JP2005536185A - コアグラーゼ陰性ブドウ球菌タンパク質を認識するモノクローナルおよびポリクローナル抗体 - Google Patents

コアグラーゼ陰性ブドウ球菌タンパク質を認識するモノクローナルおよびポリクローナル抗体 Download PDF

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Abstract

S.epidermidisのSdrGタンパク質を認識および結合するモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、より詳細には、SdrGタンパク質、すなわち、SdrG N1N2N3タンパク質(アミノ酸50〜597)、SdrG N2N3タンパク質(アミノ酸273〜597)およびSdrG TR2(アミノ酸273〜577)として同定されるN2N3の短縮バージョンの特定のドメインを認識する抗体が提供される。本発明の抗体ならびにこれらの抗体を組み込む薬学的組成物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌によって引き起こされる感染を処置または予防する際に特に有用である。

Description

関連出願に対する相互参照
本願は、2002年3月5日に出願された、米国仮出願シルアル番号60/361,324の利益を主張する。
発明の分野
本発明は、微生物学、分子生物学、および免疫学の分野に関連し、より詳細には、新たに同定されたモノクローナル抗体、モノクローナル抗体の使用、ならびにこのようなモノクローナル抗体の産生およびヒトおよび動物におけるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を予防、処置または診断するためのモノクローナル抗体をコードするDNAで形質転換した組換え宿主細胞に関する。本発明は、マウス、キメラ、ヒト化およびヒトモノクローナル抗体、ならびにフラグメント、領域およびその誘導体を含む。さらに、本発明は、SdrGタンパク質の特定のドメインに対して産生されたポリクローナル抗体に関連し、これは、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を処置又は予防する際に有用である。本発明において詳細に説明される抗体は、SdrG N1N2N3、N2N3およびTR2のようなSdrGタンパク質から生成され、S.epidermidisのようなコアグラーゼ陰性ブドウ球菌によって発現されるフィブリノゲン結合MSCRAMM(登録商標)タンパク質であるSdrGを特異的に認識する。
発明の背景
Staphylococcus epidermidisのようなコアグラーゼ陰性ブドウ球菌は、一般的に、ヒト皮膚の無毒性の片利共生生物であり、末梢および中心静脈カテーテル、補綴心臓弁、人工関節、および他の補綴デバイスの感染の主要な病原体(etiologic agent)である。S.epidermidis 菌血症は、10〜34%の寄与死亡率を有し、8日間の過剰な病院滞在を生じ、1ケース当たり6,000ドル以上に達するこのような滞在の費用がかかる。院内病原体としてのその重要性にかかわらず、これらの感染の病原性およびこの生物の毒性決定基(determinant)について、比較的知られていない。体内に留置した(indwelling)医療デバイスの最初の局在化感染は、敗血症、骨髄炎および心内膜炎のようなより重篤な侵襲性感染を導き得る。血管カテーテルは、皮膚表面からカテーテルの経皮部分への移動によって、微生物がデバイス、従って血流へのアクセスを得る場合に、感染になると考えられる。医療デバイスに関連する感染において、プラスチックおよび金属表面は、移植直後に、宿主血漿ならびにフィブリノゲン、ビトロネクチンおよびフィブロネクチンのようなマトリックスタンパク質でコーティングされる。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌のこれらのタンパク質に接着する能力は、感染を開始するために極めて重要であることが、現在十分に確立されている。細菌または微生物の接着は、補綴デバイス感染の病原性における第1の重要な工程であると考えられている。多数の因子が、生物の補綴材料に接着する能力に影響する。これらとしては、微生物および生体材料の特徴、および室温環境の性質が挙げられる。生物と宿主との間の最初の誘因(attraction)は、表面電荷、極性、ファンデルワールス力および疎水性相互作用のような非特異的な力によって影響される。接着の重要な段階は、MSCRAMM(登録商標)タンパク質と固定された宿主タンパク質との間の特定の相互作用を含む。
現在までのところ、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の生体材料への接着に関する調査は、それ自体、細胞外多糖または糖衣(粘液としても知られている)の役割と主に関連している。しかし、集中的な研究にもかかわらず、疾患の病原性における粘液の提唱される役割またはその組成でさえ、議論されるままである。Drewry. D. T., L Gailbraith. B. I. Wilkinson, and S. G. Wilkinson. 1990. Staphylococcal Slime: A Cautionary Tale, I.Clin. Microbiol28: 1292-1296. 現在、細胞外粘液は、感染の接着および持続性の後期の段階において、役割を果たしていると考えられる。これは、局所的な栄養環境を最適化するためのイオン交換樹脂として機能し得、抗生物質のマクロコロニーへの浸透を防ぎ、食作用性宿主防御細胞から細菌を保護する。Petersらは、電子顕微鏡研究によって、細胞外多糖が接着の後期段階に出現し、接着の初期段階の間に存在しないことを示した。O. Peters, R. Locci. And G. Pulverer. 1982. Adherence and Growth of Coagulase-Negative Staphylococci on Surfaces in Intravenous Catheters. I. Infect. Dis. 65146:479-482. Hogtらは、反復洗浄による細胞外粘液層の除去が、S.epidermidisの生体材料に接着する能力を減少させないことを示した。Hogt. A. H., I. Dankert, I. A. DeVries. And I. Feijen, 1983. Adhesion of Coagulase-Negative Staphylococci to Biomaterials. J. Gen. Microbial. 129:2959-2968.
従って、細胞外多糖またはエキソ多糖(exopolysaccharide)の研究は、細菌による最初の接着の防止にほとんど手を貸さなかった。いくつかの他の研究は、Tojoらによって観察される多糖接着(PS/A)を含むS.epidermidisの他の潜在的な接着を同定した(Tojo, M., N. Yamashita, D. A. Goldmann. And G. B. Pier, 1899. Isolation and Characterization of a Capsular Polycaccharide Adhesin 10 from Staphylococcus epidermidis. J. Infect. Dis. 157:713-722;およびChristensenらの粘液関連抗原(SAA)、Christensen. G. D., Barker, L. P., Manhinnes, T. P., Baddour, L. M., Simpson. W. A. Identification of an Antigenic Marker of Slime Production for Staphylococcus epidemidis. Infect Immun. 1990;58:2906-2911.。
PS/Aは、単糖の複雑な混合物であり、精製されたPS/Aは、S.epidermidisのPS/A産生株の接着をブロックすることが実証されている。心内膜炎の動物モデルにおいて、PS/Aに対する抗体は、保護的であった。しかし、抗体の抗接着効果に関連してかまたは血液保有細菌のオプソノファゴサイトーシス(opsonophagocytosis)の効率におけるより一般化された増加に起因して、この保護的な効果が特異的であるか否かについて明らかではない。1つ以上のこれらの接着因子(adhesin)を用いる接着プロセスの異なる段階における各機能は、最初の誘因を担い、一方、他は、マクロコロニーにおける凝集に必要とされると仮定されている。これらの全ての研究に関わらず、S.epidermidisの生体材料への最初の接着に関与する因子は、主として未知のままであり、感染の第1の段階、接着を防止するための実践的な方法もまた等しく未知である。
医療分野における別の特定の問題は、SdrG mAbでの受動的な免疫化によって低出生体重児(LBW)におけるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染の予防および/または処置である。LBW乳児は、500〜1500gの間で生まれた乳児として定義される。胎盤を介する保護的な母の抗体の十分な移入が生じる前に、未熟な乳児は生まれる。不十分な抗体、診断目的のための血液喪失、より効果的でない食作用、抗微生物処置由来の選択圧力下での腸内微生物の過増殖、および体内に留置したカテーテルによる他に無菌の部位の繰り返される侵入の組み合わせは、この攻撃されやすい集団における非常に高い院内感染率の理由のいくつかである。
