JP2006008046A - 車両用運動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 緊急時に車両運動を制御するシステムの制御特性を調整することで、補助制動装置の効果を十分に発揮できる車両用運動制御装置を提供する。
【解決手段】 補助制動装置が作動中であるか否かに基づいて、推定車体速度VB(n)の演算を行う。具体的には、推定車体速度VB(n)を求める際に使用される減速度最大限界値KDWとして、滑り止め剤塗布装置が作動中であるとき用のKDWHを設定する。これにより、滑り止め剤塗布装置によってタイヤと路面との接地状態を変化させた場合にも、その変化に対応して推定車体速度VB(n)を正確に求めることが可能となる。そして、ABS制御などの開始条件の基準として用いるスリップ率を正確に求めることができ、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、制動装置として、油圧ブレーキ装置などの主制動装置に加えて、主制動装置とは別の補助制動装置が備えられている車両の運動を制御する車両用運動制御装置に関するものである。
従来、車両における制動装置として、油圧ブレーキ装置などの主制動装置に加えて、主制動装置とは別の補助制動装置を備えたものが提案されている。補助制動装置は、通常、路面とタイヤとの間に発生する摩擦力以外の力により、車両運動を補助するものである。このような補助制動装置としては、特許文献1に示されるような車両の空気抵抗を増加させる空力ブレーキ装置、特許文献2に示される車体に備えられたストッピングアームを路面に接触させる装置、特許文献3に示される車体自体を路面に接触させる装置、特許文献4に示されるタイヤの空気圧を低下させることでタイヤ摩擦力を増加させる装置、特許文献5に示されるタイヤに滑り止め剤を塗布する装置などがある。
特許第2536690号公報 特開平8−40222号公報 特開平10−157581号公報 特開2000−301904号公報 特開平11−28903号公報
上記のような補助制動装置の作動時には、これらが装着されていない車両もしくはこれらが作動していない状態と比べて、車両の運動可能範囲が拡大されることになる。このため、ABS(Anti-skid brake system)、ESC(登録商標、Electric stability control、すなわち横滑り防止制御のことを意味する)、TCS(traction control system)など、緊急時に車両運動を制御するシステムの制御特性を補助制動装置が装着されていない車両のままにする、もしくは、これらが作動していない状態のままにするのでは、補助制動装置の効果を十分に発揮することができない。
例えば、ABSでは、推定車体速度と車輪速度との偏差に基づいてスリップ率が求められるが、推定車体速度の減速限界値が1G程度に設定されることから、補助制動装置によって1G以上の減速が可能となっていても、1Gを減速限界値に設定した状態で推定車体速度が求められることになる。このため、推定車体速度が実際の車体速度よりも大きな値として求められることになり、実際の車体速度と車輪速度との偏差に比べて推定車体速度と車輪速度との偏差の方が大きな値となり、スリップ率が大きくなったと判定されてABS制御が開始されてしまう。したがって、実際にはスリップ率がABS制御開始条件ほど高くないにも関わらずABS制御が開始されてしまうことになり、補助制動装置の効果を十分に発揮できなくなる。
本発明は上記点に鑑みて、緊急時に車両運動を制御するシステムの制御特性を調整することで、補助制動装置の効果を十分に発揮できる車両用運動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、補助制動装置制御手段(8)にて、補助制動装置(6FR、6FL)が作動中であることを示す補助制動作動中信号をブレーキ制御手段(7)に対して出力させ、ブレーキ制御手段にて、補助制動作動中信号に基づいて、補助制動装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、主制動手段(3FR、3FL、3RR、3RL、4FR、4FL、4RR、4RL)による制動特性を変更することで、車両の運動制御特性を変更することを特徴としている。
このように、補助制動装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、主制動手段による制動特性を変更している。このため、補助制動装置によってタイヤと路面との接地状態を変化させた場合にも、その変化に対応して車両の運動制御特性を変更できる。これにより、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
例えば、請求項2に示すように、ブレーキ制御手段にて、補助制動装置が作動中である場合には、補助制動装置が作動中でない場合と比べて、推定車体速度(VB(n))を求める際に用いられる減速度最大限界値(KDW)が大きく設定されるようにする。
これにより、補助制動装置によってタイヤと路面との接地状態を変化させた場合にも、その変化に対応して推定車体速度を正確に求めることが可能となる。このため、ABS制御などの開始条件の基準として用いるスリップ率を正確に求めることができ、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
また、請求項3に示されるように、ブレーキ制御手段にて、補助制動装置が作動中である場合には、補助制動装置が作動中でない場合と比べて、ABS制御で用いられる車輪加速度基準値が大きく設定されるようにしても良い。もしくは、請求項4に示されるように、ブレーキ制御手段にて、補助制動装置が作動中である場合には、補助制動装置が作動中でない場合と比べて、ABS制御で用いられる目標減速度の設定値が大きく設定されるようにしても良い。さらに、請求項5に示されるように、ブレーキ制御手段にて、補助制動装置が作動中である場合には、補助制動装置が作動中でない場合と比べて、ABS制御で用いられる増減圧制御量が大きく設定されるようにしても良い。
