JP2005515164A - ベンゾキノンアンサマイシン - Google Patents

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Abstract

本発明は、所望されない細胞増殖または増殖亢進により特徴付けられる疾患または状態の処置における、化合物、それらの調製のための方法、およびそれらの中間体、ならびにそれらの化合物の使用のための方法を提供する。1つの局面において、本発明は、ゲルダナマイシンに関連する新規ベンゾキノンアンサマイシンを提供する。これらのアナログは、化学的操作および/または遺伝的操作を介して調製される。改善された溶解特性を有する化合物およびHsp90を結合するために最適化された構造を有する化合物もまた提供される。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、「Geldanamycin Analogs」と題された、米国特許仮出願番号60/310,079(2001年8月6日出願)および各々「Recombinant Geldanamycin Polyketide Synthase Genes」と題された、米国特許仮出願番号60/389,255(2002年6月14日出願);同60/393,929(2002年7月3日)(Atty.登録番号30097.02)に対する優先権を主張する。上記の文献は、その全体が、本明細書中に参考として援用される。
(政府権利の状態)
本発明は、一部、NIH助成金番号R43CA96262−01の下で作成された。合衆国政府は、本発明において特定の権利を有し得る。
(背景)
多くの潜在的な抗癌化合物の臨床的有用性は、非標的細胞に対する所望されない毒性により制限される。薬物の所望されない毒性は、代表的に、標的組織または作用機構のいずれかにおける、特異性の欠如に起因する。薬物標的が正常な組織および罹患した組織に存在する場合、正常な組織および罹患した組織が、薬物により影響され得る。薬物はまた、複数の毒性機構を有し得、その一方は、罹患した細胞に特異的であり、そして他方は、非特異的である。いずれの例においても、しばしば、正常な組織および罹患した組織に対する薬物の作用において、用量依存的な差異が存在し、罹患した組織に対する効果は、正常な組織に対する効果より低い濃度で観察される。従って、抗癌治療の主要な作用は、薬物が治療的有効であり、正常な組織に対する最小限の効果を有する投与量を決定することである。
第I期の臨床試験が、代表的に、潜在的な抗癌化合物の最大限耐性用量(MTD)(すなわち、毒性を引き起こすことなく安全に投与され得る最大用量)を決定するために用いられる。MTDと治療有効用量との差は、治療枠として知られている。多数の抗癌剤について、MTDは、治療有効量に非常に近い(すなわち、治療枠が非常に小さい)。MTDは、治療有効用量より低くさえあり、このことは、その薬物を臨床において使用不可能にする。
臨床的抗癌治療は、しばしば、有効性と所望されない毒性との間の繊細なバランスの達成を試みることを含む。罹患した組織に対する薬物の作用を助けながら、一方で、正常な組織に対する毒性に影響を与えない薬物は、MTDより十分に低い用量の薬物の有効な使用を可能にし、従って、治療枠を広げかつその治療の安全性および有効性を増強する。
ゲルダナマイシン(図1)は、Streptomyces geldanusから単離されたベンゾキノンアンサマイシンポリケチドである。元々は微生物抽出物の抗菌活性および抗ウイルス活性についてのスクリーニングにより発見されたが、ゲンタマイシンは、その後、インビトロで、特定の腫瘍細胞に対して細胞毒性であり、ラウス肉種ウイルスにより形質転換された細胞の形態を正常な状態に復帰させることが見出された。
腫瘍細胞依存性の異常なプロテインキナーゼに対する、ゲルダナマイシンのナノモーラーでの能力および見かけの特異性、ならびに哺乳動物におけるその主要な標的が、遍在するHsp90タンパク質シャペロンであるという発見は、この抗癌剤の開発における興味を刺激した。しかし、肝毒性とゲルダナマイシン投与との関連から、第I期臨床試験が取りやめられた。いくつかの他の有望な抗癌剤同様に、ゲルダナマイシンもまた、乏しい水溶性を有し、このことは、治療有効用量での送達を困難にする。
より最近では、Hsp90結合を維持しながら、減少した肝毒性を示す、ゲルダナマイシンの17−アミノ誘導体、特に17−(アリルアミノ)−17−(デスメトキシゲルダナマイシン(17−AAG;図1)に注目が集まってきた。ゲルダナマイシンの特定の17−アミノ誘導体(11−オキソゲルダナマイシン、および5,6−ジヒドロゲルダナマイシン)が、米国特許第4,261,989号;同第5,387,584号;および同第5,932,566号(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)において開示される。ゲルダナマイシン同様に、17−AAGは、制限された水溶性を有する。この特性は、可溶化キャリア(最も一般的には、Cremophore(登録商標)(BASF Aktiengesellschaft)、ポリエトキシル化ヒマシ油)の使用を要求するが、これはある患者において深刻な副作用を生じ得る。
ゲルダナマイシンまたは17−AAGを用いる癌細胞の処置は、サイクリンD−サイクリン依存性cdk4プロテインキナーゼ活性およびサイクリンD−サイクリン依存性cdk6プロテインキナーゼ活性に関する誘導経路のダウンレギュレーションにより媒介される、網膜芽細胞腫タンパク質−依存性G1ブロックを引き起こす。細胞周期停止に続き、分化およびアポトーシスが起こる。G1進行は、変異した網膜芽細胞腫タンパク質を有する細胞において、ゲルダナマイシンにも17−AAGにも影響を受けない;この細胞は、有し分裂後に、細胞周期停止を受け、次いで、アポトーシスを起こす。
ベンゾキノンアンサマイシンの作用機構は、Hsp90への結合および引き続くHsp90関連クライアント(client)タンパク質の分解を介するようである。ほとんどの感受性クライアントタンパク質のうち、ベンゾキノンアンサマイシンの標的は、Herキナーゼ(ErbBとしても公知)、Raf、Metチロシンキナーゼ、およびステロイドレセプターである。Hsp90はまた、ストレス(熱、放射線、および毒素を含む)に対する細胞性応答に関連する。従って、特定のベンゾキノンアンサマイシン(例えば、17−AAG)は、Hsp90クライアントタンパク質を標的化しない細胞毒素とのそれらの相互作用を決定するために研究されてきた。
米国特許第6,245,759号;同第6,306,874号;および6,313,138号(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)は、17−AAGと共に特定のチロシンキナーゼインヒビターを含む組成物、およびそのような組成物を用いて癌を処置する方法を開示する。Muensterら、(「Modulation of Hsp90 function by ansamycins sensitizes breast cancer cells to chemotherapy−induced apoptosis in an RB−and schedule−dependent manner」、Clinical Cancer Research(2001)7:2228−2236)は、17−AAGにより、パクリタキセルおよびドキソルビシンの細胞毒性効果に対して、培養物中の細胞を感作することを開示する。Muensterの参考文献は、17−AAGによるパクリタキセルに対する感作が、細胞周期の異なる段階でのこれらの2つの薬物の作用に起因して、網膜芽細胞腫タンパク質産生細胞においてスケジュール依存性であることをさらに開示する;パクリタキセルおよび17−AAGの組みあわせでの細胞の処置が相乗的にアポトーシスを生じさせることが報告されているが、一方で、17−AAGを用いる細胞の前処理と引き続くパクリタキセルでの処理によりアポトーシスを抑止されることが報告されている。パクリタキセルを用いる細胞の処置と引き続く4時間後の17−AAGを用いる処理は、同時処理と同様の相乗効果を示すことが報告されている。
Citriら「Drug−induced ubiquitylation and degradation of ErbB receptor tyrosine kinases:implications for cancer chemotherapy」、EMBO Journal(2002)21:2407〜2417は、ゲルダナマイシンおよび不可逆性プロテインキナーゼインヒビター(CI−1033)の同時投与の際の、インビトロでのErbB2−発現癌細胞の増殖に対する相加的な効果を開示する。対照的に、CI−1033と抗ErbB2抗体(Herceptin)との拮抗作用が開示されている。
従って、ベンゾキノンアンサマイシン、特にゲルダナマイシンおよび17−AGGには非常に多くの研究目的があるが、そのような化合物を単独でかまたは他の薬剤と組みあわせてかのいずれかで用いる、癌または所望されない細胞増殖亢進により特徴付けられる他の疾患もしくは状態を処置するための有効な治療レジメンに対する必要性が存在したままである。水溶性ベンゾキノンアンサマイシンが入手可能であれば、そのような化合物は、より容易に処方され得、そして危険な肝毒性を伴わず、臨床的処置においてより有効であり得る。他の証明された抗癌化合物と共にベンゾキノンアンサマイシンを投与するための有効な治療的処置レジメンが利用可能であれば、癌を処置するための新規のより有効な手段となり得る。別の抗癌剤の有効用量を低下するようなベンゾキノンアンサマイシンを用いる能力が現実化され得るならば、より割安の治療が利用可能になる(より少ない量の薬物の投与が必要とされるので)だけでなく、より重要には、以前は、それらの狭い治療枠に起因して化学療法において有用でなかった薬物を使用し得る。従って、組み合わせ治療のための適切な投薬スケジュールに沿って、治療有効性を維持しながら最大限の耐性用量より有意に少ない用量の投与を可能とする抗癌化合物の相乗効果についての未だ考慮されていない必要性が存在する。本発明は、新規のベンゾキノンアンサマイシンを提供し、そしてこれらの新規の化合物および公知の化合物を、単一薬剤治療および組み合わせ治療において用いるための方法を提供するようにして、このような必要性を満たす。
(発明の要旨)
本発明は、所望されない細胞増殖または増殖亢進により特徴付けられる疾患または状態の処置における、化合物、それらの調製のための方法、およびそれらの中間体、ならびにそれらの化合物の使用のための方法を提供する。
1つの局面において、本発明は、ゲルダナマイシンに関連する新規ベンゾキノンアンサマイシンを提供する。これらのアナログは、化学的操作および/または遺伝的操作を介して調製される。改善された溶解特性を有する化合物およびHsp90を結合するために最適化された構造を有する化合物もまた提供される。
第二の局面において、本発明は、遺伝的に操作された形態のゲルダナマイシンポリケチドシンターゼ生合成遺伝子クラスター、この遺伝子クラスターを含むベクター、これらのベクターを含む宿主細胞、およびこれらの宿主細胞を用いてゲルダナマイシンアナログを産生するための方法を提供する。
第三の局面において、本発明は、所望されない細胞増殖または増殖亢進により特徴付けられる疾患または状態を処置するためのベンゾキノンアンサマイシンを含む組成物を提供する。特定の実施形態において、この疾患は、癌である。
第四の局面において、本発明は、所望されない細胞増殖亢進により特徴付けられる疾患または状態の処置における使用のための、ベンゾキノンアンサマイシンおよび第二の薬剤の使用を包含する、組み合わせ治療を提供する。特定の実施形態において、この疾患は、癌である。特定の実施形態において、第二の薬剤は、Hsp90クライアントタンパク質のインヒビターである。特定の実施形態において、第二の薬剤は、プロテインキナーゼインヒビターである。特定の実施形態において、第二の薬剤は、微小管安定化剤である。特定の実施形態において、第二の薬剤は、細胞毒性薬物である。1つの実施形態において、第二の薬剤は、Federal Drug Administrationにより、癌の処置のための独立した薬剤として認可されている。別の実施形態において、第二の薬剤は、明らかな毒性または狭い治療枠に起因して、合衆国において臨床試験に入っていないか、または臨床試験に入っているが進行していない。
第五の局面において、本発明は、インビボでの使用に関して、デバイス上での所望されない細胞の接着および増殖を防ぐ方法を提供する。これらのデバイスとしては、ステント、カテーテル、補綴物などが挙げられる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、所望されない細胞増殖亢進により特徴付けられる疾患または状態の処置における使用のための、化合物、それらの中間体、およびそれらの化合物の使用のための方法を提供する。
本発明の範囲に関する提示および本明細書中で用いられる用語の定義は以下に列挙される。定義は、特定の例において他に限定されない限り、(個々としてかまたはより大きな群の一部としてかのいずれでも)その用語が本明細書を通して用いられる際に、適用される。
立体化学が詳細に示されない場合、本発明の化合物のすべての立体異性体が、それらの純粋な化合物および混合物同様に、本発明の範囲内に含まれる。他に示されない限り、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何学異性体、およびそれらの組みあわせおよび混合物は、全て本発明により包含される。多様な結晶形態および溶媒和物もまた、本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物の保護された形態は、本発明の範囲に含まれる。種々の保護基が開示されている(例えば、T.H.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Pretective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley & Sons、New York(1999))。本発明は、本発明の活性な化合物のプロドラッグを、その範囲内に含む。そのようなプロドラッグは、一般に、インビボで所望される化合物へと容易に変換可能な、この化合物の機能的誘導体である。従って、本発明の処置方法において、用語「投与する」は、詳細に開示された化合物を用いるか、または詳細には開示されていないがそれらを必要とする患者への投与の後にインビボで、特定の化合物に変換する化合物を用いる、記載の種々の障害の処置を包含する。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための従来の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」H.Bundgaard編、Elsevier、1985において記載されている。
本明細書中で使用される場合、用語「ベンゾキノンアンサマイシン」とは、2つの隣接しない位置に大環状ラクタムが結合するベンゾキノン核を含む化合物をいう。天然に存在するベンゾキノンの特定の例としては、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、マクベシン、ミコトリエン、およびアンサミトシンが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ゲルダナマイシンアナログ」とは、化学的操作によってか、またはゲルダナマイシン生合成遺伝子クラスターの操作によって、ゲルダナマイシンから誘導され得るベンゾキノンアンサマイシンの型(例えば、17−アリルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン(17−AAG))、17−(2−ジメチルアミノエチル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン(17−DMAG)、または式(I)に示される構造を有する化合物)をいう。
