JP2005521053A - 高用量細胞傷害性化学療法後の造血回復、好中球減少性発熱、および抗菌処置の予測のための細胞能力試験 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)被験体から得られた血液サンプル中に存在する白血球の量を測定する工程、ここで、上記被験体は、単回用量のG-CSFの投与に供されており、造血産生および貯蔵組織または辺縁趨向の部位から血液への白血球の動員または放出を可能にするのに十分な時間維持されている;および
(b)対照被験体において動員または放出された白血球の量を用いて、工程(a)で測定された白血球の量を評価することにより造血細胞能力を測定する工程、ここで上記対照被験体は、(i)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症の高い危険性を有する被験体、(ii)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症の中間の危険性を有する被験体、または(iii)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植またはそれらに対する感受性に関連する疾患、障害または合併症の低い危険性を有する被験体からなる群より選ばれる、を含む被験体の造血細胞能力を測定する方法に関する。
(d)対照哺乳動物中で同様の様式で測定されたパラメータの値を用いて、工程(a)で測定されたパラメータの値を評価することにより造血細胞能力を測定する工程、ここで対照哺乳動物は、(i)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症の高い危険性を有する哺乳動物、(ii)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症の中間の危険性を有する哺乳動物、または(iii)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症の低い危険性を有する哺乳動物からなる群より選ばれる、を含む被験体の造血細胞能力を測定する方法を含む。
(a)被験体から得られた血液試料に存在する白血球の量を測定する工程であって、該被験体が単回用量のG-CSFの投与に供されており、かつ造血産生および貯蔵組織ならびに辺縁趨向の部位から血液への白血球の動員または放出を可能にするのに充分な時間維持されている、工程;ならびに
(b)対照被験体において動員または放出された白血球量を用いて、工程(a)で測定された白血球量を評価することにより、造血細胞能力を決定する工程
を含む、被験体の造血細胞能力を決定する方法を提供する。
患者
多発性骨髄腫 (MM) および再発性非ホジキンリンパ腫 (NHL) またはホジキン病 (HD) を有する87人の患者らに、標準的な養生法 (Philip 1995; Barlogie 1997; Weaver 1998; Linch 1993, Palumbo 1999) を伴う高用量治療を施し、続いて、一施設での自己末梢血幹細胞 (PBSC) 移植前に単回用量のG-CSFを投与した。患者らには、インフォームドコンセントを行った。患者らの特徴は表1に表される。
大多数の患者において、動員のため、G-CSFを用いたIEV養生法を使用した。IEV養生法は、1〜3日目の静脈内へのイフォスファミド2500 mg/m2、1日目の静脈内へのエピルビシン100 mg/m2、および1〜3日目の静脈内へのエトポシド150 mg/m2、続いて、5日目からPBSC採取の完了まで毎日の、皮下への5μg/kg用量のG-CSF (filgrastim; Amgen, Thousand Oaks, CA, USA) からなる。個々の用量削減とは別に、MMを有する60歳以上の患者は、2000年以降、75%の投薬量でIEVを受けている。最下点後、G-CSFが白血球数を5000〜10000/μL以上に上昇させるまで刺激した時に、COBE Spectra (COBE, Heimstetten, Germany) またはAS104 (Fresenius, St. Wendel, Germany) 細胞分離器および標準的プログラムを用いてPBSCを採取した。MMまたは低グレードNHLを有する20人の患者 (23%) においては、免疫磁性B細胞パージを受けた単回の白血球除去血輸血 (MaxSep, Baxter immunotherapy, Unterschleisseim, Germany) から、収集後直ぐにPBSCを採取した。PBSCを、等量の5% HSAおよび100% DMSO (Cryoserv, Tera Pharmaceuticals, Midvale, UT, USA) (4:1) で調製した凍結溶液と混合した。最終DMSO濃度は10%であった。コンピューター管理された制御速度凍結後、PBSCを含むバッグを液体窒素の蒸気相に貯蔵した。