従って、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌による感染を処置および予防する組成物および方法を開発する挑戦が残ったままであり、そして特に、攻撃されやすい新生児における院内感染を処置または予防する非常に大きな必要性が存在する。
従って、S.epidermidisのようなコアグラーゼ陰性ブドウ球菌からSdrGのような表面タンパク質を認識しそして結合し得るモノクローナル抗体を提供することが、本発明の目的である。
低出生体重児(LBW)における院内のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染の処置または予防において利用され得る組成物および方法を開発することが、本発明のさらなる目的である。
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌SdrGタンパク質および他のフィブリノゲン結合タンパク質を認識し得、従ってブドウ球菌感染を処置または予防する方法および組成物において使用され得る、モノクローナル抗体を提供することが本発明のなおさらなる目的である。
N1N2N3タンパク質、N2N3タンパク質、またはその短縮バージョン(truncated version)のようなSdrGタンパク質ドメインから抗体を産生すること、ヒトおよび動物における感染を処置または予防する方法においてこれらの抗体を利用することは、本発明のなお別の目的である。
これらおよび他の目的は、本発明によって提供され、これは、N1N2N3(アミノ酸50〜597)およびN2N3(アミノ酸273〜597)として同定されるSdrG領域またはSdrG TR2(アミノ酸273〜577)として同定されるその短縮バージョンに由来するS.epidermidis SdrGタンパク質からのモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の産生を包含し、これらは、SdrGタンパク質を認識しそして結合し得、感染を処置または予防する組成物および方法において使用され得る。さらに、本発明は、本発明の抗体の他の使用を包含し、これは、適切なワクチンの調製、医療装置および補綴デバイスにおける感染の防止、およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の感染を同定するために使用されるキットの提供を含む。
開示された発明の精神及び範囲内である、これらの実施形態および他の代替物および改変は、本発明の明細書および/または本明細書中に援用される参考文献を読むことから、当業者に容易に明らかであり、これらの全てが参考として援用される。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明に従って、S.epidermidisのようなコアグラーゼ陰性細菌のSdrGタンパク質に結合し得る抗体が提供され、これは、S.aureus感染に対して保護することが示されている。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、単鎖、二重特異性、サル化(simianized)、およびヒト化または霊長類化抗体ならびにFabフラグメント(例えば、Fab免疫グロブリン発現ライブラリーの産物を含む、SdrGタンパク質に対する抗体の結合特異性を維持するフラグメント)を含む。抗体のこれらの型のいずれの産生も、以下に記載されるような当業者に周知の適切な手段によって達成され得る。以下にさらに説明されるように、これらの抗体は、N1N2N3(アミノ酸50〜597)およびN2N3(アミノ酸273〜597)として同定されるS.epidermidis SdrG領域ならびにTR2(アミノ酸273〜597)として同定されるN2N3タンパク質の短縮バージョンから産生され、これらを認識し、従ってこれらに結合し得る。最近示されるように、S.epidermidisは、WO00/12689として公開される係属中の米国シリアル番号09/386,962(本明細書中に参考として援用される)を含む同時係属中の特許出願に示されるようなS.aureus MSCRAMM(登録商標)タンパク質に構造的に関連する表面タンパク質を含む。さらに、ブドウ球菌MSCRAMM(登録商標)タンパク質に関する他の情報は、WO00/12132として公開される米国シリアル番号09/386,960およびWO00/12131として公開される米国シリアル番号09/386,959(本明細書中に全て参考として援用される)において開示される。MSCRAMM(登録商標)タンパク質に関するさらなる情報は、米国特許第6,288,214号(本明細書中に参考として援用される)において開示される。
例えば、WO00/12689において開示されるようなS.epidermidis由来のタンパク質の1つ(すなわち、SdrG(セリン−アスパルテート反復Gタンパク質)として同定されるもの)は、細胞壁に係留するグラム陽性細菌タンパク質に代表的な特徴を有する。このタンパク質は、500アミノ酸長のA領域、SDジペプチド反復領域を含むS.aureus由来のClfAおよびClfBに対する有意なアミノ酸配列相同性を示し、LPXTGモチーフを含む、細胞壁係留に必要とされる特徴を有する。
現在までのところ、SdrGを特異的に認識し、高い親和性(>108D)を示し、そして疾患の動物モデルにおいて保護的であるモノクローナル抗体は、記載されていない。従って、本発明は初めて、SdrGを特異的に認識し、高い親和性でそれを結合し得、ブドウ球菌感染に対して保護的であることが示されているモノクローナル抗体を提供する。
本発明に従って、そして以下にさらに記載されるように、S.epidermidis SdrGタンパク質のアミノ酸50〜597におけるSdrG N1N2N3タンパク質、SdrG N2N3タンパク質(アミノ酸273〜597)および短縮バージョンTR2タンパク質(アミノ酸273〜597)を認識する抗体が産生され、このような抗体は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を処置又は予防する組成物および方法において使用され得る。本発明の第1の局面において、SdrG N1N2N3、N2N3およびTR2の単離されたかそして/または精製されたバージョンは、以下に記載されるような任意の適切な様式で、本発明に従って得られ得る。これらのタンパク質の核酸及びアミノ酸配列は、以下に示される:
SdrG N1N2N3(50〜597):
ヌクレオチド配列(配列番号1)
Figure 2005536185
アミノ酸配列(配列番号2)
Figure 2005536185
SdrG N2N3(273〜597):
ヌクレオチド配列:(配列番号3)
Figure 2005536185
アミノ酸配列(配列番号4)
Figure 2005536185
SdrG TR2(273〜577):
ヌクレオチド配列(配列番号5)
Figure 2005536185
アミノ酸配列(配列番号6)
Figure 2005536185
従って、本発明は、配列番号2、配列番号4または配列番号6のような配列を有する上記のような単離されたタンパク質、ならびに核酸配列 配列番号1、配列番号3もしくは配列番号5またはその縮重体によってコードされる単離されたタンパク質を包含する。さらに、以下に更に記載されるように、本発明は、これらのタンパク質から抗体を惹起すること、およびタンパク質の免疫原性量の投与によってヒトまたは動物における免疫応答を引き出すことを包含する。
以下により詳細に示されるように、本発明のモノクローナルおよびポリクローナル抗体は、当業者に周知の多数の適切な方法で調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、モノクローナル抗体を産生するために一般的に使用される十分に確立されたケーラーおよびミルスタイン法を使用して調製され得る。1つのこのような適切な方法において、マウスは、SdrG N1N2N3もしくはSdrG N2N3ドメインまたは上に参照されるその短縮バージョンのTR2のような精製された組換えタンパク質で、延長された期間腹腔内注射され、続いて、精製されたタンパク質またはフラグメントに対する反応性を決定するために免疫されたマウスから得た血液を試験し得る。試験されるタンパク質に反応性であるマウスの同定後、マウス脾臓から単離したリンパ球を、マウス骨髄腫細胞に融合して、これらのタンパク質に対する抗体について陽性であるハイブリドーマを産生し、これらは、次いで単離され、培養され、続いて精製およびアイソタイプ決定(isotyping)される。
例えば、J. Biol. Chem. 1999, 274, 26939-26945(本明細書中に参考として援用される)において記載されるように、本発明に従う遺伝子フラグメント(例えば、SdrG N1N2N3タンパク質(アミノ酸50〜597)、SdrG N2N3タンパク質(アミノ酸273〜597)またはその短縮バージョンTR2(アミノ酸273〜577)に対応するもの)を得るための1つのこのような適切な手段は、例えば、E.coli発現ベクターpQE−30を使用するサブクローニングおよびE.coliのJM101株を使用する形質転換を介して、PCRを使用して増幅されるプロセスを使用する。
