JP2006005621A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両安全運転支援装置等において撮像視野の主要領域を最適画質でモニタする。
【解決手段】 撮像視野に対応した映像信号を生成するように配された撮像素子1によって生成される映像信号に係る当該撮像視野に関して、領域設定機能31によって少なくとも主要領域及び非主要領域を含む2つ以上の領域を設定し、領域毎に輝度範囲測定機能32によりその撮像視野の輝度範囲を夫々測定し、その測定結果に基づいてダイナミックレンジ調整機能33により撮像素子1の撮像の条件を設定することにより撮像素子1の実効的なダイナミックレンジを調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一の撮像手段の撮像視野を二つ以上の領域に区分して設定し、特にその領域のうちのひとつに対して適切なコントラストが得られるような撮像を行うことが可能になされた撮像装置に関する。
近年、撮像装置を、車両に搭載して、安全運転の支援のために用いる、あるいは監視カメラとしてスポット的な乃至はカメラのパンニング等によるパノラミックな所定の撮像視野を昼夜モニタするように用いるなどといった技術が普及しつつある。
例えば、撮像装置を安全運転の支援のために利用する場合では、運転者の死角になるような視野を撮像して表示することによって認識可能な視野を拡大したり、或いは、運転者の視野と重複する視野をモニタしながら衝突するおそれのある車両やその他の物体乃至は歩行者の存在に対して特別に注意を喚起するような表示や警告を行ったりすることになる。
また、撮像装置を監視カメラとして用いる場合は、スポット的な乃至はパノラミックな所定の撮像視野を昼夜モニタしつつも、防犯上のポイントとなるシーンを十分な解像で監視乃至記録することが要点となる。
例えば、上述のように撮像装置を用いる場合、撮像装置の視野内には太陽光や照明光等の光源光が直接的に入射してくるような極めて輝度の高い部分が含まれることがあり、その一方では車両の進行方向にトンネルの入り口のような低輝度の部分が現れてくることがある。そのため、高輝度部分は撮像素子の光電変換特性が飽和して所謂白とびとなったり、低輝度部分は所謂黒つぶれになったりすることが発生しやすい。一般的に、ダイナミックレンジが十分に広いとは言えない通常の撮像素子を適応した撮像装置においては、常時撮像視野の全体を最適な解像でモニタできるようにするためには困難が避けられない。
撮像装置において、その実効的なダイナミックレンジを拡大するために、従来、種々の技術が提案されている。次に、それらの数例について簡単に説明する。
例えば、従来、CCD(Charge Coupled Device )撮像素子の赤(R)緑(G)青(B)の色の再現の適正化を図って、白色であるべきところに色がついてしまう不都合を回避するべく、R、G、Bの各色の画素毎に光電変換特性のニースロープの傾斜を調節して色再現の改善を図ろうとする技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、従来、増幅型のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )撮像素子において、被写体の低輝度部に対しては(即ち、小信号の電荷を蓄積する場合は)蓄積時間を長くとった信号電荷のみを蓄積して光電変換特性の傾きを十分なものとし、その一方、被写体の高輝度部に対しては(即ち、大信号の電荷を蓄積する場合は)蓄積時間を短くして信号電荷の蓄積を行うようにすることで、両者の蓄積時間による総体としての光電変換特性で見て結果的にダイナミックレンジを拡大させるようにするといった技術が提案されている(例えば特許文献参照2)。
更に、従来、単一のCCD撮像素子において、電子シャッタ回路によって被写体の高輝度部に対しては高速の電子シャッタ処理を行って信号の飽和を回避する一方で、被写体の低輝度部に対しては低速の電子シャッタ処理を行って十分な光電変換出力を得るようにすることで、広いダイナミックレンジの撮像を行えるようにする技術が提案されている(例えば特許文献3参照)。
更にまた、従来、撮像装置のAE(Auto Exposure:自動露出)機能を補完して撮影者が意図する主要被写体を常に適正露出で撮影することができるようにするべく、撮像による画像データを一旦記憶手段に保持すると共にその撮像に係る画面内の輝度分布を色分け処理して保存することにより、撮影後に撮影者がこの色分けをたよりに適宜の補正処理を可能にすることが提案されている(例えば文献特許4参照)。
この他、本発明に関係する技術として、例えば特許文献5には、ステレオ光学系の技術が開示されている。