また、請求項6に示すように、ブレーキ制御手段にて、補助制動装置が作動中である場合には、補助制動装置が作動中でない場合と比べて、横滑り防止制御で用いられる横加速度最大限界値(KLGY)が大きく設定されるようにしても良い。
このようにすれば、車両に発生し得る横加速度最大限界値を小さく想定してしまうことにより、まだ横滑りが発生してしまう程の横加速度でないにも関わらず、横滑り防止制御が開始されてしまうことを防止することができる。これにより、補助制動装置によってタイヤと路面との接地状態を変化させた場合にも、その変化に対応した横滑り防止制御を実行することが可能となる。このため、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
請求項7に記載の発明では、ブレーキ制御手段は、補助制動装置が作動中には、その作動状態に応じて、主制動手段による制動特性を変更することで、車両の運動制御特性を変更するようになっていることを特徴としている。
このように、補助制動装置の作動状態に応じて、主制動手段による制動特性を変更することも可能である。例えば、補助制動装置の作動時間に応じて制動特性の変更度合いを大きくしても良い。
請求項8に記載の発明では、補助制動装置制御手段にて、補助制動装置が作動中であることを示す補助制動作動中信号を駆動力制御手段に対して出力させ、駆動力制御手段(20)にて、補助制動作動中信号に基づいて、補助制動装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、各車輪の駆動力特性を変更することで、車両の運動制御特性を変更させることを特徴としている。
このように、駆動力特性を変更するようにしても、請求項1と同様の効果を得ることが可能である。
この場合、例えば、請求項9に示すように、駆動力制御手段にて、補助制動装置が作動中である場合には、補助制動装置が作動中でない場合と比べて、トラクション制御で用いられる目標トルク補正値(HT)の設定値が大きく設定されるようにする。
このようにすることで、目標トルク補正値の値を過大な加速スリップを発生させない最大の値に設定することが可能となる。したがって、従来のように、発生させても構わない目標エンジントルク(TT)の限界値を小さく想定してしまうことにより、本来発生させ得るエンジントルクを小さな値としてしまうことを防止することができる。これにより、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
また、これらの場合に関しても、請求項10に示されるように、補助制動装置の作動状態に応じて、主制動手段による制動特性を変更することも可能である。例えば、補助制動装置の作動時間に応じて駆動力特性の変更度合いを大きくしても良い。
要するに、請求項11に示されるように、補助運動制御装置制御手段(8)によって主運動制御手段とは別の補助運動制御装置(6FR、6FL)を制御する車両用運動制御装置に関して、補助運動制御作動中信号に基づいて、補助運動制御装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、運動制御手段(7、20)にて車両の運動制御特性を変更する。これにより、補助運動制御手段が作動中である場合と作動中ではない場合とで、車両の運動特性を変更することが可能となり、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態では、前輪駆動の車両1に対して本発明の一実施形態における車両用運動制御装置を適用した場合について説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる車両用運動制御装置の全体構成を示す概略図である。この図に示される車両用運動制御装置は、車両1の各車輪それぞれに主制動手段としての電気機械式ブレーキ装置(以下、EMBという)と補助制動装置としての滑り止め剤塗布装置を備えている。
4つの車輪には、それぞれ同一のEMBが備えている。以下の説明では、右前輪を例に挙げて説明するが、他の車輪についても同様である。また、以下の説明では右前輪、左前輪、右後輪、左後輪をそれぞれFR、FL、RR、RLと表記するものとし、これら各車輪に対応する各種構成部品の参照符号にFR、FL、RR、RLを添え字で付して示すものとする。
右前輪FRには、右前輪FRに備えられたタイヤ2FRと一体的に回転するディスクロータ3FRが備えられている。また、ディスクロータ3FRを挟むようにキャリパ4FRが設置されている。
キャリパ4FR内にはホイールシリンダ圧制御用のアクチュエータとして電動モータ(図示せず)が配置されている。この電動モータは、後述するブレーキECU7により駆動されるもので、この電動モータが駆動されることにより、キャリパ4FRに支持された摩擦材(図示せず)がディスクロータ3FRに押し付けられるようになっている。そして、この摩擦材のディスクロータ3FRへの押し付け力の大きさに応じた摩擦力でディスクロータ3FRの回転力が抑制され、その結果、タイヤ2FRに制動力が発生する。これら、ディスクロータ3FRおよびキャリパ4FRにより主制動手段としてのEMBが構成される。
さらに、右前輪FRには、補助制動装置として、滑り止め剤塗布装置6FRが備えられている。滑り止め剤塗布装置6FRは、例えば右前輪FRの前方に備えられており、滑り止め剤塗布装置6FRにより右前輪FRの前への滑り止め剤の噴射を行うことで、タイヤ2FRの摩擦力を高くし、タイヤ2FRと路面との間の接触状態を変化させるようになっている。これにより、路面μが高くなった場合と同様に、高い制動力が得られるようになる。なお、このような滑り止め剤塗布装置6FRは、特許文献5において公知のものであるため、ここでは詳細についての説明を省略する。