特定の実施例において、本発明のタンパク質は、SdrG N1N2N3(アミノ酸50〜597を示す)またはSdrG N2N3(アミノ酸273〜597を示す)またはその短縮バージョンTR2(アミノ酸273〜577)がS.epidermidis K28ゲノムDNA(上記の配列に由来する)から増幅され、E.coli発現ベクターPQE−30(Qiagen)にサブクローニングされるPCRプロセスにおいて得られ、これは、6つのヒスチジン残基を含む組換え融合タンパク質の発現を可能にする。このベクターは、引き続き、E.coli株(ATCC55151)に形質転換され、0.7の光学密度(OD600)まで、15リットルの発酵槽中で増殖し、0.2mMイソプロピル−1−β−Dガラクトシド(IPTG)で4時間誘導した。細胞を、AG Technologiesの中空糸アセンブリ(0.45μmの孔サイズ)を使用して収穫し、そして細胞ペーストを−80℃で凍結した。細胞を、French Press@1100psiを2回通過を使用して、1×PBS(10ml緩衝液/細胞ペースト1g)中で溶解した。溶解した細胞を、17,000rpmで30分間スピンダウンして、細胞残渣を除去した。上清を、0.1M NiCl2でチャージした5mlのHiTrap Chelating(Pharmacia)カラムに通した。ローディング後、カラムを、10mM Tris,pH8.0、100mM NaCl(緩衝液A)の5カラム容量で洗浄した。タンパク質を、10mM Tris,pH8.0、100mM NaCl、200mMイミダゾール(緩衝液B)の0〜100%の勾配を使用して、30カラム容量で溶出した。SdrGN1N2N3、SdrGN2N3またはTR2を、約13%の緩衝液B(約26mMのイミダゾール)で溶出した。280nmにおける吸光度をモニターした。SdrGN1N2N3、SdrGN2N3またはTR2を含む画分を1×PBS中で透析した。
次いで、タンパク質を、内毒素除去プロトコルを行った。このプロトコル間に使用される緩衝液を、5mLのMono−Qセファロース(Pharmacia)カラムに通すことによって内毒素フリーとした。タンパク質を、4×15mLチューブ間で、均等に分配した。各チューブの容量を、緩衝液Aで9mLにした。1mLの10%Triton X−114を、各チューブに添加して、回転しながら4℃で1時間インキュベートした。チューブを、相を分離するために37℃のウォーターバス中に配置した。チューブを2,000rpmで10分間スピンダウンし、各チューブ由来の上側の水相を回収し、界面活性剤抽出を繰り返した。2回目の抽出由来の水相を合わせて、5mLのIDAキレート化(Sigma)カラムを通し、0.1M NiCl2でチャージして、残りの界面活性剤を除去した。タンパク質を3カラム容量の緩衝液Bで溶出する前に、カラムを、9カラム容量の緩衝液Aで洗浄した。溶出液を、5mLのDetoxigel(Sigma)カラムに通し、フロースルーを回収し、カラムに再び適用した。第2の通過由来のフロースルーを回収し、1×PBS中で透析した。精製された生成物を、マウスへの投与の前に、濃度、純度および内毒素レベルについて分析した。
上に示されるように、本発明に従うモノクローナル抗体の産生は、この分野において従来使用される一般的なケーラーおよびミルスタイン(Kohler and Milstein)のような当業者に周知の多数の従来の方法のいずれかを使用して進行し得る。本発明のモノクローナル抗体を調製するための1つの特定の実施例において、E.coliによって発現されそして精製されるSdrG(N1N2N3、N2N3またはTR2)タンパク質は、マウスモノクローナル抗体のパネルを作製するために使用され得る。手短に言うと、Balb/CまたはSJLマウスの群は、溶液またはアジュバントと混合した溶液中、1〜10mgのタンパク質の一連の皮下免疫化を受ける。犠牲の時点(RIMMS)またはブースト(boost)(従来の)の7日後において、血清を回収し、MSCRAMMまたは全細胞(S.epidermidis)に対して、ELISAアッセイにおいて力価決定した。最後のブーストの3日後、脾臓またはリンパ節を取り出し、掻き裂いて単一細胞懸濁液とし、リンパ球を収穫した。次いで、リンパ球を、P3X63Ag8.653骨髄腫細胞株(ATCC#CRL−1580)に融合した。細胞融合、引き続くプレーティング、およびフィーディング(feeding)を、Current Protocols in Immunology(Chapter 2, Unit 2.)からのモノクローナル抗体の産生プロトコルに従って実施した。
融合から産生した任意のクローンについて、次いで、標準的なELISAアッセイを使用して特異的な抗SdrG抗体産生についてスクリーニングした。陽性クローンを拡大し、フローサイトメトリーによる全細菌細胞結合アッセイ中の活性、およびBiacore分析によるフィブリノゲン−Clf40結合のSdrG結合/阻害についてさらに試験した。分析の間ずっと、流速は、10ml/分で一定であった。SdrGN1N2N3、SdrGN2N3またはTR2注射の前に、試験抗体を、RAM−Fc結合を介してチップに吸着させた。0時間において、30mg/mlの濃度のSdrG(N2N3、TR2またはN1N2N3)を、3分間、チップに注射し、続いて2分間解離した。分析のこの段階は、Mab/SdrG相互作用の相対的な結合および解離速度論を測定した。この分析の第2段階において、SdrGに結合したMabの、フィブリノゲンと相互作用しそして結合する能力を測定した。100mg/mlの濃度のフィブリノゲンを、チップに注射し、3分後に報告ポイントをとった。
上に参照されるようなモノクローナル抗体の産生後、これらの抗体を、全細菌に結合するそれらの能力について試験した。これらの試験において、細菌サンプル(HB、9142またはSdrG/Lactococcus)を回収し、洗浄し、そしてウサギIgG(50mg/ml)でのブロッキング後、MabまたはPBS単独(コントロール)と共に2mg/mlの濃度でインキュベートした。抗体とのインキュベーション後、細菌細胞を、検出抗体として機能するヤギ−F(ab')2−抗マウス−F(ab')2−FITCと共にインキュベートした。抗体標識後、細菌細胞を、FACScaliberフローサイトメーターを通して吸引し、蛍光放出を分析した(励起:488、放出:570)。各細菌株について、10,000の事象を回収し、測定した。
これらの試験より、SdrG陽性ハイブリドーマは、増殖陽性ウェルの0.6〜10%の頻度で産生されることが示された。SdrG ELISA陽性ハイブリドーマのいくつかはまた、Biacore分析およびフローサイトメトリーによる全細胞細菌結合に陽性であった。制限された分析は、Biacore陰性、SdrG ELISA陽性クローンが、全細胞結合フローサイトメトリーアッセイにおいて一貫して陰性であることを示した。この分析から、SdrG ELISA陽性、SdrG Biacore陽性及びLactococcus/SdrGについてフローサイトメトリー陽性である増殖陽性ハイブリドーマウェルの非常に少数の亜集団が、クローン化された単一細胞であり、そして、S.epidermidis感染モデルに対する潜在的な効力についての候補として特徴付けられた。これらの試験は、本発明に従って産生されるモノクローナル抗体が、S.epidermidisによる感染を阻害または予防する際に効果的であり、従って、以下に更に示されるように、多数の治療的適用および他の有用な適用において使用され得ることを示した。
モノクローナル抗体に加えて、本発明はまた、上に示されるようなSdrGタンパク質からポリクローナル抗体を産生すること、ならびに本明細書中に記載されるようなSdrGタンパク質を認識し得る抗体を産生する他のタンパク質を意図する。このようなポリクローナル抗体は、例えば、適切な動物宿主に本明細書中に記載されるような精製されたSdrGタンパク質を導入し、続いて、宿主動物中で生成される産生された抗体を単離および精製するような、当業者に周知の多数の適切な方法のいずれかで産生され得る。一般に、本発明に従う抗体を産生するタンパク質の単離されそして/または精製された組換え形態を使用することが好ましいが、これらのタンパク質の天然の単離および/または精製形態由来の抗体も同様に産生され得る。
従って、本発明に従って、抗体は、SdrGタンパク質N1N2N3、N2N3およびTR2から産生される抗体であり、このような抗体は、SdrGタンパク質ならびにさらに以下に記載されるようなタンパク質を含むS.epidermidis由来の他のフィブリノゲン結合タンパク質を認識および結合し得る。本発明の単離された抗体およびタンパク質はまた、多数の治療的適用において利用され得、そしてこのような適用は、以下により詳細に記載される。
ワクチン、ヒト化抗体およびアジュバント
本発明の単離された抗体、または上に記載されるような単離されたタンパク質はまた、更に以下に記載されるような、細菌感染に対する能動的および受動的免疫化のためのワクチンの開発において利用され得る。さらに、創傷に薬学的組成物として投与する場合、またはインビトロおよびインビボでの医療デバイスまたはポリマー生体材料をコーティングするために使用される場合、本発明の抗体は細菌のコラーゲンへの結合をさらに制限および阻害し、従って感染の程度および広がりを制限する、これらの抗体の能力に起因して、先の感染が存在する場合に有用であり得る。
さらに、抗体は、必要に応じて改変され得、その結果、特定の場合において、投与される患者において、あまり免疫原性ではない。例えば、患者がヒトである場合、抗体は、例えば、Jones et al., Nature 321:522-525(1986)またはTempest et al. Biotechnology 9:266-273(1991)によって記載されるようなヒトモノクローナル抗体にハイブリドーマ由来の抗体の相補性決定領域を移植することによって「ヒト化」され得るか、または例えば、Padlan, Molecular Imm. 28:489-498(1991)(これらの参考文献は、本明細書中に参考として援用される)によって記載されるような相同なヒトフレームワークの対応箇所を模倣する免疫グロブリン可変領域における表面露出したマウスフレームワーク残基を変更することによって「表面を模倣(veneered)」され得る。なおさらに、そのように所望される場合、本発明のモノクローナル抗体は、本発明の組成物の細菌感染と戦う能力をさらに強化するための適切な抗生物質と同時に投与され得る。
