JP2005519653A - 改良された流体処理剤を有する吸収性部材 - Google Patents

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Abstract

本発明は、改良された流体保持及び漏れ防止のためのキトサン材料、特に水溶性キトサン塩の細かい粒子を含む吸収性部材、及びこのような吸収性部材を製造するための方法に関する。

Description

本発明は、改良された流体保持及び漏れ防止のためのキトサン材料、特に水溶性キトサン塩の細かい粒子を含む吸収性部材、及びこのような吸収性部材を製造するための方法に関する。
ウェブ、特に流体を吸収するための繊維質構造体は多くの用途のために製造されている。それらは、例えば、使い捨ておむつ、失禁パッド、衛生ナプキン及びパンティライナーのような吸収性物品に流体吸収並びに/あるいは流体送達及び/又は拡散要素として、特に体液を吸収し保持するように意図された吸収性コアとして組み込まれる。
吸収性物品の主たる焦点は、流体を吸収及び保持するかかる物品の能力である。実際、吸収性物品の流体保持及び漏れ防止特性をさらに向上させることに注目する傾向が続いている。しかし、現在入手可能な吸収性物品は、例えばトップシートを通って又は周縁端部に沿って流体の漏れが生じるという問題が残っているので、この点に関して未だ完全に満足のいくものではない。
このような主たる特性の他に、心地良さのような他の特徴が吸収性物品のユーザーにはますます重要になっている。この要求を満足させるために、物品のバックシートを通して気体及び蒸気交換を提供する、いわゆる透過性吸収性物品が開発され、商品化されている。しかし、透過性物品は、特にバックシートを通して望ましくない体液の漏れが生じるという欠点がある。
例えば超吸収性材料の量を増加させることによって又は凝固剤を用いることによって、このような前述の問題を解決しようとする試みがなされており、例えばEP−A−906074を参照されたい。しかし、これらの解決策は完全に満足のいくものではない。多くの場合、吸収性物品に吸収性ゲル化材料のような超吸収体が広範囲で使用されているにも拘わらず、特に使用される吸収性物品中のバックシートと吸収性コアとの間に遊離の流体が存在しており、それがトップシートを通して、又は物品の周縁端部に沿って漏れることがわかった。いわゆる透過性吸収性物品の場合、このような遊離の流体が存在するとさらに、透過性バックシートを通して漏れが生じる可能性もある。そのため、このような遊離の流体の発生、さらにそれから生じる漏れを確実に防止できるような、さらに改善された吸収性物品が必要とされ続けている。
そのため本発明の目的は、遊離の流体の発生を防止、又は少なくとも低減し、このような遊離の流体を不動化することによって改善された流体保持性を与える吸収性部材を含む吸収性物品を提供することにある。より詳細には、本発明は、改善された流体保持特性を備えた吸収性部材を有する吸収性物品を提供し、それによって漏れを低減しようとする。
本発明のさらなる目的は、非常に少量の活性材料だけを用いることによって特にコスト効率の良い方法で、このような吸収性部材を提供することにある。
上述の目的は、驚くべきことに、平均直径D(v,0.9)が約300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料の粒子、特に実質的に水溶性のキトサン塩の粒子を有する少なくとも一つの領域を含む吸収性部材、特に実質的に親水性の吸収性部材を提供することによって満たされた。
特に平均直径D(v,0.9)が約300μmを超えない粒度分布を有する非常に細かいキトサン材料粒子を選択することによって、活性の高い表面のキトサン材料を得ることができ、従ってキトサン材料の量を低減して使用できることが見出された。さらに、実質的に水溶性のキトサン塩を選択することによって、特に血、経血などに対するゲル化性能が高まるというさらなる利点が達成可能であることが見出された。理論に束縛されないが、水溶性キトサン塩は、表面相互作用によって流体をゲル化することができるだけである不溶性キトサン材料と比較すると、ゲル化すべき流体中に溶解することによって、流体とかなり密接に接触することが可能であることが推測される。キトサン材料、特に実質的に水溶性のキトサン塩のこのような細かい粒子を用いることによって、吸収性物品の特定の領域において、前記領域における遊離流体が確実にゲル化によって固定され、漏れが軽減されるか又は防止される。
好ましい実施形態において、キトサン材料粒子の細かい粒子を有する領域はまた、透過性吸収性物品において流体の漏れ防止を最適化する。生じた遊離流体を不動化することによって、これらの流体が吸収性コアと透過性バックシートとの間の吸収性物品の一部分に到達するのを防止することが見出された。これにより透過性バックシートを通って漏れ出す可能性が顕著に低減される。
その最も広い実施形態において、本発明はまた、吸収性部材を製造する方法も包含し、ここで、キトサン材料、特に実質的に水溶性のキトサン塩の溶液又は分散物は、液滴のスプレーの形態で前駆体ウェブ上に適用され、この液滴は、平均直径D(v,0.9)が1500μmを超えない液滴径分布を有する。この方法の利点は、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子の領域が、前記前駆体ウェブの表面上に提供され、より低い量のキトサン材料を必要としながら、流体に対して顕著な流体保持/漏れ防止を示すことである。事実、本明細書で定義されるような小液滴のスプレーの形態でキトサン材料の溶液又は分散液を前駆体ウェブに適用することによって、より大きい液滴のスプレーの形態で同一の溶液又は分散液を適用する場合と比較して溶液/分散液の量が同一でもより高い被覆率を達成できる。さらに、小液滴として前駆体ウェブ上に溶液又は分散物を適用することによってまた、表面の濡れが制限されるため、前駆体ウェブの加工性、及び続く得られた吸収性部材を含む使い捨て吸収性物品の加工性も良好にする。
(従来技術の背景)
吸収性物品にキトサンを使用することは、いくつかの先行文献で議論されている。EP−B−627225には、改善された吸収特性を有するキトサン化合物の調製が開示され、サニタリー衛生物品へのそれらの使用が示唆されている。DE19,913,478には、乳のような脂肪分含有液体の吸収性を改善するためにキトサンを含む胸パッドが開示されている。PCT国際公開特許WO99/61079及びWO99/32697には、抗菌性の吸収性構造体、例えば不織布を提供するために疎水性基材上のキトサンコーティングの使用が開示されている。EP−B−393,825には、キトサン塩の吸収性製品への利用が教示されている。水吸収性のためにキトサンを含有するセルロース系ウェブ、及び構造体の結合剤としてのデンプンによって形成される構造体が開示されている。
引用される従来技術はいずれも、非常に細かいキトサン材料粒子、特に実質的に水溶性のキトサン塩を有する少なくとも一つの領域を含む親水性吸収性部材のみが、それに付随してキトサン材料の消費量を減らしても、流体保持及び漏れ防止という特定の利点を得ることを開示していない。
本発明は、吸収性物品において使用するための吸収性部材、特に実質的に親水性のものに関し、前記部材は、平均直径D(v,0.9)が約300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料、特に実質的に水溶性のキトサン塩の粒子を有する少なくとも一つの領域を含む。前記吸収性部材は、ヒトの衛生品の吸収性物品における吸収性コア、二次トップシート又は二次バックシートとして使用されることが示唆される。
本発明はさらに、平均直径D(v,0.9)が約300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子を有する少なくとも一つの領域を含む吸収性部材を製造するための方法を包含する。前記方法は、前駆体ウェブを形成する工程と、前記前駆体ウェブ上にキトサン材料の溶液又は分散物を適用する工程と、前駆体ウェブを乾燥する工程という必須工程を含み、ここで、前記溶液又は分散物は、平均直径D(v,0.9)が約1500μmを超えない液滴径分布を有する液滴のスプレーとして適用される。
(定義)
「吸収性物品」という用語は、本明細書では、流体及び/又は排泄物、特に体液/体からの排泄物を受け入れる及び/又は吸収及び/又は含有及び/又は保持することのできるあらゆる製品を含む極めて広い意味で使用される。本発明において言及される吸収性物品は、典型的には流体透過性トップシート、好ましくは水蒸気及び/又は気体透過性である流体不透過性バックシート、及びそれらの間にある吸収性コアを含む。本発明の背景において特に好ましい吸収性物品は、使い捨ての吸収性物品である。本発明に従う代表的な使い捨て吸収性物品は、おむつ、手術用及び傷用包帯及び発汗パッド、失禁パッド、及び好ましくは衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、陰唇間装置などのような婦人用衛生品の吸収性物品である。
本明細書において使用される「使い捨て」という用語は、本明細書では、洗濯することを意図しない、又は物品として再生若しくは再使用することを意図しない物品を説明するのに使用する(つまり、それらを1回使用後に捨てる、好ましくはリサイクルする、堆肥にする、又は環境に適した方法で廃棄することを意図する)。
