JP2005527485A - 第Xa因子インヒビターとして新規なN−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド化合物 - Google Patents

第Xa因子インヒビターとして新規なN−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド化合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、第Xa因子のインヒビターとして有用な、N−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド化合物およびその誘導体を提供する。

Description

本発明は概して、トリプシン様セリンプロテアーゼ酵素、特に第Xa因子のインヒビターである、新規なN−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド化合物、該化合物を含有する医薬組成物、および該化合物を血栓塞栓障害の処置および予防のための抗凝固剤として用いる方法に関する。
US特許No.5342851に、下記式の化合物を含むチアゾール血小板凝集インヒビターが示されている。
Figure 2005527485
(式中、Aはリンカー(linker)、Bはリンカーまたは環、Qは環またはアミノ基、R,RおよびRは種々の基である)
しかして、この特許は本発明の化合物を例示または示唆するものではない。
WO00/39131に、下記の式で例示されるヘテロジ環式第Xa因子インヒビターが記載されている。
Figure 2005527485
(式中、ZはCまたはN、Gはモノもしくはジ環式基、Aは環式基およびBは塩基性基もしくは環式基である)
WO00/39131に明確に記載の化合物は、本発明の一部とは見なされない。
WO98/28269、WO99/32454、US特許No.6020357およびUS特許No.6271237に、下記式の第Xa因子インヒビターが記載されている。
Figure 2005527485
(式中、環Mはピラゾリル、Aは環、Bは環、Dはアミジノ、およびEはフェニルである)
WO98/28269、WO99/32454、US特許No.6020357およびUS特許No.6271237に明確に記載の化合物は、本発明の一部とは見なされない。
WO98/57951に、下記式の第Xa因子インヒビターが記載されている。
Figure 2005527485
(式中、環Mはピラゾリルおよび環D−Eはアミノベンズイソキサゾールである)
WO98/57951に明確に記載の化合物は、本発明の一部とは見なされない。
活性化第Xa因子は、その主な実際的な役割がプロトロンビンの限られた蛋白分解によるトロンビンの産生であって、血液凝固の最終共通経路における内因性および外因性の活性化メカニズムをリンクする中心位置(central position)を保持する。その先駆物質からフィブリンクロットを産生する、経路の最終セリンプロテアーゼ,トロンビンの産生は、プロトロンビナーゼ複合体(第Xa因子、第V因子、Ca2+およびリン脂質)の形成によって拡大される。
第Xa因子の1分子は、138モルのトロンビンを産生しうることが予測されるので(Elodi S.、Varadi K.の「Thromb.Res.」(15、617−629、1979年),“第IXa因子−第VIII因子複合体の触媒効果の条件最適化:血液凝固の拡大における複合体の考えられる役割”)、血液凝固システムの妨害において、第Xa因子の抑制はトロンビンの不活性化よりも有効であるかもしれない。
従って、血栓塞栓障害の処置のため、潜在的に価値のある治療剤として、第Xa因子の効きめのある特異的なインヒビターが必要である。このように、新しい第Xa因子インヒビターの発見が望まれる。加えて、公知の第Xa因子インヒビターと比較して、薬理学的特性が改善された新しい化合物を見つけ出すことも望まれる。たとえば、第Xa因子抑制活性および第Xa因子対他のセリンプロテアーゼ(すなわち、トリプシン)の選択性を改善した新規化合物の発見が好ましい。
また以下に示すカテゴリーの1つ以上において、有利でかつ改善した特性を持つ化合物の発見も望ましく、かつ好ましい。すなわち、カテゴリーとしてはこれらに限定されるものでないが、(a)薬剤の性質(たとえば、溶解性、透過性、および徐放性製剤への従順性);(b)投薬要求条件(たとえば低投薬量および/または1日1回投与);(c)血中濃度のピークから谷特性を下げるファクター(たとえば分布のクリアランスおよび/または量);(d)レセプタの活性薬物の濃度を上げるファクター(たとえば蛋白結合、分布の量);(e)臨床の薬物−薬物相互作用の傾向を下げるファクター(たとえばチトクロームP450酵素の抑制または誘発);(f)逆副作用の可能性を下げるファクター(たとえばセリンプロテアーゼを越える薬理学的選択度、潜在的な化学または代謝反応度、および限られたCNS浸透);および(g)製造コストまたは実行可能性を改善するファクター(たとえば合成の困難、キラル中心の数、化学安定性、および取扱いの容易さ)が挙げられる。
(発明の概要)
すなわち、本発明は、第Xa因子インヒビターとして有用な新規N−[4−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド化合物またはその医薬的に許容しうる塩あるいはプロドラッグを提供する。
本発明は、医薬的に許容しうる担体および治療上有効量の本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩あるいはプロドラッグ体の少なくとも1種から成る医薬組成物を提供する。
本発明は、血栓塞栓障害を処置する方法を提供し、該方法はかかる処置を必要とする宿主に対し、治療上有効量の本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩あるいはプロドラッグ体の少なくとも1種を投与することから成る。
本発明は、血栓塞栓障害の処置を必要とする患者を処置する新しい方法を提供し、該方法は、血栓塞栓障害を処置するのに有効な量の、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与することから成る。
本発明は、血栓塞栓障害を処置するのに有効な量の、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与することから成る新規方法を提供する。
本発明は、治療に用いる新規化合物を提供する。
本発明は、血栓塞栓障害の処置用薬剤の製造に用いる新規化合物の使用を提供する。
これらのおよび他の目的は、以下に示す詳細な説明から明らかになると思われるが、本発明の化合物が有効な第Xa因子インヒビターであるという本発明者の知見によって達成される。
(好ましい具体例の詳細)
[1]すなわち、具体例において、本発明は、下記式Iの新規化合物またはその医薬的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005527485
式中、RはHまたはC1−6アルキル;
はH;
1−6アルケニレン−C(O)−C1−6アルキル;
C(O)−C1−6アルキル;
C(O)−C1−6アルキル−NR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);
C(O)CHCHCH(NR)C(O)OR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);
C(O)−0〜2個のRで置換されたフェニル;
C(O)OCHOPOH;
C(O)OCHO−C1−6アルキル;
CHOC(O)−0〜2個のRで置換されたフェニル;
CHOC(O)CH−炭素原子とOおよびNから選ばれる1〜2個のヘテロ原子からなり、0〜2個のRで置換された5〜6員複素環;および
Figure 2005527485
(ここで、星印は結合点を意味する)
からなる群から選ばれ;
はCl、F、Br、I、OH、C1−6アルキル、C1−6アルキル−OH、C1−6アルコキシ、およびC1−4アルキレン−OC(O)−C1−6アルキルから選ばれ;および
はC1−6アルキル、および0〜2個のRで置換されたフェニルから選ばれる。
[2]好ましい具体例において、R
Figure 2005527485
(ここで、星印は結合点を意味する)
、H、−CHOH−、−CHOC(O)OCH、−CHOC(O)フェニル、−C(O)CH、−C(O)CHNH、−C(O)CHCHCH(NH)C(O)OH、−C(O)OCHOPOH、−C(O)OCHOC(O)CH、および−C(CH)=CHC(O)CHから選ばれる。
[3]他の好ましい具体例において、本発明は、RがCH:およびRがHである新規化合物を提供する。
[4]他の好ましい具体例において、本発明は、RがH;およびRがHである新規化合物を提供する。
[5]他の具体例において、本発明は、下記式IIの新規化合物または、その医薬的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005527485
式中、RはH;
C(O)−C1−6アルキル;
C(O)−C1−6アルキル−OH;
C(O)O−C1−6アルキル;
C(O)OCHOPOH;および
C(O)−0〜2個のRで置換されたフェニル
からなる群から選ばれ;および
はCHNR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);
CHNR(CH)NR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);および
CH−炭素原子とOおよびNから選ばれる1〜2個のヘテロ原子からなり、0〜2個のRで置換された5〜6員複素環
から選ばれる。
[6]他の好ましい具体例において、R
Figure 2005527485
(ここで、星印は結合点を意味する)
、H、−C(O)CHOH、−C(O)OCH、−C(O)CH、および−C(O)OCHOPOHから選ばれる。
[7]他の好ましい具体例において、RはHである。
[8]他の具体例において、本発明は、下記式IIIの新規化合物またはその医薬的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005527485
[9]他の具体例において、本発明は、下記式IVの新規化合物またはその医薬的に許容しうる塩を提供する。
Figure 2005527485
他の具体例において、本発明は、医薬的に許容しうる担体および治療上有効量の本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩から成る新規医薬組成物を提供する。
他の具体例において、本発明は、血栓塞栓障害を処置す新規方法であって、かかる処置を必要とする患者に対し、治療上有効量の本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与することから成る処置法を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、血栓塞栓障害が、動脈の心臓血管血栓塞栓障害、静脈の心臓血管血栓塞栓障害、および心臓の室の血栓塞栓障害からなる群から選ばれる新規処置法を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、血栓塞栓障害が、不安定狭心症、急性冠症候群、一次心筋梗塞、再発心筋梗塞、虚血性急死、一過性脳虚血発作、発作、アテローム硬化症、末梢閉塞動脈疾患、静脈血栓症、深静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、および(a)人工器官弁または他の移植片、(b)内在カテーテル、(c)ステント、(d)心肺バイパス、(e)血液透析、または(f)血栓症を増進する人工面に血液をさらす他の手術によって生じる血栓症から選ばれる新規処置法を提供する。
他の具体例において、本発明は、血栓塞栓障害の処置を必要とする患者を処置する新規方法であって、血栓塞栓障害の処置に有効量の、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与することから成る方法を提供する。