好ましい実施形態において、抗体はまた、細菌感染を処置または予防するための適切な抗体を提供する際に有用である受動性ワクチン(passive vaccine)として使用され得る。当業者によって認識されるように、ワクチンは、例えば、非経口(すなわち、筋肉内、皮内、皮下)投与または鼻咽腔(すなわち、鼻腔内)投与による、多数の適切な様式で投与のためにパッケージ化され得る。1つのこのような様式は、ワクチンが、筋肉内(すなわち、三角筋に)注射される場合であるが、投与の特定の様式は、処理される細菌感染の性質および患者の状態に依存する。ワクチンは、好ましくは、投与を容易にするために、薬学的に許容される担体と組み合わされ、そして担体は、通常、水または保存剤を含むか含まない緩衝化生理食塩水である。ワクチンは、投与の時点での再懸濁のために凍結乾燥されてもよいし、溶液であってもよい。
本発明に従う抗体組成物の投与のための好ましい用量は、細菌感染を予防または処置する際の有効量であり、そして当業者は、感染の性質および患者の状態に依存してこの量が大きく変化することを容易に理解する。本発明に従って使用される抗体または製薬学的薬剤の「有効量」は、薬剤の非毒性であるが十分な量を意味することを意図され、その結果、所望の予防または治療効果が生じる。従って、必要とされる抗体または特定の薬剤の正確な量は、被験体の種、年齢、および一般的な状態、処置される状態の重篤度、使用される特定の担体またはアジュバントおよびその投与様式などに依存して、被験体ごとに変化する。従って、「有効量」の任意の特定の抗体組成物は、特定の状況に基づいて変化し、そして適切な有効量は、ルーチンの実験のみを使用して、当業者によって適用の各場合において決定され得る。用量は、組成物が投与される個体に適するように調整されるべきであり、個体の年齢、体重および代謝と共に変化する。組成物は、チメロサール(エチル(2−メルカプトベンゾエート−S)水銀ナトリウム塩)(Sigma Chemical Company、St.Louis,MO)のような、安定剤または薬学的に許容される保存剤をさらに含み得る。
さらに、本発明に従う能動的なワクチンは、上記のような単離されたタンパク質の免疫原性量が、このようなワクチンが必要なヒトまたは動物患者に投与される場合に提供される。ワクチンはまた、上記のような、適切な薬学的に許容されるビヒクル、賦形剤または担体を含み得る。上に示されるように、本発明に従って使用される抗原の「免疫原性量」は、薬剤の非毒性であるが十分な量を意味することを意図し、その結果免疫原性反応が宿主において引き出され、所望の予防または治療効果が生じる。従って、必要とされる抗原の正確な量は、被験体の種、年齢、および一般的な状態、処置される状態の重篤度、使用される特定の担体またはアジュバントおよびその投与様式などに依存して、被験体毎に変化する。同様に、任意のこのような抗原性ワクチン組成物の「免疫原性量」は、特定の状態に基づいて変化し、適切な免疫原性量は、慣用的な実験のみを使用して、当業者によって、適用の各場合において決定され得る。用量は、組成物が投与される個体に適するように調整され、個体の年齢、体重および代謝と共に変化する。
さらに、本発明の抗体組成物および上記のようなワクチンは、複合体に対する免疫原性反応を強化するのに有効な量で、適切なアジュバントと共に投与され得る。例えば、適切なアジュバントは、ヒトにおいて広範に使用される、ミョウバン(リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)、ならびにサポニンおよびその精製成分Quil A、フロイント完全アジュバントのような他のアジュバント、および研究および獣医学において使用される他のアジュバントを含み得る。ムラミールジペプチチド、モノホスホリルリピドA、Goodman-Snitkoff et al. j. Immunol. 147:410-415(1991)によって記載され、本明細書中に参考として援用されるホスホリピド複合体、Miller et al., J. Exp. Med. 176:1739-1744(1992) によって記載され、本明細書中に参考として援用されるプロテオリポソーム中の複合体のカプセル化、およびNovasome(登録商標)リピド小胞(Micro Vescular Systems,Inc.,Nashua,NH)のようなリピド小胞中のタンパク質のカプセル化のような、なお他の化学的に規定される調製物もまた有用であり得る。
薬学的組成物
当業者によって理解されるように、本発明の抗体はまた、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌によって引き起こされる感染を処置または予防するために、ヒトまたは動物患者に投与するための適切な薬学的組成物に形成され得る。定義されそして上に記載されるような本発明の抗体を含む薬学的組成物は、生理食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール、他の治療化合物、およびその組み合わせを含む、当該分野で一般に使用される任意の適切な薬学的なビヒクル、賦形剤または担体と組み合わせて処方され得る。当業者が理解するように、使用される特定のビヒクル、賦形剤または担体は、患者および患者の状態に依存して変化し、そして投与の種々の様式は、当業者に理解されるように、本発明の組成物について適切である。本願において開示される任意の薬学的組成物の投与の適切な方法としては、局所、経口、肛門、膣、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、鼻腔内および皮内投与が挙げられるがこれらに限定されない。
局所投与のために、組成物は、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ドロップ(点眼剤および点耳剤のような)、または溶液(口内洗浄剤のような)の形態で処方される。創傷または外科用包帯、縫合糸およびエアゾールは、該組成物で浸漬され得る。該組成物は、従来の添加物(例えば、防腐剤、浸透を促進する溶媒およびエモリエント)を含み得る。局所処方物はまた、クリームまたは軟膏ベース、エタノールまたはオレイルアルコールのような従来の担体を含み得る。
抗体組成物のさらなる形態、および組成物に関する他の情報、他のMSCRAMM(登録商標)タンパク質およびMSCRAMM(登録商標)ペプチドに関する方法および適用は、一般的にまた、モノクローナル抗体を含む本発明に適用可能であり、例えば、本明細書中に参考として援用される米国特許第6,288,214号(Hookら)において開示される。
上に示されるようなSdrGタンパク質に対して特に産生される本発明の抗体組成物はまた、複合体に対する免疫原性反応を強化するために有効な量で適切なアジュバントと共に投与され得る。例えば、適切なアジュバントは、ヒトにおいて広範に使用される、ミョウバン(リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)、ならびにサポニンおよびその精製成分Quil A、フロイント完全アジュバント、RIBIアジュバントのような他のアジュバント、および研究および獣医学適用において使用される他のアジュバントを含み得る。ムラミールジペプチチド、モノホスホリルリピドA、Goodman-Snitkoff et al. J. Immunol. 147:410-415(1991)によって記載され、本明細書中に参考として援用されるホスホリピド複合体、Miller et al., J. Exp. Med. 176:1739-1744(1992) によって記載され、本明細書中に参考として援用されるプロテオリポソーム中の複合体のカプセル化、およびNovasome(登録商標)リピド小胞(Micro Vescular Systems,Inc.,Nashua,NH)のようなリピド小胞中のタンパク質のカプセル化のような、なお他の化学的に規定される調製物もまた有用であり得る。
従って、いずれの事象においても、本発明の抗体組成物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌由来の細菌と共に生じるようなフィブリノゲン結合タンパク質を含む結合相互作用と干渉し、これを調節し、阻害するために有用である。従って、本発明は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を予防又は処置する組成物および方法を開発する際、そして宿主組織および/または細胞へのブドウ球菌の結合を阻害する際に、特別な用途を有する。
方法:
感染に対する処置または保護
本発明に従って、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を予防または処置するための方法が提供され、この方法は、感染を処置又は予防するための有効量でこのような処置が必要なヒトまたは動物患者に上記の抗体の有効量を投与することを包含する。さらに、本発明に従う抗体は、種々の細菌のフィブリノゲンへの結合を損なう際に特に有用であり、従って、該結合を阻害することによってコアグラーゼ陰性ブドウ球菌のような細菌由来の感染を処置または予防する際に有効であることが証明された。
従って、本発明に従って、上記の従来の方法のいずれか(例えば、局所、非経口、筋肉内など)での本発明の抗体の有効量の投与は、ヒトまたは動物患者におけるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を処置または予防する極めて有用な方法を提供する。上に示されるように、有効量とは、細菌の接着を妨げるか、細菌の宿主細胞への結合を阻害し、細菌感染の処置または予防において有用であるかのいずれかに十分である、抗体の力価のような、使用のレベルを意味する。当業者によって認識されるように、感染を処置または予防する際に有効である必要な抗体のレベルは、患者の性質および状態、ならびに/または既存の感染の重篤度に依存して変化する。
