JP2005534008A - 電気化学的事象の光子信号報告 - Google Patents
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Abstract
本発明の一実施形態によれば、試料の存在又は量を検出する方法は、試料を含有する第1電解質溶液をバイポーラ電極の第1領域に付随させるステップと、電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を、バイポーラ電極の第2電極領域に付随させるステップと、第1電解質溶液を第2電解質溶液からイオン的に隔離するステップと、第1及び第2電解質溶液間に電位差を発生させるステップと、電気化学発光系から放出される光を検出することによって、バイポーラ電極の第1領域における試料の存在又は量を示すステップとを含む。
Description
本発明は、一般的には、電気化学の分野に関し、更に特定すれば、電気化学的事象の光子信号報告(photonic signal reporting)に関する。
レドックス分子とは、適宜の電位バイアスを印加すると、電極によって還元又は酸化することができる分子のことである。レドックス分子の還元又は酸化を、レドックス反応と呼ぶ。レドックス反応は、バッテリ、燃料セル、医療診断、及び膜生成のような多くの用途において生じ、これら以外にもあげることができる。レドックス分子は、多くの有用な目的に供することができる。例えば、レドックス分子をラベリング(標識)として用いることができ、この場合、レドックス分子を対象の試(analyte)に取り付け、レドックス反応によるレドックス分子の検出が、それを取り付けた試料の存在を示す。場合によっては、対象の試料が本質的にレドックス活性(redox-active)であることもある。このラベリング手法、又は本質的特性は、医療診断業界において用いられ、とりわけ、電気化学的検出によってDNA、蛋白質、抗体、抗原、及びその他の物質の検出する。
クロマトグラフ検出器においてときどき用いられる形式の従来の電気化学センサでは、作用電極(working electrode)の電位を、基準電極のそれに関して制御し、作用電極と不活性対電極(inert counter electrode)との間を流れるファラディ電流を測定する。この種の手法では、システムの情報内容全体が、作用電極における反応によって得られる。
電気化学的検出に対する別の手法では、電極を用いてレドックス反応を誘起し、その結果電気化学発光(ECL:electrochemiluminescence)による発光が生ずる。Aurora及びManzは、PCT出願WO00/0323号において、電気化学発光セルとして用いることができる、浮遊反応電極を内蔵した装置について報告している。Massey et al.は、米国特許第6,316,607号において、このようなラベル(標識)の検出のための従来のECLラベル及び方式を開示しているが、この場合もこの方法の利用は、情報内容全体を与える1つの電極を拠り所としている。De Rooij et al.は、米国特許第6,509,195号において、生体物質(biological substance)を分析するための電気化学発光検出器を開示しており、ここでも、その方法は、マーカ及びECL放出体として機能するラベルを採用している。
ECLに基づく検出方法は、一般に感度が高いという点において、従来の電流測定又は電位測定検出方法に対する改善である。更に感度を高めるには、超好感度光子検出器が入手できるか否か、そして光信号への変換によるレドックス信号内に生ずるノイズの一部を除去することにかかっている。現在のやり方を改善する手段は、実施する方法によって自ずと制限される。例えば、レドックス・ラベル及びECL放出部は、一般に同一であり、したがって、各プロセス、レドックス検知及び発光を独立して最適化することはできない。
本発明の一実施形態によれば、試料の存在又は量を検出する方法は、試料を含有する第1電解質溶液を、バイポーラ電極の第1領域に付随させるステップと、電気化学発光系を含有する第2電解質溶液をバイポーラ電極の第2領域に付随させるステップと、第1電解質溶液を第2電解質溶液からイオン的に隔離するステップと、第1及び第2電解質溶液間に電位差を発生させるステップと、電気化学発光系から放出される光を検出することによって、バイポーラ電極の第1領域における試料の存在又は量を示すステップとを含む。
本発明の別の実施形態によれば、多数の試料の存在又は量を検出する方法は、複数の試料を含有する第1電解質溶液を、各々、試料特定結合試薬を伴う、複数のバイポーラ電極の第1領域に付随させるステップと、電気化学発光系を含有する第2電解質溶液をバイポーラ電極の第2領域に付随させるステップと、第1及び第2電解質溶液をイオン的に隔離するステップと、第1及び第2電解質溶液間に電位差を発生させるステップと、バイポーラ電極のそれぞれの第2領域に付随する電気化学発光系から放出される光を検出することによって、バイポーラ電極のそれぞれの第1領域における多数の試料の各々の存在又は量を示すステップとを含む。
本発明の別の実施形態によれば、試料の存在又は量を検出する方法は、試料を含有する第1電解質溶液を、第1電極及び第2電極を備えた第1コンテナに付随させるステップと、発光源を第3電極及び第4電極を備えた第2コンテナに付随させるステップと、第1及び第3電極を電子的に結合するステップと、第2及び第4電極間に電位差を発生させるステップと、第2コンテナにおいて発光源から放出される光を検出することによって、第1コンテナにおける試料の存在又は量を示すステップとを含む。
本発明の別の実施形態によれば、多数の試料の存在又は量を検出する方法は、多数の試料を含有する第1電解質溶液を、複数の第1電極を備え、その各々に試料特定結合試薬を付随させた第1コンテナに付随させるステップと、複数の発光源を、複数の第3電極及び1つの第4電極を備えた第2コンテナに付随させるステップと、複数の第1及び第3電極を電子的に結合するステップと、第2及び第4電極間に電位差を発生させるステップと、複数の第3電極それぞれに付随する複数の発光源によって放出される光を検出することによって、第1コンテナにおける多数の試料の各々の存在又は量を示すステップとを含む。
本発明の実施形態では、多数の技術的利点が得られる。本発明の実施形態は、これらの利点の全て又は一部を含むか、又はいずれも含まない。本発明の一実施形態によれば、電気化学的事象を検出し、これらを光学的に報告する方法を提供する。陽極及び陰極プロセスが化学的に切断されているので、ターゲット試料が直接ECL反応シーケンスに関与する必要はない。これによって、高感度ECLプロセスを用いて検出可能な試料数が大幅に増加する。陽極及び陰極反応は電子的に結合され、したがって、ECL強度を試料の濃度に相関付け、これによって、それを定量化することが可能となる。
本発明の別の実施形態によれば、陽極及び陰極の形状を互いに対して変化させることによって、検出の限界を低下させることができることが示されている。
このセンサの検知及び報告機能の化学反応を遮断することに加えて、システムが外部の電気的接触を有さないバイポーラ電極を用いて動作することができることは、本発明の一部の実施形態では有利である。複数のこのようなバイポーラ電極をデバイス内に配列し、同じ電解によりこれらを全てアクティブにすることができる。この巧みな方法により、5、50又は50、000もの異なる試料の同時分析のためというように、多重化分析用のシステム設計が簡略化される。別の実施形態によれば、異なる長さのバイポーラ電極を用いることによって、半反応(half reaction)が異なる正式電位(formal potential)を有するターゲットを検出する電極アレイを作成することができる。このようなデバイスは、ECLの強度、又は照明される電極の長さのいずれかを測定することによって動作可能である。
このセンサの検知及び報告機能の化学反応を遮断することに加えて、システムが外部の電気的接触を有さないバイポーラ電極を用いて動作することができることは、本発明の一部の実施形態では有利である。複数のこのようなバイポーラ電極をデバイス内に配列し、同じ電解によりこれらを全てアクティブにすることができる。この巧みな方法により、5、50又は50、000もの異なる試料の同時分析のためというように、多重化分析用のシステム設計が簡略化される。別の実施形態によれば、異なる長さのバイポーラ電極を用いることによって、半反応(half reaction)が異なる正式電位(formal potential)を有するターゲットを検出する電極アレイを作成することができる。このようなデバイスは、ECLの強度、又は照明される電極の長さのいずれかを測定することによって動作可能である。
本発明のいずれの実施形態においても、このようなデバイスは、電極間に必要な電位バイアスを供給する小型バッテリと、ECL系によって放出される光を測定するフォトダイオードによって、微小化することができる。
その他の技術的利点は、当業者によって確認することができるであろう。
その他の技術的利点は、当業者によって確認することができるであろう。
これより、添付図面に関連付けて以下の説明を行う。図面においては、同様の参照番号は同様の部分を表すものとする。
図1は、本発明の一実施形態による、電気化学的検出及び電子発生化学発光(「ECL」)報告を拠り所とする、マイクロフルイディックを用いた検知システム100の模式的な正面図である。一般に、システム100は、ターゲット試料102の存在を検出するために利用され、その際、ターゲット試料102にレドックス試薬118でラベリング(標識)を行い、第1電極領域124における電気化学反応を検知し、第2電極領域122と関連するECL系120によって、電気化学反応の検知を光学的に報告する。
図1は、本発明の一実施形態による、電気化学的検出及び電子発生化学発光(「ECL」)報告を拠り所とする、マイクロフルイディックを用いた検知システム100の模式的な正面図である。一般に、システム100は、ターゲット試料102の存在を検出するために利用され、その際、ターゲット試料102にレドックス試薬118でラベリング(標識)を行い、第1電極領域124における電気化学反応を検知し、第2電極領域122と関連するECL系120によって、電気化学反応の検知を光学的に報告する。
本発明の一実施形態の教示によれば、ECL系120に伴う報告反応(参照番号101で示す)は、レドックス試薬118によって容易となる電気化学検知反応(参照番号103で示す)から遮断される。この切断については、以下で更に詳しく説明する。システム100は電荷の平衡を必要とするので、本発明の教示は、検知反応103及び報告反応101は電子的に結合されていることを認識する。このようにして、高感度ECL系120を用いて検出することができるターゲットの試料102の数を大幅に増加させる。加えて、電子的結合のために、ECL系120によって放出される光121の強度を、ターゲットの試料102の濃度に相関付け、これによって定量化することが可能となる。システム100は、例えば、図1A、図1B、図1C、及び図1Dに示すように、ワイヤレス・モードで実現することもでき、あるいは、例えば、図2及び図3に関連付けて以下で説明するように、有線モードで実現することもできる。他の実施態様も本発明の教示によって想起され、これらは例示の目的で与えるに過ぎない。
図1A及び図1Bに示すように、システム100は、バイポーラ電極106と電解質溶液108とを収容する検査コンテナ104を含む。また、システム100は、電圧源110と、検出器114も含む。
検査コンテナ104は、バイポーラ電極106及び電解質溶液108を収容するように構成された適宜のコンテナであれば任意のものでよい。コンテナ104は、適宜のサイズであれば任意のものでよく、任意の適宜の製造方法を用いて、任意の適宜の材料で形成すればよい。コンテナは、チャネル、微小チャネル、チャンバ、ウェル、管、毛管等の形態を取ることができ、その各々は、任意の適宜の寸法であればよい。例えば、コンテナ104の長さ、幅、及び深さは、0.1ミクロンから数センチメートル以上の間のいずれでもよい。加えて、コンテナ104は、ポリマ、エラストマ、プラスチック、セラミック、ガラス、クオーツ、シリコン、及び接合複合体のような任意の適宜の材料で形成することができる。図1A及び図1Bには1つのコンテナ104のみを示すが、システム100は、多数のコンテナ104を含むこともできる。更に、図1C及び図1Dに示すように、各々は、1つ以上のバイポーラ電極106を収容することができる。
検査コンテナ104は、バイポーラ電極106及び電解質溶液108を収容するように構成された適宜のコンテナであれば任意のものでよい。コンテナ104は、適宜のサイズであれば任意のものでよく、任意の適宜の製造方法を用いて、任意の適宜の材料で形成すればよい。コンテナは、チャネル、微小チャネル、チャンバ、ウェル、管、毛管等の形態を取ることができ、その各々は、任意の適宜の寸法であればよい。例えば、コンテナ104の長さ、幅、及び深さは、0.1ミクロンから数センチメートル以上の間のいずれでもよい。加えて、コンテナ104は、ポリマ、エラストマ、プラスチック、セラミック、ガラス、クオーツ、シリコン、及び接合複合体のような任意の適宜の材料で形成することができる。図1A及び図1Bには1つのコンテナ104のみを示すが、システム100は、多数のコンテナ104を含むこともできる。更に、図1C及び図1Dに示すように、各々は、1つ以上のバイポーラ電極106を収容することができる。
