JP2005520832A - 抗コリンエステラーゼ薬として使用するジフリルグリコール酸トロペノールエステル - Google Patents
抗コリンエステラーゼ薬として使用するジフリルグリコール酸トロペノールエステル Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、下記の一般式1の化合物に関する:
(式中、Aは、下記:
からなる群から選ばれた二重結合基を示し;
X-は、単一の負電荷を有するアニオン、好ましくは、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、サルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエートおよびp-トルエンスルホネートからなる群から選ばれたアニオンを示し;
Rは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、-CF3、-CHF2またはフッ素を示し;
R1およびR2は、同一または異っていてもよく、必要に応じて-C3〜C6シクロアルキル、ヒドロキシまたはハロゲンによって置換し得る-C1〜C5アルキルを示すか、あるいはR1およびR2は、一緒になって-C3〜C5アルキレンブリッジを示し;
R3およびR3'は、同一または異っていてもよく、必要に応じて-C1〜C4アルキル、-C1〜C4アルキロキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2またはハロゲンからなる群から選ばれた基によってモノ-、ジ-またはトリ置換し得るフリルを示す)。
好ましい一般式1の化合物は、
Aが、下記:
からなる群から選ばれた二重結合基を示し;
X-が、クロライド、ブロマイド、4-トルエンスルホネートおよびメタンスルホネートの中から選ばれた単一の負電荷を有するアニオン、好ましくはブロマイドを示し;
Rが、ヒドロキシ、メチルまたはフッ素を示し;
R1およびR2が、同一または異っていてもよくて、メチル、エチルまたはフルオロエチルを示し;
R3およびR3'が、同一または異っていてもよくて、必要に応じてメチル、メチロキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、フッ素または塩素からなる群から選ばれた基によってモノ-またはジ置換し得るフリルを示す;
化合物である。
X-は、単一の負電荷を有するアニオン、好ましくは、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、サルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエートおよびp-トルエンスルホネートからなる群から選ばれたアニオンを示し;
Rは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、-CF3、-CHF2またはフッ素を示し;
R1およびR2は、同一または異っていてもよく、必要に応じて-C3〜C6シクロアルキル、ヒドロキシまたはハロゲンによって置換し得る-C1〜C5アルキルを示すか、あるいはR1およびR2は、一緒になって-C3〜C5アルキレンブリッジを示し;
R3およびR3'は、同一または異っていてもよく、必要に応じて-C1〜C4アルキル、-C1〜C4アルキロキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2またはハロゲンからなる群から選ばれた基によってモノ-、ジ-またはトリ置換し得るフリルを示す)。
好ましい一般式1の化合物は、
Aが、下記:
X-が、クロライド、ブロマイド、4-トルエンスルホネートおよびメタンスルホネートの中から選ばれた単一の負電荷を有するアニオン、好ましくはブロマイドを示し;
Rが、ヒドロキシ、メチルまたはフッ素を示し;
R1およびR2が、同一または異っていてもよくて、メチル、エチルまたはフルオロエチルを示し;
R3およびR3'が、同一または異っていてもよくて、必要に応じてメチル、メチロキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、フッ素または塩素からなる群から選ばれた基によってモノ-またはジ置換し得るフリルを示す;
化合物である。
とりわけ好ましいのは、
Aが、下記:
からなる群から選ばれた二重結合基を示し;
X-が、クロライド、ブロマイドおよびメタンスルホネートの中から選ばれた単一の負電荷を有するアニオン、好ましくはブロマイドを示し;
Rが、ヒドロキシ、メチルまたはフッ素、好ましくはヒドロキシを示し;
R1およびR2が、同一または異っていてもよくて、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
R3およびR3'が、同一または異っていてもよくて、必要に応じて-CF3、-CHF2またはフッ素らなる群から選ばれた基によってモノ-またはジ置換し得るフリルを示す;
一般式1の化合物である。
本発明に従ってとりわけ重要なのは、
Aが、下記:
からなる群から選ばれた二重結合基を示し;
X-が、ブロマイドを示し;
Rが、ヒドロキシまたはメチル、好ましくはヒドロキシを示し;
R1およびR2が、同一または異っていてもよくて、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
R3およびR3'が、同一または異っていてもよくて、必要に応じてフッ素によってモノ-またはジ置換し得るフリルを示す;
一般式1の化合物である。
本発明は、必要に応じて、個々の光学異性体、その個々の鏡像異性体またはラセミ体の混合物の形状にある式1の化合物に関する。
本発明に従ってとりわけ重要なのは、窒素二環状基での上記エステル置換基がα形状にある一般式1の化合物である。これらの化合物は、下記の一般式1-αに相応する:
下記の化合物は、本発明に従ってとりわけ重要である:
トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド;
スコピンジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド。
Aが、下記:
X-が、クロライド、ブロマイドおよびメタンスルホネートの中から選ばれた単一の負電荷を有するアニオン、好ましくはブロマイドを示し;
Rが、ヒドロキシ、メチルまたはフッ素、好ましくはヒドロキシを示し;
R1およびR2が、同一または異っていてもよくて、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
R3およびR3'が、同一または異っていてもよくて、必要に応じて-CF3、-CHF2またはフッ素らなる群から選ばれた基によってモノ-またはジ置換し得るフリルを示す;
一般式1の化合物である。
本発明に従ってとりわけ重要なのは、
Aが、下記:
X-が、ブロマイドを示し;
Rが、ヒドロキシまたはメチル、好ましくはヒドロキシを示し;
R1およびR2が、同一または異っていてもよくて、メチルまたはエチル、好ましくはメチルを示し;
R3およびR3'が、同一または異っていてもよくて、必要に応じてフッ素によってモノ-またはジ置換し得るフリルを示す;
一般式1の化合物である。
本発明は、必要に応じて、個々の光学異性体、その個々の鏡像異性体またはラセミ体の混合物の形状にある式1の化合物に関する。
本発明に従ってとりわけ重要なのは、窒素二環状基での上記エステル置換基がα形状にある一般式1の化合物である。これらの化合物は、下記の一般式1-αに相応する:
トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド;
スコピンジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド。
本発明の範囲における用語フリルは、酸素の位置に基づく2または3位のいずれかにおいて結合し得る下記の基を意味する:
両レギオ異性体は、用語フリルに包含されるものとみなすべきである。基R3およびR3'は、双方とも基2-フリルを示すかあるいは双方とも基3-フリルを示すかのいずれかであり得る。さらにまた、基R3およびR3'における用語フリルは、2つの基R3およびR3'の一方が2-フリルを示し他方が3-フリルを示す化合物も含み得る。しかしながら、本発明に従うとりわけ好ましい化合物は、基R3およびR3'の双方が2-フリルを示すかあるいは双方が3-フリルを示す化合物であるが、基R3およびR3'が共に2-フリルを示す化合物は、本発明に従ってとりわけ有意である。
基R3およびR3'に従うフリル基は、置換されてなくてもよく、あるいは以下の定義に従う置換基を担持し得る。基R3およびR3'の2つのフリル基は、同一または異なる置換基を有し得る。しかしながら、本発明に従う好ましい化合物は、R3およびR3'中の各フリル基が置換基を担持する場合、双方の基が同一の置換基を有する化合物である。とりわけ好ましいのは、基R3およびR3'のうち、少なくとも一方が未置換フリル基を示す化合物である。最も好ましくは、基R3およびR3'の双方が未置換フリルを示す。
基R3およびR3'に従うフリル基は、置換されてなくてもよく、あるいは以下の定義に従う置換基を担持し得る。基R3およびR3'の2つのフリル基は、同一または異なる置換基を有し得る。しかしながら、本発明に従う好ましい化合物は、R3およびR3'中の各フリル基が置換基を担持する場合、双方の基が同一の置換基を有する化合物である。とりわけ好ましいのは、基R3およびR3'のうち、少なくとも一方が未置換フリル基を示す化合物である。最も好ましくは、基R3およびR3'の双方が未置換フリルを示す。
