が形成されている構造である。
上記の光伝送モジュール50の製造は例えば以下のように行う。最初に、光導波路素子63及び光ファイバー導入用V溝67、68が形成してある図2に示す主基板60を用意する。次いで、図1及び図8に示すように、光信号出力用の光ファイバ81〜84を光ファイバー導入用V溝67に嵌合させ、光ファイバの芯線が光導波路64の端64Z2と一致するように調芯し、且つ、光信号入力用の光ファイバ85、86を光ファイバー導入用V溝68に嵌合させ、光ファイバの芯線が光導波路64の端64Z1と一致するように調芯し、紫外線硬化型接着剤を塗布し、紫外線を照射させて紫外線硬化型接着剤を硬化させて接着樹脂部111,112、114、115を形成して、主基板−光ファイバ組立体90を組み立てる。光ファイバ81〜86は光導波路素子63と光路結合されている。
次いで、紫外線硬化型接着剤を主基板60の接着面部66X1、66X2、66Z1、66Z2に塗布し、封止用基板70を被せ、Y1側から紫外線を照射させて主基板60と封止用基板70との間の紫外線硬化型接着剤を硬化させて接着樹脂部110,113、116を形成する。ここで、封止用基板70はガラス製であるので、紫外線は封止用基板70を透過して主基板60と封止用基板70との間の紫外線硬化型接着剤に到る。接着樹脂部110,113、116が形成されることによって、光伝送モジュール50が完成する。
次に上記の光伝送モジュール50の特性について説明する。
(1)気密封止性について:
主基板60の接着面部66X1、66X2、66Z1、66Z2及び封止用基板70の接着面部76X1、76X2、76Z1、76Z2は共に鏡面であり、接着樹脂部110の厚さt2は10μm以下であり、図13中の封止樹脂部22の厚さt2に比べて格段に薄く、体積透湿は考慮しなくてもよい。
(1)気密封止性について:
主基板60の接着面部66X1、66X2、66Z1、66Z2及び封止用基板70の接着面部76X1、76X2、76Z1、76Z2は共に鏡面であり、接着樹脂部110の厚さt2は10μm以下であり、図13中の封止樹脂部22の厚さt2に比べて格段に薄く、体積透湿は考慮しなくてもよい。
また、主基板60の接着面部66X1等及び封止用基板70の接着面部76X1等は共に鏡面であるので、接着樹脂部110と接着面部66X1等との界面及び接着樹脂部110と接着面部76X1等との界面は、全周に亘って均一であり、界面透湿も起きにくい。
また、空間100が最小化されているため、外部の湿度を空間100に呼び込む力も小さい。
よって、光伝送モジュール50は図12及び図13に示す従来の光伝送モジュール1に比較して良好な気密封止性を有する。
なお、光伝送モジュール50の外形の寸法を従来の光伝送モジュール1と同じとした場合には、図4に示すように空間100が最小の大きさとされたことによって、接着面部76X1等の幅寸法W10が図13に示す従来の対応する部分の幅寸法W1よりも大きくなって、接着された面積が従来の場合よりも増え、気密封止性が格段に向上し、高温高湿試験に対して高い信頼性を有する。
(2)小型化について:
光伝送モジュール50は主基板60自体が光伝送モジュール50の外形の一部を形成する構成である。よって、主基板60を収容するケースが不要であり、空間100も狭く出来る。よって、ケースが不要となった分、及び空間100が狭くなった分、光伝送モジュール50は特に高さH10が低くなって外形サイズが小型になる。
(2)小型化について:
光伝送モジュール50は主基板60自体が光伝送モジュール50の外形の一部を形成する構成である。よって、主基板60を収容するケースが不要であり、空間100も狭く出来る。よって、ケースが不要となった分、及び空間100が狭くなった分、光伝送モジュール50は特に高さH10が低くなって外形サイズが小型になる。
なお、接着面部76X1等の幅寸法W10を従来と同じ程度とした場合には、光伝送モジュール50はX1−X2方向の幅寸法が短くなって更に小型になる。
(3)軽量化について:
空間100が狭くなっているため、空間100内に充填剤を充填する必要がない。よって、光伝送モジュール50は7gr程度であり、従来に比べて数分の1に軽量化されている。
(4)耐衝撃性、耐振動性について:
光伝送モジュール50は重さが約7grと従来に比べて軽いため、外部から衝撃を加えた場合に、光伝送モジュール50に作用する衝撃が従来に比べて低くなる。よって、光ファイバ81〜86の先端が光導波路素子63に接着剤によって光路結合してある部分に作用する応力が低くなり、光伝送モジュール50は特性変動を起こしにくい。
(5)耐熱衝撃性について:
封止用基板70は、熱膨張係数が主基板60の熱膨張係数と実質的に同じであるように成分が調製してある。これによって、熱衝撃を受けても、主基板60と封止用基板70とは同様に膨張収縮し、両者を接着する接着樹脂部110には熱応力が発生せず、よって接着樹脂部110によって形成されている封止部分の封止性は劣化しない。
(3)軽量化について:
空間100が狭くなっているため、空間100内に充填剤を充填する必要がない。よって、光伝送モジュール50は7gr程度であり、従来に比べて数分の1に軽量化されている。
(4)耐衝撃性、耐振動性について:
