JP2005532820A - ノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子、タンパク質およびそれらの使用 - Google Patents

ノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子、タンパク質およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ダニのオクトパミンレセプター核酸分子;このような核酸分子によってコードされるダニのオクトパミンレセプタータンパク質;このようなタンパク質に対して惹起される抗体;ならびにこのようなタンパク質の活性を阻害する化合物に関する。本発明はまた、このようなタンパク質、核酸分子、抗体、および阻害性化合物を得るための方法を包含する。本発明はまた、阻害性化合物、特にダニのオクトパミンレセプター活性を特異的に阻害する阻害性化合物、ならびに動物を処置するためのこのような化合物を包含する。

Description

(発明の分野)
本発明は、ノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子、このような核酸分子によってコードされるタンパク質、このようなタンパク質に対して惹起された抗体、およびこのようなタンパク質のインヒビターに関する。本発明はまた、このようなタンパク質、核酸分子、抗体、および阻害組成物を得るための方法を包含する。本発明はまた、このようなインヒビターを含む治療用組成物、ならびにその使用を包含する。
(発明の背景)
ノミおよびダニの動物外寄生は、ペットの飼い主の健康上および経済的な関心事である。ノミおよびダニは、細菌、ウイルス、原生動物寄生体およびリケッチアを含むがこれらに限定されない種々の感染性因子を運搬することが公知である。そのため、ノミおよびダニは、それらが動物上にいる場合だけでなく、動物の一般的環境にいる場合にも問題となる。
ノミおよびダニの外寄生の医学的重要性は、ノミおよび/またはダニの外寄生を制御し得る試薬の開発を促進してきた。外寄生を制御するための一般的に遭遇する方法は、一般的に殺虫剤の使用に焦点を合わせており、これは、以下の理由の1つ以上のためにしばしば失敗する:(1)飼い主が従順でないこと(頻繁な投与が必要とされる);(2)殺虫剤製品または投与手段に対してペットが行動的にまたは生理学的に耐えられないこと;および(3)所定の用量の殺虫剤に対して耐性のノミおよび/またはダニの集団の出現。
オクトパミンレセプターは、生体アミンレセプターファミリーのメンバーであり、このファミリーはまた、ドーパミンレセプター、セロトニンレセプターおよびチラミンレセプターを包含する。オクトパミンは、昆虫における、神経伝達機能および神経ホルモン機能を有する主な神経調節因子であり、そしてサイクリックAMP産生の刺激をもたらすアデニル酸シクラーゼの公知のアクチベーターである。
例えば、Arakawaら,1990,Neuron,2:343−354,Venterら、米国特許番号5,474,898、Saudouら,1990,EMBO Journal,9(11):3611−3617およびHanら,1998、J.Neuroscience,18(10):3650−3658を含め、以前の研究は、Drosophila melanogasterにおける特定の昆虫生体アミンレセプターを記載した。残念なことに、生体アミンレセプターファミリーのメンバーは、cDNAとしての配列が希であり、非常に関連した配列および活性(これは、報告された配列の真の正体に関して当該分野での混乱をまねいた)をしばしば有することに起因して、クローニングすることが困難であることが証明された。
昆虫のオクトパミンレセプターは、デメチルクロルジメホルム(demethylchlordimeform;DCDM)のようなホルムアマジン(formamadine)化合物を含め、種々の殺虫剤の既知の標的である。しかし、今日まで、ホルムアマジン化合物は、宿主動物でのダニ外感染を処置するための使用について安全でかつ有効であるとは示されていない。オクトパミンレセプターは、脊椎動物に存在せず、そして昆虫においては、オクトパミンレセプターを標的化する殺虫剤への感受性は、種によって異なることが示されている。それゆえ、宿主動物または非標的昆虫への毒性を最少にしながらも、ノミおよび/またはダニに対して有効である化合物および処置を作製するために、ノミおよび/またはダニのオクトパミンレセプターの配列を有することが、明らかに有利である。従って、ノミおよび/またはダニのオクトパミンレセプター遺伝子の単離および配列決定は、動物を外感染について処置するための特定の薬剤を同定する際に使用するために重要であり得る。
(発明の要旨)
本発明は、ノミおよびダニのオクトパミンレセプタータンパク質;ノミおよびダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードする核酸分子;このようなタンパク質に対して惹起された抗体(すなわち、抗ノミオクトパミンレセプター抗体および抗ダニオクトパミンレセプター抗体);このようなタンパク質または抗体のミメトープ;ならびにノミおよび/またはダニのオクトパミンレセプター活性を阻害する化合物(すなわち、阻害性化合物またはインヒビター)を提供する。
本発明はまた、このようなタンパク質、ミメトープ、核酸分子、抗体および阻害性化合物を得る方法を包含する。本発明はまた、このような阻害性化合物を同定するためのタンパク質および抗体の使用、ならびにこのような阻害性化合物を同定するためのアッセイキットを包含する。本発明のタンパク質、ミメトープ、核酸分子、抗体および阻害性化合物(ノミおよび/またはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性を阻害する、本発明のタンパク質から誘導される治療用化合物を包含する)を含む治療用組成物もまた本発明に包含される。
本発明の一実施形態は、5%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号13、配列番号32、配列番号35、配列番号38もしくは配列番号41を有する核酸配列にハイブリダイズする単離されたオクトパミンレセプター核酸分子、またはこのような核酸分子に完全に相補的な配列を有する核酸分子であり、ここで、このような核酸分子は、オクトパミンに結合するタンパク質をコードする。
本発明の別の実施形態は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39もしくは配列番号41またはオクトパミンを結合するタンパク質をコードするそのフラグメントに対して少なくとも95%同一である核酸配列を有する単離されたオクトパミンレセプター核酸分子である。本発明の別の実施形態は、配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37もしくは配列番号40に少なくとも95%同一であるタンパク質をコードする単離されたオクトパミンレセプター核酸分子、またはオクトパミンを結合するタンパク質をコードするそのフラグメントもしくはこのような核酸配列に対して完全に相補的な核酸配列である。
本発明はまた、本発明の核酸分子を含む、組換え分子、組換えウイルスおよび組換え細胞に関する。このような核酸分子、組換え分子、組換えウイルスおよび組換え細胞を産生する方法もまた含まれる。本発明のタンパク質を産生するための方法もまた含まれる。
本発明の別の実施形態は、配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一である、単離されたオクトパミンレセプタータンパク質を包含し、ここで、このようなタンパク質は、オクトパミンに結合する。
本発明の別の実施形態は、5%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号13、配列番号32、配列番号35、配列番号38または配列番号41を有する核酸配列にハイブリダイズする核酸分子によってコードされる、単離されたオクトパミンレセプタータンパク質を包含する。
本発明の別の実施形態は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプター活性のインヒビターを検出するための方法を包含し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)本発明のノミまたはダニの単離されたオクトパミンレセプタータンパク質を、推定の阻害性化合物の非存在下で、このタンパク質が、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を有する条件下で、この化合物と接触させる工程、および(b)この推定の阻害性化合物がノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害するか否かを決定する工程。
(発明の詳細な説明)
本発明は、ノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子、このような核酸分子によってコードされるタンパク質、このようなタンパク質に対して惹起された抗体、およびこのようなタンパク質のインヒビターを提供する。本明細書中で用いられる場合、ノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子およびこのような核酸分子によってコードされるタンパク質はまた、それぞれ、本発明のオクトパミンレセプター核酸分子およびオクトパミンレセプタータンパク質とも呼ばれる。本発明のノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子およびオクトパミンレセプタータンパク質は、ノミもしくはダニから単離されてもよく、または組換えもしくは合成によって調製されてもよい。本発明のノミおよびダニのオクトパミンレセプター核酸分子は、RNAもしくはDNAまたはそれらの改変形態であり得、そして二本鎖もしくは一本鎖であり得る;核酸分子の例としては、相補性DNA(cDNA)分子、ゲノムDNA分子、合成DNA分子、メッセンジャーRNAについての特異的タグであるDNA分子、および対応するmRNA分子が挙げられるがこれらに限定されない。それゆえ、本発明のノミまたはダニの核酸分子は、このような核酸分子が含まれる染色体全体を言及することを意図しないが、しかし、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子は、このような核酸分子によってコードされるオクトパミンレセプタータンパク質の産生を制御する調節領域のような全ての領域(例えば、転写制御領域、翻訳制御領域または翻訳後制御領域であるがこれらに限定されない)ならびにそれらのコード領域、および任意のイントロンまたは非翻訳コード領域を含み得る。本明細書中で用いられる場合、語句「ダニオクトパミンレセプタータンパク質」とは、ダニオクトパミンレセプター核酸分子によってコードされるタンパク質をいい、そして語句「ノミオクトパミンレセプタータンパク質」とは、ノミオクトパミンレセプター核酸分子によってコードされるタンパク質をいう。
ダニ(例えば、Rhipicephalus sanguineus)から単離された既知の長さのダニオクトパミンレセプター核酸分子は、「nRsOCR」(例えば、nRsOCR1443)と示され、ここで、「#」は、その分子中でのヌクレオチド数をいい、既知の長さのダニオクトパミンレセプタータンパク質は、「PRsOCR」(例えば、PRsOCR480)と示され、ここで、「#」は、その分子中でのアミノ酸残基の数をいう。ノミ(例えば、Ctenocephalides felis)から単離された既知の長さのノミオクトパミンレセプター核酸分子は、「nCfOCR」(例えば、nCfOCR2136)と示され、ここで、「#」は、その分子中でのヌクレオチド数をいい、既知の長さのノミオクトパミンレセプタータンパク質は、「PCfOCR」(例えば、PCfOCR712)と示され、ここで、「#」は、その分子中でのアミノ酸残基の数をいう。
本発明はまた、メッセンジャーRNA分子についての特異的なタグである、ノミおよび/またはダニのオクトパミンレセプターDNA分子を提供する。このようなDNA分子は、メッセンジャーRNAの配列全体または部分配列に対応し得、それゆえ、このようなメッセンジャーRNA分子に対応するDNA分子(すなわち、cDNA分子)は、全長タンパク質または部分長タンパク質をコードし得る。部分長タンパク質をコードする核酸分子は、プローブとして直接的に用いられてもよく、または対応するかもしくは構造的に関連する全長タンパク質をコードするcDNA核酸分子を同定および/もしくは単離するためのプライマーを作製するために間接的に用いられてもよい。部分長オクトパミンレセプタータンパク質をコードするcDNAはまた、ゲノム核酸分子(例えば、調節領域、エキソンおよびイントロンを含む完全遺伝子を含む核酸分子)を同定するために、類似の様式で用いられ得る。ノミまたはダニの部分長オクトパミンレセプタータンパク質をコードするcDNA分子および配列を用いて、ノミまたはダニの全長オクトパミンレセプタータンパク質ならびに対応するcDNA分子をコードする核酸分子を単離するための方法は、本明細書中の以下の実施例に記載される。
本発明のタンパク質および核酸分子は、天然供給源から得られ得るか、または例えば組換え核酸技術または化学的合成を使用して産生され得る。これらのタンパク質および核酸分子ならびにそれらに対する抗体および阻害性化合物の治療的組成物としての使用ならびに他の適用(例えば、以下に開示される適用)における使用もまた、本発明に含まれる。
本発明の1つの実施形態は、ノミオクトパミンレセプタータンパク質および/またはダニオクトパミンレセプタータンパク質を含む単離されたタンパク質である。用語(「a」または「an」)実体とは、1つ以上の実体をいう;例えば、タンパク質、核酸分子、抗体および治療組成物とは、それぞれ、「1つ以上の」または「少なくとも1つの」タンパク質、核酸分子、抗体および治療組成物をいうことが留意されるべきである。従って、用語「a」(または「an」)、「1つ以上」および「少なくとも1つ」は、本明細書中において交換可能に使用され得る。用語「を含む(comprising)」、「を含む(including)」、および「有する(having)」は、交換可能に使用され得ることにも留意すべきである。本発明によれば、単離されたかまたは生物学的に純粋なタンパク質は、天然環境から取り出されたタンパク質である。従って、「単離された」および「生物学的に純粋な」は、タンパク質が精製された程度を反映する必要はない。本発明の単離されたタンパク質は、その天然供給源から得られ得るか、組換えDNA技術を使用して産生され得るか、または化学的合成により産生され得る。
本明細書中で使用される場合、本発明の単離されたノミオクトパミンレセプタータンパク質およびダニオクトパミンレセプタータンパク質は、全長タンパク質またはこのようなタンパク質の任意のホモログであり得る。本発明の単離されたタンパク質(ホモログを含む)は、ノミオクトパミンレセプタータンパク質またはダニオクトパミンレセプタータンパク質に対して免疫応答を誘発するタンパク質の能力によって、またはタンパク質のノミオクトパミンレセプター活性および/またはダニオクトパミンレセプター活性を示す能力(例えば、オクトパミンに結合する能力)によって、直接的な様式で同定され得る。ノミオクトパミンレセプターホモログタンパク質およびダニオクトパミンレセプターホモログタンパク質の例としては、アミノ酸が欠失した(例えば、短縮型のタンパク質(例えば、ペプチド))、挿入された、反転した、置換されたおよび/または誘導体化された(例えば、グリコシル化、リン酸化、アセチル化、ミリストイル化、プレニル化、パルミトイル化、アミド化、および/またはグリセロホスファチジルイノイシトールの付加による)ノミオクトパミンレセプタータンパク質およびダニオクトパミンレセプタータンパク質が挙げられ、その結果、このホモログは、ノミオクトパミンレセプタータンパク質および/またはダニオクトパミンレセプタータンパク質に対して免疫応答を誘発し得、そして/あるいはノミオクトパミンレセプタータンパク質および/またはダニオクトパミンレセプタータンパク質に対して指向された抗体に結合し得る少なくとも1つのエピトープを含む。すなわち、このホモログが当業者に公知の技術を使用して、免疫原として動物に投与される場合、この動物は、天然のノミオクトパミンレセプタータンパク質および/またはダニオクトパミンレセプタータンパク質の少なくとも1つのエピトープに対して免疫応答を生じる。タンパク質が免疫応答をもたらす能力は、当業者に公知の技術を使用して測定され得る。本明細書中で使用される場合、用語「エピトープ」とは、抗体の抗原結合部位またはT細胞レセプターに選択的に結合し得るタンパク質または他の抗原の最も小さな部分をいう。最小のサイズのタンパク質エピトープが、約4〜6個のアミノ酸であることは、当業者によって十分に受け入れられている。当業者によって理解されるように、エピトープとしては、天然において互いに連続するアミノ酸、ならびに天然のタンパク質の3次構造に起因して、十分に密接に近位にあり、エピトープを形成するアミノ酸が挙げられ得る。本発明に従って、エピトープは、少なくとも4アミノ酸長、少なくとも5アミノ酸長、少なくとも6アミノ酸長、少なくとも10アミノ酸長、少なくとも15アミノ酸長、少なくとも20アミノ酸長、少なくとも25アミノ酸長、少なくとも30アミノ酸長、少なくとも35アミノ酸長、少なくとも40アミノ酸長、または少なくとも50アミノ酸長を含むタンパク質の部分を含む。
本発明の1つの実施形態において、ノミオクトパミンレセプターホモログタンパク質またはダニオクトパミンレセプターホモログタンパク質は、それぞれ、ノミオクトパミンレセプター活性またはダニオクトパミンレセプター活性を有する。すなわち、このホモログは、その天然の対応物に類似の活性(例えば、オクトパミンに結合する能力)を示す。このような活性を検出および測定するための方法は、当業者に公知である。
ノミオクトパミンレセプターホモログタンパク質およびダニオクトパミンレセプターホモログタンパク質は、天然の対立遺伝子改変または天然の変異の結果であり得る。本発明のノミオクトパミンレセプタータンパク質ホモログおよびダニオクトパミンレセプタータンパク質ホモログはまた、例えば、ランダムな変異誘発または標的化された変異誘発をもたらすための古典的技術または組換えDNA技術を使用する、タンパク質に対する直接的な改変またはこのタンパク質をコードする遺伝子の改変を含む(これらに限定されない)当該分野で公知の技術を使用して作製され得る。
本発明のノミオクトパミンレセプタータンパク質およびダニオクトパミンレセプタータンパク質は、それぞれ、ノミオクトパミンレセプター核酸分子およびダニオクトパミンレセプター核酸分子によってコードされる。本明細書中で使用される場合、ノミオクトパミンレセプター核酸分子および/またはダニオクトパミンレセプター核酸分子は、それぞれ、天然のオクトパミンレセプター遺伝子、好ましくは、C.felisオクトパミンレセプター遺伝子およびR.sauguineusダニオクトパミンレセプター遺伝子に関連する核酸配列を含む。本明細書中で使用される場合、ノミオクトパミンレセプター遺伝子およびダニオクトパミンレセプター遺伝子は、このような遺伝子によってコードされるノミオクトパミンレセプタータンパク質およびダニオクトパミンレセプタータンパク質の産生を制御する調節領域(例えば、限定しないが、転写制御領域、翻訳制御領域または翻訳後制御領域)、ならびにそのコード領域、ならびに任意のイントロンまたは非翻訳コード領域のような全ての領域を含む。本明細書中で使用される場合、配列を「含む(include)」または「含む(comprise)」核酸分子は、1つの連続したアレイでその配列を含み得るか、またはダニ遺伝子についてしばしば見出されるようなフラグメント化エキソンとしてその配列を含み得る。本明細書中で使用される場合、用語「コード領域」とは、タンパク質に翻訳される連続した線形アレイのヌクレオチドをいう。全長コード領域は、全長に翻訳されるコード領域(すなわち、任意の翻訳後修飾の前の、その天然の環境において最初に翻訳される完全なタンパク質)である。
