JP2005531604A - 組換え型ヒトインターフェロンα−2bの肺送達のための組成物、方法およびシステム - Google Patents

組換え型ヒトインターフェロンα−2bの肺送達のための組成物、方法およびシステム Download PDF

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Abstract

ヒトまたは動物由来の生成物を含まず、長期間にわたってα型インターフェロンの高い生物学的活性ならびに高い化学的および物理的安定性を維持する安定な水性調製物について開示する。肺への送達のための同調製物の安定なエアロゾル調製物を作製する方法、ならびに全身吸収のためにその調製物を肺に送達するシステムおよび方法も提供する。

Description

発明の分野
本発明は、エアロゾル化のためのα型インターフェロンの安定な水溶液の調製物およびその肺送達に関する。
発明の背景
遺伝子組換え型ヒトα型インターフェロンは、昨今、単独の剤形として利用されるようになっているが、現在では皮下注射または静脈内注射などの注射によって投与されるように特別にデザインされた調製物として製造されている。注射による投与に関して認識される重要な利点は、タンパク質の用量および活性を綿密に管理することができることである。例えば、そのタンパク質を安定な水溶剤として調製して、活性の消失または凝集状態の変化を起こすことなく長期間保存し、その後、正確に把握された容量で投与することができる。
Kwanに対する米国特許第4,496,537号は、αインターフェロン、ヒト血清アルブミンおよびアラニンまたはグリシン、水、ならびにpHを6.5〜8.0に維持するための緩衝システムを含む生物学的に安定なαインターフェロン水溶液調製物を開示する。ヒト血清アルブミンはαインターフェロンの安定剤として機能して、混合容器、プロセス装置および保存容器のステンレススチールおよびガラス表面へのαインターフェロンの被膜形成および/または吸着による溶液からのαインターフェロンの消失を予防する。αインターフェロンおよびヒト血清アルブミンを含む溶液調製物は、このような溶液を2〜8℃において長期間、即ち2年を超えて保存した際にαインターフェロンの化学的および生物学的安定性を維持している。
Yuenらに対する米国特許第5,766,582号は、皮下注射用に製剤化されるαインターフェロンの安定水溶液について述べている。米国特許第5,766,582号では、AIDSの世界的流行を受けて保健当局が製造業者に対してHAS(ヒト血清アルブミン)のようなヒト血液由来生成物を含む、αインターフェロンなどの製品に対して警告を発するよう要請していることに言及している。このため、この特許は長期保存期間中の水溶液調製物中のαインターフェロンの高い化学的安定性、高い物理的安定性、および高い生物学的活性を維持しつつ、HASのようなヒト血液由来生成物を含まない溶液調製物を得るためにαインターフェロン溶液製剤を再調製する必要性を指摘した。
米国特許第5,766,582号のファイリング後、海綿状脳炎の拡大に対して高い関心が集まっている。このため、ヒト血液由来生成物ばかりでなく(例えばウシのような)動物由来の生成物も含まないように、αインターフェロンを含む組成物を調製することが重要である。
さらに、患者に優しく患者のコンプライアンスを高める傾向にあるαインターフェロン送達のための改善された調製物および送達メカニズムが必要である。一般に、薬剤を皮下投与するために繰り返し自己注射する(または第三者に注射してもらう)ことが必要となった場合、患者は様々な回避パターンを示す。これはノンコンプライアンスの要因となる傾向があり、患者はしばしば計画された自身の注射の何回かを実施せず、これは意識下の回避を主因として失念される可能がある。
これに対して、吸入によりαインターフェロンをエアロゾルを介して肺深部に投与するためにはαインターフェロンの濃縮液からそのタンパク質をエアロゾル化する必要があり、これにはいくつかの課題があるが、上記の溶液はこれに対応しては調製されていない。特に、活性の消失および/またはタンパク質凝集を起こすことなくαインターフェロンをエアロゾル化することができるかどうかやその方法はこれまで不明であり、エアロゾルが所望のエアロゾル粒子径範囲を得るために必要な剪断条件下で生成される場合は特に明らかでない。さらに、タンパク質が全身送達のために肺胞膜を通過するかどうか、またはその程度も不明である。αインターフェロンが長期の保存条件を通じてその活性および分子サイズの特徴を維持して、エアロゾル内で所望のタンパク質特性および粒子径分布特性を可能とするような濃度で調製できるのかどうか、またはその方法も明らかでない。肺を介して全身的に送達される治療用量の適切な調製物が合ったとしても、それも不明である。
発明の概要
本発明は、ヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、全身性吸収のために患者の肺に効率的に送達されることのできる、エアロゾル送達のためのαインターフェロンの安定な濃縮水性調製物を提供する。この調製物は、調製物1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン;調製物のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム;安定剤;および水を含むことができる。
好ましいαインターフェロンはα-2bインターフェロンであるが、その他のインターフェロンまたは時にα-2bインターフェロンを含む一つもしくはいくつかのその他のαインターフェロンの組み合わせが用いれられる可能性があり、本発明はα-2bインターフェロンの使用に制限されない。
好ましい安定剤はポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体であり、より好ましくはポリオキシエチレン20ソルビタンモノラウリン酸塩またはソルビタン、モノドデカン酸塩、別名ポリソルベート20またはTween 20であり、もっとも好ましくは過酸化物およびカルボニルの含有量が少ない動物以外の供給源から得られた高純度のポリソルベート20またはTween 20である。
緩衝システムは、好ましくはNa2HP04.7H20およびNaH2P04.2H20である。
一つの好ましい調製物は、調製物1mL当たりα-2bインターフェロン約5.0〜約6.0mg、調製物1mL[1]当たりNa2HP04.7H20約5.5〜約6.0mg;調製物1ml当たりNaH2P04.2H20約0.45〜約0.60mg;調製物1mL当たりポリソルベート20 約1.00〜約2.00mg;および溶媒として注射用の水を含み、Na2HP04.7H20およびNaH2P04.2H20の量は調製物のpHが約7.4〜7.6となるように調整される。
少なくとも一種類の滅菌成分、およびエアロゾル送達のための安定なαインターフェロン水性調製物を含む製造品がさらに提供される。その調製物はヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、調製物1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン、調製物のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体、および水を含む。
