JP2005532648A - ２つのアンテナを備えた情報担体ドライブ装置 - Google Patents

Abstract

集積回路（２１）と前記集積回路に結合されたアンテナ（２２）を持つ情報担体（１）を読み取るための装置が提供される。前記装置は、ディスク上の前記集積回路と前記装置との間の通信を確立するための通信手段を持つ。前記通信手段は２つのアンテナ（６６及び６７）を持つ。１つは前記ディスクが前記装置中に装填されているときに前記ディスク上の前記集積回路と通信することができるものであり、１つは前記ディスクが前記装置の付近にあるときに前記装置と前記情報担体上の前記集積回路との間の通信を提供するものである。

Description

本発明は、集積回路と該集積回路に接続されたアンテナとを備える情報担体を読み出す装置であって、前記情報担体上の前記アンテナとの電磁結合を実現するための通信手段を備える装置に関する。

最初の段落に記載されたような装置は、米国特許US6,044,046より知られている。このシステムにおいては、付加的な情報を保存する目的のため集積回路（以下チップと呼ぶ）が情報担体に備えられる。前記情報担体は例えば、ＣＤ又はＤＶＤのような、光記憶ユニットを持つディスクであっても良い。これらのディスクは、例えばディジタル写真、映画、音楽アルバムのような比較的大量のデータを、単純な方法で保存しファイリングするために利用され得る。著作権によって保護された当該情報、即ちディジタル作品は、不正な配布を防止するために、符号化された方法で前記情報担体に保存される。前記チップに保存される前記付加的な情報は例えば復号化鍵であり、前記復号化鍵を用いて前記情報担体上の前記符号化されたディジタル作品が復号化される。

前記情報担体に保存されたディジタル作品が再生されるべき場合には、前記情報担体は再生装置に装填される。前記再生装置は、光記憶ユニットの読み出しを可能とする光読み取り手段を有する。

前記チップは、該チップの動作のために必要なエネルギーを得るための電磁受信手段を備える。更に電磁送受信手段が、前記チップと前記再生装置との間の通信を可能とするため、前記情報担体のチップ上に存在する。

当該通信を可能とする通信手段は、前記再生装置中に存在する。前記装置中の前記通信手段は、例えば集積回路、所謂読み出しＩＣ、及びアンテナによって形成される。既存のシステムにおける前記通信手段は、前記情報担体が前記装置中に存在する場合にのみ、前記通信が前記情報担体上の前記チップと前記装置中の読み出しＩＣとの間で行われるように設計されている。

この知られた装置の欠点は、前記チップと前記読み出しＩＣとの間の通信が、前記情報担体が前記再生装置中に存在する場合にのみ行われることである。

本発明の目的は、最初の段落において言及された種類の装置であって、前記再生装置中の前記情報担体の一定の位置に限定されない、前記チップと前記読み出しＩＣとの間の通信を可能とする装置を提供することにある。

本目的は、前記情報担体が前記装置の内部にある場合と、前記情報担体が前記装置の付近にある場合とのいずれの場合にも、前記集積回路と前記装置との間の通信が行われることができるように、前記通信手段が構成されることにより達成される。

本発明は、幾つかの場合において、前記再生装置の付近においても、前記情報担体上のチップとの通信を可能とすることが好ましいという認識に基づく。前記チップに保存された情報は例えば、前記情報担体のテーブル・オブ・コンテンツ（table of contents）であっても良い。保存されたディジタル作品が例えば音楽アルバムを有する場合、かような情報担体はおそらく多くのタイトルを有するであろう。ユーザが前記再生装置の近くに前記情報担体を保持するだけで前記テーブル・オブ・コンテンツを読むことができれば、該ユーザにとって非常に便利であろう。前記再生装置中の前記通信手段はこのとき、例えば画面上に当該情報を表示しても良い。前記ユーザは、この方法により所望のデータを容易に且つ迅速に得ることができる。

本発明による装置の実施例においては、前記装置の前記通信手段は少なくとも２つのアンテナを有する。これらのアンテナのうちの１つは、例えば前記再生装置の圧胴に存在する。この位置は、前記情報担体が前記装置の内部にあるときに、前記情報担体上のチップが読み取られることを可能とする。更なるアンテナはこのとき、例えば前記装置の外壁上に又は該外壁の付近に配置される。当該アンテナの位置は、前記装置の外部にあるチップとも通信することを可能とする。

