JP2005517381A - Wit3.0、軟組織創傷治癒を制御する新規遺伝子 - Google Patents

Wit3.0、軟組織創傷治癒を制御する新規遺伝子 Download PDF

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Abstract

本発明は、非創傷口腔粘膜細胞における低発現と比較して、創傷口腔粘膜細胞において示差的に発現している特異的遺伝子であるWit 3.0アルファおよびベータ配列を提供することにより、創傷治癒を向上させ、ひいては組織拘縮および線維形成によって引き起こされる異常な瘢痕を抑制/予防する処置方法を提供する。 本発明の一つの特徴は、アンチセンス核酸技術を用いて軟組織創傷を処置する方法にある。 本発明の別の特徴は、センス核酸技術を用いて軟組織創傷を処置する方法にある。 これらの方法においては、Wit 3.0 アルファおよび/もしくはベータ配列と85%よりも高い一致度を有するか、またはその推定アミノ酸配列と90%よりも高い一致度を有する相補的核酸配列を用いることができる。

Description

本発明は、一般に、新規遺伝子Wit 3.0の同定、および創傷治癒におけるその使用に関する。 さらに詳細には、本発明は、成人皮膚の創傷治癒、軟組織創傷治癒および口腔粘膜創傷治癒など、これらに限定されるものではないが、これらを含めた処置の方法および組成物に関するものである。
具体的には、本発明において、創傷治癒を行っている口腔粘膜組織において特異的に発現されているWit 3.0遺伝子を同定および認識する。
本発明はまた、切開性および/または切除性の軟組織創傷に、Wit 3.0を投与する方法も提供する。 Wit 3.0の送達は、アンチセンス形態か、あるいはセンス形態による。
定義上、創傷は、侵入する微生物に対する防御の最前線に位置する正常な上皮性関門を破壊する。 創傷治癒は、一般的に、手術または組織に対するその他の傷害の後に起こり、損傷した組織の構造的な完全性を復元する、細胞性および分子性の事象の複雑な組み合わせが関与するものである。 傷害または施術時の切開の後、創傷修復には主に三段階が存在する。 初発期は、切開後の最初の24乃至48時間後の間に起こるものであり、血液凝固、炎症および初期創傷閉包によって特徴付けられる。 中期は、切開後の最初の一週間の間に起こるものであり、細胞増殖および肉芽組織の形成によって特徴付けられる。 肉芽組織は、創傷または潰瘍などのような、皮のむけた面の上に形成される、小さく、赤い、粒状突起として出現する。 肉芽形性は、治癒のプロセスである。 かかる中期は、新血管形成、または血管新生に依存するものである。 最終期は、数週間で起こり、治癒と修復のプロセスに向かうもので、結合組織合成とリモデリングによって特徴付けられる。
休止組織における線維芽細胞は、最小限の生合成活性を行っている、静止、不動細胞である。 創傷の後、これらの細胞は増殖し、創傷領域に移行して、そこで平滑筋に類似した、コラーゲンを含めた新結合組織基質を合成および拘縮する。 治癒が完了すれば、創傷線維芽細胞は、再度休止状態となり、アポトーシスによって消失する。
傷害部位への線維芽細胞の移行と、それに続く線維芽細胞の増殖は、様々な増殖因子(すなわち、上皮成長因子−EGF、線維芽細胞増殖因子−FGF、トランスフォーミング成長因子−TGF-ベータ)による刺激を受ける。 これらの因子は、コラーゲンおよびプロテオグリカンなどの細胞外基質成分の合成および分泌も刺激する。 同時に、新血管の確立(血管新生)が起こり、線維芽細胞増殖因子(FGF)および血管内皮成長因子(VEGF)によって刺激される。
治癒が進行するにつれて、活性線維芽細胞の数が減少し、コラーゲンなどの細胞外基質成分が増加し、そして、血管の集中度が低下する。 このプロセス中に、瘢痕の領域が固定化され、コラーゲン繊維が無秩序に近い状態で沈積する。
たとえば、縁部が縫合によって近づけられている清潔で未感染の切開部の治癒は、縁部が凝固血によって満たされた時点で始まる。 表面の凝固血は脱水して瘡蓋を形成し、一日のうちに表皮が肥厚する。 数日後には、切開空間を肉芽組織が占有し始め、2〜3日で空間内を満たす。 もっと大きな切開または創傷の場合、細胞および傷害部位の組織の喪失が大きく、創傷拘縮は筋線維芽細胞によって媒介される。
したがって、これら細胞性および分子性形成の不具合によって異常な瘢痕ができる。 異常な瘢痕の例として、ケロイド形成(突出した瘢痕を創出する、正常より大量のコラーゲンの創傷部位での蓄積)、肉芽(上皮再形成を阻止する肉芽組織の量の異常な増加)、拘縮形成(正常範囲の動きを制限し得る、望ましくない、定着した硬質瘢痕を生じさせる固定化組織)、および線維形成(拡張創傷における筋線維芽細胞活性に起因する異常な結合組織)が挙げられる。
他の因子もまた、正常な創傷治癒機構を損なう。 特に、全身性疾患、投薬、ならびに喫煙および食事などの行動要因が、正常な修復応答を妨げ得る。 たとえば、糖尿病および末梢血管疾患は、コラーゲンなどの健常肉芽組織の形成の障害となる。 免疫抑制剤などの投薬は、炎症性応答を阻害し、創傷治癒を遅延し得るものである。 たとえば、コルチコステロイドは、二重効果、すなわち、リンパ球機能を阻害し、そしてコラーゲンなどの皮膚構造タンパク質の合成を阻害する効果を有する免疫抑制剤である。