他の具体例において、本発明は、血栓塞栓障害の処置に有効量の、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を投与することから成る新規方法を提供する。
他の具体例において、本発明は、血栓塞栓障害を処置する新規方法であって、かかる処置を必要とする患者に対し、治療上有効量の第1および第2治療剤を投与することから成り、第1治療剤が本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩であり、第2治療剤が第Xa因子の第2インヒビター、抗凝固剤、抗血小板剤、トロンビン抑制剤、血栓崩壊剤およびフィブリン溶解剤から選ばれる作用物質の少なくとも1種である処置法を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、第2治療剤がワルファリン、末精留ヘパリン、低分子量ヘパリン、合成ペンタサッカリド、ヒルジン、アルガトロバナス(argatrobanas)、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、スリンダク、インドメタシン、メフェナメート、ドロキシカム(droxicam)、ジクロフェナック(diclofenac)、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、チクロピジン(ticlopidine)、クロピドグレル(clopidogrel)、チロフイバン(tirofiban)、エプチフィバチド(eptifibatide)、アブシキシマブ(abciximab)、メラガトラン(melagatran)、ジスルファトヒルジン、組織プラスミノーゲン活性化因子、変異組織プラスミノーゲン活性化因子、アニストレプラーゼ(anistreplase)、ウロキナーゼおよびストレプトキナーゼから選ばれる作用物質の少なくとも1種である新規処置法を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、第2治療剤が抗血小板剤の少なくとも1種である新規処置法を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、抗血小板剤がアスピリンおよびクロピドグレルである新規処置法を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、抗血小板剤がクロピドグレルである新規処置法を提供する。
他の具体例において、本発明は、
(a)第1容器;
(b)第1容器内にあり、第1治療剤として本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を含有する医薬組成物;および
(c)血栓塞栓障害の処置に上記医薬組成物を使用できることを伝言する包装インサート
から成る新しい製品を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、さらに
(d)第2容器
を含有し、成分(a)および(b)が第2容器の内部に位置し、成分(c)が第2容器の内部または外部に位置する新しい製品を提供する。
他の具体例において、本発明は、
(a)第1容器;
(b)第1容器内にあり、第1治療剤として本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩を含有する医薬組成物;および
(c)血栓塞栓障害の処置に上記医薬組成物を第2治療剤と組合せて使用できることを伝言する包装インサート
から成る新しい製品を提供する。
他の好ましい具体例において、本発明は、さらに
(d)第2容器
を含有し、成分(a)および(b)が第2容器の内部に位置し、成分(c)が第2容器の内部または外部に位置する新しい製品を提供する。
他の具体例において、本発明は、治療に用いる本発明化合物を提供する。
他の具体例において、本発明は、血栓塞栓障害の処置用薬剤の製造に用いる本発明化合物の使用を提供する。
本発明は、その精神または本質的属性から逸脱せずに、他の特別な形態で具体化しうる。本発明は、本明細書で言及される本発明の好ましい側面の全ての組合せを包含する。本発明のいずれかおよび全ての具体例(実施態様)を、他のいずれかの具体例と結合することにより、追加のより好ましい具体例を詳述しうることが理解される。
また、好ましい具体例のそれぞれの要素は、それ自体の独立した好ましい具体例として個別に見なされる予定にあることが理解される。さらに、一具体例のいずれの要素も、いずれかの具体例におけるいずれかおよび全ての他の要素と組合せることにより、追加の具体例を記述するようになっている。
定義:
本明細書記載の化合物には、オレフィンの幾何異性体やC=N二重結合などの存在が可能で、かかる安定な異性体の全てが本発明で意図される。本発明化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、これらは異性体混合物または分離した異性体形状で単離しうる。特別な異性形状の指示がない限り、1つの化学構造について全ての幾何異性形状が意図される。
本明細書で用いる語句“置換された”とは、指定原子上のいずれか1つ以上の水素が、所定の群から選ばれたものに取り替えられることを意味し、但し、指定原子の標準原子価が大きくなることはなく、また置換によって安定な化合物が得られることを条件とする。置換基がケト(すなわち、=O)のとき、原子上の2つの水素が取り替えられる。ケト置換基は、芳香族成分には存在せず。
本発明は、本発明化合物に生じる原子の全同位体を包含することが意図される。同位体としては、原子番号が同じであるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的かつ非限定的具体例として、水素の同位体はトリチウムおよびジューテリウムを包含する。炭素の同位体は、C−13およびC−14を包含する。
また本発明は、それが明確に記されていなくとも、チオールおよびアミノ基の全ての安定なオキシドを包含することが意図される。置換基としてアミノ基が列挙されていると、アミノ基のN−オキシド誘導体も置換基に含まれる。チオール基が存在すると、S−オキシドおよびS,S−ジオキシド誘導体も含まれる。
ある化合物の構成または式において、いずれかの変動記号(たとえばR)が1回以上現われると、各出現のその定義は、他の出現毎のその定義とは独立している。すなわち、たとえば一つの基が0〜2個のRで置換されると示されていると、該基は必要に応じて2個以下のRで置換されてよく、そして各出現のRは、Rの定義から独立して選択される。また、置換基および/または変動記号の組合せは、かかる組合せによって安定な化合物が得られる場合のみ許される。
置換基への結合が環中の2つの原子を結ぶ結合を交差する(cross)と示されていると、かかる置換基は環上のいずれの原子とも結合することができる。置換基が所定の式の化合物の残基と結合するための原子を指定せずに列挙されているとき、かかる置換基は該置換基中のいずれの原子を介しても結合しうる。置換基および/または変動記号の組合せは、かかる組合せによって安定な化合物が得られる場合のみ許される。
本明細書に使用の“アルキル”とは、明記した数の炭素原子を有する分枝鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を包含することが意図される。C1−10アルキルは、C、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルキル基を包含する。アルキルの具体例としては、これらに限定されるものでないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、およびs−ペンチルが挙げられる。“ハロアルキル”とは、明記した数の炭素原子を有し、1個以上のハロゲンで置換された分枝鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方(たとえば−CvFw、ここで、v=1〜3およびw=1〜(2v+1))を包含することが意図される。
ハロアルキルの具体例としては、これらに限定されるものでないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、およびペンタクロロエチルが挙げられる。“アルコキシ”とは、指示した数の炭素原子を有し、酸素橋を介して結合する上述のアルキル基を表わす。C1−10アルコキシは、C、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルコキシ基を包含する。アルコキシの具体例としては、これらに限定されるものでないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシおよびs−ペントキシが挙げられる。
“シクロアルキル”とは、飽和環基、たとえばシクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルを包含することが意図される。C3−7シクロアルキルは、C、C、C、CおよびCシクロアルキル基を包含する。“アルケニル”とは、直線または分枝形状の炭化水素鎖および該鎖に沿ったいずれかの安定な箇所に現われる1つ以上の不飽和炭素−炭素結合を有することが意図され、たとえばエテニルおよびプロペニルが挙げられる。C2−10アルケニルは、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルケニル基を包含する。
“アルキニル”とは、直線または分枝形状の炭化水素鎖および該鎖に沿ったいずれかの安定な箇所に現われる1つ以上の三重炭素−炭素結合を有することが意図され、たとえばエチニルおよびプロピニルが挙げられる。C2−10アルキニルは、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルキニル基を包含する。
本明細書で用いる“ハロ”または“ハロゲン”とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指称し;“対イオン”は小さな陰荷電種、たとえばクロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテートおよびスルフェートを表わすのに用いる。
本明細書で用いる“炭素環”または“炭素環式残基”とは、安定な3、4、5、6もしくは7員のモノ環式あるいはジ環式または7、8、9、10、11、12もしくは13員のジ環式あるいはトリ環式を意味することが意図され、これらのいずれかは飽和、部分不飽和または芳香族であってよい。かかる炭素環の具体例としては、これらに限定されるものでないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられる。
本明細書で用いる語句“複素環”または“複素環式系”とは、飽和、部分不飽和または不飽和(芳香族)であって、炭素原子とN、OおよびSからなる群から独立して選ばれる1、2、3または4個のヘテロ原子からなる、安定な5、6もしくは7員のモノ環式あるいはジ環式または7、8、9、10、11もしくは12員のジ環式あるいはトリ環式複素環式環を意味することが意図され、かつ上記複素環式環のいずれかがベンゼン環に縮合したいずれかのジ環式基も包含する。
窒素および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて酸化してもよい。窒素原子は置換または非置換(すなわち、NまたはNR、ここで、RはHまたは他の置換基)であってよい。複素環式環は、いずれかのヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合して、安定な構造を生成しうる。本明細書記載の複素環式環は、炭素または窒素原子上で置換されてよいが、得られる化合物が安定な場合である。複素環中の窒素は、必要に応じて4級化してもよい。
