JP2005519032A - 蛋白質の精製方法 - Google Patents

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Abstract

蛋白質又はペプチドに結合させるためにシリコンカーバイドを用いて、蛋白質及びペプチドを精製する方法が提供される。本方法は、封入体に隔離された組換えにより発現された蛋白質を回収及び精製するために使用してもよい。蛋白質又はペプチドを精製する方法は、蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドに結合させるため、蛋白質又はペプチドの結合pHにおいて蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドに接触させる段階、及びシリコンカーバイドから蛋白質又はペプチドを溶出させる段階を含む。

Description

発明の分野
本発明は、蛋白質及びペプチドを精製する方法、さらに具体的には、シリコンカーバイドを用いる蛋白質及びペプチドの精製方法に関連する。
発明の背景
異種の混合物からの蛋白質の精製は、精製される蛋白質の物理的、化学的、及び電気的特性を利用する、複数段階の方法をしばしば含む。精製に関連する蛋白質の重要な特性は、(a)溶液中に維持されるか又は塩の存在下で沈殿する蛋白質の能力を決定する溶解性、(b)イオン交換クロマトグラフィ及び等電点電気泳動法に関連する重要な特性である電荷、(c)透析、ゲル濾過クロマトグラフィ、ゲル電気泳動法、及び沈殿速度を含む工程に関連する大きさ、(d)リガンドへの結合に基づき蛋白質を精製させる特異的な結合、ならびに(e)抗体の沈殿のように、他の試薬の存在下、複合体を形成する能力である。蛋白質の検出及び精製は、機能的なジェノミクス及びプロテオミクスに関与する研究者が直面する問題点を考慮すると、研究活動の主要な焦点となっている。
一般的なクロマトグラフィの方法は、アフィニティクロマトグラフィにおけるような、カラムのマトリックスに結合する分子へ結合する蛋白質の能力、サイズの排除又は分子ふるいにおけるような蛋白質のサイズ、クロマトフォーカシングにおけるような、蛋白質が電気的に中性である場合でのpHに依存する可能性があり、又は、逆相クロマトグラフィにおけるような疎水性相互作用、又はイオン交換クロマトグラフィのような蛋白質の全体的な電荷を利用しうる。多くの異なるタイプの蛋白質が存在し、全ての蛋白質に等しく適切であることが証明された方法はないため、産生を最大にし且つ精製された蛋白質の生物学的活性を維持する異なる方法を組み合わせることが通例である。プロセシングタイムの削減により蛋白質の精製を単純化する方法は、大規模精製又は小規模精製の両方のために探求されている。
改良された蛋白質の精製工程が非常に必要とされる更なる分野は、大腸菌のような組換え宿主における発現後の組換え蛋白質の回収である。発現段階は非常に効率的かも知れないが、折り畳まれた不適切な蛋白質の問題があり、蛋白質が宿主の封入体に隔離される可能性がある。封入体中の蛋白質は不溶性で、強くパックされて集合し、通常、生物学的活性を欠失している。封入体から活性のある蛋白質の回収は、組換え蛋白質生成物の可溶化、再折畳み、及び精製が要求される。これらの工程は、しばしば時間を消費し、精製された特定の蛋白質のカスタマイゼーションが要求される。
シリコンカーバイドは、DNA及びRNAのような負に荷電した巨大分子に結合することが示された。これは、米国特許第6,177,278号に開示されるように、遺伝子研究、遺伝子治療、遺伝子ワクチン、及び化粧品のような、多くの適用と共に、核酸の巨大分子の精製のために利用されてきた。
蛋白質とシリコンカーバイドとの相互作用を用いる蛋白質の精製方法は、これまでに開示されていない。
発明の要約
シリコンカーバイドを蛋白質又はペプチドに結合させるために用いることにより、新規で便利な精製方法が、蛋白質及びペプチドのために提供される。封入体に隔離される組換えにより発現した蛋白質の回収及び精製の改良された方法もまた提供される。
一つの態様において、
少なくとも一つの蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドに結合させるため、少なくとも一つの蛋白質又はペプチドの結合pHにおいて、少なくとも一つの蛋白質又はペプチドを含む溶液をシリコンカーバイドに接触させる段階;及び
少なくとも一つの蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドから溶出する段階
を含む、溶液から少なくとも一つの蛋白質又はペプチドを回収する方法である。
他の態様においては、結合pHは、精製される蛋白質又はペプチドの等電点(pl)よりも低く、好ましくは、蛋白質又はペプチドのplよりも少なくとも約0.5pHユニット低く、約pH4よりも大きいpHである。溶出pHはplよりも少なくとも約1pHユニット高い。