本明細書中で使用される場合、用語「脂肪族」とは、飽和および非芳香族不飽和の、直鎖、分枝鎖、環式、または多環式の炭化水素をいう。脂肪族基の例示的な例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基およびシクロアルキニル基が挙げられる。用語「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素置換基をいう。「アルケニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素の二重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素置換基をいう。アルキニルとは、少なくとも1つの炭素−炭素の三重結合を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素置換基をいう。
用語「アリール」とは、好ましくは1個〜14個の炭素原子を含む少なくとも1つの芳香族環構造を有する単環式基または多環式基をいう。アリール基の例示的な例としては、以下:ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ヘテロアリール」とは、1個以上のヘテロ原子、好ましくは1個〜14個の炭素原子を含む少なくとも1つの芳香族環構造を有する単環式基または多環式基をいう。ヘテロアリール基の例示的な例としては、以下:フラニル、イミダゾリル、インダニル、インドリル、インダゾリル、イソキサゾリル、イソキノリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、キノリル、キノキサリル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
脂肪族部分、アリール部分、およびヘテロアリール部分は、1つ以上の置換基、好ましくは1〜5つの置換基、より好ましくは1〜3つの置換基、最も好ましくは1〜2つの置換基で置換され得、そしてそれらは、「置換脂肪族」「置換アリール」および「置換ヘテロアリール」として示される。ある分子中の特定の位置での任意の置換基または変化の定義は、その分子の他の場所での定義から独立している。本発明の化合物の置換基および置換基のパターンは、化学的に安定でありかつ当該分野において公知の技術および本明細書中に示される方法により容易に合成され得る化合物を提供するように、当業者により選択され得ることが理解される。適切な置換基の例としては、以下:脂肪族、ハロ脂肪族、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アジド、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アシル、カルバモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、グアニジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ハロ脂肪族」とは、1つ以上のハロゲンで置換された置換脂肪族基をいう。
用語「ハロ」、「ハロゲン」、または「ハライド」とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素をいう。
用語「アシル」とは、−C(=O)Rをいい、ここで、Rは、脂肪族基である。
用語「アルコキシ」とは、−ORをいい、ここで、Rは、脂肪族基である。
用語「アリールオキシ」とは、−ORをいい、ここで、Rは、アリール基である。
用語「カルバモイル」は、−O(C=O)NRR’を指し、ここでRおよびR’は、独立してH、脂肪族、またはアリール基である。
用語「アルキルアミノ」は、−NHRを指し、ここで、Rは、アルキル基である。
用語「ジアルキルアミノ」は、−NRR’を指し、ここで、RおよびR’の両方は、アルキル基である。
用語「ヒドロキシアルキル」は、−R−OHを指し、ここで、Rは、脂肪族基である。
用語「アミノアルキル」は、−R−NHを指し、ここで、Rは、脂肪族基である。用語「アルキルアミノアルキル」は、−R−NH−R’を指し、ここで、RおよびR’の両方は、脂肪族基である。用語「ジアルキルアミノアルキル」は、−R−N(R’)−R”を指し、ここで、R、R’およびR”は、脂肪族基である。用語「アリールアミノアルキル」は、−R−NH−R’を指し、ここで、Rは、脂肪族であり、そしてR’は、アリール基である。
用語「オキソ」は、カルボニル酸素(=O)を指す。
用語「単離された」は、本明細書中で使用される場合、単離された物質が調製物中にあり、この調製物中で、この物質が調製物の主要な成分を構成している(例えば、調製物中で約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約90重量%、約95重量%、約99重量%、またはそれより多い成分を構成する)ことを意味する。
用語「被験体」は、本明細書中で使用される場合、動物、典型的には哺乳動物またはヒトを指し、これらの被験体は、処置、観察および/または実験の対象である。この用語が、化合物または薬物の投与と組み合わせて使用される場合、この被験体は、この化合物または薬物の処置、観察および/または投与の対象である。
用語「治療有効量」は、本明細書中で使用される場合、細胞培養物、組織系、動物またはヒトにおける生物学的応答または医薬応答を誘発する活性な化合物または医薬品の量を意味し、この量は、研究者、獣医師、臨床医、または内科医によって探求されており、この生物学的応答または医薬応答は、処置される疾患、状態、または障害の症状の軽減を含む。
用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、およびその特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的にかまたは間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図する。
用語「薬学的に受容可能な塩」は、1種以上の化合物の塩のことをいう、適切な薬学的に受容可能な化合物の塩は、酸付加塩を含み、例えば、薬学的に受容可能な酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、安息香酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、炭酸など)の溶液とこの化合物の溶液との混合によって形成され得る。この化合物が1つ以上の酸部分を保持する場合、薬学的に受容可能な塩は、この化合物の溶液を薬学的に受容可能な塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキル水酸化アンモニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、アルキルアミンなど)の溶液で処理することによって形成され得る。
用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、化合物の所望の投薬形態を調製するために使用される媒体をいう。薬学的に受容可能なキャリアとしては、以下が挙げられ得る:1種以上の溶媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル;分散助剤または懸濁助剤;界面活性剤;等張剤;増粘剤または乳化剤;防腐剤;固形バインダー;潤滑剤;など。Remington’s Pharmaceutical Sciences、Fifteenth Edition、E.W.Martin(Mack Publishing Co.、Easton、PA、1975)およびHandbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、A.H.Kibbe編(American Pharmaceutical Assoc.2000)は、薬学的組成物を処方するのに使用される種々のキャリアおよびその調製のための公知の技術を開示する。
用語「薬学的に受容可能なエステル」は、生理学的に関連する条件下で加水分解して、化合物またはその塩を生成するエステルをいう。適切なエステル群の例示的な例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、コハク酸エステル、およびコハク酸エチルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「クライアントタンパク質(client protein)」は、シャペロン(例えば、Hsp90)と相互作用するタンパク質をいう。1つの局面において、シャペロンとの相互作用は、適切な折り畳みまたは安定化および維持のいずれかのために有用であるかまたは必要とされる。別の局面において、このシャペロンは、機能レセプター複合体の核を形成する。これらの局面の両方において、シャペロンとの相互作用は、直接的であり得るかまたは1種以上の他のタンパク質を介して媒介され得る。以下の表1は、Hsp90のクライアントタンパク質の例示的なリストを提供する。用語「クライアンテル(clientele)」は、シャペロンに対するクライアントタンパク質の完全なセットをいう。
(表1.Hsp90 クライアントタンパク質の例示的なリスト)
クライアントタンパク質 機能

ステロイドホルモンレセプター
グルココルチコイドレセプター リガンド−媒介性遺伝子転写
エストロゲンレセプター リガンド−媒介性遺伝子転写
アンドロゲンレセプター リガンド−媒介性遺伝子転写
プロゲステロンレセプター リガンド−媒介性遺伝子転写
プロテインキナーゼ
c−SRC、v−SRC シグナル伝達
LCK T細胞発生および機能
WEE1 細胞周期制御(G2)
MYT1 細胞周期制御(G2)
ErbB2(Her−2) シグナル伝達
EGFR(ErbB1) シグナル伝達
FPS/FES 細胞増殖
c−RAF−1、v−RAF−1 MAPKシグナル伝達
MEK MAPKシグナル伝達
カゼインキナーゼ2 多面性キナーゼ
CDK4 細胞周期制御(G1)
AKT(PKB) PI3キナーゼシグナル伝達
デスドメインキナーゼ RIP TNF媒介性壊死
Bcr−ABL 骨髄性白血病病因
PIM−1 サイトカイン媒介性増殖
MOK MAPKシグナル伝達
Polo−1キナーゼ(PLK) 細胞周期制御(G2/M)
フォーカルアドヒージョンキナーゼ(FAK) アクチンベース細胞運動
c−MET HGF/SF−MET運動性シグナル伝達
eIF2キナーゼ 転写調節

他のクライアントタンパク質
変異体p53 細胞周期チェックポイントタンパク質変異体
B型肝炎逆転写酵素 ウイルス転写
hTERT(テロメラーゼサブユニット) 細胞死、老化
三量体Gタンパク質のβγサブユニット シグナル変換
内皮NOS NO合成
カルシニュリン Ca2+依存性シグナル伝達
チューブリン 微小管形成
HIF−1α 低酸素誘導性新脈管形成
網膜芽腫タンパク質 細胞周期制御(G1/S)
腫瘍壊死因子レセプター1 TNF媒介性アポトーシス
嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス調節因子 イオンチャネル/嚢胞性線維症
免疫グロブリン鎖 免疫応答
ファンコーニ貧血タンパク質 造血
アポタンパク質B アテローム硬化症
アリール炭化水素レセプター 遺伝子転写
SV40 T抗原 ウイルスオンコジーン
本発明の1つの局面において、ゲルダナマイシン(geldanamycin)アナログは、以下:
Figure 2005515164
に提供される式(I)を有し、Rは、MeO、(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキサ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択されるか、またはRは、Hであり、そしてRおよびRは、一緒になって式NH−Z−Oの基を形成し、ここでZは、1〜6個の炭素原子および0〜2個の窒素原子から構成されるリンカーであり、ここでOは、Rの位置で結合され;Rは、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニルおよび置換または非置換のC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;Rは、H、OHまたはOMeであり;Rは、HまたはMeであり;Rは、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OR11を形成し、ここでR11は、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;RはHであり、そしてRはHまたはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そしてXはOまたは結合であり、ただし、RはHであり、RはMeであり、そしてRはHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し、RはHでありそしてRおよびRは一緒になって式NH−Z−Oの基を形成し、ここで、Zは、1〜6個の炭素原子および0〜2個の窒素原子から構成されるリンカーであり、ここでOは、Rの位置で結合されるか、またはRは、(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキサ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;そしてここでRはHであり、そしてRはMeであり、RはHであり、そしてRはOHである。
1つの実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、ここで、Rは(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキシ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニルおよび置換または非置換のC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;Rは、H、OHまたはOMeであり;Rは、HまたはMeであり;Rは、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OR11を形成し、ここでR11は、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;RはHであり、そしてRはHまたはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そしてXはOまたは結合である。
1つの実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、ここで、R(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキシ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され、RはHであり;RはH、OHまたはOMeであり;Rは、HまたはMeであり;Rは、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OR11を形成し、ここでR11は、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;RはHであり、そしてRはHまたはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そしてXはOまたは結合である。
1つの実施形態において、改善された可溶性を有するゲルダナマイシンアナログが提供され、このゲルダナマイシンアナログは、式(I)を有する化合物を提供するためのゲルダナマイシンの化学的操作から得られ、ここで、R(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキサ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニルおよび置換または非置換のC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;RはHであり;Rはメチルであり;Rは、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し、RおよびRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そしてXはOまたは結合である。
