JP2005525792A - 免疫関連疾患および他の疾患に用いる治療的抗tirc7抗体 - Google Patents

免疫関連疾患および他の疾患に用いる治療的抗tirc7抗体 Download PDF

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Abstract

末梢血分子細胞(PBMC)の増殖を阻害することができるT細胞免疫応答cDNA7(TIRC7)共刺激分子が提供される。特に、高いアフィニティのモノクローナル抗体およびキメラTIRC7抗体が記載されている。そのような抗体を含む組成物および免疫疾患の治療のためのそれらの使用が提供される。

Description

本発明は、抗T細胞免疫応答cDNA7(TIRC7)抗体およびその使用に関する。特に、本発明の抗TIRC7抗体は、免疫系の、活性化された細胞の増殖を抑制することができる。さらに本発明は、前記抗体を含む組成物、および免疫細胞の増殖を調節する方法、免疫応答関連疾患を治療する方法に関する。
本明細書のテキストを通じていくつかの書類が引用される。本明細書中で引用する書類(製造元の仕様書、説明書などを含む)のそれぞれを、ここに引用によって援用する。しかしながら、引用したいずれの書類も実際に本発明に関する先行技術であることを認容するものではない。
T細胞の活性化は、多数のシグナル伝達経路および遺伝子発現の連続的変化を含む一連のプロセスであり、その結果、T細胞は明確な亜集団、すなわちTh1およびTh2に分化し、それらはサイトカイン産生のパターンによって識別され、細胞免疫応答の様式を特徴付ける。T細胞の応答は、抗原特異的T細胞受容体(TCR)と、抗原提示細胞(APC)の表面上の主要組織適合抗原複合体(MHC)分子によって示されるペプチドとの相互作用によって開始される。さらなるシグナルは、集合的に共刺激シグナルと呼ばれる(Perez、Immunity 6 (1997)、411) CD28/CTLA4およびB7、CD40/CD40L、LFA−1およびICAM−1のような多くの膜蛋白質(Lenschow、Science 257 (1992)、789-792;Linsley、Annu. Rev. Immunol. 11 (1993)、191-212; Xu、Immunity 1 (1994)、423-431;Bachmann、Immunity 7 (1997)、549-557;Schwartz、Cell 71 (1992)、1065-1068)によって媒介される受容体−リガンド相互作用のネットワークによって提供される。これらの膜蛋白質は、異なる方法でT細胞活性化を変化させることができ(Bachmann、Immunity 7 (1997)、549-557)、これらの分子によって提供される陽性および陰性シグナルの統合によって免疫応答を調節する(Bluestone、Immunity 2 (1995)、555-559; Perez、Immunity 6 (1997)、411)。細胞の免疫応答を調節するのに効果的な物質の多くは、T細胞受容体(Cosimi、Transplantation 32 (1981)、535-539)と干渉し、共刺激シグナリングを遮断し(Larsen、Nature 381 (1996)、434-438; Blazar J. Immuno. 157 (1996)、3250-3259; Kirk、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94 (1997)、8789-8794; Linsley、Science 257 (1992)、792- 95; Turka、Proc. Natl. Acad. Sci. USA89 (1992)、11102-11105)、またはこれらの初期細胞膜トリガーより下流の細胞内活性化シグナルを阻害する(SchreiberおよびCrabtree、Immunology Today 13 (1992)、136-42)。臓器移植および自己免疫疾患におけるT細胞活性化の治療的予防は現在、下流の細胞内事象を干渉する汎免疫抑制薬に頼っている。免疫応答の特異的調節は、免疫学的研究における積年の目標となっている。
ヒト身体の免疫応答に関連する疾患の治療のための治療的手段の必要性に鑑み、本発明の技術的課題は、患者における免疫応答調節のための手段および方法を提供することである。前記技術的課題の解決は、さらに以下に示した請求の範囲で特徴づけられる実施態様を提供することによって達成される。
したがって、本発明は概して、配列番号:9〜11のいずれかに示されたアミノ酸配列を含む、またはそれによって成る抗原に結合することが可能であるモノクローナル抗体または抗原結合分子に関する。それらの抗体は、末梢血単核細胞(PBMC)の増殖を阻害することができることが好ましい。特に好ましい態様において、前記抗体は、可変領域のVおよび/またはVの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を、その可変領域に含み、前記可変領域が(a)図4(V)(配列番号:2)および図5(V)(配列番号:4)に示されたアミノ酸配列、または(b)図6(V)(配列番号:6)および図7(V)(配列番号:8)に示されたアミノ酸配列を含む。
当業者は、抗体の各可変ドメイン(重鎖Vおよび軽鎖V)が、比較的保存された4つのフレームワーク領域すなわち「FR」に隣接している、相補性決定領域すなわち「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域を含むことを知っている。本発明の抗体の可変領域に含有されるCDRは、例えば、Kabat、Sequences of Proteins of Immunological Interest (U. S. Department of Health and Human Services、第3版、1983、第4版、1987、第5版1990)にしたがって決定することができる。当業者は、上記可変ドメインを有する抗体の可変ドメインを、所望の特異性および生物学的機能をもつ他のポリペプチドまたは抗体を構築するために使用できることを容易に理解するであろう。したがって、本発明はまた、上記可変ドメインの少なくとも1つのCDRを含み、添付の実施例に記載の抗体と実質的に同一もしくは類似の結合特性を持つポリペプチドおよび抗体を包含する。当業者は、本明細書に記載されている可変ドメインまたはCDRの使用は、当該技術分野において公知の方法によって、例えば、欧州特許公報A1 0 451 216号、および欧州特許公報A1 0 549 581号に記載のように成されることを容易に理解するであろう。さらに、当業者は、CDR内または超可変ループ内にアミノ酸置換基を作製することによって、結合アフィニティを高めてもよいことを知っている(ChothiaおよびLesk、J. Mol. Biol. 196 (1987)、901-917)。それは、Kabatによって定義されたCDRと部分的に重なるものである。したがって、本発明はまた、前記CDRの1以上が、1以上、好ましくは2以内のアミノ酸置換基を含む抗体に関する。好ましくは、本発明の抗体はその片方もしくは双方のイムノグロブリン鎖に図4〜5および図6〜7のそれぞれに示された上記可変領域の2つもしくは3つ全てのCDRを含むことが好ましい。
実施例に記載されているように、本発明の抗体は、T細胞免疫応答cDNA7(TIRC7)蛋白質からのアミノ酸配列の断片を認識する。本発明に関して使用される用語「TIRC7」は、T細胞活性化のシグナル伝達および増殖に関与すると記載され、好ましくは可溶型でリンパ球混合培養におけるアロ活性化に応答して、または培養に外から加えられたマイトジェンに反応して、T細胞増殖を阻害または抑制することができる蛋白質を表す。In vitroで翻訳されたTIRC7蛋白質は、リンパ球混合培養におけるアロ活性化に応答して、またはマイトジェンに応答してT細胞の増殖を用量依存的に効果的に抑制できることが判明した。TIRC7は、当業者に公知であり、前掲書、国際公開公報第W099/11782号、Utku、Immunity 9 (1998)、509-518およびHeinemann、Genomics 57 (1999)、398-406に記載されている。これらは、TIRC7のアミノ酸および核酸配列をも開示している。
Utkuら(Immunity、1998)に示されたように、TIRC7に対するポリクローナル抗体は、用量依存的にMLRにおいて活性化T細胞の増殖を抑制した。これらの有望な結果が、そのような抗体の治療的使用を示唆する一方、高い結合特異性とアフィニティを持ち、例えば、T細胞増殖を効率的に抑制し、それによって、患者における可能性のあるHAMA反応を回避するためにそのような抗体を低用量で使用することが可能な抗体が必要であった。さらに、そのような抗体は、例えば、特定の免疫応答関連疾患、例えば、移植片に対する拒絶の治療において重要でありうるサイトカインの産生に及ぼす、異なるまたは異なって現れる効果を持つことがあるかもしれない。
上記の要求を満たす抗体を見つけるため、推定上適切な抗原を提示すると考えられる、TIRC7の複数のドメイン由来のペプチドでマウスを免疫した。国際公開公報第99/11782号の図1参照。しかしながら、これらのペプチドの多くは、ポリクローナル抗体に対する良好な抗原であることが証明されており、所望の結合アフィニティおよび/または生物活性を持つ抗体を分泌する、安定なハイブリドーマを産生するためのいくつかの試みには失敗している。しかしながら、TIRC7の仮説上細胞外のドメインのいくつかの配列に由来する6つのペプチドのうち3つ(表1および配列番号:9〜11、以下参照)を用いて、本発明者は、所望のモノクローナル抗体を産生する安定なハイブリドーマを作製することについに成功した。したがって、192の安定な抗体産生ハイブリドーマが得られ、42の抗体が試験された(図1参照)。これらの抗体から、細胞増殖(図2、増殖アッセイ)、ならびに健康なドナーからのPHA刺激性ヒトPBMCのIFNγおよびIL−2(図2)の分泌を、陽性対照(100%)と比較した計算において30%以下に阻害する15の抗体が選択された。最終的に、#9および#17(TIRC7の最も大きな細胞害ループに由来するペプチドで免疫されたマウス脾臓細胞に由来する)および#18(この場合、ペプチドがTIRC7の細胞外C末端に由来する免疫化のために使用される)(図3)の3つの抗体が選択された。表1も参照されたい。本発明よって、驚くべきことに、マウスモノクローナル抗体のVおよびVの可変領域およびヒトガンマまたはカッパ定常領域のいずれかを含むキメラ組換え抗体が、マウスドナー抗体と実質的に同じ特異性、結合アフィニティおよび生物活性を示すことがわかった。
したがって、本発明の抗体は、免疫応答の調節に有用であることが期待される。例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、LAK細胞、樹状細胞、単球、マクロファージまたは他の免疫系の細胞の増殖および/または分化を活性化または阻害することにより、免疫応答を調節することは、自己免疫疾患、アレルギー疾患の治療において、および移植片対宿主または宿主対移植片効果が望ましくないかもしれない移植治療において有用かもしれない。該抗体は、そのような癌、感染症、敗血症、創傷治癒、または免疫化のような状況において免疫刺激剤ともなり得る。あるいは免疫抑制剤ともなり得る。それらはまた、炎症を検出し、好ましくは、免疫細胞または炎症細胞の活性化を活性化または阻害することによって、炎症を調節するために使用することもできるであろう。好ましい方法としては、炎症を起こしている血管系もしくは白血球などの組織における炎症を検出(および好ましくは調節)することを含む。さらに、本発明の抗体は、免疫非応答性を減少または維持させるために用いることができる。
