JP2005527629A - 結晶性フルオロキノロン・アルギニン塩形態 - Google Patents

結晶性フルオロキノロン・アルギニン塩形態 Download PDF

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Abstract

本発明は新規なアルギニン塩類のRS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−yl)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−yl)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、およびR−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−yl)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、その製造方法、および細菌感染治療の使用を目的とした有効成分としてアルギニン塩形態を含んでなる医薬製剤に関する。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、フルオロキノロンの新規な結晶性形態、即ちそのアルギニン塩形態、フルオロキノロンの新規なアルギニン塩形態の新規な製造方法、医薬製剤の製造における新規な形態のフルオロキノロン・アルギニン塩の使用、および新規な形態のフルオロキノロン・アルギニン塩の医薬における使用に関する。より詳しくは、キラルフルオロキノロンS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のアルギニン塩形態、その製造方法、および、医薬製剤および医薬分野における使用に関する。
背景技術
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の名称で知られるキラルフルオロキノロンは、特開昭63−192,753号公報、特開平05−339,2ジメチルスルホキシド38号公報、および本発明者により出願中の米国特許出願第09/566,875号、第09/640,947号および第09/802,793号、およびWO00/68229、PCT出願番号PCT/IN00/00111およびPCT/IN01/00097に記載されている。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸は、米国特許4,399,134において特許請求の範囲に記載されているラセミ化合物の光学活性異性体である。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸は、28℃、pH8.0〜9.5の範囲で、0.8〜2.0mg/mlの水溶解度を有し、この結果、錠剤やカプセルとして薬剤を処方する際、または、胃管栄養法や非経口注射用の製剤を製造する際に問題が発生する。適切な塩形態の不足は、哺乳類における全身使用に許容されうる調剤形態を開発することの障害になりうることから、塩の必要性が明確に示唆されている。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のpKa値は6.80で、弱酸性を示し、このため適切な塩基と塩を形成する能力を持つ。一般的に、薬理活性化合物を塩形態に転換すると、溶解度、吸収速度などの化合物の物理化学的特性に変化をきたす。
薬学的により望ましい塩形態は、結晶、非結晶性形態、多形体、または偽多形体を形成できるか否かを検討し、物理化学的もしくは生物学的特性などのような特性を測定することによって選択することができる。偽多形体は、真の多形体とは溶媒の取り込みが異なる多形体である(Solid-state Chemistry of Drugs、第二版 S.R. Byrn et al (編集).SSCI, Inc. 1999、p-514)。
無機塩基や有機塩基との塩類のような、ラセミ9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の薬学的に許容可能な塩類は、Otsukaの米国特許第4,399,134号の本文に記載されている。無機塩基や有機塩基との塩類以外では、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のアミノ酸塩は、本発明者らによる出願継続中の米国特許出願第09/566,875号および米国特許出願第09/640,947号、WO00/68229、およびPCT出願第PCT/IN00/00111で明らかにされている。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のアルギニン塩形態は、本発明者等による出願継続中の米国特許出願第09/802,793号およびPCT出願第PCT/IN00/00097で明らかにされている。これらの出願の主題は本発明で参照することにより本明細書の一部とされる。RS−(+/−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸またはR−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のアミノ酸塩については、今日までに文献による報告はない。
米国特許出願第09/566,875号の例7および8並びに第09/640,947号、WO00/68229およびPCT出願第PCT/IN00/00111にそれぞれ記述されている、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、L−アルギニン塩0.25水和物、およびS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、L−アルギニン塩0.75水和物は、吸湿性が高く、相対湿度41%に暴露するとシロップ状になる。さらに、本発明者等による出願継続中の米国特許出願第09/802,793号およびPCT出願第PCT/IN01/00097に記述されているアルギニン塩形態は、非結晶であるかまたは一部のみ結晶であり、ある程度の吸湿性を持つにとどまる。多くの水和物および水と結合した塩類は、湿度で変化しやすく、平均的な保存条件下でかつ薬品形態への製薬過程において、吸湿性を示す。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のアミノ酸塩、無機塩基およびアルカリ塩類、および有機塩基塩類、特にアルギニン塩形態が、本発明者らによって製造され研究されて、以下のことが見出された:
(a)アルギニン塩は、特異な物理化学的特性、溶解性および安定性を持つ結晶性形態中に存在することがある;
(b)特定の湿度レベルにおいて、結晶アルギニン塩は、ナトリウム塩よも水分を吸収しにくい;
(c)ラットに静脈内投与した結果では、結晶アルギニン塩はナトリウム塩やカリウム塩に比べ静脈炎を生じる傾向が低い;かつ
(d)結晶アルギニン塩はアルカリ塩形態に比べげっ歯類に対する毒性が低い。