本発明の1つの実施形態は、連続アレイまたは天然のイントロンによって妨げられたアレイのいずれかにおける、C.felis ノミオクトパミンレセプター遺伝子(核酸配列の配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11および配列番号13を含む)ならびにR.sanguineus ダニオクトパミンレセプター遺伝子(核酸配列の配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41を含む)である。これらの核酸配列は、本明細書にさらに記載される。例えば、核酸配列の配列番号39は、R.sanguineusオクトパミンレセプター核酸分子nRsOCR1443(これらの産生は実施例に開示される)として本明細書中に記載されるR.sanguineusのcDNAのコード鎖の推定配列を示す。核酸分子配列番号39は、およそ全長のコード領域を含む。配列番号39の相補体(配列番号41によって本明細書中に示される)とは、配列番号39(これは、当業者によって容易に決定され得る)を有する鎖と完全に相補的な鎖の核酸配列をいう。同様に、本発明の任意の核酸配列の核酸配列相補体とは、配列が言及される鎖に対して完全に相補的である(すなわち、完全な二重ヘリックスを形成し得る)核酸鎖の核酸配列をいう。核酸配列決定技術が、もっぱら誤差がないことはないので、配列番号39(ならびに本明細書中に提示される他の核酸およびタンパク質配列)は、本発明のダニオクトパミンレセプタータンパク質をコードする核酸分子の見かけの核酸配列を示すことに留意すべきである。
配列番号39(nRsOCR1443のコード鎖)の翻訳は、PRsOCR480として本明細書中に記載される480アミノ酸タンパク質を産生し、このアミノ酸配列は、配列番号40中に与えられ、(a)配列番号39のヌクレオチド1〜3まで伸長する開始コドン、および(b)配列番号39のヌクレオチド1〜1440を伸長する終止コドンを想定する。
配列番号11(nCfOCR2136のコード鎖)の翻訳は、PCfOCR712として本明細書中に記載される712アミノ酸タンパク質を産生し、このアミノ酸配列は、配列番号12中に与えられ、(a)配列番号11のヌクレオチド1〜3から伸長する開始コドン、および(b)配列番号11のヌクレオチド2134〜2136から伸長する終止コドンを想定する。
1つの実施形態において、本発明の遺伝子または他の核酸分子は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41に対して類似であるが同一でない配列を含む対立遺伝子改変体であり得る。例えば、C.felisオクトパミンレセプター遺伝子(配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11および配列番号13を含む)の対立遺伝子改変体は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11および配列番号13を含む遺伝子とゲノム中の同じ遺伝子座に本質的に生じる遺伝子であり、そして配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41を含むR.sanguineusオクトパミンレセプター遺伝子の対立遺伝子改変体は、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41を含む遺伝子とゲノム中の同じ遺伝子座に本質的に生じるが、しかし、例えば、突然変異または組換えによって引き起こされる天然の改変に起因して、類似するが同一でない配列を有する、遺伝子である。天然の選択が、特に機能に影響する変更ではないものを選択することに起因して、対立遺伝子改変体(すなわち、引用された核酸配列に対応するか、または引用された核酸配列の対立遺伝子)は、それらと比較される遺伝子によってコードされたタンパク質の活性と類似する活性を有するタンパク質を通常コードする。遺伝子の対立遺伝子改変体または核酸分子の対立遺伝子改変体はまた、遺伝子の5’または3’の非翻訳領域における(すなわち、調節制御領域における)変化を含んでいても、初期転写物の選択的スプライシング(これによって代替的なエキソンが近位へと運ばれる)を含んでいてもよい。対立遺伝子の改変体は、当業者に周知であり、そしてそのゲノムが二倍体でありかつ有性生殖が対立遺伝子の再組み合わせを生じるので、対立遺伝子改変体が所定のダニ種において天然に生じることが予想される。
本発明の一実施形態において、単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でそれぞれ、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードする遺伝子または他の核酸分子にハイブリダイズする核酸分子によってコードされる。本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の最小サイズは、対応する天然のタンパク質をコードする核酸分子の相補的配列と、安定なハイブリッドを形成し得る(すなわち、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし得る)核酸分子によってコードされるに十分なサイズである。このようなタンパク質をコードする核酸分子のサイズは、核酸組成およびノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子とその相補的核酸分子との間の相同性%に依存する。安定なハイブリッドをストリンジェントな条件下で形成するために必要とされる相同姓の程度は、その相同な配列が所定の核酸分子全体に対して散在しているか、または所定の核酸分子の独特の領域に集中している(すなわち、局在している)かに依存して変化し得ることが容易に理解され得る。
ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードする遺伝子と安定なハイブリッドを形成し得る核酸分子の最小サイズは、その核酸分子がGCリッチである場合には、少なくとも少なくとも約12〜約15のヌクレオチド長であり、その核酸分子がATリッチである場合には、少なくとも約15〜約17塩基長である。本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質ホモログをコードするために使用される核酸分子の最小サイズは、約12〜約18ヌクレオチド長である。従って、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質ホモログの最小サイズは、約4〜約6アミノ酸長である。本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードする核酸分子の最大サイズに対する制限は、実際の制限以外存在しない。なぜなら、本発明の核酸分子は、遺伝子またはcDNAまたはRNAの一部、遺伝子またはcDNAまたはRNAの全体、あるいは複数の遺伝子またはcDNAまたはRNAを含み得るからである。本発明の核酸分子によってコードされるタンパク質の好ましいサイズは、このようなタンパク質の全長部分、融合部分、多価部分または機能的部分が所望されるかに依存する。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、核酸分子がハイブリダイズダイズしている、ノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子の規定された物理的特性に基づいて決定され、数学的に規定され得る。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者が異種核酸分子間の有意な類似性を同定することを可能にする実験パラメーターである。これらの条件は、当業者に周知である。例えば、Sambrookら,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labs Press、およびMeinkothら,1984,Anal.Biochem.138,267−284(その各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。引用される参考文献に詳細に説明されるように、ハイブリダイゼーション条件の決定は、イオン強度(M(モル/リットル)、ハイブリダイゼーション温度(℃)、核酸らせん変性剤(例えば、ホルムアミド)の濃度、最も短いハイブリッド二重鎖の平均長(n)、およびフラグメント(これに対して未知の核酸分子がハイブリダイズする)のG+C組成%を含む一連の変数の操作を包含する。少なくとも約150ヌクレオチドの核酸分子について、これらの変数が標準的な数式に挿入されて、所定の核酸分子の融解点、すなわちTが計算される。以下の式において規定されるように、Tは、2つの鎖の間に100%相補的であると仮定して、2つの相補的な核酸分子鎖が解離する温度である:
=81.5℃+16.6logM+0.41(%G+C)−500/n−0.61(%ホルムアミド)。
約50ヌクレオチドよりも小さい核酸分子については、ハイブリッド安定性は、二重鎖の50%が解離する温度として規定される解離温度(T)によって規定される。これらのより小さな分子について、標準的なイオン強度での安定性は、以下の式によって規定される:
=4(G+C)+2(A+T)。
より5℃低い温度が使用されて、完全にマッチする分子の間でのハイブリダイゼーションが検出される。
比較されている核酸分子のいずれかの上の所定の位置での塩基の非相同性、および所定の位置での1以上の塩基の挿入または欠失に起因するギャップを含む、塩基対ミスマッチ(すなわち、2つの核酸分子の間の差異)がどのように比較されているかが、異なるサイズの核酸分子についてのTまたはTに影響を与えることは、当業者に周知である。例えば、Tは、約150bpより大きなハイブリッドについて、ミスマッチ塩基対の各1%につき約1℃減少する。そしてTは、約50bp未満のハイブリッドについて、各ミスマッチ塩基対につき約5℃減少する。約50塩基対と約150塩基対との間のハイブリッドについての条件は、経験的に、かつ当業者に周知の標準的な実験手順を使用して、過度の実験なくして決定され得る。これらの単純な手順は、(例えば、塩濃度、ホルムアミド濃度または温度を変化させることによって)当業者がハイブリダイゼーション条件を設定することを可能にし、その結果、塩基対ミスマッチの特定の%より大きい核酸ハイブリッドのみがハイブリダイズする。当業者は、試験されるべき所定の核酸分子が約50ヌクレオチドより大きいか小さいかを容易に決定し得、従って、ハイブリダイゼーション条件を決定するための適切な式を選択し得るので、彼または彼女は、核酸分子が、所定の遺伝子と、所望の量の塩基対ミスマッチを可能にするように設計された条件下でハイブリダイズするか否かを決定し得る。
ハイブリダイゼーション反応は、しばしば、ハイブリダイズさせるべき核酸分子を固体支持体(例えば、膜)に結合し、次いで、ハイブリダイゼーション溶液中に懸濁された標識核酸分子(代表的には、プローブといわれる)をハイブリダイズさせることによって行われる。一般的なハイブリダイゼーション反応技術の例としては、周知のサザンブロット手順およびノーザンブロット手順が挙げられるが、これらに限定されない。代表的には、実際のハイブリダイゼーション反応は、ストリンジェントでない条件下で、すなわち、より低い温度および/またはより高い塩濃度にて行われ、次いで、所望のストリンジェンシーを達成するために、より高い温度および/またはより低い塩濃度を有する溶液中で洗浄することにより、より高いストリンジェンシーが達成される。
例えば、当業者が、30%以下の対ミスマッチを可能にする条件下で、約150bp以上の長さのノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子とハイブリダイズする核酸分子を同定しようとした場合、以下の条件が好ましくは使用され得る。既知のダニ核酸配列から計算される場合、ダニDNAの平均G+C含有量は、約30%であり、ノミDNAの平均G+C含有量は、約37%である。未知の核酸分子は、支持体膜に結合され、150bpプローブが、例えば、放射活性タグで標識される。ハイブリダイゼーション反応は、核酸らせん不安定化化合物の非存在下で、約37℃の温度(低ストリンジェンシー条件)にて、2×SSCを含む溶液中で行われ得る。SSCの異なる濃度の溶液は、所望の濃度のSSCを得るために、20×SSC(1リットルの水中の175.3g NaClおよび約88.2g クエン酸ナトリウム、pH7)のストック溶液を希釈することによって、当業者により行われ得る。当業者は、30%までの塩基対ミスマッチを可能にするために必要とする洗浄条件下を計算する。例えば、ダニDNAのハイブリダイゼーションを行うにあたって、核酸らせん不安定化剤の非存在下で、1×SSCを含む洗浄溶液中、完全なハイブリッドのTは、約76.8℃である:
81.5℃+16.6log(.15M)+(0.41×30)−(500/150)−(0.61×0)=76.8℃。
従って、約20%塩基対ミスマッチを有する核酸分子とのハイブリダイゼーションを達成するために、ハイブリダイゼーション洗浄は、56.8℃以下の温度にて行われる。ノミDNAとのハイブリダイゼーションのための洗浄条件を計算するために、当業者は、ダニと比較して、ノミのG+C含有量における差異に起因して式を適合させて、79.6℃の洗浄温度にする。従って、所望のパーセンテージの塩基対ミスマッチ、本明細書中に開示される式およびG/C含有量に基づいて、さらなるハイブリダイゼーション温度を計算することは、当業者の技術範囲内である。例えば、本明細書中に特定される配列を有する本発明のダニ核酸分子に対するハイブリダイゼーションについて試験されるべき核酸分子が、150ヌクレオチドより長くなる場合、20%までの塩基対ミスマッチを可能にするハイブリダイゼーション反応のためのTは、56.8℃から大きく変化しないことは、当業者によって理解される。同様に、約10%の塩基対ミスマッチを有する核酸分子とのハイブリダイゼーションを達成するために、ハイブリダイゼーション洗浄は、66.8℃以下の温度において行われ、そして約5%の塩基対ミスマッチを有する核酸分子とのハイブリダイゼーションを達成するために、ハイブリダイゼーション洗浄は、71.8℃以下の温度において行われる。
さらに、2つの核酸配列またはタンパク質配列の間の類似性の程度を決定するための市販のコンピュータープログラムが存在することは、当該分野で公知である。これらのコンピュータープログラムは、同一性パーセンテージ、ならびにハイブリッド核酸分子またはタンパク質の間のギャップの数および長さを決定する種々の公知の方法を含む。アミノ酸配列の間、そしてまた核酸配列の間の同一性%を決定する好ましい方法は、核酸配列またはアミノ酸配列を計算および分析するように設計された市販のコンピュータープログラムのうちの1種以上を用いる分析を包含する。これらのコンピュータープログラムとしては、SeqLab(登録商標)Wisconsin PackageTM Version 10.0−UNIX(登録商標)配列分析ソフトウェア(Genetics Computer Group,Madison,WI(本明細書中以下、「SeqLab」)から入手可能);およびDNAsis(登録商標)配列分析ソフトウェア、バージョン2.0(Hitachi Software,San Bruno,CA (本明細書中以降、「DNAsis」)から入手可能)が挙げられるが、これらに限定されない。このようなソフトウェアプログラムは、アルゴリズムを使用するためのグラフィカルユーザーインターフェイスと対になったアルゴリズムの集合体を示す。例えば、このDNAsisおよびSeqLabソフトウェアは、特定のアルゴリズム、Needleman−Wunschアルゴリズムを使用して、2つの配列間の対様式比較を行い、同一性パーセンテージスコアを得る(Needleman,S.B.およびWunch,C.D.,1970,J.Mol.Biol.,48,443(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。Needleman−Wunschアルゴリズムを含むこのようなアルゴリズムは、核酸およびアミノ酸の配列決定分野の当業者によって一般的に使用されて、配列が比較される。アミノ酸配列の間、そしてまた核酸配列の間の同一性%を決定する好ましい方法は、Needleman−Wunschアルゴリズム(nwsgapdna.cmpスコアリングマトリクスを伴う、デフォルト値の対様式の比較/ギャップ機能、ギャップ作製ペナルティーおよびギャップ伸長ペナルティー設定、ならびに最大のギャップシフト制限設定(本明細書中以降、「SeqLabデフォルトパラメーター」といわれる)を使用するSeqLabソフトウェアにおいて利用可能)を使用する工程を包含する。アミノ酸配列の間、そしてまた核酸配列の間の同一性%を決定するさらなる好ましい方法は、5に設定されたギャップペナルティー、5に設定された頂対角線(top diagonals)の数、10に設定された固定ギャップペナルティー、2に設定されたk個の要素の集合、5に設定されたウィンドウサイズ、および10に設定された浮動ギャップペナルティー(floating gap penalty)を有するHiggins−Sharpアルゴリズム(DNAsisソフトウェア(本明細書中以降「DNAsis」)において利用可能)を使用する工程を包含する。アミノ酸配列の間、そしてまた核酸配列の間の同一性%を決定する特に好ましい方法は、SeqLabソフトウェアにおいて利用可能なNeedleman−Wunschアルゴリズムを使用する工程、SeqLabデフォルトパラメーターを使用する工程を包含する。
本発明の一実施形態は、ノミおよびダニのオクトパミンレセプタータンパク質を包含する。好ましいノミおよびダニのオクトパミンレセプタータンパク質は、好ましくは30%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、好ましくは20%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、好ましくは10%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、好ましくは8%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、好ましくは、5%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、または好ましくは2%以下の塩基対ミスマッチを可能にする条件下で、配列番号2、配列番号5、配列番号8、配列番号13、配列番号32、配列番号35、配列番号38および配列番号41からなる群より選択される核酸分子とハイブリダイズする核酸分子によってコードされるタンパク質を包含する。
本発明の別の実施形態は、(a)核酸らせん不安定化化合物の非存在下での1×SSCを含む溶液中で、37℃の温度にてハイブリダイズさせる工程、および(b)核酸らせん不安定化化合物の非存在下での1×SSCを含む溶液中、49.6℃の温度にて洗浄する工程を包含する条件下で、配列番号2、配列番号5、配列番号8および配列番号13からなる群より選択される単離された核酸分子にハイブリダイズする核酸分子によってコードされるノミオクトパミンレセプタータンパク質を包含する。
本発明の別の実施形態は、(a)核酸らせん不安定化化合物の非存在下での1×SSCを含む溶液中で、37℃の温度にてハイブリダイズさせる工程、および(b)核酸らせん不安定化化合物の非存在下での1×SSCを含む溶液中、66.8℃の温度にて洗浄する工程を包含する条件下で、配列番号32、配列番号35、配列番号38および配列番号41からなる群より選択される単離された核酸分子にハイブリダイズする核酸分子によってコードされるダニオクトパミンレセプタータンパク質を包含する。
