JP2005521670A - ゾニポリドメシレート医薬組成物及びゾニポリドの溶解度を改善する方法 - Google Patents

ゾニポリドメシレート医薬組成物及びゾニポリドの溶解度を改善する方法 Download PDF

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Abstract

2〜3.5のpH範囲の水性の希釈剤の存在下、ゾニポリド(N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン)又はそのメシレート塩を含む医薬組成物。該組成物は、中でも哺乳動物における術中の心筋虚血傷害の予防のための、ナトリウム・プロトンエクスチェンジャー−1(NHE-1)阻害剤である。さらに、本出願は、メタンスルホン酸を利用して、ゾニポリドの溶解度を増加させるための方法にも関する。

Description

本出願は、2002年1月30日に出願された仮出願第60/353,025号に基づく優先権の利益を主張する継続出願である。
本発明は、以下の式I:
Figure 2005521670
により表される化合物、N−(5−シクロプロピル−1−キノリン−5−イル−1H−ピラゾール−4−カルボニル)−グアニジン(以下、「ゾニポリド(Zoniporide)」という。)のメシレート塩を含む凍結乾燥製剤に関する。本発明はまた、ゾニポリドメシレートの水性の製剤にも関する。
本発明はさらに、ゾニポリド又はゾニポリドメシレートの水中濃度を増加させる方法に関する。
ゾニポリドは、中でも人を含む哺乳動物における術中の心筋虚血傷害の予防のためのナトリウム−プロトンエクスチェンジャー−1(NHE−1)阻害剤である。心筋虚血障害は、外来患者並びに術中の状況で発生し得るものであり、突然死、心筋梗塞又はうっ血性心不全に導き得る。心筋虚血傷害、特別には術中心筋梗塞を予防又は最小化することに対するかつてない医学的必要性がある。そのような治療は、生命を救い、及び入院を少なくし、生活の質を高め、そしてハイリスク患者に対する健康管理の費用全体を減少させることが期待される。
ゾニポリドは、1999年8月18日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/367,731号(WO99/43663A1)の対象である。ゾニポリド及びゾニポリドメシレートの製造は、2000年8月10日に出願された同時係属中の米国特許出願第09/636,406号(EP1101763A2)、2001年4月17日に出願された同第09/657,254号(WO 01/30759A2)の対象である。上記の出願書類及び本明細書中に引用されたすべての他の引用文献は、そっくりそのまま参考文献として本明細書中に援用されている。
商業的なバイアル中での凍結乾燥は、安定化の目的で医薬製剤を製造するための慣用方法である。本発明においては、水中での不安定性の問題によって、ゾニポリドは凍結乾燥を経た乾燥状態で有利に貯蔵されることができる、と確認された。しかしながら、一つの静脈内バッグにおける好ましい日用量(約3mg/kg/日〜約18mg/kg/日)を達成するには、ゾニポリドの不適切な溶解度のために大きなバイアルが必要であった。そのようなバイアルを全体の約半分以下に満たすことは商業的慣行であり、凍結乾燥製剤を溶液として再構成するために薬剤として許容可能な希釈剤が加えられるときの振盪のための上部空間を、それによって残す。
したがって、好ましいゾニポリドの単位用量、凍結乾燥技術及び所要量、並びに費用を考慮に入れると、凍結乾燥のための商業的に可能な最大のバイアルは約50mLである。結局、ゾニポリドの水中溶解度を増加させるだけでなく、製剤を50mLのバイアル中で凍結乾燥することの限界を含む、凍結乾燥によって与えられた制限を出ないことが必要であった。
一般的に、医薬品の用量形態の製剤は、しばしば化合物の水中における溶解度及び安定性の低さによって妨げられ、それは今度はその治療適用を厳しく制限し得る。薬物の溶解度及び安定性を増加させる方法は、有機溶媒、エマルジョン、リポソーム及びミセルの使用、製剤溶媒系のpH及び比誘電率の調整、化学的修飾、薬剤とシクロデキストリンのような適切な錯体形成剤との錯体形成、並びに薬剤物質の異なる塩の形成を含む。