CD34+細胞の決定を、アルゴンレーザーを備えたFACScan (BD, Mountain View, CA, USA) またはEPICS XL-MCL (Electronics, Miami, FL, USA) フローサイトメーターを使用して、ISHAGE (Sutherland 1993) のガイドラインに従って行った。全血を、PE結合体化モノクローナル抗CD34抗体およびFITC結合体化モノクローナル抗CD45抗体と、遮光下、4℃で30分間インキュベートし、続いて洗浄および赤血球溶解 (BD) を行った。1998年以前は20000の細胞を分析し、その後は75000の細胞を分析した。細胞残屑、血小板、残存する赤血球および全てのCD45ネガティブ細胞を排除するために、前方散乱対CD45蛍光ドットプロットを使用した。次いで二重ポジティブCD34+/CD45+細胞集団を、低いCD45発現および低い側方散乱特性に対して規定し、バックゲート (backgate) した。採取されたCD34+細胞の絶対数を得るために、規定されたCD34+細胞の百分率をアフェレーシス産物の総有核細胞含有量で乗じた。有核細胞含有量は、Coulter STKS (Coulter, Miami, FL, USA) を使用した自動細胞計測により決定した。使用された抗CD34抗体 (HPCA-2)、抗CD45抗体 (2D1) およびアイソタイプ対照はBD由来であった。
MMを有する58人の患者 (67%) を、Barlogie の「総治療」コンセプト (Barlogie 1997) に従って処置し、3〜6ヶ月の間タンデムにメルファラン 200 mg/m2 (MEL200) を投与したか、あるいは、60〜70歳の患者については、Palumboに従って (Palumbo 1999) タンデムにメルファラン 100 mg/m2で処置した。第1のメルファラン 200 mg/m2後に部分的軽減に達しなかったMMを有する若い患者には、ブスルファン12〜16 mg/kg、およびシクロホスファミド120 mg/kgを第2の高用量処置 (BUCY) として投与した。再発性NHLまたはHDを有する29人の患者 (33%) を、ブスルファン16 mg/kgおよびシクロホスファミド120 mg/kg (BUCY)、またはカルムスチン300 mg/m2、エトポシド800 mg/m2、シタラビン800mg/m2およびシクロホスファミド140 mg/kg (BEAC)(Philip 1995)、またはカルムスチン300 mg/m2、エトポシド800 mg/m2、シタラビン1600 mg/m2およびメルファラン140 mg/m2 (BEAM)(Linch 1993)のいずれかで処置した。高用量養生法の分布を表1に示す。化学療法の最後の投薬から48〜60時間後に、自己PBSC移植を実行した。PBSC産物を37℃ウォーターバスの傍らで融解し、20 mLのACD-Aの添加後、中央静脈カテーテルを通して再注入した。
G-CSFは、最後の化学療法融合後、24時間以上常に与えられることが推奨される (Ozer 2000)。高用量化学療法後に皮下に投与した組換えヒトG-CSFは、113人の患者においてフィルグラスチン (Amgen, Thousand Oaks, CA, USA) であり、9人の患者においてレノグラスチン (Chugai, Japan) であった。PBSC自己移植の前の晩に、評価された単回のG-CSF注射を5μg/kg用量で行った。翌朝、単回G-CSF投与の約14時間後に、日常血液試験で、誘導された白血球ピークを検出した。日常血液試験のおよそ1時間後に、自己PBSC移植を行った。PBSC移植の翌日から、G-CSFを毎日、形成不全に続いて白血球数が5000/μLと10000/μLの間になるまで5μg/kg用量で投与した。Coulter STKS (Coulter, Miami, FL, USA) で、特異形態 (differential) を含む日常血球計測を、高用量治療の開始から患者が退院するまで毎日行った。