本発明の別の好ましいノミオクトパミンレセプタータンパク質は、配列番号1、配列番号3、配列番号6および配列番号11の核酸配列を有する核酸分子に対して好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%同一、好ましくは少なくとも92%同一、好ましくは少なくとも95%同一、または好ましくは少なくとも98%同一である核酸分子によってコードされるタンパク質を包含する;また好ましいのは、少なくとも35ヌクレオチドである核酸分子によってコードされるこのようなタンパク質のフラグメント(すなわち、一部)である。同一性%は、本明細書中で使用される場合、デフォルトパラメーターを使用するNeedleman−Wunschアルゴリズム(SeqLabソフトウェアにおいて利用可能)を使用して、決定される。
本発明の別の好ましいダニオクトパミンレセプタータンパク質は、配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39の核酸配列を有する核酸分子に対して好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%同一、好ましくは少なくとも92%同一、好ましくは少なくとも95%同一または好ましくは少なくとも98%同一である核酸分子によりコードされるタンパク質を包含する;また好ましいのは、少なくとも50ヌクレオチドである核酸分子によってコードされるこのようなタンパク質のフラグメント(すなわち、一部)である。同一性%は、本明細書中で使用される場合、デフォルトパラメーターを使用するNeedleman−Wunschアルゴリズム(SeqLabソフトウェアにおいて利用可能)を使用して、決定される。
本発明のさらなる好ましいノミオクトパミンレセプタータンパク質は、配列番号4、配列番号7および配列番号12のアミノ酸配列を有するタンパク質、ならびに配列番号4、配列番号7および配列番号12のアミノ酸配列を有するタンパク質のホモログを含むタンパク質を包含する。ここでこのようなホモログは、配列番号4、配列番号7および配列番号12のアミノ酸配列を有するタンパク質に対する免疫応答を誘発する少なくとも1つのエピトープを含む。同様に、また好ましいのは、配列番号1、配列番号3、配列番号6および配列番号11の核酸配列を含む核酸分子によってコードされるタンパク質である。
本発明のさらに好ましいダニオクトパミンレセプタータンパク質は、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40のアミノ酸配列を有するタンパク質、ならびに配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40のアミノ酸配列を有するタンパク質のホモログを含むタンパク質を包含する。ここでこのようなホモログは、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40のアミノ酸配列を有するタンパク質に対する免疫応答を誘発する少なくとも1つのエピトープを含む。同様に、また好ましいのは、配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39の核酸配列を含む核酸分子によってコードされるタンパク質である。
本発明の好ましい単離されたノミオクトパミンレセプタータンパク質は、以下の核酸分子:nCfOCR111、nCfOCR2061、nCfOCR868、およびnCfOCR2136、またはこれらの核酸分子のいずれかの対立遺伝子改変体のうちの少なくとも1種によってコードされるタンパク質であり、本発明の好ましい単離されたダニオクトパミンレセプタータンパク質は、以下の核酸分子:nRsOCR102、nRsOCR499、nRsOCR286、およびnRsOCR1443、またはこれらの核酸分子のいずれかの対立遺伝子改変体のうちの少なくとも1種によってコードされるタンパク質である。また好ましいのは、配列番号1、配列番号3、配列番号6、配列番号11、配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39の核酸配列を有する核酸分子によってコードされる単離されたタンパク質;またはこれらの列挙された核酸分子のいずれかの対立遺伝子改変体によってコードされるタンパク質である。
本発明の、好ましいオクトパミンレセプタータンパク質は、配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番40のアミノ酸配列と、少なくとも70%、好ましくは80%、好ましくは90%、好ましくは95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、または好ましくは100%同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質;ならびに配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番40のアミノ酸配列を有するオクトパミンレセプタータンパク質をコードする核酸分子の対立遺伝子改変体によりコードされるタンパク質を含む。
本発明の、好ましいノミオクトパミンレセプタータンパク質は、(a)配列番号4、配列番号7、および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質;ならびに(b)(a)のアミノ酸配列の少なくとも40個連続するアミノ酸部分と配列において同一の、少なくとも40個連続するアミノ酸部分を含むタンパク質、からなる群より選択されるタンパク質を含む。
本発明の、好ましいダニオクトパミンレセプタータンパク質は、(a)配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番号40からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質;ならびに(b)(a)のアミノ酸配列の少なくとも20個連続するアミノ酸部分と配列において同一の、少なくとも20個連続するアミノ酸部分を含むタンパク質、からなる群より選択されるタンパク質を含む。
本発明の1つの実施形態において、オクトパミンレセプタータンパク質は、配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番40のアミノ酸配列(配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番40のアミノ酸配列からなるタンパク質、融合タンパク質、および多価のタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない)、ならびに配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37、および配列番40のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核酸分子の対立遺伝子改変体によりコードされるタンパク質を含む。
1つの実施形態において、好ましいノミオクトパミンレセプタータンパク質は、少なくとも35個のアミノ酸、好ましくは少なくとも50個のアミノ酸、好ましくは少なくとも100個のアミノ酸、好ましくは少なくとも125個のアミノ酸、好ましくは少なくとも150個のアミノ酸、好ましくは少なくとも175個のアミノ酸、好ましくは少なくとも180個のアミノ酸、好ましくは少なくとも190個のアミノ酸、好ましくは少なくとも200個のアミノ酸、好ましくは少なくとも225個のアミノ酸、好ましくは少なくとも250個のアミノ酸、好ましくは少なくとも275個のアミノ酸、好ましくは少なくとも300個のアミノ酸、好ましくは少なくとも350個のアミノ酸、好ましくは少なくとも400個のアミノ酸、好ましくは少なくとも450個のアミノ酸、好ましくは少なくとも500個のアミノ酸、好ましくは少なくとも550個のアミノ酸、好ましくは少なくとも600個のアミノ酸、好ましくは少なくとも650個のアミノ酸、または好ましくは少なくとも690個のアミノ酸のアミノ酸配列を含む。
1つの実施形態において、好ましいダニオクトパミンレセプタータンパク質は、少なくとも30個のアミノ酸、好ましくは少なくとも35個のアミノ酸、好ましくは少なくとも75個のアミノ酸、好ましくは少なくとも95個のアミノ酸、好ましくは少なくとも150個のアミノ酸、好ましくは少なくとも200個のアミノ酸、好ましくは少なくとも300個のアミノ酸、好ましくは少なくとも400個のアミノ酸、好ましくは少なくとも450個のアミノ酸、好ましくは少なくとも475個のアミノ酸、または好ましくは少なくとも480個のアミノ酸のアミノ酸配列を含む。
別の実施形態において、好ましいノミおよびダニのオクトパミンレセプタータンパク質は、全長のタンパク質(すなわち、全長コード領域によりコードされるタンパク質)、またはその翻訳後修飾されたタンパク質(例えば、開始メチオニンおよび/もしくはシグナル配列または「プロ」配列が除去された、成熟タンパク質)を含む。
また、配列番号1、配列番号3、配列番号6、および配列番号11の少なくとも一部分を含む核酸配列を有する核酸分子ならびにこれらの核酸分子の対立遺伝子改変体によりコードされる、ノミオクトパミンレセプタータンパク質が、好ましい。このようなノミオクトパミンレセプター核酸分子の一部分は、好ましくは少なくとも35ヌクレオチドの長さである。
また、配列番号30、配列番号33、配列番号36、および配列番号39の少なくとも一部分を含む核酸配列を有する核酸分子ならびにこれらの核酸分子の対立遺伝子改変体によりコードされる、ダニオクトパミンレセプタータンパク質が、好ましい。このようなダニオクトパミンレセプター核酸分子の一部分は、好ましくは少なくとも50ヌクレオチドの長さである。
別の実施形態において、本発明の、好ましいノミオクトパミンレセプタータンパク質は、オクトパミンを結合する、少なくとも30ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、好ましくは少なくとも100ヌクレオチド、好ましくは少なくとも125ヌクレオチド、好ましくは少なくとも150ヌクレオチド、好ましくは少なくとも175ヌクレオチド、好ましくは少なくとも200ヌクレオチド、好ましくは少なくとも250ヌクレオチド、好ましくは少なくとも350ヌクレオチド、好ましくは少なくとも450ヌクレオチド、好ましくは少なくとも550ヌクレオチド、好ましくは少なくとも650ヌクレオチド、好ましくは少なくとも750ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1500ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1750ヌクレオチド、好ましくは少なくとも2000ヌクレオチド、または好ましくは少なくとも2050ヌクレオチドの長さを含む核酸分子によりコードされる。本発明の、好ましいノミオクトパミンレセプタータンパク質は、見かけ上全長のノミオクトパミンレセプターコード領域を含む核酸分子(すなわち、見かけ上全長のノミオクトパミンレセプタータンパク質、または細胞外ドメインをコードする核酸分子)によりコードされる。
別の実施形態において、本発明の、好ましいダニオクトパミンレセプタータンパク質は、オクトパミンを結合する、少なくとも30ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、好ましくは少なくとも100ヌクレオチド、好ましくは少なくとも150ヌクレオチド、好ましくは少なくとも250ヌクレオチド、好ましくは少なくとも500ヌクレオチド、好ましくは少なくとも750ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1250ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1400ヌクレオチド、または好ましくは少なくとも1440ヌクレオチドの長さを含む核酸分子によりコードされる。本発明の、好ましいダニオクトパミンレセプタータンパク質は、見かけ上全長のダニオクトパミンレセプターコード領域を含む核酸分子(すなわち、見かけ上全長のダニオクトパミンレセプタータンパク質、または細胞外ドメインをコードする核酸分子)によりコードされる。
本発明の、好ましいノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質は、効果的な方法で動物に投与される場合、ノミまたはダニのインフェステーションからその動物を守ることを可能にするインヒビターを開発するために使用され得る。本発明に従って、本発明のインヒビターがノミまたはダニのインフェステーションから動物を守る能力とは、例えば、そのインヒビターがノミまたはダニにより引き起こされるインフェステーションを処置し、回復させ、そして/または予防する能力をいう。特に、この成句「ノミまたはダニのインフェステーションからその動物を守ること」とは、その動物上およびその周囲でノミまたはダニの集団が拡大する可能性を低減すること(すなわち、ノミまたはダニの負荷重を低減すること)をいう。好ましくは、このノミまたはダニの集団のサイズが、最適には、その動物がもはやノミまたはダニに悩まされない程度まで縮小される。本明細書中で使用される場合、宿主動物は、ノミまたはダニがその動物の皮膚に付着し、そしてその動物の皮膚を通して摂食することにより摂食し得る、動物である。ノミ、ダニ、および他の外部寄生生物は、宿主動物上で長期間生存し得るか、または、摂食するために一時的に動物に付着し得る。常に、ノミまたはダニの集団のいくらかの割合が、宿主動物に存在し得、一方でその残りは、その動物の環境中に存在し得る。そのような環境は、成体のノミまたはダニだけでなく、ノミまたはダニの卵、および/あるいはノミまたはダニの幼虫も含み得る。この環境は、この環境中のノミまたはダニが宿主動物上に飛び乗り得、そして飛んで離れ得るような任意のサイズであり得る。例えば、動物のこの環境は植物(例えば、作物)を含み得、その作物からノミまたはダニが動物に寄生する。従って、動物自体のノミまたはダニの負荷重を低減するだけでなく、その動物の環境中のノミまたはダニの負荷重を低減することも望ましい。
標的とするのに適切なノミは、本発明のインヒビターを投与された動物において実質的に疾患を引き起こし得ない、任意のノミを含む。従って、標的とするノミは、ノミオクトパミンレセプタータンパク質機能を阻害して、それによって、寄生虫が動物において疾患を引き起こす能力を低下させる阻害性化合物により標的とされ得るタンパク質を産生する、任意のノミを含む。標的とされる好ましいノミとしては、下記の属:Ctenocephalides、Cyopsyllus、Diamanus(Oropsylla)、Echidnophaga、Nosopsyllus、Pulex、Tunga、およびXenopsyllaのノミが挙げられ、それらの、Ctenocephalides canis、Ctenocephalides felis、Diamanus montanus、Echidnophaga gallinacea、Nosopsyllus faciatus、Pulex irritans、Pulex simulans、Tunga penetrans、およびXenopsylla cheopisの種がより好ましく、C.felisがさらにより好ましい。このようなノミは、本発明のタンパク質または核酸分子の単離にも、また好ましい。
標的とするのに適切なダニは、本発明のインヒビターを投与された動物において実質的に疾患を引き起こし得ない、任意のダニを含む。従って、標的とするダニは、ダニオクトパミンレセプタータンパク質機能を阻害して、それによって、寄生虫が動物において疾患を引き起こす能力を低下させる阻害性化合物により標的とされ得るタンパク質を産生する、任意のダニを含む。標的とされる好ましいダニとしては、下記の属:Amblyomma、Dermacentor、Ixodes、およびRhipicephalusのダニが挙げられ、それらの、Amblyomma americanum、Amblyomma maculatum、Dermacentor albipictus、Dermacentor andersoni、Dermacentor variabilis、Ixodes scapularisおよびRhipicephalus sanguineusの種がより好ましい。このようなダニは、本発明のタンパク質または核酸分子の単離にも、また好ましい。
本発明の別の実施形態は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子を含む、単離された核酸分子、すなわち、ノミまたはダニのcDNAライブラリーから単離され得る核酸分子である。そのような核酸分子の識別特性は、前述されている。本発明の核酸分子は、単離された天然のノミもしくはダニのオクトパミンレセプター遺伝子またはそれらのホモログを含み得、この後者は、以下にさらに詳細に記載されている。本発明の核酸分子は、1つ以上の、調節領域、全長または部分的なコード領域、あるいはそれらの組み合わせを含み得る。本発明の最小サイズの核酸分子は、別の核酸分子の相補配列との安定なハイブリッド形成(すなわち、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーション)を可能にするのに十分なサイズである。従って、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子の最小のサイズは、12〜18ヌクレオチドの長さである。
本発明に従って、単離された核酸分子は、その天然の環境から取り出された核酸分子であり(すなわち、ヒトの操作に供されている)、そして、DNA、RNA、あるいは、DNAまたはRNAいずれかの誘導体を含み得る。従って、「単離された」は、その核酸分子が精製された程度を反映しない。本発明の単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子、またはそれらのホモログは、天然の供給源から単離され得るか、あるいは、組換えDNA技術(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅またはクローニング)または化学合成を用いて生成され得る。単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子、およびそれらのホモログは、例えば、天然の対立遺伝子改変体、および、改変が本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードする核酸分子の能力を、実質的に妨げないような様式での、ヌクレオチド挿入、欠失、置換、および/または転位により改変された、核酸分子を含み得る。
ノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子ホモログは、当業者に公知の多数の方法を用いて生成され得る(例えば、本明細書中でその全体が参考として援用される、Sambrookら、同書を参照のこと)。例えば、核酸分子は、種々の技術により改変され得る。この種々の技術としては、古典的な変異誘発、および組み換えDNA技術(例えば、部位特異的変異誘発、化学的処置、制限酵素切断、核酸フラグメントの連結、PCR増幅、オリゴヌクレオチド混合物の合成および核酸分子の混合物を「構築する」ための混合物群の連結、ならびにそれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらに限定されない。核酸分子ホモログは、ノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子とのハイブリダイゼーション、または、核酸分子によりコードされるタンパク質の機能(例えば、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の少なくとも1エピトープに対する免疫応答を誘発するか、またはノミまたはダニのオクトパミンレセプター活性をもたらす能力)のスクリーニングにより、選択され得る。