「免疫非応答性」という用語は、T細胞またはB細胞、NK細胞、単球および/またはマクロファージのような免疫細胞サブセットの非不応答性(non-unresponsiveness)を含む。
本明細書において、用語「治療」、「治療する」などは、一般的に所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するのに用いられている。その効果は、疾患もしくはその徴候を完全もしくは部分的に防ぐという意味において、予防的であるかもしれない、ならびに/または疾患および/もしくはその疾患に付随する有害作用を完全もしくは部分的に治療するという意味において治療的であるかもしれない。本明細書で用いられている用語「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患のあらゆる治療を包含し、(a)その疾患に罹患する素因があるが、罹患しているといまだ診断されていない対象において発症を防ぐこと、(b)該疾患を阻害すること、すなわち、その進展を抑止すること、または(c)疾患を緩和させること、すなわち、その疾患の退行を引き起こすことを含む。
さらに、本明細書で用いられている「対象」という語は、本明細書に開示されている免疫学的疾患の回復、治療および/または予防が必要な動物に関して用いられる。最も好ましくは、前記対象はヒトである。
したがって、本明細書に記載の抗体は、抗TIRC7抗体についてこれまでに記載されたあらゆる用途に使用することができる。特に、治療的およびインビボの診断的使用を想定する場合、例えば、国際公開公報第099/11782号および共係属中のPCT出願PCT/EP02/13384号参照。その開示内容をここに引用によって援用する。
理論に拘束される意図はないが、記載された抗TIRC7抗体は、TIRC7、そのファミリーメンバーおよび/またはそれらのリガンドの機能(例えば、シグナリングまたは接着活性)を、例えば、TIRC7とそのリガンドとの相互作用を妨害することによって、調節することができる。しかしながら、分子の作用機序の背後の理論に関わらず、本発明の抗体は、(1)少なくとも10−7M、好ましくは少なくとも10−8M、より好ましくは少なくとも0.5×10−8M、さらにより好ましくは少なくとも10−8M、最も好ましくは少なくとも10−9Mもしくは10−10M程度の、TIRC7に対する結合アフィニティを持つこと、および(2)実施例1に記載のアッセイにおけるマイトジェン刺激性PBMCの増殖を刺激することができることを特徴とする。好ましくは、本発明の抗体およびそれに由来するあらゆる結合断片は、健康なドナーのPHA刺激性ヒトPBMCのIFNgおよびIL−2の増殖ならびに分泌を、陽性対照(100%)と比較した計算において30%以下に阻害することができる。最も好ましくは、抗体または結合断片は、健康なドナーのPHA刺激性ヒトPBMCを、陽性対照(100%)と比較した計算において25%以下、さらには20%以下に阻害することができる。
したがって、本抗体は、末梢血単核細胞(PBMC)の増殖を調節、好ましくは阻害することができることが好ましい。本発明の抗体は、(TIRC7蛋白質および/またはそのリガンドの機能である)下記のうち少なくとも1つを調節することが好ましい:すなわち、好中球の活性化;T細胞、B細胞、NK細胞、LAK細胞、樹状細胞、またはその他の免疫系細胞の活性化または阻害;T細胞、B細胞、NK細胞、LAK細胞、樹状細胞、またはその他の免疫系細胞の増殖および/または分化;乳房または腸/結腸の上皮細胞またはケラチノサイトなどの上皮細胞の増殖および/または分化。さらに、これらの抗体は、TIRC7蛋白質間(すなわち、TIRC7ファミリーメンバー)のホモタイプおよび/またはへテロタイプ接着またはTIRC7蛋白質と他のTIRCリガンドとの接着を変更することができることが好ましい。
本発明の抗体は、TIRC7抗原と特異的に結合するモノクローナル抗体、一本鎖抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、異種抗体またはその断片、および/または化学的に改変されたその誘導体であることができ、また双特異的抗体、合成抗体、Fab、Fv、またはscFv断片などの抗体断片またはこれらのいずれかの化学的に改変されたその誘導体をも含む。抗体またはその断片は、例えば、HarlowおよびLane "Antibodies、A Laboratory Manual"、CSH Press、Cold Spring Harbor、1988に記載の方法を用いて得ることができる。前記抗体の誘導体がファージディスプレイ技法によって得ることができる場合、BIAcore systemに採用されているように表面プラスモン共鳴を用いて、本明細書に記載の抗体のいずれか1つと同じエピトープに結合するファージ抗体の効率を高めることができる(Schier、Human Antibodies Hybridomas 7 (1996)、97-105; Malmborg、J. Immunol. Methods 183 (1995)、7-13)。キメラ抗体の作製は、例えば、国際公開公報第89/09622号に記載されている。ヒト化抗体の作製方法は、例えば欧州特許第A1 0 239 400号および国際公開公報第90/07861号に記載されている。本発明に関して用いられる更なる抗体源は、いわゆる、異種抗体である。マウス中のヒト抗体などのような異種抗体作製の一般的な原理は、例えば国際公開公報第91/10741号、94/02602号、96/34096号および96/33735号に記載されている。上記のように、本発明の抗体は、完全な抗体の他に、例えば、Fv、FabおよびF(ab)2ならびに一本鎖を含む、種々の形態で存在することができる(例えば、国際公開公報第88/09344号参照)。一方の特異性がTIRC7を指向し、他方がCD3のようなT細胞抗原を指向している双特異的抗体の場合、結合部位認識TIRC7は、抗原標的細胞を捕捉するために、高いアフィニティを有していることが有利である。一方、例えば、T細胞刺激性分子を認識する結合部位の結合アフィニティは、ナチュラルT細胞受容体/リガンド相互作用もしくはT細胞共刺激性分子とそれらの受容体の相互作用に関して通常認められるもの程度とすべきである。
本発明の抗体またはその対応するイムノグロブリン鎖は、当該技術分野において公知の常法、例えば、アミノ酸の欠失、挿入、置換、付加および/または組換え、および/または当該技術分野において公知の他のあらゆる改変を単独または組み合わせて用いてさらに改変することができる。そのような改変を、イムノグロブリン鎖のアミノ酸配列に対応するDNA配列に導入する方法は、当業者に公知である。例えば、Sambrook、Molecular Cloning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(1989)N. Y.参照。本発明の抗体の改変は、1以上の構成アミノ酸における化学的および/または酵素的誘導体化を含み、それは、アセチル化、ヒドロキシル化、メチル化、アミド化および炭水化物または脂質部分、因子の接着などを含む、側鎖改変、骨格改変、ならびにN末端およびC末端改変を含む。同様に、本発明は、記載されている抗TIRC7抗体またはいくつかのその断片を、カルボキシ末端の免疫刺激性のリガンドのような異種の分子に融合されたアミノ末端に含む、キメラ蛋白質を包含する。例えば、対応する技術の詳細については、例えば、国際公開公報第00/30680号参照。
したがって、本発明は、本明細書に記載の発明の抗体と同じエピトープ、およびほぼ同じアフィニティまたは少なくとも1/10のアフィニティを有する、あらゆる抗体および類似の結合分子に関する。そのような抗体および結合分子は、例えば、ペプチド6および/または実施例に記載の抗体に対して競合的なアッセイを用いることによって、その結合特異性およびアフィニティについて試験することができる。
好ましい態様において、本発明の抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体である。キメラ抗体は、その軽鎖遺伝子および重鎖遺伝子が典型的には、異なる種に属するイムノグロブリン遺伝子セグメントから遺伝子工学的に構築された抗体である。例えば、マウスTIRC7モノクローナル抗体からの遺伝子の可変(V)セグメントを、γ1およびγ3などのヒト定常(C)セグメントに接合してもよい。典型的な治療的キメラ抗体は、したがって、マウス抗体からのVまたは抗原結合ドメインと、ヒト抗体からのCまたはエフェクタードメインとからなるハイブリッド蛋白質である。但し、例えば、獣医学的用途を想定する場合など、他の哺乳動物種を用いることもできる。ヒト定常領域DNA配列は、周知の手順にしたがって、種々のヒト細胞、好ましくは免疫化B細胞から単離することができる(Kabat op. cit.および国際公開公報第87/02671号参照)。例えば、ヒトカッパイムノグロブリンの定常およびJ領域遺伝子および配列は、Heiter、Cell 22 (1980)、197-207に記載があり、ヒトイムノグロブリンC遺伝子のヌクレオチド配列については、Ellison、Nucl. Acids Res. 10(1982)、4071に記載がある。その両方を引用として本明細書に援用する。特に好ましい態様において、本発明の抗体は、図4、5、6および7に示されたように、Vおよび/またはV領域のアミノ酸配列を含む。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の抗体によって認識される抗原またはそのエピトープに関する。前記抗原またはエピトープは、グリコシル化されてもよく、グリコシル化されなくてもよく、または部分的に脱グリコシル化されていてもよい。本明細書中に記載され、実施例において説明されているように、本発明は、免疫応答を誘発するのに特に好適な抗原によって特徴づけられる。本発明の抗原またはエピトープを同定および単離するために、従来のエピトープマッピングを用いることができる。例えば、Harlow およびLane、前掲書参照。さらに、例えば、cDNAライブラリーは、種々のcDNAを卵母細胞に注入し、cDNA遺伝子産物の発現を十分な時間をかけて行うことによって、および所望のcDNA発現産物の存在を、例えば、本発明の抗体を用いて試験することによってスクリーニングすることができる。あるいは、大腸菌のcDNA発現ライブラリーから、少なくとも1つの本発明のエピトープを持つペプチドを本発明の抗体を用いて間接的にスクリーニングすることができる(ChangおよびGottlieb、J. Neurosci.、8: 2123、1988)。そのような抗原の構造を明らかにした後、結合パートナーおよび/またはドメインの合理的な設計が可能となる。例えば、構造的モチーフの折りたたみシミュレーションおよびコンピュータ再設計を、適切なコンピュータプログラムを用いて行うことができる(Olszewski、Proteins 25 (1996)、286-299 ;Hoffinan、Comput. Appl. Biosci. 11 (1995)、675-679)。さらに、コンピュータを用いて、詳細な蛋白質モデルのコンフォメーションおよびエネルギー分析を行うことができる(Monge、J. Mol. Biol. 247 (1995)、995-1012; Renouf、Adv. Exp. Med. Biol. 376 (1995)、37-45)。
