JP2005537810A - 腫瘍の診断と治療のための組成物と方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、哺乳動物における腫瘍の診断と治療に有用な物質の組成物と、同用途のために該物質の組成物を使用する方法に関する。
悪性腫瘍(癌)は、合衆国において心臓疾患に続き第2の主要な死亡原因である(Boring等, CA Cancel J. Clin. 43:7(1993))。癌は、正常な組織から誘導されて腫瘍塊を形成する異常な又は腫瘍形成性の細胞の数の増加、これらの腫瘍形成性腫瘍細胞による隣接組織の侵襲、及び最終的に血液やリンパ系を介して局所のリンパ節や遠くの部位に転移と呼ばれる過程を介して広がる悪性細胞の生成を特徴とする。癌性状態においては、正常細胞が成長しない条件下で細胞が増殖する。癌自体は、異なる侵襲及び攻撃性の程度で特徴付けられる広範な種々の形態で顕現する。
A.実施態様
本明細書では、本出願人は、正常な非癌細胞の一又は複数のタイプと比較して、癌細胞の一又は複数のタイプでより多く発現される様々な細胞性ポリペプチド(及びそれらのコード核酸又はその断片)の同定を最初に記載する。ここで、このようなポリペプチドは、腫瘍関連キナーゼポリペプチド(「TASK」ポリペプチド)と呼ばれ、哺乳動物における癌の治療と診断の効果的な標的となることが期待される。
従って、本発明の一実施態様では、本発明は、腫瘍関連抗原性標的ポリペプチド又はその断片(「TASK」ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子を提供する。
他の態様では、単離された核酸分子は、(a)ここで開示される完全長TASKポリペプチドcDNAのコード化配列、又はここに開示される完全長TASKポリペプチドアミノ酸配列の任意の他の具体的に定まった断片のコード化配列を含むDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
本発明の他の態様は、キナーゼドメイン不活性化されているTASKポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を提供し、又はそのようなコード化ヌクレオチド配列に相補的である。従って、ここに記載のTASKポリペプチドの触媒的に不活性な形態が考慮される。
ある態様では、本発明は、ここに開示される完全長アミノ酸配列を有するTASKポリペプチド、ここに開示される核酸配列の任意のものによってコードされるアミノ酸配列、又はここに開示される完全長TASKポリペプチドアミノ酸配列でその他の具体的に定まった断片によってコードされているアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたTASKポリペプチドに関する。
本発明の他の態様は、単離されたTASKポリペプチドを提供する。これを製造する方法もまたここに開示され、これらの方法は、TASKポリペプチドの発現に適した条件下で適切なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞を培養し、細胞培養物からTASKポリペプチドを回収することを含む。
他の実施態様では、本発明は、異種(非TASK)ポリペプチドに融合した、ここに開示のTASKポリペプチドの何れかを含む単離したキメラポリペプチドを提供する。そのようなキメラ分子の例は、例えば、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域等の異種ポリペプチドと融合したここに開示のTASKポリペプチドの何れかを含む。
本発明の他の実施態様では、本発明はここで開示されている抗体の何れかをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例を挙げると、この宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母菌であり得る。ここに記載されている抗体の製造方法が更に提供され、所望する抗体の発現に適切な条件下で宿主細胞を培養し、細胞培養物からその所望する抗体を回収することを含んでなる。
本発明の他の実施態様では、本発明はここに記載のTASK結合オリゴペプチドの何れかをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞がまた提供される。例を挙げると、この宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母菌であり得る。ここに記載されているTASK結合オリゴペプチドの製造方法が更に提供され、所望する抗体の発現に適切な条件下で宿主細胞を培養し、細胞培養物からその所望する抗体を回収することを含んでなる。
より更なる実施態様では、本発明は、担体と組み合わされて、ここに記載のTASKポリペプチド、ここに記載のキメラTASKポリペプチド、ここに記載の抗TASK抗体、ここに記載のTASK結合オリゴペプチド、TASK結合干渉RNA(siRNA)、又はここに記載のTASK結合有機分子を含有する物質の組成物に関する。場合によっては、この担体は薬学的に許容可能な担体である。
本発明の他の実施態様は、TASKポリペプチド、キメラTASKポリペプチド、抗TASKポリペプチド抗体、TASK結合オリゴペプチド、又はTASK結合有機分子に反応する症状の治療に有用な医薬の調製のための、ここに記載のTASKポリペプチド、ここに記載のキメラTASKポリペプチド、ここに記載の抗TASKポリペプチド抗体、ここに記載のTASK結合オリゴペプチド、又はここに記載のTASK結合有機分子の使用に関する。
本発明の他の実施態様は、TASKポリペプチドを発現する癌細胞を殺す方法に関し、該方法は、癌細胞を、TASKポリペプチドと結合する抗体、オリゴペプチド又は小有機分子と接触させ、それによって癌細胞の死を生じさせる。場合によっては、抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である。本発明の方法に用いられる抗体、TASK結合オリゴペプチド及びTASK結合有機分子は、例えば、メイタンシノイド又はカリケアマイシンを含む毒素のような成長阻害剤又は細胞障害剤、抗生物質、放射性同位元素、核酸分解酵素等と場合によってはコンジュゲートし得る。本発明の方法に用いられる抗体及びTASK結合オリゴペプチドは、場合によってはCHO細胞又は細菌細胞中で産生され得る。
本発明の他の実施態様は、癌細胞の成長がTASKポリペプチドの成長増強効果に少なくとも部分的に依存する、癌細胞の成長を阻害する方法に関し、該方法は、TASKポリペプチドを、TASKポリペプチドと結合する抗体、オリゴペプチド又は小有機分子と接触させることを含み、これによって、TASKポリペプチドの成長増強活性をアンタゴナイズし、ひいては癌細胞の成長を阻害する。好ましくは、癌細胞の成長が完全に阻害される。場合によっては、抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である。本発明の方法に用いられる抗体、TASK結合オリゴペプチド及びTASK結合有機分子は、場合によっては、例えば、メイタンシノイド又はカリケアマイシンを含む毒素のような成長阻害剤又は細胞障害剤、抗生物質、放射性同位元素、核酸分解酵素等とコンジュゲートし得る。本発明の方法に用いられる抗体及びTASK結合オリゴペプチドは、場合によってはCHO細胞又は細菌細胞中で産生され得る。
本発明の更に他の実施態様は、哺乳動物において腫瘍を治療的に処置する方法に関し、ここで、上記腫瘍の成長はTASKポリペプチドの成長増強効果に少なくとも部分的に依存し、該方法は、TASKポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド又は小有機分子を哺乳動物に投与することを含んでなり、それによって上記TASKポリペプチドの成長増強活性をアンタゴナイズし、腫瘍の効果的な治療的処置をもたらす。場合によっては、抗体はモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、又は一本鎖抗体である。本発明の方法において使用される抗体、TASK結合オリゴペプチド及びTASK結合有機分子は、例えば、メイタンシノイド又はカリケアマイシンを含む毒素のような成長阻害剤又は細胞障害剤、抗生物質、放射性同位元素、核酸分解酵素等と場合によってはコンジュゲートされうる。本発明の方法に用いられる抗体及びオリゴペプチドは、場合によってはCHO細胞又は細菌細胞中で産生され得る。
本発明の更に他の実施態様は、TASKポリペプチドを含むと思われる試料中のTASKポリペプチドの存在を決定する方法に関し、該方法は、試料をTASKポリペプチドと結合する抗体、オリゴペプチド又は小有機分子に曝して、試料中のTASKポリペプチドへの抗体、オリゴペプチド又は有機分子の結合を定量することを含み、そのような結合の存在が、試料中のTASKポリペプチドの存在を示す。場合によっては、試料は、TASKポリペプチドを発現していると思われる細胞(癌細胞であり得る)を含み得る。この方法で用いる抗体、TASK結合オリゴペプチド又はTASK結合有機分子は、場合によっては検出可能なように標識されたり、固体支持体に付着させられたりする。
本発明の他の実施態様は、哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法に関し、該方法は、(a)哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料を、TASKポリペプチドと結合する抗体、オリゴペプチド又は小有機分子と接触させ、(b)試験試料中での、抗体、オリゴペプチド又は小有機分子とTASKポリペプチドの間で形成される複合体を検出することを含んでなり、複合体の形成が、哺乳動物での腫瘍の存在を示す。場合によっては、用いられる抗体、TASK結合オリゴペプチド又はTASK結合有機分子は、検出可能に標識されたり、固体支持体に付着されたりするか及び/又は組織細胞の試験試料が癌牲腫瘍を有すると思われる個体から得られる。
本発明のさらなる実施形態は、本明細書を読めば当業者に明らかである。
I.定義
ここで使用される「TASKポリペプチド」及び「TASK」という用語は、直後に数値表示がある場合には種々のポリペプチドを指し、完全な表示(つまり、TASK/数字)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」という用語がここでは実際の数的表示として提供されている「TASK/数字ポリペプチド」及び「TASK/数字」という用語には、天然配列ポリペプチド、ポリペプチド変異体及び天然配列ポリペプチドとポリペプチド変異体の断片(ここでさらに定義される)を包含する。ここに記載されているTASKポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離してもよく、あるいは組換え又は合成法によって調製してもよい。「TASKポリペプチド」という用語は、ここに記載の各個々のTASK/数字ポリペプチドを指す。「TASKポリペプチド」を指すこの明細書の全ての開示は、各ポリペプチドを個々に指すと同時に集合的に指す。例えば、調製、精製、誘導、抗体の形成、TASK結合オリゴペプチドの形成、TASK結合有機分子の形成、投与、含有する組成物、疾患の治療等の記載は、本発明の各ポリペプチドに関している。「TASKポリペプチド」という用語は、また、ここに記載のTASK/数字ポリペプチドの変異体を含む。
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なると認識されるであろう。%アミノ酸配列同一性の計算の例として、表2及び3は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「TASK」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示し、ここで「TASK」は対象の仮想TASKポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」は対象の「TASK」ポリペプチドと比較され、これに対するポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「X」、「Y」及び「Z」は、それぞれ異なる仮定アミノ酸残基を表す。特に断らない限りは、ここで使用される全ての%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを用いて直ぐ上の段落に記載されるようにして得られる。
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全ヌクレオチドである。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。%核酸配列同一性の計算の例として、「TASK-DNA」が対象となる仮説的TASKコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「TASK-DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮想ヌクレオチドを表していて、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「TASK-DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直ぐ上のパラグラフに示したようにALIGN-2コンピュータプログラムを用いて得られる。
ここに開示される種々のTASKポリペプチドを記載するために使用される「単離」とは、自然環境の成分から同定され及び分離及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様では、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でSDS-PAGEにより均一になるまで精製される。単離されたポリペプチドには、TASKポリペプチドの自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのポリペプチドが含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも一つの精製工程により調製される。
「コントロール配列」という用語は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列と、リボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。
ここでの目的に対する「活性な」又は「活性」とは、天然又は天然に生じるTASKの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するTASKポリペプチドの形態を意味し、その中で、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生TASKが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘導する能力以外の、天然又は天然発生TASKによって引き起こされる生物機能(阻害又は刺激)を意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生TASKが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘導する能力を意味する。
「慢性」投与とは、初期の治療効果(活性)を長期間にわたって維持するようにするために、急性態様とは異なり連続的な態様での薬剤の投与を意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。
癌の治療、症状の緩和又は診断のための「哺乳動物」とは、哺乳動物に分類される任意の動物を意味し、ヒト、家畜用及び農場用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどを含む。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
一又は複数の更なる治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(例えばTASKポリペプチド、それらに対する抗体又はTASK結合オリゴペプチド)輸送に有用な、脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤を含む種々のタイプの小胞体である。リポソームの成分は、通常は細胞膜の脂質配向に類似した2層構造に配列される。
ここに開示するポリペプチド、抗体、TASK結合オリゴペプチド、TASK結合有機分子、又はそのアゴニスト又はアンタゴニストの「有効量」とは、特に述べた目的を実施するために十分な量のことである。「有効量」は、述べられた目的に関連して、経験的及び常套的な形で決定することができる。
「治療的有効量」という用語は、患者又は哺乳動物の疾患又は疾病を「治療」するのに効果的な抗体、ポリペプチド、TASK結合オリゴペプチド、TASK結合有機分子又は他の薬剤の量を指す。癌の場合、治療的に有効量の薬は癌細胞の数を減じ;腫瘍の大きさを減じ;末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害(すなわち、ある程度まで減速、好ましくは停止)し;腫瘍転移を阻害(すなわち、ある程度まで減速及び好ましくは停止)し;腫瘍成長をある程度まで阻害し;及び/又は癌に関連する一又は複数の症状をある程度まで緩和する。「治療する」のここでの定義を参照せよ。薬が存在する癌細胞の成長を妨げ及び/又は死滅させる程度まで、それは、細胞分裂停止及び/又は細胞毒性であり得る。
抗TASK抗体、TASKポリペプチド、TASK結合オリゴペプチド、TASK siRNA又はTASK結合有機分子の「細胞毒性量」は、細胞、特に腫瘍、例えば癌細胞をインビトロ又はインビボで破壊できる量である。腫瘍性細胞成長の阻害の目的のための抗TASK抗体、TASKポリペプチド、TASK結合オリゴペプチド、TASK siRNA又はTASK結合有機分子の「細胞毒性量」は、経験的及び常套的な形で決定することができる。
「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗TASKモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ(polyepitopic)特異性を持つ抗TASK抗体組成物、ポリクローナル抗体、一本鎖抗TASK抗体、及び所望する生物学的又は免疫学的活性を示す限りは抗TASK抗体の断片(下記を参照)を包含する。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、ここでの抗体と相互に置き換え可能に用いられる。
「可変」という用語は、可変ドメインのある部分が抗体の間で配列が広範囲に異なることを意味する。Vドメインは抗原結合性を媒介し、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を定める。しかし、可変性は可変ドメインの110-アミノ酸スパンを通して均等には分布されていない。代わりに、V領域は、それぞれ9-12アミノ酸長である「高頻度可変領域」と称される極度の可変性を有するより短い領域によって分離された15-30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変の伸展からなる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメイン各々は、大きなβ-シート配置をとり、3つの高頻度可変領域により接続された4つのFR領域を含み、それはループ状の接続を形成し、β-シート構造の一部を形成することもある。各鎖の高頻度可変領域はFRにより他の鎖からの高頻度可変領域とともに極近傍に保持され、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ED. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接は関係ないが、種々のエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞障害(ADCC)における抗体の寄与を示す。
「無傷」の抗体は、抗原-結合部位、並びにCL及び少なくとも重鎖定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3を含むものである。定常ドメインは天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそれらのアミノ酸配列変異体であってよい。好ましくは、無傷の抗体は一又は複数のエフェクター機能を有する。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片と、容易に結晶化する能力を反映して命名された残留「Fc」断片を産生する。Fab断片は全長L鎖とH鎖の可変領域ドメイン(VH)、及び一つの重鎖の第一定常ドメイン(CH1)からなる。各Fab断片は抗原結合性に関して一価である、すなわち単一の抗原-結合部位を有する。抗体のペプシン処理により、単一の大きなF(ab')2断片が生じ、これは2価の抗原結合部位を持つ2つのジスルフィド結合されたFab断片にほぼ対応し、抗原を交差結合させることができるものである。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab断片と相違する。Fab'-SHは、ここでは定常ドメインのシステイン残基(類)が遊離のチオール基を持つFab'を表す。F(ab')2抗体断片は、通常はFab'断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
「Fv」は、完全な抗原-認識及び-結合部位を含む最小の抗体断片である。この断片は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。これら2つのドメインの折り畳みから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に対する抗原結合特異性を付与する6つの高頻度可変ループ(H及びL鎖から、それぞれ3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
「ダイアボディ(diabodies)」という用語は、鎖間ではなく鎖内でVドメインを対形成させ、結果として二価の断片、すなわち2つの抗原-結合部位を有する断片が得られるように、VHとVLドメインとの間に、短いリンカー(約5-10残基)を持つsFv断片(前の段落を参照)を構築することにより調製される小型の抗体断片を意味する。二重特異性ダイアボディは2つの「交差」sFv断片のヘテロダイマーであり、そこでは2つの抗体のVH及びVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404097号;国際公開93/11161号;及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
「干渉RNA」又は「小干渉RNA(siRNA)」は標的遺伝子の発現を低減させるヌクレオチド長30未満の二重鎖RNA分子である。「TASK干渉RNA」又は「TASK siRNA」は、好ましくは特異的に、TASK核酸に結合し、その発現を低減させる。これは、TASK分子の発現が、干渉RNAが存在していないコントロール中でのTASK分子の発現と比較して干渉RNAが存在している場合により低いことを意味する。TASK干渉RNAは既知の方法を使用して同定し合成することができる(Shi Y., Trends in Genetics 19(1):9-12 (2003), 国際公開2003056012及び国際公開2003064621)。
抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に帰する生物学的活性を意味し、抗体のアイソタイプにより変わる。抗体のエフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞障害;Fcレセプター結合性;抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC);貪食作用;細胞表面レセプター(例えば、B細胞レセプター)のダウンレギュレーション;及びB細胞活性化が含まれる。
「補体依存性細胞障害」もしくは「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解することを意味する。典型的な補体経路の活性化は補体系(Clq)の第1補体が、同族抗原と結合した(適切なサブクラスの)抗体に結合することにより開始される。補体の活性化を評価するために、CDCアッセイを、例えばGazzano-Santoro等, J. Immunol. Methods 202:163 (1996)に記載されているように実施することができる。
「細胞増殖性疾患」及び「増殖性疾患」という用語は、ある程度の異常な細胞増殖を伴う疾患を意味する。一実施態様では、細胞増殖性疾患は癌である。
ここで用いられる「腫瘍」は、悪性又は良性に関わらず、全ての腫瘍形成細胞成長及び増殖、及び全ての前癌性及び癌性細胞及び組織を意味する。
「標識」という語は、ここで用いられる場合、「標識化」抗体、オリゴペプチド又は他の有機分子を作製するために、抗体、オリゴペプチド又は他の有機分子に直接的又は間接的に結合させる検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識はそれ自身によって検出可能でもよく(例えば、放射性同位元素標識又は蛍光標識)、あるいは、酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物又は組成物の化学的変換を触媒してもよい。
「ドキソルビシン」はアントラサイクリン抗生物質である。ドキソルビシンの完全な化学名は、(8S-シス)-10-[(3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-L-リキソ-ヘキサピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-5,12-ナフタセンジオンである。
「パッケージ挿入物」という用語は、効能、用途、服用量、投与、配合禁忌及び/又はその治療薬の用途に関する警告についての情報を含む、治療薬の商業的包装を慣習的に含めた指示書を指す。
A.抗TASK抗体
一実施態様では、本発明は、ここで治療及び/又は診断薬としての用途が見出され得る抗TASK抗体を提供する。例示的な抗体には、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化、二重特異性及びヘテロコンジュゲート抗体が含まれる。
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原とアジュバントを複数回皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射することにより、動物に産生される。それは、免疫化されるべき種において免疫原性であるタンパク質へ、関連する抗原(特に、合成ペプチドが用いられる場合)を結合させるために有用である。例えば、この抗原を、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又は大豆トリプシンインヒビターへ、二重官能性又は誘導体形成剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する抱合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する抱合)、グルタルアルデヒド、及び無水コハク酸、SOCl2、又はR及びR1が異なるアルキル基であるR1N=C=NRを用いて結合させることができる。
