JP2005538927A - アミドマクロライド - Google Patents

アミドマクロライド Download PDF

Info

Publication number
JP2005538927A
JP2005538927A JP2003561615A JP2003561615A JP2005538927A JP 2005538927 A JP2005538927 A JP 2005538927A JP 2003561615 A JP2003561615 A JP 2003561615A JP 2003561615 A JP2003561615 A JP 2003561615A JP 2005538927 A JP2005538927 A JP 2005538927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
unsubstituted
compound
alkyl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003561615A
Other languages
English (en)
Inventor
ゲイリー アシュレイ
シモン ジェイムズ ショー
ヤンドン リー
ディヴィッド シー マイルズ
Original Assignee
コーザン バイオサイエンシス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コーザン バイオサイエンシス インコーポレイテッド filed Critical コーザン バイオサイエンシス インコーポレイテッド
Publication of JP2005538927A publication Critical patent/JP2005538927A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H17/04Heterocyclic radicals containing only oxygen as ring hetero atoms
    • C07H17/08Hetero rings containing eight or more ring members, e.g. erythromycins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Emergency Medicine (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

下記式を有する化合物のような、その変量は本出願で与えられる値を有する種々のマクロライド化合物が提供される。
【化1】

Description

(発明の背景)
エリスロマイシンは、マクロライド抗生物質、即ち最初は1952年に、今はサッカロポリスポラ・エリスラエ(Saccharopolyspola erythraea)として分類されているストレプトマイセス・エリスレウス(Streptomyces erythreus)株の代謝産物中で発見されたグリコシル化ポリケチドである。この抗生物質は、A、B、C、及びDと呼ばれる種々の形態で存在する。その発見以来、その特性を改良又は修飾するため多くの人々が研究して該分子の誘導体を合成してきた。この研究の多くの焦点は、天然に生産されるエリスロマイシン分子の化学修飾を含んでいる。例えば、クラリスロマイシンは、C-6のヒドロキシル基を化学的にメチル化して作られる半合成抗生物質である。
Figure 2005538927
アジスロマイシンのようなアザライド(azalides)は、C-9ケトンが、ベックマン転位を通じてN-CH2単位で置換されたエリスロマイシン誘導体である。例えば、O'Connelら,“アザライド及びその製造方法”,米国特許第6,270,768号(参照によって本明細書に取り込まれる)を参照せよ。
ケトライド(ketolide)は、C-3クラジノース(cladinose)糖が化学的に除去され、その結果の遊離ヒドロキシル基がケト基に変換されているエリスロマイシン誘導体である。例えば、Phanら,“2-ハロ-6-O-置換ケトライド誘導体”,米国特許第6,124,269号は、C-11及びC-12に環式カルバメート基とC-6にO-アルキルアリール基を有するケトライドについて述べている。Agouridasら,“エリスロマイシン化合物”,米国特許第5,635,485号もC-11及びC-12に環式カルバメート基を有するが、C-6に-OMe基、カルバメート窒素にアルキルアリール基を有するケトライドについて述べている。
マクロライド分子の複雑さが、天然に存在するエリスロマイシンの誘導体とその前駆体を製造するための医化学労力を制限している。最近、モジュールポリケチドシンターゼ(“PKS's”)の発見と単離が、作製しうるマクロライド構造の範囲を拡張してきた。PKS'sは、アシルチオエステル間の繰返し反応を通じてポリケチド鎖の形成を触媒する多機能酵素である。
6-デオキシエリスロノライド(deoxyerythronolide)Bシンターゼ(DEBS)として知られるSac. エリスラエ(erythraea) PKSは、eryAI、eryAII、及びeryAIII遺伝子によってコードされる3つの多機能タンパク質のアセンブリーであり、Katzら,“エリスロマイシン類似体の組換えDNA製造法”, 米国特許第5,824,513号;Katzら,“特異的ポリケチドの生合成を方向づける方法”, 米国特許第6,004,787号;Katzら,“ポリケチド誘導体及びその製造のための組換え方法”, 米国特許第6,060,234号、第6,063,561号、及び第6,200,813号(いずれも参照によって本明細書に取り込まれる)に記述されている。DEBSはポリケチドマクロラクトン6-デオキシエリスロノライドBを生成し、これがSac. エリスラエ(erythraea)内に存在する更なる調整酵素によって処理されてエリスロマイシンA〜Dが生じる。PKS遺伝子と調整酵素用遺伝子の集合アセンブリーは、生合成遺伝子クラスターと呼ばれる。遺伝子クラスターの組織については、Summersら,“ポリケチド関連糖生合成遺伝子”, 米国特許第5,998,194号(参照によって本明細書に取り込まれる)に記述されている。
Sac. エリスラエ(erythraea)由来のPKSを含む種々のPKSをコードするベクターを用いて新規なポリケチドを製造する組換え法は、Khoslaら,“新規ポリケチドの組換え生産”, 米国特許第5,672,491号、第5,830,750号、第5,962,290号、第6,022,731号、及び第6,077,696号;Khoslaら,“新規ポリケチドの生産用組換え組合せ遺伝子ライブラリー”, 米国特許第5,712,146号;Khoslaら,“新規ポリケチドの製造方法”, 米国特許第6,066,721号、第6,221,641号、及び第6,261,816号;Barrら,“細菌及び酵母菌内でのポリケチドの生産”, 米国特許第6,033,883号及び第6,258,566号及びPCT公開WO98/27203;Khoslaら,“ポリケチドシンターゼ基質の生合成”, PCT公開WO01/27305;及びSantiら,“ポリケチドの非相同的生産”, PCT公開WO01/13035(それぞれ参照によって本明細書に取り込まれる)に記述されている。Leadlayら,“エリスロマイシン及びその製造方法”, 米国特許第6,271,255号(参照によって本明細書に取り込まれる)は、ローディングドメインを修飾してからポリケチド合成を開始するスターター単位の性質を変える更なる方法について述べている。無細胞系内でポリケチドを製造する方法は、例えば、Khoslaら,“ジケチドからのポリケチドの合成”, 米国特許第6,080,555号;Khoslaら,“ポリケチドの無細胞合成”, 米国特許第6,274,560号、及びPCT公開番号WO97/02358(それぞれ参照によって本明細書に取り込まれる)に記述されている。C-13に天然に存在するエチル基が他の基で置換されているエリスロマイシン類似体は、例えば、Dirlamら,“新規なマクロライド”, PCT公開WO99/35157;Jin,“新規なエリスロマイシン誘導体”, PCT公開WO99/35157;Ashleyら,“オリゴケチドの合成”, 米国特許第6,492,562号;McMillen & Kaneko,“ケトライド抗生物質”, PCT公開WO00/44761;Grantら,“ケトライド抗菌薬”, PCT公開WO00/62783;及びChu,“抗感染化合物”, 米国特許第6,395,710号、第6,451,768号及びPCT公開WO01/49699;及びXueら,“ポリケチドの大ライブラリー作製への複数プラスミドアプローチ”, PCT公開WO00/63361(それぞれ参照によって本明細書に取り込まれる)に記述されている。
米国特許第6,451,768号及び米国特許第6,395,710号(共に参照によって、目的にかかわらず全体的に本明細書に取り込まれる)にも種々のマクロライドが開示されている。米国特許第6,492,562号(参照によって、目的にかかわらず全体的に本明細書に取り込まれる)は種々のマクロライドの製造方法について述べている。
現在使用されている抗生物質に対する耐性株の発生率増加のため、特に耐性株に対する抗生活性を有する新規化合物が要望されている。本発明は、新規なエリスロマイシン、ケトライド、及びアザライドを提供することによってこの要望を満たす。
(発明の概要)
本発明は、種々の化合物及びその薬学的に許容しうる塩を提供する。一実施形態では、本発明は、下記式Iの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を提供する。





Figure 2005538927
式中、
1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
4は、H又はOHであり;
5は、H、OH、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
6は、OH又はOMeであり;かつ
m=0〜2である。
いくつかの実施形態では、本発明は、R2がHであり、かつmが0である式Iの化合物を提供する。他の実施形態では、本発明は、R2がHであり、かつmが1である式Iの化合物を提供する。更に他の実施形態では、本発明は、R2がHであり、かつmが2である式Iの化合物を提供する。
更に他の実施形態では、本発明は、下記いずれかの構造を有する式Iの化合物を提供する。















Figure 2005538927
別の局面では、本発明は下記式IIの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005538927
式中、
3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
4は、H又はOHであり;
5は、H、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
8は、H又はFであり;かつ
m=0〜2である。
更なる実施形態では、本発明は、下記いずれかの構造を有する式IIの化合物を提供する。
Figure 2005538927
更に別の実施形態では、本発明は、下記式IIIの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005538927
式中、
1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
4は、H又はOHであり;
5は、H、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
8は、H又はFであり;かつ
m=0〜2である。
いくつかの実施形態では、本発明は、mが0である式IIIの化合物を提供する。他の実施形態では、本発明は、mが1である式IIIの化合物を提供する。更に別の実施形態では、本発明は、mが2である式IIIの化合物を提供する。いくつかのこのような実施形態では、本発明は、R2がHであり、かつmが0である式IIIの化合物を提供する。他のこのような実施形態では、本発明は、R2がHであり、かつmが1である式IIIの化合物を提供する。更に他のこのような実施形態では、本発明は、R2がHであり、かつmが2である式IIIの化合物を提供する。
更に他の実施形態では、本発明は、R1がC4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルでであり、かつR2がHである式IIIの化合物を提供する。
更に別の局面では、本発明は、下記式IVの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005538927
式中、
1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
5は、H、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
8は、H又はFであり;
Xは、O又はNR7(式中、R7は、C1-C4アルキル、又はC6-C20アリールアルキルである)であり;かつ
m=0〜2である。
いくつかの実施形態では、本発明は、R2がHである式IVの化合物を提供する。
更に他の実施形態では、本発明は、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり、かつR2がHである式IVの化合物を提供する。
更に他の実施形態では、本発明は、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり、R2がHであり、かつXがNHである式IVの化合物を提供する。
更に他の実施形態では、本発明は、下記いずれかの構造を有する式IVの化合物を提供する。



Figure 2005538927
式中、R9は、H又はFである。
更に他の実施形態では、本発明は、R1が下記いずれかの式を有する基である式I、III、又はIVの化合物を提供する。
Figure 2005538927
一実施形態において、本発明は、下記式Vの化合物及びその薬学的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005538927
式中、
1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
4は、H又はOHであり;
6は、OH又はOMeであり;
9は、H又はC1-C4アルキルであり;かつ
m=0〜2である。
更に他の実施形態では、本発明は、医薬製剤及び薬物を提供する。このよううな医薬製剤及び薬物は、本発明のいずれかの化合物と薬学的に許容しうるキャリヤーとを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤又は薬物は、式I〜Vのいずれかの化合物と薬学的に許容しうるキャリヤーとを含む。
別の実施形態では、本発明は、式I〜Vの化合物によって、細菌感染を治療する方法を提供する。細菌感染を治療する方法は、式I〜Vの化合物を治療が必要な患者に投与することを含む。一実施形態では、細菌感染は、グラム陽性菌、グラム陰性菌又は嫌気性菌に起因する。別の実施形態では、細菌は、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ニュモニエ、ストレプトコッカス・ピロゲネス、腸球菌、モラクセラ・カタラーリス又はヘモフィルス・インフルエンゼである。更に別の実施形態では、細菌感染は、院外感染性肺炎、急性悪化慢性気管支炎、急性副鼻腔炎、扁桃腺炎/咽頭炎、上気道感染、下気道感染、皮膚感染、軟組織感染、髄膜炎、院内感染、骨感染又は関節感染である。
別の実施形態では、本発明は、胃運動機能疾患の治療方法を提供する。この方法は、胃運動機能疾患を有する患者を式Iの化合物で治療することを含む。一実施形態では、胃運動機能疾患は、胃食道逆流病(GERD)、術後腸閉塞、糖尿病、又は胃不全麻痺である。
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。しかし、この詳細な説明から本技術の当業者には本発明の精神及び範囲内の種々な変更及び変形が明らかになるので、詳細な説明及び特定の実施例は、本発明のいくつかの好ましい実施形態を示すが、例示目的のためだけに与えたものと理解すべきである。
(発明の詳細な説明)
本発明は、エリスロマイシン誘導体、その中間体、及び病気の治療におけるそれらの使用に関する。本発明化合物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、及び嫌気性菌に対して抗菌活性を有しており、ヒト及び動物の細菌感染の治療用の広域抗菌剤として有用である。これら化合物は、限定するものではないが、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ニュモニエ、ストレプトコッカス・ピロゲネス、腸球菌、モラクセラ・カタラーリス又はヘモフィルス・インフルエンゼを含む多様な菌株に有効である。治療しうる典型的な感染は、院外感染性肺炎、急性悪化慢性気管支炎、急性副鼻腔炎、扁桃腺炎/咽頭炎、上気道及び下気道感染、皮膚及び軟組織感染、髄膜炎、院内感染、骨及び関節感染が挙げられる。特定の本発明化合物は、ポリケチド活性をも有し、限定するものではないが、胃食道逆流病(GERD)、術後腸閉塞、糖尿病、及び胃不全麻痺を含む胃運動機能疾患の治療に有用である。
本化合物では、多形としていくつかの結晶状態が存在しうるが、それ自体が本発明に包含されることを意図している。更に、本化合物のいくつかは、水(即ち水和物)又は通常の有機溶媒と溶媒和化合物を形成することがあり、このような溶媒和化合物もこの発明の範囲内に包含される。
医学用途では、この発明の化合物の塩は無毒な“薬学的に許容しうる塩”を意味する。しかし、他の塩がこの発明の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の調製に有用でありうる。本化合物に好適な薬学的に許容しうる塩としては、例えば、本化合物の溶液を、塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、グルコヘプトン酸(glucoheptonic acid)、ラクトビオニン酸(lactobionic acid)、及びドデシルスルホン酸のような薬学的に許容しうる酸の溶液と混合することで生成されうる酸付加塩が挙げられる。
本発明は、その範囲内にこの発明の化合物のプロドラッグを包含する。一般に、このようなプロドラッグは、生体内で所要化合物に容易に転換可能な、本化合物の機能性誘導体である。本発明化合物のプロドラッグの例としては、限定するものではないが、アセテート、プロピオネート、ヘミスクシネート、ステアレート等のような2'-O-エステルが挙げられる。従って、本発明の治療法において、用語“投与する”は、具体的に開示される化合物により、或いは具体的に開示されていないが、患者に投与後生体内で指定化合物に転換する化合物による、前記種々の障害の治療を包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製の慣習的な手順は、例えば“プロドラッグの設計”,ed. H.Bundgaard, Elsevier,1985に記載されている。
この発明を説明するために用いる種々の用語の定義を以下に列記する。これら定義は、特有の例で限定されない限り、個々に或いはより大きい群の一部として、この明細書全体を通じて用いる場合に適用する。
特定の基が“置換されている”とき、当該基は、置換基リストから独立的に選択される1個以上の置換基、好ましくは1〜5個の置換基、更に好ましくは1〜3個の置換基、最も好ましくは1〜2個の置換基を持ちうる。本技術の当業者がこの発明の化合物について置換基と置換パターンを選択して、化学的に安定で、かつ本明細書で述べる方法のみならず技術的に公知の方法で容易に合成可能な化合物を提供できることは分かっている。適切な置換基の例としては、本明細書で別に特定した置換基に加え、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオ、アルキルチオ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシルアルキル、カルバモイル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシ等が挙げられる。置換基は、更に、例えばハロ、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アリール、置換アリール、置換アルキル、置換アラルキル等で置換されうる。
この開示全体で用いる標準的な命名法では、指定した側鎖の端部がまず記され、結合点に向かって隣接する官能性が記される。従って、例えば、“アリールアルキルカルボキサミド”置換基は、下記式の基を意味する。
Figure 2005538927
本明細書で使用する場合、用語“治療的に有効量”は、研究者、獣医師、医学博士又は他の臨床医が探究する組織系、動物又はヒト内で、治療する病気又は障害の症状の軽減を含め、生物学又は医学的応答を誘発する、活性化合物又は医薬の量を意味する。
用語“アルキル”は、任意に置換されていてもよい直鎖若しくは分岐鎖炭化水素を意味する。“アルケニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖若しくは分岐鎖炭化水素を意味する。“アルキニル”は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖若しくは分岐鎖炭化水素を意味する。
用語“ハロゲン”、“ハロ”、又は“ハライド”は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
用語“シクロアルキル”は、不飽和C3-C7炭素環式環と更に縮合されていてもよい好ましくは1〜3個の環を含み、かつ環当たり3〜7個の炭素を含有する任意に置換されていてもよい飽和環式炭化水素環系を意味する。典型的な基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、及びアダマンチルが挙げられる。典型的な置換基は、1個以上のアルキル基、又はアルキル置換基として上述した1個以上の基を含む。
用語“アリール”は、環部分に1〜20個の炭素原子を有する芳香族単環式、縮合二環式、又は縮合多環式炭化水素若しくはヘテロ環式基を意味し、例えば、フェニル、ナフチル、ピロリル、インドリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアダゾリル、イソチアゾリル、フリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、N-オキソ-ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラジニル、トリアジニル、トリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、キノリニル-N-オキシド、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾピラゾリル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタラジニル、プリニル、キナゾリニル等が挙げられる。アリール基は置換されていてもよい。
“ビアリール”は、2つの結合した上記定義どおりの非縮合アリール基を意味する。典型的なビアリール基としては、ビフェニル、フリルフェニル、フェニルフリル、チエニルフェニル、フェニルチエニル、ピリジルフェニル、フェニルピリジル、フリルピリジル、ピリジルフリル、ピロリルピリジル、ピリジルチエニル、イソキサゾリルチエニル、イソキサゾリルフェニル等が挙げられる。
上記定義した基は1個以上の置換基で置換されていてもよい。置換基の実例としては、限定するものではないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、スルホンアミド、カルボニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アミドカルボニル、オキソアルキル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、グアニジン、アミジノ、スルホニル等が挙げられる。
(本発明の化合物及びその調製)
本発明の一局面では、下記式(I)の化合物が提供される。
Figure 2005538927
式中、R1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;R2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;R3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;R4は、H又はOHであり;R5は、H、OH、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;R6は、OH又はOMeであり;かつm=0〜2である。
本発明の一実施形態では、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキニルである式(I)の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、R2=H、R3=H、R4=H又はOH、R5=OH又はアルコキシ、R6=OMe、かつm=0である式(I)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H、R3=H、R4=H又はOH、R5=OH又はアルコキシ、R6=OMe、かつm=1である式(I)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H、R3=H、R4=H又はOH、R5=OH又はアルコキシ、R6=OMe、かつm=2である式(I)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R1がC4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキルであり、かるR2がHである式(I)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、下記構造を有する式(I)の化合物が提供される。
Figure 2005538927
本発明の別の局面では、式(I)の化合物の製造方法が提供される。本発明の一実施形態では、R2=Hである式(I)の化合物の特定実施形態が、下記スキーム1に示されるようにアジドエリスロマイシンから調製される。
スキーム1
Figure 2005538927
酢酸エチル、ジクロロメタン、又はアセトアミドのような不活性溶媒中、周囲温度で、アシル化試薬、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸などとアジドエリスロマイシンを処理して2'-O-アシルアジドエリスロマイシンを生成する。これは、実施例5で後述する。テトラヒドロフラン(THF)又はTHFとジクロロメタンの混合物のような溶媒中、トリメチルホスフィン又はトリフェニルホスフィンのようなホスフィンを用いてアジドを還元し、その中間体ホスフィンイミンをカルボン酸、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-2-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDCI)又はジシクロヘキシル-カルボジイミドのようなカルボジイミド、及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、又は1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HABt)のようなカップリング補佐剤と反応させ、2'-O-アシル-アミドエリスロマイシンを生成する。この変換の一般手順は、実施例6で後述する。メタノール中、任意に添加したトリエチルアミンの存在下で加熱することによって、2'-O-アシル基を切断する。以下の実施例7〜45は、この方法による式(I)の化合物の調製の詳細を提供する。
本発明の別の実施形態では、アジドエリスロマイシンをトリメチルホスフィンと処理し、生成したホスフィンイミンをカルボン酸、及びO-ベンゾトリアゾル-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)のようなカップリング剤、又は一分子中にカップリング剤と補佐剤を組み込んだ同様のカップリング剤と反応させる。
本発明化合物の調製で用いるカルボン酸としては、アルカン酸、アルケン酸、アルキン酸、N-保護アミノ酸及び/又はペプチド、例えばN-BOC、N-Cbz、N-FMOCアミノ酸及び/又はペプチド、安息香酸、ヘテロ環式カルボン酸、ビアリールカルボン酸、アリール酢酸、ビアリール酢酸などが挙げられ、それぞれ種々の基で置換されていてもよい。
本発明の一実施形態では、本発明化合物の調製で用いるカルボン酸はビアリール酢酸である。このビアリール酢酸を調製する一手段は、下記スキーム2に示されるようなSuzukiカップリングによる。
スキーム2
Figure 2005538927
パラジウム触媒と塩基の存在下、ハロアリール酢酸エステルをアリールホウ素酸と結合させてビアリール酢酸エステルを生成する。このエステルを引き続きけん化してビアリール酢酸を生成する。以下の実施例47は、3-(2-フリル)フェニル酢酸の合成に適用した場合のこの方法の詳細な手順を提供する。好適なパラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、炭素上のパラジウムとトリフェニルホスフィン、及びパラジウム(0)の同様のソースが挙げられる。このビアリール酢酸を調製する代替手段は、アリールホウ素酸とハロアリールアセトニトリルのSuzukiカップリングによって調製した対応ニトリルの加水分解による。水酸化ナトリウムと過酸化水素の混合物を用いてニトリルを酸に加水分解する。
本発明の別の実施形態では、R2=アルキル、アルケニル、又はアルキニルである式(I)の化合物の特定実施形態が下記スキーム3に示されるようにアジドエリスロマイシンから調製される。