なお、滑り止め剤塗布装置6FRは、本実施形態では、駆動輪となる右前輪FRおよび左前輪FLに対してのみ設けられており、転動輪となる右後輪RRおよび左後輪RLに対しては設けられていない。しかしながら、転動輪に対してのみ設けても良いし、転動輪と駆動輪の双方に設けても良い。
また、本実施形態における車両用運動制御装置には、ブレーキECU7、補助制動装置8、各種センサ類10、操作スイッチ11および作動ランプ12が備えられている。
ブレーキECU7は、制御手段を構成するもので、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに基づいて各種ブレーキ制御を実行する。このブレーキECU7には、ディスクロータ3FR〜3RLの回転速度、すなわち車輪速度を検出する車輪速度センサ5FR〜5RLに加え、各種センサ類10に含まれるヨーレートセンサ10aや横加速度センサ10bからの検出信号が入力されるようになっている。さらに、ブレーキECU7には、補助制動装置制御ECU8からの補助制動が作動中であることを示す補助制動作動中信号が入力されるようになっている。そして、ブレーキECU7は、これら車輪速度センサ5FR〜5RLや各種センサ類10などからの検知信号や補助制動作動中信号に基づき、EMBを制御して制動力を調整するようになっている。
具体的には、ブレーキECU7は、基本的には、車輪速度センサ5FR〜5RLや各種センサ類10などからの検知信号に基づいて、緊急時に実行される車両運動制御、例えばABS制御やECS制御もしくはTCS制御を実行する。例えば、図示しないブレーキペダルへの踏み込みに応じて発生させられるホイールシリンダ圧を調整することで、スリップ率が所定値以上に落ち込まないように制動力が制御される。そして、ブレーキECU7は、補助制動作動中信号を受け取ると、補助制動作動中に応じたABS制御やESC制御もしくはTCS制御を実行する。なお、この補助制動作動中における車両運動制御に関しては、後で詳細に説明する。
補助制動装置制御ECU8は、補助制動手段となる滑り止め剤塗布装置6FR、6FLの駆動を制御するものである。この補助制動制御装置ECU8から駆動指令信号が出力されると、滑り止め塗布装置6FR〜6RLが駆動されるようになっている。具体的には、補助制動装置制御ECU8には、操作スイッチ11が接続されており、ドライバによって操作スイッチ11が押されると、補助制動装置制御ECU8から滑り止め剤塗布装置6FR、6FLに駆動指令信号が出力されるようになっている。また、補助制動装置制御ECU8には、作動ランプ12が接続されている。そして、補助制動装置制御ECU8が駆動指令信号を出力する際に、同時に作動ランプ12へ点滅指令信号とブレーキECU7への補助制動作動中信号が出力されるようになっている。
操作スイッチ11は、例えば、車室内における図示しないインストルメントパネルに取り付けられており、ドライバが補助ブレーキ制御の必要があると判断したときに押されるようになっている。この操作スイッチ11が押されると、ブレーキECU7に補助ブレーキ制御の実行開始を意味する検知信号が出力されるようになっている。この操作スイッチ11は、モーメンタリースイッチとなっており、押されると、まだ元の状態に戻るようになっている。
作動ランプ12は、滑り止め剤塗布装置6FRの駆動中に点滅するようになっており、ブレーキECU7からの点滅指令信号に基づいて駆動される。
以上のように構成された本実施形態の車両用制動装置が実行する処理について、図2、図3に示すフローチャートに基づき説明する。
図2に示したフローチャートは、ブレーキECU7がプログラムに基づいて実行するブレーキ制御処理を示したもので、例えばイグニッションスイッチがオンされるとともに処理が開始されるようになっている。また、図3に示したフローチャートは、図2におけるブレーキ制御において実行される車体速度推定演算処理の詳細を示したものである。
まず、図2におけるブレーキ制御処理が実行されると、ステップ100に示されるように、初期化処理が実行される。ここでは、ブレーキECU7に記憶された内容のリセット、各滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによる滑り止め剤の塗布をOFF、作動ランプ12の消灯、車速が0などのように、各種初期化処理が実行される。
ステップ110では、演算タイミングであるか否かが判定される。この判定により、ステップ110以降の処理が所定の演算周期T(例えば、T=10ms)毎に繰り返し実行されることになる。
ステップ120では、車輪速度演算および車輪加速度演算の処理が実行される。これら車輪速度および車輪加速度は、各車輪速度センサ5FR〜5RLからの検出信号に基づいて周知の手法によって演算されるものであるため、詳細については省略する。
ステップ130では、車体速度推定演算処理が実行される。この車体速度推定演算処理の詳細について、図3を参照して説明する。
車体速度推定演算処理が実行されると、まず、ステップ200において、制動補助装置が作動中であるか否かが判定される。この判定は、制動補助装置制御ECU8から出力される制動補助作動中信号を受け取ったか否かに基づいてなされる。そして、否定判定されればステップ210に進み、肯定判定されればステップ220に進む。
ステップ210では、減速度最大限界値KDWとしてKDWNが設定される。ここで設定されるKDWNは、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによってタイヤ2FR、2FLと路面との間の接地状態が変えられていない通常の状態において、想定される車体の減速度の最大値であり、例えば1Gに設定される。