本発明の単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子は、各々少なくとも1つの本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードする核酸配列を含み得、そのようなタンパク質の例は、本明細書中に開示される。句「核酸分子」とは、主として、物理的な核酸分子をいい、そして句「核酸配列」とは、主として、核酸分子上のヌクレオチドの配列をいうが、特にノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質をコードし得る、核酸分子または核酸配列に関して、これらの2つの句は、交換可能に用いられ得る。
本発明の1つの実施形態において、好ましいノミオクトパミンレセプター核酸分子は、好ましくは、30%以下の塩基対のミスマッチを許容する条件下で、好ましくは、20%以下の塩基対のミスマッチを許容する条件下で、好ましくは、10%以下の塩基対のミスマッチを許容する条件下で、好ましくは、8%以下の塩基対のミスマッチを許容する条件下で、好ましくは、5%以下の塩基対のミスマッチを許容する条件下で、または好ましくは、2%以下の塩基対のミスマッチを許容する条件下で、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39、および配列番号41からなる群より選択される核酸分子とハイブリダイズする単離された核酸分子を含む。
本発明の1つの実施形態は、ノミオクトパミンレセプター核酸分子を含み、この核酸分子は、(a)核酸ヘリックスの不安定化化合物の非存在下で、1×SSCを含む溶液中、37℃の温度でのハイブリダイズ、および(b)核酸ヘリックス不安定化化合物の非存在下で、1×SSCを含む溶液中、74.6℃の温度での洗浄、を含む条件下で、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、および配列番号13からなる群より選択される単離された核酸分子にハイブリダイズする。
本発明の1つの実施形態は、ダニオクトパミンレセプター核酸分子を含み、この核酸分子は、(a)核酸ヘリックス不安定化化合物の非存在下で、1×SSCを含む溶液中、37℃の温度でのハイブリダイズ、および(b)核酸ヘリックス不安定化化合物の非存在下で、1×SSCを含む溶液中、74.6℃の温度での洗浄、を含む条件下で、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39、および配列番号41からなる群より選択される単離された核酸分子にハイブリダイズする。
本発明のさらなる好ましいノミオクトパミンレセプター核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号6、および配列番号11からなる群より選択される核酸配列に、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも95%、または好ましくは少なくとも98%同一である、オクトパミンを結合するタンパク質をコードする、少なくとも35ヌクレオチド長の核酸配列を含む核酸分子を含む。
本発明のさらなる好ましいダニオクトパミンレセプター核酸分子は、配列番号30、配列番号33、配列番号36、および配列番号39からなる群より選択される核酸配列に、好ましくは少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、好ましくは少なくとも95%、または好ましくは少なくとも98%同一である、オクトパミンを結合するタンパク質をコードする、少なくとも50ヌクレオチド長の核酸配列を含む核酸分子を含む。
本発明の1つの好ましい核酸分子は、少なくとも核酸配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41の部分、ならびにこれらの核酸配列を有する核酸分子の対立遺伝子改変体、およびこれらは核酸配列を有する核酸分子のホモログを含み;好ましくは、このようなホモログはアミノ酸配列:配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41を有するタンパク質に対する免疫応答を惹起する少なくとも1つのエピトープをコードする核酸分子をコードするかまたはこの核酸分子に相補的である。このような核酸分子は、これらの配列番号に含まれるものに加えて、ヌクレオチド、例えば、全長遺伝子、全長コード領域、融合タンパク質をコードする核酸分子、または多価保護化合物をコードする核酸分子を含み得る。
本発明の一実施形態は、以下:(a)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41からなる群から選択される核酸配列;(b)配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11および配列番号13からなる群から選択される核酸配列の少なくとも35連続したヌクレオチド部分と配列が同一である少なくとも35連続したヌクレオチド部分を有する核酸分子;および(c)配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41からなる群から選択される核酸配列の少なくとも50連続したヌクレオチド部分と配列が同一である少なくとも50連続したヌクレオチド部分を有する核酸分子、からなる群から選択される核酸配列を有する単離された核酸分子を含む核酸分子である。
一実施形態において、本発明のオクトパミンレセプター核酸分子は、配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40に少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%、または好ましくは少なくとも100%同一であるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする。本発明はまた、少なくとも配列番号4、配列番号7、配列番号12、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40の部分を有するタンパク質をコードするオクトパミンレセプター核酸分子、ならびにこれらの配列を有するタンパク質をコードする核酸分子の対立遺伝子改変体(このような核酸分子が発現される細胞のコドン使用特性に適応するように改変された核酸分子を含む)を包含する。
別の実施形態において、本発明の好ましいノミオクトパミンレセプター核酸分子は、少なくとも35ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも40ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも45ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも75ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも100ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも125ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも150ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも175ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも200ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも250ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも350ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも400ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも450ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも500ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも550ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも600ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも650ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも700ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも750ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも1000ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも1500ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも1750ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも2000ヌクレオチド長、または好ましくは少なくとも2050ヌクレオチド長を含む核酸分子を含み、そしてオクトパミンに結合するタンパク質をコードする。
別の実施形態において、本発明の好ましいダニオクトパミンレセプター核酸分子は、少なくとも30ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも75ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも100ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも150ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも250ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも500ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも750ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも1000ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも1250ヌクレオチド長、好ましくは少なくとも1400ヌクレオチド長、または好ましくは少なくとも1440ヌクレオチド長を含む核酸分子を含み、そしてオクトパミンに結合するタンパク質をコードする。
別の実施形態において、好ましいノミオクトパミンレセプター核酸分子は、少なくとも180アミノ酸、好ましくは少なくとも200アミノ酸、好ましくは少なくとも225アミノ酸、好ましくは少なくとも250アミノ酸、好ましくは少なくとも300アミノ酸、好ましくは少なくとも350アミノ酸、好ましくは少なくとも400アミノ酸、好ましくは少なくとも450アミノ酸、好ましくは少なくとも500アミノ酸、好ましくは少なくとも550アミノ酸、好ましくは少なくとも600アミノ酸、好ましくは少なくとも650アミノ酸、または好ましくは少なくとも690アミノ酸を含むタンパク質をコードする。
別の実施形態において、好ましいダニオクトパミンレセプター核酸分子は、少なくとも30アミノ酸、好ましくは少なくとも35アミノ酸、好ましくは少なくとも75アミノ酸、好ましくは少なくとも95アミノ酸、好ましくは少なくとも150アミノ酸、好ましくは少なくとも200アミノ酸、好ましくは少なくとも300アミノ酸、好ましくは少なくとも400アミノ酸、好ましくは少なくとも450アミノ酸、好ましくは少なくとも475アミノ酸、または好ましくは少なくとも480アミノ酸を含むタンパク質をコードする。
別の実施形態において、本発明の好ましいノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子は、明らかに全長のノミまたはダニのオクトパミンレセプターコード領域を含む。すなわち、好ましい核酸分子は、それぞれ、明らかに全長のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質、あるいはそれらの翻訳後修飾タンパク質をコードする。一実施形態において、本発明の好ましいノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子は、成熟タンパク質または細胞外ドメインをコードする。
別の実施形態において、本発明の好ましいオクトパミンレセプター核酸分子は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11、配列番号13、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41を含む核酸分子、またはそれらのフラグメントを含む。
本発明のノミオクトパミンレセプター核酸分子は、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号11および配列番号13からなる群から選択される対応する連続する配列と、配列が同一である、少なくとも35ヌクレオチド、好ましくは少なくとも40ヌクレオチド、好ましくは少なくとも45ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、好ましくは少なくとも100ヌクレオチド、好ましくは少なくとも125ヌクレオチド、好ましくは少なくとも150ヌクレオチド、好ましくは少なくとも175ヌクレオチド、好ましくは少なくとも200ヌクレオチド、好ましくは少なくとも250ヌクレオチド、好ましくは少なくとも350ヌクレオチド、好ましくは少なくとも400ヌクレオチド、好ましくは少なくとも450ヌクレオチド、好ましくは少なくとも500ヌクレオチド、好ましくは少なくとも550ヌクレオチド、好ましくは少なくとも600ヌクレオチド、好ましくは少なくとも650ヌクレオチド、好ましくは少なくとも700ヌクレオチド、好ましくは少なくとも750ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1500ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1750ヌクレオチド、好ましくは少なくとも2000ヌクレオチドを含む。
本発明のダニオクトパミンレセプター核酸分子は、配列番号30、配列番号32、配列番号33、配列番号35、配列番号36、配列番号38、配列番号39および配列番号41からなる群から選択される対応する連続する配列と、配列が同一である、少なくとも30ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド、好ましくは少なくとも75ヌクレオチド、好ましくは少なくとも100ヌクレオチド、好ましくは少なくとも150ヌクレオチド、好ましくは少なくとも250ヌクレオチド、好ましくは少なくとも500ヌクレオチド、好ましくは少なくとも750ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1000ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1250ヌクレオチド、好ましくは少なくとも1400ヌクレオチド、または好ましくは少なくとも1440ヌクレオチドを含む。
成句、少なくとも「x」の連続を含む核酸分子、または少なくとも「x」の連続と配列が同一である連続したヌクレオチド、または配列番号「y」からなる群から選択される核酸分子の連続したヌクレオチドとは、配列番号「y」の「x」ヌクレオチド部分および「x」より長さが長い核酸分子と配列が同一である「x」ヌクレオチド長の核酸分子をいう。さらなる長さは、連続した同一の「x」ヌクレオチド部分の5’末端または3’末端のいずれかから伸長するヌクレオチドの形態であり得る。5’および/または3’の伸長物は、本発明の分子に対する同一性を有さない1つ以上の伸長物、ならびに記載された核酸配列またはその部分に対する類似性または同一性を示す伸長物を含み得る。
本発明の特定のノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子の核酸配列を知ることによって、当業者は、例えば、(a)これらの核酸分子のコピーを作製し得、(b)このような核酸分子の少なくとも一部(例えば、全長遺伝子、全長コード領域、調節制御配列、短縮型コード領域を含む核酸分子)を含む核酸分子を得ることができ、そして(c)他のノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子を得ることができる。このような核酸分子は、種々の方法(本発明の抗体を用いて、適切な発現ライブラリーをスクリーニングすること;適切なライブラリーをスクリーニングするための、本発明のオリゴヌクレオチドプローブを使用する従来のクローニング技術;および本発明のオリゴヌクレオチドプライマーを使用する、適切なライブラリーまたはDNAのPCR増幅を含む)で得られ得る。スクリーニングするか、または核酸分子を増幅するための好ましいライブラリーとしては、cDNAライブラリーおよびゲノムDNAライブラリーが挙げられる。同様に、スクリーニングするかまたは核酸分子を増幅するための好ましいDNA供給源としては、cDNAおよびゲノムDNAが挙げられる。遺伝子をクローニングし、そして増幅するための技術は、例えば、Sambrookら(前出)に開示される。
本発明の一実施形態は、組換えベクターを包含し、この組換えベクターは、本発明の少なくとも1つの単離された核酸分子であって、宿主細胞へこの核酸分子を送達し得る任意のベクターに挿入された、核酸分子を含む。このようなベクターは、異種核酸配列を含み、このベクターは、本発明の核酸配列に天然では隣接していることが見出されておらず、好ましくはこの核酸分子が由来する種以外の種由来である核酸配列である。このベクターは、RNAまたはDNAのいずれか、原核生物または真核生物のいずれかであり、代表的には、ウイルスまたはプラスミドである。組換えベクターは、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子の、クローニング、配列決定、および/またはその他の操作において使用され得る。
本明細書中で組換え分子と呼ばれる、1つの型の組換えベクターは、発現ベクターに作動可能に連結された本発明の核酸分子を含む。成句、作動可能に連結されたとは、分子が、宿主細胞に形質転換された場合に発現し得るような様式で、核酸分子が発現ベクターに挿入されていることをいう。本明細書中で使用される場合、発現ベクターは、宿主細胞を形質転換し得、かつ特定の核酸分子を発現させえるDNAベクターまたはRNAベクターである。好ましくは、発現ベクターは、宿主細胞内で複製し得る。発現ベクターは、原核生物または真核生物のいずれかであり得、代表的には、ウイルスまたはプラスミドである。本発明の発現ベクターは、本発明の組換え細胞(細菌細胞、真菌細胞、寄生生物細胞、昆虫細胞、他の動物細胞および植物細胞を含む)において機能する(すなわち、遺伝子発現を指向する)任意のベクターを含む。本発明の好ましい発現ベクターは、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞、より好ましくは本明細書中に開示される細胞型における遺伝子発現を指向し得る。