他の態様においては、蛋白質又はペプチドを、カオトロープの存在下、シリコンカーバイドと接触させ、結合pHは、蛋白質又はペプチドの等電点よりも高く、好ましくは、plよりも少なくとも約0.5pHユニット高い。
他の態様においては、蛋白質をシリコンカーバイドに結合させるため、細胞溶解物のような複合混合物を回収される蛋白質のplよりも低い結合pHでシリコンカーバイドに接触させる段階を含む、複合混合物から全蛋白質を回収する方法であり、その後、回収される蛋白質のplよりも高いpHにおける溶出に続く。
他の態様においては、組換え宿主で発現し且つ封入体に隔離された組換え蛋白質を回収及び精製する方法であり、この方法は、組換え蛋白質を含む溶液を提供するために、組換え蛋白質を含む封入体を可溶化剤に接触させる最初の段階を含み、その後、蛋白質の結合pHにおいて、溶液をシリコンカーバイドに接触させる段階に続く。
本発明は、図面を参照して、以下の記載からさらに理解されると思われる。
発明の詳細な説明
蛋白質は、蛋白質の環境のpHの操作によりシリコンカーバイドに結合し溶出されうること、ならびに蛋白質及び/又は他の分子の混合物から関心対象の蛋白質を回収するため、溶液由来の蛋白質を濃縮するため、又は細胞溶解物のような混合物から全蛋白質を回収するための、新規、単純及び便利な方法を提供する目的でこの特性を使用することができる。ペプチドも本発明の方法により同様に精製又は回収されうる。
本発明にしたがって、シリコンカーバイドは、関心対象の蛋白質又はペプチドがシリコンカーバイドに結合するpHを意味する「結合pH」において精製される蛋白質又はペプチドを含む溶液と混合される。シリコンカーバイドは、その後、溶液から分離され、関心対象の蛋白質又はペプチドは、蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドから溶出することを容易にするpHを意味する「溶出pH」にpHを調整することにより、シリコンカーバイドから溶出される。蛋白質又はペプチドの結合後、シリコンカーバイドは、蛋白質又はペプチドの溶出前に、結合pHにおいて緩衝液で洗浄されてもよい。
一つの態様にしたがって、関心対象の蛋白質又はペプチドの溶液は、蛋白質又はペプチドの等電点(pl)よりも低いpHである結合pHにおいて、シリコンカーバイドに接触される。いくつかの蛋白質結合がplにおいて生じるが、蛋白質のplよりも低い結合pHは、より効率的な結合にとって好ましい。この態様において、蛋白質又はペプチドのplより低いpHを結合pHとして使用することができる。しかし、pHは蛋白質の変性を起こすほど低くてはいけない。いくつかの蛋白質は変性することなくpH4よりも低いpH値でも残存できるかも知れないが、多くの蛋白質の場合、plよりも低く、約pH4よりも大きい結合plが好ましい。plよりも少なくとも約2pHユニット低い、好ましくは、plよりも少なくとも約1pHユニット低い、より好ましくは、蛋白質又はペプチドのplよりも少なくとも約0.5pHユニット低いが、約4よりも大きい結合pHが、広範囲の蛋白質又はペプチドに有用である。
蛋白質のplよりも少なくとも約2pHユニット、好ましくは約1pHユニット高いpHは、通常、溶出pHとして適している。溶出された蛋白質は、その後、中性pHに再調整されてもよい。蛋白質のplよりも約0.5pHユニット高いpHが溶出pHとして用いられる場合には、溶出はあまり効率的でなく、複数の溶出が要求される。
関心対象の蛋白質の等電点を、ポリアクリルアミドゲルにおける等電点電気泳動法のような慣用手段により決定することができる。等電点は、蛋白質のアミノ酸組成を調査する段階、様々なpH値におけるイオン化可能な基の電荷割合を計算して、ヘンダーソン・ハッセルバッハ(Henderson-Hasselbach)の等式(Lehninger「Principles of Biochemistry」(2000)、D.C.NelsonおよびM.M.Cox.、第3版、Worth)を利用して、予測的な方法により見積もることができる。
または、関心対象の蛋白質の精製試料が入手可能な場合には、シリコンカーバイドへの結合特性は本明細書に開示されるように調べることが可能であり、最適な結合を与えるのに適切な結合pHが決定されうる。関心対象の蛋白質が蛋白質の複合混合物に含まれる場合、蛋白質の回収のための最適な結合pH及び溶出pHは、本明細書に開示されるように決定することができる。