免疫反応を引き出すこと
本発明に従って、ヒトまたは動物における免疫原性反応を引き出す方法が提供され、この方法は、SdrG N1N2N3、SdrG N2N3またはSdrG TR2のような、上記の単離されたタンパク質の免疫学的有効量をヒトまたは動物に投与することを含む。上に示されるように、免疫原性反応を得るための、本発明に従って使用される抗原の「免疫原性量」は、薬剤の非毒性であるが十分な量を意味することが意図され、その結果、免疫原性反応は、所望の予防又は治療効果が生じるように、宿主において引き出される。従って、そのような反応を引き出すのに必要とされる単離されたタンパク質の正確な量は、被験体の種、年齢、および一般的な条件、処置される状態の重篤度、使用される特定の担体またはアジュバント、およびその投与様式などに依存して、被験体ごとに変化する。本発明はまた、上記のようなSdrGタンパク質を認識する抗体を産生する方法を意図し、そしてモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を産生する適切な方法が、上により詳細に記載される。
コーティングデバイス
本発明に従って、上記のような抗体および組成物はまた、医療デバイスまたは補綴デバイスのような他のインプラント材料に対するコアグラーゼブドウ球菌感染の発生を処置するかまたは防ぐために利用され得る。本明細書中に記載される抗体および/または組成物で有利にコーティングされ得る医療デバイスまたはポリマー生体材料としては、ステープル、縫合糸、代替心臓弁、心臓補助デバイス、ハードおよびソフトコンタクトレンズ、眼内レンズインプラント(前眼房または後眼房)、角膜インレー、人工角膜、血管ステント、エピケラトファキアデバイス、緑内障シャント、網膜ステープル、強膜バックル、義歯、甲状腺形成(thyroplastic)デバイス、咽頭形成(laryngoplastic)デバイス、血管移植片、軟性および硬性組織プロテーゼ(ポンプ、スティミュレーターおよびレコーダーを含む電気デバイス、聴覚プロテーゼ、ペースメーカー、人工咽頭、歯科インプラント、乳房インプラント、陰茎インプラント、頭蓋/顔面腱、人工関節、腱、靱帯、半月、およびディスクを含むがこれらに限定されない)、人工骨、人工器官(人工膵臓、人工心臓、人工肢、および心臓弁を含む)、ステント、ワイヤ、ガイドワイヤ、静脈内および中心静脈カテーテル、レーザーおよび血管形成バルーンデバイス、血管および心臓デバイス(チューブ、カテーテル、バルーン)、心室補助、血液透析成分、血液酸素供給器、尿道/尿管/尿デバイス(フォーリーカテーテル、ステント、チューブおよびバルーン)、気道カテーテル(気管内および気管カニューレおよびカフ)、腸内栄養補給チューブ(経鼻胃、胃内および空腸チューブを含む)、創傷ドレナージチューブ、胸膜腔、腹膜腔、頭蓋腔、および心膜腔のような身体の腔を排出するために使用されるチューブ、血液バッグ、試験管、血液回収管、ヴァキュテーナー、シリンジ、針、ピペット、ピペットチップ、および血液チュービングが挙げられるがこれらに限定されない。
用語「コーティングされた」または「コーティング」は、本明細書中で使用される場合、デバイスの表面、好ましくは、細菌感染に曝される外側表面に上に定義される抗体または組成物を適用することを意味することが、当業者によって理解される。デバイスの表面は、タンパク質、抗体または活性フラグメントによって完全に覆われている必要はない。
上に示されるように、本発明の抗体またはその活性部分もしくはフラグメントは、感染を担う細菌病原菌と哺乳動物宿主との間の最初の物理的相互作用(例えば、フィブリノゲンのような哺乳動物細胞外マトリックスタンパク質への細菌の接着)と干渉するために特に有用であり、この物理的相互作用との干渉は、患者を処置する際および留置する医療デバイスに対する細菌感染を予防または減少させる際の両方において有用であり、これらを使用のためにより安全にし得る。
キット
本発明に従って、上に示されるような本発明の抗体は、S.epidermidisのようなコアグラーゼ陰性ブドウ球菌による感染を診断するためのキットにおいて使用され得る。このような診断キットは、当業者に周知であり、本発明の抗体に結合する細菌またはタンパク質の存在を測定するのに適するように一般的に調製される。これらの診断キットは、一般に、当業者によって容易に理解されるような抗体によって結合を検出するに適切な手段と共に、本発明の抗体を含む。例えば、抗体の結合を検出するための手段は、該抗体に結合された検出可能な標識を含み得る。次いで、これらのキットは、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌の存在を検出するための診断方法において使用され得、ここで、当業者は、個体から(例えば、ヒトの血液、唾液、組織、骨、筋肉、軟骨または皮膚から)採取されたサンプルのような、1つ以上のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌によって感染が疑われるサンプルを得、本明細書中に示されるような1つ以上の抗体をサンプルに導入し、次いで、抗体がサンプル中のそのような細菌の存在を示すサンプルに結合するか否かを決定する。
手短に言うと、上記のような本発明の抗体は、コアグラーゼ陰性グラム陽性菌によって引き起こされ得るフィブリノゲン結合を阻害する際、およびヒト、動物、または医療デバイスおよびプロテーゼの感染を処置または予防する際に極めて有用であり得る。特に、本発明は、低出生体重児(LBW)における院内のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染の処置または予防において重要である。
実施例
本発明の好ましい実施形態の局面を例示する以下の実施例が提供される。以下の実施例において開示される技術は、本発明の実施において十分に機能することが発明者らによって発見される技術を示し、従って、その実施のための好ましい様式を構成すると考えられ得ることが当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、本発明の開示を考慮して、多数の変化が、開示される特定の実施形態において行われ得、本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様の結果を依然として得ることを理解するべきである。
実施例1.SdrGタンパク質の発現および精製
本発明に従って、SdrGタンパク質の関連ドメインから得られるタンパク質を、クローニングし、組み換え発現し、単離および/または精製した。SdrG N1N2N3タンパク質(50〜597)は、SdrG遺伝子の推定Aドメインを示す。SdrG N2N3タンパク質(273〜597)は、ヒトフィブリノゲン結合に必要なサブドメインを示す。SdrG TR2タンパク質(273〜577)は、フィブリノゲン結合を安定化する、C末端部分が除去された、ヒトフィブリノゲン結合に必要なサブドメインを示す。これらのタンパク質についてのヌクレオチドおよびアミノ酸配列を以下に示す。
SdrG N1N2N3(50〜597):
ヌクレオチド配列(配列番号1)
Figure 2005536185
アミノ酸配列(配列番号2)
Figure 2005536185
SdrG N2N3(273〜597):
ヌクレオチド配列(配列番号3)
Figure 2005536185
アミノ酸配列(配列番号4)
Figure 2005536185
SdrG TR2(273〜577):
ヌクレオチド配列(配列番号5)
Figure 2005536185
アミノ酸配列(配列番号6)
Figure 2005536185
タンパク質産生および精製
PCRを使用して、SdrGN1N2N3(アミノ酸50〜597を示す)またはSdrGN2N3(アミノ酸273〜597を示す)のようなそのサブドメインもしくはその短縮物TR2(アミノ酸273〜577)を、S.epidermidis K28ゲノムDNA(上記の配列より)から増幅し、E.coli発現ベクターPQE−30(Qiagen)にサブクローニングした。これは、6つのヒスチジン残基を含む組換え融合タンパク質の発現を可能にする。このベクターを、引き続き、E.coil株ATCC55151に形質転換し、0.7の光学密度(OD600)まで15リットルの発酵槽中で増殖し、0.2mMイソプロピル−1−β−Dガラクトシド(IPTG)で4時間誘導した。細胞を、AG Technologies中空糸アセンブリ(0.45□mの孔サイズ)を使用して収穫し、細胞ペーストを−80℃で凍結した。細胞を、French Press@1100psiを二回通して、1×PBS(10mLの緩衝液/1gの細胞ペースト)中で溶解した。溶解した細胞を、30分間17,000rpmでスピンダウンして、細胞破片を除去した。上清を、0.1M NiCl2とともにチャージした5mL HiTrap Chelating(Pharmacia)カラムを通過させた。ローディング後、カラムを、10mM Tris,pH8.0、100mM NaCl(緩衝液A)の5カラム容量で洗浄した。タンパク質を、10mM Tris(pH8.0)、100mM NaCl、200mMイミダゾール(緩衝液B)の0〜100%の勾配を使用して、30カラム容量で溶出した。SdrGN1N2N3、SdrGN2N3またはTR2を、約13%の緩衝液B(約26mMのイミダゾール)で溶出した。280nmにおける吸光度をモニターした。SdrGN1N2N3、SdrGN2N3またはTR2を含む画分を1×PBS中で透析した。