動物を、例えばタンパク質又はコンジュゲート100μg又は5μg(それぞれウサギ又はマウスの場合)を完全フロイントアジュバント3容量と併せ、この溶液を複数部位に皮内注射することによって、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して免疫する。1ヶ月後、該動物を、完全フロイントアジュバントに入れた初回量の1/5ないし1/10のペプチド又はコンジュゲートを用いて複数部位に皮下注射することにより、追加免疫する。7ないし14日後に動物を採血し、抗体価について血清を検定する。動物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。コンジュゲートはまた、タンパク融合として組換え細胞培養中で調製することができる。また、ミョウバンのような凝集化剤が、免疫反応の増強のために好適に使用される。
モノクローナル抗体は、Kohler等, Nature, 256:495 (1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法、又は組換えDNA法(米国特許第4816567号)によって作成することができる。
ハイブリドーマ法においては、マウス又はその他の適当な宿主動物、例えばハムスターを上記のように免疫し、免疫化に用いられたタンパク質と特異的に結合する抗体を産生する、又は産生することのできるリンパ球を導き出す。別法として、リンパ球をインビトロで免疫することもできる。免疫化の後、リンパ球を単離し、ポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いて骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成させる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 59-103頁(Academic Press, 1986))。
このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親の骨髄腫細胞(融合のパートナーとも呼ばれる)の増殖または生存を阻害する一又は複数の物質を好ましくは含む適当な培地に蒔き、増殖させる。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠失するならば、ハイブリドーマのための培地は、典型的には、HGPRT−欠失細胞の増殖を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含有するであろう(HAT培地)。
ハイブリドーマ細胞が生育している培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生について検定する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降又はインビトロ結合検定、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定(ELISA)によって測定する。
所望の特異性、親和性、及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が確定された後、そのクローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法により増殖させることができる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 59-103頁(Academic Press, 1986))。この目的に対して好適な培地は、例えば、D-MEM又はRPMI-1640培地を包含する。また、このハイブリドーマ細胞は、動物の腹水症腫瘍として、例えばマウスへの細胞の腹腔内注射によって、インビボで増殖させることができる。
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばアフィニティークロマトグラフィー(例えばプロテインA又はプロテインG-セファロースを用いる)又はイオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析等のような常套的な抗体精製法によって、培地、腹水、又は血清から適切に分離される。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、常法を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)即座に分離されて、配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび分離されたならば、DNAを発現ベクター中に入れ、ついでこれを、この状況以外では抗体タンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は骨髄腫細胞のような宿主細胞中に形質移入し、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成を獲得することができる。抗体をコードするDNAの細菌中での組換え発現に関する概説論文には、Skerra等, Curr. Opinion in Immunol., 5:256-262(1993)及びPluckthun, Immunol. Revs. 130: 151-188(1992)が含まれる。
抗体をコードするDNAは、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメイン(CH及びCL)の配列を、相同的マウス配列に代えて置換することによって(米国特許第4816567号;Morrison等, Proc.Nat.Acad.Sci.,USA,81:6851(1984))、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチド(異種ポリペプチド)のコード配列の全部又は一部を共有結合させることによって修飾してキメラ又は融合抗体ポリペプチドを生成することができる。非免疫グロブリンポリペプチド配列は、抗体の定常ドメインと置き代わることができるか、又は抗体の一つの抗原結合部位の可変ドメインが置換されて、抗原に対する特異性を有する一つの抗原結合部位と異なる抗原に対する特異性を有するもう一つの抗原結合部位とを含むキメラ二価抗体を作り出す。
本発明の抗TASK抗体は、さらにヒト化抗体又はヒト抗体を含む。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形とは、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖又はその断片(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2あるいは抗体の他の抗原結合サブ配列)であって、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むものである。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)の残基が、マウス、ラット又はウサギのような所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。幾つかの例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置換されている。また、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入されたCDRもしくはフレームワーク配列にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般的に、ヒト化抗体は、全て又はほとんど全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに一致し、全て又はほとんど全てのFR領域がヒト免疫グロブリンのコンセンサス配列である、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、最適には免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含む[Jones等, Nature, 321:522-525 (1986); Riechmann等, Nature, 332:323-329 (1988); 及びPresta, Curr. Op Struct. Biol., 2:593-596 (1992)]。
非ヒト抗体をヒト化する方法はこの分野でよく知られている。一般的に、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入される。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と称される。ヒト化は基本的にウィンター(Winter)と共同研究者[Jones等, Nature, 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature, 332:323-327 (1988);Verhoeyen等, Science, 239:1534-1536 (1988)]の方法に従って、齧歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することにより実施される。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の対応する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は典型的には幾つかのCDR残基及びおそらくは幾つかのFR残基が齧歯類抗体の類似する部位からの残基によって置換されたヒト抗体である。
更に、抗体を、抗原に対する高結合親和性や他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化することが重要である。この目標を達成するべく、好ましい方法では、親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析工程を経てヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、表示するコンピュータプログラムは購入可能である。これら表示を見ることで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の分析、すなわち候補免疫グログリンの抗原との結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、例えば標的抗原に対する親和性が高まるといった、望ましい抗体特性が達成されるように、FR残基をレシピエント及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般的に、高頻度可変領域残基は、直接かつ最も実質的に抗原結合性に影響を及ぼしている。
ヒト化の別法として、ヒト抗体を生成することができる。例えば、現在では、免疫化することで、内因性免疫グロブリンの産生がなく、ヒト抗体の全レパートリーを産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作ることが可能である。例えば、キメラ及び生殖細胞系突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合体欠失によって、結果として内因性抗体産生の完全な阻害が起こることが説明されてきた。ヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子配列の、このような生殖細胞系突然変異体マウスへの転移によって、結果として抗原投与時にヒト抗体の産生がおこる。Jakobovits等, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551 (1993);Jakobovits等, Nature 362:255-258 (1993); Bruggeman等, Year in Immuno., 7:33 (1993);米国特許第5545806号、同5569825号、同5591669号(全てジェンファーム(GenPharm));同5545807号;及び国際公開第97/17852号を参照されたい。
上述したように、ヒト抗体はインビトロで活性化したB細胞により産生することができる(米国特許第5567610号及び同5229275号)。
ある状況下では、抗体全体よりも、抗体断片を用いることに利点がある。より小さな大きさの断片によって迅速なクリアランスが可能となり、固形腫瘍への接近の改良につながり得る。
抗体断片を産生するために様々な技術が開発されている。伝統的には、これらの断片は、無傷の抗体のタンパク分解性消化によって誘導された(例えば、Morimoto等, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992)及びBrennan等, Science, 229:81(1985)を参照されたい)。しかし、これらの断片は、現在は組換え宿主細胞により直接産生することができる。Fab、Fv及びScFv抗体断片は、すべて大腸菌で発現させ分泌させることができ、従って、大量のこれら断片の産生が容易となった。抗体断片は、上で論じた抗体ファージライブラリーから単離することができる。別法として、Fab'-SH断片は大腸菌から直接回収することができ、化学的に結合させてF(ab')2断片を形成することができる(Carter等, Bio/Technology 10:163-167(1992))。他のアプローチ法では、F(ab')2断片を組換え宿主細胞培養から直接分離することができる。インビボ半減期が増した、サルベージレセプター結合性エピトープ残基を含むFab及びF(ab’)2が、米国特許第5869046号に記載されている。抗体断片を生成するのための他の方法は、当業者には明らかであろう。他の実施態様では、選択する抗体は単鎖Fv断片(scFv)である。国際公開93/16185号;米国特許第5571894号;及び米国特許第5587458号を参照のこと。Fv及びsFvは、定常領域を欠く無傷の連結部位を有する唯一の種である;従って、インビボで使用している間の減少した非特異的結合に適している。sFv融合タンパク質は、sFvのアミノ又はカルボキシ末端のどちらかで、エフェクタータンパク質の融合体が生成されるように構成されてもよい。上掲のAntibody Engineering, Borrebaeck編を参照のこと。また、抗体断片は、例えば米国特許第5641870号に記載されているような「直鎖状抗体」であってもよい。そのような直鎖状抗体断片は単一特異性又は二重特異性であってもよい。
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。例示的な二重特異性抗体は、TASKタンパク質の2つの異なるエピトープに結合しうる。他のこのような抗体では他のタンパク質に対する結合部位とTASK結合部位とが結合しうる。あるいは、抗TASKアームは、TASK-発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させ局在させるように、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプター、又はT細胞レセプター分子(例えばCD3)等の白血球上のトリガー分子に結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体はTASKを発現する細胞に細胞障害剤を局在化するためにも使用されうる。これらの抗体はTASK結合アーム及び細胞障害剤(例えば、サポリン(saporin)、抗インターフェロン-α、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセート又は放射性同位元素ハプテン)と結合するアームを有する。二重特異性抗体は完全長抗体又は抗体断片(例えばF(ab')2二重特異性抗体)として調製することができる。
国際公開第96/16673号には、二重特異性抗-ErbB2/抗-FcγRIII抗体が記載されており、米国特許第5837234号には、二重特異性抗-ErbB2/抗-FcγRI抗体が開示されている。二重特異性抗-ErbB2/Fcα抗体は国際公開第98/02463号に示されている。米国特許第5821337号は、二重特異性抗-ErbB2/抗-CD3抗体を教示するものである。
二重特異性抗体を作成する方法は当該分野において既知である。完全長二重特異性抗体の伝統的な産生は二つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の同時発現に基づき、ここで二つの鎖は異なる特異性を持っている(Millstein等, Nature, 305:537-539(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖が無作為に取り揃えられているため、これらのハイブリドーマ(四部雑種)は10個の異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生し、そのうちただ一つが正しい二重特異性構造を有する。通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩わしく、生成物収率は低い。同様の方法が国際公開第93/08829号及びTraunecker等、EMBO J. 10:3655-3659(1991)に開示されている。
この手法の好ましい実施態様では、二重特異性抗体は、第一の結合特異性を有する一方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖と他方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)とからなる。二重特異性分子の半分にしか免疫グロブリン軽鎖がないと容易な分離法が提供されるため、この非対称的構造は、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にすることが分かった。このアプローチ法は、国際公開第94/04690号に開示されている。二重特異性抗体を産生する更なる詳細については、例えばSuresh等, Methods in Enzymology, 121:210 (1986)を参照されたい。
二重特異性抗体は、架橋した又は「ヘテロコンジュゲート」抗体もまた含む。例えば、ヘテロコンジュゲートの抗体の一方はアビジンに結合され、他方はビオチンに結合され得る。そのような抗体は、例えば、不要の細胞に対する免疫系細胞をターゲティングするため(米国特許第4676980号)、及びHIV感染の治療のために提案された(国際公開第91/00360号、同92/200373号、及び欧州特許第03089号)。ヘテロコンジュゲート抗体は、あらゆる簡便な架橋法を用いて作製することができる。好適な架橋剤は当該分野において良く知られており、幾つかの架橋技術と共に米国特許第4676980号に開示されている。
最近の進歩により、大腸菌からのFab'-SH断片の直接の回収が容易になり、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalaby等,J.Exp.Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab')2分子の製造を記述している。各Fab'断片は大腸菌から別個に分泌され、インビトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞、及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞毒性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tutt等 J.Immunol. 147:60(1991)。
ヘテロコンジュゲート抗体もまた本発明の範囲に入る。ヘテロコンジュゲート抗体は、2つの共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせるため[米国特許第4676980号]及びHIV感染の治療のために[国際公開第91/00360;国際公開第92/200373;欧州特許第03089号]提案されている。この抗体は、架橋剤に関連したものを含む合成タンパク化学における既知の方法を使用して、インビトロで調製することができると考えられる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか又はチオエーテル結合を形成することによって、免疫毒素を作成することができる。この目的に対して好適な試薬の例には、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチルイミダート、及び例えば米国特許第4676980号に開示されたものが含まれる。
多価抗体は、抗体が結合する抗原を発現する細胞により、二価抗体よりも早くインターナリゼーション(及び/又は異化)されうる。本発明の抗体は、3又はそれ以上の結合部位を有する多価抗体(IgMクラス以外のもの)であり得(例えば四価抗体)、抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組換え発現により容易に生成することができる。多価抗体は二量化ドメインと3又はそれ以上の抗原結合部位を有する。好ましい二量化ドメインはFc領域又はヒンジ領域を有する(又はそれらからなる)。このシナリオにおいて、抗体はFc領域と、Fc領域のアミノ末端に3又はそれ以上の抗原結合部位を有しているであろう。ここで、好ましい多価抗体は3ないし8、好ましくは4の抗原結合部位を有する(又はそれらからなる)。多価抗体は少なくとも一つのポリペプチド鎖(好ましくは2つのポリペプチド鎖)を有し、ポリペプチド鎖(類)は2又はそれ以上の可変ドメインを有する。例えば、ポリペプチド鎖(類)はVD1-(X1)n-VD2-(X2)n-Fcを有し、ここでVD1は第1の可変ドメインであり、VD2は第2の可変ドメインであり、FcはFc領域のポリペプチド鎖の一つであり、X1及びX2はアミノ酸又はポリペプチドを表し、nは0又は1である。例えば、ポリペプチド鎖(類)は:VH-CH1-柔軟なリンカー-VH-CH1-Fc領域鎖;又はVH-CH1-VH-CH1-Fc領域鎖を有し得る。ここで多価抗体は、好ましくは少なくとも2つ(好ましくは4つ)の軽鎖可変ドメインポリペプチドをさらに有する。ここで多価抗体は、例えば約2〜約8の軽鎖可変ドメインポリペプチドを有する。ここで考察される軽鎖可変ドメインポリペプチドは軽鎖可変ドメインを有し、場合によってはCLドメインを更に有する。
本発明の抗体をエフェクター機能について改変し、例えば抗体の抗原-依存細胞媒介細胞毒性(ADCC)及び/又は補体依存細胞毒性(CDC)を向上させることは望ましい。これは、抗体のFc領域で一又は複数のアミノ酸置換を誘導することによりなされうる。あるいは又はさらに、システイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。そのようにして生成された同種二量体抗体は、向上したインターナリゼーション能力及び/又は増加した補体媒介細胞殺傷及び抗体−依存細胞性細胞毒性(ADCC)を有する可能性がある。Caron等, J. Exp. Med. 176: 1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148: 2918-2922 (1992)参照。また、向上した抗腫瘍活性を持つ同種二量体抗体は、Wolff等, Cancer Research 53: 2560-2565 (1993)に記載されている異種二官能性架橋を用いて調製することができる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevenson等, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230 (1989)参照。抗体の血清半減期を増大させるために、例えば米国特許第5739277号に記載のように、抗体(特に抗体断片)へサルベージレセプター結合エピトープを導入してもよい。ここで使用される場合の「サルベージレセプター結合エピトープ」なる用語は、IgG分子のインビボ血清半減期を増加させる原因であるIgG分子(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)のFc領域のエピトープを意味する。
また、本発明は、化学治療薬、成長阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素活性毒素、又はその断片)などの細胞障害剤、あるいは放射性同位元素(即ち、放射性コンジュゲート)と抱合している抗体を含む免疫複合体に関する。
このような免疫複合体の生成に有用な化学治療薬を上に記載した。用いることのできる酵素活性毒素及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデクシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン、アレウリテス・フォーディ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)インヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)及びトリコテセン(tricothecene)が含まれる。放射性コンジュゲート抗体の生成には、様々な放射性ヌクレオチドが利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Y及び186Reが含まれる。抗体及び細胞毒性薬の複合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオナート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCL等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トリエン2,6-ジイソシアネート等)、及びビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン等)を用いて作成できる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta等, Science 238: 1098 (1987)に記載されているように調製することができる。カーボン-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への抱合のためのキレート剤の例である。国際公開94/11026参照。
抗体のコンジュゲートと一又は複数の小分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、トリコセン(trichothene)及びCC1065、及び毒性活性を有するこれらの毒素の誘導体が、ここで考察される。
好ましい一実施態様では、本発明の抗TASK抗体(完全長又は断片)は一又は複数のメイタンシノイド分子と結合している。
メイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害するように作用する分裂阻害剤である。メイタンシンは、最初、東アフリカシラブMaytenus serrataから単離されたものである(米国特許第3896111号)。その後、ある種の微生物がメイタンシノイド類、例えばメイタンシノール及びC-3メイタンシノールエステルを生成することが発見された(米国特許第4151042号)。合成メイタンシノール及びその誘導体及び類似体は、例えば米国特許第4137230号;同4248870号;同4256746号;同4260608号;同4265814号;同4294757号;同4307016号;同4308268号;同4308269号;同4309428号;同4313946号;同4315929号;同4317821号;同4322348号;同4331598号;同4361650号;同4364866号;同4424219号;同4450254号;同4362663号;及び同4371533号に開示されており、その開示は出典を明示してここに取り込まれる。