本明細書で使用する時、「使用」という用語は、吸収性物品が実際にユーザーの体に接触するように置かれた状態にある時のことをいう。
(吸収性物品に使用するための吸収性部材)
「吸収性部材」という用語は、吸収性物品中で使用するのに好適な吸収性ウェブ、特に実質的に親水性なものを記述するために本明細書において使用される。吸収性部材は、互いに実質的に反対側に配列された2つの表面を含む。第1及び第2表面は、吸収性部材の厚み寸法によって互いに離れて配置されている。前記吸収性部材は、平均直径D(v,0.9)が約300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料、特に実質的に水溶性のキトサン塩の粒子を含む少なくとも一つの領域と、任意にラテックスコーティングとを含む。本発明の吸収性部材は、最適な流体吸収力及び保持特性を確保するために特に実質的に親水性である。本明細書で使用する時、「親水性」は、空気中で水との接触角が90°未満である物質のことをいい、一方本明細書で「疎水性」とは、空気中で水との接触角が90°以上である物質のことをいう。本明細書に使用するための吸収部材は、典型的には、孔、ホール、開口、繊維間の間隙空間などの形態の多くの内部空隙を有する。本発明に使用するための吸収性部材の例は、繊維材料、例えば不織布又は布地であり、それは天然若しくは合成繊維又はこれらの混合物、あるいは有孔ポリマーフィルム又は発泡体材料で構成されている。実際、本発明に使用するための吸収性部材は、ブレンド又は混合物を含む種々の繊維のいずれかで製造され得る。繊維は、セルロース系、修飾セルロース系、又は親水性の合成系であってもよく、木材パルプ、レーヨン、綿、セルロースアセテート、ポリエステル、ナイロンなどのような繊維を含んでいてもよい。吸収性部材は、当該技術分野において既知のこの目的に好適ないずれかの方法によって製造され得る。本発明に基づく繊維質吸収性部材は、ドライレイイング、特にエアレイイング、メルトブロウン又はスパンボンドのような適切な方法によって製造され得る。本発明に基づくフィルム様又は発泡体様吸収性部材は、かかる目的に好適な方法によって製造される。本明細書に用いるのに極めて好ましい吸収性部材は、親水性の繊維質ウェブである。例えば木材パルプ繊維などのセルロース系繊維のような親水性繊維を含む吸収性部材は、衛生ナプキン、使い捨ておむつ又は拭き取り用品のような製品に特に有用であるが、それは親水性繊維が液体吸収性であるため、吸収性部材全体の吸収力を高めるからである。本明細書に用いる吸収性部材は、好ましくはセルロース系繊維及び親水性の合成繊維のブレンドから製造でき、それは、典型的には約65重量%〜95重量%のセルロース系繊維、及びより好ましくは約20重量%までの親水性合成繊維を含む。短繊維長さを含むいずれかの長さで提供され得る親水性の合成繊維は、吸収性部材の強度を改善できる。ポリエチレン又はポリプロピレンで作られた繊維又はフィルムのような疎水性繊維又はフィルムはまた、それらが、好ましい吸収性部材の吸収能力を減じないために親水性になるように、例えば界面活性剤で処理されているという条件で、本明細書の吸収性部材に使用してもよい。好ましい実施形態では本明細書に用いる吸収性部材は、ドライレイドウェブ、好ましくはエアレイド繊維質ウェブである。「ドライレイイング」及びより詳細には「エアレイイング」プロセスは、乾燥繊維からウェブを製造するのに広く使用され、後にそのウェブは、例えば流体を吸収するためのウェブとして使用することができる。特にドライレイイングとは、例えばけば立て又はエアレイイングのことをいう。カーディングとは、カードされた吸収部材、すなわち繊維が所定の方向に配向した(カードされた)吸収部材を形成することをいい、一方エアレイイング方法とは、繊維が完全にランダムに配向している吸収部材を形成することをいい;そのため、このようなエアレイド吸収部材の性質はある程度等方性である。ドライレイイング方法によって製造された吸収性部材は、軟質で柔軟性の多孔質であり、使い捨ておむつ、衛生ナプキン、失禁パッド及び拭き取り用品のような吸収性物品の液体吸収性部材として使用するのに特に適している。本発明の吸収性部材は、吸収性物品の吸収性コアあるいはいわゆる二次トップシート又は二次バックシートとして使用できる。本発明の吸収性部材は、ゲル化によって流体を固定することに起因して、このような吸収性物品にトップシートを通って周縁に沿って漏れるのを減らす、又は防ぎもする。
本明細書で使用する時、「二次トップシート」は、物品の吸収性コアとトップシートとの間にある、吸収性物品中の層を指す。これとは別に、「二次バックシート」は、本明細書で使用する時、物品の吸収性コアとバックシートとの間に配置された、吸収性物品中の層を指す。
好ましい実施態様では、本発明の吸収性部材は透過性の吸収性部材に使用される。キトサン材料、特に実質的に水溶性のキトサン塩の粒子は、流体固定化剤として作用し、ゲル化によって、流体が透過性バックシートに接近することを妨げるか又は防ぐと考えられる。
本発明の吸収性部材は、平均直径D(v,0.9)が約300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子、特に実質的に水溶性のキトサン塩を有する少なくとも一つの領域を本質的に含む。
本明細書で使用する時、「キトサン材料」としては、キトサン、キトサン塩、修飾キトサン及び架橋キトサンが挙げられる。キトサンは、天然多糖類であるキチンが部分的又は完全に脱アセチル化したものである。さらにいえば、キトサンは、キチン(ポリ−β(1,4)−N−アセチル−D−グルコサミン)を脱アセチル化することによって調製されることが多いアミノ多糖類である。
キトサンは明確な単一の化学物質ではなく、製造条件によってその組成が変化する。同じく、可溶性アミン塩を生成するのに十分なだけ脱アセチル化したキチンとして定義することもできる。キトサンはD−グルコサミンのβ−(1,4)多糖類であり、セルロースのC−2ヒドロキシル基がキトサンでは一級アミン基で置換されていること以外は、セルロースと同じ構造を有する。キトサンは、多数の遊離アミン基によって、ポリマー弱塩基になる。キトサン溶液は一般に、天然ゴム溶液のように極めて粘稠である。
本明細書で用いるキトサンは、好適には比較的純度の高いものである。純粋なキトサンの製造方法はよく知られている。一般には、キチンを粉状に挽き、酢酸などの有機酸で脱塩する。次に、水酸化ナトリウムなどで塩基処理してタンパク質及び脂質を除去した後、40%水酸化ナトリウムなどの濃縮塩基で処理してキチンを脱アセチル化する。得られたキトサンを、望ましいpHになるまで水で洗浄する。
キトサンの特性は、その高分子電解質及びポリマー炭水化物の特質と関連している。すなわち、一般に水、pHが約7以上のアルカリ溶液又は疎水性有機溶媒には不溶である。一般に、ギ酸、酢酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸及びクエン酸などの有機酸の希薄水溶液に容易に溶解し、例えば硫酸を除く鉱酸の希薄水溶液にも容易に溶解する。一般にキトサンを溶解するのに要する酸の量は、おおよそアミノ基と化学量論的に比例する。キトサン中に存在するアミノ基のpKaは6.0〜7.0であるため、極めて低濃度の酸又はほとんど中性に近い条件でプロトン化することができ、このバイオポリマーはカチオン性の性状を有するようになる。このカチオン性状が、キトサンの多くの利点の基本になる。事実、キトサン材料は、高い電荷密度を有する直鎖の高分子電解質として考えることができ、それはタンパク質のような負に帯電した面と相互作用する可能性がある(例えば、微生物のタンパク質壁構築を妨害することによって抗菌剤として作用し、及び/又は経血のような体液に存在するタンパク質と反応することによってかかる流体のゲル化剤として作用する)。
理論に拘束されることを望まないが、キトサン材料は複数の機構によって体液のような電解質含有流体を保持すると考えられている。
1つの機構は、水の双極子分子を構造体に組み込むことによる従来の吸収である。正に帯電した四級アンモニウム基が互いに反発するので、水分子が侵入可能な分子の空隙が存在する。水のような双極子分子の浸透によって、膨潤し、それによって別の水分子用の空間がさらに発生することにより、これらの空隙は広がり得る。この機構は、分子伸長の限界に達するまで続けられ得る。
体液のような電解質含有流体をキトサン材料によって結合させる第2の機構は、ゲル化である。キトサン材料は、ほぼ負に帯電した分子に静電的に作用することによって、その周囲にそれら分子を保持する。キトサン材料の正に帯電したカチオン性基(例えば、四級アンモニウム塩)は、例えばタンパク質のカルボキシル基のように体液中に存在する負に帯電したアニオン性機能を有する分子と相互作用する。これにより、キトサン材料とアニオン性基を有するこうした分子との間に、3次元網が形成される(体液のゲル化)。このゲル化によってさらに、体液中に存在する他の分子(例えば脂質、酸)を捕捉する。電解質含有流体に対するキトサン材料のゲル化特性により、キトサン材料がこのような流体によって濡れる場合に液体バリアを生じる。