ゾニポリド又はその薬剤として許容可能な塩の溶解度を増加させる伝統的な方法は、溶解度を充分に増加できないか、又は医薬品として許容できない他の問題を生じさせるかのいずれかであったことがわかった。ゾニポリドの溶解度を増加させるための最も商業的に実行可能であり、最も薬剤として許容可能な手段は、この特別な場合には、pH調整を介するものであった。中でも塩酸、硫酸及びリン酸のような典型的なpH調節剤は、水性溶液中のゾニポリドの濃度を増加させる手段と考えられたが、輸注について許容可能なpH範囲にわたっては顕著な溶解度の増加は測定されなかった。
しかしながら、驚くべきことに、医薬品のpH調節のための慣用の酸が好適でないか又は最適でない一方、ゾニポリドのpH調節及び溶解度の増加はメタンスルホン酸の添加によって達成されることができた。さらなるメタンスルホン酸の添加は、さらにpHを低下させつつ溶解度を改善した。
発明の要約
最初の側面において、本発明は以下の式I:
Figure 2005521670
により表される化合物又はそのメシレート塩の溶解度を増加させる方法であって、薬剤として許容可能な水性の希釈剤の存在下で式Iの化合物をメタンスルホン酸で処理し、溶液を形成すること、ここで該溶液のpHは約2〜約3.5である、を含む上記方法を提供する。
好ましい実施態様において、上記pHは約2.2〜約3.2の範囲にある。
好ましい実施態様において、上記方法はさらに、1〜2の範囲のメタンスルホン酸の式Iの化合物に対するモル比を含む。
好ましい実施態様において、上記方法はさらに、0〜1の範囲のメタンスルホン酸の式Iの化合物のメシレート塩に対するモル比を含む。
好ましい実施態様において、上記薬剤として許容可能な希釈剤は、注射用の水又は5%デキストロースである。
他の実施態様において、上記方法はさらに、抗酸化剤、張力調節剤、容積補充剤、緩衝剤及び保存剤から成る群から選ばれる薬剤として許容可能な賦形剤を含む。
好ましい実施態様において、上記容積補充剤は、糖、ポリアルコール、アミノ酸、ポリマー又はポリサッカライドから成る群から選ばれる。
好ましい実施態様において、上記容積補充剤は糖である。より好ましい実施態様において、上記糖は、グルコース、マルトース、シュークロース、及びラクトースから成る群から選ばれる。
好ましい実施態様において、上記容積補充剤はポリアルコールである。より好ましい実施態様において、上記ポリアルコールはソルビトール又はマンニトールである。さらにより好ましい実施態様において、上記容積補充剤はマンニトールである。
好ましい実施態様において、上記容積補充剤はアミノ酸である。より好ましい実施態様において、上記アミノ酸はグリシンである。
好ましい実施態様において、上記容積補充剤はポリマーである。より好ましい実施態様において、上記ポリマーはポリビニルピロリドンである。
好ましい実施態様において、上記容積補充剤はポリサッカライドである。より好ましい実施態様において、上記ポリサッカライドはデキストランである。
第二の側面において、本発明は以下の式I:
Figure 2005521670
により表される化合物のメシレート塩、薬剤として許容可能な水性の希釈剤及びメタンスルホン酸を含む医薬組成物を含み、ここで、該組成物が約2〜約3.5の範囲にあるpHを有する、を含む。
他の実施態様においては、上記組成物はさらに、抗酸化剤、張力調節剤、容積補充剤、緩衝剤及び保存剤から成る群から選ばれる、薬剤として許容可能な賦形剤を含む。
好ましい実施態様においては、上記容積補充剤は、糖、ポリアルコール、アミノ酸、ポリマー又はポリサッカライドから成る群から選ばれる。
好ましい実施態様においては、上記糖は、グルコース、マルトース、シュークロース、及びラクトースからなる群から選ばれ;上記ポリアルコールは、ソルビトール又はマンニトールであり;上記アミノ酸はグリシンであり;上記ポリマーはポリビニルピロリドンであり;そして上記ポリサッカライドはデキストランである。
より好ましい実施態様において、上記容積補充剤はマンニトールである。
好ましい実施態様において、上記組成物は、約2.2〜約3.2のpHを有する。
好ましい実施態様において、上記組成物は、約1〜約5の範囲にある容積補充剤/式Iの化合物比を有する。
より好ましい実施態様において、上記比は約1.5〜約3の範囲にある。
さらにより好ましい実施態様において、上記比は、約1〜約2の範囲にある。
第三の側面において、本発明は、上記医薬組成物を凍結乾燥することによって製造される、式Iの化合物又はそのメシレート塩を含む医薬組成物を提供する。
より好ましい実施態様において、上記凍結乾燥された組成物は、約2.2〜約3.2の範囲にあるpHを有する。
