JP2005538756A - 再狭窄を阻害するためのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を含んでなる医療デバイス - Google Patents

再狭窄を阻害するためのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を含んでなる医療デバイス Download PDF

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Abstract

抗再狭窄コーティングを有する移植可能な医療デバイスが開示されている。具体的には、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質のコーティングを有する移植可能な医療デバイスが開示されている。この抗再狭窄タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質は、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド・メタンスルホン酸塩、及び薬学的に許容できるその誘導体(イマチニブ・メシレート)である。この医療デバイスには、ステント、カテーテル、微粒子、プローブ、及び血管移植片が含まれる。この医療デバイスは、コーティングの前に、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を生体適合性ポリマーと配合することを包含する当該技術分野で公知の方法を使用してコートされることができる。更に、生体適合性ポリマー−タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質ブレンドから構成される医療デバイス組成物も開示されている。更には、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を少なくとも1種の追加治療剤と一緒に含んでなるコーティングを有する医療デバイスも開示されている。更には、抗再狭窄性の移植可能な医療デバイスを使用し及び製造する関連する方法も開示されている。

Description

発明の分野
本願は、医療デバイス、及び再狭窄を治療又は阻害するために医療デバイスを使用する方法に関する。具体的には、本発明は、抗再狭窄性化合物の in situ 制御放出送逹を提供するステントに関する。より具体的には、本発明は、再狭窄のリスクがある組織へ抗再狭窄有効量のイマチニブ・メシレートを提供する血管ステントを提供する。
発明の背景
心臓血管疾患、具体的には、粥状動脈硬化症は、先進国における主要な死亡原因であり続けている。粥状動脈硬化症は、血管内腔の狭まり又は狭窄をもたらす多要因疾患である。簡単に説明すると、血管内皮傷害からもたらされる病的炎症反応が、単球及び血管平滑筋細胞(VSMC)を内皮下層から動脈壁内膜層に遊走させる。そこでVSMCが増殖して細胞外マトリックスを堆積して、血管壁を肥厚させて血管開通性を少なくする。
狭窄冠状動脈によって起こる心臓血管疾患は、通常、冠状動脈バイパス移植(CABG)手術又は血管形成術のいずれかを使用して治療される。血管形成術は、バルーンカテーテルが冠状動脈に挿入されて、血管狭窄部位に到達するまで先に進まされる経皮的操作である。次いで、バルーンが膨らまされて動脈開通性が修復される。1つの血管形成術の変形に、動脈ステント展開がある。簡単に説明すると、動脈開通性が修復された後、そのバルーンは萎められ、そして血管ステントがその狭窄部位の血管内腔に挿入される。次いで、カテーテルがその冠状動脈から抜き出され、そして新たに開かれた動脈が自発的に収縮するのを阻止するために展開されたステントが移植されたままとなる。しかしながら、バルーンカテーテル挿入及びステント展開は血管に傷害をもたらすので、最終的に以前に開かれた動脈内でのVSMC増殖と内膜新形成をもたらす。この生物学的プロセスによって以前に開かれた動脈が再閉塞することを再狭窄と言う。
再狭窄を治療するには、重度の場合には、概して、より侵襲的な、CABGを包含する追加操作が必要になる。結局、再狭窄を阻止し又は初期形態を治療する方法が積極的に続けられている。再狭窄を阻止する1つの可能な方法は、単球の局所的侵襲/活性化を遮断し、かくしてVSMC増殖及び遊走を始めさせ得る増殖因子の分泌を阻止する抗炎症性化合物の投与である。他の潜在的な抗再狭窄性化合物には、ラパマイシン及びパクリタキセル (paclitaxel) を含む化学療法剤のような抗増殖剤が含まれる。ラパマイシンは、臓器移植拒絶反応阻害物質として最もよく知られている免疫抑制剤であると一般に考えられている。しかしながら、ラパマイシンは、重度の酵母感染症及び一定形態の癌を治療するのにも使用されている。その商品名である TaxolTMによって知られているパクリタキセルは、種々の癌、最も銘記すべきは乳癌を治療するために使用される。
しかしながら、抗炎症性及び抗増殖性化合物は、抗再狭窄有効量で全身投与されたときは有害であり得る。更に、阻害されなければならない正確な細胞機能、及び長期の血管開通性(6カ月より長い)を達成するのに必要な阻害期間が現時点では分かっていない。更に、それら各々の薬剤は、独自の治療期間と送逹速度を必要とし得ると考えられる。従って、抗再狭窄的にコートされたステントを使用する in situ 又は部位特異的薬剤送逹が、臨床研究の大きな焦点になっている。
ステントをベースとする抗再狭窄性送逹に関する最近のヒト臨床研究は、ラパマイシンとパクリタキセルが中心になっている。両方の場合において、優れた短期間抗再狭窄効果が証明されている。しかしながら、血管浸蝕を含む副作用も見られる。血管浸蝕は、ステントに不安定性をもたらし、更には血管傷害をももたらし得る。更には、その細胞阻害の程度は、正常な再内皮形成が起こらないほどである。内皮が張られることは、血管の弾性を維持する上で、及び酸化窒素の内因性供給源として必須である。従って、局所的抗再狭窄効果を発揮しつつ血管及び細胞損傷を最小限にする化合物が、薬剤送逹ステントが長期間にわたって成功するのに必須である。
発明の要旨
本発明は、抗再狭窄組織レベルのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を全身的副作用なしに投与するために使用され得る in situ 薬剤送逹プラットフォームを提供する。本発明の1つの態様では、その薬剤送逹プラットフォームは、ステント、カテーテル、微粒子、プローブ、及び血管移植片を含むがこれらに限定されない医療デバイスである。
本発明の別の態様では、血管ステントは、イマチニブ・メシレート(imatinib mesylate) でコートされる。イマチニブ・メシレートは、薬剤放出性プラットフォームを提供するあらゆる手段を使用して、血管ステントの表面に付着され得る。コーティング方法には、析出、同時集積、及び結晶化を含まれるが、これらに限定されない。本発明のイマチニブ・メシレートは、共有結合で又はイオン的に結合されても、水素結合及び van der Waals 力を含むがこれらに限定されない他の分子間相互作用を介して結合されてもよい。
本発明の別の態様では、イマチニブ・メシレートは、適する生体適合性ポリマーと複合化される。次いで、そのポリマー−薬剤複合体は、予め形成された医療デバイスの中に一体化された制御放出性医療デバイスを形成するために使用されるか、又は医療デバイスをコートするために使用される。それら生体適合性ポリマーは、臨床的に関連する逆反応を起こさないどのような非血栓形成性材料であってもよい。制御薬剤放出を達成する他の材料が、本発明の一部として意図される。
更に、本発明のイマチニブ・メシレートは、細胞障害性、細胞増殖抑制性、抗代謝性、抗炎症性化合物を含む他の抗再狭窄性化合物と組み合わされてもよい。