治療指標を改善する試みにおいて、メイタンシン及びメイタンシノイドは、腫瘍細胞抗原に特異的に結合する抗体と結合している。メイタンシノイドを含有する免疫コンジュゲート及びそれらの治療用途は、例えば米国特許第5208020号、同5416064号、欧州特許第0425235B1号に開示されており、その開示は出典を明示してここに取り込まれる。Liu等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623(1996)には、ヒト結腸直腸癌に対するモノクローナル抗体C242に結合するDM1と命名されたメイタンシノイドを含有する免疫コンジュゲートが記載されている。前記コンジュゲートは培養された結腸癌細胞に対して高い細胞毒性を有することが見出されており、インビボ腫瘍成長アッセイにおいて抗腫瘍活性を示す。Chari等, Cancer Research, 52:127-131(1992)には、メイタンシノイドが、ジスルフィド結合を介して、ヒト結腸癌株化細胞の抗原に結合するマウス抗体A7、又はHER-2/neuオンコジーンに結合する他のマウスモノクローナル抗体TA.1に結合している免疫コンジュゲートが記載されている。TA.1-メイタンシノイドコンジュゲートの細胞毒性はヒト乳癌株化細胞SK-BR-3におけるインビトロで試験され、細胞当たり3x105HER-2表面抗原が発現した。薬剤コンジュゲートにより、遊離のメイタンシノイド剤に類似した細胞障害度が達成され、該細胞障害度は、抗体分子当たりのメイタンシノイド分子の数を増加させることにより増加する。A7-メイタンシノイドコンジュゲートはマウスにおいては低い全身性細胞毒性を示した。
抗TASK抗体-メイタンシノイドコンジュゲートは、抗体又はメイタンシノイド分子のいずれの生物学的活性もほとんど低減することなく、メイタンシノイド分子に抗TASK抗体を化学的に結合させることにより調製される。1分子の毒素/抗体は、裸抗体の使用において細胞毒性を高めることが予期されているが、抗体分子当たり、平均3-4のメイタンシノイド分子が結合したものは、抗体の機能又は溶解性に悪影響を与えることなく、標的細胞に対する細胞毒性を向上させるといった効力を示す。メイタンシノイドは当該技術分野でよく知られており、公知の技術で合成することも、天然源から単離することもできる。適切なメイタンシノイドは、例えば米国特許第5208020号、及び他の特許、及び上述した非特許刊行物に開示されている。好ましいメイタンシノイドは、メイタンシノール、及び種々のメイタンシノールエステル等の、メイタンシノール分子の芳香環又は他の位置が修飾されたメイタンシノール類似体である。
例えば、米国特許第5208020号又は欧州特許第0425235B1号、及びChari等, Cancer Research, 52:127-131(1992)に開示されているもの等を含む、抗体-メイタンシノイドコンジュゲートを作製するために、当該技術で公知の多くの結合基がある。結合基には、上述した特許に開示されているようなジスルフィド基、チオエーテル基、酸不安定性基、光不安定性基、ペプチターゼ不安定性基、又はエステラーゼ不安定性基が含まれるが、ジスルフィド及びチオエーテル基が好ましい。
リンカーは結合の種類に応じて、種々の位置でメイタンシノイド分子に結合し得る。例えば、従来からのカップリング技術を使用してヒドロキシル基と反応させることによりエステル結合を形成することができる。反応はヒドロキシル基を有するC-3位、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14位、ヒドロキシル基で修飾されたC-15位、及びヒドロキシル基を有するC-20位で生じる。好ましい実施態様において、結合はメイタンシノール又はメイタンシノールの類似体のC-3位で形成される。
対象の他の免疫コンジュゲートには、一又は複数のカリケアマイシン分子と結合した抗TASK抗体が含まれる。抗生物質のカリケアマイシンファミリーはサブ-ピコモルの濃度で二重鎖DNA破壊を生じることができる。カリケアマイシンファミリーのコンジュゲートの調製については、米国特許第5712374号、同5714586号、同5739116号、同5767285号、同5770701号、同5770710号、同5773001号、同5877296号(全て、American Cyanamid Company)を参照のこと。使用可能なカリケアマイシンの構造類似体には、限定するものではないが、γ1 I、α2 I、α3 I、N-アセチル-γ1 I、PSAG及びθI 1(Hinman等, Cancer Research, 53:3336-3342(1993)、Lode等 Cancer Research, 58:2925-2928(1998)及び上述したAmerican Cyanamidの米国特許)が含まれる。抗体が結合可能な他の抗腫瘍剤は、葉酸代謝拮抗薬であるQFAである。カリケアマイシン及びQFAは双方とも、細胞内に作用部位を有し、原形質膜を容易に通過しない。よって抗体媒介性インターナリゼーションによるこれらの薬剤の細胞への取込により、細胞障害効果が大きく向上する。
本発明の抗TASK抗体と結合可能な他の抗腫瘍剤には、BCNU、ストレプトゾイシン、ビンクリスチン及び5-フルオロウラシル、米国特許第5053394号、同5770710号に記載されており、集合的にLL-E33288複合体として公知の薬剤のファミリー、並びにエスペラマイシン(esperamicine)(米国特許第5877296号)が含まれる。
使用可能な酵素活性毒及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa))、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン(sarcin)、アレウライツ・フォルディイ(Aleurites fordii)プロテイン、ジアンシン(dianthin)プロテイン、フィトラッカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)プロテイン(PAPI、PAPII及びPAP-S)、モモルディカ・キャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)オフィシナリスインヒビター、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコセセンス(tricothecenes)が含まれる。例えば、1993年10月28日公開の国際公開第93/21232号を参照のこと。
本発明は、抗体と核酸分解活性を有する化合物(例えばリボヌクレアーゼ又はDNAエンドヌクレアーゼ、例えばデオキシリボヌクレアーゼ;DNアーゼ)との間に形成される免疫コンジュゲートをさらに考察する。
放射-又は他の標識が、公知の方法でコンジュゲートに導入される。例えば、ペプチドは生物合成されるか、又は水素の代わりにフッ素-19を含む適切なアミノ酸前駆体を使用する化学的なアミノ酸合成により合成される。標識、例えばtc99m又はI123、Re186、Re188及びIn111は、ペプチドのシステイン残基を介して結合可能である。イットリウム-90はリジン残基を介して結合可能である。IODOGEN法(Fraker等(1978) Biochem. Biophys. Res. Commun. 80:49-57)は、ヨウ素-123の導入に使用することができる。他の方法の詳細は、「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」(Chatal, CRC Press 1989)に記載されている。
別法として、抗TASK抗体及び細胞障害剤を含有する融合タンパク質は、例えば組換え技術又はペプチド合成により作製される。DNAの長さは、コンジュゲートの所望する特性を破壊しないリンカーペプチドをコードする領域により離間しているか、又は互いに隣接しているコンジュゲートの2つの部分をコードする領域をそれぞれ含有する。
他の実施態様において、腫瘍の事前ターゲティングに利用するために、「レセプター」(例えばストレプトアビジン)に抗体をコンジュゲートし、ここで抗体-レセプターコンジュゲートを患者に投与し、続いて清澄剤を使用し、循環から未結合コンジュゲートを除去し、細胞障害剤(例えば放射性ヌクレオチド)にコンジュゲートする「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
ここで開示されている抗TASK抗体は、免疫リポソームとして処方することもできる。「リポソーム」は、哺乳動物への薬物輸送に有用な、脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤を含む種々のタイプの小胞体である。リポソームの成分は、通常は生物膜の脂質配向に類似した2層構造に配列される。抗体を含有するリポソームは、例えばEpstein等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688(1985);Hwang等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4030(1980);及び米国特許第4485045号及び同4544545号;及び1997年10月23日に公開の国際公開97/38731に記載されているように、当該分野において既知の方法により調製される。循環時間が増したリポソームは米国特許第5013556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含有する脂質組成物を用いた逆相蒸発法により作製することができる。リポソームは孔径が定められたフィルターを通して押し出され、所望の直径を有するリポソームが得られる。本発明の抗体のFab'断片は、ジスルフィド交換反応を介して、Martin等, J. Biol. Chem. 257:286-288(1982)に記載されているようにしてリポソームにコンジュゲートすることができる。場合によっては、化学療法剤はリポソーム内に包含される。Gabizon等, J. National Cancer Inst. 81(19)1484(1989)を参照されたい。
本発明のTASK結合オリゴペプチドはここで記載される様なTASKポリペプチドに、好ましくは特異的に、結合するオリゴペプチドである。TASK結合オリゴペプチドは、既知のオリゴペプチド合成法を用いて化学的に合成することができ、あるいは組換え技術を用いて調製及び生成することができる。TASK結合オリゴペプチドは通常、少なくとも約5のアミノ酸長であり、或いは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100のアミノ酸長以上であり、このようなオリゴペプチドはここに記載される様なTASKポリペプチドに対して好ましくは特異的に結合する能力がある。TASK結合オリゴペプチドは、よく知られた技術を用いて過度の実験をすることなしに同定することができる。この点において、ポリペプチド標的に特異的に結合する能力のあるオリゴペプチドのオリゴペプチドライブラリーを検索する技術は当分野でよく知られていることを注記する(例えば、米国特許第5556762号、同第5750373号、同第4708871号、同第4833092号、同第5223409号、同第5403484号、同第5571689号、同第5663143号;PCT公開第WO84/03506号、及びWO84/03564号;Geysen等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 81:3998-4002 (1984);Geysen等, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 82:178-182 (1985);Geysen等, in Synthetic Peptides as Antigens, 130-149 (1986);Geysen等, J. Immunol. Meth., 102:259-274 (1987);Schoofs等, J. Immunol., 140:611-616 (1988), Cwirla,S.E.等(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6378;Lowman,H.B.等 (1991) Biochemistry, 30:10832;Clackson,T.等 (1991) Nature, 352:624;Marks,J.D.等 (1991) J. Mol. Biol., 222:581;Kang,A.S.等 (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:8363、及びSmith, G.P. (1991) Current Opin. Biotechnol., 2:668参照)。
現在、基礎的なファージディスプレイ構想の多くの他の改良及び変形が開発されている。これらの改良は、選択された標的分子への結合についてペプチドライブラリーをスクリーニングするための、及びこれらのタンパク質が所望の特性をスクリーニングする潜在能力で機能性タンパク質をディスプレイするためのディスプレイシステムの能力を増強する。ファージディスプレイ反応のための組換え反応手段について記載があり(WO98/14277)及びファージディスプレイライブラリーは二分子相互作用(WO98/20169;WO98/20159)及び拘束性へリックスペプチドの特性(WO98/20036)を分析及び制御するために使用されている。WO97/35196は、リガンドが標的分子に結合しうる第一の溶液、及び親和性リガンドが標的分子に結合しない第二の溶液とファージディスプレイライブラリーを接触させて結合リガンドを選択的に単離する、親和性リガンドの単離方法を記載する。WO97/46251は、親和性精製抗体でランダムファージディスプレイライブラリーをバイオパニングし、ついで結合ファージを単離し、続いてマイクロプレートのウェルでマイクロパニングして高親和性結合ファージを単離する方法を記載する。黄色ブドウ球菌(Staphlylococcus aureus)タンパク質Aの親和性タグとしての使用も報告されている(Li等, (1998) Mol Biotech., 9:187)。WO97/47314は、ファージディスプレイライブラリーでもよいコンビナトリアルライブラリーを用いて酵素特異性を識別するための基質サブトラクションライブラリーの使用を記載している。ファージディスプレイに用いる洗浄剤における使用に適した酵素を選択する方法はWO97/09446に記載される。特異的に結合するタンパク質を選択する更なる方法は、米国特許第5498538号、同第5432018号、及びWO98/15833に記載されている。
ペプチドライブラリーの作製及びこれらのライブラリーのスクリーニングの方法は、米国特許第5723286号、同第5432018号、同第5580717号、同第5427908号、同第5498530号、同第5770434号、同第5734018号、同第5698426号、同第5763192号、及び同第5723323号に記載される。
TASK結合有機分子とは、ここに記載されるようなTASKポリペプチドに、好ましくは特異的に結合する、ここに定義されるようなオリゴペプチド又は抗体以外の有機分子である。TASK結合有機分子は既知の方法(例えばPCT公開第WO00/00823及びWO00/39585号参照)を用いて同定され、化学的に合成されうる。TASK結合有機分子は通常、約2000ダルトンの大きさ未満であり、あるいは約1500、750、500、250又は200ダルトンの大きさであり、ここに記載される様なTASKポリペプチドに、好ましくは特異的に結合する能力のあるこのような有機分子は、よく知られた技術を用いて過度の実験をすることなしに同定されうる。この点において、ポリペプチド標的に結合する能力のある分子の有機分子ライブラリーを検索する技術は当分野でよく知られていることを注記する(例えばPCT公開第WO00/00823及びWO00/39585号参照)。TASK結合有機分子は、例えばアルデヒド、ケトン、オキシム、ヒドラゾン、セミカルバゾン、カルバジド、一級アミン、二級アミン、三級アミン、N置換ヒドラジン、ヒドラジド、アルコール、エーテル、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、エステル、アミド、尿素、カルバミン酸塩、炭酸塩、ケタール、チオケタール、アセタール、チオアセタール、ハロゲン化アリール、アリールスルホン酸、ハロゲン化アルキル、アルキルスルホン酸、芳香族化合物、複素環化合物、アニリン、アルケン、アルキン、ジオール、アミノアルコール、オキサゾリジン、オキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、エナミン、スルホンアミド、エポキシド、アジリジン、イソシアン酸塩、塩化スルホニル、ジアゾ化合物、酸塩化物等であり得る。
TASKポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド及び有機分子を生成する技術を、上に記載した。所望される、所定の生物学的特性を有する抗体、オリゴペプチド又は有機分子をさらに選択することができる。
本発明の抗TASK抗体、オリゴペプチド又は他の有機分子の成長阻害効果を、例えば、内因的又はTASK遺伝子によるトランスフェクション後のいずれかでTASKポリペプチドを発現する細胞を用いる当該分野で周知の方法によって評価することができる。例えば、適切な腫瘍細胞株及びTASK形質移入細胞は、数日間(例えば、2−7日)、種々の濃度の本発明の抗TASKモノクローナル抗体、オリゴペプチド又は他の有機分子で処理し、クリスタル・バイオレット又はMTTで染色、又は幾つかの他の比色アッセイによって分析し得る。増殖を測定するその他の方法は、本発明の抗TASK抗体、TASK結合オリゴペプチド又はTASK結合有機分子の存在又は非存在下で処理した細胞の3H-チミジン取り込みを比較することによる。処理の後、細胞を収集し、DNAへ取り込まれた放射能をシンチレーションカウンターで定量化した。適切なポジティブコントロールには、細胞株の成長を阻害することが知られている成長阻害抗体でその選択した細胞株を処理することが含まれる。インビボでの腫瘍細胞の成長阻害は、当該分野で知られている種々の方法で確かめることができる。好ましくは、腫瘍細胞は、TASKポリペプチドを過剰発現するものである。好ましくは、抗TASK抗体、TASK結合オリゴペプチド又はTASK結合有機分子は、ある実施態様では約0.5から30μg/mlの抗体濃度で、未処理腫瘍細胞と比べて約25-100%、より好ましくは約30−100%、そしてさらにより好ましくは約50−100%又は70−100%のTASK発現腫瘍細胞の増殖をインビトロ又はインビボで阻害する。成長阻害は、細胞培養で、約0.5から30μg/ml又は0.5nMから200nMの抗体濃度で測定することができ、その成長阻害は、抗体への腫瘍細胞の曝露後1−10日で確かめられる。約1μg/kgから約100mg/kg体重での抗TASK抗体の投与が、抗体の最初の投与から約5日から3ヶ月、好ましくは約5から30日以内に腫瘍の大きさの減少又は腫瘍細胞増殖の減少を引き起こすならば、抗体はインビボで成長阻害作用がある。
関心のある抗体が結合したTASKポリペプチド上のエピトープに結合する抗体、オリゴペプチド又は他の有機分子をスクリーニングするために、Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow及びDavid Lane編(1988)に記載されているような通常の交差ブロッキングアッセイを実施することができる。既知の抗TASK抗体のように、試験抗体、オリゴペプチド又は他の有機分子が同じ部位又はエピトープと結合するならば、このアッセイを確定するために用いることができる。あるいは、又は付加的に、エピトープマッピングを、当該分野で周知の方法によって行うことができる。例えば、接触残基を同定するために、例えばアラニンスキャンニングによって抗体配列を変異させることができる。この変異体抗体は、適切なフォールディングを確かめるために、最初にポリクローナル抗体との結合について試験される。異なる方法では、TASKポリペプチドの異なる領域と一致するペプチドを、試験抗体群又は試験抗体及び特徴付けられた又は既知のエピトープを有する抗体による競合アッセイで用いることができる。
また、本発明の抗体は、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、国際公開81/01145を参照)を活性な抗癌剤へ変換するプロドラッグ活性化酵素へ抗体をコンジュゲートすることによって、ADEPTにおいて使用することができる。例えば国際公開88/07378及び米国特許第4975278号を参照されたい。
ADEPTに有用な免疫コンジュゲートの酵素成分には、より活性な細胞毒形態に変換するようにプロドラッグへ作用し得る任意の酵素が含まれる。
限定するものではないが、この発明の方法に有用な酵素には、ホスファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に変換するのに有用なアルカリ性ホスファターゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に変換するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性5-フルオロシトシンを抗癌剤5-フルオロウラシルに変換するのに有用なシトシンデアミナーゼ;プロテアーゼ、例えばセラチアプロテアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL)で、ペプチド含有プロドラッグを遊離の薬剤に変換するのに有用なもの;D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグの変換に有用なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ;炭水化物切断酵素、例えばグリコシル化プロドラッグを遊離の薬剤に変換するのに有用なノイラミニダーゼ及びβガラクトシダーゼ;βラクタムで誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に変換させるのに有用なβラクタマーゼ;及びペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれフェノキシアセチル又はフェニルアセチル基で、それらのアミン性窒素において誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に変換するのに有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼが含まれる。あるいは、「アブザイム」としてもまた公知の酵素活性を有する抗体を、遊離の活性薬剤に本発明のプロドラッグを変換させるために使用することもできる(例えば、Massey, Nature 328:457-458(1987)を参照)。抗体-アブザイムコンジュゲートは、ここで記載されているようにして、腫瘍細胞個体群にアブザイムを送達するために調製することができる。
この発明の酵素は、当該分野においてよく知られている技術、例えば上で検討したヘテロ二官能性架橋試薬を使用することにより、抗TASK抗体に共有的に結合させることができる。あるいは、本発明の抗体の少なくとも抗原結合領域を本発明の酵素の少なくとも機能的に活性な部位に結合せしめてなる融合タンパク質を、当該技術においてよく知られている組換えDNA技術を使用して作成することができる(Neuberger等, Nature 312:604-608[1984])。
本発明は、本出願でTASKポリペプチドと呼ばれるポリペプチドをコードする新規に同定され単離された核酸配列を提供する。特に下記の実施例でさらに詳細に説明するように、種々のTASKポリペプチドをコードするcDNA(部分及び完全長)が同定され単離された。
下記の実施例に開示するように、種々のcDNAクローンが記載されている。予測されるアミノ酸配列は、ヌクレオチド配列から常套的技量を用いて決定できる。ここに記載したTASKポリペプチド及びコード化核酸について、本出願人は、現時点で入手可能な配列情報と最も良く一致するリーディングフレームであると考えられるものを同定した。
ここに記載した抗TASK抗体及び完全長天然配列TASKポリペプチドに加えて、抗TASK抗体及びTASKポリペプチド変異体も調製できると考えられる。抗TASK抗体及びTASKポリペプチド変異体は、コード化DNAに適当なヌクレオチド変化を導入することによって、及び/又は所望の抗体又はポリペプチドを合成することによって調製できる。当業者は、アミノ酸変化がグリコシル化部位の数又は位置の変化あるいは膜固着特性の変化などの抗TASK抗体の翻訳後プロセス又はTASKポリペプチドの翻訳後プロセスを変え得るのを理解するであろう。
ここに記載した抗TASK抗体及びTASKポリペプチドの変異は、例えば、米国特許第5364934号に示す保存的及び非保存的変異に関する技術及び指針のいずれかを用いて作成することができる。変異は、結果として天然配列抗体又はポリペプチドと比較してアミノ酸配列の変化を生じる、抗体又はポリペプチドをコードする一又は複数のコドンの置換、欠失又は挿入であってもよい。場合によっては、変異は、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの一つ又は複数のドメインにおける、少なくとも一つのアミノ酸の他の任意のアミノ酸との置換による。どのアミノ酸残基が所望の活性に悪影響を与えることなく挿入、置換又は欠失され得るかを確かめる指針は、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの配列を既知の相同タンパク質分子の配列と比較し、相同性の高い領域内で生じたアミノ酸配列変化の数を最小にすることによって見出される。アミノ酸置換は、一のアミノ酸を類似した構造及び/又は化学特性を持つ他のアミノ酸で置換すること、例えばロイシンのセリンでの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果であるとすることができる。挿入及び欠失は、場合によっては1から5のアミノ酸の範囲内であり得る。許容され得る変異は、配列にアミノ酸の挿入、欠失又は置換を系統的に作成し、生じた変異体を完全長又は成熟天然配列によって示される活性に関して試験することによって確かめられる。
抗TASK抗体及びTASKポリペプチド断片は、多くの従来技術のいずれかによって調製してもよい。所望のペプチド断片は化学合成してもよい。代替的方法には、酵素的消化、例えば特定のアミノ酸残基で確定した部位でタンパク質を切断することが知られた酵素によってタンパク質を処理することで、又は適当な制限酵素でDNAを消化して所望の断片を単離することによって抗体又はポリペプチド断片を生成することが含まれる。さらにその他の好適な技術には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、所望の抗体又はポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し増幅することが含まれる。DNA断片の所望の末端を確定するオリゴヌクレオチドは、PCRの5’及び3’プライマーで用いられる。好ましくは、抗TASK抗体及びTASKポリペプチド断片は、ここに開示した天然抗TASK抗体又はTASKポリペプチドと少なくとも一つの生物学的及び/又は免疫学的活性を共有する。
特定の実施態様では、対象とする保存的置換を、好ましい置換の項目で表6に示す。このような置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表6に例示的置換と名前を付けた又は以下にアミノ酸分類でさらに記載するように、より実質的な変化が導入され生成物がスクリーニングされる。
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。また、そのように置換された残基は、保存的置換部位、又はより好ましくは、残された(非保存)部位に導入されうる。