特開2003−333613号公報 特開2001−189893号公報 特開2002−314873号公報 特開2000−217033号公報 特開平8−171151号公報
以上のように、一般的な撮像装置では、常時撮像視野の全体を最適な解像でモニタできるようにすることは困難であり、また一方、撮像素子の実効的なダイナミックレンジを拡大するために上述した各文献に開示されるような技術を利用したとしても、何れの文献に開示される従来の技術も、撮像視野(或いはそれに対応するモニタ画面)の全体に対して階調表現の改善を図ろうとするものであり、例えば、撮像視野内で特別に注目されるべき特定の領域についてはその周辺との相対において特別に良好な階調表現を実現したいといった要請には必ずしも十分には応えることができない。
本発明は上述のような従来の技術では十全に対応し得なかった技術課題を解決しようとするものであり、被写界(撮像視野)の輝度値の高低が極めて広範囲に亘る場合であっても、撮像画面内の特定の領域についてはその周辺との相対において良好な階調表現を実現することができるこの種の撮像装置を提供しようとするものである。
本発明の態様のひとつである撮像装置は、撮像視野に対応した映像信号を生成するように配された撮像素子と、当該撮像素子によって生成される映像信号に係る撮像視野に関して少なくとも主要領域及び非主要領域を含む2つ以上の領域を設定する領域設定手段と、当該領域設定手段によって設定された領域毎にその撮像視野の輝度範囲を夫々測定する輝度範囲測定手段と、当該輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて当該撮像素子による撮像の条件を設定して当該撮像素子の実効的なダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段とを備えたことを特徴とするものであり、この特徴により前述した課題が解決される。
なお、本発明に係る上記撮像装置は、その望ましいひとつの形態として、上記領域設定手段が、上記撮像視野に関して上記主要領域と上記非主要領域とを両者の重複する領域が生じないように設定するよう構成される。
また一方、本発明に係る上記撮像装置は、その望ましい他の形態として、上記領域設定手段は、上記撮像視野に関して上記主要領域と上記非主要領域とを両者の重複する領域が生じるように設定するよう構成される。
更には、本発明に係る上記撮像装置は、ひとつの形態として、上記領域設定手段が、上記撮像視野に関して上記主要領域と上記非主要領域とを両者の境界に排他的な区分が生じるように設定するよう構成される。
他方、本発明に係る上記撮像装置は、他の形態として、上記領域設定手段が、上記撮像視野に関して上記主要領域と上記非主要領域とを両者の境界に排他的な区分のない領域を生じるように設定するよう構成される。
また、本発明に係る上記撮像装置は、その一形態として、上記撮像素子が、車外の道路の状況を少なくとも部分的に上記撮像視野に含み得るようにして車両に搭載され、上記領域設定手段が、当該道路の状況及び当該道路の近傍の状況を含む領域を上記主要領域として設定するよう構成される。
更にまた、本発明に係る上記撮像装置は、その一形態として、上記ダイナミックレンジ調整手段が、上記撮像素子への入射光量に対する映像信号の出力レベルの関係に対応するニースロープ特性の変更を伴って当該ダイナミックレンジを調整するよう構成される。
また、本発明に係る上記撮像装置は、その一形態として、上記ダイナミックレンジ調整手段が、上記撮像素子による当該撮像の条件として、複数回の露光を行う場合の露光回数、実効的露光時間のうちの何れかを上記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて設定するよう構成される。
更にまた、本発明に係る上記撮像装置は、その一形態として、上記ダイナミックレンジ調整手段が、複数回の露光を行う場合におけるこれら複数の露光の総体による光電変換特性のダイナミックレンジに対して毎回の露光による光電変換特性が寄与する比率の配分を上記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて設定するよう構成される。
また、本発明に係る上記撮像装置は、その一形態として、上記ダイナミックレンジ調整手段が、上記撮像素子による当該撮像の条件として、複数回の露光を行うことの要否を上記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて判定して当該露光の回数を設定するよう構成される。
更にまた、本発明に係る撮像装置は、その一形態として、上記ダイナミックレンジ調整手段は、上記輝度範囲測定手段による測定結果として上記主要領域の輝度範囲が1回の露光で撮像可能なダイナミックレンジを超えている場合は少なくとも異なる実効的露光時間で2回以上の露出を行うように前記撮像の条件を設定するよう構成される。