本発明の抗原は、TIRC7蛋白質からの50以下、好ましくは40以下、さらにより好ましくは30以下の連続するアミノ酸を含むことが好ましい。本発明の抗原は、TIRC7に由来する約12〜30のアミノ酸を有することが好ましい。最も好ましい態様において、前記抗原は、ペプチド6(DLPDASVNGWSSDE、配列番号:9)、ペプチド7c(DLPDASVNGWSSDEEKAGGLDDEE、配列番号:10)および/またはペプチド4(VEFQNKFYSGTGYKLSPFDFAATD、配列番号:11)のアミノ酸配列を含む、またはそれによって構成される。これは、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などによって改変または誘導体化されたペプチドを含む。
別の態様において、本発明は、本発明の前述した抗体のイムノグロブリン鎖の少なくとも1つの可変領域をコードするポリヌクレオチドに関する。イムノグロブリンの1つの形態は、抗体の基本的な構造ユニットを構成している。この形態はテトラマーであり、2対の同一のイムノグロブリン鎖を持ち、それぞれの対が1つの軽鎖と重鎖を有している。それぞれの対において、軽鎖および重鎖可変領域またはドメインは、ともに抗原に結合する役割を果たし、定常領域は、抗体エフェクター機能の役割を果たす。抗体に加えて、イムノグロブリンは、例えば、Fv、FabおよびF(ab’)2、ならびに一本鎖抗体などを含む他の種々の形態(所望の活性を維持する全長未満を含む)において存在することができる(例えばHuston、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 85 (1988)、5879-5883 およびBird、Science 242(1988)、423-426)、および前掲書参照。イムノグロブリンの軽鎖または重鎖の可変ドメインは、CDRとも呼ばれる、3つの超可変領域が割り込む「フレームワーク」領域からなる。前掲書参照。本発明の抗体は、本発明の抗体のイムノグロブリンの重鎖および軽鎖をコードする組換えDNAセグメントを単独もしくは組み合わせて発現することによって作製することができる。
上記抗体をコードする本発明のポリヌクレオチドは、例えば、DNA、cDNA、RNAまたは合成されて作製されたDNAまたはRNAまたはそれらのポリヌクレオチドのいずれかを単独もしくは組み合わせて含む、組換えによって作製されたキメラ核酸分子であってもよい。前記ポリヌクレオチドは、ベクターの一部であることが好ましい。そのようなベクターは、好適な宿主細胞においておよび好適な条件の下で、前記ベクターの選択をすることを可能とするマーカー遺伝子のような遺伝子をさらに含んでもよい。本発明のポリヌクレオチドは、原核細胞または真核細胞において発現することができる発現制御配列に作動可能に連結することが好ましい。前記ポリヌクレオチドの発現は、ポリヌクレオチドの、翻訳可能mRNAへの転写を含む。真核細胞、好ましくは、哺乳動物の細胞における発現を確実にする調節エレメントは、当業者に公知である。それらは通常、転写開始を確実にする調節配列と、任意に、転写の終結および転写の安定化を確実にするポリAシグナルとを含む。更なる調節エレメントは、転写ならびに翻訳エンハンサー、および/または、天然に付随する、もしくは異種のプロモーター領域を含むことができる。この点について、当業者は、軽鎖および/または重鎖の少なくとも可変ドメインをコードするポリヌクレオチドが、双方もしくは一方のみの免疫グロブリン鎖の可変ドメインをコードしてもよいことを容易に理解するであろう。同様に、前記ポリヌクレオチドは、発現に関して、同じプロモーターによって制御されてもよいし、または別々に制御されてもよい。原核宿主細胞における発現を可能にする調節エレメントとして可能なものは、例えば、大腸菌中のP、lac、trpまたはtacプロモーターが含まれ、真核宿主細胞における発現を可能にする調節エレメントの例としては、酵母中のAOX1もしくはGAL1プロモーター、またはCMVプロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター(ラウス肉腫ウイルス)、CMVエンハンサー、SV40エンハンサーまたは哺乳動物細胞および他の動物細胞グロブリンイントロンがあげられる。転写開始の役割を果たすエレメントの他に、そのような調節エレメントは、ポリヌクレオチドの下流に、SV40−ポリ−A部位もしくはtk−ポリ−A部位などの転写停止シグナルを含んでもよい。さらに、用いられる発現系に依存して、ポリペプチドを細胞区画に方向付け、それを培地に分泌することが可能なリーダー配列を本発明のポリヌクレオチドのコード配列に付加することができ、それは、当該技術分野において公知である。リーダー配列は、翻訳、開始および停止配列、および好ましくは翻訳された蛋白質、もしくはその一部の分泌を細胞膜周辺腔または細胞外の培地に方向付けることができるリーダー配列を持つ適切なフェーズに構築することができる。任意に、異種の配列は、例えば、発現された組換え産物の安定化または精製の単純化といった所望の特徴を低下させるC末端またはN末端同定ペプチドを含む融合蛋白質をコードすることができる。この文脈において、安定な発現ベクターは、Okayama-Berg cDNA発現ベクターpcDV1(Pharmacia)、pCDM8、pRc/CMV、pcDNAl、pcDNA3 (In-vitrogene)、またはpSPORT(GIBCO BRL)などとして当該技術分野において公知である。
発現制御配列は、真核宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトすることが可能なベクター中の真核生物のプロモーター系であることが好ましいが、原核生物宿主の制御配列を用いることもできる。一旦、ベクターが適切な宿主に組み込まれると、その宿主は、ヌクレオチド配列の高いレベルの発現に好適な条件下に維持され、必要に応じて、イムノグロブリン軽鎖、重鎖、軽鎖/重鎖ダイマーまたはインタクト抗体、結合断片もしくは他のイムノグロブリン形態の回収および精製を続けて行ってもよい。Beychok、Cells of Immunoglobulin Synthesis、Academic Press、N. Y.(1979)参照。さらに、例えば、添付の実施例参照。
上記のように、本発明のポリヌクレオチドは、単独で、または、例えば、免疫疾患に関連した疾患の遺伝子治療または診断のために、細胞内において本発明の(ポリ)ペプチドを発現させるためのベクターの一部として用いることができる。本発明のポリヌクレオチドまたはベクターは、細胞に導入され、次いで抗体を産生する。治療的遺伝子を細胞に、ex-vivoまたはin-vivo技法で導入することを基礎とした遺伝子治療は、遺伝子トランスファーの最も重要な応用の一つである。in-vitroまたはin-vivo遺伝子治療に好適なベクターおよび方法は、文献に記載されており、当業者に公知である。例えば、Giordano、Nature Medicine 2 (1996)、534-539; Schaper、Circ. Res. 79 (1996)、911-919; Anderson、Science 256 (1992)、808-813; Isner、Lancet 348(1996)、370-374; Muhlhauser、Circ. Res. 77 (1995)、1077-1086; Wang、Nature Medicine 2(1996)、714-716; 国際公開公報第094/29469;第97/00957号または、Schaper、Current Opinion in Biotechnology 7 (1996)、635-640、およびそこに引用されている他の引用参照。本発明のポリヌクレオチドおよびベクターは、直接的な導入またはリポソームまたはウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス)を介して細胞に導入するように設計することができる。前記細胞は生殖系列細胞、胚芽細胞または卵細胞またはそれに由来するものであることが好ましく、前記細胞は、幹細胞であることが最も好ましい。
さらに本発明は、遺伝子工学において常套的に用いられるベクター、プラスミド、コスミド、ウイルスおよびバクテリオファージに関し、本発明の抗体のイムノグロブリン鎖の可変ドメインをコードするポリヌクレオチドを、任意に本発明の抗体の他のイムノグロブリン鎖の可変ドメインをコードする本発明のポリヌクレオチドと組み合わせて含む。前記ベクターは、発現ベクターおよび/または遺伝子トランスファーまたは標的ベクターであることが好ましい。レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、またはウシパピローマウイルスなどのウイルス由来の発現ベクターは、本発明のポリヌクレオチドまたはベクターを標的細胞集団へ送達するために用いることができる。当業者に公知の方法を組換えウイルスベクターを構築するために用いることができる。例えば、Sambrook、Molecular Cloning A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory(1989) N. Y. and Ausubel、Current Protocols in Molecular Biology、Green Publishing Associates and Wiley Interscience、N. Y. 1994)に記載の技法参照。一方、本発明のポリヌクレオチドおよびベクターは、標的細胞へ送達するために、リポソームに再構成することができる。本発明のポリヌクレオチドを含有するベクター(例えば、配列および発現制御配列をコードするイムノグロブリン鎖の重鎖および/または軽鎖可変ドメイン)は、細胞宿主の種類によって異なる公知の方法によって、宿主細胞にトランスファーすることができる。例えば、原核細胞には、通常、塩化カルシウムトランスフェクションが用いられ、一方他の細胞宿主には、リン酸カルシウム処置またはエレクトロポレーションをが用いられることがある。Sambrook、上掲書参照。