本発明の別の実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、ここで:RはR−NHであり、ここで、Rは、エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(4−モルホリノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−2−プロピル、2−(ジメチルアミノ)−1−プロピル、およびシクロプロピル−メチルからなる群から選択され;RはHであり;RはHであり;Rはメチルであり;Rは、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;RおよびRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そしてXはOまたは結合である。
本発明の別の実施形態において、以下の構造:
Figure 2005515164
を有する化合物が提供される。
別の実施形態において、式(I)を有するゲルダナマイシンアナログが提供され、ここで、RはOMeであり;RはHであり;RはH、OH、またはOMeであり;RはHまたはメチルであり;RはOHであり、そしてRはHであり;RはHであり、そしてRはHまたはOHであるか、あるいはRおよびRは、一緒になって結合を形成し;そしてXは結合であり、ただし、ゲルダナマイシンおよび4,5−ジヒドロゲルダナマイシンは含まれない。
本発明の他の実施形態は、以下の式を有する化合物を提供する:
Figure 2005515164
本発明の他の実施形態において、上記のゲルダナマイシンアナログは、可溶基の化学付加のための開始物質として働く。1つの実施形態において、15−ヒドロキシゲルダナマイシンが誘導体化され、式(I)を有する化合物を提供し、ここで:Rは(CHNまたはR−NHであり、ここで、Rは、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキサ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;RはOHであり;Rはメチルであり;RはOHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;そしてRおよびRは、一緒になって結合を形成し;そしてXは、Oまたは結合である。
本発明の別の実施形態において、15−ヒドロキシゲルダナマイシンが誘導体化され、式(I)を有する化合物を提供し、ここで:Rは(CHNまたはR−NHであり、ここで、Rは、アリル、エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(4−モルホリノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−2−プロピル、2−(ジメチルアミノ)−1−プロピル、およびシクロプロピルメチルからなる群から選択され;RはH;RはOHであり;Rはメチルであり;RはOHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;そしてRおよびRは、一緒になって結合を形成し;そしてXは、Oまたは結合である。
別の実施形態において、以下の式:
Figure 2005515164
を有する15−ヒドロキシゲルダナマイシンアナログが提供される。
1つの実施形態において、28−デスメチルゲルダナマイシンが誘導体化され、式(I)を有する化合物を提供し、ここで:Rは(CHNまたはR−NHであり、ここで、Rは、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフニル、テトラヒドロ−フルフニル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキサ−1−イル)エチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、および3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニルおよび置換または非置換のC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;RはHであり;RはHであり;RはOHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;そしてRおよびRは、一緒になって結合を形成し;そしてXは、Oまたは結合である。
本発明の別の実施形態において、28−デスメチルゲルダナマイシンが誘導体化され、式(I)を有する化合物を提供し、ここで:Rは(CHNまたはR−NHであり、ここで、Rはアリル、エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−S−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(4−モルホリノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−2−プロピル、2−(ジメチルアミノ)−1−プロピルおよびシクロプロピルメチルからなる群から選択され;Rは、Hであり;RはHであり;RはHであり;RはOHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;そしてRおよびRは、一緒になって結合を形成し;そしてXは、Oまたは結合である。
別の実施形態において、以下の式:
Figure 2005515164
を有する28−デスメチルゲルダナマイシンアナログが提供される。
別の実施形態において、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンが誘導体化され、式(I)を有する化合物を提供し、ここで:Rは(CHNまたはR−NHであり、ここで、Rは、H、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキル、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフニル、テトラヒドロ−フルフニル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキサ−1−イル)エチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、および3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニルおよび置換または非置換のC〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;RはHであり;Rはメチルであり;RはOHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;そしてRは、Hであり;Rは、OHであり;そしてXは、Oまたは結合である。
本発明の別の実施形態において、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンは、式(I)を有する化合物を提供するために、誘導体化される。ここで、Rは(CHNまたはR−NHであり、ここで、Rは、アリル、エチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(4−モルホリノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−1−プロピル、3−(ジメチルアミノ)−2−プロピル、2−(ジメチルアミノ)−1−プロピル、およびシクロプロピルメチルからなる群より選択され;RはHであり;RはHであり;Rはメチルであり;RはOHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OHを形成し;RはHであり;RはOHであり;そしてXはOまたは単結合である。
別の実施形態において、以下の式
Figure 2005515164
を有する4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンアナログが提供される。
本発明の別の局面において、構造が束縛された(constrain)ゲルダナマイシンアナログが提供される。1つの実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、ここで、RおよびRは一緒になって式NH−Z−Oの基を形成し、ここで、Zは1〜6個の炭素原子、および0〜2個の窒素原子を含むリンカーであり、ここで、OはRの位置で結合され;Rは、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、R10は置換または非置換のC〜Cアルキル、置換または非置換のC〜Cアルケニル、置換または非置換のC〜Cアルキニル、置換または非置換のC〜Cシクロアルキルからなる群より選択され、RはHまたはOHであり;RはHまたはメチルであり;RはHであり、そしてRはHもしくはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって単結合を形成し;そしてXはOまたは単結合である。
本発明の1つの実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、ここで、RおよびRは一緒になって、式NH−(CH−O、NH−CHCH=CHCH−OまたはNH−CHCCCH−Oの基を形成し;RはHであり;RはH、OHまたはOMeであり;RはHまたはメチルであり;RはHであり、そしてRはHもしくはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって単結合を形成し;そしてXはOまたは単結合である。
本発明の別の実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、ここで、RおよびRは一緒になって式NH−CHCH=CHCH−Oの基を形成し;RはHであり;RはH、OHまたはOMeであり;RはHまたはメチルであり;RはHであり、そしてRはHもしくはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって単結合を形成し;そしてXはOまたは単結合である。
本発明の別の実施形態において、式(I)を有する化合物が提供され、これらは以下の構造を有する:
Figure 2005515164
別の実施形態において、上記の水溶性アナログは、向上した溶解性およびHsp90に対する向上した特異性の両方を有するゲルダナマイシンアナログを提供するような構造的束縛に供される。水溶性が乏しいことは、ゲルダナマイシンおよび17−AAGの臨床有用性を制限する主要な要因である。化合物の水溶性の向上を、化合物の脂肪親和性を低下させるために、その化合物に可溶化(solubilizing)官能基を含む基を付加することかまたはその化合物から疎水性基を除去することのいずれかのよる、本発明の方法に従って、達成し得る。可溶化官能基を含む代表的な基は、図2に示され、そしてこれらとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:2−(ジメチルアミノエチル)アミノ、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザシクロ[1.3.0]ヘクス−1−イル)エチル、2−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、および3−(4−モルホリノ)−1−プロピル。
可溶化基は、ゲルダナマイシンのアミンとの反応によりゲルダナマイシンアナログに、追加される。これは、スキーム1に図示され、そして実施例1に例示されたアミンによって17−メトキシ基の置換を生じる。(Schnurら、(1995)「Inhibition of the oncogene product p185erbB−2 in Vitro and in Vivo by Geldanamycin and Dihydrogeldanamycin Derivatives」J.Med.Chem.38、3806−3812;Schnurら、(1995)「erbB−2 Oncogene Inhibition by Geldanamycin Derivatives:Synthesis,mechanism of Action,and Structure−Activity relationships」J.Med.Chem.38,3813−3820;Schnurら、「Ansamycin derivatives as antioncogene and anticancer agents」、米国特許第5,932,655号(これらの全ては、本明細書中で参考として援用される)。可溶化官能基を有する代表的なアミンとしては、以下が挙げられる:2−(ジメチルアミノ)−エチルアミン、4−アミノピペリジン、4−アミノ−1−メチルピペリジン、4−アミノヘキサヒドロピラン、フルフリルアミン、テトラヒドロフルフリルアミン、3−(アミノメチル)テトラヒドロフラン、2−(アミノ−メチル)ピロリジン、2−(アミノメチル)−1−メチルピロリジン、1−メチルピペラジン、モルホリン、1−メチル−2(アミノメチル)アジリジン、1−(2−アミノエチル)−1−アザビシクロ−[1.3.0]ヘキサン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−(2−アミノエチル)モルホリン、1−(2−アミノ−エチル)ピロリジン、2−(2−アミノエチル)ピリジン、2−フルオロエチルアミン、2,2−ジフルオロエチルアミンなど。
(スキーム1)
Figure 2005515164
類似の可溶化基は、本発明の方法に従う可溶化置換基を含むアミンを用いて、19−ブロモ−ゲルダナマイシンまたはアナログを処置することによって導入され得、19−アミノ−置換ゲルダナマイシンアナログを生じる。この19−ブロモ誘導体は、適切なブロモ化試薬(例えば、過臭化臭化ピリジニウム)を用いてゲルナダマイシンアナログを処理する際に、形成される(Schnurら、(1995)「J.Med.Chem.38、3806−3812;本明細書中で参考として援用される)。本発明の方法に従い、パラジウム触媒の存在下でアリールボロン酸との、19−ブロモゲルダナマイシンの反応は、スキーム2に図示されるように19−アリール置換ゲルダナマイシンを与える。ボロン酸(例えば、フェニルボロン酸、(4−ジメチル−アミノ)フェニル−ボロン酸、4−ピリジルボロン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、2−フリルボロン酸、および4−(ジメチルアミノメチル)−フェニルボロン酸など)もまた使用され得る。
(スキーム2)
Figure 2005515164
本発明の別の実施形態において、ゲルダナマイシンアナログを酸化して、スキーム3に図示されるように、対応する11−オキソゲルダナマイシンを生成する。
(スキーム3)
Figure 2005515164
11−OHの酸化より生じる11−オキソゲルダナマイシンアナログは、ヒドロキシルアミンまたはアルコキシルアミンとの反応によって、11−オキシミノアナログに転換される。
本発明の別の実施形態において、ゲルダナマイシンアナログを過酸化酸(例えば、3−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA))を用いて処理して、スキーム3に図示されるように、8,9−エポキシドを生成する。別の局面において、本発明は、ゲルダナマシンポリケチド合成酵素の生合成遺伝子クラスターの、遺伝子操作された形態、前出の遺伝子クラスターを含むベクター、このベクターを含む宿主細胞、ならびにこの宿主細胞を使用するゲルダナマイシンアナログの生成のための方法を、提供する。
本発明の1つの実施形態において、2−メチルマロニル−CoAの代わりにマロニル−CoAに特異的な遺伝子を有するゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール1中のアシルトランスフェラーゼドメインの置換は、28−デスメチル−ゲルダナマイシンの形成を生じる。このドメイン入れ換えは、異種性PKS遺伝子(例えば、ラパマイシン、チロシンまたはFK520PKS遺伝子など)由来のマロニル−CoA特異的アシルトランスフェラーゼドメインを、ゲルダナマイシンPKS遺伝子座に、ゲルダナマイシン産生株への相同組み換え(選択可能な抗生物質耐性遺伝子によって支援される)によって導入し、次いで二重クロスオーバー(double crossover)事象(ここで、野生型アシルトランスフェラーゼドメインが、マロニル−CoAに特異的なアシルトランスフェラーゼドメインに置換される)から生じた組み換え体を単離することによって、作製される。この詳細は、以下の実施例5に提供される。
