JP2005535870A - ファージリガンドセンサーデバイスおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明により、ペプチドの1つ以上のリガンドを同定および特徴付けるための方法および組成物が提供される。特に、本発明は、目的の結合エレメントに結合されるセンサーを含むファージリガンドセンサーデバイス(PLSD)を提供する。目的の結合エレメントは、少なくとも1つの異種ペプチドをディスプレイするファージを含む。このPLSDおよびアッセイは、リガンド−ペプチド相互作用を同定および特徴付けることで特定の使用を見出す。

Description

(発明の分野)
本発明は、目的のリガンドの検出のためのセンサーおよびその使用に関する。
(発明の背景)
多くの適用は、特定の結合性質を有するリガンドまたは分子の検出および同定を必要とする。特定リガンドの結合性質は、適切なセンサーの使用によって検出および特徴付けられ得る。「バイオセンサー」は、文献で報告され、そして分子スクリーニングのための代替モデルを提供する。バイオセンサーは、分析プラットホーム、およびリガンドが結合し得る結合実体から構成される。バイオセンサーによるリガンドの検出は、上記結合実体を結合するリガンド、および測定され得る検出可能な信号を生成する分析プラットホームまたはセンサーを必要とする。分析プラットホームは、リガンドの結合実体との相互作用から生じる、質量、キャパシタンス、抵抗、表面プラズマ共振、反射率干渉などにおける変化を測定する。
バイオセンサー技術における当該分野の現在の状態は、多くのバイオセンサー設計を含む。例えば、米国特許第6,241,863号(発明者はMonbouquette)は、酸化還元酵素を基礎にした電流測定バイオセンサーの開発を記載している。米国特許第6,239,255号は、表面プラスモン共振バイオセンサーを記載している。なお別のバイオセンサーが記載されており、これには、光学的回折のために官能化されたマイクロスフェアを利用するバイオセンサー(米国特許第6,221,579号)、質量感受性バイオセンサー(米国特許第6,087,187号)、ハイブリッドバイオセンサー(米国特許第6,051,422号)、金属酸化物マトリックスバイオセンサー(米国特許第5,922,183号)、シリコンベースのバイオセンサー(米国特許第5,874,047号)、固体支持膜バイオセンサー(米国特許第5,846,814号)、光ファイバー化学発光法バイオセンサー(米国特許第5,792,621号)などが含まれる。
先に文献で報告されたバイオセンサーは幾分制限されている。なぜなら、これら報告されたデバイスは、低い感度、限られた寿命、および/または長い応答時間を有しているからである。Deckerら(2000)J.Immunol.Methods 233:159〜165は、ビオチン/ストレプトアビジンカップリングにより固定化されたペプチドフラグメントによるファージ結合を測定するために、90分より多く必要であることを報告した。Hengererら((1999)Biotechniques 26:956〜60、962、964)は、石英水晶(quartz crystal)マイクロバランス上に固定化された抗原に対する、約100分の時間定数でのファージ抗体の結合を報告した。これらの長い応答時間は、迅速スクリーニングと適合せず、そして大スケールスクリーニニングを不格好にする。従って、特定のタンパク質を迅速に検出し得るバイオセンサーに対する必要性が残っている。
さらに、報告されたバイオセンサーは、一般に、低特異性および低親和性のような欠点をもっている。いくつかのバイオセンサープラットホームは、結合エレメントとして抗体を利用する。例えば、米国特許第5,922,183号は、電流測定および電圧測定検知のための、金属酸化物および抗体の薄膜コンポジットの使用を教示している。米国特許第5,874,047号には、抗体との使用のための多孔性シリコンバイオセンサーが記載されている。米国特許第5,858,801号には、バイオセンサーまたは免疫センサーにおける使用のためのパターンをもつ複数抗体基板が、複数部位で特異的抗体を吸着することによって調製された。米国特許第5,039,611号は、ELISA型フォーマットにおける表在乳頭嚢腫瘍細胞に対するモノクローナル抗体の使用を教示する。同時係属中の1999年12月2日に出願された米国特許出願第09/452,968号もまた参照のこと。
抗体を基礎にするセンサーは、いくつかの方法で先に用いられたセンサーに対する改良を提示し、そして改良された特異性および親和性を示し得る(例えば、Zieglerら(1998)、Biosensors&Bioelectronics 13:539〜571を参照のこと)。しかし、抗体を基礎にするセンサーは、それらの有用性を制限するいくつかの欠点を有し、これには、高いコストおよび短い寿命または種々の環境試験条件またはフィールド試験条件中で実施できないなどが含まれる。さらに、抗体の質は、抗体を産生するために用いられる動物のような、異なる産生変数で変動し得る。抗体の別の欠点は、抗体を基礎にするセンサーで使用のための所望の抗体を生成するために数ヶ月を要し得ることである。
バイオテロリズムの脅威は、迅速に調製され得る特異的で正確なセンサーの必要性を強調している。現在のところ、Bacillus anthracis(炭疽)胞子でのバイオテロリスト攻撃の最も速い認識およびそれに対する応答は、炭疽の臨床的徴候および実験室培養試験に基づき得、これは、終了するために数日を必要とする(Inglesbyら(1999)JAMA 281:1735〜45)。従って、迅速に調製される特異的で正確なバイオセンサーに対する必要性が存在している。
(発明の要旨)
本発明は、結合エレメントに結合した圧電物質センサーを含むファージリガンドセンサーデバイス(「PLSD」)を提供する。結合エレメントは、少なくとも1つの異種ペプチドをディスプレイするランドスケープファージである。本発明は、この結合エレメントに結合するリガンドの検出と特徴付けを可能にする。このように、本発明は、リガンドと結合エレメントとの間の相互作用を検出および調査するためのインビトロアッセイを提供する。従って、本発明は、種々のペプチドに特異的なリガンドの迅速な発見のためのアッセイを提供し、そして広範な範囲の生物学的物質、有機物質、およびその他の材料の検出において使用を見出す。
(発明の詳細な説明)
1つ以上のリガンドを同定および/または評価するための方法および組成物が提供される。特に、ファージリガンドセンサーデバイス(PLSD)、およびファージリガンドセンサーデバイスを用いるアッセイが提供される。このPLSDは、結合エレメントに結合されたセンサーデバイスを備える。このPLSDは、結合エレメントと1つ以上のリガンドとの間の相互作用の検出と特徴付けを可能にする。このように、このPLSDは、特定のペプチドに結合するリガンドを単離および調べるために用いられ得るインビトロアッセイを提供し、そしてそれ故、目的のペプチドに特異的な小分子リガンドの迅速な発見のためのアッセイを提供する。従って、PLSDは多くの適用における使用を見出す。例えば、本発明のPLSDおよびアッセイは、遺伝子および/または薬物治療プロトコールにおいて種々の化合物または分子を標的にするために用いられ得るペプチド特異的分子の単離および同定で有用である。
PLSDの結合エレメント成分は、本明細書では「ファージ」または「ランドスケープファージ」とも称される操作された細菌ファージを含む。ファージは、それらの生活環および物理的構造に起因してPLSDの要求に良好に適合している。M13、f1およびfdのような繊維状ファージは、糸形状の細菌ウイルスである。これらファージの外側コートは、互いに重複し、ウイルスDNAを収容する管を形成する、数千の主要コートタンパク質pVIIIの50残基α−らせんサブユニットから構成される。pIIIおよびpVIを含む4つのマイナーなコートタンパク質の各々のいくつかのコピーは、この管状シースの先端部を形成している。
PLSDの結合エレメントとしての使用のために、ファージは操作されて、野生型または天然のファージコートタンパク質pVIIIよりはむしろ異種ペプチドを産生する。操作されたファージを創製するために、少なくとも1つの短異種コード配列が、改変または異種アミノ酸配列がpVIIIサブユニット毎の上にディスプレイされるように、pVIII遺伝子中にスプライスされるか、または置換される(操作されたファージからのウイルスシースの約1%のセクションを示す図1を参照のこと)。pVIII遺伝子に作製され得る改変の量は、ファージの物理的制限およびPLSDの要求によってのみ制限され;得られるファージが機能的PLSDをアセンブルするために用いられ得る限り、任意の改変が作製され得る。従って、用語「異種ペプチド」は、わずか1つのアミノ酸残基が改変されているpVIIIタンパク質を包含する。従って、異種ペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12またはそれより多いアミノ酸改変を除くpVIIIタンパク質の天然配列を有し得る。用語「異種ペプチド」は、改変されたpVIII遺伝子が、非改変、または野生型のpVIIIアミノ酸残基と、散らばった複数の改変アミノ酸残基を含む実施形態を包含する(実施例2を参照のこと)。改変アミノ酸配列が天然タンパク質に由来するとき、この改変配列は、それが由来する天然アミノ酸配列のほんの小部分、またはフラグメントを意味し得る。このようにして、天然タンパク質の一部分またはフラグメントを含む異種ペプチドは、その天然タンパク質由来であるといい得る。
操作されたファージを創製するための方法および組成物は、当該技術分野では公知である(Petrenkoら(1996)Protein Engineering 19(9):797−801を参照のこと)。このような操作されたファージにおいて、異種ペプチドは、単一ビリオンのすべてのコートタンパク質またはサブユニット中で同一である。従って、いくつかの実施形態では、アセンブルされたファージウイルスシースは、本質的に図1に描写されるような構造を有しており、ここで、改変アミノ酸は、リガンドが結合し得る「ランドスケープ(景観)」中で野生型アミノ酸とともに散らばっている。この異種ペプチドは、このペプチドを形成するアミノ酸の組成および配列に依存して種々の立体配座に適合し得、そこでいくつかの実施形態では、この異種ペプチドは、ウイルスシースの表面から突出する。
この様式の異種ペプチドを発現する操作されたファージの構造は、抗体の相補性決定領域(CDR)にたとえられ得る。CDRのように、この異種タンパク質は、高度に可変であり、そしてそれらは、一般に、ウイルス本体に対して隠退を強いられるので、それらは、多くの場合、隣接する野生型残基との相互作用により束縛され、規定された組織「ランドスケープ」を形成し(図1を参照のこと)、これは、これらの操作されたファージを記載する用語「ランドスケープファージ」に至る。さらに、ファージは、多くの異なるリガンドの1つに結合するために、親和性で選択され得る。PetrenkoおよびSmith(2000) Protein Engineering 13(8):589〜592;Romanovら(2001) Prostate 47:239〜251を参照のこと。ファージは、それらを、生物学的センサーデバイスおよびこのようなデバイスの特定の適用のための優れた結合エレメントにする多くの性質を有している。例えば、特定のペプチドに結合するファージの親和性選択および増殖は、終了するのにわずか数週間ですみ、これは、代表的には数ヶ月かかる抗体の選択とは対照的である。