他の態様にしたがって、細胞溶解物のような複合混合物からの全蛋白質の迅速且つ便利な回収のための方法が提供される。細胞溶解物又は蛋白質の混合物を含む他の溶液は、蛋白質を結合させる結合pHにおいてシリコンカーバイドに接触され、その後、蛋白質は単一蛋白質の回収のための上記のように、溶出pHにおいてシリコンカーバイドから溶出される。結合pHは、回収される全ての蛋白質のplよりも低くするべきである。約4.0の結合pHは、典型的な細胞溶解物において、多くの蛋白質の結合に適している。溶出pHは、溶出される全ての蛋白質のplよりも高くすべきである。約12.0の溶出pHは、典型的な細胞溶解物において、多くの蛋白質の溶出に適している。この方法は、例えば、特定の細胞の正常及び病原性のバージョンのような、異なる細胞における蛋白質発現パターンを解析及び比較するために有用である。全蛋白質は、上記のように細胞溶解物から速やかに回収され、常法の2Dゲル電気泳動技術によって解析されうる。本発明の方法により全蛋白質が回収されうる細胞溶解物は、哺乳動物、酵母、及び細菌細胞を含む。例えば、正常及び癌の哺乳動物細胞は、さらなる解析のために蛋白質を回収するための開示された方法を実施してもよい。
好ましい態様において、精製される蛋白質を含む溶液は、結合pHに調整され、蛋白質の溶液と混合する前に、シリコンカーバイドをそのpHにおいて緩衝液で予め平衡化する。
当業者により理解されるように、蛋白質及びペプチドは、様々な精製技術の適応を用いて、シリコンカーバイドへの結合により精製されうる。シリコンカーバイドは様々な支持体に保持されうる。
例えば、本方法を、結合pHにおいて蛋白質含有混合物及びシリコンカーバイドのスラリーを調製することによって行ってもよく、蛋白質の結合後、混合物からのシリコンカーバイドの除去に続く。溶出は、シリコンカーバイドと溶出溶液のスラリーを調製することによって行われる。
または、シリコンカーバイドは、カラムに注入されてもよく、カラムを製造する前又は後のいずれかに結合pHに平衡化され、常法のカラムクロマトグラフィとして知られるものと同じ方法により、結合pHに調整された蛋白質を含む溶液をカラムに通過させる。 蛋白質結合後、溶出が同様に行われる。
さらなる態様において、結合pHに平衡化されたシリコンカーバイドは、スピンカラムに置かれてもよく、結合pHに調整された関心対象の蛋白質を含む溶液はシリコンカーバイドの上面に層を形成し、チューブを遠心して、廃棄される液相を分離する。保持された蛋白質とともにシリコンカーバイドは洗浄され、その後、溶出pHにおいて緩衝液溶液に接触させ、溶出蛋白質を含む液相を分離するための遠心分離に続く。
スピンカラムの使用により、迅速且つ便利な蛋白質精製の方法が可能となるが、アガロースベース樹脂のような多くの蛋白質の精製樹脂は、要求される遠心分離力に抵抗できないので、スピンカラムの方法には用いることができない。しかし、シリコンカーバイドは遠心分離に抵抗できる強い材料であり、スピンカラムの精製技術に適している。
本発明の方法はまた、適用されるクロマトフォーカス技術にも用いられ得る。例えば、蛋白質の複合源を、カラムクロマトグラフィフォーマットを用いて低い結合pHにおいてシリコンカーバイドと接触させる。この場合、結合pHよりも低いplの全ての蛋白質がシリコンカーバイドに結合すると思われる。その後、結合蛋白質はカラムを通して高いpHで溶出緩衝液を通過させることによって溶出されると考えられる。結合蛋白質がカラムのpHがそれらのplに達したときに溶出されるように、溶出緩衝液の通過は、カラムの長さにそったpH勾配を形成する。回収される画分は異なる蛋白質を含むと考えられる。
さらなる態様において、非変性濃度におけるカオトロープの存在下、蛋白質のシリコンカーバイドへの結合を行うことにより、蛋白質の等電点よりも高い結合pH、蛋白質がおそらく負に荷電したpHにおいて、シリコンカーバイドに結合した後、シリコンカーバイドからの溶出によって蛋白質が精製されうることが見いだされた。適切なカオトロープは、塩酸グアニジウム及びヨウ化ナトリウムを含む。plよりも約0.5pHユニット高い結合pHが好ましい。
ヨウ化ナトリウムは、好ましくは3Mまでの濃度で用いられ、塩酸グアニジウムは好ましくは1Mより低い濃度で用いられる。この態様のための溶出pHは高いpHであるべきであり、好ましくは、約11.0から約12.0の範囲である。
蛋白質が酸性で、例えば、4.0から4.5のplである場合、カオトロープの存在下、その等電点よりも高いpHにおいてシリコンカーバイドに結合することによる蛋白質の精製が好ましい。酸性蛋白質の例は、60Sリボゾームサブユニットにおける軸構造を形成するトウモロコシ(Zea mays)リン蛋白質(P-蛋白質)群である。
そのような蛋白質にとって、plよりも低い結合pHにおけるシリコンカーバイドへの蛋白質の結合は、前記の通り、変性される可能性を有する酸性pHへの暴露が要求されると考えられる。蛋白質が変性をあまり受けないような場合、このことは、plよりも高いpHにおいて、カオトロープの存在下で結合することによって避けられる。