また、本発明に係る撮像装置は、その一形態として、上記撮像素子が、車外の道路の状況を少なくとも部分的に自己の撮像視野に含み得るようにして車両に搭載され、上記領域設定手段が、当該道路の状況及び当該道路の近傍の状況を含む領域を上記主要領域として設定するように、且つ、外部から供給される当該車両に係るハンドルの舵角を表す情報及び当該車両の姿勢を表す情報に依拠して上記主要領域を可変的に設定するよう構成される。
更にまた、本発明に係る撮像装置は、その一形態として、上記撮像素子が、ステレオ光学系に対応するように構成される。
また、本発明に係る撮像装置は、その一形態として、上記ダイナミックレンジ調整手段が、上記領域設定手段によって設定された上記主要領域について最適となるように上記撮像素子の光電変換特性を調整するよう構成される。
本発明によれば、被写界(撮像視野)の輝度値の高低が極めて広い範囲亘る場合であっても、撮像画面内の特定の領域についてはその周辺との相対において良好な階調表現を実現することができ、特定の領域についてその周囲よりも適確なモニタをする必要がある場合などに適用するに好適である。
以下に図面を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態としての撮像装置の構成を示すブロック図である。撮像光学系(図示省略)と組み合わされて自己の撮像視野に対応した映像信号を生成するように配された撮像素子1の出力側には公知のようにA/D変換回路2が備えられており、撮像素子1の出力がデジタル信号に変換される。本実施形態の装置には、マイクロプロセッサを主要な構成要素としハードウエアの構成は公知のシステムコントローラ3が設けられ、このシステムコントローラ3によって系全体が統括的に制御されるように構成されている。上述の撮像素子1並びにその後段の信号処理を行う種々の回路等(後述)はバス(公知の制御バスとデータバスを含む)4を通してこのシステムコントローラ3と結ばれている。
本実施形態の装置には、更に、このA/D変換回路2によってデジタル化された画像信号に対し公知の方式に則って圧縮/伸長その他の所要の処理を施すための信号処理回路5、デジタル化された画像信号(画像データ)を一時的に或いは半ば恒久的に保存するための画像メモリ6、画像の表示を制御する画像制御部7、及び、この画像制御部7の制御下で画像の表示を行う表示器8が設けられ、信号処理回路5、画像メモリ6、及び画像制御部7はバス4を介してシステムコントローラ3と各々結ばれ、画像データの授受や制御信号の授受が行われる。
システムコントローラ3には、撮像素子1によって生成される映像信号に係る撮像視野に関して少なくとも主要領域及び非主要領域を含む2つ以上の領域を設定する領域設定手段としての領域設定機能31と、領域設定機能31によって設定された領域毎にその撮像視野の輝度範囲を夫々測定する輝度範囲測定手段としての輝度範囲測定機能32と、輝度範囲測定機能32による測定結果に基づいて撮像素子1についての後述する撮像の条件を設定して撮像素子1の実効的なダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段としてのダイナミックレンジ調整機能33とが備えられている。
領域設定機能31は、撮像光学系と組み合わされてなる撮像素子1が車両に搭載されて安全運転の支援のために運転者の視野に略相応する領域をその撮像視野とするように設けられている場合には、その撮像視野のうち、例えば、自車両の走行する道路及び当該道路の近傍を含む領域を主要領域とし、同撮像視野の残りの領域を非主要領域とするように2つに区分される領域を設定するものであるが、所要に応じて3つ以上の領域に区分するようにしてもよい。
上述の領域設定機能31における主要領域、即ち、自車両の走行する道路及びその近傍を含む領域の識別は、バス4を通してシステムコントローラ3に供給される画像データに関し公知の画像認識技術を適用して実行してもよい。輝度範囲測定機能32は、上述のように撮像視野が主要領域と非主要領域との2つに区分される場合には、撮像素子1によって取得され、A/D変換回路2及びバス4を通してシステムコントローラ3に供給される画像データに依拠して、それらの領域毎の輝度範囲を測定する。
ダイナミックレンジ調整機能33は、輝度範囲測定機能32によって測定された主要領域及び非主要領域の輝度範囲に関する各測定結果に基づいて撮像素子1による撮像の条件を設定することによって、撮像素子1の実効的なダイナミックレンジを調整する。即ち、ダイナミックレンジ調整機能33は、撮像素子1による当該撮像の条件として、例えば、複数回の露光を行って得た各画像データを合成して1つの画像を構成するような場合におけるその露光回数、実効的露光時間のうちの何れか(又は双方)を輝度範囲測定機能32による各測定結果に基づいて設定する。