使用するアルキル基は、特に断らない限り、1〜5個の炭素原子を有する枝分れおよび枝分れしていないアルキル基である。例としては、メチル、エチル、プロピルまたはブチルがある。また、基メチル、エチル、プロピルまたはブチルは、必要に応じて、略号Me、Et、PropまたはBuによっても表し得る。特に断らない限り、定義プロピルおよびブチルは、これら当該基のすべての可能性ある異性体形も包含する。即ち、例えば、プロピルはn-プロピルおよびイソ-プロピルを含み、ブチルはイソ-ブチル、sec.-ブチルおよびtret.-ブチル等を含む。
使用するアルキレン基は、特に断らない限り、1〜4個の炭素原子を有する枝分れおよび枝分れしていない二重結合アルキルブリッジである。例としては、メチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレンがある。
使用するアルキロキシ基は、特に断らない限り、酸素原子を介して結合している1〜4個の炭素原子を有する枝分れおよび枝分れしていないアルキル基である。例えば、メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシを挙げることができる。基メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシは、必要に応じて、略号MeO、EtO、PropOまたはBuOによっても表し得る。特に断らない限り、定義プロピロキシおよびブチロキシは、これら当該基のすべての可能性ある異性体形も包含する。即ち、例えば、プロピロキシはn-プロピロキシおよびイソ-プロピロキシを含み、ブチロキシはイソ-ブチロキシ、sec.-ブチロキシおよびtret.-ブチロキシ等を含む。用語アルコキシも、必要に応じて、用語アルキロキシの代りに本発明の範囲において使用し得る。基メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシは、必要に応じて、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシとも称し得る。
本発明の範囲において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。特に断らない限り、フッ素と臭素が好ましいハロゲンである。基COは、カルボニル基を示す。
使用するアルキレン基は、特に断らない限り、1〜4個の炭素原子を有する枝分れおよび枝分れしていない二重結合アルキルブリッジである。例としては、メチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレンがある。
使用するアルキロキシ基は、特に断らない限り、酸素原子を介して結合している1〜4個の炭素原子を有する枝分れおよび枝分れしていないアルキル基である。例えば、メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシを挙げることができる。基メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシは、必要に応じて、略号MeO、EtO、PropOまたはBuOによっても表し得る。特に断らない限り、定義プロピロキシおよびブチロキシは、これら当該基のすべての可能性ある異性体形も包含する。即ち、例えば、プロピロキシはn-プロピロキシおよびイソ-プロピロキシを含み、ブチロキシはイソ-ブチロキシ、sec.-ブチロキシおよびtret.-ブチロキシ等を含む。用語アルコキシも、必要に応じて、用語アルキロキシの代りに本発明の範囲において使用し得る。基メチロキシ、エチロキシ、プロピロキシまたはブチロキシは、必要に応じて、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシとも称し得る。
本発明の範囲において、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。特に断らない限り、フッ素と臭素が好ましいハロゲンである。基COは、カルボニル基を示す。
後述するように、本発明に従う化合物は、当該技術において既に公知の方法と部分的には同様にして調製し得る(図式1)。式3のカルボン酸誘導体は、当該技術において公知であり、当該技術において公知の合成方法によって得ることができる。適切に置換されたカルボン酸のみが当該技術において公知である場合には、式3の化合物は、相応するアルコール類との酸または塩基触媒エステル化によりまたは相応するハロゲン化試薬とのハロゲン化により、これらカルボン酸から直接得ることもできる。
図式1から理解し得るように、式2の化合物は、式1の化合物を調製するための出発生成物として作用する。これらの化合物は、従来技術において公知である。
式2の化合物から出発して、一般式4のエステル類は、式3のカルボン酸誘導体(式中、R'は、例えば、塩素またはC1〜C4アルキロキシ基を示す)との反応によって得ることができる。R'がC1〜C4アルキロキシ基に等しい場合、この反応は、例えば、ナトリウム溶融物中で、昇温下、好ましくは約50〜150℃、より好ましくは約90〜100℃で、低圧下、好ましくは500ミリバール未満、最も好ましくは75ミリバール未満において実施し得る。
このようにして得られた式4の化合物は、化合物R2-X(式中、R2およびXは、前述した意味を有し得る)と反応させることによって、式1の目的化合物に転化させ得る。この合成工程も、WO 92/16528号に開示された合成例と同様にして実施し得る。R1およびR2が一緒になってアルキレンブリッジを形成する場合、当業者にとっては明白であるように、試薬R2-Xを添加する必要はない。式4の化合物が前記の定義に従う適切に置換された基R1(例えば、-C3〜C5アルキレン-ハロゲン)を含有する場合、式1の化合物は、上記アミンの分子内第4級化によって調製する。
式2の化合物から出発して、一般式4のエステル類は、式3のカルボン酸誘導体(式中、R'は、例えば、塩素またはC1〜C4アルキロキシ基を示す)との反応によって得ることができる。R'がC1〜C4アルキロキシ基に等しい場合、この反応は、例えば、ナトリウム溶融物中で、昇温下、好ましくは約50〜150℃、より好ましくは約90〜100℃で、低圧下、好ましくは500ミリバール未満、最も好ましくは75ミリバール未満において実施し得る。
このようにして得られた式4の化合物は、化合物R2-X(式中、R2およびXは、前述した意味を有し得る)と反応させることによって、式1の目的化合物に転化させ得る。この合成工程も、WO 92/16528号に開示された合成例と同様にして実施し得る。R1およびR2が一緒になってアルキレンブリッジを形成する場合、当業者にとっては明白であるように、試薬R2-Xを添加する必要はない。式4の化合物が前記の定義に従う適切に置換された基R1(例えば、-C3〜C5アルキレン-ハロゲン)を含有する場合、式1の化合物は、上記アミンの分子内第4級化によって調製する。
図式1において例示した式4の化合物の合成方法の別法として、窒素二環式基がスコピン誘導体を示す誘導体4を、窒素二環式基がトロペニル基である式4の化合物の酸化(エポキシ化)によって得ることができる。以下の手順を本発明に従って使用し得る。
Aが-CH=CH-を示す化合物4を、極性有機溶媒、好ましくはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドの中から選んだ溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド中に懸濁させ、次いで、約30〜90℃、好ましくは40〜70℃に加熱する。その後、適切な酸化剤を添加し、混合物を一定温度で2〜8時間、好ましくは3〜6時間攪拌する。好ましい酸化剤は、好ましくはH2O2と混合した五酸化バナジウム、最も好ましくは五酸化バナジウムと組合せたH2O2-尿素複合体である。生成物を通常の方法で処理する。生成物は、その結晶化性向によって結晶化またはクロマトグラフィーにより精製し得る。
また、Rがハロゲンを示す式4の化合物は、下記の図式2に示す方法によっても調製し得る。
このためには、Rがヒドロキシを示す式4の化合物を、適切なハロゲン化試薬を使用して、Rがハロゲンを示す化合物4に転換する。図式2に従って実施するハロゲン化反応において使用する方法は、当該技術において十分に周知である。
Aが-CH=CH-を示す化合物4を、極性有機溶媒、好ましくはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドの中から選んだ溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド中に懸濁させ、次いで、約30〜90℃、好ましくは40〜70℃に加熱する。その後、適切な酸化剤を添加し、混合物を一定温度で2〜8時間、好ましくは3〜6時間攪拌する。好ましい酸化剤は、好ましくはH2O2と混合した五酸化バナジウム、最も好ましくは五酸化バナジウムと組合せたH2O2-尿素複合体である。生成物を通常の方法で処理する。生成物は、その結晶化性向によって結晶化またはクロマトグラフィーにより精製し得る。
また、Rがハロゲンを示す式4の化合物は、下記の図式2に示す方法によっても調製し得る。
図式1から明らかなように、一般式4の中間生成物は、支配的な重要性を有する。従って、もう1つの局面においては、本発明は、必要に応じて酸付加塩の形の下記の式4の中間体に関する。
(式中、基A、R、R1、R2、R3およびR3'は、前述したとおりに定義し得る)。
酸付加塩とは、ヒドロクロライド、ヒドロブロマイド、ヒドロアイオダイド、ヒドロサルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタートレート、ヒドロオキシレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエートおよびヒドロ-p-トルエンスルホネートの中から選ばれる塩類、好ましくはヒドロクロライド、ヒドロブロマイド、ヒドロサルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレートおよびヒドロメタンスルホネートを意味する。