高用量治療、自己移植および移植後の段階の間、全ての患者は入院していた。抗微生物予防法は、以下で構成されていた: 自己移植の時点から好中球回復まで、シプロフロキサシン2×250 mg を毎日投与した。経口用アンホテリシンB懸濁液 4×1 mlを、全ての病院滞在の間投与したか、もしくは、経口用アンホテリシン不耐性の場合は、代わりに経口用フルコナゾール 1×100 mgを毎日投与した。高用量化学療法の投与間に、ニューモシスティスカリニ肺炎の予防を、毎日のトリメソプリム/スルファメトザゾール160 mg/800 mg 2×1で開始し、好中球回復後、2日間連続を各週、6ヶ月間2×1で続けた。トリメソプリム/スルファメトザゾール不耐性の場合は、代わりに300 mg のペンタミジン吸入を自己移植から6ヶ月、4週間ごとに行った。高用量治療の開始から好中球の回復まで、静脈内用アシクロビルを2×500 mgの用量で投与した。80 g/Lより上のヘモグロビンレベルおよび10000/μLより多い血小板数を維持するために、赤血球産物および個々のドナー血小板を代用した。全ての血球産物は、CMVネガティブであり、30 Gyの放射線を受け、白血球削減フィルターを通して輸血された。好中球減少の間、口腔体温が一度38.5℃を超した後、または38.0℃を超す熱が少なくとも1時間以上にわたってある時には、経験的静脈内微生物治療を開始し、先に公表されたガイドライン (Hughes 1997) に従って実行した。初期の処置は、ピペラシリン/タゾバクタム (tazobactam) +ゲンタマイシンを用いて行った。メロペネム (meropenem)/バンコマイシンを用いて段階的増大を行った。熱が5〜7日目にも続く場合は、静脈内用アンホテリシンBを加えた。好中球の回復まで、かつ解熱後少なくとも24時間までは、抗微生物処置を継続した。患者らは、好中球と血小板の回復後、および抗微生物治療の中止後に退院した。
好中球回復は、自己移植の日以降、好中球数が500/μLを超えた初めての日と規定した。血小板回復は、自己移植の日以降、非代用血小板数が20000/μLを超えた初めての日と規定した。38℃を超す熱の発生、38℃を超す熱の日数および静脈内抗微生物治療の日数を、患者らが退院するまで記録した。
本研究の目的は、G-CSF誘導白血球ピークを、好中球および血小板回復、好中球減少性発熱の発生率および静脈内抗微生物治療の持続期間と相関づけること、ならびに、これらの相関を、PBSC自己移植物のCD34+細胞含有量に関して得られた相関と比較することであった。表された全ての分析は、観察の単位として移植過程に基づいている (個体群統計学的特徴および疾患基準特徴を除く)。
多発性骨髄腫またはリンパ腫を有する87人の患者において、122の高用量化学療法過程後、単回の皮下G-CSF注射 (5μg/kg) を行った。およそ14時間後に、日常血液試験を用いて、誘導された末梢血白血球ピークを検出した。これらの白血球ピーク (図1) は約90%好中球からなっていた。患者および処置特徴は表1に、誘導された白血球ピーク、好中球および血小板回復、38℃を超す熱の非存在および静脈内抗微生物治療の必要性は表2に表されている。静脈内化学療法の開始と単回G-CSF注射との間の時間間隔は、誘導された白血球ピークのメジアンに影響していた。しかしながら、シクロホファミド (cyclophophamide) の2日間の静脈内投与に先立つ、BUCY養生法における4日間のブスルファンの経口投与は、2日間のメルファランの静脈内投与でのMEL養生法と比較して白血球ピークを減少させなかった。
好中球 (>500/μL) および血小板 (>20000/μL) 回復のメジアン時間は、それぞれ9日および10日である。細胞能力試験は、好中球 (p=0.001) および血小板回復 (p<0.0001) を予測した (表3)。興味深いことに、試験前の白血球数に対して、好中球回復 (p=0.06) はボーダーライン上に明確な相関が見られたのに対して、血小板回復 (p=0.4) は相関が見られなかった。予想通り、自己PBSC移植物におけるCD34+細胞数もまた、好中球 (p<0.0001) および血小板 (p<0.0001) 回復を予測した。
凍結保存されたPBSCの移植前に細胞能力試験を実施したため、細胞能力試験そのものはPBSC移植から独立していた。多変量解析において、細胞能力試験は、PBSC CD34+細胞の用量影響から独立して造血回復を予測した。これは、移植のためのCD34+細胞の閾値用量を選択するための実践的な結果を有し得た。細胞能力試験>1.0では、>2.5×106CD34+ 細胞/kg の移植は好ましい好中球および血小板回復を達成するのに充分であり、それぞれ10日および12日で完了した。細胞能力試験<1.0の場合は、遅延造血回復に対する増加リスクが、より多くのCD34+細胞数の使用を示唆した。