本明細書に用いるのに好ましいキトサン材料は、70%超過、好ましくは80%〜約100%の平均脱アセチル化度(D.A.)を有する。この脱アセチル化度は、脱アセチル化されたアミン基の割合に相当する。この特性は水素結合と直接関連するが、この水素結合はバイオポリマー中に存在し、その構造、溶解度及び最終的にはその反応性に影響を与える。脱アセチル化度は、滴定、色素吸着法、紫外/可視分光法、赤外線分光法、核磁気共鳴分光法によって測定できる。脱アセチル化度はキトサンのカチオン性状に影響する。脱アセチル化度を上げることによって、キトサン材料のカチオン特性も増大し、そのためそのゲル化性能も向上する。
本明細書に用いるのに好適なキトサン材料には、実質的に水溶性キトサンが含まれる。本明細書で使用する時、実質的に大量の水に溶解し、透明かつ安定した溶液になり、それによって元来の粒子形状を失い、主として分子状に水溶液全体に分散する場合にキトサン材料は水溶性であると考えられる。本明細書に用いるのに好ましいキトサン材料は水溶性であり、すなわち、25℃、1気圧下で水100gに対して、少なくとも1g、好ましくは少なくとも3gのキトサン材料が溶解する。本明細書で使用する時、任意の化合物の「溶解度」とは、25℃、1気圧下において、脱イオン水に沈殿を生じずに溶解した前記化合物の量を指す。一般的に、水溶性キトサン材料は架橋によって非水溶性になるため、水溶性キトサン材料はより高い架橋度であることはない。
一般にキトサン材料は広範囲にわたる分子量を有することができる。広範な分子量を有するキトサン材料は、本発明に使用するのに好適である。典型的に、本明細書に用いるキトサン材料は、1グラムモルあたり1,000〜10,000,000グラム、より好ましくは2,000〜1,000,000の範囲の分子量を有する。分子量とは、平均分子量を指す。キトサン材料の平均分子量を測定する方法は、当該技術分野において既知である。典型的な方法には、例えば光散乱法、固有粘度及びゲル透過クロマトグラフィーがある。一般に、キトサン材料の分子量は、25℃にてブルックフィールド粘度計を用いて1.0重量パーセント水溶液におけるその粘度によって示すのが最も好都合である。キトサン材料の粘度は、対応するキトサン塩の粘度を1.0重量パーセント酢酸水溶液を用いて計測することで、間接的に計測するのが一般的である。本発明に使用するのに好適なキトサン材料は、25℃、1.0重量%の水溶液における粘度が好適には約10mPa・s(10センチポアズ)〜約100,000mPa・s(100,000センチポアズ)、より好適には約30mPa・s(30センチポアズ)〜約10,000mPa・s(10,000センチポアズ)、さらにより好適には7000mPa・s(7000センチポアズ)である。
キトサン材料のpHは、キトサン材料の調製法に左右される。本明細書に用いるのに好ましいキトサン材料は、酸性pHを有し、通常3〜7の範囲、好ましくは約5である。本明細書ではキトサン材料のpHとは、pH計で測定した1%キトサン材料溶液(キトサン材料1gを蒸留水100gに溶解した溶液)のpHを指す。より酸性度の高いものを使用することによって、キトサン材料のカチオン特性も増大し、それによってそれらのゲル化性能も向上する。ただし、酸性度が高すぎると、皮膚の安全性を害する。このため、pHが約5のキトサン材料を用いるのが極めて好ましく、それにより一方では流体捕捉特性、他方では皮膚との適合性という最良のバランスが得られる。
本明細書に用いるのに特に好ましいキトサン材料はキトサン塩、特に実質的に水溶性のキトサン塩である。水溶性のキトサン塩を生成するためには、様々な酸を使用することができる。本明細書に用いるのに好適な酸は、水溶性であるか部分的に水溶性であり、キトサンのアンモニウム塩を生成するのに十分なだけ酸性であって、キトサンの加水分解を起こすほど酸性ではなく、キトサンの反応部位がプロトン化するのに十分な量で存在する。
好ましい酸は、下式によってあらわすことができる:
R−(COOH)n
式中、nは1〜3の値を有し、Rは炭素、水素で構成され、任意選択的に酸素、窒素及び硫黄のうち少なくとも一つで構成される一価又は二価の有機基をあらわすか、又はRは単に水素原子である。好ましい酸は、炭素、水素、酸素及び窒素からなるモノ−及びジ−カルボン酸(以下、アミノ酸とも呼ぶ)である。こうした酸は、人体に接触させるか近接させて用いる場合に、生物学的に許容可能であるため、本明細書で用いるのに極めて望ましい。上に記載の酸に加えて、実例となる酸には、とりわけ、クエン酸、ギ酸、酢酸、N−アセチルグリシン、アセチルサリチル酸、フマル酸、グリコール酸、イミノ二酢酸、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、ニコチン酸、2−ピロリドン−5−カルボキシル酸、サリチル酸、スクシンアミド酸、コハク酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタル酸、マロン酸、ピルビン酸、スルホニル二酢酸、安息香酸、エポキシコハク酸、アジピン酸、チオ二酢酸及びチオグリコール酸がある。キトサンとこれらの酸とが反応して生成されるあらゆるキトサン塩が、本明細書に用いるのに好適である。
無機酸によって生成されるキトサン塩の例には、キトサン塩酸塩、キトサン臭化水素酸塩、キトサンリン酸塩、キトサンスルホン酸塩、キトサンクロロスルホン酸塩、キトサンクロロ酢酸塩及びこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。有機酸によって生成されるキトサン塩の例には、キトサンギ酸塩、キトサン酢酸塩、キトサン乳酸塩、キトサングリコール酸塩、キトサンマロン酸塩、キトサンエポキシコハク酸塩、キトサン安息香酸塩、キトサンアジピン酸塩、キトサンクエン酸塩、キトサンサリチル酸塩、キトサンプロピオン酸塩、キトサンニトリロ三酢酸塩、キトサンイタコン酸塩、キトサンヒドロキシ酢酸塩、キトサン酪酸塩、キトサンイソブチル酸塩、キトサンアクリル酸塩及びこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されない。また、例えば無機酸と有機酸の双方を用いるなど、酸の混合物を用いてキトサン塩を生成するのも好適である。
本明細書に用いるのに極めて好ましい水溶性キトサン塩はキトサンとアミノ酸が反応して生成されるものである。アミノ酸は、酸とアミノ官能基との双方を含む分子である。アミノ酸の使用は、キトサンアミノ酸塩が皮膚適合性に優れていることから、極めて好ましい。さらにいえば、アミノ酸のほとんどが皮膚に自然に存在するものである。ピロリドンカルボン酸のキトサン塩は、有効な保湿剤であり、皮膚に対して非刺激性である。本明細書に用いるアミノ酸には、直鎖及び/又はシクロアミノ酸のいずれもが含まれる。本明細書に用いるアミノ酸の例には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンフェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリンなどが挙げられるが、これに限定されない。特に好適な環状アミノ酸の例は、以下に記載する化学式のようなピロリジン−2−オンのカルボン酸である、ピロリドンカルボン酸である。
Figure 2005519653
本明細書に用いるための他のキトサン材料には、架橋の程度が小さい架橋キトサン及び修飾キトサンが含まれる。本明細書に用いるのに好適な架橋剤は、キトサン材料上にある活性基と反応することができる少なくとも2つの官能基又は官能性を有する有機化合物である。こうした活性基の例にはカルボン酸(−COOH)、アミノ(−NH2)又はヒドロキシル(−OH)基が挙げられるが、これに限定されない。こうした好適な架橋剤の例には、ジアミン、ポリアミン、ジオール、多価アルコール、ジカルボン酸、ポリカルボン酸、アミノカルボン酸、アミノポリカルボン酸、ポリオキシドなどが挙げられるが、これに限定されない。キトサン材料溶液に架橋剤を加える方法の一つは、溶液を調製する最中に架橋剤をキトサンと混合することである。別の好適な架橋剤にはCa2+、Al3+、Fe3+、Ce3+、Ce4+、Ti4+、Zr4+及びCr3+など、2以上の正電荷を有する金属イオンが含まれる。キトサン上のカチオンは抗菌特性を有するため、本明細書ではカチオンと反応する架橋剤は、代わりの架橋剤が入手できない場合を除いては使用しないのが好ましい。
本明細書に用いる修飾キトサンはグルカンの鎖が側基を持つあらゆるキトサンである。こうした修飾キトサンの例には、カルボキシメチルキトサン、メチルピロリジノンキトサン、グリコールキトサンなどが挙げられる。メチルピロリドンキトサンに関しては、例えば米国特許第5,378,472号に記載されている。水溶性グリコールキトサン及びカルボキシメチルキトサンに関しては、例えばPCT国際公開特許WO87/07618に記載されている。本明細書に用いるのに特に好適な修飾キトサンには、水溶性共有結合キトサン誘導体又は、親電子有機試薬とキトサン塩を接触させることによって得られるイオン結合キトサン誘導体が挙げられる。このような水溶性キトサン誘導体は、EP−A−737692に記載されている。本明細書に用いるのに好適なキトサン誘導体の例は、EP−A−737,692に詳細に記載されている。