製造品の滅菌成分は、濾過滅菌された調製物の充填後に無菌的に密封されるように改造された一回投与用容器を含むことができる。
肺を介して患者に全身的に送達されることのできる剤形および濃度のαインターフェロンの提供方法が提供されて、その方法には次の段階が含まれる:既知の特定のαインターフェロンの生物学的活性を持ち緩衝システムおよび安定化物質を含むαインターフェロン水溶液を提供する段階;単位投与量を容器-閉鎖システムに充填する段階、および50%を超える微粒子分画、好ましくは約90〜100%の微粒子分画を持つ水性小滴のエアロゾルを形成するための装置を用いてその溶液をエアロゾル化する段階。
微粒子分画は約6.5ミクロンよりも小さい、好ましくは約5ミクロンよりも小さく、より好ましくは約3.5ミクロンよりも小さい空気力学的質量中位径を持つ粒子を含む。
αインターフェロンを全身的に吸収されて治療用量を提供することのできる剤形および濃度で患者の肺深部に投与する方法は以下の段階を含むことが示されている:ヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、1ml当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン、溶液のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム、ソルビタン、モノドデカン酸塩、および水を含むαインターフェロン水溶液を提供する段階;溶液をエアロゾル化して50%を超える微粒子分画、好ましくは約90〜100%の微粒子分画を持つ水性小滴のエアロゾルを生成する段階;およびその水性小滴を患者の呼吸器に送達する段階。
好ましくは、このαインターフェロンはα-2bインターフェロンである。
本発明のこれらおよびその他の目的、利点および特徴は、以下により詳しく述べられる調製物、方法およびシステムに関する詳細を読めば当業者には明らかとなる。
好ましい態様の詳細な説明
本調製物、方法およびシステムについて述べる前に、本発明は記載される特定の調製物に限定されるものではなく、当然、変更が可能であることが理解されるべきである。本発明の範囲は本資料の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本明細書で用いられる用語は特定の態様を説明するためのものであって、限定的であることを意図するものでもないことも理解されるべきである。
値の範囲が示される場合、その範囲の上限および下限の間にあり、文脈からそうでないことが明示される場合を除いて下限の単位の十分の一までの各介入値も具体的に開示されることが理解される。記載される範囲のいずれかの記載値または介入値から記載される範囲の別のいずれかの記載値または介入値までのそれぞれのより狭い範囲は本発明に内包される。これらのより狭い範囲の上限および下限は独立してその範囲に含まれる可能性もあれば含まれない可能性もあり、具体的に除外される限界値が記載される範囲内にあるならば、限界値のいずれかもしくは双方がその狭い範囲に含まれる、または限界値のいずれもその狭い範囲に含まれないそれぞれの範囲も本発明に内包される。記載される範囲が限界値の一方または双方を含む場合、これらの含まれる限界値の一方または双方を除外する範囲も本発明に内包される。
特記される場合を除いて、本明細書で用いられる技術的および科学的なすべての用語は、本発明が属する技術分野の業者により広く理解されるものと同一の意味を持つ。本明細書に述べられるものと同等または相当するあらゆる方法および材料は本発明の実践または試験において用いることができるが、ここでは好ましい方法および材料について記載する。本明細書で言及されるすべての出版物は、その出版物が引用されるのに関連して方法および/または材料を開示および説明するために参照として本明細書に組み入れられる。
本明細書および特許請求の範囲で用いられるように、「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」という単数形は、文脈からそうでないことが明示される場合を除いて、複数の指示物を含む。従って、例えば「一つの安定剤」という言及はこのような多数の安定剤を含み、「そのノズル」という言及は一つまたは複数のノズルおよび当業者に既知であるその同等品などへの言及を含む。
本明細書で論じる出版物は、単にそれらの開示が本出願のファイリング日付よりも前であるために示されるものである。本明細書は決して、先行発明という理由で本発明に対してこのような出版物に先行する権利が与えられないということの承認として解釈されるべきではない。さらに、提示される出版物の日付は実際の出版日とは異なる可能性があり、独自に確認される必要がある可能性がある。
定義
本明細書で用いられるように、「αインターフェロン」は、抗ウイルス作用、免疫調節作用および抗増殖作用を持つ約19.5kDaの一群の非グリコシル化型サイトカインタンパク質を示す。これらは自然に派生するか、または従来の技術もしくは遺伝子組換えDNA技術によって合成することができる。
「組換え型ヒトインターフェロンα-2b」は、遺伝子組換えDNA技術によって形質転換された大腸菌宿主細胞に組み込まれたインターフェロンα遺伝子のα-2亜種によってコードされる情報に従って産生されるヒトインターフェロンα-2bを示す。小文字の「b」は、このタンパク質配列の23番目の位置にあるアルギニン残基を示す。
「空気力学的直径」は、重力の影響下において問題となる粒子と同一の速度で整定する単位密度を持つ粒子の直径である。
「エアロゾル」は、例えば空気などの気体媒質中の粒子の懸濁物を意味する。「水性エアロゾル」は、水溶液(即ち、溶媒として水を含む溶液)から形成されるエアロゾルである。
「化学的安定性」は薬剤自体の安定性を示す。化学的に安定であるためには、化学構造が一定であり、変質しない。
「物理的安定性」は、透明な溶液として薬剤が溶液中に存在することを示す。物理的に安定であるためには、薬剤は変性したり溶液から出現してはならず、つまり、溶液は透明なままである。
「機能的安定性」は、エアロゾル化装置中で用いられる場合の調製物の安定性を示す。機能的安定性を持つためには、良好なエアロゾル性能が安定的に達成されなければならない。発生するエアロゾルは、一貫して安定な存在可能な分画など同じ属性を持つ。
「発生用量」または「ED」は、薬剤送達装置から発生する有効成分(遺伝子組換え型ヒトインターフェロンα-2bなど)のエアロゾル化された粒子の量である。「平均発生用量」は、同一条件下において多くの送達の反復を通じて放出される発生用量の算術平均である。
「微粒子分画」または「FPF」は、発生用量中の、肺深部または肺胞膜に達することのできる大きさの粒子分画である。特記する場合を除いて、本明細書では微粒子分画はカスケードインパクター、光散乱法、位相ドップラー粒子計測法、またはその他の応用可能な方法によって測定される約3.5ミクロン以下の粒子の分画として算出される。
「微粒子用量」または「FPD」は目標域(即ち、肺深部、肺胞膜)に実際に到達する有効成分の量であり、放出量と微粒子分画の積(即ち、FPD=ED×FPF)である。
「微生物限界試験」または「MLT」は、調製物1mL当たりに含まれる微生物を定量するための米国薬局方に記載される試験<61>を示す。
「空気力学的質量中位径」または「MMAD」は、エアロゾル質量の50%がこれよりも大きな粒子であり、かつ、エアロゾル質量の50%がこれよりも小さな粒子であるような粒子の空気力学的直径である。