ファージはまた、当該技術分野で周知であるような、ファージディスプレイライブラリーを創製するために操作され得る。ファージディスプレイライブラリーは、操作されたファージのコレクションであり、その各々は、改変されたアミノ酸がすべてのコートタンパク質サブユニット上でディスプレイされるように、主要コートタンパク質遺伝子中にスプライスされる短い異種コード配列を含む。ファージディスプレイライブラリーは、全体として、無数の異なるペプチドを一緒に代表し得る。異種コード配列により特定されるペプチドは、(図1に示されるように)ファージまたはビリオンの表面上にディスプレイされる。各ファージクローンは、単一の異種ペプチドの多くのコピーをディスプレイするが、全体としてのライブラリーは、無数のペプチドを一緒に表し得る。ウイルスキャリヤは感染性であるので、ファージは個々にクローン化され得、そして全体ライブラリーまたは個々のクローンのいずれかが、無限に増殖され得る。ファージディスプレイ技法は当該技術分野で周知である。例えば、Scott&Smith(1990)Science 249:386〜390;Sidhu(2001)Biomol.Eng.18(2):57〜63;Kischenkoら(1994)J.Mol.Biol.241:208〜213を参照のこと。ランダムペプチドライブラリーもまた当該分野で公知であり(例えば、Barbas 3d(1993)Curr.Opin.Biotechnol.4(5):526〜530を参照のこと)、そして異なる表面構造をもつ繊維状ファージの無数クローンのライブラリーがPetrenkoら(1996)Protein Engineering 19(9):797〜801によって示された。いくつかの米国特許は、ランダムペプチドライブラリーを記載し:米国特許第5,723,286号(発明者Dowerによる);米国特許第5,223,409号(発明者Ladnerによる);米国特許第5,403,484号(発明者Ladnerによる);および米国特許第5,571,698号(発明者Ladnerによる)を含む。
ファージ粒子の表面密度は、300〜400m/gであり、これは、恐らく最もよく知られている触媒を超える密度であり、そして、活性炭(URL wwwilpi.com/msds/ref/activatedcharcoal.htmlにおいて入手可能な情報を参照のこと)およびメソ多孔性ジルコニア粒子(NexTech Materials;URR www.fuelcellmaterials.com/mesoporouszirconiacatalyst.htmにおいて入手可能な情報を参照のこと)のような良好な吸着剤と良好に競争する。ファージ発現異種ペプチドは、ファージ粒子あたり数千の結合部位の極度に高い多価を提供する。このように、本発明のPLSDは、優れた結合性質を提供する。さらに、ファージ構造は、異常に強健であって、熱(70℃まで)、多くの有機溶媒(例えば、アセトニトリル)、尿素(6Mまで)、酸、アルカリおよびその他のストレスに耐性である。精製されたファージは、感染性を失うことなく適温で無限に貯蔵され得る。
ビオチン化の特定の方法を選択すること(本明細書において以下にさらに論議される)、およびセンサー上のファージの密度ならびにその他の性質、結合組成物または方法を制御することにより、ファージアレイはアセンブルされ、目的のアッセイのために最適な性質を有し得る。非常に密な直線状のファージアレイ(「ベルベット型」アレイ)を含む結合エレメントは、一価の結合挙動を示す傾向があり、その一方、より密でない、大部分が非直線状のファージアレイ(「フェルト型」アレイ)は、多価結合挙動を示す傾向ある。結合活性(avidity)に起因する結合の親和性を増加するための生物学的システムおよび化学的システムで広く用いられる多価相互作用は、親和性を増大するその他の文脈で有効に用いられている。親和性は、結合価が、一価結合から二価結合に増加する場合、約千倍増加することが示されている(KramerおよびKarpen(1998)Nature 395:710〜713を参照のこと)。本発明のPLSDの1つの実施形態で、ELISAフォーマットにおけるリガンド結合の原子価は1であることが観察され、その一方、PLSDへのリガンド結合の原子価は2であることが観察された(実施例4)。驚くべきことに、ファクター2だけの結合価におけるこの増加が親和性において50倍の増加を生じた。なぜなら、結合定数の値が、ELISAフォーマットについて30nMから、PLSDについて0.5nMまで増加したからである(実施例4;図9Aおよび9B)。従って、本発明のPLSDは、非常に高い結合親和性を提供する。さらに、結合エレメントの固定化ファージは、ベルベット型層において、0.1Mにさえ到達する結合部位の極度に高い濃度を創製し得、その結果、ベルベット型ファージアレイを含む結合エレメントは、10億までのファクターにより(PLSD表面上の)リガンドの濃度を増大し得る。
バイオセンサーデバイスの結合エレメントとして、高い結合活性を有するファージは、細菌およびウイルスのような多価抗原の不可逆的結合を実際に提供し得る。PLSDのここの性質は、大量の液体サンプル、またはバイオセンサー上の液体サンプルの流れ中の極低濃度の微生物の検出に有用であり得る。この性質はまた、例えば、周囲空気のようなガス中に存在するリガンドを検出することで有用であり得、そしてこのようにして、本発明のPLSDは、例えば、毒性ガスまたは細菌胞子のような空気に含まれる汚染物の検出を提供し得る。
本発明の別の利点は、ファージがPLSDデバイスにおける使用のために産生され得るという容易さである。繊維状ファージは、細菌細胞培養を用いて効率的かつ簡単に産生され得る。細菌培養からの野生型ファージ粒子の収率は、操作されたファージ粒子は、より低い収率、例えば、操作またはランドスケープファージについては20mg/リットルを有する傾向にあるが、通常、300mg/リットルに到達する。ファージ粒子は、細胞から、細胞内成分がほぼない状態で分泌され、そしてさらなる精製が、任意のファージに適用可能である簡単なルーチンのステップにより容易に達成される。
従って、本発明は、種々のペプチドに特異的なリガンドの迅速な発見のための組成物およびアッセイを提供し、そして広範な範囲の生物学的材料、有機材料、およびその他の材料の検出における使用を見出す。リガンドは、PLSDのランドスケープファージ上にディスプレイされる少なくとも1つの異種ペプチドに特定の測定可能なレベルで結合する任意の化合物、粒子、または生物であり、それによって、本発明のPLSDによる検出可能な信号を生成する。従って、リガンド結合が検出され、そして本発明のPLSDを用いて定量され得る。目的のリガンドおよびペプチドは、任意の生物または種から単離または由来し得、これには、哺乳動物、爬虫類、両生類、植物、細菌、ウイルス、アメーバ、リケッチャなどを含むがこれらに限定されるわけではない。
本発明のPLSDは、例えば、酵素、細菌、ウイルスおよびその他の生物学的剤および/または化合物、または有機剤および/または化合物、ならびに合成剤および/または化合物、または人工剤および/または化合物のようなリガンドを検出することで使用を見出す。ランドスケープファージ上にディイプレイされる異種ペプチドに結合し得る任意のリガンドが、本発明の組成物および方法を用いて検出および評価され得る。1つより多くのリガンドが特定の異種ペプチドに結合し得る。
従って、特定の異種ペプチドに結合するリガンドは、制限されずに、細菌、ウイルス、真菌、および原生動物を含む微生物、ならびに、有機および無機の化学的化合物であり得る。従って、リガンドは、ウイルス、細菌、真菌、プリオン、リケッチャ、アメーバ、ならびに天然毒素および合成毒素である、病原体または有害因子を含み得る。リガンドはまた、例えば、タンパク質、ペプチド、および核酸のような生化学的化合物を含み得る。本明細書で用いられる用語「ウイルス」は、任意のウイルス、例えば、痘瘡ウイルス、黄熱病ウイルス、コレラウイルス、およびエボラウイルス、マルブルクウイルス、およびラッサ熱ウイルスのような出血性熱ウイルスを含む。本明細書で用いられる用語「細菌」は、細菌胞子を包含し、そして、例えば、腺ペスト(例えば、Yersinia pestis)、肺ペスト、および炭疽(例えば、Bacillus anthracis)を引き起こすことが知られるような細菌のような、任意の種の細菌を含む。有害因子および毒素は、制限されないで、リシン、ボツリヌス毒素(例えば、Clostridium botulinum毒素)、アフラトキシン、Clostridium perfringens毒素、およびStaphylococcalエンテロトキシンBのような有機毒素を含む。
本発明の組成物および方法で有用であるファージは、目的の異種ペプチドをディスプレイし、そしてそれ故操作されたファージである。操作されたファージは、任意の異種ペプチドを発現するとして生成され、同定され、および単離され得、これは、「目的のペプチド」と称される特定のアミノ酸配列を含み得る。目的のペプチドが特定の細胞型もしくは組織に、または特定の疾患または障害に罹患した組織に特異的である場合、目的のペプチドを発現するファージは、目的の特定のペプチドを結合する化合物を同定および単離するために用いられ得る。このような化合物は、特定の細胞型または組織に化合物を送達するために有用であり得るか、またはそれらは、それら自身、目的のポリペプチドが単離された特定の細胞型または組織を処置することで有用であり得る。このようにして、目的のペプチドは、腫瘍または特定の型の腫瘍のような疾患または障害と主に会合し得る。選択的結合プロトコールに基づき、組織型特異的であるか、または代わりに異なる細胞に結合し得る化合物が決定され得る。同じ様式で、目的のペプチドは種とは独立であり得、すなわち、ペプチドは、任意の種からの同じ組織型または細胞型と会合する。あるいは、これらペプチドは種特異的であり得る。種特異的により、ペプチドが、特定種からの組織細胞(例えば、肝臓または細菌胞子)のような特定のリガンドに特異的であり、そして別の種からの同じ組織細胞に結合しないことが意図される。目的のペプチドは、任意の種から単離され得る。目的の哺乳動物種は、制限されないで、ヒト、ラット、イヌ、チンパンジーなどを含む。
目的のペプチドは、特定の細胞培養、細胞型、組織、発生のステージ、または疾患もしくは障害に特異的であり得るか、あるいは、それらは、特定の細胞型、発生のステージ、または疾患もしくは障害と優先的に会合し得る。目的のペプチドはまた、一般に、1つより多くの組織によるか、もしくは多くの組織により発現され得るか、または多くの組織状態と会合し得る。一旦、目的のペプチドが同定されると、このペプチドに対応するコード配列が決定され得、そして合成ヌクレオチド配列が創製され、ファージ主要コートタンパク質pVIIIを異種ペプチドで置換する。次いで、このヌクレオチド配列を標準的な技法とともに用い、融合タンパク質を含むランドスケープまたは操作されたファージを生成し、そしてこれらファージを用いて本発明のPLSDを創製する。例えば、Ivanenkovら(1999)Biochim.Biophys.Acta 1451:364で修正されたような、「哺乳動物細胞中のファージディスプレイベクターの取り込みと細胞内運命」と題するIvanenkovら(1999)Biochim.Biophys.Acta 1448:450〜62を参照のこと。