変異は、オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)突然変異誘導、アラニンスキャンニング、及びPCR突然変異誘導等のこの分野で知られた方法を用いてなすことができる。部位特異的突然変異誘導[Carter等, Nucl. Acids Res., 13: 4331 (1986); Zoller等, Nucl. Acids Res., 10: 6487 (1987)]、カセット突然変異誘導[Wells等, Gene, 34: 315 (1985)]、制限的選択突然変異誘導[Wells等, Philos. Trans. R. Soc. London SerA, 317: 415 (1986)]又は他の知られた技術をクローニングしたDNAに実施して、抗TASK抗体又はTASKポリペプチド変異体DNAを作成することもできる。
抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの適切なコンフォメーションを維持することに関与していない任意のシステイン残基も、分子の酸化的安定性を向上させ、異常な架橋を防ぐために、概してセリンと置換され得る。逆に、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの安定性(特に、抗体がFv断片のような抗体断片)を向上させるために、それにシステイン結合(複数でも)を加えてもよい。
抗TASK抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、当該分野で周知の種々の方法によって調製される。これらの方法には、限定されるものではないが、オリゴヌクレオチド媒介(又は部位特異的)突然変異誘導、PCR突然変異誘導、そして抗TASK抗体の早期に調製した変異体又は非変異体形のカセット突然変異誘導による、天然ソースからの単離(天然発生アミノ酸配列変異体の場合)又は調製が含まれる。
抗TASK抗体及びTASKポリペプチドの共有結合的修飾は本発明の範囲内に含まれる。共有結合的修飾の一型には、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの標的とするアミノ酸残基を、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの選択された側鎖又はN又はC末端残基と反応できる有機誘導体化試薬と反応させることが含まれる。二官能性試薬による誘導体化は、例えば抗TASK抗体又はTASKポリペプチドを、抗TASK抗体の精製方法で用いる水不溶性支持体マトリクス又は表面と架橋させるために有用であり、その逆も同じである。通常用いられる架橋剤には、例えば、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば4-アジドサリチル酸を有するエステル、3,3'-ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)等のジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル、ビス-N-マレイミド-1,8-オクタン等の二官能性マレイミド、及びメチル-3-[(p-アジドフェニル)-ジチオ]プロピオイミダート等の試薬が含まれる。
他の修飾には、グルタミニル及びアスパラギニル残基の各々対応するグルタミル及びアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα-アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp.79-86 (1983)]、N末端アミンのアセチル化、及び任意のC末端カルボキシル基のアミド化を含む。
抗体及び他のポリペプチドのグリコシル化とは、典型的にはN-結合又はO-結合のいずれかである。N-結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付与を指す。トリペプチドは、Xがプロリンを除く任意のアミノ酸である、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニンの配列であり、アスパラギン側鎖への炭水化物部分が酵素的に付与される認識部位である。従って、ポリペプチドのこれらトリペプチド配列のいずれかの存在によって、潜在的なグリコシル化部位が作り出される。O-結合グリコシル化とは、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンも用いられるが、殆どの場合にはセリン又はスレオニンへN-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースのうちの一つの糖をヒドロキシアミノ酸へ付与することを指す。
抗TASK抗体又はTASKポリペプチド上に炭水化物部分の数を増加させる他の手段は、グリコシドのポリペプチドへの化学的又は酵素的結合による。そのような方法は、この技術分野において、例えば、1987年9月11日に公開された国際公開87/05330、及びAplin及びWriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306 (1981)に記載されている。
抗TASK抗体又はTASKポリペプチド共有結合的修飾の他の型は、抗体又はポリペプチドを種々の非タンパク質様ポリマーの1つ、例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、又はポリオキシアルキレンへ、米国特許第4640835号;第4496689号;第4301144号;第4670417号;第4791192号又は第4179337号に記載された方法で結合させることをを含む。また、抗体又はポリペプチドは、例えばコアセルベーション法によって又は界面重合によって調製されたマイクロカプセル(例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)に、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)又はマクロエマルションで捕捉することができる。このような技術はRemington's Pharmaceutical Sciences, 16版, A. Oslo編(1980)に開示されている。
また、本発明の抗TASK抗体又はTASKポリペプチドは、その他の異種ポリペプチド又はアミノ酸配列と融合した抗TASK抗体又はTASKポリペプチドを含むキメラ分子が形成される方法で修飾されてもよい。
それに換わる実施態様では、キメラ分子は抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの免疫グロブリン又は免疫グロブリンの特定領域との融合体を含んでもよい。キメラ分子の二価形態(「イムノアドヘシン」とも呼ばれる)については、そのような融合体はIgG分子のFc領域であり得る。Ig融合体は、好ましくはIg分子内の少なくとも一つの可変領域に換えて抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの可溶化(膜貫通ドメイン欠失又は不活性化)形態を含む。特に好ましい実施態様では、免疫グロブリン融合体は、IgG分子のヒンジ、CH2及びCH3、又はヒンジ、CH1、CH2及びCH3領域を含む。免疫グロブリン融合体の製造については、1995年6月27日発行の米国特許第5428130号を参照のこと。
以下の説明は、主として、抗TASK抗体及びTASKポリペプチドコード化核酸を含むベクターで形質転換又は形質移入された細胞を培養することにより抗TASK抗体及びTASKポリペプチドを産生させる方法に関する。勿論、当該分野においてよく知られている他の方法を用いて抗TASK抗体及びTASKポリペプチドを調製することができると考えられている。例えば、適切なアミノ酸配列、又はその一部分を、固相技術を用いた直接ペプチド合成によって生成してもよい[例えば、Stewart等, Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., サン フランシスコ, カリフォルニア(1969);Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154 (1963)参照]。手動技術又は自動を使用することによってインビトロタンパク質合成を行ってもよい。自動合成は、例えば、アプライド・バイオシステムズ・ペプチド合成機(Foster City, CA)を用いて、製造者の指示によって実施してもよい。抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの種々の部分を別々に化学的に合成し、化学的又は酵素的方法を用いて結合させて所望する抗TASK抗体又はTASKポリペプチドを生成させてもよい。
抗TASK抗体又はTASKポリペプチドをコードするDNAは、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドmRNAを保有していてそれを検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製されたcDNAライブラリーから得ることができる。従って、ヒト抗TASK抗体又はTASKポリペプチドDNAは、ヒトの組織から調製されたcDNAライブラリーから簡便に得ることができる。また抗TASK抗体又はTASKポリペプチド-コード化遺伝子は、ゲノムライブラリーから又は公知の合成方法(例えば、自動核酸合成)により得ることもできる。
ライブラリーは、対象となる遺伝子あるいはその遺伝子によりコードされるタンパク質を同定するために設計されたプローブ(少なくとも約20−80塩基のオリゴヌクレオチド等)によってスクリーニングできる。選択されたプローブによるcDNA又はゲノムライブラリーのスクリーニングは、例えばSambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載されている標準的な手順を使用して実施することができる。抗TASK抗体又はTASKポリペプチドをコードする遺伝子を単離する他の方法は、PCR法を使用するものである[Sambrook等,上掲;Dieffenbach等, PCR Primer:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1995)]。
このようなライブラリースクリーニング法において同定された配列は、GenBankらの公共データベース又は他の個人の配列データベースに寄託され利用可能となっている他の周知の配列と比較及びアラインメントすることができる。分子の決定された領域内の又は完全長配列に渡っての(アミノ酸又はヌクレオチドレベルのいずれかでの)配列同一性は、当該分野で知られた、及びここに記載した方法を用いて決定することができる。
タンパク質コード化配列を有する核酸は、初めてここで開示された推定アミノ酸配列を使用し、また必要ならば、cDNAに逆転写されていないmRNAの生成中間体及び先駆物質を検出する上掲のSambrook等に記述されているような従来のプライマー伸展法を使用して、選択されたcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって得られる。
宿主細胞を、ここに記載した抗TASK抗体又はTASKポリペプチド生成のための発現又はクローニングベクターで形質移入又は形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適当に変性された常套的栄養培地で培養する。培養条件、例えば培地、温度、pH等々は、過度の実験をすることなく当業者が選ぶことができる。一般に、細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: a Practical Approach, M.Butler編 (IRL Press, 1991)及び上掲のSambrook等に見出すことができる。
真核生物細胞形質移入及び原核生物細胞形質転換の方法、例えば、CaCl2、CaPO4、リポソーム媒介及びエレクトロポレーションは当業者に知られている。用いられる宿主細胞に応じて、その細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。前掲のSambrook等に記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションが、一般的に原核生物に対して用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスによる感染が、Shaw等, Gene, 23:315(1983)及び1989年6月29日公開の国際公開89/05859に記載されているように、或る種の植物細胞の形質転換に用いられる。このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb, Virology, 52:456-457 (1978)のリン酸カルシウム沈降法が用いられる。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母菌中への形質転換は、典型的には、Van Solingen等, J. Bact., 130:946 (1977)及びHsiao等, Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 76:3829 (1979)の方法に従って実施される。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等を用いる細菌プロトプラスト融合もまた用いることもできる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keown等, Methods in Enzymology, 185:527-537 (1990)及び Mansour等, Nature, 336:348-352 (1988)を参照のこと。
しかし、最大の関心は脊椎動物細胞に向けられ、培養(組織培養)した脊椎動物細胞の増殖がルーチン作業となった。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40(COS−7,ATCC CRL1651)で形質転換させたサル腎CV1細胞株;ヒト胚芽腎細胞株(293又は懸濁培養で成長するようにサブクローン化された293細胞,Graham等,J.Gen Virol.,36:59 (1977));ベビーハムスター腎細胞(BHK,ATCC CCL10);チヤイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub等, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216 (1980));マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.,23:243-251 (1980));サル腎細胞(CV1 ATCC CCL70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO−76,ATCC CRL-1587);ヒト頚管腫瘍細胞(HELA,ATCC CCL2);イヌ腎細胞(MDCK,ATCC CCL34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A,ATCC CRL1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳房腫瘍細胞(MMT 060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Mather等,Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68 (1982));MRC5細胞;FS4細胞;及びヒト肝臓癌細胞(HepG2)である。
宿主細胞は、抗TASK抗体又はTASKポリペプチド生成のために上述の発現又はクローニングベクターで形質転換され、プロモーターを誘導し、形質転換体を選出し、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適切に修正した通常の栄養培地で培養される。
抗TASK抗体又はTASKポリペプチドをコードする核酸(例えば、cDNA又はゲノムDNA)は、クローニング(DNAの増幅)又は発現のために複製可能なベクター内に挿入される。様々なベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態とすることができる。適切な核酸配列が、種々の手法によってベクターに挿入される。一般に、DNAはこの分野で周知の技術を用いて適当な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、一又は複数のシグナル配列、複製開始点、一又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含む。これらの成分の1つ又は複数を含む適当なベクターの作成には、当業者に知られた標準的なライゲーション技術を用いる。
TASKは直接的に組換え手法によって生成されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN-末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドである異種性ポリペプチドとの融合ペプチドとしても生成される。一般に、シグナル配列はベクターの成分であるか、ベクターに挿入される抗TASK抗体又はTASKポリペプチド-コード化DNAの一部である。シグナル配列は、例えばアルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定性エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列であってよい。酵母の分泌に関しては、シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)及びクリュイベロミセス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含み、後者は米国特許第5010182号に記載されている)、又は酸ホスフォターゼリーダー、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー(1990年4月4日公開の欧州特許第362179号)、又は1990年11月15日に公開された国際公開90/13646に記載されているシグナルであり得る。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物シグナル配列は、同一あるいは関連種の分泌ポリペプチド由来のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダーのようなタンパク質の直接分泌に使用してもよい。
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選べるマーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、又は(c)複合培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードしており、例えばバシリのD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子がある。
哺乳動物細胞に適切な選べるマーカーの例は、DHFRあるいはチミジンキナーゼのように、抗TASK抗体又はTASKポリペプチド-コード化核酸を取り込むことのできる細胞成分を同定することのできるものである。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、Urlaub等により, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)に記載されているようにして調製され増殖されたDHFR活性に欠陥のあるCHO株化細胞である。酵母菌中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である[Stinchcomb等, Nature, 282:39(1979);Kingsman等, Gene, 7:141(1979);Tschemper等, Gene, 10:157(1980)]。trp1遺伝子は、例えば、ATCC番号44076あるいはPEP4-1のようなトリプトファンで成長する能力を欠く酵母菌の突然変異株に対する選択マーカーを提供する[Jones, Genetics, 85:12 (1977)]。
酵母宿主との使用に適したプロモーター配列の例としては、3-ホスホグリセラートキナーゼ[Hitzeman 等, J. Biol. Chem., 255:2073 (1980)]又は他の糖分解酵素[Hess 等, J. Adv. Enzyme Reg., 7:149 (1968);Holland, Biochemistry, 17:4900(1978)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘導的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸フォスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母菌での発現に好適に用いられるベクターとプロモーターは欧州特許第73657号に更に記載されている。
より高等の真核生物による抗TASK抗体又はTASKポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。エンハンサーは、通常は約10から300塩基対で、プロモーターに作用してその転写を増強するDNAのシス作動要素である。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製開始点の後期側のSV40エンハンサー(100-270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。エンハンサーは、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドコード化配列の5’又は3’位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5’位に位置している。
また真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列も含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの通常は5’、時には3’の非翻訳領域から取得できる。これらの領域は、抗TASK抗体又はTASKポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。
組換え脊椎動物細胞培養での抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの合成に適応化するのに適切な他の方法、ベクター及び宿主細胞は、Gething等, Nature, 293:620-625 (1981); Mantei等, Nature, 281:40-46 (1979); 欧州特許第117060号;及び欧州特許第117058号に記載されている。
本発明の抗TASK抗体又はTASKポリペプチドを生成するために用いられる宿主細胞は種々の培地において培養することができる。市販培地の例としては、ハム(Ham)のF10(シグマ)、最小必須培地((MEM),シグマ)、RPMI-1640(シグマ)及びダルベッコの改良イーグル培地((DMEM),シグマ)が宿主細胞の培養に好適である。また、Ham等, Meth. Enz. 58:44 (1979), Barnes等, Anal. Biochem. 102:255 (1980), 米国特許第4767704号;同4657866号;同4927762号;同4560655号;又は同5122469号;国際公開第90/03430号;国際公開第87/00195号;又は米国特許再発行第30985号に記載された任意の培地も宿主細胞に対する培養培地として使用できる。これらの培地はいずれも、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシン(商品名)薬)、微量元素(マイクロモル範囲の最終濃度で通常は存在する無機化合物として定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適当な濃度で含まれてもよい。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について以前から用いられているものであり、当業者には明らかであろう。
遺伝子の増幅及び/又は発現は、ここで提供された配列に基づき、適切に標識されたプローブを用い、例えば、従来よりのサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77:5201-5205 (1980)]、ドットブロット法(DNA分析)、又はインサイツハイブリダイゼーションによって、直接的に試料中で測定することができる。あるいは、DNA二本鎖、RNA二本鎖、及びDNA−RNAハイブリッド二本鎖又はDNA-タンパク二本鎖を含む、特異的二本鎖を認識することができる抗体を用いることもできる。ついで、抗体を標識し、アッセイを実施することができ、ここで二本鎖は表面に結合しており、その結果、表面での二本鎖の形成の時点でその二本鎖に結合した抗体の存在を検出することができる。
あるいは、遺伝子の発現は、遺伝子産物の発現を直接的に定量化する免疫学的な方法、例えば細胞又は組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞培養又は体液のアッセイによって、測定することもできる。試料液の免疫組織化学的染色及び/又はアッセイに有用な抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、任意の哺乳動物で調製することができる。簡便には、抗体は、天然配列TASKポリペプチドに対して、又はここで提供されるDNA配列をベースとした合成ペプチドに対して、又はTASK DNAに融合し特異的抗体エピトープをコードする外因性配列に対して調製され得る。
抗TASK抗体及びTASKポリペプチドの形態は、培地又は宿主細胞の溶菌液から回収することができる。膜結合性であるならば、適切な洗浄液(例えばトリトン-X100)を用いて又は酵素的切断により膜から引き離すことができる。抗TASK抗体及びTASKポリペプチドの発現に用いられる細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤などの種々の化学的又は物理的手段によって破壊することができる。
抗TASK抗体及びTASKポリペプチドは、組換え細胞タンパク又はポリペプチドから精製することが望ましい。適切な精製手順の例である次の手順により精製される:すなわち、イオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;シリカ又はカチオン交換樹脂、例えばDEAEによるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS-PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過;IgGのような汚染物を除くプロテインAセファロースカラム;及び抗TASK抗体及びTASKポリペプチドのエピトープタグ形態を結合させる金属キレート化カラムである。この分野で知られ、例えば、Deutscher, Methods in Enzymology, 182 (1990);Scopes, Protein Purification: Principles and Practice, Springer-Verlag, New York (1982)に記載された多くのタンパク質精製方法を用いることができる。選ばれる精製過程は、例えば、用いられる生成方法及び特に生成される特定の抗TASK抗体又はTASKポリペプチドの性質に依存する。