光伝送モジュール50は重さが約7grと従来に比べて軽いため、外部から衝撃を加えた場合に、光伝送モジュール50に作用する衝撃が従来に比べて低くなる。よって、光ファイバ81〜86の先端が光導波路素子63に接着剤によって光路結合してある部分に作用する応力が低くなり、光伝送モジュール50は特性変動を起こしにくい。
(5)耐熱衝撃性について:
封止用基板70は、熱膨張係数が主基板60の熱膨張係数と実質的に同じであるように成分が調製してある。これによって、熱衝撃を受けても、主基板60と封止用基板70とは同様に膨張収縮し、両者を接着する接着樹脂部110には熱応力が発生せず、よって接着樹脂部110によって形成されている封止部分の封止性は劣化しない。
また、光導波路素子63の上面63aと凹部73の面73aとの間には隙間101が存在しており、光導波路素子63は封止用基板70から熱応力を受けない。
よって、光伝送モジュール50は良好な耐熱衝撃性を有する。
(6)製造コストについて:
主基板60を収容するケースが不要であるため、従来に部品点数が少なく、主基板60をケース内に固定する作業が不要となり、光伝送モジュール50は従来の光伝送モジュールに比較して、製造コストは安価である。
(6)製造コストについて:
主基板60を収容するケースが不要であるため、従来に部品点数が少なく、主基板60をケース内に固定する作業が不要となり、光伝送モジュール50は従来の光伝送モジュールに比較して、製造コストは安価である。
全部の接着樹脂部110〜116が同じ紫外線硬化型の樹脂で形成してあり、使用する接着剤は一種類で足り、光伝送モジュール50の製造はより簡単となる。
次に上記の光伝送モジュール50の変形例について説明する。
主基板60は、石英、ガラス、単結晶化合物(LN,サファイヤ)、アルミチタンカーバイド製でもよい。
光導波路素子63は石英を使用した石英型でもよい。また、光導波路素子63は、カプラ素子、位相導波路素子等でもよい。光導波路素子63がカプラ素子である場合には、光伝送モジュール50は双方向光通信を行う部分に使用される。更に、光導波路素子63は、光導波路に加えて、電気配線、受光素子、レーザ素子、増幅回路等が混載された構成でもよい。
光導波路素子63が主基板60上に形成される領域は、主基板60の中央に限るものではなく、光導波路素子63を取り囲む周囲に接着面が存在する領域であればよい。
光ファイバー導入用V溝67,68は、V以外の形状、例えばU形状でもよい。
封止用基板70は、主基板60と同じく、鏡面研磨された単結晶シリコンウェハーから切りだしたものでもよい。
光ファイバー固定用V溝77,78は、V以外の形状、例えばU形状でもよい。
光導波路素子63の構成によっては、光ファイバーが一本である構成である場合もある。
紫外線硬化型の樹脂に代えて、熱硬化型等の他の反応性の樹脂を使用することも可能である。
また、接着樹脂部111と接着樹脂部114とには、屈折率が光ファイバーの芯線の屈折率と同じとなるように調製してある紫外線硬化型の樹脂、即ち、光路形成用樹脂を使用し、その他の接着樹脂部110等には、封止により適した樹脂を使用するようにしてもよい。このようにすれば、光伝送モジュール50は更に高信頼性を有するものとなる。
また、素線である光ファイバに代えて、ナイロンの被覆材を有し、複数本の光ファイバが平行に並んでいる構成の光ファイバアレイを使用してもよい。
また、光導波路素子63の構造を変えると、これに応じて主基板60に対する光ファイバの向きは種々に変化したものとなる。
図9の光伝送モジュール50Aは、光ファイバが主基板60Aから三方に延出した構成である。63Aは光導波路素子、120は光信号入力用の光ファイバ、121は光信号出力用の光ファイバ、122は別の光信号出力用の光ファイバである。光導波路素子63Aに向かう光信号入力用の光ファイバ120と光導波路素子63Aから離れる方向に延びる光信号出力用の光ファイバ122とのなす角度αは90°である。
図10の光伝送モジュール50Bは、光ファイバが主基板60Bから四方に延出した構成である。63Bは光導波路素子、130は光信号入力用の光ファイバ、131は光信号出力用の光ファイバ、140は別の光信号入力用の光ファイバ、141は別の光信号出力用の光ファイバである。光ファイバ130と光ファイバ140とのなす角度βは90°である。
図11の光伝送モジュール50Cは、光ファイバが主基板60Cから延出している方向は二方であるが、光導波路素子63Cに向かう光信号入力用の光ファイバ150と、光導波路素子63Cから離れる方向に延びる光信号出力用の光ファイバ151とが、角度θ(θ<180°)をなしている。
なお、主基板60A、60B、60C及び封止用基板70A、70B、70Cには、光ファイバに延出している方向に対応した光ファイバー導入用V溝及び光ファイバー固定用V溝が形成してある。
なお、光伝送モジュール50A〜50Cは共にケースを有していない構成であるため、光信号入力用及び光信号出力用の光ファイバが延出する方向を自由に定めることが可能となっている。
なお、必要によっては、上記の光伝送モジュール50、50A〜50Cを、ケース内に収めた構成としてもよい。
50 光伝送モジュール
60 主基板
63 光導波路素子
66 接着面
67、68 光ファイバー導入用V溝
70 封止用基板
73 浅い凹部
76 接着面
77、78 光ファイバー固定用V溝
81〜86 光ファイバ