目的のペプチドの同定および単離のための方法は、当該技術分野で利用可能である。このような方法は、ランダムペプチドを発現する細菌ファージ(ファージ)ライブラリーからの選択、ペプチドライブラリー中の天然に存在するL−エナンチオマーを単離するためのミラーイメージファージディスプレイなどを含み得る。例えば、本明細書中に参考として援用される、Barryら(1996)Nature Medicine 2:299〜305;Schumacherら(1996)Science 271:1854〜1857;Pasqualiniら(1996)Nature 380:364〜366;2001年12月11日に発行された米国特許第6,329,501号、およびその中で引用される参考文献を参照のこと。目的のペプチドはまた、例えば、細胞表面タンパク質の配列を基に、あるいは、本明細書中に参考として援用される同時係属中の出願、2001年9月5日に出願された出願番号第09/947,137号および1999年11月10日に出願された出願番号第09/438,150号中で論議されるようなインビボファージディスプレイスクリーニングにより選択され得る。本明細書に参考として援用される、2002年2月6日に出願された同時係属中の米国出願第10/068,570号もまた参照のこと。従って、目的のペプチドは、インビボファージディスプレイスクリーニング法によって同定される必要はないが、その他の技法または技能を用い、当該技術分野で公知であり得るか、または同定され得るか、または産生され得る。目的のペプチドはまた、ランダムペプチド、すなわち、ランダムなアミノ酸配列をもつペプチドであり得るか、またはアミノ酸配列は設計され得る。
一旦、目的のペプチドまたは異種ペプチドが選択されると、それらは、任意の適切な方法により改変され得る。このような方法は、ランダム変異誘発、および選択されたアミノ酸置換のための化合物の合成を含む。種々の長さのペプチドが構築され得、そして結合親和性に対する影響および試験リガンドの特異性について試験される。本発明の組成物およびアッセイはまた、例えば、当初のペプチドまたは類似のペプチドに強力に結合するファージのような特定のリガンドに対する増加した親和性についてペプチド配列(単数または複数)の改変体を評価するために用いられ得る。
目的のペプチドをコードするヌクレオチド配列は、本発明における使用のために、異種タンパク質、コード領域、またはベクターの構築において用いられる。このような方法は、当該技術分野で公知である(例えば、SmithおよびPetrenko(1997)Chemical Reviews 97:391〜410、およびその中に引用された参考文献を参照のこと)。さらに、発現に必要な、発現カセットの構築、およびプロモーター、ターミネーター、エンハンサーなどは公知である。ヌクレオチドによって、遺伝子配列、DNA、RNA、およびアンチセンス核酸が意図される。本発明のヌクレオチドの構築のための標準的な技法は、当業者に周知であり、そしてSambrookら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory)のような参考文献中に見出され得る。種々の戦略が、DNAのフラグメントを連結するために利用可能であり、その選択は、DNAフラグメントの末端の性質に依存し、そしてこれは、当業者によって容易に決定され、かつ達成され得る。
本発明の結合エレメントである細菌ファージまたは「ファージ」は、上記で論議されたような異種ペプチドについての先行する知識を用いて創製され得、そしてまた、特定の結合性質を有するとしてファージライブラリーから同定され、かつ単離され得る。このような結合性質は、例えば、特定リガンドに結合する能力およびレセプターまたは抗体を結合する能力を含み得る。例えば、Barryら(1996)Nature Medicine 2:299〜305;Devlinら(1990)249:404〜406;Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378〜6382;およびそれらの中に引用された参考文献を参照のこと。従って、本発明の結合エレメントである細菌ファージは、ランダムまたは部分的にランダムなアミノ酸配列を有する多くのペプチドを利用して構築されたファージディスプレイライブラリーから選択され得る。ファージはまた、複数ラウンドの配列変異誘発および親和性選択の後に創製および選択され得る。例えば、TuckeyおよびNoren(2002)J.Immunol.Methods 270:247;Chuら(2002)J.Mol.Biol.323:253を参照のこと。
任意のファージが、本発明の結合エレメントとして、それが本発明のPLSDを創製するために用いられ得、そしてリガンドに結合し得る限り用いられ得る。多様な集団を含むライブラリーを調製する方法はまた、Gordonら(1994)J.Med.Chem.37:1385〜1401;EckerおよびCrooke(1995)BioTechnology 13:351〜360;GoodmanおよびRo、「薬物設計のためのペプチド模倣物」、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery、第1巻、M.E.Wolff(編)John Wiley&Sons 1995、803〜861頁;Blondelleら(1995)Trends Anal.Chem.14:83〜92;Sambrookら(2001)Molecualar Cloning:A Laboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory);およびAusubelら(編)(1998)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley&Sons)に記載され、これら参考文献の各々は、本明細書中に参考として援用される。異種ペプチドおよび/またはランドスケープファージは、必要に応じて、PLSDの性能を増大するためにさらに操作または適合され得る。ヌクレオチド、ペプチド、およびファージを操作するための方法は、当該技術分野で公知である。例えば、SmithおよびPetrenko(1997)Chemical Reviews 97:391〜410中に総説される方法を参照のこと。
操作されたファージは、センサーに結合され、本発明のPLSDを創製する。センサーに結合されるとき、ファージは、リガンドと相互作用し得、そしてこの相互作用がセンサーにより検出される。いくつかの実施形態では、ファージのセンサーへの付着は、主要コートタンパク質のLys10残基のN末端アミノ基またはアミノブチル基を用いて達成される。この目的のための架橋剤は、商業的に入手可能であり、そして当業者は、本発明のPLSDを生成するために、適切な架橋剤または結合組成物の組み合わせを容易に選択し得る。いくつかの実施形態では、センサーは、ファージが結合する1つ以上の層の添加によって調製され、そしてセンサーに結合されるべきファージの調製は、単に、ファージが調製されたセンサーへの添加のために適正な濃度であることを確実にすることを包含する。その他のいくつかの実施形態では、センサーは、清澄化を通じてによって調製され、そしてファージは、ファージ先端部(すなわち、pIIIタンパク質)との相互作用により金センサー表面に直接結合される。センサーデバイスへのファージの「ブラシ型」結合には、ストレプトアビジン−結合ペプチドHPQのようなタグペプチドまたはビオチン化部位が、ファージの先端上に位置する主要コートタンパク質pIII中に操作され得る。次いで、ファージは、ストレプトアビジンでコートされたセンサーデバイスに非共有結合により結合され得る。他の実施形態では、ストレプトアビジン結合「タグ」ペプチドがファージ中に操作される場合、センサーは、ビオチン化されたホスホリピドのラングミュア・ブロジェット膜で調製され得る。このような実施形態では、PLSDのアセンブリは、センサーにランドスケープファージを結合するためにストレプトアビジンの添加により達成され得る。ランドスケープファージが、リガンド結合の検出を許容するようにセンサーに付着される限り、任意の結合方法または組成物が用いられ得る。従って、いくつかの実施形態では、センサーは、金でコートされるか、または金コートセンサーが得られ;次いで、このセンサーは、ストレプトアビジンでコートされ、そしてビオチンを経由してランドスケープファージに結合される。あるいは、結合組成物層は、金の層に直接連結されるビオチン化チオールまたはジスルフィド層を含み得;次いで、このビオチン化層がストレプトアビジンに連結され、そしてビオチンを経由してランドスケープファージに結合される。例えば、Luppaら(2001)Clinica Chimica Acta 314:1〜26;Gauら(2001)Biosensors&Bioeletronics 16:745〜755を参照のこと。
いくつかの実施形態では、本発明のPLSDの結合エレメントは、PLSD上の各ファージが遺伝的に同一であるように、単一株のファージを含む(ファージ複製の間に生じ得、そして結合エレメントの性能に影響することは予期されない稀な変異を除く)。他の実施形態では、結合エレメントは、複数株のファージを含み、その結果、ファージの各株が、異なる異種ペプチドをディスプレイする。従って、複数株のファージを含む結合エレメントは、1つより多くのリガンドに結合するように設計される。このような実施形態で用いられるファージ株は、センサーの所望の性質を基に選択され、これは、PLSDが用いられるべき特定の用途とともに変動し得る。従って、例えば、PLSDの結合エレメントは、Bacillus anthracisおよびYersinia pestisに結合することが知られる異種ペプチドを含み得る。このように、本発明のPLSDは、1つより多くの種々のランドスケープファージで創製され得る;すなわち、PLSDは、異なる異種ペプチド、またはファージライブラリーでさえ発現するランドスケープファージの混合物を用いて創製され得る。
PLSDは、圧電物質センサーを含み得る。いくつかの実施形態では、公称5MHzの振動周波数をもつAT−カット平面状水晶を含む音波センサーが用いられる。このような音波デバイス(AWD)に適した水晶は、商業的に入手可能である(例えば、Maxtek、Inc.)。水晶またはセンサーには電極が提供され、例えば、水晶には、振動回路への電気的接続のために、水晶の両側面上に配置された環状の金電極が提供され得る。いくつかの実施形態では、質量感受性センサーが用いられ;あるいは、他のセンサーが、それらがリガンド結合を検出し、そしてその結合に応答して変化する信号出力を提供し得る限り用いられ得る。結合と信号出力の直接の相関関係は、所望の結果が得られる限り必要ではない。従って、結合が生じるとき、センサーの異なる物理的性質および電気化学的性質;質量;自由エネルギー;電荷およびコンダクタンスのような電気的性質;蛍光、発光、吸着、散乱、および屈折のような光学的性質が変化し得る。従って、適切なセンサーは、電気化学的センサー、熱量測定センサー、および光学的センサーを含む。例えば、Luppaら(2001)Clinica Chimica Acta 314:1〜26を参照のこと。当業者は、本発明のアッセイの異なる適用のために、異なる感度および出力をもつセンサーが用いられ得ることを認識する。従って、例えば、いくつかの適用では、好適なPLSDは、結合の変化を高解像度で定量し得、その一方、その他の適用には、PLSDは、高親和性結合の存在または不在のみの検出を必要とする。
いくつかの実施形態では、5MHzの作動周波数を有するMaxtek740センサー用いられる。当業者は、PLSDシステムの最高の感度に対応する作動周波数が、リガントが結合するとき、センサーの共振周波数における変化を最適化するために同定され得ることを認識する。任意の適切なデバイスが、センサーからの信号出力をモニターするために用いられ得、例えば、HP4195A Network/Spectrum Analyzer(Hewlett−Packard)が用いられ得る。このアナライザーデバイスは、周波数のセット範囲を走査し、そして各周波数における信号性質を測定する。特定のファージ/リガンド組み合わせについて最適周波数が見出された後、この周波数は、結合の高感度測定のための作動周波数として用い得る;有用周波数は、ほぼ、2MHzと150MHzとの間である。