本発明によれば、特に好ましいキトサン材料は、実質的に水溶性の塩である。本明細書で使用する時、通常は、キトサン塩の水溶解度は、溶媒のpHを変えることによって改良可能である。本明細書で使用するための好ましいキトサン塩、キトサンピロリドンカルボン酸塩及びキトサン乳酸塩は、酸性pHでさらに高い水溶解度を有する。典型的には、本明細書で使用するために好ましいキトサン塩に関する水溶解度の要求は、かなりの量の架橋を有するキトサン塩を排除する。
好ましい実質的に水溶性のキトサン塩は、多くの販売会社から市販されている。市販されている水溶性キトサン塩の代表的なものは、例えばヴァンソン社(Vanson Company)から購入できるものである。本明細書に用いるのに好ましいキトサン塩は、脱アセチル化度が85%以上で、水への溶解度が1%(25℃、1気圧下で蒸留水100gに1gが溶解する)、pHが約5であるキトサンピロリドンカルボン酸塩(キトソニウムピロリドンカルボン酸塩とも呼ぶ)である。キトソニウムピロリドンカルボン酸塩はキタマー(Kytamer)(登録商標)PCという名前でアメルコール社(Amerchol Corporation)が市販している。本明細書に用いるのに特に好ましい別のキトサン塩はキトサン乳酸塩であり、この乳酸のキトサン塩はヴァンソン社(Vanson Company)(米国ワシントン州レドモンド(Redmond))から市販されている。異なる実質的に水溶性のキトサン塩の混合物を使用することも、本発明の範囲内である。
本明細書で使用する時、「粒子」とは、キトサン材料の分離した薄片、繊維、ビーズなど、又はこれらの混合物のことをいう。本明細書の「粒子」という用語にはまた、キトサン材料の、塊又は分離した薄片、繊維、ビーズなどの集合体が含まれる。本明細書において用いる時「粒度」という用語は、個々の粒子の最小寸法の加重平均を意味する。
本明細書で使用する時、「キトサン材料粒子を有する領域」又は「実質的に水溶性のキトサン塩粒子を有する領域」とは、キトサン材料の少なくとも一つの粒子、好ましくはさらに多い粒子を含む、吸収性部材上又は吸収性部材内のいずれかの領域をいう。本明細書において、このような領域は、全吸収性部材の一部を含むことができるか、又は本質的に全吸収性部材を含むことが理解される。例えば、吸収性部材、特に衛生ナプキン又はパンティライナーのような婦人用保護品用のものでは、このような吸収性部材が吸収性コアとして又は二次トップシート又は二次バックシートとして使用可能である。前記吸収性部材は、いわゆる中心領域、すなわち、月経のような流体が使用時に放出される領域にのみキトサン材料を含むことが可能であり、及び/又は、前記吸収性部材は、長手方向の領域及び/又は横方向の領域、すなわち、液体が流れ出て漏れることを防ぐことが必要な吸収性物品の周縁部にのみキトサン材料を含むことが可能である。前記領域は、あらゆる大きさ又は形状を有することができる。このような領域は、実質的に吸収性部材の1つ又は両方の表面全体、あるいは前記表面の1つ又は両方の一部にだけ同一の広がりを有することができる。前記領域は、規則的又は不規則な形状を有することができ、その形状としてはドット、四角形、円形、楕円形、連続又は不連続な縞などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に関連する顕著な漏れ防止利益の理由の1つは、細かい粒子状形態のキトサン材料が存在することである。選択された粒度によって定義されるように、本明細書に使用されるキトサン材料は小さな粒子であるため、活性表面積が、全重量が同じでより大きい粒子に比べて非常に大きい。このことは、本発明に従う流体ゲル化に対して改善された活性に貢献する。有利なことには、本発明に従う小さいキトサン材料粒子の活性表面積が高いので、電解質含有流体に対するキトサン材料のゲル化及び保持性能が改善され、それゆえにキトサン材料の全量を顕著に少なくして使用しても漏れ防止が顕著に改善される。
さらに、本明細書で使用される好ましい実質的に水溶性キトサン塩の水溶解度に起因して、ゲル化能はさらに高められる。この理由は、このようなキトサン材料は、経血のようなゲル化すべき流体に溶解することが可能であり、表面干渉のみによって流体をゲル化する不溶性キトサン材料と比較すると、流体の全ての構成成分とかなり密接に相互作用することができるためである。
本明細書中で使用するための好ましいキトサン化合物の水溶解度によってキトサン材料によって提供される他の利点、例えば、体液から生じる悪臭の減少、又は微生物活性の減少も高められる。
典型的には、本明細書で定義されるようなキトサン材料粒子を有する領域は、キトサン材料粒子を前記吸収性部材の0.1g/m2〜200g/m2、好ましくは1〜100g/m2、及びさらに好ましくは2〜50g/m2の濃度で含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記吸収性部材の少なくとも1つの表面の少なくとも40%、好ましくは60%、より好ましくは80%、最も好ましくは100%が、キトサン材料粒子を含む領域で覆われる。
本発明による吸収性部材のキトサン材料粒子、特に実質的に水溶性キトサン塩を含む領域は、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子を含む。好ましくはこれらの粒子は、平均直径D(v,0.9)が10nm〜300μm、好ましくは10nm〜100μm、及びさらに好ましくは10nm〜50μmの粒度分布を有し;前記領域が、いわゆるキトサン材料の「ナノ粒子」を含むことが好ましい。本発明によれば、このようなナノ粒子は、平均直径が1μm未満、好ましくは10〜800nm及びさらに好ましくは20〜500nmの粒度分布を有する。粒度分布に関して「平均直径D(v,x)がyμm未満」とは、粒子の(x*10)%がyμm未満の平均直径を有することを意味する。例えば、D(v,0.9)が100μmを超えないとは、キトサン材料粒子の90%が100μmを超えない平均直径を有することを示す。粒度分布は、本明細書中開示されるような方法によって決定されている。
平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子を有する領域を有する吸収性部材を提供する当該技術で周知のいかなる方法も、本明細書で使用するのに適していることが本明細書において理解される。特に好ましいのは、吸収性部材上で、後に開示するような性質を有するナノキトサン材料粒子を提供可能な方法である。これには、噴霧プロセス、カーテンコーティング、印刷及びスロットコーティングプロセスが含まれる。本発明に従う好ましい吸収性部材の製造方法にて後でより詳細に記載されるような噴霧プロセスを使用するのが本明細書では極めて好ましい。
本発明に従う吸収性部材はさらに、任意成分を含むことができる。好ましい実施形態では、本発明に従う吸収性部材はラテックス結合剤を含んでいてもよい。通常、本発明に従う吸収性部材は、前記吸収性部材に対して1〜30g/m2、好ましくは1〜20g/m2、より好ましくは1〜10g/m2のラテックスを含む。
特に好ましい実施形態では、吸収性部材はさらに、ポリアクリレートをベースとする吸収性ゲル化材料のようなアニオン性超吸収性材料などの粒子状超吸収性ポリマー材料を含む。本明細書に用いるのに好適な超吸収性ポリマー材料は、繊維又は粉末の形態であることができる。通常、本発明に従う吸収性部材は、前記吸収性部材に対して5〜300g/m2、好ましくは20〜150g/m2、より好ましくは30〜75g/m2の粒子状超吸収性材料を含む。
本発明の吸収性部材に任意に含まれる他の種類の化合物は、臭気抑制化合物である。特に本発明の吸収性部材は、シリカ、ゼオライト、pH調整材料、EDTAのようなキレート剤、金属イオン、シクロデキストリン、ウレアーゼ阻害物質、抗菌性化合物、活性炭及びこれらの混合物を含むことができる。
(本発明に従う吸収性部材を製造する方法)
その最も広い実施形態において、本発明はまた、吸収性部材を製造するための方法を含む。前記方法は、前駆体ウェブを形成し、続いて前駆体ウェブの少なくとも1つの表面上に特別の噴霧方法によりキトサン材料を適用し、そして最後に得られた吸収性部材を乾燥するという本質的な工程を特徴とする。
本明細書で使用する時、「前駆体ウェブ」という用語は、本発明の吸収性部材を製造するための基盤として機能する吸収性材料のことをいう。本明細書に使用するための前駆体ウェブは、通常、孔、ホール、開口、繊維間の間隙空間などの形態の多くの内部空隙を有する。本発明に使用するための前駆体ウェブの例は、繊維質構造体、例えば不織布又は布地であり、それは天然若しくは合成繊維又はこれらの混合物、あるいは有孔ポリマーフィルム又は発泡体材料で構成されている。さらにいえば、本発明に使用するための前駆体ウェブは、ブレンド又は混合物を含む種々の繊維のいずれかで製造され得る。繊維は、セルロース系、修飾セルロース系、又は親水性の合成系であってもよく、木材パルプ、レーヨン、綿、セルロースアセテート、ポリエステル、ナイロンなどのような繊維を含んでいてもよい。前駆体ウェブは、当該技術分野において既知のこの目的に好適な方法のいずれかによって製造され得る。本発明に基づく繊維質前駆体ウェブは、ドライレイイング、特にエアレイイング、メルトブロウン又はスパンボンドのような適切な方法によって製造され得る。本発明に基づくフィルム様又は発泡体様前駆体ウェブは、かかる目的に好適な方法によって製造される。