胎児の皮膚および口腔粘膜では、最低限の瘢痕しか残らないことが広く認識されてきている。 これらの組織で生じた創傷は通常、初期のうち、つまり、24乃至48時間以内に創傷辺縁の活発な接近に起因するとも考えられている、迅速な初期創傷閉包を呈する。 これに対して、成人の皮膚の創傷は、胎児皮膚および口腔粘膜ほど迅速には閉包しない。
成人皮膚の創傷は、初期創傷閉包機構を欠き、後の治癒段階において過剰な組織拘縮および/または線維形成を起こす傾向があるとも考えられている。 胎児皮膚および口腔粘膜の場合と同様の活発な接近は、成人の場合、縫合配置によって成し遂げられることができる。 たとえば、うまく縫合された創傷は、正常な皮膚の約70%の強度を有している。
しかしながら、胎児皮膚および口腔粘膜では最低限の瘢痕しか観察されず、胎児皮膚および口腔粘膜の創傷閉包に関わる分子機構は、未だ解明されていない。
現今、高齢者の三分の一は、片方または両方の顎において無歯(歯がない)である。 創傷治癒の結果として形成される無歯粘膜は、歯が除去された部位を覆う口腔粘膜の一部である。 抜歯の際の創傷治癒プロセスは、上記説明のごとき、典型的な軟組織創傷治癒の場合と同様の経時的且つ生理学的パターンをたどるものと考えられる。
創傷の治癒効果を最大ならしめるためには、創傷での細胞の増殖と生合成活性を刺激する成長因子および小ペプチドを単離および特徴付けしなければならない。 血小板由来成長因子(PDGF)およびトランスフォーミング成長因子(TGFβ)を含めたいくつかの異なる成長因子を含有する既存の医薬クリーム製剤は、クリームの由来が、単一の細胞タイプよりも多様であるため、無歯口腔粘膜において発生している状態を寛解させることはない。
様々な成長因子を含有する既存製剤の別の不利な点は、創傷治癒において最大に恩恵をもたらす(単数または複数の)特定の因子を明確に決定できないことにある。 さらに、複数の成長因子の効果は、離間臓器に対して潜在的に有害なものとなるかもしれない。 主な例として、血管原性成長因子は、血管の増殖を増強し、しかして創傷の修復を増強する。 しかしながら、これら同じ因子は、良性および悪性のいずれの腫瘍の成長も促進するなど、望ましくない領域での新血管新生も増強し得るのである。
このように、改良された処置は、活性薬剤を含み、これが創傷領域で、または創傷領域近傍で局所的に発現される。 かかる薬剤は、傷害の局部にて創傷治癒を増強するが、近傍の正常な健常組織に対しては有害でない。
別の改良された処置では、非創傷組織に対する望ましくない効果を最小ならしめるように活性薬剤が投与される。 たとえば、活性薬剤を局在化および制限して、因子の放出を創傷部位に限定する投与方法がある。
本発明の一般的な目的は、創傷治癒を向上させ、そして、組織拘縮および線維形成によって引き起こされる異常な瘢痕を抑制/予防する処置方法を提供することである。
本発明の一つの特徴によれば、前記およびその他の目的は、非創傷口腔粘膜細胞における低発現に比して、創傷口腔粘膜細胞において示差的に発現している特異的遺伝子であるWit 3.0アルファ、すなわち、配列番号:1を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記およびその他の目的は、非創傷口腔粘膜細胞における低発現と比較して、創傷口腔粘膜細胞において示差的に発現する特異的遺伝子であるWit 3.0ベータ、すなわち、配列番号:3を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記およびその他の目的は、アンチセンス核酸技術を用いて軟組織の創傷を処置する方法を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記およびその他の目的は、センス核酸技術を用いて軟組織の創傷を処置する方法を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1の配列と、または配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有する相補的核酸を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、さらに適切なキャリアを含む、配列番号:1の配列と、または配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有する相補的核酸配列を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1の遺伝子または配列番号:3の推定アミノ酸配列と、90%よりも高い一致度を有するアミノ酸配列を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、さらに適切なキャリアを