一方、ステップ220では、減速度最大限界値KDWとしてKDWHが設定される。ここで設定されるKDWHは、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによってタイヤ2FR、2FLと路面との間の接地状態が変えられた場合、つまり、通常の状態と比べてより高い制動力を発生させられる状態において、想定される車体の減速度の最大値であり、例えば2Gに設定される。
このように、ステップ210およびステップ220で求められた減速度最大限界値KDWに基づいて、ステップ230で車体速度が推定される。具体的には、演算回数をnとした場合における推定車体速度をVB(n)として表すと、推定車体速度(n)は次式のように示される。
(数1)
MED(VB(n−1)−KDW・T,VWMAX(n),VB(n−1)+KUP・T)
すなわち、減速度最大限界値KDWに対して演算周期Tを掛けた値を前回の演算で求められた推定車体速度VB(n−1)から減算すると、前回の演算のタイミングから今回の演算のタイミングまでの間に車体速度が減速可能な最大限界値となる。また、加速度最大限界値KUPに対して演算周期Tを掛けた値を前回の演算で求められた推定車体速度VB(n−1)に加算すると、前回の演算のタイミングから今回の演算のタイミングまでの間に車体速度が加速可能な最大値となる。このため、今回上述したステップ120で求められた各車輪FR〜RLの車輪速度VW**(ただし、**は、添え字となるFR、FL、RR、RLを示す)の最大値VWMAX(n)が車輪速度VWから直接推定された車体速度であるとすると、これが上述した車体速度が減速可能な最大値および加速可能な最大値を超える場合には、VWMAX(n)は推定車体速度として正しい値とは言えない。
したがって、上記数式1より、車体速度が減速可能な最大値(VB(n−1)−KDW・T)と、車輪速度から直接推定された車体速度としての車輪速度VW**の最大値VWMAX(n)と、車体速度が加速可能な最大値(VB(n−1)+KUP・T)、の3つのうちの中間に位置する値を推定車体速度VB(n)としている。
このようにして推定車体速度VB(n)が演算されると、図2のステップ140に進み、車輪スリップ率演算処理が実行される。ここで言う車輪スリップ率は、各車輪FR〜RLそれぞれに対して求められるもので、推定車体速度VB(n)と車輪速度VW**との偏差を推定車体速度VB(n)で割ったものである。
そして、各車輪FR〜RLそれぞれの車輪スリップ率が演算されると、ステップ150において、ホイールシリンダ圧力制御が実行される。具体的には、車輪スリップ率が高く、ABS制御などを実行する必要があり、ドライバによるブレーキペダル操作に応じて発生させられているホイールシリンダ圧を減少させるべきか、増加させるべきか、それとも維持するべきかが求められる。この処理結果に応じて、ホイールシリンダ圧を制御すべく、図示しない電動モータに対して制御信号が出力される。これにより、ホイールシリンダ圧が調整され、その後、再びステップ110に戻る。
以上説明したように、本実施形態に示した車両用運動制御装置では、補助制動装置に相当する滑り止め剤塗布装置6FR、6FLが作動中であるか否かに基づいて、推定車体速度VB(n)の演算を行うようにしている。具体的には、推定車体速度VB(n)を求める際に使用される減速度最大限界値KDWとして、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLが作動中であるとき用のKDWHを設定している。
このため、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによってタイヤ2FR、2FRLと路面との接地状態を変化させた場合にも、その変化に対応して推定車体速度VB(n)を正確に求めることが可能となる。
そして、このように推定車体速度VB(n)を正確に求めることができることから、ABS制御などの開始条件の基準として用いるスリップ率を正確に求めることができ、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
例えば、従来のように、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLの作動中においても、作動中でない場合と同様な減速度最大限界値KDWを用いて推定車体速度VB(n)を求めた場合と、本実施形態のように滑り止め剤塗布装置6FR、6FLの作動中と作動中でない場合とで減速度最大限界値KDWを変えて推定車体速度VB(n)を求めた場合のタイミングチャートは、図4のように示される。
この図において、従来の手法で求めた推定車体速度VB(n)が実線、本実施形態の手法により求めた推定車体速度VB(n)が破線で示してある。また、参考として、図4中にそのときの車輪速度VW**も示してある。
滑り止め剤塗布装置6FR、6FLの作動中には、作動中でない場合と比べて高い制動力を得ることができることから、実際の車体速度の減少が早くなる。これに対し、従来の手法で推定車体速度VB(n)を求めた場合には、減速度最大限界値KDWが低い値に設定されることから、実際の車体速度の減少に追従できず、推定車体速度VB(n)が実際の車体速度よりも高い値として求められてしまう。しかしながら、本実施形態の手法で推定車体速度VB(n)を求めた場合には、減速度最大限界値KDWが高い値に設定されることから、実際の車体速度の減少に追従でき、推定車体速度VB(n)が実際の車体速度と同等の値として求められる。
したがって、本実施形態によれば、実際の車体速度と同等な推定車体速度VB(n)と車輪速度VW**との偏差から求められる正確なスリップ率に基づいて、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