バイポーラ電極106は、炭素、導電性インキ、導電性ポリマ、あらゆる適宜の金属、導電性酸化物、及び半導体材料のような、適宜の任意の材料で形成され、適したサイズを有するいずれかの電極である。バイポーラ電極106は、半導体業界において用いられている従来のリソグラフ法、蒸着、電子ビーム蒸着、スクリーン・プリント、電着又は無電解メッキ、及び塗装のような、任意の適宜の方法を用いて形成することができる。また、バイポーラ電極106は、予め形成しておき、次いでコンテナ104内に配置することもできる。バイポーラ電極106は、第1電極領域124と、第2電極領域122とを含む。図示の実施形態では、第1電極領域124は陰極として作用し、第2電極領域122は陽極として作用する。しかしながら、他の実施形態では、第1電極領域124は陽極として作用し、第2電極領域は陰極として作用する。バイポーラ電極106は、電極の各端部における面積が異なっていてもよく、したがって、電極の幅を変えることによって、第1電極領域124は、第2電極領域122よりも小さくしても、又は大きくしてもよい。例えば、バイポーラ電極106は、「T」字の形状を有することもできる。これによって、各端部における相対的電流密度の制御を行うことができ、したがって、小さい方のエリアに信号を集中させることによって、そしてレドックス試薬118による反応のために大きい方の電極エリアを割り当て、図1にしたがって、広い第1電極領域124と狭い第2電極領域122とを有することによって、ECL光信号を増大するために用いることができる。
電解質溶液108は、水、有機溶剤、水溶性/有機溶剤の溶液、イオン導電性ポリマ、溶融塩、液体アンモニア、液体二酸化硫黄、及びあらゆる適宜の超臨界流体に溶解した任意の適宜の電解質塩で構成することができる。電解質溶液108をコンテナ104内に導入するには、適宜の方法であればそのいずれを用いてもよい。一実施形態では、電解質溶液108は、レドックス試薬118でラベルを付けたターゲット試料102と、ECL系120の双方を含有する。
ターゲット試料102は、システム100によって分析することが望ましい適宜の分子(複数の分子)であればいずれでもよい。例えば、ターゲット試料102は、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、蛋白質、ペプチド、酵素、抗体、抗原、糖、(オリゴ)糖類、リピド(lipid)、ステロイド、ホルモン、試薬、プロセス中間体、反応生成物、副産物、プロセス・ストリーム成分(process stream components)、汚染物、又はその他の適宜の種とすることができる。ターゲット試料102は、電気活性でもよく、その場合、本来レドックス試薬118を含有する。あるいはターゲット試料102は、非電気活性でもよく、その場合、レドックス試薬118によるラベリングが必要となる。レドックス試薬118によるターゲット試料102のラベリングは、適宜のラベリング方法であればいずれでもよく、直接又は間接標識付け、共有ラベリング、非共有ラベリング、静電ラベリング、現場ラベリング、酵素反応による変換、及び化学反応による変換等がある。多数の試料を1回の測定において検出すべき場合には、異なるレドックス・ラベルを用いることができる。
レドックス試薬118は、いずれかの適宜のレドックス活性分子(複数の分子)である。レドックス活性分子とは、容易に酸化又は還元することができる分子のことである。レドックス分子の一例に、ベンジル・ビオロゲン(BV2+)があり、これは、2回の連続する一電子事象(one electron event)において2つのの電子によって容易に還元される。他の例には、フェロセン、キノン、フェノチアジン、ピロール、遷移金属錯体、金属粒子、多数のレドックス分子をホスト(host)することができるポリスチレン球体のようなその他の粒子等が含まれる。1つよりも多いレドックス同等物(即ち、電子)を1回のレドックス反応において交換可能なレドックス・ラベルは、本発明において信号を増幅するように機能する。レドックス試薬118の機能については、以下で更に詳しく説明する。しかしながら、一般に、ターゲット試料118に伴うレドックス試薬118が第1電極領域124の近傍内を通過すると、レドックス反応が発生して、第2電極領域122においてECL系120の対応するレドックス反応を引き起こし、これによって発光121が検出器114によって検出される。
ECL系120は、適宜の電気化学発光系であればいずれでもよい。ECL系とは、レドックス事象によって冷光を発する(発光する)ように誘導することができる化合物又は化合物の結合体である。ECL系の一例は、トリアルキルアミンと結合したルテニウム又はオスミウム・キレートである。本発明の特定的な実施形態では、ECL系120は、ルテニウム・トリビピリジル化合物(「Ru(bpy)3 2+」)及びトリプロピルアミン(「TPA])を含む。ECL系の機能については、以下で更に詳しく説明するが、レドックス反応のような電気化学的反応に応答して、光121を発生することである。光121は検出器114によって検出される。したがって、透光性ウィンドウ112をコンテナ104に付随させ、ECL系120から発光した光121が検出器114によって検出できるようにするとよい。ウィンドウ112は、いずれの適宜のサイズでもよく、いずれかの適宜の材料及び方法を用いてコンテナ104内に形成すればよい。検査コンテナ自体は、ガラス又は適切な熱可塑性樹脂のような、光学的に透明な材料で作成し、光121が検出器114によって検出できるようにするとよい。検査コンテナは、ウェル又はその他のそのような形態でもよく、その場合、コンテナは外部への開口を有し、これを介して光信号が検出器に直接到達するようにするとよい。
検出器114は、ECL系120から放出される光121を検出するように動作する適宜の検出器であればいずれでもよい。例えば、検出器114は、視覚観察(visual observation)、光電子倍増管、CCDアレイのような電荷結合デバイス、CMOSアレイ、フォトダイオード、及びカメラを含むことができる。検出器114は、ウィンドウ112に隣接して配置され、光121を検出する。
電圧源110は、コンテナ104の長さにわたって適宜の電圧を印加することにより、電解質溶液108に電界を導入するように動作可能な適宜のデバイスであればいずれでもよい。電極の長さにわたって電解質溶液内に発生する電界を、図1A〜図1DではΔEfieldとして示す。第1電極領域124及び第2電極領域122に存在する電解質溶液108の電位差が臨界値に達すると、バイポーラ電極106の両端において、ファラディ・プロセスが発生する。臨界電位(Ecrit)は、電解質溶液108内に存在するレドックス試薬118の濃度、温度、2つの半分の反応に対する異質電子移動率定数(heterogeneous electron-transfer rate constant)の大きさ、質量輸送率(mass transport rate)、接合電位等のような多くの要因によって決まる。しかしながら、通常、Ecritは、第1電極領域124及び第2電極領域122において発生するレドックス・プロセスの正式(formal)電位の差にほぼ等しい。
電圧源110は、コンテナ104の長さにわたって適宜の電圧を印加することにより、電解質溶液108に電界を導入するように動作可能な適宜のデバイスであればいずれでもよい。電極の長さにわたって電解質溶液内に発生する電界を、図1A〜図1DではΔEfieldとして示す。第1電極領域124及び第2電極領域122に存在する電解質溶液108の電位差が臨界値に達すると、バイポーラ電極106の両端において、ファラディ・プロセスが発生する。臨界電位(Ecrit)は、電解質溶液108内に存在するレドックス試薬118の濃度、温度、2つの半分の反応に対する異質電子移動率定数(heterogeneous electron-transfer rate constant)の大きさ、質量輸送率(mass transport rate)、接合電位等のような多くの要因によって決まる。しかしながら、通常、Ecritは、第1電極領域124及び第2電極領域122において発生するレドックス・プロセスの正式(formal)電位の差にほぼ等しい。
バイポーラ電極106の長さに沿った電解質溶液108の電位差(ΔEelec)がEcritよりも小さい場合、バイポーラ電極106を方位するコンテナ104内の電流は、電解質溶液108内のイオンによって搬送される。しかしながら、バイポーラ電極106の二端(即ち、第1電極領域124及び第2電極領域122)においてファラディ・プロセスが発生するためには、そして電流がバイポーラ電極106内の電子によって搬送されるためには、電位差ΔEelecがEcritを超過する場合の方がエネルギ的に一層好ましい。このように、レドックス反応がレドックス試薬118に対して発生すると、相関のあるレドックス反応がECL系120において発生し、光121の放出が検出される。
本発明の一実施形態では、イオン浸透性バリア116がコンテナ104内に存在し、これによって、分離したサンプル区画室を設けている。バリア116は、検知反応103に伴うレドックス試薬(即ち、試料)を、報告反応101に伴うECL系から分離するように機能しつつも、イオン結合を可能にする。液体−液体接合、塩ブリッジ、イオン透過膜、及びイオン浸透性ゾル・ゲル・バリアのような、いずれかの適宜のイオン浸透性バリアを利用することができる。また、バリア116は、別個の区画室を接続する狭い開口でもよい。開口は1つの寸法がコンテナと同じサイズでもよいが、少なくとも1つの寸法は、開口がコンテナにおける対応する寸法よりも小さい。狭い開口によって、検知反応103と報告反応101の実質的な混合を防止する。バリア116を利用する実施形態では、塩、バッファ、及び検知反応103に伴う電解質溶液108からなる溶剤は、塩、バッファ、及び報告反応101に伴う電解質溶液からなる溶液と同一であってもよく、又は異なってもよい。
図1Cは、システム100を示す模式平面図であり、可変長のバイポーラ電極を利用している。図1Cに示す実施形態は、長さが異なる電極106a、106b及び106cを含む。電極106a、106b及び106cを横切って電解質溶液108中に発生する電界の大きさは、大まかに個々の電極の長さに比例する。したがって、異なる長さの各電極から、差ΔEelecが得られる。図示の実施形態では、異なるレドックス電位を有する異なるレドックス・ラベルを、異なるバイポーラ電極106a、106b及び106cからの発光の相対的強度にしたがって、混合物の中で区別することができる。例えば、あるレドックス・ラベル118は、最も長い電極、即ち、電極106cのΔEelecだけ少ないEcritによって特徴付けることができる。この実施形態では、ECL系120を活性化し、電極106cの第2電極領域122cから光を放出し、電極106aや106bにおいては光を放出しない。しかしながら、異なる試料にラベルを付けるために用いられる第2レドックス・ラベル118は、長い方の2つの電極、即ち、電極106b及び106cのΔEelecだけ少ないEcritによって特徴付けることができる。この実施形態では、ECL系120を活性化し、電極106b及び106cの第2電極領域122b及び122cにおいてそれぞれ光を放出するが、電極106aにおいては光を放出しない。多数のレドックス・ラベル間で区別するために電極の長さを調節し、多数の電極からの放出光のパターンを用いて混合物内における試料の存在を判定する実施形態も考えられる。
図1Dは、システム100を示す模式平面図であり、バイポーラ電極106a、106b、106c及び106dのアレイを利用している。図1Dの「アレイ」の実施形態は、多数の電極を利用しているという事実を除いて、図1A及び図1Bに示した実施形態と同様に動作する。
この電極のアレイは、同一サンプル内における多数のターゲット試料の検出のために利用することができる。この実施形態では、各バイポーラ電極の一領域を、認識素子の当該領域に対する連携によって、試料特定としている。認識素子は、対象となる多数の試料の内1つに選択的に応答し、選択的に結合する。この認識素子は、イオン選択膜、又はDNA、RNA、PNAのような、選択的に別のものを結合する任意の適宜の分子、ならびにその他の核酸類似物、抗体、抗原、受容体、配位体等とすればよく、このような認識素子の組み合わせを含む。信号の局在化発生については、図5Aに関連して以下で論ずる。