スキーム3
Figure 2005538927
2'-O-アシルアジドエリスロマイシンをトリメチルホスフィンと反応させてホスフィンイミンを生成してからアルキルハライド又はアルキルスルホネート、R2Xとの反応でアルキル化する。好適なアルキル化剤としては、限定するものではないが、ヨウ化メチル、臭化メチル、メチルトリフラート、エチルトシラート、エチルトリフラート、ヨウ化エチル、臭化アリル、及び臭化プロパルギルが挙げられる。結果のホスホニウム塩を加水分解し、生成物アミンをカルボン酸R1COOHとEDCI及びHOBt、HATUなどのようなカップリング試薬でアシル化して、R2=アルキル、アルケニル、又はアルキニル、かつR3=アルカノイル又はベンゾイルである式(I)の化合物を与える。メタノリシスによる2'-O-アシル基の除去が、R2=アルキル、アルケニル、又はアルキニル、かつR3=Hである式(I)の化合物を与える。
本発明の一局面では、アジドエリスロマイシンの調製方法が提供される。本発明の一実施形態では、本方法は、(1)ラセミ塩素化ジケチドチオエステルを化学的に合成する工程;(2)このラセミ塩素化ジケチドチオエステルの存在下で第1生体の培養を成長させて塩素化エリスロノライドを生じさせる工程;(3)この塩素化エリスロノライドを部分的に精製する工程;(4)この塩素化エリスロノライドを化学的にアジドエリスロノライドに変換する工程;及び(5)このアジドエリスロノライドの存在下で第2生体の培養を成長させてアジドエリスロマイシンを生じさせる工程;及び(6)このアジドエリスロマイシンを精製する工程を含む。
本発明の一実施形態では、15-アジドエリスロマイシンの調製方法が提供される。この方法は、(1)ラセミ(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルを化学的に合成する工程;(2)このラセミ(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルの存在下で第1生体の培養を成長させて15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを生じさせる工程;(3)このようにして生成した15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを部分的に精製する工程;(4)この15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを化学的に15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBに変換する工程;(5)この15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBの存在下で第2生体の培養を成長させて15-アジドエリスロマイシンを生じさせる工程;及び(6)この15-アジドエリスロマイシンを精製する工程を含む。
本発明の別の実施形態では、14-アジド-14-デスメチルエリスロマイシンの調製方法が提供される。この方法は、(1)ラセミ(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルを化学的に合成する工程;(2)このラセミ(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルの存在下で第1生体の培養を成長させて15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを生じさせる工程;(3)このようにして生成した14-クロロ-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBを部分的に精製する工程;(4)この14-クロロ-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBを化学的に14-アジド-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBに変換する工程;(5)この14-アジド-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBの存在下で第2生体の培養を成長させて14-アジド-14-デスメチルエリスロマイシンAを生じさせる工程;及び(6)この14-アジド-14-デスメチルエリスロマイシンAを精製する工程を含む。
本発明の別の実施形態では、15-(アジドメチル)-エリスロマイシンの調製方法が提供される。この方法は、(1)ラセミ(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルヘキサノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルを化学的に合成する工程;(2)このラセミ(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルヘキサノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルの存在下で第1生体の培養を成長させて15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドBを生じさせる工程;(3)このようにして生成した15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドBを部分的に精製する工程;(4)この15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドBを化学的に15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドBに変換する工程;(5)この15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドBの存在下で第2生体の培養を成長させて15-(アジドメチル)-エリスロマイシンを生じさせる工程;及び(6)この15-(アジドメチル)-エリスロマイシンを精製する工程を含む。
ラセミチオエステルの合成は、参照によって本明細書に取り込まれるAshleyら、“オリゴケチドの合成”、米国特許第6,492,562号明細書に記載されている。簡単には、3-プロピオニル-2-ベンゾオキサゾロンのトリクロロチタニウムエノラートをアルデヒドと反応させてアルドール付加物を生じさせる。このアルドール付加物をN-プロピオニルシステアミンのナトリウム塩との反応によってチオエステルに変換する。このプロセスは、下記実施例1で詳細に示される。用いるアルデヒドが3-クロロプロパナールの場合、このようにして生成されるチオエステルは、(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエート N-プロピオニルシステアミンチオエステルである。用いるアルデヒドがクロロアセトアルデヒドの場合、このようにして生成されるチオエステルは、(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノエート N-プロピオニルシステアミンチオエステルである。用いるアルデヒドが4-クロロブチルアルデヒドの場合、このようにして生成されるチオエステルは、(2S*,3R*)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルヘキサノエート N-プロピオニルシステアミンチオエステルである。
13-置換6-デオキシエリスロノライドB化合物の調製は、Khoslaら、米国特許第6,080,555号、第6,274,560号、第6,066,721号、及び第6,261,816号;及びAshleyら、米国特許第6,492,562号明細書に記載されており、それぞれ参照によって本明細書に取り込まれる。一実施形態では、15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBは、ラセミ(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノイル N-プロピオニルシステアミンチオエステルを、6-デオキシエリスロノライドBシンターゼ(“DEBS”)のモジュール1のケトシンターゼドメイン内における突然変異のため、その天然の基質であるプロピオニルCoAに作用できないDEBSに供給する方法によって調製される。この組換えDEBSは、正常にエリスロマイシン、サッカロポリスポラ・エリスラエ(Saccharopolyspola erythraea)を産生する天然の宿主内で発現でき、或いは完全PKS遺伝子クラスターは、ストレマイセス・コエリコロール(S. coelicolor)(Jacobsenら, Science 277:367-369(1997)、参照によって本明細書に取り込まれる)又は修飾されてその内因性アクチノルホジン(actinorhodin)ポリケチド合成メカニズムを欠失しているS. lividansのような適切な宿主内にプラスミドによって挿入することができる。好ましい実施形態では、宿主は、不活性化されたモジュール1ケトシンターゼを有する突然変異体6-DEBシンターゼを発現するS. coelicolor CH999/pJRJ2である。
Khoslaら,“ジケチドからのポリケチドの合成”, 米国特許第6,080,555号;Khoslaら,“ポリケチドの無細胞合成”, 米国特許第6,274,560号;及びPCT公開番号WO97/02358(それぞれ参照によって本明細書に取り込まれる)に記載されているような無細胞系も、関連するPKSタンパク質を組換え的に生成してその分泌を達成し、或いはそれらを含む細胞を溶解させることによって利用することができる。典型的な無細胞系は、適切なPKS、NADPH及びポリケチドの触媒的合成に必要な適切な緩衝液と基質を含むだろう。
本発明の別の実施形態では、サッカロポリスポラエリスラエ(Saccharopolyspola erythraea)の6-dEBシンターゼ以外のPKS酵素に適切なチオエステルジケチド基質を供給する。他のPKS酵素としては、McDaniel & Volchegursky,“組換えメガロマイシン(megalomicin)生合成遺伝子”, PCT公開WO01/27284に記載されているミクロモノスポラメガロマイセ(Micromonospora megalomicea)の6-dEBシンターゼとそのKS1°誘導体;Betlachら,“組換えオレアンドライド(oleandolide)ポリケチド合成”, 米国特許第6,251,636号に記載されているオレアンドライドPKSとそのKS1°誘導体;及びMcDanielら,“ナルボノライド(narbonolide)PKSの非相同発現”, 米国特許第6,503,741号及びBetlachら,“ストレプトマイセス-ナルボノライド由来のナルボノライドポリケチドシンターゼをコードする核酸”,米国特許第6,303,767号に記載されているナルボノライドPKSとそのKS1°誘導体が挙げられる(各文献は参照によって本明細書に取り込まれる)。
本発明の別の実施形態では、エリスロマイシンをもたらす1つ以上のポスト-PKS加水分解後及び/又はグリコシル化ステップを果たしうる宿主細胞内で、適切なチオエステルジケチド基質を上記いずれかのPKS酵素に供給する。こうして、DEBSと6-ヒドロキシラーゼ、例えばSac. erythraea由来のeryFヒドロキシラーゼの両者を含む株に塩素化チオエステルジケチドを供給することによって、塩素化エリスロノライドBが調製される。14-クロロ-14-デスメチルエリスロノライドBの生産については、下記実施例72で述べる。
15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBの調製は下記実施例2で詳述する。実施例71及び73で後述するように、上述した適切なジケチドチオエステルで出発することを除き同じ方法で14-クロロ-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドB及び15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドBが調製される。
本発明の一実施形態では、このようにして生成された塩素化エリスロノライドをDMSO中ナトリウムアジド及びヨウ化ナトリウムと反応させ、アジドによる塩化物の置換によってアジドエリスロノライドを生成する。これは下記実施例で詳述する。こうして、15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBから15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBが調製され(実施例3)、14-クロロ-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBから14-アジド-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBが調製され(実施例74)、15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドBから15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドBが調製され(実施例75)、15-クロロ-エリスロノライドBから15-アジド-エリスロノライドBが調製され、14-クロロ-14-デスメチル-エリスロノライドBから14-アジド-14-デスメチル-エリスロノライドBが調製され、かつ15-(クロロメチル)-エリスロノライドBから15-(アジドメチル)-エリスロノライドBが調製される。
本発明の別の実施形態では、上記方法の1つによって調製したアジドエリスロノライドを、C-3及びC-5位でグリコシル化でき、かつ株及び利用する発酵条件によっては、任意にC-6位でヒドロキシル化、C-12位でヒドロキシル化及び/又は3-O-ミカロシル(mycarosyl)基をメチル化できる生変換生体の培養に添加する。好ましい実施形態では、生変換生体は、天然のDEBS遺伝子のモジュール1ケトシンターゼが、Santiら,“ポリケチドの生合成用宿主”, PCT公開WO01/83803(参照によって本明細書に取り込まれる)に記載されているように不活性化されている株、サッカロポリスポラエリスラエ(Saccharopolyspola erythraea) K39-14Vである。K39-14Vは、エリスロノライドをエリスロマイシンA誘導体に変換するのに必要な、即ちC-6位でのヒドロキシル化、3-OHへのミカロース(mycalose)の付加、5-OHへのデスオサミンの付加、C-12位でのヒドロキシル化、及びミカロースのメチル化酵素活性を含む。本発明の一実施形態では、K39-14Vは、15-アジドエリスロノライドAが優先的な産物である発酵条件下15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBと共に供給される。これは実施例4で後述する。本発明の別の実施形態では、K39-14Vは、15-アジドエリスロマイシンBが優先的な産物である発酵条件下、例えば酸素を制限した条件下15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBと共に供給される。本発明の別の実施形態では、K39-14Vは、14-アジド-14-デスメチルエリスロマイシンAが産生される発酵条件下14-アジド-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBと共に供給される。本発明の別の実施形態では、K39-14Vは、14-アジド-14-デスメチルエリスロマイシンBが産生される発酵条件下14-アジド-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドBと共に供給される(実施例76)。本発明の別の実施形態では、K39-14Vは、15-(アジドメチル)-エリスロマイシンAが産生される発酵条件下15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドBと共に供給される。本発明の別の実施形態では、K39-14Vは、15-(アジドメチル)-エリスロマイシンBが産生される発酵条件下15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドBと共に供給される(実施例77)。本発明の別の実施形態では、eryK遺伝子によってコードされる活性な12-ヒドロキシラーゼ又は相同体を欠いている生変換株を用いてアジド-6-デオキシエリスロマイシンをアジドエリスロマイシンBに変換する。本発明の別の実施形態では、アジドエリスロマイシンB化合物が、12-ヒドロキシラーゼをコードするeryK遺伝子が不活性化され或いは欠失しているK39-14Vの突然変異体を用いて生成される。
その結果のアジドエリスロマイシンは、下記実施例4で15-アジドエリスロマイシンAについて述べるように単離される。遠心分離によって発酵から細胞を除去し、ブロスを抽出してアジドエリスロマイシンを取り除く。本発明の一実施形態では、抽出は、XAD若しくはHP20のような固体樹脂上への吸収によって行う。引き続き、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、又は酢酸エチルのような有機溶媒で樹脂からアジドエリスロマイシンを溶離する。本発明の別の実施形態では、抽出は、酢酸エチル、ジクロロメタン、又はクロロホルムのようなアジドエリスロマイシンは可溶性の不混和溶媒とブロスをミキシングすることによって行う。抽出物の濃縮後、残留物をクロマトグラフィーに供して精製アジドエリスロマイシンを得る。
本発明の別の実施形態では、R5=アルコキシである式(I)の化合物が提供される。一実施形態では、これら化合物は、下記スキーム4に示され、かつ実施例80で例示されているようにアジドエリスロマイシンから調製される。まず、典型的には酢酸のような酸触媒の存在下、かつ溶媒として水とイソプロパノールの混合物中でアジドエリスロマイシンをヒドロキシルアミンと処理して9-オキシムを生成する。この手順は、下記実施例48で15-アジドエリスロマイシンAについて詳細に説明する。9-オキシムは、例えば、P-トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS)のような酸触媒の存在下、1,1-ジイソプロポキシシクロヘキサン(DIPCH)のようなアセタールを用いて保護する。この手順は、下記実施例49で15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムについて詳細に説明する。トリアルキルシリルエステルのような他の保護基を用いても9-オキシムを保護することができる。次に、例えば実施例50で後述するように、トリメチルシリルイミダゾールとクロロトリメチルシランの混合物との処理によってトリメチルシリルエーテルとして2'-及び4''-OH基を保護する。