複素環中のSおよびO原子の総数が1を超えると、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないことが好ましい。複素環中のSおよびO原子の総数は、1を越えないことが好ましい。本明細書で用いる語句“芳香族複素環式系”または“ヘテロアリール”とは、炭素原子とN、OおよびSからなる群から独立して選ばれる1、2、3または4個のヘテロ原子からなる、安定な5、6もしくは7員のモノ環式あるいはジ環式または7、8、9もしくは10員のジ環式複素環式芳香族環を意味することが意図される。注目すべき点は、芳香族複素環中のSおよびO原子の総数が1を超えないことである。
複素環の具体例としては、これらに限定されるものでないが、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、
イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタルアジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、
ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリルおよびキサンエニルが挙げられる。また、たとえば上記複素環を含有する縮合環およびスピロ化合物も含まれる。
語句“医薬的に許容しうる”とは、堅実な医療判断の範囲内で、ヒトや動物の組織と接触させて用いるのに適切であり、過度の毒性、刺激、アレルギー応答または他の問題もしくは合併症を伴なわず、かつ合理的な受益性/危険性割合の釣り合った、化合物、物質、組成物および/または投与剤形を言及するのに本明細書で用いる。
本明細書で用いる“医薬的に許容しうる塩”とは、開示の化合物について親化合物を酸性または塩基性塩にすることによって変性した誘導体を指称する。医薬的に許容しうる塩の具体例としては、これらに限定されるものでないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸もしくは有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリもしくは有機塩等が挙げられる。
医薬的に許容しうる塩は、たとえば非毒性無機または有機酸から形成される、親化合物の通常の非毒性塩または第4級アンモニウム塩を包含する。たとえば、かかる通常の非毒性塩としては、これらに限定されるものでないが、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコールリアルサニリン酸(glycollyarsanilic)、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、沃化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトイン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオニン酸(lactobionic)、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸(napsylic)、硝酸、シュウ酸、パモン酸(pamoic)、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、塩基性酢酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸から誘導される塩が挙げられる。
本発明の医薬的に許容しうる塩は、塩基性または酸性成分を含有する親化合物から、通常の化学方法によって合成することができる。一般にかかる塩は、遊離酸または塩基性形態のこれらの化合物を、水中もしくは有機溶媒中または両者の混合物中、化学量論量の適当な塩基または酸と反応させることによって製造することができ、一般にエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適当な塩のリストは、「Remington's Pharmaceutical Sciences」(18版、ペンシルベニア州イーストンのマック・パブリッシング・カンパニー、1445頁、1990年)に記載がある。
“プロドラッグ”とは、かかるプロドラッグを哺乳類被験体に投与したときに、インビボで本発明に係る活性な親薬物を放出する、いずれかの共有結合キャリヤーを包含することが意図される。本発明化合物のプロドラッグは、該化合物に存在する官能基の変性によって製造されるが、この変性は変性剤が日常の実験操作でまたはインビボで、開裂して親化合物となるように行なう。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基がいずれかの基に結合した本発明化合物を包含し、ここで、本発明化合物のプロドラッグを哺乳類被験体に投与すると、結合した基は開裂してそれぞれ、遊離のヒドロキシ、遊離のアミノまたは遊離のスルフヒドリル基を形成する。プロドラッグの具体例としては、これらに限定されるものでないが、本発明化合物のアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体等が挙げられる。
本明細書で用いる“処置する”または“処置”とは、哺乳類、特にヒトの疾患状態の処置をカバーし、(a)哺乳類に発生する疾病状態の予防、特にかかる哺乳類が疾病状態にかかりやすくなっているが、未だその状態と診断されていないときの予防;(b)疾病状態の抑制、すなわち、その進行の阻止;および/または(c)疾病状態の緩和、すなわち疾病状態の後退化が含まれる。
“安定な化合物”および“安定な化学構造”とは、反応混合物からの有用程度の純度への単離、および効きめのある治療剤への配合に確固として十分に耐える化合物を示すことを意味する。
本発明の他の特徴については、本発明の例示を目的とし、かつ本発明を制限するとは見なされない、以下に示す具体的な実施例の説明から明らかとなるだろう。
製造実施例A
1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸
方法A:
エタノール(150mL)中の3−シアノ−4−フルオロ−フェニルヒドラジン錫クロリド(20g、53.6ミリモル)の懸濁液に、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン(8.18g、53.6ミリモル)を加える。反応液を一夜還流に付す。翌日エタノールを蒸発し、残渣を酢酸エチルとHCl(1N)間に分配する。水性相を酢酸エチル(20mL×4)で抽出する。有機相を水、塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィーにより、1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−トリフルオロメチル−5−メチルピラゾール(8g、収率56%)を純粋化合物で得る。MS(CI):270(M+H)(100%)。
CCl(75mL)中の1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−メチルピラゾール(4.0g、14.9ミリモル)の溶液に、NBS(5.3g、29.7ミリモル)およびベンジルパーオキシド(0.2g、1.49ミリモル)を加える。反応液を一夜還流に付す。翌日CClを蒸発し、残渣を酢酸エチルと重炭酸ナトリウム(飽和)間に分配する。有機相を水、塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィーにより、1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−ブロモメチルピラゾール(2.6g、収率50%)を純粋化合物で得る。MS(CI):348(M+H)(100%)。
DMSO(10mL)中の1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−ブロモメチルピラゾール(0.6g、1.72ミリモル)の溶液に、酸化銅(I)(0.52g、3.62ミリモル)および水(3mL)を加える。反応液を60℃で一夜撹拌する。翌日反応混合物を、セライト(Celite、登録商標)で濾過する。濾液を酢酸エチルと水間に分配する。有機相を水、塩水で3回洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシメチルピラゾール(0.45g、収率92%)を純粋化合物で得る。MS(CI):286(M+H)(100%)。
アセトニトリル(10mL)中の1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシメチルピラゾール(0.45g、1.58ミリモル)の溶液に、触媒量の塩化ルテニウムを0℃で加えた後、過沃素酸ナトリウム(0.71g、3.32ミリモル)の水溶液を加える。反応液を0℃〜室温で一夜撹拌する。翌日アセトニトリルを蒸発し、残渣を酢酸エチルと水間に分配し、塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシカルボニルピラゾール(0.27g、収率57%)を純粋化合物で得る。MS(ES):298(M−H)(40%)。
方法B:
酢酸(200mL)中の3−シアノ−4−フルオロ−フェニルヒドラジン錫クロリド(17g、50ミリモル)の懸濁液に、4,4,4−トリフルオロ−1−(2−フリル)−2,4−ブタンジオン(10.3g、50ミリモル)を加える。反応液を一夜還流に付す。翌日酢酸を蒸発し、残渣を酢酸エチルと水間に分配する。有機層をHCl(1N)、水および塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーに付して、1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−(2−フリル)ピラゾール(7.0g、収率44%)を純粋化合物で得る。MS(CI):322(M+H)(100%)。
アセトニトリル(30mL)中の1−(3−シアノ−4−フルオロ−フェニル)−3−トリフルオロメチル−5−(2−フリル)ピラゾール(4.0g、12.5ミリモル)の溶液に、四塩化炭素(30mL)、塩化ルテニウム(0.4g)、および水(45mL)中の過沃素酸ナトリウム(11.9g、56.1ミリモル)の溶液を加える。反応液を室温で一夜撹拌する。翌日反応混合物をセライトで濾過する。濾液を濃縮し、酢酸エチルとHCl(1N)間に分配する。有機相を水洗し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮して、標記化合物を純粋化合物で得る。MS(ES):298(M−H)(40%)。
実施例1
N−[4−(2−{[メチルアミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド・ビス(トリフルオロ酢酸)塩
Figure 2005527485
パートA:ベンジル・1H−イミダゾール−2−イルメチル(メチル)カルバメートの製造
2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(5.0g、52.0ミリモル)を、200mLのメタノールに懸濁する。メチルアミン(メタノール中33%溶液、20mL)を加える。15分間撹拌後、NaBH(3.95g、0.10モル)を少量づつ加える。次いで反応混合物をN下50℃で2h加熱する。溶媒を除去する。固体をCHClで洗い、濾過する。CHCl溶液をMgSO上で乾燥し、濃縮し、減圧乾燥してメチルアミン化合物を黄色油状物で得る。この油状物をCHCl/THF(1:1)溶液に溶解する。これにEtN(7.94mL、57.0ミリモル)およびベンジルクロロホルメート(7.4mL、52.0ミリモル)を加える。混合物をN下室温で、1h撹拌する。
溶媒を除去し、残渣をEtOAcとHO間に分配する。EtOAc層を塩水で洗い、MgSO上で乾燥し、濃縮する。混合物を15mLのTFAと共に30分間還流して、ビス−アシル化副生物のほとんどを所望生成物に変換する。TFAを除去する。これをEtOAcに溶解し、飽和水性NaHCOおよび塩水で洗う。混合物をMgSO上で乾燥し、濃縮し、EtOAc/ヘキサン(1:1)のクロマトグラフィーに付して、6.56gのオフホワイト固体で得る(収率51.4%)。MS(AP):246.3(M+H)
H−NMR(CDCl):δ7.35(s、6H)、6.90(s、1H)、5.14(s、2H)、4.48(s、2H)、3.00(s、3H)