要約すると、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の結晶状アルギニン塩が、特定の状況下において有する極めて望ましい性質を持つこと、吸湿性が低く、望ましい水溶性を持ち、静脈炎を生ずる傾向が低く、かつ、望ましい急性毒性値を持つことが、本発明者らによって見出されている。従来望ましいとされていたアルギニン塩形態、ナトリウム塩、その他の無機塩基/アルカリ塩、有機塩基塩、およびその他のアミノ酸塩と比較して、この形態は医薬品として非常に有用であることが期待される。これらの利点は以下に示される実験データから明らかになろう。
発明の概要
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、およびS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の新規なアルギニン塩類が記載されている。
これらの塩類のうち1種以上を含んでなる組成物、およびその塩類の製造方法が記載されている。その塩類の医薬における使用についても記載されている。
より詳しくは、式IのS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の新規なL−アルギニン塩形態が記載されている:
Figure 2005527629
式I
ここでxは、0、0.25、0.5、0.75、1.0、2.0または3.0を表わす。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のL−アルギニン塩の新規な結晶形態は、医薬製剤の本格的な規模での製造に使用可能である。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩形態を、活性成分として含んでなる抗菌性組成物が記載されている。
発明の具体的説明
したがって、本発明の主な目的は、RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、およびS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の新規なDLアルギニン塩、D−アルギニン塩、およびL−アルギニン塩に関する。
本発明においては特定の立体異性形態が記載されているが、これらは他の立体異性形態を実質上含まないことを意味する。実質上含まないとは、活性成分が、少なくとも90重量%の所望の立体異性体と10%重量以下のその他の立体異性体とを含むことを意味する。好ましくは、重量%率は95:5以上であり、最も好ましくは99:1以上である。例えばS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニンは、少なくとも90重量%のこの立体異性体と、10%重量以下の9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニンのその他の形態とを含む。
本発明は、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の、新規な結晶アルギニン塩に関する。ここでアルギニン成分は、L−アルギニン、D−アルギニン、またはDL−アルギニンであることができる。
より詳しくは、本発明は、式IのS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の、新規な結晶L−アルギニン塩に関する:
Figure 2005527629
式I
ここでxは、0、0.25、0.5、0.75、1.0、2.0または3.0を表わす。L−アルギニン結晶塩は一水和物であることが好ましい。
式Iの塩は、望ましい水溶解度を持ち、湿度の高い条件下で安定であり、望ましい生物学的利用率を持ち、動物投与では静脈炎を生ずる傾向が低く且つ毒性が低い。
本発明はまた、式Iの塩の製造方法、医薬組成物および医薬分野におけるその使用に関する。
使用するアルギニン異性体は、キラル異性体、R−異性体またはS−異性体のラセミ混合物であることができる。好適なアルギニン異性体は、S−異性体、つまりL−アルギニンである。
図1のXRDスペクトラムで示されるその形態の高い結晶化度から、本発明のアルギニン塩は結晶として説明される。この形態は、特有の理化学的性質を示し、特定条件下において湿分取り込みによる分解に対して安定であり、特に特定の湿度での貯蔵過程において高い安定性を有するという特徴があり、さらに高温減圧下においてケーキ化または分解することなく乾燥可能である。この形態は安定した医薬製剤の製造に特に適し、望ましい生物学特性を有する。
この形態は、米国特許出願第09/566,875号および第09/640,947号の例7および8の化合物、WO00/68229およびPCT出願第PCT/IN/00/00111号の化合物より吸湿性が低いが、ある程度の吸湿性はある。様々な相対湿度条件下における安定性の研究では、この形態は相対湿度22%、25℃で安定性を維持することが見出された。高温下における安定性の研究では、この形態は100℃まで分解せず安定性を維持したが、含水量および溶媒量についてレベルの減少が見られた。様々な期間および様々は湿度条件において100℃までの昇温下でこの形態を乾燥させたところ、塩に関係する水分の量には変化が見られた。しかしながら、この形態のXRD−スペクトラムには変化は見られなかった。特定の学説からは離れて、このことから、本発明の好ましい形態に関連する水分の量は表在性ではなく、また本発明の好ましい形態は実質的には一水和物であると本発明者らは推論する。
水和物は、薬品物質が結晶格子中に化学量論量または非化学量論量のいずれかの量の水分を取り込んで存在するものをいう(Stephen Byrn, et. al., Pharmaceutical Solids:A strategic Approach to Regulatory Considerations, Pharma. Res. Vol. 12 (7), 1995, 945-954)。
本発明者らは、本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩形態が、常温、pH7.0〜9.5の幅で1mg/mlから30mg/mlにおよぶ、許容できる水溶解度を持つことを見出した。この結晶性形態の溶解度はpH9.5で30mg/mlである。L−アルギニン塩形態は、相対湿度22%までの範囲では、100℃までの熱に安定である。この形態は許容できる溶出速度を持つ。
結晶化度、粒径、密度、吸湿性、含水量、およびその他の溶媒量に関する、本発明の新規なS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩形態の物性の組み合わせは、望ましく、所望する特性を備えた組成物のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩を製造できる。
融点を含むこの結晶性形態の特性は、医療目的に有利な投薬形態を加工するために、この形態に望ましい圧縮性および流動性特性を与えるという価値を持つ。
このS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩の結晶性形態はまた、後述する所望の物理化学的特性も有し、XRD、DSC、粒径、かさ密度などのパラメータによって特徴付けられる。
さらなる結晶性形態を以下に示す:
(a) 粉末X線解析で測定される結晶化度は、図1に示される、以下の粉末X線解析(2θ)を示す: 14.02±0.2,14.82±0.2,19.28±0.2,22.12±0.2,22.96±0.2,23.46±0.2,28.36±0.2.