好ましくは、本発明によれば、式4の化合物は、α-形状の出発物質として使用する。従って、これらのα-形状化合物は、本発明に従うとりわけの重要性を有し、下記の一般式4-αに相応する。
もう1つの局面においては、本発明は、一般式4の化合物の調製における一般式2の化合物の使用に関する。さらに、本発明は、一般式1の化合物の調製における出発物質としての一般式2の化合物の使用に関する。さらにまた、本発明は、一般式1の化合物の調製における中間生成物としての一般式4の化合物の使用に関する。
酸付加塩とは、ヒドロクロライド、ヒドロブロマイド、ヒドロアイオダイド、ヒドロサルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロメタンスルホネート、ヒドロニトレート、ヒドロマレート、ヒドロアセテート、ヒドロシトレート、ヒドロフマレート、ヒドロタートレート、ヒドロオキシレート、ヒドロスクシネート、ヒドロベンゾエートおよびヒドロ-p-トルエンスルホネートの中から選ばれる塩類、好ましくはヒドロクロライド、ヒドロブロマイド、ヒドロサルフェート、ヒドロホスフェート、ヒドロフマレートおよびヒドロメタンスルホネートを意味する。
好ましくは、本発明によれば、式4の化合物は、α-形状の出発物質として使用する。従って、これらのα-形状化合物は、本発明に従うとりわけの重要性を有し、下記の一般式4-αに相応する。
以下に説明する合成例は、本発明をさらに例証するために提示する。しかしながら、これらの実施例は、単なる手順の例、本発明のさらなる例示とみなすべきであり、本発明を以下の実施例により説明する対象物に限定するものではない。
トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド
1.1.:メチルジ-(2-フリル)-グリコレート (3a)
25.0g (0.131モル)のα-フリルを15% KOH溶液(625gの水中100gのKOHフレーク)に80℃で攪拌しながら添加する。混合物をさらに40分攪拌する。冷却後、500mlのジエチルエーテルを添加し、混合物を滴下しながら添加する196g (1.0モル)の50%硫酸によって酸性化し、その間、氷とメタノールの冷却用混合物により−5℃〜+3℃の温度に冷却する。有機相を分別し、混合物を氷冷ジメチルエーテルで再度抽出する。一緒にしたジエチルエーテル相を0℃で800ml (0.6モル)の新しく調製したジエチルエーテル中ジアゾメタン溶液に添加する。得られた混合物をさらに90分間攪拌し、次いで、周囲温度にゆっくり加熱する。無機物を濾別し、溶液を蒸発乾固する。溶液をさらに濃縮するために、溶液をジエチルエーテルと混合し、生成した沈降物を濾別し、溶液を蒸発乾固する。収率:18.0g (= 理論値の62%)。
1.2.:トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレート (4a)
8.9g (0.04モル)のメチルジ-(2-フリル)-グリコレート (3a)、5.57g (0.04モル)のトロペノールおよび0.3gのナトリウムを、80℃の油浴温度で80ミリバールで3時間攪拌する。周囲温度に冷却後、アセトニトリルをナトリウムが反応し終えるまで添加する。混合物を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタンと水で抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留別する。残留物をジエチルエーテルと混合し、不溶物を濾別し、溶液を蒸発乾固する。収率:3.25g (= 理論値の25%)。
1.3.:トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド
3.25g (0.01モル)のトロペノールジ-(2-フリル)-グリコレート (4a)を40mlのアセトニトリルと30mlのジクロロメタン中に入れ、4.0g (0.017モル)のアセトニトリル中39.4%臭化メチル溶液と混合し、振盪し、暗中で2日間放置する。溶液を濃縮し、生成した結晶を吸引濾過し、氷冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥させる。結晶をアセトニトリル中で加熱沸騰させ、活性炭で処理し、濾過し、濃縮し、結晶化させる。収率:1.68g (= 理論値の40%);融点:221〜222℃。
25.0g (0.131モル)のα-フリルを15% KOH溶液(625gの水中100gのKOHフレーク)に80℃で攪拌しながら添加する。混合物をさらに40分攪拌する。冷却後、500mlのジエチルエーテルを添加し、混合物を滴下しながら添加する196g (1.0モル)の50%硫酸によって酸性化し、その間、氷とメタノールの冷却用混合物により−5℃〜+3℃の温度に冷却する。有機相を分別し、混合物を氷冷ジメチルエーテルで再度抽出する。一緒にしたジエチルエーテル相を0℃で800ml (0.6モル)の新しく調製したジエチルエーテル中ジアゾメタン溶液に添加する。得られた混合物をさらに90分間攪拌し、次いで、周囲温度にゆっくり加熱する。無機物を濾別し、溶液を蒸発乾固する。溶液をさらに濃縮するために、溶液をジエチルエーテルと混合し、生成した沈降物を濾別し、溶液を蒸発乾固する。収率:18.0g (= 理論値の62%)。
1.2.:トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレート (4a)
8.9g (0.04モル)のメチルジ-(2-フリル)-グリコレート (3a)、5.57g (0.04モル)のトロペノールおよび0.3gのナトリウムを、80℃の油浴温度で80ミリバールで3時間攪拌する。周囲温度に冷却後、アセトニトリルをナトリウムが反応し終えるまで添加する。混合物を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタンと水で抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留別する。残留物をジエチルエーテルと混合し、不溶物を濾別し、溶液を蒸発乾固する。収率:3.25g (= 理論値の25%)。
1.3.:トロペノールジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド
3.25g (0.01モル)のトロペノールジ-(2-フリル)-グリコレート (4a)を40mlのアセトニトリルと30mlのジクロロメタン中に入れ、4.0g (0.017モル)のアセトニトリル中39.4%臭化メチル溶液と混合し、振盪し、暗中で2日間放置する。溶液を濃縮し、生成した結晶を吸引濾過し、氷冷アセトニトリルで洗浄し、乾燥させる。結晶をアセトニトリル中で加熱沸騰させ、活性炭で処理し、濾過し、濃縮し、結晶化させる。収率:1.68g (= 理論値の40%);融点:221〜222℃。
スコピンジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド
2.1.:スコピンジ-(2-フリル)-グリコレート (4b)
3.45g (0.01モル)のトロペノールジ-(2-フリル)-グリコレート (4a)と0.2g (0.001モル)のバナジウム-(V)-オキサイドを60mlのジメチルホルムアミド中に入れ、55℃に加熱し、次いで、10mlの水中1.98g (0.021モル)のH2O2-尿素溶液と15分以内で混合する。2時間後、同量のバナジウム-(V)-オキサイドとH2O2-尿素を再び加え、次いで、混合物を周囲温度で72時間放置する。混合物を水で希釈して500ml容量とし、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留別する。残留物をジエチルエーテルと水間に分布させ、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発乾固する。収率:0.93 g (= 理論値の27%)。
2.2.:スコピンジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド
0.95g (0.003モル)のスコピンジ-(2-フリル)-グリコレートを20mlのアセトニトリルと10mlのジクロロメタン中に溶解し、3.0g (0.013モル)のアセトニトリル中40%臭化メチル溶液と混合し、暗中で2日間放置する。混合物を濾過し、濾液を結晶化が起るまで濃縮し、次いで、アセトンで希釈し、冷却し、吸引濾過し、洗浄し、乾燥させる。収率:0.58g (= 理論値の44%);融点:216℃。
3.45g (0.01モル)のトロペノールジ-(2-フリル)-グリコレート (4a)と0.2g (0.001モル)のバナジウム-(V)-オキサイドを60mlのジメチルホルムアミド中に入れ、55℃に加熱し、次いで、10mlの水中1.98g (0.021モル)のH2O2-尿素溶液と15分以内で混合する。2時間後、同量のバナジウム-(V)-オキサイドとH2O2-尿素を再び加え、次いで、混合物を周囲温度で72時間放置する。混合物を水で希釈して500ml容量とし、ジクロロメタンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留別する。残留物をジエチルエーテルと水間に分布させ、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発乾固する。収率:0.93 g (= 理論値の27%)。
2.2.:スコピンジ-(2-フリル)-グリコレートメトブロマイド