本発明の別の態様では、抗再狭窄性化合物コーテッドステントは、その医療デバイス配置部位で相乗的又は追加的効果を達成する同じか又は別の抗再狭窄性化合物の全身的送逹と組み合わせてもよい。これは、非毒性で治療的レベルのイマチニブ・メシレートと他の抗再狭窄治療剤の両方が組み合わされて用量特異的相乗効果を達成することができる点で特に有利である。
本発明の1つの態様では、イマチニブ・メシレートは、金属製ステントの表面に直接コートされる。
本発明の別の態様では、ステントは、イマチニブ・メシレートがその中に分散された生体分解性ポリマーでコートされる。
本発明の別の態様では、ステントは、イマチニブ・メシレートがその中に分散された非生体非分解性ポリマーでコートされる。
本発明の別の態様では、イマチニブ・メシレートがその中に分散された第1ポリマー層と、その第1ポリマー層を覆って提供される第2層のポリマーでコートされる。
本発明の別の態様では、ステントには、イマチニブ・メシレートコーティング及び、それと組み合わされた、抗血小板凝集剤、抗遊走剤、抗線維化剤、抗増殖剤及び/又は抗炎症剤の少なくとも1種が提供される。
本発明の別の態様では、ステントは、血管ステント、胆道ステント、食道ステント、及び尿道ステントからなる群から選択される。
本発明の別の態様では、ステントは、ポリマーステントである。
本発明の追加の態様が、以下の図面と詳細な説明から当業者に明らかとなろう。
発明の詳細な説明
本発明は、機械的外傷、手術傷害、及び遺伝的異常を包含する病的又は正常な生物学的プロセスの結果として閉塞した解剖学的内腔への開通性を修復することに関する。本発明は、血管、胆道のような道管、及び食道や尿道を含むより広い内腔が含まれるがこれらに限定されないあらゆる解剖学的内腔の開通性を修復しかつ維持するために使用され得る。更には、移植部位関連狭窄も、本発明の教示を使用して治療されることができる。
本発明の1つの態様では、狭窄した内腔は、動脈、特に冠状動脈である。狭窄した冠状動脈は、一般に、冠状動脈の内張りの上に堆積するプラークから生じる。現在のモデルでは、この病因はライフスタイル及び食事に関連した血管傷害であるとされている。血管プラークの2つの主要なカテゴリー、つまり脆弱プラークと安定プラークが、環状動脈疾患(CAD)の90%以上を起こしていると考えられる。両方のタイプのプラークは、本発明の教示と一致する介在物を必要とする狭窄を起こし得るとはいえ、脆弱プラークは、プラークの破裂とそれに関連する血栓形成プロセスから生じる心臓性突然死に、より高頻度に関係している。安定プラークは、厚い線維性キャップと、脆弱プラークに見られるよりも非晶質でなくて安定な小脂質コアの存在のために破裂する傾向にない。従って、介在物を必要とする血管狭窄の大多数は、安定プラークに関係している。
本発明の1つの態様では、経皮経管冠状動脈形成術(PTCA)又はバルーン血管形成術が、冠状、腸骨又は腎臓動脈に見出された狭窄を元に戻すために使用される。更には、本発明のPTCAは、ステント展開と組み合わされる。ステントは、メッシュ様構造又はコイルであって、血栓形成術バルーンに又は自己拡張性デバイス上に載せられたており、そして狭窄部のバルーン拡張後に動脈又は静脈に永久に配置されるものである。
典型的な操作では、患者は、心臓カテーテル挿入ラボに入れられ、そこで静脈注射液及び医薬品がPTCAを始める前に投与される。患者は、安堵感を得るために鎮静剤を静脈内投与されてもよい。次に、動脈及び静脈穿刺が行われ、そしてシースが挿入されて、ガイドワイヤと冠状動脈カテーテルが血管系へ接近する。冠状動脈カテーテルは、ガイドワイヤ上を進んで、ゆっくり冠状動脈の開口部の近くまで持ってこられる。次いで、ガイドワイヤが抜かれ、そして狭窄部の正確な位置と狭まりの度合いが見えるようにするためにX線コントラスト染料が環状動脈に向けて静脈注射される。患者の血圧、脈拍数、心電図、及び酸素飽和度が継続的にモニターされる。
冠状動脈の重度の狭窄が確認されたら、その狭窄領域を拡張するために血管形成術バルーンが膨らまされ、そして即時組織弾性反動と動脈の再閉塞を阻止するために血管ステントが展開される。正確なステント位置は、反復X線を、適切な場合には冠状動脈内超音波を使用して確認される。血管ステント挿入に伴う主な難題の1つが再狭窄である。再狭窄は、PTCA及びステント操作に伴う血管内皮への傷害から生じる。簡単に説明すると、バルーンカテーテルを膨らませるプロセスが、血管内膜層の内皮細胞を掻き取り得る。損傷した内皮細胞は、増殖因子、及び単球や血管平滑筋細胞(VSMC)を内皮下層から動脈壁内膜層に遊走させる他の遊走物質を分泌する。
本発明の他の態様には、腸骨動脈狭窄、重度の腎臓動脈狭窄に起因する腎臓高血圧、及び頸動脈狭窄が含まれるがこれらに限定されない末梢血管疾患のためのステント挿入操作が含まれる。更には、本発明の神経血管応用も、本発明の範囲内と考えられる。
特許請求の範囲及び以下の詳細な説明において、再狭窄を阻止するために使用される化合物は、イマチニブ・メシレート、GleevecTM、GlivecTM、Glivac、CGP 57148B、CGP 53716ST1-571、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質、抗再狭窄剤、抗再狭窄性化合物、薬剤、治療剤、抗増殖剤、細胞増殖抑制剤、細胞障害剤、又は抗代謝剤と言うことがある。GleevecTM及び GlivecTM は、Novartis AG Corporation Switzerland Ch-4002 4002 Basel Switzerland の商標であって、化合物:4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド・メタンスルホン酸塩(イマチニブ・メシレートとしても知られている)のことである。現時点では、イマチニブ・メシレート、特に薬学的に許容できる形態は、慢性骨髄性白血病(CML)を治療するために承認されている。更には、特許請求の範囲及び以下の記載では、それらの商品名、化学名又は汎用名が具体的化合物を意味することがある。これら全ての用語は、区別なく交換可能に使用され、それら全てが本発明の範囲内と考えられる。
血管傷害部位におけるVSMC増殖から生じる内膜新形成は、大多数の非弾性反動性再狭窄の原因である。血管形成術中の狭窄動脈内膜の張りにかかる物理的ストレスは、内皮層の破裂をもたらすことが多く、その下層のVSMC層に損傷を与える。その付随する細胞傷害は、血小板凝集、及びPDGFのような増殖因子のパラクリン及びオートクリン放出をもたらす事象のカスケードを引き起こす。次いで、放出された増殖因子はVSMC上のレセプターに結合し、それが損傷を受けた内膜を介してそのVSMCを分化及び増殖させて、その動脈を再閉塞させる(Myllarniemi, M. et at. 1999. Selective Tyrosine Kinase Inhibitor for the Platelet-Derived Growth Factor Receptor In Vitro Inhibits Smooth Muscle Cell Proliferation After Re-Injury of Arterial Intima In Vivo. Cardiovascular Drugs and Therapy 13:159-168 を参照のこと)。