本発明による装置の実施例は、少なくとも２つのアンテナが１つの読み出しＩＣに結合されることを特徴とする。

この方法の利点は、前記装置中に存在する前記通信手段のコストが削減されることである。

先行技術のシステムにおいては、前記再生装置中の通信手段は、１つのアンテナに接続された１つの読み出しＩＣを有する。これらの手段は、前記情報担体上のアンテナとの電磁結合を達成することが可能である。例えば前記情報担体を前記装置に装填する必要なくテーブル・オブ・コンテンツを読み取るために、前記装置において第２のアンテナが望ましい場合には、更なるアンテナに接続された更なる読み出しＩＣを利用することが必然的であるように思われる。本実施例は、２つのアンテナが結合された１つの読み出しＩＣが利用されることにより、前記通信手段のコストが削減され得るという認識に基づく。

本発明による装置のこれらの及び他の態様は、図を参照しながら以下により詳細に説明されるであろう。

更に、適切な場合には、明確さの理由から、構成要素の相互の大きさの比率は必ずしも正確に示されていない。本発明の代替であるが同等の実施例が本発明の本質から逸脱することなく可能であること、及び本発明の範囲は請求項によってのみ限定されることは、当業者には明らかであろう。かくして、以下に説明される実施例は、ＤＶＤのような集積回路を持つ情報担体に関する。本発明の原理は、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ、ＤＶＤ＋ＲＷ、ＣＤ−Ｉ及び光情報担体のファミリーの他のメンバのような、他の回転する情報担体に同等に適用され得ることは明らかであろう。以下に説明される再生装置の実施例は、光記憶ユニットに書き込む記録装置にも適用可能であることも、当業者には明らかであろう。

図１は、本発明による装置によって読み出されることができる情報担体を示す。本例における前記情報担体は、光読み取り可能な記憶ユニットを持つディスクである。情報担体１は、前記ディスクの中心に配置された中央穴１１を備える。情報担体１上には幾つかのエリアが定義され、更にこれらのエリアはそれぞれ例えば異なる物理的特性を持つ。前記ディスクは、２つの物体の間に前記ディスクをクランピングするために利用されるクランピングエリア１２を有する。このクランピングは、非接触の方法で、前記ディスクが移動し前記ディスクの中心のまわりに回転することを可能とする。このことは、システムが議論されるとき以下により詳細に説明される。更に、前記光読み取り可能な記憶ユニットが存在する情報エリア１３が、前記ディスク上に定義される。当該記憶ユニットは、螺旋の又は同心円のパターンに配置されたトラックを有する。当業者に知られた読み取りヘッドによって、前記情報担体上のトラックを読み取ることが可能である。前記読み取りヘッドは特に、例えばレーザダイオードによって生成される光ビームをフォーカスさせるための光学系を有する。前記光記憶ユニットは、ポリカーボネート層及び金属層を含む、幾つかの層から構成される。クランピングエリア１２と情報エリア１３との間には、遷移領域１４が存在する。先行技術においては、遷移領域１４も、ポリカーボネート層及び金属層を用いて構成される。遷移層１４は以下ＣｉＤ領域と呼ぶ。

光情報担体１は更に、集積回路２１と、集積回路（以下チップと呼ぶ）２１に接続されたアンテナ２２を有する。前記ＣｉＤ領域に示されたチップ及びアンテナを持つ情報担体の実施例は、図２に示される。前記アンテナは好ましくは輪状にされたアンテナである。前記アンテナは、常に前記ＣｉＤ領域に配置される。前記チップの位置に関する限定はない。例えば、前記チップを前記情報エリアに配置することも可能であるが、前記ＣｉＤ領域が好ましい。前記チップは例えば、Philips Electronics N.V.社により製造されるMiFare（登録商標）RFIDチップであり、John Wiley & Sonsにより発行されたKlaus Finkenzellerによる「RFID HANDBOOK」（282頁）にも記載されている。

前記チップは、情報を保存する可能性を提供する。当該情報は例えば、前記情報担体に符号化された形態で保存されたディジタル作品を復号化するための復号化鍵であっても良い。前記情報担体それ自体にではなく、別個のメモリに前記復号化鍵を備えることにより、前記情報担体上のディジタル作品の不正なコピー及び配布はより困難にさせられる。前記チップにおける保存能力の用途の他の例は、テーブル・オブ・コンテンツの保存である。当該テーブル・オブ・コンテンツは、前記ディジタル作品が例えば複数の音楽アルバムを有する場合には、前記情報担体に保存された曲の全てのタイトルと演奏するアーティストとを有しても良い。このとき例えば、前記チップ中の当該情報は読み出され画面上に表示されても良い。