「粒子径分布」または「PSD」は、エアロゾルの大部分がエアロゾル粒子径の範囲を通して分布する方法の説明である。
「投与剤形」または「DF」は、エアロゾル化の前に調製物の一回用量(または部分用量)を保持するために用いられる容器閉鎖システムである。
「薬物動力学」または「PK」は、薬剤の吸収、分布、代謝および排泄に関する経時的推移についての試験および性状分析を示す。
「薬力学」または「PD」は、薬剤に対する生化学的および生理学的反応ならびにそれらの作用機序に関する試験および性状分析を示す。
「微生物フリー」とは、滅菌した微生物吸着性濾過膜に無菌的に通すことによって微生物が除去されている調製物を示す。
「皮下注射」は、注射針によって皮膚の下に薬剤が注射される侵襲性の薬剤送達方法である。例えば、筋肉内注射または静脈内注射は、注射に際して注射筒および注射針を使用するその他の侵襲性の薬剤送達方法である。
「システムの効率」は、容器-閉鎖システムに含まれる薬剤の一部で全身循環に到達する部分として定義される。
「生物学的利用能」は、容器-閉鎖システムから噴出もしくは送達または吸入される量の一部で全身循環に到達する部分を示す。
「高純度」または「特別に精製された」は、化学的に純粋、即ち、過酸化物濃度が1g当たり約0.5マイクロモル以下であり、カルボニル濃度が1g当たり約1.0マイクロモル以下である安定剤;および生物学的に純粋、即ち、動物性病原体の可能性を排除するために動物以外の供給源(例えば、植物性前駆体のみ)から得られる安定剤に言及する際に本明細書で用いられる記述子である。
調製物
αインターフェロンの安定な水性調製物は、肺深部組織(即ち、肺胞膜)を介してのαインターフェロンの適切な全身送達における必要に応じて、本発明に従って開発された。適切であるためには、調製物は無菌の密閉された投与剤形の状態で製造および保存されることが可能であり、約2〜5℃の温度で少なくとも6カ月間、好ましくは2年またはそれを超える期間を通して化学的および物理的安定性を示さなければならない。また、調製物は薬剤送達時におけるエアロゾル化のストレスに耐えられなければならない。
本発明の一つの局面に従って、αインターフェロンを溶液1mL当たり少なくとも0.5mg αインターフェロンから最高約12.0mg/mL、より好ましくは溶液1mL当たり約4.0〜約8.0mgのαインターフェロン、さらにより好ましくは約5.0〜6.0mg/mLの濃度でαインターフェロンを含む安定なαインターフェロン溶液を、顕著な生物学的活性の消失およびαインターフェロン化合物の顕著な分解または変性を起こさずに肺深部に送達するための微粒子サイズにエアロゾル化することができることが発見されている。
αインターフェロンの溶液中での維持を促進するために、溶液に安定化物質が加えられる。好ましくは、安定化物質にはポリソルベート20またはポリソルベート80のようなポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体が含まれて、より好ましくはSigma Aldrichから販売されている高純度ポリソルベート20などの過酸化物が少なくカルボニル含有量が少ないポリソルベート20が含まれる。安定化物質は、好ましくは溶液1mL当たり約0.5〜約2.00mgの量で加えられる。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)はいくつかの試験において気管支痙攣を惹起することが示されていて、そのため調製物の肺へのエアロゾル送達における極めて高いリスク因子を示して本調製物には不適切と考えられることから、好ましくは安定化物質として使用されない。
pHを約7.0〜8.0、より好ましくは約7.4〜7.6の範囲に調整するために、溶液に緩衝システムが加えられる。好ましい緩衝システムは、溶液1ml当たり約5.5〜約6.0mgのNa2HP04.7H20および溶液1mL当たり約0.45〜約0.60mgのNaH2P04. 2H20を含む。
溶媒は、好ましくは微生物フリーであって特定の物質を含まず、化学的混入物質を含まない水であり、好ましくは注射用の水である。
治療用タンパク質は、製造、輸送、保存および使用の過程で様々な条件に耐えることができるように調製されなければならない。安定剤の量が増加すると異なる容器-閉鎖システム内での長期保存中にαインターフェロンを含む水溶液の安定性が潜在的に向上し得るか否かを調べるために、スクリーニング試験が実施された。このスクリーニング試験では、バルク調製物の機械的剪断、熱サイクル、およびAradigm Corporation, Hayward, Californiaから販売されているAERx(登録商標)肺送達システムを介するようなエアロゾル化が行われた。バルク調製物の様々な加工条件下での化学的および物理的安定性が評価された:
試験の結果、融解および加工(例えば、濾過、投与剤形への充填、凍結/融解サイクル、約2℃〜8℃、好ましくは約5℃での短期保存)中の保護のために、溶液には少なくとも約0.5mgのポリソルベート20、好ましくは溶液1ml当たり約1.0〜約2.0mgのポリペプチド20を加えなければならないことが明らかとなった。特別に精製された、非動物性、低過酸化物、低カルボニル性の界面活性剤であるTween 20R(Sigma Aldrich)が好ましい安定剤である。安定剤を含むバルク調製物は好ましくは約-70℃で凍結維持されて、約2〜8℃、好ましくは約5℃で少なくとも12時間かけて融解される。0.5mg/mLのポリソルベート20を含む溶液、130mMの塩化ナトリウムおよびEDTAを含む溶液、0.1mg/mLのポリソルベート20を含む溶液、ならびに0.1mg/mLのポリソルベートおよび130mMの塩化ナトリウムを含む溶液など、その他の安定剤を加えた溶液について試験が行われた。
エアロゾル化
本発明者らは、上記のように調製されたαインターフェロン溶液が約5ミクロン未満、より好ましくは約3.5ミクロン未満の特定のサイズ範囲の粒子を生成する条件下において、αインターフェロンの生物学的活性をほとんどまたはまったく失わず、かつ、αインターフェロンの化学的活性をほとんどまたはまったく失わずにエアロゾル化されることができることを発見した。
エアロゾルは、好ましくは、静水圧によって液体を誘導して調製物を膜の細孔に通し、エアロゾル発生部分の空気を予め加温して、その後、そのエアロゾルを患者に送達することによって、液体調製物から記載の範囲の粒子を生成するように設計された多くの装置のいずれかによって生成することができる。但し、当業者には、その他の多くのエアロゾル発生方法が使用できることが明らかであり、つまりその場合は、圧電結晶発振器、ジェット噴霧化、超音波噴霧化、回転トップエアロゾル化、磁気流体力学的(エレクトロスプレー)エアロゾル化、または多孔質膜の超音波振動などのその他の様々な駆動装置がエアロゾルの発生のために用いられる。適用可能なエアロゾル化装置の例は、米国特許第5,509,404号、第5,522,385号、第5,558,085号、第5,709,202号、第5,743,250号、第5,906,202号、および第6,131,570号に述べられていて、各特許は参照として全体が本明細書に組み入れられる。好ましくは、Aradigm Corporation, Hayward, Californiaから販売されているAERx(登録商標)肺送達システムが本発明に基づくエアロゾル発生のために使用される。ノズルの孔径は0.25〜6マイクロメーターの範囲であり、好ましくは0.4〜3マイクロメーター、より好ましくは0.5〜1.5マイクロメーターの範囲である。吸入1回当たりのエアロゾル化される液体の量は10〜100マイクロリットル、好ましくは25〜50マイクロリットル、より好ましくは35〜45マイクロリットルの範囲である。