PDGFのような増殖因子は、細胞表面上の特異的レセプターに結合し、キナーゼとして知られる細胞内ホスホトランスフェラーゼ酵素のファミリーを活性化する。キナーゼは、通常、ATPから細胞内の特定の分子標的へのリン酸基の移動(リン酸化)に関わっている。その場合、その分子標的は、タンパク質−チロシンである。タンパク質−チロシンキナーゼは、ATPをリン酸化ドナーとして使用してそれらのチロシン残基上のタンパク質をリン酸化する。タンパク質−チロシンのリン酸化は、細胞増殖に付随するシグナル発信過程に関与する一連の下流プロセスを開始する。その最も簡単な概念形態では、タンパク質−チロシンキナーゼレセプターが、細胞が増殖するために入れられなければならないスイッチである。この場合、そのスイッチをオンにするキーがPDGFである。PDGFがタンパク質−チロシンキナーゼ膜レセプターに結合すると、タンパク質−チロシンのリン酸化が起こり、それが今度は細胞増殖をもたらす生物学的経路を開始する。イマチニブ・メシレートは、タンパク質−チロシン膜レセプターに保持されているPDGFが細胞増殖経路のスイッチを入れるのを効果的に遮断するのに十分なほどPDGFを擬似する。従って、本発明者らは、VSMCタンパク質−チロシン膜レセプターを遮断するのに十分な量のイマチニブ・メシレートの in situ 送逹が、内膜新形成、従って再狭窄を阻止することができると考える。
本発明は、新規な組成物、及び再狭窄を患っている組織に直接にタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を送逹するための方法を包含する。具体的には、本発明は、血小板由来増殖因子(PDGF)レセプターに結合してその活性化を阻止するリガンドの in situ 部位特異的制御放出を提供することで、血管平滑筋細胞(VSMC)増殖を阻害する、移植可能な医療デバイスに向けられている。
本発明の1つの態様では、医療デバイスは、式1:
Figure 2005538756
で示された4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド・メタンスルホン酸塩(イマチニブ・メシレート)などの、それには限定されないタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を有する医療デバイスが提供される。
式1は、本発明のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質の多くの薬学的に許容できる塩のうちの1つに過ぎないことが当業者によって理解されるであろう。多くの他の塩及び薬学的に許容できる他の形態が本発明の範囲内のものとし考慮される。更には、本発明のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質の作用の効力又はメカニズムに影響しない多くの誘導体も可能である。従って、本発明は、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド・メタンスルホン酸塩(イマチニブ・メシレート又はGleevecTM)及び薬学的に許容できるその誘導体及び塩を包含することを意図する。本明細書で使用される“薬学的に許容できる”という用語は、in vivo 抗再狭窄有効レベルで実質的に毒性ではない全ての誘導体及び塩を包含する。本明細書で使用される“実質的に毒性ではない”という用語は、化学療法学及び毒性学の通常の能力を有する医師及び薬学者により判断されたときに、受容者への治療の恩恵が生理学的に有害な作用に勝る場合の全身的又は局所的毒性を意味する。
本発明のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質は、単独で又は相乗的及び/又は追加的治療剤と一緒に、医療デバイスを使用して、害された領域に直接送逹されることができる。潜在的な相乗的及び/又は追加的治療剤には、抗血小板凝集剤、抗遊走剤又は抗線維化剤のような、再狭窄プロセスの異なる側面に衝撃を与える薬剤が含まれ得る。また、それらには、抗増殖剤及び/又は抗炎症剤としても作用する薬剤が含まれ得る。例えば、限定の意図はないが、本発明の範囲内で考慮される相乗的組合せには、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質と、生物活性化合物が、FKBP12結合性化合物を含むマクロライド抗生物質、エストロゲン、キャペロン (chaperone) 阻害物質、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質、ペルオキシソーム・プロリフェレーター (proliferator) 活性化レセプターγリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、酸化窒素、ビスホスホネート、表皮増殖因子阻害物質、抗体、プロテアソーム阻害物質、アンチセンスヌクレオチド、及び形質転換性核酸を含むがこれらに限定されない抗増殖剤である組合せ、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質と、ラパマイシン又はその類似体及び40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン又はABT−578(Abbotte Laboratories,米国特許第6,015,815号を参照のこと)のようなその誘導体との組合せ、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質とエキソケリン (exochelin) との組合せ、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質とn−アセチルシステイン阻害物質との組合せ、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質とゲルダナマイシンと他のキャペロン阻害物質との組合せ、少なくとも1種のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質とPPARγアゴニストとの組合せなどが含まれる。
本発明の技術に従って使用される医療デバイスは、永久医療移植であっても、一時的移植であっても、取り出し可能なデバイスであってもよい。例えば、限定として意図していないが、本発明の医療デバイスには、ステント、カテーテル、微粒子、プローブ、及び血管移植片が含まれ得る。
本発明の1つの態様では、ステントは、薬剤送逹プラットフォームとして使用される。そのステントは、血管ステントであっても、尿道ステントであっても、胆道ステントであっても、他の管及び臓器管腔での使用に意図されたステントであってもよい。血管ステントは、末梢用途でも神経学的用途でも冠状動脈用途でもよい。それらステントは、硬質の拡張可能なステントであっても柔軟な自己拡張性ステントであってもよい。金属又はポリマーを含むがこれらに限定されないあらゆる生体適合性材料が、本発明のステントを製造するために使用され得る。本発明のステントは生体吸収性であることができる。本発明の1つの態様では、血管ステントは、血管形成術の直後に冠状動脈内に移植される。
本発明の1つの態様では、金属製血管ステントは、1又はそれを越える抗再狭窄性化合物で、具体的にはタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質でコートされており、より具体的には、そのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質はイマチニブ・メシレートである。このタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質は、コートされるべきデバイスと逆反応せずかつそのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質の不活性化もしない安定な組成物を提供する何らかの担体中に溶解されても懸濁されてもよい。金属製ステントには、医療デバイス製造の当業者に公知の何らかの技術を使用して、生物活性なタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質のコーティングが提供される。適する非限定的例には、含浸、噴霧、刷毛塗り、浸漬及びローリングが含まれる。タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質含有溶液がステントに塗布された後、それを乾燥させると、安定なタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質送逹用医療デバイスができる。乾燥技術には、加熱押込空気、冷却押込空気、減圧乾燥又は蒸発が含まれるが、これらに限定されない。更には、本医療デバイス、具体的には金属製血管ステントは、本発明のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質組成物の受容器又は受器として働く溝又は穴をその表面に有するように製造されることができる。