スキーム4
Figure 2005538927
本発明の一実施形態では、カリウムt-ブトキシド又は同様の塩基の存在下、臭化メチルを用いて6-OHをメチル化してR5=OMeである式(I)の化合物の実施態様を与える。このプロセスは実施例51で後述する。本発明の別の実施形態では、カリウムt-ブトキシド又は同様の塩基の存在下、臭化アリルを用いて6-OHをアリル化してR5=O-アリルである式(I)の化合物の実施態様を与える。本発明の別の実施形態では、パラジウム触媒、例えば酢酸パラジウムとトリフェニルホスフィンの存在下、アリルt-ブチルカーボネートを用いて6-OHをアリ化してR5=O-アリルである式(I)の化合物の実施態様を与える。
9-オキシムと2'-及び4''-OH基は、アセトニトリル中酢酸エチルとの処理によって脱保護する。例えばヒドロ亜硫酸ナトリウムとギ酸を用いて9-オキシムを切断してR5=アルコキシである式(I)の化合物の実施態様を与えることができる。これら工程は実施例52及び53で後述する。
本発明の別の実施形態では、下記式(II)の化合物が提供される。


Figure 2005538927
式中、R3、R4、及びmは上記定義どおりであり;R5はH、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ又はC2-C4アルキニルオキシであり;かつR8はH又はFである。
本発明の一実施形態では、m=0である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=1である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=2である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R4=OH、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=0である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R4=OH、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=1である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R4=OH、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=2である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R4=H、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=0である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R4=H、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=1である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R4=H、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=2である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイル、R4=OH、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=0である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイル、R4=OH、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=1である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイル、R4=OH、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=2である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイル、R4=H、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=0である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイル、R4=H、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=1である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイル、R4=H、R5=C1-C4アルコキシ、かつm=2である式(II)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、下記式を有する式(II)の化合物が提供される。







Figure 2005538927
本発明の別の実施形態では、式(II)の化合物の製造方法が提供される。本発明の一実施形態では、式(II)の特定の実施態様が、下記スキーム5に示されるようにR5=アルコキシである式(I)の化合物から調製される。
スキーム5
Figure 2005538927
例えば下記実施例54で例示するようなアセトンと水の混合物中のPPTS、又は水性HClを用いて水の存在下緩酸との処理によって式(I)の化合物からクラジノース(cladinose)を除去する。追加塩基の非存在下、無水安息香酸との処理で2'-OHの保護後(実施例55)、3-OHをケトンに酸化する(実施例56)。好適な酸化方法としては、限定するものではないが、コーリー-キム(Corey-Kim)(N-クロロスクシンイミド、ジメチルスルフィド、トリエチルアミン)、スウェルン(Swern)(塩化オキサリル、DMSO、トリエチルアミン)、モファット(Moffat)(ジシクロヘキシルカルボジイミド、DMSO)、及び改変フィッツァ-モファット(Pfizer-Moffat)(1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド、トリフルオロ酢酸ピリジニウム、DMSO)条件が挙げられる。
本発明の別の実施形態では、下記スキーム6に示されるようにR8=Hである式(II)の化合物からR8=Fである式(II)の化合物が調製される。R8=Hである式(II)の化合物を塩基、例えばカリウムt-ブトキシド、及びN-フルオロベンゼンスルホンイミド(NFBS)と処理してR8=Fである式(II)の化合物を得る。フッ素化の代表的な方法は実施例60で与えられる。
スキーム6
Figure 2005538927
本発明の別の実施形態では、トリエチルアミン含有メタノール中で加熱することによって、R3=ベンゾイルである式(II)の化合物から2'-O-ベンゾイル保護基を除去してR3=Hである式(II)の化合物を与える。
本発明別の局面では、下記式(III)の化合物が提供される。
Figure 2005538927
式中、R1、R2、R3、R4、R8、及びmは上記定義どおりであり、かつR5はH、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシである。
本発明の一実施形態では、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキニルである式(III)の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、R2がHであり、かつR5がアルコキシである式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R1がC4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、又はC5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキルであり;R2がHであり;かつR5がアルコキシである式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=0である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=1である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=2である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2がHであり;R3がアセチル又はベンゾイルであり;R4がH又はOHであり;R5がアルコキシであり;かつm=0である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2がHであり;R3がアセチル又はベンゾイルであり;R4がH又はOHであり;R5がアルコキシであり;かつm=1である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2がHであり;R3がアセチル又はベンゾイルであり;R4がH又はOHであり;R5がアルコキシであり;かつm=2である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2がHであり;R3がHであり;R4がH又はOHであり;R5がアルコキシであり;かつm=0である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2がHであり;R3がHであり;R4がH又はOHであり;R5がアルコキシであり;かつm=1である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2がHであり;R3がHであり;R4がH又はOHであり;R5がアルコキシであり;かつm=2である式(III)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、下記構造を有する式(III)の化合物が提供される。
Figure 2005538927
本発明の別の局面では、式(III)の化合物の製造方法が提供される。本発明の一実施形態では、下記スキーム7に示されるように、R3=ベンゾイルである式(II)の化合物から式(III)の化合物が調製される。
スキーム7
Figure 2005538927
上述し、かつ実施例65で後述するように、式(II)の化合物をトリエチルアミンと処理し、結果のホスフィンイミンをカルボン酸、カルボジイミドのようなカップリング剤、及びHOBt、HABt、又はHOSuのようなカップリング補佐剤と反応させる。
本発明の別の実施形態では、式(II)の化合物をトリメチルホスフィンと処理し、結果のホスフィンイミンをカルボン酸及びO-ベンゾトリアゾル-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)のようなカップリング剤、又はカップリング剤と補佐剤を一分子中に組み込んでいる同様のカップリング剤と反応させる。
本発明の別の実施形態では、任意にトリエチルアミンを含有しうるメタノール中で加熱することによって、R3=ベンゾイルである式(III)の化合物から2'-O-ベンゾイル保護基を除去してR3=Hである式(III)の化合物を与える。これは実施例66で後述する。
本発明の別の実施形態では、下記スキーム8に示されるように、式(II)の化合物から、R2=アルキル、アルケニル、又はアルキニルである式(III)の化合物の特定実施態様が調製される。
スキーム8
Figure 2005538927
その結果のホスホニウム塩を加水分解し、生成物アミンをカルボン酸、R1COOH及び、EDCI、HOBt、HATUなどのようなカップリング剤でアシル化してR2=アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、かつR3=アルカノイル又はベンゾイルである式(III)の化合物を与える。メタノリシスによる2'-O-アシル基の除去がR2=アルキル、アルケニル、又はアルキニルであり、かつR3=Hである式(III)の化合物を与える。
本発明の別の実施形態では、下記式(IV)の化合物が提供される。
Figure 2005538927
式中、R1、R2、R3、R8、及びmは上記定義どおりであり、かつR5はH、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり、かつXはO又はNR7(式中、R7はH、C1-C4アルキル、又はC6-C20アリールアルキルである)である。
本発明の一実施形態では、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキニルである式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=0である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=1である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=2である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=Hである式(IV)の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、R2=H;R3=H;R5=OMe;X=O;かつm=0である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H;R3=H;R5=OMe;X=O;かつm=1である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H;R3=H;R5=OMe;X=O;かつm=2である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H;R3=H;R5=OMe;X=NH;かつm=0である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H;R3=H;R5=OMe;X=NH;かつm=1である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R2=H;R3=H;R5=OMe;X=NH;かつm=2である式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C6-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;かつR2がHである式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C6-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;R2がHであり;かつXがNHである式(IV)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、下記構造を有する式(IV)の化合物が提供される。




















Figure 2005538927
本発明の別の実施形態では、下記構造を有する式(IV)の化合物が提供される。
Figure 2005538927
また、本発明の別の実施形態では、下記構造を有する式(IV)の化合物が提供される。

Figure 2005538927
本発明の別の局面では、式(IV)の化合物の製造方法が提供される。本発明の一実施形態では、下記スキーム9に示されるように、まずR4=OHかつR3=アセチルである式(II)の化合物を、1,1-カルボニルジイミダゾール及び4-(ジメチルアミノ)ピリジンと処理して11,12-環式カーボネートを与える。
スキーム9
Figure 2005538927
その結果のカーボネートをトリメチルホスフィン、カルボン酸、カップリング剤、及び上述したようなカップリング補佐剤と処理してR3=アセチルかつX=Oである式(IV)の化合物を得る。別の実施形態では、R3=アセチルかつX=Oである式(IV)の化合物を50℃でメタノールと処理してR3=HかつX=Oである式(IV)の化合物が調製される。
別の実施形態では、下記スキーム10に示されるように、まずR4=OHかつR3=ベンゾイルである式(II)の化合物をピリジン中無水メタンスルホン酸と処理して11-O-メシラートを生成する。メシル化の代表的な手順は実施例57で与える。実施例58で詳述するように、11-O-メシラートを1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)と処理して10,11-無水化合物を生成する。1,1-カルボニルジイミダゾール及び水素化ナトリウムのような強塩基との処理で12-O-イミダゾールを生成し、これをアミン、R7-NH2と反応させて11-アミノ-11-デオキシ-11,12-環式カルバメート、R3=ベンゾイルかつX=NR7である式(IV)の化合物を生成する。X=NHのときのカルバメート生成の代表的な手順は実施例59で与える。R7=アルキルの場合、通常、(10R)ジアステレオマーを生じさせるため、高温、例えば50℃で反応を行う必要がある。




スキーム10
Figure 2005538927
本発明の別の実施形態では、R3=アセチル又はベンゾイルかつR8=Hである式(IV)の化合物からカリウムtert-ブトキシド及びNFBSとの処理でR3=アセチル又はベンゾイルかつR8=Fである式(IV)の化合物が調製される。フッ素化の代表的な手順は実施例60で与える。
本発明の別の実施形態では、図3に示される方法によって、X=NR7である式(IV)の化合物が調製される。例えば上記スキーム4に示される方法に従って調製したR4がOHかつR5がアルコキシ、アルケニルオキシ、又はアルキニルオキシであるアジドエリスロマイシンを2',4''-ジアセテート又は2',4''-ジベンゾエートとして保護する。テトラヒドロフランのような不活性溶媒中、10℃〜30℃の温度での1,1-カルボニルジイミダゾール及び強塩基、例えばナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)との処理後、アミン、例えばアンモニアと処理し、次いでカリウムt-ブトキシドと処理して11,12-環式カルバメートを与える。例えば、水性酸と処理してクラジノースを除去し、その結果の3-OHを水素化分解に供し、アジドをアミンに還元する。水素化分解は、メタノールのような溶媒中、パラジウム又は木炭のような不活性物質上に担持されたパラジウムのような金属触媒と、HCl、酢酸のような酸、又は同様の酸の存在下、水素バルーンで供給されるような水素ガスの適度な圧力下で行う。酸は、例えばクロロトリメチルシランのメタノールへの添加によってインサイツ生成してもよい。上述したように、結果のアンモニウム塩をカルボン酸R1COOHと縮合させる。アミド形成後、3-OHを例えばデス-マーチン(Dess-Martin)ペリオジナン(periodinane)、スウェーン(Swern)酸化、コーリー-キム酸化などによって3-オキソ基に酸化する。最後に、2'-保護基をメタノリシスで除去する。この手順は実施例81で詳述する。
本発明の別の実施形態では、R3=ベンゾイルである式(IV)の化合物を50℃でメタノール及びトリエチルアミンと処理してR3=HかつX=NR7である式(IV)の化合物を得る。脱ベンゾイルの代表的な手順は実施例62で与える。
本発明の別の局面では、下記式(V)に化合物が提供される。
Figure 2005538927
式中、R1、R2、R4、R6及びmは上記定義どおりであり、かつR9はH又はC1-C4アルキルである。
本発明の一実施形態では、R1がC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C6-C15置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC6-C15置換若しくは無置換アリールアルキニルである式(V)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=0である式(V)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=1である式(V)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、m=2である式(V)の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、R2=H;R4=OH;R6=OMe;R9=Me;かつm=0である式(V)の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、R2=H;R4=OH;R6=OMe;R9=Me;かつm=1である式(V)の化合物が提供される。
本発明の一実施形態では、R2=H;R4=OH;R6=OMe;R9=Me;かつm=2である式(V)の化合物が提供される。
本発明の別の実施形態では、R1がC4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、又はC5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキルである式(V)の化合物が提供される。
本発明の別の局面では、式(V)の化合物の製造方法が提供される。本発明の一実施形態では、下記スキーム11に示されるように、上述したアジドエリスロマイシン9-オキシムがベックマン転位を受ける。














スキーム11
Figure 2005538927
Kobrehelら,“11-アザ-10-デオキソ-10-ジヒドロエリスロマイシンAとその誘導体及びその製造方法”,米国特許第4,328,334号(参照によって本明細書に取り込まれる)でエリスロマイシンAから誘導されるアザライドの調製につて記述されているように、炭酸水素ナトリウムの存在下、アジドエリスロマイシン9-オキシムを塩化スルホニル、例えば塩化ベンゼンスルホニル又は塩化p-トルエンスルホニル(TsCl)と処理して6,9-環式イミノエーテルを得る。アジド基が無傷のままである条件下、例えば水素ホウ素ナトリウムを用いて該オキシミノエーテル(oximinoether)を還元する。その結果のアザライドを、Kobrehel & Djokic, 米国特許第4,517,359号でアジスロマイシン(azithromycin)の生産について記述されているように(参照によって本明細書に取り込まれる)、例えばホルムアルデヒドとギ酸を用いてメチル化し、アジドアザライドを生成する。
本発明の別の実施形態では、下記スキーム12に示されるように、アジドアザライドを式(V)の化合物の一実施態様に変換する。この実施形態によれば、2'-OHを例えばアセテート又はベンゾエートとして保護し、該アジドをホスフィン、例えばトリメチルホスフィン又はトリフェニルホスフィンとの処理で還元し、かつ上述したようなカルボン酸R1COOHとの縮合によってアミドを生成する。最後に、2'-保護基をメタノリシスで除去する。