(b) 示差走査熱量計で測定されたサーモグラムは、図2に示されるように、194.93℃(189.42℃で開始)において発熱および251.26℃において吸熱を示す。87.83℃、98.04℃、144.03℃および159.14℃おけるその他の吸熱も観察することができ、吸熱の測定値はサンプルごとにわずかに変動することがある。
結晶性形態はまた、以下の特性を有していることが望ましい:
(c) レーザー回折技術で平均粒径(MMD)として測定された粒子の大きさは、40mm以下であり、好ましくは、レーザー回折技術による測定で平均粒径は32.00mm±8mmであり、そして表1に示すとおりである;
(d) 図3に示すとおり、密度は0.57g/cm(タップなし)から0.64g/cm(タップ)の範囲である。タップなしの密度は25gm/タップなし容量と定義する。結果は図3に示されるとおりである。タップ密度は25gm/タップ容量と定義する。結果は図3に示されるとおりである。
(e) 30℃において相対大気湿度22%までで14日間保存した場合、3%を超えない吸湿性では、重量測定法の測定では重量の増加が見られるが、流動性については特性は完全に保持される;
(f)カール・フィッシャー法に従った滴定により測定される含水量は4.0重量%〜4.4重量%である。
(g)ガスクロマトグラフィーにより測定される有機溶媒量は、0.05重量%未満である。本形態の製造にアセトンを溶媒として使用した場合、ガスクロマトグラフィーによる測定で、アセトン量は0.3重量%未満であり、好ましくは、0.2重量%未満である。本形態の製造にアセトニトリルを溶媒として使用した場合、ガスクロマトグラフィーによる測定で、アセトニトリル量は0.04%重量未満、好ましくは、0.03重量%未満である。
(h)pH9.5の溶液に対する溶解度は30.0mg/ml。
本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩は、遊離型有効成分としての、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸と同様の抗菌最小阻止濃度(MIC)値を示す。
結晶性形態のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩は抗菌活性を有する:
耐性を持つ黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に対する効能を持つ。
グラム陽性の微生物の薬剤排出を阻害可能である。
酸性のpH 5.5で効能を維持する特異能力を持つ。
呼吸器系病原体治療に有効である。
耐性変異体治療に有効である。
増殖遅延型のブドウ球菌に対し優れた殺菌作用を持つ。
生命維持に必要な臓器および大腿筋からのブドウ球菌根絶効能について、標準薬を超える成績を示す。
高密度の細菌接種(10cfu/ml)、推奨される標準接種は10cfu/ml、においても異例の優れた殺菌効果を示す。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、R,S−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、R,S−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、およびR,S−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩も抗菌活性を持つ。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸が、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸、およびRS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸より強い抗菌活性を示すことは注目すべき点である。効能における同様の違いはそれぞれのアルギニン塩にも見られる。
本発明はアルギニン塩の新規な結晶性形態の製造方法にも関する。結晶性形態のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の製造方法は、次の連続的工程を含んでなる:
a) L−アルギニン塩を持つS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸を、有機溶媒と水に溶解させ溶液を形成させ;
b) 該溶液を冷却し、結晶状物質を形成させ;
c) 結晶性形態のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩を、<35℃でろ過または遠心分離することによって分離し;
d) 結晶性形態のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩を、慣用の方法を用いて精製し乾燥させる。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸に対するL−アルギニンの割合は、1.0モル当量のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸に対してL−アルギニン0.93から1.49モル当量の範囲である。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸に対するL−アルギニンのモル比は、1.0:1.0モルが好ましい。
工程(a)で使用される溶媒は、好ましくは、有機溶媒と水であり、より好ましくは、有機溶媒はアセトンまたはアセトニトリルである。有機溶媒の水に対する比率は使用する有機溶媒に応じて20%から80%の範囲とする。水の有機溶媒に対する比率は、使用する有機溶媒と水の総容量に対して水を16.6%から33.3%の範囲とする。有機溶媒に対する水の好適な比率は、使用する有機溶媒および水の総容量に対して水が20%である。
工程(a)の溶液は50から60℃の温度で45〜60分間攪拌することが好ましい。
工程(a)において、溶液を50から60℃で活性炭で処理して、高温時にろ過し、追加量の有機溶媒で希釈することが好ましい。有機溶媒がアセトンである場合は、比は、0.9〜1.1重量部の酸:2.4〜2.6容量部の水:9.0〜11容量部のアセトンの範囲であり、1重量部の酸:2.5容量部の水:10容量部のアセトンであることが好ましい。有機溶媒がアセトニトリルである場合は、比は、0.9〜1.1重量部の酸:2.3〜2.5容量部の水:11.0〜13容量部のアセトニトリルの範囲であり、1重量部の酸:2.4容量部の水:12容量部のアセトニトリルであることが好ましい。
使用する水の量は使用する有機溶媒の性質に従う。有機溶媒がアセトンである場合は、好ましい水対アセトンの割合は、1容量部の水:4容量部のアセトンである。有機溶媒がアセトニトリルである場合は、好ましい水対アセトンの割合は、1容量部の水:5容量部のアセトンである。S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の量、および使用する有機溶媒の性質にも基づく。1重量部の酸が使用される場合に、2.5容量部の水および5〜10容量部のアセトンを使用することが好ましい。有機溶媒がアセトニトリルの場合は、1重量部の酸に対し、2.4容量部の水および12容量部のアセトニトリルの使用が好ましい。