本発明の技術に従って使用されるタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質の好ましい濃度は、滴定法を用いて決定されることができる。滴定は、一連のステントの組を製造することによって達成される。各々のステントの組が、異なる用量の選択されたタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質をコートされ又は含有することになる。使用される最高濃度は、その化合物の既知の毒性に基づくことになる。本発明の技術に従って製造されるステントによって送達される薬剤の最大量は、既知の毒性レベルを下回ることになる。各々のステントの組は、以下の実施例5に記載されるような好ましい動物モデルを使用して in vivo で試験されることになる。更なる検討のために選択される用量は、望まれる臨床結果を達成するのに要求される最小用量となろう。本発明の場合には、望まれる臨床結果は、血管の再閉塞又は再狭窄の阻害として定義される。
別の態様では、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質は、ステント上若しくはステント内に析出又は結晶化される。別の態様では、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質は、適する生体適合性ポリマー(生体分解性、生体吸収性又は非分解性)と混合される。次いで、そのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質ブレンドは、ステント、移植片、微粒子、縫合糸及びプローブのようなものであるがそれらに限定されない医療デバイスを製造するために使用されることができる。更には、そのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質ブレンドは、その医療デバイス表面のための制御放出コーティングを形成するために使用されることができる。例えば、限定として意図していないが、本医療デバイスが、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質ブレンド中に漬けられても、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質ブレンドが噴霧されても、医療デバイス上に刷毛塗りされてもよい。別の態様では、タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質ブレンドが、医療デバイスの中に埋め込まれた繊維やストランドを製造するために使用されても、医療デバイスを包むために使用されてもよい。
本発明の技術に従って使用されるポリマーには、生体吸収性及び非生体吸収性材料の両方が含まれる。生体適合性、高い弾性/延性、分解に対する抵抗性(生体分解性/吸収性ポリマーの場合を除く)、弾性、及び制御薬剤放出の特性を示すポリマーのあらゆる組合せが本発明の範囲内であり、本医療デバイスを、又は好ましくは制御放出性デバイスコーティングを形成するために使用されてもよい。適する非限定的例示モノマーには、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、N−ビニルピロリジン、メタクリル酸アルキル、ビニルアルコール、アクリル酸、アクリルアミド、エチレン、酢酸ビニル、エチレングリコール、メタクリル酸、ホスホリルコリン、カプロラクトン、乳酸及びそれらのコポリマーが含まれる。
本発明の幾つかの例示的態様が図3に記載されている。図3では、構造302を有する血管ステント300が、ステンレススチール、ニチノール (nitinol)、アルミニウム、クロム、チタン、セラミックス、及び広範囲のプラスチック、及びコラーゲン、フィブリン及び植物繊維を含む天然材料、を包含する非限定的グループの材料から選択される材料から作られている。構造302には、本発明の技術に従って作られたコーティング組成物が提供されている。図4a〜dは、種々のコーティング配置を示すステント300の断面図である。図4aでは、ステント300は、パリレン又はパリレン誘導体に限定されないがそのような医療グレードのプライマーを含んでなる第1ポリマーコーティング402;第2制御放出コーティング404;及び第3バリヤ又はキャップのコート406を有する。図4bでは、ステント300は、パリレン又はパリレン誘導体に限定されないがそのような医療グレードのプライマーを含んでなる第1ポリマーコーティング402、及び第2制御放出コーティング404を有する。図4cでは、ステント300は、第1制御放出コーティング404及び第2バリヤ又はキャップのコート406を有する。図4dでは、ステント300は、制御放出コーティング404だけを有する。
以下の実施例は、本発明のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質溶離性医療デバイスをより正確に定義しかつ実施可能にするものである。この明細書及び実施例を読んで理解した後の当業者にとって明らかであるところの多様な他の態様や本発明を使用する方法が、存在すると理解される。これら代替態様は、本発明の一部と考えられる。
タンパク質−チロシンキナーゼ溶離性コーティングを有する金属製ステントの提供
次の実施例は、金属製ステントをタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質でコーティングする非限定的方法とそれらの抗再狭窄特性の試験とを例示するものである。本発明の技術に従って使用するのに適する金属製ステントの非限定例の1つは、Medtronic/AVE S670TM316L ステンレススチール冠状動脈ステントである。
実施例1
金属製ステント洗浄操作
ステンレススチールステントがガラスブレーカーに入れられ、試薬グレード又はそれより良いヘキサンで覆われた。次いで、ヘキサン浸漬ステントを含有するそのブレーカーは、超音波水浴中に入れられて約25〜50KHzの周波数で15分間処理された。次に、それらステントがヘキサンから取り出されてそのヘキサンは捨てられた。次いで、それらステントは試薬グレード又はそれより良い2−プロパノール中に浸漬され、そしてそれらステントを含有する容器と2−プロパノールが先の通りに超音波水浴中で処理された。ステントを有機溶媒で清浄にした後、それらは蒸留水で徹底的に洗浄された後に1.0N水酸化ナトリウム溶液中に漬けられ、先の通りに超音波水浴中で処理された。最後に、それらステントは、水酸化ナトリウムから取り出され、蒸留水中で徹底的に濯がれてから、減圧オーブン中で40℃で一晩乾燥された。
乾燥したステントを乾燥環境下で室温まで冷やした後、重量が計られて記録された。
実施例2
薬剤/ポリマー系を使用する清浄な乾燥ステントのコーティング