図5は本発明に基づくエアロゾル化方法を実行するための例示的装置を示し、米国特許第6,131,570号に詳細に述べられている。装置40に使い捨てパッケージ14をセットする。装置40を使用するためには、患者はシリンダー12の開口部25を介してマウスピース18から空気を吸入する。開口部25(および選択的にデシケーター24)を介して吸引される空気はチャネル12の経路11を通過する。使い捨てパッケージ14には、多くの使い捨て容器(または「ブリスターパック」)15がある。各容器15には薬剤調製物16(即ち、本発明に基づくαインターフェロン調製物)が充填されて、ノズルアレイまたは多孔質膜17によって被覆される。加熱素子2(本発明に基づく方法では任意選択である)は経路11に位置する。加熱素子2は好ましくは、経路11を介して流れる空気のすべてまたは一部が加熱素子2の近くを通過するような、例えば気流開口部のフラップが任意の所望の割合の空気を加熱素子2に通過させることができるような位置にセットされる。
この装置40には、経路11の末端部にマウスピース18を付けることができる。患者はマウスピース18から吸入して、これによって吸気流は非線形の流量-圧力相関関係であることができる、好ましくは非線形流量-圧力相関関係にある経路内のフローセンサー19で測定される。この吸気流は気流トランスデューサー20にシグナルを発生させる。このシグナルはマイクロプロセッサー4に伝えられて、このマイクロプロセッサー4は吸気経路11のトランスデューサー20からのシグナルを毎分リットルを単位とする流量に換算することができる。マイクロプロセッサー4は、この連続的空気流量のシグナルをさらに積算して累積吸気容積の表象とすることができる。
利用者がこの装置のスイッチを入れると、マイクロプロセッサー4によって電源1(好ましくは小型バッテリーである)から空気温度コントローラー2に電力を送るための信号が送られて、予め設定された温度に達するまで温度コントローラー2が引き続き予熱される。予熱温度は、発生する粒子径、所望の粒子径、調製物の濃度、およびその他のパラメータなどの情報に基づいて、予めプログラムすることができる。マイクロプロセッサー4は、任意選択の湿度計/温度計センサー7から得られる情報を用いて、環境条件に基づいて各送達を至適化するために予熱温度を調節することもできる。さらに、マイクロプロセッサー4はアクチュエーター22に信号を送り、このアクチュエーター22は機械的装置(例えば、ピストン23によってパッケージ14の容器15から装置40の吸気経路11に薬剤を放出させて、エアロゾルはここで形成されて吸気中に運搬され、患者の肺に送達される。
本発明の調製物は担体として水を含むので、経路11内にデシケーター24も組み込まれることが望ましい可能性がある。デシケーター24は最初の開口部25の位置に設置されることが好ましいが、調製物がエアロゾル粒子として経路内に放出される位置よりも前であれば経路11の任意の場所に設置することができる。空気をデシケーター24を介して吸引することによって、空気中の水蒸気が一部または完全に除去される。従って、経路の残りの部分には乾燥した空気のみが誘導される。空気は完全に乾燥するので、エアロゾル粒子内の担体の水は一層容易に蒸発する。これによって、温度コントローラー2に関するエネルギー要求量が減少する。
患者(示されていない)がマウスピース18から吸入すると、空気は開口部25から流入して、トランスデューサー20によって電気的に転換された後に気流センサー26によって検知される。信号は電気的接続26に沿ってマイクロプロセッサー4に流れる。制御回路6およびマイクロプロセッサー4の連携によって信号は接続26から、バッテリー1によって電力が供給される加熱素子2へと逆方向に送られる。加熱素子2に供給される電力量は、マイクロプロセッサー4によって情報が処理される湿度センサー7および温度センサー8から得られる情報によってもある程度調節される。加熱素子2が適正な温度に達して、気流センサー26によって吸気流量および吸気容積が所望の値であると判断されると、マイクロプロセッサー4はアクチュエーター22に信号を送る。アクチュエーター22はソレノイドのような任意の種類の装置とすることが可能であり、このアクチュエーターは続いてピストン23が解放されるように機械的解放材21を移動させる。ピストン23は、スプリングまたはその他のバイアシング装置28によって上方に押される。バイアシング装置は、ユーザーが容易に握ることのできるグリップ29の内部に収容することができる。マイクロプロセッサー4によって信号がライン30を介してアクチュエーター22に送られると、スプリングが解放されて容器15が押しつぶされて、容器内の調製物16が膜17を介して放出される。
容器15がピストン23よりも下の薬剤放出位置にある場合、容器15には両側に振動装置31および32をセットするか、あるいは容器15を取り囲む1個の装置をセットすることができる。この振動装置は、接続23を介して信号を送るマイクロプロセッサー4によって作動させることができる。空の容器15は薬剤操作ポイントの左側に示されている。好ましくは、薬剤放出の毎に新しい容器および新しい多孔質膜が使用される。毎回新しい多孔質膜を使用することによって、多孔質膜の目詰まりが回避される。さらに、容器15内の予想される調製物16の汚染が回避される。
当業者は、図5に示すいくつかのコンポーネントの代わりに異なる様々なコンポーネントを使用することができることを認識する。例えば、スプリングによってバイアスされるピストンを用いる代わりに回転式カムを使用することが可能である。さらに、本発明のその他のコンポーネントは、好ましくはあるが、必須ではない。例えば、湿度センサー7および温度センサー8のようなコンポーネントは排除することが可能であり、発生する可能性のある湿度または温度を相殺するように加熱素子2に供給される電力量をユーザーが単純に調節することによって、操作性の顕著な低下は起こらない。但し、これらは場合によっては不必要な電力使用を伴う。
投与剤形
本発明の液体調製物は大きさおよび容積の異なる様々な投与剤形に包装することができるが、好ましい投与剤形15は容積 約50mlの「ブリスターパック」タイプのデザイン15である。パックまたは容器15には、αインターフェロン調製物 約45±2.5マイクロリットルが充填される。パッケージを密閉するために加熱密封されるので、それらは調製物とパック15の蓋の間に空隙ができるように余裕を残して充填される。この空隙によって、空隙がない場合に加熱密封時の加熱に伴ってパッケージの蓋または上部と接触した際に生じる可能性のある調製物中のタンパク質の変性が防止される。
αインターフェロンのエアロゾル化送達の性能