含む、配列番号:1の遺伝子、または配列番号:3の推定アミノ酸配列と、90%よりも高い一致度を有するアミノ酸配列を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1の配列と、または配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有するポリヌクレオチド配列を含有する発現ベクター(CMV発現ベクターを含むが、これに限定されない)を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1の配列と、または配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有するポリヌクレオチド配列をさらに含む発現ベクターを含有する、遺伝子操作された宿主細胞であって、当該宿主細胞は原核生物細胞または真核生物細胞である細胞を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1および配列番号:1がコードするタンパク質、ならびに配列番号:3および配列番号:3がコードするタンパク質のアップレギュレーションを低減するアンチセンス核酸技術、および/または配列番号:1および/または配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有するヌクレオチド配列を使用して軟組織創傷治癒を向上させ、これにより軟組織瘢痕形成を予防する処置を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1、または配列番号:3によりコードされるペプチドの合成を増大させるセンス核酸技術、および/または配列番号:1、もしくは配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有するヌクレオチドを使用して軟組織創傷治癒を向上させ、これにより初期創傷辺縁の閉包を助長する処置を提供することによって果たされる。
本発明の他の特徴によれば、前記目的は、配列番号:1、または配列番号:3によりコードされるペプチドの合成を増大させるセンス核酸技術、および/または配列番号:1、または配列番号:3の配列と、85%よりも高い一致度を有するヌクレオチドを使用して無歯口腔粘膜創傷治癒を向上させ、これにより初期創傷辺縁の閉包を助長する処置を提供することによって果たされる。
本発明の前記特徴および多くのその他の特徴と、それに伴う利点は、添付の図面と共に考慮すれば、以下の詳細な説明の検討により明らかになるはずである。
本説明は、限定的に解釈されるべきでなく、本発明の一般原理の例示を目的とするものにすぎない。 以下の詳細な説明での表題および全体の構成は、便宜的な目的のものにすぎず、本発明の限定を意図するものでない。
無歯口腔粘膜創傷は、抜歯後速やかに拘縮する。 大きな創傷寸法に関わらず、抜歯が口腔粘膜に深刻な瘢痕を生じさせることはない。 しかしながら、修復、継続的な創傷治癒または創傷拘縮を行う他のほとんどの組織と違って、抜歯後の口腔粘膜の治癒では、歯槽突起の骨吸収が起こり得る。
したがって、創傷治癒の機構において機能するが、同時に、歯槽突起または骨組織(これらに限定されない)を含めた近傍の組織には有害な効果をもたらさない分子マーカーを同定することで、口腔粘膜において発生する独自の現象の改良された処置が可能となる。
創傷で誘導可能な転写物3.0(Wit 3.0)
本発明において、新規遺伝子である、創傷で誘導可能な転写物-3.0(Wit 3.0)を、抜歯後のラット無歯口腔粘膜線維芽細胞から単離、同定および特徴付けしている。 二つのアイソフォーム、Wit 3.0アルファ(配列番号:1、図1)およびWit 3.0ベータ(配列番号:3、図3)が決定されている。 Wit 3.0アルファcDNAの推定アミノ酸配列は、215アミノ酸のペプチドをコードしている(配列番号:2)。 一方、Wit 3.0ベータの推定アミノ酸配列は、253アミノ酸のペプチドをコードしている(配列番号:4)。 Wit 3.0アルファおよびベータの双方とも、示差的に発現されている遺伝子に由来する配列の同定を可能とする、ディファレンシャルディスプレイポリメラーゼ連鎖反応法を用いて単離される。
すなわち、当該技術分野で周知の標準的な分子技術を用いて単離されたRNAを、単鎖cDNAに逆転写する。 次いで、対のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーを使用して、いずれかの特定の細胞内でのRNA転写物のランダムサブセットを呈示しているクローンの増幅を可能とする。 PCRの条件は、異なるプライマー長、アニーリングおよび伸長温度ならびに反応時間を含め、増幅産物の収率と特異性を至適化するように選択される。 逆転写および二種の異なる細胞型のmRNAを増幅して得られるクローンのパターンは、シークエンシングゲル電気泳動にて現れ、そして比較される。 最後に核酸のバンド形成パターンの差異から、潜在的に示差的に発現されている遺伝子が示される。