工程(b)において、溶液は0℃〜40℃、より好ましくは30℃〜35℃に、冷却される。
工程(c)では、好ましくは、結晶状物質をろ過により得る。
好ましい態様において、有機溶媒と水中のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸懸濁液または溶液に、L−アルギニンを加える。有機溶剤はアセトンまたはアセトニトリルから選択できる。反応混合物を50から60℃で45〜60分間攪拌する時に溶液を提供し、引き続いて0℃〜40℃、好ましくは30〜35℃で冷却して、本発明の結晶塩を生成するように、使用する有機溶媒と水の量を調整する。所望の塩は、ろ過または遠心分離することによって分離し、使用する各有機溶媒を追加して洗浄し、好ましくは減圧下で65〜70℃にまで加熱して、乾燥する。
さらに、本発明のさらなる態様は、光学的に純粋なS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩の合成を、好ましくはまた、光学的に不純なまたは部分的に純粋なS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸を、L−アルギニンを使用して、向上させ、その結果生成される光学的に純粋な塩の結晶化を続いておこなうことによって製造することである。この方法で使用される光学的な純粋度の低いS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸は、S−(−)−異性体70%およびR−(+)−異性体30%からS−(−)−異性体97%およびR−(+)−異性体3%の範囲の混合物であることができ、S−(−)−異性体88%およびR−(+)−異性体12%の混合物が好ましい。
L−アルギニンを使用する、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の光学純度を高める一般的な方法は次の工程を含んでなる:
(a) S−(−)−異性体70%およびR−(+)−異性体30%からS−(−)−異性体97%およびR−(+)−異性体3%の範囲、好ましくはS−(−)−異性体88%およびR−(+)−異性体12%で構成される、9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の部分光学不純混合物を、水と有機溶媒の混合液中有で懸濁させる。水と有機溶媒の割合は1.0:1.0から1.0:2.0の範囲、好ましくは1.0:1.18から選択可能である。有機溶媒はアセトンまたはアセトニトリルから選択可能であり、好ましくはアセトンである。当モル量のL−アルギニンを該懸濁液に加えて、40から70℃、好ましくは50から60℃に加熱して透明液を得る。もともと使用されている量の2から3倍量、望ましくは2.4から2.5倍量の有機溶媒を加えて、0から45℃、好ましくは30から35℃で1時間から5時間、好ましくは2時間、攪拌して結晶化をすすめる。ろ過または乾燥によって生成物を分離する。
さらに、本発明のさらなる態様は、光学的に純粋なS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸アルギニン塩の合成をまた、好ましくは、光学的に不純なまたは部分的に純粋なS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸を、D−アルギニンを使用して、向上させ、その結果生成される光学的に純粋な塩の結晶化を続いておこなうことによって製造することである。この方法で使用される光学的な純粋度の低いS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸は、S−(−)−異性体70%およびR−(+)−異性体30%からS−(−)−異性体97%およびR−(+)−異性体3%の範囲の混合物であることができ、S−(−)−異性体88%およびR−(+)−異性体12%の混合物が好ましい。
結晶性形態のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の製造方法は、求める結果を提供することが記載されている各条件の使用により、結晶性多形相塩を生成可能な既知の方法とは異なる。この方法は慣用の化学処理装置で実施できる。製造される生成物は実質的に一水和物であることが好ましい。
本発明の他の態様は、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のDL−およびD−アルギニン塩、R(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のDL−、D−およびL−アルギニン塩、および、RS(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のDL−、D−およびL−アルギニン塩の製造である。
この方法は、C−Cアルカノール溶媒、好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノールにおいて、適切な9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の光学異性体/ラセミ混合物の懸濁液に、好ましくは当モル量の、適切なアルギニンの光学異性体水溶液を加え、40〜70℃、好ましくは60〜65℃で10〜45分間、好ましくは15分間攪拌し、減圧下で溶液を蒸散させて乾固して、所望の塩を生成することを含んでなる。
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸は、米国特許4,399,134に記載の以下の手順により製造することができる。L−アルギニン塩およびD−アルギニンは日本のAjinomotoから市販されている。光学異性体のD−アルギニンと比較して、天然L−アルギニンは大幅に安価である。本発明の結晶塩生成に、安価で天然かつ入手が容易なL−アルギニン利用したS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニンを記載することは、本発明の一つの側面である。
本発明の方法で生成された新規な形態のL−アルギニン塩と、従来技術で開示された実験から獲得したものとの比較すると、本発明の塩は実質的に一水和性で、100℃まで安定で、25℃では相対湿度22%まで、さらに望ましい水溶性を持つことが示される。これら全ての特性は医薬組成物の製造に必須である。この新規な結晶性形態のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニンは、通常の貯蔵状態で安定、哺乳類における高い生態利用効率、哺乳類投与に関して低い静脈炎発生率、低毒性または削減された毒性、許容範囲の壊変率および溶出速度などの特質を持ち、この結果医薬製造および医薬分野における使用に非常に利用価値が高い。この形態は特に細菌感染によって引き起こされる疾病の治療に適する。この形態は重症患者または集中治療室内の患者への長期静脈注射療法に適する。特定条件下で安定性を保つバルク状で入手可能である、望ましい水溶性、連続静脈投与でも静脈の炎症を生じない望ましい溶解度、および副作用による毒性について安全であることを考慮すると、L−アルギニン塩の注射用の製剤は即座に製造可能である。
