JP2005512984A - ジオキソランヌクレオシド類似体を含む白血病の治療のための医薬組成物 - Google Patents

ジオキソランヌクレオシド類似体を含む白血病の治療のための医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行ったホストの白血病を治療するための新規な方法であって、このホストに、式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含み、式(I)中、Bはシトシンまたは5−フルオロシトシンであり、RはH、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、C1〜5アルキル、C1〜5アルケニル、C1〜5アルキニル、C5〜10アリールで置換されたカルボニル、および式(II)から選択され、式(II)中、各Rcはそれぞれ独立に、H、C1〜5アルキル、C1〜5アルケニル、C1〜5アルキニルおよびヒドロキシ保護基を含む群から選択される方法を提供する。
【化1】
Figure 2005512984

【化2】

Description

本発明は、白血病を治療する方法、より詳細には、急性または慢性骨髄性白血病の有効な治療剤としてのヌクレオシド類似体の使用に関する。
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれている、2001年11月2日に出願された米国仮特許出願第60/330,891号の利権を主張する。
白血病は、骨髄および血液の悪性癌である。これは、血球の無制御な増殖を特徴とする。一般的な白血病のタイプは、4つの種類、すなわち骨髄の骨髄球成分(白血球、赤血球、巨核球)に関する急性または慢性骨髄性白血病、およびリンパ系細胞に関する急性または慢性リンパ性白血病に分類される。
急性白血病は、骨髄および血液中に未成熟な無機能細胞(芽細胞)を大量に蓄積させる、急速に進行する疾患である。骨髄は、しばしば正常な赤血球および白血球および血小板を十分に産生できなくなる。赤血球の欠乏である貧血は、ほぼ全ての白血病患者で発症する。正常な白血球が欠乏すると、感染症と闘う身体の能力が損なわれる。血小板が不足すると、打撲傷を負い、出血しやすくなる。これに対して、慢性白血病の進行はずっと遅く、無制御の増殖をもたらし、その結果ある範囲の成熟(分化)細胞の著しい過増殖をもたらす。一般に、急性白血病は慢性型とは異なり、腫瘍クローンの除去によって治る可能性がある。白血病の治療は非常に複雑であり、白血病のタイプによって決まる。白血病患者ではまた、1クールの治療の後に生じる緩解でも、緩解間で極めて大きい臨床的なばらつきも観察されている。耐性がいつ生じるかに関係なく、治療に耐性のある患者の寿命は非常に短い。
白血病の標準的な治療は通常、化学療法および/または骨髄移植および/または放射線治療を伴う。2つの主要なタイプの骨髄移植片は、自家(患者自身の骨髄を用いる)および同種(適合性のあるドナーの骨髄を用いる)である。高エネルギー線の使用を伴う放射線治療および化学療法は、通常骨髄移植の前に行って全ての白血病細胞を死滅させる。CMLの治療では、骨髄移植は明らかに治療効果がある。しかし、CML患者のわずか30%から40%にしか適切なドナーが存在しない。その上、この方法による死亡率は、レシピエントの年齢に応じて20%から30%である。最後に、この方法は非常に費用がかかる。
白血病の化学療法は、2種以上の抗癌薬を併用して行うことができる。白血病の治療には、現在約40種の異なる薬物が、単独でまたは組み合わせて使用されている。いくつかの一般的な組合せには、シタラビンとドキソルビシンまたはダウノルビシンまたはミトキサントロンまたはチオグアニン、メルカプトプリンとメトトレキセート、ミトキサントロンとエトポシド、アスパラギナーゼとビンクリスチン、ダウノルビシンおよびプレドニゾン、シクロホスファミドとビンクリスチン、シタラビンおよびプレドニゾン、シクロホスファミドとビンクリスチンおよびプレドニゾン、ダウノルビシンとシタラビンおよびチオグアニンならびにダウノルビシンとビンクリスチンおよびプレドニゾンがある。
白血病の他の治療には、悪性細胞を化学療法薬の損傷作用から回避させる(かつ不応または再発を招く)メカニズムを低減させる薬剤の使用を伴う多剤耐性の克服(reversal)、および生物学的応答調節物質(BRM)として知られている物質の使用を伴う生物学的療法もある。これらの物質は、癌または他の疾患に対する身体の自然な応答の一部として通常少量で産生される。BRMのタイプには、悪性細胞が運ぶ相補的な抗原と反応する抗体に毒素が付着しているモノクローナル抗体、および血球産生を刺激し、治療後の血球数のより迅速な回復を助ける、天然に存在する化学物質であるサイトカイン(例えばインターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子CSF)がある。これらの薬物の例には、多剤耐性克服剤PSC 833、モノクローナル抗体リツキサンおよび以下のサイトカイン、すなわち赤血球の産生を刺激するエリスロポエチンおよびエポエチン、白血球の産生を刺激するG−CSF、GM−CSF、フィルグラスチム、およびSargramostim、ならびに血小板の産生を刺激するトロンボポエチンがある。
多くのヌクレオシド類似体は、抗癌活性を有することが判明している。シタラビン、フルダラビン、ゲムシタビンおよびクラドリビンは、白血病の治療において現在重要な薬物であるヌクレオシド類似体のいくつかの例である。β−L−OddC((−)−β−L−ジオキソラン−シチジン、トロキサチル(商標)、Shire BioChem Inc.製)もヌクレオシド類似体であり、これらはBelleauらによって最初に抗ウィルス薬として記載され(例えば、特許文献1参照)、強力な抗腫瘍活性を有することが示された(例えば、非特許文献1〜4参照)。臨床研究では、β−L−OddCは、進行型の白血病患者において顕著な活性を有することが報告されている(例えば、非特許文献5参照)。