細胞から調製した抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製でき、アフィニティクロマトグラフィーが好ましい精製技術である。アフィニティリガンドとしてのプロテインAの適合性は抗体に存在する免疫グロブリンFc領域の種及びアイソタイプに依存する。プロテインAは、ヒトγ1、γ2、又はγ4重鎖に基づく抗体の精製に用いることができる(Lindmark等, J. Immunol. Meth. 62: 1-13 [1983])。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒトγ3に推奨されている(Guss等, EMBO J. 5: 15671575 [1986])。アフィニティリガンドが結合されるマトリクスはアガロースであることが最も多いが、他の材料も使用可能である。孔制御ガラスやポリ(スチレンジビニル)ベンゼン等の機械的に安定なマトリクスは、アガロースで達成できるものより早い流速及び短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T. Baker, Phillipsburg, NJ)が精製に有用である。イオン交換カラムでの分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラム)上でのヘパリンSEPHAROSE(商品名)クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などの他のタンパク質精製技術も、回収される抗体に応じて利用可能である。
任意の予備精製工程に続いて、対象とする抗体と汚染物とを含む混合物に、約2.5-4.5のpHでの溶離バッファーを用いて、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーを施してもよく、好ましくは低い塩濃度(例えば、約0−0.25M塩)で実施される。
本発明に係る抗TASK抗体、TASK結合オリゴペプチド、TASK siRNA、TASK結合有機分子及び/又はTASKポリペプチドの治療的製剤は、所望される程度の純度を持つ抗体、ポリペプチド、オリゴペプチド、siRNA又は有機分子を、凍結乾燥製剤又は水性溶液の形態で、最適な製薬上許容される担体、賦形剤又は安定化剤と混合することにより調製され保存される(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th 版, Osol, A. 編. [1980])。許容される担体、賦形剤、又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、酢酸、Tris、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;ベンズアルコニウムクロライド、ベンズエトニウムクロライド;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリジン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;トレハロース及び塩化ナトリウムなどのトニシファイヤー;スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ポリソルベート等の界面活性剤;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/又はトゥイーン(TWEEN)(登録商標)、プルロニクス(PLURONICS)(登録商標)、又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。抗体は、好ましくは5−200mg/mlの間、好ましくは10−100mg/mlの間の濃度の抗体で構成される。
また、活性成分は、例えばコアセルベーション技術により又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えば、各々ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル中、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミン小球、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)中、又はマイクロエマルション中に包括されていてもよい。これらの技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
徐放性製剤を調製してもよい。徐放性製剤の好適な例は、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスを含み、このマトリクスは成形された物品、例えばフィルム、又はマイクロカプセルの形状である。徐放性マトリクスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はポリ(ビニルアルコール))、ポリアクチド(米国特許第3773919号)、L-グルタミン酸及びγエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(登録商標)(乳酸-グリコール酸コポリマーと酢酸リュープロリドの注射可能な小球)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、ポリ-(D)-(-)-3-ヒドロキシブチル酸が含まれる。
インビボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。これは、滅菌濾過膜を通した濾過により容易に達成される。
癌におけるTASK発現を定量するために、種々の診断アッセイが利用可能である。一実施態様では、TASKポリペプチド過剰発現は、免疫組織化学(IHC)によって分析される。腫瘍生検からのパラフィン包埋組織切片をIHCアッセイへ供してもよいし、次のようなTASKタンパク質染色強度基準と合致させてもよい:
スコア0 - 染色が観察されないか、又は膜染色が腫瘍細胞の10%未満で観察される。
スコア1+ - わずかに/弱く認知できる程度の膜染色が腫瘍細胞の10%を越えて検出される。細胞はそれらの膜の一部のみが染色される。
スコア2+ - 弱いないしは中程度の完全な膜染色が腫瘍細胞の10%を越えて観察される。
スコア3+ - 中程度から強い完全な膜染色が腫瘍細胞の10%を越えて観察される。
TASKポリペプチド発現に関して0又は1+スコアの腫瘍は、TASKが過剰発現していないことを特徴付けるものであるのに対し、2+又は3+スコアの腫瘍はTASKが過剰発現していることを特徴付ける。
TASK過剰発現又は増幅は、インビボ診断アッセイを使用して評価することができ、例えば検出される分子に結合し、検出可能な標識(例えば、放射性同位元素又は蛍光標識)が付けられた分子(例えば抗体、オリゴペプチド又は有機分子)を投与し、標識の局在化について患者を外部スキャニングする。
上に記載したように、本発明の抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子には、種々の非治療的用途がある。本発明の抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子は、TASKポリペプチドを発現している癌の診断及び染色にとって有用である(例えば、ラジオイメージングで)。他の細胞の精製の段階として、混合細胞の集団からTASK発現細胞を死滅させて除去するために、この抗体、オリゴペプチド又は有機分子は、また、例えば、ELISA又はウェスタンブロットにおいて、インビトロでTASKポリペプチドの検出及び定量化のために、細胞からTASKポリペプチドを精製又は免疫沈降するのに有用である。
抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子又はその毒素コンジュゲートは、公知の方法、例えばボーラス、もしくは一定時間にわたる連続注入による静脈内投与、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑液包内、くも膜下腔内、経口、局所的、又は吸入経路により、ヒトの患者に投与される。抗体、オリゴペプチド又は有機分子の静脈内又は皮下投与が好ましい。
他の治療計画を抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子の投与と組合せてもよい。組合せ投与には、別々の製剤又は単一の医薬製剤を使用する同時投与、及び好ましくは両方(又は全ての)活性剤が同時にその生物学的活性を働かせる時間があるいずれかの順での連続投与が含まれる。このような組合せ治療により、結果として相乗的治療効果が生じることが好ましい。
他の実施態様では、本発明の治療方法は、異なる化学療法剤の混合物の同時投与を含む、抗TASK抗体(又は抗体類)、オリゴペプチド又は有機分子と一又は複数の化学療法剤又は成長阻害剤との組合せ投与を含む。化学療法剤には、リン酸エストラムスチン、プレドニムスチン、シスプラチン、5-フルオロウラシル、メルファラン、シクロホスファミド、ヒドロキシ尿素及びヒドロキシ尿素タキサン類(hydroxyureataxanes)(例えばパクリタキセル及びドキセタキセル)及び/又はアントラサイクリン抗生物質が含まれる。このような化学療法剤の調製及び投与スケジュールは製造者の注意書きに従い使用されるか、又は熟練した実務者により経験的に決定される。このような化学療法の調製及び投与スケジュールは、Chemotherapy Service編 M.C.Perry, Williams & Wilkins, Baltimore, MD(1992)にも記載されている。
抗体、オリゴペプチド又は有機分子は、抗ホルモン化合物;例えばタモキシフェン等の抗エストロゲン化合物;抗プロゲステロン、例えばオナプリストン(onapristone)(欧州特許第616812号を参照);又は抗アンドロゲン、例えばフルタミドを、このような分子に対して既知の用量で組合せてもよい。治療される癌がアンドロゲン非依存性癌である場合、患者は予め抗アンドロゲン治療を受け、癌がアンドロゲン非依存性になった後、抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子(及び場合によってはここに記載した他の薬剤)を患者に投与してもよい。
疾患の予防又は治療のための投与量及び方式は、公知の基準に従い、医師により選択されるであろう。抗体、オリゴペプチド又は有機分子の適切な用量は、上記のような治療される疾患の種類、疾患の重症度及び過程、抗体、オリゴペプチド又は有機分子を予防目的で投与するのか治療目的で投与するのか、過去の治療、患者の臨床歴及び抗体、オリゴペプチド又は有機分子の応答性、手当てをする医師の裁量に依存するであろう。抗体、オリゴペプチド又は有機分子は一度に又は一連の処置にわたって患者に適切に投与される。好ましくは、抗体、オリゴペプチド又は有機分子は静脈注入又は皮下注射により投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、例えば一又は複数の別個の投与又は連続注入のいずれであれ、体重1kg当たり約1μgないし50mg(例えば0.1-15mg/kg/用量)の抗体を患者への最初の投与量の候補とすることができる。投薬計画は、約4mg/kgの初期負荷量、続いて1週間に約2mg/kgの維持用量の抗TASK抗体を投与することからなってよい。しかしながら、他の投薬計画も有効であろう。上述した因子に応じて、典型的な一日の投与量は約1μg/kgから100mg/kgあるいはそれ以上の範囲である。数日間又はそれ以上の繰り返し投与の場合、状態によっては、疾患の徴候の望ましい抑制が生じるまで処置を維持する。この治療の進行状態は、医師又は他の当業者に公知の基準をベースにした通常の方法やアッセイで容易にモニターされる。
核酸(場合によってはベクター内に含まれたもの)を患者の細胞に入れるために:インビボ及びエキソビボという2つの主要な方法がある。インビボ送達では、核酸は、通常は抗体が必要とされている部位に直接注入される。エキソビボ処理では、患者の細胞を取り出し、核酸をこれらの単離された細胞に導入し、修飾された細胞を患者に、直接、又は例えば患者に埋め込まれる多孔性膜にカプセル化して投与する(米国特許第4892538号及び第5283187号参照)。核酸を生細胞に導入するために利用可能な種々の技術がある。これらの技術は、核酸が培養された細胞にインビトロで移入されるか、又は対象とする宿主にインビボで移入されるかによって異なる。哺乳動物細胞にインビトロで核酸を移入するのに適した技術は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈降法などの使用を含む。遺伝子のエキソビボ送達に通常用いられるベクターはレトロウイルスベクターである。
本発明の抗TASK抗体は、ここでの「抗体」の定義により包含される様々な形態であってよい。よって、抗体には、完全長又は無傷抗体、抗体断片、天然配列抗体又はアミノ酸変異体、ヒト化、キメラ又は融合抗体、免疫コンジュゲート、及びそれらの機能的断片が含まれる。融合抗体において、抗体配列は異種ポリペプチド配列に融合している。抗体はFc領域が修飾されて、所望のエフェクター機能を提供することができる。以下の段落に詳細に記載されるように、適切なFc領域と共に、細胞表面に結合したそのままの抗体は、例えば抗体-依存性細胞障害(ADCC)を介して又は補体依存性細胞障害において補体を補充することにより、又は他のいくつかのメカニズムにより、細胞毒性を誘導し得る。また、副作用及び治療による合併症を最小にするようにエフェクター機能を除去又は低減することが望ましい場合には、所定の他のFc領域が使用される。
一実施態様では、抗体は、本発明の抗体と同じエピトープとの結合に関して競合するか、又はこれに実質的に結合する。また、本発明の抗TASK抗体の生物学的特徴を有する抗体、特にインビボ腫瘍ターゲティング及び任意の細胞増殖阻害又は細胞障害特性を含むものが考察される。
上述した抗体の産生方法をここで詳細に記載する。
本発明の他の態様は、抗TASK抗体をコードする単離された核酸分子である。H及びL鎖、特に高頻度可変領域残基をコードする核酸、天然配列抗体及び変異体をコードする鎖、該抗体の修飾体及びヒト化形態を含む。
本発明は、抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子を治療的有効量、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるTASKポリペプチド-発現癌の治療又は癌の一又は複数の徴候を緩和するのに有用な方法を提供する。抗体、オリゴペプチド又は有機分子治療組成物は、医師の指示通りに、短い期間(急性)又は慢性的に、又は間欠的に投与することができる。また、TASKポリペプチド-発現細胞の成長を阻害し、該細胞を殺す方法も提供される。
本発明は少なくとも一つの抗TASK抗体、オリゴペプチド、siRNA又は有機分子を含有するキット又は製造品も提供する。抗TASK抗体、オリゴペプチド、siRNA又は有機分子を含有するキットは、例えばTASK細胞殺傷アッセイ、細胞からのTASKポリペプチドの精製又は免疫沈降における用途が見出されている。例えば、TASKの単離及び精製のためには、キットはビーズ(例えばセファロースビース)に結合した抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子を含有することができる。インビトロにおけるTASKの検出及び定量化、例えばELISA又はウエスタンブロットにおける抗体、オリゴペプチド又は有機分子を含有するキットを提供することもできる。検出に有用なこのような抗体、オリゴペプチド又は有機分子は、蛍光又は放射標識などの標識が付されて提供され得る。
本発明の他の実施態様は、抗TASK発現癌の治療に有用な物質を含有する製造品である。この製造品は容器と容器に付与又は添付されるラベル又はパッケージ挿入物を含んでなる。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、シリンジ等を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの多様な材料から形成されてよい。容器は、癌の状態の治療に有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも一つの活性剤は本発明の抗TASK抗体、オリゴペプチド又は有機分子である。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物が癌の治療のために使用されることを示す。ラベル又はパッケージ挿入物は、癌患者に抗体、オリゴペプチド又は有機分子組成物を投与する際の注意書きをさらに含む。製造品はさらに、製薬的に許容可能なバッファー、例えば注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液を含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
TASKポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(又はそれらの相補鎖)は、ハイブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学の分野において、染色体及び遺伝子マッピングにおいて、及びアンチセンスRNA、siRNA及びDNAプローブの生成において種々の用途を有している。また、TASKコード化核酸は、ここに記載される組換え技術によるTASKポリペプチドの調製に有用であり、これらTASKポリペプチドは、例えば、ここで記載の抗TASK抗体の調製において用途を見出し得る。
完全長天然配列TASK遺伝子又はその一部は、完全長TASKcDNAの単離又はここに開示した天然TASK配列に対して所望の配列同一性を持つ更に他のcDNA(例えば、TASKの天然発生変異体又は他の種からのTASKをコードするもの)の単離のために、cDNAライブラリー用のハイブリダイゼーションプローブとして使用できる。場合によっては、プローブの長さは約20〜約50塩基である。このハイブリダイゼーションプローブは、少なくとも部分的に完全長天然ヌクレオチド配列の新規な領域から誘導してもよく、それらの領域は、過度の実験をすることなく、天然配列TASKのプロモーター、エンハンサー成分及びイントロンを含むゲノム配列から判定され得る。例えば、スクリーニング法は、TASK遺伝子のコード化領域を周知のDNA配列を用いて単離して約40塩基の選択されたプローブを合成することを含む。ハイブリダイゼーションプローブは、32P又は35S等の放射性ヌクレオチド、又はアビディン/ビオチン結合系を介してプローブに結合したアルカリホスファターゼ等の酵素標識を含む種々の標識で標識され得る。本発明のTASK遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識されたプローブは、ヒトcDNA、ゲノムDNA又はmRNAのライブラリーをスクリーニングし、そのライブラリーの何れのメンバーにプローブがハイブッド形成するかを決定するのに使用できる。ハイブリダイゼーション技術を、以下の実施例において更に詳細に記載する。本出願に開示されている任意のEST配列は、ここに開示している方法を利用して、同じようにプローブとして用い得る。
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドの標的核酸配列への結合は二重鎖の形成をもたらし、それは、二重鎖の分解の促進、転写又は翻訳の未熟終止を含む幾つかの方法の一つ、又は他の方法により、標的配列の転写又は翻訳を阻止する。そのような方法は、本発明に含まれている。よって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、TASKタンパク質の発現を阻止するのに用いられ、それらTASKタンパク質は、哺乳動物での癌の誘導を担い得る。アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、修飾糖−ホスホジエステル骨格(又は他の糖結合、国際公開91/06629に記載のもの等)を有するオリゴヌクレオチドを更に含み、そのような糖結合は内因性ヌクレアーゼ耐性である。そのような耐性糖結合を持つオリゴヌクレオチドは、インビボで安定であるが(つまり、酵素分解に耐えうるが)、標的ヌクレオチド配列に結合できる配列特異性は保持している。
アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4-媒介DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子転換方法により、又はエプスタイン-バーウイルスなどの遺伝子転換ベクターを用いることにより、標的核酸配列を含む細胞に導入される。好ましい方法では、アンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチドは、適切なレトロウイルスベクターに挿入される。標的核酸配列を含む細胞は、インビボ又はエキソビボで組換えレトロウイルスベクターに接触させる。好適なレトロウイルスベクターは、これらに限られないが、マウスレトロウイルスM-MuLVから誘導されるもの、N2(M-MuLVから誘導されたレトロウイルス)、又はDCT5A、DCT5B及びDCT5Cと命名されたダブルコピーベクター(国際公開90/13641参照)を含む。
あるいは、センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチドは、国際公開90/10448に記載されたように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体の形成により標的核酸配列を含む細胞に導入してもよい。センス又はアンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは内因性リパーゼにより細胞内で分解される。
アンチセンス又はセンスRNA又はDNA分子は、通常は少なくとも約5ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、又は1000ヌクレオチド長であり、この文脈の「約」という用語は、参照ヌクレオチド配列長にその参照長の10%を加えるか又は減じたものを意味する。
また、プローブをPCR技術に用いて、密接に関連したTASKコード化配列の同定のための配列のプールを作成することができる。
また、TASKをコードするヌクレオチド配列は、そのTASKをコードする遺伝子のマッピングのため、及び遺伝子疾患を持つ個体の遺伝子分析のためのハイブリダイゼーションプローブの作成にも用いることができる。ここに提供されるヌクレオチド配列は、インサイツハイブリダイゼーション、既知の染色体マーカーに対する連鎖分析、及びライブラリーでのハイブリダイゼーションスクリーニング等の周知の技術を用いて、染色体及び染色体の特定領域にマッピングすることができる。
また、TASK又はその修飾型をコードする核酸は、トランスジェニック動物又は「ノックアウト」動物のいずれかを産生することに使用でき、これらは治療的に有用な試薬の開発やスクリーニングに有用である。トランスジェニック動物(例えばマウス又はラット)とは、出生前、例えば胚段階で、その動物又はその動物の祖先に導入された導入遺伝子を含む細胞を有する動物である。導入遺伝子とは、トランスジェニック動物が発生する細胞のゲノムに組み込まれたDNAである。一実施形態では、TASKをコードするcDNAは、TASKをコードするDNAを発現する細胞を含むトランスジェニック動物を作製するために使用するゲノム配列及び確立された技術に基づいて、TASKをコードするゲノムDNAをクローン化するために使用することができる。トランスジェニック動物、特にマウス又はラット等を産生する方法は、当該分野において常套的になっており、例えば米国特許第4736866号や第4870009号に記述されている。典型的には、特定の細胞を組織特異的エンハンサーでのTASK導入遺伝子の導入の標的にする。胚段階で動物の生殖系列に導入されたTASKをコードする導入遺伝子のコピーを含むトランスジェニック動物はTASKをコードするDNAの増大した発現の影響を調べるために使用できる。このような動物は、例えばその過剰発現を伴う病理学的状態に対して保護をもたらすと思われる試薬のテスター動物として使用できる。本発明のこの態様においては、動物を試薬で治療し、導入遺伝子を有する未治療の動物に比べ病理学的状態の発症率が低ければ、病理学的状態に対する治療上の処置の可能性が示される。
また、TASKポリペプチドをコードする核酸は遺伝子治療にも使用できる。遺伝子治療用途においては、例えば欠陥遺伝子を置換するため、治療的に有効な遺伝子産物のインビボ合成を達成するために遺伝子が細胞内に導入される。「遺伝子治療」とは、1回の処理により継続的効果が達成される従来の遺伝子治療と、治療的に有効なDNA又はmRNAの1回又は繰り返し投与を含む遺伝子治療薬の投与の両方を含む。アンチセンスRNA及びDNAは、ある種の遺伝子のインビボ発現を阻止する治療薬として用いることができる。短いアンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞膜による制限された取り込みに起因する低い細胞内濃度にもかかわらず、それが阻害剤として作用する細胞中に移入できることは既に示されている(Zamecnik等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:4143-4146 [1986])。オリゴヌクレオチドは、それらの負に荷電したリン酸ジエステル基を非荷電基で置換することによって取り込みを促進するように修飾してもよい。
ここに記載したTASKポリペプチド又はその断片をコードする核酸分子は、染色体の同定に有用である。この点において、実際の配列データに基づく染色体マーキング試薬は殆ど利用可能ではないため、目下のところ新規な染色体マーカーの同定の必要である。本発明の各TASK核酸分子は染色体マーカーとして使用できる。
また、本発明のTASKポリペプチド及び核酸分子は組織タイピングの診断に使用でき、本発明のTASKポリペプチドは、その他の組織と比較して一つの組織において、好ましくは同じ組織型の正常組織に比較して疾患性組織において特異的に発現する。TASK核酸分子には、PCR、ノーザン分析、サザン分析及びウェスタン分析のプローブ生成のための用途が見出されるであろう。
このアッセイは、タンパク質-タンパク質結合アッセイ、生化学スクリーニングアッセイ、免疫アッセイ、そして細胞ベースアッセイを含む、当該分野で良く特徴付けられている種々の形式でおこなうことができる。
アンタゴニストに関する全てのアッセイは、薬候補をここで同定された核酸によってコードされているTASKポリペプチドと、これら両成分が相互作用するのに十分な条件下及び時間にわたって接触させることを必要とする点で共通である。
結合アッセイにおいて、相互作用は結合であり、形成された複合体は単離されるか、又は反応混合物中で検出される。特別な実施態様では、ここに同定された遺伝子にコードされるTASKポリペプチド又は薬候補が、共有又は非共有結合により固相、例えばマイクロタイタープレートに固定化される。非共有結合は、一般的に固体表面をTASKポリペプチドの溶液で被覆し乾燥させることにより達成される。あるいは、固定化すべきTASKポリペプチドに特異的な固定化抗体、例えばモノクローナル抗体を固体表面に固着させるために用いることができる。アッセイは、固定化成分、例えば固着成分を含む被覆表面に、検出可能な標識で標識されていてもよい非固定化成分を添加することにより実施される。反応が完了したとき、未反応成分を例えば洗浄により除去し、固体表面に固着した複合体を検出する。最初の非固定化成分が検出可能な標識を有している場合、表面に固定化された標識の検出は複合体形成が起こったことを示す。最初の非固定化成分が標識を持たない場合は、複合体形成は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識抗体の使用によって検出できる。