このように、補助制動装置の作動中には緊急時に車両運動を制御するシステムの制御特性を調整することで、補助制動装置の効果を十分に発揮させることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態における車両用運動制御装置は、補助制動装置が作動中であるか否かでESC制御を実行する際の横加速度最大限界値の設定変更を行うものであり、基本的に第1実施形態で示した車両用運動制御装置と同じ構成であるため、第1実施形態と異なるブレーキECU7での処理についてのみ説明する。
図5に示すフローチャートを参照して、本実施形態の車両用制動装置が実行する処理について説明する。
図5に示したフローチャートは、ブレーキECU7がプログラムに基づいて実行するESC制御処理を示したもので、例えばイグニッションスイッチがオンされるとともに処理が開始されるようになっている。
まず、ステップ300に示されるように、制動補助装置が作動中であるか否かが判定される。この判定は、制動補助装置制御ECU8から出力される制動補助作動中信号を受け取ったか否かに基づいてなされる。そして、否定判定されればステップ310に進み、肯定判定されればステップ320に進む。
ステップ310では、横加速度最大限界値KLGYとしてKLGYNが設定される。ここで設定されるKLGYNは、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによってタイヤ2FR、2FLと路面との間の接地状態が変えられていない通常の状態において、想定される車体の横加速度の最大値であり、例えば0.8Gに設定される。
一方、ステップ320では、横加速度最大限界値KLGYとしてKLGYHが設定される。ここで設定されるKLGYHは、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによってタイヤ2FR、2FLと路面との間の接地状態が変えられた場合、つまり、通常の状態と比べてより高い制動力を発生させられる状態において、想定される車体の横加速度の最大値であり、例えば1.6Gに設定される。
このように、ステップ310およびステップ320で求められた横加速度最大限界値KLGYに基づいて、ステップ330でESC制御を実行すべきか否かが判定される。具体的には、横加速度センサ10bの検出信号から求められた現在の横加速度GYが横加速度最大限界値KLGYよりも大きいか否かが判定される。
そして、このステップで否定判定された場合には、ESC制御の必要性はないものとして、そのまま処理が終了される。逆に、このステップで肯定判定された場合には、ステップ340に進み、ESC制御が実行される。このESC制御が実行される場合、ヨーレートセンサ10aの検出信号から求められた現在のヨーレートから車両1の旋回方向および旋回半径などを求め、例えば旋回外輪側の前輪に対して制動力を与えるなどの処理を行う。これにより、ヨーレートが減る側へ、つまりアンダーステア気味になって、車両の横滑りが抑制される。なお、このESC制御(横滑り防止制御)に関しては従来より周知のものであるため、詳細については省略する。
以上説明したように、本実施形態の車両用運動制御装置では、補助制動装置に相当する滑り止め剤塗布装置6FR、6FLが作動中であるか否かに基づいて、ESC制御の開始条件となる横加速度最大限界値KLGYを変更する。このため、補助制動装置が作動中には、作動中でない場合と比べて、ESC制御の開始条件のしきい値となる横加速度最大限界値KLGYが高く設定されることになる。
したがって、車両1に発生し得る横加速度最大限界値KLGYを小さく想定してしまうことにより、まだ横滑りが発生してしまう程の横加速度でないにも関わらず、ESC制御が開始されてしまうことを防止することができる。これにより、滑り止め剤塗布装置6FR、6FLによってタイヤ2FR、2FRLと路面との接地状態を変化させた場合にも、その変化に対応したESC制御を実行することが可能となる。このため、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態における車両用運動制御装置のブロック構成を図6に示す。本実施形態の車両用運動制御装置は、第1実施形態に示す車両運動制御装置に対して、補助制動装置の作動の有無に応じてTCS制御における目標トルク補正量を調整する機能を付加したものである。
図6に示されるように、本実施形態の車両用運動制御装置には、第1実施形態に示した図1の構成に対してエンジンECU20およびアクセルペダル操作量センサ21が備えられている。
エンジンECU20は、駆動力制御手段を構成するもので、CPU、ROM、RAM、I/Oなどを備えた周知のマイクロコンピュータによって構成され、ROMなどに記憶されたプログラムに基づいて各種エンジン制御を実行する。エンジンECU20は、基本的には、アクセルペダル操作量センサ21からの検出信号に基づいて目標エンジントルクおよび目標トルク補正量を求め、TCS制御時には、加速スリップに応じて目標トルク補正量を調整して目標エンジントルクを求めるようになっている。また、このエンジンECU20には、補助制動装置制御ECU8からの補助制動作動中信号が入力されるようになっている。
アクセルペダル操作量センサ21は、ドライバによるアクセルペダル操作量、例えばペダルストロークやペダル踏力などを求めるもので、その操作量に応じた検出信号を出力するようになっている。
なお、その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
続いて、図7に示すフローチャートを参照して、本実施形態の車両用制動装置が実行する処理について説明する。