つい最近では、Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害剤のSTI−571(グリベック(商標)、メシル酸イマチニブ、Novartis Pharmaceuticals Corp.製)は、特に慢性骨髄性白血病で著しい抗白血病活性を示している。Bcr−Ablチロシンキナーゼ阻害を標的化している患者のグループでは、STI−571は有望な治療剤になっている。しかし、著しい血液学的応答および細胞発生応答にもかかわらず、特に慢性骨髄性白血病の進行期で耐性が生じる。
Belleauら欧州特許第337713号公報 国際公開第96/07413A1号パンフレット 国際公開第97/21706号パンフレット 国際公開第00/47759号パンフレット K. L. Grove et al., Cancer Res., 55 (14), 3008-11, 1995 K. L. Grove et al., Cancer Res., 56 (18), 4187-4191, 1996 K. L. Grove et al., Nucleosides Nucleotides, 16: 1229-33, 1997 S. A Kadhim et al., Can. Cancer Res., 57 (21), 4803-10, 1997 Giles et al., J. Clin. Oncology, Vol 19, No 3, 2001 T. Greene, Protective Groups In Organic Synthesis, (John Wiley & Sons, 1981) Beran M., Pisa p., O'Brien S., Kurzrock R., Siciliano M., Cork A., Andersson BS., Kohli V., Kantarjian H., Biological Properties and growth in SCID mice of a new myelogenous leukemia cell line (KBM-5) derived from chronic myelogenous leukemia cells in the blastic phase. Cancer Research, 53 (15): 3603-3610, 1993 Kotecki M., Reddy PS., Cochran BH., Isolation and characterization of a near-haploid human cell line, Exp. Cell. Res., 252 (2): 273-280, 1999 Andersson BS., Collins VP., Kurzrock R., Larkin DW., Childs C., Ost A., Cork A., Trujillo JM., Freireich EJ., Siciliano MJ., Leukemia, 9 (12): 2100-2108, 1995
したがって、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行い、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤に耐性ができた白血病患者を治療するための薬剤をさらに開発することが非常に必要とされている。
本発明は、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者に、以下の式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための新規な方法を提供する。
Figure 2005512984
[式中、
Bはシトシンまたは5−フルオロシトシンであり、
RはH、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリールで置換されたカルボニル、および
Figure 2005512984
(式中、各Rcはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルおよびヒドロキシ保護基を含む群から選択される)
から選択される]
別の実施形態では、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行い、かつ従来の化学療法治療を受けていない患者に、先に定義した式(I)の化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための方法が提供される。
別の実施形態では、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者に、先に定義した式(I)による化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための方法が提供される。
別の実施形態では、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行い、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤治療に耐性ができた患者に、先に定義した式(I)による化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための方法が提供される。
別の実施形態では、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者に、先に定義した式(I)による化合物と、ヌクレオシド類似体、化学療法剤、多剤耐性克服剤(multidrug resistance reversing agent)、および生物学的応答調節剤を含む群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤とを治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための方法が提供される。