第四の側面において、本発明は、以下の:
(a)以下の式I:
Figure 2005521670
により表される化合物のメシレート塩を含む、凍結乾燥された医薬組成物の治療的有効量;
(b)薬剤として許容可能な水性の希釈剤;及び
(c)上記組成物(a)及び上記希釈剤(b)を入れるための第一及び第二容器手段であって、ここで、上記第一容器が上記第二容器からの上記希釈剤を受容するように適合されている、上記第一及び第二容器手段;
を含むキットを提供する。
好ましいキットの実施態様において、上記希釈剤は5%デキストロースである。
本明細書中で使用される「組成物」という用語は、中でも(1)式Iの化合物、ゾニポリド又はゾニポリドの遊離塩基のメシレート塩(以下、「ゾニポリドメシレート」という。)を含む溶液、又は(2)そのような溶液の凍結乾燥残渣を包含する。上記溶液は、溶解された式Iの化合物の安定化を助け、及び/又は溶液(1)の凍結乾燥後に生じる凍結乾燥物の再構成において再溶解を容易にする1以上の任意の作用物質を含むことができる。そのような任意の作用物質は、中でも本明細書中でさらに開示される容積補充剤、保存剤、及び緩衝剤を含む。
「溶解度を増加させる(又は増加させること)」という句は、ゾニポリド又はゾニポリドメシレートの溶解度を水中のゾニポリドメシレートの溶解度よりも大きな(すなわち、約18mgA/mLより大きい)値に増加させることを意味する。
「モル比」という用語は、メタンスルホン酸のモル対式Iの化合物又はそのメシレート塩のモルを指す。
「mgA/mL」という単位は、活性化合物、ゾニポリドのmg/mLを指す。
「凍結乾燥」という用語は、組成物をフリーズドライするための、当業者に認識された慣用手順を指す。「凍結乾燥された」及び「フリーズドライされた」は、本明細書中で同義語として使用される。
「薬剤として許容可能な」などの用語は、ヒト及び獣医学の分野の両方における適用を指すことを意味する。
「薬剤として許容可能な水性の希釈剤」という用語は、水又は本発明の組成物の製造に使用されるための薬剤として許容可能な他の賦形剤を含む、ヒト及び獣医学の分野の両方において静脈内輸注適用の許容可能な希釈剤(例えば、塩化ナトリウムの等張溶液、エタノール又はリン酸、酢酸若しくはクエン酸緩衝液を含む水、及びベンジルアルコールを含む注射用の静菌性の水)を指すことを意味する。
「ゾニポリド」という用語は、遊離塩基としての活性化合物ゾニポリドを意味する。
「ゾニポリドメシレート」という用語は、2000年8月10日に出願された、同時係属中の米国特許出願第09/636,406号(EP1101763A2)及び2001年4月17日に出願された同第09/657,254号(WO01/30759A2)に記載された通りに製造されたゾニポリドのメシレート塩を意味する。ゾニポリドメシレートはまた、本明細書に記載の通りにメタンスルホン酸を遊離塩基に添加することによって製造される、ゾニポリドのモノメシレート塩をも意味し、該塩は水性溶液中に溶解された場合、約5以下のpHを示す。
「糖」という用語は、グルコース、マルトース、シュークロース及びラクトースを含むが、これらに限定されないものとして本明細書中で定義される。
「ポリアルコール」という用語は、ソルビトール又はマンニトールを含むが、これらに限定されないものとして本明細書中で定義される。
「アミノ酸」という用語は、グリシンを含むが、これに限定されないものとして本明細書中で定義される。
「ポリマー」という用語は、ポリビニルピロリドンを含むが、これに限定されないものとして本明細書中で定義される。
「ポリサッカライド」という用語は、デキストランを含むが、これに限定されないものとして本明細書中で定義される。
発明の詳細な説明
ゾニポリド又はゾニポリドメシレートは、それらすべてが本明細書中に参考文献としてそっくりそのまま援用されている、1999年8月18日に出願された、同時係属出願中の米国特許出願第09/367,731号(WO99/43663A1)、2000年8月10日に出願された、同第09/636,406号(EP1101763A2)及び2001年4月17日に出願された同第09/657,254号(WO01/30759A2)に記載された慣用の方法論によって本分野で知られた通りに製造されることができる。
本発明に関しては、メタンスルホン酸を添加してゾニポリド又はゾニポリドメシレートを可溶化することによって、治療的有効量が1以上のバイアル中で達成されるような、ゾニポリドメシレートの安定な製剤が開発された。