plが約pH9よりも高い蛋白質(例えば、リゾチーム)の精製は、変性される可能性を有する高いpH値に蛋白質を暴露することを避けるために、カオトロープなしで、等電点よりも低いpHにおける結合によって行うことが好ましい。
pH4及びpH9の間のpl値を有する多くの蛋白質は、これらのplより低い結合pH、又はカオトロープの存在下で、これらのplより高い結合pHのいずれかにおいて、シリコンカーバイドへの結合によって精製されることができる。いずれの方法も適用可能であるが、カオトロープを避け、plよりも低い結合pHを用いることが、より便利であり得る。
蛋白質が、組換え宿主細胞において蛋白質をコードする核酸配列の発現により調製される場合、発現された蛋白質は、培地に分泌されるのではなく、宿主細胞内の封入体に隔離されうる。発現された蛋白質の封入体への隔離は、精製を極めて複雑にし、そのような隔離された蛋白質のための改良された精製方法の必要性が残る。
本発明の他の態様にしたがって、封入体からの可溶性の組換えにより発現された蛋白質の回収のための方法が提供される。本方法は、適切な可溶化剤を用いて蛋白質を封入体から放出する段階、溶液を結合pHに調整する段階、及び蛋白質を結合させるために溶液をシリコンカーバイドに接触させる段階を含む。シリコンカーバイドは洗浄されてもよく、蛋白質は、溶出pHにおいてシリコンカーバイドから溶出される。11から12の溶出pHが好ましい。
適切な可溶化剤は、グアニジウムイソチオシアネート、塩酸グアニジウム、及び尿のような変性可溶化剤、ならびに3-(1-ピリジノ)-1-プロパンスルフォネート及びジメチルベンジルアンモニウムプロパンスルフォネートを含むスルフォベタインのような非変性可溶化剤を含む。
塩酸グアニジウムが6〜8Mの濃度で可溶化剤として用いられる場合、蛋白質のplよりも高い結合pHに調整された溶液をシリコンカーバイドに接触させて、蛋白質に結合させる前に、好ましくは段階的な方法により、発現蛋白質の得られた溶液を約0.75から約1Mの濃度の塩酸グアニジウムに希釈することが好ましいことが見出された。シリコンカーバイドは、好ましくは同じpHで洗浄され、その後、溶出pHにおける蛋白質の溶出に続く。
非変性スルフォベタインは、1〜2Mのスルフォベタインの濃度を与えるために、その蛋白質のplよりも低い結合pHに調整された発現された蛋白質の溶液に添加されてもよく、溶液はシリコンカーバイドに接触され、その後、前記のように洗浄及び溶出に続く。
本発明の方法に使用するため、任意の型のシリコンカーバイド粉末を使用してもよい。直径約5μから約20μの範囲の粒子径のシリコンカーバイドが好ましい。約5.5μから約10μの範囲の粒子径が特に好ましい。
実施例
実施例は、本発明を説明する目的で開示されるものであって、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
化学ならびに蛋白質及びペプチド生化学の方法は、本開示において明示してはいないが、科学雑誌において複数の例が報告され、当業者に良く知られているものを意味する。
材料
シリコンカーバイド
シリコンカーバイド1000又は1500グレードグリット(昭和電工、大阪、日本)は、ごみ及び他の外来物質を取り除くために脱イオン化された蒸留水で最低3回、洗浄され、その後、オートクレーブにより滅菌された。滅菌された材料は、必要になるまで、室温で水中に保存された。
シリコンカーバイドの汚染物質への暴露を減少させるために、好ましくは、滅菌条件下での使用のためにアリコートを移動する。
結合溶液及び洗浄溶液
結合溶液は、50mM酢酸ナトリウム、pH4.5〜7、又は50mMトリス、pH7〜10であった。結合溶液は2倍の濃度で調製され、蛋白質溶液と1対1の体積比で混合された。
溶出溶液
溶出溶液は、1mM EDTA、50mMトリス、pH11〜12であった。
実施例1:ウシ血清アルブミンの結合
ウシ血清アルブミン(molecular biology grade BSA:Sigma Aldrich)の溶液を、必要なpH(pH3.5、4.0、5.5、6.0又は7.0)において、ストックBSA溶液(水を溶媒として10mg/mL)を100mM 酢酸ナトリウム緩衝液の等量で希釈することにより、様々なpHの緩衝液に調製した。シリコンカーバイドのアリコートは、シリコンカーバイドを適当なpHの酢酸ナトリウム緩衝液で3回洗浄することにより、これらのpHの各々に平衡化された。
各々のBSA溶液は、0.5mgBSA:0.5mg(乾燥重量)シリコンカーバイドの比でスラリーを形成するために同じpHに平衡化したシリコンカーバイドとプラスティック製マイクロヒュージチューブ中で混合され、さらなる混合をすることなく、BSAを室温で5分間、シリコンカーバイドへに結合させた。
スラリーを、その後、1分間1000×g、続いて、4分間15000×gで遠心分離した。ペレット化したシリコンカーバイドを、適当なpHの酢酸ナトリウム緩衝液で1回洗浄し、同条件下で遠心分離することにより再ペレット化した。