本発明の別の実施形態において、ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール1におけるアシルトランスフェラーゼドメインは、Reevesら「Alteration of the substrate specificity of a modular polyketide synthase acyltransferase domain through site−directed mutagenesis」、Biochemistry 2001、40:15464−15470、および表題「Alteration of the substrate specificity of a modular PKS AT domain」の米国特許出願第60/310,730(これは、本明細書中で参考として援用される)に記載されるような方法に従って、変異誘発される。この詳細は、以下の実施例6に提供される。
本発明の別の実施形態において、モジュール6(これは、DHおよびKRドメインの両方を有する)の還元カセットのコード配列は、KRドメインのみを有する還元カセットのコード配列で置換される。この詳細な説明は、以下の実施例7において提供される。
本発明の別の実施形態において、本発明の方法に従って、野生型ドメインの部位特異的変異によって、ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール6におけるデヒドラーゼ(dehydraase)の不活性化は、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生を生じる。この詳細は、以下の実施例8に提供される。
本発明の別の実施形態において、ATドメインの末端の間のモジュール6におけるヌクレオチド配列の実質的な部分は、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンを提供するように欠失される。この詳細は、以下の実施例9に提供される。
本発明の別の実施形態において、モジュール1のデヒドラターゼドメインは、モジュール6について、上記のように置換されるかまたは不活性化して、15−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンを提供する。この詳細は、以下の実施例10に提供される。
本発明の別の実施形態において、本発明の方法に従って、野生型ドメインの部位特異的変異によって、ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール1におけるデヒドラターゼの不活性化は、15−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生を生じる。この詳細は、以下の実施例11に提供される。
ネイティブなゲルダナマイシン生産体以外の宿主細胞において、本発明の方法に従って調製された、ゲルダナマイシン遺伝子クラスター、またはゲルダナマイシン遺伝子クラスターの変異されたバージョンを発現することも可能である。PKS遺伝子の異種性発現のための方法、ならびにこれら遺伝子の発現およびポリケチドの産生に適切な宿主細胞は、例えば、以下に記載される:米国特許第5,843,718号および同第5,830,750号;PCT公開WO01/31035およびWO01/27306;ならびに米国特許出願第10/087,451号;同60/__,___号、(発明者PfeiferおよびKhoslaによる、表題「Process and Metabolic Strategies for Improved Production of E.coli derived 6−deoxyerythronolide B」(事務所処理番号30226.00));および同第60/__,__号(発明者Kealey、DayemおよびSantiによる、表題「Metabolic Pathways for Starter Units in Polyketide Biosynthesis in E.Coli」(事務所処理番号30088.00)(これらの各々がは本明細書中で参考として援用される)。
本発明の方法に従うデヒドラターゼドメインの不活性化はまた、正常にゲルダナマイシンを産生する生物のランダムな変異誘発によって得られ得る。この例の場合、産生生物の胞子を、化学的変異誘発剤(例えば1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン(MNNG)、ジメチルスルフェートなど)を用いるか、またはまたは変異誘発性レベルの照射(例えば、紫外線)によるかのいずれかで、処理し得る。次いで、生存する胞子を適切な培地上で増殖させ、そして得られたクラスターを、所望される、新規のゲルダナマイシンアナログの存在について、分析する(例えば、LC質量分析)。Streptomycesのランダムな変異誘発の方法は、Kieserら、「Practical Streptomyces Genetics」、The John Inners,Foundation,Norwich(2000)(これは本明細書中で参考として援用される)に記載される。
本発明の方法に従って、ゲルダナマイシンPKSにおいて他のアシルトランスフェラーゼドメインの置換を使用して、デスメチルアナログまたはデスメトキシアナログのそれぞれを作製し得、そして他のデヒドラターゼドメインの不活性バージョンでの置換を使用して、対応するジヒドロ−ヒドロキシアナログを作製し得る。このようなアナログは、それらがより少ない親油性置換基を有する(28−デスメチルゲルダナマイシン)か、またはさらなる親水性置換基を有する(4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンまたは15−ヒドロキシゲルダナマイシン)ので、より水溶性であることが期待される。
上記のような本発明の方法に従ってゲルダナマイシンPKSの遺伝子操作により作製されたゲルダナマイシンアナログを使用することによって、前出の化学的形質転換体を使用して、これらのアナログを、より水溶性で、より強力で、より特異的なHsp90インヒビターへと転換し得る。従って、このような化合物は、これらの投与の際にCremophore(登録商標)のような毒性ビヒクルを使用する必要性を解消し得、そして向上した選択性および低減した副作用を示し得る。本発明の1つの実施形態において、遺伝子操作により調製されたゲルダナマイシンアナログは、上記のスキーム1に図示されるように、アミンと反応され得る。
11−O−アリル−17−アリルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンまたは類似のアナログの環を形成するオレフィンメタセシスは、本発明の方法に従って、構造的に束縛されたベンゾキノンアンサマイシン構造を生成する。本発明の1つの実施形態において、17−AAGをアリル化試薬で処理すること(例えば、tert−ブチルカルボネートおよびパラジウム触媒)は、スキーム4に図示され、そして実施例2に例示されるように、11−O−アリル−17−アリルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンを生成する。
Figure 2005515164
アリルアミン以外のアミン(例えば、ブト−3−エン−1−イルアミンおよびペント−4−エン−1−イルアミン)での17−メトキシ基の置換から生じる関連ゲルダナマイシンアナログの反応は、結果的に、本発明の方法に従って、対応する17−ブテニルアミノ−11−O−アリルアナログおよび17−ペンテニルアミノ−11−O−アリルアナログの形成を生じる。オレフィンメタセシス触媒、(例えば、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロライド)を用いたこれら11−O−アリル化合物の処理は、スキーム5に示されるように、炭素鎖を介して11位および17位の連結、ならびにゲルダナマイシンのコンホメーションの束縛を生じる。これは、以下の実施例3に例示される。
(スキーム5)
Figure 2005515164
本発明の方法に従って、11−O−基および17−N−基の変更は、リンカー鎖の長さのバリエーションを可能とする。従って、11−O−アリル−17−アリルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンの使用は、4炭素リンカーを生じ、そして11−O−アリル−17−(ブト−3−エン−1−イルアミノ)−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンの使用は、5炭素リンカーを生じ、そして11−O−アリル−17−(ペント−4−エン−1−イルアミノ)−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンの使用は、6炭素リンカーを生じる。リンカーの炭素−炭素二重結合は、必要に応じて、還元によって(例えば、ジイミドを使用して)還元されて飽和したリンカーを提供し得る。
アルキニルリンカーは、本発明の方法に従って、リンカーの1末端にアミノ基を含有し、そして他の末端に置換可能な基(例えば、ハロゲンまたはスルホネートエステル)を含有する二官能性アルキレンを用いて、ゲルダナマイシンおよびゲルダナマイシンアナログを処理することによって、調製され得る。この二官能性リンカーとのゲルダナマイシンまたはアナログの反応は、最初に、アミンによる17−メトキシ基の置換が生じる。続く塩基処理は、スキーム6に図示されるような11−ヒドロキシルのアルキル化を生じる。
(スキーム6)
Figure 2005515164
上記のように、リンカー長の変更は、この鎖の中の炭素原子数におけるバリーションにより達成され得る。
本発明の別の局面において、ベンゾキノンアンサマイシンを含む組成物を使用して、所望されない細胞の増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を処置する。1つの実施形態において、この疾患は癌である。別の実施形態において、この疾患は狭窄症または再狭窄である。別の実施形態において、この疾患は乾癬である。別の実施形態において、この疾患は神経変性疾患である。好ましい実施形態において、このベンゾキノンアンサマイシンは、式(I)、17−AAGまたは17−DMAGを有する化合物である。
本発明の別の局面において、ベンゾキノンアンサマイシンは、第2の薬剤との組み合わせ療法において使用される。1つの実施形態において、第2の薬剤は、Hsp90クライアントプロテイン(client protein)のインヒビターである。適切なHsp90クライアントプロテインとしては、表1に列挙されるものが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の1つの実施形態において、ベンゾキノンアンサマイシンは、プロテインキナーゼインヒビターとの組み合わせ療法において使用される。適切なプロテインキナーゼインヒビターとしては、表2に列挙される化合物が挙げられるがこれらに限定されない。
(表2.プロテインキナーゼインヒビターの例示的な一覧)
Figure 2005515164
表2に列挙されたプロテインキナーゼインヒビターは、これらの化学型(chemotype)に従って分類され得、これらとしては、以下が挙げられる:キナゾリン類、特に、4−アニリノキナゾリン類(例えば、Iressa(AstraZeneca;N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシ]−4−キナゾリンアミン)およびTarceva(Roche/Genentech;N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン一塩酸塩));フェニルアミノ−ピリミジン類(例えば、Gleevec(Novartis;4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミド));ピロロピリミジン類−およびピラゾロピリミジン類(例えば、BIBX 1382(Boehringer Ingelheim;N8−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−N2−(1−メチル−4−ピペリジニル)−ピリミド[5,4−d]ピリミジン−2,8−ジアミン));インドール類およびオキシインドール類(例えば、Semaxinib(Pharmacia;3−[(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン));ベンジリデンマロノニトリル類;フラボン類(例えば、フラボピリドール(Aventis;2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−[(3S,4R)−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−ピペリジニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン));スタウロスポリン類(例えば、CEP−701(Cephalon));抗体類(例えば、Herceptin(Genentech));ならびにリボザイム類(例えば、Angiozyme(Ribozyme Pharmaceuticals))。代表的なプロテインキナーゼインヒビターの構造は、図4に与えられる。
本発明の別の実施形態において、ベンゾキノンアンサマイシンは、微小管安定化剤(パクリタキセル、エポシロン(epothilone)、ジスコデルモリド(discodermolide)、およびラウリマリド(laulimalide)を含む)との組み合わせ療法において使用される。好ましい実施形態において、ベンゾキノリンアンサマイシンは、式(I)を有する化合物、17−AAG、または17−DMAGである。
別の局面において、本発明は、所望されない細胞増殖または細胞過増殖によって特徴付けられる疾患または状態の処置のための組み合わせ療法を提供する。治療における2つ以上の薬物の組み合わせは、以下の3つの結果の1つを生じ得る:(1)相加的、すなわち、組み合わせの効果が、単独投与の場合の各薬物の講和の総和と等しい;(2)相乗的、すなわち、組み合わせの効果が、単独投与の場合の各薬物の効果の総和より大きい;または(3)拮抗的、すなわち、組み合わせの効果が、単独投与の場合の各薬物の効果の総和より小さい。本発明の1つの実施形態において、被験体は、まず、実質的に毒性用量以下のプロテインキナーゼインヒビターで処置される。プロテインキナーゼインヒビターの投与に対する、実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間の待機後、ベンゾキノンアンサマイシンの相乗的用量が投与される。この投薬スケジュールを使用して、2つの化合物の相加的効果ではなく相乗的効果が達成される。本発明の1つの実施形態において、プロテインキナーゼインヒビターは、表2に列挙される化合物であり、そしてベンゾキノンアンサマイシンは、式(I)を有する化合物、17−AAG、または17−DMAGである。本発明の別の実施形態において、プロテインキナーゼインヒビターは、連邦医薬品局によって、癌の独立型治療薬として認可された薬物であり、そしてベンゾキノンアンサマイシンは、式(I)を有する化合物、17−AAG、または17−DMAGである。1つの好ましい実施形態において、細胞傷害性剤は、Iressaであり、そしてベンゾキノンアンサマイシンは、17−AAGまたは17−DMAGである。