0.95g (0.003モル)のスコピンジ-(2-フリル)-グリコレートを20mlのアセトニトリルと10mlのジクロロメタン中に溶解し、3.0g (0.013モル)のアセトニトリル中40%臭化メチル溶液と混合し、暗中で2日間放置する。混合物を濾過し、濾液を結晶化が起るまで濃縮し、次いで、アセトンで希釈し、冷却し、吸引濾過し、洗浄し、乾燥させる。収率:0.58g (= 理論値の44%);融点:216℃。
本発明に従う式1の化合物は、M3レセプター(ムスカリン性レセプターサブタイプ3)の拮抗薬であることを見出した。本発明に従う化合物は、M3レセプターに対する親和性の点で10nM未満のKi値を有する。これらの値は、以下に説明する方法によって測定した。
薬品類
3071 GBq/ミリモル(83 Ci/ミリモル)の比放射能を有する3H-NMSは、ブラウンシュベイグ(Braunschweig)のMessrs Amersham社より入手した。他の試薬は、すべてハイデルベルグのServa社およびダルムスタッドのMerck社から入手した。
細胞膜
ヒトムスカリン性レセプターサブタイプhm1〜hm5の相応する遺伝子を移入したCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞由来の細胞膜(BONNER)を使用した。所望のサブタイプの細胞膜を解凍し、ガラスホモジナイザーにより手で再懸濁させ、HEPES緩衝液で20〜30mgたんぱく質/mlの最終濃度に希釈した。
レセプター結合性試験
結合性アッセイは、1mlの最終容量で実施し、種々の濃度の100μlの未標識物質、100μlの放射性リガンド(3H-N-メチルスコパラミン 2ナノモル/L (3H-NMS))、200μlの膜調製物および600μlのHEPES緩衝液(20ミリモル/LのHEPES、10ミリモル/LのMgCl2、100ミリモル/LのNaCl、1モル/LのNaOHでpH 7.4に調整)からなっていた。非特異結合は、10μモル/lのアトロピンを使用して測定した。膜調製物は、二重測定として、96ウェルマイクロタイタープレート(Beckman社、ポリスチレン、No. 267001)中で37℃で45分間インキュベートした。インキュベーションは、Inotech細胞ハーベスター(タイプ IH 110)を使用してワットマン G-7フィルターにより濾過することによって終了させた。各フィルターは、3mlの氷冷HEPES緩衝液で洗浄し、測定前に乾燥させた。
放射能測定
各フィルターマットの放射能は、断層(two-dimensional)デジタルオートラジオグラフ(Berthold社、Wildbad、タイプ3052)を使用して同時に測定した。
評価
Ki値は、1レセプター2リガンド反応におけるモデルによる質量作用法則に直接由来するインプリシット等式(implicit equation)を使用して算出した(SysFitソフトウェア、SCHITTKOWSKI)。
文献
BONNER TI, New subtypes of muscarinic acetylcholine receptors Trends Pharmacol. Sci. 10, Suppl.: 11-15 (1989);SCHITTKOWSKI K Parameter estimation in systems of nonlinear equations Numer Math. 68: 129-142 (1994)。
薬品類
3071 GBq/ミリモル(83 Ci/ミリモル)の比放射能を有する3H-NMSは、ブラウンシュベイグ(Braunschweig)のMessrs Amersham社より入手した。他の試薬は、すべてハイデルベルグのServa社およびダルムスタッドのMerck社から入手した。
細胞膜
ヒトムスカリン性レセプターサブタイプhm1〜hm5の相応する遺伝子を移入したCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞由来の細胞膜(BONNER)を使用した。所望のサブタイプの細胞膜を解凍し、ガラスホモジナイザーにより手で再懸濁させ、HEPES緩衝液で20〜30mgたんぱく質/mlの最終濃度に希釈した。
レセプター結合性試験
結合性アッセイは、1mlの最終容量で実施し、種々の濃度の100μlの未標識物質、100μlの放射性リガンド(3H-N-メチルスコパラミン 2ナノモル/L (3H-NMS))、200μlの膜調製物および600μlのHEPES緩衝液(20ミリモル/LのHEPES、10ミリモル/LのMgCl2、100ミリモル/LのNaCl、1モル/LのNaOHでpH 7.4に調整)からなっていた。非特異結合は、10μモル/lのアトロピンを使用して測定した。膜調製物は、二重測定として、96ウェルマイクロタイタープレート(Beckman社、ポリスチレン、No. 267001)中で37℃で45分間インキュベートした。インキュベーションは、Inotech細胞ハーベスター(タイプ IH 110)を使用してワットマン G-7フィルターにより濾過することによって終了させた。各フィルターは、3mlの氷冷HEPES緩衝液で洗浄し、測定前に乾燥させた。
放射能測定
各フィルターマットの放射能は、断層(two-dimensional)デジタルオートラジオグラフ(Berthold社、Wildbad、タイプ3052)を使用して同時に測定した。
評価
Ki値は、1レセプター2リガンド反応におけるモデルによる質量作用法則に直接由来するインプリシット等式(implicit equation)を使用して算出した(SysFitソフトウェア、SCHITTKOWSKI)。
文献
BONNER TI, New subtypes of muscarinic acetylcholine receptors Trends Pharmacol. Sci. 10, Suppl.: 11-15 (1989);SCHITTKOWSKI K Parameter estimation in systems of nonlinear equations Numer Math. 68: 129-142 (1994)。
本発明に従う式1の化合物は、治療分野におけるその使用範囲に特徴を有する。本発明に従う式1の化合物を抗コリン作用薬としてのその薬物活性に基づき好ましく使用し得る用途については、とりわけ説明しなければならない。
これらの用途は、例えば、喘息またはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療である。また、一般式1の化合物は、迷走神経誘発性洞性徐脈の治療および心臓鼓動障害の治療のためにも使用し得る。一般に、本発明に従う化合物は、例えば胃腸管内の発作の処置にも治療的に使用し得る。本発明に従う化合物は、例えば、尿管内発作の治療にも生理痛の治療にも使用し得る。上述の適応症のうち、本発明に従う式1の化合物による喘息とCOPDの治療は、とりわけの重要性を有する。
一般式1の化合物は、それ単独でまたは他の式1の活性物質と一緒に使用し得る。また、一般式1の化合物は、他の薬理活性物質と併用しても使用し得る。これらの活性物質は、とりわけ、β刺激薬、抗アレルギー薬、PAF拮抗薬、PDE-IV抑制剤、ロイコトリエン拮抗薬、p38キナーゼ抑制剤、EGFRキナーゼ抑制剤およびコルチコステロイド類、並びにこれら活性物質の組合せであり得る。
これらの用途は、例えば、喘息またはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療である。また、一般式1の化合物は、迷走神経誘発性洞性徐脈の治療および心臓鼓動障害の治療のためにも使用し得る。一般に、本発明に従う化合物は、例えば胃腸管内の発作の処置にも治療的に使用し得る。本発明に従う化合物は、例えば、尿管内発作の治療にも生理痛の治療にも使用し得る。上述の適応症のうち、本発明に従う式1の化合物による喘息とCOPDの治療は、とりわけの重要性を有する。
一般式1の化合物は、それ単独でまたは他の式1の活性物質と一緒に使用し得る。また、一般式1の化合物は、他の薬理活性物質と併用しても使用し得る。これらの活性物質は、とりわけ、β刺激薬、抗アレルギー薬、PAF拮抗薬、PDE-IV抑制剤、ロイコトリエン拮抗薬、p38キナーゼ抑制剤、EGFRキナーゼ抑制剤およびコルチコステロイド類、並びにこれら活性物質の組合せであり得る。
式1の化合物と一緒に本発明に従って使用し得るβ刺激薬の例としては、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー形のバンブテロール、ビトルテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、フォルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、サルメテロール、スルホンテロール、テルブタリン、トルブテロール、4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン、1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチロキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンゾキサジン-3-(4H)-オン、1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-(tert.-ブチルアミノ)エタノールおよび1-(4-エトキシカルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル) -2-(tert.-ブチルアミノ)エタノールの中から選らばれた化合物、並びにこれらの必要に応じての薬理学上許容し得る酸付加塩、溶媒和物および/または水和物がある。