本発明では、全長のWit 3.0アルファおよびベータ配列(配列番号:1および配列番号:3)を記載している。 しかしながら、配列番号:1、および/または配列番号:3と、85%よりも高い一致度を有するポリヌクレオチド、または配列番号:1および/または配列番号:3と、90%よりも高い一致度を有するポリペプチドまたはは推定アミノ酸のいかなるものも、本発明の特徴または原理に包含される。
Wit 3.0アルファおよびベータの同定、単離および特徴付けは、Sukotjo et al.にも記載されており、参考までに、その全体を本明細書に組み入れることとする。 Sukotjo et al. (2002) Molecular Cloning of the Wound Inducible Transcript (wit 3.0) Differentially Expressed in Edentulous Oral Mucosa Undergoing Tooth Extraction Wound-Healing (抜歯創傷治癒を行っている無歯口腔粘膜において示差的に発現されている創傷で誘導可能な転写物(wit 3.0)の分子クローニング), J. Dent. Res. 81(4): 229-235。
Wit 3.0アルファは無歯口腔粘膜に局在している
全長のWit 3.0アルファcDNAをプローブとして用いたノザンブロット分析にて、図5A、レーン1に示すように、Wit 3.0アルファが無歯口腔粘膜組織において発現されていることが示されている。 無歯口腔粘膜組織におけるmRNAは、約3.0kbのサイズである(図5A、レーン1)。 これに対して、歯肉組織由来のRNAを含有する試料に対して、同じWit 3.0 cDNAプローブをハイブリダイズさせると、遺伝子の発現は認められない(図5A、レーン2)。 かくして、Wit 3.0アルファの発現は、無歯口腔粘膜細胞に特異的であり、近傍の歯肉細胞には存在していない。 Wit 3.0アルファの存在に関し、プローブと組織の双方の特異性をさらに調べるために、図5Aに示すものと同じノザンブロットを剥がし、ハウスキーピング遺伝子であるグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)で、再度プローブ探針する。 図5Bは、GAPDHが、Wit 3.0アルファプローブと同じサイズのRNAとハイブリダイズしないことを示している。
無歯口腔粘膜組織試料を、抜歯後の組織を採集することによって調製し、この組織を、4%パラホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝性生理食塩水(PBS)中で灌流することによって固定する。 検体は、次いで、標準的な分子生物学技術による組織染色および切片上ハイブリダイゼーションのために調製される。 ベーリンガーマンハイム(インディアナポリス、インディアナ州)のジゴキシゲニンRNAラベリングキットを用いて、センスおよびアンチセンスプローブを調製する。 ヘマトキシリンおよびエオシン、またはニトロブルーテトラゾリウム(NBT)のいずれかを用いて、発色の検出を行う。 すべての検体を、顕微鏡下に観察する。
図6に、抜歯窩(S)に隣接する抜歯後口腔粘膜のヘマトキシリンおよびエオシン染色を示す。 上皮の増殖および移行ならびに活性な結合組織の再組織化が、破裂した歯肉の縁部で観察される。 図6における矢印は、抜歯窩(S)に隣接する浸潤した移動細胞(*)の隣に見出される結合組織線維を表している。
図7は、抜歯部位に隣接する線維芽細胞にて、陽性の切片上ハイブリダイゼーション(矢印)が観察されていることを示し、ここで抜歯窩(S)に隣接して、密集した線維組織が認められる。
Wit 3.0は細胞質で発現されている
Wit 3.0アルファの機能を検討するために、サイトメガロウイルス(CMV)発現ベクター(pCMV-2)を用いて、組み換えクローニングプラスミドを構築する。 正確なWit 3.0アルファの読み取り枠を、CMVプロモーターの下流に位置させる。 次いで、その組み換えCMVプラスミドで、NIH3T3線維芽細胞をトランスフェクトする。
図8Aのウェスタンブロット分析で示すように、CMV組み換えプラスミドでトランスフェクトしたNIH3T3線維芽細胞において、約40KDaのタンパク質が観察される。 さらに、Wit 3.0アルファは、ベータ−メルカプトエタノールの存在下(図8A、レーン1)および非存在下(図8A、レーン2)で処理した試料が、タンパク質の分子量の変化を示さないため、推定し得るジスルフィド結合を含むものではない。 Wit 3.0アルファは、細胞質(C)に大部分局在しており、核(N)には局在していない(図8Bを参照のこと)。 また、細胞質(C)のタンパク質(図8B)は、総細胞画分に見出されるもの(図8A)と同じ予測タンパク質のサイズである。
本発明を上記の好ましい実施態様によって説明してきたが、前記の好ましい実施態様に対する多くの修正および/または追加は、当業者に容易に明らかになるものであろう。