本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドまたはベクターを用いて形質転換された宿主細胞に関する。前記宿主細胞は、原核細胞でも真核細胞でもよい。宿主細胞中に存在する本発明のポリヌクレオチドまたはベクターは、宿主細胞のゲノムに統合されていてもよいし、または染色体外に維持されていてもよい。宿主細胞は、例えば、細菌、昆虫、真菌、植物、動物またはヒト細胞などといった原核細胞または真核細胞であることができる。好ましい真菌細胞は、例えば、酵母菌属(genus Saccharomyces)、特に、出芽酵母(species S cerevisiae)のものである。「原核生物」という用語は、本発明の抗体または対応するイムノグロブリン鎖を発現するためのDNAまたはRNA分子で形質転換またはトランスフェクトすることができる全ての細菌を含む意味で用いられる。原核宿主には、例えば大腸菌(E. coli)、ネズミチフス菌(S. typhimurium)、セラチア・マルッセンス(Serratia marcescens)、および枯草菌(Bacillus subtillis)のようなグラム陰性菌ならびにグラム陽性菌が含まれる。「真核生物」という用語は、酵母、高等植物、昆虫および好ましくは哺乳動物細胞、最も好ましくはNSOおよびCHO細胞を含む意味で用いられる。組換え産生手順において用いられる宿主によっては、本発明のポリヌクレオチドによってコードされる抗体または対応するイムノグロブリン鎖はグリコシル化されていてもよく、グリコシル化されていなくてもよい。本発明の抗体または対応するイムノグロブリン鎖はまた、最初のメチオニンアミノ酸残基を含んでもよい。本発明のポリヌクレオチドは、当業者に一般的に既知の技法のいずれかを用いて宿主を形質転換またはトランスフェクトするために用いることができる。さらに、融合した、作動可能に連結した遺伝子を調製し、それらを例えば、哺乳動物細胞および細菌細胞において発現させる方法は当技術分野において公知である(Sambrook、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、NY、1989)。そこに記載の遺伝子構築物および方法は、本発明の抗体または対応するイムノグロブリン鎖の真核または原核宿主における発現のために利用することができる。一般に、挿入されたポリヌクレオチドの効率的な転写を促進するプロモーター配列を含む発現ベクターは、宿主と連結して用いられる。発現ベクターは典型的に複製起点、プロモーター、およびターミネーターと共に、形質転換した細胞の表現型選択を提供することができる特定の遺伝子を含む。DNA配列およびイムノグロブリン発現および分泌のための宿主細胞のめの好適な細胞ソースは、American Type Culture Collection ("Catalogue of Cell Lines and Hybridomas"、第5版(1985) Rockville、Maryland、U. S. A.、それを本明細書に援用する)などのいくつかのソースから入手可能である。さらに、本発明の細胞を含むトランスジェニック動物、好ましくは哺乳動物を本発明の抗体の大規模な産生のために用いてもよい。
したがって、更なる態様において、本発明は、末梢血単核細胞(PBMC)の増殖を阻害することができる抗体、または機能的断片もしくはそのイムノグロブリン鎖の作製方法に関する。該方法は、(a)本発明の細胞を培養すること;および(b)前記抗体または機能的断片またはそのイムノグロブリン鎖を培養物から単離することを含む。
形質転換された宿主は発酵槽内で成長することができ、当該技術分野において公知の技法にしたがって培養し、最適な細胞成長を達成することができる。一旦発現すると、本発明の、抗体全体、それらのダイマー、個別の軽鎖および重鎖、または他のイムノグロブリン形態は、硫安塩析、アフィニティカラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などを含む当該技術分野の標準的な手順にしたがって精製することができる。Scopes、"Protein Purification"、Springer-Verlag、N. Y.(1982)参照。次いで、本発明の抗体またはその対応するイムノグロブリン鎖は、成長培地、細胞ライセート、または細胞膜画分から単離することができる。例えば、本発明の微生物的に発現した抗体またはイムノグロブリン鎖の単離および精製は、例えば、分取クロマトグラフィー分離、例えば、本発明の抗体の定常領域に対するモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体の使用を含むもののような免疫分離などの任意の常法によって成され得る。当業者は、本発明の抗体が、例えば、薬物標的およびイメージング用途のための他の部分とさらに結合することができることを理解するだろう。そのような結合は、抗体または抗原の発現後、接着部位に化学的に結合することができる。または、その結合産物は、DNAレベルで本発明の抗体または抗原内に設計することができる。次いでDNAを、好適な宿主系において発現させ、発現した蛋白質を回収し、必要であれば変性させる。
医薬品としての使用には、少なくとも約90〜95%の均一性をもつほぼ純粋なイムノグロブリンが好ましく、98〜99%以上の均一性をもつことが最も好ましい。一旦精製されれば、次いで部分的または望ましい均一性で、その抗体は、治療的(体外的なものを含む)、またはアッセイ手順に使用することができる。
本発明はまた、本発明の抗体またはその対応するイムノグロブリン鎖を発現することができる細胞を作製する方法に関し、その方法は、細胞を、本発明のポリヌクレオチドまたはベクターを用いて遺伝子工学的に処理することを含む。本発明の方法によって得られる細胞は、例えば、本発明の抗体とその抗原との相互作用を調べるために使用することができる。
さらに、本発明は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされ、または上記方法によってもしくは上記方法によって作製された細胞から取得可能である、抗体、そのイムノグロブリン鎖およびその抗原結合断片に関する。本発明の抗体は、典型的に、モノクローナル抗体ベースの治療に感受性を示すほぼ全ての疾患の治療において、個別に使用することができるだろう。特に、イムノグロブリンは、免疫抑制剤として使用することができる。本発明の抗体にとって、治療に適する典型的な疾患状態は、炎症性の徴候である。該抗体は、例えば、免疫応答に関連する疾患に罹患する患者において治療的に用いることができる。前掲書参照。そのような治療は、例えば、本発明の抗体、抗原またはエピトープを投与することによって達成することができる。そのような投与では、標識されていない、ならびに標識された抗体または抗原を利用することができる。標識物質は、本発明の抗体または抗原に直接的または間接的に結合させることができる。間接的な結合の一例としては、スペーサー部分の使用によるものがある。さらに本発明の抗体は、更なるドメインを含み、前記ドメインは、共有または非共有結合で連結している。その連結は、上記当該技術分野において公知の方法にしたがった遺伝子融合に基づいて成すことができ、あるいは、例えば、国際公開公報第94/04686号などに記載のような化学的架橋によって成され得る。本発明の抗体を含む融合蛋白質に存在する付加的ドメインは、柔軟なリンカーによって、好都合にはポリペプチドリンカーによって結合することが好ましいかもしれない。前記ポリペプチドリンカーは、前記更なるドメインのC末端と本発明の抗体のN末端との間、またはその逆の、距離に十分及ぶ長さをもつ、複数の親水性の、ペプチド結合したアミノ酸を含む。上記融合蛋白質は、さらに切断可能なリンカーまたはプロテイナーゼのための切断部位を含んでもよい。これらのスペーサー部分は、結果として不溶性あるいは可溶性とすることができ(Dienerら、Science、231: 148、1986)、薬物を標的部位で抗原から放出することができるように選択することができる。免疫治療のための、本発明の、抗体に結合することができる治療薬、抗原およびエピトープの例としては、薬剤、放射性同位元素、レクチン、および毒素がある。本発明の抗体、抗原およびエピトープに結合することができる薬剤は、マイトマイシンC、ダウノルビシン、およびビンブラスチンのような、薬剤と古典的に呼ばれている化合物を含む。例えば、免疫療法のための、本発明の、放射性同位体的に結合した抗体、抗原またはエピトープは、例えば、白血球の分布ならびに安定性および放出のような要因に応じて、特定の同位元素が他の元素より好ましいことがある。自己免疫反応によっては、放射体の中には他より好ましいものがあるかも知れない。一般に、免疫療法ではαおよびβ粒子放出放射性同位元素が好ましい。212Biのような飛程の短い高エネルギーα放出体が好ましい。治療目的のために本発明の抗体、抗原、またはエピトープに結合することができる放射性同位元素の例は、125I、131I、90Y、67Cu、212Bi、212At、211Pb、47Sc、109Pdおよび188Reである。本発明の抗体、抗原またはエピトープに結合することができる他の治療的物質、ならびにex vivoおよびin vivoの治療的プロトコルは公知であり、あるいは当業者は容易に確認することができる。適切であれば、当業者は、プロテイナーゼ材料自体の代わりに、上記抗体、抗原または対応するベクターのいずれか1つをコードする本発明のポリヌクレオチドを用いることができる。
さらに、本発明は、本発明の前記抗体、抗原もしくはエピトープもしくはその化学的誘導体、または本発明のポリヌクレオチド、ベクターもしくは細胞を含む組成物に関する。本発明の組成物は、医薬上許容される担体をさらに含むことができる。用語「化学的誘導体」は、通常は基剤分子の一部ではない付加的な化学的部分を含有する分子を表す。そのような部分の例は、基剤分子の溶解性、半減期、吸収性などを向上させることができる。あるいは、該部分は、基剤分子の望ましくない副作用を減衰させ、または基剤分子の毒性を減少させることができる。そのような部分は、Remington's Pharmaceutical Sciencesのような様々なテキストに記載されている。好適な医薬担体の例は、当該分野で知られており、リン酸緩衝生理食塩水、水、水中油型エマルジョンのようなエマルジョン、種々のタイプの湿潤剤、滅菌溶液等を含む。そのような担体を含む組成物は、公知の常法によって製剤することができる。これらの医薬組成物は、好適な用量で対象に投与することができる。好適な組成物の投与は、種々の方法によって、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、局所または皮内投与によって行うことができる。鼻スプレー製剤のようなエアロゾル製剤は、精製された水溶性または活性物質と保存物質および等張物質との他の溶液を含む。そのような製剤は、pHおよび等張性を鼻粘膜に適合するように調節されることが好ましい。直腸または膣投与のための製剤としては、好適な担体を含む坐剤があげられる。