結合したBSAは、後者の1mL 10mMトリス:1mM EDTA、pH12.0を再懸濁すること、及び1分間、手短に混合することによって、シリコンカーバイドから溶出された。15000×gの遠心分離後、溶出物を取り除いた。溶出物において回収された蛋白質は、280nmの分光測光法により決定された。図1は様々な結合pHにおける蛋白質の回収を示す。
約4.0から約5.0の範囲のpHにおいてシリコンカーバイドへの結合が行われた場合、BSAの回収は最大であった。
実施例2:ウシ血清からのBSAの精製
細胞培養培地における添加物として通常使用される市販のウシ血清(CanSera Toronto、ON)は、実施例1で確立された条件を用いて、ウシ血清アルブミンを精製するシリコンカーバイドの能力を示すために用いられた。
ウシ血清(0.2ml)は、血清の一部と2倍濃度の緩衝液の一部を混合することにより、pH5で酢酸ナトリウム緩衝液に希釈され、泡が形成されないように穏やかに撹拌することによって混合した。溶液(0.4ml)はその後、対応するpHの緩衝液で予め洗浄された0.5gのシリコンカーバイドと混合され、室温で5分間インキュベートされた。結合蛋白質を有するペレットを収集するために、混合チューブを1分間1,000×g、その後、4分間15,000×gで遠心分離した。ペレットは、その後、適切なpHの酢酸ナトリウム緩衝液で1回洗浄され、同条件下で遠心分離により再ペレット化された。溶出は、pH7.5又は12.0であった。
図2は、SDS-PAGEにより解析された精製の結果を示す。バンドは、クマーシーブルー染色により検出された。レーンSは全血清を含んでいた。血清は、60%までのアルブミンを含み、SDS-PAGE上の最も目立ったバンドとして表れる。BSAの分子量は66キロダルトンである。レーンE1はpH7.5でシリコンカーバイドからの溶出によって回収された精製アルブミンであった。レーンE2は、pH12.0の溶出によって回収された蛋白質であった。レーンMは、分子量マーカー(New England Biolabs)であった。
実施例3:シリコンカーバイドで精製された酵素の生物学的活性
ウサギ免疫グロブリン(IgG+IgM; Jackson Laboratoriesから購入;pl 5.8〜7.3)の混合物に結合するアルカリフォスファターゼの生物学的活性は、シリコンカーバイドからの蛋白質の結合及び溶出の前後に調査された。免疫グロブリン/フォスファターゼ結合物の50μgアリコートを、pH4、5及び6において結合緩衝液と混合し、スピンカラムの0.5gのシリコンカーバイドと接触させ、溶出溶媒による溶出へと続けた。蛋白質の回収は図3に示す。
回収されたアルカリフォスファターゼ/免疫グロブリンの結合物のアルカリフォスファターゼ活性は、標準的な比色分析のアルカリフォスファターゼアッセイ法(Sigma Immuno Chemicals, product N-2765)を用いて決定された。図4は、pH4(黒四角)、pH5(黒三角)、及びpH6(×)における結合後に溶出した蛋白質の活性を示す。その結果は、全ての回収された蛋白質が活性を有していることを示し、このことは、シリコンカーバイドを用いた精製方法は、蛋白質の構造及び酵素活性を維持することを示している。
実施例4:様々なpHでシリコンカーバイドに結合するリゾチームの回収
ニワトリ卵白リゾチーム(pl 10.76)のアリコートは、50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH5もしくは7、または50mMトリス緩衝液pH10に、1mg/mLの濃度で溶解され、実施例1に記載されるpHでシリコンカーバイドへ結合された。同じ結合緩衝液で洗浄した後、実施例1に開示されるように、蛋白質はpH12において溶出された。回収された蛋白質量は、280nm波長の分光光度的な吸光度により決定された。その結果は図5に示される。回収の最大値は、結合がpH10において行われたときに見られた。
実施例5:シリコンカーバイドへの3つの蛋白質の結合プロファイル
3つの蛋白質(ウシ血清アルブミン(Sigma Aldrich)、ニワトリ卵白リゾチーム(Sigma)、及び膵臓ブタα-アミラーゼ(Sigma))を、各々、スピンカラム技術を用いて、様々なpHにおいてシリコンカーバイドに結合させた。結合量は、インプット量とフロースルーに残る蛋白質量との間の差として計算された。結合は、4から10の範囲のpHにおいて、1pHユニットの増大でなされた。結合プロファイルは図6に示される。
様々なpHにおける、ウシ血清アルブミン(BSA)、ニワトリ卵白リゾチーム、及びブタアミラーゼの正味電荷もまた、Genbankに見られるこれらの蛋白質のアミノ酸組成を用いて、Lehninger(上記)に記載されるように計算された。この計算は、L'Atelier Bio Informatique de Marseille(A.B.I.M.)、Universite de Provence、France at http://www.up.univ-mrs.fr/〜wabim/d_abim/compo-p.html.により提供された自動化された方法によって簡便に行うことができる。