この電極のアレイは、同一サンプル内における多数のターゲット試料の検出のために利用することができる。この実施形態では、各バイポーラ電極の一領域を、認識素子の当該領域に対する連携によって、試料特定としている。認識素子は、対象となる多数の試料の内1つに選択的に応答し、選択的に結合する。この認識素子は、イオン選択膜、又はDNA、RNA、PNAのような、選択的に別のものを結合する任意の適宜の分子、ならびにその他の核酸類似物、抗体、抗原、受容体、配位体等とすればよく、このような認識素子の組み合わせを含む。信号の局在化発生については、図5Aに関連して以下で論ずる。
コンテナ104が、バイポーラ電極106、ウィンドウ112、及びバリア116と共に既に作成されていると仮定して、図1A及び図1Bに示すワイヤレスの実施形態を以下に簡単に説明する。最初にターゲット試料102にレドックス試薬118でラベル付けし、電解質溶液108と混合する。加えて、ECL系120を電解質溶液108と混合する。前述のように、ターゲット試料102に用いる電解質溶液108及び付随させるレドックス試薬118、ならびにECL系120に用いる電解質溶液108は、同一種類であってもなくてもよい。ターゲット試料102及び付随させるレドックス試薬118を含有する電解質溶液108を、コンテナ104の区画室105bに導入し、ECL系120を含有する電解質溶液108を、コンテナ104の区画室105aに導入する。次いで、検出器114をウィンドウ112に隣接して適切に配置する。
次いで、電圧源110により、電界をコンテナ104の長さにわたって発生させる。これによって、第1電極領域124と第2電極領域122との間で電解質溶液108に電位差が生じ、化学バリア116を介して区画室105aと105bとの間にイオン流が生ずる。電位差EelecがEcritを超過すると、前述のように、バイポーラ電極106において第2電極領域122から第1電極領域124に電流が流れ始める。任意にレドックス試薬118でラベリングしたターゲット試料102が拡散又は混合対流によって第1電極領域124の近傍内を通過すると、レドックス反応が発生する。したがって、第1電極領域124が陰極として作用すると、レドックス試薬は還元し、第1電極領域が陽極として作用すると、酸化する。第1電極領域124が陰極として作用すると仮定すると、レドックス試薬118はバイポーラ電極106から電子を受け入れ、システム100は電荷の平衡を必要とするので、ECL系120は電子をバイポーラ電極106に与える。ECL系120のこのレドックス反応によって、ウィンドウ112を通じて光121が放出される。すると、検出器114が光121を検出する。これは、ターゲット試料102が検出されたことを通知する。光121の強度は、第1電極領域124付近で検出されるレドックス分子の数と関係があるので、ターゲット試料の量の判定が可能となる。
報告反応101の検知反応103からの遮断によって、本発明において多数の技術的利点が得られる。このような技術的利点の1つは、システム100が検知及び報告プロセスに別個の反応を用いることである。従来のシステムは、「作用(ワーキング)」電極において生ずる反応に重点を置き、「対抗(カウンタ)」電極における活動を無視していた。その結果、単一の反応が、検知及び報告機能双方を同時に与えなければならなかった。対照的に、本発明の一実施形態によれば、他方の電極領域(即ち、作用電極)において電気化学的検知反応が行われている間、一方の電極領域(即ち、対電極)において発生するECL系によって放出される光に重点を置く。これによって、試料検出の制御品質向上が可能となり、更に検知反応においては、ECLレドックス分子をターゲット試料のラベルとして用いる、即ち、ラベル及び報告体(reporter)双方として機能するため、ECL反応を用いることに伴う問題を低減及び/又は解消することができる。
また、従来のシステムでは、検知及び報告プロセス双方を単一のサンプル区画室で行う必要があった。対照的に、本発明の一部の実施形態の教示では、検知及び報告プロセスの分離を可能とするため、各レドックス・プロセスの溶剤、電解質濃度、組成、及びその他の成分に対して独立した最適化ができ、適切なpH、イオン強度、及び検知反応に必要と考えられるその他の溶剤条件を維持しつつ、ECL系による発光の効率を最大限高めることができる。検知及び報告反応を別個の区画室内の別個の電極において行う本発明の実施形態については、図2及び図3と関連付けて以下で説明する。
図2は、2つの電極200a、200bを利用するシステム1010の有線の実施形態を示す模式平面図である。電極200a及び200bは、いずれかの適宜のサイズ及び任意の適宜の形状とすることができ、バイポーラ電極106について記載したように、任意の適宜の材料で形成することができる。電極200a及び200bは、図2に示すように、同様の形状及び面積とすることができ、あるいは電極面積を異ならすことにより、先に論じたように、システムが発生するECL信号を強化することもできる。一方の電極の面積は、他方の電極の2倍、10倍、100倍、更に1000倍にまでも大きくすることもできる。電極の形状は、用途にしたがって、製造用装置、封止、サイズ要件、感度等の必要性に応じて、変化させることができる。図2に示す実施形態は、バイポーラ電極106を電極200a及び200bと交換したという事実を除いて、図1Aに示す実施形態と同様である。加えて、電極200a及び200bは、電子的に電圧源202を介して互いに結合されている。電圧源202は、バッテリ、又は電極200aと200bとの間に電位差を印加するように動作可能なその他の適宜の電圧源でもよい。図2に示すように、電極200aは陽極として作用し、電極200bは陰極として作用する。しかしながら、レドックス試薬118及びECL系120に用いるレドックス分子の種類によっては、電極200aが陰極として作用してもよく、電極200bが陽極として作用してもよい。
図1A〜図1Dに示した実施形態と同様、検知反応103は電極領域の1つに随伴し、一方報告反応101は電極領域の別の1つに随伴する。しかしながら、図2に示す実施形態では、電極領域は、2つの隣接する区画室206a及び206b内に配置された別個の電極である。区画室間にある狭い開口208によって、2つの区画室をイオン的に結合させ、電荷平衡の保存を可能にする。開口208のサイズは、区画室間でイオン連通を有する必要性と、各区画室の溶液を実質的に分離して維持する必要性とを勘案して決める。狭い開口が好ましい場合、開口208は、コンテナの幾何学的形状の少なくとも1つの寸法に対して小さくすることができる。例えば、開口208は、いずれの側の区画室とでも同じ高さとすることができるが、開口208の幅は、接続されている区画室の幅未満とすればよい。代替実施形態(図示せず)では、区画室206aと206bとの間にイオン浸透性バリアがあってもよく、ワイヤレスの実施形態における化学的バリア116と同様に機能する。
本発明の別の実施形態では、コンテナ及び区画室間のバリアを通過するサンプル流が、電極の上流に存在し、区画室間の開口が電極の下流に存在する。2つ以上のサンプル・ストリームが電極を通過して流れる別の実施形態では、区画室間のバリアは、電極の上流に存在し、電極を通過する2つ以上のストリームが融合する。更に別の実施形態では、電極の上流側にも下流側にも、ストリームの間に物理的なバリアは存在せず、ストリームは、別個の入口から、主チャネル内に層流状態で融合することにより、バルク分離(bulk separation)を維持する。
本発明の別の実施形態では、報告反応101のための単一区画室に多数の検知反応区画室を随伴させた構成を含む、電極及び区画室のその他の構成も考えられる。図2に示す実施形態の動作は、先に図1A〜図1Dに示した実施形態の動作と同様である。動作上の相違の1つは、電圧源202が、前述のようなコンテナ間ではなく、電極200aと200bとの間に電位差を印加することである。
本発明の別の実施形態では、報告反応101のための単一区画室に多数の検知反応区画室を随伴させた構成を含む、電極及び区画室のその他の構成も考えられる。図2に示す実施形態の動作は、先に図1A〜図1Dに示した実施形態の動作と同様である。動作上の相違の1つは、電圧源202が、前述のようなコンテナ間ではなく、電極200aと200bとの間に電位差を印加することである。
図3は、3つの電極300a、300b及び300cを利用したシステム100の有線の実施形態を示す模式平面図である。電極300a、300b及び300cは、いずれかの適宜のサイズ及び任意の適宜の形状とし、バイポーラ電極106ならびに電極200a及び200bについて記載したような、任意の適宜の材料で形成することができる。図3に示す実施形態は、ターゲット試料102の検出が逆検出(inverse detection)であることが、図1A及び図2に示した実施形態と異なる。言い換えると、図1A及び図2に示した実施形態では、光121の強度は、電気化学的検知反応が発生すると増大するが、一方、図3の実施形態では、電気化学的反応が発生すると、光121の強度は低下する。これについて、以下に説明する。
図示の実施形態では、電極300aがECL系120に付随し、電極300bがターゲット試料102及びレドックス試薬118に付随し、電極300cが犠牲のレドックス試薬302に付随している。犠牲レドックス試薬302は、電極によって容易に還元又は酸化するレドックス分子からなる。電極300cに犠牲レドックス試薬302があるために、電極300aと300cとの間に十分な電位差が存在するときには、電極300aに対応するECL系120のレドックス反応が生ずる。次いで、これによってウィンドウ112を通じて光121の放出が生じ、検出器114によって検出される。これは前述と同様である。区画室間のイオン結合は、区画室間の狭い開口308によって得られる。
レドックス試薬118で標識付けしたターゲット試料102の検出について、以下に説明する。電極300a及び300bは、直接電子的に結合されており、したがって実質的に同一電位にある。ターゲット試料102及びレドックス試薬118が電極300b近傍内を通過すると、レドックス試薬118にレドックス反応が発生する。何故なら、電極300bはこのような反応に適した電位に保持されているからである。このように、電極300a及び300bが直接結合されているので、電極300cから来る電流は、電極300a及び300bの間で分配される。ECL系120及びレドックス試薬118双方に関連があるレドックス分子は、電子を求めて競合する。このため、ターゲット試料102(任意にレドックス試薬118でラベル付けされている)が電極300bに遭遇すると、ECL系120から放出される光121の強度が低下することによって、ターゲット試料102の検出を示す。本発明のこの実施形態によって、電極及び微小チャネルの別の構成も考えられる。
図4は、本発明の一実施形態にしたがってターゲット試料102の存在を検出する方法を示すフローチャートである。この方法は、ステップ400にて開始し、ここで、ターゲット試料102を含有する、電解質溶液108のような第1電解質を、第1電極領域124に付随させる。一実施形態では、ターゲット試料102にレドックス試薬118でラベリングを行う。ステップ402において、電解質溶液108のような、ECL系120を含有する第2電解質を、第2電極領域122に付随させる。前述のように、第1及び第2電解質は、同一種類でもよく、異なる種類でもよい。
ステップ404において、第1電極領域124及び第2電極領域122を電子的に結合する。図1A及び図1Bに示したワイヤレスの実施形態では、バイポーラ電極106を含み、図2及び図3に示す有線の実施形態では、回路及び電圧源と電子的に結合された別個の電界を含む。ステップ406において、第1及び第2電解質をイオン的に結合する。同じ電解質溶液108を利用しており、間に化学的バリアがなければ、第1及び第2電解質はイオン的に結合される。化学的バリアが存在する実施形態では、イオン結合を許すが電解質の化学結合を妨げるバリアによって、イオン結合が生ずる。例えば、化学的バリアは、液体−液体接合、塩ブリッジ、イオン浸透性膜、又はイオン浸透性ゾル・ゲル・バリアを含むことができる。
ステップ408において、第1電極領域124と第2電極領域122との間に電位差を発生させる。これは、図1A及び図1Bにおけるワイヤレスの実施形態では、電極に接触する電解質溶液全体に電界をかけることを含み、図2及び図3の有線構成では、電極間に電圧を印加することを含んでいる。電位差がEcritを超過した場合、ECL系120から光121が放出される。したがって、ステップ410において、第2電極領域においてECL系120から放出された光121は、検出器114によって検出される。光121の強度は、第1電極領域124に存在するレドックス分子の数と相関がある。これで、図4に概略的に示した方法が終了する。