スキーム12
Figure 2005538927
別の実施形態では、2'-OHをアセテート又はベンゾエートとして保護し、該アジドを水素化分解でアミンに還元し、かつ該アミノアザライドと上述したようなカルボン酸R1COOHとの縮合でアミドを生成することによって、アジドアザライドを式(V)の化合物の一実施態様に変換する。
(使用方法)
更に、この発明は、温血動物における細菌感染を治療し、或いは他の抗-細菌剤の活性を高める方法であって、該動物に本発明の化合物を単独或いは希釈剤との混合物又は本発明の薬物の形態で投与することを含む方法を提供する。
本化合物を上記用途で使用する場合、本化合物は、1種以上の薬学的に許容しうるキャリヤー、例えば、溶媒、希釈剤などと併用することができ、かつ錠剤、カプセル剤、分散性粉末、顆粒、又は例えば約0.5%〜5%の懸濁剤を含有する懸濁液、例えば約10%〜50%の糖を含有するシロップ剤、及び例えば約20%〜50%のエタノールを含有するエリキシル剤などのような形態で経口投与することができ、或いは無菌注射液又は等張媒体中約0.5%〜5%の懸濁剤を含有する懸濁液の形態で非経口的に投与することができる。これら製剤は、キャリヤーと組み合わせて例えば約0.5%から約90%まで、更に一般的には5質量%〜60質量%の活性成分を含むことができる。
局部適用の組成物は、液体、クリーム又はゲルの形態を取ることができ、皮膚科学的に許容しうるのキャリヤーと混ぜた、治療的に有効な濃度の本発明の化合物を含有する。
経口剤形の組成物の調製では、いずれの通常の製薬媒体をも利用することができる。活性成分の性質及び特定の投与形態に適するように、固体キャリヤーとしては、デンプン、ラクトース、リン酸2カルシウム、微結晶性セルロース、スクロース、及びカオリンが挙げられ、液体キャリヤーとしては、無菌水、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、及びコーン、ピーナッツ及びゴマ油のような食用油が挙げられる。医薬組成物の調製に通例使用される補佐剤としては、有利には、香味剤、着色剤、保存剤、及び抗酸化剤、例えば、ビタミンE、アスコルビン酸、BHT及びBHAが挙げられる。
活性化合物は、非経口的又は腹腔内投与することもできる。遊離塩基又は薬理学的に許容しうる塩としてのこれら活性化合物の溶液又は懸濁液は、好適にはヒドロキシプロピル-セルロースのような界面活性剤と混合した水中で調製することができる。分散系もグリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中混合物内で調製することができる。貯蔵及び使用の通常の条件下では、これら製剤は微生物の成長を妨げるため防腐剤を含むことができる。
注射用に好適な製剤形態としては、無菌水溶液又は分散系及び無菌注射液又は分散系の即時調製用の無菌散剤が挙げられる。すべての場合、この形態は無菌でなければならず、かつ容易に注射できる程度に流動しなければならない。それは、製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、かつ細菌や真菌のような微生物の混入作用に対して保護されなければならない。キャリヤーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、これらの適切な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒体でよい。
利用する活性成分の有効投与量は、利用する特定の化合物、投与の態様及び治療する状態の重大度によって変わりうる。しかし、一般的に、本発明の化合物を約0.1mg〜約400mg/kg(動物の体重)の1日の投与量を好ましくは1日1回又は1日2〜4回に分けて、或いは徐放形態で投与すると満足な結果が得られる。ヒトを含むほとんどの大きい哺乳類では、1日の総投与量は約0.07g〜7.0g、好ましくは約100mg〜1000mgである。体内用途に好適な剤形は固体又は液体の薬学的に許容しうるキャリヤーとの均質混合物中に約100mg〜500mgの活性化合物を含む。この投与療法は、最適な治療応答を与えるように調整することができる。例えば、数回に分けた用量を毎日投与することができ、或いは治療状況の緊急性による必要に応じて比例的に用量を減らしてもよい。
上述した医薬組成物及び薬物の製造は、いずれの公知の方法によっても、例えば活性成分を希釈剤と混合して医薬組成物(例えば、顆粒)を生成してから該組成物を薬物(例えば、錠剤)に形成することによって達成される。
上述した本発明の詳細な説明、以下の実施例は、本発明を例示する目的で与えられており、本発明又は請求項の範囲を限定するものと解釈すべきでない。
実施例1
(±)-(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエート N-プロピオニルシステアミンチオエステル
Figure 2005538927
3-クロロプロパナール
100mLのCH2Cl2中の新たに蒸留したアクロレイン(11.2g)とジシンナミルアセトン(5mg)の撹拌溶液中に0℃で無水塩化水素を赤色が持続するまで泡立てた。500uLのCDCl3中希釈した20uLアリコートの1H-NMR分析は、3-クロロプロパナールへの95%の転換を示し、CH2Cl2ピークに関する積分は、反応溶液が1.8Mの3-クロロプロパナールを含有することを示した。
(±)-3-[(2S * ,3R * )-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノイル]-2-ベンゾオキサゾロン
200mLのCH2Cl2中0℃で3-プロピオニル-2-ベンゾオキサゾロン(19.1g)を激しく撹拌した溶液を四塩化チタン(12.0mL)と処理後、トリエチルアミン(16.7mL)をゆっくり添加した。30分間撹拌後、暗赤色溶液を60mLのCH2Cl2中1.8M 3-クロロプロパナールと共に30分間処理してから200mLの2N HClを添加してクエンチした。相を分け、有機相をシリカゲルのパッドでろ過した。水相をエーテルで抽出し、抽出液を用いてシリカのパッドを洗い流した。合わせたシリカ溶出液を減圧下濃縮すると結晶化した。白色結晶を真空ろ過で収集し、乾燥させて19.9gの生成物を得た;融点=116〜117℃。
(±)-(2S * ,3R * )-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエート N-プロピオニルシステアミンチオエステル
不活性雰囲気下、メタノール中ナトリウムメトキシドの4.37M溶液(66.54mL)を224.5mLのメタノール中N,S-ジプロピオニルシステアミン(55.04g)の撹拌溶液に添加した。25分後、氷酢酸(13.32mL)を添加し、次いで固体(±)-3-[(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノイル]-2-ベンゾオキサゾロン(75.0g)を加えた。更に10分後、氷酢酸(9.38mL)を添加してから混合物を減圧下濃縮した。残留物を1,2-ジクロロエタンで希釈し、再び減圧下濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶かし、シリカゲルでろ過し、シリカを追加の酢酸エチルで洗浄した。溶出液を濃縮し、残留物を500gのシリカゲル上クロマトグラフ処理し、CH2Cl2中の20%酢酸エチルから100%酢酸エチルの勾配で溶出した。生成物含有フラクションをプールし、エバポレートした。残留物をヘキサンと共に摩砕し、濃縮し、結晶化させて53.0gの純粋な生成物を得た。13C-NMR(CDCl3,100MHz): δ 203.4, 174.5, 69.0, 53.5, 41.8, 38.9, 36.9, 29.6, 28.8, 11.5, 9.8。
実施例2
15-クロロ-6-dEB
Figure 2005538927
50mLのFKA培地(コーンスターチ,45g/L;コーンスチープリカー,10g/L;乾燥不活性化ビール酵母,10g/L;及びCaCO3,1g/L)、0.050mLのDMSO中50mg/mLチオストレプトン(フィルター殺菌)、及び0.500mLの50%消泡剤Bを含有する250mLのバッフルドフラスコ内に1mLの凍結菌糸体を接種してストレマイセス・コエリコロール(Streptomyces coelicolor) CH999/pJRJ2の種培養を作製した。フラスコを175rpmで振り動かしながら30℃で48時間インキュベートした(Innova床振とう機)。培養を500mLのFKA培地、0.500mLのDMSO中50mg/mLチオストレプトン、及び5mLの50%消泡剤Bを含有する2.8-Lのバッフルドフラスコに移し、フラスコを175rpmで振り動かしながら30℃で48時間インキュベートした。
10-Lの撹拌タンクバイオリアクター(B. Braun)をオートクレーブ処理し、5Lの無菌FKA 培地と5mLのDMSO中50mg/mLチオストレプトンで充填してから500mL(10%)の種培養と共にインキュベートした。バイオリアクターを600rpmで振り動かしながら24時間30℃で稼動し、1.33LPMの空気でスパージし、2.5N NaOHと2.5N H2SO4を自動添加してpHを6.50に維持した。
3リットルの上記培養を用いて、殺菌前に2g/LのTastone310を添加した55Lの無菌FKA培地を含有する100-Lのバイオリアクターに接種した。発酵曹撹拌速度を2.5m/sの先端スピードに設定し、温度を30℃に維持し、2.5N NaOHと2.5N H2SO4を自動添加してpHを6.5に制御し、空気流を0.4vvmに設定した。50%消泡剤Bを自動添加して発泡を制御した。発酵中、撹拌速度(2.5-3.0m/sの先端スピード)、背圧(0.1-0.4バール)の順に用いるカスケード制御によって溶解酸素を≧50%空気飽和に維持した。接種後24時間後、DMSO中(±)-(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエート N-プロピオニルシステアミンチオエステルの400g/L溶液を最終濃度1g/Lになるまで添加した。15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBのタイターをHPLCでモニターし、最大タイターに達した時に培養を収集した。
15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを固相抽出で単離した。ブロスを遠心分離で澄まし、HP-20樹脂(Rohm及びHaas)を含有するカラム上に、1Lの樹脂/20gの15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBの濃度で装填した。流速2-4mL/cm2-分の5カラム量の水でカラムを平衡にした。装填樹脂を2カラム量の水、次いで2カラム量の水中30%メタノールで洗浄した。15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBをメタノールで樹脂から溶出させた。15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを含有するフラクションをELSD検出によるHPLCで同定した。
15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを含有するメタノールフラクションをプールし、減圧下揮発分を除去した。乾燥固体を3-5Lのメタノールで抽出し、ろ過して6-10mg/mLの15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを含有する溶液を得、等量の水で希釈した。この溶液をHP20SS(1Lの樹脂/20gの15-クロロ-6-デオキシエリスロノライド B)のカラム上に装填してから2カラム量の50%メタノール水溶液で洗浄した。15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを水中70%メタノールで溶出し、該フラクションをHPLCで分析した。生成物含有フラクションをプールし、蒸発乾固させて19.07gの88%%純度の15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBを得た。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 213.7, 178.0, 79.3, 76.3, 71.6, 70.7, 43.8, 43.2, 41.0 (2C), 39.5, 37.6, 37.5, 35.4, 35.0, 16.6, 14.6, 13.3, 9.4, 6.9, 6.2。
実施例3
15-アジド-6-dEB
Figure 2005538927
60mLのジメチルスルホキシド中の15-クロロ-6-dEB(19.07g,約88%純度)、ヨウ化ナトリウム(5.95g)、及びナトリウムアジド(10.31g)の混合物を50℃で3日間加熱した。混合物を周囲温度に冷まし、酢酸エチルで希釈した。溶液を水で洗浄し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートした。残留物を、酢酸エチル/ヘキサンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、13.96の15-アジド-6-dEBを得た。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 213.6, 178.0, 79.3, 76.4, 71.8, 70.7, 48.5, 43.9, 43.2, 41.2, 39.6, 37.7, 37.5, 35.6, 31.7, 16.6, 14.7, 13.4, 9.3, 6.9, 6.3。
実施例4
15-アジドエリスロマイシンA
Figure 2005538927
50mLのV1培地(コーンスターチ,16g/L;コーンデキストリン,10g/L;大豆粉末,15g/L;コーンスチープリカー,5g/L;大豆油,6g/L;塩化ナトリウム,2.5g/L;硫酸アンモニウム,1g/L;及びCaCO3,4g/L)と0.100mLの消泡剤Bを含有する3つの250mLのバッフルドフラスコにそれぞれ1mLアリコートの凍結菌糸体を接種してSaccharopolyspora erythraea K39-14Vの種培養を作製した。フラスコを175rpmで振り動かしながら34℃で48時間インキュベートした(Innova床振とう機)。各培養を500mLのV1培地と1mLの消泡剤Bを含有する2.8-Lのバッフルドフラスコに移し、フラスコを175rpmで振り動かしながら34℃で48時間インキュベートした。
3つの10-Lの撹拌タンクバイオリアクター(B. Braun)をオートクレーブ処理し、それぞれ10Lの無菌50%F1培地(コーンスターチ,17.5g/L;コーンデキストリン(3型),16g/L;大豆粉末,16.5g/L;炭酸カルシウム,4g/L,コーンスチープリカー,6g/L;大豆油,3g/L;塩化ナトリウム2.5g/L;及び硫酸アンモニウム,1g/L)で充填した。発酵曹撹拌速度を2-4m/sの先端スピードに設定し、2.5N NaOHと2.5N H2SO4を自動添加してpHを7.0に制御し、温度を34℃で維持し、空気流を0.15vvmに設定した。50%消泡剤Bを自動添加して発泡を制御した。上記のように調製した500-mLの種培養を各発酵曹に接種した。発酵中、撹拌速度(2-4m/sの先端スピード)、空気流(0.15-0.5vvm)、及び酸素濃縮の順に用いるカスケード制御によって溶解酸素を≧80%空気飽和に維持した。接種後24時間後、連続的な2g/L/日デキストリン供給(脱イオン水中150g/Lデキストリン)を開始し、15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBの4%w/v溶液を250-300mg/Lの15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBの最終濃度まで添加した。試料を12時間毎にHPLCで分析した。15-アジドエリスロマイシン生産(約60時間)の停止後、培養を遠心分離で収集した。
15-アジド-エリスロマイシンAを固相抽出で単離した。2.5N NaOHを用いてブロスのpHを9に調整し、遠心分離で澄ませ、1Lの樹脂/20gの15-アジドエリスロマイシンAの濃度でHP-20樹脂(Rohm及びHaas)を含有するカラム上に装填した。流速2-4mL/cm2-分の5カラム量の水でカラムを平衡にした。装填樹脂を2カラム量の水で洗浄した。15-アジド-エリスロマイシンAを5カラム量のメタノールで溶出した。15-アジド-エリスロマイシンAを含有するフラクションをHPLCで同定し、プールし、減圧下揮発分を除去した。乾燥固体を800mLのアセトン及び3.2-Lのヘキサンと20分間混ぜ合わせた。混合物を#4ワットマンろ紙でろ過した。この様式で固体を2回抽出し、ろ液を混ぜ合わせてエバポレートした。
粗生成物をメタノールに溶かし、等量の水で希釈した。この溶液をHP20SS(1Lの樹脂/20gの15-アジド-エリスロマイシンA)のカラム上に装填し、連続的に1カラム量の50%メタノール水溶液、3カラム量の3:2 メタノール/水、3カラム量の7:3 メタノール/水、10カラム量の4:1 メタノール/水、最後に5カラム量の100%メタノールで洗浄した。フラクションをHPLCで分析した。生成物含有フラクションをプールし、蒸発乾固させて95%純度の13gの15-アジドエリスロマイシンAを得た。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 221.9, 175.4, 103.2, 96.3, 83.3, 79.8, 78.0, 75.0, 74.4, 73.0, 72.6, 70.9, 69.0, 68.6, 65.6, 65.6, 49.5, 49.1, 45.2, 44.7, 40.3 (2C), 39.6, 38.5, 37.7, 34.9, 28.6, 27.8, 27.0, 21.5, 21.4, 18.7, 18.2, 16.2, 15.6, 12.0, 9.1。
実施例5
2'-O-アセチル-15-アジドエリスロマイシンA
Figure 2005538927
CH2Cl2中の15-アジドエリスロマイシンAの溶液を無水酢酸と1時間周囲温度で処理し、溶液を濃縮乾固させた。残留物をシリカゲル上でアセトン/ヘキサン+1%Et3Nを用いてクロマトグラフ処理した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 222.0, 175.3, 170.0, 100.9, 96.1, 83.3, 79.6, 77.9, 75.0, 74.4, 73.1, 72.7, 71.7, 68.6, 68.4, 65.7, 63.5, 49.4, 49.1, 45.1, 44.6, 40.7 (2C), 39.4, 38.1, 37.7, 34.9, 30.3, 29.7, 27.8, 27.0, 21.5, 21.2, 18.6, 18.1, 16.3, 15.5, 12.0, 9.0。
実施例6
15-アミドエリスロマイシンの一般的な調製手順
ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中の2'-O-アセチル-15-アジドエリスロマイシンAの溶液(0.050g,0.062mmol,1.0当量)にトリメチルホスフィン(0.31ml,THF中の1M溶液,0.306mmol,5.0当量)を添加する。溶液を室温で45分間撹拌後、やはり室温で45分間撹拌したジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中のカルボン酸(0.092mmol,1.5当量)、1-[(3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.019g,0.099mmol,1.6当量)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.017g,0.124mmol,2.0当量)の溶液に移す。結果の溶液を室温で3〜14時間撹拌後、酢酸エチル(10ml)とNaHCO3 (10ml)に分配する。水相を酢酸エチル(3×10ml)で抽出し、合わせた有機物を更に食塩水(25ml)で洗浄後、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過かつ減圧下濃縮する。残留物をメタノール(2ml)に溶かし、50℃で14時間撹拌後、減圧下濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(0→10分 50%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;10→20分 60%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;20→30分 70%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;30+分 80%アセトン−ヘキサン,1%Et3N)により白色固体として15-アミド化合物を得る。
実施例7
15-(6-キノリンカルボキサミド)エリスロマイシンA










Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いキノリン-6-カルボン酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 222.2, 177.0, 166.7, 151.8, 149.3, 137.2, 132.6, 129.9, 127.7, 127.6, 127.3, 121.8, 103.2, 96.3, 83.1, 79.4, 78.0, 75.1, 74.4, 73.0, 72.6, 70.8, 69.0 (2C), 65.7 (2C), 49.5, 45.1, 44.8, 40.3 (2C), 40.2, 38.4, 37.9, 36.6, 34.9, 28.6, 28.4, 27.0, 21.5, 21.4, 18.7, 18.0, 16.3, 15.5, 11.9, 9.0. ES-MS: m/z 905 [M+H]+
実施例8
15-(4-キノリンカルボキサミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いキノリン-4-カルボン酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 221.8, 176.7, 167.4, 149.9, 148.5, 142.2, 129.9, 129.7, 127.6, 125.4, 124.6, 118.6, 103.2, 96.3, 83.2, 79.5, 78.0, 74.9, 74.4, 72.9, 72.6, 70.8, 69.0, 68.9, 65.6, 49.5, 44.7, 40.3, 39.9, 38.4, 37.9, 36.6, 34.9, 29.2, 28.6, 26.8, 21.5, 18.7, 18.0, 16.3, 15.5, 11.9, 9.0. ES-MS: m/z 905 [M+H]+,747, 453。
実施例9
15-(3-インドールアセトアミド)エリスロマイシンA










Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-インドール酢酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 222.0, 176.1, 171.6, 136.5, 127.1, 124.1, 122.3, 119.8, 118.7, 111.4, 108.9, 103.2, 96.3, 83.3, 79.5, 76.7, 75.0, 74.3, 72.6, 72.5, 70.8, 69.0, 68.8, 65.7, 65.5, 49.5, 45.1, 44.7, 40.2, 39.9, 38.0, 36.0, 34.9, 33.4, 29.7, 28.5, 28.2, 26.9, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.4, 15.4, 11.9, 9.0. ES-MS: m/z 907 [M+H]+,749, 454。
実施例10
15-(フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いフェニル酢酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 176.1, 170.9, 135.0, 129.4, 128.9, 127.2, 103.2, 96.3, 83.2, 79.6, 78.0, 75.1, 74.3, 72.7, 72.6, 70.8, 69.0, 68.8, 65.6, 49.5, 45.2, 44.7, 43.8, 40.3, 38.5, 37.9, 36.3, 34.9, 29.7, 28.7, 28.4, 26.9, 21.5, 21.4, 18.6, 18.2, 16.2, 15.5, 11.9, 9.1. ES-MS: m/z 868 [M+H]+
実施例11
15-(フェニルプロピオンアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いヒドロケイ皮酸を用いて調製した。13C-NMR(CDCl3, 100 MHz): δ 222.0, 176.5, 172.0, 141.0, 128.5, 128.4, 126.1, 103.2, 96.3, 83.2, 79.5, 78.0, 75.1, 74.3, 72.8, 72.6, 70.8, 69.9, 68.9, 65.6, 49.5, 45.2, 44.7, 40.3, 40.0, 38.4, 37.9, 35.8, 34.9, 31.7, 28.6, 28.4, 26.9, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.2, 15.5, 11.9, 9.0. ES-MS: m/z 882 [M+H]+
実施例12
15-(2-キノキサリンカルボキサミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い2-キナゾリンカルボン酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 222.1, 175.9, 163.2, 143.9, 143.5, 140.3, 131.5, 130.7, 129.7, 129.5, 103.0, 96.4, 83.5, 79.7, 77.9, 75.0, 74.4, 73.1, 72.6, 70.8, 68.8, 65.7, 65.6, 60.4, 49.5, 45.1, 44.8, 40.3, 39.8, 38.5, 37.9, 36.7, 34.9, 29.7, 29.2, 28.7, 26.9, 22.7, 21.5, 21.3, 18.6, 18.2, 16.3, 15.7, 11.9, 9.2. ES-MS: m/z 906 [M+H]+
実施例13
15-(4-(4-クロロフェニル)ベンズアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い4-(4-クロロフェニル)安息香酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 168.8, 142.7, 134.1, 133.6, 129.0, 128.4, 127.6, 127.0, 103.1, 96.3, 83.1, 79.4, 78.0, 75.2, 74.3, 72.9, 70.8, 69.1, 65.5, 60.4, 49.5, 45.1, 44.8, 40.2, 38.4, 37.9, 36.3, 34.9, 29.7, 28.6, 28.3, 27.0, 21.5, 21.4, 21.0, 18.6, 18.0, 16.3, 15.5, 11.9, 9.0. ES-MS: m/z 964 [M+H]+
実施例14
15-(5-フェニルペンタンアミド)エリスロマイシンA



Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い5-フェニルペンタン酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 178.7, 172.8, 151.7, 142.3, 128.4, 128.3, 125.7, 102.9, 101.8, 94.5, 85.7, 79.8, 78.1, 75.9, 75.0, 74.8, 73.0, 70.7, 70.3, 68.9, 65.9, 49.6, 44.4, 43.6, 40.3, 36.7, 35.9, 34.6, 31.1, 30.5, 28.6, 28.2, 26.5, 25.4, 21.6, 21.4, 18.2, 16.4, 14.7, 13.0, 11.8. ES-MS: m/z 892 [M+H]+
実施例15
15-(4-(4-クロロフェニル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い4-(4-クロロフェニル)フェニル酢酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 222.8, 176.2, 170.8, 139.2, 138.8, 134.5, 133.4, 129.9, 128.9, 128.3, 127.4, 103.1, 96.3, 83.2, 79.5, 78.0, 75.0, 74.3, 72.6, 70.8, 69.0, 68.9, 65.6, 65.6, 49.5, 45.1, 44.7, 43.4, 40.2, 39.9, 38.4, 36.2, 34.8, 29.7, 28.3, 26.9, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.2, 15.5, 11.9, 9.0. ES-MS: m/z 978 [M+H]+
実施例16
15-((1,2-ベンゾイソオキサゾル-3-イル)アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い2-(1,2-ベンゾイソオキサゾル-3-イル)酢酸を用いて調製した。13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 176.3, 166.9, 163.2, 153.7, 130.1, 123.7, 122.1, 121.3, 109.8, 103.2, 96.3, 79.6, 78.0, 74.9, 74.4, 72.9, 72.6, 69.0, 68.8, 65.5, 49.5, 45.1, 44.7, 40.3, 39.9, 38.5, 38.0, 36.6, 34.9, 33.6, 29.7, 28.6, 28.4, 26.8, 21.5, 21.4, 18.6, 18.2, 16.2, 15.5, 11.9, 9.1. ES-MS: m/z 909 [M+H]+
実施例17
15-(2-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い2-(2-フリル)フェニル酢酸を用いて調製した。 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 222.1, 175.8, 170.9, 152.9, 142.5, 131.9, 131.5, 130.8, 128.3, 128.3, 127.7, 111.5, 108.8, 103.1, 96.3, 83.2, 79.5, 77.9, 75.1, 74.2, 72.7, 72.6, 70.8, 69.0, 68.8, 65.7, 65.6, 49.5, 45.1, 44.6, 42.7, 40.2, 39.9, 38.5, 37.9, 36.3, 34.9, 29.7, 28.7, 28.4, 27.0, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.1, 15.5, 11.8, 9.1. ES-MS: m/z 934 [M+H]+
実施例18
15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-フリル)フェニル酢酸を用いて調製した。 13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 222.1, 176.1, 170.7, 153.7, 142.1, 134.0, 131.9, 131.1, 129.8, 124.3, 111.6, 105.0, 103.1, 96.3, 83.1, 79.4, 77.9, 77.2, 75.1, 74.2, 72.6, 70.8, 69.0, 68.9, 65.6, 49.5, 45.1, 44.7, 43.6, 43.4, 40.3, 38.4, 37.9, 36.2, 34.8, 30.4, 29.7, 28.6, 28.3, 27.0, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.2, 15.4, 11.8, 9.0. ES-MS: m/z 934 [M+H]+
実施例19
15-(4-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA

Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-フリル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例20
15-(4-フェニルブチルアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い4-フェニル酪酸を用いて調製した。
実施例21
15-(ベンジルオキシアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いベンジルオキシ酢酸を用いて調製した。
実施例22
15-(3-(3-キノリン)プロピオンアミド)エリスロマイシンA





Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(3-キノリル)プロピオン酸を用いて調製した。
実施例23
15-((3,4,5-トリメトキシフェニル)オキサルアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い(3,4,5-トリメトキシベンゾイル)ギ酸を用いて調製した。
実施例24
15-((4-メチル-5-フェニルオキサゾル-2-イル)アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い(4-メチル-5-フェニルオキサゾル-2-イル)酢酸を用いて調製した。
実施例25
15-(3-キノリンカルボキサミド)エリスロマイシンA



Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いキノリン-3-カルボン酸を用いて調製した。
実施例26
15-(3-ピリジンカルボキサミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いピリジン-3-カルボン酸を用いて調製した。
実施例27
15-(5-インドールカルボキサミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いインドール-5-カルボン酸を用いて調製した。
実施例28
15-(3-インドールカルボキサミド)エリスロマイシンA





Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従いインドール-3-カルボン酸を用いて調製した。
実施例29
15-(4-(2-フリル)ベンズアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い4-(2-フリル)安息香酸を用いて調製した。
実施例30
15-(4-ビフェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い4-ビフェニル酢酸を用いて調製した。
実施例31
15-(3-(3-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA




Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(3-フリル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例32
15-(3-(3-チエニル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(3-チエニル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例33
15-(3-(2-チエニル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-チエニル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例34
15-(2-(2-チエニル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA




Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い2-(2-チエニル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例35
15-(3-(2-ピロリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-ピロリル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例36
15-(3-(4-ピリジル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(4-ピリジル)フェニル酢酸を用いて調製した。
実施例37
15-(3-(2-フリル)ピリジル-5-アセトアミド)エリスロマイシンA




Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-フリル)ピリジル-5-酢酸を用いて調製した。
実施例38
15-(3-(2-チエニル)ピリジル-5-アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-チエニル)-ピリジル-5-酢酸を用いて調製した。
実施例39
15-(3-(2-ピロリル)ピリジル-5-アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(2-ピロリル)-ピリジル-5-酢酸を用いて調製した。
実施例40
15-(5-フェニルチエニル-2-アセトアミド)エリスロマイシンA


Figure 2005538927
この化合物は実施例6の方法に従い5-フェニルチエニル-2-酢酸を用いて調製した。
実施例41
15-(5-(2-ピリジル)チエニル-2-アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い5-(2-ピリジル)-チエニル-2-酢酸を用いて調製した。
実施例42
15-(5-(3-イソオキサゾリル)チエニル-2-アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い5-(3-イソオキサゾリル)-チエニル-2-酢酸を用いて調製した。
実施例43
15-(3-(5-フェニルチエン-2-イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンA



Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(5-フェニルチエン-2-イル)プロピオン酸を用いて調製した。
実施例44
15-(3-(5-(2-ピリジル)チエン-2-イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(5-(2-ピリジル)チエン-2-イル)プロピオン酸を用いて調製した。
実施例45
15-(3-(5-(3-イソオキサゾリル)チエン-2-イル)プロピオンアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い3-(5-(3-イソオキサゾリル)-チエン-2-イル)プロピオン酸を用いて調製した。
実施例46
ビアリールカルボン酸の一般的な調製法
1.ビアリールカルボン酸エステル
テトラヒドロフラン(15mL)中のハロアリールカルボン酸エステル(1.0mmol)の溶液にホウ素酸(1.3mmol)と2Mの炭酸ナトリウム水溶液(1mL)を添加する。溶液を脱気し、3回超音波処理した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0.1mmol)を添加する。混合物を脱気し、更に3回超音波処理した後、50℃で14時間撹拌する。室温に冷ました後、溶液を減圧下濃縮する。生成物エステルをカラムクロマトグラフィーで精製する。
2.ビアリールカルボン酸
アセトン(15mL)中のビアリールカルボン酸エステル(1.0mmol)の溶液に30%の水酸化カリウム水溶液(2.5mL)を添加する。混合物を室温で16時間撹拌後、1N NaOH(50ml)で希釈し、CH2Cl2(75ml)で洗浄する。水相を1N HCl(75ml)で酸性にし、有機物をCH2Cl2(3×100ml)で抽出する。抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過かつ減圧下濃縮してビアリールカルボン酸を得る。
実施例47
3-(2-フリル)フェニル酢酸
Figure 2005538927
1.メチル3-(2-フリル)フェニルアセテート
テトラヒドロフラン(5.0ml)中のブロモフェニル酢酸メチルエステル(0.075g,0.328mmol,1.0当量)の溶液に2-フランホウ素酸(0.048g,0.426mmol,1.3当量)と炭酸ナトリウム(0.328mlの2M水溶液)を加える。溶液を脱気し、3回超音波処理した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.038g,0.033mmol,0.1当量)を添加する。混合物を脱気し、更に3回超音波処理した後、50℃で14時間撹拌する。室温に冷ました後、溶液を減圧下濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカ,20%EtOAc/ヘキサン)により3-フラニルフェニル酢酸メチルエステル(0.047g,67%)を白色固体として得た;1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 7.60 (1H, d, J = 1.6 Hz), 7.47 (1H, t, J = 1.0 Hz), 7.34 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.19 (2H, m), 6.65 (1H, d, J = 3.6 Hz), 6.48 (1H, dd, J = 3.6, 1.6 Hz), 3.71 (3H, s), 3.66 (2H, s)。
2.3-(2-フリル)フェニル酢酸
アセトン(3.0ml)中の3-(2-フリル)フェニル酢酸メチルエステル(0.047g,0.217mmol,1.0当量)の溶液に水酸化カリウム(0.5mlの30%水溶液)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌後、1N NaOH(10ml)で希釈し、CH2Cl2(15ml)で洗浄した。水相を1N HCl(15ml)で酸性にし、有機物をCH2Cl2(3×100ml)で抽出した。抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、減圧下濃縮して3-(2-フリル)フェニル酢酸(0.043g,100%)を白色固体として得た; 1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 7.60 (1H, br s), 7.46 (1H, t, J = 1.0 Hz), 7.34 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.19 (2H, m), 6.65 (1H, d, J = 3.2 Hz), 6.46 (1H, m), 3.67 (2H, s)。
実施例48
15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシム








Figure 2005538927
10mLのイソプロパノール中の15-アジドエリスロマイシンA(4.0g)と50%水性ヒドロキシルアミン(5.0mL)の混合物を1.6mLの酢酸と処理し、50℃で15時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷まし、20mLのNaHCO3飽和水溶液と処理し、減圧下濃縮して水性スラリーを得、クロロホルムで抽出した。抽出物をNaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄してからNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、蒸発乾固させて4.2gの生成物を得た。ES-MS: m/z 791 [M+H]+
実施例49
15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムIPCHケタール
Figure 2005538927
14mLのジクロロメタン中の15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシム(4.2g)、1,1-ジイソプロポキシシクロヘキサン(6.8mL)、及びp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(2.45g)の混合物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、NaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄してからNa2SO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートした。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(70:30 アセトン/ヘキサン+1%Et3N)で精製して4.0gの生成物を得た。13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 174.6, 104.2, 103.0, 96.3, 83.1, 78.0, 75.3, 74.0, 73.0, 72.7, 70.9, 70.2, 68.8, 65.5, 63.4, 61.9, 49.5, 49.2, 40.3, 36.0, 35.0, 27.0, 26.7, 25.7, 25.4, 24.7, 24.3, 23.4, 22.9, 21.5, 18.6, 18.5, 16.3, 15.8, 14.4, 9.2; ES-MS: m/z 931 [M+H]+, 791。
実施例50
2',4”-ビス-O-(トリメチルシリル)-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムIPCHケタール




Figure 2005538927
4mLのジクロロメタン中のクロロトリメチルシラン(0.08mL)とトリメチルシリルイミダゾール(1.57mL)の混合物を、12mLのジクロロメタン中の15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムIPCHケタール(4.0g)の溶液に添加した。5分後、100mLの酢酸エチルを加え、溶液をNaHCO3飽和水溶液及び食塩水で洗浄してからNa2SO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして4.2gの生成物を得た。13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 175.4, 170.5, 135.2, 104.0, 102.6, 101.0, 96.6, 94.7, 80.8, 75.4, 73.9, 73.2, 73.1, 70.2, 67.6, 65.0, 64.9, 63.1, 61.7, 49.6, 49.1, 44.4, 40.8, 35.9, 26.9, 25.6, 24.6, 24.2, 23.3, 22.9, 21.9, 21.6, 19.2, 18.3, 16.2, 14.3, 9.6, 0.9, 0.8; ES-MS: m/z 1075 [M+H]+
実施例51
2',4”-ビス-O-(トリメチルシリル)-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシム IPCHケタール
Figure 2005538927
2',4”-ビス-O-(トリメチルシリル)-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムIPCHケタール(4.2g)、エーテル中の2M臭化メチル(3.9mL)、7mLのTHF、及び7mLのDMSOの混合物を氷上で冷却した。DMSO中の1.0Mカリウムtert-ブトキシド(7.8mL)とDMSO(7mL)の混合物をシリンジポンプによって4ml/時間の速度で添加し、反応を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン中の15%アセトン、アンモニア蒸気で前処理)でモニターした。添加を3.5時間続けた後、NaHCO3飽和水溶液(100mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。続いて抽出物をNH4Cl/NaCl、水、及び食塩水で洗浄してからNa2SO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして4.0gの生成物を得た。13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ 175.7, 169.8, 103.6, 102.5, 101.2, 96.2, 80.8, 79.1, 77.9, 73.6, 73.3, 73.1, 72.9, 69.7, 67.2, 65.1, 62.8, 61.8, 51.1, 49.7, 49.1, 40.9, 36.0, 26.5, 25.7, 25.6, 24.7, 24.5, 24.4, 23.4, 22.9, 22.2, 22.0, 20.2, 19.5, 18.6, 16.2, 15.1, 9.6, 1.0, 0.9. ES-MS: m/z 1089 [M+H]+, 791。
実施例52
6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシム
Figure 2005538927
50mLのアセトニトリル中の2',4”-ビス-O-(トリメチルシリル)-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムIPCHケタール(4.0g)の溶液を水(25mL)及び酢酸(30mL)と処理し、混合物を16時間周囲温度で撹拌してから減圧下濃縮した。残留物をイソプロパノール及びトルエンから濃縮して揮発分を除去してからシリカゲル(1:1 アセトン/ヘキサン+1%Et3N)上でクロマトグラフ処理して2.4gの生成物を得た。13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ 175.4, 171.2, 169.3, 102.7, 96.0, 80.3, 78.6, 78.2, 78.0, 77.5, 73.8, 72.8, 72.6, 71.3, 68.6, 65.5, 65.2, 60.4, 51.1, 49.4, 49.0, 45.7, 44.9, 40.3, 39.2, 25.3, 21.4, 21.4, 21.0, 20.0, 18.6, 18.6, 16.1, 15.7, 15.0, 9.1. ES-MS: m/z 805 [M+H]+
実施例53
6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA
Figure 2005538927
25mLのエタノール中の15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシム(2.4g)の溶液を25mLの水、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(4.8g)、及びギ酸(0.77ml)と処理し、80℃に加熱した。4時間後、混合物を周囲温度に冷まし、6N NaOHを用いてpHを10に調整し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして2.4gの生成物を得た。13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 221.3, 175.6, 102.8, 96.1, 80.7, 78.4, 78.3, 78.0, 74.0, 72.7, 72.7, 70.9, 68.8, 65.8, 65.6, 50.6, 49.5, 49.1, 45.2, 45.0, 40.2, 39.4, 37.1, 34.9, 28.6, 27.7, 21.5, 19.7, 18.7, 17.9, 16.0, 15.6, 12.3, 9.0. ES-MS: m/z 790 [M+H]+
実施例54
3-O-デスクラジノシル-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA
Figure 2005538927
20mLのアセトンと5mLの水中の6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(2.0g)とp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(3.82g)の混合物を50℃で44時間撹拌してから周囲温度に冷まし、NaHCO3飽和水溶液と処理し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートした。残留物をシリカゲル上クロマトグラフ処理して生成物性を得(0.5g)、未反応出発原料は本手順を通して再利用した。13C-NMR (100 MHz, CDCl3):δ 220.5, 174.7, 106.4, 88.1, 78.7, 78.0, 74.0, 72.7, 70.6, 70.0, 69.4, 65.6, 49.5, 49.0, 48.8, 45.4, 44.4, 40.4, 40.2, 38.7, 35.4, 29.2, 28.2, 28.0, 21.2, 21.0, 18.7, 18.3, 17.7, 16.2, 15.1, 15.0, 12.5, 8.2. ES-MS: m/z 632 [M+H]+
実施例55
2'-O-ベンゾイル-3-O-デスクラジノシル-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA
Figure 2005538927
ジクロロメタン(10ml)中の3-O-デスクラジノシル-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(0.6g,0.951mmol,1.0当量)の溶液に無水安息香酸(0.32g,1.426mmol,1.5当量)を添加し、混合物を室温で14時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液(30ml)を加え、有機物をCH2Cl2(3 ×30ml)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮して淡黄色油を得、更に精製せずに採用した; ES-MS: m/z 736 [M+H]+。
実施例56
2'-O-ベンゾイル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA








Figure 2005538927
N-クロロスクシンイミド(0.191g,1.427mmol,1.5当量)をジメチルスルフィド(0.085ml,1.712mmol,1.8当量)とジクロロメタン(5ml)の溶液に-15℃で添加した。-15℃で15分間撹拌後、ジクロロメタン(5ml)中の2'-O-ベンゾイル-3-O-デスクラジノシル-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(0.951mmol,1.0当量)を一滴ずつ添加し、結果の溶液を-15℃で30分間撹拌後、トリエチルアミン(0.132ml,0.951mmol,1.0当量)を加えた。混合物を40分かけて室温に戻した後、EtOAc(100ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(2×100ml)及び食塩水(100ml)で洗浄した。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(0→10分 20%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;10→20分 30%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;20+分 40%アセトン−ヘキサン,1%Et3N)で精製し、白色固体として生成物を得た(0.5g,2工程を通じて72%); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 220.8, 205.0, 169.0, 165.2, 132.8, 130.4, 129.7, 128.3, 101.3, 74.2, 73.6, 71.9, 69.1, 68.9, 63.6, 53.5, 50.7, 49.5, 49.1, 46.4, 44.8, 41.5, 40.7, 39.0, 37.2, 31.3, 28.2, 27.8, 21.0, 19.4, 17.5, 16.2, 14.3, 12.0. ES-MS: m/z 734 [M+H]+
実施例57
2'-O-ベンゾイル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-11-O-メタンスルホニル-15-アジドエリスロマイシンA
Figure 2005538927
ピリジン(7.0当量)中の2'-O-ベンゾイル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(0.5g,0.683mmol,1.0当量)の溶液に塩化メタンスルホニル(0.26ml,3.415mmol,5.0当量)を一滴ずつ添加した。結果の溶液を室温で16時間撹拌後、酢酸エチル(100ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(2×70ml)と食塩水(70ml)で洗浄した。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮し、褐色固体として生成物を得(0.5g)、更に精製せずに採用した。
実施例58
2'-O-ベンゾイル-10,11-アンヒドロ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA





Figure 2005538927
アセトン(7.0ml)中の2'-O-ベンジル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-11-O-メタンスルホニル-15-アジドエリスロマイシンA(0.683mmol,1.0当量)の溶液に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.510ml,3.415mmol,5.0当量)を加え、溶液を室温で8時間撹拌後、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0→10分 25%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;10→20分 30%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;20→30分 35%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;30+分 40%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;)で精製し、白色固体として生成物を得た(0.25g,2工程を通じて50%);13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 206.8, 176.4, 169.4, 165.1, 141.5, 139.2, 132.7, 130.5, 129.7, 128.3, 102.1, 78.4, 72.7, 72.0, 69.2, 63.7, 51.0, 50.4, 49.0, 47.1, 41.5, 40.7, 40.1, 38.3, 31.6, 31.2, 29.0, 28.2, 22.6, 21.5, 21.0, 18.6, 14.5, 14.2, 13.6. ES-MS: m/z 716 [M+H]+
実施例59
2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-O-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
Figure 2005538927
テトラヒドロフラン(3.0ml)中の2'-O-ベンゾイル-10,11-アンヒドロ-3-O-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(0.246g,0.344mmol,1.0当量)の溶液に-15℃で水素化ナトリウム(0.028g,油中60%溶液,0.688mmol,2.0当量)を添加した。溶液を-15℃で15分間撹拌後、テトラヒドロフラン(3.0ml)中の1,1-カルボニルジイミダゾール(0.167g,1.032mmol,3.0当量)の溶液を一滴ずつ添加した。溶液を-15℃で15分間撹拌後、40分かけて室温に戻した。NaHCO3飽和水溶液(25ml)を添加後、酢酸エチル(50ml)を加え、溶液を分配した。有機物を更にNaHCO3飽和水溶液(25ml)と食塩水(25ml)で洗浄後、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。残留物をアセトニトリルとテトラヒドロフラン(10:1,4ml)の混合物に溶かし、濃水酸化アンモニウム(4ml)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌後、酢酸エチル(50ml)で希釈し、NaHCO3飽和水溶液(2×25ml)と食塩水(30ml)で洗浄した。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(0→10分 25%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;10→20分 30%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;20→30分 35%アセトン−ヘキサン,1%Et3N;30+分 40%アセトン−ヘキサン,1%Et3N)により白色固体として生成物を得た; ES-MS: m/z 759 [M+H]+
実施例60
2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-2-フルオロ-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
Figure 2005538927
THF中の2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート(1.0当量)の溶液を氷上で冷却し、THF(1.0当量)中のカリウムtert-ブトキシドの1M溶液で処理後、N-フルオロ-ベンゼンスルホンイミド(1.2当量)で処理する。1時間後、混合物を周囲温度に温め、酢酸エチルとNH4Cl飽和水溶液の混合物中に注ぐ。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過かつエバポレートする。生成物をシカゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン+1%Et3N)で精製する。
実施例61
2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
Figure 2005538927
ジクロロメタン(1.0ml)中の2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート(0.050g,0.062mmol,1.0当量)の溶液にトリメチルホスフィン(0.31ml,THF中の1M溶液,0.306mmol,5.0当量)を加えた。溶液を室温で45分間撹拌後、やはり室温で45分間撹拌したジクロロメタン(1.0ml)中のカルボン酸(0.092mmol,1.5当量)、1-[(3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.019g,0.099mmol,1.6当量)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.017g,0.124mmol,2.0当量)の溶液に移した。結果の溶液を室温で14時間撹拌後、酢酸エチル(10ml)とNaHCO3(10ml)に分配した。水相を酢酸エチルで抽出し(3×10ml)、合わせた有機物を更に食塩水(25ml)で洗浄後、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮した。生成物をアセトン/ヘキサン+1%Et3Nによるシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
実施例62
11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート


Figure 2005538927
メタノール中の2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメートとトリエチルアミンの混合物を50℃で一晩中加熱してから蒸発乾固させた。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン+1%Et3N)で精製した。
実施例63
2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-2-フルオロ-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
Figure 2005538927
ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中の2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-2-フルオロ-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート(0.050g,0.062mmol,1.0当量)の溶液にトリメチルホスフィン(0.31ml,THF中の1M溶液,0.306mmol,5.0当量)を添加する。溶液を室温で45分間撹拌後、やはり室温で45分間撹拌したジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中のカルボン酸(0.092mmol,1.5当量)、1-[(3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.019g,0.099mmol,1.6当量)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.017g,0.124mmol,2.0当量)の溶液に移す。結果の溶液を室温で14時間撹拌後、酢酸エチル(10ml)とNaHCO3(10ml)に分配する。水相を酢酸エチルで抽出し(3×10ml)、合わせた有機物を更に食塩水(25ml)で洗浄後、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮する。生成物をアセトン/ヘキサン+1%Et3Nによってシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
実施例64
11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-2-フルオロ-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート





Figure 2005538927
メタノール中の2'-O-ベンゾイル-11-アミノ-11-デオキシ-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメートとトリエチルアミンの溶液を50℃で一晩中加熱してから蒸発乾固させる。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン+1%Et3N)で精製する。
実施例65
2'-O-ベンゾイル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中の2'-O-ベンゾイル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(0.045g,0.062mmol,1.0当量)の溶液にトリメチルホスフィン(0.31ml,THF中の1M溶液,0.306mmol,5.0当量)を添加する。溶液を室温で45分間撹拌後、やはり室温で45分間撹拌したジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中のカルボン酸(0.092mmol,1.5当量)、1-[(3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.019g,0.099mmol,1.6当量)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.017g,0.124mmol,2.0当量)の溶液に移す。結果の溶液を室温で14時間撹拌後、酢酸エチル(10ml)とNaHCO3(10ml)に分配する。水相を酢酸エチルで抽出し(3×10ml)、合わせた有機物を更に食塩水(25ml)で洗浄後、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでアセトン/ヘキサン+1%Et3Nによって精製する。
実施例66
3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA






Figure 2005538927
メタノール中の2'-O-ベンゾイル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンAとトリエチルアミンの混合物を50℃で一晩中加熱してから蒸発乾固させる。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン+1%Et3N)で精製する。
実施例67
2'-O-アセチル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カーボネート
Figure 2005538927
ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中の2'-O-アセチル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カーボネート(0.043g,0.062mmol,1.0当量)の溶液にトリメチルホスフィン(0.31ml,THF中の1M溶液,0.306mmol,5.0当量)を添加する。溶液を室温で45分間撹拌後、やはり室温で45分間撹拌したジクロロメタン又はテトラヒドロフラン(1.0ml)中のカルボン酸(0.092mmol,1.5当量)、1-[(3-(ジメチルアミノ)プロピル]-1-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(0.019g,0.099mmol,1.6当量)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.017g,0.124mmol,2.0当量)の溶液に移す。結果の溶液を室温で14時間撹拌後、酢酸エチル(10ml)とNaHCO3(10ml)に分配する。水相を酢酸エチルで抽出し(3×10ml)、合わせた有機物を更に食塩水(25ml)で洗浄後、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下濃縮する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでアセトン/ヘキサン+1%Et3Nによって精製する。
実施例68
3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カーボネート







Figure 2005538927
メタノール中の2'-O-アセチル-3-デス(クラジノシルオキシ)-3-オキソ-6-O-メチル-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カーボネートの溶液を50℃で16時間加熱してから蒸発乾固させる。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(アセトン/ヘキサン+1%Et3N)で精製する。
実施例69
(±)-(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステル
Figure 2005538927
これは、3-クロロプロパナールに代えてクロロアセトアルデヒドを用い、実施例1の方法に従って調製する。
実施例70
(±)-(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステル
Figure 2005538927
これは、3-クロロプロパナールに代えてクロロブチルアルデヒドを用い、実施例1の方法に従って調製する。
実施例71
14-クロロ-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドB
Figure 2005538927
これは、(±)-(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステルに代えて(±)-(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステルを用い、実施例2の方法に従って調製する。
実施例72
14-クロロ-14-デスメチル-エリスロノライドB
Figure 2005538927
これは、(±)-(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステルに代えて(±)-(2S*,3R*)-4-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルブタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステルを用い、かつStreptomyces coelicolor CH999/pJRJ2に代えてStreptomyces coelicolor CH999/p23-55/pJRJ2、即ち、プラスミドpJRJ2といっしょにeryF遺伝子を染色体上に含有する株を用い、実施例2の方法に従って調製する。13C-NMR (CDCl3+CD3OD, 100 MHz): δ 218.6, 176.2, 81.1, 79.2, 74.9, 73.0, 69.7, 44.7, 43.7, 43,7, 39.7, 38.6, 38.1, 36.0, 25.8, 17.4, 14.6, 9.2, 8.6, 6.9。
実施例73
15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドB
Figure 2005538927
これは、(±)-(2S*,3R*)-5-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルペンタノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステルに代えて(±)-(2S*,3R*)-6-クロロ-3-ヒドロキシ-2-メチルヘキサノエートN-プロピオニルシステアミンチオエステルを用い、実施例2の方法に従って調製する。
実施例74
14-アジド-14-デスメチル-6-デオキシエリスロノライドB





Figure 2005538927
これは、15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBに代えて14-クロロ-14-デスメチル6-デオキシエリスロノライドBを用い、実施例3の方法に従って調製する。
実施例75
15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドB
Figure 2005538927
これは、15-クロロ-6-デオキシエリスロノライドBに代えて15-(クロロメチル)-6-デオキシエリスロノライドBを用い、実施例3の方法に従って調製する。
実施例76
14-アジド-14-デスメチル-エリスロマイシンA
Figure 2005538927
これは、15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBに代えて14-アジド-14-デスメチル6-デオキシエリスロノライドB又は14-アジド-14-デスメチルエリスロノライドBを用い、実施例4の方法に従って調製する。
実施例77
15-(アジドメチル)-エリスロマイシンA