パートB:ベンジル・{1−[4−({[1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−3−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル}メチル(メチル)カルバメートの製造
上記パートAのベンジル・1H−イミダゾール−2−イルメチル(メチル)カルバメート(3.60g、14.69ミリモル)、2−フルオロ−4−ヨードアニリン(3.50g、14.69ミリモル)、KCO(2.23g、16.16ミリモル)、1,10−フェナントロリン(0.13g、0.73ミリモル)、CuI(0.14g、0.73ミリモル)およびDMSO(60mL)を共に加え、脱泡する。
次いで混合物をN下130℃で、12h加熱する。混合物を冷却し、14%水性NHOH(200mL)およびEtOAc(200mL)を加える。混合物をセライトで濾過し、EtOAcで洗う。濾液をEtOAcで抽出し、コンバインした有機溶液を塩水で洗い、MgSO上で乾燥する。これを濃縮し、シリカゲルにて50〜100%ヘキサン/EtOAcのクロマトグラフィーで精製して、3.46gの所望生成物を得る(67%)。MS(ES):355.2(M+H)
パートC:ベンジル・{1−[4−({[1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−3−フルオロフェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}メチル(メチル)カルバメートの製造
製造実施例Aの記載に準じ製造した1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(1.00g、3.34ミリモル)を、20mLのCHCl中、N下室温にて撹拌する。塩化オキサリル(0.43mL、5.01ミリモル)を加えた後、数滴のDMFを加える。混合物を2h撹拌する。溶媒を除去し、得られる固体を減圧乾燥する。
次にこの固体を50mLのCHClに溶解し、上記パートBのベンジル・{1−[4−({[1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−3−フルオロフェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}メチル(メチル)カルバメート1.32g、3.34ミリモル]を加えた後、DMAP(1.02g、8.35ミリモル)を加える。混合物をN下室温で、12h撹拌する。これをCHClで希釈し、水および塩水で洗い、MgSO上で乾燥し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルにて、50〜100%ヘキサン/EtOAcのクロマトグラフィーで精製して、1.10gの所望生成物を得る(52%)。MS(ES):636.1(M+H)
パートD:N−[4−(2−{[(メチル)アミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトヒドロキサム酸(0.40g、5.34ミリモル)を、10mLのDMFに溶解する。KCO(0.98g、7.12ミリモル)を加えた後、1mLの水を加える。混合物をN下室温で30分間撹拌し、10mLのDMF中の上記パートCのベンジル・{1−[4−({[1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]カルボニル}アミノ)−3−フルオロフェニル]−1H−イミダゾール−2−イル}メチル(メチル)カルバメート(1.13g、1.78ミリモル)の溶液を加える。得られる混合物をN下、室温にて12h撹拌する。反応混合物に水を加える。形成した沈殿物を濾別し、乾燥する。MS(ES):647.1(M−H)
次に上記固体を20mLのTFAと共に、N下で30分間還流する。TFAを除去する。残渣を逆相HPLC(C18逆相カラム、HO/CHCN勾配+0.05%TFAで溶離)で精製して、0.61gの所望生成物をビスTFA塩で得る。MS(ES):515.0(M+H)
H−NMR(DMSO−d):δ10.81(s、1H)、9.18(bs、2H)、8.10(d、1H)、7.80(t、1H)、7.73(s、1H)、7.70(d、1H)、7.67(d、1H)、7.58(m、4H)、7.35(d、1H)、7.19(d、1H)、6.62(bs、1H)、4.28(bs、2H)、2.63(bs、3H)
実施例2
N−[4−(2−[メチルアミノメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミジノ−4−ヒドロキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド・ビス(トリフルオロ酢酸)塩の製造
Figure 2005527485
実施例1のN−[4−(2−{[メチルアミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド・ビス(トリフルオロ酢酸)塩(100mg)を、10%Pd/C(10mg)およびメタノール(20mL)と共に、35psiにて30分間水素添加する。混合物をセライトで濾過し、濃縮し、乾燥して58mgの所望生成物をビスTFA塩で得る。
H−NMR(MeOH−d):δ7.93(t、1H)、7.81(d、1H)、7.64(dd、1H)、7.40(m、3H)、7.30(d、1H)、7.28(s、1H)、7.12(d、1H)、4.29(s、2H)、2.74(s、3H)、2.01(s、2H)
MS(ES):517.3(M+H)
実施例3
N−[4−(2−[ヒドロキシメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド・トリフルオロ酢酸塩
Figure 2005527485
パートA:2−ヒドロキシメチル−1H−イミダゾールの製造
2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(5.0g、52.0ミリモル)を、200mLのメタノールに懸濁する。NaBH(3.95g、0.10ミリモル)を少量づつ加える。反応混合物をN下、室温にて1h撹拌する。10mLの塩水で反応を抑える。溶媒を除去する。固体を5%MeOH/CHClで洗う。無機固体を濾去する。濾液を濃縮し、5%MeOH/CHClのクロマトグラフィーに付して、2.32gのオフホワイト固体を得る(収率、45.2%)。
H−NMR(DMSO−d):δ6.86(s、2H)、4.40(s、2H)
パートB:1−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシメチルイミダゾールの製造
上記パートAの2−ヒドロキシメチル−1H−イミダゾール(2.30g、23.47ミリモル)、2−フルオロ−4−ヨードアニリン(5.56g、23.47ミリモル)、KCO(1.56g、25.82ミリモル)、1,10−フェナントロリン(0.42g、2.35ミリモル)、CuI(0.45g、2.35ミリモル)およびDMSO(50mL)を共に加え、脱泡する。次いで混合物をN下、130℃にて12h加熱する。混合物を冷却し、14%水性NHOH(200mL)およびEtOAc(200mL)を加える。
混合物をセライトで濾過し、EtOAcで洗う。濾液をEtOAcで抽出し、コンバインした有機溶液を塩水で洗い、MgSO上で乾燥する。これを濃縮し、シリカゲルにて5%MeOH/CHClのクロマトグラフィーで精製して、0.48gの所望生成物を得る(10%)。MS(ES):208.2(M+H)
H−NMR(DMSO−d):δ7.27(m、2H)、7.06(dd、1H)、6.94(s、1H)、6.83(t、1H)、5.41(s、2H)、5.34(t、1H)、4.36(d、2H)
パートC:1−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)イミダゾールの製造
1−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシメチルイミダゾール(0.48g、2.32ミリモル)、TBDMSCl(0.52g、3.48ミリモル)およびEtN(0.65mL、4.64ミリモル)を、20mLのDMFに溶解する。混合物をN下、室温にて12h撹拌する。これを水で希釈し、EtOAcで抽出し、コンバインした有機溶液を塩水で洗い、MgSO上で乾燥する。これを濃縮し、シリカゲルにて5%MeOH/CHClのクロマトグラフィーで精製して、0.50gの所望生成物を得る(67%)。
H−NMR(CDCl):δ7.20(d、1H)、7.02(m、3H)、6.78(t、1H)、4.56(s、2H)、3.84(bs、2H)、0.82(sd、9H)、0.00(s、6H)
パートD:N−[4−[(2−t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)−1H−イミダゾール−1−イル]−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
製造実施例Aの1−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(0.45g、1.50ミリモル)を20mLのCHCl中、N下室温にて撹拌する。塩化オキサリル(0.20mL、2.25ミリモル)を加えた後、数滴のDMFを加える。混合物を2h撹拌する。溶媒を除去し、得られる固体を減圧乾燥する。次いでこの固体を20mLのCHClに溶解し、上記パートCの1−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)イミダゾール(0.48g、1.50ミリモル)を加えた後、DMAP(0.50g、4.25ミリモル)を加える。
混合物をN下、室温にて12h撹拌する。これをCHClで希釈し、水および塩水で洗い、MgSO上で乾燥し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルにて、50%ヘキサン/EtOAcのクロマトグラフィーで精製して、0.48gの所望生成物を得る(53%)。MS(ES):603.31(M+H)
H−NMR(CDCl):δ8.54(s、1H)、8.18(t、1H)、7.78(m、2H)、7.50、4.56(s、2H)、3.84(bs、2H)、0.82(sd、9H)、0.00(s、6H)
パートE:N−[4−[(2−[ヒドロキシメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
アセトヒドロキサム酸(0.18g、1.80ミリモル)を、5mLのDMFに溶解する。KCO(0.44g、3.20ミリモル)を加えた後、数滴の水を加える。混合物をN下室温にて30分間撹拌し、上記パートDの生成物(0.48g、0.80ミリモル)の溶液を加える。得られる混合物をN下、室温にて12h撹拌する。反応混合物に水を加える。形成した沈殿物を濾別し、乾燥する。MS(ES):616.3(M+H)
上記固体を20mLのTHFに溶解する。フッ化テトラブチルアンモニウム(1M溶液、1.66mL)を加え、混合物をN下、室温にて1h撹拌する。THFを除去する。残渣をEtOAcと水間に分配する。有機溶液を水および塩水で洗い、MgSO上で乾燥し、濃縮して0.36gの明黄色固体を得る(90%)。
この固体は純度約95%で、これをさらに精製せずに次工程に用いる。少量分を逆相HPLC(C18逆相カラム、HO/CHCN勾配+0.05%TFAで溶離)で精製して、所望生成物をTFA塩で得る。MS(ES):502.2(M+H)
H−NMR(DMSO−d):δ10.86(s、1H)、8.10(d、1H)、7.90(m、2H)、7.70(m、4H)、7.58(d、1H)、7.50(d、1H)、6.62(bs、1H)、4.68(s、2H)
実施例4
N−[4−[(2−[アミノメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド・ビス(トリフルオロ酢酸)塩
Figure 2005527485