医薬製剤のpHを低下させるためのメタンスルホン酸の使用は、医薬品の分野で伝統的なものではない。特別には、驚くべきことにメタンスルホン酸は、なお注射用医薬製剤の所望のpHを維持しつつ、ゾニポリド水性溶液の最良の濃度を提供した。典型的には、低pH製剤に固有の注射部位の寛容化の問題によって、静脈内医薬製剤のpHは、約3のpH以上である。しかしながら驚くべきことに、予想される注射部位寛容化の問題なしに、ゾニポリド製剤のpHをメタンスルホン酸で約pH2まで低下させることによって、ゾニポリドの溶解度が増加されることができることが判明した。しかしながら、約2未満にpHを低下させることは、さらにゾニポリド濃度を増加させることができるが、注射部位寛容化の問題を引き起こすかも知れない。
例えば、ゾニポリドメシレートの製剤化のためにゾニポリド又はゾニポリドメシレートを可溶化する典型的なプロセスにおいては、最初にメタンスルホン酸(例えば、6mg/mL)が、1以上の任意の薬剤として許容可能な賦形剤を含む、(注射用の)水、5%デキストロース又は他の好適な薬剤として許容可能な水性の希釈剤に、攪拌しながら、pHが5未満となるように添加される。そして、治療的有効量の(例えば、20mg/mLの)ゾニポリド又はゾニポリドメシレートが、(ゾニポリドを添加する場合にはゾニポリドメシレートを形成して)溶解するまで攪拌しながら加えられる。好ましい実施態様においては、pHは約2.0〜約3.5の範囲内に調節される。最終的なpHへの調整は、メタンスルホン酸又は好適な薬剤として許容可能な塩(例えば、10%の水酸化ナトリウム)の添加によって達成される。
その質が活性化合物ゾニポリドの最終的な所望の再構成された濃度に依存する、得られた製剤溶液のアリコートは清澄化され、滅菌濾過され、そして凍結乾燥に好適な容器(例えば、バイアル)に無菌的に移され、そしてバイアルの場合には、部分的に凍結乾燥用の栓(lyo-stopper)で栓をされる。本明細書中で以下に記載されるように、上記製剤は凍結するまで冷却され、本分野においてそれ自体慣用の方法で凍結乾燥され、そして、蓋で密封され、安定な凍結乾燥製剤を形成する。好ましい実施態様において、上記組成物は、凍結乾燥物の重量に基づいて5重量%未満の低い残留水分を有する。より好ましい実施態様においては、上記組成物は、1重量%未満のレベルの残留水分成分を有する。
当業者は、製剤の製造において、請求の範囲に定義された本発明の範囲を離れることなく、上記の添加の順番と異なる順番が可能であることを理解するであろう。例えば、1以上の任意の薬剤として許容可能な賦形剤を含む、薬剤として許容可能な希釈剤中のゾニポリド又はゾニポリドメシレートは、pHが5未満となるように、懸濁液を攪拌しながらメタンスルホン酸を添加することによって可溶化されることができる。
好ましい実施態様において、ゾニポリド又はゾニポリドメシレートの充分な溶解度を達成するために、メタンスルホン酸がpHを調節するために利用される。一般的に、製剤中のメタンスルホン酸の量は、メタンスルホン酸対ゾニポリドの遊離塩基のモル比が約1〜2の範囲であるようなものである。好ましい製剤は、利用されたメタンスルホン酸の量及び最終的な製剤のpHレベルに依存して、溶解したゾニポリドのモノメシレート塩及び/又はジメシレート塩を多様な濃度で含む。
容積補充剤は、一般的にプロセスを容易にし及び/又は凍結乾燥ケーキに容積及び/又は機械的統合性を与えるために凍結乾燥技術において使用される。本明細書で使用されるとおり、「容積補充剤」という語は、自由に水に溶解可能な固体粒子の希釈剤であって、ゾニポリドメシレートと同時凍結乾燥された場合、物理的に安定な凍結乾燥ケーキ、より最適な凍結乾燥プロセス及び迅速且つ完全な再構成を提供する。容積補充剤はまた、溶液を等張にするために利用されることもできる。
本発明において使用されるのに好適な水溶性の容積補充剤は、典型的に凍結乾燥に使用される、薬剤として許容可能な不活性固体物質のいずれでもよい。そのような容積補充剤は、例えば、グルコース、マルトース、シュークロース及びラクトースのような糖;ソルビトール及びマンニトールのようなポリアルコール;グリシンのようなアミノ酸;ポリビニルピロリドンのようなポリマー;並びにデキストランのようなポリサッカライドを含む。しかしながら、好ましい実施態様においては、マンニトールが容積補充剤として使用される。