別の実施形態では、少なくとも1種の先に定義した式(I)による化合物、ならびにヌクレオシド類似体、化学療法剤、多剤耐性克服剤、および生物学的応答調節剤を含む群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤を含む、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者の白血病を治療するための薬剤組成物が提供される。
さらに別の実施形態では、少なくとも1種の先に定義した式(I)による化合物を少なくとも1種の薬学的に許容される担体または賦形剤と共に含む、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者の白血病を治療するための薬剤組成物が提供される。
本発明の別の実施形態は、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者の白血病を治療するための医薬品を製造するための、先に定義した式(I)による化合物の使用である。
本発明は、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者に、以下の式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための新規な方法を提供する。
Figure 2005512984
[式中、
Bはシトシンまたは5−フルオロシトシンであり、
RはH、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリールで置換されたカルボニル、および
Figure 2005512984
(式中、各Rcはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルおよびヒドロキシ保護基を含む群から選択される)
から選択される]
本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物において、RはHである。
別の実施形態では、式(I)の化合物において、Bはシトシンである。
あるいは、別の実施形態では、式(I)の化合物において、Bは5−フルオロシトシンである。
一実施形態では、式(I)の化合物は(−)−β−L−ジオキソラン−シチジン(β−L OddC)である。
別の実施形態では、式(I)の化合物は(−)−β−ジオキソラン−5−フルオロ−シチジン(5−FddC)である。
別の実施形態では、本発明の式(I)の化合物は、実質的に(−)型の鏡像異性体である。
他の実施形態では、本発明の式(I)の化合物は、対応する(+)型の鏡像異性体を少なくとも95%含まない(−)型の鏡像異性体である。
別の実施形態では、本発明の式(I)の化合物は、対応する(+)型の鏡像異性体を少なくとも97%含まない(−)型の鏡像異性体である。
さらに別の実施形態では、本発明の式(I)の化合物は、対応する(+)型の鏡像異性体を少なくとも99%含まない(−)型の鏡像異性体である。
式(I)の化合物は、式(I)においてアスタリスク(*)で印をつけた少なくとも2つのキラル中心を含むことが当業者には理解されよう。したがって、式(I)の化合物は、2種の異なる光学異性体(すなわち(+)または(−)型の鏡像異性体あるいはβ−Lおよびβ−D)の形態で存在する。こうした全ての鏡像異性体およびラセミ混合物を含むそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。単一の光学異性体または鏡像異性体は、キラルHPLC、酵素分解およびキラル助剤の使用といった当技術分野でよく知られている方法によって得ることができる。
「実質的に」とは、(+)鏡像異性体よりも(−)鏡像異性体が多く存在することを意味する。
一実施形態では、本発明は、Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行い、かつ従来の化学療法治療を受けていない患者に、先に定義した式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための新規な方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、STI−571で予め治療を行い、STI−571治療に耐性ができた患者に、先に定義した式(I)を有する化合物を治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための新規な方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、STI−571で予め治療を行い、STI−571治療に耐性ができた患者に、β−L−OddCを治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための新規な方法を提供する。
別の実施形態では、STI−571で予め治療を行った患者に、先に定義した式(I)による化合物と、ヌクレオシド類似体、化学療法剤、多剤耐性克服剤、および生物学的応答調節剤を含む群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤とを治療有効量投与することを含む、ホストの白血病を治療するための方法が提供される。
別の実施形態では、化学療法剤は、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロランブシル、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、6−チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、デキサメタゾン、レチノイン酸およびプレドニゾンからなる群から選択される。