肺を介して送達されたαインターフェロンの全身性パフォーマンスの安全性、薬物動力学および薬力学をイントロン(登録商標)A(Schering Corporation,Kenilworth, New Jersey)を皮下注射した場合と比較するために、用量漸増試験のための調製物が開発された。C型肝炎の治療のためのイントロン(登録商標)Aの治療用量は、インターフェロン約300万単位を週3回投与である。この値に基づいて、エアロゾル送達のための調製物が逆算された。調製物のエアロゾル化を至適化して、確実に肺深部に効率的に送達するために微粒子分画(5ミクロン未満、より好ましくは約3.5ミクロン未満)の量を最大とした。この至適化が行われると、ブリスター容器が送達装置に圧縮された際に、その容器の内容量の約60%が噴出用量としてエアロゾル化されることが明らかとなった。実際の肺深部および肺胞膜に到達する微粒子用量または用量は、ブリスター容器の内容の少なくとも約54%と求められた。薬剤の生物学的利用能は、肺に送達された用量の約10%と推定された。ブリスター容器が約45マイクロリットルの調製物を含むと仮定すると、イントロン(登録商標)Aの皮下注射に相当する治療用量を送達するためには250マイクログラム(6500万単位@2.6×108単位/mg)を含む調製物が用いられた。試験での比較に用いられた調製物を次の表1に示し、投与剤形当たりの量ならびに1mL当たりの量を表に示す。
(表1) 調製物の組成
Figure 2005531604
* 実際の分取量は化学的アッセイ法に依る。
Na2HPO4/NaH2PO4の25mM溶液を用いて最終pHを7.5に調整した。
最終液量=45±2.25μL(±5%)
この比較で用いられたイントロン(登録商標)Aの調製物は、バイアル入りの凍結乾燥製剤から調製された。各バイアルの内容は、希釈剤1mLで溶解するインターフェロンα-2bの5MIUであった。希釈剤を加えて溶解後、調製物1mLの組成はインターフェロンα-2b 0.019mgまたは5MIU、グリシン20mg、リン酸水素二ナトリウム2.3mg、リン酸二水素ナトリウム0.55mg、およびヒトアルブミン1mgであった。2本のバイアルを医療機関で使用して、10MIUの用量を皮下投与により送達した。比較の実施に際して、α-2bインターフェロン1000万単位に相当するイントロン(登録商標)Aの皮下用量に加えて、本発明に基づく調製物の部分用量(容器1本の一部のみ)、完全用量、および二倍用量を投与した。比較のために測定可能なPKパラメータを得るには、1000万単位の用量が必要であった。表2は、エアロゾル化された調製物の部分噴出、一回噴出および二回噴出の内容量、放出用量および肺投与量を示す。
(表2)ラベルの説明:250μg/DF
Figure 2005531604
65MIU/DFは、2.6×108IU/mgの比活性に基づく。
15名の被験者にイントロン(登録商標)Aの皮下注射剤を投与して、2名にはエアロゾル化したαインターフェロンの部分用量(部分噴出)を投与して、3名の被験者には一回噴出(1本の投与剤形全量)を投与して、8名の被験者には2本のエアロゾル化した投与剤形(2本の投与剤形全量)を投与した。安全性の結果は、皮下注射を受けた患者が41件の有害事象を発現し(軽度 33件、中等度 8件)、エアロゾル化剤の送達により投与された患者では22件の有害事象(すべて軽度)が認められた。中等度の事象の内、6件は「インフルエンザ様」症状であり、2件は低血圧であった。
図1は、血清分析によって全身性の薬剤濃度を測定した各投与の薬物動力学の結果を示す。インターフェロンの濃度(IU/mL)を、72時間の期間中、経時的(時間)にプロットした。予想された通り、皮下注射40によって送達されたα-インターフェロンの濃度は約6時間の時点で最も高いスパイクを示し、2倍投与剤形による送達30、1回投与剤形20および部分投与剤形10はやや遅れて濃度に比例したピークを示した。各投与タイプにおける濃度は、その後、約24時間まで低下した。
α-インターフェロンの各タイプの投与の薬力学は2'-5'-オリゴアデニル酸シンセターゼ(2-5 AS)の血中濃度に基づいて測定し、標準的な技術で分析した。図2では、皮下投与40、2倍投与剤形エアロゾル30、1回投与剤形エアロゾル20および部分投与剤形エアロゾル10における平均濃度を時間に対してプロットした。2-5 ASマーカーは、インターフェロンα活性の薬力学の測定における従来から受け入れられている基準である。これらの結果は、薬力学の点から言えば、注射によって投与されたα-インターフェロンの濃度と肺を介して送達されたαインターフェロンの濃度変化の間に直接的な線形相関関係がないことを示している。より具体的には、2倍投与剤形30の空気力学的投与は、皮下注射40よりも高い2-5 AS特性を示すことが認められる。部分用量10でさえも、投与後約48時間の時点で皮下注射40よりも高い2-5 AS反応を惹起する。
本発明者らは、エアロゾル送達の薬力学反応が皮下注射よりも亢進する理由を把握していないが、これらの特徴はα-インターフェロンの皮下を介しての送達に対するいくつかの利点を提供することができる。例えば、極めて少ない用量を毎日、患者にエアロゾルにより投与することが可能であり、現在行われている3日毎に極めて大きな用量を皮下または静脈内に投与する場合と等しい薬力学反応が得られることが期待できる。毎日の吸入の場合、図2から分かる通り、2-5 ASの濃度は一般に約48時間後まで減少し始めないので、薬力学反応の低下が起こらない。
C型肝炎の治療の場合、現在の治療法はαインターフェロンの約300万単位を週3回、皮下注射することである。この手順は、非侵襲性の治療用量を投与するブリスター投与剤形1本、週3回のエアロゾル送達によって達成することができる。しかし、薬力学特性は用量に基づくはっきりした差を示さないので、より低い用量が投与される可能性がある。指摘される通り、毎日の投与によって一定の値を維持することは価値がある可能性がある(人々は毎日注射することは望まないが、毎日の吸入はコンプライアンスを維持し易い可能性がある)。薬力学反応は持続性が十分であり週3回の注射が可能であるが、毎日のエアロゾル投与はより日常的であって、患者が投与を忘れる可能性が低いと思われることから、この毎日のエアロゾル投与を行うことはさらに有利である可能性がある。安定した抗ウイルス状態を提供して身体にウイルスをより一層素早くかつ効率的に排除させるためにも、この投与は有利である可能性がある。さらに、一般に、αインターフェロンの注射は注射部位に局所の刺激性反応を惹起する可能性が高い。薬剤のエアロゾル投与の場合、この副作用は報告されていない。
実施例
以下の実施例は当業者に本発明の詳細な開示ならびに作製および使用方法に関する説明を提供するために記載するものであり、本発明者らが自身の発明であるとみなす範囲を制限することを意図するものではなく、以下の実験が実施されたすべてまたは唯一の実験であることを示す意図もない。用いられる数値(例えば、量、温度など)に関しては正確性を確保するための努力を払っているが、いくつかの実験上の誤差および逸脱は考慮されるべきである。特記する場合を除いて、部分は重量に基づく部分であり、分子量は分子量の平均重量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはそれに近いものである。
実施例1
凍結中の調製物の安定性
ヒト遺伝子組換え型α-2bインターフェロンのバルク溶液は(ドライアイス下の)凍結状態で入手して、加工まで約−70℃にて保存した。このバルクは5℃で融解して、さらなる加工前に濾過膜(例えば、0.22ミクロンの孔の膜)に通して濾過した。供給されたバルク溶液は融解時に化学的および物理的に不安定であることが観測された。肺への吸入を介して治療用量を提供するために十分に高濃度のαインターフェロンを含むαインターフェロンの極めて安定な水性調製物を得るために、調製物は微生物を含まずにエンドトキシン値が安全として設定された閾値よりも低い、即ち、500IU/mLよりも低いことに加えて、物理的、化学的および機能的に安定とされなければならない。