図7に示したフローチャートは、エンジン20がプログラムに基づいて実行するTCS制御処理を示したもので、例えば加速スリップが発生したときに処理が開始されるようになっている。なお、ここでいう加速スリップとは、推定車体速度と車輪速度との偏差によって求められるスリップ率のことを意味しており、公知のものである。
まず、ステップ400では、加速スリップが大きいか否かが判定される。具体的には、加速スリップが所定のしきい値よりも大きいか否かが判定される。このステップで否定判定された場合には、TCS制御を実行しなければならないほどの加速スリップが大きくないものとして、ステップ410に進む。そして、ステップ410にて、前回の目標トルク補正量HTに対して所定の補正定数KTUを加算した値が、新たな目標トルク補正量HTとして設定される。なお、ここでいう前回の目標トルク補正量HTとは、前回の処理の際に設定された目標トルク補正量HTのことを意味している。
また、ステップ400で肯定判定された場合には、ステップ420に進み、加速スリップが増大中であるか否かが判定される。具体的には、加速スリップの時間変化、つまり加速スリップの微分値が求められたのち、それが所定のしきい値よりも大きいか否かが判定される。そして、加速スリップが増大中であると判定された場合には、加速スリップを抑えるべく、ステップ430に進み、前回の目標トルク補正量HTに対して所定の補正定数KTDを減算した値が、新たな目標トルク補正量HTとして設定される。
一方、ステップ420で否定判定された場合には、加速スリップを抑制する必要性がないとして、ステップ440に進み、現在設定されている目標トルク補正量HTがそのまま新たな目標トルク補正量HTとして維持される。
続く、ステップ450では、前回運動補助装置が作動中でないかが判定される。この処理では、例えばエンジンECU20内におけるRAMに補助制動装置制御ECU8から補助制動作動中信号が入力されたことを記憶しておくことで判定される。そして、このステップで否定判定された場合には、ステップ460に進み、今回運動補助装置が作動を開始したか否かが判定される。
そして、ステップ460で肯定判定された場合には、ステップ470にて、現在設定されている目標トルク補正量HTに対して所定の補正定数KTU2が加算された値が、新たな目標トルク補正量HTとして設定される。ここでいう所定の補正定数KTU2は、補助制動装置が作動開始したときに目標トルク補正量HTを増加させるためのもので、補助制動装置の作動中には現在設定されている目標トルク補正量HTを増加させても加速スリップが発生し難いということを考慮して設定されている。一方、今回補助制動装置を作動開始でないと判定された場合には、目標トルク補正量HTを変更せずに、そのままステップ480に進む。
このように、ステップ450およびステップ460により、補助制動装置の開始タイミングが求められ、補助制動装置の開始タイミングをトリガとして目標トルク補正量HTの調整するようにしている。
続く、ステップ480では、現在設定されている目標トルク補正量HTが正の値になっているか否かが判定される。つまり、加速スリップ中には、目標トルク補正量HTによって目標エンジントルクを減らすべきであるにも関わらず、最終的に得られた目標トルク補正量HTが正になってしまう場合には、その値で目標エンジントルクを補正するのは好ましくない。このため、ステップ480で否定判定された場合には現在設定されている目標トルク補正量HTがそのまま用いられ、肯定判定された場合にはステップ490にて目標トルク補正量HTが0に修正される。
そして、ステップ500で、現在設定されている目標トルク補正量HTとアクセルペダル操作量センサ21の検出信号から求められたアクセルペダル操作量ACCPに基づいて、目標エンジントルクTTが求められる。具体的には、所定の定数KAをアクセルペダル操作量ACCPに掛けることでアクセルペダル操作量ACCPに応じたエンジントルクを求め、それに目標トルク補正量HTを加算することで、最終的な目標エンジントルクTTが求められる。
この後、ステップ510で、実際のエンジントルク値RTが最終的な目標エンジントルクTTから不感帯KH分を差し引いた値(TT−KH)よりも小さいか否かが判定される。そして、肯定判定された場合には、ステップ520に進み、エンジントルクを上昇させるべく、図示しないエンジンに対して制御信号が送られる。これにより、スロットル開度が大きくされるなどにより、エンジントルクが上昇させられる。
逆に、ステップ510で否定判定された場合には、ステップ530に進み、実際のエンジントルク値RTが最終的な目標エンジントルクTTから不感帯KH分を足した値(TT+KH)よりも大きいか否かが判定される。そして、肯定判定された場合には、ステップ540に進み、エンジントルクを低下させるべく、図示しないエンジンに対して制御信号が送られる。これにより、スロットル開度が小さくされるなどにより、エンジントルクが低下させられる。
また、ステップ530で否定判定された場合には、実際のエンジントルク値RTが目標エンジントルクTTに対して不感帯KTとして設定された所定範囲内に存在しており、エンジントルクを上昇もしくは低下させる必要性がないものとして、そのまま処理が終了される。
以上説明した本実施形態の車両用運動制御装置では、補助制動装置に相当する滑り止め剤塗布装置6FR、6FLが作動中であるか否かに基づいて、TCS制御における目標トルク補正値HTを変更する。つまり、補助制動装置が作動中には、作動中でない場合と比べて、加速スリップとなる目標エンジントルクを大きくできるものを想定し、目標トルク補正値HTを補助制動装置が作動していない場合と比べて大きくしている。