本明細書に用いるのに極めて好ましい前駆体ウェブは、親水性の繊維質ウェブである。本明細書で使用する時、「親水性」は、空気中で水との接触角が90°未満である物質のことをいい、一方本明細書で「疎水性」とは、空気中で水との接触角が90°以上である物質のことをいう。例えば木材パルプ繊維などのセルロース系繊維のような親水性繊維を含む前駆体ウェブは、衛生ナプキン、使い捨ておむつ又は拭き取り用品のような製品の前駆体ウェブとして特に有用であるが、それは親水性繊維が液体吸収性であるため、前駆体ウェブ全体の吸収力を高めるからである。本明細書に用いる前駆体ウェブは、好ましくはセルロース系繊維及び親水性の合成繊維のブレンドから製造でき、それは、典型的には約65重量%〜95重量%のセルロース系繊維、及びより好ましくは約20重量%までの親水性合成繊維を含む。短繊維長さを含むあらゆる長さで提供され得る親水性の合成繊維は、前駆体ウェブの強度を改善できる。ポリエチレン又はポリプロピレンで作られた繊維又はフィルムのような疎水性繊維又はフィルムはまた、前駆体ウェブにそれらを組み込む場合にそれらが好ましい吸収性部材の吸収能力を減じないために親水性になるように、例えば界面活性剤で処理されているという条件で、本明細書の前駆体ウェブに使用してもよい。
好ましい実施形態では本明細書に用いる前駆体ウェブは、ドライレイ、好ましくはエアレイされた繊維質ウェブである。「ドライレイイング」及びより詳細には「エアレイイング」プロセスは、乾燥繊維からウェブを製造するのに広く使用され、後にそのウェブは、例えば流体を吸収するためのウェブとして使用することができる。特にドライレイイングとは、例えばけば立て又はエアレイイングのことをいう。けば立てとは、けば立てられた前駆体ウェブ、すなわち繊維が所定の方向に配向した(けば立てられた)前駆体ウェブを形成することをいい、一方エアレイイングプロセスとは、繊維が完全にランダムに配向している前駆体ウェブを形成することをいい、そのため、このようなエアレイド前駆体ウェブの性質はある程度等方性である。ドライレイイング方法によって製造された前駆体ウェブは、軟質で柔軟性の多孔質であり、使い捨ておむつ、衛生ナプキン、失禁パッド及び拭き取り用品のような吸収性物品の液体前駆体ウェブとして使用するのに特に適している。
ドライレイド製造プロセスは、一般に、ウェブ形成及び層化工程とウェブ結合及び安定化工程とを含み;ドライレイイングプロセスにおいては繊維が、あらゆる種類、例えばセルロース系、合成系又はそれらのいずれかの組合わせであることができるという事実から、繊維はウェブに形成又は圧縮されるが、かかるウェブは一体性に欠けるので、安定化しなければならない。乾燥形成されたウェブを結合及び安定化するための別の技術は当該技術分野において既知であり、すなわちそれは機械的、熱的及び化学的結合プロセスである。化学薬剤によってウェブ構造体を結合させることは、不織布産業界で最も一般的な結合方法の一つであり、それは化学結合剤をウェブに適用し、結合剤を硬化させることからなる。
実際に、本発明に従う方法では、キトサン材料、好ましくは実質的に水溶性のキトサン塩は、平均直径D(v,0.9)が1500μmを超えない液滴径分布を有する液滴のスプレー形態の溶液又は分散物として前駆体ウェブ上に適用され、この前駆体ウェブ上に適用されるキトサン材料溶液又は分散物の量は、好ましくは前記前駆体ウェブ1平方メートルあたり1ml〜1000mlである。
平均直径D(v,0.9)が1500μmを超えない、好ましくは1000μm以下、より好ましくは750μmを超えないで液滴径分布を有する液滴スプレーの形態でキトサン材料の溶液又は分散物を前駆体ウェブに適用することによって、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子、好ましくは実質的に水溶性のキトサン塩を有する領域が、前駆体ウェブ上に提供され、それが、流体すなわち電解質含有流体に対する優れた流体取扱い性及びゲル化性能につながるとともに、必要とされるキトサン材料も少ないことが見出された。事実、本明細書で定義されるような小さい液滴スプレーの形態でキトサン材料の溶液又は分散物を前駆体ウェブに適用することによって、同じキトサン材料の溶液又は分散物ではあるが、より大きい液滴のスプレーの形態で適用する場合と比較して、噴霧される表面の被覆率がより高い。さらに本明細書で述べたように前駆体ウェブ上にキトサン材料の溶液又は分散液を適用することは、表面の湿潤性を制限することになり、それによってキトサン材料の溶液又は分散液の乾燥を速める。換言すれば、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有する実質的に水溶性のキトサン材料粒子を有する領域は少ない時間で生成され、加工性能が改良され、プロセスコストが低減される。小液滴のスプレーとして下記に定義される溶液又は分散液を適用することによるさらなる利益は、前記溶液又は分散液の浸透深さが、より大きい液滴のスプレーの場合よりも浅くなる。これによる利点は、前駆体ウェブがその深さ方向にほとんど濡れないので、キトサンを適用した後の前記構造の乾燥時間を低減できることである。
前記前駆体ウェブ上にキトサン材料の後に定義されるようなナノ粒子を含む領域を作成することが、本明細書において特に好ましい。
液滴径分布に関して「平均直径D(v,x)がyμmの」とは、分散される液滴のスプレーの(x*10)%(体積単位で表現される)がyμmを超えない液滴径を有することを意味する。例えば、D(v,0.9)が1500μmを超えないとは、スプレーされた全体積の90%が、平均径が1500μmを超えない液滴を用いて分配されることを示す。液滴径分布は、本明細書中開示される試験方法によって決定されている。
本明細書で定義される液滴スプレーを送達するのに適合するあらゆる装置も本明細書での使用に好適である。従来の、単孔のスプレー先端部にいくつかの改変を行って本明細書で必要とされるようなかかる液滴のスプレーが形成されるのを保証することができる。本明細書に使用されるのに好適な装置(スプレーディスペンサーとも呼ばれる)は、キトサン材料の溶液/分散液が空気と既に混合されて分配される「分配開口部」又は「スプレーノズル」とも呼ばれる少なくとも1つの開口又は複数の開口を有するという特徴が共通であり、この開口は、本明細書で述べた特性を有する液滴スプレーを送達するために形成される。本明細書に用いるのに好適な装置は、電気的に作動されてもよい、空気アトマイザー又はネブライゼイター(nebulizators)である。
上述の噴霧方法によれば、キトサン材料粒子の実質的に均一なパターンは、典型的には、前駆体ウェブ上に提供され、実質的に水溶性のキトサン材料、好ましくは実質的に水溶性のキトサン塩の粒子を有する領域を乾燥した後、平均直径D(v,0.9)が10nm〜300μm、好ましくは10nm〜100μm、さらに好ましくは10nm〜50μm、なおさらに好ましくは10〜800nm、最も好ましくは20〜500nmの粒度分布を有する。
最も一般的な形態において、本発明による吸収性部材を製造するための方法は、
(a)第一表面及び第二表面を備え、前記第二表面が前記第一表面にほぼ対向して整列される前駆体ウェブを形成する工程、及び
(b)プロセス工程(a)の間に、前記前駆体ウェブの少なくとも一つの表面上にキトサン材料を含む溶液又は分散物を適用する工程、及び/又は
(b’)プロセス工程(a)の後に、前記前駆体ウェブの少なくとも一つの表面上にキトサン材料を含む溶液又は分散物を提供する工程、
前記溶液又は分散物は、本明細書で記載されるような液滴のスプレー形態で前記前駆体ウェブ上に適用され、そして
(c)前記前駆体ウェブを乾燥し、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子を有する少なくとも一つの領域を、前記キトサン材料の溶液又は分散物が、工程(b)及び/又は工程(b’)において適用された前記前駆体ウェブ上の前記表面上に形成する工程。
本明細書の好ましい実施形態では、方法は、工程(a)の後に、前記前駆体ウェブの少なくとも1つの表面上にラテックスを適用し、この前駆体ウェブを乾燥する追加の工程を含む。乾燥後、工程(b’)が続く。工程(b)はこの実施形態では行われない。
任意選択的に、平均直径D(v,0.9)が300μm以下の粒度分布を有するキトサン材料粒子を有する領域が本発明の吸収性部材の表面間に必要とされる場合には、追加の工程(d)を工程(c)の後に行うことができる。この追加の工程(d)は、キトサン材料の溶液又は分散液が適用された前駆体ウェブの表面上で第2ウェブを形成するプロセスである。これにより、少なくとも1つの前記領域をその内側に、すなわちその表面の間に有する吸収性部材が得られる。第二のウェブを形成する工程(d)は、前駆体ウェブを形成する最初の工程(a)と同じであっても異なっていてもよく、平均直径D(v,0.9)が300μm以下の粒度分布を有するキトサン材料粒子を有する領域は、比較的均一な吸収性部材中又は2つの異なるウェブ層を含む不均一な吸収性部材中に配置される。しかし、同様の構造は、キトサン材料の溶液又は分散液が適用された前駆体ウェブの前記表面に既に形成されている第2ウェブを配置することによっても得ることができる。