図5A〜図8は、サンプル区画室502及び信号区画室504が互いに隔離されており、ターゲット試料102の存在を検出する代替システム500の種々の実施形態の模式図である。システム500a、500b、500c及び500dは、機能が同様であり、サンプル区画室502内に導入されたターゲット試料102の存在により、レドックス反応が発生し、信号区画室504に信号を通過させる。信号区画室504は、発光源を含み、電流が信号区画室504を通過すると、誘起されて光を発光し、光信号が検出器114によって記録される。システム500eは、多重検出のために、多数のターゲット試料102の存在を検出するシステムの実施形態を例示する。多数の試料は、別々に、サンプル区画室502内の複数のバイポーラ電極に付随し、試料の各々に伴うレドックス・ラベルにより、電流が信号区画室504を通過する。信号(光)は、信号区画室内の複数のバイポーラ電極に付随する複数の発光源それぞれによって放出される。
図5Aを参照すると、システム500aは、発光源をECL系120として示す。図示の実施形態では、サンプル区画室502は、電極506と、バイポーラ電極510の第1端部508とを含む。信号区画室504は、電極512と、バイポーラ電極410の第2端部514とを含む。電極506、512は、バッテリ、電源、又はサンプル区画室502内の電解質溶液516と信号区画室504内の電解質溶液516との間に電位差を与えることができる適宜の電圧源である、電圧源110に接続されている。加えて、電圧源110と連動する回路520も、電圧を規制し、電位波形を発生することができる。
システム500aは基準電極519を含むこともできる。この場合、回路520にはポテンシオスタットを用い、電極506を作用電極としてポテンシオスタットに接続し、電極512を対電極として接続する。この実施形態の動作について以下に詳しく説明する。
システム500aは基準電極519を含むこともできる。この場合、回路520にはポテンシオスタットを用い、電極506を作用電極としてポテンシオスタットに接続し、電極512を対電極として接続する。この実施形態の動作について以下に詳しく説明する。
電極506、512は、前述のように、同一又は異なる材料で形作ることができる。バイポーラ電極510は、2つの独立して形作った電極を導体と接続(短絡)することによって構成することができ、あるいは、第1及び第2端部508、504がサンプル及び信号区画室502、504内に露出した1つのモノリシック電極として構成することもできる。バイポーラ電極510の機能は、同一のままであるが、システム500aの設計即ち製造方法は、一方のフォーマットを他方よりも優先することができる。
また、信号区画室504は、透光性ウィンドウ112も含み、光区画室504内で発生した光子信号を検出器114によって記録できるようにしている。好適な実施形態では、検出器114を信号区画室504内に取り付ける。この実施形態における光ウィンドウ112は、検出器114に一体化されている。
また、信号区画室504は、透光性ウィンドウ112も含み、光区画室504内で発生した光子信号を検出器114によって記録できるようにしている。好適な実施形態では、検出器114を信号区画室504内に取り付ける。この実施形態における光ウィンドウ112は、検出器114に一体化されている。
ターゲット試料102を含有していると思われるサンプル溶液を、サンプル区画室502に付随させる。サンプル溶液は電解質も含有し、電気化学的プロセスに必要なイオン伝導が行われるようにしている。また、ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118も設ける。電解質溶液518は、信号区画室504内においてECL系120を含有する。
システム500aの一実施形態では、ターゲット試料102、したがって、ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118を、バイポーラ電極510の第1端部508に付随させる。ターゲット試料102の随伴又は局在化は、ターゲット試料102を集中させ、バルク溶液又は流動サンプル・ストリームからターゲット試料102を引き離し、又はターゲット試料102を別の同様の種から分離するように作用する。局在化は、試料特定認識素子によって生ずる。
システム500aの一実施形態では、ターゲット試料102、したがって、ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118を、バイポーラ電極510の第1端部508に付随させる。ターゲット試料102の随伴又は局在化は、ターゲット試料102を集中させ、バルク溶液又は流動サンプル・ストリームからターゲット試料102を引き離し、又はターゲット試料102を別の同様の種から分離するように作用する。局在化は、試料特定認識素子によって生ずる。
試料特定素子は、イオン選択膜のように、選択的にその環境に応答する適宜の膜であればいずれでもよい。また、試料特定素子は、DNA、RNA、又はPNAオリゴマー、プローブ、プライマ、抗体、抗原、受容体、リガンド等のような、他の分子と選択的に接合することが可能である適宜の分子であればいずれでもよい。試料特定応答又は結合素子は、当技術分野では周知であり、化学及び生化学のアッセイ(assay)において一般に用いられている。
試料特定素子は、多数の形態で設けることができるが、物理的にはバイポーラ電極付近に配置する。この素子は、電極界面、又は電極に隣接する区域、又は双方に直接結合してもよい。また、素子は、ビーズ、微小粒子、ナノ粒子、ゲル、多孔性ポリマ等のような、その他の固体支持体に結合してもよく、一方、これらは電極界面付近に閉じこめられる。素子の結合は、共有結合、非共有結合、静電、ファンデルヴァールス、物理吸着、又は化学吸着とすることができる。他の固体支持体の閉じこめは、物理的でも又は化学的でもよい。物理的な閉じこめは、ビーズを多孔性バリア内に拘束し、流体が区画室の他の区域と交換することができるが、ビーズは開口を通過できないようにしている。
一方、ターゲット試料102の局在化は、当該ターゲット試料に伴うレドックス試薬118をバイポーラ電極510に局在化するように機能する。ターゲット試料102自体が電気反応性である場合、又はターゲットにレドックス試薬で直接ラベリングしている場合、局在化は、試料の結合によって行う。
試料の直接ラベリングは、レドックス活性分子、レドックス・ポリマ、レドックス基が結合したポリマ、導電性ポリマ、レドックス活性粒子、レドックス活性コロイド等によって行うことができる。レドックス活性粒子は、現場で酸化可能金属の無電解めっきによって生成することができる。例えば、金粒子でラベリングされた試料を用いて、粒子を銀イオンの溶液に曝すと、金粒子上に銀金属が形成する。堆積した銀は、酸化し易いので、分析においてレドックス試薬118として機能する。
試料の直接ラベリングは、レドックス活性分子、レドックス・ポリマ、レドックス基が結合したポリマ、導電性ポリマ、レドックス活性粒子、レドックス活性コロイド等によって行うことができる。レドックス活性粒子は、現場で酸化可能金属の無電解めっきによって生成することができる。例えば、金粒子でラベリングされた試料を用いて、粒子を銀イオンの溶液に曝すと、金粒子上に銀金属が形成する。堆積した銀は、酸化し易いので、分析においてレドックス試薬118として機能する。
また、ターゲット試料102は、基板のレドックス活動を変化させることができる酵素又は触媒でラベリングすることもでき、新たなレドックス活動を処理する分子は、本方法においてターゲット試料102に伴うレドックス試薬118である。この後者の場合は、間接ラベリングの例である。ターゲットに直接ラベリングする酵素又は触媒によって生成されるレドックス試薬118は、それ自体はターゲットには結合されない。しかしながら、レドックス試薬118の存在は、ターゲット試料102の存在と関連付けられる。
直接又は間接ラベリング方法のいずれにおいても、直接ラベル、すなわち酵素又は触媒のターゲット試料102への付着は、共有結合によって又はターゲット試料102と特定の結合相互作用が可能な作用物質によって行うことができる。結合剤の選択は、ターゲット試料102の性質によって左右される。例えば、核酸ターゲットでは、結合剤は核酸又は関連する誘導体(RNA、DNA、PNA等)であり、抗原又は抗体では、結合剤は、抗原又は抗体を対象とした抗体である。この方法論は、一般にサンドウィッチ・アッセイと呼ばれている機構の多くを採用する。
図示の実施形態では、ECL系120は、信号区画室504においてバイポーラ電極510の陽極端において酸化によって活性化され、ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118は、サンプル区画室502内においてバイポーラ電極510の陰極端において還元される。基準電極519がシステム500aに含まれていない場合、この実施形態は、それぞれの区画室における他の電極において発生するいずれの反応でも実現することができる。即ち、試料反応が電極506において発生することができ、又はECL系反応が電極512において発生することができる。フォーマットは、ECL系120の選択及びレドックス試薬118の選択によって異なり、いずれも、試薬の入手可能性、コスト、感度、取扱の容易さ、及び安定性というような、種々の要因に左右される可能性がある。
また、システム500aは、区画室502、504内の電極506、512において発生するレドックス反応にも依存する。図示のように、電極506は陽極であり、電極512は陰極である。レドックス種は、溶剤のような溶液内のあらゆる分子、電解質、あるいは電極表面における電解質溶液又は固体組成物に追加された明確なレドックス活動を有する別の分子とすることができる。例えば、電極の表面には、銀/塩化銀複合体で被覆することができ、安定な電位を維持しつつ、回路にレドックス等価物を供給することができる。
一実施形態では、システム500aは以下のように動作する。ターゲット試料102を含有すると思われる電解質溶液516を、サンプル区画室502内に配置し、ECL系120を含有する電解質溶液518を信号区画室504内に配置する。ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118を用意する。電圧源110を動作させ、電極506と512との間に電位差を与える。これには、電解質溶液516と518との間で電位差を分与する効果がある。バイポーラ電極510の各界面における溶液間の電位差が、レドックス試薬118とECL系120との間のレドックス電位差とほぼ一致する点まで増加したとき、ファラディ電流がバイポーラ電極を通過し、ECL系120を活性化する。信号区画室504には光ウィンドウ112が付随し、ECL系120からの光子信号を検出器114によって記録することができる。
図5Bを参照して、特にシステム500aとの相違に関して、システム500eについて以下に説明する。図示の実施形態では、サンプル区画室502は、電極506と、バイポーラ電極510a〜510dの複数の第1端部508a〜508dとを含む。バイポーラ電極の数は、少なくとも2つ、そして数千個という多さでも可能である。信号区画室504は、電極512と、バイポーラ電極510a〜510dの複数の第2端部514a〜514dとを含む。
試料特定認識素子は、第1端部508a〜508dの各々に付随する。多数のターゲット試料102a〜102dを含有すると思われるサンプル溶液は、サンプル区画室502に付随し、各ターゲット試料に伴うレドックス試薬118を設ける。レドックス試薬は、全て同一でもよい。何故なら、各信号と関連するバイポーラ電極を識別することにより、当該信号の試料との相関付けを行うことができるからである。
試料特定認識素子は、第1端部508a〜508dの各々に付随する。多数のターゲット試料102a〜102dを含有すると思われるサンプル溶液は、サンプル区画室502に付随し、各ターゲット試料に伴うレドックス試薬118を設ける。レドックス試薬は、全て同一でもよい。何故なら、各信号と関連するバイポーラ電極を識別することにより、当該信号の試料との相関付けを行うことができるからである。
ECL系120は、信号区画室504に付随し、更にバイポーラ電極510a〜510dの各第2端部514a〜514dに付随する。各バイポーラ電極において放出される光信号は、記録され、位置によってそれぞれのバイポーラ電極と相関付けられ、サンプル区画室内における各試料の存在又は量を判定する。この実施形態では、全ての信号を同時に記憶することができる、画素に基づく検出器が好ましいが、少数のバイポーラ電極しかない場合、検出器を信号区画室に対して走査すれば、順次信号を記録することができる。
図6を参照すると、サンプル区画室502は、ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118のレドックス再循環に対応するように構成されている。レドックス試薬118は、ここで論じた形態の任意のものとすることができ、更に、化学的及び力学的に可逆的な種であるという追加要件がある。レドックス再循環は、研究が進んでいる現象であり、可逆性レドックス試薬が2つの密接した電極間で移動し、レドックス試薬に関して、一方が還元電位に保持され、他方が酸化電位に保持される。図示した実施形態では、電極506との電子移動反応を受けた後、レドックス試薬18は電極508に拡散し、逆電子移動反応が起こり、レドックス試薬118をその基の状態に戻す。このようにして、循環を繰り返すことができる。電極506と508との間の距離が短くなるに連れて、レドックス試薬118の遷移時間は短縮し、サンプル区画室502を通過する正味の電流は増加する。電極506と508との間の特性距離が約15μmに近づくと、著しい電流の増加が開始する。この増加は、距離が約5μmまで減少すると、少なくとも5倍になる可能性がある。この電流増加により、ECL系120からの信号を容易に増強し、例えば、強度が高くなり、感度も良くなる。