本発明の組成物中で使用される、容積補充剤の重量対活性化合物ゾニポリドの重量の比は、一般的に約1〜約5の範囲内にあるべきである。好ましい実施態様において、容積補充剤対ゾニポリドの比は、約1〜約3の範囲内である。容積補充剤の量は、ゾニポリドの量と関連している。好ましい実施態様においては、マンニトールが容積補充剤であって、ゾニポリドに対する比は約1〜約2の範囲である。
ゾニポリドのメシレート塩からの溶解性増進効果は、所望の用量を有する溶液用量形態の達成を容易にする。凍結乾燥製剤は、増粘剤、湿潤剤、緩衝剤、抗酸化剤、保存剤及び張力調節剤などの当業者に知られた他の賦形剤を含むことができる。典型的な緩衝剤は、リン酸、酢酸、クエン酸、酢酸及びグリシンを含む。抗酸化剤の例は、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム、モノチオグリセロール、チオ尿素、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸塩を含む。有用な保存剤は、安息香酸及びその塩、ソルビン酸およびその塩、パラヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、フェノール、クロロブタノール、ベンジルアルコール、チメロサール、塩化ベンザルコニウム並びに塩化セチルピリジニウムを含むことができる。デキストロース及び塩化ナトリウム並びに先に示された緩衝剤は必要に応じて、張力調節剤として使用されることができる。
ゾニポリドメシレート製剤は、本分野で知られるとおり、乾燥、好ましくは凍結乾燥することによって製造されることができる。普通は、上記凍結乾燥製剤は、上記製剤をゼロ未満の温度から凍結するまで冷却する、凍結乾燥(例えば、バイアル中で)によって製造される。凍結材料はその後、真空下,溶媒として溶液中に本来含まれていた水成分を昇華させ、したがって、固体凍結乾燥ケーキを残して乾燥される。したがって、例えば、上記の賦形剤及びゾニポリドメシレートは、引き続いて好適な量の注射用の水の中で攪拌されつつ溶解される。その後、溶液は清澄化され、滅菌濾過され、無菌的に所望の容積の滅菌容器(例えば、バイアル)中に分配される。そして、凍結乾燥が実施され、バイアルは慣用の手順にしたがって、無菌的に密封される。
分離された乾燥製剤は、室温で貯蔵され、患者への非経口投与に必要とされる強度の溶液(例えば滅菌水、注射用の水、5%デキストロース、生理食塩水溶液、又はいずれかの薬剤として許容可能な等張溶液)を生成するのに充分な量で、慣用の方法の必要に応じて製品溶液中に再構成されることができる。本発明の注射用再構成溶液は、多様な可能な用量スケジュールにしたがって、高速の静脈内注射又は好ましくは静脈内輸注のいずれかによって投与される。製剤は、持続的輸注によって投与されることができる。再構成された本発明の組成物は、ヒトを含む哺乳動物における術中の心筋虚血傷害の予防に有用である。
最適の薬剤として許容可能な希釈剤の選択は、凍結乾燥製剤の濃度に依存する。例えば、生理食塩水希釈剤は、(例えば、0.1mgA/mLの)低濃度の再構成された製剤には適切である一方、より高濃度の製剤の沈殿又は不完全な再構成を引き起こすことができる。より高濃度の製剤については、5%デキストロース又は注射用の水による再構成が好ましい。
当業者は、多様な用量範囲が可能であり、中でも治療される対象、苦痛の重症度、および処方医の判断に依存するということを理解することができる。したがって、以下の用量はガイドラインであって、医師はその医師がその患者に適切であると考える治療を達成するために薬物の用量を滴定することができる。所望の治療の程度を考慮すると、医師は、患者の年齢、先在の病気、並びに他の病気(例えば、心臓血管の病気)の存在のようなさまざまな因子の釣り合いを取らなければならない。好ましい用量は、ゾニポリド約0.001mg/kg/日〜100mg/kg/日である。特別に好ましい用量は、約0.01〜50mg/kg/日であり、さらにより好ましい用量は約3mg/kg/日〜約18mg/kg/日である。
本発明は、以下の実施例によって例証されるが、それはその詳細に限られるものではない。製剤は、活性成分ゾニポリドの最終濃度及びゾニポリドメシレートの濃度の両方を表す。
実施例1
Figure 2005521670