特に、本発明の発現ベクターは、調節配列(例えば、転写制御配列、翻訳制御配列、複製起点、および組換え細胞と適合性であり、かつ本発明の核酸分子の発現を制御する他の調節配列)を含む。特に、本発明の組換え分子は、転写制御配列を含む。転写制御配列は、転写の開始、延長および終結を制御する配列である。特に重要な転写制御配列は、転写の開始を制御する配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、オペレーターよびレプレッサー配列)である。適切な転写制御配列としては、本発明の組換え細胞の少なくとも1つにおいて機能し得る任意の転写制御配列が挙げられる。種々のこのような転写制御配列は、当業者に公知である。好ましい転写制御配列としては、細菌細胞、酵母細胞、または昆虫細胞および哺乳動物において機能し得る配列、例えば、tac、lac、trp、trc、オキシ−プロ、omp/lpp、rrnB、バクテリオファージλ(例えば、λpおよびλp、ならびにこのようなプロモーターを含む融合物)、バクテリオファージT7、T7lac、バクテリオファージT3、バクテリオファージSP6、バクテリオファージSP01、メタロチオネイン、α交配因子、Pichiaアルコールオキシダーゼ、アルファウイルスサブゲノムプロモーター、抗生物質耐性遺伝子、バキュロウイルス、Heliothis zea昆虫ウイルス、ワクシニアウイルス、ヘルペスウイルス、ラクーンポックスウイルス、他のポックスウイルス、アデノウイルス、サイトメガロウイルス(例えば、最初期プロモーター)、シミアンウイルス40、レトロウイルス、アクチン、レトロウイルス長末端反復、Rous肉腫ウイルス、熱ショック、ホスフェートおよびニトレート転写制御配列、ならびに原核生物細胞または真核生物細胞における遺伝子発現を制御し得る他の配列が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる適切な転写制御配列としては、組織特異的プロモーターおよびエンハンサー、ならびにリンフォカイン誘導性プロモーター(例えば、インターフェロンまたはインターロイキンによって誘導されるプロモーター)が挙げられる。本発明の転写制御配列はまた、天然でノミおよびダニと関連する天然に存在する転写制御配列(例えば、C.felisおよびR.sanguineus転写制御配列)を含み得る。本発明の組換えベクターに含めるのに適切かつ好ましい核酸分子は、本明細書中に開示されるとおりである。
本発明の組換え分子はまた、(a)本発明の発現されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を、タンパク質を産生する細胞から分泌させ得る分泌シグナル(すなわち、シグナルセグメント核酸配列)を含み得、そして/または(b)融合タンパク質としての本発明の核酸分子の発現を引き起こす融合配列を含み得る。適切なシグナルセグメントの例としては、本発明のタンパク質の分泌を指向し得る任意のシグナルセグメントが挙げられる。好ましいシグナルセグメントとしては、組織プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)、インターフェロン、インターロイキン、成長ホルモン、組織適合性およびウイルスエンベロープ糖タンパク質シグナルセグメントが挙げられるが、これらに限定されない。融合セグメント核酸によってコードされる適切な融合セグメントは、本明細書中に開示される。さらに、本発明の核酸分子は、プロテオソーム(例えば、ユビキチン融合セグメント)にコードされたタンパク質を指向する融合セグメントに連結され得る。真核生物組換え分子はまた、本発明の核酸分子の核酸配列の周りおよび/またはその内部に、介在および/または非翻訳配列を含み得る。
本発明の別の実施形態は、本発明の1つ以上の組換え分子で形質転換された宿主細胞を含む組換え細胞を包含する。核酸分子の細胞への形質転換は、核酸分子が細胞に挿入され得る方法によって、達成され得る。形質転換技術としては、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、吸着およびプロトプラスト融合が挙げられるが、これらに限定されない。組換え細胞は、単細胞のままであり得るか、または組織、器官または多細胞生物に成長し得る。細胞株とは、トランスジェニック動物ではない本発明の任意の組換え細胞をいうことに注意すべきである。本発明の形質転換された核酸分子は、染色体外のままであり得るか、またはその発現される能力が維持される様式で、形質転換(すなわち、組換え)細胞の染色体内の1つ以上の位置に組み込まれ得る。細胞を形質転換するために用いられる好ましい核酸分子としては、本明細書中に開示されるノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子が挙げられる。
形質転換するのに適切な宿主細胞としては、本発明の核酸分子で形質転換され得る任意の細胞が挙げられる。宿主細胞は、形質転換されていない細胞、あるいは少なくとも1つの核酸分子(例えば、本発明の1つ以上のタンパク質および/または多価ワクチンの生成において有用な他のタンパク質をコードする核酸分子)ですでに形質転換された細胞のいずれかであり得る。本発明の宿主細胞は、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を内因的に(すなわち、天然に)生成し得るか、あるいは本発明の少なくとも1つの核酸分子で形質転換された後に、このようなタンパク質を生成し得るかのいずれかであり得る。本発明の宿主細胞は、本発明の少なくとも1つのタンパク質を生成し得る任意の細胞であり得、そして本発明の宿主細胞は、細菌細胞、真菌(酵母を含む)細胞、寄生生物(蠕虫、原生生物および外寄生生物を含む)細胞、他の昆虫細胞、他の動物細胞および他の植物細胞が挙げられる。好ましい宿主細胞としては、細菌細胞、ミコバクテリア細胞、酵母細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞が挙げられる。より好ましい宿主細胞としては、Drosophila melanogaster S2細胞、Salmonella、Escherichia、Bacillus、Caulobacter、Listeria、Saccharomyces、Pichia、Spodoptera、Mycobacteria、Trichoplusia、BHK(ベビーハムスター腎臓)細胞、MDCK細胞(Madin−Darbyイヌ腎臓細胞株)、CRFK細胞(Crandellネコ腎臓細胞株)、CV−1細胞(例えば、アライグマポックスウイルスを培養するために使用される、アフリカモンキー腎臓細胞株)、COS(例えば、COS−7)細胞およびVero細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞は、Escherichia coli(E.coli K−12誘導体を含む);Salmonella typhi;Salmonella typhimurium(UK−1χ3987およびSR−11χ4072のような弱毒化株を含む);Caulobacter;Pichia;Spodoptera frugiperda;Trichoplusia ni;BHK細胞;MDCK細胞;CRFK細胞;CV−1細胞;COS細胞;Vero細胞;および非腫瘍原性マウス筋芽細胞G8細胞(例えば、ATCC CRL 1246)である。さらなる適切な哺乳動物細胞宿主としては、他の腎臓細胞株、他の繊維芽細胞細胞株(例えば、ヒト、マウスまたはニワトリの胚繊維芽細胞株)、骨髄腫細胞株、チャイニーズハムスター卵巣細胞、マウスNIH/3T3細胞、LMTK31細胞および/またはHeLa細胞が挙げられる。1実施形態において、これらのタンパク質は、免疫グロブリンプロモーターを使用して、骨髄腫細胞株において異種タンパク質として発現され得る。
組換え細胞は、好ましくは、1つ以上の組換え分子で宿主細胞を形質転換することによって生成され、その各々が、1つ以上の転写制御配列を含む発現ベクターに作動可能に連結された本発明の1つ以上の核酸分子を含み、これらの例は、本明細書中に開示される。句、作動可能に連結される、は、核酸分子が宿主細胞へと形質転換される場合に発現されるのを可能にするような様式で、発現ベクター中にこの分子が挿入されることをいう。
本発明の組換え細胞は、本発明の任意の核酸分子の少なくとも1つで形質転換された任意の細胞を含む。細胞に移入される、適切かつ好ましい核酸分子ならびに適切かつ好ましい組換え分子は、本明細書中に開示される。
本発明の組換え細胞はまた、本明細書中に開示されるような、本発明の1つ以上のタンパク質をコードするノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子、ならびに(例えば、多価ワクチンを生成するための)1つ以上の他の保護的化合物をコードする1つ以上の他の核酸分子で、同時形質転換され得る。
組換えDNA技術は、例えば、宿主細胞内の形質転換した核酸分子のコピー数、これらの核酸分子が転写される効率、得られた転写物が翻訳される効率、および翻訳後修飾の効率を操作することによって、形質転換した核酸分子の発現を改善するために使用され得る。本発明の核酸分子の発現を増大させるために有用な組換え技術としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:核酸分子を、高コピー数プラスミドに作動可能に連結させること、1つ以上の宿主細胞染色体への、核酸分子の組み込み、プラスミドへのベクター安定性配列の付加、転写制御配列(例えば、プロモーター、オペレーター、エンハンサー)の置換または改変、翻訳制御配列(例えば、リボソーム結合部位、シャイン−ダルガルノ配列)の置換または改変、宿主細胞のコドン用法に対応するような、本発明の核酸分子の改変、転写物を不安定化させる配列の欠失、ならびに発酵の間に、組換え酵素生成から組換え細胞の増殖を時間的に分離する制御シグナルの使用。本発明の発現された組換えタンパク質の活性は、このようなタンパク質をコードする核酸分子を、フラグメント化、改変または誘導体化することによって、改善され得る。
本発明の単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質は、天然のタンパク質の生成および回収、組換えタンパク質の生成および回収、ならびにタンパク質の化学合成を含む種々の方法で生成され得る。1実施形態において、本発明の単離されたタンパク質は、タンパク質を生成するに有効な条件下で、このタンパク質を発現し得る細胞を培養し、そしてこのタンパク質を回収することによって生成される。培養に好ましい細胞は、本発明の組換え細胞である。有効な培養条件としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:タンパク質生成を可能にする、有効な培地、バイオリアクタ、温度、pHおよび酸素の条件。有効な培地とは、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を生成するために細胞が培養される任意の培地をいう。このような培地は、代表的に、同化可能な炭素、窒素およびリン供給源、ならびに適切な塩、鉱物、金属および他の栄養素(例えば、ビタミン)を含む水性培地を含む。本発明の細胞は、従来の発酵バイオリアクタ、振とうフラスコ、試験管、マイクロタイターディッシュおよびペトリプレートにおいて培養され得る。培養は、組換え細胞に適切な温度、pHおよび酸素含量で実施され得る。このような培養条件は、当業者の技術範囲内である。適切な条件の例は、実施例の節に含まれる。
生成のために使用されるベクターおよび宿主系に依存して、得られた本発明のタンパク質は、組換え細胞内で維持され得るか;発酵培地中に分泌され得るか;2つの細胞膜の間の空間(例えば、E.coliの細胞周辺腔)に分泌され得るか;または細胞もしくはウイルスの膜の外部表面上に保持され得る。
句「タンパク質を回収する」、ならびに類似の句は、タンパク質を含む全発酵培地を収集することをいい、分離または精製のさらなる工程を含意する必要はない。本発明のタンパク質は、種々の標準的なタンパク質精製技術(例えば、限定ではなく、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、濾過、電気泳動、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、コンカナバリンAクロマトグラフィー、等電点電気泳動および差示的可溶化)を使用して精製され得る。本発明のタンパク質は、好ましくは、「実質的に純粋な」形態で回収される。本明細書中で使用する場合、「実質的に純粋」とは、治療組成物または診断剤としてのこのタンパク質の有効な使用を可能にする純度をいう。例えば、動物用の治療組成物は、実質的な毒性を示すべきではなく、そして好ましくは、処置された動物において抗体の産生を刺激することができるべきである。
本発明はまた、本発明のノミもしくはダニのオクトパミンレセプタータンパク質またはそのミメトープ(mimetope)に選択的に結合する、単離された(すなわち、その天然の環境から回収された)抗体(例えば、抗ノミオクトパミンレセプター抗体または抗ダニオクトパミンレセプター抗体)を包含する。本明細書中で使用する場合、用語、タンパク質「に選択的に結合する」とは、本発明の抗体が、本発明の特定のタンパク質およびそのミメトープに優先的に結合する能力をいう。結合は、以下を含む当該分野で標準的な種々の方法を使用して、測定され得る:酵素イムノアッセイ(例えば、ELISA)、イムノブロットアッセイなど;例えば、Sambrookら、同書およびHarlowら、1988、Antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Labs Pressを参照のこと;Harlowら、同書は、その全体が本明細書中で参考として援用される。本発明の抗ノミオクトパミンレセプター抗体または抗ダニオクトパミンレセプター抗体は、好ましくは、そのタンパク質の機能を阻害するような方法で、それぞれ、ノミオクトパミンレセプタータンパク質またはダニオクトパミンレセプタータンパク質に選択的に結合する。
本発明の単離された抗体としては、血清中の抗体、または種々の程度に精製された抗体が挙げられ得る。本発明の抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得、抗体フラグメントおよび遺伝子操作された抗体(単鎖抗体または1つ以上のエピトープに結合し得るキメラ抗体が挙げられる)のような機能的等価物であり得る。
本発明の1つの実施形態は、ノミまたはダニの外寄生を受けやすい動物に投与される場合に、ノミまたはダニの外寄生からその動物を防御し得る治療的組成物である。本発明の治療的組成物は、以下の防御性分子のうちの少なくとも1つを含む:単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質;単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質のミメトープ;単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子;ならびに/あるいはノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する上記単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に由来する化合物。本発明の治療的組成物は、賦形剤、キャリア、および/またはアジュバントの群から選択される成分をさらに含み得る;これらの成分は、本明細書中でさらに記載される。本明細書中で使用される場合、防御性分子または防御性化合物とは、有効な様式で動物に投与される場合、ノミまたはダニの外寄生を処置、緩和、および/または予防し得る化合物をいう。標的となる好ましいノミまたはダニは、これまでに開示されている。防御性分子の1つの例は、ワクチンまたは治療(例えば、裸の核酸ワクチンまたは裸の核酸治療、組換えウイルスワクチンまたは組換えウイルス治療、組換え細胞ワクチンまたは組換え細胞治療、および組換えタンパク質ワクチンまたは組換えタンパク質治療が挙げられるが、これらに限定されない)である。防御性分子の別の例は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する化合物(例えば、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に選択的に結合する単離された抗体、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログ、アンチセンスベースの化合物、三重らせん形成ベースの化合物、リボザイムベースの化合物、および/またはRNA薬物ベースの化合物)、あるいはノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する他の無機分子もしくは有機分子である。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性の阻害は、化合物が、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性を低減させる能力をいい得る。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性の阻害はまた、化合物が、ノミまたはダニにおけるノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の量を低下させる能力をいい得る。
本発明の別の実施形態は、ノミまたはダニの外寄生を受けやすい動物におけるノミまたはダニの外寄生を低減するための方法を包含する。このような方法は、以下からなる群より選択される防御性化合物を含む治療的分子を動物に投与する工程を包含する:(a)単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質;(b)単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質のミメトープ;(c)単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子;ならびに(d)ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する、単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に由来する化合物。