一実施形態では、図6によって示唆されるように、電極506及び508を平面平行状に配置し、電極界面間に狭いギャップを設ける。代替実施形態では、電極506及び508は、密接した共面電極として組み込むことができる。レドックス循環によって得られる増幅効果を最大限高めるためには、2つの電極を櫛型レイアウトに配置することによって、2つのこのような電極の密接接近面積を最大にする。
図7は、先に論じたシステム500a及び500bと同様なシステム500cを示すが、信号区画室504に代替形態のECL系120を有する。電気化学発光信号は、参照番号530で示すように、いわゆる「消滅」反応によって発生される。このような反応では、発光分子の酸化状態及び還元状態は、別々に発生する。これらが交わると、2つは反応して、還元分子から酸化分子への電子の移動により、2つの中立種を生成し、その1つが電子的に励起した状態を取る。励起状態にある分子は、基底状態に戻り、発光分子の光物理的特性に特徴的な効率で光子が放出される。ECL系は、溶剤、電解質塩、及び、例えば、ルテニウム・トリ(ビフィリジン)、ジフェニルアンセラセン、及びルブレン(rubrene)のような、レドックス活性ルモファー(redox-active lumophore)からなり、溶液を主体とすることができる。また、ECL系は、イオン伝導ポリマの薄膜、及びポリp−フェニレン又はポリp−フェニレンビニレンによって例示される導電性ポリマのようなルモファーを散在させた電解質、あるいはルテニウム錯体系ポリマ(ruthenium complex-based polymer)に例示されるレドックス・ポリマを含むこともできる。
図8は、信号区画室504内の発光源がソリッド・ステート素子であるシステム500dを示す。整流エミッタが2つ、逆向きに設けられており、いずれの方向の電子流にも対処している。例えば、発光ダイオード(LED)及びレーザ・ダイオードは、システム500d内において、サンプル区画室502内で発生するレドックス信号の、信号区画室504において発生する光子信号への変換を完成するように機能することができる。ターゲット試料102に伴うレドックス試薬118を通過する電流は、LED及びレーザ・ダイオードのような素子によって、発光に変換され、次いで検出器114によって記録される。
LEDの基本構造は、2つの電極(陰極及び陽極)間に挟持された少なくとも2つの層のスタックからなる。商用の標準フォーマットの半導体LEDでは、スタックは、nドープ半導体とpドープ半導体とからなる。最近開発された有機半導体では、スタックは、電子輸送層、正孔輸送層、放出層、及び、電子輸送層からなる。適切な電圧を電極間に印加すると、流すことができる電流量に関して、n−p接合又は放出層において、それぞれ、電子及び正孔が交わり、その結果光を放出する。有機及び半導体LEDは、可視光又は赤外線光を放出するように作り上げることができる。したがって、発光部が要求する、適切な波長範囲に対する感度で検出器114を選択する。
図9〜図12は、ターゲット試料102の存在を検出するための、別の代替システム900の種々の実施形態の模式図である。
図9は、サンプル区画室502と信号区画室504との間に広がるバイポーラ電極902を含み、ターゲット試料102の存在を検出するシステム900aの断面図である。図示の実施形態では、サンプル区画室502及び信号区画室504は、ハウジング904内に垂直に配置されている。サンプル区画室502はハウジング904の上部にあり、信号区画室504は下部にある。バリア906がサンプル区画室502と信号区画室504との間にあり、物理的に区画室を分離するように機能する。実施形態の中には、バリア906がイオン的に区画室を隔離するものもあり、別の実施形態では、バリア906が区画室間でイオン連通を行わせるものもある。
図9は、サンプル区画室502と信号区画室504との間に広がるバイポーラ電極902を含み、ターゲット試料102の存在を検出するシステム900aの断面図である。図示の実施形態では、サンプル区画室502及び信号区画室504は、ハウジング904内に垂直に配置されている。サンプル区画室502はハウジング904の上部にあり、信号区画室504は下部にある。バリア906がサンプル区画室502と信号区画室504との間にあり、物理的に区画室を分離するように機能する。実施形態の中には、バリア906がイオン的に区画室を隔離するものもあり、別の実施形態では、バリア906が区画室間でイオン連通を行わせるものもある。
一実施形態では、バイポーラ電極902は、サンプル区画室502に露出した1つの領域と、信号区画室504に露出した対向領域とを有する。バイポーラ電極902の各領域の面積は実質的に同じとすればよく、あるいは各領域における電流密度を制御するためには、面積を異ならせてもよい。
サンプル区画室502は電極908を含み、信号区画室504は電極910を含む。これらの電極は、外部の電圧源110(図示せず)に接続されている。電極908と910との間の電位差を制御することによって、バイポーラ電極902間に発生する電位差を制御する。電極908は、任意の適宜の導体で作成することができ、円形、ピン、管、円環等のような、任意の適宜の形状をなすことができ、蓋又はガントリ(gantry)から下に延び、導体がサンプル区画室502の壁に接着されている。電極910も同様に製作することができ、光子信号が、遮られることなく、発光源から、光ウィンドウ112を通過して検出器114まで伝搬することができるように、電極910を物理的に配置するという考慮が加わっている。
サンプル区画室502は電極908を含み、信号区画室504は電極910を含む。これらの電極は、外部の電圧源110(図示せず)に接続されている。電極908と910との間の電位差を制御することによって、バイポーラ電極902間に発生する電位差を制御する。電極908は、任意の適宜の導体で作成することができ、円形、ピン、管、円環等のような、任意の適宜の形状をなすことができ、蓋又はガントリ(gantry)から下に延び、導体がサンプル区画室502の壁に接着されている。電極910も同様に製作することができ、光子信号が、遮られることなく、発光源から、光ウィンドウ112を通過して検出器114まで伝搬することができるように、電極910を物理的に配置するという考慮が加わっている。
図10は、システム900bの断面図を示す。システム900bの概略的な構造は、図9のシステム900aと同様である。しかしながら、システム900bは、複数のバイポーラ電極912a、912b及び912cを含む。3つのバイポーラ電極のみを図示したが、本発明は、適宜の数のバイポーラ電極であればいくつでもよい。一実施形態では、バイポーラ電極912a、912b及び912cは、ターゲット試料102のような単一のターゲット試料の検出に用いられている。
別の実施形態では、バイポーラ電極912a、912b及び912cは、同一サンプル内にある多数のターゲット試料の検出に用いられる。バイポーラ電極の数は、少ない場合には2個、多い場合には25個、あるいは数百又は数千個もの大量でも可能である。レイアウトは、バイポーラ電極の数と、製造方法、所望の用途などのような他の要因によって左右されるが、通例チャネルに沿って配置した直線状アレイ、又はチャンバ内に順番に配置した二次元アレイを含む。多数の試料の1つを内部制御としてもよい。この実施形態では、サンプル区画室502に付随する各バイポーラ電極の領域は、各々、異なる試料特定認識素子に関連付けられている。各素子は、多数の対象試料の1つを局在化するように機能し、したがって、前述のように、各バイポーラ電極によって、関連のあるレドックス試薬を局在化するように機能する。
図11は、複数のサンプル区画室を有するシステム900cの断面図である。適宜の数のサンプル区画室であればいくつでも利用できる。システム900cも、一括サンプル分析に有用であると言える。場合によっては、システム900c内部において、同一又は異なる発生源からの多数のサンプルを分析することが有利な場合もある。例えば、異なる発生源からの多数のサンプルを検査して、同一ターゲット試料の存在又は量を調べることができる。また、同じ発生源からのサンプルを、同じターゲット試料について独立して検査したり(例えば、二重検査)、又は異なるターゲット試料集合について検査することもできる。また、システム900cの各サンプル区画室502内に複数のバイポーラ電極(図10と同様)を有することも、本発明の範囲に該当する。複数のサンプル区画室を有することによって、標準品、ならびに正及び負制御サンプルの同時検査が可能となる。
システム900cの下部にある信号区画室504は、単一の共通流体接続区画室として示されている。信号区画室504内にある各バイポーラ電極902において発生した信号は、拡散によって当該電極に局在化される。検出器は、カメラ、CCDアレイ、フォトダイオード・アレイ、CMOSアレイ、又はその他の適宜の検出器のような、アレイ型光検出器とすることができる。また、検出器114は、光電子倍増管又はフォトダイオードのような単一素子の検出器としてもよく、これを各バイポーラ検出器の位置に対して移動させて、各位置で発生する信号を読み取る。読み取るバイポーラ電極902の数、システム900cのコスト、所望の読み取り時間、感度、及びシステム900cの性能に関するその他の適宜の要因に応じて、いずれかの選択肢を用いればよい。
あるいは、信号区画室504は、各サンプル区画室に対応する個々の信号区画室で構成することもできる。例えば、図9及び図10に示すような、サンプル区画室、信号区画室504、サンプル区画室電極、バイポーラ電極(複数)、及び信号区画室電極を含む複数の単位体を、例えば、このようなシステム内に配置することもできる。
あるいは、信号区画室504は、各サンプル区画室に対応する個々の信号区画室で構成することもできる。例えば、図9及び図10に示すような、サンプル区画室、信号区画室504、サンプル区画室電極、バイポーラ電極(複数)、及び信号区画室電極を含む複数の単位体を、例えば、このようなシステム内に配置することもできる。
図12には、システム900dが示されている。システム900dは、図11のシステム900cと同様である。しかしながら、システム900dは、複数のサンプル区画室を含み、これらが様々に同じ信号区画室504に接続されている。これは、異なる時点での多数のサンプルの分析には好ましいシステムである。図示の実施形態では、検出器114に対して固定の物理的関係を有する単一の信号区画室504を、複数のサンプル区画室における異なるサンプルの分析に用いることができる。各サンプルを別個のサンプル区画室において分析するので、サンプル間の相互汚染が回避される。
システム900dは、切替機能922を備えた電気回路920を含み、バイポーラ電極の第1端部924a、924b及び924cと第2端部926との間、及びサンプル区画室電極928a、928b及び928cと信号区画室電極930との適切な接続を可変に形成する。
図9〜図12に関連付けて説明した実施形態のいずれにおいても、ECL系120を含有する電解質溶液は、図5〜図8に関して先に論じた発光源のいずれとも置換することができる。
図9〜図12に関連付けて説明した実施形態のいずれにおいても、ECL系120を含有する電解質溶液は、図5〜図8に関して先に論じた発光源のいずれとも置換することができる。
実施例
1.光子変換による電気化学的事象の検出。
本発明の一実施形態の検知及び報告機能の化学的結合を実証するために、ECL系、Ru(bpy)3 2+及び陽極において発生するトリプロピルアミンからの信号強度を、2つの異なる陰極プロセスに結合した場合で比較する。
2H+ + 2e− =H2 (1)
BV2+ + e− =BV+ (2)
式(1)は陽子還元を表し、ベンジル・ビオロゲンのラジカル陽イオンへの還元である式(2)の反応よりも負側の見掛電位(formal potential)での実験において用いられる条件下で発生する。
1.光子変換による電気化学的事象の検出。
本発明の一実施形態の検知及び報告機能の化学的結合を実証するために、ECL系、Ru(bpy)3 2+及び陽極において発生するトリプロピルアミンからの信号強度を、2つの異なる陰極プロセスに結合した場合で比較する。
2H+ + 2e− =H2 (1)
BV2+ + e− =BV+ (2)
式(1)は陽子還元を表し、ベンジル・ビオロゲンのラジカル陽イオンへの還元である式(2)の反応よりも負側の見掛電位(formal potential)での実験において用いられる条件下で発生する。