実施例3のN−[4−(2−[ヒドロキシメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミノ−1,2−ベンズイソキサゾール−5−イル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(0.21g、0.42ミリモル)を、20mLのCHClに溶解する。PBr(0.18mL、1.76ミリモル)を加える。混合物をN下、室温にて12h撹拌する。水で反応を抑え、CHClで抽出する。有機溶液を水および塩水で洗い、MgSO上で乾燥し、濃縮して0.18gの所望ブロミドを得る。MS(ES):567.3(M+H)
ブロミドを5mLのDMFに溶解し、NaN(62.0mg、1.26ミリモル)を加える。混合物をN下50℃にて2h加熱する。反応混合物を冷却し、水を加える。これをEtOAcで抽出する。有機溶液を塩水で洗い、MgSO上で乾燥し、濃縮して0.08gの所望アジドを無色油状物で得る。MS(ES):529.4(M+H)
上記油状物をSnCl(240mg)と共に、10mLのMeOH中で1h還流する。これを冷却し、反応を抑え、セライトで濾過し、EtOAcで洗う。濾液を濃縮し、逆相HPLC(C18逆相カラム、HO/CHCN勾配+0.05%TFAで溶離)で精製して、所望生成物をTFA塩で得る。MS(ES):501.4(M+H)
H−NMR(DMSO−d):δ10.80(s、1H)、8.38(bs、2H)、8.05(s、1H)、7.76(t、1H)、7.68−7.50(m、5H)、7.32(d、1H)、7.16(s、1H)、4.10(s、2H)
実施例5
N−[4−[(2−[ジメチルアミノメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミジノ−4−ヒドロキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド
Figure 2005527485
パートA:2−ジメチルアミノメチルイミダゾールの製造
MeOH(400mL)中の2−イミダゾールカルボキシアルデヒド(50g、0.52モル)の懸濁液に、ジメチルアミン溶液(40%水性、400mL)を室温で加える。混合物をN下、RTにて2h撹拌する。ホウ水素化ナトリウム固体(50g、1.32モル)を注意して少量づつ加え、その間氷浴で冷却する。
添加終了後、反応液を56℃に3h加熱し、次いでRTまで冷却せしめる。塩水で反応を抑え、CHClで抽出する。CHCl抽出物を塩水で洗い、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧濃縮して所望生成物(43.8g)をワックス状固体で得る(収率67%)。
H−NMR(CDCl):δ6.98(s、2H)、3.62(s、2H)、2.30(s、6H)
パートB:2−フルオロ−4−[(2−ジメチルアミノメチル)イミダゾール−1−イル]−アニリンの製造
還流コンデンサーおよび内部温度プローブを備えた500mLのRBFに、2−フルオロ−4−ヨードアニリン(9.8g、0.0415モル)、KCO(11.5g、0.083モル、2当量)、Cu(I)I(1.58g、0.083モル、0.2当量)、2−ジメチルアミノメチルイミダゾール(7.8g、0.023モル、1.5当量)およびDMSO(300mL)を加える。反応内容物を120℃に一夜加熱する。RTに冷却後、反応液を塩水(1L)とEtOAc(500mL×2)間に分配する。水性層を別途CHCl(500mL)で抽出し、分離保持する。
有機油状物を塩水で洗い、乾燥し(MgSO)、濾過し、濃縮する。粗黒色油状物(37g、DMSOと共に)をシリカゲルにて、クロマトグラフィー[最初CHClで、次いでCHCl(1L w/濃アンモニア8滴)、次いで5%MeOH/CHCl(1L w/濃アンモニア8滴)、最後に5%MeOH/CHCl(5L w/濃アンモニア40滴)で溶離]に付し精製する。生成物を黄褐色ワックス状固体(5.6g)で単離する(収率58%)。
H−NMR(CDCl):δ7.32(dd、1H)、7.09−7.01(m、2H)、6.81(t、1H)、3.92(br s、2H)、3.36(s、2H)、2.25(s、6H)
パートC:1−(3'−シアノ−4'−フルオロフェニル)−3−トリフルオロメチル−N−[2−フルオロ−4−[(2'−ジメチルアミノメチル)イミダゾール−1−イル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキシアミド
1Lのジクロロメタン中の製造実施例Aの酸(38.31g、0.128モル)の懸濁液に、塩化オキサリル(32.5g、0.256モル)およびDMF(0.5mL)を加える。混合物をRTで1h撹拌し、次いで1h還流する。溶液中の溶媒と過剰試薬を蒸発せしめ、酸クロリドを黄色固体で得る。固体を1Lのジクロロメタンに溶解し、氷浴で冷却する。
これに、2−フルオロ−4−[(2−ジメチルアミノメチル)−イミダゾール−1−イル]−アニリン(30g、0.128モル)およびジメチルアミノピリジン(31.3g、0.256モル)を加える。溶液を周囲温度で一夜撹拌する。溶液を水(200mL×3)、塩水(200mL)で洗い、乾燥し(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜5%MeOH/CHCl)により、56.1g(収率85%)の所望生成物を得る。
H−NMR(CDCl):δ8.27(t、1H)、8.17(br、1H)、7.86−7.79(m、2H)、7.74(dd、1H)、7.40−7.34(m、2H)、7.20(s、1H)、7.10−7.08(m、2H)、3.37(s、2H)、2.26(s、6H)
MS561.2(M+H)
パートD:1−(3'−アミノベンズイソキサゾール−5'−イル)−3−トリフルオロメチル−N−[2−フルオロ−4−[(2'−ジメチルアミノメチル)イミダゾール−1−イル]フェニル]−1H−ピラゾール−5−カルボキシアミドの製造
機械撹拌器を持つ2Lフラスコに、カリウム・t−ブトキシド(19.5g、0.157モル)、アセトヒドロキサム酸(11.77g、0.157モル)および500mLのDMFを加える。この混合物から急速に、どろっとした白色沈殿物が生成する。40分後、上記パートCの生成物(26.93g、0.052モル)を固体で一度に加える。混合物は褐色に変わり、非常に流動性となる。
撹拌を室温で一夜続ける。混合物を、500mLの水性塩化アンモニウムおよび500mLの酢酸エチル含有の分液漏斗に注ぐ。振とう後、下の水性相が急速に分離する。これを吸引除去し、有機相を再度、500mLの水で洗う。界面に固体が形成し、これを濾別する(重量8g)。濾過および100mLに蒸発後、別に5.5gの固体が沈殿する。最初の水性洗液を再度、500mLの酢酸エチルで抽出する。これを400mLの水で洗い、次いで蒸発して75mLとする。
別途6gの固体を集める。第2の水性洗液を再度、500mLの酢酸エチルで抽出する。これを400mLの水で洗い、次いで蒸発して75mLとする。別途2gの固体を集める。全ての画分をコンバインして、23.6g(収率86%)の所望生成物を得る。
H−NMR(DMSO−d):δ8.10(d、1H)、7.73−7.68(m、4H)、7.59(d、1H)、7.49(d、1H)、7.46(d、1H)、7.00(d、1H)、6.59(s、2H)、3.34(s、2H)、2.13(s、6H)
MS(ES)529.2(M+H)
パートE:N−[4−(2−[ジメチルアミノメチル]−1H−イミダゾール−1−イル)−2−フルオロフェニル]−1−(3−アミジノ−4−ヒドロキシフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの製造
上記パートDの生成物(57mg)を、10%Pd/C(5mg)およびメタノール(20mL)と共に、35psiにて30分間水素添加する。混合物をセライトで濾過し、濃縮し、乾燥して33.5mgの所望生成物を得る。
H−NMR(MeOH−d):δ7.94(t、1H)、7.81(d、1H)、7.64(dd、1H)、7.40(d、1H)、7.34(d、3H)、7.06(s、1H)、6.75(d、1H)、3.45(s、2H)、2.20(s、6H)
MS(ES)531.1(M+H)
有用性
本発明の化合物は、哺乳類の血栓塞栓障害(すなわち、第Xa因子−関連障害)の処置または予防のための抗凝固剤として有用な第Xa因子のインヒビターである。一般に、血栓塞栓障害は、血餅によって起こる循環系疾患(すなわち、フィブリン形成、血小板賦活および/または血小板凝集を伴う疾患)である。
本明細書で用いる語句“血栓塞栓障害”とは、動脈の心臓血管血栓塞栓障害、静脈の心臓血管血栓塞栓障害および心臓の室の血栓塞栓障害を包含する。
また本明細書で用いる語句“血栓塞栓障害”とは、これらに限定されるものでないが、不安定狭心症または他の急性冠症候群、一次または再発心筋梗塞、虚血性急死、一過性脳虚血発作、発作、アテローム硬化症、末梢閉塞動脈疾患、静脈血栓症、深静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、および(a)人工器官弁または他の移植片、(b)内在カテーテル、(c)ステント、(d)心肺バイパス、(e)血液透析、または(f)血栓症を増進する人工面に血液をさらす他の手術によって生じる血栓症から選ばれる特殊な障害も包含する。
注目される点は、血栓症が閉塞(たとえばバイパス形成の後)および再閉塞(たとえば経皮管腔冠血管形成の途中または後)を包含することである。血栓塞栓障害は、これらに限定されるものでないが、アテローム硬化症、手術または外科的合併症、長期不動化、動脈細動、先天性血栓形成傾向、癌、糖尿病、薬物またはホルモンの作用、および妊娠の合併症を含む条件に起因しうる。本発明化合物の抗凝固剤作用は、第Xa因子またはトロンビンの抑制に基づくものと思われる。
本発明化合物の第Xa因子のインヒビターとしての有効性は、精製したヒト第Xa因子および合成基質を用いて決定する。色素形生基質S2222(オハイオ州ウエスト・チェスターのDiapharma/Chromogenix)の第Xa因子加水分解の速度は、本発明化合物の非存在および存在の両方で測定する。基質の加水分解は、pNAの放出をもたらし、405nMの吸光度の増加を測定することにより、吸光分光分析で監視する。インヒビター存在下の405nmでの吸光度変化の速度の減少は、酵素抑制を表示する。このアッセイの結果を、抑制定数Kiとして表わす。
第Xa因子測定は、0.10M−リン酸ナトリウム緩衝剤(pH7.5、0.20M−NaClおよび0.5%のPEG8000を含有)中で行なう。基質加水分解のミハエリス定数Kmは、Lineweaver およびBurk の方法を用いて25℃で測定する。Kiの値は、0.2〜0.5nMのヒト第Xa因子(インディアナ州サウス・ベンドのEnzyme Research Laboratories)をインヒビターの存在下、基質(0.20mM〜1mM)と反応させることによって、測定する。
反応を30分間進行せしめ、速度(吸光度変化対時間の割合)は、25〜30分の時間枠で測定する。下記の関係式を用いて、Ki値を算出する。
(Vo‐Vs)/Vs=I/(Ki(1+S/Km))
ここで、
Voはインヒビター非存在下の対照の速度;
Vsはインヒビター存在下の速度;
Iはインヒビターの濃度;
Kiは酵素:インヒビター複合体の解離定数;
Sは基質の濃度;
Kmはミハエリス定数
である。
上記アッセイで試験した化合物は、10μMのKiを示せば、活性であるとみなす。本発明の好ましい化合物は、1μMのKiを有する。本発明のより好ましい化合物は、0.1μMのKiを有する。本発明のよりいっそう好ましい化合物は、0.01μMのKiを有する。本発明のなおよりいっそう好ましい化合物は、0.001μMのKiを有する。上記の方法論を用い、数多くの本発明化合物が10μMのKiを示すことが認められ、これによって、本発明化合物の有効な第Xa因子インヒビターとしての有用性が確認される。
本発明化合物の抗血栓作用は、ラビットの動静脈(AV)シヤント血栓症モデルにおいて証明することができる。このモデルで、キシラジン(10mg/kg i.m.)およびケタミン(50mg/kg i.m.)の混合物で麻酔した体重2〜3kgのラビットを用いる。大腿動脈および大腿静脈カニューレ間に、食塩水−充填AVシヤント器具を接続する。AVシヤント器具は、1本の絹糸を含有する1本の6cm tygon チューブから成る。血液は、大腿動脈からAVシヤントを経由して大腿静脈に流れる。