図2は、本実施形態の装置を適用することによって、被写界(撮像視野)の輝度値の高低が極めて広い範囲に亘る場合であっても、撮像画面内の特定の領域についてはその周辺との相対において良好な階調表現を実現することができる事例を説明するための図である。
図2における撮像視野100は、本発明の撮像装置が車両に搭載され、運転者がウィンドシールドを通して見渡せる車両前方の視野に略相応するように設定されている。図示のように、路面101が撮像視野100の最も手前側(矩形の撮像視野100の底辺側)から車両の進行方向側(同視野100の右上方側)に向かって延びるその延長上の山にはトンネルが穿たれてその入り口102が開口し、その入り口102から奥に向かって暗くなっている。路面101の両側には並木が植えられているが、進行方向左側の崖下には海面が広がり、洋上には太陽が輝いて、撮像視野100中この陽光の射している部分103が極めて輝度の高い領域になっている。
一般に、図2のような撮像視野100の全域に渡って平均的に良好なコントラストが得られるように撮像条件を設定するには多くの周知の手法が適用されてきた。しかしながら、例えば、本発明の装置が車載の安全運転支援装置に適用される場合などにおいては、必ずしも、撮像視野100の全域に渡って平均的に良好なコントラストが得られるようにすることが目的に適ったものとはいえない。即ち、路面101上における他の車両104a、104bや、路面101上の落下物その他の障害物105を重点的に明瞭に認識するようにし、この認識結果に応じて適確に警報を発し、あるいは自動的にブレーキをかけることによって危険の回避が行われ得るようにすること等に重点をおいた撮像がより適切である。
本実施形態の装置では、このような要求に十分に応えるべく、主要領域としての路面101乃至その近傍領域と、その他の非主要領域とに撮像視野100を区分し、この主要領域について特に障害物の有無等を含む詳細な状況が的確に監視され得るようにする。
図3は、本発明の実施形態において、主要領域1010とそれ以外の非主要領域1011との二つ以上の領域を設定する様子を説明するための図である。既述のシステムコントローラ3の領域設定機能31によって、撮像視野100に関して、少なくとも路面101を主体的に含んで主要領域1010が設定され、それ以外の領域が非主要領域1011として設定される。図中、一点鎖線1100は、図2の撮像視野100内において路面101の輪郭として認識される境界を示し、この一点鎖線1100に略平行な各破線1101、1102は領域の設定について後述するような複数通りの他の考え方に基づいてそれらの境界を設定する実施形態を示すものである。
なお、主要領域1010とする路面101を撮像視野100から弁別してその境界を確定するための処理自体は、領域設定機能31において、車両の安全運転支援装置等において採用されている周知の手法を駆使して実行することができる。そのような手法の一例としては、撮像視野100の画像において最も手前側(撮像視野100の底辺側)から車両の進行方向側(同視野100の上方側)に向かって延びる略単一色の領域は路面101とみなすというものがある。
図2および図3を用いて説明した実施形態では、撮像素子1は車外の道路状況を少なくとも部分的に自己の撮像視野に含み得るようにして車両に搭載され、領域設定手段であるシステムコントローラ3の領域設定機能31は、道路(路面)101の状況及びその道路100の近傍の状況を含む領域を主要領域1010として設定する。
尚、本発明の実施形態において、結果的に設定される上記各領域の境界は、次のように種々のものとすることができる。
(1)撮像視野100に関して主要領域1010と非主要領域1011とを両者の重複する領域が生じず、はっきりと区分されるように設定する。
(2)撮像視野100に関して主要領域1010と非主要領域1011とを両者の重複する領域が生じるように設定する。
(3)撮像視野100に関して主要領域1010と非主要領域1011とを両者の境界に排他的な区分が生じるように設定する。
(4)撮像視野100に関して主要領域1010と非主要領域1011との境界に排他的な区分のない領域、すなわち所謂ぼけがある領域を生じるように設定する。
図4は、実施形態の装置において、ニースロープ特性の変更を行うことを説明するための図である。既述のシステムコントローラ3のダイナミックレンジ調整機能(ダイナミックレンジ調整手段)33が、撮像素子1(図1)への入射光量に対する映像信号の出力レベルの関係に対応するニースロープ特性の変更を伴ってダイナミックレンジを調整するように構成される。
図4に表わされたニースロープ特性では、輝度が相対的に低い領域では相対的に傾斜が急な第一のニースロープS1を以ってニーポイントKまで線形に出力が変化するようになされ、このニーポイントKに対応する輝度値よりも輝度が高くなる領域では相対的に傾斜が緩い第二のニースロープS2を以って飽和レベルまで出力が線形に変化する。