一実施形態では、さらなる治療剤は、ヌクレオシド類似体である。
一実施形態では、さらなる治療剤は、シトシンヌクレオシド類似体である。
別の実施形態では、さらなる治療剤は、シタラビン(Ara−C)またはゲムシタビンから選択されるシトシンヌクレオシド類似体である。
別の実施形態では、さらなる治療剤は、イダルビシンである。
一実施形態では、多剤耐性克服剤は、PSC 833である。
別の実施形態では、生物学的応答調節剤は、モノクローナル抗体およびサイトカインからなる群から選択される。
別の実施形態では、サイトカインは、インターフェロン、インターロイキンおよびコロニー刺激因子からなる群から選択される。
別の実施形態では、生物学的応答調節剤は、リツキサン、CMA−676、インターフェロン−α組換え体、インターロイキン−2、インターロイキン−3、エリスロポエチン、エポエチン、G−CSF、GM−CSF、フィルグラスチム、Sargramostimおよびトロンボポエチンからなる群から選択される。
こうした組合せの個々の成分は、個々のまたは組み合わせた製剤として、順次または同時に投与することができる。
上述の組合せは、好都合には医薬製剤の形態で使用する際に提供されてもよく、したがって先に定義した組合せを、それに対する許容される担体と共に含む医薬製剤は、本発明のさらなる態様を構成する。
本発明の一実施形態では、本発明の医薬合剤中に存在する式(I)の化合物は(β−L−OddC)であり、少なくとも1種のさらなる治療剤はシタラビン、ゲムシタビンおよびイダルビシンから選択される。β−L−OddCとさらなる治療剤との比は、好ましくは1:250から250:1、より好ましくは1:50から50:1、特に1:20から20:1である。
一実施形態では、本発明は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、芽球期慢性骨髄性白血病(CMLBP)、不応性骨髄異形成症候群(MDS)を含む群から選択される白血病を治療するための方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、骨髄性白血病を治療するための方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、急性骨髄性白血病を治療するための新規な方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病を治療するための新規な方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、芽球期慢性骨髄性白血病を治療するための新規な方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、多剤耐性白血病を治療するための新規な方法を提供する。
また、本発明の式Iの化合物の薬学的に許容される塩を用いて白血病を治療する方法も提供される。式(I)の化合物の薬学的に許容される塩という用語は、薬学的に許容される無機および有機の酸および塩基から誘導されるものを意味する。適当な酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸およびベンゼンスルホン酸がある。
適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属(例えばナトリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウムおよびNR4 +(式中、RはC1〜4アルキル)塩がある。
本出願で用いられる「アルキル」という用語は、非置換のまたは置換した(ハロゲン、ニトロ、CONH2、COOH、O−C1〜6アルキル、O−C2〜6アルケニル、O−C2〜6アルキニル、ヒドロキシル、アミノ、またはCOOQ(式中、QはC1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル)によって)直鎖、分枝鎖または環状炭化水素基(例えばイソプロピル、エチル、フルオロヘキシルまたはシクロプロピル)を表す。アルキルという用語はまた、1個または複数個の水素原子がハロゲンによって置換されているアルキルを含むことも意味する。ハロゲンがフルオロ(例えばCF3−またはCF3CH2−)であることがより好ましい。
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の不飽和基(例えばアルキル)を含むアルキルを表す。
「ヒドロキシ保護基」という用語は、有機化学の分野でよく知られている。このような保護基は文献に見ることができる(例えば、非特許文献6参照)。ヒドロキシ保護基の例には、アセチル−2−チオエチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステルおよびイソプロピルオキシカルボニルオキシメチルエステルがあるが、それらに限定されない。
「アリール」という用語は、場合によりOH、SH、アミノ、ハロゲンもしくはC1〜6アルキルで一置換または二置換され、場合により少なくとも1個のヘテロ原子(例えばN、O、またはS)で置換された不飽和炭素環基を表す。
「白血病」という用語は、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、芽球期慢性骨髄性白血病(CML−BP)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、有毛細胞性白血病(HCL)、骨髄異形成症候群(MDS)、ならびに当業者によく知られている形態学的、組織化学的および免疫学的技術によって定義されるこれらの白血病の全サブタイプを表す。