次の実施例では、選り抜きの溶媒としてメタノールが選ばれる。ポリマーとイマチニブ・メシレートの両方は、メタノール中に制限なく溶解する。イマチニブ・メシレートは、水、僅かに酸性の緩衝化水溶液、ジメチルスルホキシド、メタノール、及びエタノールに制限なく溶解性であることも知られている。イマチニブ・メシレートは、中性及びアルカリ性水溶液、n−オクタノール、アセトン及びアセトニトリルに不溶である。ポリマー化学の分野の当業者は、容易に、ポリマー−薬剤組合せに適切な溶媒系の対を形成でき、そして日常的実験を越えないで最適な結果を達成できる。
250mgのイマチニブ・メシレートが慎重に計量されて2.8mlのメタノールを含有する小頸ガラスびんに加えられる。次いで、そのイマチニブ・メシレート−メタノール懸濁液は、澄明溶液が得られるまで徹底的に混合される。
次に、250mgのポリカプロラクトン(PCL)がそのイマチニブ・メシレート−メタノール溶液に加えられ、PCLが溶解して薬剤/ポリマー溶液を形成するまで混合される。
清浄にされ乾燥されたステントが、その薬剤/ポリマー溶液を噴霧するか又はその溶液中に漬けられるかしてコートされる。それらステントは、約10μg〜1mgの最終コーティング重量を達成するのに必要とされるだけコートされる。最後に、それらコートされたステントは、減圧オーブン中で50℃で一晩乾燥される。乾燥されコートされたステントは、計量されて重量が記録される。
それらステントに負荷される薬剤の濃度は、最終コーティング重量に基づいて決められる。最終コーティング重量は、ステントのコーティング前重量を乾燥されコートされたステントの重量から差し引くことによって計算される。
実施例3
サンドイッチ型コーティングを使用する清浄な乾燥ステントのコーティング
清浄な乾燥ステントが、まず、ポリビニルピロリドン(PVP)又は別の適するポリマーでコートされた後、イマチニブ・メシレートのコーティングが行われる。最後に、PVPの第2コーティングがそのステントを封じるように提供され、こうしてPVP−イマチニブ・メシレート−PVPサンドイッチコーテッドステントを作られる。
サンドイッチコーティング操作
100mgのPVPが、12.5mlのメタノールを含有する50mlの Erlenmeyer に加えられる。そのフラスコは、全てのPVPが溶解するまで慎重に混合される。別の清浄な乾燥 Erlenmeyer フラスコに、250mgのイマチニブ・メシレートが11mlのメタノールに加えられ、溶解するまで混合される。
次いで、清浄な乾燥ステントが、滑らかな集密ポリマー層が達成されるまで、PVPで噴霧された。次いで、そのステントは、減圧オーブン中で50℃で30分間乾燥された。
次に、イマチニブ・メシレートの連続層が、それらポリマーコーテッドステントに適用される。ステントは、各々の連続イマチニブ・メシレートコートの間に乾燥される。最終イマチニブ・メシレートコーティングが乾燥された後、PVPの3連続コートがそのステントに適用されたてから、コートされたステントが減圧オーブン中で50℃で一晩乾燥される。その乾燥されコートされたステントは計量されて、その重量が記録される。
薬剤/ポリマー溶液中の薬剤の濃度とステントに負荷される薬剤の最終量は、最終コーティング重量に基づいて決められる。最終コーティング重量は、ステントのコーティング前重量を乾燥されコートされたステントの重量から差し引くことによって計算される。
実施例4
純粋な薬剤での清浄な乾燥ステントのコーティング
1.00gのイマチニブ・メシレートが慎重に計量されて、12mlのメタノールを含有する小頸ガラスびんに加えられる。次いで、そのイマチニブ・メシレート−メタノール懸濁液は50℃で15分間加熱されてから、イマチニブ・メシレートが完全に溶解するまで混合される。
次に、清浄な乾燥ステントが、血管形成術バルーンカテーテルアッセンブリのバルーン部分の上に載せられる。次いで、そのステントは、イマチニブ・メシレート−メタノール溶液で噴霧されるか又はその溶液中に漬けられるかの択一的態様で処理される。コートされたステントは、減圧オーブン中で50℃で一晩乾燥される。乾燥されコートされたステントは、計量されて、それらの重量が記録される。
それらステントに負荷される薬剤の濃度は、最終コーティング重量に基づいて決められる。最終コーティング重量は、ステントのコーティング前重量を乾燥されコートされたステントの重量から差し引くことによって計算される。
実施例5
タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質コーテッド血管ステントのブタモデルでの in vivo 試験
急性傷害を受けたブタの冠状動脈における血管内ステント配置に応答してタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質が内膜過形成を軽減する能力が、次の実施例によって証明される。2つのコントロールと3つの処理アームが以下に概略を示すように使用された。
1.コントロールグループ
各々のコントロールグループに6匹を使用した。第1コントロールグループは、ポリマーも薬剤コーティングも有さない清浄な乾燥ステントの抗再狭窄効果を試験するものである。第2コントロールグループは、ポリマー単独の抗再狭窄効果を試験するものである。薬剤なしのPCLコーティングを有する清浄な乾燥ステントが第2コントロールグループに使用される。
2.実験的治療グループ
3種の異なるステント配置及び2種の異なる薬剤用量がそれらの抗再狭窄効果について評価される。12匹が各々のグループに含められる。
グループ1のステントは、高速放出グループと命名されるもので、ステント上に直接コートされた50μgのイマチニブ・メシレートを含んでなるが本発明の技術に従うポリマーを有さない。
グループ2は、低速放出グループと命名されるもので、本発明の技術に従って1:9のイマチニブ・メシレートのポリマーに対する比率でポリマー内に含浸された50μgのイマチニブ・メシレートでコートされたステントを使用する。
グループ3は、中速放出グループと命名されるもので、本発明の技術に従って1:1のイマチニブ・メシレートのポリマーに対する比率でポリマー内に含浸された250μgのイマチニブ・メシレートでコートされたステントを使用する。
ブタは、血管内デバイスの研究のための最も適切なモデルとして浮上してきている。冠状動脈の解剖学的構造及び大きさがヒトのものに匹敵する。更に、血管傷害に応答して起こる内膜過形成がヒトにおいて臨床的に見られるものに類似している。ブタ動物モデルで得られる結果は、ヒトにおける臨床結果を予測するものと考えられる。そのため、政府規制機関は、ブタにおける6カ月データがヒト試験への進展を可能にするのに十分と見做している。
Firm Swine(又はミニブタ)の非粥状動脈硬化症で急性傷害を受けたRCA、LAD、及び/又はLCX動脈が、この研究に使用される。コートされたコントロールステントが動物ごと及び動脈ごとにランダムに入れられる。動物達は、Laboratory Animal Welfare Act (P.L.89-544) 及びその 1970 (P.L. 91-579)、1976 (P.L. 94-279)、及び 1985 (P.L. 99-198) 改正の要件に従って扱われかつ維持される。1996年に改正された Guide for the Care and the Use of Laboratory Animals, ILAR, National Academy Press における規準に従うことによって承諾が得られた。健康なブタだけがこの研究に使用されるのを確保するために試験前期間に各々のブタに獣医師が健康診断を行う。
A.手術前操作
動物達は、実験に使用する前3〜5日間モニターされ観察される。動物達は、体重についての適切な薬剤用量調節を行うために操作の少なくとも3日前に体重測定を受ける。ステントを入れる少なくとも1日前に、650mgのアスピリンが投与される。動物達は、操作の12時間前に固定される。