この特性図におけるニーポイントKの位置を変更すると、これに応じて上述の第一のニースロープS1および第二のニースロープS2の傾斜が変化する。即ち、ニースロープ特性の変更を伴ってダイナミックレンジが調整される。図4の例では、相対的に傾斜が急な第一のニースロープS1の特性で動作する領域で得られる撮像画像の階調は、相対的に傾斜が緩い第二のニースロープS2の特性で動作する領域における階調よりも良好である。
このようなダイナミックレンジの調整は、図1について説明したダイナミックレンジ調整機能33によって、例えば、撮像素子1に対し、撮像の条件として、複数回の露光を行う場合の露光回数、実効的露光時間(機械的シャッタにおけるシャッタスピードのように、実際に撮像素子1の光電変換面に光が入射する時間、或いは、撮像素子1の電荷排出タイミングの制御による光電荷蓄積時間)のうちの何れか或いは双方を輝度範囲測定機能32による測定結果に基づいて設定するようにしてもよい。以下に、より詳細に説明する。
図5A、図5B、図6A及び図6Bは、撮像素子1において複数回の露光を行う場合におけるこれら複数の露光の総体による光電変換特性のダイナミックレンジに対して毎回の露光による光電変換特性が寄与する比率の配分を各露光に関する輝度範囲測定機能32による測定結果に基づいてダイナミックレンジ調整機能33が設定するようにした実施形態について説明する図である。
図5A及び図5Bは、撮像視野の輝度の範囲が広域に及ぶような場合に、上述のような露光条件を変えて2回の露光(露出1、露出2)を行って得た画像を、加算または画素毎の切換えによって合成して画像信号を得る場合の例を示すものである。なお、加算または画素切換え自体は例えば既述の特許文献3に開示の公知の方法を適用できる。
露光条件を変えた2回の露光によってカバーされる輝度域の区分を示す図5Aを参照して容易に理解されるとおり、相対的に低輝度の領域に適合するように設定した露光条件による露光によってカバーされる輝度域が「露出1」として表記される。また、相対的に高輝度の領域に適合するように設定した露光条件による露光によってカバーされる輝度域が「露出2」として表記される。既述の主要領域の輝度はこの「露出1」でカバーされ、非主要領域の輝度はこの「露出2」でカバーされる。
また、露光条件を変えた2回の露光によってカバーされる輝度域の区分毎のニースロープを示す図5Bを参照して容易に理解されるとおり、「露出1」でカバーされる領域についてはニースロープの傾斜が相対的に大きく、「露出2」でカバーされる領域についてはニースロープの傾斜が相対的に小さい。従って、主要領域について特に鮮やかなコントラストを有する明瞭な画像が得られる。
図6A及び図6Bは、撮像視野の輝度の範囲が広域に及ぶような場合に、上述のような露光条件を変えて3回の露光(露出1,露出2,露出3)を行って得た画像を、加算または画素毎の切換えによって合成画像信号を得る場合の例を示すものである。なお、この例でも、加算または画素切換え自体は例えば既述の特許文献3に開示の公知の方法を適用できる。
露光条件を変えた3回の露光によってカバーされる輝度域の区分を示す図6Aを参照して容易に理解されるとおり、相対的に最も低輝度の領域に適合するように設定した露光条件による露光によってカバーされる輝度域が「露出1」として表記される。次に、相対的に中位の輝度の領域に適合するように設定した露光条件による露光によってカバーされる輝度域が「露出2」として表記される。更に、相対的に最も高輝度の領域に適合するように設定した露光条件による露光によってカバーされる輝度域が「露出3」として表記される。
本例の場合、主要領域の輝度は「露出2」でカバーされ、非主要領域の輝度はこの「露出1」および「露出3」でカバーされる。
上述のように露光条件を変えた3回の露光によってカバーされる輝度域の区分毎のニースロープを示す図6Bを参照して容易に理解されるとおり、「露出2」でカバーされる領域についてはニースロープの傾斜が相対的に大きく、「露出1」および「露出3」でカバーされる領域についてはニースロープの傾斜が相対的に小さい。このため、主要領域について特に鮮やかなコントラストを有する明瞭な画像が得られる。
図5A、図5B、図6A及び図6Bについて説明した何れの例についても明らかなとおり、ダイナミックレンジ調整機能33は、領域設定機能31によって設定された主要領域について最適となるように光電変換特性を調整する。
なお、ダイナミックレンジ調整機能33は、撮像素子1での撮像の条件として、複数回の露光を行うことの要否を輝度範囲測定機能32による測定結果に基づいて判定し、撮像視野の輝度の範囲が広域に及ぶ場合に当該露光の回数を設定する。より具体的には、輝度範囲測定機能32による測定結果として主要領域の輝度範囲が1回の露光で撮像可能なダイナミックレンジを超えている場合には、少なくとも異なる実効的露光時間で2回以上の露出を行うように撮像素子1での撮像の条件を設定する。