センサーは、得られるPLSDがリガンド結合を検出し得る限り、任意の適切な組成物および方法によりファージに結合または連結され得る。いくつかの実施形態では、センサーを調製する工程は、センサーが清澄であり、そしてファージに結合され得る準備ができていることを確実にすることを単に包含し得る(一般に、Cunningham(1999)Introduction to Bioanalytical Sensors(Wiley−Interscience)を参照のこと)。少なくとも1つの組成物がセンサー表面に添加される場合、このセンサーは、結合組成物層を含むといわれる。例えば、ビオチン化脂質のラングミュア・ブロジェット膜がセンサーに添加され得る。ラングミュア・ブロジェット膜は、少なくとも1つの単層から形成される。単層は、水性溶液の空気/水界面で形成する、少なくとも1つの両親媒性化合物または両親媒性組成物の1分子厚さの膜である。この単層中の各分子は、同じ配向で整列され、疎水性ドメインが空気に面し、そして親水性ドメインが水性溶液に面している。この単層の圧縮は、空気/水界面における単層を通って基質を通過することによって、基質に移り得る、並んだ二次元固体の形成を生じる。基質に移った単層は、ラングミュア・ブロジェット膜、またはLB膜と称される。ラングミュア・ブロジェット技術の総説については、Gaines、G.L.Jr.(1966)Insoluble Monolayers at Liquid−Gas Interfaces、Interscience、New York;Zasadzinskiら(1994)Science 263:1726〜1733;Ullman(1991)An Introduction to Ultrathin Organic Films、Academic Press、Boston、MA;およびRoberts(1990)Langmuir−Blodgett Films、Plenum、New York;これらの内容は、本明細書に参考として援用される、を参照のこと。
単層は、代表的には、脂質、脂肪酸および脂肪酸誘導体、脂質可溶性ビタミン、コレステロール、クロロフィル、バリノマイシンのような有機分子、およびポリビニルアセテートおよびポリメチルメタクリレートのようなポリマーから構成される。単層はまた、多くの他の両親媒性化合物によって形成され得;従って、多くの両親媒性化合物が、本発明の単層を形成するために用いられ得る。このような化合物は、少なくとも14の炭素原子を有する脂質を含む。例は、ステアリン酸およびヘキサデカン酸を含む。単層を形成するその他の化合物は、制限されないで、その内容が参考として援用される、Gaines、G.L.Jr.(1966)Insoluble Monolayers Liquid−Gas Interface、Interscience、New Yorkに記載のような化合物を含む。
脂質単層堆積は、当該技術分野で公知であり、そしてその全体が参考として本明細書中に援用される、1999年12月2日に出願された同時係属中の出願09/452,968に記載される方法により実施され得る。ラングミュア・ブロジェット(LB)膜バランスは、例えば、KSV−Chemicals、Finlandから商業的に入手可能であり、そして提供者の指示書に従って操作される。
ラングミュア・ブロジェット膜は、ラングミュア・ブロジェット技法を用いてセンサーの表面上に単層を連続的に移すことにより形成される。いくつかの実施形態では、ビオチン化脂質溶液が、ヘキサン溶液として、水性サブフェーズ上に拡げられる。次いで、単層は、圧縮され、そして垂直膜堆積が実施される。LB膜堆積において、複数の単層が、空気/液体界面に堆積された単分子膜を通じてセンサーを連続的に浸すことによりセンサーに添加され得る。LB膜は、このようにして、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはより多い単層の添加により形成され得、最終のラングミュア・ブロジェット膜を創製する。
ラングミュア・ブロジェット膜を創製するために用いられた単層は、揮発性有機溶媒の支援なくして形成され得る。例えば、1999年12月2日に出願された同時係属中の出願09/452,968を参照のこと。LB膜を形成するための多くの方法は、ヘキサンのような揮発性有機溶媒中で単層に形成されるべき化合物の溶解を必要とする。この有機溶媒は、水性溶液から別の相を形成し、そして水相中の単層成分の溶解を防ぐように機能する。水性溶液の空気/液体界面で混合物を拡散した後、溶媒を蒸発させ、界面に単層を残す。しかし、このような実施形態では、有機溶媒は、単層成分を損傷し得、そしてバックグラウンドレベルの非特異的結合に寄与する所望されない残渣を残す。従って、いくつかの実施形態では、1999年12月2日に出願された同時係属中の出願09/452,968に提示される有機溶媒の支援なしに形成される単層が、本発明のPLSDに改良された性質を提供する。いくつかの実施形態では、ランドスケープファージがホスホリピドに共有結合または連結され;これらのホスホリピドを含むベシクルが、次いで、単層およびLB膜を創製するために用いられ、本発明のPLSDを作製する。このような実施形態では、ファージのセンサーへの結合は、センサー上でこのようなLB膜の形成により達成され得、そしてストレプトアビジンおよびビオチン相互作用を経由する結合は必ずしも必要ではない。このようなセンサーは、金メッキされ得るか、またはその他の物質でコートされ、LB膜のセンサーへの接着を容易にする。
本明細書で用いられる「単層」は、少なくとも1つの両親媒性化合物または組成物の1分子厚さ膜をいう。本明細書で用いられる「圧電性」は、機械的な力が付与されるとき電圧を生成するか、または電圧が提供されるとき機械的な力を生成する能力をいう。この相互交換の関係は、圧電性効果と称される。圧電性水晶中の対称の中心の不在は、圧電性効果に必要である。対称の中心を欠く21のクラスの水晶のうち、1つのクラスを除くすべてが圧電性である。例えば、石英水晶(quartz crystal)は圧電性水晶である。
LB膜を形成するさらなる方法が当業者に公知であり、そしてUllman(1991)An Introduction to Ultrathin Organic Films、Academic Press、Boston、MA;およびRoberts(1990)Langmuir−Blodgett Films、Plenum、New York;それらの内容は、本明細書中に参考として援用される、に記載されている。
一旦、PLSDが、ファージをセンサーに結合することにより調製されると、信号出力が、PLSDを創製するために用いられた水晶またはセンサーと適合する任意の適切なデバイスによって測定され得る。多くのこのようなデバイスが当該技術分野で公知であり、そして商業的に入手可能である。いくつかの実施形態では、測定は、5MGzで0.5Hzの周波数解像度をもつPM−740Maxtekプレーティングモニターを用いて実施される。「信号出力」により、リガンドの結合に応答して変化し、そして適切なデバイスにより検出またはモニターされ得るセンサーの任意の性質が意図される。デバイスの信号出力は、パーソナルコンピューターおよび適切なデータ獲得カードおよびソフトウェアを用いて記録および分析され得る。いくつかの実施形態では、共振周波数は、水晶の質量とともに、それがリガンドのセンサーとの相互作用に起因して変化するので変化する。Maxtekデバイスからの電圧出力は、石英水晶センサーの共振周波数に直接関連するので、共振周波数および/または電圧における変化は、次いで、リガンドの目的のペプチドへの結合をモニターするために用いられ得る。周波数および電圧における変化は、非特異的結合が十分に低いと仮定して、リガンドの濃度に比例する。一旦調製されると、PLSDは、複数のアッセイのために用いられ得、そして一日、数日、一週間、一月、数ヶ月、6ヶ月まで、一年、またはより長く機能的なままであり得る。
結合アッセイを実施するための方法および組成物において、(1)ランドスケープファージの高い表面密度;(2)高い特異性の相互作用および低レベルの非特異的結合;(3)相互作用パートナーの接近可能性;および(4)検知システムの安定性を有することが所望される。本発明のPLSDは、従前に知られたデバイスを超える改良された性質を示し、これには、より低い閾値の検出、増加した結合の強度および大いに増加した感度が含まれる。さらに、PLSDは、例えば、全細菌または胞子または植物花粉のような、非常に大きな粒子を結合する能力を示す。特定の条件下では、PLSDはまた、検出のより低い閾値に寄与する結合の相乗効果を示す。本発明は、操作のいずれの特定の機構によっても拘束されないが、これらの利点は、ファージウイルスコート表面上に4,000異種ペプチドまでディスプレイし得る、ファージの多価から由来すると考えられる。
PLSDは、代表的には、リガンドを含み得る溶液をPLSD上に重層することにより1つ以上のリガンドに曝される。PLSDはまた、ガスにも曝され得る。例えば、PLSDは、Bacillus anthracis(BAS)の胞子のような空気中にある汚染物である有害因子および毒素の検出のために周囲空気に曝され得る。他の実施形態では、精製または部分精製されたリガンドの溶液が、定量または評価のためにPLSDに曝され得る。従って、任意のサンプルを、サンプルの形態がPLSDへの曝露と適合する限り、PLSDに曝すことによってアッセイし得る。精製または部分精製されたリガンド溶液により、溶液を作製するために用いられたリガンドが、細胞成分が実質的になく、そして約30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、または1%(重量による)より少ない汚染物質を有するリガンドの調製物を含むことが意図される。
リガンドの検出のために、本発明のPLSDは、サンプルからリガンドを単離および/または濃縮するデバイス(単数または複数)とともに用いられ得る。従って、PLSDは、例えば、空気中にある炭疽胞子のような特定リガンドの存在の連続モニタリング、検出および/または警告を許容するために、他のデバイスと構成され得る(実施例2を参照のこと)。
異種ペプチドのリガンドを同定するためのアッセイを提供することに加え、当業者は、本発明が多くの適用を有することを認識する。例えば、本発明は、特定の異種ペプチドと相互作用しない溶液および組成物を同定するためのアッセイおよび組成物を提供する。従って、本発明は、ポジティブおよびネガティブアッセイの両方、ならびに、種々の適用、例えば、特定の性質を有し得るペプチドまたはペプチド部分を設計するために用いられ得る定量的結合アッセイを提供する。このようにして、リガンドはまた、異種ペプチドとのそれらの相互作用または相互作用の欠如のために有用であり得る化合物または組成物であり得る。例えば、リガンドは、1つの異種ペプチドに結合するが、他とは結合しない薬学的化合物であって、特定の細胞型の細胞表面マーカーに結合するが、他には結合しないことを示す化合物であり得る。
以下の実施例は、本発明を限定するよりはむしろ、例示することを意図している。
(実験)
(実施例1:β−ガラクトシダーゼの検出のためのPLSD)