次いで、タンパク質を、内毒素除去プロトコルにかけた。このプロトコル中に使用される緩衝液を、5mLのMono−Qセファロース(Pharmacia)カラムに通すことによって内毒素フリーとした。タンパク質を、4×15mLチューブ間で、均等に分配した。各チューブの容量を、緩衝液Aで9mLにした。1mLの10%Triton X−114を、各チューブに添加して、回転しながら4℃で1時間インキュベートした。チューブを、相を分離するために37℃のウォーターバス中に配置した。チューブを2,000rpmで10分間スピンダウンし、各チューブ由来の上側の水相を回収し、界面活性剤抽出を繰り返した。2回目の抽出由来の水相を合わせて、5mLのIDAキレート化(Sigma)カラムを通し、0.1M NiCl2でチャージして、残りの界面活性剤を除去した。タンパク質を3カラム容量の緩衝液Bで溶出する前に、カラムを、9カラム容量の緩衝液Aで洗浄した。溶出液を、5mLのDetoxigel(Sigma)カラムに通し、フロースルーを回収し、カラムに再び適用した。第2の通過由来のフロースルーを回収し、1×PBS中で透析した。精製された生成物を、マウスの投与の前に、濃度、純度および内毒素レベルについて分析した。
実施例2.モノクローナル抗体生成のための免疫化ストラテジー
モノクローナル抗体(mAb)を産生および特徴付ける目的で、フィブリノゲンのSdrGへの結合を阻害または制限しそしてインビボにおける治療効果を実証し得る、高い親和性でSdrGに対するmAbを産生するためのストラテジーを形成した。E.coliによって発現されそして精製されたSdrG(N1N2N3、N2N3またはTR2)タンパク質は、マウスモノクローナル抗体のパネルを作製するために使用され得る。手短に言うと、Balb/CまたはSJLマウスの群は、以下の表1に記載されるように、溶液またはアジュバントと混合した溶液中、1〜10mgのタンパク質の一連の皮下免疫化を受けた。
表I.免疫化スキーム
Figure 2005536185
犠牲の時点(RIMMS)またはブースト(従来の)の7日後において、血清を回収し、MSCRAMMまたは全細胞(S. epidermidis)に対して、ELISAアッセイにおいて力価決定した。最後のブーストの3日後、脾臓またはリンパ節を取り出し、掻き裂いて単一細胞懸濁液とし、リンパ球を収穫した。次いで、リンパ球を、P3X63Ag8.653骨髄腫細胞株(ATCC#CRL−1580)に融合した。細胞融合、引き続くプレーティング、およびフィーディング(feeding)を、Current Protocols in Immunology(Chapter 2, Unit 2.)からのモノクローナル抗体の産生プロトコルに従って実施した。
実施例3.抗SdrGモノクローナル抗体のスクリーニングおよび選択
次いで、融合から産生した任意のクローンについて、標準的なELISAアッセイを使用して特異的な抗SdrG抗体産生についてスクリーニングした。陽性クローンを拡大し、フローサイトメトリーによる全細菌細胞結合アッセイ中の活性、およびBiacore分析によるSdrG結合についてさらに試験した。
ELISAアッセイ
Immulon 2−HB high−binding 96ウェルマイクロタイタープレート(Dynex)を、1×PBS(pH7.4)中、1μg/ウェルのrClfA−(40〜559)でコーティングし、室温で2時間インキュベートした。ELISAにおける全ての洗浄工程を、1×PBS、0.05%Tween−20洗浄緩衝液で3回実施した。プレートを洗浄し、ハイブリドーマ上清サンプルをウェルに添加する前に、室温で1時間、1%BSA溶液でブロックした。プレートを、サンプルおよび培地単独のような関連コントロールと共に室温で1時間インキュベートし、洗浄し、1×PBS、0.05%Tween−20、0.1%BSA中で1:5000に希釈したヤギ抗マウスIgG−AP(Sigma)を、第2の試薬として使用した。プレートを、4−ニトロフェニルホスフェート(pNPP)(Sigma)の1mg/ml溶液の添加によって発色させ、続いて、37℃で30分間インキュベートした。吸光度を、SpectraMax 190プレートリーダー(Molecular Devices Corp.)を使用して405nmで読んだ。バックグラウンド(培地単独、約0.1OD)の3倍以上のOD405を有する抗体上清は、陽性であると考えた。
Biacore分析
分析の間ずっと、流速は、10ml/分で一定であった。SdrGN1N2N3またはSdrGN2N3/TR2注射の前に、試験抗体を、RAM−Fc結合を介してチップに吸着させた。0時間において、30mg/mlの濃度のSdrG(N2N3、TR2またはN1N2N3)を、3分間、チップに注射し、続いて2分間解離した。分析のこの段階は、Mab/SdrG相互作用の相対的な結合および/解離速度論を測定した。
全細菌への結合
細菌サンプル(HB、9142またはSdrG/Lactococcus)を回収し、洗浄し、そしてウサギIgG(50mg/ml)でのブロッキング後、MabまたはPBS単独(コントロール)と共に2mg/mlの濃度でインキュベートした。抗体とのインキュベーション後、細菌細胞を、検出抗体として機能するヤギ−F(ab')2−抗マウス−F(ab')2−FITCと共にインキュベートした。抗体標識後、細菌細胞を、FACScaliberフローサイトメーターを通して吸引し、蛍光放出を分析した(励起:488、放出:570)。各細菌株について、10,000の事象を回収し、測定した。
表II.SdrGスクリーニングの要約
Figure 2005536185
これらの分析より、SdrG陽性ハイブリドーマは、増殖陽性ウェルの0.6〜10%の頻度で産生された。興味深いことに、SdrG ELISA陽性ハイブリドーマのごくわずかがまた、Biacore分析およびフローサイトメトリーによる全細胞細菌結合に陽性であった。一般的に、Biacore陰性、SdrG ELISA陽性クローンが、全細胞結合フローサイトメトリーアッセイにおいて陰性であった。これらの観察の実施例を表IIIに示す。
表III.表IIにおける融合由来のハイブリドーマ上清の代表例
Figure 2005536185
この分析から、SdrG ELISA陽性、SdrG Biacore陽性かつLactococcus/SdrGに対してフローサイトメトリー陽性である増殖陽性ハイブリドーマウェルの非常に少数の亜集団を、単一細胞でクローン化し、そして、S.epidermidis感染モデルに対する潜在的な効力についての候補として特徴付けた。表IVは、この予備的な特徴付けを示す。
表IV.単一細胞クローン化および特徴付けられたSdrG Mab
Figure 2005536185
実施例4.クローン化された抗SdrGモノクローナル抗体の結合速度論
速度論分析を行って、選択および特徴付けられる抗SdrG mAbの多様性を示した。以下に示されるように、mAbは、オンレート(on-rate)およびオフレート(off-rate)ならびに全体の親和性において異なる。
Biacore速度論
速度論分析を、ソフトウェアに含まれるリガンド捕獲方法を使用してBiacore 3000で実施した。GAH−F(ab)2チップ。次いで、抗SdrG mAbを、GAM−F(ab)2チップを通過させ、Fc部分への結合を可能にした。次いで、種々の濃度のSdrGタンパク質を、チップ表面を通過させ、データを収集した。Biacore提供の評価ソフトウェア(バージョン3.1)を使用して、konおよびkoffを測定し、KAおよびKDを計算した。
表V.Biacoreを使用する速度論分析
Figure 2005536185
実施例5.クローン化された抗SdrGモノクローナル抗体の全S.epidermidis細菌への結合
産生され、そして組換えSdrGを用いて選択された抗SdrG mAbが、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に対して発現されるネイティブなSdrGと交差反応するかを決定するために、フローサイトメトリー分析を使用した。全ての場合において、mAbは、L.lactisに対して発現されたSdrGを認識したが、HBおよびF40802に対する反応性において変化した。
全細菌への結合
細菌サンプル(HB、F40802またはSdrG/Lactococcus)を回収し、洗浄し、そしてウサギIgG(50mg/ml)でのブロッキング後、MabまたはPBS単独(コントロール)と共に2mg/mlの濃度でインキュベートした。抗体とのインキュベーション後、細菌細胞を、検出抗体として機能するヤギ−F(ab')2−抗マウス−F(ab')2−FITCと共にインキュベートした。抗体標識後、細菌細胞を、FACScaliberフローサイトメーターを通して吸引し、蛍光放出を分析した(励起:488、放出:570)。各細菌株について、10,000の事象を回収し、測定した。単位は、染色された集団の幾何平均によってゲート化された(gated)陽性事象のパーセントを掛けることによって決定した。
表VI.全体のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌のフローサイトメトリー染色
Figure 2005536185
実施例6.フィブリノゲンへのSdrG結合の阻害
高親和性の多数の選択された抗SdrG mAbはまた、SdrG MSCRAMMへのヒトフィブリノゲンまたはβ−フィブリノゲンペプチドフラグメントの結合を阻害する能力を示した。この阻害を、以下に記載の多数のアッセイを使用して特徴付けた。このデータは、SdrG MSCRAMMのヒトフィブリノゲンへの接着特性を阻害することが可能であり得ることを示唆する。
Biacore分析−SdrG−フィブリノゲン結合の阻害と組み合わせたmAbのSdrGへの結合