用量投与計画は、担当医および臨床的因子によって決定されるであろう。医学分野でよく知られているように、いずれの患者についての投与量も、患者の大きさ、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、性別、投与の時間および経路、全体的な健康状態、および同時投与される他の薬物を含む多くの因子に依存する。典型的な用量は、例えば、0.001〜1000μgとなりうる(または発現のため、または発現を阻害するための核酸の用量はこの範囲内)。しかしながら、特に、上記要因を考慮して、この例示の範囲より下または上の用量も含まれる。一般的に、医薬組成物の定期的な投与としての投与計画は、1日当たり1μg〜10mg単位となるであろう。投与計画が連続的な点滴注入である場合には、1分間に体重1kgあたり1μg〜10mg単位の範囲にそれぞれなるであろう。進行は周期的評価を行うことによってモニターすることができる。用量は変化するが、DNAの静脈内投与の好ましい用量は、DNA分子約10〜1012コピーである。本発明の組成物は、局所的または全身的に投与してもよい。投与は一般的に、非経口、例えば、静脈内とする、DNAはまた、標的部位に、例えば、標的の内部もしくは外部に対する遺伝子銃送達によって、または、動脈内部位へのカテーテルによって直接的に投与することもできる。非経口投与用製剤は、無菌水溶性もしくは非水溶性溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含む。非水溶性溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、オレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルである。水溶性担体には、生理食塩液および緩衝液を含む、水、アルコール/水溶液、エマルジョンまたは懸濁液が含まれる。非経口溶媒には、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンゲル液、または固定油が含まれる。静脈内投与用溶媒には液体および栄養補給液、電解質補給液(リンゲルデキストロースを基礎とするものなど)等が含まれる。抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガス等の保存剤およびその他の添加剤が存在してもよい。さらに、本発明の医薬組成物は、該医薬組成物の目的とする用途に応じて、インターロイキンまたはインターフェロンのような物質をさらに含んでもよい。
好ましい態様において、本発明の医薬組成物は少なくとも1つの第二の物質、好ましくは目的とする用途に応じてT細胞刺激を阻害する物質を含む。そのような物質には、例えば、受容体/リガンド相互作用などを遮断または模倣して、その結果T細胞を抑制することができる分子が含まれる。そのような物質は、例えば、共刺激分子、例えば、抗TIRC7抗体、抗TNF−α抗体、インテグリン、Igスーパーファミリー分子、セレクチンなどの活性を阻害する物質、ならびに、ケモカイン類およびそのそれぞれの受容体相互作用を遮断する物質、IL−2/IL−2受容体相互作用を遮断する薬物、およびIL−2R mAb、IL−トキシンおよびIL-ミューテインのようなその他の一般的な免疫抑制剤を含む。共刺激分子およびそのリガンドの例は、先行技術、例えばSchwartz、Cell 71(1992)、1065-1068において記述されている。B7−2に対するCD28と、B7−1およびB7−2に対するCTLA4との相互作用に対するmAbまたは可溶性のCTLA41gを用いた受容体/リガンド相互作用の妨害は、Blazar、J. Immunol. 157 (1996)、3250-3259; Bluestone、Immunity 2(1995)、555-559; Linsley、Science 257 (1992)、792-95に記載されている。CD40またはCD40Lに対するmAbを用いることによって、受容体/リガンド相互作用を遮断する例は、Burden、Nature 381 (1996)、434-435; Kirk、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94 (1997)、8789-8794によって報告されている。CD2抗原およびそのリガンドであるLFA−3は、Bagogui Liらのreview in Adhesion Molecules、Fusion proteins、Novel Peptides、and Monoclonal Antibodies、Recent Developments in Transplantation Medicine、Vol.II、1995、Physicians & Scientists Publishing Co., Inc.に記述されており、mAb(抗−Leu−5b、OKT11、T11)またはCD2.1g GI融合蛋白質を用いてその相互作用を遮断することは、Bromberg、Transplantation 51 (1991) 219-225に報告されている。CD4分子に対するモノクローナル抗体Absの使用は、Cosimi、Surgery 108 (1990)、406-414に記述されている。CD47遮断薬bymAbsは、Rheinhold、J. Exp. Med. 185 (1997)、1-11に記述されている。インテグリンおよびIgスーパーファミリー分子には、LFA−1とそのリガンドICAM−1、−2、−3;Mac−1とそのリガンドICAM−1、−3;ICAM−1とそのリガンドLFA−1、Mac−1、CD43;ICAM−2とそのリガンドLFA−1;ICAM−3とそのリガンドLFA−1、Mac−1;VLA4およびVCAM−1が含まれる。例えば、review in Adhesion Molecules、Fusion proteins、Novel Peptides、and Monoclonal Antibodies、Recent Developments in Transplantation Medicine、Vol.II、1995、Physicians & Scientists Publishing Co.、Inc.; Isobe、Science、255 (1992)、1125-1127; Cosimi、J. Immunology 144 (1990)、4604-4612; Hynes、Cell 69 (1992)、11-25. review in Adhesion Molecules、Fusion proteins、Novel Peptides、and Monoclonal Antibodies、Recent Developments in Transplantation Medicine、Vol.II、1995、Physicians & Scientists Publishing Co.、Inc.; Isobe、Science、255 (1992)、1125-1127; Cosimi、J. Immunology 144 (1990)、4604-4612; Hynes、Cell 69 (1992)、11-25を参照。
さらに、アルファ4インテグリン鎖(CD49d)に対するVLA−4 mAbをもつ、選択的に干渉する物質を用いることができ、ベータ1インテグリン鎖(CD29)、またはVA−4の活性化誘導ネオエピトープと共に、可溶性フィブロネクチンもしくはその関連ペプチド(GPEILDVPST)のような可溶性VA−4リガンド、または可溶性VCAM−1もしくはその関連ペプチドを用いることができる。より選択的な遮断剤は、アルファ4、ベータ1、またはVCAM−1 mRNAと選択的にハイブリダイズするよう設計されたアンチセンスオリゴヌクレオチドである;Fedoseyeva、J. Immunol. 57 (1994)、606-612。もう一つの例は、VCAM−1の発現を遮断することができる薬剤ペントキシフィリン(PTX)である; Besler、J. Leukoc. Biol. 40(1986)、747〜754。さらに、VCAM−1 mAb、M/K−2、抗マウスは、例えば、アロ移植片の生存を延長することができる、Orosz、Transplantation、56 (1993)、453-460。mAbを用いてインテグリンファミリーのメンバーおよびそのリガンドを遮断することは、Kupiec-Weglinski、review in Adhesion Molecules、Fusion proteins、Novel Peptides、and Monoclonal Antibodies、Recent Developments in Transplantation Medicine、Vol.II、1995、Physicians & Scientists Publishing Co.、Inc.に記載されている。セレクチン、例えば、L-セレクチン(CD62L)、E−セレクチン(CD62E)、P−セレクチン(CD62P)はForrestおよびPaulson、Selectin family of adhesion molecules、GrangerおよびSchmid-Schonbein、eds. Physiology and Pathophysiology of Leukocyte Adhesion. New York、Oxford Press、1995、pp 68-146に記述されている。一般的な免疫抑制剤、例えばATG、ALG、OKT3、アザチオプリン、ミコフェニレート、モフェチル、シクロスポリンA、FK506、コルチコステロイドの併用は、Cosimi、Transplantation 32(1981)、535〜539; Shield Transplantation、38(1984)、695〜701およびGraft、June 2001、Vol 4 (4)に記述されるように用いてもよい。ケモカインとそれぞれの受容体との相互作用のmAbによる妨害は、Luster、Chemokines-chemotactic cytokines that mediate inflammation、New Engl. J. Med. Feb.(1998)、436〜445に論評されている。このように、上で定義した、および例として引用したいかなる物質も、本発明の医薬組成物または下記に記述する方法および使用に従って用いることができる
さらに、例えば、本発明の医薬組成物が、TIRC7に対する効果的な免疫応答を誘発するこが可能な上記抗原を含む場合、医薬組成物は、ワクチンとして製剤することもできる。本発明の医薬組成物は、臓器移植における使用を意図すると有益である。
本発明の治療的または診断的組成物は、障害の治療または診断にとって十分な治療的有効量が、TIRC7関連活性の調節が必要とされている個人に投与される。該有効量は、個人の状態、体重、性別および年齢などの種々の要因にしたがって、変更することができる。他の要因としては、投与様式が含まれる。医薬組成物は、冠内、腹腔内、皮下、静脈内、経皮、滑液内、筋肉内または経口投与などの種々の経路で個人に提供されることができる。さらに、他の薬剤の共投与または連続投与も望ましいことがある。
治療的に有効な用量とは、本発明の抗体、抗原、ポリヌクレオチドおよびベクターが、徴候または状態を回復させる量を言う。そのような化合物の治療的効果および毒性は、細胞培養液または実験動物において標準的な医薬的手順によって決定することができる。例えば、ED50(母集団の50%において治療的に有効な用量)およびLD50(母集団の50%が死に至る用量)。治療的効果と毒性効果との間の用量比は、治療的指標であり、それはLD50/ED50として表すことができる。
したがって、本発明は、対象における、免疫応答、好ましくは移植片対宿主病、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、敗血症の治療のための、腫瘍の治療のための、創傷治癒の改良のための、または免疫非応答性の誘導または維持のための、医薬組成物を調製するための本発明の抗体および抗原の使用に関する。前掲書も参照されたい。