Escherichia coliからのβ−ガラクトシダーゼは、同じ1,023残基ポリペプチドのテトラマータンパク質であり、17.5−13.5−9nmの分子寸法をもつ。このタンパク質および小ハプテンに結合するファージを、PetrenkoおよびSmith(2000)Prot.Eng.13:589〜592に記載のようなファージディスプレイライブラリーから単離した。ファージの抗原への結合は、酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)により確認し、そこでは、ファージは、ELISAウェルのプラスチック表面上に固定化し、そして溶液中でそれらの抗原と反応させた(PetrenkoおよびSmith、同上を参照のこと)。このファージは、市販の試薬および標準的な手順を用いてビオチン化した(例えば、Pierce Biotechnolgy、Inc.、Rockford、ILからの2002年のカタログを参照のこと)。
デバイスのセンサー成分を調製するため、5MHzの公称振動周波数をもつAT−カット平面状石英水晶を、Maxtek、Inc.から購入した。環状の金電極を、振動回路への電気的接続のために、この水晶センサーの両側面上に配置した。マイクロバランスおよびセンサーを、良好に特徴付けられたステアリン酸単層の堆積により校正した。センサー表面上のステアリン酸単層の増加する数の堆積は、質量の直線状増加を生じた。水晶センサー上のステアリン酸の単一の単層の堆積は、(38mNm−1移入表面圧力に対して)2.6×10−7g/cmの質量を付加した。この値は、凝縮状態にあるステアリン酸単層の分子面積に基づく理論的推定値と良好に一致した。この状態で、分子あたりの面積は約20Åである(単一のアルキル鎖について;Ulman(1991)、An Introduction to Ultrathin Organic Films from Langmuir−Blodgett to Self−Assembly(Academic Press、NY)を参照のこと)。1cmの単層中のステアリン酸分子の数は、1×1016/20=5×1014である。1つのステアリン酸分子の質量は、284g/モル/6.023×1023分子/モル=4.72×10−22gである。次に、単一の単層の質量は、5×1014×4.72×10−22g=2.4×10−7gであり、これは、得られた実験値2.6×10−7と良好に匹敵する。
ファージに結合すべきセンサーを調製するために、ホスホリピド(N(ビオチノイル)−1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン)を含む単層を、ラングミュア・ブロジェット技法を用いて音波センサーの金表面上に移し、ビオチン化センサー表面を創製した。多層は、水−空気界面に堆積した単分子膜を通じてセンサーを連続的に浸漬することにより得た。ファージは、図2に示されるようなPLSDを創製するために、分子の自己アセンブリにより、ストレプトアビジン中間体を経由してホスホリピドと結合した。
脂質単層の堆積は、ラングミュア・ブロジェット(LB)膜バランスKSV 2200LB(KSV−Chemicals、Finland)を用いて実施した。この完全にコンピューター化したシステムは、Wilhelmy型表面バランス(範囲0〜100mN/m;感度0.05mN/m)、Teflon(登録商標)トラフ(45×15cm)、可変速度モーター駆動Teflon(登録商標)バリア(0〜200mm/分)、および層流フードを備える。トラフは、200kgの大理石テーブル上に取り付けた。振動制御は、ゴムのショック吸収剤を挿入することにより、および分離したベンチ上に層流フードを取り付けることによって提供された。表面圧力は、周囲4cmの砂吹き機で磨かれた白金プレートの使用によりモニターした。水性サブフェーズの温度(20℃±0.1℃)は、空気/液体界面のすぐ下に位置決めされたサーミスタにより測定し、そしてトラフ底部の石英管コイルを通る水循環により制御された。
脂質溶液を、2%エタノールを含むヘキサン溶液(1mg/ml)として水性サブフェーズ上に拡散した(Itoら(1989)Thin Solid Films 180:1〜13)。実験に用いた水性サブフェーズは、脱イオン化2回蒸留水(pH7.4)で作製された、55mM KCl、4mM NaCl、0.1mM CaCl、1mM MgClおよび2mM 3−(N−モルホリノ)−プロパンスルホン酸(MOPS)を含む溶液であった。拡散の後、単層を、19℃で10分間平衡化および安定化させた。単層を、次いで、30mm/分の速度で圧縮し、そして垂直膜堆積を、4.5mm/分の垂直速度、および25mN/mの一定表面圧力で実施した。このようにして、石英水晶の金表面上に11の単層を移した。LB技法により堆積した単層および多層は、合理的に安定であった(Pathiranaら(2000)Biosensors&Bioelectronics 15:135〜141を参照のこと)。
次いで、PLSDを、ビオチン/ストレプトアビジン結合の「分子アセンブリ」を用いてアセンブルした。ストレプトアビジンは、以下のように、(ビオチン化脂質でカバーされた)センサー上にビオチン化ファージを固定化するために添加された。センサーを、0.01mg/mlのストレプトアビジンを含むサブフェーズ溶液で2時間処理し、次いで、蒸留水ですすぎ、そして周囲空気中で2分間乾燥した。センサーを、次に、0.001mg/mlでビオチン化ファージを含むサブフェーズ溶液に2時間曝し、そして次に上記のように再びリンスして乾燥した。必要であれば、これらの工程の後に、ビオチンを含むサブフェーズ溶液を用いるブロッキング工程が続き得、自然にビオチン化したタンパク質のセンサーへの非特異的結合を防ぐ。次いで、各々調製されたPLSDは、個々のペトリ皿中に配置され、そして4℃で貯蔵された。この実施例で記載される試験は、PLSDのアセンブルの24時間以内に実施された。
結合測定は、5MHzで0.5Hzの周波数解像度をもつPM−700 Maxtekプレーティングモニターを用いて実施した。このMaxtekデバイスの電圧出力が記録され、そして記録はオフラインで分析された。このMaxtekデバイスからの電圧出力は、石英水晶センサーの共振周波数に直接関連する。この石英水晶センサーの共振周波数における変化は、センサー表面へのβ−ガラクトシダーゼの結合をモニターするために用いられた。観察された変化は、表面流体媒体近傍のLB膜の粘弾性変化およびβ−ガラクトシダーゼの結合にともなう質量変化の両方に起因していると仮定される。
結合測定のために、このPLSDを、サンプルの送達の直前に機器のプローブアーム中に位置決めした。記録を開始した直後に、1000μlのPBSを、ピペットでPLSD表面に送達し、そして電圧を4〜8分間記録した。次に、PBSをプラスチックピペットチップで注意深く取り除き、そして新たな記録を開始した。溶液中のβ−ガラクトシダーゼの異なる希釈物を、センサーに逐次的に添加し、そして各添加の後に同じ測定手順を続けた。各実験は、2〜4回繰り返し、そしてすべてのサンプルの温度は、約25℃であった。収集されたデータは記憶され、そしてオフラインで分析した。センサー表面上の占領ファージ(Y)および遊離ファージ(1−Y)の比は、
log(Y/(1−Y))=logK+nlog[C] [1]
として決定され得、ここで、Kは、会合結合定数、Cは、β−ガラクトシダーゼ濃度、そしてnは単一のファージに結合した分子の数である。log[C]に対する、等式(1)の左手側のプロットは、Hillプロットとして知られる(Kuchel&Ralston(1988)Theory and Problems of Biochemistry(McGraw−Hill、New York)を参照のこと)。Hillプロットは、傾きからのn、縦軸切片からのK、およびY=1−Yのときの点におけるEC50の推定値を与える。
結合測定から得られたデータは図3に示される。上記のように、これらのデータは、異なる濃度のβ−ガラクトシダーゼ溶液にセンサーを曝すことにより得られた。最も希薄で始まり、そして最も濃縮で終わる、β−ガラクトシダーゼ溶液の逐次的付与は、各適用で電圧の上昇を示し、PLSDにさらなる物質が結合したことを示す。各β−ガラクトシダーゼ濃度について、センサー信号は、100秒またはそれより短い内に、その濃度に対応する定常状態値に接近した。応答曲線は、速い反応時間、定常状態の到達、および低い非特異的結合により区別される。
図4は、β−ガラクトシダーゼの相対濃度の関数としてプロットされたPLSDからの定常状態出力センサー電圧の平均値を示す。この結合用量応答曲線は、代表的なシグモイド形状を有し、そして信号は、約600nMのβ−ガラクトシダーゼ濃度で飽和した。対応するHillプロットを図5に示す。Hillプロット等式から算出された結合パラメーターは以下の通りであった:Hii係数、2.1±0.1;解離定数、1.7±0.5nM;最大応答、0.65±0.19;最大結合、130±30Ng/cm
本発明の別の実施形態は、表面プラスモン共振(SPR)センサーである改良されたセンサープラットホームを提供する。SPRセンサーは、生体認識特徴付けにおける認識されたツールである(MalmborgおよびOhlin(1999)Int’l.J.of BioChromatography 4:163〜173)。PLSDを、結合エレメントとしてβ−ガラクトシダーゼに対して選択されたファージ、およびSPRセンサーを用いて構築した。このPLSDは、β−ガラクトシダーゼに対し、強力な結合を示した(図10)。このSPR技法は、液体の流れ中に対するファージのB.anthracis胞子のリアルタイム結合をモニターするために最適化され得る(例えば、実施例6を参照のこと)。
(実施例2.操作されたファージライブラリーの構築)
大(10クローン)ファージライブラリーを、縮重コード配列を、pVIIIコートタンパク質遺伝子の開始中にスプライシングすること、野生型コドン2−4を置換することにより構築した(Petrenkoら(1996)Protein Engineering 9:797〜801)。用いたこの縮重コード配列に、以下の表1で下線を引いている:
Figure 2005535870
このDNA配列において、各Nは、4つのすべてのヌクレオチド(A、G、CおよびT)の等しい頻度を表し、その一方、Kは、GおよびTの等しい頻度を表す。この改変の結果として、操作されたファージにおけるすべてのpVIIIサブユニットは、野生型pVIIIサブユニットより5アミノ酸長く、そして8アミノ酸の「ランダム」配列、またはオクタマー(上記のX)をディスプレイした。任意の単一クローンにおいて、このランダムオクタマーは、粒子毎に同じであったが、大部分のクローン毎は、異なるランダムオクタマーをディスプレイした。このオクタマーは、表面のかなりの割合を占領して、ビリオンの外側の周りに規則的に整列していると考えられる。
ランダムノナマー(9マー)を用いて別のライブラリーを構築した。このライブラリーでは、主要コートタンパク質の位置5にあるアスパラギン酸D(表1を参照のこと)がまた欠失され、そしてこの欠失領域を、ランダムノナマーで補充した。さらに、f8−αライブラリーを、10クローンを含めて構築した。このライブラリーでは、主要コートタンパク質pVIIIは、以下の表2に示されるように、pVIIIタンパク質の位置12〜13、15〜17および19に置換されたランダムアミノ酸を有していた。
Figure 2005535870
ここで、Xは、任意のアミノ酸を意味する。これらのライブラリーの創製によって示されるように、当業者は、ランダム化された異種ペプチドで種々のファージライブラリーを容易に設計および創製し得る。
(実施例3:特定のリガンドを結合するファージの選択)