Figure 2005538927
これは、15-アジド-6-デオキシエリスロノライドBに代えて15-(アジドメチル)-6-デオキシエリスロノライドBを用い、実施例4の方法に従って調製する。
実施例78
15-((6-メトキシ-1-ベンゾフラン-3-イル)アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い2-(6-メトキシ-1-ベンゾフラン-3-イル)酢酸を用いて調製した。13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 222.1, 176.3, 169.8, 158.3, 156.5, 142.3, 120.8, 119.8, 113.8, 111.8, 103.1, 96.5, 83.1, 79.4, 78.0, 75.0, 74.2, 72.6, 70.8, 69.0, 68.8, [65.6, 65.6] (2C), 55.7, 49.5, 46.0, 45.1, 44.6, 40.3, 40.0, 38.4, 37.9, 36.2, 34.9, 31.8, 29.7, 28.6, 28.3, 26.9, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.1, 15.3, 11.8, 9.0。
実施例79
15-((5-クロロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)アセトアミド)エリスロマイシンA
Figure 2005538927
この化合物は、実施例6の方法に従い2-(5-クロロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)酢酸を用いて調製した。13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 222.0, 169.4, 139.8, 138.6, 130.8, 129.0, 126.9, 125.0, 123.8, 121.5, 103.1, 96.3, 83.1, 79.4, 77.3, 75.1, 74.2, 72.7, 72.6, 70.8, 69.0, 68.9, 49.5, 45.1, 44.6, 40.3, 44.6, 40.3, 40.0, 38.4, 37.9, 36.5, 36.2, 34.9, 29.7, 29.3, 28.6, 28.4, 26.9, 21.5, 21.4, 18.6, 18.1, 16.1, 15.4, 11.9, 9.0。
実施例80
6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA
(a)15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムの生成 90mlの2-プロパノール中の15-アジド-エリスロマイシンA(33.0g,90%純度,42.5mmol)の懸濁液を32.0mlの50%ヒドロキシルアミン水溶液と処理し、撹拌しながら酢酸(10.30ml)を添加し、混合物を15時間50℃で撹拌した。反応後薄層クロマトグラフィー(10:1:0.05/CHCl3/MeOH/MH4OH)に掛ける。周囲温度に冷ましたら、飽和NaHCO3を加え、混合物を真空中濃縮してイソプロパノールを除去した。結果の水性混合物を300mlずつのCHCl3で3回抽出した。有機抽出物を混ぜ合わせ、飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄してからMgSO4上で乾燥させ、ろ過かつ濃縮して34gの粗生成物を得た。LC/MSによる分析から、E及びZオキシムがきれいに分離されていないことが分かった。[M+H]+ = 791. 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 175.1, 171.3, 103.1, 96.4, 83.4, 80.1, 78.1, 75.3, 74.2, 73.2, 72.6, 71.1, 70.6, 68.7, 65.5, 65.4, 49.5, 49.1, 44.6, 40.2, 39.0, 37.8, 35.1, 32.6, 29.7, 29.4, 29.2, 27.6, 27.0, 25.5, 22.6, 21.5, 21.3, 18.6, 16.4, 15.9, 14.3, 9.2。
(b)オキシム保護 上記工程程(a)からの粗オキシム(34.0g,42.5mmol)を120mlのCH2Cl2に懸濁させ、1,1-ジイソプロポキシシクロヘキサン(51.0ml,246.8mmol,6当量)及びp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(24.8g,98.8mmol,2当量)と15時間周囲温度で処理した。混合物を600mlのCH2Cl2で希釈してから連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして褐色シロップを得た。シリカゲル上クロマトグラフィー(2:1から1:1のヘキサン/アセトン+1%Et3Nの勾配)で32gの生成物を得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 174.6, 170.2, 104.2, 103.0, 96.3, 83.1, 78.0, 77.4, 75.2, 74.0, 73.0, 72.6, 70.9, 70.2, 68.8, 65.5, 63.4, 61.9, 49.5, 49.2, 44.5, 40.3, 39.2, 37.8, 36.0, 35.0, 33.4, 33.0, 28.6, 27.7, 27.0, 26.7, 25.7, 25.4, 24.7, 24.3, 23.4, 22.9, 21.5, 18.6, 18.5, 16.3, 15.8, 14.4, 9.2。
(c)トリメチルシリル化 120mlのCH2Cl2中の15-アジドエリスロマイシンA 9-[O-(1-イソプロポキシ-シクロヘキシル)]オキシム(32.00g,34.4mmol)の溶液を氷上で不活性雰囲気下冷却し、30mlのCH2Cl2中のクロロトリメチルシラン(0.628ml,4.95mmol,0.15当量)と1-トリメチルシリルイミダゾール(12.1ml,82.6mmol,2.4当量)の溶液で処理した。5分後、反応を1Lの酢酸エチルで希釈し、連続して飽和NaHCO3、水、食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートした。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜10:1ヘキサン/アセトン+1%Et3Nの勾配)で精製して29gの生成物を得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 175.5, 170.5, 104.1, 102.7, 96.8, 81.4, 80.9, 79.2, 75.6, 74.0, 73.3, 73.2, 70.3, 67.8, 65.2, 65.0, 63.2, 49.7, 49.2, 44.5, 41.0, 38.3, 35.8, 34.4, 33.6, 33.2, 31.6, 29.8, 28.1, 26.7, 25.4, 24.3, 22.9, 22.6, 22.1, 21.7, 19.3, 18.4, 16.3, 15.1, 14.4, 14.1, 9.7, 1.0, 0.9。
(d)メチル化 55mlの新たに蒸留したTHFと55mlの乾燥DMSOの混合物中の上記工程(c)からの29gの完全保護オキシム(27.0mmol)の溶液に、27.05mlのエーテル中臭化メチルの2N溶液(54mmol,2当量)を添加した。結果の溶液を5℃に冷却し、窒素下に置いた後、55mlのDMSOで希釈した54mlのtBuOK(54mmol,2当量)をシリンジポンプで3時間かけて添加した。薄層クロマトグラフィー分析(5:1のトルエン/アセトン,NH4OH)が、出発原料が残っていないことを示したとき、200mlのNaHCO3飽和水溶液を加え、混合物を1Lの酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートした。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜10:1 ヘキサン/アセトン+1%Et3Nの勾配)で精製して30gの生成物を得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 175.7, 169.8, 103.7, 102.6, 96.2, 80.8, 79.1, 78.6, 77.9, 73.7, 73.3, 73.1, 73.0, 69.7, 65.1, 65.1, 62.8, 51.1, 49.7, 49.1, 45.3, 41.0, 39.8, 37.7, 35.8, 34.6, 33.6, 33.1, 29.6, 28.0, 26.5, 25.6, 24.5, 24.4, 22.9, 22.2, 22.0, 20.2, 19.5, 18.6, 16.2, 15.8, 15.1, 9.6, 1.0, 0.8。
(e)シリルの除去とアセタール保護 150mlのアセトニトリル中の上記生成物6-O-メチル-2',4”-ビス-O-トリメチルシリル-15-アジドエリスロマイシンA 9-[O-(1-イソプロポキシ-シクロヘキシル)]-オキシムの溶液を75mlの水と90mlの酢酸で処理し、18時間周囲温度で撹拌した。2-プロパノールを添加後混合物を濃縮してからトルエンを添加後濃縮した。残留物のシリカゲル上クロマトグラフィー(2:1〜1:1 ヘキサン/アセトン+1%Et3Nの勾配)により、白色固体として20gの6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシムを得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 175.4, 169.7, 102.8, 96.1, 80.4, 78.8, 78.4, 78.0, 73.8, 73.0, 72.7, 71.1, 70.0, 68.6, 65.6, 65.5, 51.1, 49.5, 49.1, 45.7, 45.0, 40.3, 39.3, 37.4, 34.9, 32.6, 29.0, 27.8, 25.3, 21.4, 20.0, 19.8, 18.6, 16.1, 15.7, 15.0, 10.6, 9.1。
(f)脱オキシム 350mlの1:1 エタノール/水中の6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA 9-オキシム(20g,25.1mmol)とヒドロ亜硫酸ナトリウム(85%,52.0g,254mmol,10当量)の溶液を不活性雰囲気下に置いた。ギ酸(4.82ml,127.8mmol,5当量)を一滴ずつ添加し、混合物を80℃で4.5時間撹拌した。周囲温度に冷却後、6NのNaOHで反応をpH10に調整し、250mlずつの酢酸エチルで3回抽出した。有機抽出物を混ぜ合わせ、連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして16gの6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンAを得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 221.0, 175.6, 102.8, 96.1, 80.6, 78.4, 78.3, 77.9, 74.0, 72.7, 72.6, 70.9, 68.7, 68.7, 65.8, 65.6, 50.6, 49.5, 49.0, 45.2, 44.9, 40.2, 39.4, 39.4, 37.1, 34.8, 28.7, 27.6, 25.3, 21.4, 19.7, 18.7, 17.9, 16.0, 15.6, 12.4, 9.0。
実施例81
2'-O-ベンゾイル-6-O-メチル-3-デスクラジノシル-11-アミノ-11-デオキシ-3-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
(a)2'及び4''ヒドロキシル基のベンゾイル化 28mlのテトラヒドロフランと112mlの酢酸エチルの混合物中の14gの6-O-メチル-15-アジドエリスロマイシンA(17.7mmol,1.0当量)の溶液に、周囲温度で11.62gの無水安息香酸(51.4mmol,2.9当量)、2.17gの4-(ジメチルアミノ)ピリジン(17.7,1当量)、及び7.28mlのトリエチルアミン(52.3mmol,3当量)を連続して添加した。結果の溶液を3日間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(5:1 トルエン/アセトン,NH4OH)による分析により、残存出発原料が10%未満であることが分かった。200mlの飽和NaHCO3の添加後、結果の混合物を2×600mlの酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を混ぜ合わせ、連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてかすかに黄色の固体を得た。シリカゲル上カラム精製(8:1 ヘキサン/アセトン,+1%Et3N〜4:1 ヘキサン/アセトン,+1%Et3N)で12gの2',4”-ジベンゾエート生成物を得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 220.9, 175.2, 166.1, 165.3, 133.3, 132.6, 130.8, 129.8, 129.6, 129.6, 128.3, 128.2, 100.2, 95.7, 80.3, 78.8, 78.2, 77.6, 73.8, 72.9, 72.7, 72.4, 68.7, 67.5, 63.6, 63.5, 50.3, 49.6, 48.9, 46.2, 45.1, 44.6, 40.8, 38.8, 38.5, 37.1, 35.2, 31.6, 27.6, 21.2, 19.8, 18.4, 17.7, 16.0, 15.5, 12.2, 9.3。
(b)カルバメート生成 42mlの新たに蒸留したTHFと15mlの乾燥DMFの混合物中の上記工程(a)からの12g(12.0mmol)の2',4”-ジベンゾエートの溶液に、8.8gの固体1,1-カルボニルジイミダゾール(54.3,4.5当量)を添加した。結果の混合物を窒素下20分間周囲温度で撹拌後、THF中のナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)の2N溶液8ml(16mmol,1.3当量)を一滴ずつ添加した。結果の混合物を一晩中窒素下撹拌した。混合物の温度を-15℃に下げ、ドライアイス凝縮器で無水アンモニアガスを凝縮して液体NH3を加えた。混合物をキャップし、2時間-15℃で撹拌した。液体NH3を再び上記混合物に滴下後、混合物をキャップして更に2時間0℃で撹拌した。3回目の液体NH3を混合物に滴下後、混合物をキャップして0℃で更に1時間撹拌した。上記混合物の温度を室温に戻した後、THF中のカリウムtert-ブトキシドの1N溶液15ml(15mmol,1.2当量)を一滴ずつ添加し、混合物を一晩中窒素下撹拌した。混合物を飽和NaHCO3で希釈し、2×600mlの酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を混ぜ合わせ、連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてかすかに黄色の固体を得、更に精製せずに次工程の反応で使用した。
(c)クラジノース(cladinose)除去 工程(b)からの粗生成物を120mlのEtOHと120mlの2N HCl水溶液に溶かし、結果の溶液を45℃で4時間加熱した。溶液を室温に冷まし、4N NaOHを添加してpHを9に調整した。混合物を2×500mlの酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を混ぜ合わせてから連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートした。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン/アセトン+1%Et3N〜1:1 ヘキサン/アセトン+1%Et3Nの勾配)で精製して5.7gの生成物を得た。13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 217.7, 174.8, 265.3, 158.0, 132.6, 130.6, 129.7, 128.2, 99.7, 83.4, 80.7, 77.9, 77.5, 72.1, 71.9, 68.9, 63.2, 57.9, 49.5, 48.4, 45.2, 43.9, 40.7, 38.7, 37.0, 35.8, 31.9, 28.5, 21.0, 19.2, 18.0, 14.8, 13.7, 13.3, 7.7。
実施例82
2'-O-ベンゾイル-6-O-メチル-3-デスクラジノシル-11-アミノ-11-デオキシ-3-15-アミノエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメートハイドロクロライド
400mgの炭素上10%活性化パラジウムを窒素下丸底フラスコ内に量り入れ、50mlのメタノールをゆっくり加え、引き続き400mgの2'-O-ベンゾイル-6-O-メチル-3-デスクラジノシル-11-アミノ-11-デオキシ-3-15-アジドエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート(0.53mmol)(実施例81)及び0.13mL(2当量)の塩化トリメチルシリルを添加した。フラスコ内の雰囲気を水素バルーンで3回パージ後、フラスコを閉じ、水素雰囲気下で一晩中激しく撹拌した。混合物をろ過し、固体を3×50mlのメタノールで洗浄した。合わせたメタノール溶液を真空下エバポレートして380mgのアミンハイドロクロライドを得、更に精製せずに次反応で使用した。
実施例83
2'-O-ベンゾイル-6-O-メチル-3-デスクラジノシル-11-アミノ-11-デオキシ-3-15-アミノエリスロマイシンA 11,12-環式カルバメートハイドロクロライドからの15-アミドケトライド生成の一般的な手順
(a)2mlの乾燥ジメチルホルムアミド中の実施例82からの26mgのアミンハイドロクロライド塩、1.3当量のR1COOH、及び1.2当量の1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの溶液に、周囲温度で1.2当量の1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド、及び3当量のトリエチルアミンを添加した。混合物を一晩中撹拌後、30mlの飽和NaHCO3で希釈し、50mlのCH2Cl2で抽出した。有機抽出物を連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてかすかに黄色の固体を得、更に精製せずに次工程の反応で使用した。
(b)2mlのCH2Cl2中の上記工程(a)からの3-ヒドロキシル化合物の溶液に過剰量のNaHCO3とデス-マーチン(Dess-Martin)ペリオジナン(periodinane)(4当量)を添加し、結果の混合物を周囲温度で30分間撹拌した。混合物を15mLのチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液と10分間処理してから飽和NaHCO3で希釈し、CH2Cl2で抽出し、有機抽出物を連続して飽和NaHCO3、水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートしてかすかに黄色の固体を得、更に精製せずに次工程の反応で使用した。
(c)上記工程(b)からの化合物を2mlのメタノールに溶かし、撹拌しながら一晩中70℃で加熱した。真空下メタノールのエバポレーションによって黄色固体を得、フラッシュカラムで精製して最終的な15-アミドケトライドを得た。
実施例84
11-アミノ-11-デオキシ-3-デスクラジノシルオキシ-3-オキソ-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)-エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
この化合物は、実施例83の方法に従い3-(2-フリル)フェニル酢酸を用いて調製した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.53 (m, 2H), 7.45 (d, J = 1.8Hz, 1H), 7.40 (t, J = 7.6Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.6Hz , 1H), 6.65(d, J = 3.3Hz, 1H), 6.45 (d,d, J = 1.8Hz, J = 3.3Hz ,1H), 5.92 (s, 1H), 5.64 (s, 1H), 4.89 (d, J = 5.6Hz, 1H), 4.25 (d, J = 7.2Hz, 1H), 4.13 (d, J = 8.0Hz, 1H), 3.75 (q, J = 6.4Hz, 1H), 3.63 (s, 1H), 3.53 (m, 5H), 3.13 (m, 1H), 2.96 (m, 1H), 2.83 (m, 1H), 2.71 〜 2.30 (m, 6H), 2.22 (s, 6H), 2.01 〜 1.57 (m, 5H), 1.40 (s, 3H), 1.34 (d, J = 6.8Hz, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.24 (d, J = 7.6Hz, 3H), 1.21 (d, J = 6.0Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.4Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.0Hz, 3H)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 217.8, 203.9, 170.7, 169.4, 157.4, 153.4, 142.1, 135.2, 131.4, 129.3, 128.2, 124.7, 122.6, 111.6, 105.4, 103.8, 82.9, 79.2, 77.9, 72.9, 70.2, 69.5, 65.8, 57.8, 51.0, 49.1, 48.0, 44.4, 43.6, 40.1, 39.7, 37.3, 36.6, 29.2, 28.1, 21.1, 19.3, 17.6, 16.5, 16.5, 14.2, 13.5, 13.2。
実施例85
11-アミノ-11-デオキシ-3-デスクラジノシルオキシ-3-オキソ-15-(3-キノリルアセトアミド)-エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
この化合物は、実施例83の方法に従い3-キノリル-酢酸を用いて調製した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 8.78 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.62 (t, J = 8.0Hz , 1H), 7.48(d, J = 7.6Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 5.74 (s, 1H), 4.94 (d, d, J = 2.4Hz, J = 10Hz, 1H), 4.25 (d, J = 7.2Hz, 1H), 4.12 (d, J = 8.0Hz, 1H), 3.75 (q, J = 6.8Hz, 1H), 3.70 〜 3.42 (m, 6H), 3.16 (m, 1H), 2.95 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.60 〜 2.50 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.28 (s, 6H), 1.97 (m, 1H), 1.78 〜 1.56 (m, 4H), 1.40 (s, 3H), 1.33 (d, J = 6.8Hz, 3H), 1.26 (s, 3H), 1.23 (d, J = 8.0Hz, 3H), 1.20 (d, J = 6.4Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.8Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.4Hz,3H)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 217.9, 203.9, 169.9, 169.6, 157.5, 151.6, 147.2, 136.0, 129.2, 129.0, 127.9, 127.8, 127.7, 126.7, 103.8, 83.0, 79.4, 77.9, 72.9, 70.2, 69.5, 65.7, 57.8, 51.0, 49.2, 48.2, 44.4, 40.6, 40.2, 39.8, 37.3, 35.7, 29.1, 28.0, 21.1, 19.4, 17.5, 16.7, 16.7, 14.2, 13.6, 13.2。
実施例86
11-アミノ-11-デオキシ-3-デスクラジノシルオキシ-3-オキソ-15-(2-([1,2,4]-トリアゾル-1-イル)ピリダ-5-イルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
この化合物は、実施例83の方法に従い2-([1,2,4]-テトラゾル-1-イル)ピリダ-5-イル酢酸を用いて調製した。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 9.11 (s, 1H), 8.34 (s,1H), 8.11(d, 1H), 7.86 (m, 2H), 6.21 (s, 1H), 5.92 (s, 1H), 4.82 (d, d, J = 2.0Hz, J = 10.4Hz, 1H), 4.25 (d, J = 7.6Hz, 1H), 4.10 (d, J = 8.8Hz, 1H), 3.75 (q, J = 6.4Hz, 1H), 3.71 〜 3.46 (m, 6H), 3.16 (m, 1H), 2.96 (m, 1H), 2.82 (m, 1H), 2.71 〜 2.40 (m, 3H), 2.49 (s, 3H), 2.32 (s, 6H), 2.02 〜 1.96 (m, 1H), 1.82 〜 1.55 (m, 4H), 1.43 (s, 3H), 1.37 (d, J = 7.0Hz, 3H), 1.27 (s, 3H), 1.24 (d, J = 4.0Hz, 3H), 1.23 (d, J = 6.4Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.8Hz, 3H), 1.10 (d, J = 6.8Hz, 6H)。
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 217.7, 203.7, 169.9, 169.5, 157.5, 148.6, 148.4, 141.4, 140.0, 130.5, 129.6, 113.2, 82.9, 79.5, 78.0, 72.8, 70.2, 69.5, 65.8, 57.8, 51.0, 49.0, 48.3, 44.3, 40.1, 39.9, 39.7, 37.3, 35.4, 29.2, 28.9, 28.1, 21.1, 19.4, 17.5, 17.1, 14.2, 13.6, 13.2。
実施例87
11-アミノ-11-デオキシ-3-デスクラジノシルオキシ-3-オキソ-15-(4-(3-ピリジル)イミダゾル-1-イルアセトアミド)エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
この化合物は、実施例83の方法に従い4-(3-ピリジル)イミダゾル-1-イル酢酸を用いて調製した。
実施例88
3-(2-フラニル)フェニル酢酸の調製
(a)メチル3-ブロモフェニルアセテート 5mlのメタノール中0.710gの3-ブロモフェニル酢酸(3.28mmol)の溶液に、溶液が黄色になるまでトリメチルシリルジアゾメタンを一滴ずつ添加し、次いで溶液が再び透明になるまで酢酸を一滴ずつ添加した。真空下溶媒を蒸発させてブロモフェニル酢酸のメチルエステルを得、更に精製せずに次工程の反応で使用した。
(b)メチル3-(2-フラニル)フェニルアセテート 上記エステル、2-フランホウ素酸(1.44g,12.78mmol,3.9当量)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.38g,0.33mmol)を丸底フラスコ内に量り入れた。混合物を30分間脱気後、50mlの新たに蒸発したTHFと2mLの脱気した炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えた。結果の混合物を50℃で一晩中加熱した。室温に冷ました後、溶液を真空下濃縮した。カラム精製(5:1 ヘキサン/EtOAcから4:1 ヘキサン/EtOAcの勾配)によって0.40gの3-フラニルフェニル酢酸メチルエステルを得た。
(c)3-(2-フラニル)フェニル酢酸 5mlのメタノール中の工程(b)からのメチル3-(2-フラニル)フェニルアセテートの溶液に10mlの1N NaOH水溶液を加え、結果の溶液を一晩中撹拌後、40mlの1N NaOH水溶液で希釈し、2×30mlのCH2Cl2で洗浄した。水溶液を2N HClで酸性にし、3×30mlのCH2Cl2で抽出した。有機抽出物を混ぜ合わせ、MgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートし、金色の固体として0.32gの生成物を得た。
実施例89
アリール-及びヘテロアリール-酢酸の一般的な調製
マイクロ波反応バイアルに30mgの酢酸パラジウム(II)(0.13mmol,13mol%)、73mg(0.18mmol,18%)の(2-ジクロロヘキサニルホスフィノ)-2'-(N,N-ジメチル)ビフェニルを加え、バイアルを窒素下15分間脱気後、2mlの脱気した乾燥トルエンを添加した。結果の溶液を10分間撹拌後、窒素下1.5mlのカリウムtert-ブトキシドのTHF中1N溶液とジ-tブチルマロネート(3mmol,3当量)を添加した。結果の混合物を10分間撹拌後、臭化アリール又は臭化ヘテロアリール(1mmol)を加えた。混合物をマイクロ波反応器内180℃で3分間加熱し、薄層クロマトグラフィー分析(5:1 トルエン/アセトン)で出発原料がなくなるまで繰り返した。次いで混合物にメタノールを添加後、真空下濃縮した。混合物を部分的に再びCH2Cl2に溶かし、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラム(15:1 ヘキサン/アセトンから5:1 ヘキサン/アセトン)で精製して約200mgの黄色固体を得た。10mlのトルエン中の該固体に1mlのトリフルオロ酢酸を加え、結果の溶液を100℃で3時間加熱した。真空下溶媒を蒸発させて約80mgの最終生成物を得た。
この一般手順で調製される化合物としては、
(a)3-ブロモキノリンを用いる3-キノリル酢酸;及び
(b)2-([1,2,4]テトラゾル-1-イル)-5-ブロモ-ピリジンを用いる2-([1,2,4]-トリアゾル-1-イル)ピリダ-5-イル-酢酸が挙げられる。
実施例90
4-(3-ピリジル)イミダゾル-1-イル酢酸の調製
2mlの乾燥ジメチルホルムアミド中55mgの4-(3-ピリジル)イミダゾール(0.38mmol,1.0当量)の溶液に15.5mgのNaH(60%)(0.38mmol,1.0当量)を添加し、混合物を10分間激しく攪拌後、0.05mlのtert-ブチルブロモアセテート(0.34mmol,0.9当量)を一滴ずつ添加した。結果の溶液を70℃で30分間撹拌後、20mlの水で希釈し、3×30mlの酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を混ぜ合わせ、引き続き水、及び食塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過かつエバポレートして60mgのかすかに黄色の固体を得た。
5mlのCH2Cl2中の上記固体の溶液に5mlのトリフルオロ酢酸を添加し、結果の溶液を室温で3時間撹拌した。真空下溶媒を蒸発させて35mgの最終生成物を得た。
実施例91
11-アミノ-11-デオキシ-3-デスクラジノシルオキシ-2-フルオロ-3-オキソ-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)-エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメート
Figure 2005538927
新たに蒸留したテトラヒドロフラン中の11-アミノ-11-デオキシ-3-デスクラジノシルオキシ-3-オキソ-15-(3-(2-フリル)フェニルアセトアミド)-エリスロマイシンA 11,12-環式カルバメートの溶液(0.2mmol/ml)に、N2下、-78℃で3.5当量のtBuOK(THF中の1N溶液)を一滴ずつ添加した。結果の溶液の温度を徐々に-40℃〜-20℃に上昇させ、この温度で溶液を10分間撹拌後、N-フルオロベンゼンスルホンイミドのTHF溶液(0.6mmol/ml)を一滴ずつ添加した。結果の溶液の温度を0℃〜-10℃に上げ、この温度で混合物を4時間攪拌後、100mlの酢酸エチルと30mlのNaHCO3飽和水溶液で希釈した。有機層を分け、引き続き水と食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、真空下濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(2:1 ヘキサン/アセトン+1%Et3N)で精製した。
引き続きメタノール中50℃で加熱して脱ベンゾイルし、カラム精製して最終生成物を得た。
実施例92
微生物活動
好気的に成長する細菌に対する感受性試験のNCCLSブロス微量希釈手順によって最小阻害濃度("MICs")を決定した(国家臨床検査室基準委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards),1997.好気的に成長する細菌に対する希釈抗微生物感受性試験の方法,第4版.承認基準.NCCLS文書M7-A4.国家臨床検査室基準委員会,Villanova,PA.)。試験日に原液を調製し、適量をカチオン調整ミュラー-ヒントンブロス(cation adjusted Mueller-Hinton broth(CAMHB))又はヘモフィルス(Haemophilus)試験培地に添加した。2倍段階希釈物を調製し、微量定量プレート内のウェルに添加した。最終試験濃度は、16〜0.015ug/mlの範囲だった。ストレプトコッカス・ニュモニエ(Streptococcus pneumoniae)とヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilius influenzae)以外のすべての試験細菌の終夜プレート上における成長から接種した細菌のブロス培養を35℃でインキュベートしてからKirby Bauer標準に調整し、CAMHB内で希釈して約5×105CFU/mlの最終接種材料濃度を達成した。S・ニュモニエとH・インフルエンゼの接種材料は、終夜プレートからのコロニーを直接懸濁させ、濁度を調整し、上述したように希釈して調製した。S・ニュモニエ培地は2.5%の溶解ウマ血液で補足した。S・ニュモニエとヘモフィルスインフルエンゼについては20〜24時間、他のすべての細菌については16〜20時間、すべてのプレートを周囲空気内35℃でインキュベートした。試験細菌の成長を完全に阻害した試験化合物の最低濃度を読み取ってMIC終点を決定した。上記実施例で述べた化合物についての結果を下表1に示す。
Figure 2005538927
nd = 決定せず。
以上、説明書のつもりで本発明について述べたが、本技術の当業者は、本発明を種々の形態で実施でき、かつ前記説明及び実施例は、発明者らが考える最良の形態を述べたものであるが、例示目的であり、特許請求の範囲の限定でないことを認めるだろう。特許、特許出願、PCT公開、論文、教科書などを含む本明細書で引用したすべての参考文献、及びその中で引用されている参考文献は、まだ取り込まれていない範囲まで参照によってその全体が本明細書に取り込まれる。
本発明の方法により調製される種々の15-アミドエリスロマイシンを示す。 本発明の方法で調製可能な更なる15-アミドエリスロマイシンのいくつかの実施形態を示す。 本発明の特定マクロライドの調製に使用可能な合成手順を示し、R1は、本明細書の定義どおりであり、図1と図2に示されるいずれの基をも含みうる。