本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニンは、医薬処方で単独の活性化合物として使用でき、また抗菌物質のような他の有効成分との混合も可能である。
従って本発明は、本発明のアルギニン塩を含んでなる、液状および固形の医薬製剤、例えば、注射用溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、コーティング錠剤、カプセル、溶液、トローチ、散布液、貼り薬、粉末、水薬、ジェル、スプレー、小丸薬、顆粒、坐薬、ハードまたはソフトのゼラチンカプセル、軟膏、クリーム、その他、にも関する。
医薬製剤は、既知の方法、例えば担体、希釈剤、溶剤、または賦形剤などの医薬助剤と、または該医薬助剤中において、活性化合物を、例えば混合、攪拌、懸濁、分散、乳化、溶解などをおこない、さらに非経口、経口、局所、経鼻投与、口腔内または直腸投与などのために医薬上適した形態に成分を加工して製造される。
医薬製剤は、錠剤結合剤、充てん剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、流量調整剤、可塑剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、溶媒、pH変化添加物、香料などの一般に薬局で使用される添加物や医薬補助剤とともに処方することが可能である。
一日の合計投与量の範囲は一般的にアルギニン塩形態物では、約200mgから約1500mgである。しかしながら、この投薬量は患者の状態や必要性に応じて増減してもよい。
以下に示す詳細な実施例は本発明の範囲に制限を加えることなく、本発明をさらに詳しく説明するものである。
例1
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩水和物の製造
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(750gm、2.083モル)をアセトン(2250ml)中で懸濁させた。この懸濁液に、攪拌しながらL−アルギニン(337.5g、1.939モル)および水(1875ml)を加えた。混合液は55から60℃で一時間攪拌し、透明液を得た。活性炭(37.5gm)をこの溶液に加え、溶液を高温でろ過処理した。ろ過液にアセトン(5250ml)を加えた。反応混合物を30〜35℃でさらに2時間攪拌し、5℃まで冷却した。得られた固形物を吸引ろ過し、アセトンで洗浄した。濡れた固形物を80〜85℃の真空乾燥機で乾燥し、クリーム色粉末の表題化合物を生成した。生成量1035gm。融点238−243℃.[α] 25=−184.25°(c=1、メタノール)。
例2
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩水和物の製造
オイルバスに取り付けられ、電磁攪拌機および還流冷却機を備えた三ツ口丸底フラスコに、アセトン(10ml)および水(5ml)の混合液中にS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(2gm、5.55ミリモル)およびL−アルギニン(1.44gm、8.27ミリモル)を満たした。反応混合物を攪拌しながら50から60℃になるまで徐々に加熱し、透明液を得た。この溶液を30〜35℃まで冷却した後、氷槽でさらに冷却した。分離した固形物を吸引ろ過し、低温のアセトン(10ml)と水(5ml)の混合物で洗浄した。結晶状固形物を65〜70℃の真空乾燥機で乾燥し、2.4gm(81%)の乾燥化合物を生成した。無水ベースで計算した[α] 25値は183°(c=1、メタノール)。
例3
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩水和物の製造
アセトン(300ml)とS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(100gm、0.278モル)の懸濁液に、L−アルギニン(45gm、0.258モル)および水(250ml)を加えた。混合液を50から60℃に1時間加熱し、透明液を得た。溶液に活性炭(5gm)を加えて、溶液を高温でろ過した。ろ過液にアセトン(700ml)を加え、混合液を30〜35℃まで徐々に冷却して、結晶化した固形物をろ過し、アセトン水溶液で洗浄して、最後にアセトンで洗浄した。65〜70℃の真空乾燥機で乾燥し、結晶状粉末、137gm(92%)のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩を生成した。[α] 25値は無水ベースで計算し、−183.34°(c=1、メタノール)である。
例4
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩水和物の製造
水槽に取り付けられ、攪拌機、温度計用ポケット、および還流冷却機を備えた1リットルの三ツ口丸底フラスコに、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(25gm、69.44ミリモル)およびアセトニトリル(75ml)を満たした。攪拌を開始し、攪拌した懸濁液に粉末L−アルギニン(12.16gm、69.88ミリモル)を加え、さらに蒸留水(60ml)を加えた。反応混合液を50から60℃の間の温度で1時間攪拌し、均質の透明液を得た。透明の反応混合液に攪拌しながら225mlの新たなアセトニトリルを加えた。溶液に活性炭(3gm)を追加し、溶液を高温でろ過した。ろ過液を攪拌しながら30〜35℃に冷却した。反応混合液をこの温度でさらに3時間攪拌した。結晶状固形物を吸引ろ過し、濡れた固体を25mlのアセトニトリルで洗浄した。生成した結晶状固形物を65〜70℃の真空で乾燥させ、表題化合物を34.5gm(93%)得た。無水ベースで計算した[α] 25 値は−183.99°(c=1、メタノール)である。
例4−A
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の製造
二種類の9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の光学異性体[88.24% S−(−)−異性体および11.76% R−(+)−異性体]の混合物(1.5gm、4.16ミリモル)を、アセトン(4.5ml)と水(3.8ml)の混合液で懸濁した。攪拌した懸濁液にL−アルギニン(0.725gm、4.16ミリモル)を加えた。混合液を50−60℃間の温度まで暖め、透明液を得た。溶液にアセトンを(11ml)を加え、その後30−35℃まで冷却し、2時間攪拌した。得られた結晶状固形物を吸引ろ過し、残留物を2mlのアセトンで洗浄した。生成した固形物を乾燥し、1.8gm(92%)の表題化合物を得た。
分析用キラルカラムを用いたクロマトグラフィーで結晶のキラル分析を実施した。結晶の光学純度は97.06%であった。粉末X線解析で結晶化度を測定した。
例4−B