アンタゴニストを検定するために、TASKポリペプチドを、特定の活性についてスクリーニングされる化合物とともに細胞に添加してもよく、TASKポリペプチド存在下で対象とする活性を阻害する当該化合物の能力が、当該化合物がTASKポリペプチドのアンタゴニストであることを示す。あるいは、アンタゴニストは、TASKポリペプチド及び潜在的アンタゴニストを、膜結合TASKポリペプチドレセプター又は組換えレセプターと、競合的阻害アッセイに適した条件下で結合させることにより検出してもよい。TASKポリペプチドは、放射活性等で標識でき、レセプターに結合したTASKポリペプチド分子の数を潜在的アンタゴニストの有効性を決定するのに使用できる。レセプターをコードする遺伝子は、当業者に知られた多くの方法、例えばリガンドパニング及びFACSソーティングにより同定できる。Coligan等, Current Protocols in Immun., 1(2): Chapter 5 (1991)。好ましくは発現クローニングが用いられ、そこではポリアデニル化RNAがTASKポリペプチドに反応性の細胞から調製され、このRNAから生成されたcDNAライブラリがプールに分配され、COS細胞又は他のTASKポリペプチドに反応性でない細胞の形質移入に使用される。スライドガラスで成長させた形質移入細胞を、標識したTASKポリペプチドへ曝露する。TASKポリペプチドは、ヨウ素化又は部位特異的タンパク質キナーゼの認識部位の包含を含む種々の手段で標識できる。固定及びインキュベーションの後、スライドにオートラジオグラフ分析を施す。ポジティブプールを同定し、対話型サブプール化及び再スクリーニング法を用いてサブプールを調製して再形質移入し、最終的に推定レセプターをコードする単一のクローンを生成する。
アンタゴニストの他の検定では、レセプターを発現する哺乳動物細胞又は膜調製物を、候補化合物の存在下で標識TASKポリペプチドとともにインキュベートする。ついで、この相互作用を促進又は阻止する化合物の能力を測定する。
潜在的なアンタゴニストのより特別な例は、免疫グロブリンとTASKポリペプチドとの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、特に、限られないが、ポリ-及びモノクローナル抗体及び抗体断片、一本鎖抗体、抗-イディオタイプ抗体、及びこれらの抗体又は断片のキメラ又はヒト化形態、並びにヒト抗体及び抗体断片を含む抗体を含んでいる。あるいは、潜在的アンタゴニストは、密接に関連したタンパク質、例えば、レセプターを認識するが効果を与えず、よってTASKポリペプチドの作用を競合的に阻害するTASKポリペプチドの変異形態であってもよい。
他の潜在的なTASKポリペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技術を用いて調製されたアンチセンスRNA又はDNA作成物であり、例えば、アンチセンスRNA又はDNA分子は、標的mRNAにハイブリダイゼーションしてタンパク質翻訳を妨害することによりmRNAの翻訳を直接阻止するように作用する。アンチセンス技術は、三重螺旋形成又はアンチセンスDNA又はRNAを通して遺伝子発現を制御するのに使用でき、それらの方法はともに、ポリヌクレオチドのDNA又はRNAへの結合に基づく。例えば、ここでの成熟TASKポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5'コード化部分は、約10から40塩基対長のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドの設計に使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に含まれる遺伝子の領域に相補的であるように設計され(三重螺旋−Lee等, Nucl, Acid Res., 6: 3073 (1979); Cooney等, Science, 241: 456 (1988); Dervan等, Science, 251: 1360 (1991)参照)、それによりTASKポリペプチドの転写及び生成を防止する。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドはインビボでmRNAにハイブリダイゼーションしてmRNA分子のTASKポリペプチドへの翻訳を阻止する(アンチセンス−Okano, Neurochem., 56: 560 (1991); Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression (CRC Press: Boca Raton, FL, 1988))。また上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に輸送され、アンチセンスRNA又はDNAをインビボで発現させて、TASKポリペプチドの産生を阻害することもできる。アンチセンスDNAが用いられる場合、翻訳開始部位、例えば標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10から+10位置の間から誘導されるオリゴデオキシリボヌクレオチドが好ましい。
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒できる酵素的RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAへの配列特異的ハイブリダイゼーション、ついでヌクレオチド鎖切断的開裂により作用する。潜在的RNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、既知の技術で同定できる。更なる詳細は、例えば、Rossi, Current Biology 4: 469-471 (1994)及びPCT公報、国際公開 97/33551(1997年9月18日公開)を参照。
転写阻害に用いられる三重螺旋形成における核酸分子は一本鎖でデオキシヌクレオチドからなる。これらのオリゴヌクレオチドの基本組成は、フーグスティン(Hoogsteen)塩基対則を介する三重螺旋形成を促進するように設計され、それは一般に二重鎖の一方の鎖上のプリン又はピリミジンのかなり大きな伸張を必要とする。さらなる詳細は、例えば、上掲のPCT公報の国際公開97/33551を参照。
これらの小分子は、上記で議論したスクリーニングアッセイの一又は複数の任意のものにより及び/又は当業者に良く知られた他の任意のスクリーニング技術により同定できる。
ここで同定されるTASKポリペプチドに特異的に結合する抗体、並びに上記に開示したスクリーニングアッセイによって同定された他の分子は、癌を含む種々の疾患の治療のために、製薬組成物の形態で投与することができる。
TASKポリペプチドが細胞内にあるので、内部移行抗体が好ましい。しかし、リポフェクション又はリポソームも抗体、又は抗体断片を細胞中に搬送するために使用できる。抗体断片が用いられる場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合する最小阻害断片が好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を保持したペプチド分子が設計できる。このようなペプチドは、化学的に合成でき、及び/又は組換えDNA技術によって生成できる。例えば、Marasco等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90, 7889-7893 (1993)参照。
ここでの製剤は、治療すべき特定の徴候に必要な場合に1つ以上の活性化合物、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を持つものも含んでよい。あるいは、又はそれに加えて、組成物は、細胞毒性薬、サイトカイン、化学療法剤、又は成長阻害剤のようなその機能を高める薬剤を含んでもよい。これらの分子は、適切には、意図する目的に有効な量の組み合わせで存在する。
以下の実施例は例示するためにのみ提供されるものであって、本発明の範囲を決して限定することを意図するものではない。
本明細書で引用した全ての特許及び参考文献の全体を、出典明示によりここに取り込む。
他の腫瘍及び/又は正常組織に比べて対象となる特定の腫瘍組織において発現が顕著に上方制御されるポリペプチド(及びそれをコードする核酸)を同定するために、遺伝子発現情報を含む専有データベース(GeneExpress登録商標)Gene Logic Inc., Gaithersburg, MD)を分析した。具体的に言うと、GeneExpress(登録商標)データベースの分析は、ジーン・ロジック・インク(Gaithersburg, MD)から入手できるGeneExpress(登録商標)データベースで使用するソフトウェア、又はGeneExpress(登録商標)データベースで使用するジェネンテック社が作成、開発した専有ソフトウェアを用いて行った。分析のポジティブヒットの評価は、例えば、正常必須組織及び/又は正常増殖性組織における組織特異性、腫瘍特異性及び発現レベルなどを含むいくつかの基準に基づく。GeneExpress(登録商標)データベースの分析により決定される組織発現プロファイルが、他の腫瘍組織及び/又は正常組織に比べて特定の腫瘍組織または腫瘍組織において高い組織発現及び顕著な発現の上方制御を示し、状況に応じて正常基本組織及び/又は正常増殖性組織において比較的低い発現を示す分子のリストは以下の通りである。しかして、以下のリストの分子が、哺乳動物の癌の診断及び治療のための優れたポリペプチドターゲットである。
分子 発現上昇が見られる腫瘍 比較対象
DNA255289(TASK110) 乳房腫瘍 正常乳房組織
DNA255289(TASK110) 大腸腫瘍 正常大腸組織
DNA255289(TASK110) 肺腫瘍 正常肺組織
DNA255289(TASK110) リンパ腫瘍 正常リンパ組織
DNA255289(TASK110) 卵巣腫瘍 正常卵巣組織
DNA297288(TASK119) 乳房腫瘍 正常乳房組織
DNA297288(TASK119) 腎臓腫瘍 正常腎臓組織
DNA297288(TASK119) 大腸腫瘍 正常大腸組織
DNA151475(TASK120) 腎臓腫瘍 正常腎臓組織
DNA151475(TASK120) 乳房腫瘍 正常乳房組織
DNA151475(TASK120) 肺腫瘍 正常肺組織
最初の研究として、正常なものと腫瘍の細胞株から準備したヒトcDNAライブラリーにおけるTASK110及びTASK119の発現をTaqmanTMにより分析した。50ナノグラムの各cDNAライブラリーを使用した。
TASK110
正のプライマー:5’AGAAGTGTGCCAGCTTCAAA 3’(配列番号7)
逆のプライマー:5’CTAGATAGGATGTCTTCCACTAATCTTT 3’(配列番号8)
プローブ:5’CCAGGCATCGCCCTTAAGCC 3’(配列番号9)
TASK119
正のプライマー:5’TGCCAACAGTGGATTGAGTT 3’(配列番号10)
逆のプライマー:5’TGAAGGTTTGGCTCAGTTCA 3’(配列番号11)
プローブ:5’TAGCTCCAAGCCTTCTCCTGCCTC 3’(配列番号12)
コントロール遺伝子の発現に対して正規化されたTASK119のTaqmanTM分析の結果を図8に示す。この図は、腫瘍細胞株786-0(腎臓)、A498(腎臓)、HEPG2(肝臓)、293(腎臓)、Colo201(大腸)、PANC-1(膵臓)及びHela(頚部)におけるTASK119の発現を示している。TASK119は腎臓株(786-0、A498、及び293)及び肝臓株(HepG2)において高度に過剰発現していた。
TaqmanTMアッセイを、癌の発生に関与する遺伝子を特徴づけるのに広範かつ成功裏に使用した。プロトオンコジーンの過剰発現は様々なヒト腫瘍において研究され、病因、診断及び予後の面で重要であると広く考えられる。TaqmanTMの有用性の例は次の文献:Pennica等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 95(25): 14717-14722 (1998)及びBieche等, Int. J. Cancer 78:661-666 (1998)に示されている。従って、癌細胞株におけるTASK110及びTASK119の過剰発現が分かったので、これらの分子は癌の病因、診断及び予後の面を決定する診断ツールとして有用であり、TASK110及びTASK119アンタゴニストは癌の軽減に有用であろう。
インサイツハイブリダイゼーションは、細胞又は組織調製物内での核酸配列の検出及び局在化のための強力で多用途の技術である。それは、例えば、遺伝子発現の部位を同定し、転写物の組織分布を分析し、ウイルス感染を同定かつ局在化し、特定のmRNA合成における変化を追跡し染色体マッピングを補助するのに有用である。
インサイツハイブリダイゼーションは、Lu及びGillett, Cell Vision 1: 169-176 (1994)のプロトコールの最適化バージョンに従って、PCR生成α-33Pリボプローブを用いて実施した。簡単に述べると、ホルマリン固定、パラフィン包埋ヒト組織を切片化し、脱パラフィンし、プロテイナーゼK(20g/ml)で15分間37℃で脱タンパクし、更に上掲のLu及びGillettに記載されたようにしてインサイツハイブリダイゼーションのためにプロセシングした。α-33P UTPアンチセンスリボプローブを、各末端にT3及びT7RNAポリメラーゼプロモーターを持つように設計したPCR産物から生成し、55℃で終夜、組織にハイブリダイズさせた。スライドをKodak NTB2核トラックエマルションに浸漬して4週間さらした。
6.0μl(125mCi)の(Amersham BF1002,SA<2000Ci/mmol)をスピード真空乾燥させた。乾燥させたα-33P UTPを含む各チューブに以下の成分を添加した:2.0μlの5x転写バッファー;1.0μlのDTT(100mM);2.0μlのNTP混合物(2.5mM:10μl;各10mM,GTP,CTP及びATP+10μlのH2O);1.0μlのUTP(50μM);1.0μlのRnasin;1.0μlのDNAテンプレート(1μg);1.0μlのH2O。
チューブを37℃で1時間インキュベートした。1.0μlのRQ1 DNaseを添加し、ついで37℃で15分間インキュベートした。90μlのTE(10mMトリスpH7.6/1mMのEDTApH8.0)を添加し、混合物をDE81ペーパーにピペットした。残りの溶液をMICROCON-50限外濾過装置に入れ、12000RPMにてHeraeus Sepatech Centrifuge 28RSでスピンさせた(6分間)。濾過装置を第2のチューブに対して反転させ、3500RPMでスピンさせた(3分間)。最終回収スピンの後、100μlのTEを添加した。1μlの最終生成物をDE81ペーパーにピペットしベックマンLS5000TDシンチレーションカウンターで6mlのBiofluor IIにてカウントした。
プローブをTBE/尿素ゲル上で泳動した。1−3μlのプローブ又は5μlのRNA MrkIIIを3μlの負荷バッファーに添加した。95℃の加熱ブロック上で3分間加熱した後、ゲルを即座に氷上に置いた。ゲルのウェルをフラッシングし、試料を負荷し、180−250ボルトで45分間泳動した。ゲルをサランラップでラップし、−70℃冷凍機内で補強スクリーンを持つXARフィルムに1時間から終夜露出した。
凍結切片の前処理。 スライドを冷凍機から取り出し、アルミニウムトレイに配置して室温で5分間解凍した。トレイを55℃のインキュベータに5分間配置して凝結を減らした。スライドを蒸気フード内において氷上4%パラホルムアルデヒド中で10分間固定し、0.5xSSCで5分間室温で洗浄した(25mlの20xSSC+975mlのSQ H2O)。0.5μg/mlのプロテイナーゼK中、37℃で10分間の脱タンパクの後(250mlの予備加熱RNase無しRNaseバッファー中の10mg/mlストック12.5μl)、切片を0.5xSSCで10分間室温で洗浄した。切片を、70%、95%、及び100%エタノール中、各2分間脱水した。
パラフィン包埋切片の前処理。 スライドを、3回のキシレン交換、100%エタノールを経て脱パラフィンし、エタノールから水まで段階的に再水和させ、SQ H2O中に配置し、2xSSCで室温において各々5分間2回リンスした。切片を20μg/mlのプロテイナーゼK(250mlのRNase無しRNaseバッファー中10mg/mlを500μl;37℃、15分間)−ヒト胚組織、又は8xプロテイナーゼK(250mlのRNaseバッファー中100μl、37℃、30分間)−ホルマリン組織で脱タンパクした。続く0.5xSSCでのリンス及び脱水は上記のようにして実施した。
プレハイブリダイゼーション。 スライドをBoxバッファー(4xSSC、50%ホルムアミド)−飽和濾紙を裏打ちしたプラスチックボックスに並べた。組織を50μlのハイブリダイゼーションバッファー(10%デキストラン硫酸、50%ホルムアミド、2X SSC)で被覆し、42℃で1−4時間インキュベートした。
ハイブリダイゼーション。 スライド当たり1.0x106cpmのプローブ及び1.0μlのtRNA(50mg/mlストック)を95℃で3分間加熱した。スライドを氷上で冷却し、スライド当たり48μlのハイブリダイゼーションバッファーをプローブ/tRNA混合物に添加した。ボルテックスの後、50μlの33P混合物をスライド上のプレハイブリッド50μlに添加した。スライドを55℃で終夜インキュベートした。
洗浄。 洗浄は、2x10分間、2xSSC、EDTAで室温で実施し(400mlの20xSSC+16mlの0.25M EDTA、Vf=4L)、ついでRNaseA処理を37℃で30分間行った(250mlRnaseバッファー中10mg/mlを500μl−20μg/ml)。スライドを2x10分間、2xSSC、EDTAで室温において洗浄した。ストリンジェントな洗浄条件は次の通りであった:55℃で2時間、0.1xSSC、EDTA(20mlの20xSSC+16mlのEDTA、Vf=4L)。
TASK110
5’CGCCAAATCGTTACACTACACCCTCAAAAGCTAGAAACCAGTGCCTGAAAGAAACTCCAATTAAAATACCAGTAAATTCAACAGGAACAGACAAGTTAATGACAGGTGTCATTAGCCCTGAGAGGCGGTGCCGCTCAGTGGAATTGGATCTCAACCAAGCACATATGGAGGAGACTCCAAAAAGAAAGGGAGCCAAAGTGTTTGGGAGCCTTGAAAGGGGGTTGGATAAGGTTATCACTGTGCTCACCAGGAGCAAAAGGAAGGGTTCTGCCAGAGACGGGCCCAGAAGACTAAAGCTTCACTATAATGTGACTACAACTAGATTAGTGAATCCAGATCAACTGTTGAATGAAATAATGTCTATTCTTCCAAAGAAGCATGTTGACTTTGTACAAAAGGGTTATACACTGAAGTGTCAAACACAGTCAGATTTTGGGAAAGTGACAATGCAATTTGAATTAGAAGTGTGCCAGCTTCAAAAACCCGATGTGGTGGGTATCAGGAGGCAGCGG 3’(配列番号13)
TASK119
5’GGATTCTAATACGACTCACTATAGGGCCCGCCACCGTATCCCTGAGCCTGAGGCTGCCGTGCTCTTCCGCCAGATGGCCACCGCCCTGGCGCACTGTCACCAGCACGGTCTGGTCCTGCGTGATCTCAAGCTGTGTCGCTTTGTCTTCGCTGACCGTGAGAGGAAGAAGCTGGTGCTGGAGAACCTGGAGGACTCCTGCGTGCTGACTGGGCCAGATGATTCCCTGTGGGACAAGCACGCGTGCCCAGCCTACGTGGGACCTGAGATACTCAGCTCACGGGCCTCATACTCGGGCAAGGCAGCCGATGTCTGGAGCCTGGGCGTGGCGCTCTTCACCATGCTGGCCGGCCACTACCCCTTCCAGGACTCGGAGCCTGTCCTGCTCTTCGGCAAGATCCGCCGCGGGGCCTACGCCTTGCCTGCAGGCCTCTCGGCCCCTGCCCGCTGTCTGGTTCGCTGCCTCCTTCGTCGGGAGCCAGCTGAACGGCTCACAGCCACAGGCATCCTCCTGCACCCCTGGCTGCGACAGGACCCGATGCCCTTAGCTCCAACCCGATTCCCTTTAGTGAGGGTTAATTTCATAG 3’(配列番号14)
TASK120
5’GGGTGGCGAGCTGTTTGACCGCATCATGGAGCGCGGCTCCTACACAGAGAAGGATGCCAGCCATCTGGTGGGTCAGGTCCTTGGCGCCGTCTCCTACCTGCACAGCCTGGGGATCGTGCACCGGGACCTCAAGCCCGAAAACCTCCTGTATGCCACGCCCTTTGAGGACTCGAAGATCATGGTCTCTGACTTTGGACTCTCCAAAATCCAGGCTGGGAACATGCTAGGCACCGCCTGTGGGACCCCTGGATATGTGGCCCCAGAGCTCTTGGAGCAGAAACCCTACGGGAAGGCCGTAGATGTGTGGGCCCTGGGCGTCATCTCCTACATCCTGCTGTGTGGGTACCCCCCCTTCTACGACGAGAGCGACCCTGAGCTCTTCAGCCAGATCCTGAGGGCCAGCTATGAGTTTGACTCTCCTTTCTGGGATGACATCTCAGAATCAGCCAAAGACTTCATCCGGCACCTTCTGGAGCGAGACCCCCAGAAGAGGTTCACCTGCCAACAGGCCTTGCGGCACCTTTGGATCTCTGGGGACACAGCCTTCGACAGGGACATCTTAGGCTCTGTCAGTGAGCAGATCCGGAAGAACTTTGCTCGGACACACTGGAAGCGAGCCTTCAATGCCACCTCGTTCCTGC 3’(配列番号15)
TASK110のインサイツでの結果
膵臓腫瘍についてTASK110プローブを使用して実施したインサイツの分析は、浸潤管膵臓腺癌における弱い陽性シグナルを示している。その他全ての事例並びに良性膵臓組織は陰性である。腫瘍組織パネルの分析は、結腸直腸腺癌、子宮内膜腺癌、移行上皮癌、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、肺癌、卵巣腫瘍、膵臓腺癌及び乳癌での陽性シグナルを示す。H322細胞は強い陽性で、MDA231及びMDA453細胞は弱い陽性であり、A549及びSK-MES細胞は陰性である。肺腺癌、肺扁平上皮癌及び神経内分泌腺癌には陽性シグナルがあり、正常な肺組織は一貫して陰性である。陽性シグナルは結腸直腸腺癌、胃癌、食道癌、転移性腺癌、膵臓腺癌に見られ、良性の胃腸粘膜、膵臓及び肝臓組織は一貫して陰性である。虫垂の一切片は胚中心に陽性シグナルを示す。NCIによって提供された多腫瘍パネルは、肺癌、大腸腫瘍、乳房腫瘍、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、及び卵巣腫瘍においてTASK110に対して陽性シグナルを示す。肺腫瘍において過剰発現しているTASK110の代表例を、組織形態を示す明視野画像である図9Aに、またインサイツハイブリダイゼーションを示す図9Bに示す。これらの結果は、TASK110がある種の腫瘍型の診断に有用であり、TASK110のアンタゴニストが腫瘍、特に乳房、悪性黒色腫、大腸及び肺腫瘍の軽減に有用であることを示している。
TASK119プローブを使用して実施したインサイツでは、原発性結腸直腸腺癌、腎細胞癌に強いシグナルを、乳癌試料に弱いシグナルを示していた。TaqmanTMの結果の裏付けとして、正常な腎臓組織で実施されたインサイツは陰性であった(データは示さず)。これらの結果は、TASK119がある種の腫瘍型の診断に有用であり、TASK119のアンタゴニストが癌、特に結腸直腸腺癌及び腎臓細胞癌の軽減に有用であることを示している。
TASK120のインサイツでの結果
正常な組織では、ハイブリダイゼーションは腎臓粘膜構造に対しては弱く、非特異的バックグラウンドシグナルとして解釈される。腎臓のインサイツは、腎臓細胞癌が陽性で、シグナル強さは強い傾向があることを示している。腎臓の腫瘍の最も一般的なタイプである腎臓の明細胞癌では、TASK120ハイブリダイゼーションに対して陽性である。細胞株A498は弱いシグナルを示し、細胞株786-0、TK10、CAKI-1、ACHN、PC-3及びSN12Cは陰性である。陽性コントロール切片(HP-1739、腎臓細胞癌)は陽性である。腎臓癌におけるTASK120過剰発現の代表例を、組織形態を示す明視野画像である図10Aに、またインサイツハイブリダイゼーションを示す図10Bに示す。これは、腎臓のある種の腫瘍においてTASK120が過剰発現され、診断マーカーとして有用であり、TASK120のアンタゴニストが腎臓腫瘍の軽減に有用であることを示している。
siRNAは、小分子又は抗体のような伝統的なアンタゴニストが失敗した遺伝子発現の調節の研究におけるツールとして有用であることが分かった。(Shi Y., Trends in Genetics 19(1):9-12 (2003))。12から23ヌクレオチド長であるインビトロ合成二重鎖RNAが干渉RNA(iRNA)として作用し得、遺伝子発現を特異的に阻害可能である(Fire A., Trends in Genetics 391:806-810 (1999))。これらのiRNAはその標的RNAの分解を媒介することによって作用する。しかし、それらは30ヌクレオチド長以下であるので、細胞抗ウイルス防御機構を惹起しない。そのような機構には、インターフェロン産生、宿主細胞タンパク質合成の全体的停止が含まれる。実際には、siRNAは合成でき、ついでDNAベクター中にクローニングできる。そのようなベクターを形質移入し、高レベルでsiRNAを発現させることができる。高レベルのsiRNA発現は細胞中で産生されるタンパク質の量を有意に減少させ、又は「ノックダウン」させ、よってタンパク質の過剰発現が癌のような疾患に関連していると考えられる実験において有用である。TASKは細胞内キナーゼであり、TASKの過剰発現はTaqmanTM及びインサイツによって示されている。従って、siRNAはTASKタンパク質に対する有用なアンタゴニストである。
TASK110
膵臓癌細胞株PANC-1はTASK119を内因的に過剰発現するので、これをこの実験セットにおいて使用した。PANC-1細胞を、TASK110に対する二重鎖21マーRNAオリゴ(siTASK110)、緑色蛍光タンパク質(siGFP)を用いて形質移入し、又はモック(疑似)形質移入した。これらのオリゴを以下に掲げる。
siRNAオリゴ:
TASK110
r(CAGGCAAACAAUGGAGGAU)TT =センス(配列番号16)
TTr(GUCCGUUUGUUACCUCCUA)=アンチセンス(配列番号17)
siGFP
GCAAGCUGACCCUGAAGUUCAU =センス(配列番号18)
GCCGUUCGACUGGGACUUCAAG =アンチセンス(配列番号19)
形質移入3日後にRNAを収集し、TASK110メッセージ対コントロール遺伝子メッセージの相対レベルを定量PCR(TaqManTM)によって決定した。これを図11Aに模式的に示す。データは、siRNAの使用によりTASK110の発現を有意に低減できることを裏付けている。
このアッセイと平行して、PANC-1細胞を同じコンストラクトを使用して形質移入し、軟寒天成長アッセイにかけた。17日間の軟寒天成長後に、コロニーを数えたが、siTASK110形質移入細胞は図11Cに示されるように何れのコントロール細胞よりもよりゆっくりと成長していた。
siTASK110RNAオリゴ
siTASK110(1)
r(AACCCAAGGGUAACAAGGA)TT=センス(配列番号20)