最も好ましくは、本発明に従う式1の化合物と一緒に活性物質として使用するβ刺激薬は、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー形のフェノテロール、フォルモテロール、サルメテロール、1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンズイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチロキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール、1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オクソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール、並びにこれらの必要に応じての薬理学上許容し得る酸付加塩および水和物の中から選ばれる。上述したβ刺激薬のうち、必要に応じてラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー形の化合物フォルモテロールおよびサルメテロール並びにこれらの必要に応じての薬理学上許容し得る酸付加塩およびこれらの水和物は、とりわけ好ましい。本発明によれば、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩およびキシナホ酸塩の中から選択したβ刺激剤の酸付加塩が好ましい。サルメテロールの場合にとりわけ好ましいのは、塩酸塩、硫酸塩およびキシナホ酸塩の中から選ばれた塩であり、これらのうち、キシナホ酸塩はとりわけ好ましい。フォルモテロールの場合にとりわけ好ましいのは、塩酸塩、硫酸塩およびフマル酸塩の中から選ばれた塩であり、これらのうち、塩酸塩およびフマル酸塩はとりわけ好ましい。本発明によれば、フマル酸フォルモテロールは、格別の重要性を有する。
本発明の範囲において、必要に応じて式1の化合物と一緒に使用し得るコルチコステロイド類は、フルニソリド、べクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ロフレポニド、GW 215864、KSR 592、ST-126およびデキサメタゾンの中から選ばれる化合物であり得る。好ましくは、本発明の範囲においては、コルチコステロイド類は、フルニソリド、べクロメタソン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニドおよびデキサメタゾンの中から選ばれるが、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾンおよびシクレソニドが重要であり、ブデソニドおよびフルチカゾンがとりわけ重要である。ある場合においては、本特許出願の範囲において、用語ステロイド類それ自体で用語コルチコステロイド類の代りに使用する。本発明の範囲におけるステロイド類についての説明は、いずれも、ステロイド類から形成させ得る任意の塩および誘導体類の説明も含む。可能性ある塩または誘導体の例としては、ナトリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、二水素リン酸塩、パルミチン酸塩、ピバリン酸塩またはフロ酸塩がある。ある場合には、コルチコステロイド類は、その水和物の形でも生じ得る。
式1の化合物との組合せとして本発明に従って使用し得るPDE-IV抑制剤の例としては、エンプロフィリン、ロフルミラスト、アリフロ、Bay-198004、CP-325、366、BY343、D-4396 (Sch-351591)、V-11294AおよびAWD-12-281の中から選ばれる化合物がある。好ましいPDE-IV抑制剤は、エンプロフィリン、ロフルミラスト、アリフロおよびAWD-12-281の中から選ばれるが、AWD-12-281は、本発明に従う式1の化合物との組合せパートナーとしてとりわけ好ましい。上述のPDE-IV抑制剤についての説明は、いずれも、本発明の範囲において、存在し得るそれらの任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩についての説明も含む。上述のPDE-IV抑制剤によって形成し得る薬理学的に許容し得る酸付加塩とは、本発明によれば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸の各塩の中から選ばれた製薬上許容し得る塩を意味する。本発明によれば、酢酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびメタンスルホン酸塩の中から選ばれた塩類が、この概念において好ましい。
式1の化合物との組合せとして本発明に従って使用し得るPDE-IV抑制剤の例としては、エンプロフィリン、ロフルミラスト、アリフロ、Bay-198004、CP-325、366、BY343、D-4396 (Sch-351591)、V-11294AおよびAWD-12-281の中から選ばれる化合物がある。好ましいPDE-IV抑制剤は、エンプロフィリン、ロフルミラスト、アリフロおよびAWD-12-281の中から選ばれるが、AWD-12-281は、本発明に従う式1の化合物との組合せパートナーとしてとりわけ好ましい。上述のPDE-IV抑制剤についての説明は、いずれも、本発明の範囲において、存在し得るそれらの任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩についての説明も含む。上述のPDE-IV抑制剤によって形成し得る薬理学的に許容し得る酸付加塩とは、本発明によれば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸の各塩の中から選ばれた製薬上許容し得る塩を意味する。本発明によれば、酢酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩およびメタンスルホン酸塩の中から選ばれた塩類が、この概念において好ましい。
本発明の範囲において、式1の化合物と必要に応じて一緒に使用し得る用語ドパミン作動薬は、ブロモクリプチン、カベルゴリン、アルファ-ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリドおよびビオザンの中から選ばれた化合物を意味する。本発明の範囲において好ましいのは、式1の化合物との組合せパートナーとして、プラミペキソール、タリペキソールおよびビオザンの中から選ばれるドパミン作動薬を使用することであり、プラミペキソールがとりわけ好ましい。上述のドパミンについての説明は、いずれも、本発明の範囲において、存在し得るそれらの任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩および水和物についての説明も含む。上述のドパミン作動薬によって形成し得る薬理学的に許容し得る酸付加塩とは、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸の各塩の中から選ばれた製薬上許容し得る塩を意味する。
式1の化合物との組合せとして本発明に従って使用し得る抗アレルギー薬の例としては、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セクスクロロフェニラミン、フェニラミン、ドキシラミン、クロロフェノキサミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジンおよびメクリジンがある。本発明に従う式1の化合物と組合せて本発明の範囲内で使用し得る好ましい抗アレルギー薬は、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、エバスチン、デスロラチジンおよびミゾラスチンの中から選ばれ、エピナスチンおよびデスロラチジンがとりわけ好ましい。上述の抗アレルギー薬についての説明は、いずれも、本発明の範囲において、存在し得るそれらの任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩についての説明も含む。
式1の化合物との組合せとして本発明に従って使用し得るPAF拮抗薬の例としては、4-(2-クロロフェニル)-9-メチル-2-[3-(4-モルホリニル)-3-プロパノン-1-イル]-6H-チエノ-[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4.3-a][1,4]ジアゼピン、6-(2-クロロフェニル)-8,9-ジヒドロ-1-メチル-8-[(4-モルホリニル)カルボニル]-4H,7H-シクロ-ペンタ-[4.5]チエノ-[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4.3-a][1,4]ジアゼピンがある。
式1の化合物との組合せとして本発明に従って使用し得るPAF拮抗薬の例としては、4-(2-クロロフェニル)-9-メチル-2-[3-(4-モルホリニル)-3-プロパノン-1-イル]-6H-チエノ-[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4.3-a][1,4]ジアゼピン、6-(2-クロロフェニル)-8,9-ジヒドロ-1-メチル-8-[(4-モルホリニル)カルボニル]-4H,7H-シクロ-ペンタ-[4.5]チエノ-[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ[4.3-a][1,4]ジアゼピンがある。