分析の間ずっと、流速は、10ml/分で一定であった。SdrGN1N2N3、SdrGN2N3またはTR2注射の前に、試験抗体を、RAM−Fc結合を介してチップに吸着させた。0時間において、30mg/mlの濃度のSdrG(N2N3またはN1N2N3)を、3分間、チップに注射し、続いて2分間解離した。分析のこの段階は、Mab/SdrG相互作用の相対的な結合および/解離速度論を測定した。この分析の第2段階において、SdrGに結合したMabの、フィブリノゲンと相互作用しそして結合する能力を測定した。100mg/mlの濃度のフィブリノゲンを、チップに注射し、3分後に報告ポイントをとった。本発明に従うmAbのいくつかの結合の例を図1に示す。
Biacore分析−チップに結合したβ−フィブリノゲンペプチドへのSdrG結合のmAb阻害
フィブリノゲン分子上のSdrGについての正確な結合部位は、β鎖のN末端部分に局在する。さらなる分析および特徴付けのために、本発明者らは、N末端システイン残基を追加したこの部位を含むペプチドを合成した。配列は以下である:
CNEEGFFSARGHRPLD(配列番号7)
βフィブリノゲンペプチドは、Biacoreによって詳細に説明される手順に従って、N末端システインを介して、研究等級のCM5チップ(Biacore)にチオール結合される。SdrGタンパク質(30μg/ml;完全なAドメイン)を、1:1の割合で、種々の濃度のmAb(90μg/ml〜0.7μg/ml)と混合した。混合物を、室温で20分間インキュベートし、次いで、βフィブリノゲンペプチドチップ上を通過させ、結合のレベルを測定した。緩衝液と1:1で希釈したSdrGは、最大のSdrG結合として機能し、非SdrG mAbをインキュベーションすることは、ネガティブコントロールとして機能する。非インヒビターは、ペプチドへのSdrG/mAb複合体結合の大きい密度に起因して、共鳴単位(Resonance Units)(RU)における大きな増加(最大のSdrG結合を超える)を引き起こすはずである。あるいは、インヒビターは、最大のSdrG未満に結合レベルを減少させるはずである。パーセント結合は、以下のように測定した:生データ(RUについて)を、SdrGコントロールレベルによって除算し、100を掛ける。従って、mAbを有さないSdrGは、常に、所定の実験について100%であり、ランの間の比較を可能にする。Biacoreチップ上のβフィブリノゲンペプチドへのSdrG結合の阻害を示す本発明に従うmAbの例を、図2に示す。
ELISAベースのタンパク質阻害
Immulon 2−HB high−binding 96ウェルプレートを、PBS中の1μg/ml SdrG(アミノ酸50〜597)またはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌タンパク質(実施例7に記載される)でコーティングし、室温で2時間インキュベートした。プレートを洗浄し、1%BSA溶液で1時間ブロックし、次いで洗浄し、モノクローナル抗体(ハイブリドーマ上清または精製された抗体のいずれか)と共に室温で1時間インキュベートした。抗体とのインキュベーション後、プレートを洗浄するかまたは未処理のいずれかとし、20μg/mlヒトフィブリノゲン(Enzyme Resarch Lab,South Bend,Indiana,USA)を添加した。プレートを、37℃で1時間インキュベートし、洗浄し、ヤギ抗フィブリノゲン−HRP複合体を添加した。複合体とのインキュベーション後、プレートを洗浄し、ABTS基質を添加した。次いで、プレートを室温で10分間インキュベートし、反応を10%SDSの添加で停止させ、そして吸光度を405nmで読んだ。全てのデータを、SOFTmax Pro v.3.1.2.ソフトウェア(Molecular Devices Corp.,Sunnyvale,California,USA)を使用して分析した。ELISAにより、SdrGに結合するヒトフィブリノゲンの阻害を示す本発明に従うmAbを図3に示す。
実施例7.抗SdrGモノクローナル抗体の他の細菌タンパク質への交差反応性
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に見出される他のタンパク質との潜在的な交差反応性を評価するために、以下のタンパク質(アクセス番号Y17116としてgene bankにおいて同定される)を実施例1に記載される方法と類似の方法を使用してクローニングし、発現し、精製した。興味深いことに、このタンパク質とのかなりの交差反応性が、本発明の抗SdrG mAbの多くについて(従って、このタンパク質を認識する)同定された。しかし、SdrG−フィブリノゲン結合に対して阻害活性を有する1つの抗SdrG mAb(59〜59)は、交差反応せず、フィブリノゲンとの以下に記載されるタンパク質の結合を阻害しなかった。
このタンパク質(Gen Bank#Y17116)の完全な配列(本明細書中に配列番号8として同定される)は以下の通りである:
Figure 2005536185
以下のアミノ酸配列もまた試験した:
アミノ酸配列(60〜608)(配列番号9)
Figure 2005536185
本発明に従って、上に示される配列を認識する、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が惹起され得る。
ELISAベースのmAb交差反応性の試験結果を、以下の表VIIに示す。
表VII.ELISAベースのmAb交差反応性
Figure 2005536185
アクセス番号Y17116のGen Bankタンパク質へのヒトフィブリノゲン結合のmAb阻害の試験の結果を図4に示す。
実施例8.インビボベースの治療活性
本発明に従う多数の抗SdrG mAbを、インビボ動物モデルにおける効力について試験し、治療剤としてのそれらの潜在的な有用性を示す。
S.epidermidis感染のげっ歯類モデル
時期を定めて妊娠した(13〜15日)Sprague−Dawleyラットを、Taconic Farms(Germantown,NY)より購入した。3〜6日齢の新生児ラットに、単回の腹腔内(IP)注射によって0.35mgのモノクローナル抗体を投与した。抗体投与の20時間後、新生児ラットを、2×108CFUのS.epidermidisのHB株の(IP)注射でチャレンジした。次いで、動物の生存を、7日間追跡した。生存曲線のKaplan−Meier分析を実施し、有意性を、logランク試験(Mantel−Haenszel Test)を使用して試験した。試験結果を以下に示す:
性別、種、数、年齢、体重および供給源:
Figure 2005536185
試験群:
Figure 2005536185
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(S.epidermidis)感染の乳児ラットチャレンジモデルの結果を図5に示す。
抗体試験試薬の説明:
SdrG41−211.3モノクローナル抗体、INH−M01023(LN:IAA2I1454)
41−211.3モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの0.12EU/mg未満の内毒素濃度を有し、10.4mg/mlの濃度であると報告された。該材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を1.75mg/mlに希釈して、0.2mlを腹腔内注射を介して動物の適切な群に投与した。投与される最終用量は、0.35mgのIgGであった。
SdrG41−075.3モノクローナル抗体、INH−M01024(LN:IAA2I1447)
41−075.3モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの0.12EU/mg未満の内毒素濃度を有し、7.6mg/mlの濃度であると報告された。該材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を1.75mg/mlに希釈して、0.2mlを腹腔内注射を介して動物の適切な群に投与した。投与される最終用量は、0.35mgのIgGであった。
SdrG41−206.4モノクローナル抗体、INH−M01025(LN:IAA2I1448)
41−206.4モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの0.12EU/mg未満の内毒素濃度を有し、8.9mg/mlの濃度であると報告された。該材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を1.75mg/mlに希釈して、0.2mlを腹腔内注射を介して動物の適切な群に投与した。投与される最終用量は、0.35mgのIgGであった。
コントロールCRL1771モノクローナル抗体、INH−M000029(LN:IAA2G1381)
CRL1771モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの3.0EU/mg未満の内毒素濃度を有し、6.6mg/mlの濃度であると報告された。該材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を1.75mg/mlに希釈して、0.2mlを腹腔内注射を介して動物の適切な群に投与した。投与される最終用量は、0.35mgのIgGであった。
中心静脈カテーテル(CVC)関連感染のラットモデル