本明細書中で使用される場合、用語、〜由来の、または用語、〜から由来する、とは、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質、または本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプター核酸分子から直接的または間接的に得られた、ペプチド、抗体、ミメトープ、核酸分子、または他の化合物(例えば、本発明のタンパク質または核酸分子を使用して産生されたタンパク質または核酸分子の一部)をいう。本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプター分子から誘導体を得る方法は、当該分野で公知であり、よって、活性部位を決定するためのノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の分子モデリング、ならびにこれらの活性部位を保持および/もしくは模倣し、それにより、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する、より小さなフラグメントおよび/もしくはミメトープをこれらの活性部位から推定する工程が挙げられるが、これらに限定されない。ノミまたはダニのオクトパミンレセプター活性のインヒビターはまた、以下を含むがこれらに限定されない種々の方法で得られ得る:本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に対するペプチドライブラリーもしくは低分子化合物ライブラリーをスクリーニングすること;ならびに本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を特異的に結合する抗体を見いだすための、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体をスクリーニングすることが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質インヒビター(すなわち、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質のインヒビター)は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に結合し、改変し、またはそれ以外でこれらと相互作用し、それによってノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性を阻害するその能力によって同定される。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性の適切なインヒビターは、以下の種々の方法のうちの少なくとも1つにおいて、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害し得る化合物である:(a)ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の部位に結合するか、そうでなければこれらと相互作用するか、そうでなければ改変することによる;(b)ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性部位に結合するか、そうでなければこれらと相互作用するか、そうでなければ改変することによる;(c)ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に結合し、従って溶液中のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質のアベイラビリティーを低下させることによる;(d)ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を模倣することによる;ならびに(e)ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の他の領域と、例えば、アロステリック相互作用により相互作用して、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害することによる。
ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質インヒビターは、動物を処置するために、本発明の組成物中の化合物として、このような化合物が、処置される宿主動物に対して有害でない限り、直接使用され得る。本発明の好ましいノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質のインヒビターとしては、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログ、ならびにノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性が阻害されるような様式にて、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質に(例えば、アロステリック部位に)結合する他の分子が挙げられるが、これらに限定されない。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログとは、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性部位と相互作用し(例えば、結合し、会合し、改変する)化合物をいう。好ましいノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログは、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログは、任意の無機構成物のアナログまたは有機構成物のアナログであり得る。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログは、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の天然の基質に構造的に類似であり得るが、それらがそのノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性部位と相互作用し得る限り、必ずしもその必要はない。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログは、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質のコンピューターにより生成された構造、またはノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の天然の基質のコンピューター構造を使用して、設計され得る。モデルを作製するための好ましい部位は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性部位のうちの1つ以上を含む。基質アナログはまた、分子(例えば、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ペプチド模倣化合物、または他の無機分子もしくは有機分子)のランダムなサンプルを作製し、このようなサンプルを、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質とそれらの基質との間の相互作用を妨害するそれらの能力についてスクリーニングすることによって、例えば、アフィニティークロマトグラフィー技術によって、得られ得る。好ましいノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の基質アナログは、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質模倣化合物(すなわち、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の天然の基質に、特に、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性部位と相互作用する基質領域に、構造的におよび/もしくは機能的に類似しているが、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性部位と相互作用する際に、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する化合物)である。
本発明はまた、1つ以上の感染因子および/または1つ以上の外寄生生物による外寄生に対して防御性の少なくとも1つのさらなる化合物と組み合わせた、本発明の少なくとも1つの防御性分子を含む治療的組成物を包含する。
1つの実施形態において、本発明の治療的組成物は、外寄生を予防するために、ノミまたはダニに対してこのような組成物を投与することによって、ノミ外寄生またはダニ外寄生から動物を防御するために使用され得る。ノミもしくはダニおよび/または動物に対するこのような投与は、経口であり得、または動物の体表面への塗布(例えば、局所的に斑点状に塗布するまたは動物にスプレーする)によって、または環境への適用(例えば、スプレーする)によるものであり得る。このような組成物の例としては、少なくとも1つの本発明の治療的組成物を生成し得るトランスジェニックベクターが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態において、ノミまたはダニは、本発明の治療的組成物を投与した宿主動物の表面またはその動物の血液中に存在する治療的組成物、またはその産物を摂取し得る。
本発明に従い、宿主動物(すなわち、ノミまたはダニに外寄生されるかまたは外寄生され得る動物)は、本発明の治療組成物を、組成物自体(例えば、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質インヒビター、オクトパミンレセプタータンパク質合成サプレッサー(すなわち、ノミまたはダニにおいてオクトパミンレセプタータンパク質の産生または半減期を減少させる化合物)、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質ミメトープ(mimetope)もしくは抗ノミレセプター抗体または抗ダニオクトパミンレセプター抗体)、あるいはこの組成物の投与に対する応答において動物によって産生される産物(例えば、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質もしくは核酸、あるいは不活性インヒビター「プロドラッグ」の活性なノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質インヒビターへの変換に応答して、産生される抗体)が、最終的にノミまたはダニに侵入するような様式で、投与することによって処置される。宿主動物は、好ましくは、化合物またはその産物が、動物の体表面に存在するかまたは動物の血流内に入るような様式で、処置されることが好ましい。従って、ノミまたはダニは、動物から摂餌したとき、組成物または産物に曝される。例えば、動物に投与されるノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質インヒビターは、このインヒビターが動物の血流に入り、この血液は、ノミまたはダニの摂餌によって取り込まれ得るような様式か、あるいは、動物に局所的に投与され、ここで、処置される動物との接触により取り込まれ得るような様式で、投与される。
本発明に従い、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性をノミまたはダニにおいて低下させることは、処置される動物およびその周囲の環境においてノミまたはダニの負荷を低下させる、多くの結果を導き得る。このような結果としては、(a)処置される動物から摂餌するノミもしくはダニの生存度を低下させること、(b)処置される動物から摂餌する雌のノミもしくはダニの繁殖力を低下させること、(c)処置される動物から摂餌する雄のノミもしくはダニの生殖能力を低下させること、(d)処置される動物から摂餌する雌のノミもしくはダニによって生み出される卵の生存度を低下させること、(e)処置される動物から摂餌するノミもしくはダニの吸血行動を変えること(例えば、ノミもしくはダニが、摂餌毎により少ない用量を摂取するか、またはより少ない頻度で摂餌する)、(f)ノミもしくはダニの幼虫の生存度を、例えば、処置される動物から摂餌するノミもしくはダニの糞便からの幼虫の摂餌によって、低下させること、(g)ノミもしくはダニの幼虫の発生を変えること(例えば、摂餌行動を減少させること、成長を阻害すること、脱皮を阻害する(例えば、遅くするかまたは遮断する)こと、および/またはさもなければ成虫への成熟を阻害すること)、ならびに/あるいは(h)ノミもしくはダニおよび/またはその幼虫の、血液を消化する能力を変えるかまたは低下させることが挙げられるが、これらに限定されない。
動物をノミまたはダニの外寄生から保護するため、本発明の治療組成物は、動物に、この組成物が動物をノミまたはダニの外寄生から保護し得るような、効果的な様式で投与される。本発明の治療組成物は、外寄生を予防するために(すなわち、予防ワクチンとして)外寄生する前に動物に投与され得るか、そして/または、外寄生後に(すなわち、治療として)動物に投与され得る。
本発明の治療組成物は、処置される動物が耐え得る賦形剤中に処方され得る。このような賦形剤の例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、ハンクス溶液、および他の生理的平衡化塩水溶液が挙げられる。非水性ビヒクル(例えば、不揮発性油、ゴマ油、オレイン酸エチル、またはトリグリセリド)もまた、使用され得る。他の有用な処方物としては、粘性増強剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストラン)を含有する懸濁液が、挙げられる。賦形剤はまた、少量の添加物(例えば、等張性および化学的安定性を増強する物質)を含み得る。緩衝液の例としては、リン酸緩衝液、重炭酸イオン緩衝液およびTris緩衝液が挙げられる。一方、保存料の例としては、チメロサールまたはo−クレゾール、ホルマリンおよびベンジルアルコールが挙げられる。標準的処方物は、液体注射可能処方物または適切な液体中で注射のための懸濁液または溶液として摂取され得る固体のどちらかであり得る。従って、非液体処方物において、賦形剤としては、滅菌水または滅菌生理食塩水に投与の前に添加され得る、デキストロース、血清アルブミン、保存料などが挙げられる。
本発明の1つの実施形態において、治療組成物は、アジュバントを含み得る。アジュバントは、特定の抗原に対する動物の免疫応答を増強させ得る薬剤である。適切なアジュバントとしては、サイトカイン、ケモカイン、ならびにサイトカインおよびケモカインの産生を誘導する化合物(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、Flt−3リガンド、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン(EPO)、インターロイキン2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン7(IL−7)、インターロイキン8(IL−8)、インターロイキン10(IL−10)、インターロイキン12(IL−12)、インターフェロンγ、インターフェロンγ誘導因子I(IGIF)、形質転換成長因子β、ランテス(RANTES)(活性に際して調節され、正常T細胞によって発現され、おそらく分泌される)、マクロファージ炎症タンパク質(例えば、MIP−1αおよびMIP−1β)、ならびにリューシュマニア属伸長開始因子(Leishmania elongation initiating factor)(LEIF);細菌成分(例えば、エンドトキシン、特に超抗原、エキソトキシン、および細胞壁成分);が挙げられるが、これらに限定されない。アルミニウム−ベースの塩;カルシウム−ベースの塩;シリカ;ポリヌクレオチド;トキシド;血清タンパク質、ウイルス被膜タンパク質;ブロックコポリマーアジュバント(例えば、Hunter’s TitermaxTMアジュバント(VaxcelTM,Inc.Norcross,GA)、Ribiアジュバント(Ribi ImmunoChem Research,Inc.,Hamilton,MT);ならびにサポニンおよびその誘導体(例えば、Quil A(Superfos Biosector A/S,Denmark)が挙げられる。本発明のタンパク質アジュバントは、本明細書中に記載の方法を使用して、タンパク質事態の形態で送達され得るか、または、これらのタンパク質をコードする核酸分子の形態で送達され得る。
本発明の1つの実施形態において、治療組成物は、キャリアを含み得る。キャリアは、処置される動物において、治療組成物の半減期を増加する化合物を含む。適切なキャリアとしては、ポリマー放出制御ビヒクル、生分解性インプラント、リポソーム、細菌、ウイルス、他の細胞、オイル、エステル、およびグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の1つの実施形態は、動物内に本発明の組成物をゆっくりと放出する放出制御処方物である。本明細書中で使用される場合、放出制御処方物は、本発明の組成物を、放出制御ビヒクル中に含む。適切な放出制御ビヒクルとしては、生適合性ポリマー、他のポリマーマトリックス、カプセル、マイクロカプセル、マイクロ粒子、巨丸剤、浸透圧ポンプ、分散デバイス、リポソーム、リポスフィア(liposphere)、および経皮送達系が挙げられる。本発明の他の放出制御処方物としては、動物への投与の際に、インサイチュで固体またはゲルを形成する液体が挙げられる。好ましい放出制御処方物は、生分解性(すなわち、生崩壊性(bioerodible))である。
本発明の好ましい放出制御処方物は、本発明の組成物の処置される動物の血液内への一定の速度(組成物の治療用量レベルを保つために十分な速度)での放出を可能にする。治療組成物は、好ましくは、約1時間〜約12ヶ月の範囲の期間にわたって放出される。本発明の放出制御処方物は、好ましくは少なくとも1ヶ月間、より好ましくは少なくとも3ヶ月間、さらにより好ましくは少なくとも6ヶ月間、さらにより好ましくは少なくとも9ヶ月間、そしてさらにより好ましくは少なくとも12ヶ月間、処置を達成し得る。
本発明の治療組成物の、動物をノミまたはダニの外寄生から保護する効力は、種々の方法により試験され得る。この方法としては、処置される動物のノミまたはダニで誘発し、処置される動物が外寄生に抵抗性であるか否かを決定することが挙げられるが、これに限定されない。誘発実験は、処置される動物へのノミまたはダニの直接投与を含む。1つの実施形態において、治療組成物は、動物モデル(例えば、マウス)において試験され得る。このような技術は、当業者に公知である。
本明細書中で議論されるように、本発明の1つの治療組成物は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性のインヒビター(すなわち、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の機能を実質的に妨害し得る化合物)を含有する。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性または機能のインヒビターは、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を使用して同定され得る。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質機能の好ましいインヒビターは、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の機能を実質的に妨害し得、かつ、宿主動物オクトパミンレセプタータンパク質の機能を実質的に妨害しない、化合物である。本明細書中で使用される場合、宿主動物のオクトパミンレセプタータンパク質を実質的に阻害または妨害しない化合物は、宿主動物に投与された場合、オクトパミンレセプターの阻害に起因する有意の副作用を、宿主動物が示さず、そして、有効な様式で投与された場合、動物をノミまたはダニの外寄生から保護し得る化合物である。
本発明の1つの実施形態は、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害し得る化合物を同定するための方法である。このような方法は、(a)本発明の、単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を、この化合物の非存在下でこのタンパク質はノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を有する条件下で、推定阻害性化合物と接触させる(例えば、合わせる、混合する)工程、ならびに(b)推定阻害性化合物が、活性を阻害するか否かを決定する工程、を包含する。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性は、当該分野で公知の種々の方法において決定され得、この方法としては、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の、基質と結合するか、さもなければこれと相互作用する能力を決定することが挙げられるが、これに限定されない。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質が、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を有するような条件としては、ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質が、生理条件下(すなわち、生理的pH、物理的イオン濃度、ならびに生理的温度)で、ネイティブなタンパク質、成熟タンパク質、可溶性タンパク質、トランスフェクトされた細胞またはウイルスのような、正しい3次元折りたたみ構造を有する条件を含む。従って、正確な3次元折りたたみ構造は、阻害性化合物を予測するために使用され得る。