本発明に従う式1の化合物との組合せとして使用し得るEGFRキナーゼ抑制剤の例としては、とりわけ、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-ブチロキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[4-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-ブチロキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-(2-{4-[(S)-(2-オクソ-テトラヒドロフラン-5-イル)カルボニル]-ピペラジン-1-イル}-エトキシ)-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7--[2-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン、4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[4-{N-[2-(エトキシカルボニル)-エチル]-N-[(エトキシカルボニル)メチル]アミノ}-1-オキソ-2-ブテン-1-イル)-アミノ]-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン、4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリンおよび4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-[3-(モルホリン-4-イル)-プロピロキシ]-7-メトキシ-キナゾリンがある。上述のEGFRキナーゼ抑制剤についての説明は、いずれも、本発明の範囲において、存在し得るそれらの任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩についての説明も含む。上述のEGFRキナーゼ抑制剤によって形成し得る生理学または薬理学的に許容し得る酸付加塩とは、本発明によれば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸の各塩の中から選ばれた製薬上許容し得る塩を意味する。本発明によれば、酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびメタンスルホン酸の各塩の中から選ばれたEGFRキナーゼ抑制剤の塩類が好ましい。
本発明に従う式1の化合物との組合せとして使用し得るp38キナーゼ抑制剤のとりわけ好ましい例としては、1-[5-tert-ブチル-2-p-トリル-2H-ピラゾール-3-イル]-3-[4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)ナフタリン-1-イル]-尿素;1-[5-tert-ブチル-2-p-トリル-2H-ピラゾール-3-イル]-3-[4-(2-(1-オキソチオモルホリン-4-イル)エトキシ)ナフタリン-1-イル]-尿素;1-[5-tert-ブチル-2-(2-メチルピリジン-5-イル)-2H-ピラゾール-3-イル]-3-[4-(2-ピリジン-4-イル-エトキシ)ナフタリン-1-イル]-尿素;1-[5-tert-ブチル-2-(2-メトキシピリジン-5-イル)-2H-ピラゾール-3-イル]-3-[4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)ナフタリン-1-イル]-尿素または1-[5-tert-ブチル-2-メチル-2H-ピラゾール-3-イル]-3-[4-(2-モルホリン-4-イル-エトキシ)ナフタリン-1-イル]-尿素がある。上述のp38キナーゼ抑制剤についての説明は、いずれも、本発明の範囲において、存在し得るそれらの任意の薬理学的に許容し得る酸付加塩についての説明も含む。上述のp38キナーゼ抑制剤によって形成し得る生理学または薬理学的に許容し得る酸付加塩とは、本発明によれば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸およびマレイン酸の各塩の中から選ばれた製薬上許容し得る塩を意味する。
式1の化合物を他の活性物質と併用する場合、ステロイド類、PDE IV抑制剤またはβ刺激薬との組合せは、上述の化合物のカテゴリーのうちで、とりわけ好ましい。β刺激薬、とりわけ長期作用性β刺激薬との組合せは、特別の重要性を有する。本発明に従う式1の化合物のサルメテロールまたはフォルモテロールとの組合せは、とりわけ好ましい。
式1の塩類を投与するのに適する製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、座薬および溶液剤等がある。本発明に従う化合物の吸入による投与は、本発明に従い、特別の重要性を有する(とりわけ、喘息またはCOPDの治療において)。薬物活性化合物(1種以上)の含有量は、全体としての組成物の0.05〜90質量%、好ましくは0.1〜50質量%の範囲でなければならない。適切な錠剤は、例えば、活性物質(1種以上)を公知の賦形剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはラクトースのような不活性希釈剤;コーンスターチまたはアルギン酸のような崩壊剤;澱粉またはゼラチンのようなバインダー類;ステアリン酸マグネシウムまたはタルクのような潤滑剤および/またはカルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレートまたはポリ酢酸ビニルのような放出遅延剤と混合することによって、得ることができる。また、錠剤は数層を含み得る。
相応に、コーティーング錠剤は、上記錠剤と同様にして製造したコアを錠剤コーティーングに通常使用する物質、例えば、コリドンもしくはシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタンまたは砂糖でコーティーングすることによって製造し得る。遅延放出を達成するためあるいは不適合性を防止するためには、コアも複数層からなり得る。同様に、錠剤コーティーングも、恐らくは錠剤について上述した賦形剤を使用して、遅延放出を達成するために複数層からなり得る。
本発明に従う上記活性物質またはそれらの組合せを含有するシロップまたはエリキシル剤は、サッカリン、シクラメート、グリセリンまたは砂糖のような甘味化剤および風味増強剤、例えば、バニリンまたはオレンジ抽出物のような風味料をさらに含有し得る。また、シロップまたはエリキシル剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのような懸濁増強剤または増粘剤、例えば脂肪アルコール類とエチレンオキサイドとの縮合生成物のような湿潤剤、またはp-ヒドロキシ安息香酸塩のような保存剤も含有し得る。
相応に、コーティーング錠剤は、上記錠剤と同様にして製造したコアを錠剤コーティーングに通常使用する物質、例えば、コリドンもしくはシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタンまたは砂糖でコーティーングすることによって製造し得る。遅延放出を達成するためあるいは不適合性を防止するためには、コアも複数層からなり得る。同様に、錠剤コーティーングも、恐らくは錠剤について上述した賦形剤を使用して、遅延放出を達成するために複数層からなり得る。
本発明に従う上記活性物質またはそれらの組合せを含有するシロップまたはエリキシル剤は、サッカリン、シクラメート、グリセリンまたは砂糖のような甘味化剤および風味増強剤、例えば、バニリンまたはオレンジ抽出物のような風味料をさらに含有し得る。また、シロップまたはエリキシル剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロースのような懸濁増強剤または増粘剤、例えば脂肪アルコール類とエチレンオキサイドとの縮合生成物のような湿潤剤、またはp-ヒドロキシ安息香酸塩のような保存剤も含有し得る。
溶液剤は、通常の方法で、例えば、等張剤、p-ヒドロキシ安息香酸塩のような保存剤またはエチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩のような安定剤を、必要に応じて乳化剤および/または分散剤を使用して添加することによって製造し得るが、例えば、水を希釈剤として使用する場合は、有機溶媒を可溶化剤または溶解助剤として必要に応じて使用することができ、溶液剤は、注入用バイアルもしくはアンプルまたは輸液ボトル中に移し得る。
1種以上の活性物質または活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質をラクトースまたはソルビトールのような不活性担体と混合し、これら成分をゼラチンカプセル中に封入することによって製造し得る。
適切な座薬は、例えば、中性油脂もしくはポリエチレングリコールまたはこれらの誘導体のようなこの目的のために調製した担体と混合することによって製造し得る。
使用し得る賦形剤としては、例えば、水、パラフィン類(例えば、石油留分)のような製薬上許容し得る有機溶媒、植物油(例えば、落花生またはゴマ油)、モノ-または多官能性アルコール類(例えば、エタノールまたはグリセリン)、例えば天然無機粉末(例えば、カオリン類、クレー類、タルク、チョーク)のような担体類、合成無機粉末(例えば、高分散性ケイ酸およびケイ酸塩)、砂糖類(例えば、甘蔗糖、ラクトースおよびグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ排液、メチルセルロース、澱粉およびポリビニルピロリドン)および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸およびラウリル硫酸ナトリウム)がある。