前駆体ウェブにラテックス結合剤を適用するいくつかの方法が知られているが、スプレー結合及び印刷結合が本明細書では特に好ましい。「ラテックス」は通常、ポリマー成分の水性分散液であり、前駆体ウェブの表面に適用できる。本発明に使用される水性ラテックスのポリマー成分は、実質的に親水性材料を含むのが好ましい。
ラテックスは、通常、約5〜65%、好ましくは10%の固形分を含む水性エマルション又は分散液として適用できる。これらのラテックス材料は、いくつかの製造元から容易に入手可能である。ラテックス分散液が水混和性であるので、所望ならば前駆体ウェブに適用する前にさらに希釈してもよい。さらにこれらのラテックス組成物は、熱硬化性であり、架橋を行うために、その目的で周知の化学薬剤であるN−メチロールアクリルアミドのような好適な架橋剤を少量含むことができる。ポリマー成分が実質的に親水性であり、ラテックスが、特に硬化の後に、着用者が容認できないような検知可能な臭いを発生しないなら、当該技術分野において既知のあらゆる種類のラテックスを本明細書で使用できる。入手可能なラテックスは化学的族によって分類され、特に本明細書で有用なものには、ビニルアセテートとアクリル系エステルのコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、スチレンブタジエンカルボキシレートコポリマー、及びポリアクリロニトリルが挙げられ、それらは、例えばエアプロダクツ(Air Products,Inc.)の商品名エアボンド(Airbond)、エアフレックス(Airflex)及びビナック(Vinac)、グッドリッチケミカル(Goodrich Chemical Co.)の商品名ハイカー(Hycar)及びジェオン(Geon)、及びH.B.フラーカンパニー(H.B.Fuller Company)の商品名フラテックス(Fulatex)として販売されている。本発明に使用するのに好適なラテックスの特に好ましい例は、エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ(Air Products and Chemicals Inc.)(米国ペンシルバニア州アレンタウン(Allentown,PA,USA))から入手可能なエアフレックス(Airflex)192である。本発明の吸収性部材に使用されるラテックスの量は、キトサン材料の有効なゲル化能及び親水性繊維の吸収特性を実質的に損なったり、隠したりするほど多くはできず、あるいは吸収性部材を非現実的なものにするような程度の剛性を与えるほど多くすることはできない。前記ラテックスは、前駆体ウェブの約1〜30g/m2、好ましくは約1〜20g/m2、より好ましくは1〜10g/m2の割合で前記前駆体ウェブの前記表面上に適用される。実質的に疎水性のポリマー成分を有するラテックスはまた、例えば界面活性剤により、それらを前駆体ウェブに適用した後に親水性にすることによって本発明に使用できる。
本明細書で使用されるようなキトサン材料粒子の下にラテックスが存在すると、ラテックスが適用されている前駆体ウェブへの前記粒子の浸透を制御するのに役立つという利点がある。好ましくはキトサン材料の粒子は、前駆体ウェブの厚みの30%を超えて浸入することはなく、好ましくは20%を超えず、より好ましくは10%を超えて浸透することはない。このため、本発明の方法にラテックスを適用すると、流体に対する漏れ防止がより一層有効であるとともにラテックスが適用される前駆体ウェブ表面にキトサン材料をより有効に用いることができるという特に好ましい本発明の吸収性部材の製造が可能となる。さらにいえば、理論に拘束されることを望まないが、ラテックスを適用することにより前駆体ウェブの表面にコーティングが提供され、それが前記表面上の開口、繊維間空間などを部分的に隠すことによってキトサン材料の溶液又は分散液の前駆体ウェブへの浸透深さを制限すると推測される。浸透深さは、吸収性部材をその厚さ方向に切断し、切断された吸収体の断面写真を顕微鏡で撮影して、その後その写真を評価することによって容易に測定できる。
次に本発明の吸収性部材を製造するための代表的な方法を説明する。以下で記載される方法は本発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。本発明で使用する前駆体ウェブをドライレイイングプロセス用に設計された従来の装置を用いて製造できることを概略説明するが、次の方法は特にエアレイされたウェブに関して説明される。他のドライレイイングプロセス、例えば、けば立て、あるいはメルトブロウンプロセスやスパンボンドプロセスのような繊維質基材を得る他のプロセス、あるいはフィルム形成又は発泡も適用可能であることが理解されるべきである。次の方法においてラテックスの使用が記載されているという事実の他に、本特徴が任意選択的であり、本発明の範囲を限定するものではないことにも留意されたい。次の参照番号は図1について言及している。
本発明の好ましい実施形態によれば、前駆体ウェブはエアレイドプロセスによって製造される。空気形成システムは、ローラー上に配置され、好適なモーター(図示せず)によって駆動する連続形成スクリーン(3)上に横断方向に配列された配給ユニット(1)を含み、真空手段又は吸引ボックス(2)が前記スクリーン(3)の下に配置されている。従来の空気形成システムにおいて、分配ユニットの上流には、ハンマーミル又はランドフィーダー(Rando-Feeder)のような繊維離解装置又は供給機(図示せず)があり、そこでは梱、ラップなどが繊維離解され、さらに繊維は使用される繊維の種類、使用される繊維ブレンド及び最終製品に大きく依存して必要により又は所望により洗浄及び/又はブレンドされてもよい。例えば木材パルプ繊維は実質的に親水性の合成繊維とのブレンドであることができ、単一の配給器によってブレンドとして適用でき、あるいは異なる繊維を各々異なる配給器によってスクリーンに運び、別々の束又は層を形成することもできる。
多孔質形成スクリーン(3)は、配給器(1)と本質的に同一の広がりをもち、スクリーン(3)の下の吸引ボックス(2)は下方に空気の流れを引き寄せ、スクリーン(3)の表面に繊維を運び、それによって結合していない前駆体ウェブを形成する。方法のこの段階では、前駆体ウェブにほとんど一体性はなく、真空手段(2)はスクリーン(3)上の結合していない繊維質の前駆体ウェブを保持する。前駆体ウェブは配給器(1)に面する第1表面、及び形成スクリーン(3)に面し、前記第1表面とは反対側の第2表面を有する。
前記システムは最終吸収性部材の組成及び厚みを制御するために改変される場合があることを理解すべきである。例えば、配給器(1)は複数の個々の配給器を含むことができ、この配給器の数及びそれらの特定の配列は、機械速度、容量、繊維の種類及び所望される最終製品のような要因によって改変又は変更され得る。
この方法のこの段階では、スクリーン(3)上の前駆体ウェブは安定化する必要がある。前駆体ウェブは連続スクリーンによって進められ、所望ならば前駆体ウェブはまず、前駆体ウェブの密度を増大させるために加熱されてもよい圧縮ローラー(図示せず)の間に通してもよいが、この工程は任意である。この過密化工程はまた、前駆体ウェブに続いて適用されるラテックスの浸透を強化し、過密化の程度又は割合は、前駆体ウェブの坪量、ラテックスの前駆体ウェブへの所望の浸透度、及び所望の最終製品のような要因によって変更され得る。
そこから前駆体ウェブは、スプレーノズル、ドクターブレード、ローラーアプリケーターなどのような好適な配給手段を有する第1ラテックス適用セクション(4)に移送され、そこでラテックス結合剤の液体分散液が、結合していない前駆体ウェブの第1表面に適用される。任意選択的に配給手段及びスクリーンの下に配置された吸引ボックス(5)によって適用された真空が、前駆体ウェブにラテックス分散液を引き付けるのに役立つ。分配手段又はアプリケーターは前駆体ウェブの幅と本質的に同一の広がりを持ち、好ましくは、ラテックスは実質的に均一に前駆体ウェブの表面に適用される。しかし、ラテックス分散液は、不均一又はランダム適用として適用されてもよく、ラテックス分散液は水ベースであるので前駆体ウェブ中に拡散し、硬化時に結合剤として機能する。
硬化時にラテックスは前駆体ウェブに一体性を付与するので、ラテックスはある程度浸透していなければならない。ラテックスの前駆体ウェブへの浸透程度又は浸透度は、適用されるラテックスの量によって、及び任意選択的に、前駆体ウェブにラテックス分散液を引き込むのに役立つ前駆体ウェブに適用される真空によって制御される。ラテックスのポリマー成分は、実質的に親水性の熱硬化性プラスチックであり、それを活性化するためにラテックス分散液は好適な硬化剤又は架橋剤を含むことができ、ラテックスが前駆体ウェブに適用された後、ラテックスが硬化して架橋する。特に好ましい実施形態では、第1ラテックス適用セクション(4)の後のラテックス処理された前駆体ウェブを第1の乾燥セクション(6)、例えば熱風オーブン又は空気乾燥器に通すことによって、ラテックスの硬化が達成される。第1の乾燥セクションの内部温度は、通常、約100℃〜260℃の範囲であるが、これは使用されるラテックス樹脂の具体的な種類、硬化剤又は架橋剤、ラテックスの量、前駆体ウェブの厚み、真空度、機械速度に左右される。記載される方法に関して、ラテックス処理された前駆体ウェブの第1表面が第1乾燥セクション(6)の後で実質的に乾燥することが必須である。