BSA:Genbankアクセッション番号CAA76847;理論的pl 5.71;
ニワトリ卵白リゾチーム:Genbankアクセッション番号230896;推定MW 14,313.07;理論的pl 10.76;
ブタα-アミラーゼ:Genbankアクセッション番号ALGP;推定MW 55,474.89;見かけのMW 50,000;理論的pl 5.73
様々なpHにおけるこれら3つの蛋白質の計算された正味電荷プロファイルを、図7に示す。この図と図6の結合プロファイルとの比較は、蛋白質が正味の正の電荷、即ち、蛋白質のplより低い電荷を有する範囲のpHにおいて、シリコンカーバイドへ結合している蛋白質が最大になることを示した。
実施例6:カオトロープの存在下における結合
様々なpHでのシリコンカーバイドとウシ血清アルブミンとの結合を、スピンカラムを用いて、カオトロープ、塩酸グアニジニウム(0.75M)の存在下又は非存在下において調査した。先に決定したように、シリコンカーバイドとBSAの結合は、pHがpH6よりも高くなった場合に、急激に低下した。対照的に、図8に示されるように、カオトロープの存在下、BSAとシリコンカーバイドの結合は、pHがpH7よりも高くなった場合に、増加した。
実施例7:ペプチドの結合
ポリリジン(Sigma Aldrich: MW 3,100; 約23リジン残基)及びポリアルギニン(Sigma Aldrich: MW 500; 約54アルギニン残基)は高いpl(推定pl ポリリジン 11.2、ポリアルギニン>13)を有し、広範囲のpH値においてシリコンカーバイドに結合することが見いだされた。
ペプチドは、10mg/mLの濃度で、50mM酢酸ナトリウムpH6.0、又は50mMトリスpH8.0に溶解され、0.5mgペプチド対0.5gシリコンカーバイドの重量比でスピンカラムにおいてシリコンカーバイドに結合した。結合したペプチドの正味の量は、比色分析のニンヒドリン-ベースのアッセイ法(Doi,E.,Shibata,D.及びMatoba,T.,(1981)、「Modified Colorimetric Ninhydrin Methods for Peptidase Assay」、Analytical Biochemistry 118:173-184)を用いて決定された。図9は、いずれのペプチドにとっても、pH6よりもpH8の方が、結合している全ペプチドの比率が高いことを示す。
結合したペプチドはpH4又はpH12のいずれかで溶出された。図10は、溶出したペプチドの量はpH12の方が一貫して高かったことを示す。
実施例8:封入体からの組換え蛋白質の精製
組換えにより発現された子ウシ胸腺リボヌクレアーゼAの精製は、シリコンカーバイドへの結合によって行われた。組換え蛋白質のplは、実施例4に記載されるように計算され、6.4であることがわかった。
子ウシ胸腺リボヌクレアーゼA蛋白質(Genbankアクセッション番号230917の配列から構築される)の発現ベクターを有する大腸菌細胞を、IPTGによる発現の誘導によりA600が0.6〜0.7になるまで、1リットルのLB培地中で増殖させた。対照の培養物は誘導しなかった。
誘導された培養物又は誘導されない培養物1リットルからの細菌細胞を、遠心分離(10,000×g、20分、4℃)によって収集し、50mlの洗浄溶液(20mMトリス、pH7.5、1mM EDTA、20%ショ糖)に再懸濁し、氷上で10分間インキュベーションした。細胞は遠心分離によりペレット化され、その後、50mlの氷冷水に再懸濁された。その後、懸濁液を氷上で10分間インキュベーションした。細胞を再び遠心分理により収集し、10mlの溶解緩衝液(5mM EDTA及び1×フェニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF;Sigma-Aldrich)を含むリン酸緩衝生理食塩水)で再懸濁に再懸濁した。懸濁液は、液体窒素で凍結し、素早く42℃の水浴中で融解される、3サイクルが実施された。懸濁液を、さらに超音波(50W 20秒ポーズの30秒パルス)で処理した。40μg/mlで調製された10mlのDNAselは、10分間、懸濁液に加えられた。混合液を希釈するために、混合液に他の40mLの溶解緩衝液が加えられた。
封入体を遠心分離(16,000×g、30分、4℃)によりペレット化し、ペレットを10分間インキュベートし、25%ショ糖、5mM EDTA、1%Triton-Xを含む40mlのPBSで洗浄した。封入体を、遠心分離によりペレット化し、洗浄工程を繰り返した。