経口使用においては、錠剤は、明らかに、特定した上記の担体以外に、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸二カルシウムのような添加剤を各種のさらなる物質、例えば、澱粉、好ましくはポテト澱粉、ゼラチン等と一緒に含有し得る。また、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような潤滑剤を使用して錠剤を製造することもできる。水性懸濁液の場合には、活性物質は、上述の賦形剤以外に、各種風味増強剤または着色剤と混合し得る。
1種以上の活性物質または活性物質の組合せを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質をラクトースまたはソルビトールのような不活性担体と混合し、これら成分をゼラチンカプセル中に封入することによって製造し得る。
適切な座薬は、例えば、中性油脂もしくはポリエチレングリコールまたはこれらの誘導体のようなこの目的のために調製した担体と混合することによって製造し得る。
使用し得る賦形剤としては、例えば、水、パラフィン類(例えば、石油留分)のような製薬上許容し得る有機溶媒、植物油(例えば、落花生またはゴマ油)、モノ-または多官能性アルコール類(例えば、エタノールまたはグリセリン)、例えば天然無機粉末(例えば、カオリン類、クレー類、タルク、チョーク)のような担体類、合成無機粉末(例えば、高分散性ケイ酸およびケイ酸塩)、砂糖類(例えば、甘蔗糖、ラクトースおよびグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ排液、メチルセルロース、澱粉およびポリビニルピロリドン)および潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸およびラウリル硫酸ナトリウム)がある。
経口使用においては、錠剤は、明らかに、特定した上記の担体以外に、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸二カルシウムのような添加剤を各種のさらなる物質、例えば、澱粉、好ましくはポテト澱粉、ゼラチン等と一緒に含有し得る。また、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような潤滑剤を使用して錠剤を製造することもできる。水性懸濁液の場合には、活性物質は、上述の賦形剤以外に、各種風味増強剤または着色剤と混合し得る。
喘息またはCOPDの治療のために式1の化合物を投与するには、本発明によれば、吸入に適し得る製剤または医薬製剤を使用するのがとりわけ好ましい。吸入可能な製剤としては、吸入可能な粉末、推進剤含有計量型エアゾールまたは推進剤無含有吸入可能溶液がある。本発明の範囲においては、用語推進剤無含有吸入可能溶液は、使用可能状態の濃縮物または滅菌吸入可能溶液も含む。本発明の範囲において使用し得る製剤は、本明細書の以下部分においてより詳細に説明する。
本発明に従って使用し得る吸入可能粉末剤は、1を単独でまたは適切な生理学的に許容し得る賦形剤との混合物中のいずれかで含有し得る。
活性物質1が生理学的に許容し得る賦形剤との混合物中に存在する場合、以下の生理学的に許容し得る賦形剤を使用して、本発明に従うこれら吸入可能な粉末剤を製造し得る:単糖類(例えば、グルコースまたはアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ-および多糖類(例えば、デキストラン類)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、またはこれら賦形剤の混合物。好ましくは、単糖類または二糖類を使用し、水和物形のラクトースまたはグルコースの使用がとりわけ好ましいが、限定的ではない。本発明の目的においては、ラクトースがとりわけ好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も好ましい。
本発明に従う吸入可能な粉末剤の範囲においては、賦形剤は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmの最高平均粒度を有する。場合によっては、1〜9μmの平均粒度を有するより微細な賦形剤画分を上述の賦形剤に添加することが適切であり得る。これらのより微細な賦形剤も、上記で挙げた可能性のある賦形剤の群から選択する。最後に、本発明に従う吸入可能な粉末剤を製造するためには、微細化した、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmの平均粒度を有する活性物質1を賦形剤混合物に添加する。粉砕し、微細化し、最後に各成分を一緒に混合することによる本発明に従う吸入可能な粉末剤の製造方法は、従来技術において公知である。本発明に従う吸入可能な粉末剤は、従来技術において公知の吸入器を使用して投与し得る。
本発明に従って使用し得る吸入可能粉末剤は、1を単独でまたは適切な生理学的に許容し得る賦形剤との混合物中のいずれかで含有し得る。
活性物質1が生理学的に許容し得る賦形剤との混合物中に存在する場合、以下の生理学的に許容し得る賦形剤を使用して、本発明に従うこれら吸入可能な粉末剤を製造し得る:単糖類(例えば、グルコースまたはアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ-および多糖類(例えば、デキストラン類)、多価アルコール類(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)、またはこれら賦形剤の混合物。好ましくは、単糖類または二糖類を使用し、水和物形のラクトースまたはグルコースの使用がとりわけ好ましいが、限定的ではない。本発明の目的においては、ラクトースがとりわけ好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も好ましい。
本発明に従う吸入可能な粉末剤の範囲においては、賦形剤は、250μmまで、好ましくは10〜150μm、最も好ましくは15〜80μmの最高平均粒度を有する。場合によっては、1〜9μmの平均粒度を有するより微細な賦形剤画分を上述の賦形剤に添加することが適切であり得る。これらのより微細な賦形剤も、上記で挙げた可能性のある賦形剤の群から選択する。最後に、本発明に従う吸入可能な粉末剤を製造するためには、微細化した、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜5μmの平均粒度を有する活性物質1を賦形剤混合物に添加する。粉砕し、微細化し、最後に各成分を一緒に混合することによる本発明に従う吸入可能な粉末剤の製造方法は、従来技術において公知である。本発明に従う吸入可能な粉末剤は、従来技術において公知の吸入器を使用して投与し得る。
本発明に従う推進剤ガス含有の吸入エアゾールは、推進剤ガス中に溶解させたまたは分散形の化合物1を含有し得る。複数の化合物1は、別個の製剤において、あるいは複数の化合物1を共に溶解させ、共に分散させまたは各場合に1つの成分のみを溶解させ他方の成分を分散させるようないずれかの共通製剤において含有させ得る。吸入エアゾールを製造するのに使用し得る推進剤ガスは、従来技術において公知である。適切な推進剤ガスは、n-プロパン、n-ブタンまたはイソブタンのような炭化水素類;およびメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタンのフッ素化誘導体のようなハロ炭化水素類の中から選択する。上述の推進剤ガスは、単独またはこれらの混合物のいずれかで使用し得る。とりわけ好ましい推進剤ガスは、TG134aおよびTG227から選ばれるハロゲン化アルカン誘導体並びにこれらの混合物である。
推進剤駆動吸入エアゾールは、共溶媒、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、潤滑剤およびpH調節剤のような他の成分も含有し得る。これらの成分は、すべて当該技術において公知である。
上述の本発明に従う推進剤駆動吸入エアゾールは、当該技術において公知の吸入器(MDI = 投与量計量型吸入器)を使用して投与し得る。
推進剤駆動吸入エアゾールは、共溶媒、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、潤滑剤およびpH調節剤のような他の成分も含有し得る。これらの成分は、すべて当該技術において公知である。
上述の本発明に従う推進剤駆動吸入エアゾールは、当該技術において公知の吸入器(MDI = 投与量計量型吸入器)を使用して投与し得る。
さらにまた、本発明に従う活性物質1は、推進剤無含有吸入可能溶液および懸濁液の形でも投与し得る。使用する溶媒は、水性またはアルコール系、好ましくはエタノール系溶液である。溶媒は、水単独または水とエタノールの混合物であり得る。水に対するエタノールの相対的割合は限定されないが、最高、70容量%まで、より好ましくは60容量%まで、最も好ましくは30容量%までである。残りの容量は、水から構成される。1を含有する溶液または懸濁液は、適切な酸を使用して、2〜7、好ましくは2〜5のpHに調整する。pHは、無機または有機酸から選択した酸を使用して調整し得る。とりわけ適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸および/またはリン酸がある。とりわけ適切な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸および/またはプロピオン酸等がある。好ましい無機酸は、塩酸および硫酸である。また、活性物質の1つと酸付加塩をすでに形成している酸を使用することも可能である。有機酸のうちでは、アスコルビン酸、フマル酸およびクエン酸が好ましい。所望であれば、とりわけ、例えばクエン酸またはアスコルビン酸のような、酸性化特性以外の、例えば、風味料、酸化防止剤または複合体化剤としての他の性質も有する酸の場合には、上記酸の混合物を使用してもよい。本発明によれば、塩酸を使用してpHを調整するのがとりわけ好ましい。