9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の、光学純度89%のS−(−)−異性体および11%のR−(+)−異性体による光学異性体混合物で、例4−Aに記載の条件と量に従って、アセトンの代替としてアセトニトリルを使用して、上記の実験を繰り返して、キラルクロマトグラフィーで示される、光学純度が98%に高められた生成物を得た。
例5
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩の製造
メタノール(50ml)とS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸(1g、2.77 ミリモル)の懸濁液に、水10mlにD−アルギニン(0.483g、2.77 ミリモル)入れた溶液を60〜65℃で加えた。生成した透明液を60〜65℃で15分間攪拌した。反応混合液を減圧下で蒸散・乾燥させ、表題化合物[m.p.241〜243℃、[α] 25 =−174.4°(c=1、メタノール)]を1.3g(88%)生成した。
例6
R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の製造
この化合物は、例5に記述されている手順に従い、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の代わりにR−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸を使用し、D−アルギニンの代わりにL−アルギニンを使用することにより製造可能である。
例7
R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩の製造
この化合物は、例6に従い、L−アルギニンを同量のD−アルギニン置き換えることにより製造することができる。m.p.(DSC)232.0℃、[α] 25 =+171.4°(c=1、メタノール)。
例8
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の製造
この化合物は例6に従い、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸を、RS−(+/−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸に置き換えることにより、製造することができる。
例9
RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩の製造
この化合物は例8に従い、L−アルギニンを同量のD−アルギニンに置き換えることにより製造することができる。M.p(DSC)234.8℃。
例1〜4Bに従って製造された、結晶性S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩は、次の特性を持つ:
a) 粉末X線解析で測定され、図1に示される結晶化度を有する、結晶性形態。
b) 示差走査熱量計で測定され、図2に示される、サーモグラム。
c) レーザー解析技術で測定される平均粒径(MMD)40mm以下の粒子の大きさ。
d) 図3に示すとおりの、かさ密度0.57g/cm(タップなし)および0.64g/cm(タップ)。タップなしの密度は25gm/タップなし容量と定義する。結果は図3に示されるとおりである。タップ密度は25gm/タップ容量と定義する。結果は図3に示されるとおりである。
e) 重量測定法で測定した、相対湿度22%まで、30℃、14日間の貯蔵で3%の重量増加する吸湿性。
f) カール・フィッシャー法に従った滴定により測定される、4.0重量%〜4.4重量%の含水量。
g) ガスクロマトグラフィーの測定による、0.011重量%のアセトン含量、および0.03重量%のアセトニトリル含量。
試験例1
X線解析分析
例1に従って製造されたS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、各300mgを標本容器に薄く広げた。以下に示す条件下で、X線解析分析(40kv x 40mA Rigaku D/max 2200)を行った:
走査速度5°/分
サンプリング時間7分
走査モード:連続
2θ/θ 反射
Cuターゲット(Niフィルタ)
結晶性形態のX線解析分析結果は図1に示される。
試験例2
S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の熱解析
示差走査熱量計には、METTLER TOLEDO STAR システムを使用した。5〜6mgサンプルをアルミの天秤皿で計量し、アルミの蓋を押しかぶせて密閉した。蓋に小さな針穴を三つ開けた後、サンプルを(30℃)から(300℃)まで10℃/分の変化率で熱処理した。結果は図2に見られるとおりである。194.93℃近辺で発熱ピーク、251.26℃で吸熱ピークがあり、その他の吸熱ピークは87.83℃、98.04℃、144.03℃、および159.14℃で見られる。
試験例3
かさ密度の測定
タップなしおよびタップ密度の測定にはBulk Density Apparatus(R.V. Electronics, Mumbai)を使用した。25gのサンプルをゆっくりと乾燥したストッパ付き計量シリンダに注ぎ、満たした容量を計測してタップなし密度を求めた。
タップなし密度=25g/タップなし容量。
その後計量シリンダをBulk Density Apparatusに取り付け、サンプルをタップし、容量を測定してタップ容量を求めた。
タップ密度=25g/タップ容量。
結果は図3に示したとおりである。
試験例4
平均粒径の測定
平均粒径は、下記にリストする条件下で、U.K.のMalvern Instrument LTD社のMaster Sizerを使用した:
レンズ/焦点:300mm
溶媒:ヘキサン
分析モデル:多分散系
妨害値:20−23%
例1に記載の手順で作成された四種の違ったサンプルから取り出した、本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の、結晶性形態の平均粒径として測定された粒子の大きさは表1に示される。
表1
サンプル番号 平均粒径(mm)
1 32.92
2 24.22
3 34.51
4 39.07
平均値は32.68mm。
本発明は添付の図面を参照することによりさらに詳しく説明される。
図1は、本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の、粉末X線解析(XRPD)スペクトラムを示す。 図2は、本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の結晶形態の、示差走査熱量計(DSC)サーモグラムを示す。 図3は、本発明のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の結晶形態のかさ密度が、0.57g/cm(タップなし)と0.64g/cm(タップ)の間にあることを示す。

Claims (46)

  1. 9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の、ラセミ異性体または光学活性異性体であるDL−、D−、またはL−アルギニン塩から選択される、化合物。