したがって、本発明はまた、それを必要とする対象において免疫応答を調節する方法であって、本発明の抗体または抗原を投与することを含む方法に関する。本発明の抗体または抗原を含む組成物は、培養液中の細胞に添加することができ(in vitro)、または患者、例えば哺乳動物を治療するために用いることができる(in vivo)。患者を治療するために抗体もしくは抗原を用いる場合、該ポリペプチドは、ポリペプチドの安定性を促進させるための大きな分子のような医薬上許容される担体、または、その中の1以上の抗体を単一な要素に連結させる、複数の抗体のための担体として機能する医薬上許容される緩衝液を含む医薬組成物に組み合わせられることが好ましい。本発明の方法は、患者、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに、本発明の組成物の、所望の効果を生み出すための有効量を、投与することを含む。抗体または抗原は、単回用量または多数回用量で投与することができる。活性物質の有用な用量は、動物モデルにおける、それらの in vitro 活性とin vivo活性とを比較することによって決定することができる。マウスおよび他の動物における効果的な用量から、ヒトの用量を推定する方法は当該技術において公知である。本発明はまた、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、LAK細胞または樹状細胞)の活性化、増殖および/または分化を調節する(例えば、活性化するまたは阻害する)方法を提供する、それは、免疫細胞を抗体、または上記抗原に接触させることを含む。
前述したように、本発明は、上記抗体の少なくとも1つのCDRを含むリガンド結合分子の使用、特に、T細胞免疫応答cDNA7(TIRC7)の異所発現または機能不全に関連する障害の診断および/または治療のための使用を包含することは明らかである。好ましくは、前記リガンド結合分子は、本発明の抗体またはそのイムノグロブリン鎖である。
ここで明らかにされている抗体の生物活性から、それらが薬物を適切な表面構造を発現する細胞に局在化するための有力な候補物質となるために十分なアフィニティを有することが示唆される。細胞を標的化し、それに結合することは、治療活性のある物質(標的薬物、DNA配列、RNA配列、脂質、蛋白質(例えば、ヒト成長因子)を含む)の送達ならびに遺伝子治療/遺伝子送達のために有用となり得る。より好ましくは、治療的に活性のある物質は、抗炎症薬である。抗TIRC7抗体を持つ分子/粒子は、TIRC7を発現する細胞/組織に特異的に結合し、そのため、診断的および治療的用途を持つことが可能となるであろう。したがって、本発明の抗体または抗原は、標識化することができ(例えば、蛍光、放射性、酵素、核磁気)、in vivoでのアッセイのような「免疫化学」を含む、in vivo またはin vitroの特異的な標的の検出に用いられる。in vivoでは、それらは、組織、細胞またはTIRC7を発現する他の物質を検出するための、核医学画像診断法に類似の方法で用いることができる。別の方法は、治療的に活性な物質を患者に送達することに関する。該方法は、少なくとも1つの抗体または抗原および治療的に活性な物質を患者に投与することを含む。好ましくは、治療的に活性な物質は、薬物、DNA配列、RNA配列、蛋白質、脂質およびそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、該治療的に活性な物質は、抗菌剤、抗炎症薬、または抗悪性腫瘍薬である。
別の態様において、本発明は、上記の抗体、抗原、ポリヌクレオチド、ベクターまたは細胞のいずれか1つを含む診断的組成物および任意に好適な検出手段に関する。本発明の抗原および抗体は、例えば、それらを液相中で使用してもよく、固相担体に結合させて使用してもよい、イムノアッセイ法での使用に適している。本発明の抗原を使用することができるイムノアッセイ法の例は、直接的または間接的な方法での競合イムノアッセイ法および非競合イムノアッセイ法である。このようなイムノアッセイ法の例は、ラジオイムノアッセイ法(RIA)、サンドイッチアッセイ法(イムノメトリックアッセイ法)、およびウエスタンブロットアッセイ法である。本発明の抗原および抗体は、多くの異なる担体に結合することができ、前記ポリペプチドに特異的に結合した細胞を単離するために使用することができる。公知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然セルロースおよび修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、および磁鉄鉱が挙げられる。担体の性質は、本発明の目的のためには可溶性でも不溶性でもよい。当業者に公知の多くの異なる標識および標識法がある。本発明に用いることができる標識の種類の例として、酵素、放射性同位体、コロイド金属、蛍光化合物、化学発光化合物、および生物発光化合物が挙げられる。上記実施態様参照。
さらに別の態様によれば、本発明の抗体はまた、血液サンプル、リンパ液サンプルまたはその他の体液サンプルでもよい被験者個人からの体液サンプルを取得し、該体液サンプルを本発明の抗体に、抗体−抗原複合体を形成することが可能な条件下で接触させることによって、個人におけるTIRC7関連疾患の診断のための方法にも用いることができる。次いで、そのような複合体レベルを当該技術分野において公知の方法で決定する。レベルは、対照サンプルにおいて形成されたものより有意に高い。このことは、被験者個人における疾患を示すものである。同様にして、本発明の抗体に結合する特異的抗原を用いることもできる。したがって、本発明は、本発明の抗体または抗原を含む、in vitroイムノアッセイに関連する。
さらに、本発明は、配列番号:12〜40のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドおよび抗TIRC7抗体をクローニングするためのそれらの使用に関する。添付の実施例参照。
これらおよびその他の態様は、本発明の説明および実施例によって開示されており、それらに含まれる。本発明に従って用いられる抗体 、方法、使用および化合物のいずれか一つに関するさらなる文献は、公共の図書館およびデータベースから、例えば電子機器を用いて検索してもよい。例えば、公共のデータベースである「Medline」を用いることができる。これはNational Center for Biotechnology Informationおよび/またはNational Library of Medicine at the National Institutes of Healthによって主催されている。例えば、European Molecular Biology Laboratory (EMBL) の一部であるEuropean Bioinformatics Institute (EBI)のもののような、さらなるデータベースおよびウェブアドレスは当業者に既知であり、インターネットの検索エンジンによっても取得することができる。バイオテクノロジーにおける特許情報の概要ならびにレトロスペクティブ調査用および現状認識に有用な関連特許情報源の調査は、Berks, TIBTECH 12 (1994), 352-364において得られる。
上記開示は一般的に本発明を記載している。本明細書に記載されている下記の具体的な実施例を参照することによってより完全に理解することができるであろう。その実施例は、説明の目的にすぎず、本発明範囲を限定することを意図するものではない。
実施例によって本発明を説明する。
実施例1:TIRC7に対するモノクローナル抗体の作製および選択
Balb/c-マウスを、TIRC7のいくつかの仮説上細胞外ドメインの配列に由来する6つのペプチドのうちの1つを用いて、フロイントアジュバントの存在下で免疫した。抗原を用いて、マウスに対して初回抗原刺激を行い、続いて3ヶ月にわたって数回の追加免疫注射を行った。脾臓細胞とSP2/0-Agl4ミエローマ細胞との細胞融合をPEG融合技法にしたがって行った。一時に15の融合を続けて行うことに成功した。HAT培地における選択、限界希釈法による細胞の分離の繰り返し、ELISA法による上清のスクリーニングの3週間後、192の安定な、抗体産生ハイブリドーマを得た。抗体のアイソタイプを確認したところ、192のモノクローナル抗体のうち、140がIgM抗体であり、52がIgG抗体であることが判明した。52のIgG抗体産生ハイブリドーマ全てを融解し、もう1回分離し、それらのIgG産生に関する試験を行った。細胞死の後、上清1mlあたり5μg未満のIgGしか産生しなかったハイブリドーマを除外した。
42の抗体を150〜200mlの小体積の上清に作製し、プロテインAまたはプロテインGを用いて、HPLCアフィニティクロマトグラフィーのカラム上で精製した。精製された抗体を、それらのマイトジェンに対する免疫応答を阻害する能力について(図1、増殖アッセイ)、ならびに、それらの48時間活性化したヒト細胞の上清中でのサイトカイン発現に及ぼす影響について試験した(図1、IFNgおよびhIL2、ELISA法)。
放射性増殖アッセイ− Hチミジンの組み込み
健康なドナーのPBMCをFicoll-Paque密度遠心分離プロトコルにしたがって単離した。1ウェルにつき50000個のPBMCのサンプルをPHA(1μg/ml)で刺激し、5%CO、37℃で、TIRC7抗体とIgG対照抗体の存在下で総量100μl/ウェルとして48時間インキュベートした。サンプルをそれぞれ三箇所、96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)上に流した。48時間後、1ウェルにつき0.5μCiのHチミジンを添加し、細胞をさらに18時間、再インキュベートした。細胞を、細胞ハーベスターを用いて回収し、溶解させ、ニトロセルロースフィルターMTP上に回収した。プレートを室温で4時間乾燥した。サンプルによって生成される放射性同位体シグナルを高めるため、シンチレーション液を添加し、ベータカウンターを用いて1分ごとの数を計数した。
PBMC上清中の分泌されたサイトカインの定量
健康なドナーのPBMCをFicoll-Paque密度遠心分離プロトコルにしたがって単離した。1ウェルにつき50000個のPBMCのサンプルをPHA(1μg/ml)で刺激し、5%CO、37℃で、TIRC7抗体とIgG対照抗体の存在下で総量100μl/ウェルとして48時間インキュベートした。サンプルを3部、96ウェルマイクロタイタープレート(MTP)上に流した。48時間後、MTPを300xgで10分間遠心分離し、上清をウェルから回収した。上清中のサイトカインの定量化を、Cytoscreen(登録商標)、ELISA用キット(Biosource社製)を備えた抗サイトカイン抗体コートマイクロタイターストリップ上で行った。事前に回収しておいた上清および希釈された標準物質を、特異的なサイトカインを認識するビオチン化二次抗体の存在下で、室温で1.5〜3時間、これらのストリップ上で、測定されたサイトカインに応じてインキュベートした。その後、洗浄緩衝液を用いて3回洗浄することによって、過剰の二次抗体を除去した。ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼコンジュゲートを添加し、45分間〜1時間、室温でインキュベートした。洗浄により過剰のコンジュゲートを除去した。TMB基質溶液を添加し、ストリップをさらに30分暗室でインキュベートし、その後停止溶液を添加した。発色を450nmで測定し、その数を統計学的に分析した。