流れる血液が絹糸に浸漬すると、有意の血栓の形成が誘発する。40分後、シヤントを外し、血栓でおおった絹糸を計量する。AVシヤントの開放に先立ち、試験物質またはビヒクルを付与する(i.v.、i.p.、s.c. または経口)。各処置グループの血栓形成の抑制百分率を測定する。直線回帰によって、ID50値(血栓形成の50%抑制をもたらす用量)を概算する。
また本発明化合物は、セリン・プロテアーゼ、特にヒトトロンビン、第VIIa因子、第IXa因子、第XIa因子、ウロキナーゼ、血漿カリクレインおよびプラスミンのインヒビターとしても有用となりうる。これらの化合物は、その抑制作用のため、上記種類の酵素によってひき起こる、生理学的反応、血液凝固および炎症の予防または処置での使用に必要である。本質的に該化合物は、心筋梗塞などの高いトロンビン活性から起こる疾患の処置用薬物として、および診断および他の商業目的のため血液から血漿加工での抗凝固剤としての有用性を有する。
本発明化合物の幾つかは、精製した系中のトロンビンにより小分子基質の開裂を抑制する能力によって、セリン・プロテアーゼトロンビンの直接作用するインヒビターであることが認められる。インビトロの抑制定数は、Kettnerらの「J.Biol.Chem.」(265、18289−18297、1990年)に記載の方法で決定する。これらのアッセイにおいて、色素形生基質S2238(テキサス州ボーモントのヘレナ・ラボラトリーズ)のトロンビン−仲介加水分解を、吸光分光分析で監視する。
アッセイ混合物へのインヒビターの添加は、吸光度の減少をもたらし、これはトロンビン抑制を表示する。0.10M−リン酸ナトリウム緩衝剤(pH7.5)、0.20M−NaCl、および0.5%のPEG6000中の、0.2nM濃度のヒトトロンビン(インディアナ州サウス・ベンドのEnzyme Research Laboratories,Inc.)を、種々の基質濃度0.20〜0.02mMで培養する。
25〜30分の培養後、基質加水分解によって起こる、405nmでの吸光度増加の速度を監視することにより、トロンビン活性を検定する。抑制定数は、Lineweaver およびBurkの標準方法を用い、基質濃度を関数として反応速度の逆プロットから得られる。上記の方法論を用い、本発明化合物の幾つかは評価により、10μm以下のKiを示すことが認められ、これにより、本発明化合物の有効なトロンビン・インヒビターとしての有用性が確認される。
本発明化合物は、それ単独または追加の治療剤の1種以上と組合せて投与するこができる。これらの治療剤としては、他の抗凝固剤または凝固抑制剤、抗血小板剤または血小板抑制剤、トロンビンインヒビター、または血栓崩壊剤またはフィブリン溶解剤が挙げられる。
化合物は、治療上有効量で哺乳類に投与される。“治療上有効量”とは、単独または追加の治療剤と組合せて投与したとき、血栓塞栓疾患病態または疾患の進行を予防または改善するのに有効な、本発明化合物の量を意味する。
“組合せ投与”または“組合せ療法”とは、処置される哺乳類に本発明化合物と追加の治療剤の1種以上とを共に投与することを意味する。組合せ投与のとき、それぞれの成分を同時に、または異なる時点のいずれの順序でも連続して投与しうる。すなわち、各成分は別々ではあるが、所望の治療効果が得られるように、時間的に十分接近して投与しうる。
本発明化合物と組合せて使用しうる他の抗凝固剤(または凝固抑制剤)としては、ワルファリンおよびヘパリン(未精留ヘパリンまたはいずれかの商業上入手しうる低分子量ヘパリン)、合成ペンタサッカリド、ヒルジンやアルガトロバン(argatroban)を含む直接作用トロンビン・インヒビター並びに他の第Xa因子インヒビター、たとえば前記背景技術で示した刊行物に記載のものが挙げられる。
本明細書で用いる語句“抗血小板剤”(または血小板抑制剤)とは、たとえば血小板の凝集、癒着または顆粒分泌の抑制により、血小板機能を抑制する作用物質を意味する。かかる作用物質としては、これらに限定されるものでないが、各種公知の非ステロイド系抗炎症性薬物(NSAIDS)、たとえばアスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、スリンダク、インドメタシン、メフェナメート、ドロキシカム(droxicam)、ジクロフェナック(diclofenac)、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、およびこれらの医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグが挙げられる。NSAIDSの中で、アスピリン(アセチルサリチル酸またはASA)およびピロキシカムが好ましい。
他の適当な血小板抑制剤としては、IIb/IIIaアンタゴニスト(たとえばチロフィバン(tirofiban)、エプチフィバチド(eptifibatide)およびアブシキシマブ(abciximab))、トロンボキサン−A−レセプタ・アンタゴニスト(たとえばイフェトロバン(ifetroban))、トロンボキサン−A−シンセターゼ・インヒビター、PDE−IIIインヒビター(たとえばジピリダモール)、およびこれらの医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグが挙げられる。
また本明細書で用いる語句“抗血小板剤”(または血小板抑制剤)とは、ADP(アデノシン・ジホスフェート)レセプタ・アンタゴニスト、好ましくはプリン作用性レセプタPおよびP12のアンタゴニストを包含することが意図され、P12がよりいっそう好ましい。好ましいP12レセプタ・アンタゴニストとしては、チクロピジン(ticlopidine)およびクロピドグレル(clopidogrel)(これらの医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグを含む)が挙げられる。クロピドグレルがよりいっそう好ましい物質である。またチクロピリジンやクロピドグレルは、使用中に胃腸管にやさしいことが知られていることから、好ましい化合物である。
本明細書で用いる語句“トロンビン・インヒビター”(または抗トロンビン剤)とは、セリン・プロテアーゼトロンビンのインヒビターを意味する。トロンビンを抑制することにより、種々のトロンビン−仲介プロセス、たとえばトロンビン−仲介血小板賦活(すなわち、たとえば血小板の凝集、および/またはプラスミノゲン・アクチベータ・インヒビター−1および/またはセロトニンの顆粒分泌)および/またはフィブリン形成が中断する。
数多くのトロンビン・インヒビターが当業者にとって公知であり、これらのインヒビターは本発明化合物と組合せて使用すべきことが予測される。かかるインヒビターとしては、これらに限定されるものでないが、ボロアルギニン(boroarginine)誘導体、ボロペプチド、ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバンおよびメラガトラン(melagatran)が挙げられ、これらの医薬的に許容しうる塩およびプロドラッグも含まれる。
ボロアルギニン誘導体およびボロペプチドとしては、ボロン酸のN−アセチルおよびペプチド誘導体、たとえばリシン、オルニチン、アルギニン、ホモアルギニンおよび対応するそのイソチオウロニウム類縁体のC−末端α−アミノボロン酸誘導体が挙げられる。本明細書で用いる語句“ヒルジン”は、ヒルジンの適当な誘導体もしくは類縁体(本明細書においてヒルログと称す)、たとえばジスファトヒルジンを包含する。
本明細書で用いる語句“血栓崩壊剤”または“フィブリン溶解剤”とは、血餅(血栓)を溶解する作用物質を意味する。かかる作用物質としては、組織プラスミノゲン・アクチベータ(天然または組換え型)およびその変異体、アニストレプラーゼ(anistreplase)、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ(tenecteplase)(TNK)、ラノテプラーゼ(lanoteplase)(nPA)、第VIIa因子インヒビター、PAI−1インヒビター(すなわち、組織プラスミノゲン・アクチベータ・インヒビターのインアクチベータ)、アルファ2−抗プラスミン・インヒビター、およびアニソイル化プラスミノゲン・ストレプトキナーゼ・アクチベータ複合体が挙げられ、これらの医薬的に許容しうる塩またはプロドラッグも含まれる。
本明細書で用いる語句“アニストレプラーゼ”とは、たとえばEP028489に記載の、アニソイル化プラスミノゲン・ストレプトキナーゼ・アクチベータ複合体を指称する。本明細書で用いる語句“ウロキナーゼ”とは、二重および単鎖ウロキナーゼの両方を意味するもので、後者を本明細書でプロウロキナーゼと称す。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗不整脈剤の具体例としては、クラスI作用物質(たとえばプロパフェノン(propafenone));クラスII作用物質(たとえばカルバジオール(carvadiol)およびプロプラノロール);クラスIII作用物質(たとえばソタロール、ドフェチリド(dofetilide)、アミオダロン、アジミリド(azimilide)およびイブチリド(ibutilide));クラスIV作用物質(たとえばジチアゼム(ditiazem)およびベラパミル);IAchインヒビターやIKurインヒビターなどのKチヤネル・オープナー(たとえばWO01/40231に開示の如き化合物)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗高血圧剤の具体例としては、アルファ・アドレナリン作用性ブロッカー;ベータ・アドレナリン作用性ブロッカー;カルシウムチヤネル・ブロッカー(たとえばジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アンロジピン(amlodipine)およびミベフラジル(mybefradil));利尿薬(たとえばクロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸、トリクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン(musolimine)、ブメタニド、トリアムトレネン、アミロリド、スピロノラクトン);