38.0℃を超す熱は122の手順のうち55 (45%) で非存在であった。38℃を超す熱を有する日数のメジアン数は1日で、静脈内抗微生物治療を4日間のメジアンで行った。細胞能力試験は、熱の非存在と (p=0.03)、および静脈内抗微生物治療のメジアン持続時間と (p=0.03) 相関していた (表3)。PBSC自己移植物におけるCD34+細胞数の、38.0℃を超す熱の非存在との相関検索は傾向を示した (p=0.07) が、静脈内抗微生物治療との相関は見出せなかった (p=0.3)。細胞能力試験およびCD34+細胞数の両方が、白血球減少<1000/μL (p<0.0001) の持続期間と相関していた一方で、細胞能力試験のみが白血球減少の重篤度と相関していた (p=0.02)。細胞能力試験と、熱の非存在との間の継続的な直接的相関、および静脈内抗微生物治療の必要性との逆相関が観察された (図3)。低い細胞能力試験<0.6を伴うサブグループに関しては、熱の非存在は21%のみであった一方、高い細胞能力試験>2.0を伴うサブグループに関しては熱の非存在は80%であった。この分析から、少ないCD34+細胞数 (<=2.5×106/kg) のPBSC自己移植物を受けた場合と、それにより好ましく無い群が存在する場合を除外しても、この相関は変化しなかった (図3)。3件の処置関連死亡が起こった。これらは敗血症により引き起こされた。この3件の処置関連死亡における細胞能力試験は、0.15、0.77、および1.0であった。
高用量化学療法後の動員PBSCの使用による早い造血回復、ならびに関連する良好な寛容性および5%以下の低い処置関連致死性は、外来患者を基礎とした自己移植の実行への興味を駆り立てた。CD34+細胞の標準用量 (>2.5×106/kg) と組み合わせた細胞能力試験>1.0で、可能性として外来患者ケアが示唆された。この群は、最適な造血回復 (図2) および減少した感染リスク (図3) に関連していた。
年齢、性別、診断ならびに化学療法および放射線療法での前処置に対して、PBSC自己移植物における細胞能力試験またはCD34+細胞数との明らかな相関は見られなかった。
上記の細胞能力試験は、哺乳動物が造血成長因子の投与に供されている場合、造血回復と相関する哺乳動物のパラメータまたは哺乳動物由来の試料から得られたパラメータの測定を含む。パラメータは、好ましくは白血球 (white blood cell) 数、または白血球 (leukocyte) 数である。測定されたパラメータの絶対値は、上記の通り、好ましくは処置群内の、つまり類似のまたは同一の処置を受けている哺乳動物の群内の、分布のメジアン (1.0として設定) により規定される相対的スケールで評価される。用語「類似のまたは同一の処置」とは、好ましくは放射性療法および化学療法の用量、投与の回数およびここで使用される薬物の種類を含む、処置養生法に関する。パラメータは好ましくは体液またはバイオプシーなどの哺乳動物由来の試料において測定される。バイオプシーは好ましくは健常な哺乳動物において、免疫学的に活性な細胞を含む部位から得られる。細胞は好ましくはT細胞、B細胞、顆粒球、血小板、単球、NK細胞、その他の細胞である。細胞は、細胞発生および/または分化の、初期もしくは後期の段階から得られ得る。哺乳動物は好ましくはヒトである。成長因子は好ましくはG-CSFまたは造血系を刺激する類似した活性のある成長因子である。例えば、アンジオテンシンおよび/またはアンジオテンシン由来ペプチド(Rodgersら, Cancer Chemother Pharmacol 49(5):403-11,2002)、インターロイキン-1 β (Lebedev ら, Radiats Biol Radioecol 42(1):60-4, 2002)、インターロイキン-8 (Terashimaら, Blood 92 (3):1062-69, 1998; Laterveerら, Blood 85(8):2269-75, 1995; Laterveerら, Blood 87(2):781-88, 1996) およびインターロイキン-11 (Saitohら, Cytokine 13(5):287-94, 2001) はかかる活性を示し得る。造血系における刺激活性は、要因で変化し得る。例えば、インターロイキン-11は好ましくは巨核球新生において機能する。PGG-グルカンなどの非ペプチド因子もまた、造血細胞新生の刺激に作用し得る (Turnbullら, Acta Haematol 102(2):66-71, 1999)。