本発明の別の実施形態において、被験体はまず、第1の毒性用量以下のプロテインキナーゼインヒビターを用いて処置される。プロテインキナーゼインヒビターに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間の待機後、第2の毒性用量以下のプロテインキナーゼインヒビターと共に相乗的用量のベンゾキノンアンサマイシンを含有する処方物が投与される。一般的に、プロテインキナーゼインヒビターに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な、適当な期間は、プロテインキナーゼインヒビターの薬物動態学に依存し、そしてプロテインキナーゼインヒビター単独を使用する療法の臨床的試行の間に決定される。本発明の1つの実施形態において、プロテインキナーゼインヒビターに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間は、1時間と96時間との間である。本発明の別の実施形態において、プロテインキナーゼインヒビターに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間は、2時間と48時間との間である。本発明の別の実施形態において、プロテインキナーゼインヒビターに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間は、4時間と24時間との間である。
プロテインキナーゼインヒビターは、表2に列挙されるものから選択されるが、これらに限定されない。実施例4および図3Aにおいて下記されるように、17−AAGでの処置の前の、EGFRインヒビターIressaでの培養SKBr3細胞の前処理は、Iressaの効果の相乗的増強を生じる。対照的に、逆順の投与または同時投与は、相加的である。類似した結果が、図3Bに示されるように、Iressaおよび17−DMAGを用いて得られた。従って、最適な相乗効果を得るために、プロテインキナーゼインヒビターをまず提供し、プロテインキナーゼインヒビターに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間待機し、次いで、ベンゾキノンアンサマイシンを提供することが必要である。 別の実施形態において、被験体は、毒性用量以下のベンゾキノンアザマイシンでまず治療される。ベンゾキノンアザマイシンに対する実質的に効果的な応答を発生させるのに十分な期間の待機後、相乗的投薬量の微小管安定化剤が投与される。この投薬スケジュールを使用して、2つの化合物の相加的な効果ではなく相乗的な効果が達成される。予想に反して、Munsterら、「Modulation of Hsp90 function by ansamycins sensitizes breast cancer cells to chemotherapy−induced apoptosis in an RB−and schedule−dependent manner」、Clinical Cancer Research(2001)7:2228−2236から見て、17−AAGでの処置前の、微小管安定化剤(パクリタキセル)での培養SKBr3細胞の前処理は、実施例4および図5に下記されるように、相加的効果を生じる。対照的に、逆順の投与は、相乗的効果を生じる。微小管安定化剤の例示的な例としては、パクリタキセル、ドセタキセル、エポシロン、ジスコデルモリド、およびラウリマリドが挙げられるがこれらに限定されない。ベンゾキノンアンサマイシンは、式(I)を有する化合物、17−AAG、または17−DMAGであり得る。本発明の1つの実施形態において、微小管安定化剤は、パクリタキセルおよびエポシロン、ジスコデルモリドまたはアナログ、あるいは、ラウリマリドまたはアナログである。本発明の好ましい実施形態において、微小管安定化剤は、エポシロンDである。
本発明の別の実施形態において、組み合わせ療法の第2の薬剤は、連邦医薬品局によって、癌の独立型治療薬として認可された薬物であり、そしてベンゾキノンアンサマイシンは、式(I)を有する化合物であるか、あるいは、17−AAG、または17−DMAGである。適切な薬物の例示的な例としては、5−フルオロウラシル、メトトレキサート、ビンブラスチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロラムブシル、メルファラン、イホスファミド、ブレオマイシン、マイトマイシンおよびドキソルビシンが挙げられるがこれらに限定されない。
別の実施形態において、組み合わせ療法は、組み合わせ治療剤からの潜在的な副作用を軽減する薬剤または手順を包含し得る。下痢は、下痢止め剤(例えば、オピオイド類(例えば、コデイン、ジフェノキシラート、ジフェノキシン、およびロエラミド(loeramide)))、次サリチル酸ビスマス、およびオクトレオチドで処置され得る。吐気および嘔吐は、制吐剤(例えば、デキサメタゾン、メトクロプラミド、ジフェニヒドラミン(diphenyhydramine)、ロラゼパム、オンダンセトロン、プロクロルペラジン、チエチルペラジン、およびドロナビノール)で処置され得る。ポリエトキシ化ひまし油(例えば、Cremophor(登録商標))を含むこれらの組成物について、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾンおよびメチルプレドニゾロン)ならびに/あるいはHアンタゴニスト(例えば、ジフェニルヒドラミンHCl)および/またはHアンタゴニストでの前処置は、アナフィラキシーを軽減するために使用され得る。
ベンゾキノリンアンサマイシンとの組み合わせ療法において使用される場合、第2の薬剤の用量は、第2の薬剤が単独の治療剤として使用される場合に観察される最大許容用量(MTD)に基づいて決定される。本発明の1つの実施形態において、ベンゾキノリンアンサマイシンとの組み合わせ療法において使用される場合に、第2の薬剤の用量は、MTDである。本発明の別の実施形態において、ベンゾキノリンアンサマイシンとの組み合わせ療法において使用される場合に、第2の薬剤の用量は、MTDの1%とMTDとの間である。本発明の別の実施形態において、ベンゾキノリンアンサマイシンとの組み合わせ療法において使用される場合に、第2の薬剤の用量は、MTDの5%とMTDとの間である。本発明の別の実施形態において、ベンゾキノリンアンサマイシンとの組み合わせ療法において使用される場合に、第2の薬剤の用量は、MTDの5%とMTDの75%との間である。本発明の別の実施形態において、ベンゾキノリンアンサマイシンとの組み合わせ療法において使用される場合に、第2の薬剤の用量は、MTDの25%とMTDの75%との間である。
ベンゾキノンアンサマイシンの使用は、より低い治療用量の第2の薬剤の使用を可能にし、従って、処置のための治療領域を有意に広くする。1つの実施形態において、第2の薬剤の治療用量は、少なくとも10%減少される。別の実施形態において、第2の薬剤の治療用量は、10〜20%減少される。別の実施形態において、第2の薬剤の治療用量は、20〜50%減少される。別の実施形態において、第2の薬剤の治療用量は、50〜200%減少される。別の実施形態において、第2の薬剤の治療用量は、100〜1000%減少される。
ある化合物についてのMTDは、医薬分野および薬理学分野において公知である方法および材料を使用して(例えば、用量エスカレーション実験によって)決定される。1人以上の患者が、まず、低い用量の化合物(代表的に、インビトロ細胞培養実験の結果に治療的に基づいて治療的であると予想される用量の10%)で処置される。この患者らは、毒性の発生を決定するために、ある期間観察される。毒性は、代表的に、以下の症状のうち1つ以上の観察として明示される:嘔吐、下痢、末梢神経障害、運動失調、好中球減少、または肝臓酵素の上昇。毒性が観察されない場合、用量は、2倍に増加され、そして患者は、再度、毒性の証拠について観察される。このサイクルは、毒性の証拠を生じる用量に到達するまで、繰り返される。許容されない毒性の開始のすぐ前の用量が、MTDとして採用される。
組み合わせ療法において使用されるベンゾキノンアンサマイシンの相乗的用量は、ベンゾキノンアンサマイシンが単独の治療剤として使用される場合に観察される、最大許容用量に基づいて決定される。臨床試験は、17−AAGについて40mg/mのMTDを決定した。本発明の1つの実施形態において、組み合わせ療法において使用される場合のベンゾキノンアンサマイシンの用量は、MTDである。本発明の別の実施形態において、組み合わせ療法において使用される場合のベンゾキノンアンサマイシンの用量は、MTDの1%とMTDとの間である。本発明の別の実施形態において、組み合わせ療法において使用される場合のベンゾキノンアンサマイシンの用量は、MTDの5%とMTDとの間である。本発明の別の実施形態において、組み合わせ療法において使用される場合のベンゾキノンアンサマイシンの用量は、MTDの5%とMTDの75%との間である。本発明の別の実施形態において、組み合わせ療法において使用される場合のベンゾキノンアンサマイシンの用量は、MTDの25%とMTDの75%との間である。
ベンゾキノンアンサマイシンおよびHsp90クライアントプロテインインヒビターの投薬量は、組み合わせ療法において使用される場合、使用される化合物、処置される疾患または状態、および患者の個々の医学的状態に依存してさらなる最適化を必要とし得る。関連する因子としては、使用する特定の化合物の活性;被験体の年齢、体重、全般的健康状態、性別、および食事;投与時間および投与経路ならびに薬物の排出速度;ならびに処置される状態の重篤度が挙げられる。
本発明は、1つ以上の活性薬物および薬学的に受容可能なキャリアの処方物である材料の組成物を提供する。1つの実施形態において、この処方物は、本発明の新規ベンゾキノンアンサマイシンアナログを含む。別の実施形態において、この処方物は、本発明の新規ベンゾキノンアンサマイシンアナログを、本発明の方法に従う組み合わせ療法における使用のためのHsp90クライアントプロテインインヒビターとの混合物として含有する。これらの実施形態の両方において、活性化合物は、それらの遊離形態でか、または、薬学的に受容可能な誘導体(例えば、プロドラッグ、エステル、または塩)として適切な形態で存在し得る。
組成物は、任意の適切な形態(例えば、固体形態、半固体形態、または液体形態)であり得る。Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,第5版,Lippicott Williams & Wilkins(1991)(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。一般的に、薬学的調製物は、外部適用、経腸的適用、または非経口的適用に適切な、有機または無機の、キャリアまたは賦形剤との混合物中に、活性成分として本発明の1つ以上の化合物を含有する。活性成分は、例えば、錠剤、小丸剤、カプセル剤、坐剤、腟坐薬、溶液、エマルジョン、懸濁液、および使用に適切な他の任意の形態のために、通常の非毒性の薬学的に受容可能なキャリアと調合され得る。使用され得るキャリアとしては、固体形態、半固体形態、または液状化形態での、水、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、スターチペースト、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモデンプン、尿素、および調製物の製造の際の使用に適切な他のキャリアが挙げられる。さらに、補助安定化剤、増粘剤、および着色剤ならびに香料が、使用され得る。
1つの実施形態において、本発明の方法において有用な化合物を含む組成物は、Cremophore(登録商標)を含まない。Cremophore(登録商標)(BASF Aktiengesellschaft)は、ポリエトキシル化ヒマシ油(代表的には、低溶解性の薬物を処方する際に界面活性剤として使用される)である。しかし、Cremophore(登録商標)は、被験体に置いてアレルギー反応を起こし得るので、Cremophore(登録商標)を最少にするか、または排除する組成物が好ましい。
適用可能である場合、本発明の方法において有用な化合物は、マイクロカプセルおよびナノ粒子として処方され得る。一般的なプロトコルは、例えば、Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy、Max Donbrow(編)、CRC Press(1992)および米国特許第5,510,118号;同第5,534,270号;および同第5,662,883号(これらは全て、本明細書中に参考として援用される)に記載される。これらの処方物は、体積に対する表面領域の比率を増加することによって化合物の経口送達を可能にするが、そうでなければ経口送達の影響を受けることはできない。
本発明の方法において有用な化合物はまた、以前に低溶解性薬物について使用された他の方法を使用して処方され得る。例えば、この化合物は、ビタミンE、またはPCT公開WO 98/30205およびWO 00/71163に記載されるようなそのペグ化誘導体(これらの各々は、本明細書中に参考として援用される)と共に乳濁液を形成し得る。代表的には、本発明の方法において有用な化合物は、エタノールを含む(好ましくは1%w/vより少ない)水溶液に溶解される。ビタミンEまたはペグ化ビタミンEが、添加される。次いで、エタノールが、除去され、静脈内投薬経路用または経口投薬経路用に処方され得る前乳濁液(pre−emulsion)を形成する。別の方法が、本発明の方法において有用な化合物をリポソーム内にカプセル化することに関する。薬物送達ビヒクルとしてリポソームを形成するための方法は、当該分野で周知である。適切なプロトコルとしては、別の比較的低溶解度の制癌剤であるパクリタキセルに関連する米国特許第5,683,715号;同第5,415,869号,および5,424,073号(これらは、本明細書中に参考として援用される)ならびにエポチロン(epothilone)Bに関連するPCT公開WO 01/10412(これは、本明細書中に参考として援用される)に記載されるプロトコルが挙げられる。使用され得る種々の脂質のうちで、カプセル化リポソームを作製するために特に好ましい脂質としては、ホスファチジルコリンおよびポリエチレングリコール誘導体化ジステアリルホスファチジル−エタノールアミンが挙げられる。
なお別の方法は、ポリマー(例えば、生体ポリマーまたは生体適合性(合成であるか、または天然に存在する)ポリマーのようなポリマー)を使用する、本発明の方法において有用な化合物を処方する工程を包含する。生体適合性ポリマーは、生物分解性および非生物分解性として分類され得る。生物分解性ポリマーは、化学的組成物、製造方法、および移植構造の機能としてインビボで分解する。合成ポリマーの例示的な例としては、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酸(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびそれらのコポリマー)、ポリエステル、ポリアミド、ポリオルトエステルおよびいくつかのポリホスファゼンが挙げられる。天然に存在するポリマーの例示的な例としては、タンパク質および多糖(例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミン、およびゼラチン)が挙げられる。
別の方法は、本発明の方法において有用な化合物を、水溶性を増大するポリマーに結合体化する工程を包含する。適切なポリマーの例としては、ポリエチレングリコール、ポリ−(d−グルタミン酸)、ポリ−(l−グルタミン酸)、ポリ−(l−グルタミン酸)、ポリ−(d−アスパラギン酸)、ポリ−(l−アスパラギン酸)、ポリ−(l−アスパラギン酸)およびそれらのコポリマーが挙げられる。約5,000〜約100,000の間の分子量を有するポリグルタミン酸が好ましく、約20,000〜約80,000の間の分子量を有するポリグルタミン酸がより好ましく、そして約30,000〜約60,000の間の分子量を有するポリグルタミン酸が最も好ましい。このポリマーは、米国特許第5,977,163号(これは、本明細書中に参考として援用される)に本質的に記載されるプロトコルを使用して、本発明のゲルダナマイシン(geldanamycin)の1つ以上のヒドロキシルにエステル連結を介して結合体化される。
別の方法において、本発明の方法において有用な化合物は、モノクローナル抗体に結合体化される。この方法は、特異的な標的に対する本発明の化合物の標的化を可能にする。結合体化抗体の設計および使用に関する一般的なプロトコルは、Monoclonal Antibody Based Therapy of Cancer、Michael L.Grossbard,編(1998)(これは、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