  2. 9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の、ラセミ異性体または光学活性異性体であるDL−、D−、またはL−アルギニン塩から選択される、請求項1に記載の化合物であって、
    他のいずれの9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸−アルギニン塩の立体異性体を実質上含まない、化合物。
  3. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、およびS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩から選択される、請求項2に記載の化合物。
  4. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、またはS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩の、この塩の他の立体異性体に対する重量比が、少なくとも95:5である、請求項2に記載の化合物。
  5. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、またはS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩の、この塩の他の立体異性体に対する重量比が、少なくとも99:1である、請求項4に従う化合物。
  6. 下記式IのS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩:
    Figure 2005527629
    式I
    [式中、xは結晶性形態中で、0、0.25、0.5、0.75、1.0、2.0または3.0を示す]。
  7. x=1である、請求項6に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  8. 以下の粉末X線解析データ:
    (2q):14.02±0.2,14.82±0.2,19.28±0.2,22.12±0.2,22.96±0.2,23.46±0.2,28.36±0.2
    を持つ、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  9. 以下の粉末X線解析データ:
    (2q):14.02±0.2、14.82±0.2、19.28±0.2、22.12±0.2、22.96±0.2,23.46±0.2、28.36±0.2
    を持ち、DSC発熱が194.93℃(始点が189.42℃)で、吸熱が251.26℃であり、かつ、カール・フィッシャー法に従う滴定により測定される含水量が4.0〜4.4重量%の間である、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  10. DSC発熱が194.93℃(始点189.42℃)であり、かつ、吸熱が251.26℃である、請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  11. 溶液のpH9.5における溶解度が30.0mg/mlである、請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  12. 溶液のpH9.5における溶解度が30.0mg/mlである、請求項9に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  13. レーザー解析技術により測定される平均粒径が40mm以下である、請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  14. 直径が32mm未満である、請求項13に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  15. 密度が0.57g/cm(タップなし)から0.64g/cm(タップ)の間である、請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  16. 密度が0.57g/cm(タップなし)から0.64g/cm(タップ)の間である、請求項9に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  17. カール・フィッシャー法に従う滴定により測定される含水量が4.0〜4.4重量%の間である、請求項6に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  18. カール・フィッシャー法に従う滴定により測定される含水量が4.0〜4.4重量%の間である、請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  19. ガスクロマトグラフィーにより測定される有機溶媒量が0.05重量%未満である、請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  20. ガスクロマトグラフィーにより測定される有機溶媒量が0.05重量%未満である、請求項9に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  21. 重量測定法で測定される吸湿性が、相対大気湿度22%までにおいて、14日間の貯蔵で3重量%未満増加する、請求項6に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  22. 融点が241〜243℃であり、かつ、[α] 25=−174.4°(c=1、メタノール)である、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩。
  23. R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩。
  24. 融点(DSC)が232.0℃であり、かつ、[α] 25=+171.4°(c=1、メタノール)である、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩。
  25. R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩。
  26. RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、RS−(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、またはRS−(±)−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩から選択される、化合物。
  27. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の製造方法であって、
    a) 有機溶媒と水中において、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸をL−アルギニンとともに、溶解して溶液を形成させ、