システムの議論においてより詳細に説明されるように、前記チップ及びアンテナは、再生装置中の読み出しＩＣに接続された他のアンテナへの電磁結合を実現することが可能である。

前記ディスク上の前記チップと前記読み出しＩＣとの間の通信を促進するため、前記ＣｉＤ領域には金属層は存在しない。図１における情報担体の実施例の平面図においては、金属層は斜線で示される。前記アンテナの近くに金属層が存在しないため、前記電磁結合を妨害する渦電流は生じない。

図２は、図１における線II−IIにおいてとられた、前記情報担体の第１の実施例の図式化した断面図である。本実施例における光情報担体は、ＤＶＤの形をとる。当業者には知られているように、当該ディスクの層構造は、ピット及びランドがポリカーボネート層３１に形成されるようなものである。バイナリデータが、これらのピット及びランドに符号化される。反射金属層３２が、当該ポリカーボネート層の上に塗布される。この層は合わせて０．６ｍｍの厚さを持つ。更なる強度及び保護を得るために、これらの層の上端に更なるポリカーボネート層３３が備えられる。

アンテナ２２はＣｉＤ領域１４に配置され、前記ディスクの上側に備えられる。光情報担体の製造工程の比較的単純な適合のため本実施例は好適だが、代替として前記ディスクの層の間に前記アンテナを備えることも可能である。前記アンテナはこのとき、連続的な金属層がスパッタリングされることにより形成され、そこからアンテナ線がレーザ技術によって切除される。前記ディスクの上端にアンテナを備えることは、例えばステッカーによって行われてもよい。導電線がコイル状のパターンで粘着性の層に配置され、次いで前記ディスクに固定される。これらの導電線は前記アンテナを形成し、前記情報担体上のチップに直接接続される。当業者には明らかなように、前記アンテナは代替として前記情報担体の下側、即ち前記光記憶ユニットも読み取られることができる同一の側に固定されても良い。

金属層３２は前記情報エリアに存在し、前記ＣｉＤ領域には存在しない。このことは、前記チップと前記読み出しＩＣとの間の通信を促進する。前記アンテナの近くに金属層がないため、電磁結合を妨害する渦電流が生じない。

当業者は理解するであろうように、同一の原理が、金属層が前記ディスクの異なる階層にある、ＣＤファミリー及びＤＶＤファミリーのような他の光情報担体ファミリーにも適用され得る。

図３は、前記情報担体及び装置を有するシステムの実施例の、図式化した断面図である。前記装置は特に、例えば前記光記憶ユニットから情報を読み出すための読み取りヘッドのような読み取り手段（図示されていない）を有する。前記装置は更に担持体６１を有し、担持体６１に前記情報担体１が設置されることができる。圧胴６２が次いで情報担体１に固定され、前記情報担体を締め付ける。前記担持体は、情報担体１の中央穴を通過するシャフトを持つ。前記圧胴は、前記担持体の前記シャフトに固定される。それ故本構成においては、前記情報担体は担持体６１と圧胴６２との間にある。前記情報担体は、前記情報担体のクランプエリアにおいて、前記担持体及び前記圧胴と接触する。前記圧胴はブリッジ６３に配置され、ブリッジ６３において前記担持体の方向に自由に移動することができ、前記担持体の軸のまわりに回転することができる。更に、前記装置は電気モータ６４を有する。当業者には知られているように、電気モータ６４は前記担持体に固定され、前記装置中で情報担体１が回転するように構成される。

前記装置は更に、上述されたように及び図１に示されたように、アンテナ及びチップを備えた情報担体１との電磁結合を確立するための通信手段を有する。前記装置の前記通信手段は、読み出しＩＣ６５及び更なるアンテナ６６を有する。前記読み出しＩＣは例えば、Philips Electronics N.V.社により製造されたMiFare（登録商標）RFID読み取りＩＣであり、Klaus Finkenzeller による引用文献「RFID HANDBOOK」にも記載されている。当該読み取りＩＣは、約22ｍの電磁波の波長に相当する13.56ＭＨｚで動作する。２つのアンテナ間の距離は22ｍより何倍も小さいため、全体が磁束としてみなされる。前記装置中の前記通信手段のアンテナ６６は前記読み取りＩＣに接続され、コイル型の又は同心円の特徴を持つ。

前記装置の前記通信手段のアンテナ６６は、最適な結合を得るために、好ましくは前記情報担体上の前記アンテナ上に垂直に構成される。本結合は、特に前記情報担体が前記装置中にあり、前記情報担体の記憶ユニットが読み出されているときに達成される必要がある。前記装置中の前記アンテナは、例えば図６に示すように、前記情報担体上の前記アンテナの上に垂直にブリッジ６３に固定される。当業者には代替の実施例も可能であることは明らかであろう。