図2の実施形態に類似した本発明の実施形態を用いて実験を行った。2つの電極領域は別個の電極(例えば、図2における200a及び200b)であり、電極間にある電圧源(202)が電位差を供給する。パターンを規定するフォトリソグラフ法、エッチング、及びフォトレジストの除去を用いて、酸化インジウム錫(「ITO」)電極を、ガラス基板上に作成した。電極の幅は50μmであり、区画室の幅(以下を参照)に届き、成型品から突出する接続パッドを有するのに十分な長さとした。区画室は、長さ1.2cm、幅750μm、奥行き30μmに規定した空洞を有するポリ(ジメチルシロキサン)成型品(「PDMS」)を、パターン化したITO/ガラス基板に接合することによって形成した。空洞の両端における孔は、PDMS層を貫通し、流体溜め、及び電解質溶液を区画室に導入する手段として機能する。電源(ヒューレット・パッカード社(Hewlett-Packard)(登録商標)、型番E3620A)をパッドに接続し、電極間の電位オフセットを制御するために用いた。
第1の実験では、5mMのRu(bpy)3Cl2(bpy=2、2’−ビピリジン)及び25mMのトリプロピルアミンを、pH6.9の0.1M水性燐酸塩バッファ内に含有する電解質溶液で区画室を充填した。この溶液では、図13Aのボルタモグラム「a」において観察されるように、第1還元プロセス、陽子還元反応(1)が、Ag/AgCl基準電極に対して約−1.08Vにおいて観察される。第1酸化プロセスは、Ag/AgClに対して約0.8Vにおいて観察され、これはRu(bpy)3 2+及びトリプロピルアミンECL系の酸化反応に対応する。
二電極を用いた実験(図13の(B))では、2つの電極間の電位差を増大させ、バイアスが約1.8Vに達すると、発光が開始することを観察した。このバイアスは、溶液に対する陽極及び陰極プロセス間の1.88Vウィンドウに対する相関性が高い。
二電極を用いた実験(図13の(B))では、2つの電極間の電位差を増大させ、バイアスが約1.8Vに達すると、発光が開始することを観察した。このバイアスは、溶液に対する陽極及び陰極プロセス間の1.88Vウィンドウに対する相関性が高い。
第2の実験では、第1と同じ溶液を用い、5mMのベンジル・ビオロゲン・ジクロライド(BV2+)を追加したものを調合した。第1酸化プロセスは、この場合もECL系によるが、この溶液における第1還元プロセスは、図13Aにおけるボルタモグラム「b」において観察されるように、Ag/AgClに対して約−0.52Vにおいて観察された。これは、ビオロゲンの還元に対応する。このように、BV2+の存在の下では、陰極及び陽極プロセスの開始間の電圧差は、1.80Vから約1.38Vに狭まった。
二電極を用いた実験のためにBV2+を区画室に導入すると、ECLがΔEelec=1.4Vにおいて容易に観察された(図13の(B))が、BV2+を欠く溶液では、この電位バイアスではECL信号は観察されなかった。1.4Vバイアスにおける信号の出現は、溶液に対する陽極及び陰極プロセス間の1.38Vウィンドウに対して高い相関がある。
二電極を用いた実験のためにBV2+を区画室に導入すると、ECLがΔEelec=1.4Vにおいて容易に観察された(図13の(B))が、BV2+を欠く溶液では、この電位バイアスではECL信号は観察されなかった。1.4Vバイアスにおける信号の出現は、溶液に対する陽極及び陰極プロセス間の1.38Vウィンドウに対して高い相関がある。
先に述べたように、バイポーラ又は二電極構成のいずれかの陽極及び陰極において発生する電気化学プロセスは、電気的に連携するが、科学的には連携しない。陽極において消費される電子数と、陰極において供給される数との間には、1対1の対応がある。この例において、陽極におけるECL強度は、二電極セルの陰極における電気化学反応の発生を反映、即ち、報告することを示した。これは、このセンサの検知及び報告機能間の関係を実証し、それらのレドックス電位に基づいて、2つの異なるレドックス活性試料間で区別できることを実証するものである。
2.相対的電極面積の関数としての信号強度
試料(例えば、陰極における)のターンオーバ(turn-over)増大をもたらす実験条件では、ECL強度(例えば、陽極における)を高める。したがって、それ以外は同一条件として、陰極の面積を広げると、その結果ECLの強度が高くなる。これを実証するために、図1A及び図1Bと同様の本発明の実施形態を用いて、陰極及び陽極の相対面積の関数としてECL強度を測定した。ここで、2つの電極領域(122、124)は、バイポーラ電極(106)の反対側の端部であり、電極を横切る電位場が、電極の各端部付近において溶液内で電位差を発生する。
試料(例えば、陰極における)のターンオーバ(turn-over)増大をもたらす実験条件では、ECL強度(例えば、陽極における)を高める。したがって、それ以外は同一条件として、陰極の面積を広げると、その結果ECLの強度が高くなる。これを実証するために、図1A及び図1Bと同様の本発明の実施形態を用いて、陰極及び陽極の相対面積の関数としてECL強度を測定した。ここで、2つの電極領域(122、124)は、バイポーラ電極(106)の反対側の端部であり、電極を横切る電位場が、電極の各端部付近において溶液内で電位差を発生する。
3つの異なるバイポーラ電極構造を検査して、陽極及び陰極領域の相対面積の関数として、ECL放出強度を求めた。第1の場合では、電極は「T」のような形状であり、広い上面(200μm×100μm)が陰極として機能し、狭い底面(幅50μm)が陽極として機能する。第2の場合では、電極は幅が一定(50μm)の帯状電極であり、したがって、陰極及び陽極の面積は等しい。第3の場合も、再度「T」形状を用いるが(前述と同じ寸法)、広い上面が陽極として機能し、狭い底面が陰極として機能する。全ての場合において、電極の長さは500μmであった。この長軸を横切るように電界を印加した。
5mMのRu(bpy)3Cl2及び25mMのトリプロピルアミンを含有する、pH6.9の0.1M燐酸塩バッファの溶液を、各電極と接触するように配し、1.88Vの電界を各電極の長さ全体にかけたときのECL放出スペクトルを記録した。その結果を図14に示す。最も高いECL強度が観察されたのは、陰極の面積が陽極に比較して大きいときである。
放出曲線「1」及び「2」間の差は、全ての試薬を同じ濃度にしても、報告電極領域において電流を増加させることによって、この場合では電極領域の面積の設計によって、ECL信号は高められることを実証する。
放出曲線「1」及び「2」間の差は、全ての試薬を同じ濃度にしても、報告電極領域において電流を増加させることによって、この場合では電極領域の面積の設計によって、ECL信号は高められることを実証する。
3.サンプル区画室及び信号区画室を分離したシステムにおけるレドックス検知及びECLに基づく光子報告
この例では、信号区画室及びサンプル区画室を2つの別個のモジュールとして構築し、したがってイオン的に隔離する。区画室は、図5Aに紹介したシステム500aにしたがって構成し、基準電極519を除いた。信号区画室は、直径1ミリのガラス炭素電極(514)とコイル状Ag/AgClワイヤ電極(512)とを内蔵した。区画室には、0.1Mの燐酸塩バッファ(pH7.5)、10mMの塩化ナトリウム、ならびにECL系、10mMのトリプロピルアミン(TPA)及び0.1mMのRu(bpy)3Cl2(bpy=2、2’−ビピリジン)を含有する電解質溶液(518)で充填した。サンプル区画室は、直径1mmのガラス炭素電極(508)と、コイル状Ag/AgClワイヤ電極(506)とを内蔵し、0.1MのNaClを含有し、更に5.0mMのK3Fe(CN)6を含有し、固有レドックス活動(intrinsic redox activity)を呈するモデル試料として機能する電解質溶液でこの区画室を充填した。2つのガラス炭素電極を電子的に互いに、銅ワイヤで接続し、2つのAg/AgCl電極をプログラム可能な電位波形発生器(対抗(カウンタ)リード及び基準リードを共にジャンプさせた、コンピュータ制御型ポテンショスタット、型番CHI660A, CHインスツルメンツ社(CH Instruments), Austin TX)に接続した。信号区画室におけるガラス炭素電極の領域からの発光を測定し、光電子倍増管(PMT、型番MP 963, Perkin Elmer, Santa Clara, CA)で記録した。
この例では、信号区画室及びサンプル区画室を2つの別個のモジュールとして構築し、したがってイオン的に隔離する。区画室は、図5Aに紹介したシステム500aにしたがって構成し、基準電極519を除いた。信号区画室は、直径1ミリのガラス炭素電極(514)とコイル状Ag/AgClワイヤ電極(512)とを内蔵した。区画室には、0.1Mの燐酸塩バッファ(pH7.5)、10mMの塩化ナトリウム、ならびにECL系、10mMのトリプロピルアミン(TPA)及び0.1mMのRu(bpy)3Cl2(bpy=2、2’−ビピリジン)を含有する電解質溶液(518)で充填した。サンプル区画室は、直径1mmのガラス炭素電極(508)と、コイル状Ag/AgClワイヤ電極(506)とを内蔵し、0.1MのNaClを含有し、更に5.0mMのK3Fe(CN)6を含有し、固有レドックス活動(intrinsic redox activity)を呈するモデル試料として機能する電解質溶液でこの区画室を充填した。2つのガラス炭素電極を電子的に互いに、銅ワイヤで接続し、2つのAg/AgCl電極をプログラム可能な電位波形発生器(対抗(カウンタ)リード及び基準リードを共にジャンプさせた、コンピュータ制御型ポテンショスタット、型番CHI660A, CHインスツルメンツ社(CH Instruments), Austin TX)に接続した。信号区画室におけるガラス炭素電極の領域からの発光を測定し、光電子倍増管(PMT、型番MP 963, Perkin Elmer, Santa Clara, CA)で記録した。
図15の(A)は、前述のシステムを用いて、2つのAg/AgCl電極間に与えた電位オフセットを線形的に走査することによって得た循環ボルタモグラム(CV)を示す。図15の(B)は、図15の(A)に示したCVを記録している間に観察された電位オフセットの線形掃引の関数として、光子の放出を示す。図15の(A)及び(B)は、双方合わせて、各区画室における電磁結合プロセス全体で試料特定光信号を生成することを実証する。
サンプル及び信号区画室を隔離して利用する検出システムの実施形態は、2つの重要な実用的利点を有することができる。第1に、光子検出装置と組み合わせた信号区画室を独立して最適化し、試料認識プロセスが行われているサンプル区画室と容易にインターフェースすることができる。第2に、発光源のアレイをレドックス反応のアレイに結合するに当たっては、各アレイ素子の回路を独立して制御する必要なく、実用的な方法で行うことができる。LEDを発光源として用いることも、以下の実施例に例示するように、信号発生の封止(packaging)及び光学的撮像には適しているので、各試料に伴うレドックス反応を同時にそして連続的に監視することができる。
4.サンプル及び信号区画室を隔離したシステムにおけるレドックス検知及びLEDに基づく光子報告
この例では、LED発光源を、前述の例のECL系の代わりに用いる。システム構成は、図8のシステム500dに基づいている。サンプル区画室は、直径15μmのガラス炭素電極(506)、プラチナ電極(508)、Ag/AgCl基準電極(519)を内蔵し、この区画室を、更に20mMのK3Fe(CN)6をモデル・ターゲット試料として含有する0.1MのNaClの電解質溶液で充填した。2つの発光ダイオード(SSL-LX5093SRC/E, ディジキー社(DigiKey)、 Thief River Falls, MN)を、電極接点512及び514の間に逆向きにして、並列に接続した。ポテンショスタット回路を、作用電極としてのガラス炭素電極506、基準電極としてのガラス炭素電極506、及び対電極としての接点512に接続した。
この例では、LED発光源を、前述の例のECL系の代わりに用いる。システム構成は、図8のシステム500dに基づいている。サンプル区画室は、直径15μmのガラス炭素電極(506)、プラチナ電極(508)、Ag/AgCl基準電極(519)を内蔵し、この区画室を、更に20mMのK3Fe(CN)6をモデル・ターゲット試料として含有する0.1MのNaClの電解質溶液で充填した。2つの発光ダイオード(SSL-LX5093SRC/E, ディジキー社(DigiKey)、 Thief River Falls, MN)を、電極接点512及び514の間に逆向きにして、並列に接続した。ポテンショスタット回路を、作用電極としてのガラス炭素電極506、基準電極としてのガラス炭素電極506、及び対電極としての接点512に接続した。