第1乾燥セクション(6)の後、前駆体ウェブはキトサン適用セクション(7)において、ラテックスが既に適用されている同一面上にキトサン材料、好ましくは実質的に水溶性のキトサン塩の溶液又は分散物(好ましくは水中、4重量%のキトサン材料)で噴霧される。本発明によれば、キトサン材料の溶液又は分散物は、平均直径D(v,0.9)が1500μmを超えない液滴径分布を有する液滴のスプレー形態で前駆体ウェブ上に適用される。この前駆体ウェブに適用されるキトサン材料溶液又は分散物の量は、前駆体ウェブ1平方メートルあたり、好ましくは1ml〜1000ml、より好ましくは1ml〜400ml、及び最も好ましくは約120mlのキトサン材料の溶液又は分散物である。スプレーの上述の粒度分布を達成するためには、キトサン材料の溶液を前駆体ウェブの表面に適用するための、いわゆる空気アトマイザー又はネブライゼイターを使用するのが特に好ましい。それゆえに例としては、スプレイング・システムズ(Spraying Systems,Co.)(米国イリノイ州ウィートン(Wheaton,Illinois,USA)))からの1/4JAUシリーズの空気噴霧化ノズルである。このような噴霧プロセスにより、乾燥後、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料粒子が、キトサン材料の溶液又は分散物を噴霧された前駆体ウェブ表面に生成される。好ましくは、前記粒子は、平均直径D(v,0.9)が10nm〜300μm、好ましくは10nm〜100μm、さらに好ましくは10nm〜50μm、なおさらに好ましくは10〜800nm、及び最も好ましくは20〜500nmの粒度分布を有する。
同様に前駆体ウェブの第2表面にラテックスを適用するのも好ましい。それゆえに前駆体ウェブは反転するのが好ましい。反転工程の後、第1ラテックス適用セクション(4)の第1表面の場合と本質的に同様の方法で第2ラテックス適用セクション(8)において前駆体ウェブの第2表面上にラテックスを適用する。さらに第2ラテックス適用セクション(8)は、前駆体ウェブへのラテックスの浸透を制御するための吸引ボックス(9)を含むことができる。この第2ラテックス適用は、第2ラテックス適用セクション(8)に続く第2乾燥セクション(10)に、第1乾燥セクション(6)に示されるものとほぼ同一の温度範囲内で前駆体ウェブを通すことによって同様に硬化される。
上記プロセスから得られた吸収性部材は、第2乾燥セクション(10)を離れた後、第1乾燥セクション(6)で示されるものとほぼ同一の温度範囲内で残ったトレース量の水分を除去するために続く第3乾燥セクション(11)に通される。その後、吸収性部材は十分な一体性を示し、切断、ローラー延ばし、包装などをすることができる。
別の実施形態では、第1乾燥セクション(6)の後の第1表面上の代わりに、第2乾燥セクション(10)の後の前駆体ウェブの第2表面上にキトサン材料を噴霧することができる。この目的のためには、前駆体ウェブの第2表面は、第2乾燥セクション(10)を通った後、実質的に乾燥しなければならない。
第1(4)又は第2(8)ラテックス適用セクションの後、前駆体ウェブが適用されたラテックス分散液でまだ濡れている場合に、前駆体ウェブの第1及び/又は第2表面上にキトサン材料を適用することも本発明の範囲内である。
前駆体ウェブ上に適用されるキトサン材料の溶液又は分散液の濃度は、0.1〜40重量%の間で変化することができ、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは4重量%のキトサン材料である。前駆体ウェブに適用されるキトサン材料の溶液又は分散液のpHは、皮膚親和性と水溶性との最適な釣り合いのために3〜7、好ましくは4〜5、より好ましくは約5である。
ラテックスを適用するにもかかわらず、吸収性部材は強いがなお軟質であり、比較的引張強度の高い吸収体である。この種類の好ましい吸収性部材は比較的嵩が小さいのが望ましいが、それはより緻密な前駆体ウェブは、ラテックスを含まず、ほぼ同様の吸収能力を有するがより嵩高い同様の吸収性部材と比較した場合に、吸収性は高いがより薄く、結果として嵩張らないからである。嵩が低いということは、他の所望の特性を顕著に損なうことなく、吸収性部材の占める体積が減ることを意味するが、それは製造、保存及び包装の観点から重要である。ゆえに本発明の吸収性部材に関して、坪量は、約20g/m2〜500g/m2、好ましくは約75g/m2〜400g/m2、より好ましくは100g/m2〜200g/m2の範囲である。約20g/m2より小さい坪量を有する吸収性部材の製造には製造上の制約が生じ、このような吸収性部材は所望の強度を失うことがある。吸収性部材は剛直すぎるために、坪量が上限を超える場合は大抵の用途に有用でない場合がある。
上述の方法に従って製造される吸収性部材は、ラテックスの適用によって、良好な液体バリア性能とともに良好な一体性を示す。前駆体ウェブへのラテックス結合剤の浸透深さは、ポリマー濃度の選択及び前駆体ウェブ上に適用されるラテックスの量によって、並びに任意選択的に配給手段に対応するように配置された吸引ボックスにより適用される真空によって制御される。
本発明の吸収性部材の別の実施形態では、クリープ紙、ティッシュ又は不織布のような多孔質強化シートを、表面シートとして、又は吸収性部材の第1及び第二表面の間に分配される中間シートとして前駆体ウェブに組み入れることができる。このシートが吸収性部材の一方の面に存在できる一方で、反対側の表面は硬化ラテックスを保持する。
別の実施形態では、前駆体ウェブはエアレイド繊維の層を上部に有するポリエステル又はポリオレフィンの不織布層を含むことができる。その2つの層の繊維間の結合は機械的な絡み合わせにより達成されるが、ポリエステル又はポリオレフィン層の反対側である前駆体ウェブ表面には後でラテックス結合剤が適用されるだけである。
前述したように、ラテックスのような結合剤の使用は本発明の方法において任意である。そのため、吸収性部材を製造する方法の上述の実施形態は本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
本発明の吸収性部材を次の実施例によって説明する:吸収性部材はエアレイド前駆体ウェブを含み、それは68%のセルロース繊維(ウェアーハウザー(Weyerhauser)からのNB416)と、17%のポリアクリル超吸収性粉末(日本触媒からのアクアリック(Acqualic)L74)、11%の合成繊維(トレビラ(Trevira)からのT255 3DTEX−3mm)及び4%のラテックス(ビナムル(Vinamul)からのエリート(Elite)33)(1表面あたり2%)とを混合して製造されており、前記ラテックスは吸収性部材の両面に噴霧システムにより適用した。キトサンピロリドンカルボン酸塩(アメリコール(Amerchol)のキタマー(Kytamer)の粒子を4重量%のキトサンピロリドンカルボン酸塩水溶液として、乾燥後の吸収性部材1平方メートルあたり6gの割合のキトサンピロリドンカルボン酸塩付加でエアレイド前駆体ウェブの1つの面に噴霧した(スプレー・システムズ社(Spraying Systems Co)の空気噴霧化システム、領域被覆率90%、平均直径D(v,0.9)が5〜400nmの液滴径分布)。生成したキトサンピロリドンカルボン酸塩の粒子の平均直径D(v,0.9)を用いた粒度分布は、乾燥後に20〜100nmであった。
(実施例2)
本発明の吸収性部材を次の実施例によってさらに説明する:吸収性部材はエアレイド前駆体ウェブを含み、それは68%のセルロース繊維(ウェアーハウザー(Weyerhauser)からのNB416)と、17%のポリアクリル超吸収性粉末(日本触媒からのアクアリック(Acqualic)L74)、11%の合成繊維(トレビラ(Trevira)からのT255 3DTEX−3mm)及び4%のラテックス(ビナムル(Vinamul)からのエリート(Elite)33)(1表面あたり2%)とを混合して製造されており、前記ラテックスは吸収性部材の両面に噴霧システムにより適用した。キトサン乳酸塩(ヴァンソン社(Vanson,Inc.)からのキトソルブ(Chitosolv)L)を6重量%のキトサン乳酸塩水溶液として、乾燥後の吸収性部材1平方メートルあたり6gの割合のキトサン乳酸塩付加でエアレイド前駆体ウェブの一方の面に噴霧した(スプレー・システムズ社(Spraying Systems Co.)からの空気噴霧化システム、領域被覆率90%、平均直径D(v,0.9)が5〜400nmの液滴径分布)。生成したキトサンピロリドンカルボン酸塩の粒子の平均直径D(v,0.9)を用いた粒度分布は、乾燥後に20〜100nmであった。
(試験方法)
(1)粒径分布
キトサン材料の粒度分布は、例えばフィリップス(Philips)XL30ESEM FEG電子顕微鏡を用いるESEM分析によって測定できる。1.5cm×1.5cmのランダムサンプルを、本発明による粒子状キトサン材料を有する様領域を含む吸収性部材の一部からはさみで切断し、1.2cmの直径を有する円形アルミニウム片に配置した。次いでサンプルに30nmの厚みを有する金の層をスパッタさせた。サンプルを、キトサン材料の粒度を視覚的に調べるために、適切な倍率で減圧下にてSEMモードで観測し、サンプルの異なる領域において6つの画像を撮影した。個々の粒子のサイズを視覚的に測定する。