PLSDを創製するために選択されたモデルリガンドは:ストレプトアビジン(細菌Streptomyces avidiniiから)、アビジン(鶏卵白から)およびβ−ガラクトシダーゼ(Escherichia coli)であった。各タンパク質を、35−mmポリスチレンのペトリ皿の表面に吸着し、そしてファージライブラリーに曝した。非結合のファージを洗い流し、そして結合ファージを酸緩衝液で溶出し、そして感染する新鮮細菌宿主細胞により増幅した。3ラウンドの選択の後、個々のファージクローンを増殖し、そして部分的に配列決定してディスプレイされた異種ペプチドのアミノ酸配列を決定した。選択されたファージをさらに酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)により特徴付け、そこでは、ファージをELISAウェルのプラスチック表面上に固定化し、そして溶液相中のリガンドと反応させた。ノイトラビジンとストレプトアビジンとを、アルカリホスファターゼで標識し、その一方β−ガラクシトダーゼは標識しなかった。データ(図6にグラフにした)は、選択されたペプチドへの各リガンドの特異的用量依存性結合を示す。阻害ELISAは、非固定化ペプチド担持ファージが、それらの個々のリガンドへの結合について固定化ファージと競合することを確証した。
選択されたファージの配列分析は、リガンドが結合し得る、ファージによってディスプレイされた異種ペプチドの「モチーフ」またはコンセンサス配列を示した。ストレプトアビジン結合モチーフVP(E/D)(G/S)AFXX(ここで60%のXはSまたはT)は、ノイトラビジン結合性モチーフVPE(F/Y)XXXX(ここで34%のXはSおよびTである)に際立って類似している。しかし、結合は、強力に種特異的であることが示された:ストレプトアビジンで選択されたファージは、ノイトラビジンを結合せず、そして逆もまた真実であった。2つの異なるグループの異種ペプチドが、コンセンサスモチーフEKTLAYXQおよび(D/E)TFA(K/R/x)XXX(ここで(K/R/x)とマークされた位置は、>50%の塩基性KおよびR残基を有する)で、β−ガラクシトダーゼ結合ファージ上でディスプレイされた。これら2つのグループからのファージは、β−ガラクシトダーゼへの結合について互いに競合し、そしてそれ故、恐らくリガンド上のすぐ隣に結合する。
(Bacillus anthracis胞子を結合するファージの選択)
Bacillus anthracisの獣医学ワクチン株改変体(「Sterne」株)を得た。胞子結合ファージをファージライブラリーから選択し、ここでは、約10億クローンの各々が、ファージの表面上に主要コートタンパク質pVIIIに融合した特有のランダムオクタマーペプチドを有していた(Petrenkoら(1996)Protein Engineering 9:797−801;Petrenkoら(2000)Protein Engineering 13:589−592)。
2つの異なるスキームの親和性選択を用いた。1番目では、胞子結合ファージを遠心分離により沈殿し、洗浄し、そして温和な酸で溶出し、そしてE.coli細胞を感染した。感染細胞を、テトラサイクリンおよびカナマイシン(B.anthracisを殺すが、ファージが感染したEscherichia coli細胞は殺さない抗生物質)を含む培地中で増殖させた。このファージのサブグループを増殖し、そして次のラウンドの選択に用いた。4ラウンドの増幅および選択の後、これらファージを溶出し、そして単離されたクローンのように増殖させた。次いで、ファージDNAを配列決定し、異種ペプチドの構造を決定した:
Figure 2005535870
選択されたファージが胞子に結合したことを確証するために、結合アッセイを実施し、そこでは、各ファージクローンの10cfu(コロニー形成単位)が、10のB.anthracis胞子と個々に混合された。ペレットを洗浄し、そして上記のように酸で溶出し、そしてファージ回収率を測定した。異なるクローンの回収率は、胞子不在で約3%の回収率のコントロールレベルに対し、20〜29%の範囲であった。しかし、選択実験に関連しないファージを用いる回収率コントロールは、4logを超えるより低い回収率のレベルを示した。これらの結果は、胞子との共沈殿によるファージ選択が胞子を結合するファージを、そしてまた遠心分離により沈殿する傾向のファージを選択したことを示す。
選択手順における結合特異性を増加するために、別のプロトコールを用いた。このプロトコールは、固定化胞子へのファージの親和性吸着に基づく。このプロトコールでは、ファージライブラリーを、マイクロタイター皿のウェル上の固定化された胞子とインキュベートした。非結合ファージを洗い流し、そして結合ファージを温和な酸で溶出し、そして細菌細胞中で増殖させた。4ラウンドの選択の後、最終のサブライブラリーからのファージを個々のクローンとして増殖させ、そして配列決定した。このプロトコールで選択された異種ペプチドを表3に提示する。これらのペプチドは、共沈殿プロトコール中で単離されたペプチドとは異なり、それらのN末端にいくつかの共通特徴を有している。
次いで、ファージ捕獲ELISAを、胞子結合候補ファージのさらなるスクリーニングのために用いた。このアッセイでは、胞子をマイクロタイター皿のウェル上に固定化し、そして選択されたファージ候補と反応した。皿の大規模な洗浄の後、結合ファージを、ビオチン化抗ファージ抗体、アルカリホスファターゼ−ストレプトアビジン結合体(APSA)およびp−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)との継続的反応を経由して定量した。発色反応の動力学は、Bio−Tekリーダーを用いて測定した。結果は、選択されたクローンの約半分が、一貫して、コントロール野生型ファージより高い信号を与えることを示した。
最も有望なファージ候補を直接ELISAによりさらに特徴付け、そこでは、ファージを、マイクロタイター皿のウェルに固定化し、そして溶液中の胞子と反応させた。ファージに結合した胞子を、抗B.anthracis胞子モノクローナル抗体、アルカリホスファターゼと結合したヤギ抗マウス抗体およびPNPPとの継続的反応で検出した。図7は、ELISAを用いて選択されたクローンの1つでの胞子の検出を示す。選択されたクローンとコントロールベクターファージf8−5の結合プロフィールにおける差異は、B.anthracis胞子とのそれらの相互作用の高い特異性を反映している。
ファージ由来プローブの選択性を調査するために、胞子/抗胞子抗体/抗マウス抗体の複合サンドイッチがビオチン化胞子によって置換されるELISAフォーマットを利用した。胞子は、EZ−Link−TMSulfo−NHS−LC−Biotin(Pierce Biotechnology、Inc.Rochford、IL)でビオチン化し、大規模に洗浄し、そしてマイクロタイター皿のウェル上に固定化されたファージプローブとインキュベートした。胞子−ファージ複合体を、ストレプトアビジンと複合体化したアルカリホスファターゼ(APSA)およびp−ニトロ−フェニルホスフェート(PNPP)との反応により検出した。結果は、図8に示される。
(実施例4:PLSDは、匹敵するELISAより高い結合定数を示す)
厚さ剪断モード(TSM)水晶音波センサー(Ivnitskiら(1999)Biosensors&Bioelectronics 14:599〜624に総説がある)を、β−ガラクシトダーゼの検出のためのPLSDのセンサー成分として選択した。ビオチン化ホスホリピドを含む単層を、ラングミュア・ブロジェット技法を用いて音波センサーの金表面上に移した。ビオチン化ファージを、分子自己アセンブリによるストレプトアビジン中間体を経由してホスホリピド層と結合し、PLSDを創製した。実験は、TM−400 Maxtek厚さモニターを5MHzで0.05Hzの周波数解像度で用いて実施した。
ELISAプレートおよびPLSDに固定化されたファージに対するβ−ガラクシトダーゼの用量依存性結合を比較する実験は、複合体の親和性が、ファージ固定化の様式および分析プラットホームのタイプ:ELISAでは30nM、およびTSM石英センサーでは0.6nMに依存することを示した(図9Aを参照のこと)。0.6nMの解離定数は、ファージディスプレイライブラリーから単離された抗体について見出されたものと良好に匹敵した(Vaughanら(1996)Nat Biotechnol.14:309〜14)。親和性における差異は、結合曲線のHill提示により示されるような、β−ガラクシトダーゼとのファージの一価(ELISA)対二価(PLSD)相互作用に起因し得る(図9B;Connors(1987)Binding Constants:The Mesurements of Molecular Complex Stability(John Wiley&Sons、New York))。ファージの結合は極めて特異的であった。なぜなら、応答が、β−ガラクシトダーゼを2.2×1012vir/mlの遊離ファージと予備インキュベートした場合、85%減少したからである。ファージのβ−ガラクシトダーゼへの結合はまた、非常に選択的であった。なぜなら、β−ガラクシトダーゼとのインキュベーション溶液中のウシ血清アルブミン(BSA)の1000倍過剰の存在がELISA中の信号を相当に変化させず、そしてPLSD信号をわずか40%低減したからである。
(実施例5:親和性選択PLSDの迅速生産)
本発明のPLSDは、例えば、標的レセプターおよび生物学的脅威因子(例えば、SmithおよびPetrenko(1997)Chemical Rev.97:391〜410を参照のこと)のような、標的リガンドを検出するために容易に産生され得る。特定の細菌種に特異的に結合するファージ(「種特異的」ファージ)は、ディスプレイされたペプチドのレパートリーをもつ、異なるファージディスプレイライブラリーから選択される(例えば、Petrenkoら(1996)Protein Engineering 9:797〜801;Kouzmitchevaら(2001)Clinical&Diagnostic Laboratory Immunology 8:150〜160を参照のこと)。初期の候補ファージプローブは、ELISAにより得られ、かつスクリーニングされ、最高の親和性および選択性をもつ最良の候補を見出す。必要であれば、増加した親和性と選択性をもつクローンを、初期候補ファージ結合体の変異誘発によるか、または新たなランドスケープライブラリーとシャフリングすることによって調製された「二次」ファージライブラリーから選択する。シャフリングは、当該技術分野で周知の技法である。例えば、MinshullおよびStemmer(1999)Current Opinion in Chemical Biology 3:284〜290;Christiansら(1999)Nature Biotechnology 17:259〜264を参照のこと。
病原性細菌の非毒性株を、ファージを選択することで用い得る。例えば、毒性の獣医学ワクチン株であるBacillus anthracis Sterneは、栄養細胞でカプセル産生に必要な遺伝子を保持するプラスミドpXO2を含まないが、病原性B.anthracis株で共通のすべての抗原性マーカーを有する。それは、マウスの特定の系統(例えば、A/Jマウス)を殺し得るが、ヒトおよび大部分の他の哺乳動物には有害ではない。ファージプローブおよびセンサーは、病原性B.anthracis Aim株に対し、適切な施設内(例えば、BSL3)で試験され得る。
(親和性選択)
固定化BAS(B.anthracis胞子)を、約1011ビリオンを含むファージライブラリーの一部分とインキュベートする(各ファージクローンの約100粒子が混合物中に存在する)。ライブラリーからの非結合ファージを洗い流し、そして結合ファージを温和な酸で溶出する。各ラウンドの選択は、ファージ集団中のBAS結合体の部分を100〜1000倍濃縮する。複数ラウンドの選択を、「入来」ファージの「結果」(すなわち、選択または溶出)ファージに対する比として算出されるファージ集団の濃縮をモニターしながら実施する。通常、親和性選択は、結合ファージの0.1〜1%の単離に至る。各ライブラリーからの選択されたファージ(総数約1000)の96のクローンを増殖させ、そしてBASへの結合をELISAにより試験する。