    b) 前記溶液を冷却して、結晶性物質を形成させ、
    c) S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の結晶性形態を、35℃未満において、ろ過または遠心分離することによって分離し、かつ
    d) S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の結晶性形態を、精製して乾燥する
    工程を含んでなる、方法。
  28. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のL−アルギニン塩に対するモル比が、1.0:0.93〜1.49の範囲である、請求項27に記載の方法。
  29. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸のL−アルギニン塩に対するモル比が、1:1である、請求項27に記載の方法。
  30. 有機溶媒が、アセトンまたはアセトニトリルから選択される、請求項27に記載の方法。
  31. 溶媒混合液中の水の比率が20%〜80%である、請求項27に記載の方法。
  32. 工程a)の溶液を50〜60℃で攪拌する、請求項27に記載の方法。
  33. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の光学純度を高める方法であって、
    (a) S−(−)−異性体70%およびR−(+)−異性体30%からS−(−)−異性体97%およびR−(+)−異性体3%の範囲で構成される、9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の部分光学不純混合物を、水と有機溶媒中において懸濁させて懸濁液をつくり、
    (b) 当モル量のL−アルギニンを前記懸濁液に加えて、懸濁液を40〜70℃に加熱して透明溶液を得、かつ
    (c) 工程a)において加えた有機溶媒のさらに2〜3倍を添加し、0〜45℃において1時間〜5時間攪拌して、結晶化させ、ろ過および乾燥により生成物を分離する
    工程を含んでなる、方法。
  34. 請求項6に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩と、担体、希釈剤、溶剤、または賦形剤とを含んでなる、組成物。
  35. 請求項7に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩と、担体、希釈剤、溶剤、または賦形剤とを含んでなる組成物。
  36. 請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩と、担体、希釈剤、溶剤、または賦形剤とを含んでなる、組成物。
  37. 請求項9に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩と、担体、希釈剤、溶剤、または賦形剤とを含んでなる、組成物。
  38. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、RS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、RS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、およびRS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩からなる群より選択される化合物と、担体、希釈剤、溶剤、または賦形剤とを含んでなる、組成物。
  39. 哺乳類の細菌感染によって引き起こされる疾患の治療方法であって、
    請求項6に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  40. 哺乳類の細菌感染によって引き起こされる疾患の治療方法であって、
    請求項7に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  41. 哺乳類の細菌感染によって引き起こされる疾患の治療方法であって、
    請求項8に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  42. 哺乳類の細菌感染によって引き起こされる疾患の治療方法であって、
    請求項9に記載のS−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  43. 哺乳類の細菌感染によって引き起こされる疾患の治療方法であって、
    S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、RS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、RS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、およびRS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩からなる群より選択される化合物の有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、方法。
  44. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、R−(+)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、RS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸L−アルギニン塩、RS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩、およびRS−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸DL−アルギニン塩、S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸D−アルギニン塩からなる群より選択される化合物の製造方法であって、
    a) 9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸の鏡像異性体またはラセミ混合物を、C−Cアルカノール溶媒中において懸濁させて、DL、L、またはDアルギニンの水溶液を添加し、
    b) 該混合液を40〜70℃において10〜45分間攪拌し、減圧下で溶液を蒸散させて乾燥する
    工程を含んでなる、方法。
  45. S−(−)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]キノリジン−2−カルボン酸およびD−アルギニンの使用量が、当モル量である、請求項44に記載の方法。
  46. 前記溶媒が、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールから選択される、請求項44に記載の方法。
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