スクリーニングするための推定阻害性化合物としては、抗体(そのフラグメントおよびミメトープを含む)、推定基質アナログ、および他の、好ましくは低分子の、有機または無機の分子である。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を決定するための方法は、当該分野で公知である。例えば、Hanら 1996,Neuron 16:1127−1135を参照のこと。
ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害し得る化合物を同定するための好ましい方法は、本発明の単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を、この化合物の非存在下でこのタンパク質はノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を有する条件下で、推定阻害性化合物と接触させる工程;ならびに、推定阻害性化合物が活性を阻害するか否かを決定する工程、を包含する。
ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害する化合物を同定する好ましい方法は、本発明の単離されたノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を含む組換え細胞を、この化合物の非存在下でこのタンパク質はノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を有する条件下で、推定阻害性化合物と接触させる工程;ならびに、推定阻害性化合物が活性を阻害するか否かを決定する工程、を包含する。
本発明の別の実施形態は、本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質を同定するためのアッセイキットである。このキットは、単離された本発明のノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質、およびノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の活性の阻害を決定するための手段を含み、この手段は、阻害の検出を可能にする。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の阻害の検出は、推定インヒビターがノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質であることを同定する。ノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の阻害を決定するための手段としては、例えば、推定インヒビターの、ノミまたはダニのオクトパミンレセプター分子に対する結合を検出するアッセイシステム、ならびにノミまたはダニのオクトパミンレセプタータンパク質の、オクトパミンに結合する能力に対する推定インヒビターによる妨害を検出するアッセイシステムが、挙げられる。手段および方法は、本明細書中で記載され、かつ、当業者に公知である。
以下の実施例は、例示の目的で提供され、そして本発明の範囲を限定することを意図しない。以下の実施例は、当該分野で公知の、多くの組換えDNA技術およびタンパク質化学技術を含む;例えば、Sambrookら,(同上)を参照のこと。
(実施例1)
この実施例は、cDNA末端の迅速増幅(RACE pool)による、ノミゲノムDNAならびにノミの頭部および神経索のcDNAプールの調製を記載する。
ゲノムDNAを、ノミ成虫から以下のように単離した。約100mgのC.felis成虫を、DNAzolTM試薬(Life Technologies,Rockville,MDから市販される)を使用して乳鉢と乳棒でつぶし、そしてゲノムDNAを、製造業者の指示に従って回収した。得られたDNAを、水中に再懸濁した。
ノミの頭部および神経索のRACE poolを、以下のように構築した。C.felis成虫の約140匹の雌および60匹の雄の頭部および神経索を、餌を与えていないノミから切除し、次いで、均一粉末になるまで、液体窒素中で、乳鉢と乳棒でつぶした。全RNAを、酸−グアニジニウム−フェノール−クロロホルム法(Chomczynskiら,1987,Anal.Biochem.162,156〜159頁(本明細書中でその全体が参考として援用される)に記載される)を使用して、得られた均一な粉末から単離した。方法の改変は、Chomczynskiらに記載される溶液Dを、4Mグアニジンイソチオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム(pH7.0)、1.5%サルコシル、0.5M 2−メルカプトエタノールに変えたことである。分光光度計分析および臭化エチジウム染色した変性ゲル分析は、得られた全RNAが約27μgであることを示した。約6μgの全RNAをテンプレートとして使用し、Marathon cDNA Amplification Kit(Clontech Laboratories,Inc.,Palo Alto,CAから市販される)を用いて、製造業者の指示に従い、RACE poolを構築した。
(実施例2)
この実施例は、ノミのオクトパミンレセプター核酸分子の、クローニング、配列決定、および発現を記載する。
Drosophila melanogasterオクトパミンレセプターOAMBを使用して設計した縮合PCRプライマーを使用し、約150ヌクレオチドの産物を、成虫のゲノムDNAから増幅し、5’ GTNGAYGTNT GGATGTGYAC 3’(配列番号14と指定される)を逆プライマー5’ TGGNGGRAARCADATNAC 3’(配列番号15と指定される)と共に、50ngのゲノムDNA、2.5(U)のAmpliTaqポリメラーゼ(PE Biosystems,Foster City,CAから市販される)、0.5U Pfuポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CAから市販される)、0.2mM dNTPおよび0.5〜1.0μMのプライマーを使用して、全反応容量50μLで行うPCR反応において使用した。以下の造づく条件を使用した:(1)95℃を10秒、1サイクル、(2)94℃を10秒、52℃を30秒、および72℃を30秒、5サイクル、(3)94℃を10秒、49℃を20秒、および72℃を30秒、30サイクル。得られた産物を、nCfOCR111と呼び、配列決定して、配列番号1と名付けたコード鎖および配列番号2と名付けた相補鎖を有する、111ヌクレオチドの産物であることを明らかにした。
第1および第2のPCR反応を、以下の反応条件下で、ノミcDNAライブラリーにおいて実施した:以下のサイクル条件下で、総反応容量50μL中、反応毎に2.5U AmpliTaqポリメラーゼ、0.2mM dNTP、および0.5〜1.0μM プライマーを使用した:(1)95℃、1分間を1サイクル、(2)94℃、10秒間、62℃、30秒間、および72℃、2分30秒間を5サイクル、(3)94℃、10秒間、59℃、30秒間、および72℃、3分間を10サイクル、(4)94℃10秒間、56℃、30秒間、および72℃、3分間を15サイクル。第1PCR反応において、配列5’ATGTGTGGAT GTGTACAGCT TC 3’(配列番号16と命名)を有する、配列番号1から得られた配列情報を用いて設計した順方向プライマーを、ライブラリー中の全てのcDNAに共通のベクター領域の3’末端にアニーリングするよう設計された、配列5’GTAATACGAC TCACTATAGG GC 3’(配列番号17と命名)を有するプライマーと組み合わせて使用した。米国特許第6,063,610号に記載されるようにして調製した、ノミ混合instar cDNAライブラリー3μLをテンプレートとして用いた。得られた反応産物3μLを、配列5’AAATCTGTGC GCAATATCCT TGG 3’(配列番号18と命名)を有する、配列番号1から得られた配列情報を用いて設計された順方向プライマーと組み合わせて、逆方向プライマーとして配列番号17を用いる第2PCR反応において使用した。得られたPCR産物を、アガロースゲルから切り出し、そしてInvitrogen,Carlsbad,CAから入手可能なTOPO T/ATMクローニングキットを用いて、T/Aクローニングした。精製産物(nCfOCR2061と命名)を配列決定すると、コーディング鎖(配列番号3と命名)および相補鎖(配列番号5と命名)を有する2061塩基対を含むことが示された。配列番号3の配列分析は、nCfOCR2061が、配列番号4によって表される配列を有するタンパク質(PCfOCR559と命名)をコードすることを示し、このことは、オープンリーディングフレームが、配列番号3のヌクレオチド3〜ヌクレオチド1679に延びていることを推定する。配列分析はさらに、配列番号4が、ノミオクトパミンレセプターのC末端を表すことを実証した。
以下のようにして、実施例1に記載されるように調製したノミ頭部および神経索RACEプールからノミオクトパミンレセプターcDNAの5’部分を単離するため、PCR反応を実施した。ノミ頭部および神経索RACEプールにおける全てのフラグメントの末端に隣接するアダプター内の配列に対応する、ヌクレオチド配列5’CCATCCTAAT ACGACTCACT ATAGGGC 3’(配列番号19と命名)を有する順方向プライマーAP1を、ヌクレオチド配列5’GGAAGCAGAT CACAAAACTA AG 3’(配列番号20と命名)を有する、配列番号1から得られた配列情報を用いて設計された逆方向プライマーと組み合わせて使用した。以下のPCR条件を使用した:総反応容量50μL中に、50μLの反応物あたり2UのAmpliTaqポリメラーゼ、0.5U Pfuポリメラーゼ、0.2mM dNTP、0.5μM プライマー、およびテンプレートとして3μLの1/250希釈ノミ頭部および神経索RACEプール。開始サイクル温度が72℃に達した後、テンプレートDNAを、PCR機器中の試験管に直接添加した。以下の増幅条件を使用した:(1)95℃、1分間を1サイクル、(2)94℃、10秒間、58℃、30秒間、および72℃、2分間を5サイクル、(3)94℃、10秒間、54℃、30秒間、72℃、2分間、および72℃、2分30秒間を30サイクル。得られたPCR産物をアガロースゲルから切り出し、そしてDNAを、Qiagen,Chatsworth,CAから入手可能なQiaQuickTM Extraction Kitを用いて精製した。この産物2μLを、順方向プライマー配列番号19およびヌクレオチド配列5’CCAAAGCCCG GCTATGAGTC CC 3’(配列番号21と命名)を有する逆方向プライマーを用い、一次反応について記載された反応条件を用いるnested PCRについて、テンプレートとして使用した。以下の増幅条件を使用した:(1)95℃、1分間を1サイクル、(2)94℃、10秒間、58℃、30秒間、および72℃、1分間を5サイクル、(3)94℃、10秒間、54℃、30秒間、および72℃、1分間を30サイクル。その精製産物(nCfOCR868と命名)を配列決定すると、コード鎖(配列番号6と命名)および相補鎖(配列番号8)を有する、868塩基対を含むことが示された。配列番号6の配列分析は、nCfOCR868が、配列番号7によって表される配列を有するタンパク質(PCfOCR178と命名)をコードすることを示し、このことは、オープンリーディングフレームが、配列番号6のヌクレオチド333〜866に延びていることを推定する。配列分析はさらに、配列番号7が、ノミオクトパミンレセプターのN末端を表すことを実証した。
配列番号3および配列番号6からの配列情報を用いて、ノミオクトパミンレセプターをコードする核酸分子の全オープンリーディングフレームをコードするDNAの1つの連続する部分を増幅するためのプライマーを設計し、PCR反応を以下のようにして実施した。ヌクレオチド配列5’AAGAATTCGA TATGAATGCC TCGGAGTACA TTAACACG 3’(配列番号22と命名)を有し、EcoRI部位(下線で示す)を有する順方向プライマーを、ヌクレオチド配列5’TTCTCGAGCC TCTTGTGACA TCATTATCAC TATCTTG 3’(配列番号23と命名)を有し、XhoI部位(下線で示す)を有する逆方向プライマーと組み合わせて使用した。以下の反応条件を使用した:総反応容量50μL中に、反応毎に2.5U Pfu TurboTMポリメラーゼおよび販売元のポリメラーゼ反応緩衝液(Stratageneから入手可能)、テンプレートとして3μLの1/50希釈ノミ頭部および神経索RACEプール、0.2mM dNTP、および0.5μM プライマー。以下のサイクル条件を使用した:(1)94℃、30秒間を1サイクル、(2)94℃、10秒間、53℃、30秒間、および72℃、2分間を5サイクル、(3)94℃、10秒間、55℃、20秒間、および72℃、2分30秒間を36サイクル。得られたおよそ2KbのPCR産物を、上記のようにアガロースゲルから切り出し、そしてTOPO T/Aクローニングキットを用いて、T/Aクローニングした。精製産物を配列決定すると、コーディング鎖(配列番号9と命名)および相補鎖(配列番号10と命名)を有する2082塩基対を含むことが示された。
配列番号3、6、9、および10を検討すると、配列番号9および10において、配列のずれが明らかになった。これはおそらく、内部停止を生じるPCRエラー(「GGA」コドンが「TGA」コドンに置き換えられた)に起因する。以下のような、PCR重複伸長(PCR overlap extension)として公知の標準的な方法により、PCR変異誘発を行い、配列番号9におけるエラーを訂正した。配列5’CAGAGCTATC AACCAAGGAT TCAGGACCAC AAAAGG3’(配列番号24と命名)を有し、変異誘発領域(下線で示す)を有する順方向プライマーを、配列5’ CTTGGTACCG AGCTCGGATC C 3’(配列番号25と命名)を有するベクター配列の領域に対応する逆方向プライマーと組み合わせて用いて、第1PCR反応を実施した。配列5’CCTTTTGTGG TCCTGAATCC TTGGTTGATA GCTCTG 3’(配列番号26と命名)を有し、変異誘発領域(下線で示す)を有する順方向プライマーを、配列5’AGATGCATGC TCGAGCGGCC G 3’(配列番号27を命名)を有する、ベクター配列の領域に対応する逆方向プライマーと組み合わせて用いて、第2PCR産物反応を実施した。これらの各PCR反応を、以下のサイクル条件下で、総反応容量50μL中に、テンプレートとして上記の配列番号9を含むT/Aクローン 約100ng、2.5U Pfu Turboポリメラーゼ、0.2mM dNTP、および0.5μM プライマーを用いて実施した:(1)95℃、30秒間を1サイクル、(2)94℃、10秒間、56℃、30秒間、および72℃、1分間を5サイクル、(3)94℃、10秒間、59℃、20秒間、および72℃、2分間を27サイクル。これらのPCR反応産物は、それぞれ、約1300塩基対および800塩基対の産物を生じた。
上記の1300塩基対および800塩基対のPCR産物各々1μlを混合し、そして以下のような、配列番号9の全長「修復」バージョンを再生する最終PCR反応において、テンプレートとして使用した。配列5’ATGAATGCCT CGGAGTACAT TAACACGACA ACAATCAG 3’(配列番号28と命名)を有する順方向プライマーを、配列5’TCATCTTGTG ACATCATTAT CACTATCTTG ACGAACG 3’(配列番号29と命名)を有する逆方向プライマーと組み合わせて、以下のサイクル条件下で、総反応容量50μL中に2.5U Pfu Turboポリメラーゼ、0.2mM dNTP、および0.5μM プライマーを含むPCR反応物中で使用した:(1)95℃、30秒間を1サイクル、(2)72℃、5分間を1サイクル、(3)94℃、10秒間、56℃、30秒間、および72℃、2分間を5サイクル、(4)94℃、10秒間、59℃、20秒間、および72℃、2分30秒間を20サイクル。
得られたPCR産物をアガロースゲルから切り出し、そしてQiaQuick精製カラムを通すと、約2100塩基対の核酸分子を含むことが見出された。得られた溶出物を、以下のようにして「洗練」して、フラグメントのT/Aクローニングを容易にした:50μLの総溶出物のうちの43μLを、5μLのAmpliTaqTM PCR緩衝液、0.1μLの25mM dNTPミックス、および1μL(5U)のAmpliTaqポリメラーゼと混合し、そして72℃で8分間インキュベートした。この反応物4μLを、上記のようにして実施したTOPO T/Aクローニング反応において使用した。得られたT/Aクローン由来のインサートを配列決定すると、エラーが訂正されていることが明らかになった。
この精製産物(nCfOCR2136と命名)を配列決定すると、コーディング鎖(配列番号11と命名)および相補鎖(配列番号13と命名)を有する2136塩基対を含むことが示された。配列番号11の配列分析は、nCfOCR2136が、配列番号12によって表される配列を有するタンパク質(PCfOCR712と命名)をコードすることを示し、このことは、開始コドンが配列番号11のヌクレオチド1〜3にまたがり、最終コドンがヌクレオチド2134〜2136にまたがることを推定する。
核酸配列番号11とGenBankに報告された核酸配列との比較は、配列番号11が、D.melanogasterオクトパミンレセプター核酸分子OAMB(GenBank登録番号AF065443)と最大の類似性(すなわち、約49%)を共有することを示す。アミノ酸配列番号12とGenBankに報告されたアミノ酸配列との比較は、配列番号12が、Balanus amphitrite Gタンパク質共役レセプター(GenBank登録番号Q93126)との最大の類似性(すなわち、55%)を有することを示す。
(実施例3)
この実施例は、タグ付加したノミオクトパミンレセプタータンパク質の発現を記載する。