バルク溶液は凍結して輸送されるので、それらが凍結/融解プロセスに対して安定であることが最優先である。従って、凍結速度および調製物の変数がバルクの安定性に対してどのような役割を持つかを検討し、製造に関連する過度の加工条件(即ち、機械的剪断および多数の凍結/融解サイクル)に対するバルク溶液の安定性に関する情報を得るために、プロセス試験が実施された。表3は、異なる凍結速度アルゴリズムおよびその後の過度の加工条件に供した3種類の調製液バルクの組成物を示す。
(表3) インターフェロンα-2bのバルク溶液の組成
Figure 2005531604
急速および緩慢な凍結速度アルゴリズムの双方を用いた。液体窒素を用いたバルク溶液の瞬間凍結は急速凍結アルゴリズムを擬似した。バルク溶液を−70℃に置くことによって、ゆっくりとした凍結アルゴリズムを擬似した。すべてのバルク溶液をゆっくりと融解して(5℃)、一部を0.22μmの膜に通して濾過した。濾過後のバルク溶液を次の擬似加工条件に供した:(1)25℃において48時間の一定振盪処理(500rpm)、および(2)5回の凍結/融解サイクル(−70℃にてゆっくりと凍結、および5℃にて融解)。加工したバルク溶液(濾過前および濾過後)について、次の方法により化学的または物理的不安定性を評価した:ファイバーライトを用いた視認による検査、450nmでの光散乱、RP-HPLC、ならびに還元型および非還元型SDS-PAGE。これらの試験の所見に基づいて、バルク溶液の凍結およびα-2bインターフェロンの最大溶液安定性を示す適切な調製物マトリクスの選択の方法が推奨された。
表4は、濾過前後のバルク溶液の結果を示す。
(表4) 5℃にて融解後のインターフェロンα-2bバルク溶液の物理的および化学的解析
Figure 2005531604
視認および光散乱の結果は、バルク溶液AおよびBが緩慢な凍結プロセスにおいて顕著な粒子形成を起こしたことを示している。緩慢な凍結アルゴリズムの後に、バルク溶液Cに視認可能な微粒子物の形成はなく、光散乱もなかった。バルク溶液Bのみが濾過後にタンパク質含有量の顕著な減少を示した。このことは、タンパク質の消失が濾過によって除去された不溶性凝集物に起因する可能性が極めて高かったことを示唆する。濾過前のバルク溶液Bの初期タンパク質含有量は意図した目標ラベル説明(約6.2mg/mL)を十分に下回っていた点に注意しなければならない。急速凍結した場合、濾過前のバルク溶液Bはタンパク質含有量の明らかな消失を示さなかった。
急速凍結アルゴリズムに供した濾過前のバルク溶液AおよびCは視認可能な微粒子物を含み、同時に若干の光散乱が認められた。濾過前のバルク溶液Bには、視認可能な微粒子物は認められなかった。但し、軽微な光散乱は認められた。RP-HPLC分析の結果、濾過後のバルク溶液Aにのみ顕著なタンパク質の消失が認められた。急速凍結/融解アルゴリズムに供した場合、濾過後のバルク溶液BおよびCはタンパク質の消失を示さなかった。これらの結果は、リン酸緩衝液中にEDTAおよび塩化ナトリウムを加えて同時に調製されたバルク溶液は、急速凍結速度に供した際により安定であることを示している。リン酸緩衝液のみを含むバルク溶液は、緩慢な凍結速度においてより安定である。
実施例2
長期安定性のモニタリング
長期安定性モニタリングのために、次の2種類の臨床用調製物を選択した:
(1)調製物C:5.7mg/mLインターフェロン-α-2b、25mMリン酸ナトリウム、0.5mg/mLポリソルベート20(w/v)、pH7.5
(2)調製物D:5.7mg/mLインターフェロン-α-2b、25mMリン酸ナトリウム、1.0mg/mLポリソルベート20(w/v)、pH7.5
これらの調製物は投与剤形15に無菌的に充填して(45μL)、5℃、25℃/40%RH、および40℃にて最長6カ月間保管した(40℃の製剤は1カ月間のみモニターした)。対照として、これらの調製物を無菌のポリプロピレンスクリューキャップバイアルにも充填して(1mL)、5℃およびRT(室温)にて保管した。バイアルおよび投与剤形の安定性試料について、次の方法を用いて化学的および物理的安定性、ならびに機能性(投与剤形のみ)を評価した:RP-HPLC、SE-HPLC、還元型および非還元型SDS-PAGE、IEF、およびpH。2カ月の採取時に、2種類の臨床用調製物を比較して、いずれがもっとも安定であるかを調べた。もっとも高い安定性を示した調製物のみについて、引き続き安定性モニタリングを行った。6カ月間の安定性モニタープログラムの終了時に、データセットを総合して、最低貯蔵寿命を提案した。
ポリプロピレンバイアルに入れて5℃および25℃/40%RHにて保管した2種類の臨床用調製物CおよびDの化学的および物理的安定性を市販の液体製品であるイントロン(登録商標)Aと比較した。イントロンAの供給量が限られていたため、0.5mLのみをスクリューキャップ付きの無菌ポリプロピレンバイアルに無菌的に充填した。この製品を5℃およびRTにて最長6カ月間、保管した。上記の方法を用いて、市販品の化学的および物理的安定性を評価した(製品が投与剤形15に充填されなかったので、機能検査は行わなかった)。ポリプロピレン容器に充填した調製物の比較結果を表5に示し、投与剤形に充填した調製物CおよびDの比較結果を表6に示す。
(表5) ポリプロピレン容器に入れて保存した際のイントロン(登録商標)Aと調製物CおよびDの化学的安定性(RP-HPLC)の比較
Figure 2005531604
ND=検出されなかった
---=測定しなかった
(表6) 投与剤形に入れて保存した際の調製物CおよびDの化学的安定性(RP-HPLC)の比較
Figure 2005531604
* 7.5カ月の時点で再分析した。
実施例3
化学的および物理的性状に対するエアロゾル化および噴出の影響
エアロゾル化により、調製物は剪断、空気/水境界面への曝露、および乾燥に曝される。これらの影響がαインターフェロンの配座構造およびひいてはその生物活性に悪影響を及ぼす可能性があるという懸念があった。バイオアッセイ試験では、本発明のバルク調製物およびイントロン(登録商標)Aが同等の生物学的能力(抗ウイルス活性および免疫修飾活性の双方)を持つことが示された。調製物中の様々な濃度のポリソルベート20が本調製物をエアロゾル化プロセスに固有の影響から保護することができるか否かを検討するための試験(図解による試験のフローチャートを図3に示す)が実施された。調製物CおよびDを投与剤形15に充填して(45μL)、加工した試料を得るために使用した。双方の参照液(投与剤形に充填するために用いられた調製物CおよびD)および変質液(調製物Cを40℃にて1カ月間インキュベートし、約2〜3%のダイマーを含む)を対照として使用し、調製物を重圧下でノズル孔約1マイクロメーターのノズルアレイに通して採集した(投与剤形n=10が必要であった)。エアロゾル化した試料(投与剤形n=2)はAERx Systemを用いて発生させて、この例を図6に示す。エアロゾル化した試料は、短縮したAndersonカスケードインパクター(CI)を用いて採取した。エアロゾル化した試料を一つにまとめて(希釈後に約40μg/mL)、(Millipore Centricon YM-3を用いた)限外濾過によって目標濃度である約300μg/mLへと約8倍に濃縮した。