B.麻酔
筋肉内テラゾール及びキシラジン注射を使用して動物達に麻酔を行う。呼吸と唾液分泌を抑制するためにアトロピンが投与される(20μg/kg I.M.)。軽い麻酔が現れたら対象動物はインキュベートされる。手術における麻酔の計画を維持するため、酸素中のイソフルラン(0.1〜5.0%,吸入により作用させるため)が投与される。継続的に心電図がモニターされる。失血量を置き換える必要がある場合には静脈内カテーテルが耳静脈から入れられる。麻酔のレベルは、ECG、及び刺激に対する動物の反応により継続的にモニターされる。
C.カテーテル挿入及びステント配置
麻酔が効き始めた後、手術部位の毛が剃られ、クロロヘキシジン石鹸で擦られる。右又は左大腿(又は頸)動脈の領域に切開が行なわれ、ベタジン溶液がその手術部位に塗布される。動脈シースが動脈スティック又はカットダウンを介して導入され、そのシースが動脈内に進められる。ガイドカテーテルがそのシースの中に入れられ、冠状動脈の小孔内の0.035インチガイドワイヤを介して必要ならX線透視指揮下で進められる。動脈血サンプルがベースライン血液ガス、つまりACTとHCT用に得られる。ACT≧300秒を維持する必要があるならヘパリン(200単位/kg)が投与される。動脈血圧、脈拍、及びECGが記録される。
ガイドカテーテルが適切な冠状動脈の小孔内に入れられた後、展開部位に適した位置を特定するために、その血管の血管造影像が少なくとも2の直交視野で得られる。定量的冠状動脈血管造影(QCA)が行なわれて記録される。血管痙攣を制御するのに必要ならニトログリセリン(200μg,I.C.)が処置の前に投与される。その送逹システムは、陰圧で5秒間バルーンを吸引し、そしてヘパリン化生理食塩水でガイドワイヤ内腔を満たすことによって行なわれる。
ステントの展開、開通性及び位置決定は、血管造影によって評価され、TIMIスコアが記録される。結果はビデオ又は映画に記録される。最終内腔寸法がQCA及び/又はIVUSで測定される。これら操作は、ブタの3本の主要な冠状動脈の各々にデバイスが移植されるまで繰り返される。最終移植後、動物は麻酔から回復する。アスピリンが毎日325mg死ぬまで経口投与される。
D.後操作及び終了
28日後、動物達は麻酔され、6F動脈シースが導入されて進められる。6F大内腔ガイドカテーテル(診断ガイド)がそのシースの中に入れられ、ガイドワイヤにより冠状動脈内にX線透視指揮下で進められる。ガイドカテーテルが適切な冠状動脈の小孔内に入れられた後、ステントが挿入された部位を評価するために、その血管の血管造影像が撮られる。この再検が終わった後、動物達は、過剰用量のペンタバルビトール及びKCLの静脈注射で安楽死される。心臓、腎臓及び肝臓が採取されて、あらゆる外部又は内部外傷について目視検査される。それら臓器に1000mlの乳酸化リンゲル液を100mmHgで流してから、1000mlのホルマリンを100〜120mmHgで流す。全ての臓器は、ラベルが貼られたホルマリン溶液の容器に保存される。
E.組織学及び病理学
ステント挿入された血管は、組織学的処理の前にX線に曝される。ステント挿入されたセグメントは、標準的な組織学実験室プロトコルに従って、日常的組織学のために処理され、切片にされ、そして染色される。適切な染料が、処理された血管の長さに沿った連続切片に関して交互に施される。
F.データ分析及び統計
1.QCA測定
定量的血管造影は、最大に膨らんだときのバルーンのサイズ並びにステント配置の前と後の血管直径を28日間測定するために行なわれる。次のデータが血管造影データから測定され又は計算される。
ステント 対 動脈の比率
最小内腔直径(MLD)
遠位及び近位参照内腔直径
狭窄率(%)=(最小内腔直径/参照内腔直径)×100
2.組織形態学的分析
組織学的測定は、自然のままの近位及び遠位血管からの切片、及びステントの近位、中位、及び遠位部分からの切片から行なわれる。血管傷害スコアが、Schwartz et al. (Schwartz RS et al. Restenosis and the proportional neointimal response to coronary artery injury: results in a porcine model. J Am Coil Cardiol 1992;19:267-74) によって記載された方法を使用して計算される。各々の動脈セグメントについての平均傷害スコアが計算される。研究者の動脈セグメントのスコア付け及び組織病理学測定は、デバイスのタイプに関して盲検で行われる。次の測定が行われる。
外部弾性薄片(EEL)面積
内部弾性薄片(IEL)面積
内腔面積
外膜面積
平均新内膜厚み
平均傷害スコア
3.新内膜面積及びステント内再狭窄率(%)が次のようにして計算される:
新内膜面積 =(IEL−内腔面積)
ステント内再狭窄率=[1−(内腔面積/IEL)]×100。
所与の処置アームは、処置が、骨組みステントコントロール及びポリマー付きコントロールと比較して、新内膜面積及び/又はステント内再狭窄率の有意な減少をもたらすなら有益であると見做される。
G.手術必需品及び装備
次の手術必需品及び装備が上記の操作に必要とされる。
1.標準的血管アクセス手術トレー
2.非イオン性コントラスト溶液
3.ATC機及び付属品
4.HCT機及び付属品(もし適用可能なら)
5.呼吸及び血液流動モニターシステム
6.呼吸循環及びガス麻酔機が着いたIPPBベンチレータ
7.血液ガス分析装置
8.0.035インチHTF又は Wholey 修飾 J ガイドワイヤ,0.014インチガイドワイヤ
9.6、7、8及び9Fイントロデューサーシース及びガイドカテーテル(適用可能なら)
10.QCA能力のある映画血管造影装置
11.着装携行式デフィブリレータ
12.標準血管形成術装置及び付属品
13.IVUS装置(もし適用可能なら)
14.放射性標識細胞研究のためのもの(もし適用可能なら)
15.遠心分離機
16.血小板凝集計
17.インジウム111オキシム又は他の特定されたもの
18.自動血小板計数装置
19.放射線検知器
実施例6
イマチニブ・メシレートによるヒト冠状動脈平滑筋細胞の阻害
A.材料
1.ヒト冠状動脈平滑筋細胞(HCASMC)が Cambrex, Inc. の Clonetics 支社から得られる。
2.HCASMC基本培地が Clonetics によって供給され、それには、ウシ胎児血清、インスリン、hFGF−B(ヒト線維芽細胞増殖因子)、hEGF(ヒト表皮増殖因子)が補充されている。
3.イマチニブ・メシレート(GleevecTM;Novartis AG Corporation Switzerland Ch-4002 Basel Switzerland)。
4.絶対エタノール。
5.24ウェルポリスチレン組織培養プレート。
B.ヒト冠状動脈平滑筋細胞増殖阻害研究;イマチニブ・メシレート
ヒト冠状動脈平滑筋細胞(HCASMC)が、24ウェルポリスチレン組織培養プレートにウェル当たり5×103細胞で播かれる。2種の異なる供給及び読取戦略が用いられる。
戦略1:細胞が種々の濃度のイマチニブ・メシレートを含有する細胞培地中にプレートされ、37℃で48時間インキュベートされる。最初の48時間インキュベーションの後、そのイマチニブ・メシレート含有プレーティング培地が変えられ、それら細胞に無薬剤培地が供給され、そして更に48時間インキュベートされてから読み取られる。
戦略2:細胞が種々の濃度のイマチニブ・メシレートを含有する細胞培地中にプレートされ、37℃で48時間インキュベートされる。最初の48時間インキュベーションの後、そのイマチニブ・メシレート含有プレーティング培地が変えられ、それら細胞にイマチニブ・メシレート含有培地が供給され、そして更に48時間インキュベートされてから読み取られる。