たとえば、本発明には、Wit 3.0アルファおよびベータ、すなわち配列番号:1および配列番号:3の全長のポリヌクレオチドを、それぞれCMVヌクレオチド調節エレメントに作動可能に会合させて、配列番号:1および/または配列番号:3と、85%よりも高い一致度を有するポリヌクレオチドの発現を制御することが記載されている。 配列番号:1および/または配列番号:3と、85%よりも高い一致度を有する一方で、発現を制御する他のヌクレオチド調節エレメントと作動可能に会合された、配列番号:1および/または配列番号:3と、85%よりも高い一致度を有するものと相補的なポリヌクレオチドが、本発明の特徴または原理である。
コラーゲン拘縮アッセイ
本発明において、コラーゲンゲルの拘縮が、コラーゲン拘縮をアッセイするために使用される。 生体外コラーゲン拘縮アッセイは、生体内での創傷拘縮のモデルとするために広く使用される。 たとえば、コラーゲンゲル懸濁液中の線維芽細胞は、細胞により媒介されるゲルの拘縮を行い、三次元的な組織様構造を形成する。 図9Aに示すように、コラーゲンの拘縮は、基質をペトリ皿または容器から実際に引き剥がす。 この拘縮機構は、生体内での創傷拘縮を模するものである。
興味深いことに、口腔粘膜線維芽細胞は、培養初期の12〜24時間の間に、真皮の線維芽細胞を含めたその他の型の線維芽細胞と比較して、より速い拘縮速度を示す。 加えて、口腔粘膜線維芽細胞は、創傷治癒促進因子であるTGF-β1の有無に関わらず、より迅速に拘縮を行う。 したがって、口腔粘膜線維芽細胞の中に、(単数または複数の)その他の創傷治癒促進因子、または(単数または複数の)活性薬剤がある。
例示の目的で、限定を意図しない以下の記載が、本発明の一以上の実施態様を包含する。
本発明が、これら特定の実施態様に限定されるものでないことは、理解されるべきである。
実施例1
コラーゲンゲル拘縮アッセイを用いて創傷拘縮におけるWit 3.0の機能を調べる。
NIH3T3細胞を、Wit 3.0アルファ組み換えCMVプラスミドでトランスフェクトし、そして、コラーゲンゲル基質に懸濁させる。 Wit 3.0アルファCMV組み換えプラスミドを持たないNIH3T3細胞を使用して、同様の実験を実施する。 18時間後、Wit 3.0アルファCMV組み換えプラスミドでトランスフェクトされたNIH3T3細胞は、トランスフェクトしていないNIH3T3細胞と比較して迅速なコラーゲンゲル拘縮を示す(図9A)。 36時間にわたる時間において、コラーゲン拘縮が最も効率的な時期を調べるために、コラーゲンゲル拘縮アッセイから定期的にデータを集める。
図9Bは、トランスフェクトされたNIH3T3細胞とトランスフェクトされていないNIH3T3細胞とに関して、コラーゲンゲル拘縮アッセイを比較した棒グラフである。 興味深いことに、最初の24時間において、Wit 3.0アルファでトランスフェクトされたNIH3T3細胞は、生体外におけるコラーゲンゲル拘縮の有意な促進を示している(p<0.05)。 このように、生体外でのコラーゲンゲル拘縮速度の増大は、生体内での傷害後の正常な結合組織修復を模するものである。
要約すると、これらの結果は、生体外で、Wit 3.0アルファが、推定上の創傷拘縮を通して軟組織創傷治癒に関与することを示唆するものである。 Wit 3.0アルファはまた、瘢痕を生じない創傷治癒に重要な、初期創傷の辺縁接近の分子機構を解明する新規な手がかりを提供する。
実施例2
口腔粘膜線維芽細胞への遺伝子送達システムの効率を調べる。
治療的な遺伝子送達における主要な課題の一つは、標的組織および細胞に特異的な遺伝子を送達して、遺伝子発現の持続時間を制御することにある。 「裸のDNA」を適用することが、慢性疾患を処置する上での有効な選択肢であることは良く知られている。 ヒトを含む哺乳動物に、裸のDNAおよびRNA配列を導入して、そのポリペプチドの発現制御を行うことは遺伝子療法において有用であるが、これに限定されるものではない。
これまでに、コラーゲンゲル送達システムを使用して、プラスミド遺伝子が移行することが明らかにされている。 この送達システムは、抜歯創傷治癒および/または顎堤増大手術に関わるスキームにおいて好適である。
実施例3
ラット口腔粘膜線維芽細胞を使用して、生体外コラーゲンゲル拘縮に対する
Wit 3.0アンチセンスおよびセンス核酸を含有する発現ベクターの効果を調べる。
抜歯創傷治癒の際に、口腔粘膜細胞でWit 3.0アルファの発現が増加することが示されている(図5Aおよび図7)。 さらに、創傷部位由来の線維芽細胞もまた、未処置部位由来の線維芽細胞に比較して、上昇した定常状態レベルのWit 3.0 mRNAを呈する(図5A)。
Sukotjo et al.を参照されたい。
アンチセンス組み換えプラスミド構築
Wit 3.0アルファの正確な読み取り枠のアンチセンス配列を含有する発現ベクター構築体を、pFLAG-CMV2(シグマ、St. Louis、ミズーリ州)にて作製する。 構築体を配列決定し、正しい方向性を調べて確認する。 Wit 3.0アルファを含有するセンス発現ベクター構築体も、同様に作製する。 Sukotjo et al.を参照されたい。