Claims (31)

  1. 下記式を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
    Figure 2005538927
    (式中、
    1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
    2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
    3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
    4は、H又はOHであり;
    5は、H、OH、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
    6は、OH又はOMeであり;かつ
    m=0〜2である。)
  2. 2が、Hであり、かつmが、0である請求項1の化合物。
  3. 2が、Hであり、かつmが、1である請求項1の化合物。
  4. 2が、Hであり、かつmが、2である請求項1の化合物。
  5. 1が、下記式を有する基である請求項1の化合物。














    Figure 2005538927
  6. 下記式を有する請求項1の化合物。



















    Figure 2005538927
  7. 下記式を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
    Figure 2005538927
    (式中、
    3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
    4は、H又はOHであり;
    5は、H、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
    8は、H又はFであり;かつ
    m=0〜2である。)
  8. m=0である請求項7の化合物。
  9. m=1である請求項7の化合物。
  10. m=2である請求項7の化合物。
  11. 下記式を有する請求項7の化合物。
    Figure 2005538927
  12. 下記式を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
    Figure 2005538927
    (式中、
    1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
    2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
    3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
    4は、H又はOHであり;
    5は、H、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
    8は、H又はFであり;かつ
    m=0〜2である。)
  13. m=0である請求項12の化合物。
  14. m=1である請求項12の化合物。
  15. m=2である請求項12の化合物。
  16. 1が、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;かつR2がHである請求項12の化合物。
  17. 1が、下記式を有する基である請求項12の化合物。
    Figure 2005538927
  18. 下記式を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
    Figure 2005538927
    (式中、
    1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
    2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
    3は、H、C1-C4アルカノイル、又はベンゾイルであり;
    5は、H、C1-C4アルコキシ、C2-C4アルケニルオキシ、又はC2-C4アルキニルオキシであり;
    8は、H又はFであり;
    Xは、O又はNR7(式中、R7は、C1-C4アルキル、又はC6-C20アリールアルキルである)であり;かつ
    m=0〜2である。)
  19. 2が、Hである請求項18の化合物。
  20. 1が、C6-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり、かつR2がHである請求項18の化合物。
  21. 1が、C6-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり、R2がHであり、かつXがNHである請求項18の化合物。
  22. 1が、下記式を有する基である請求項18の化合物。
























    Figure 2005538927
  23. 下記式を有する請求項18の化合物。
    Figure 2005538927
    (式中、R9は、H又はFである。)
  24. 下記式を有する化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
    Figure 2005538927
    (式中、
    1は、C1-C8置換若しくは無置換アルキル、C2-C8置換若しくは無置換アルケニル、C2-C8置換若しくは無置換アルキニル、C4-C15置換若しくは無置換アリール、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換ビアリールアルキル、C5-C20置換若しくは無置換アリールアルケニル、又はC5-C20置換若しくは無置換アリールアルキニルであり;
    2は、H、C1-C4置換若しくは無置換アルキル、C2-C4置換若しくは無置換アルケニル、又はC2-C4置換若しくは無置換アルキニルであり;
    4は、H又はOHであり;
    6は、OH又はOMeであり;
    9は、H又はC1-C4アルキルであり;かつ
    m=0〜2である。)
  25. 請求項1、7、12、18、又は24のいずれか1項の化合物と、薬学的に許容しうるキャリヤーとを含んでなる医薬製剤。
  26. 請求項1、7、12、18、又は24のいずれか1項の化合物を、細菌感染を有する患者に投与することを含む細菌感染の治療方法。
  27. 前記細菌感染が、グラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌から成る群より選択される細菌に起因する、請求項26の方法。
  28. 前記細菌が、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ニュモニエ、ストレプトコッカス・ピロゲネス、腸球菌、モラクセラ・カタラーリス、及びヘモフィルス・インフルエンゼから成る群より選択される、請求項27の方法。
  29. 前記細菌感染が、院外感染性肺炎、急性悪化慢性気管支炎、急性副鼻腔炎、扁桃腺炎、咽頭炎、上気道感染、下気道感染、皮膚感染、軟組織感染、髄膜炎、院内感染、骨感染、及び関節感染から成る群より選択される、請求項26の方法。
  30. 胃運動機能疾患を有する患者に請求項1の化合物を投与することを含む胃運動機能疾患の治療方法。
  31. 前記胃運動機能疾患が、胃食道逆流病(GERD)、術後腸閉塞、糖尿病、及び胃不全麻痺から成る群より選択される、請求項30の方法。
JP2003561615A 2002-01-17 2003-01-17 アミドマクロライド Pending JP2005538927A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US35015302P 2002-01-17 2002-01-17
PCT/US2003/001398 WO2003061671A1 (en) 2002-01-17 2003-01-17 Amido macrolides

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005538927A true JP2005538927A (ja) 2005-12-22

Family

ID=27613367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003561615A Pending JP2005538927A (ja) 2002-01-17 2003-01-17 アミドマクロライド

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP1471923A4 (ja)
JP (1) JP2005538927A (ja)
CA (1) CA2471383A1 (ja)
WO (1) WO2003061671A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8063021B2 (en) 2002-01-17 2011-11-22 Kosan Biosciences Incorporated Ketolide anti-infective compounds
PL1846430T3 (pl) * 2005-02-09 2009-08-31 Basilea Pharmaceutica Ag Nowe makrolidy
US8278281B2 (en) 2005-08-24 2012-10-02 Rib-X Pharmaceuticals, Inc. Triazole compounds and methods of making and using the same
CN101973979B (zh) * 2010-10-27 2013-04-17 浙江大学 一种抗菌化合物及其应用
CN102707059A (zh) * 2012-05-31 2012-10-03 华中农业大学 一种检测泰乐菌素和替米考星残留的胶体金试纸条及其使用方法和应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6100240A (en) * 1998-10-09 2000-08-08 Pfizer Inc Macrolide derivatives

Also Published As

Publication number Publication date
EP1471923A1 (en) 2004-11-03
WO2003061671A1 (en) 2003-07-31
EP1471923A4 (en) 2006-01-11
CA2471383A1 (en) 2003-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6458771B1 (en) Ketolide antibacterials
US6395710B1 (en) Macrolide antiinfective agents
US6825171B2 (en) Erythromycin derivatives
US6590083B1 (en) Ketolide antibacterials
US6939861B2 (en) Amido macrolides
US6514944B2 (en) Macrolide antiinfective agents
JP2005538927A (ja) アミドマクロライド
US6451768B1 (en) Macrolide antiinfective agents
US6825172B2 (en) 3-descladinosyl-6-O-carbamoyl and 6-O-carbonoyl macrolide antibacterial agents
EP1171448A2 (en) Macrolide antiinfective agents
MXPA00006602A (en) Novel erythromycin derivatives