単回投薬形態を製造するために、キャリア物質と組み合され得る活性成分の量は、処置される被験体および特定の投与様式に依存して変動する。例えば、静脈内使用のための処方物は、約1mg/mL〜約25mg/mLの範囲、好ましくは約5mg/mL〜約15mg/mLの範囲、そしてより好ましくは約10mg/mLの量の本発明の化合物を含む。静脈内組成物は、代表的には、使用前に通常の生理食塩水または5%デキストロース溶液で、約2倍と約30倍との間で希釈される。
本発明の1つの局面において、本発明の方法において有用な化合物は、癌を処置するために使用される。1つの実施形態において、本発明の化合物は、頭および頸部の癌(これらとしては、鼻腔の腫瘍、副鼻腔の腫瘍、鼻咽頭の腫瘍、口腔の腫瘍、中咽頭の腫瘍、喉頭の腫瘍、下咽頭の腫瘍、唾液腺の腫瘍、および傍神経節腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、肝臓および胆嚢および胆管(biliary tree)の癌、特に肝細胞癌腫を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、腸の癌、特に結腸直腸癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、卵巣癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、小細胞肺癌および非小細胞肺癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、乳癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、肉腫(線維肉腫、悪性線維性組織球腫、胎児性横紋筋肉腫(rhabdomysocarcoma)、平滑筋肉腫(leiomysosarcoma)、神経線維肉腫、骨肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫および胞状軟部肉腫を含む)を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、中枢神経系の新生物、特に脳の癌を処置するために使用される。別の実施形態において、本発明の化合物は、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞様リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜に関連したリンパ組織のリンパ腫、外套細胞リンパ腫、B系列大細胞型リンパ腫、バーキットリンパ腫、およびT細胞未分化大細胞型リンパ腫(T−cell anaplastic large cell lymphoma)を含む)を処置するために使用される。
別の実施形態において、本発明の方法において有用な化合物および組成物は、非癌性疾患の処置において、非常に選択的な活性を達成するために、他の薬剤と組み合わせて、細胞毒性レベル下で使用される。この実施形態において、本発明の方法において有用な化合物は、Hsp90クライアントタンパク質(次いで、第2の薬剤によって効果的に阻害される)の細胞レベルを低減するために使用される。Hsp90へのクライアントタンパク質の結合は、クライアントタンパク質を安定化し、そしてそれらを、活性化刺激に応答する用意が整った可溶性の不活性形態で維持する。Hsp90へのベンゾキノンアンサマイシンアナログの結合は、プロテアソームへのクライアントタンパク質の標的化、およびそれに続く分解を生じる。しかし、ステロイドレセプターの系について、Hsp90は、Hsp70、Hsp40、p23、hip、Hsp56、およびイムノフィリンのような他のいくつかのたんぱく質とともに機能的レセプター複合体の全体部分を形成する。Hsp90は、高アフィニティーホルモン結合配座にレセプターを維持することによって、ステロイドレセプターの活性を調節するようである。Hsp90へのゲルダナマイシンの結合は、複合体からのp23の解離を生じ、そしてレセプターに結合するホルモンのレベルを低減するようである(Flissら、(2000)、「Control of estrogen receptor ligand binding by Hsp90」、J.Steroid Biochem.Mol.Biol.75:223−30;KimminsおよびMacRae(2000)、「Maturation of steroid receptors:an example of functional cooperation among molecular chaperones and their associated proteins」、Cell Stress Chaperones 5:76−86)。
従って、ゲルダナマイシン、ゲルダナマイシンアナログ、ラジシコル(radicicol)などのようなHsp90インヒビターは、ホルモンレセプターの機能を変更し、シグナル伝達経路に関連するタンパク質を標的とする、低レベルの第2の薬剤を使用して、関連するシグナル経路を阻害することを容易にするために、本発明の方法に従って使用され得る。このような組合せ療法は、所望の薬物のレベルを低減することによって、治療に伴う非特異的毒性を低減するために有用であり得る。
別の実施形態において、本発明の方法において有用な化合物は、望ましくない細胞の過剰増殖(神経変性疾患、乾癬、狭窄、および再狭窄を含む)によって特徴づけられる非癌性疾患または非癌性状態を処置するために使用される。
別の実施形態において、本発明の方法において有用な化合物は、望ましくない細胞の過剰増殖(神経変性疾患、乾癬、狭窄、および再狭窄を含む)によって特徴づけられる非癌性疾患または非癌性状態を処置するために、上記のような他の薬剤と組み合わせて使用される。この組合せ療法によって処置可能な非癌性疾患の具体的な例としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病などのような神経変性疾患が挙げられる。イムノフィリンFKBP−52が、種々のステロイドレセプター複合体の形成において、Hsp90に対するクライアントタンパク質として関与し、そして損傷したニューロンの再生において機能することの証拠がある(Goldら、「Immunophilin FK506−Binding Protein 52(Not FK506−Binding Protein 12)Mediates the Neurotrophic Action of FK506」、1999,J Pharmacology & Exp.Ther.289:1202−1210)。従って、本発明の方法に従う、ゲルダナマイシン、ゲルダナマイシンアナログ、ラジシコルなどの、FKBP−52と結合する第2の薬剤との組合せおよび/またはFKBP−52を阻害する第2の薬剤との組合せは、神経変性疾患を処置するために使用され得る。
本発明の組合せ療法によって処置可能な非癌性疾患のさらなる例としては、細胞の過剰増殖(例えば、乾癬、狭窄、および再狭窄)によって特徴づけられる非癌性疾患が挙げられる。細胞増殖は、タンパク質チロシンキナーゼによって調節され、タンパク質チロシンキナーゼのうちの多くが、Hsp90に対するクライアントタンパク質であることが公知である。乾癬は、タンパク質チロシンキナーゼである上皮増殖因子レセプター(EGFR)に関連すると考えられており、そしてEGFRのインヒビターは、乾癬の処置剤として提案されている(Ben−BassatおよびKlein、「Inhibitors of Tyrosine Kinases in the Treatment of Psoriasis」、(2000),Curr.Pharm.Des.6:933−942)。ゲルダナマイシンおよびハービマイシンは、EGFRの成熟をブロックすることが示されている(Sakagamiら、「Benzoquinoid ansamycins(herbimycin A and geldanamycin)interfere with the maturation of growth factor receptor tyrosine kinases」(1999)Cell Stress Chaperones 4:19−28)。従って、本発明の方法に従う、ゲルダナマイシンまたはゲルダナマイシンアナログの、EGFRのインヒビターとの組合せは、乾癬を処置するために使用され得る。
本発明の方法において有用な化合物はまた、狭窄および再狭窄(特に、ステントのようなインビボデバイスと関連した狭窄および再狭窄)を処置するために使用され得る。1つの実施形態において、本発明の方法において有用な化合物は、ステントおよび他の外科的移植可能デバイスをコーティングするために使用される。別の実施形態において、本発明の方法において有用な化合物は、ステント、カテーテル、人工装具、および他のインビボデバイスをコーティングするために、上記のような他の薬剤と組み合わせて使用される。
本発明の詳細な説明は上記に提供され、以下の実施例は、本発明の例示を目的として提供され、本発明または特許請求の範囲を限定するように解釈されるものではない。
(実施例1)
(17−アルキルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシンの調製)
17−アルキルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシンを調製するための基本手順は、以下のとおりである。ゲルダナマイシンアナログ(25mmol)を、不活性雰囲気下で350mLの無水CHClに懸濁する。10mLのCHCl中のアルキルアミン(50mmol)の溶液を、滴下する。1時間後、この混合物を、エバポレートして乾燥させ、そしてその残渣を、50mLのクロロホルム中に溶解し、そして600mLのヘキサンを添加することによって沈殿させる。濾過および減圧乾燥して生成物を得る。この生成物をNMRおよびLC/MSによって特徴づける。この方法に従って調製される化合物としては、以下が挙げられる。
17−アリルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−ブチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(シクロプロピル)メチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−シクロブチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−フェニルシクロプロピル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−フルオロエチル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2,2−ジフルオロエチル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−アゼチジニル−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(3−(ジメチルアミノ)プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(4−(ジメチルアミノ)ブチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(3−ジメチルアミノ)−2−プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−ジメチルアミノ)−1−プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(N−エチルピロリジン−2−yl)メチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(1−ピラジニル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(N−メチルピロリジン−2−イル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(3−(ジエチルアミノ)プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(3−(4−モルホリノ)プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(4−イミダゾリル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(l−メチル−4−イミダゾリル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(l−メチル−5−イミダゾリル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(4−ピリジル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(1−ヒドロキシメチル)プロピルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−ジオキソラン−1−イル)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(3,3−ジメトキシプロピル)アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;
17−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン;および
17−(N−メチル 2−tert−ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシン
(実施例2)
(11−O−アリル−17−アルキルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシンの調製)
11−O−アリル−17−アルキルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンを調製するための基本手順は、以下のとおりである。17−アルキルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンアナログ(10mmol)、アリル−tert−ブチルカーボネート(14mmol)、酢酸パラジウム(0.1mmol)、およびトリフェニルホスフィン(0.67mmol)を、不活性雰囲気下で60mLの、新しく蒸留した、空気を含まないテトラヒドロフランに溶解する。この混合物を、16時間還流して加熱し、そして薄層クロマトグラフィーによってモニタリングする。完了時に、溶媒を減圧で除去し、そして生成物をシリカゲルクロマトグラフィーによって単離する。
(実施例3)
(11,17−連結−17−アミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシンの調製)
11,17−連結−17−アミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンを調製するための基本手順は、以下のとおりである。11−O−アリル−17−アルキルアミノゲルダナマイシンアナログ(10mmol)、およびベンジリデン−ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド(5mmol)を、不活性雰囲気下で250mLの無水CHClに溶解し、そしてこの反応物を、薄層クロマトグラフィーによってモニタリングする。24時間後、この反応物を濃縮し、そしてその残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製する。
(実施例4)
(SKBr3細胞におけるゲルダナマイシンアナログと細胞創傷性薬剤との相互作用)
SKBr3細胞株およびH358細胞株は、American Type Culture Collection(Manassas、VA)から購入した。細胞を、10% ウシ胎仔血清を有するMcCoy’5A培地中で維持した。17−AAGおよび17−DMAGを、DMSO中に10mMで溶解し、そして−20℃で保存した。
細胞を、4000細胞/ウェルで、不透明な壁で囲まれた96ウェルマイクロタイタープレート中に2連で播種し、一晩付着させた。各々の薬物の連続的な希釈物を添加し、そして細胞を、72時間インキュベートした。IC50を、生存細胞の数と相関するCellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega,Madison,WI)を用いて決定した。