図7は、本発明の他の実施形態としての撮像装置の構成を示すブロック図である。
図7において、図1との対応部には同一の符号を附して示しそれらの詳細な説明は省略する。図中において、1は撮像素子、2はA/D変換回路、3はシステムコントローラ、4はバス、5は信号処理回路、6は画像メモリ、7は画像制御部、8は表示器である。
システムコントローラ3には、図1について説明したと同様に、撮像素子1撮像素子1によって生成される映像信号に係る撮像視野に関して少なくとも主要領域及び非主要領域を含む2つ以上の領域を設定する領域設定手段としての領域設定機能31と、領域設定機能31によって設定された領域毎にその撮像視野の輝度範囲を夫々測定する輝度範囲測定手段としての輝度範囲測定機能32と、輝度範囲測定機能32による測定結果に基づいて撮像素子1についての後述する撮像の条件を設定して撮像素子1の実効的なダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段としてのダイナミックレンジ調整機能33とが備えられている。
図7の実施の形態における図1の例との相違は、図7の装置において特に、車内LAN(例えばCAN:Controller Area Network )40を通して、本装置が装備された車両に係るハンドル(不図示)の舵角を表す情報及び車両の姿勢を表す情報が供給され得るようになされ、領域設定機能31は、これらの情報に依拠して上述の主要領域を可変的に設定するようにされている点である。このように構成することによって、上記の車両に対する操作にも応動するようにして例えば車両の安全運転支援の見地からより的確に上述の主要領域を設定することができる。また、この設定は車両の走行に伴って適応的に可変設定され得る。
図8は、撮像素子が、ステレオ光学系に対応するように構成された実施形態について説明するための図である。ステレオ光学系自体は、前掲した特許文献5等によって公知であるため、厳密な説明は省略するが、図8の例において、被写体(他の車両)300に向けられたステレオ光学系200は、左眼視野を捉える第一の左反射面201及び右眼視野を捉える第一の右反射面202と、第一の左反射面201及び第一の右反射面202による反射光を各々反射して撮像レンズ205を通して撮像素子1へ導くように設けられた第二の左反射面203及び第二の右反射面204とを含んで構成される。このステレオ光学系200は、撮像レンズ205と撮像素子1とを含んで構成されるカメラ206に対して結合して用い得るユニットとしてのステレオアダプターとして構成され得る。
本発明の一実施形態としての撮像装置の構成を示すブロック図である。 図1の装置を適用することによって、被写界(撮像視野)の輝度値の高低が極めて広い範囲に亘る場合であっても、撮像画面内の特定の領域についてはその周辺との相対において良好な階調表現を実現することができる事例を説明するための図である。 本発明の実施形態において、主要領域とそれ以外の非主要領域との二つ以上の領域を設定する様子を説明するための図である。 実施形態の装置において、ニースロープ特性の変更を行うことを説明するための図である。 撮像素子において2回の露光を行う場合の実施形態について説明する図(その1)である。 撮像素子において2回の露光を行う場合の実施形態について説明する図(その2)である。 撮像素子において3回の露光を行う場合の実施形態について説明する図(その1)である。 撮像素子において3回の露光を行う場合の実施形態について説明する図(その2)である。 本発明の他の実施形態としての撮像装置の構成を示すブロック図である。 撮像素子がステレオ光学系に対応するように構成された実施形態について説明する図である。
符号の説明
1 撮像素子
2 A/D変換回路
3 システムコントローラ
4 バス
5 信号処理回路
6 画像メモリ
7 画像制御部
8 表示器
31 領域設定機能(領域設定手段)
32 輝度範囲測定機能(輝度範囲測定手段)
33 ダイナミックレンジ調整機能(ダイナミックレンジ調整手段)
40 車内LAN
100 撮像視野
101 路面
102 トンネルの入り口
103 陽光が射している部分
104a、104b 他の車両
105 障害物
200 ステレオ光学系
201 第一の左反射面
202 第一の右反射面
203 第二の左反射面
204 第二の右反射面
205 撮像レンズ
206 カメラ
300 被写体(他の車両)
1010 主要領域(道路)
1011 非主要領域
1100 境界(一点鎖線)
1101、1102 境界(破線)

Claims (14)

  1. 撮像視野に対応した映像信号を生成するように配された撮像素子と、