配列番号12をコードするcDNAを、C末端タグを有するDESTM発現系(Invitrogenから入手可能)にクローニングするために、以下のPCRを実施した。配列番号11を含むT/Aクローン1μLを、2.5U Pfu Turboポリメラーゼ、0.2mM dNTP、および上記のプライマー配列番号22および配列番号23を各々0.5M含むPCR反応物中、以下のサイクル条件下で、テンプレートとして使用した:(1)95℃、30秒間を1サイクル、(2)94℃、10秒間、55℃、30秒間、および72℃、2分間を5サイクル、(3)94℃、10秒間、59℃、20秒間、および72℃、2分間を20サイクル。得られた核酸分子をアガロースゲルから切り出し、QiaQuick精製カラムを用いてクローニングのために調製し、酵素EcoRIおよびXhoIで切断し、QiaQuickカラムで再精製し、そしてInvitrogenから入手可能なpAC−5.1/V5−His B発現ベクター(これもまた、EcoRIおよびXhoIで切断した)に連結した。このベクターは、そのカルボキシル末端でHisタグおよびV5タグを有するタンパク質をコードする。連結産物を、E.coli DH5αに形質転換し、そして形質転換細菌を、PCRによりインサートについてスクリーニングし、そして適切なサイズのインサートを含むクローンを使用して、販売元のプロトコルに従い、DES発現系を用いてDrosophila S−2昆虫細胞をトランスフェクトした。この系は、選択マーカーブラスチシジンを有するプラスミドとの共トランスフェクションを利用する。Life Technologiesから入手可能なCellFectinリポソーム試薬を用いて、5μgの上記プラスミドDNAおよびブラスチシジン耐性遺伝子をコードする0.2μgのpCoBlastプラスミド(DES発現キットの一部として入手可能)を細胞に輸送した。トランスフェクション2日後に、細胞を約1:2に分け、そして30μL/mLのブラスチシジン(Invitrogenから入手可能)の培地への添加を通じて、選択を5日間実施した。選択後、振盪フラスコ中での選択を行わずに、細胞の拡張を実施した。細胞を、SDS−PAGEゲルサンプルローディング緩衝液中に溶解し、そして当業者に公知の技術を用いる変性PAGEゲルによる分離およびニトロセルロース膜へのブロッティング後に、細胞溶解物に対してウェスタンブロットを実施した。このベクターのC末端融合タンパク質の一部に対する抗V5抗体(Invitrogenから入手可能)は、約90キロダルトンのバンド(タグ付加オクトパミンレセプターの近似推定サイズに対応する)の発現を示した。同条件下で、非トランスフェクト細胞由来の細胞溶解物に対して実施したウェスタンブロットは、同様の90キロダルトンのバンドを含まなかった。
(実施例4)
この実施例は、cDNA末端の高速増幅によるダニゲノムDNAならびにダニ頭部および神経索DNAプール(RACEプール)の調製を記載する。
ゲノムDNAを、以下のようにして成虫ダニから単離した。4匹の成虫Rhipicephalus sanguineusを、Life Technologies,Rockville,MDから入手可能なDNAzolTM試薬を用いて、乳鉢および乳棒で粉砕し、そしてゲノムDNAを、販売元の指示に従って回収した。得られたDNAを、50μL T.E.に再懸濁し、そして推定濃度50ng/μLを有した。
ダニcDNA RACEプールを以下のようにして構築した。約10匹の餌を与えていない成虫Rhipicephalus sanguineusを、液体窒素中で、乳鉢および乳棒により均一な粉末になるよう挽いた。Chomczynskiら,1987,Anal.Biochem.162,p.156−159(この文献は、その全体が、参考として本明細書中に援用される)に記載される酸−グアニジン−フェノール−クロロホルム法を改良して用いて、得られた均一な粉末から総RNAを単離した。この方法の改良とは、Chomczynskiらに記載される溶液Dを、4Mグアニジンイソチオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、pH7.0、1.5%サルコシル、0.5M 2−メルカプトエタノールの溶液に交換したことである。分光光度計およびエチジウムブロミド染色変性ゲル分析は、総RNAの収量が約43gであることを示した。Clontech Laboratories,Inc.,Palo Alto,CAから入手可能なMarathon cDNA Amplification Kitを販売元の指示に従って用い、総RNA約10μgをテンプレートとして用いて、RACEプールを構築した。
(実施例5)
本実施例は、ダニオクトパミンレセプター核酸分子のクローニングおよび配列決定を記載する。
Van Poyerら、Insect Biochemistry and Molecular Biology,31(2001)333−338から配列を得たPCRプライマーを使用して、上記のように調製した成虫の非摂食のダニのゲノムDNAからの約100ヌクレオチド産物を増幅した。2μLのゲノムDNA、2.5単位(U)のAmpliTaqポリメラーゼ(PE Biosystems,Foster City,CAから入手可能)、0.2mM dNTPおよび1.0μM プライマーを使用するPCR反応において、順方向プライマー5’GCCATCATYG TGGGCRKSTT CATCKTBTGC TGG3’(配列番号42と指定)を、逆方向プライマー5’GATCATSGGR TTWAYGGCSG AGTTGCAGTA GCC3’(配列番号43と指定)と組み合わせて、50μLの総反応容積で使用した。以下の増幅条件を使用した:(1)95℃で1分を1サイクル、(2)94℃で10秒、60℃で30秒、および72℃で30秒を5サイクル、(3)94℃で10秒、57℃で30秒、および72℃で30秒を10サイクル、(4)94℃で10秒、54℃で30秒、および72℃で45秒を25サイクル。得られる生成物は、nRsOCRl02といわれ、これをアガロースゲルから切除し、Invitrogen製のTopo TAクローニングキットTMを使用してT/Aクローニングし、配列決定して102ヌクレオチドの生成物を明らかにした。この生成物は、コード鎖(配列番号30と指定される)および相補鎖(配列番号32と指定される)を有した。
第1および第2のPCR反応を、以下の反応条件の下で実施例1に記載のように調製したダニcDNAライブラリー上で実施した:1反応あたり2.5UのAdvantageTMポリメラーゼ(Clonetech,Palo Alto,CAから入手可能)、0.2mM dNTP、および0.5μM プライマー、ならびに50μLの総反応容積であり、これを以下のサイクル条件の下で使用した:(1)94℃で30秒を1サイクル、(2)94℃で5秒、64℃で4分を5サイクル、(3)94℃で5秒、66℃で4分を5サイクル、(4)94℃で5秒、68℃で4分を5サイクル、および(5)72℃で3分を1サイクル。第1のPCR反応において、配列5’GCTGGCTGCCATTCTTCACC GTG3’を有する順方向プライマー(配列番号44と指定される)を、cDNA RACEプール中の全てのフラグメントの末端に隣接するアダプターを有する配列に対応するプライマー((配列5’CCATCCTAAT ACGACTCACT ATAGGGC3’(配列番号45と指定される)を有する)と組み合わせて使用した。5μLの1/250希釈のダニcDNA RACEプールをテンプレートとして使用した。1μLの得られた反応生成物を、配列5’GGTGCGTGCA TTCTGCGAGC ACTG3’(配列番号46と指定される)を有する順方向プライマーと組み合わせて、逆方向プライマーとして配列番号45を使用する第2のPCR反応において使用した。得られるPCR生成物をアガロースゲルから切除し、Invitrogenから入手可能なTOPO T/ATMクローニングキットを使用してT/Aクローニングした。精製した生成物(nRsOCR499といわれる)を配列決定し、コード鎖(配列番号33と指定される)および相補鎖(配列番号35と指定される)を有する、499塩基対を含むことが示された。配列番号33の配列分析は、nRsOCR499が、配列番号34によって表される配列を有するタンパク質(PRsOCR92といわれる)をコードすることを示し、オープンリーディングフレームが、配列番号33のヌクレオチド3〜ヌクレオチド278に延びると考えられた。配列分析はさらに、配列番号34が、ダニオクトパミンレセプターのC末端を表すことを実証した。
ダニオクトパミンレセプターの5’部分を単離するために、第1および第2のPCR反応を、以下の反応条件の下で実施例1に記載のように調製したダニcDNAライブラリー上で実施した:1反応あたり2.5UのAdvantageTMポリメラーゼ、0.2mM dNTP、および0.5μM プライマーで、50μLの総反応容積であり、これを以下のサイクル条件の下で使用した:(1)95℃で1分を1サイクル、(2)94℃で10秒、66℃で30秒、72℃で1分を5サイクル、(3)94℃で10秒、63℃で20秒、72℃で2分を30サイクル。
第1のPCR反応において、順方向プライマー配列番号45をヌクレオチド配列5’AGAAGACCGA GAACAGCAGGTTGG3’を有する逆方向プライマー(配列番号47と指定される)と組み合わせて使用した。3μLの1/250希釈のダニcDNA RACEプールをテンプレートとして使用した。1μLの得られた反応生成物を、配列5’ TGGCACCAGG TGTGGCCGAA GAGCCACAC3’を有する順方向プライマー(配列番号48と指定される)と組み合わせて、逆方向プライマーとして配列番号45を使用する第2のPCR反応においてテンプレートとして使用した。得られるPCR生成物をアガロースゲルから切除し、Invitrogenから入手可能なTOPO T/ATMクローニングキットを使用してT/Aクローニングした。精製した生成物(nRsOCR286といわれる)を配列決定し、コード鎖(配列番号36と指定される)および相補鎖(配列番号38と指定される)を有する、286塩基対を含むことが示された。配列番号36の配列分析は、nRsOCR286が、配列番号37によって表される配列を有するタンパク質(PRsOCR95といわれる)をコードすることを示し、オープンリーディングフレームが、配列番号36のヌクレオチド1〜ヌクレオチド285に延びると考えられた。配列分析はさらに、配列番号37が、ダニオクトパミンレセプターのN末端を表すことを実証した。
配列番号32および配列番号35からの配列情報を使用して、ダニオクトパミンレセプターをコードする核酸分子のオープンリーディングフレーム全体をコードするDNAの1つの連続した片を増幅するためのプライマーを設計し、PCR反応を以下のように実施した。ヌクレオチド配列5’ATGAACGAGA CGTGCCTGTC CCGC3’を有する順方向プライマー(配列番号49と指定される)を、ヌクレオチド配列5’ CTAGGGCGAC GCGGCGTTGT CCGG3’を有する逆方向プライマー(配列番号50と指定される)と組み合わせて使用した。以下の反応条件を使用した:1反応あたり2.5UのAdvantageTMポリメラーゼ、テンプレートとして5μLの1/250希釈のダニcDNA RACEプール、0.2mM dNTP、および0.5μM プライマーで、50μLの総反応容積。以下のサイクル条件を使用した:(1)94℃で5分を1サイクル、(2)94℃で5秒、72℃で2.5分を5サイクル、(3)94℃で5秒、70℃で2.5分を5サイクル、(4)94℃で5秒、68℃で2.5分を30サイクル、ならびに(5)72℃で7分を1サイクル。得られる約1500ヌクレオチドのPCR生成物をアガロースゲルから切除し、Qiagen Chatsworth,CAから入手可能なQuiaquickTMキットを使用して精製し、TOPO T/ATMクローニングキットを使用してT/Aクローニングした。精製した生成物(nRsOCR1443といわれる)を配列決定し、コード鎖(配列番号39と指定される)および相補鎖(配列番号41と指定される)を有する、1443塩基対を含むことが示された。配列番号39の配列分析は、nRsOCR1443が、配列番号40によって表される配列を有するタンパク質(PRsOCR480といわれる)をコードすることを示し、オープンリーディングフレームが、配列番号39のヌクレオチド1〜ヌクレオチド1440に延びると考えられた。配列分析はさらに、配列番号40が、全長ダニオクトパミンレセプターをコードするオープンリーディングフレームを表すことを実証した。
核酸配列番号39とGenBankにおいて報告された核酸配列との比較は、配列番号39が、Gタンパク質共役レセプター(GenBank受託番号D78587)に対してBalanus amphitrite遺伝子と最大の類似性(すなわち、約57%)を共有することを示した。アミノ酸配列番号40とGenBankにおいて報告されたアミノ酸配列との比較により、配列番号40が、Anopheles gambiae str.PEST(ゲノム配列概念翻訳)と最大の類似性(すなわち、約52%)を示し、Balanus amphitriteGタンパク質共役レセプター(GenBank受託番号BAA11424)に対して2番目に高い類似性を示したことが示された。
本発明の種々の実施形態が、詳細に記載されているが、これらの実施形態の改変および適合が、当業者に対して生じることは明らかである。しかし、このような改変および適合が、添付の特許請求の範囲に示されるように、本発明の範囲内であることは明確に理解されるべきである。
【配列表】
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Claims (20)

  1. 以下:
    (a)少なくとも50ヌクレオチドの長さの核酸分子であって、以下:
    (1)37℃の温度で、核酸へリックス不安定化化合物の非存在下において2×SSCを含む溶液中でハイブリダイズすること、および
    (2)66.8℃の温度で、へリックス不安定化剤の非存在下において1×SSCを含む溶液で洗浄すること、を包含する条件下で、配列番号32、配列番号35、配列番号38および配列番号41からなる群より選択される核酸配列を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで、該少なくとも50ヌクレオチド核酸分子が、オクトパミンに結合するタンパク質をコードする、核酸分子;ならびに
    (b)該(a)の核酸分子に完全に相補的な核酸分子、
    からなる群より選択される、単離された核酸分子。
  2. 以下:
    (a)少なくとも35ヌクレオチド長の核酸分子であって、以下:
    (1)37℃の温度で、核酸へリックス不安定化剤の非存在下において2×SSCを含む溶液中でハイブリダイズすること、および
    (2)74.6℃の温度で、へリックス不安定化剤の非存在下において1×SSCを含む溶液で洗浄すること、を包含する条件下で、配列番号2、配列番号5、配列番号8および配列番号13からなる群より選択される核酸配列を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで、該少なくとも35ヌクレオチド核酸分子が、オクトパミンに結合するタンパク質をコードする、核酸分子;ならびに
    (b)該(a)の核酸分子に完全に相補的な核酸分子、
    からなる群より選択される、単離された核酸分子。
  3. 以下:
    (a)配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39からなる群より選択される核酸配列を有する核酸分子、ならびに配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも95%同一である改変体であって、ここで、該核酸分子が、オクトパミンに結合するタンパク質をコードする、核酸分子;
    (b)(a)の核酸分子のフラグメントを含む核酸分子であって、該フラグメントが、少なくとも50ヌクレオチドの長さである、核酸分子;ならびに
    (c)(a)または(b)の核酸分子に完全に相補的な核酸分子、
    からなる群より選択される、単離された核酸分子。
  4. 以下:
    (a)配列番号1、配列番号3、配列番号6および配列番号11からなる群より選択される核酸配列を有する核酸分子、ならびに配列番号1、配列番号3、配列番号6および配列番号11からなる群より選択される核酸配列に対して少なくとも95%同一である改変体であって、ここで、該核酸分子が、オクトパミンに結合するタンパク質をコードする、核酸分子;
    (b)(a)の核酸分子のフラグメントを含む核酸分子であって、該フラグメントが、少なくとも35ヌクレオチドの長さである、核酸分子;ならびに
    (c)(a)または(b)の核酸分子に完全に相補的な核酸分子、
    からなる群より選択される、単離された核酸分子。
  5. 配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたタンパク質、ならびに配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一である改変体であって、ここで、該タンパク質改変体が、オクトパミンに結合する、単離されたタンパク質。
  6. 配列番号4、配列番号7および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む単離されたタンパク質、ならびに配列番号4、配列番号7および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一である改変体であって、ここで、該タンパク質改変体が、オクトパミンに結合する、単離されたタンパク質。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の単離された核酸分子によりコードされるタンパク質を生産する方法であって、該方法は、該タンパク質をコードする核酸分子で形質転換した細胞を培養する工程を包含する、方法。
  8. 転写制御配列に作動可能に連結された、請求項1〜4に記載の核酸分子を含む組換え分子。
  9. 請求項1〜4に記載の核酸分子を含む組換えウイルス。
  10. 請求項1〜4に記載の核酸分子を含む組換え細胞。
  11. 請求項1および3に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39からなる群より選択される核酸配列を含む、核酸分子。
  12. 請求項2および4に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、配列番号1、配列番号3、配列番号6および配列番号11からなる群より選択される核酸配列を含む、核酸分子。
  13. 請求項1および3に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、核酸分子。
  14. 請求項2および4に記載の核酸分子であって、該核酸分子は、配列番号4、配列番号7および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする、核酸分子。
  15. ダニのオクトパミンレセプター活性のインヒビターを検出する方法であって、該方法は、以下:
    (a)請求項5または6に記載の単離されたオクトパミンレセプタータンパク質を、推定の阻害性化合物の非存在下で、該タンパク質が、ダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を有する条件下で、該化合物と接触させる工程、および
    (b)該推定の阻害性化合物が、ダニのオクトパミンレセプタータンパク質活性を阻害するか否かを決定する工程、
    を包含する、方法。
  16. 請求項5または6に記載のタンパク質に選択的に結合する、単離された抗体。
  17. 請求項5に記載のタンパク質であって、該タンパク質は、配列番号30、配列番号33、配列番号36および配列番号39からなる群より選択される核酸配列を有する核酸分子によってコードされる、タンパク質。
  18. 請求項5に記載のタンパク質であって、該タンパク質は、配列番号31、配列番号34、配列番号37および配列番号40からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、タンパク質。
  19. 請求項6に記載のタンパク質であって、該タンパク質は、配列番号1、配列番号3、配列番号6および配列番号11からなる群より選択される核酸配列を有する核酸分子によってコードされる、タンパク質。
  20. 請求項6に記載のタンパク質であって、該タンパク質は、配列番号4、配列番号7および配列番号12からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、タンパク質。
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