薬物の組合せアッセイのために、細胞を、2連の96ウェルプレート(4000細胞/ウェル)に播種した。一晩のインキュベーションの後、細胞を、単独または組み合わせた薬物で処理した。各々の個々の薬物のIC50値に基いて、合わせた薬物での処理を、2つの薬物の一定の比で設定した(すなわち、それらのIC50の比に対応する)。3つの異なる処理スケジュールを用いた。第1の処理スケジュールは、17−AAGと第2の細胞傷害性薬剤の両方に対する72時間の同時曝露を用いた。第2のスケジュールでは、細胞を、17−AAGまたは17−DMAGに対して、24時間曝露した。次いで、第2の細胞傷害性薬剤を、細胞に添加し、そして48時間インキュベートした。第三の処理スケジュールでは、細胞を、第2の細胞傷害性薬剤単独に24時間曝露し、次いで、さらに17−AAGまたは17−DMAGに48時間添加した。細胞生存率を、蛍光アッセイ(Promega)によって決定した。組合せ分析を、Calcusynソフト(Biosoft,Cambridge,UK)を用いて実施した。「組合せインデックス」(CI)は、組合せて投与した2つの薬物の効果の加算性の測定値をいい、以下の式に従って算出した:
CI=[D]/[D+[D]/[D
ここで、[D]および[D]は、組合せて、アッセイにおいてx%の応答を提供する、第1の薬物および第2の薬物の個々の濃度を表し、そして[Dおよび[Dは、単独で用いた場合、アッセイにおいてx%の応答を提供する、第1の薬物および第2の薬物の個々の濃度を表す。この式に従って、CI=1は、組合せにおける2つの薬剤の単一相加効果を示し、それに対して、CI<1は、相乗作用を示し、そしてCI>1は、2つの薬物の間の拮抗作用を示す。
Iressaに曝露した後の細胞への17−AAGまたは17−DMAGの添加は、Iressaの細胞傷害性を相乗的に増加させた(図3)。Iressaの前に、細胞を17−AAGまたは17−DMAGに曝露した場合、相加効果が検出された。細胞の17−AAGまたは17−DMAGと同時にIressaとに対する曝露もまた、相加効果を生じた。従って、最適な相乗効果は、プロテインキナーゼインヒビターに細胞を曝露、次いでプロテインキナーゼインヒビターの効果を生じさせる時間の期間を待った後、ベンゾキノンアンサマイシンに曝露する場合にのみ観察される。
対照的に、パクリタキセルに曝露した後の細胞への17−AAGまたは17−DMAGの添加は、パクリタキセルの細胞傷害性を、相加的に増加させた(図5)。初めに細胞をパクリタキセルに曝露し、そしてその後に17−AAGまたは17−DMAGで処理した場合、相乗効果が観察された。この場合、最適な相乗作用は、初めに細胞をベンゾキノンアンサマイシンに曝露し、次いでベンゾキノンアンサマイシンの効果を生じさせる時間の期間を待った後、微小管安定化剤に曝露する場合にのみ観察される。
(実施例5)
(ATドメイン置換による28−デスメチルゲルダナマイシンの生成)
ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール1におけるアシルトランスフェラーゼドメインの、2−メチルマロニル−CoAの代わりにマロニル−CoAに特異的なATドメインとの置換は、28−デスメチル−ゲルダナマイシンを形成する。このドメイン置換は、選択可能な抗生物質耐性遺伝子の助けを借りたゲルダナマイシン生成株への相同組換えによって、異種のPKS遺伝子(例えば、ラパマイシン、チロシンまたはFK520 PKS遺伝子など)からゲルダナマイシンPKS遺伝子座にマロニル−CoA特異的アシルトランスフェラーゼドメインを導入し、次いで野生型アシルトランスフェラーゼドメインが、マロニル−CoA特異的なドメインで置換される二重交差現象から生じる組換体を単離することによって作製される。モジュール1のATドメインは、配列番号1のおよそヌクレオチド1626〜2670にコードされている。この配列情報は、米国特許第6,399,789号;米国特許第6,403,775号;および米国特許第5,962,290号に記載される方法とともに、当業者が、モジュール1のネイティブATドメインをマロニル−CoA特異性を有するATドメインで置換する組換ベクターを構築することを、可能とする。マロニル−CoA特異性を有するATドメインの適切な例は、以下に見出され得る:ラパマイシンPKS遺伝子(モジュール2、モジュール5、モジュール8、モジュール9、モジュール11、モジュール12およびモジュール14)(米国特許第6,399,789号に記載)、ならびにチロシンPKS遺伝子(モジュール3およびモジュール7)(米国特許第5,876,991号に記載);スピラマイシン遺伝子(モジュール1〜3およびモジュール7)(米国特許第5,945,320号に記載);FK520遺伝子(モジュール3およびモジュール10)(WO 00/20601に記載);ピクロマイシン遺伝子(モジュール2)(WO 99/61599に記載);ナルボマイシン遺伝子(モジュール2)(米国特許第6,303,767号に記載);アベルメクチン遺伝子(モジュール2)など。上記文書の各々は、参考として本明細書中に援用される。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成遺伝子と一緒に、生じたハイブリッドPKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、28−デスメチル−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例6)
(部位指定変異誘発による28−デスメチルゲルダナマイシンの作製)
ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール1中のアシルトランスフェラーゼドメインを、Reevesら、「Alteration of the substrate specificity of a modular polyketide synthase acyltranserase domain through site−directed mutagenesis」Biochemistry 2001,40:15464−15470、および米国特許出願番号60/310,730,表題「Alteration of the substrate specificity of a modular PKS AT domain」(参考として本明細書中で援用される)に記載される方法に従って変異誘発する。配列番号1中の2194位〜2205位のヌクレオチド配列TAC−GCC−TCC−CAC(配列番号4)でコードされるアミノ酸配列Tyr−Ala−Ser−His(配列番号3)を、当業者に公知の方法を用いて変異誘発し、例えば、上記で引用したReevesらの参考文献に記載されるように、CAC−GCC−TTC−CAC(配列番号6)へのヌクレオチド配列の変異誘発により、変異アミノ酸配列His−Ala−Phe−His(配列番号5)を生じる。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成を遺伝子と一緒に、生じた変異誘発PKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、28−デスメチル−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例7)
(還元的ドメインスワップによる4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生)
DHドメインおよびKRドメインの両方を有する、モジュール6の還元カセットのコード配列を、KRドメインのみを有する還元カセットのコード配列で置換する。この還元カセットは、ATドメインの終端(配列番号2のおよそ2805位のヌクレオチド)と、ACPドメインの開始部分(配列番号2のおよそ6028位のヌクレオチド)との間の配列中に含まれる。この配列情報は、米国特許第6,399,789号;米国特許第6,403,775号;および米国特許第5,962,290号に記載される方法とともに、当業者が、モジュール6のネイティブ還元カセットを、KRドメインのみをコードするカセットで置換する組換ベクターを構築することを、可能とする。KRドメインのみをコードするカセットの適切な例は、米国特許第6,399,789号に記載されるようにエリスロマイシンPKS遺伝子およびラパマイシンPKS遺伝子で見出され得る。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成遺伝子と一緒に、生じたハイブリッドPKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例8)
(部位指定変異誘発による4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生)
野生型ドメインの部位特異的変異誘発による、ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール6におけるデヒドラターゼドメインの不活性化は、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンを生じる。モジュール6のDHドメインは、配列番号2のおよそヌクレオチド2805〜4276にコードされている。2つの特定の配列が、DHドメインの変異不活性化の標的となり得る。1つの実施形態において、DHペプチドモチーフHis−Val−Ile−Ser−Gly−Ala−Val−Leu−Val−Pro(配列番号7)をコードするDNA配列(配列番号2のヌクレオチド2956〜2985)を、1番目の位置にヒスチジン以外のアミノ酸配列を有するペプチドを産生するように突然変異させる。ヒスチジンをコードするCACコドンを、例えば、配列番号8に例示するように、グルタミンをコードするCAAまたはCAGに変異させる。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成遺伝子と一緒に、生じた変異誘発PKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例9)
(欠失による4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生)
ATドメインの終端(配列番号2のおよそ2805位のヌクレオチド)とKRドメインの開始部分(配列番号2のおよそ5212位のヌクレオチド)との間のモジュール6中のヌクレオチド配列の一部を欠失させ、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンの生成のための、改変PKSを提供する。配列番号2のおよそ2805位と3270位との間のヌクレオチド配列を、ATドメインとKRドメインとの間のおよそ465アミノ酸のリンカー領域を切除するように欠失させる。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成遺伝子と一緒に、生じた改変PKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、4,5−ジヒドロ−5−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例10)
(還元的ドメインスワップによる15−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生)
モジュール1中の還元カセットは、ATドメインの終端(配列番号1のおよそ2670位のヌクレオチド)とACPドメインの開始部分(配列番号1のおよそ5895位のヌクレオチド)との間の配列にコードされる。この配列情報は、米国特許第6,399,789号;米国特許第6,403,775号;および米国特許第5,962,290号に記載される方法とともに、当業者が、モジュール1のネイティブ還元カセットを、KRドメインのみをコードするカセットで置換する組換ベクターを構築することを、可能とする。KRドメインのみをコードするカセットの適切な例は、米国特許第6,399,789号に記載されるようにエリスロマイシンPKS遺伝子およびラパマイシンPKS遺伝子で見出され得る。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成遺伝子と一緒に、生じたハイブリッドPKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、15−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例11)
(部位指定変異誘発による15−ヒドロキシゲルダナマイシンの産生)
野生型ドメインの部位特異的変異誘発による、ゲルダナマイシンPKS遺伝子のモジュール1におけるデヒドラターゼドメインの不活性化は、15−ヒドロキシゲルダナマイシンを生じる。モジュール1のDHドメインは、配列番号1のおよそヌクレオチド2670〜4140にコードされている。2つの特定の配列が、DHドメインの変異不活性化の標的となり得る。1つの実施形態において、DHペプチドモチーフHis−Ala−Val−Ser−Gly−Thr−Val−Leu−Leu−Pro(配列番号9)をコードするDNA配列(配列番号1のヌクレオチド2821〜2850)を、1番目の位置にヒスチジン以外のアミノ酸を有するペプチドを産生するように変異させる。ヒスチジンをコードするCACコドンを、例えば、配列番号10に例示するように、グルタミンをコードするCAAまたはCAGに変異させる。ネイティブ株がゲルダナマイシンを産生する条件下での、残存するゲルダナマイシン生合成遺伝子と一緒に、生じた変異誘発PKSを含む宿主細胞の発酵、続く培養液の抽出および精製は、15−ヒドロキシ−ゲルダナマイシンを提供する。
(実施例12)
(8,9−エポキシ−8,9−ジヒドロゲルダナマイシン)
ジクロロメタン(5mL)中のゲルダナマイシン(120mg、0.21mmol)の溶液に、85% 3−クロロペルオキシ安息香酸(93mg、0.42mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した後、TLCは、反応が完了していることを示した。この反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、そして次いで、硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸水溶液、およびブラインで洗浄した。その有機溶液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして乾燥させた。その粗製生成物を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、30mgの8,9−エポキシ−8,9−ジヒドロゲルダナマイシンを、黄色固形物として得た。この化合物を、NMRおよびMS分光測定により特徴付けした。
(実施例13)
(8,9−エポキシ−17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−8,9−ジヒドロ−17−デメチオキシゲルダナマイシン(demethyoxygeldanamycin))
1,2−ジクロロメタン(2mL)中の8,9−エポキシ−8,9−ジヒドロゲルダナマイシン(20mg、0.035mmol)の溶液に、N,N−ジメチルエチレンジアミン(10μL、0.09mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。この反応物を、酢酸エチルで希釈し、そして重炭酸水溶液、およびブラインで連続して洗浄することによってワークアップした。その有機溶液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして乾燥させた。その粗製生成物を、C−18カラムを用いたHPLCで精製し、10mgの8,9−エポキシ−17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−8,9−ジヒドロ−17−デメトキシゲルダナマイシンを、紫色固形物として得た。この化合物を、NMRおよびMS分光測定により特徴付けした。
(実施例14)
(17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−17−デメチオキシゲルダナマイシン)