このため、目標トルク補正値HTの値を過大な加速スリップを発生させない最大の値に設定することが可能となる。したがって、従来のように過大な加速スリップが発生しない程度に発生させられる目標エンジントルクTTの限界値を小さく想定してしまうことにより、本来発生させ得るエンジントルクを小さな値としてしまうことを防止することができる。これにより、緊急時に適切な車両運動制御を実行することが可能となる。
(他の実施形態)
(1)上記第1実施形態では、補助制動装置が作動中か否かによって、ABS制御における推定車体速度VB(n)の演算に用いる減速度最大限界値KDWを変更するようにしたが、以下のようにしても同様の効果を得ることができる。
例えば、ABS制御の減圧時における車輪加速度基準値を変更しても良い。例えば、補助制動装置が作動中でない通常の状態のときに車輪加速度基準値が1.5Gに設定されるのであれば、作動中にはそれよりも大きな2.5Gに設定すれば良い。
また、目標減速度の設定値を変更しても良い。例えば、補助制動装置が作動中でない通常の状態のときに目標減速度の設定値が1Gに設定されるのであれば、作動中にはそれよりも大きな2Gに設定すれば良い。
さらに、増減圧制御量の設定値を変更しても構わない。例えば、補助制動装置が作動中でない通常の状態のときに増減圧制御量の設定値に対して、作動中には、減圧量が小さく、かつ、増圧量が大きくなるように設定すれば良い。
(2)上記第2実施形態では、補助制動装置が作動中か否かによって、ESC制御における横加速度最大限界値KLGYを変更するようにしたが、例えば、ESC制御の限界目標ヨーレート値を変更するようにしても良い。例えば、限界目標ヨーレート値は、それ以上のヨーレートが発生すると車両の限界を超える値であり、基本的には、舵角と車速と路面μで決まるため、補助制動装置の作動時は、その値を大きい側に補正すればよい。
(3)上記各実施形態では、車両用運動制御装置に備えられる補助制動装置として滑り止め剤塗布装置6FR、6FLを例に挙げて説明したが、この他の補助制動装置を備えるようにしても良い。例えば、補助制動装置として特許文献1ないし4に示されるものを適用しても良い。
(4)上記実施形態では、粒状物散布装置6FR、6FLは、駆動輪となる右前輪FRおよび左前輪FLに対してのみ設けられており、転動輪となる右後輪RRおよび左後輪RLに対しては設けられていない。しかしながら、転動輪に対しても設けるようにしても構わない。
(5)上記各実施形態では、補助制動装置が作動中には、制動特性もしくは駆動力特性を変更すべく、補助制動装置の作動中に用いられる値が1つ用意されていたが、補助制動装置の作動状態に応じて、制動特性や駆動力特性を変更するようにしても良い。例えば、補助制動装置の作動時間に応じて制動特性や駆動力特性を変更しても良い。
(6)また、上記各実施形態では、主制動手段と補助制動装置を例に挙げて説明したが、車両の運動を制御する主運動制御手段と補助運動制御装置とを備えるすべての車両用運動制御装置に対して本発明を適用することが可能である。
例えば、車両用運動制御装置としては、制動力ではなく、操舵の制御やエンジン制御など、タイヤと路面間に発生させられる力を使って運動を制御するものが挙げられる。
そして、主運動制御手段および補助運動制御装置が備えられる車両用運動制御装置に関して、補助運動制御装置が作動中である場合とない場合とで、ブレーキ制御手段や駆動力制御手段などの運動制御手段が、車両の運動制御特性を変更するようにすれば、上記効果を得ることが可能となる。
(7)なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
本発明の第1実施形態における車両用運動制御装置のブロック構成を示す図である。 ブレーキECUが実行するブレーキ制御処理のフローチャートである。 図2に示すブレーキ制御において実行される車体速度推定演算処理のフローチャートである。 従来の手法で求めた推定車体速度と第1実施形態の手法により求めた推定車体速度、および、そのときの車輪速度のタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態における車両用運動制御装置のブレーキECUが実行するESC制御処理のフローチャートである。 本発明の第1実施形態における車両用運動制御装置のブロック構成を示す図である。 本発明の第3実施形態における車両用運動制御装置のエンジンECUが実行するTCS制御処理のフローチャートである。
符号の説明
1…車両、2FR、2FL、2RR、2RL…タイヤ、3FR、3FL、3RR、3RL…ディスクロータ、4FR、4FL、4RR、4RL…キャリパ、5FR、5FL、5RR、5RL…車輪速度センサ、6FRa、6FRb、6FLa、6FLb…滑り止め剤塗布装置(補助制動手段)、7…ブレーキECU、8…補助制動装置制御ECU、10a…ヨーレートセンサ、10b…横加速度センサ、11…操作スイッチ、12…作動ランプ、20…エンジンECU、21…アクセルペダル操作量センサ。

Claims (11)

  1. 車両(1)における各車輪(FR、FL、RR、RL)に該車輪の回転を抑制する力を与えることにより制動力を発生させる主制動手段(3FR、3FL、3RR、3RL、4FR、4FL、4RR、4RL)と、
    前記車両に搭載され、駆動信号に応じて、前記車輪のうちの少なくとも1つにおいて、前記駆動輪と路面との間の接触状態を変化させる動作を行う補助制動装置(6FR、6FL)と、
    前記補助制動装置に対して前記駆動信号を出力する補助制動装置制御手段(8)と、
    前記主制動手段に対して制御信号を送ることで、前記主制動手段が発生させる制動力を制御するブレーキ制御手段(7)とを備えた車両用運動制御装置であって、
    前記補助制動装置制御手段は、前記補助制動装置が作動中であることを示す補助制動作動中信号を前記ブレーキ制御手段に対して出力するようになっており、