患者および方法
患者
多発性骨髄種(MM)または再発リンパ腫(LYM)を有する86人の患者で研究を実施した。49人の患者(57%)は男性であり、37人の患者(43%)は女性であった。メジアン年齢は53歳であった(18〜68歳の範囲)。高用量治療の前に、患者は、メジアン6サイクルの化学療法を受けていた(0〜25サイクルの範囲)。放射線治療を29人の患者(34%)に行っていた。患者は、処置についてインフォームドコンセントを受けた。この患者コホートは、部分的に実施例1〜6の患者コホートと重複する。
非常に多数の患者において、G-CSFでのIEV養生法を幹細胞動員のために使用した。IEV養生法は、静脈注射による1〜3日目のイフォスファミド(ifosfamide)2500mg/m2、静脈注射による1日目のエピルビシン(epirubicin)100mg/m2および静脈注射による1〜3日目のエトポシド150mg/m2、次いで皮下注射による5日から血液幹細胞採取の完了までの毎日の5μg/kgの用量でのG-CSF(フィルグラスチン(filgrastim);Amgen, Thousand Oaks, CA, USA)からなる。個々の用量削減は別として、MMを有し60歳以上の年齢の患者は、2000年から75%投薬でIEVを受けていた。COBE Spectra(COBE, Heimstetten, Germany)またはAS104(Fresenius, St. Wendel. Germany)細胞分離器および標準的なプログラムを使用して、最下点後、G-CSF刺激された白血球数が5000〜10000/μL以上まで上がった場合に、PBSCを採取した。幾つかの場合、単一の白血球搬出法から採取された血液幹細胞は、収集直後に免疫磁性(immunomagnetic)B細胞粛清(purging)(MaxSep, Baxter Immunotherapy, Unterschleissheim, Germany)を受けた。血液幹細胞を5%HSAおよび100%DMSO(Cryoserv, Tera Pharmaceuticals, Midvale, UT, USA)(4:1)で調製した等容積の凍結溶液と混合した。最終DMSO濃度は10%であった。電算化制御速度凍結後、血液幹細胞を含むバッグを液体窒素の蒸気相内で貯蔵した。
CD34+細胞の測定を、アルゴンレーザーを備えるFACScan(BD, Mountain View, CA, USA)またはEPICS XL-MCL(Electronics, Miami, FL, USA)フローサイトメーターを使用して、ISHAGE(Sutherlandら1996)のガイドラインに従って実施した。全血を、PE結合体化モノクローナル抗CD34抗体およびFITC結合体化モノクローナル抗CD45抗体と共に暗がりで4℃にて30分間インキュベートし、次いで洗浄および赤血球溶解(BD)した。1998年以前は、20000細胞を分析し、その後75000細胞を分析した。細胞残屑、血小板、残存赤血球および全てのCD45陰性細胞を排除するため、前方散乱対CD45蛍光ドットプロットを使用した。次いで、二重陽性CD34+/CD45+細胞集団を画定し、低CD45発現および低側方散乱特性について排除(backgate)した。そのように画定したCD34+細胞の割合を、アフェレーシス産物の総有核細胞含有量と掛けて、採取したCD34+細胞の絶対数を得た。有核細胞含有量を、Coulter STKS(Coulter, Miami, FL, USA)を使用して自動細胞計により測定した。抗CD34抗体(HPCA-2)、抗CD45抗体(2D1)および使用したアイソタイプ対照はBD由来であった。
86人の患者における128の高用量化学療法推移を研究した。メルファラン200mg/m2(MEL200)(Barlogieら1999)を88の手順(69%)に適用し、メルファラン100mg/m2(MEL100)(Palumboら1997)を18の手順(14%)に、BUCYを22の手順(17%)(Schillerら1994;Weaverら1999)に適用した。自己血液幹細胞移植を最終用量の化学療法48時間後に実施した。