温度を25±5℃に制御しながら、最終重量の90%の注射用の水を調合容器に加える。攪拌の間、40mg/mLのマンニトールを加える。溶解するまで攪拌する。4.56mg/mLのメタンスルホン酸を加える。光への露出を最小にし、26mg/mLのゾニポリドメシレートを加え、溶解するまで攪拌する。pHを測定し、必要に応じてメタンスルホン酸又は10%水酸化ナトリウムで約2.2〜約3.2pH単位に調節する。注射用の水で最終容量とし、必要に応じてメタンスルホン酸又は10%水酸化ナトリウムで約2.2〜約3.2のpHに最終的に調節する。
実施例2
Figure 2005521670
温度を25±5℃に制御しながら、最終重量の70%の注射用の水を調合容器に加える。攪拌の間、120mg/mLのマンニトールを加え、溶解するまで攪拌する。光への露出を最小にし、22.61mg/mLのメタンスルホン酸及びゾニポリドメシレートを加え、溶解するまで攪拌する。pHは約1.7であるべきである。注射用の水で最終容量とする。
実施例3
Figure 2005521670
温度を25±5℃に制御しながら、最終重量の70%の注射用の水を調合容器に加える。攪拌の間、150mg/mLのマンニトールを加える。溶解するまで攪拌する。光への露出を最小にし、メタンスルホン酸及びゾニポリドメシレートを加え、溶解するまで攪拌する。pHは約1.7であるべきである。注射用の水で最終容量とする。
実施例4
凍結乾燥製剤
実施例1〜3において上記のように製造した溶液の31mLアリコートを50mLバイアルに充填し、FTS Kinetics 凍結乾燥機(FTS Systems, Stone Ridge, New York)を用いて凍結乾燥した。凍結乾燥の間に、ワンステップフリージングプロトコールを用いて(−45℃で)組成物を凍結した。アニーリングのために温度を−10℃に上げ、その後−45℃で凍結するために下げ、続いて一次乾燥を+25℃で約3400分、続いて二次乾燥を段階的に50℃まで温度を上げて行った。一次及び二次乾燥の間の圧力は80ミリトルに設定した。

Claims (10)

  1. 以下の式I:
    Figure 2005521670
    により表される化合物、又はそのメシレート塩の溶解度を増加させる方法であって、以下のステップ:
    薬剤として許容可能な水性の希釈剤の存在下で、式Iの化合物をメタンスルホン酸で処理して、2〜3.5の範囲のpHを有する溶液を形成すること、
    を含む、前記方法。
  2. 以下の式I:
    Figure 2005521670
    により表される化合物のメシレート塩、薬剤として許容可能な水性の希釈剤及びメタンスルホン酸を含み、2〜3.5の範囲のpHを有する、医薬組成物。
  3. メタンスルホン酸の式Iの化合物に対するモル比が、1〜2の範囲にある、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. メタンスルホン酸の式Iの化合物に対するモル比が、0〜1の範囲にある、請求項2に記載の医薬組成物。
  5. さらに、抗酸化剤、張力調節剤、容積補充剤、緩衝剤及び保存剤から成る群から選ばれる、薬剤として許容可能な賦形剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
  6. 前記容積補充剤が、糖、ポリアルコール、アミノ酸、ポリマー及びポリサッカライドから成る群から選ばれる、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 前記pHが2.2〜3.2である、請求項2、3、4、5又は6に記載の医薬組成物。
  8. 式Iの化合物のメシレート塩を含み、請求項2、3、4、5又は6に記載の医薬組成物を凍結乾燥することによって製造される、医薬組成物。
  9. 虚血により引き起こされる組織の損傷を減少させる方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、治療的有効量の請求項8に記載の組成物又はそのプロドラッグを投与することを含む、前記方法。
  10. 以下の:
    (a)以下の式I:
    Figure 2005521670
    により表される化合物のメシレート塩を含む、凍結乾燥された医薬組成物の治療的有効量;
    (b)薬剤として許容可能な水性の希釈剤;及び
    (c)前記組成物(a)及び前記希釈剤(b)を入れるための第一及び第二容器手段であって、前記第一容器が前記第二容器からの前記希釈剤を受容するように適合されている、前記第一及び第二容器手段;
    を含む、キット。
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