図16の(A)は、前述のシステムの循環ボルタモグラムを示し、還元波(reduction wave)は、フェロシアン化カリウム試料の存在を示す。図16の(B)は、1つのLED(陰極電流がサンプル区画室内の電極506を通過するときに電流を通過させる1つ)からの放出強度を、図16の(A)のCVと同時に測定して示す。LED発光源によって発生した信号は、サンプル区画室におけるレドックス試薬試料の存在を示した。
本発明の実施形態及び実施例について詳細に説明したが、種々の変更、交換、及び変形は、添付した特許請求の範囲によって規定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、行うことができる。
Claims (106)
- 試料の存在又は量を検出する方法において、
前記試料を含有する第1電解質溶液を第1電極領域に付随させるステップと、
電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を、第2電極領域に付随させるステップと、
前記第1及び第2電極領域を電子的に結合するステップと、
前記第1及び第2電解質溶液をイオン的に結合するステップと、
前記第1及び第2電極領域間に電位差を発生させるステップと、
前記第2電極領域において前記電気化学発光系から放出される光を検出することによって、前記第1電極領域における前記試料の存在を示すステップと、
からなることを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、前記第1及び第2電極領域は電極の逆側の端部に付随され、前記第1及び第2電極領域間に電位差を発生させるステップは、前記電解質溶液内に前記電極の長さにわたって電界を発生するステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記第1電極領域は第1電極からなり、前記第2電極領域は第2電極からなり、前記第1及び第2電極領域を電子的に結合するステップは、前記第1及び第2電極の間に電圧源を接続するステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項3記載の方法において、該方法は更に、前記第1及び第2電極を別個のサンプル区画室に配置するステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項4記載の方法において、前記第1及び第2電解質溶液をイオン的に結合するステップは、前記別個のサンプル区画室の間にイオン浸透性バリアを設けるステップを含み、前記イオン浸透性バリアは、狭い開口、液体−液体接合、塩ブリッジ、イオン透過膜、及びイオン浸透性ゾル・ゲル・バリアからなる群から選択されていることを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記試料は、電子活性試料からなることを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、該方法は更に、前記試料にレドックス試薬でラベリングを行うステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項7記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に共有結合されることを特徴とする方法。
- 請求項7記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に非共有結合されることを特徴とする方法。
- 請求項7記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に静電的に結合されることを特徴とする方法。
- 請求項7記載の方法において、前記レドックス試薬が1又は複数のレドックス等価物を備えていることを特徴とする方法。
- 請求項7記載の方法において、前記レドックス試薬は、レドックス・ポリマ、レドックス・デンドリマ、導電性ポリマ、及び金属コロイドからなる群から選択されることを特徴とする方法。
- 請求項1記載の方法において、前記電気化学発光系は、ルテニウム又はオスミウム・キレート、及びアミンからなることを特徴とする方法。
- 試料の存在又は量を検出する方法であって、
前記試料を含有する第1電解質溶液を第1電極領域に付随させるステップと、
電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を第2電極領域に付随させるステップと、
犠牲のレドックス試薬を含有する第3電解質溶液を、第3電極領域に付随させるステップと、
前記第1及び第2電極領域間には実質的な電位差が生じないように、前記第1、第2及び第3電極領域を電子的に結合するステップと、
前記第1、第2及び第3電解質溶液をイオン的に結合するステップと、
前記第1及び第2電極領域と前記第3電極領域との間に電位差を生じさせるステップと、
前記第2電極領域において前記電気化学発光系から放出される光を検出することによって、前記第1電極領域における前記試料の存在を示すステップと
からなることを特徴とする方法。 - 請求項14記載の方法において、該方法は更に、前記第1、第2及び第3電極領域を別個のサンプル区画室に配置するステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項15記載の方法において、前記第1、第2及び第3電解質溶液をイオン的に結合するステップは、前記別個のサンプル区画室間にそれぞれイオン浸透性バリアを設けるステップを含み、前記イオン浸透性バリアは、狭い開口、液体−液体接合、塩橋、イオン透過膜、及びイオン浸透性ゾル・ゲル・バリアからなる群から選択されることを特徴とする方法。
- 請求項14記載の方法において、前記試料は電子活性試料からなることを特徴とする方法。
- 請求項14記載の方法において、該方法は更に、前記試料にレドックス試薬でラベリングを行うステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項18記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に共有結合されることを特徴とする方法。
- 請求項18記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に非共有結合されることを特徴とする方法。
- 請求項18記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に静電的に結合されることを特徴とする方法。
- 請求項18記載の方法において、前記レドックス試薬が1又は複数のレドックス等価物を備えていることを特徴とする方法。
- 請求項14記載の方法において、前記レドックス試薬は、レドックス・ポリマ、レドックス・デンドリマ、導電性ポリマ、及び金属コロイドからなる群から選択されることを特徴とする方法。
- 請求項14記載の方法において、前記電気化学発光系は、ルテニウム又はオスミウム・キレート、及びアミンからなることを特徴とする方法。
- 試料の存在又は量を検出するシステムにおいて、
コンテナと、
前記コンテナ内に配置され、第1電極領域と第2電極領域とを有する電極と、
前記試料を含有し、前記チャネル内に配され、前記第1電極領域に付随される第1電解質溶液と、
電気化学発光系を含有し、前記チャネル内に配され、前記第2電極領域に付随される第2電解質溶液と、
前記第1電極領域と前記第2電極領域との間に電位差を発生するように動作可能な電圧源と、
前記電気化学発光系からの光信号の発生によって、前記試料の存在を検出するように動作可能な検出器と、
を備えていることを特徴とするシステム。 - 請求項25記載のシステムにおいて、前記電圧源は、前記電解質溶液内に、前記電極の長さにわたって電界を加えるように動作可能であることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記電極は複数の電極からなり、前記電圧源は、前記電解質溶液において各電極の長さにわたって電界を加えるように動作可能であることを特徴とするシステム。
- 請求項27記載のシステムにおいて、前記複数の電極は、少なくとも2つの異なる長さの電極からなることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記第1電極領域は陽極であり、前記第2電極領域は陰極であることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記第1電極領域は陰極であり、前記第2電極領域は陽極であることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記電気化学発光系は、ルテニウム又はオスミウム・キレート及びアミンからなることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記コンテナは、第1及び第2サンプル区画室に分離されており、前記第1区画室は前記第1電解質溶液を収容し、前記第2区画室は前記第2電解質溶液を収容することを特徴とするシステム。
- 請求項32記載のシステムにおいて、前記第1及び第2サンプル区画室の少なくとも1つはチャネルであることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記第1及び第2サンプル区画室は、前記第1及び第2サンプル区画室間においてイオン連通させるように動作可能なバリアによって分離されていることを特徴とするシステム。
- 請求項34記載のシステムにおいて、前記バリアは、狭い開口、液体−液体接合、塩橋、イオン透過膜、及びイオン浸透性ゾル・ゲル・バリアからなる群から選択されることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記試料は電子活性試料からなることを特徴とするシステム。
- 請求項25記載のシステムにおいて、前記試料にレドックス試薬でラベリングすることを特徴とするシステム。
- 請求項37記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に共有結合されることを特徴とする方法。
- 請求項37記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に非共有結合されることを特徴とする方法。
- 請求項37記載の方法において、前記レドックス試薬は前記試料に静電的に結合されることを特徴とする方法。
- 請求項37記載の方法において、前記レドックス試薬が1又は複数のレドックス等価物を備えていることを特徴とする方法。
- 試料の存在又は量を検出するシステムにおいて、
コンテナと、
前記コンテナの第1部分に付随する第1電極と、
前記コンテナの第2部分に付随する第2電極と、
前記試料を含有し、前記コンテナ内に配され、前記第1電極に付随される第1電解質溶液と、
電気化学発光系を含有し、前記コンテナ内に配され、前記第2電極に付随される第2電解質溶液と、
前記第1及び第2電極間に電位差を発生するように動作可能な電圧源と、
前記電気化学発光系からの光信号の発生によって、前記試料の存在を検出するように動作可能な検出器と
を備えていることを特徴とするシステム。 - 請求項42記載のシステムにおいて、前記電圧源は、前記第1及び第2電極間に電子的連通をもたらすことを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記電位差が時間と共に変化することを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、該システムは更に、前記コンテナ内に配置された第3電極を備えていることを特徴とするシステム。
- 請求項45記載のシステムにおいて、前記第3電極は、前記第1及び第2電極とは異なる電位にあることを特徴とするシステム。
- 請求項45記載のシステムにおいて、前記第1電極領域は陽極であり、前記第2電極領域は陽極であり、前記第3電極領域は陰極であることを特徴とするシステム。
- 請求項45記載のシステムにおいて、前記第1電極領域は陰極であり、前記第2電極領域は陰極であり、前記第3電極領域は陽極であることを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記第1電極領域は陽極であり、前記第2電極領域は陰極であることを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記第1電極領域は陰極であり、前記第2電極領域は陽極であることを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記電気化学発光系は、ルテニウム又はオスミウム・キレート及びアミンからなることを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記第1電解質溶液及び前記第2電解質溶液は、別個のサンプル区画室内に配されていることを特徴とするシステム。
- 請求項52記載のシステムにおいて、前記別個のサンプル区画室の少なくとも1つはチャネルであることを特徴とするシステム。