レニンインヒビター;ACEインヒビター(たとえばカプトプリル、ゾフェノプリル、ホシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル);AT−1レセプタ・アンタゴニスト(たとえばロサータン、イルベサータン(irbesartan)、バルサータン);ETレセプタ・アンタゴニスト(たとえばシタックスセンタン(sitaxsentan)、アトルセンタン(atrsentan)およびU.S.特許No.5612359および6043265に開示の化合物);二元ET/AIIアンタゴニスト(たとえばWO00/01389に開示の化合物);中性エンドペプチダーゼ(NEP)インヒビター;バソペプジダーゼ・インヒビター(二元NEP−ACEインヒビター)(たとえばオマパトリラット(omapatrilat)、ジエモパトリラット(gemopatrilat)およびニトレート)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適なカルシウムチヤネル・ブロッカー(L型またはT型)の具体例としては、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アンロジピンおよびミベフラジルが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な強心薬グリコシドの具体例としては、ジギタリスおよびウアバインが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な利尿薬の具体例としては、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸、トリクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン、ブメタニド、トリアムトレネン、アミロリドおよびスピロノラクトンが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な鉱質コルチコイド・レセプタ・アンタゴニストの具体例としては、スピロノラクトンおよびエプリリノン(eplirinone)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適なホスホジエステラーゼ・インヒビターの具体例としては、PDE IIIインヒビター(たとえばシロスタゾル(cilostazol))およびPDEVインヒビター(たとえばシルデナフィル(sildenafil))が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適なコレステロール/脂質降下剤および脂質プロフィール・セラピーの具体例としては、HMG−CoAレダクターゼ・インヒビター(たとえばプラバスタチン・ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、NK−104(a.k.a.イタバスタチン、またはニスバスタチン)およびZD−4522(a.k.a.ロスバスタチン、またはアタバスタチンもしくはビサスタチン));スクアレンシンセターゼ・インヒビター;フィブレート;胆汁酸金属イオン封鎖剤(たとえばクエストラン(questran));ACATインヒビター;MTPインヒビター;リポオキシゲナーゼ・インヒビター;コレステロール吸収インヒビター;およびコレステロールエステル転移たん白インヒビター(たとえばCP−529414)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗糖尿病剤の具体例としては、ビグアニド(たとえばメトホルミン);グルコシダーゼ・インヒビター(たとえばアカーボース(acarbose));インスリン(インスリン分泌促進薬またはインスリン感作物質も含む);メグリチニド(たとえばレパグリニド);スルホニルウレア(たとえばグリメピリド、グリブリドおよびグリピジド);ビグアニド/グリブリド組合せ(たとえばグルコバンス(glucovance))、チオゾリジンジオン(たとえばトログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPAR−アルファ作用薬、PPAR−ガンマ作用薬、PPARアルファ/ガンマ二元作用薬、SGLT2インヒビター、脂肪酸結合たん白(aP2)のインヒビター、たとえばWO00/59506に開示のもの、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、およびジペプチジル・ペプチダーゼIV(DP4)インヒビターが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗うつ剤の具体例としては、ネファゾドン(nefazodone)およびセルトラリン(sertraline)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗炎症剤の具体例としては、プレドニゾン;デキサメタゾン;エンブレル(enbrel);たん白チロシン・キナーゼ(PTK)インヒビター;シクロオキシゲナーゼ・インヒビター(NSAIDs、およびCOX−1および/またはCOX−2インヒビターも含む);アスピリン;インドメタシン;イブプロフェン;プリオキシカム(prioxicam);ナプロキセン;セレコキシブ(celecoxib);および/またはロフェコキシブ(rofecoxib)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗骨粗しょう症剤の具体例としては、アレンドロネート(alendronate)およびラロキシフエン(raloxifene)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適なホルモン交換セラピーの具体例としては、エストロゲン(たとえば抱合卵胞ホルモン)およびエストラジオールが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗凝固剤の具体例としては、ヘパリン(たとえばエノキサパリン(enoxaparin)およびダルテパリン(dalteparin)などの未精留および低分子量ヘパリン)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗肥満剤の具体例としては、オルリスタット
(orlistat)およびaP2インヒビター(たとえばWO00/59506に開示のもの)が挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗不安剤の具体例としては、ジアゼパム、ロラゼパム、ブスピロン、およびヒドロキシジン・パモエートが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗増殖剤の具体例としては、シクロスポリンA、パクリタキセル、アドリアマイシン、エピチロン(epithilones)、シスプラチンおよびカルボプラチンが挙げられる。
本発明化合物との組合せ使用に好適な抗潰瘍および胃食道逆流疾患剤の具体例としては、ファモチジン、ラニチジンおよびオメプラゾール(omeprazole)が挙げられる。
本発明化合物(すなわち、第1治療剤)と少なくとも1種の追加の治療剤(すなわち、第2治療剤)の組合せ投与により好ましくは、かかる化合物や作用物質のそれぞれ単独にまさる薬効利点が付与され、かつこの間、それぞれ低用量使用を可能ならしめること(すなわち、相乗組合せ)が好ましい。低用量は副作用の可能性を最小化し、これによって安全の限界を高める。治療剤の少なくとも一方を、サブ治療用量で投与するのが好ましい。
治療剤の全てをサブ治療用量で投与するのがよりいっそう好ましい。サブ治療とは、それ自体では処置される病態もしくは疾患に対し所望の治療効果を付与しない治療剤の量を意味する。相乗組合せとは、組合せたときに見られる効果が、それぞれの治療剤を単独投与したときの合計効果より大きいことを意味する。
また本発明化合物は、第Xa因子の抑制を必要とする試験またはアッセイにおいて、標準もしくは対照化合物、たとえば品質規格または品質管理としても有用である。かかる化合物は、たとえば第Xa因子を伴う医薬リサーチに用いる、市販キットで提供されてよい。
たとえば、本発明化合物を、未知活性を持つ化合物に対し、その既知活性と比較するアッセイの対照として使用することができる。このことは実験者に、アッセイが正確に行なわれていることを保証し、かつ特に試験化合物が対照化合物の誘導体であるときに、比較の基準を付与する。新しいアッセイまたはプロトコルを開発するとき、本発明に係る化合物は、それらの有効性を試験するのに使用できる。
また本発明化合物は、第Xa因子を伴う診断アッセイでも使用しうる。たとえば、試験サンプルおよび必要に応じて本発明化合物の1種を含有する一連の溶液に、色素形生基質S2222を加えることにより、未知サンプル中の第Xa因子の存在を確定することができる。試験サンプルを含有するが、本発明化合物は存在しない溶液においてpNAの産生が見られる場合、第Xa因子の存在が推断される。
また本発明は、1つの製品を包含する。本明細書で用いる“製品”とは、これらに限定されるものでないが、キットおよびパッケージを包含する。本発明の製品は、(a)第1容器;(b)第1容器内にあって、本発明化合物またはその医薬的に許容しうる塩からなる第1治療剤を包含する医薬組成物;および(c)上記医薬組成物が血栓塞栓障害(前記の)の処置に使用できることを示す包装インサート(package insert)から成る。
他の具体例において、包装インサートは、医薬組成物が血栓塞栓障害を処置する第2治療剤と組合せて(前記に準じて)使用できることを伝言する。製品はさらに、(d)第2容器を含有することができ、ここで、成分(a)および(b)が第2容器の中に位置し、成分(c)が第2容器の内部または外部に位置する。第1および第2容器の中に位置するとは、各容器がその境界内に単位品(item)を保持することを意味する。
第1容器は、医薬組成物を保持するのに用いる受け器である。この容器は、製造、貯蔵、輸送、および/または個々/大量販売用となりうる。第1容器は、ボトル、ジヤー、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(たとえばクリーム製剤用)、または医薬生成物の製造、貯蔵もしくは分配に用いる他の容器を包含することが意図される。
第2容器は、第1容器および必要に応じて包装インサートを保持するのに用いるものである。第2容器の具体例としては、これらに限定されるものでないが、ボックス(たとえばボール箱またはプラスチック箱)、クレート、カートン、バッグ(たとえば紙袋またはプラスチック袋)、パウチおよび大形袋が挙げられる。包装インサートは、第1容器の外面に対し、テープ、グルー、ステープル、あるいは他の取付手段で物理的に取付けられるか、または第1容器に対していずれの物理的な取付手段も用いず、第2容器の内部に静止することができる。
別法として、包装インサートは第2容器の外部に位置する。第2容器の外部に位置するとき、包装インサートはテープ、グルー、ステープルあるいは他の取付手段で物理的に取付けられているのが好ましい。別法として、それは物理的に取付けられるのでなく、第2容器の外部に隣接または触れていてもよい。
包装インサートは、第1容器内に位置する医薬組成物に関する情報を列挙するラベル、タグ、マーカー等である。列挙される情報は通常、製品の販売すべき地域を統治する規制機関(たとえば米国食品医薬品局)によって決定されるだろう。好ましくは、包装インサートは明確に、医薬組成物が認可されたことの表示を列挙する。包装インサートは、中または上に入った情報を読み取ることができるいずれかの材料から作られてよい。好ましくは、包装インサートは、所望の情報を形成した(たとえば印刷または塗った)印刷できる材料(たとえば紙、プラスチック、ボール紙、ホイル、接着剤を裏付けした紙またはプラスチック等)である。
投与および配合
本発明化合物は、錠剤、カプセル剤(これらはそれぞれ、持効性(徐放性)または時限放出製剤を含む)、丸剤、粉剤、粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤、および乳剤などの経口投与剤形で投与することができる。また本発明化合物は、静脈内(ボーラスまたは注入)、腹腔内、皮下または筋肉内の形態で投与されてよく、これらの投与形態では全て製薬分野の当業者にとって周知の投与剤形が用いられる。本発明化合物はそれ単独で投与できるが、一般には、選定した投与ルートおよび標準製薬プラクチスに基づき選択した医薬用担体と共に投与される。
本発明化合物の投与養生は勿論、公知ファクター、たとえば個々の作用物質の薬理学的特性および投与のモードおよびルート;受容者(体)の種、年令、性別、健康状態、医学条件および体重;症状の性質および程度;同時処置の種類;処置の回数;投与のルート、患者の腎および肝機能、および所望効果に基づき変化するだろう。医者または獣医は、血栓塞栓障害の進行を予防、対抗または阻止するのに必要な薬物の有効量を決定し、処方することができる。
一般ガイダンスとして、各活性成分の毎日の経口投与量は、表示の効果に対して使用するとき、約0.001〜1000mg/体重(kg)/日、好ましくは約0.01〜100mg/kg/日、最も好ましくは約1.0〜20mg/kg/日の範囲である。静脈内投与での最も好ましい用量は、一定速度注入中約1〜10mg/kg/分の範囲である。本発明化合物は1日1回用量で投与されてよく、あるいはトータル1日用量を、1日2、3または4回の分割用量で投与してもよい。
本発明化合物は、適当な鼻腔内媒体の局所使用による鼻腔内形態で、あるいは経皮スキンパッチを用いる経皮ルートによって、投与することができる。経皮輸送系の形態で投与するとき、調剤投与は勿論、投与養生を通して、断続よりもむしろ継続して行なわれるだろう。