TTr(UUGGGUUCCCAUUGUUCCU)=アンチセンス(配列番号21)
siTASK110(2)
r(CAGGCAAACAAUGGAGGAU)TT=センス(配列番号22)
TTr(GUCCGUUUGUUACCUCCUA)=アンチセンス(配列番号23)
siTASK110(3)
r(UACUCACUACGCCAAAUCG)TT=センス(配列番号24)
TTr(AUGAGUGAUGCGGUUUAGC)=アンチセンス(配列番号25)
siTASK110(C)(+コントロール)
r(CAGGCAAGCGGUGGAGGAT)TT=センス(配列番号26)
TTr(GUCCGUUCGCCACCUCCUA)=アンチセンス(配列番号27)
図11F及び図11Gは、形質移入24時間後に平行して実施したsiRNA実験を示す。HEK293(図11F)又はBT549細胞(図11G)を96ウェルプレートにウェル当たり2500細胞で播き、増殖をMTTアッセイによって定量した。これらの結果はウェスタンブロットの結果との相関を示し、タンパク質レベルが減少すればするほど、細胞成長の阻害が大きくなる。これの一例はsiTASK110(2)の場合に見られ、その場合は、図11Dのレーン3に示されるようにTASK110の最も強い抑制が示され、双方の細胞株において細胞増殖が最も減少した。
このデータは、siRNAがTASKタンパク質の発現を減少させ又は「ノックダウン」し得ることを示している。減少はウェスタンブロットでのタンパク質の減少によって示される。所定の期間にわたってTASKタンパク質のsiRNAを減少させると、癌細胞株における細胞増殖が減少する結果となる。従って、siRNAはTASKタンパク質を減少させるのに有用であり、TASKタンパク質のレベルの減少が癌細胞株の増殖の減少を引き起こす。癌は細胞増殖疾患であるので、これらの結果は、TASKポリペプチドのアンタゴニストが癌細胞成長の減少に有用であることを示している。癌細胞成長の減少は哺乳動物における癌の軽減に有用である。
TASK119のアンチセンス及びsiRNA媒介ノックダウンの効果を786-O腎臓腫瘍細胞株において評価した。アンチセンスノックダウンに対しては、細胞に空のベクター(ベクター)又はTASK119アンチセンスコンストラクト(TASK119.AS)を形質移入した後、19日間、1μg/mlピューロマイシンで選択した。これらの安定な細胞プールをついで軟寒天に播いた。siRNAノックダウンに対しては、細胞に次のものを形質移入した:モック、TASK119に対する二重鎖21マーRNAオリゴ(siTASK119)又はGFP(siGFP)。
siRNAオリゴ
siTASK119
r(GCCUGAGGCUGCCGUGCUC)TT=センス(配列番号28)
TTr(CGGACUCCGACGGCACGAG)=アンチセンス(配列番号29)
siGFP
GCAAGCUGACCCUGAAGUUCAU=センス(配列番号30)
GCCGUUCGACUGGGACUUCAAG=アンチセンス(配列番号31)
TASK119(AS)
アンチセンス実験をアンチセンス方向に完全長TASK119cDNA(図3、配列番号3)を発現することによって実施した。
形質移入24時間後、細胞を軟寒天に播いた。双方の実験で、17日後に生存コロニーの数を定量した。データは3組のウェルからの生存コロニーのパーセントとして表す。結果は、TASK119の発現の減少による786-0腎臓腫瘍細胞の軟寒天成長の減少である。
このデータは、TASKポリペプチドに対するsiRNAが癌細胞の成長をインビトロで減少させることを示している。癌は細胞増殖疾患であるので、この結果は、TASKポリペプチドのアンタゴニストが癌細胞成長の減少に有用であることを示している。癌細胞成長の減少は癌の軽減に有用である。
A498腎臓腫瘍細胞株におけるsiRNA媒介TASK120ノックダウンの効果を形質移入/軟寒天成長アッセイで評価した。細胞に次のものを形質移入した:モック、又はTASK120に対する3種の二重鎖21マーRNAオリゴ(siTASK110 1、2又は3)の一つ。
siRNAオリゴ
siTASK120(1):
r(CCUCCUGUAUGCCACGCCC)TT =センス(配列番号32)
TTr(GGAGGACAUACGGUGCGGG)=アンチセンス(配列番号33)
siTASK120(2):
r(CGAGAGCGACCCUGAGCUC)TT =センス(配列番号34)
TTr(GCUCUCGCUGGGACUCGAG)=アンチセンス(配列番号35)
siTASK120(3):
r(GCUAUGAGUUUGACUCUCC)TT=センス(配列番号36)
TTr(CGAUACUCAAACUGAGAGG)=アンチセンス(配列番号37)
形質移入24時間後、細胞を3組で軟寒天に播き、28日後に生成コロニーの数を数えた。データは播いた細胞数に対する生存コロニーの数として図13に表す。形質移入3日後にRNAを収集し、モックレベルに対してのTASK120メッセージにおける80−90%の減少を確認した(データは示さず)。
このデータは、TASKポリペプチドの発現を減少させることが軟寒天における細胞成長を減少させる効果を有していることを示している。従って、細胞中のTASKポリペプチドのレベルを減少させるアンタゴニストは癌細胞の成長を遅らせるのに有用であろう。癌は細胞増殖疾患であるので、細胞増殖の減少は癌を軽減させるのに有用である。
この実施例は、TASK110遺伝子が或る種の細胞株のゲノムで増幅されることを示す。増幅は遺伝子産物の過剰発現を伴い、ポリペプチドが膵臓、腎臓、大腸、肺、乳房及び他の癌のような或る種の癌において治療的介入の有用な標的であることを示している。治療薬は、TASK110ポリペプチドのアンタゴニストの形態、例えばTASK110ポリペプチドに対するマウス−ヒトキメラ、ヒト化又はヒト抗体、あるいは有機小分子であってよい。
様々な癌細胞株からゲノムDNAを単離した。DNAは、例えば蛍光的に、正確に定量化される。ネガティブコントロールとして、プールした正常な健常個体の細胞からDNAを単離し、健常個体における遺伝子コピーのアッセイコントロールとして使用した。5'ヌクレアーゼアッセイ(例えばTaqManTM)及び実時間定量的PCR(例えば、ABI Prizm 7700 Sequence Detection SystemTM(Perkin Elmer, Applied Biosystems Division, Foster City, CA))を、或る種の癌で潜在的に増幅される遺伝子の発見に使用した。結果は、TASK110をコードするDNAがスクリーニングされた癌細胞株の何れかで過剰提示されるか否かを決定するために使用した。
TASK110(1)
正のプライマー:5’AGAAGTGTGCCAGCTTCAAA 3’(配列番号38)
逆のプライマー:5’CTAGATAGGATGTCTTCCACTAATCTTT 3’(配列番号39)
プローブ:5’CCAGGCATCGCCCTTAAGCC 3’(配列番号40)
TASK110(i2)
正のプライマー:5’CAAAGTTTGAGATACACTATCATGGTT 3’(配列番号41)
逆のプライマー:5’CAAGCCAAATTTTCCTAGAAGTT 3’(配列番号42)
プローブ:5’TCCTTCAGCTAGACATTGGATAACAAGCAGC 3’(配列番号43)
GAPDH
正のプライマー:5’GAAGGTGAAGGTCGGAGTC 3’(配列番号44)
逆のプライマー:5’GAAGATGGTGATGGGATTTC 3’(配列番号45)
プローブ:5’CAAGCTTCCCGTTCTCAGCC 3’(配列番号46)
SPF31
正のプライマー:5’GCACCTTAGGAAGCCCCTTC 3’(配列番号47)
逆のプライマー:5’TCCCTGTCTTATCTGGGCCTT 3’(配列番号48)
プローブ:5’CTCGCTTCTGGGTGTGCTCCCTTC 3’(配列番号49)
HMAD2
正のプライマー:5’GGTTGGACAAAGTATTAACTCAGATGG 3’(配列番号50)
逆のプライマー:5’GACTTGATTGGTGAAGCTTTATGACA 3’(配列番号51)
プローブ:5’ATCCCCTTCAGTGCGTTGCTCAAGC 3’(配列番号52)
5'ヌクレアーゼ法は、ABI Prism 7700TMシークエンス検出装置などの実時間定量的PCR装置で実施される。システムは温度サイクル器、レーザー、電荷結合素子(CCD)カメラ及びコンピュータからなる。システムは温度サイクル器上で96ウェル形態の試料を増幅させる。増幅中に、レーザー誘導蛍光シグナルは光ファイバーケーブルで96の全ウェルに集められ、CCDで検出される。システムは機器の操作及びデータの分析のためのソフトウェアを含む。
5'ヌクレアーゼアッセイデータは、最初はCt又は閾値サイクルで表現される。これは、レポーターシグナルが蛍光のバックグラウンドを越えて蓄積されるサイクルとして定義される。ΔCt値は、癌DNAの結果を正常なヒトDNAの結果と比較する場合において核酸試料における特定の標的配列の起始コピー相対数の定量的尺度として使用される。
DNAは培養した細胞株、原発腫瘍、正常ヒト血液から調製した。単離は、全てQiagenTMからの、精製キット、バッファーセット及びプロテアーゼを用い、製造者の指示と下記に従って実施した。
細胞培養溶解:
細胞を洗浄し、チップ当たり7.5x108の濃度でトリプシン化し、4℃で5分間1000rpmで遠心分離してペレット化し、ついで1/2容量のPBS再遠心で洗浄した。ペレットを3回洗浄し、懸濁細胞を回収して2xPBSで洗浄した。ついで細胞を10mLのPBSに懸濁させた。バッファーC1を4℃で平衡化させた。QiagenTMプロテアーゼを6.25mlの冷ddH2Oで最終濃度20mg/mlまで希釈して4℃で平衡化させた。10mLのG2バッファーを、QiagenTMRNAseAストック(100mg/ml)を200μg/mlの最終濃度まで希釈して調製した。
バッファーC1(10ml、4℃)及びddH2O(40ml、4℃)を、ついで10mlの細胞懸濁物に添加し、反転させて混合し、氷上で10分間インキュベートした。細胞核をBeckmanスイングバケットロータで4℃において2500rpmで15分間遠心分離することによりペレット化した。上清を捨て、核をボルテックスしながら2mlのバッファーC1(4℃)及び6mlのddH2Oに懸濁し、4℃において2500rpmで15分間2回目の遠心分離を実施した。ついで核を残りのバッファー中にチップ当たり200μlを用いて再懸濁した。G2バッファー(10ml)を懸濁した核に添加しながら緩いボルテックスを適用した。バッファー添加が完了したら、強いボルテックスを30秒間適用した。Quiagenプロテアーゼ(200μl上記のように調製)を添加し、50℃で60分間インキュベートした。インキュベーション及び遠心分離を、溶解物が透明になるまで繰り返した(例えば、さらに30−60分間インキュベートし、4℃で10分間3000xgでペレット化する)。
(1)ゲノムDNAの単離:
ゲノムDNAを10mlのQBTバッファーで平衡化した(最大チップ調製当たり1試料)。QF溶離バッファーを50℃で平衡化した。試料を30秒間ボルテックスし、ついで平衡化チップに負荷して重力により排液した。チップを2x15mlのQCバッファーで洗浄した。DNAを、30mlのシラン化したオートクレーブ30mlCorex管に15mlのQFバッファー(50℃)で溶離した。イソプロパノール(10.5ml)を各試料に添加し、管をパラフィルム(Parafilm)TMで被覆し、DNAが沈殿するまで繰り返し反転させて混合した。試料を、SS−34ロータで4℃において15000rpmで10分間遠心分離してペレット化した。ペレット位置をマークして上清を捨て、10mlの70%エタノール(4℃)を添加した。試料を、SS−34ロータで4℃において10000rpmで10分間遠心分離して再度ペレット化した。ペレット位置をマークして上清を捨てた。ついで管を乾燥棚の各面に置き、37℃で10分間乾燥させたが、使用の過剰乾燥には注意した。
乾燥後、ペレットを1.0mlのTE(pH8.5)に溶解し、50℃に1−2時間置いた。試料を4℃に終夜保持して溶解を続けた。ついでDNA溶液を、ツベルクリンシリンジ上に26ゲージの針を具備する1.5ml管に移した。DNAを剪断するために移行を5x繰り返した。ついで試料を50℃に1−2時間置いた。
各管のDNAレベルを1:20希釈(5μlDNA+95μlddH2O)での標準的なA260、A280分光分析により、Beckman DU640TM分光光度計の0.1ml石英キュベットを用いて定量した。A260/A280比率は1.8−1.9の範囲であった。ついで各DNA試料をTE(pH8.5)中に約200ng/mlまで希釈した。最初の材料が高濃度(約700ng/μl)である場合、材料を50℃に再懸濁するまで数時間置いた。
ついで、希釈した材料(20−600ng/ml)に対して、製造者の指示を以下のように改変して蛍光DNA定量化を実施した。これは、Hoeffer DyNA Quant200TM蛍光計を約15分間暖めて実施した。Hoechst染料作業溶液(#H33258、10μl、使用の12時間以内に調製)を100mlの1xTNEバッファーに希釈した。2mlキュベットを蛍光計溶液で満たし、機械に配し、機械をゼロ調節した。pGEM3Zf(+)(2μl)を2mlの蛍光計溶液に添加して200単位で校正した。ついで、さらに2μlのpGEM3Zf(+)DNAを試験し、400+/−10単位で読みを確認した。ついで各試料を少なくとも3回読んだ。3試料が互いに10%以内であることが見られたとき、それらの平均をとり、この値を定量化値として用いた。
ついで、蛍光測定で決定した濃度を、各試料をddH2O中に10ng/μlまで希釈するのに用いた。これは、1回のTaqManTMプレートアッセイについて全てのテンプレート試料について同時に行い、500−1000アッセイを実施するのに十分な材料で行った。試料は、TaqmanTMプライマー及びプローブ、及び正常なヒトDNAを含む単一プレート上のコントロール遺伝子及び非テンプレートコントロールで3通り試験した。試験DNAから減算した正常ヒトDNAのCT値が+/−1Ctの場合に希釈試料を用いた。希釈したロット定性化ゲノムDNAを、1.0mlアリコートで−80℃にて保存した。続いて遺伝子増幅アッセイに使用するアリコートは、4℃で保存した。各1mlのアリコートは、8−9プレート又は64回の試験に十分である。
TASK110の相対的コピー数を、TASK110遺伝子のエキソン18(TASK110(1))及びイントロン2(TASK110(i2))に特異的なプローブ及びプライマーを使用する定量的PCRで評価した。乳癌細胞株BT549、腎臓癌細胞株786及び膵臓癌細胞株PANC-1におけるTASK110の増幅倍の値を図14に報告する。コントロール遺伝子GAPDH、RPL19、SPF31及びhMAD2を用いて、増幅のベースラインを1の値に設定した。TASK110はこのベースラインに対して評価すると、PANC-1細胞で有意に増幅された。
TaqmanTMアッセイを、癌の発生に関与する遺伝子を特徴づけるのに広範かつ成功裏に使用した。プロトオンコジーンの過剰発現は様々なヒト腫瘍において研究され、病因、診断及び予後の面で重要であると広く考えられる。TaqmanTMの有用性の例は次の文献:Pennica等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 95(25): 14717-14722 (1998)及びBieche等, Int. J. Cancer 78:661-666 (1998)に示されている。膵臓腫瘍由来の細胞におけるTASK110の増幅のため、腫瘍生成及び/又は腫瘍成長において有意な役割を果たしている可能性が非常に高い。その結果、TASK110タンパク質に対するアンタゴニストは癌の軽減に有用であろう。
以下の方法は、哺乳動物における腫瘍の存在の診断などのため、ハイブリダイゼーションプローブとしてTASKをコードするヌクレオチド配列を使用することについて記載するものである。
本明細書で開示した全長又は成熟TASKのコード配列を含むDNAを、ヒト組織cDNAライブラリーまたはヒト組織ゲノムライブラリーにおける相同DNA(TASKの自然発生変異体をコードするものなど)に関してスクリーニングを行うためのプローブとして使用することもできる。
ハイブリダイゼーション及び両方のライブラリーDNAを含むフィルターの洗浄は、以下の高ストリンジェンシー条件下で行われる。放射標識TASK由来プローブのフィルターへのハイブリダイゼーションは、50%のホルムアミド、5×SSC、0.1%のSDS、0.1%のピロリン酸ナトリウム、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、2×デンハート液、及び10%の硫酸デキストラン溶液において、42℃で20時間行われる。フィルターの洗浄は、0.1×SSC及び0.1%のSDSの水溶液において、42℃で行われる。
完全長天然配列TASKをコードするDNAと所望の配列同一性を有するDNAは、ついで、当該分野で知られている標準的な技法を用いて同定することができる。
本実施例では、大腸菌中での組換え発現によるTASKの非グリコシル化型の調製について例証する。
最初に、選択されたPCRプライマーを用いて、TASKをコードするDNA配列を増幅する。プライマーは、選択された発現ベクターの制限酵素部位に対応する制限酵素部位を含むべきである。様々な発現ベクターを使用することができる。適切なベクターの例は、アンピシリン及びテトラサイクリン耐性の遺伝子を含むpBR322(大腸菌由来;Bolivar等, Gene, 2:95 (1977)を参照)である。ベクターは制限酵素による消化を受け、脱リン酸化される。その後、PCR増幅配列をベクターに連結する。ベクターは、抗生物質耐性遺伝子、trpプロモーター、ポリヒス(polyhis)リーダー(最初の6のSTIIコドン、ポリヒス(polyhis)配列、及びエンテロキナーゼ切断部位を含む)、TASKコード領域、λ転写ターミネーター、及びargU遺伝子をコードする配列を含むことが好ましい。
その後、ライゲーション混合液を用いて、上掲のSambrookらに記載された方法により、選択された大腸菌株を形質転換させる。LB平板上での生育能により形成転換体を識別した後、抗生物質耐性コロニーを選択する。制限分析及びDNA配列決定により、プラスミドDNAを単離し、確認することができる。
抗生物質を添加したLBブロスのような液体培地中で、選択されたクローンを一晩培養することができる。続いて、一晩培養した液をより大規模な培地に接種するために使用してもよい。その後、細胞を所望の光学密度になるまで培養し、その間に発現プロモーターを作動させる。
数時間以上、細胞を培養した後、細胞を遠心分離により集菌することができる。遠心分離により得られる細胞ペレットを、当技術分野で公知の様々な薬剤を用いて可溶化することができ、その後、この可溶化TASKタンパク質を、タンパク質の強い結合を許容する条件下で金属キレートカラムを用いて精製することができる。
0.5〜1L発酵物由来の大腸菌ペースト(6〜10gペレット)を、7Mのグアニジン、20mMのTris緩衝液(pH8)の10体積(w/v)に再懸濁する。固体の亜硫酸ナトリウム及びテトラチオン酸ナトリウムを、それぞれ最終濃度が0.1M及び0.02Mになるように添加し、溶液を4℃で一晩攪拌する。この工程により、亜硫酸化(Sulfitolization)によりブロックされる全システイン残基を有する変性タンパク質が生じる。この溶液をベックマン(Beckman)超遠心機で40000rpmで30分間、遠心分離する。上清を3〜5体積の金属キレートカラム緩衝液(6M グアニジン、20mM Tris、pH7.4)で希釈し、0.22ミクロンフィルターで濾過して浄化する。浄化された抽出物を、金属キレートカラム緩衝液で平衡化したQiagen Ni−NTA金属キレートカラム5ml上に添加する。50mMのイミダゾール(Calbiochem、Utrolグレード)を含む追加緩衝液(pH7.4)でカラムを洗浄する。250mMのイミダゾールを含む緩衝液でタンパク質を溶出させる。所望のタンパク質を含む画分をプールし、4℃で貯蔵する。タンパク質濃度は、そのアミノ酸配列に基づいて算出された吸光係数を用いて、280nmにおける吸光度により推定される。
所望のフォールディング構造のTASKポリペプチドを含む画分をプールし、溶液に対する穏やかな窒素流によりアセトニトリルを除去する。タンパク質は、透析、または製剤用緩衝液で平衡化したG25 Superfine(Pharmacia)樹脂を用いたゲルろ過により、20mMのHepes(pH6.8)、0.14Mの塩化ナトリウム及び4%マンニトールに処方され、滅菌濾過される。
本明細書で開示されたTASKポリペプチドのある種のものが、この技法を用いて成功裏に発現され、精製された。
本実施例は、哺乳動物細胞における組換え発現による潜在的グリコシル化型TASKの調製について説明する。
ベクターpRK5(1989年3月15日公開のEP307247を参照)を発現ベクターとして使用する。場合によっては、上掲のSambrook等に記載されるようなライゲーション法を用いて、TASK DNAを挿入させるために選択された制限酵素でTASK DNAをpRK5に連結する。得られたベクターはpRK5−TASKと呼ばれる。
一実施態様では、選択された宿主細胞は293細胞であってよい。ヒト293細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎仔血清と、任意で栄養素及び/又は抗生物質を添加したDMEMなどの培地の組織培養平板で集密培養される。約10μgのpRK5−TASK DNAを、VA RNA遺伝子(Thimmappaya等, Cell, 31:543 (1982))をコードする約1μgのDNAに混合し、1mMのTris−HCl、0.1mMのEDTA、0.227MのCaCl2の500μlに溶解する。この混合液に50mMのHEPES(pH7.35)、280mMのNaCl、1.5mMのNaPO4の500μlを滴下して加え、25℃、10分間で沈殿を形成させる。この沈殿を懸濁し、293細胞に添加し、37℃で約4時間、静置する。培養培地を吸引除去し、20%グリセロールPBS溶液2mlを30秒間添加する。その後、無血清培地で293細胞を洗浄し、新鮮培地を添加し、細胞を約5日間インキュベートする。
トランスフェクションの約24時間後、培養培地を取り除き、(単独の)培養培地、又は200μCi/mlの35S−システイン及び200μCi/mlの35S−メチオニンを含む培養培地で置き換える。12時間のインキュベート後に、順化培地を得、スピンフィルターで濃縮し、15%のSDSゲル上に添加する。処理されたゲルを乾燥し、TASKポリペプチドの存在を示すために選択された時間の間、フィルムにさらしてもよい。トランスフェクトされた細胞を含む培養液は、さらに(血清を含まない培地で)培養されてもよく、その培地は、選択されたバイオアッセイにより試験される。
他の実施態様では、TASKをCHO細胞で発現させることができる。CaPO4又はDEAEデキストランなどの既知の試薬を用いて、pRK5−TASKをCHO細胞にトランスフェクトすることができる。上記に述べたように、細胞培養液をインキュベートし、培地を培養培地(単独)、または35S−メチオニンなどの放射性標識を含む培養培地で置き換えることができる。TASKポリペプチドの存在を測定後、血清を含まない培地で培養培地を置き換えてもよい。好ましくは、培養液を約6日間インキュベートして順化培地を得る。発現されたTASKを含む培地を、任意の選択された方法で濃縮及び精製することができる。
エピトープタグTASKも宿主CHO細胞で発現させてよい。TASKをpRK5ベクターからサブクローン化してもよい。このサブクローン挿入物を、バキュロウイルスの発現ベクターにポリヒス(poly−his)タグなどの選択されたエピトープタグとフレーム単位で融合させるPCRにかけることができる。その後、ポリヒス(poly−his)タグTASK挿入物を、安定クローンの選択のためにDHFRなどの選択マーカーを含むSV40推進ベクターにサブクローン化することができる。最後に、CHO細胞をSV40推進ベクターで(上記に述べたように)トランスフェクトすることができる。発現を確認するために、上記のように標識を行ってもよい。その後、発現されたポリヒス(poly−His)タグTASKを含む培養培地を、Ni2+キレートアフィニティークロマトグラフィーなどの任意の選択された方法で濃縮及び精製することができる。
以下の手法を用いて、CHO細胞の安定した発現が実現する。タンパク質がIgG作製物(イムノアドヘシン)として発現され、IgG作製物では、各タンパク質の可溶体(例えば細胞外ドメイン)をコードする配列が、ヒンジ、CH2及びCH2ドメインを含むIgG1不変領域配列に融合し、かつ/あるいはポリヒス(poly−His)タグ形である。
PCR増幅後に、Ausubel等, Current Protocols of Molecular Biology, Unit 3.16, John Wiley and Sons (1997)に記載されるような標準的な技法を用いて、各DNAをCHO発現ベクターにサブクローン化する。CHO発現ベクターは、cDNAを都合よく輸送させるのに相性の良い対象DNAの5'及び3'制限部位を有するように作製される。CHO細胞における発現に使用されるベクターは、Lucas等, Nucl. Acids Res. 24:9 (1774-1779(1996))に記載されており、対象のcDNA及びジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)の発現を推進するSV40初期プロモーター/エンハンサーを使用する。DHFR発現により、トランスフェクションに続くプラスミドの安定維持のための選択が可能になる。
12種の微生物の所望のプラスミドDNAを、市販のトランスフェクション試薬のSuperfect(登録商標)(Quiagen)、Dosper(登録商標)またはFugene(登録商標)(Boehringer Mannheim)を用いて、約1000万のCHO細胞に導入する。細胞を上掲のLucas等に記載されるように培養する。以下に記述する更なる培養及び産生のために、約3×107細胞をアンプルに入れて冷凍する。
ポリヒス(poly−His)タグ作製物に関して、Ni−NTAカラム(Qiagen)を用いてタンパク質を精製する。精製前に、イミダゾールを5mM濃度になるまで順化培地に添加する。順化培地は、0.3MのNaCl及び5mMのイミダゾールを含む20mMのHepes(pH7.4)緩衝液で平衡化した6mlのNi−NTAカラムに、4℃で流速4〜5ml/分で注ぎ込む。添加後、カラムを追加の平衡化緩衝液で洗浄し、0.25Mのイミダゾールを含む平衡化緩衝液でタンパク質を溶出させる。続いて、25mlのG25 Superfine(Pharmacia)カラムを用いて、高純化タンパク質を、10mMのHepes、0.14MのNaCl及び4%マンニトール(pH6.8)を含む保存用緩衝液に脱塩させ、−80℃で貯蔵する。
以下のようにしてイムノアドヘシン(Fc含有)作製物を順化培地から精製する。順化培地を、20mMのリン酸Na緩衝液(pH6.8)で平衡化させた5mlのプロテインAカラム(Pharmacia)に注ぎ込む。添加後、100mMのクエン酸(pH3.5)で溶出する前に、カラムを平衡化緩衝液で十分に洗浄する。1mlの画分を275μlの1MのTris緩衝液(pH9)を含むチューブに回収することにより、溶出されたタンパク質を直ちに中和する。続いて、ポリヒス(poly−His)タグタンパク質に関して、上述のように高純化タンパク質を保存用緩衝液に脱塩させる。均一性をSDSポリアクリルアミドゲル、及びエドマン分解によるN末端アミノ酸配列決定により評価する。
本明細書で開示されるTASKポリペプチドの所定のものが、この技法を用いて首尾よく発現され、精製された。
以下の方法は、酵母中でのTASKの組換え発現について述べるものである。
最初に、ADH2/GAPDHプロモーターからTASKを細胞内で生成または分泌させるための酵母発現ベクターを構築する。TASKをコードするDNA及びプロモーターを、TASKの細胞内発現を導くために、選択されたプラスミドの適切な制限酵素部位に挿入する。分泌については、TASKをコードするDNAを、TASKの発現のために、(必要であれば)ADH2/GAPDHプロモーター、天然TASKシグナルペプチドあるいは他の哺乳動物シグナルペプチド、あるいは、例えば酵母αファクターまたは転化酵素分泌シグナル/リーダー配列及びリンカー配列と共に、選択されたプラスミドにクローン化することができる。