第1の機能的スクリーニングから、増殖を阻害する15の抗体が得られた(図2、増殖アッセイ)、ならびに健康ドナーのPHA刺激ヒトPBMCのIFNγおよびIL−2(図2)は、陽性対照(100%)に対して計算したところ30%以下であった。
次の選択プロセスは、ハイブリドーマの産生安定性、抗体の安定性、免疫沈降性および免疫蛍光染色に基づいて行った。最終的に、3つの抗体、すなわち#9および#17(TIRC7の最も大きな細胞外ループに由来するペプチドで免疫されたマウス脾臓細胞を用いて行われた融合に由来する)ならびに#18(この場合、免疫化に用いられるペプチドは、TIRC7の細胞外C末端に由来する)を選択した(図3)。下記の表は、IgGアイソタイプおよび選択された3つの抗体の免疫化に用いられたペプチドを示している。
Figure 2005525792
これらの抗体についてをさらに調べた。さらに、クローン9の抗体においては、Metiliximabが示され、クローン17の抗体においては、Neliximabが示されていた。
実施例2:キメラ抗体の開発
1.抗体Metiliximab およびNeliximabのV およびV 領域の同定
1.1 RNAの単離。RNA源ハイブリドーマ細胞を用いて、上記実施例1に記載の抗体を発現させた。単離は、QIAGEN(Mini)のRNA単離カラムを用いて、製造元の指示に従って行った。
1.2 cDNAの合成。cDNAの合成は、全RNAを用いて行った:17μl中の3μgの全RNAを表2に記載のcDNAプライマー2μlとともにインキュベートした。インキュベートは75℃で10分間行った。
表2:cDNA合成およびマウス可変領域(VおよびV)の増幅のためのプライマー配列
A:cDNA合成のためのプライマー
- V領域のプライマー
MOCG12Forcor : CAC AAT TTT CTT GTC CAC CTT GGT GC
- V領域のプライマー
MOCKFOR: CTC ATT CCT GTT GAA GCT CTT GAC AAT
B:マウス可変領域の増幅のためのプライマー
- V
バックプライマー
MHV.B1.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAT GTG AAG CTG CAG GAG TC
MHV.B2.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG CAG GTG CAG CTG AAG GAG TC
MHV.B3.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG CAG GTG CAG CTG AAG CAG TC
MHV.B4.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG CAG GTT ACT CTG AAA GAG TC
MHV.B5.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAG GTC CAG CTG CAA CAA TCT
MHV.B6.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAG GTC CAG CTG CAG CAG TC
MHV.B7.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG CAG GTC CAA CTG CAG CAG CCT
MHV.B8.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAG GTG AAC CTG GTG GAG TC
MHV.B9.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAG GTG AAG CTG GTG GAA TC
MHV.B10.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAT GTG AAC TTG GAA GTG TC
MHV.B11.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAG GTC CAG CTG CAA CAG TC
MHV.B12.NcoI GAA TAG GCC ATG GCG GAG GTG CAG CTG GAG GAG TC
フォワードプライマー
MHC. F. HindIII GGC CAG TGG ATA AAC CTT TGG GGG TGT CGT TTT GGC
- V
バックプライマー
MKV.B1.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ATG TTT TGA TGA CCC AAA CT
MKV.B2.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ATA TTG TGA TGA CGC AGG CT
MKV.B3.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ATA TTG TGA TAA CCC AG
MKV.B4.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ACA TTG TGC TGA CCC AAT CT
MKV.B5.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ACA TTG TGA TGA CCC AGT CT
MKV.B6.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ATA TTG TGC TAA CTC AGT CT
MKV.B7.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ATA TCC AGA TGA CAC AGA CT
MKV.B8.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ACA TCC AGC TGA CTC AGT CT
MKV.B9.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAC AAA TTG TTC TCA CCC AGT CT
MKV.B10.MluI TAC AGG ATC CAC GCG TAG ACA TTC TGA TGA CCC AGT CT
フォワードプライマー
MKV. F. Not TGA CAA GCT TGC GGC CGC GGA TAC AGT TGG TGC AGC ATC
8μlのFirst-strand緩衝液、4μlのDTT、4μlのdNTP、0.5μlのRNase阻害剤および1μlのDNaseからなる混合物を添加し、さらに、37℃で30分インキュベートした。75℃で5分間インキュベートすることによって酵素を不活化した。1μlの逆転写酵素および1μlのRNase阻害剤を添加し、42℃で45分間インキュベートすることによってcDNAを合成した。94℃で5分間、熱不活性化が生じた。
1.3 可変領域のPCR増幅。CLONTECH社製の Advantage-high-fidelity Polymeraseの成分を用いて増幅を行った。1μlのcDNA(200pg)、5μlの反応緩衝液、200μM dNTPの等モル混合物、ならびに表2に記載の25pmolのフォワードプライマーおよび25pmolのバックプライマーを用いて、50μl体積中で反応させた。増幅は36サイクル行った。各サイクルが94℃で15秒間の変性、55℃〜65℃で30秒間のアニーリング、72℃で30秒間の伸長をそれぞれ含む。最後の増幅後、5分間のさらにもう1回の伸長を追加した。
1.4 PCR増幅されたV領域の原核発現ベクターpOPE−101(Genbank # Y14585)へのクローニング。異なるアニーリング温度で増幅されたPCR産物をプールし、酢酸ナトリウムpH5.2(1/10体積)、エタノール(2.5体積)および担体としての1μlのグリコーゲン(ROCHE)を添加することによって、DNAを析出させた。DNAを1%アガロースゲル上に精製し、切除(QIAGEN社製、ゲル精製キット)し、V領域をNotI/MluI (New England Biolabs)消化するか、またはV領域をNcoI/Hind III (New England Biolabs)消化した。消化は、45μlの精製DNA(約2μg)、5μlの推奨された緩衝液および5ユニットの酵素を含む50μlの反応体積中で37℃で3時間行った。
製造元(QIAGEN Gel製、精製キット)の指示にしたがって、消化されたDNAを、1%アガロースゲルに通すことによって精製し、該ゲルから切除した。消化され、ゲル精製されたV領域の50ngの部分を500ngの適切に消化され、精製された発現ベクターpOPE101に、最終的な体積40μlで、1μlのリガーゼ(Boeringer Mannheim)を用いて16℃で一晩ライゲーションした。DNAを析出させ、XL1ブルー(Epicurian coli; STRATAGENE)中でエレクトロポレーションし、細菌を1mlのSOC培地中で1時間成長させ、回復させた。細菌をSOBoATプレート上で平板培養し(0.1Mグルコース、100μgml−1のアンピシリン、12.5μgml−1のテトラサイクリン)、ならびに、一晩インキュベーションした後、クローンをはがし、DNAをDNA精製カラムを用いて、製造元の指示(MACHEREYおよびNAGEL)に従って単離した。
ベクターDNA(V鎖を含有する)をNcoI/HindIIIで消化し、製造元(QIAGEN Gel精製キット)の指示にしたがって、1%アガロースゲル上に通すことによって精製し、該ゲルから切除した。
この精製され、消化されたベクターDNAを、上記NcoI/HindIII消化されたV領域と一緒にライゲーションした。大腸菌中でのエレクトロポレーション後、別々のクローンを取り出し、ペプチドに対して特異性をもつ機能的scFv(一本鎖)の発現を調べるスクリーニングを行った。
1.5 陽性バインダーのためのトランスフェクトされた細菌のスクリーニング。細菌の発現を、IPTG誘導し、可溶性scFv-myc融合蛋白質を、パリプラズム成分から細菌の浸透圧性溶解によってレスキューした。該scFv-myc融合蛋白質を含有する上清を2%ミルクPBS中で遮断し、予めウェル1つ当たり100ngのペプチドが塗布されているELISAプレートのウェルで3時間インキュベートした。ペプチド6結合scFvの検出は、抗c-myc(マウス)および西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート抗マウス(ウサギ)とともにインキュベートすることによって行った。陽性クローンのベクターDNAをレスキューし、VおよびV領域ヌクレオチド配列を決定した。VおよびV領域の配列を図4〜7に示す。
2.キメラ抗体の構築
キメラ組換え抗体を構築するために、VおよびV可変領域を、LONZA Biologics、(Slough、UK)よりそれぞれ購入した、pConGammalfベクター(V領域用)またはpConKappaベクター(V領域用))にクローニングした。それによって、可変領域の上流に、IgGリーダー配列およびKozak配列を導入し、培地に分泌させた。トランスフェクションを促進し、軽鎖と重鎖の産生量の均衡をとるために、該2つのベクター(pConGammlfおよびpConKappa)を融合した。