図４は、再生装置４が、少なくとも１つの読み出しＩＣ６５に接続された２つのアンテナをどのように備えるかを図式的に示す。第２のアンテナ６６は、前記情報担体が前記装置の外部にある場合に、電磁結合を通して前記情報担体上のチップを読み出すことが可能となるように配置される。前記第２のアンテナは、例えば図示されるように前記装置の上側又は横側に備えられる。このとき、例えば前記チップに保存されたテーブル・オブ・コンテンツの読み取りのためには、前記情報担体を前記アンテナの近くに保持することで十分である。本発明の実施例においては、前記第２のアンテナは７０ｍｍの直径の２つの巻を持つ。前記情報担体上の前記アンテナは、該アンテナが前記クランプエリアと前記情報エリアとの間の領域に配置された場合、約４０ｍｍの直径を持つ。前記装置と前記装置の外部にある前記情報担体上のチップとの間の通信を提供する前記第２のアンテナのより大きな直径は、前記チップを読み出すことが可能なより大きなエリアを生成する。上述のMiFare（登録商標）が利用される場合、前記装置中の前記アンテナと前記チップ上の前記アンテナとの間の数センチメートルの距離に渡る電磁結合、従って通信を実現することが可能である。

前記第２のアンテナの配置は、一定の位置に束縛されるものではない。前記装置の周囲の近くのいずれの位置にも前記アンテナを配置することが可能である。本発明の実施例においては、前記第２のアンテナと前記アンテナの周囲との間には金属がない。このことは、金属層の不在のため渦電流が生じないことにより、前記アンテナ間の通信が促進されるという利点を持つ。

図５は、前記装置の通信手段と前記情報担体上のチップ及びアンテナとの回路図である。当業者には知られているように、第１のコイルを通る電流の時間変化は、同じく時間により変化する磁束を生成する。インダクタンスの法則によれば、電圧は前記第１のコイルに誘導されるが、前記第２のコイルが前記生成される磁束の一部を有する場合には前記第２のコイルにも誘導される。

読み出しＩＣ６５に接続されたアンテナ６６における変化する磁束は、相互誘導のため、情報担体１上のチップ２１に接続されたアンテナ２２における電圧を誘導する。電磁結合により、前記情報担体上のチップと前記装置中の読み出しＩＣとの間の通信が行われることができる。

本発明による装置の実施例は図６に示される。前記装置の前記通信手段はここでは、該通信手段が２つのアンテナを有するように構成され、１つは前記情報担体が前記装置の内部にある場合の通信用であり、１つは前記情報担体が前記装置の近くにある場合の通信用である。これらの２つのアンテナは、１つの読み出しＩＣに結合される。本実施例は、余分な読み出しＩＣのコストが削減されるという利点を持つ。

情報担体の実施例の図式化した平面図である。 図１における線II−IIにおいてとられた、情報担体の実施例の図式化した断面図である。 情報担体を読み取るための装置を有するシステムの図式化した図である。 装置の実施例の図式化した図である。 装置の通信手段、並びに情報担体上のチップ及びアンテナの回路図である。 本発明による装置の実施例の回路図である。

Claims (5)

1. 集積回路と前記集積回路に接続されたアンテナとを備える情報担体を読み出すための装置であって、前記情報担体上の前記アンテナとの電磁結合を実現するための通信手段を備える装置において、前記通信手段は、前記情報担体が前記装置の内部に存在するときに前記集積回路と前記装置との間の通信を実現し、前記情報担体が前記装置の付近に存在するときに前記集積回路と前記装置との間の通信を実現するように構成されることを特徴とする装置。
2. 前記通信手段は少なくとも２つのアンテナを有し、１つは前記情報担体が前記装置の内部にあるときの通信用のものであり、１つは前記情報担体が前記装置の付近に存在するときの通信用のものであることを特徴とする、請求項１に記載の装置。
3. 前記少なくとも２つのアンテナは、１つの読み出しＩＣに結合されることを特徴とする、請求項２に記載の装置。
4. 前記２つのアンテナは直列に接続され、前記読み出しＩＣに結合されることを特徴とする、請求項３に記載の装置。
5. 前記装置の筐体は、前記情報担体が前記装置の付近にあるときの前記集積回路と前記装置との間の通信用の前記アンテナのエリアにおいて、少なくとも部分的に金属を含まないことを特徴とする、請求項２に記載の装置。

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