無歯口腔粘膜線維芽細胞の単離
Sprague-Dawleyラット(雄性、40日齢)に、12.96mg/100g体重のケタミン(フォートドッジラボラトリーインコーポレイテッド(Fort Dodge Laboratory, Inc.,)Fort Dodge、アイオワ州)および1.44mg/100g体重のキシラジン(マイルズインコーポレイテッド(Miles Inc.,) Shannee Mission、カンザス州)を筋肉内注射して、麻酔をかける。 特注の手術台上で、歯科用探針を用いて上顎右側臼歯の抜歯を実施する(Nishimura et al., 1987)。 7日間の治癒期間の後、ラットを屠殺し、治癒している無歯口腔粘膜および対側の未処置歯肉を採集して、クロストリジウム・ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)Aコラゲナーゼ(1mg/ml、ベーリンガーマンハイム、ドイツ)によって、別々に脱凝集させる。 線維芽細胞培養は、上記のとおりに維持する。 Sukotjo et al.を参照されたい。
生体外遺伝子送達
無歯口腔粘膜および正常歯肉由来の線維芽細胞を、1.5×105細胞数の濃度で、至適濃度のアンチセンス発現ベクター、センス発現ベクター、コントロールベクターを含有する、またはプラスミドDNA無しのコラーゲンゲルに、4℃にて混合させる。 コラーゲンゲル中の細胞を、6穴のプレート内で培養する。
コラーゲンゲル拘縮アッセイ
コラーゲンゲルの培養物を、標準化写真を撮影することによって、6時間毎にモニターする。 124時間後に、培養を停止する。 写真をデジタル化し、コラーゲンゲルの直径/面積を測定する(ImagePro Plus)。
実施例4
ラット抜歯モデルにおける口腔粘膜拘縮に対するWit 3.0遺伝子療法の効果を試験する。
アンチセンス遺伝子療法のための実験手順
本発明は、ストランド間のヌクレオチド配列の間の(特に、特定の特異的なWit 3.0アルファ転写物と、前記したそのアンチセンスプローブとの間の)共有結合形成による遺伝子療法の方法にも関する。
共有結合した細胞内転写物は翻訳には利用できないので、本発明はタンパク質合成を阻害するために使用することができる。 たとえば、アンチセンスプローブの濃度がトランスフェクトされた細胞中で高すぎる場合、プローブは標的遺伝子転写物のみならず、そのゲノムの相同性領域にも共有結合するはずであり、その結果、トランスフェクトされた細胞の複製が起こらなくなる。 対照的に、濃度が低すぎる場合、プローブは遺伝子転写物のほとんどを充分には阻止しないはずであり、その結果、翻訳の阻害のレベルが低下するかまたはゼロのレベルとなる。 このように、特異的細胞での特異的遺伝子の転写活性に依存して、至適濃度は変化するはずである。
この方法は主に、細胞における特異的な遺伝子の発現を阻害するために設計される。 アンチセンスプローブの、その相同性転写物との共有結合を使用した遺伝子療法の方法は、すでにLin et al., (2000)の米国特許第6,015,676号に記載されており、これを参考までにその全体を本明細書に組み入れることとする。
要約すると、本発明の好ましい実施態様は、1)アンチセンスとしてのプローブ配列の一本鎖化;2)抜歯前の2箇所参照点のマーキング;3)遺伝子活性化基質(GAM)などの送達キャリアを用いた、哺乳動物へのアンチセンスプローブの導入;4)なんらかの特異的塩基対同士の共有結合を形成する、(単数または複数の)標的遺伝子転写物とのアンチセンスプローブの細胞内ハイブリダイゼーション;および5)2箇所の参照点間の距離を測定して得られる遺伝子療法の効果の評価、に基づいたものである。
本明細書に記載の実施例は、本発明の一部の延長線上に位置づけられるものであって、本発明の多様な特徴および原理を限定しようとする意図は一切ない。
すなわち、以上の開示は、本発明の特定の例示的な実施態様に過ぎないのである。 よって、本発明が、これら特定の実施態様または実施例に限定されるべきでない、と理解されるべきである。
本発明の一つの好ましい実施態様において、配列番号:1および/または配列番号:3と、85%よりも高い一致度を有する核酸分子が提供される。
他の好ましい実施態様において、類似性検索は、データベースのあらゆる配列と照会配列(Wit 3.0)を整列させ、そして、各整列の質を計算するプロセスに基づくものである。
本発明では、基本整列検索ツールまたはBLASTと称される発見的プログラムを使用して類似性検索を実施する。 0.05または0.02よりも小さなBLAST期待値(E値)または評点を、有意であると考える。