8〜9週齢のオスSpragu−Dawleyラットを、Charles River Laboratories(Raleigh,NC)から購入した。滅菌したポリエチレン/シリコンカテーテル(カテーテル体−ポリエチレン:0.011”id、0.024”od;カテーテル先端−シリコンゴム:0.012”id、0.025”od)を、頸静脈に外科的に配置し、カテーテル先端を、上大静脈へ進行させた。カテーテルは、所定の場所に配置したままであり、研究の間ずっと開放されていた(kept patent)。モノクローナル抗体を、20mg/kgの用量で、カテーテルを介してIV投与した。24時間後、5×103CFUのメチシリン耐性S.epidermidis MRSE(899株)を、カテーテルを介して導入した。チャレンジ後7日目において、動物を犠牲にし、尾側大静脈血、腎臓およびカテーテル関連組織を収穫した。組織サンプル中に存在するMRSEコロニー形成単位を、定量的なプレーティングによって測定した。群間の感染の発生率の統計学的分析を、フィッシャーの直接確率検定(Fisher's Exact Test)を使用して実施した。群間のCFUにおける定量的差異の統計学的分析を、Dunnの多比較ポスト試験(Dunn's multiple comparison post-test)と共にKruskal−Wallis試験を使用して実施した。
抗体試験試薬の説明:
SdrG59−59.4モノクローナル抗体、INH−M02001(LN:IAA2B2032)
41−211.3モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの0.12EU/mg未満の内毒素濃度を有し、8.2mg/mlの濃度であると報告された。材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を20mg/kgのIgGの最終用量についてカテーテルを介して投与した。
SdrG64−03.6モノクローナル抗体、INH−M02008(LN:IAA2C2058)
41−075.3モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの0.12EU/mg未満の内毒素濃度を有し、11mg/mlの濃度であると報告された。材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を20mg/kgのIgGの最終用量についてカテーテルを介して投与した。
コントロールCRL1771モノクローナル抗体、INH−M000029(LN:IAA2G1381)
CRL1771モノクローナル抗体(IgG1サブタイプ)を、プロテインGアフィニティクロマトグラフィーを使用して、無血清ハイブリドーマ培養培地から精製した。材料は、プロテインの3.0EU/mg未満の内毒素濃度を有し、6.6mg/mlの濃度であると報告された。該材料を4℃で冷蔵貯蔵した。注射の日に、該材料を20mg/kgのIgGの最終用量についてカテーテルを介して投与した。
7日目におけるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(S.epidermidis)感染の中心静脈カテーテル(CVC)関連感染モデルを示す試験結果を図6に示す。
図1は、SdrG−フィブリノゲン結合での阻害を示す、本発明に従う抗SdrG mAbsのBiacore分析のブラフ表示である。 図2は、Biacoreチップ上のβ−フィブリノゲンペプチドへのSdrG結合の阻害を示す、本発明に従う抗SdrG mAbsのグラフ表示である。 図3は、本発明に従うモノクローナル抗SdrG抗体についての、ELISAによって示されるSdrGへのヒトフィブリノゲン結合の阻害のグラフ表示である。 図4は、以下に示されるような配列番号9として同定されるプロテインのヒトフィブリノゲン結合の阻害のグラフ表示である。 図5は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(S.epidermidis)感染のラット乳児(suckling rat pup)チャレンジモデルにおいて観察される結果のグラフ表示である。 図6は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(S.epidermidis)感染の中心静脈カテーテル(CVC)に関連する感染モデルの結果のグラフ表示である。

Claims (30)

  1. SdrG N1N2N3、SdrG N2N3およびSdrG TR2からなる群より選択されるS.epidermidis由来のタンパク質を認識する単離された抗体。
  2. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。
  3. 抗体が、キメラ、マウス、ヒト化およびヒトモノクローナル抗体からなる群より選択される型のものである、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  4. 抗体が単鎖モノクローナル抗体である、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  5. 前記抗体が、ヒトまたは動物におけるコアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を妨げる、請求項1に記載の抗体。
  6. 前記抗体が、ブドウ球菌のフィブリノゲンへの結合を抑制する、請求項1に記載の抗体。
  7. 前記抗体が、ヒトまたは動物における非経口、経口、鼻腔内、皮下、エアゾールまたは静脈内投与に適している、請求項1に記載の抗体。
  8. 抗体がS.epidermidis SdrGタンパク質に結合する、請求項1に記載の抗体。
  9. 抗体が、配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を認識する、請求項1に記載の抗体。
  10. 抗体が、配列番号1、配列番号3および配列番号5ならびにその縮重体(degenerate)からなる群より選択される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列を認識する、請求項1に記載の抗体。
  11. 請求項1に記載の抗体を含む単離された抗血清。
  12. 請求項1に記載の抗体およびその抗体による結合を検出するための手段を備える診断キット。
  13. 結合を検出するための前記手段が、抗体に結合した検出可能な標識を含む、請求項12に記載の診断キット。
  14. 請求項1に記載の抗体の有効量を、ヒトまたは動物患者に投与することを包含する、コアグラーゼ陰性のブドウ球菌感染を処置または予防する方法。
  15. 請求項1に記載の抗体の有効量および薬学的に許容されるビヒクル(vehicle)、担体または賦形剤(excipient)を含む、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌を処置または予防するための薬学的組成物。
  16. 配列番号8のタンパク質配列を認識する単離された抗体。
  17. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項16に記載の抗体。
  18. ヒトまたは動物患者に請求項16に記載の抗体の有効量を投与することを包含する、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を処置または予防する方法。
  19. 請求項16に記載の抗体の有効量および薬学的に許容されるビヒクル、担体または賦形剤を含む、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌を処置または予防するための薬学的組成物。
  20. 配列番号9のアミノ酸配列を認識する単離された抗体。
  21. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項20に記載の抗体。
  22. ヒトまたは動物患者に請求項20に記載の抗体の有効量を投与することを包含する、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌感染を処置又は予防するための方法。
  23. 請求項20に記載の抗体の有効量および薬学的に許容されるビヒクル、担体または賦形剤を含む、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌を処置または予防するための薬学的組成物。
  24. SdrG N1N2N3、SdrG N2N3およびSdrG TR2からなる群より選択される、単離されたS.epidermidisタンパク質。
  25. ヒトまたは動物に請求項24に記載の単離されたタンパク質の免疫学的有効量を投与することを包含する、ヒト又は動物における免疫原性反応を引き出す方法。
  26. 請求項24に記載の単離されたタンパク質の免疫原性量および薬学的に許容されるビヒクル、担体または賦形剤を含むワクチン。
  27. タンパク質が、配列番号2、配列番号4および配列番号6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、請求項24に記載の単離されたタンパク質。
  28. タンパク質が、配列番号1、配列番号3および配列番号5ならびにその縮重体からなる群より選択される核酸配列によってコードされる、請求項24に記載の単離されたタンパク質。
  29. SdrG N1N2N3、SdrG N2N3およびSdrG TR2からなる群より選択される、S.epidermidisタンパク質をコードする単離された核酸配列。
  30. 配列番号1、配列番号3および配列番号5ならびにその縮重体からなる群より選択される配列を有する、請求項29に記載の単離された核酸配列。

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