安定剤または複合体化剤としてのエデト酸(EDTA)またはその既知の塩の1つ、エデト酸ナトリウムの添加は、これらの製剤においては必要に応じて省くことができる。他の実施態様は、この化合物またはこれらの化合物を含有し得る。好ましい実施態様においては、エデト酸ナトリウムに基づく含有量は、100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、より好ましくは20mg/100ml未満である。一般に、エデト酸ナトリウムの含有量が0〜10mg/100mlである吸入可能溶液が好ましい。
安定剤または複合体化剤としてのエデト酸(EDTA)またはその既知の塩の1つ、エデト酸ナトリウムの添加は、これらの製剤においては必要に応じて省くことができる。他の実施態様は、この化合物またはこれらの化合物を含有し得る。好ましい実施態様においては、エデト酸ナトリウムに基づく含有量は、100mg/100ml未満、好ましくは50mg/100ml未満、より好ましくは20mg/100ml未満である。一般に、エデト酸ナトリウムの含有量が0〜10mg/100mlである吸入可能溶液が好ましい。
共溶媒および/または他の賦形剤を本発明に従う推進剤無含有吸入可能溶液に添加し得る。好ましい共溶媒は、ヒドロキシル基または他の極性基を含有する共溶媒、例えば、アルコール類(とりわけ、イソプロピルアルコール)、グリコール類(とりわけ、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)、グリコールエーテル、グリセリン、ポリオキシエチレンアルコール類およびポリオキシエチレン脂肪酸エステル類である。この概念における用語賦形剤および添加剤は、活性物質ではないが活性物質(1種以上)と一緒に生理学的に適する溶媒中に配合して活性物質製剤の質的特性改善する任意の薬理学的に許容し得る物質を意味する。好ましくは、これらの物質は、薬理作用を有せず、あるいは所望の治療に関連して、認識し得る薬理作用を有せずまたは少なくとも望ましくない薬理作用を有しない。これらの賦形剤および添加剤としては、例えば、大豆レシチンのような界面活性剤、オレイン酸、ポリソルベート類のようなソルビタンエステル類、ポリビニルピロリドン、他の安定剤、複合体化剤、最終の医薬製剤の保存安定性を担保し且つ延長させる酸化防止剤および/または保存剤、風味料、ビタミン類、および/または当該技術において公知の他の添加剤がある。また、添加剤としては、等張剤としての塩化ナトリウムのような薬理学上許容し得る塩類もある。
好ましい賦形剤としては、例えばアスコルビン酸(但し、pH調整のためにすでに使用していないことを条件とする)のような酸化防止剤、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール類、および人体内で産生する同様なビタミン類およびプロビタミン類がある。
好ましい賦形剤としては、例えばアスコルビン酸(但し、pH調整のためにすでに使用していないことを条件とする)のような酸化防止剤、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール類、および人体内で産生する同様なビタミン類およびプロビタミン類がある。
保存剤は、製剤を病原体による汚染から保護するのに使用し得る。適切な保存剤は、当該技術において公知の保存剤、とりわけ、従来技術において既知の濃度のセチルピリジニウムクロライド、ベンズアルコニウムクロライドまたは安息香酸もしくは安息香酸ナトリウムのような安息香酸塩である。上述の保存剤は、好ましくは50mg/100mlまで、より好ましくは5〜20mg/100mlの濃度で存在する。
好ましい製剤は、溶媒の水および活性物質1以外に、ベンズアルコニウムクロライドおよびエデト酸ナトリウムのみを含有する。もう1つの好ましい実施態様においては、エデト酸ナトリウムは存在しない。
本発明に従う化合物の投与量は、当然のこととして、投与方法および治療すべき疾病に高度に依存する。吸入によって投与する場合、式1の化合物は、μg範囲の投与量においてさえも高有効性であることに特徴を有する。また、式1の化合物は、μg範囲よりも高くても有効に使用し得る。その場合、投与量は、例えば、グラム範囲であり得る。とりわけ、吸入以外の経路で投与する場合、本発明に従う化合物は、より高めの投与量で投与し得る(例えば、限定するものではないが、1〜1000mgの範囲)。
好ましい製剤は、溶媒の水および活性物質1以外に、ベンズアルコニウムクロライドおよびエデト酸ナトリウムのみを含有する。もう1つの好ましい実施態様においては、エデト酸ナトリウムは存在しない。
本発明に従う化合物の投与量は、当然のこととして、投与方法および治療すべき疾病に高度に依存する。吸入によって投与する場合、式1の化合物は、μg範囲の投与量においてさえも高有効性であることに特徴を有する。また、式1の化合物は、μg範囲よりも高くても有効に使用し得る。その場合、投与量は、例えば、グラム範囲であり得る。とりわけ、吸入以外の経路で投与する場合、本発明に従う化合物は、より高めの投与量で投与し得る(例えば、限定するものではないが、1〜1000mgの範囲)。
以下の製剤の実施例は、本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
製薬製剤の実施例
微粉砕活性物質、ラクトースおよび若干量のコーンスターチを一緒に混合する。混合物を篩い分けし、次いで水中ポリビニルピロリドン溶液で湿潤させ、混練し、湿式粒状化し、乾燥させる。粒状物、残りのコーンスターチおよびステアリン酸マグネシウムを篩い分けし、一緒に混合する。混合物を圧縮して適切な形状とサイズを有する錠剤を製造する。
製薬製剤の実施例
微粉砕活性物質、ラクトースおよび若干量のコーンスターチを一緒に混合する。混合物を篩い分けし、次いで水中ポリビニルピロリドン溶液で湿潤させ、混練し、湿式粒状化し、乾燥させる。粒状物、残りのコーンスターチおよびステアリン酸マグネシウムを篩い分けし、一緒に混合する。混合物を圧縮して適切な形状とサイズを有する錠剤を製造する。
微粉砕活性物質、若干量のコーンスターチ、ラクトース、微結晶性セルロースおよびポリビニルピロリドンを一緒に混合し、混合物を篩い分けし、残りのコーンスターチと水で処理して粒状物を形成し、乾燥させ、篩い分けする。ナトリウム-カルボキシメチルスターチとステアリン酸マグネシウムを加え、混入させ、混合物を圧縮して適切なサイズを有する錠剤を製造する。
活性物質をその独自のpHまたは必要に応じて5.5〜6.5のpHで水中に溶解させ、塩化ナトリウムを加えて溶液を等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除去し、濾液を無菌条件下にアンプルに移し、次いで、これらのアンプルを滅菌し、加熱密封する。アンプルは、5mg、25mgおよび50mgの活性物質を含有する。
懸濁液を計量バルブを有する通常のエアゾール容器に移す。好ましくは、50μlの懸濁液を作動毎に放出させる。活性物質は、所望に応じて、それより高量(例えば、0.02質量%)でも放出させ得る。
懸濁液を計量バルブを有する通常のエアゾール容器に移す。好ましくは、50μlの懸濁液を作動毎に放出させる。活性物質は、所望に応じて、それより高量(例えば、0.02質量%)でも放出させ得る。
Claims (12)
- 下記の一般式1の化合物:
X-は、単一の負電荷を有するアニオン、好ましくは、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、サルフェート、ホスフェート、メタンスルホネート、ニトレート、マレート、アセテート、シトレート、フマレート、タートレート、オキサレート、スクシネート、ベンゾエートおよびp-トルエンスルホネートからなる群から選ばれたアニオンを示し;
Rは、水素、ヒドロキシ、メチル、エチル、-CF3、CHF2またはフッ素を示し;
R1およびR2は、同一または異っていてもよく、必要に応じて-C3〜C6シクロアルキル、ヒドロキシまたはハロゲンによって置換し得る-C1〜C5アルキルを示すか、あるいはR1およびR2は、一緒になって-C3〜C5アルキレンブリッジを示し;
R3およびR3'は、同一または異っていてもよく、必要に応じて-C1〜C4アルキル、-C1〜C4アルキロキシ、ヒドロキシ、-CF3、-CHF2、CN、NO2またはハロゲンからなる群から選ばれた基によってモノ-、ジ-またはトリ置換し得るフリルを示す)。 - 必要に応じて、個々の光学異性体、その個々の鏡像異性体またはラセミ体の混合物の形状にある、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物。
- 製薬組成物としての、請求項1〜5のいずれか1項記載の一般式1の化合物の使用。
- 抗コリン作用薬が治療効果を発生させ得る疾病の治療用の製薬組成物の製造における、請求項1〜5のいずれか1項記載の一般式1の化合物の使用。
- 喘息、COPD、迷走神経誘発性洞性徐脈、心臓鼓動障害、胃腸管内発作、尿管内発作および生理痛の治療用製薬組成物の製造における、請求項1〜5のいずれか1項記載の一般式1の化合物の使用。
- 必要に応じて通常の賦形剤および/または担体と組合せた活性物質としての請求項1〜5のいずれか1項記載の一般式1の1種以上の化合物またはその生理学上許容し得る塩を含有する、製薬製剤。
- 1種以上の式1の化合物以外に、β刺激薬、抗アレルギー薬、PAF拮抗薬、ロイコトリエン拮抗薬およびステロイド類の中から選ばれる少なくとも1種の他の活性物質を含有する、請求項9記載の製薬製剤。
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