さらに、タンパク質またはペプチドにおいて、そのタンパク質またはペプチドの高次構造または機能のいずれかを変えることなく、所定のアミノ酸の置換(「保存的な」アミノ酸置換と言われる)が、頻繁に行われ得る。 したがって、本発明の一つの実施態様には、イソロイシン(I)、バリンおよびロイシン(L)のいずれかを、これらアミノ酸の他のものに;アスパラギン酸(D)を、グルタミン酸(E)に、またその逆に;グルタミン(Q)を、アスパラギン(N)に、またその逆に;そして、セリンを、スレオニン(T)に、またその逆に置換する変更が包含される。 前記の置換は「保存的」と考えられるアミノ酸置換だけではない。 その他の置換も、特定のアミノ酸の環境に応じて保存的であると考えることができる。 たとえば、グリシン(G)とアラニン(A)とは交換可能であり、アラニンとバリンでも同様であり得る。 メチオニン(M)は、比較的疎水性であり、ロイシンおよびイソロイシンと交換でき、時に、バリンとも交換できる。 リジン(K)およびアルギニン(R)は、アミノ酸残基の重要な特徴がその電荷であり、そして、これら二つのアミノ酸残基の相違するpKが重要でないような配置にあっては、交換可能であることが多い。 システイン(C)は、ジスルフィド結合を形成するシステインの能力が望ましくないか、または不必要である場合のいずれかにあっては、セリンと置換できることが多い。 特別な環境において、さらにその他の変更を「保存的」であると考えることができる。
一つの好ましい実施態様において、配列番号:1および/または配列番号:3によってコードされるポリペプチドと、85%よりも高い一致度であるポリペプチドが提供される。
他の好ましい実施態様において、配列番号:1および/または配列番号:3のDNA配列とハイブリダイズする、つまりその相補体である、または配列番号:1および/または配列番号:3と、85%よりも高い一致度を有する核酸分子、好ましくはDNA分子が提供される。
これら核酸分子は、たとえば、標的遺伝子の調節において有用な、標的遺伝子アンチセンス分子として作用し得る。 本発明の一つの好ましい実施態様において、アンチセンスヌクレオチドは、ホスホジエステルオリゴデオキシヌクレオチドである。 しかしながら、非イオン性メチルホスホネートオリゴヌクレオチド類似体、ホスホロチオエート類、ホスホロジチオエート類、ホスホラミデートおよびペプチド核酸類(PNAs)を含めた他のヌクレオチドを使用してもよい。 Smith et al., 1986, Antiviral effect of an oligo (nuleoside methylphosphonate) complementary to the splice junction of herpes simplex virus type 1 immediate early pre-mRNAs 4 and 5(1型単純ヘルペスウイルス前初期プレmRNA 4および5のスプライス部位に相補的なオリゴ(ヌクレオシドメチルホスホネート)の抗ウイルス効果), Proc Natl. Acad. Sci. 83: 2787-2791; Eckstein, F., 1991, Phosphorothioates in molecular biology(分子生物学におけるホスホロチオエート類), Trends in Biol. Sci., 14: 97-100; Caruthers, M. H., 1985, Gene synthesis machines: DNA chemistry and its uses(遺伝子合成器:DNA化学およびその使用), Science, 230: 281-285。 さらに、ある好ましい実施態様において、これら核酸分子は、配列番号:1および/または配列番号:3によってコードされるペプチドの合成を増加させるセンス核酸技術を用いて、軟組織創傷治癒を向上させる処置を提供することにより、初期創傷辺縁の閉包を助長するように作用するかもしれない。
他の好ましい実施態様において、当該技術分野において周知の標準的な分子生物学技術を使用することにより、過度の実験をすることなく、その他の種におけるその他の配列が同定および単離され得る。
他の好ましい実施態様において、ゲノム内にあるその他の遺伝子座に、配列番号:1および/または配列番号:3の遺伝子配列の1つ以上のドメインと大きな一致度を有するタンパク質をコードするその他の遺伝子が存在しているかもしれない。 これらの遺伝子は、同様の分子生物学技術によって同定され得るものである。
したがって、本発明は、以上詳細に説明した、まさしくこれら実施態様に限定されるものではない。
本明細書は、本発明の特定の実施態様を記載しているが、当業者であれば、発明の要旨を逸脱することなく、本発明の変更態様を想到するであろう。
配列番号:1、創傷で誘導可能な転写物3.0 アルファ(Wit 3.0アルファ)のヌクレオチド配列である。 配列番号:1の推定アミノ酸配列(配列番号:2)である。 配列番号:3、創傷で誘導可能な転写物3.0 ベータ(Wit 3.0ベータ)のヌクレオチド配列である。 配列番号:3の推定アミノ酸配列(配列番号:4)である。 AおよびBは、ノザンブロット分析であり、1Aは、配列番号:1のDNA(Wit 3.0アルファ)が無歯口腔粘膜組織由来のおよそ3.0 kbのmRNAとハイブリダイズし(レーン1)、歯肉組織由来のmRNAとはハイブリダイズしない(レーン2)ことを示し、1Bは、GAPDHのDNAを用いたノザンブロットのコントロールである。 抜歯部位[S]に隣接する浸潤炎症細胞[*]の隣に認められる線維結合組織の領域を矢印で表した顕微鏡写真である。 配列番号:1のDNAアルファ(Wit 3.0アルファ)を用いた切片上ハイブリダイゼーションの顕微鏡写真である。 AおよびBは、配列番号:1のDNA(Wit 3.0)でトランスフェクトしたNIH3T3線維芽細胞の様々な画分を用いたウェスタンブロットである。 コントロールのNIH3T3線維芽細胞、および配列番号:1のDNA(Wit 3.0)を含有する発現プラスミドでトランスフェクトしたNIH3T3によるコラーゲンゲル拘縮を示す顕微鏡写真である。 配列番号:1のDNA(Wit 3.0)存在下および非存在下のNIH3T3線維芽細胞によるコラーゲンゲルの拘縮を評価する棒グラフである。