90 主基板−光ファイバ組立体
100 空間
101 隙間
110〜116 接着樹脂部
60 主基板
63 光導波路素子
66 接着面
67、68 光ファイバー導入用V溝
70 封止用基板
73 浅い凹部
76 接着面
77、78 光ファイバー固定用V溝
81〜86 光ファイバ
90 主基板−光ファイバ組立体
100 空間
101 隙間
110〜116 接着樹脂部
Claims (4)
- 光ファイバが光導波路素子に接着剤によって光路結合してあり、該光導波路素子が封止されてなる構成の光伝送モジュールにおいて、
上面のうち接着が予定される接着面で囲まれる特定の領域に上記光導波路素子が形成してあり、且つ、上記接着面の一部に光ファイバを外部から上記光導波路素子まで導き入れる光ファイバ導入用溝が形成してある主基板と、
下面に、上記光ファイバ導入用溝に対応して光ファイバ固定用溝が形成してあり、該主基板の上面に上記光導波路素子を覆うように設けられた封止用基板と、
先端の部分が上記光ファイバ導入用溝と光ファイバ固定用溝とに嵌合して位置決めされた光ファイバとよりなり、
接着剤によって、光ファイバの先端が光導波路素子の端と接着してあり、且つ光ファイバが光ファイバ導入用溝及び光ファイバ固定用溝に接着してあり、且つ、封止用基板の下面が主基板の上面に接着してある構成としたことを特徴とする光伝送モジュール。 - 光ファイバが光導波路素子に接着剤によって光路結合してあり、該光導波路素子が封止されてなる構成の光伝送モジュールにおいて、
上面のうち接着が予定される接着面で囲まれる特定の領域に上記光導波路素子が形成してあり、且つ、上記接着面の一部に光ファイバを外部から上記光導波路素子まで導き入れる光ファイバ導入用溝が形成してある主基板と、
下面に、上記光ファイバ導入用溝に対応して光ファイバ固定用溝が形成してあり、該主基板の上面に上記光導波路素子を覆うように設けられた封止用基板と、
先端の部分が上記光ファイバ導入用溝と光ファイバ固定用溝とに嵌合して位置決めされた光ファイバとよりなり、
接着剤によって、光ファイバの先端が光導波路素子の端と接着してあり、且つ光ファイバが光ファイバ導入用溝及び光ファイバ固定用溝に接着してあり、且つ、封止用基板の下面が主基板の上面に接着してあり、
上記主基板自体及び封止用基板自体が外形を形成した構成としたことを特徴とする光伝送モジュール。 - 請求項1又は請求項2に記載の光伝送モジュールにおいて、
上記主基板上の光導波路素子は、高分子材料によって形成してある高分子型光導波路素子であり、
上記封止用基板は、その下面のうち、上記高分子型光導波路素子と対向する部分に凹部を有する構成としたことを特徴とする光伝送モジュール。 - 請求項1又は請求項2に記載の光伝送モジュールにおいて、
上記主基板は、光信号入力用光ファイバのための第1の光ファイバ導入用溝と、光信号出力用光ファイバのための第2の光ファイバ導入用溝とを有し、且つ、該第1の光ファイバ導入用溝と該第2の光ファイバ導入用溝とは両者の間の角度が180度とは異なる角度を有している構成であり、
上記光ファイバは、光信号入力用の光ファイバと、光信号出力用の光ファイバとよりなり、
上記光信号入力用の光ファイバと光信号出力用の光ファイバとは、その間の角度が180度とは異なる角度とされて配置してある構成としたことを特徴とする光伝送モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004196961A JP2006018101A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 光伝送モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004196961A JP2006018101A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 光伝送モジュール |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006018101A true JP2006018101A (ja) | 2006-01-19 |
Family
ID=35792429
Family Applications (1)
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JP2004196961A Pending JP2006018101A (ja) | 2004-07-02 | 2004-07-02 | 光伝送モジュール |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006018101A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104111497A (zh) * | 2013-04-22 | 2014-10-22 | 新科实业有限公司 | 光模块封装 |
-
2004
- 2004-07-02 JP JP2004196961A patent/JP2006018101A/ja active Pending
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