1,2−ジクロロメタン(4mL)中のゲルダナマイシン(60mg、0.1mmol)溶液に、N,N−ジメチルエチレンジアミン(22μL、0.2mmol)を添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌した。この反応物を、酢酸エチルで希釈し、そして重炭酸水溶液およびブラインで、連続して洗浄した。その有機溶液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして乾燥させた。その粗製生成物を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、59mgの17−[2−(ジメチルアミノ)−エチルアミノ]−17−デメチオキシゲルダナマイシンを、紫色固形物として得た。この化合物を、NMRおよびMS分光測定により特徴付けした。
(実施例15)
(17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−11−オキソ−17−デメチオキシゲルダナマイシン)
クロロホルム(5mL)中の17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−17−デメチオキシゲルダナマイシン(50mg、0.08mmol)の溶液に、Dess−Martinピリオジネート(208mg、0.49mmol)を添加した。この混合物を、1時間加熱して、還流した。この反応混合物を、酢酸エチル中に希釈し、そしてチオ硫酸ナトリウム水溶液、重炭酸水溶液およびブラインで、連続して洗浄した。その有機溶液を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして乾燥させた。その粗製生成物を、C−18カラムを用いたHPLCで精製し、26mgの17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−11−オキソ−17−デメチオキシゲルダナマイシンを、紫色固形物として得た。この化合物を、NMRおよびMS分光測定により特徴付けした。
(実施例16)
(17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−11−オキソ−17−デメチオキシゲルダナマイシン−11−オキシム)
エタノール(4mL)中の17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−11−オキソ−17−デメチオキシ(demethyoxy)−ゲルダナマイシン(30mg、0.049mmol)の溶液に、トリエチルアミン(60μL、0.43mmol)および塩酸ヒドロキシルアミン(30mg、0.4mmol)を添加した。この混合物を、室温で3時間攪拌した後、TLCは、反応の完了を示した。エタノールをエバポレートした後、残渣をクロロホルムおよび水の中に溶解した。その有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そしてエバポレートして乾燥させた。その粗製生成物を、シリカゲルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、10mgの17−[2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ]−11−オキソ−17−デメチオキシゲルダナマイシン−11−オキシムを、紫色固形物として得た。この化合物を、NMRおよびMS分光測定により特徴付けした。
図1は、種々の天然に存在するベンゾキノンアンサマイシンおよび17−AAGおよび17−DMAGの構造を示す。 図2は、可溶性の機能を有する基を有する式(I)を有する化合物の特定の実施形態を示す。 図3は、本発明の方法に従う、ベンゾキノンアンサマイシンならびにプロテインキナーゼインヒビターIressaでのSKBr3細胞の処理の結果を示す。パネルAは、17−AAGの結果を示す。 図3は、本発明の方法に従う、ベンゾキノンアンサマイシンおよびプロテインキナーゼインヒビターIressaでのSKBr3細胞の処理の結果を示す。パネルBは、17−DMAGの結果を示す。 図4は、代表的なプロテインキナーゼインヒビターの構造を示す。 図5は、本発明の方法に従う、17−AAGおよび微小管安定化剤パクリタキセルでのH358細胞の処理の結果を示す。
【配列表】
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Claims (20)

  1. 以下の式
    Figure 2005515164
    を有する化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグであり:
    ここでRは、MeO、(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、H、置換または非置換C〜Cアルキル、置換または非置換C〜Cアルケニル、置換または非置換C〜Cアルキニル、置換または非置換C〜Cシクロアルキル、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキシ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択されるか、またはRは、Hであり、そしてRおよびRは、一緒になって式NH−Z−Oの基を形成し、ここでZは、1〜6個の炭素原子および0〜2個の窒素原子から構成されるリンカーであり、ここでOは、Rの位置で結合され;
    は、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換C〜Cアルキル、置換または非置換C〜Cアルケニル、置換または非置換C〜Cアルキニルおよび置換または非置換C〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;
    は、H、OHまたはOMeであり;
    は、HまたはMeであり;
    は、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OR11を形成し、ここでR11は、H、置換または非置換C〜Cアルキル、置換または非置換C〜Cアルケニル、置換または非置換C〜Cアルキニル、置換または非置換C〜Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;
    はHであり、そしてRはHまたはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そしてXはOまたは結合であり、ただし、RがHであり、RがMeである場合、RはHであり、そしてRはHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し、RはHでありそしてRおよびRは一緒になって式NH−Z−Oの基を形成し、ここで、Zは、1〜6個の炭素原子および0〜2個の窒素原子から構成されるリンカーであり、ここでOは、Rの位置で結合されるか、またはRは、(CHNまたはR−NHであり、ここでRは、ピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキシ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;そしてここでRはHであり、そしてRがMeであり、RがHである場合、そしてRはOHである、
    化合物。
  2. 請求項1の化合物であって、
    ここでRは(CHNまたはR−NHであり、ここでRはピペリジニル、N−アルキルピペリジニル、ヘキサヒドロピラニル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、ピロリジニル、N−アルキルピロリジニル、ピペラジニルアミノ、N−アルキルピペラジニル、モルホリニル、N−アルキルアジリジニルメチル、(1−アザビシクロ[1.3.0]ヘキシ−1−イル)エチル、2−(N−メチル−ピロリジン−2−イル)エチル、2−(4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−4−イミダゾリル)エチル、2−(1−メチル−5−イミダゾリル)エチル、2−(4−ピリジル)エチルおよび3−(4−モルホリノ)−1−プロピルからなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、OR10、NHR10、SR10、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここでR10は、置換または非置換C〜Cアルキル、置換または非置換C〜Cアルケニル、置換または非置換C〜Cアルキニルおよび置換または非置換C〜Cシクロアルキルからなる群から選択され;
    は、H、OHまたはOMeであり;
    は、HまたはMeであり;
    は、OHまたはO−C(=O)−CHNHであり、そしてRは、Hであるか、またはRおよびRは一緒になって=Oまたは=N−OR11を形成し、ここでR11は、H、置換または非置換C〜Cアルキル、置換または非置換C〜Cアルケニル、置換または非置換C〜Cアルキニル、置換または非置換C〜Cシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され;
    はHであり、そしてRはHまたはOHであるか、またはRおよびRは一緒になって結合を形成し;そして
    XはOまたは結合である、
    化合物。
  3. がOHまたはOMeである、請求項1に記載の化合物。
  4. がHである、請求項1に記載の化合物。
  5. がHであり、そしてRがOHである、請求項1に記載の化合物。
  6. 請求項1に記載の化合物であって、ここでRおよびRは、一緒になって式NH−Z−Oの基を形成し、ここでZは、1〜6個の炭素原子および0〜2個の窒素原子から構成されるリンカーであり、ここでOは、Rの位置で結合される、
    化合物。
  7. 所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態の処置において使用するための、薬学的組成物であって、請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  8. 所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を罹患する被験体において、所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を処置する方法であって、該方法は、治療的有効量の請求項7に記載の組成物を該被験体に投与する工程を包含する、
    方法。
  9. 前記疾患が癌である、請求項8に記載の方法。
  10. 所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を罹患する被験体において、所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を処置する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)該被験体に実質的に毒性以下の用量のHsp90クライアントタンパク質インヒビターを投与する工程;
    (b)実質的に有効な応答の発生を可能にするのに十分な時間待つ工程;
    (c)該被験体に相乗作用の用量のベンゾキノンアンサマイシンを投与する工程、
    を包含する、方法。
  11. 前記Hsp90クライアントタンパク質キナーゼインヒビターがタンパク質キナーゼインヒビターである、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記タンパク質キナーゼインヒビターが、キナゾリン、フェニルアミノ−ピリジン、ピラゾロ−ピリジン、ピロロ−ピリジン、インドール、オキシンドール、ベンジリデンマロノニトリル、フラボン、スタウロスポリン、抗体およびリボソームタンパク質キナーゼインヒビターからなる群から選択される、
    方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、前記タンパク質インヒビターが、N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシ]−4−キナゾリンアミン、2−(2−クロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8[(3S,4R)−3−ヒドロキシ−1−メチル−4−ピペリジニル]−4H−1−ベンゾピラン−4−オン、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ]フェニル]ベンズアミノ、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミンモノヒドロクロリドおよび3−[(3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンからなる群から選択される、
    方法。
  14. 請求項10に記載の方法であって、前記ベンゾキノリンアンサマイシンが、請求項1に記載の化合物、17−アリルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンおよび17−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシンからなる群から選択される、
    方法。
  15. 所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を罹患する被験体において、所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を処置する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)該被験体に相乗作用の用量のベンゾキノンアンサマイシンを投与する工程;
    (b)実質的に有効な応答の発生を可能にするのに十分な時間待つ工程;
    (c)該被験体に毒性以下の用量のHsp90クライアントタンパク質インヒビターを投与する工程、
    を包含する、方法。
  16. 前記Hsp90クライアントタンパク質インヒビターが微小管安定剤である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記微小管安定剤が、パクリタキセル、エポチロン(epothilone)、ディスコーダモリド(discodermolide)およびロウリマリド(laulimalide)からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  18. 請求項16に記載の方法であって、前記ベンゾキノリンアンサマイシンが、請求項1に記載の化合物、17−アリルアミノ−17−デスメトキシ−ゲルダナマイシンおよび17−(2−(ジメチルアミノ)エチルアミノ−17−デスメトキシゲルダナマイシンからなる群から選択される、
    方法。
  19. 所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を罹患する被験体において、所望でない細胞増殖または過剰増殖によって特徴付けられる疾患または状態を処置する方法であって、該方法は、請求項7に記載の組成物と5−フルオロウラシル、メトトレキセート、ビンブラスチン、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロラムブシル、メルファラン、イフォスファミド、ブレオマイシン、マイトマイシンおよびドキソルビシンからなる群から選択される細胞傷害性薬物とを組み合わせて、該被験体に投与する工程を包含する、
    方法。
  20. 請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載の方法であって、前記毒性以下の用量は、前記Hsp90クライアントタンパク質インヒビターの最大の耐量と最大の2分の1の耐量との間であり、そして前記相乗作用の用量は、前記ベンゾキノンアンサマイシンの最大の耐量である、
    方法。
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