高用量化学療法後に皮下注射により受けた組換えヒトG-CSFは、121の場合でフィルグラスチン(Amgen, Thousand Oaks, CA, USA)であり、7の場合でレノグラスチン(lenograstim)(Chugai, Japan)であった。評価される単一G-CSF注射を5μg/kgの用量で自己血液幹細胞移植前の夕方(最終化学療法注入約30時間後)に受けさせた。誘導されたWBCピークを、翌朝(単一G-CSF用量12〜14時間後)に慣用的な血液試験を用いて測定した。自己血液幹細胞移植を慣用的な血液試験約2時間後に行った。移植の次の日から、G-CSFを5μg/kgの用量で毎日、最下点後WBC数が5000/μLと10000/μLの間になるまで受けさせた。差を含む日常の血液計数を、高用量治療の開始から患者が病院を去るまで毎日Coulter STKS(Coulter, Miami, FL, USA)で実施した。
全ての患者を高用量治療、自家移植片および移植後相の間入院させ、同じ支持的ケアを受けさせた。抗菌予防は以下からなっていた:自家移植片のときから好中球回復まで毎日シプロフロキサシン2×250mgを受けさせた。全入院滞在の間経口アンホテリシンB懸濁液4×1mLを受けさせ、あるいは経口アンホテリシン不耐性の場合は、経口フルコナゾール(fluconazole)1×100mgを毎日受けさせた。ニューモシスティスカリニ肺炎予防を、高用量化学療法の投与の間、トリメトプリム/スルファメトキサゾール160mg/800mg 2×1で毎日受けさせ、移植前に停止し、6月間1週あたり2日連続で2×1で好中球回復後に続けた。トリメトプリム/スルファメトキサゾール不耐性の場合、代替的に300mgのペンタミジン吸入を、自家移植片から6月間4週ごとに実施した。静脈内アシクロビルを、高用量治療の開始から好中球回復まで2×500mgの用量で受けさせた。赤血球産物および単一ドナー血小板を置換して、80g/Lを越えるヘモグロビンレベルおよび10000/μLを超える血小板数を維持した。全ての血球産物はCMV陰性であり、30Gyで照射し、白血球削減フィルターを介して輸注した。経験的静脈内抗菌治療を、38.5℃より高い単一の口部温度が少なくとも1時間にわたりあった後または38.0℃より高い熱が少なくとも1時間にわたりあった場合の好中球減少の間に開始し、以前に発表されたガイドライン(Hughesら1997)に従って実施した。初期処置を、ピペラシリン/タゾバクタム(tazobactam)およびゲンタマイシンを用いて実施した。エスカレーションをメロペネム/バンコマイシンを用いて実施した。熱が5〜7日目で持続する場合、静脈内アンホテリシンBを添加した。抗菌処置を好中球回復および熱の消散少なくとも24時間後まで続けた。患者を好中球および血小板回復後ならびに抗菌処置の停止後、病院から退院させた。
好中球回復を、自家移植片の日から500/μLを超える好中球数を有する最初の日として規定した。血小板回復を、自家移植片の日から20000/μLを超える非置換血小板数を有する最初の日として規定した。観察期間は高用量治療から患者が退院するまでであった。以前に発表された基準(Linkら1994)に従って感染の評価を実施した。
本研究の目的は、G-CSF反応の指標としての誘導WBCピークと好中球および血小板回復ならびに感染の速度および型との相互関係を明らかにすること、ならびに自己血液幹細胞自己移植片におけるCD34+細胞数に対して得られたものとこれらの相互関係を比較することであった。示された全ての分析(人口統計学および疾患基準特性を除く)は、観察単位としての移植推移に基づく。
単一の皮下G-CSF注射(5μg/kg)を、多発性骨髄種またはリンパ腫を有する86人の患者において、128の高用量化学療法推移後、早めに投与した。この時点で、メジアンWBC数は4100/μL(1800〜10700/μLの範囲)であり、メジアン血小板数は197000/μL(24000〜640000/μLの範囲)であった。G-CSF誘導WBCピークを12〜14時間後に測定した。これらの一過性のWBCピークは異なる大きさを有しており(図4)、およそ90%の好中球からなっていた。メジアンWBCピークは17400/μL(3300〜60600/μLの範囲)であった。WBCピークの分布を図5Aに示す。コロニー形成細胞またはCD34+細胞はこれらのWBCピーク内に検出されなかった。WBCピーク後、WBC数は減少し、重篤な白血球減少(<200/μL)が全ての場合で続いた。