(BAS結合ファージのスクリーニング)
結合ファージクローンを、最初、ファージ捕獲ELISAを用いて特徴付ける。BAS(B.anthracis胞子)を、マイクロタイター皿のウェル上に吸収する。ファージクローンを、E.coli宿主細菌K91BK中で増殖させ、遠心分離による細胞の分離の後、上澄懸濁物として濃縮することなく固定化BASをカバーするために用いる。プレートを洗浄した後、ビオチン化抗ファージIgGをウェル中に充填する。最終的に、結合ファージを、洗浄ウェル中に、アルカリホスファターゼのストレプトアビジンとの結合体(APSA)を、そしてインキュベーションおよび大規模洗浄の後、発色基質AP−o−ニトロフェニルホスフェートを添加することにより同定する。プレートを、ELX405洗浄機上で洗浄し、そして光学密度の増加の動力学を、ELISAリーダーEL808(BioTek)上で測定する。
ファージ捕獲ELISAにより同定された候補ファージを、20mlの感染された細菌中で増殖させ、精製し、そして間接ELISAにおいて可能なプローブとして試験する。この逆のフォーマットでは、捕獲ファージが、ウェルに固定化され、そしてマウス抗BAS抗体が、結合種を検出するために用いられ得る。最終的に、結合種は、アルカリホスファターゼと結合体化したウサギ抗マウスIgG抗体で確認される。
ファージの選択性は、別の細菌種(例えば、Bacillus subtilis、Bacillus globigiiなど)の非ビオチン化胞子あり、またはなしの直接ELISAフォーマット中で、ビオチン化B.anthracis胞子をファージと反応することにより評価され得る。試験されたファージがBASに選択的でない場合、ELISA信号は、ビオチン化プローブと非ビオチン化プローブの競合に起因して低下する。ELISA信号が非BASプローブの存在下で変化しない場合、ファージのBASとの相互作用は選択的であると考えられる。ファージ結合体は、4リットルスケールで増殖され、精製され、そしてバイオセンサーにおけるプローブとして用いられる。
当業者は、特定のファージによる標的結合の親和性および選択性が、変異誘発および改良された性質をもつファージのスクリーニングのような、当該技術分野で慣用的な技法により増大され得ることを認識する。改良された結合性質をもつファージを得る1つの方法は、選択された初期候補を新規ランドスケープライブラリーと混合し、そして細菌E.coli細胞を同時感染し、初期リードペプチドとこの新規ライブラリーから得られたランダムペプチドの混合物でカバーしたファージのコレクションを得ることを含む。改良されたファージの選択のために、新規ライブラリーは、クロラムフェニコール耐性遺伝子を宿すファージを含む。組換えファージは、テトラサイクリンおよびクロラムフェニコールの両方の存在下で増殖する細胞から得られる。この「二次」ライブラリーは、潜在的により良好な結合性質をもつファージの豊富な供給源である。
別のアプローチでは、親和性選択されたファージは、Kunkel改変法(Kunkelら(1987);Weissら(2000)を参照のこと)を用いて広範に変異誘発され、これは、異種ペプチドのサブ部分上で実施され得る。E.coli細胞は、変異DNAの混合物で形質転換され、ペプチドの新規レパートリーをもつ新規「サブライブラリー」を得る。このサブライブラリーは、よりストリンジェントな条件下で、より良好な結合性質を有するファージの選択のために用いられる。本質的に、この「ファージ変異」プロセスは、数桁抗体の親和性を増大する効率的な抗体成熟の天然プロセスを模倣する。
ファージ結合体が、Bacillusの異なる種に共通である胞子リガンドに対して選択されることが起こり得る。B.anthracisの種特異的リガンドに対し指向されるより選択的なファージプローブを単離するために、種々のアプローチが採用され得、これには、ライブラリー枯渇およびレセプターブロッキングのようなアプローチが含まれる。ライブラリー枯渇アプローチでは、ファージライブラリーは、B.anthracisに結合するファージと交差反応し得るBacillus種の胞子に対してスクリーニングされ、そして異なるBacillus種と交差反応する「非選択的」ファージをライブラリーから分離する。交差反応性ファージの分離の後、ライブラリーの残りを、上記のように、B.anthracisに結合するファージの選択に用いる。
レセプターブロッキングアプローチでは、親和性選択されたファージを再構築してそれらのテトラサイクリン耐性遺伝子を欠失する。Tetマーカーをなくしているこれらのファージは、それらのリガンドをブロックし、そしてライブラリーが標的リガンドに曝されるとき、リガンドをブロックするためにライブラリーと混合される。改変されたファージは、感染性であるが、テトラサイクリンを含む培地中ではE.coli細胞の生育を支持することができず、その一方、ライブラリーからのクローンは、テトラサイクリン含有培地中で生育を支持し得る。この戦略を用い、その胞子上の新たな代わりのレセプターを標的とするファージクローンが選択される。選択およびブロッキング工程の改変は、胞子上の異なるレセプターを認識するプローブを単離するために用いられ得る。
(実施例6:空気中の汚染物の検出)
PLSDは、別のデバイスと構成されて、Bacillus ahthracis(「炭疽」)胞子の存在について、空気サンプルの連続的モニタリングを可能にする。PLSDは、空気またはガスサンプルを評価するために用いられ得るが、検知システムを創製するためのPLSDのその他のデバイスとの組み合わせは、検出の感度を増大し得る。
SpinCon(登録商標)空気−対−液体濃縮機(Sceptor Industries、Inc.Kansas City、Missouri;Cageら(1996)Annals of Allergy、Asthma、&Immunology 77:401〜406もまた参照のこと)は、空気から粒子物質を分離し、そして液体ストリーム中にこの粒子物質を捕獲する。このSpinCon(登録商標)の出力ストリームは、代表的には、PCRおよび細胞培養のようなアッセイで分析されるが、検知システムを創製するために、このSpinCon(登録商標)デバイスを、SpinCon(登録商標)からの流体が、PLSDの表面を横切り、そして炭疽胞子の存在について連続的にモニターするようにする。本発明のPLSDとのSpinCon(登録商標)のこの構成は、空気サンプルの連続的なリアルタイムモニタリングを提供する。
このPLSDは、炭疽胞子に結合する能力についてファージライブラリーから選択されるファージの結合エレメントを含む。これらのファージは、本明細書の他の場所に記載のような変異誘発および親和性成熟でPLSDにおける使用のために改良されている。酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)中で炭疽胞子に最良の結合を示すファージは、操作されてそれらのEsherichia coli結合ドメインをなくし、そして次にPLSDを創製するために用いられる。ファージは、小型化プラスモン表面共振または音波共振器のいずれかの表面上に固定化する。炭疽胞子の検出の特異性および選択性を、非関連胞子、タンパク質およびその他のバイオポリマーと混合した炭疽胞子を用いて評価する。
(実施例7:特製PLSDの生産)
ラングミュア・ブロジェット(LB)技法を、音波センサーへのファージの固定化の方法として用いる。LB膜は、膜厚さ、および、堆積されて、分子の感度および特異的認識性質を保存する分子アーキテクチャーの正確な制御を提供する(Pathiranaら(2000)Biosensors&Bioelectronics 15:135〜41;参考としてその全体が本明細書中に援用される、1999年12月2日に出願された、同時係属中の米国出願第09/452,968号もまた参照のこと)。
候補ファージは、改造または操作されてE.coli結合部位を取り除き、そしてインビボビオチン化部位(Beckettら、1999)を導入する。ファージを、インビボおよび/またはインビトロでビオチン化し、そしてビオチン/ストレプトアビジン結合を用いてセンサーに固定化される。インビボでビオチン化されるファージは、それらの先端がビオチン化され、その一方、インビロトでビオチン化されるファージは、粒子の本体に沿ってランダムに分布した多くのビオチン残基を有する。あるいは、ファージは、センサーの金表面上に直接堆積される。ビオチチン化、およびセンサー上のファージの密度を制御する特定の方法を選択することにより、目的のアッセイに最適な性質を有するファージアレイがアセンブルされ得る。非常に密な直線状のファージアレイ(「ベルベット型」アレイ)を含む結合エレメントは、一価結合挙動を示す傾向にあり、その一方、より密でない、非直線状のファージアレイ(「フェルト型」アレイ)は、多価結合挙動を示す傾向にある。
ファージfdtetの非感染性変異体fKN16は、E.coli培養から高収率のファージ粒子を提供することが示されている(Nelsonら(1981) Virology 108:338〜50)。このfnKN16変異は、マイナーコートタンパク質pIII中のドメインD1−D2の欠失である。ファージfKN16からの野生型または非改変ドメインD3をコードするDNAフラグメントを、利用可能な制限部位および従来のクローニング技法を用いて選択されたファージのDNA中にトランスファーする。ペプチドビオチン化基質(Beckettら(1999)Protein Science 8:921〜929)を、次いで、部位特異的変異誘発を用いて改変pIII遺伝子中に導入する。
ファージを、当該分野で公知の技法を用いてバイオセンサーの金表面上に固定化する。1つのアプローチでは、センサーを、ビオチン化LB膜、ストレプトアビジン、およびビオチン化ファージで連続的にカバーし、ファージに、変動する三次元コンフォメーションを採用させ、それ故、純粋な「フェルト型」から純粋な「ベルベット型」までの範囲のアレイを形成する。ビオチン化ファージはまた、ノイトラビジンでコートされた金センサー表面上に固定化され得る。ファージのコンフォメーションは、走査顕微鏡および原子間力顕微鏡で確認され得る(1999年12月2日に出願された同時係属中の米国出願第09/452,968号をまた参照のこと)。
音波デバイス(AWD)測定を、PM−740 Maxtekプレーティングモニターを用い、5MHzで0.05Hzの周波数解像度で実施する。石英水晶センサーの共振周波数に直接関連する電圧出力で記録し、そしてオフラインで分析する。石英水晶センサーの共振周波数における変化は、分析物のセンサー表面への結合を示す。例えば、小フローセルを備えた小型の完全一体型SPRデバイスである、SpreetaTMセンサー(Texas Instruments、Dallas、TX)のような任意の適切なセンサーを、表面プラスモン共振(SPR)測定のために用い得る。リガンドの検出の特異性および選択性が調査される;例えば、BASの結合が、非関連タンパク質と混合されたBacillusの種々の種を用いて調査される。胞子結合データは、Hillプロット分析で分析され得る(例えば、Connors(1987)Binding Constants:The Measurements of Molecular Complex Stability(John Wiley&Sons、New York)を参照のこと)。
(実施例8:リガンドの同定)