    前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動作動中信号に基づいて、前記補助制動装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、前記主制動手段による制動特性を変更することで、前記車両の運動制御特性を変更するようになっていることを特徴とする車両用運動制御装置。
  2. 前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動装置が作動中である場合には、前記補助制動装置が作動中でない場合と比べて、推定車体速度(VB(n))を求める際に用いられる減速度最大限界値(KDW)を大きく設定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用運動制御装置。
  3. 前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動装置が作動中である場合には、前記補助制動装置が作動中でない場合と比べて、ABS制御で用いられる車輪加速度基準値を大きく設定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用運動制御装置。
  4. 前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動装置が作動中である場合には、前記補助制動装置が作動中でない場合と比べて、ABS制御で用いられる目標減速度の設定値を大きく設定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用運動制御装置。
  5. 前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動装置が作動中である場合には、前記補助制動装置が作動中でない場合と比べて、ABS制御で用いられる増減圧制御量の設定を大きく設定するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用運動制御装置。
  6. 前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動装置が作動中である場合には、前記補助制動装置が作動中でない場合と比べて、横滑り防止制御で用いられる横加速度最大限界値(KLGY)を大きく設定するようになっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用運動制御装置。
  7. 前記ブレーキ制御手段は、前記補助制動装置が作動中には、その作動状態に応じて、前記主制動手段による制動特性を変更することで、前記車両の運動制御特性を変更するようになっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用運動制御装置。
  8. 車両(1)における各車輪(FR、FL、RR、RL)に該車輪の回転を抑制する力を与えることにより制動力を発生させる主制動手段(3FR、3FL、3RR、3RL、4FR、4FL、4RR、4RL)と、
    前記車両に搭載され、駆動信号に応じて、前記車輪のうちの少なくとも1つにおいて、前記駆動輪と路面との間の接触状態を変化させる動作を行う補助制動装置(6FR、6FL)と、
    前記補助制動装置に対して前記駆動信号を出力する補助制動装置制御手段(8)と、
    前記各車輪(FR、FL、RR、RL)に与える駆動力を制御する駆動力制御手段(20)とを備えた車両用運動制御装置であって、
    前記補助制動装置制御手段は、前記補助制動装置が作動中であることを示す補助制動作動中信号を前記駆動力制御手段に対して出力するようになっており、
    前記駆動力制御手段は、前記補助制動作動中信号に基づいて、前記補助制動装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、前記各車輪の駆動力特性を変更することで、前記車両の運動制御特性を変更するようになっていることを特徴とする車両用運動制御装置。
  9. 前記駆動力制御手段は、前記補助制動装置が作動中である場合には、前記補助制動装置が作動中でない場合と比べて、トラクション制御で用いられる目標トルク補正値(HT)の設定値を大きく設定するようになっていることを特徴とする請求項7に記載の車両用運動制御装置。
  10. 前記駆動力制御手段は、前記補助制動装置が作動中には、その作動状態に応じて、前記各車輪の駆動力特性を変更することで、前記車両の運動制御特性を変更するようになっていることを特徴とする請求項8または9に記載の車両用運動制御装置。
  11. 車両(1)における各車輪(FR、FL、RR、RL)の運動を制御する主運動制御手段(3FR、3FL、3RR、3RL、4FR、4FL、4RR、4RL)と、
    前記車両に搭載され、駆動信号に応じて、前記車輪のうちの少なくとも1つにおいて、前記車輪と路面との間の接触状態を変化させる動作を行う補助運動制御装置(6FR、6FL)と、
    前記補助運動制御装置に対して前記駆動信号を出力する補助運動制御装置制御手段(8)と、
    前記車両の運動を制御する運動制御手段(7、20)とを備えた車両用運動制御装置であって、
    前記補助運動制御装置制御手段は、前記補助運動制御装置が作動中であることを示す補助運動制御作動中信号を前記運動制御手段に対して出力するようになっており、
    前記運動制御手段は、前記補助運動制御作動中信号に基づいて、前記補助運動制御装置が作動中である場合と作動中ではない場合とで、前記車両の運動制御特性を変更するようになっていることを特徴とする車両用運動制御装置。
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