エアロゾル化実験の対照として、CIプレートに参照液および変質液をスパイクして(約200μg/mL)、乾燥させた。この乾燥タンパク質を希釈剤を用いて回収した。これらの対照を、限外濾過により目標濃度である約300μg/mLまで濃縮した。限外濾過プロセスの対照では、活性液および変質液の希釈剤による約200μg/mL〜約40μg/mLの希釈、ならびに約300μg/mLの目標タンパク質含有量までの濃縮を行った。
加工したすべての試料および対照について、次の分析を用いて試験を行った:SE-HPLC、非還元型および還元型SDS-PAGE、およびIEF。
調製物に対する噴出およびエアロゾル化の影響を図4Aおよび4Bに示す。SE-HPLCの結果から、噴出およびエアロゾル化後に調製物CまたはDのいずれにもダイマーが形成されないことが示された。対照から、限外濾過の過程は調製物を損傷しないことが示された。これらの結果は、生成物中に形成されるダイマーおよびフラグメントの検出に関して、SE-HPLC法が安定な指標であることを実証した。(CIプレートおよび限外濾過装置に適用された)加工装置表面からのダイマーの回収では、タンパク質が試料の発生および加工中に吸収によって変化または消失しないことが実証された。
調製物のSDS-PAGE特性(非還元型および還元型)ならびにIEF特性に関して、噴出およびエアロゾル化後に調製物CまたはDのいずれにも低分子量または高分子量の化学種は形成されなかった。SDS-PAGE法は、熱ストレスを加えられた調製物Cにおける低分子量および高分子量の化学種の検出に十分な感度を示した。噴出またはエアロゾル化したいずれの調製物にも、調製物の等電点の変化、または荷電した化学種の形成は認められなかった。IEF法は、熱ストレスを加えられた調製物Cにおいて酸性化学種を検出することができた。SE-HPLCおよびゲルのデータは、0.5mg/mLおよび1.0mg/mLのポリソルベート20を含む調製物が、エアロゾル化プロセスに固有の剪断、表面作用、軽度の温度条件への短期的曝露、および部分的乾燥からの保護作用を提供することを実証した。
本発明はその具体的態様に関連して述べられているが、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更を加えることが可能であり、同等物を代用することが可能であることを理解すべきである。さらに、特定の状況、材料、物質の組成物、過程、過程の段階、または段階を本発明の目的、精神および範囲に適応させるために多くの修正を加えることが可能である。このような修正はすべて、本明細書に添付される特許請求の範囲内であることが意図される。
図1は、本発明に従って患者に投与された様々なαインターフェロン調製物の経時的な薬物動力学濃度を、皮下注射された調製物と比較して示す。 図2は、本発明に従って患者に投与された様々なαインターフェロン調製物に対する患者の反応である2,5 ASの経時的な平均濃度を、皮下注射された調製物と比較して示す。 調製物に含まれる様々な濃度のポリソルベート20が噴出およびエアロゾル化の過程に固有の力から本調製物を保護できるか否かを検討するために実施された試験のフローチャートである。 図4Aおよび4Bは、本発明に基づく調製物に対する噴出およびエアロゾル化の影響に関するSE-HPLCの結果を示す。 図5は、本発明に基づくエアロゾル化法を実施するための例示的装置を示す。 図6は、本発明に基づくエアロゾル化法を実施するために用いることのできる手持ち型AERx Systemの例を示す。

Claims (51)

  1. エアロゾル送達のためのαインターフェロンの安定な水性調製物であって、該調製物はヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、
    調製物1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン;
    調製物1mL当たり約5.5〜約6.0mgのNa2HPO4.7H2O;
    調製物1mL当たり約0.45〜約0.60mgのNaH2PO4.2H2O;
    調製物1mL当たり少なくとも約0.5mgのポリソルベート20;および
    溶媒としての注射用の水を含み、
    調製物のpHが約7.0〜8.0となるようにNa2HPO4.7H2OおよびNaH2PO4.2H2Oの量が調整される水性調製物。
  2. αインターフェロンがα-2bインターフェロンを含む、請求項1記載の調製物。
  3. αインターフェロンがα-2bインターフェロンからなる、請求項1記載の調製物。
  4. αインターフェロンの濃度が溶液1mL当たり約4.0〜8.0mgである、請求項1記載の調製物。
  5. αインターフェロンの濃度が溶液1mL当たり約5.0〜6.0mgである、請求項4記載の調製物。
  6. αインターフェロンの濃度が溶液1mL当たり約5.56mgである、請求項5記載の調製物。
  7. ポリソルベート20の濃度が調製物1mL当たり約1.0〜約2.0mgである、請求項1記載の調製物。
  8. αインターフェロンの濃度が調製物1mL当たり約5.0〜約6.0mgであり、ポリソルベート20の濃度が調製物1mL当たり約1.0〜約1.50mgであり、Na2HPO4.7H2OおよびNaH2PO4.2H2Oの量が調製物のpHを約7.4〜7.6とするように調整される、請求項1記載の調製物。
  9. αインターフェロンがα-2bインターフェロンを含む、請求項8記載の調製物。
  10. エアロゾル送達のためのαインターフェロンの安定な水性調製物であって、ヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、
    調製物1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン;
    調製物のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム;
    ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体;および
    水を含む調製物。
  11. 緩衝システムが調製物1mL当たり約5.5〜約6.0mgのNa2HPO4.7H2O、および調製物1mL当たり約0.45〜約0.60mgのNaH2PO4.2H2Oを含む、請求項10記載の調製物。
  12. ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体がポリソルベート20を含む、請求項10記載の調製物。
  13. ポリソルベート20が調製物1mL当たり少なくとも約0.5mgの濃度で加えられる、請求項12記載の調製物。
  14. ポリソルベート20が調製物1mL当たり約1.0〜約2.0mgの濃度で加えられる、請求項13記載の調製物。
  15. エアロゾル送達のためのαインターフェロンの安定な水性調製物であって、該調製物はヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、
    調製物1mL当たり約5.5〜約5.6mgのα-2bインターフェロン;
    調製物1mL当たり約5.5〜約6.0mgのNa2HPO4.7H2O;