特定のファージに結合するリガンドは、LnCAP癌細胞上のファージ結合レセプターの同定について最近開発されたアプローチを用いて同定された(Romanovら(2001)Prostate 47:239〜251)。前立腺癌細胞に結合する親和性選択されたファージを、架橋剤で処理し、ファージを、低速遠心分離によりペレットされた水溶性樹脂に変換した(Smithら(1998)J.Immunol.Meth.215:151〜161)。リガンドを含むことが既知であるサンプルを、NHS非浸透ビオチン化試薬(Pierce Biotechnology、Inc.、Rockford、IL)で処理し、サンプル中のタンパク質を標識した。架橋されたファージを、ビオチン化サンプルとインキュベートし、そして次に結合した標識タンパク質とともに沈殿させた。タンパク質を温和な酸で溶出し、SDS PAGEで分離し、ニトロセルロース膜に移し、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼで標識し、そしてECL検出キット(Amersham)で検出した。このプロトコールを用い、前立腺癌細胞からの39キロダルトンタンパク質を、前立腺癌細胞結合ファージに結合するとして同定し、そして配列決定されている。このファージ結合リガンドの同定は、バイオセンサー検出の合理化のために重要であり、そしてまた保護的ワクチンまたは薬物を開発することで使用を見出す。
本明細書中で述べられたすべての刊行物および特許出願は、本発明が関係する当業者のレベルの指標である。すべての刊行物および特許出願は、本明細書中に、各刊行物または特許出願が詳細かつ個々に示されて参考として援用されるのと同じ程度まで、参考として援用される。
本発明の好ましい実施形態を例示かつ記載してきたが、種々の変更が、本発明の思想および範囲から逸脱することなくその中でなされ得ることが認識される。
図1は、ランドスケープファージの分子モデルを示し、ここで、異種オクタマーペプチド(黒)は、野生型ファージアミノ酸(灰)のバックグラウンドに対してディスプレイされている。 図2は、ファージリガンドセンサーデバイス(PLSD)の実施形態の概略図を示す。ファージ結合エレメントは、ストレプトアビジンを含む結合組成物層を経由してセンサーに結合される。示されるこの実施形態では、ビオチン化脂質を含むラングミュア・ブロジェット膜が、センサー上に堆積されている。さらに、ランドスケープファージがビオチン化されている。ストレプトアビジンの添加は、分子の自己アセンブリを生じ、それによってこのランドスケープファージがセンサーに結合される。 図3は、PLSDセンサーから得られる代表的な応答曲線を示す。この特定の例では、PLSDの結合エレメントは、β−ガラクトシダーゼへの結合によって親和性で選択されたファージから構成される(実施例1を参照のこと)。このPLSDを、次いで、PBS中の異なる濃度のβ−ガラクトシダーゼに曝した。β−ガラクトシダーゼを含まないPBSを対照として用いた。ボルトで測定されたセンサーの応答が時間の関数として示されている。各ラインは、溶液にセンサーを曝す間に、1秒に1回とられたデータ点を示す。応答(ボルト)は、水平軸上の時間(秒)の関数として左の垂直軸上に示される;右の数値は、各ラインに対応するβ−ガラクトシダーゼ濃度(ナノモル濃度)を示す。 図4は、β−ガラクトシダーゼの相対濃度(ナノモル濃度)の関数として、実施例1のPLSDからの定常状態出力センサー電圧の用量応答プロットを示す。黒四角は、定常状態出力センサー電圧の平均値を示す;棒は、標準偏差(S.D.)を表す。実験値は、(図3に例示されるような)応答曲線の定常状態レベルの各々の約200のデータ点を平均することにより得、そしてβ−ガラクトシダーゼなしのPBSに対する電圧応答の平均値に対して補正した。平滑なカーブは、実験データに対してシグモイド状で適合した(χ=0.199、R=0.99)。 図5は、ヒル(Hill)プロットを示す(実施例1を参照のこと)。センサー表面上の占領されたβ−ガラクトシダーゼ分子と遊離のβ−ガラクトシダーゼ分子との比が、β−ガラクトシダーゼ濃度(ナノモル濃度)の関数として示される。黒四角は、実験データを示し、そして直線は、等式[1]の最小二乗適合を示す。ヒル係数は2.1であり、そしてKは1.7ナノモル濃度であった。 図6は、ELISA結果を示し、ここでは、3つのモデルリガンド(アルカリホスファターゼ標識ノイトラビジンおよびストレプトアビジン、ならびに非標識β−ガラクトシダーゼ)を、固定化されたペプチドを担持するファージと直接反応させた;データは、各抗原のその選択されたペプチド(実施例3を参照のこと)への特異的用量依存性結合を示す。各結合曲線は、試験されているファージにより担持された異種ペプチドの改変されたアミノ酸配列で標識されている(V=ベクターコントロール)。ELISA信号(mOD/分)は、リガンド濃度(上の2つのパネルについてマイクログラム/ml;下のパネルについてナノモル濃度)の関数として示される。上のパネルは、リガンドノイトラビジンで単離されたファージの結果を示し;真中のパネルは、リガンドストレプトアビジンで単離されたファージの結果を示し;そして下のパネルは、リガンドβ−ガラクトシダーゼで単離されたファージの結果を示す。 図7は、選択されたファージクローンの1つ(実施例3を参照のこと)を用いた胞子の検出の直接ELISA結果を示す。ELISA信号(mOD/分)は、B.anthracis胞子濃度(粒子/ml)の関数として示される。選択されたファージクローン(黒菱形)およびコントロールベクターファージf8−5(白三角)の結合プロフィールの差異は、相互作用の高い特異性を示す。 図8は、選択されたファージ(実施例3を参照のこと)を評価するための異なるELISAフォーマットの結果を示す。ELISA信号(mOD/分)は、ビオチン化胞子濃度(粒子/ml)の関数として示される。図7に示される実験について観察されるように、選択されたファージクローン(黒菱形)およびコントロールベクターファージf8−5(白三角)の結合プロフィールの差異は、相互作用の高い特異性を示す。 図9は、ELISAプレートに固定化され、そしてTSM水晶センサーとのPLSDの結合エレメントとしてのファージへのβ−ガラクトシダーゼの用量依存性結合を比較する実験の結果を示す。図9Aでは、相対ELISA信号は、β−ガラクトシダーゼ濃度(ナノモル濃度)の関数として示される。結果は、ファージ−リガンド複合体の親和性が、ファージ固定化の様式および分析プラットホームのタイプに依存することを示した:ELISAについて30nM(丸)およびPLSDについて0.6nM(四角)。図9Bは、結合曲線のヒル表現を示す(Y/1−Yは、β−ガラクトシダーゼ濃度(ナノモル濃度)の関数として示される)。ファージバイオセンサーへのリガンドの観察された結合価(四角)は2.14であり、その一方、ELISAフォーマットについて(丸)観察された結合価は1.02であった。親和性における差異(図9A)は、β−ガラクトシダーゼリガンドとのファージの一価相互作用(ELISA) 対 二価相互作用(PLSD)に起因し得る。 図10は、結合エレメントとしてのβ−ガラクトシダーゼおよびSPRセンサーに対する選択されたファージを用いてアセンブルされたPLSDからの出力を示す(実施例1を参照のこと)。このPLSDは、β−ガラクトシダーゼへの強力な結合を示した。屈折率が、時間(秒)の関数としてグラフにされている。矢印は、β−ガラクトシダーゼにセンサーを曝したことを示す。

Claims (17)

  1. a)圧電性物質の結晶を含むセンサー;および
    b)操作されたファージを含む結合エレメント
    を備える、ファージリガンドセンサーデバイスであって、ここで、該結合エレメントが、リガンドに結合し得る、ファージリガンドセンサーデバイス。
  2. 前記ファージが、異種ペプチドを発現するために操作されている、請求項1に記載のファージリガンドセンサーデバイス。
  3. 前記結合エレメントが、ビオチン化脂質の層により前記センサーに結合される、請求項1に記載のファージリガンドセンサーデバイス。
  4. 前記異種ペプチドが、ネイティブなβ−ガラクトシダーゼアミノ酸配列の一部分であるアミノ酸配列を含む、請求項2に記載のファージリガンドセンサーデバイス。
  5. 異種ペプチドのリガンドを分析する方法であって:
    a)ファージリガンドセンサーデバイスをアセンブルする工程;
    b)該デバイスをサンプルに曝す工程;および
    c)該デバイスからの信号出力を測定する工程を包含し、
    ここで、該リガンドの該異種ペプチドへの結合が、該センサーからの信号出力における変化によって検出され得る、方法。
  6. 前記リガンドの前記異種ペプチドへの結合が検出され、そして、ここで、該異種ペプチドに結合している該リガンドの量が定量的に評価される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記サンプルが、液体形態にある、請求項6に記載の方法。
  8. 前記異種ペプチドが前記リガンドに結合することは既知であり、そして該リカンドが微生物である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記リガンドが:
    a)ウイルス;
    b)細菌;
    c)真菌;および
    d)原生動物
    からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記リガンドが、Bacillus anthracis細菌または胞子である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記リガンドが、痘瘡ウイルスである、請求項9に記載の方法。
  12. 前記リガンドが、トキシンである、請求項5に記載の方法。
  13. 前記トキシンが:
    a)Clostridium botulinumトキシン;
    b)Clostridium perfringensトキシン;
    c)StaphylococcalエンテロトキシンB;
    d)アフラトキシン;および
    e)リシン
    からなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記サンプルが、空気サンプルである、請求項5に記載の方法。
  15. ペプチドに対する1つ以上のリガンドの親和性を評価する方法であって:
    a)該ペプチドを同定する工程;
    b)該ペプチドの一部分が異種ペプチドとしてファージによって発現されるように該ファージを操作する工程;
    c)該ファージをセンサーに結合するように調製する工程;
    d)該センサーを該ファージに結合するように調製する工程;
    e)該ファージを該センサーに結合する工程;
    f)該センサーからの第1の信号出力を測定する工程;
    g)該センサーを1つ以上のリガンドに曝す工程;および
    h)該センサーからの第2の信号出力を測定し、そして該第2の信号出力を該第1の信号出力と比較する工程
    を包含する、方法。
  16. 前記センサーをファージに結合するように調製する工程が、前記センサー上にラングミュア・ブロジェット膜を堆積することを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記センサーをファージに結合するように調製する工程が、該ファージが前記センサーの表面に直接結合するように、該センサーの表面を掃除することを含む、請求項15に記載の方法。
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