(2)液滴径分布
液滴のスプレーの粒度分布は次のように決定できる:好適な試験装置は、例えば1000mmレンズを有し、最大粒度範囲が3475μmであるマルヴァーンマスターサイザー(Malvern Mastersizer)Sロングベッド(LongBed)(登録商標)である。マルヴァーンマスターサイザー(Malvern Mastersizer)Sロングベッド(LongBed)(登録商標)は、噴霧流を適切にするために21cmの開口部(レンズ間)を有する。マルヴァーン(Malvern)(登録商標)での計測全てにおいて、レンズ表面はスプレー汚染がないようにしなければならない。本セットアップ手順において、ノズルからレーザーまでの距離は8cmに固定されてレンズ汚染を最小限にする。8cmの距離にてスプレーをレーザー光線の方に向け、スプレー錘にレーザーの中心を合わせた。少なくとも3回の計測を、噴霧されるキトサン材料溶液/分散液の各サンプルについて行い、液滴のスプレーの液滴径分布を測定しなければならない。この試験で使用される噴霧器は電気的に作動する噴霧器であった。
本発明に基づく吸収性部材を製造する方法の1つの可能な構成を示す。

Claims (24)

  1. 厚み方向の寸法、第一表面及び対向する第二表面を有し、前記第二表面が前記厚み方向の寸法によって前記第一表面から分離されている吸収性部材であって、
    前記吸収性部材が、実質的に親水性であり、平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有する実質的に水溶性のキトサン塩の粒子を有する少なくとも1つの領域を含むことを特徴とする、吸収性部材。
  2. 前記領域が、前記吸収性部材の前記第一表面及び/又は第二表面上に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性部材。
  3. 前記粒子は、平均直径D(v,0.9)が10nm〜300μm、好ましくは10nm〜100μm、さらに好ましくは10nm〜50μm、なおさらに好ましくは10〜800nm、及び最も好ましくは20〜500nmの粒度分布を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸収性部材。
  4. 前記キトサン塩が70%を超える、好ましくは80%〜100%の脱アセチル化度を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性部材。
  5. 前記キトサン塩が、キトソニウムピロリドンカルボキシレート及び/又はキトソニウムラクテートを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性部材。
  6. 前記吸収性部材がドライレイされた親水性の繊維質ウェブ、より好ましくはエアレイされた親水性の繊維質ウェブを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性部材。
  7. 前記領域が、前記吸収性部材1平方メートルあたり0.1〜200g、好ましくは前記吸収性部材1平方メートルあたり1〜100g、より好ましくは前記吸収性部材1平方メートルあたり2〜50gの量で前記粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性部材。
  8. 前記吸収性部材の少なくとも1つの表面の少なくとも40%、好ましくは60%、より好ましくは80%、最も好ましくは100%が、キトサン材料粒子を含む前記領域で覆われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性部材。
  9. 吸収性部材を製造するための方法であって、前記方法は、
    (a)第一表面及び第二表面を備え、前記第二表面が前記第一表面にほぼ対向して整列される前駆体ウェブを形成する工程、及び
    (b)プロセス工程(a)の間に、前記前駆体ウェブの少なくとも一つの表面上に、キトサン材料を含む溶液又は分散物を適用する工程、及び/又は
    (b’)プロセス工程(a)の後に、前記前駆体ウェブの少なくとも1つの表面上に、キトサン材料を含む溶液又は分散物を適用する工程、及び
    (c)前記前駆体ウェブを乾燥する工程であって、それによって、工程(b)及び又は(b’)で前記キトサン材料の溶液又は分散物が適用された前記前駆体ウェブの前記表面に平均直径D(v,0.9)が300μmを超えない粒度分布を有するキトサン材料の粒子を有する少なくとも1つの領域を形成する工程、とを含み、
    前記方法は、前記溶液又は分散物が液滴のスプレー形態で前記前駆体ウェブ上に適用され、前記液滴が平均直径D(v,0.9)が1500μmを超えない液滴径分布を有することを特徴とする、方法。
  10. 前記粒子は、平均直径D(v,0.9)が10nm〜300μm、好ましくは10nm〜100μm、より好ましくは10nm〜50μm、なおさらに好ましくは10〜800nm、最も好ましくは20〜500nmの粒度分布を有することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 液滴は、平均直径D(v,0.9)が1000μmを超えない、好ましくは750μmを超えない液滴径分布を有することを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 工程(b)が行われず、前記方法が、
    (a’)前記前駆体ウェブの少なくとも1つの表面上にラテックスを適用する追加の工程、及び
    (a’’)前記前駆体ウェブを乾燥する追加の工程を含み、前記方法が、工程(a’)及び(a’’)が前記工程(a)の後、及び前記工程(b’)の前に行われることを特徴とする、請求項9〜11に記載の方法。
  13. (d)第2ウェブ形成方法という追加工程を含み、前記工程(d)が前記工程(c)の後に行われることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記前駆体ウェブがドライレイされた、より好ましくはエアレイされた親水性の繊維質ウェブを含むことを特徴とする、9〜13のいずれか一項に記載の吸収性部材。
  15. 前記キトサン材料が、前記前駆体ウェブの厚みに対して30%を超えずに、好ましくは20%を超えずに、より好ましくは10%を超えずに前記前駆体ウェブに浸入することを特徴とする、請求項9〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記ラテックスが、1〜30g/m2、好ましくは1〜20g/m2より好ましくは1〜10g/m2の割合で前記前駆体ウェブの前記表面に適用されることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記キトサン材料が実質的に水溶性のキトサン塩を含み、前記塩が好ましくはキトサンピロリドンカルボン酸塩及び/又はキトサン乳酸塩であることを特徴とする、請求項9〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記キトサン材料の溶液又は分散物が、0.1〜40重量%、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは約4重量%の前記キトサン材料を含む水溶液又は水性分散物であることを特徴とする、請求項9〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. キトサン材料の前記溶液又は分散物が、前記前駆体ウェブの1平方メートルあたり1〜1000ml、好ましくは1〜400ml、より好ましくは1〜150mlの前記キトサン材料の溶液又は分散物の量で適用されることを特徴とする、請求項9〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記キトサン材料の溶液又は分散物が、前記前駆体ウェブの少なくとも1つの表面上に、前記前駆体ウェブの前記表面の全表面積の少なくとも40%、好ましくは60%、より好ましくは80%、最も好ましくは100%にわたって適用されることを特徴とする、請求項9〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート及び吸収性コアを含む吸収性物品であって、前記吸収性コアが請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記吸収性部材を含む吸収性物品。
  22. 液体透過性トップシート、液体不透過性バックシート及び吸収性コアを含む吸収性物品であって、前記吸収性コアが請求項9〜20のいずれか一項に従って製造される前記吸収性部材を含む吸収性物品。
  23. 前記液体不透過性バックシートが、空気及び/又は水蒸気を透過させる通気性バックシートであることを特徴とする、請求項21又は22のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  24. 前記吸収性物品が婦人用衛生品のための吸収性物品であることを特徴とする、請求項21〜23のいずれか一項に記載の吸収性物品。

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