2.1 PCRによる真核生物のリーダー配列の導入:CLONTECH社製Advantage-high-fidelity Polymeraseの成分を用いた。PCR反応は、テンプレートとしてVまたはVのいずれかの領域、5μlの反応緩衝液、200μM dNTP等モル混合物、ならびに表3に記載の25pmolのフォワードプライマーおよび25pmolのバックワードプライマーとを含有する1μl(100ng)のpOPEベクターを用いて、50μl体積中で行った。
表3:リーダー配列の導入のためのプライマーおよびV領域のクローニング
pConGammalfベクター中のV鎖のクローニング:
5’−プライマー
5’#9リーダー VH-HindIII: 5’- GCG CGC AAG CTT GCC GCC ACC ATG GGA TGG AGC TGT ATC ATC CTC TTC TTG GTA GCA ACA GCT ACA GGT GTC CAC TCC GAG GTG CAG CTG CAA CAG TC -3´
3’−プライマー
3’#9VH-ApaI: 5´- TTT ATA TGG GCC CTT GGT GGA GGC TGA GGA GAC GGT GAC CGT GGT-3´
pConKappaベクター中のV鎖のクローニング:
5’−プライマー
5’#9リーダーVL-HindIII: 5’- GCG CGC AAG CTT GCC GCC ACC ATG GGA TGG AGC TGT ATC ATC CTC TTC TTG GTA GCA ACA GCT ACA GGT GTC CAC TCC CAA ATT GTT CTC ACC CAG TCT -3´
3’−プライマー
3´#9VL-BsiWI: 5´- ATA TGG CGT ACG TTT GAT TTC CAA CTT GGT GCC -3’
5’プライマーの補助プライマー
HindIII-Kozakbeg: 5’- GCG CGC AAG CTT GCC GCC AC -3´
増幅は36サイクル行った。各サイクルが94℃で15秒間の変性、65℃で30秒間のアニーリング、72℃で30秒間の伸長をそれぞれ含む。10サイクル後、25pmolのプライマーHindIII-Kozakbeg(表3参照)を反応混合物に添加した。最後の増幅サイクル後、さらにもう1回の5分間の伸長期間を追加した。
2.2 IgG定常領域を含有するベクターへのクローニング。PCR産物を、1%アガロースゲルに通すことによって精製し、HindIII/ApaI (V鎖)またはHind III/BsiWI (V鎖)で消化し、再びゲル精製した。50ngの消化されたVおよびV領域を200ngの適切に消化されたpConGammalfおよびpConKappaベクターにそれぞれライゲーションした。プロモーター領域と重鎖全体の遺伝子を含有するV発現カセットを、NotI/SalIで消化することによって、pConGammalfベクターからレスキューし、適切に消化され、精製されたpConKappaベクターにライゲーションした。得られた二重の遺伝子ベクターを、Pvu Iで直線化し、フェノール/クロロホルム抽出し、1μgを1×10個のNSOまたはCHO細胞のいずれかのトランスフェクションのために使用した。
抗体を単離し、結合および生物活性について調べた。キメラ抗体の結合および機能的特徴を、マウス抗体のそれと比較して、図8および9に示している、それらは下記のように要約される。
ELISA:TIRC7由来ペプチドであるペプチド6に対する特異性
ウェスタンブロット:マウスmAbと同じバンドパターン
T細胞増殖アッセイ:マイトジェン誘導性T細胞増殖の阻害
アフィニティ測定:
・ペプチド6に対するキメラNeliximabのアフィニティ:Kd=1nM
・ペプチド6に対するマウスNeliximabのアフィニティ:Kd=1nM
・ペプチド6に対するマウスMetiliximabのアフィニティ:Kd=0、5nM
・ペプチド6に対するキメラMetiliximabのアフィニティ:Kd=1nM
本明細書に引用された全ての特許、特許文献および文献の、完全な開示を本発明に引用によって援用する。既に述べた詳細な説明および実施例は、理解を明確にするのためだけに述べたものであり、なんら不要な限定をするものであると理解すべきではない。本発明は、示されて説明されている正確な詳細な説明に限定されるものでなく、当業者にとって自明の変更例もクレームによる発明の範囲に含まれるものである。
図1は、TIRC7抗体の存在下での機能的アッセイを示す。実施例1参照。 図2は、選択されたTIRC7 mAbsの存在下での機能的アッセイを示す。実施例1参照。 図3は、選択された三つの治療的TIRC7 mAbsの存在下での機能的アッセイを示す。実施例1および表1参照。 図4は、クローン9(Metiliximab)のV配列を示す(CDRにアンダーラインを付けている)。 図5は、クローン9(Metiliximab)のV配列を示す(CDRにアンダーラインを付けている)。 図6は、クローン17−1(Neliximab)のV配列を示す(CDRにアンダーラインを付けている)。 図7は、クローン17−1(Neliximab)のV配列を示す(CDRにアンダーラインを付けている)。 図8は、モノクローナル抗体1のアフィニティ測定を示す。マウス抗体およびキメラ抗体のVol6に対するアフィニティ測定をFriquetら(1985)の方法によって行った。それによって、抗体(濃度、単位:nM)を、平衡が達成されるまで、Vol6の濃度を上昇させながら滴定した。遊離抗体の画分をELISA法によって測定した。Klotz-Blot図中の符号:a=抗原濃度(ペプチド6)(単位nM)、b=結合した抗体。抗体の2価性は、1/aに対してb−1/2をブロットすることによって検討した。 図9は、キメラ化(ヒト定常領域であるため、図9ではヒト化と呼んでいるが、キメラ化の意味である)治療TIRC7 mAbの存在下での機能的アッセイを示す。キメラ化抗TIRC7 mAb抗体のT細胞増殖に対する機能的な阻害能が示されており(増殖アッセイ)、ならびにマイトジェンの存在下でのヒトT細胞活性48時間後の、用量依存的なIFNガンマサイトカイン阻害(サイトカインELISA)が示されている。
【配列表】
Figure 2005525792
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Claims (21)

  1. 配列番号:9〜11のいずれか1つに示されたアミノ酸配列を含む、または、それから成る抗原に結合することが可能なモノクローナル抗体または抗原結合分子。
  2. 可変領域のVおよび/またはVの少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)を、その可変領域に含む請求項1に記載の抗体または抗原結合分子であって、前記可変領域が、
    (a)図4(V)(配列番号:2)および図5(V)(配列番号:4)に示されたアミノ酸配列、または
    (b)図6(V)(配列番号:6)および図7(V)(配列番号:8)に示されたアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の抗体または抗原結合分子。
  3. 前記抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
  4. 図4〜7のいずれか1つに示されたV領域および/またはV領域のアミノ酸配列を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体によって認識される、抗原またはそのエピトープ。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体のイムノグロブリン鎖の少なくとも1つの可変領域をコードするポリヌクレオチド。
  7. 前記抗体の他のイムノグロブリン鎖の可変領域をコードする請求項6に記載のポリヌクレオチドと任意に組み合わせた、請求項6に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  8. 請求項6に記載のポリヌクレオチドまたは請求項7に記載のベクターを含む宿主細胞。
  9. 抗体またはその機能的断片もしくはイムノグロブリン鎖を調製する方法であって、
    (a)請求項8に記載の細胞を培養すること、
    (b)前記抗体またはその機能的断片もしくはそのイムノグロブリン鎖を前記培養物から単離すること、を含む方法。
  10. 請求項6に記載のポリヌクレオチドによってコードされた、又は請求項9の方法によって得ることができる、抗体、そのイムノグロブリン鎖またはその抗原結合断片。
  11. 請求項1〜4または10のいずれか1項に記載の抗体、請求項5に記載の抗原、請求項6に記載のポリヌクレオチド、請求項7に記載のベクターまたは請求項8に記載の細胞を含む組成物。
  12. 医薬組成物であり、薬学的に許容される担体をさらに含む請求項11に記載の組成物。
  13. 免疫抑制剤をさらに含む、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 請求項1〜4もしくは10のいずれか1項に記載の抗体、請求項5に記載の抗原、請求項6に記載のポリヌクレオチド、請求項7に記載のベクター、または請求項8に記載の細胞を含み;免疫ベースもしくは核酸ベースの診断方法に通常使用されている適切な試薬を任意に含む診断的組成物。
  15. 請求項1〜4もしくは10のいずれか1項に記載の抗体、または請求項5に記載の抗原の、免疫反応を阻害するための医薬組成物を調製するための使用。
  16. 前記医薬組成物は、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、またはエアゾルとして投与される、請求項15に記載の使用。
  17. それを必要とする患者において免疫応答を調節する方法であって、請求項1〜4もしくは10のいずれか1項に記載の抗体、または請求項5に記載の抗原を投与することを含む方法。
  18. T細胞免疫応答cDNA7(TIRC7)の異常発現または機能不全に関連する障害の診断および/または治療のための、請求項1〜4もしくは10のいずれか1項に記載の抗体の少なくとも1つのCDRを含む、リガンド結合分子の使用。
  19. 前記リガンド結合分子は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗体、またはそのイムノグロブリン鎖である、請求項18に記載の使用。
  20. 配列番号:12〜40のいずれか1つに示されているヌクレオチド配列により本質的には構成されるオリゴヌクレオチド。
  21. 抗TIRC7抗体またはTIRC7結合分子をクローニングするための、配列番号:12〜40のいずれか1つに示されているヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドの使用。
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