イマチニブ・メシレートの増殖阻害効果を確認するために4日目に培地が分析される。図1aは、両方の細胞培養スキームについて、0.001〜50μg/mlのイマチニブ・メシレートレベルにおける阻害率(%)をグラフで示している。図1aから、有意なHCASMC阻害が10μg/mlの用量で始まり(>50%阻害率)、そして劇的に上がって50μg/mlで100%近くになっている。図1bは、同じ結果を細胞数に基づいて棒グラフで示している。
C.イマチニブ・メシレート細胞障害性試験
HCASMCに対するイマチニブ・メシレートの細胞障害性が、24ウェル細胞培養プレートに、0.001〜10μg/mlのイマチニブ・メシレートを含有する細胞培地1ml当たり5.0×105のHCASMC細胞を播くことにより評価される。24時間後にサンプルが取られ、当業者に知られた方法を使用してラクテートデヒドロゲナーゼ(LDL)濃度について試験される。上昇したLDLレベルが、細胞障害性を示す。図1cは、細胞障害性試験の結果をグラフで示す。有意な抗増殖効果を証明したイマチニブ・メシレート濃度でも細胞障害性が検出されていない。
実施例7
イマチニブ・メシレートによるヒト冠状動脈内皮細胞の阻害
A.材料
1.ヒト冠状動脈内皮細胞(HCAEC)が Cambrex, Inc. の Clonetics 支社から得られる。
2.HCAEC基本培地が Clonetics によって供給され、それには、ウシ胎児血清、VEGF(血管内皮増殖因子)hEGFヘパリン、アスコルビン酸IGF(インスリン増殖因子)ヒドロコルチゾンが補充されている。
3.イマチニブ・メシレート(GleevecTM;Novartis AG Corporation Switzerland Ch-4002 Basel Switzerland)。
4.絶対エタノール。
5.24ウェルポリスチレン組織培養プレート。
B.ヒト冠状動脈平滑筋細胞増殖阻害研究
ヒト冠状動脈内皮細胞(HCAEC)が、24ウェルポリスチレン組織培養プレートにウェル当たり5×103細胞で播かれる。2種の異なる供給及び読取戦略が用いられる。
戦略1:細胞が種々の濃度のイマチニブ・メシレートを含有する細胞培地中にプレートされ、37℃で48時間インキュベートされる。最初の48時間インキュベーションの後、そのイマチニブ・メシレート含有プレーティング培地が変えられ、それら細胞に無薬剤培地が供給され、そして更に48時間インキュベートされてから読み取られる。
戦略2:細胞が種々の濃度のイマチニブ・メシレートを含有する細胞培地中にプレートされ、37℃で48時間インキュベートされる。最初の48時間インキュベーションの後、そんイマチニブ・メシレート含有プレーティング培地が変えられ、それら細胞にイマチニブ・メシレート含有培地が供給され、そして更に48時間インキュベートされてから読み取られる。
イマチニブ・メシレートの増殖阻害効果を確認するために4日目に培地が分析される。図1aは、両方の細胞培養スキームについて、0.001〜50μg/mlのイマチニブ・メシレートレベルにおける阻害率(%)をグラフで示している。図2aから、有意なHCAEC阻害が5μg/mlの用量で始まり(>50%阻害率)、そして劇的に上がって10μg/mlで100%近くになっている。図2bは、同じ結果を細胞数に基づいて棒グラフで示している。
C.イマチニブ・メシレート細胞障害性試験
HCAECに対するイマチニブ・メシレートの細胞障害性が、24ウェル細胞培養プレートに、0.001〜10μg/mlのイマチニブ・メシレートを含有する細胞培地1ml当たり5.0×105のHCAEC細胞を播くことにより評価される。24時間後にサンプルが取られ、当業者に知られた方法を使用してラクテートデヒドロゲナーゼ(LDL)濃度について試験される。上昇したLDLレベルが、細胞障害性を示す。図2cは、細胞障害性試験の結果をグラフで示す。有意な抗増殖効果を証明したイマチニブ・メシレート濃度でも細胞障害性が検出されていない。
他に断りがなければ、本明細書及び請求の範囲で使用される、成分の量、分子量のような特性、反応条件等を表現する全ての数値は、“約”という用語によって全ての場合に修飾されていると理解されるべきである。従って、他に断りがなければ、本明細書及び請求の範囲に記載した数値パラメーターは、本発明により得ようとされる望まれる特性に依存して変動し得る概数である。請求の範囲への均等論の適用を制限するものではないが、各々の数値パラメーターは、報告された有意な数字に照らして及び通常の概数化技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。本発明の広い範囲を表わす数値範囲及び数値パラメーターが概数であるとはいえ、具体的な実施例に記載した数値は、できるだけ正確に報告されたものである。しかしながら、あらゆる数値は、それらそれぞれの試験測定に見出される標準偏差から必然的にもたらされる一定の誤差を本来的に含有する。
本明細書で数値範囲を記載しているのは、単に、その範囲内に属する各々別々の値に素早く個別的に言及する方法として役立つよう意図したものである。本明細書で特に断りがなければ、各々の個別の値は、あたかも本明細書に個別に記載されているものとして取り込まれている。本明細書に記載された全ての方法は、本明細書に特に断りがなければ又は明確に文脈に反するのでなければ、いかなる適する順序でも行うことができる。本明細書に与えれたいずれかの又は全ての例又は例示的用語(例えば、“のような”)は、単に本発明をより良く例示することを意図したに過ぎず、特許請求された発明の範囲を限定しようとしたものではない。明細書の用語は、本発明の実施に必須であるが請求項に存在しない構成を示すものと理解されてはならない。
本明細書に開示した発明の構成又は態様のグループ化が限定と解釈されるべきでない。各々のグループメンバーは、個別に、又はそのグループの他のメンバー若しくは本明細書に見出される他の要素と一緒に言及され又は特許請求されてもよい。1つのグループの1又はそれを越えるメンバーが、便宜上及び/又は特許性の理由からグループに包含されてもグループから削除されてもよいと理解される。そのような包含又は削除があると、明細書は、修飾されたときのそのグループを含有するので、添付の請求の範囲で使用される全てのマーカッシュグループの記載要件を満たすものと考えられる。
この発明の好ましい態様が、本発明を実施するための発明者には分かっている実施の最良の形態を含めて、本明細書に記載されている。もちろん、それら好ましい態様の変形は、これまでの説明を読めば、当業者に明らかになろう。本発明者は、当業者がそのような変形を適宜用いることを予測し、また、本発明者は、本発明が本明細書に具体的に記載したのとは別の方法で実施されると考える。従って、この発明は、適用可能な法律によって認められるように、添付の請求の範囲に記載した主題の全ての修飾及び均等物を包含する。更に、本明細書に特に断りがなければ又は明確に文脈に反するのでなければ、上記の構成のあらゆる組合せは本発明によって包含される。
更には、この明細書を通して多数の特許及び印刷刊行物が参照された。上記の各々の引用文献及び印刷刊行物は、個別に、参照により本明細書に組み込まれる。
最後に、本明細書に開示した本発明の態様は、本発明の原理の例示であると理解されるべきである。用いられ得る他の修飾は、本発明の範囲内に属する。かくして、例えば、限定ではなく、本発明とは別の配置が、本明細書の技術に従って用いられてもよい。従って、本発明は、示した通り及び記載した通りのものに限定されるべきではない
図1は、本発明の抗再狭窄性化合物を送達するために使用される血管ステントを示す。 図2は、血管形成術のため及び再狭窄のリスクがある解剖学的内腔までのステントの部位特異的送逹のために使用されるバルーンカテーテルアッセンブリ示す。 図3は、本発明の技術に従ってコートされた血管ステントの種々のコーティング配置を示す。 図4は、本発明の技術に従ってコートされた血管ステントの種々のコーティング配置を示す。