封入体を含む洗浄されたペレットを、8M塩酸グアニジウム、5mM EDTAを含む10mlの50mMトリス-塩酸 pH9.0に可溶化した。不溶性の微粒子を取り除くために、溶液を遠心分離(16,000×g、30分、4℃)した。浄化された溶液を、その後、塩酸グアニジウムの最終濃度が1Mとなるように、50mMトリス-塩酸 pH9.0の1容量で3つの段階において連続的に希釈した。得られた溶液は、精製方法の「カラム」フォーマットを用いて、500gのシリコンカーバイドに対する400μlの蛋白質溶液の比において、スピンカラムにおけるシリコンカーバイドに適用された。液相は、室温で5分間、固相に相互作用させて、その後、1分間、15,000×gでベンチトップの微量遠心管で遠心分離した。結合した蛋白質を含む固相を、50mMトリス-塩酸 pH8.0、1M塩酸グアニジウムで1回洗浄し、遠心分離の後、塩酸グアニジウムを含まない同緩衝液で一回洗浄した。結合蛋白質は、シリコンカーバイドの上に溶出緩衝液で層を形成することにより、100μlの50mMトリス pH12で溶出され、その後、遠心分離された。
クマーシーブルー染色(図11)によるSDS-PAGEは、非誘導細胞(レーンU)及び誘導細胞(レーンI)からの可溶化した封入体、ならびにシリコンカーバイド(レーンR;分子量13.7キロダルトン)から回収された精製リボヌクレアーゼAの解析のために用いられた。分子量マーカーバンド(レーンM)のサイズは表示されている。回収された精製リボヌクレアーゼAのバンドは、レーンIに見られる誘導されたバンドに相当する。回収された酵素は、大腸菌RNAに対する正常なRNAaseA活性を示した(データは示さず)。
実施例9
スピンカラム(Axigen Scientific)はシリコンカーバイド(グリットサイズ2500)の25mgを含んで調製された。市販のBSA(Sigma)は、様々な濃度で50mM酢酸ナトリウムpH4.5に溶解され、2.5μg、5.0μg、10.0μg、15.0μg、25.0μg、40.0μg、60.0μg、80.0μg、100.0μg及び150.0μgのBSAを各々含むこれらの溶液のアリコート250μlが、分離されたカラムに加えられた。カラムは、1分間、15,000×gでスピンされ、その後、同酢酸緩衝液で2回洗浄され、各々の洗浄段階で遠心分離された。カラムは25μlの100mMトリスpH12(溶出E1及びE2と示す)で2回溶出された。各々の溶出物の蛋白質の内容物は、Bio-Radプロテインアッセイ法によって決定され、全蛋白質の回収が計算された。その結果は、表1及び図12に示される。
Figure 2005519032
BSAのインプット量の溶出物に対するデータポイント(溶出1及び2の組み合わせ)をプロットした。典型的な双曲線カーブが観察され、0.9093の関係計数を得るためにJandel SigmaPlotのプログラムを用いてデータポイントをフィットした。双曲線の回帰のパラメーターはグラフに示されるとおりである。初期投与の反応速度は、直線に最初の6データポイントをフィットさせることにより決定され、0.9974の関係計数が得られた。
本実験は、インプット量がカラムの直線範囲内である場合に、結合したBSAの高効率の回収が得られることを示す。
本発明の好ましい態様は、本明細書に詳細に開示してきたが、本発明の精神を逸脱することなく、改変されうることが当業者に理解されると思われる。
シリコンカーバイドからのBSA回収における結合pHの効果を示す。Y軸は全インプット量に対する、回収された蛋白質%を示す。 標準分子量マーカー(レーンM)と比較した、pH7.5におけるシリコンカーバイドからの溶出物(レーンE1)及びpH12.0において溶出する蛋白質(レーンE2)と共に、全てのウシ血清(レーンS)、本発明の方法により精製されたBSAのSDS-PAGEゲルのスキャンを示す。 シリコンカーバイドからのヤギ免疫グロブリン/アルカリホスファターゼ結合物の回収における結合pHの効果を示す。Y軸は、全インプット量に対する、回収された蛋白質%を示す。 pH4(黒三角)、pH5(黒四角)、及びpH6(×)における結合後のシリコンカーバイドから回収された免疫グロブリン/アルカリホスファターゼ結合物におけるアルカリホスファターゼ活性を示す。アルカリホスファターゼ活性は、分(X軸)として経時的に410nmにおける吸収(Y軸)として示される。 示されたpHにおける結合後のシリコンカーバイドにおける精製によるリゾチームの回収%を示す。 示されたpHにおけるBSA(黒菱形)、リゾチーム(黒四角)、及びアミラーゼ(黒三角)のシリコンカーバイドへの結合%を示す。 pH1から14の範囲におけるBSA、リゾチーム、及びアミラーゼの、計算された正味電荷プロファイルを示す。 0.75M塩酸グアニジウムの存在下(黒四角)又は非存在下(黒菱形)において、さまざまな結合pHでシリコンカーバイドに結合するBSA%を示す。 