G-CSF反応の測定の後に、3.92×106CD34+細胞/kgのメジアン(0.9〜21.2の範囲)を用いて自己血液幹細胞移植を実施した。好中球植付け(>500/μL)までの時間は9日のメジアン(8〜12の範囲)であり、血小板植付け(>20000/μL)までの時間は10日のメジアン(8〜25の範囲)であった。G-CSF反応は、好中球(p<0.0001)および血小板植付け(p<0.0001)を予測した(表4)。移植されたCD34+細胞の数はまた、期待どおり、好中球(p<0.0001)および血小板植付け(p<0.0001)を予測した。他の患者または処置特性およびG-CSF前のWBC数は、造血回復と相互に関係がなかった(表4)。G-CSF反応とCD34+細胞数との間の相互関係は弱かった(r=0.21;p=0.02)。Coxモデルにおける多変量解析において、G-CSF反応による造血回復の予測は、移植されたCD34+細胞の影響とは独立していた(表5)。
128のうち69の手順(54%)で38℃より高い熱があった。29の手順(23%)で感染が記録された。G-CSF反応は、記録された感染の割合を非常に有意に予測した(p<0.0001)。1000/μL未満の白血球減少は5日のメジアン(3〜11の範囲)で持続した。期待され得るように、白血球減少の期間もまた記録された感染の割合と相互に関連した(p=0.003)。ロジスティック回帰として実施した多変量解析において、G-CSF反応は、感染の予測において、白血球減少期間から独立しており、優勢予後因子として明らかになった(p<0.0001)(表5)。記録された感染の割合と移植されたCD34+細胞の数または他の患者と処置特性との間の相互関係はなかった(表4)。多数の因子が熱の発生と相互関係があったが、これらのいずれも多変量解析における独立した意味は保有していなかった。
以下の分析を実施例8の場合で行った。細胞能力試験(WBCピーク)は白血球減少および好中球減少の期間を予測する(表7)。
以下のデータ(表8)は実施例8のケースに基づく。
リンパ腫または多発性骨髄種を有する48人の患者に、実施例8に詳細に述べたように、腫瘍減少および幹細胞動員のためのG-CSF前にIEV化学療法を受けさせた。最初のG-CSF注射を養生法の5日目に受けさせ、6日目に誘導された白血球ピークを細胞能力試験のために採取した。白血球数は、5.000/μLのメジアン(1.500〜8.200/μLの範囲)から10.100/μlのメジアン(300〜46.700/μLの範囲)に上がった。白血球ピークの勾配は、骨髄抑制の次の相中の熱および感染の危険を予測した(p<0.05)(表9)。造血移植を実施しなかった。
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Claims (21)
- a)被験体から得られた血液試料中の白血球の量を測定する工程であって、該被験体が単一用量のG-CSFの投与に供されており、造血生成および貯蔵組織および辺縁趨向の部位から血液への白血球の動員または放出を可能にするのに十分な時間維持されている、工程;ならびに
b)工程(a)で測定された白血球の量を、(i)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症に対する高い危険、(ii)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症に対する中程度の危険または(iii)高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症に対する低い危険性を有する被験体からなる群より選択される対照被験体において動員または放出されている白血球の量を用いて評価することにより造血細胞能力を測定する工程
を含む、被験体の造血細胞能力を測定するための方法。 - 請求項1記載の方法の工程および工程(b)で得られた結果に基づいて被験体に適切な抗菌予防または治療を選択する工程(c)をさらに含む、被験体に適切な抗菌予防または治療を選択するための方法。
- 予防または治療が感染の処置、予防または改善のための予防または治療である、請求項2記載の方法。
- 感染が真菌、ウイルス、原生動物、寄生虫および細菌感染の群より選択される、請求項3記載の方法。
- 感染が肺炎、侵襲性真菌感染、腸炎、軟部組織感染およびセプシスからなる群より選択される、請求項3記載の方法。
- 請求項1記載の方法の工程および工程(b)で得られた結果に基づいて被験体に適切な好中球減少熱に対する予防または治療を選択する工程(c)をさらに含む、被験体に適切な好中球減少熱に対する予防または治療を選択するための方法。
- 請求項1記載の方法の工程および工程(b)で得られた結果に基づいて被験体の治療のために輸注されるべき造血幹細胞の量を選択する工程(c)をさらに含む、被験体の治療のために輸注されるべき造血幹細胞、好ましくはCD34+細胞の適切な量を選択するための方法。