Claims (21)

  1. 治療量のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質の部位特異的制御放出送逹のための移植可能なデバイスを含んでなる医療デバイス。
  2. 請求項1記載の医療デバイスであって、前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質が、式1:
    Figure 2005538756
    に従う分子構造を有する物質及び薬学的に許容できるその誘導体を有するデバイス。
  3. 請求項2記載の医療デバイスであって、前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質が、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド・メタンスルホン酸塩(イマチニブ・メシレート)及び薬学的に許容できるその誘導体であるデバイス。
  4. 請求項2又は3のいずれかに記載の医療デバイスであって、前記医療デバイスが、ステント、カテーテル、微粒子、プローブ、及び血管移植片からなる群から選択されるデバイス。
  5. 請求項4記載の医療デバイスであって、前記ステントが、血管ステント、食道ステント、尿道ステント又は胆道ステントであるデバイス。
  6. 請求項5記載の医療デバイスであって、前記血管ステントに、イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体を含んでなるコーティングが提供されているデバイス。
  7. 請求項6記載の医療デバイスであって、前記コーティングが更に生体適合性ポリマーを含有するデバイス。
  8. イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体を含んでなるコーティングを有する血管ステント。
  9. イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体;及びポリマーを含んでなるコーティングを有する血管ステントを含んでなる医療デバイス。
  10. 請求項9記載の医療デバイスであって、前記コーティングが:
    50〜250μgのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質とポリマーを含んでなり、前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質と前記ポリマーが、約1部のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質と約1〜9部のポリマーの相互比率であり;
    前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質がイマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体を含んでなるデバイス。
  11. 再狭窄を治療又は阻害する方法であって:
    タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質を含んでなるコーティングを有する血管ステントを提供すること;及び
    前記血管ステントを血管内腔に移植し、そこで前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質が前記血管内腔に隣接する組織内に放出されること
    を含んでなり、
    前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質がイマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体を含んでなる方法。
  12. 請求項10記載の方法であって、前記コーティングが:
    50〜250μgのタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質とポリマーを含んでなり、前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質と前記ポリマーが、約1部のタンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質と約1〜9部のポリマーの相互比率であり;
    前記タンパク質−チロシンキナーゼ阻害物質がイマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体を含んでなる方法。
  13. 医療デバイスを製造する方法であって:
    コートされるべき医療デバイスを提供すること;
    イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体に担体化合物を配合すること;及び
    前記医療デバイスを、前記担体化合物が配合された前記イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体でコートすること
    を含んでなる方法。
  14. 請求項13記載の方法であって、前記医療デバイスが血管ステントである方法。
  15. 請求項13記載の方法であって、前記担体化合物が生体適合性ポリマーである方法。
  16. イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体;及び
    抗血小板凝集剤、抗遊走剤、抗線維化剤、抗増殖剤、抗炎症剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加治療剤
    を含んでなるコーティングを有するステントを含んでなる医療デバイス。
  17. 請求項16記載の医療デバイスであって、前記少なくとも1種の追加治療剤が、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ラパマイシン、ラパマイシンの類似体、エキソケリン、n−アセチルシステイン阻害物質、キャペロン阻害物質、PPARアゴニスト、及びそれらの組合せからなる群から選択される医療デバイス。
  18. 請求項17記載の医療デバイスであって、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが抗−c−mycオリゴヌクレオチドである医療デバイス。
  19. 請求項17記載の医療デバイスであって、前記キャペロン阻害物質がゲルダナマイシンである医療デバイス。
  20. 請求項17記載の医療デバイスであって、前記ラパマイシン誘導体が40−0−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン又はABT−578である医療デバイス。
  21. 再狭窄を治療又は阻害する方法であって:
    イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体、及び、抗血小板凝集剤、抗遊走剤、抗線維化剤、抗増殖剤、抗炎症剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の追加治療剤を含んでなるコーティングを有する血管ステントを提供すること;及び
    前記血管ステントを血管内腔に移植し、そこで前記イマチニブ・メシレート及び薬学的に許容できるその誘導体及び少なくとも1種の追加治療剤が前記血管内腔に隣接する組織内に放出されること
    を含んでなる方法。
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