化合物は典型例として、意図される投与形態、すなわち、経口用の錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤等に関して適宜に選択され、かつ通常の製薬プラクチスに一致する、適当な医薬用の希釈剤、賦形剤または担体(これらを集合的に本明細書で医薬用担体と称す)と混合して投与される。
たとえば、錠剤またはカプセル剤の形態の経口投与の場合、活性薬物成分を経口用非毒性の医薬的に許容しうる不活性担体、たとえばラクトース、スターチ、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等とコンバインすることができ;液体形態の経口投与の場合、経口薬物成分をいずれかの経口用非毒性の医薬的に許容しうる不活性担体、たとえばエタノール、グリセロール、水等とコンバインすることができる。
さらに、所望または必要なとき、適当な結合剤、潤滑剤、崩壊剤および着色剤も混合物に混和することができる。適当な結合剤としては、スターチ、ゼラチン、グルコースまたはベータラクトースなどの天然糖類、コーン甘味料、アカシア、トラガカントなどの天然および合成ゴム、またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が挙げられる。これらの投与剤形に用いる潤滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。崩壊剤としては、これらに限定されることなく、スターチ、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム等が挙げられる。
また本発明化合物は、リポソーム輸送系の形態、たとえば小さな単層板状小胞、大きな単層板状小胞および多層板状小胞で投与することもできる。リポソームは、種々のリン脂質、たとえばコレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンから形成することができる。
また本発明化合物は、標的可能な薬物担体としての可溶性ポリマーとカップリングさせることができる。かかるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換したポリエチレンオキシド−ポリリシンが包含されうる。
さらに、本発明化合物は、薬物の制御放出を達成するのに有用な一部類の生分解性ポリマー、たとえばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリエプシロン・カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーにカップリングさせることができる。
投与に好適な投与剤形(医薬組成物)は、投与単位当り約1〜100mgの活性成分を含有しうる。これらの医薬組成物において、活性成分は組成物全重量に対して、約0.5〜95重量%の量で存在するだろう。
ゼラチンカプセル剤は、活性成分と粉末担体、たとえばラクトース、スターチ、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等を含有しうる。圧縮錠剤を作るのに、同様の希釈剤を使用することができる。錠剤およびカプセル剤は共に、一定期間にわたり薬物の継続放出を付与する徐放性製剤として製造することができる。
圧縮製剤は、不快な味感をマスクしたり、錠剤を大気から保護するのに糖あるいはフィルムをコーティング、または胃腸管内の選択的崩壊のため腸溶コーティングすることができる。
経口投与用の液体剤形は、患者の受諾を高めるのに着色剤やフレーバーを含有することができる。
一般に、水、適当なオイル、食塩水、水性ブトウ糖(グルコース)、および関連糖溶液およびグリコール、たとえばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールが、非経口用液剤の好適な担体である。非経口投与用の液剤は好ましくは、活性成分の水溶性塩、適当な安定化剤、および要すれば、緩衝剤物質を含有する。
重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸などの酸化防止剤が、それ単独または併用して、適当な安定化剤である。クエン酸およびその塩やEDTAナトリウムも使用される。加えて、非経口用液剤は保存剤、たとえば塩化ベンザルコニウム、メチルまたはプロピルパラベン、およびクロロブタノールを含有することができる。
適当な医薬用担体は、この分野の標準参考テキストである「Remington's Pharmaceutical Sciences」(18版、ペンシルバニア州イーストンのマック・パブリッシング・カンパニー、1990年)に記載されている。
本発明化合物を他の抗凝固剤とコンバインする場合、たとえば、1日用量として患者の体重1kg当り、式Iの化合物が約0.1〜100mgおよび第2の抗凝固剤が約1〜7.5mgであってよい。錠剤投与剤形の場合、本発明化合物は一般に、投与単位当り約5〜10mgの量で、および第2抗凝固剤では約1〜5mgの量で存在すればよい。
本発明化合物を抗血小板剤と組合せて投与する場合、一般ガイダンスとして、たとえば1日用量として患者の体重1kg当り、式Iの化合物が約0.01〜25mgおよび抗血小板剤が約50〜150mg、好ましくは式Iの化合物が約0.1〜1mgおよび抗血小板剤が約1〜3mgであってよい。
式Iの化合物を血栓崩壊剤と組合せて投与する場合、たとえば1日用量として患者の体重1kg当り、式Iの化合物が約0.1〜1mgであってよく、そして血栓崩壊剤の場合では、血栓崩壊剤を単独投与するときの通常の用量を70〜80%減少させて、式Iの化合物といっしょに投与することができる。
前記第2治療剤の2種以上を式Iの化合物と共に投与する場合、代表的な1日用量および投与剤形における各成分の量は概して、治療剤を組合せ投与したときの付加的または相乗効果に鑑み、治療剤を単独投与するときの通常の用量に対して減少させることができる。
特に単一の投与単位で供すると、コンバインした活性成分間の化学的相互作用の可能性が存在する。この理由から、式Iの化合物と第2治療剤を単一の投与単位にコンバインするとき、かかる活性成分を単一の投与単位にコンバインしても、活性成分間の物理的接触が最小限となる(すなわち、少なくなる)ように処方される。
たとえば、一方の活性成分を腸溶コーティングしてもよい。活性成分の一方の腸溶コーティングによって、コンバインした活性成分間の接触を最小化するのみならず、これらの成分の一方が胃に放出せず、むしろ腸に放出するように、胃腸管でのこれらの成分の一方の放出をコントロールすることも可能となる。また活性成分の一方を、胃腸管を通して持続放出を起こし、かつコンバインした活性成分間の物理的接触の最小化にも役立つ物質でコーティングしてもよい。
さらに、徐放性成分を付加的に腸溶コーティングして、この成分の放出が腸内でのみ起こるようにすることができる。なお別のアプローチは、一方の成分を持続および/または腸溶放出性ポリマーでコーティングし、かつ活性分を分離するため、他の成分も低粘度グレードのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)または当該分野で公知の他の適切な物質でコーティングする、組合せ製品(combination products)の処方を必要とするものである。ポリマーコーティングは、他の成分との相互作用に対し追加のバリヤーを形成するのに役立つ。
本発明の組合せ製品の各成分間の接触を最小化するこれらの方法並びに他の方法については、それが単一投与剤形での投与であろうと、あるいは別々の剤形でかつ同様なやり方で同時に投与されようと、いったん本明細書の開示を身につけた、当業者によって容易に明らかとなるだろう。
上記の教えに照らし、本発明の多くの改変およびバリエーションが可能である。このため、理解すべき点は、特許請求の範囲に基づく技術的範囲内にて、本明細書で詳細に説明したものと別な方法で本発明を実施しうることである。

Claims (12)

  1. 式I:
    Figure 2005527485
    [式中、RはHまたはC1−6アルキル;
    はH;
    1−6アルケニレン−C(O)−C1−6アルキル;
    C(O)−C1−6アルキル;
    C(O)−C1−6アルキル−NR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);
    C(O)CHCHCH(NR)C(O)OR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);
    C(O)−0〜2個のRで置換されたフェニル;
    C(O)OCHOPOH;
    C(O)OCHO−C1−6アルキル;
    CHOC(O)−0〜2個のRで置換されたフェニル;
    CHOC(O)CH−炭素原子とOおよびNから選ばれる1〜2個のヘテロ原子からなり、0〜2個のRで置換された5〜6員複素環;および
    Figure 2005527485
    (ここで、星印は結合点を意味する)
    からなる群から選ばれ;
    はCl、F、Br、I、OH、C1−6アルキル、C1−6アルキル−OH、C1−6アルコキシ、およびC1−4アルキレン−OC(O)−C1−6アルキルから選ばれ;および
    はC1−6アルキル、および0〜2個のRで置換されたフェニルから選ばれる]
    で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩。

  2. Figure 2005527485
    (ここで、星印は結合点を意味する)
    、H、−CHOH、−CHOC(O)OCH、−CHOC(O)フェニル、−C(O)CH、−C(O)CHNH、−C(O)CHCHCH(NH)C(O)OH、−C(O)OCHOPOH、−C(O)OCHOC(O)CH、および−C(CH)=CHC(O)CHから選ばれる請求項1に記載の化合物。
  3. RがCH;およびRがHである請求項2に記載の化合物。
  4. RがH;およびRがHである請求項2に記載の化合物。
  5. 式II:
    Figure 2005527485
    [式中、RはH;
    C(O)−C1−6アルキル;
    C(O)−C1−6アルキル−OH;
    C(O)O−C1−6アルキル;
    C(O)OCHOPOH;および
    C(O)−0〜2個のRで置換されたフェニル
    からなる群から選ばれ;および
    はCHNR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);
    CHNR(CH)NR(ここで、Rは独立してHまたはC1−6アルキル);および
    CH−炭素原子とOおよびNから選ばれる1〜2個のヘテロ原子からなり、0〜2個のRで置換された5〜6員複素環
    から選ばれる]
    で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩。

  6. Figure 2005527485
    (ここで、星印は結合点を意味する)
    、H、−C(O)CHOH、−C(O)OCH、−C(O)CH、および−C(O)OCHOPOHから選ばれる請求項5に記載の化合物。
  7. がHである請求項6に記載の化合物。
  8. 式III:
    Figure 2005527485
    で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩。
  9. 式IV:
    Figure 2005527485
    で示される化合物、またはその医薬的に許容しうる塩。
  10. 医薬的に許容しうる担体と、治療上有効量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩から成る医薬組成物。
  11. 治療に用いる請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の化合物。
  12. 血栓塞栓障害の処置用薬剤の製造に用いる請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の化合物の使用。
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