結合pH6又は8においてシリコンカーバイドに結合するペプチド%を示す。 pH6(明るい影のバー)又は8(暗い影のバー)における結合後、溶出pH4又は12においてシリコンカーバイドから溶出されるペプチド%を示す。 標準分子量マーカー(レーンM)と比較した、非誘導大腸菌細胞(レーンU)、又はリボヌクレアーゼAを発現するように誘導された細胞(レーンI)からの可溶化した封入体由来の蛋白質、及び誘導された細胞の封入体から精製され、シリコンカーバイドにおいて精製されたリボヌクレアーゼA(MW 13.7kDa、レーンR)のSDS-PAGE解析のスキャンを示す。 様々なカラムローディングにおける、シリコンカーバイドからのBSA回収を示す。

Claims (27)

  1. 少なくとも一つの蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドに結合させるため、少なくとも一つの蛋白質又はペプチドの結合pHにおいて、少なくとも一つの蛋白質又はペプチドを含む溶液をシリコンカーバイドに接触させる段階、及び少なくとも一つの蛋白質又はペプチドをシリコンカーバイドから溶出させる段階を含む、少なくとも一つの蛋白質又はペプチドを溶液から回収する方法。
  2. 選択された蛋白質又はペプチドを溶液から回収する、請求項1記載の方法。
  3. 結合pHが、選択された蛋白質又はペプチドの等電点よりも低い、請求項2記載の方法。
  4. 結合pHが、選択された蛋白質又はペプチドの等電点よりも少なくとも約0.5pHユニット低く、且つ約pH4よりも大きい、請求項3記載の方法。
  5. 蛋白質又はペプチドの等電点よりも少なくとも約1pHユニット高い溶出pHにおいて、蛋白質又はペプチドが溶出される、請求項2から4のいずれか一項記載の方法。
  6. 選択された蛋白質が血清アルブミンであり、結合pHがpH5.0であり、且つ溶出pHがpH7.5である、請求項5記載の方法。
  7. カオトロープの存在下、蛋白質又はペプチドを含む溶液をシリコンカーバイドに接触させ、結合pHが蛋白質又はペプチドの等電点よりも高い、請求項2記載の方法。
  8. 結合pHがplよりも少なくとも約0.5pHユニット高い、請求項7記載の方法。
  9. 蛋白質又はペプチドが約pH5.0よりも大きなplを有する、請求項1から5のいずれか一項記載の方法。
  10. 蛋白質又はペプチドが、血清アルブミン、リゾチーム、及び免疫グロブリンからなる群より選択される、請求項2から5のいずれか一項記載の方法。
  11. 蛋白質又はペプチドが約pH5.0よりも低いplを有する、請求項7または8記載の方法。
  12. 蛋白質又はペプチドがリン蛋白質である、請求項7または8記載の方法。
  13. 溶液が細胞溶解物を含む方法であって、細胞溶解物から全蛋白質を回収する、請求項1記載の方法。
  14. 結合pHが細胞溶解物に含まれる蛋白質の等電点よりも低いpHである、請求項13記載の方法。
  15. 結合pHが約pH4.0である、請求項13または14記載の方法。
  16. 溶出pHが細胞溶解物に含まれる蛋白質の等電点よりも高いpHである、請求項13または14記載の方法。
  17. 溶出pHが約pH12.0である、請求項13から16のいずれか一項記載の方法。
  18. 少なくとも一つの蛋白質又はペプチドが、組換え宿主において発現した組換え蛋白質であって且つ封入体に隔離されたものであり、組換え蛋白質を含む溶液を提供するために、組換え蛋白質を含む封入体を可溶化剤に接触させる最初の段階を含む方法であって、その後、蛋白質の結合pHにおいて、該溶液をシリコンカーバイドに接触させる段階に続く、請求項1記載の方法。
  19. 可溶化剤が変性可溶化剤である、請求項18記載の方法。
  20. 可溶化剤が尿素である、請求項19記載の方法。
  21. 可溶化剤がグアニジウムイソシアネート又は塩酸グアニジウムであり、最初の溶液が、シリコンカーバイドに接触される前に約6倍から約10倍に希釈される、請求項19記載の方法。
  22. 可溶化剤が非変性可溶化剤である、請求項18記載の方法。
  23. 可溶化剤がスルホベタインである、請求項22記載の方法。
  24. 溶液とシリコンカーバイドとのスラリーを調製することにより、溶液をシリコンカーバイドに接触させる、請求項1から23のいずれか一項記載の方法。
  25. 溶液を支持体に含まれるシリコンカーバイドに接触させる、請求項1から23のいずれか一項記載の方法。
  26. シリコンカーバイドがスピンカラムに含まれる、請求項25記載の方法。
  27. シリコンカーバイドが約5μから約20μの範囲の粒子サイズを有する、請求項1から26のいずれか一項記載の方法。
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