Claims (19)

  1. 創傷を治癒することができるタンパク質をコードする単離されたDNA分子であって、当該DNA分子は、
    (a)ラットWit 3.0アルファ(配列番号:1)および/またはベータならびに(配列番号:3)と、85%よりも高い一致度を有するポリヌクレオチド配列;または
    (b)配列番号:2および/または配列番号:4で示されるものと、90%よりも高い一致度を有するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;または
    (c)配列番号:1および/または配列番号:3のcDNAによってコードされるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、を含む。
  2. 前記DNA分子が、ラットWit 3.0アルファ(配列番号:1)および/またはベータ(配列番号:3)をコードするDNAと少なくとも70%、85%よりも高い一致度を有する請求項1に記載の単離されたDNA分子。
  3. 配列番号:1によってコードされる215アミノ酸からなるポリペプチド。
  4. 配列番号:3によってコードされる253アミノ酸からなるポリペプチド。
  5. 前記ポリペプチド分子が、配列番号:1によってコードされるポリペプチドと、90%よりも高い一致度を有する請求項3に記載のポリペプチド。
  6. 前記ポリペプチド分子が、配列番号:3によってコードされるポリペプチドと、90%よりも高い一致度を有する請求項4に記載のポリペプチド。
  7. 請求項1に記載のポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、単離されたポリヌクレオチドであって、
    (a)当該ポリヌクレオチドが、215アミノ酸および/または253アミノ酸を有するポリペプチドをコードし、かつ
    (b)当該ポリヌクレオチドが、抜歯を含めた創傷状態下の無歯口腔粘膜中またはその近傍に位置する口腔粘膜細胞によってアップレギュレートされるものである。
  8. DNAである請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  9. cDNAである請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  10. RNAである請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  11. 組成物であって、
    (a)請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド、および
    (b)キャリア、を含む組成物。
  12. 前記キャリアが、コラーゲンゲルまたは合成基質を含む有機基質である請求項11に記載の単離されたポリヌクレオチド。
  13. 請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドベクター。
  14. 宿主細胞におけるポリヌクレオチドの発現を制御するヌクレオチド制御エレメントと作動可能に会合している請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する、ポリヌクレオチドベクター。
  15. 請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する遺伝子操作された培養宿主細胞。
  16. 前記宿主細胞が、原核生物性または真核生物性である請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する遺伝子操作された培養宿主細胞。
  17. 宿主細胞におけるポリヌクレオチドの発現を制御するヌクレオチド制御エレメントと作動可能に会合している請求項1に記載のポリヌクレオチドを含有する、遺伝子操作された培養宿主細胞。
  18. アンチセンスオリゴヌクレオチドである請求項1に記載の化合物。
  19. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも一つの修飾ヌクレオシド間結合を含む請求項1に記載の化合物。
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