    調製物1mL当たり約0.45〜約0.60mgのNaH2PO4.2H2O;
    調製物1mL当たり少なくとも約0.5mgのポリソルベート20;および
    溶媒として注射用の水を含み、
    調製物のpHが約7.4〜7.6となるようにNa2HPO4.7H2OおよびNaH2PO4.2H2Oの量が調整される水性調製物。
  16. 調製物1mL当たり約1.0〜約2.0mgのポリソルベート20を含む、請求項15記載の調製物。
  17. 滅菌充填容器、およびエアロゾル送達のためのαインターフェロンの安定な水性調製物を含む製造品であって、該調製物がヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、調製物1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン、調製物のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム、ソルビタン、モノドデカン酸塩、および水を含む製造品。
  18. 滅菌充填容器が調製物の受容後に密閉されるように改造された単回用量容器を含む、請求項17記載の製造品。
  19. αインターフェロンがα-2bインターフェロンである、請求項18記載の製造品。
  20. 単回用量容器がブリスターパックであって、該ブリスターパックに調製物の約45±2.5マイクロリットルが収容される、請求項18記載の製造品。
  21. ブリスターパックの総容量が約50マイクロリットルである、請求項20記載の製造品。
  22. エアロゾル送達のためのαインターフェロンの安定な水性調製物を含む密閉された無菌ブリスターパックを含む製造品であって、該調製物がヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、調製物1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン、調製物のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体、および水を含む製造品。
  23. 調製物の約45±2.5マイクロリットルがブリスターパックに収容される、請求項22記載の製造品。
  24. 緩衝システムが調製物1mL当たり約5.5〜約6.0mgのNa2HPO4.7H2Oおよび調製物1mL当たり約0.45〜約0.60mgのNaH2PO4.2H2Oを含む、請求項22記載の製造品。
  25. ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体がポリソルベート20を含む、請求項24記載の製造品。
  26. ポリソルベート20が高純度ポリソルベート20である、請求項22記載の製造品。
  27. 高純度ポリソルベート20が調製物1mL当たり少なくとも約0.5mgの濃度で加えられる、請求項26記載の製造品。
  28. 高純度ポリソルベート20が調製物1mL当たり約1.00〜約2.00mgの濃度で加えられる、請求項27記載の製造品。
  29. Na2HPO4.7H2OおよびNaH2PO4.2H2Oの量が調製物のpHを約7.4〜約7.6とするように調整される、請求項26記載の製造品。
  30. αインターフェロンが調製物1mL当たり約4.0〜約8.0mgの濃度である、請求項26記載の製造品。
  31. αインターフェロンが調製物1mL当たり約5.0〜約6.0mgの濃度である、請求項30記載の製造品。
  32. αインターフェロンがα-2bインターフェロンである、請求項26記載の製造品。
  33. 肺を介して患者に全身的に送達することのできる剤形および濃度のαインターフェロンを提供する方法であって、以下の段階を含む方法:
    既知の選択されたαインターフェロンの生物学的活性を持ち、かつ、緩衝システムおよび安定化物質を含むαインターフェロン水溶液を提供する段階;ならびに
    該溶液をエアロゾル化して少なくとも約50%の微粒子分画を持つ水性小滴のエアロゾルを形成する段階。
  34. エアロゾルが約90〜100%の微粒子分画を持つ、請求項33記載の方法。
  35. 微粒子分画が約6.5ミクロンよりも小さい空気力学的質量中位径を持つ粒子を含む、請求項33記載の方法。
  36. 微粒子分画が約5ミクロンよりも小さい空気力学的容積質量中位径を持つ粒子を含む、請求項35記載の方法。
  37. 微粒子分画が約3.5ミクロンよりも小さい容積平均径を持つ粒子を含む、請求項36記載の方法。
  38. 溶液が溶液1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロンを含む、請求項33記載の方法。
  39. 安定剤が高純度安定剤を含む、請求項33記載の方法。
  40. 安定化物質がポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体を含む、請求項33記載の方法。
  41. ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体がソルビタン、モノドデカン酸塩を含む、請求項40記載の方法。
  42. 安定化物質が溶液1mL当たり少なくとも約0.5mgの量のポリソルベート20を含む、請求項33記載の方法。
  43. ポリソルベート20が溶液1mL当たり約1.0〜約2.0mgの量である、請求項42記載の方法。
  44. 安定化物質が高純度ポリソルベート20を含む、請求項33記載の方法。
  45. ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体が高純度ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体を含む、請求項39記載の方法。
  46. 緩衝システムが、溶液のpHを約7.4〜約7.6とするように調整される量のNa2HPO4.7H2OおよびNaH2PO4.2H2Oを含む、請求項33記載の方法。
  47. 全身的に吸収されて治療用量を提供することのできる剤形および濃度のαインターフェロンを患者の肺深部に投与する方法であって、以下の段階を含む方法:
    ヒト血液由来生成物および動物血液由来生成物を含まず、1mL当たり約0.5〜約12.0mgのαインターフェロン、溶液のpHを約7.0〜8.0の範囲内に維持することのできる緩衝システム、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体、および水を含むαインターフェロン水溶液を提供する段階;
    該溶液をエアロゾル化して少なくとも約50%の微粒子分画を持つ水性小滴のエアロゾルを形成する段階;ならびに
    該水性小滴を患者の気道に送達する段階。
  48. 微粒子分画が約90〜約100%である、請求項45記載の方法。
  49. 微粒子分画が約6.5ミクロンよりも小さい空気力学的質量中位径を持つ粒子を含む、請求項47記載の方法。
  50. 微粒子分画が約5ミクロンよりも小さい空気力学的質量中位径を持つ粒子を含む、請求項49記載の方法。
  51. 微粒子分画が約3.5ミクロンよりも小さい空気力学的質量中位径を持つ粒子を含む、請求項50記載の方法。
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