- 請求項52記載のシステムにおいて、前記別個のサンプル区画室は、該別個のサンプル区画室間でイオン連通させるように動作可能なバリアによって分離されていることを特徴とするシステム。
- 請求項54記載のシステムにおいて、前記バリアは、狭い開口、液体−液体接合、塩橋、イオン透過膜、及びイオン浸透性ゾル・ゲル・バリアからなる群から選択されることを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記試料は電子活性試料からなることを特徴とするシステム。
- 請求項42記載のシステムにおいて、前記試料はレドックス試薬でラベリングされることを特徴とするシステム。
- 請求項57記載のシステムにおいて、前記レドックス試薬は前記試料に共有結合されることを特徴とするシステム。
- 請求項57記載のシステムにおいて、前記レドックス試薬は前記試料に非共有結合されることを特徴とするシステム。
- 請求項57記載のシステムにおいて、前記レドックス試薬は前記試料に静電的に結合されることを特徴とするシステム。
- 請求項57記載のシステムにおいて、前記レドックス試薬が1又は複数のレドックス等価物を備えていることを特徴とするシステム。
- 試料の存在又は量を検出するシステムであって、
前記試料を含有する第1電解質溶液を第1電極領域と結合する手段と、
電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を第2電極領域と結合する手段と、
前記第1及び第2電極領域を電子的に結合する手段と、
前記第1及び第2電解質溶液をイオン的に結合する手段と、
前記第1及び第2電極領域間に電位差を発生する手段と、
前記第2電極領域において前記電気化学発光系から放出される光を検出することによって、前記第1電極領域における前記試料の存在を示す手段と
を備えていることを特徴とするシステム。 - 1つ以上の試料の存在又は量を検出する方法において、
少なくとも1つの試料を含有する第1電解質溶液を、第1電極と第2電極とを備えている第1区画室に付随させるステップと、
発光源を、第3電極と第4電極とを備えている第2区画室に付随させるステップと、
前記第1及び第3電極を電子的に結合するステップと、
前記第2及び第4電極間に電位差を発生させるステップと、
前記第2区画室において前記発光源から発光される光を検出することによって、前記第1区画室における前記少なくとも1つの試料の存在又は量を示すステップと
からなることを特徴とする方法。 - 請求項63記載の方法において、前記発光源は電気化学発光(ECL)系からなることを特徴とする方法。
- 請求項63記載の方法において、前記発光源は発光ダイオードであることを特徴とする方法。
- 請求項65記載の方法において、前記発行ダイオードは半導体発光ダイオードであることを特徴とする方法。
- 請求項65記載の方法において、前記発光ダイオードは可視光を放出することを特徴とする方法。
- 請求項63記載の方法において、前記第1電極及び第3電極は、1つのモノリシックバイポーラ電極を構成することを特徴とする方法。
- 請求項63記載の方法において、該方法は更に、
複数の第1電極を前記第1区画室に付随させるステップと、
複数の第3電極を前記第2区画室に付随させるステップと、
複数の発光源を前記第2区画室に付随させるステップと、
各第1及び第3電極を電子的に結合するステップと、
前記第2区画室において各発光源から放出される光を検出するステップと
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項69記載の方法において、前記複数の発光源は発光ダイオードであることを特徴とする方法。
- 請求項69記載の方法において、前記第2電極は陰極であり、前記第4電極は陽極であることを特徴とする方法。
- 請求項69記載の方法において、前記第2電極は陽極であり、前記第4電極は陰極であることを特徴とする方法。
- 試料の存在又は量を検出する方法であって、
前記試料を含有する第1電解質溶液を、バイポーラ電極の第1領域に付随させるステップと、
電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を前記バイポーラ電極の第2領域に付随させるステップと、
前記第1電解質溶液を前記第2電解質溶液からイオン的に隔離するステップと、
前記第1及び第2電解質溶液間に電位差を発生させるステップと、
前記電気化学発光系から放出される光を検出することによって、前記バイポーラ電極の第1領域における前記試料の存在又は量を示すステップと
からなることを特徴とする方法。 - 請求項73記載の方法において、該方法は更に、前記第1及び第2電解質溶液に同じ組成を有させるステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項73記載の方法において、前記試料を含有する第1電解質溶液をバイポーラ電極の第1領域に付随させるステップは、前記試料を含有する第1電解質溶液を複数のバイポーラ電極の各第1領域に付随させるステップを含み、
電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を前記バイポーラ電極の第2領域に付随させるステップは、前記電気化学発光系を含有する第2電解質溶液を、前記複数のバイポーラ電極の各第2領域に付随させるステップを含むことを特徴とする方法。 - 請求項75記載の方法において、該方法は更に、前記第1及び第2電解質溶液間の電位差を、前記複数のバイポーラ電極の各々で同一にするステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項73記載の方法において、前記第1及び第2電解質溶液間に電位差を発生させるステップは、前記第1電解質溶液に付随する第1電極と、前記第2電解質溶液に付随する第2電極との間に電位差を分与するステップを含むことを特徴とする方法。
- 請求項77記載の方法において、前記第1電極は陰極であり、前記第2電極は陽極であることを特徴とする方法。
- 請求項77記載の方法において、前記第1電極は陽極であり、前記第2電極は陰極であることを特徴とする方法。
- 請求項73記載の方法において、前記バイポーラ電極の第1領域は、前記第2領域よりも広い表面積を有することを特徴とする方法。
- 請求項75記載の方法において、前記複数のバイポーラ電極のそれぞれの第1領域は、前記第2領域それぞれよりも広い表面積を有することを特徴とする方法。
- 1つ以上の試料の存在又は量を検出するシステムであって、
第1電極と第2電極とを備えている第1区画室と、
少なくとも1つの試料を含有し、前記第1区画室に付随する第1電解質溶液と、
第3電極と第4電極とを備えている第2区画室と、
前記第2区画室に付随する発光源と、
前記第1及び第3電極を電子的に結合する導体と、
前記第2及び第4電極間に電位差を発生するように動作可能な電圧源と、
前記第2区画室において前記発光源から放出される光を検出することによって、前記第1区画室における前記少なくとも1つの試料の存在又は量を示すように動作可能な検出器と
を備えていることを特徴とするシステム。 - 請求項82記載のシステムにおいて、前記発光源は電気化学発光(ECL)システムからなることを特徴とするシステム。
- 請求項82記載のシステムにおいて、前記発光源は発光ダイオードであることを特徴とするシステム。
- 請求項84記載のシステムにおいて、前記発光ダイオードは半導体発光ダイオードであることを特徴とするシステム。
- 請求項84記載のシステムにおいて、前記発光ダイオードは可視光を放出することを特徴とするシステム。
- 請求項82記載のシステムにおいて、前記第1電極及び第3電極は、1つのモノリシックバイポーラ電極を構成することを特徴とするシステム。
- 請求項82記載のシステムにおいて、
前記第1区画室は複数の第1電極を備えており、
前記第2区画室は複数の第3電極を備えており、
前記発光源は、前記第2区画室に付随する複数の発光源からなり、
前記導体は、それぞれの第1及び第3電極を電子的に結合する複数の導体からなり、
前記検出器は、前記第2区画室において各発光源から放出される光を検出するように動作可能である
ことを特徴とするシステム。 - 請求項88記載のシステムにおいて、前記複数の発光源は発光ダイオードであることを特徴とするシステム。
- 請求項88記載のシステムにおいて、前記第2電極は陰極であり、前記第4電極は陽極であることを特徴とするシステム。
- 請求項88記載のシステムにおいて、前記第2電極は陽極であり、前記第4電極は陰極であることを特徴とするシステム。
- 試料の存在又は量を検出するシステムであって、
第1区画室と、
前記第1区画室に付随する第1電極とバイポーラ電極の第1端部と、
第2区画室と、
前記第2区画室に付随する第2電極と前記バイポーラ電極の第2端部と、
前記試料を含有し、前記第1区画室内に配された第1電解質溶液と、
電気化学発光系を含有し、前記第2区画室内に配された第2電解質溶液と、
前記バイポーラ電極の第1端部及び前記バイポーラ電極の第2端部を電子的に結合する導体と、
前記第1及び第2電極間に電位差を発生するように動作可能な電圧源と、
前記第2区画室において前記電気化学発光系によって発生される光信号を検出することによって、前記第1区画室において前記試料の存在又は量を検出する検出器と
を備えていることを特徴とするシステム。 - 請求項92記載のシステムにおいて、前記第1及び第2区画室は共通のバリアを共有し、該共通バリアはイオン浸透性バリアからなることを特徴とするシステム。
- 請求項93記載のシステムにおいて、前記バイポーラ電極の第1及び第2端部と、前記第1及び第2端部を結合する導体は、前記共通バリアに及ぶモノリシックバイポーラ電極を構成することを特徴とするシステム。
- 請求項94記載のシステムにおいて、該システムは更に、前記第1及び第2区画室間の前記共通バリアに及ぶ、少なくとも2つのバイポーラ電極を備えていることを特徴とするシステム。
- 請求項94記載のシステムにおいて、前記バイポーラ電極の第1領域は、前記第2領域よりも大きな表面積を有することを特徴とするシステム。
- 請求項94記載のシステムにおいて、該システムは更に、
それぞれ付随する第1電極を有する複数の第1区画室を備えており、
前記電圧源は、前記それぞれの第1電極と第2電極との間に電位差を発生するように動作可能であり、
前記検出器は、前記第2区画室において前記電気化学発光系によって発生される前記光信号を検出することによって、前記第1区画室の少なくとも1つにおける前記試料の存在を検出するように動作可能である
ことを特徴とするシステム。 - 請求項97記載のシステムにおいて、前記電圧源は、一連の連続する第1区画室において、前記電位差を発生するように動作可能であることを特徴とするシステム。
- 請求項97記載のシステムにおいて、前記電圧源は、前記電位差を同時に発生するように動作可能であることを特徴とするシステム。
- 請求項92記載のシステムにおいて、
複数の第1区画室と、
前記第1区画室に付随する、それぞれの第1電極と前記バイポーラ電極のそれぞれの第1端部と、
前記バイポーラ電極のそれぞれの第1端部の1つと前記バイポーラ電極の第2端部との間に前記導体を電子的に結合するように動作可能なスイッチと
を備えており、
前記電圧源は、前記第1電極それぞれと前記第2電極との間に電位差を発生するように動作可能であり、
前記検出器は、前記第2区画室において前記電気化学発光系によって発生される前記光信号を検出することにより、前記第1区画室の1つにおける前記試料の存在を検出するように動作可能である
ことを特徴とするシステム。 - 請求項92記載のシステムにおいて、前記第1電極と前記バイポーラ電極の第1端部は、平行平面であり、15μm未満の分離ギャップを有することを特徴とするシステム。
- 試料の存在又は量を検出するシステムであって、
前記試料を含有する第1電解質溶液を第1電極領域と結合する手段と、
発光源を第2電極領域と結合する手段と、
前記第1及び第2電極領域を電子的に結合する手段と、
前記第1及び第2電極領域間に電位差を発生する手段と、
前記第2電極領域において前記発光組成物から放出される光を検出することによって、前記第1電極領域において前記試料の存在又は量を示す手段と
を備えていることを特徴とするシステム。 - 請求項102記載のシステムにおいて、該システムは更に、前記第1及び第2電解質溶液をイオン的に結合する手段を備えていることを特徴とするシステム。
- 請求項102記載のシステムにおいて、該システムは更に、前記第1及び第2電解質溶液をイオン的に隔離する手段を備えていることを特徴とするシステム。
- 請求項102記載のシステムにおいて、前記発光源は電気化学発光系であることを特徴とするシステム。
- 請求項102記載のシステムにおいて、前記発光源は発光ダイオードであることを特徴とするシステム。
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