その後、酵母AB110株などの酵母細胞を上述の発現プラスミドで形質転換し、選択された発酵培地で培養することができる。10%トリクロロ酢酸を用いた沈殿化、ならびにSDS−PAGEによる分離及びクマシーブルー染料を用いたゲル染色により、形質転換酵母の上清を分析することができる。
続いて、培地を遠心分離して選択されたカートリッジフィルターを用いて濃縮することにより発酵培地から酵母細胞を取り除いて、組換えTASKを単離し、精製することができる。選択されたカラムクロマトグラフィー樹脂を用いて、TASKを含む濃縮液をさらに精製してもよい。
本明細書で開示されるTASKポリペプチドの所定のものが、この技法を用いて成功裏に発現され、精製された。
以下の方法は、バキュロウイルス感染昆虫細胞におけるTASKの組換え発現について述べるものである。
TASKをコードする配列を、バキュロウイルス発現ベクター内に含まれるエピトープタグの上流に融合させる。このようなエピトープタグはポリヒス(poly−his)タグ及び免疫グロブリンタグ(IgGのFc領域のような)を含む。pVL1393(Novagen)などの市販のプラスミドから得られるプラスミドなど、様々なプラスミドを使用してもよい。簡単に言えば、TASKをコードする配列、あるいはタンパク質が細胞外である場合、膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列または成熟タンパク質をコードする配列などのTASKをコードする配列の所望の部分を、5'及び3'領域に相補的なプライマーを用いてPCRにより増幅する。5'プライマーは、(選択された)制限酵素部位の脇側を組み込んでもよい。その後、生成物を選択された制限酵素で消化し、発現ベクターにサブクローン化する。
リポフェクチン(GIBCO−BRLから市販)を用いて、上記のプラスミドをBaculoGold(商標)ウイルスDNA(Pharmingen)と共に、スポドプテラフルギペルタ(Spodoptera frugiperda)(「Sf9」)細胞(ATCC CRL1711)にトランスフェクトすることにより、組換えバキュロウイルスを得る。28℃で4〜5日間インキュベートした後、放出されたウイルスを集菌し、さらなる増幅に使用する。ウイルス感染及びタンパク質発現は、O'Reilley等, Baculovirus expression vectors: A Laboratory Manual, Oxford Oxford University Press (1994)に記載されるように実施される。
別法として、既知のクロマトグラフィー法、例えばプロテインAまたはプロテインGカラムクロマトグラフィーなどを用いて、IgGタグ(又はFcタグ)TASKの精製を行うことができる。
本明細書で開示されるTASKポリペプチドの所定のものがこの技法を用いて首尾よく発現され、精製された。
本実施例は、TASKに特異的に結合することが可能なモノクローナル抗体の調製について説明する。
モノクローナル抗体を生成する技法は、当技術分野で知られており、例えばGoding(上掲)に記載されている。使用してもよい免疫原には、精製されたTASK、TASKを含む融合タンパク質、及び細胞表面で組換えTASKを発現する細胞などがある。免疫原は、過度の実験なしに当業者により選択されうる。
TASK免疫原をフロイント完全アジュバントで乳化し、1〜100マイクログラムから所定の量を皮下または腹腔内に注入して、Balb/cなどのマウスを免疫化する。別法として、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immunochemical Research, Hamilton, MT)で乳化し、動物の後足パッドに注射する。その後、10〜12日後に、選択されたアジュバントで乳化した追加免疫原で免疫化マウスを強化する。その後、数週間、マウスを追加免疫処理注射で強めてもよい。抗TASK抗体を検出するため、ELISA分析試験用に、定期的に眼窩の後部出血でマウスから血清試料を得てもよい。
適切な抗体価を検出した後、抗体「陽性」動物にTASKを最終静脈注射することができる。3〜4日後に、マウスを処分し、脾臓細胞を得る。その後、脾臓細胞を、ATCC番号CRL1597から得られるP3X63AgU.1などの選択されたマウス骨髄腫細胞系に(35%ポリエチレングリコールを用いて)融合する。この融合により、非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド及び脾臓細胞ハイブリッドの増殖を阻害する、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン)培地を含む96ウエル組織培養プレートに蒔くことが可能なハイブリドーマ細胞が作り出される。
TASKに対する反応性からELISAにてハイブリドーマ細胞を選び出す。TASKに対する所望のモノクローナル抗体を分泌する「陽性」ハイブリドーマ細胞の決定は、当業者の技量範囲内にある。
陽性ハイブリドーマ細胞を同系のBalb/cマウスに腹腔内注射し、抗TASKモノクローナル抗体を含む腹水を作り出すことができる。別法として、組織培養フラスコまたはローラーボトルでハイブリドーマ細胞を培養することができる。腹水で産生されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈殿後のゲル排除クロマトグラフィーにより実行することができる。別法として、プロテインAまたはプロテインGに対する抗体の結合に基づくアフィニティークロマトグラフィーを用いることができる。
ここに開示されたTASKポリペプチドの所定のものに対する抗体がこの技法を使用して成功裏に産生された。
天然又は組換えTASKポリペプチドを、タンパク質精製の当該分野における様々な標準技法で精製してもよい。例えば、対象のTASKに特異的な抗体を用いて、プロTASKポリペプチド、成熟TASKポリペプチド、あるいはプレTASKポリペプチドを、免疫親和性クロマトグラフィーで精製する。一般には、抗TASKポリペプチド抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合することにより、免疫親和性カラムを構築する。
ポリクローナル免疫グロブリンを、硫酸アンモニウムを用いた沈殿化、又は固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway, N.J.)における精製により免疫血清から調製する。同様に、硫酸アンモニウムによる沈殿化、または固定化プロテインAにおけるクロマトグラフィーにより、マウス腹水からモノクローナル抗体を調製する。部分的に精製された免疫グロブリンを、CnBr活性化SEPHAROSE(商標)(Pharmacia LKB Biotechnology)などのクロマトグラフィー樹脂に共有結合させる。製造者の指示書に従って、抗体を樹脂に結合させ、樹脂をブロックし、派生樹脂を洗浄する。
この免疫親和性カラムは、可溶性のTASKポリペプチドを含む細胞から分画調製することにより、TASKポリペプチドの精製に使用される。この調製は、界面活性剤の添加による分画遠心法から得られる全細胞または細胞内画分の可溶化、あるいは当技術分野でよく知られるその他の方法に基づく。別法として、細胞が生育する培地に、シグナル配列を含む可溶性のTASKポリペプチドを有用な量で分泌させてもよい。
可溶性TASKポリペプチドを含む調製液は、免疫親和性カラムに通され、TASKポリペプチドの選択吸着を起こす条件(例えば界面活性剤の存在する高イオン強度の緩衝液)下でカラムを洗浄する。その後、抗体/TASKポリペプチド結合を阻害する条件(例えばpH約2〜3などの低pH緩衝液、あるいは尿素またはチオシアン酸イオンなど高濃度のカオトロープ)下でカラムを溶出し、TASKポリペプチドを回収する。
本発明は、TASKポリペプチド又はその結合断片を任意の種々の薬物スクリーニング技術において使用することによる化合物のスクリーニングに特に有用である。そのような試験に用いられるTASKポリペプチド又は断片は、溶液中の遊離状態でも、固体支持体に固定されても、細胞表面に担持されていても、細胞内に位置していてもよい。薬剤スクリーニングの一方法は、TASKポリペプチド又は断片を発現する組換え核酸で安定に形質移入される真核生物又は原核生物宿主細胞を利用する。薬剤は、そのような形質移入細胞に対して、競合的結合アッセイにおいてスクリーニングされる。そのような細胞は、生存可能又は固定化形態の何れかにおいて、標準的な結合アッセイに使用できる。例えば、TASKポリペプチド又は断片と試験される試薬の間での複合体の形成を測定とができる。あるいは、試験する試薬によって生ずるTASKポリペプチドとその標的細胞又は標的レセプターとの間の複合体形成における減少を試験することもできる。
しかして、本発明は、TASKポリペプチド関連疾病又は疾患に影響を与えうる薬剤又は任意の他の試薬のスクリーニング方法を提供する。これらの方法は、その試薬をTASKポリペプチド又は断片に接触させ、(i)試薬とTASKポリペプチド又は断片との間の複合体の存在について、又は(ii)TASKポリペプチド又は断片と細胞との間の複合体の存在について、当該技術でよく知られた方法でアッセイすることを含む。これらの競合結合アッセイでは、TASKポリペプチド又は断片が典型的には標識される。適切なインキュベーションの後、有離のTASKポリペプチド又は断片を結合形態のものから分離し、有離又は未複合の標識の量が、特定の試薬がTASKポリペプチドに結合するか又はTASKポリペプチド/細胞複合体を阻害する能力の尺度となる。
薬剤スクリーニングのための他の技術は、ポリペプチドに対して適当な結合親和性を持つ化合物についての高スループットスクリーニングを提供し、1984年9月13日に公開されたWO84/03564に詳細に記載されている。簡単に述べれば、多数の異なる小型ペプチド試験化合物が、プラスチックピン等の固体支持体又は幾つかの他の表面上で合成される。TASKポリペプチドに適用すると、ペプチド試験化合物はTASKポリペプチドと反応して洗浄される。結合したTASKポリペプチドはこの分野で良く知られた方法により検出される。精製したTASKポリペプチドは、上記の薬剤スクリーニング技術に使用するためにプレート上に直接被覆することもできる。更に、非中和抗体は、ペプチドを捕捉し、それを固体支持体上に固定化するのに使用できる。
また、本発明は、TASKポリペプチドに結合可能な中和抗体がTASKポリペプチド又はその断片について試験化合物と特異的に競合する競合薬剤スクリーニングアッセイに使用されることも考慮する。この方法において、抗体は、TASKポリペプチドで一又は複数の抗原決定基を持つ任意のペプチドの存在を検出するのに使用できる。
TASKポリペプチドに対するアンタゴニストをヌードマウスモデルによってインビボにて決定することができる。細胞株中に高レベルのTASKポリペプチドを生じさせるために十分量のTASKポリペプチド発現プラスミドを哺乳動物細胞に形質移入することができる。既知数の過剰発現細胞をヌードマウスの脇腹に皮下注射することができる。十分な時間をかけて腫瘍が成長し、可視でき、測定できる(典型的には2−3mm直径)ようになったところで、そのマウスを潜在的なTASKアンタゴニストで処置できる。有益な効果が生じたかどうかを決定すべく、腫瘍をバーニアノギスでミリメートル単位で測定し、腫瘍負荷を計算する:腫瘍重量=(長さx幅2)/2(Geran等, (1972) Cancer Chemotherapy Rep., 3 1-104)。ヌードマウス腫瘍モデルは、腫瘍成長速度及び用量依存的な形での可能な抗腫瘍剤による腫瘍成長速度の減少を評価するための再現性のあるアッセイである。例として、プロテインキナーゼCβ阻害剤である化合物317615-HCLはこのモデルを使用して抗腫瘍効果を有していることが見出された(Teicher等, (2002) Can Chemo Pharm 49: 69-77)。
Claims (102)
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列;又は
(d)(a)、(b)、(c)の相補鎖;
に対して少なくとも80%の核酸配列同一性を有する単離された核酸。 - (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列;又は
(d)(a)、(b)、(c)の相補鎖;
を含んでなる単離された核酸。 - (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列;又は
(d)(a)、(b)、(c)の相補鎖;
にハイブリダイズする単離された核酸。 - ストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションが生じる、請求項3に記載の核酸。
- 請求項1に記載の核酸を含む発現ベクター。
- ベクターを用いて形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作用可能に連結する、請求項5に記載のベクター。
- 請求項6に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
- CHO細胞、大腸菌細胞又は酵母細胞である、請求項7に記載の宿主細胞。
- ポリペプチドの産生方法において、請求項7に記載の宿主細胞を、前記ポリペプチドの発現に適した条件下で培養し、細胞培養物から前記ポリペプチドを回収することを含んでなる方法。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド。 - (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
を有する単離されたポリペプチド。 - 異種ポリペプチドに融合した請求項10に記載のポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド。
- 前記異種ポリペプチドが免疫グロブリンのFc領域又はエピトープタグ配列である、請求項12に記載のキメラポリペプチド。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体。 - (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
を含んでなるポリペプチドに特異的に結合する、請求項14に記載の抗体。 - モノクローナル抗体である、請求項14に記載の抗体。
- 抗体断片である、請求項14に記載の抗体。
- キメラ又はヒト化抗体である、請求項14に記載の抗体。
- 成長阻害剤にコンジュゲートさせた、請求項14に記載の抗体。
- 細胞毒性剤にコンジュゲートさせた、請求項14に記載の抗体。
- 毒性剤が毒素、抗生物質、放射性同位元素及び核酸分解酵素からなる群から選択される、請求項20に記載の抗体。
- 細胞毒性剤が毒素である、請求項20に記載の抗体。
- 毒素が、メイタンシノイド及びカリケアマイシンからなる群から選択される、請求項22に記載の抗体。
- 毒素がメイタンシノイドである、請求項22に記載の抗体。
- 細菌中で産生される、請求項14に記載の抗体。
- CHO細胞中で産生される、請求項14に記載の抗体。
- 結合する細胞の死を誘導する、請求項14に記載の抗体。
- 検出可能に標識される、請求項14に記載の抗体。
- 請求項14に記載の抗体をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸。
- ベクターを用いて形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作用可能に連結する、請求項29に記載の核酸を含む発現ベクター。
- 請求項30に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
- CHO細胞、大腸菌細胞又は酵母細胞である、請求項31に記載の宿主細胞。
- 抗体の産生方法において、請求項31に記載の宿主細胞を、前記抗体の発現に適した条件下で培養し、細胞培養物から前記抗体を回収することを含んでなる方法。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合する単離されたオリゴペプチド。 - (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
を含んでなるポリペプチドに結合する請求項34に記載のオリゴペプチド。 - 成長阻害剤にコンジュゲートさせた、請求項34に記載のオリゴペプチド。
- 細胞毒性剤にコンジュゲートさせた、請求項34に記載のオリゴペプチド。
- 毒性剤が毒素、抗生物質、放射性同位元素及び核酸分解酵素からなる群から選択される、請求項37に記載のオリゴペプチド。
- 細胞毒性剤が毒素である、請求項37に記載のオリゴペプチド。
- 毒素が、メイタンシノイド及びカリケアマイシンからなる群から選択される、請求項39に記載のオリゴペプチド。
- 毒素がメイタンシノイドである、請求項39に記載のオリゴペプチド。
- 結合する細胞の死を誘導する、請求項34に記載のオリゴペプチド。
- 検出可能に標識される、請求項34に記載のオリゴペプチド。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合するTASK結合有機分子。 - (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列によってコードされるアミノ酸配列;
を含んでなるポリペプチドに結合する、請求項44に記載の有機分子。 - 成長阻害剤にコンジュゲートさせた、請求項44に記載の有機分子。
- 細胞毒性剤にコンジュゲートさせた、請求項44に記載の有機分子。
- 毒性剤が毒素、抗生物質、放射性同位元素及び核酸分解酵素からなる群から選択される、請求項47に記載の有機分子。
- 細胞毒性剤が毒素である、請求項47に記載の有機分子。
- 毒素が、メイタンシノイド及びカリケアマイシンからなる群から選択される、請求項49に記載の有機分子。
- 毒素がメイタンシノイドである、請求項49に記載の有機分子。
- 結合する細胞の死を誘導する、請求項44に記載の有機分子。
- 検出可能に標識される、請求項44に記載の有機分子。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列;
(c)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列の完全長コード化配列;
(d)(a)、(b)、(c)の相補鎖;
に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸に結合するTASK結合干渉RNA(siRNA)。 - 請求項54に記載のsiRNAを含んでなる発現ベクター。
- 前記siRNAがベクターが形質移入された宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作用可能に結合する、請求項55に記載の発現ベクター。
- 請求項56に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞。
- 担体との組み合わせで、(a)請求項10に記載のポリペプチド、(b)請求項12に記載のキメラポリペプチド、(c)請求項14に記載の抗体、(d)請求項34に記載のオリゴペプチド、又は(e)請求項54に記載のsiRNA、又は(e)請求項44に記載のTASK結合有機分子を含有する物質の組成物。
- 前記担体が製薬的に許容可能な担体である、請求項58に記載の物質の組成物。
- (a)容器と、(b)前記容器内に含まれる請求項58に記載の物質の組成物を含む、製造品。
- 癌の治癒的処置又は診断的検出のための前記物質の組成物の用途に言及する、前記容器に貼付されたラベル、又は前記容器内に収容されたパッケージ挿入物を更に含んでなる、請求項60に記載の製造品。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを発現する癌細胞の成長を阻害する方法であって、前記癌細胞を、前記癌細胞中の前記ポリペプチドに結合する抗体、オリゴヌクレオチド、siRNA、オリゴペプチド、又は有機分子に接触させて、前記癌細胞の成長を阻害する方法。 - 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体が抗体断片である、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体がキメラ又はヒト化抗体である、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、siRNA又は有機分子を成長阻害剤にコンジュゲートさせた、請求項62に記載の方法。
- 前記抗体、オリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、siRNA又は有機分子を細胞毒性剤にコンジュゲートさせた、請求項62に記載の方法。
- 毒性剤が毒素、抗生物質、放射性同位元素及び核酸分解酵素からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
- 細胞毒性剤が毒素である、請求項67に記載の方法。
- 毒素が、メイタンシノイド及びカリケアマイシンからなる群から選択される、請求項69に記載の方法。
- 毒素がメイタンシノイドである、請求項69に記載の方法。
- 細菌中で産生される、請求項62に記載の方法。
- CHO細胞中で産生される、請求項62に記載の方法。
- 前記癌細胞が放射線治療又は化学療法薬に更にさらされる、請求項62に記載の方法。
- 前記癌細胞が、乳癌細胞、結腸直腸癌細胞、腎臓癌細胞、肺癌細胞、卵巣癌細胞、中枢神経系癌細胞、肝臓癌細胞、膀胱癌細胞、膵臓癌細胞、子宮頚癌細胞、メラノーマ細胞及び白血病細胞からなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
- 前記癌細胞が、同一組織由来の正常細胞と比較して上記ポリペプチドを過剰発現する、請求項62に記載の方法。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを発現する細胞を含む腫瘍を有する哺乳動物を治癒的に処置する方法であって、前記ポリペプチドに結合する治療的有効量の抗体、オリゴペプチド(siRNA)又は有機分子を前記哺乳動物に投与して、前記哺乳動物を効果的に治療する方法。 - 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項77に記載の方法。
- 前記抗体が抗体断片である、請求項77に記載の方法。
- 前記抗体がキメラ又はヒト化抗体である、請求項77に記載の方法。
- 前記抗体、オリゴペプチド、siRNA又は有機分子を成長阻害剤にコンジュゲートさせた、請求項77に記載の方法。
- 前記抗体、オリゴペプチド、干渉RNA(siRNA)又は有機分子を細胞毒性剤にコンジュゲートさせた、請求項77に記載の方法。
- 毒性剤が毒素、抗生物質、放射性同位元素及び核酸分解酵素からなる群から選択される、請求項82に記載の方法。
- 細胞毒性剤が毒素である、請求項82に記載の方法。
- 毒素が、メイタンシノイド及びカリケアマイシンからなる群から選択される、請求項84に記載の方法。
- 毒素がメイタンシノイドである、請求項84に記載の方法。
- 前記抗体が細菌中で産生される、請求項77に記載の方法。
- 前記抗体がCHO細胞中で産生される、請求項77に記載の方法。
- 前記腫瘍が放射線治療又は化学療法薬に更にさらされる、請求項77に記載の方法。
- 前記腫瘍が、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、中枢神経系腫瘍、肝臓腫瘍、膀胱腫瘍、膵臓腫瘍又は子宮頚腫瘍である、請求項77に記載の方法。
- ポリペプチドを含んでいることが疑われる試料中のポリペプチドの存在を決定する方法であって、前記ポリペプチドが、
(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有し、前記ポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は有機分子に前記試料をさらし、前記試料中の前記ポリペプチドに対する前記抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は有機分子の結合を決定することを含む方法。 - 前記試料が前記ポリペプチドを発現することが疑われる細胞を含む、請求項91に記載の方法。
- 前記細胞が癌細胞である、請求項92に記載の方法。
- 前記抗体、オリゴペプチド又は有機分子を検出可能に標識する、請求項92に記載の方法。
- 哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法において、前記哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料中と同一の組織由来の既知の正常細胞のコントロール試料中において、
(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出し、コントロール試料と比較して、試験試料中の前記ポリペプチドのより高い発現レベルが、試験試料が得られた哺乳動物中における腫瘍の存在を示している方法。 - 前記ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出する工程が、インサイツハイブリダイゼーション又はRT−PCR分析においてオリゴヌクレオチドを用いることを含む、請求項95に記載の方法。
- 前記ポリペプチドをコードする遺伝子の発現レベルを検出する工程が、免疫組織化学分析において抗体を用いることを含む、請求項95に記載の方法。
- 哺乳動物における腫瘍の存在を診断する方法において、前記哺乳動物から得られた組織細胞の試験試料を、
(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合する抗体、オリゴペプチド又は有機分子に接触させ、試験試料中の前記抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は有機分子と前記ポリペプチドの間の複合体の生成を検出することを含み、複合体の生成が前記哺乳動物中における腫瘍の存在を示している方法。 - 前記抗体、オリゴペプチド、siRNA、オリゴヌクレオチド又は有機分子を検出可能に標識する、請求項98に記載の方法。
- 組織細胞の前記試験試料を、癌性腫瘍を有することが疑われる個体から得る、請求項98に記載の方法。
- (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)又は図6(配列番号6)に示されたアミノ酸配列;又は
(b)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)又は図5(配列番号5)に示されたヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;
に対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドの発現又は活性の増加に関連する細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法であって、有効量のTASKポリペプチドアンタゴニストを、治療を必要とする患者に投与することを含み、好ましくは細胞増殖性疾患が癌である方法。 - 前記アンタゴニストが抗TASKポリペプチド抗体、TASK結合オリゴペプチド、TASKsiRNA、TASK結合有機分子又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項101に記載の方法。
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