    前記撮像素子によって生成される映像信号に係る撮像視野に関して少なくとも主要領域及び非主要領域を含む2つ以上の領域を設定する領域設定手段と、
    前記領域設定手段によって設定された領域毎にその撮像視野の輝度範囲を夫々測定する輝度範囲測定手段と、
    前記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて前記撮像素子による撮像の条件を設定して当該撮像素子の実効的なダイナミックレンジを調整するダイナミックレンジ調整手段と、
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記領域設定手段は、前記撮像視野に関して前記主要領域と前記非主要領域とを両者の重複する領域が生じないように設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記領域設定手段は、前記撮像視野に関して前記主要領域と前記非主要領域とを両者の重複する領域が生じるように設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記領域設定手段は、前記撮像視野に関して前記主要領域と前記非主要領域とを両者の境界に排他的な区分が生じるように設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記領域設定手段は、前記撮像視野に関して前記主要領域と前記非主要領域とを両者の境界に排他的な区分のない領域を生じるように設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像素子は、車外の道路の状況を少なくとも部分的に前記撮像視野に含み得るようにして車両に搭載され、
    前記領域設定手段は、前記道路の状況及び当該道路の近傍の状況を含む領域を前記主要領域として設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、前記撮像素子への入射光量に対する前記映像信号の出力レベルの関係に対応するニースロープ特性の変更を伴って前記ダイナミックレンジを調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、前記撮像素子による撮像の条件として、複数回の露光を行う場合の露光回数、実効的露光時間のうちの何れかを前記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  9. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、複数回の露光を行う場合におけるこれら複数の露光の総体による光電変換特性のダイナミックレンジに対して毎回の露光による光電変換特性が寄与する比率の配分を前記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  10. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、前記撮像素子による前記撮像の条件として、複数回の露光を行うことの要否を前記輝度範囲測定手段による測定結果に基づいて判定して当該露光の回数を設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  11. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、前記輝度範囲測定手段による測定結果として前記主要領域の輝度範囲が1回の露光で撮像可能なダイナミックレンジを超えている場合は少なくとも異なる実効的露光時間で2回以上の露出を行うように前記撮像の条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  12. 前記領域設定手段は、前記車両に係るハンドルの舵角を表す情報及び当該車両の姿勢を表す情報が外部から供給され得るようになされ、これらの情報に依拠して前記主要領域を可変的に設定することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  13. 前記撮像素子は、ステレオ光学系に対応するように構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  14. 前記ダイナミックレンジ調整手段は、前記領域設定手段によって設定された前記主要領域について最適となるように前記撮像素子の光電変換特性を調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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