- 請求項1記載の方法の工程および工程(b)で得られた結果に基づいて被験体の処置に適切な造血成長因子またはサイトカインの量を選択する工程(c)をさらに含む、被験体の処置に適切な造血成長因子またはサイトカインの量を選択するための方法。
- 高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症に対する感受性を被験体において診断するための診断組成物の調製のための被験体から得られた白血球の使用であって、該被験体がG-CSFの用量の投与に供されており、造血生成および貯蔵組織および辺縁趨向の部位から血液への白血球の動員または放出を可能にするのに十分な時間維持されている、使用。
- 高用量細胞傷害性化学療法および/または造血細胞移植に関連する疾患、障害または合併症が好中球減少熱、微生物感染、遅延造血回復、出血、免疫抑制、宿主に対する免疫学的影響、高レベルの支持的ケア、病的状態および死亡率である、請求項1記載の方法または請求項9記載の使用。
- 被験体がヒトである、請求項1〜8いずれか記載の方法あるいは請求項9または10記載の使用。
- 被験体が高用量化学療法に供されている、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11記載の方法または使用。
- 高用量化学療法がメルファラン、ブスルファン、シクロホスファミド、カルムスチン、エトポシド、またはシタラビンの投与を含む、請求項12記載の方法または使用。
- 被験体が骨髄抑制化学療法に供されている、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11記載の方法または使用。
- 骨髄抑制化学療法がシクロホスファミド、エトポシド、カルムスチン、シタラビン、メルファラン、ブスルファン、ドキソルビシン、エピルビシン、パクリタキセル、ドセタキセル、チオテパ、フルダラビン、ビンクリスチン、ベンダムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ダウノルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、イダルビシン、イフォスファミド、イリノテカン、メトトレキサート、ミトザントロン、オキサリプラチン、トレオスルファン、ビンブラスチン、またはビノレルビンの投与を含む、請求項14記載の方法または使用。
- 被験体が放射線治療に供されている、原発性または続発性骨髄疾患、自己免疫疾患、遺伝性疾患もしくは障害あるいは感染に罹患している、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11記載の方法または使用。
- G-CSFがフィルグラスチン(NeupogenTM; Amgen Inc., Thousand Oaks, CA, USA)またはレノグラスチン(GranocyteTM; Chugai, Japan)である、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11〜16いずれか記載の方法または使用。
- G-CSFの用量が1〜20μg/kg被験体体重の範囲から選択される、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11〜17いずれか記載の方法または使用。
- G-CSFの用量が1.0、2.5、5、7.5または10μg/kg被験体体重である、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11〜17いずれか記載の方法または使用。
- 白血球の動員または放出を可能にするのに十分な時間が1〜120時間の範囲である、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11〜19いずれか記載の方法または使用。
- 白血球の動員または放出を可能にするのに十分な時間が少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも6時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも14時間または少なくとも18時間である、請求項1〜8いずれか記載の方法、請求項9または10記載の使用あるいは請求項11〜19いずれか記載の方法または使用。
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