「骨髄性白血病」という用語は、骨髄の骨髄球成分(例えば白血球、赤血球および巨核球)に関係し、当業者によく知られている形態学的、組織化学的および免疫学的技術によって定義される全サブタイプを含む急性および慢性骨髄性白血病(AML、CML、CML−BP)の両方を表す。
「多剤耐性白血病」という用語は、化学療法剤を用いた治療に対して非応答性の白血病を表す。
「ホスト」という用語は、ヒトを含む任意の哺乳動物を表す。
一実施形態では、ホストはヒトである。
一実施形態によれば、予め治療した患者はSTI−571に耐性である。この患者は、本明細書に記載されている方法のいずれか1つによって治療される。別の実施形態によれば、患者はSTI−571に不応性である。
「STI−571に耐性がある」および「STI−571に不応である」という用語は、予めSTI−571で治療した患者が、STI−571の治療に応答しなかった、あるいはSTI−571の治療に応答し、次いで再発したことを表す。
同様に、「不応性白血病」という用語は、予め治療した患者が、薬剤の治療に応答しなかった、あるいは治療に応答し、次いで再発したことを表す。
治療に使用するのに必要な本発明の式(I)の化合物の量は、選択された特定の化合物だけでなく、投与経路、治療を必要とする症状の性質ならびに患者の年齢および症状によっても異なり、最終的に担当の医師または獣医師の裁量に委ねられることが理解されよう。しかし、一般に、適当な投与量は、1日当り約0.01から約750mg/kg体重、好ましくは0.5から60mg/kg/日、最も好ましくは1から20mg/kg/日でなる。より具体的には、化学療法剤は、1日当り体重のmg/m2の用量で投与する。一般に、適当な投与量は、1日当り約0.72から約10mg/m2、好ましくは1日当り0.72から約8mg/m2、最も好ましくは1日当り8mg/m2になる。上述の全ての投与量は、通常30分間にわたる静脈内注入の期間にわたって投与される。
所望の投与量は、好都合には1回投与で、あるいは適切な間隔、例えば1日当り2、3、4回または複数回の投与によって投与する分割用量として提供することができる。
一実施形態では、本発明の式(I)の化合物を、STI−571で予め治療を行い、STI−571治療に耐性ができた患者に、1日当り30分間にわたる静脈内注入8mg/m2の投与量で5日間にわたって投与する。
本発明による医薬合剤は、好都合には、例えば単位剤形当り有効成分を10から1500mg、好都合には20から1000mg、最も好都合には50から700mg含む単位剤形で投与する。
理想的には、活性化合物の最大血漿濃度が約1から約75μM、好ましくは約2から50μM、最も好ましくは約3から約30μMに到達するように有効成分を投与する。理想的には、活性化合物の最大血漿濃度は5μMである。これは、例えば、必要に応じて生理食塩水中の有効成分0.1から5%の溶液を静脈内注射することによって、あるいは有効成分を約1から約500mg含むボーラス剤として経口投与することによって達成することができる。所望の血中濃度は、約0.01から約5.0mg/kg/時を提供する連続注入によって、あるいは有効成分約0.4から約15mg/kgを含む断続的な注入によって維持することができる。また、所望の血中濃度は、1日当り約0.72から約10mg/m2を提供する30分間にわたる注入を5日間行うことによって維持することができる。
治療で使用する場合、本発明の式(I)の化合物は、そのままの化学物質として投与することが可能であるが、本発明の一実施形態によれば、有効成分を医薬製剤として提供することが好ましい。したがって、本発明の実施形態はさらに、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、それに対する1種または複数の薬学的に許容される担体と共に、ならびに必要に応じて他の治療および/または予防成分を含む医薬製剤を提供する。この担体は、製剤の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに対して有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。
医薬製剤には、経口、直腸、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、経皮、膣または非経口(筋肉内、皮下および静脈内を含む)投与に適した、あるいは吸入または通気による投与に適した形態のものがあるが、それだけには限定されない。この製剤は、必要に応じて、好都合には別々の単位用量で提供することができ、薬学の技術分野でよく知られている任意の方法によって調製することができる。この実施形態による全ての方法には、活性化合物を液状担体または微粉砕した固形担体または両方と結合し、次いで、必要に応じて、その生成物を所望の製剤に成形するステップが含まれる。
経口投与に適した製剤は、好都合にはそれぞれが所定量の有効成分を粉末または顆粒として含むカプセル剤、カシェ剤または錠剤など別々の単位として提供する。別の実施形態では、この製剤を液剤、懸濁剤として、または乳剤として提供する。さらに別の実施形態では、有効成分をボーラス剤、舐剤またはペースト剤として提供する。経口投与のための錠剤およびカプセル剤は、結合剤、充填剤、滑剤、崩壊剤、または湿潤剤など慣用の賦形剤を含むことができる。錠剤は、当技術分野でよく知られている方法によってコーティングすることができる。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の形態にすることができ、あるいは使用前に水または他の適当な賦形剤と構成させるための乾燥製品として提供することができる。こうした液体製剤は、懸濁化剤、乳濁化剤、非水性賦形剤(食用油を含むことができる)、または防腐剤など慣用の添加剤を含むことができる。
本発明による式(I)の化合物は、非経口投与(例えば注射、例えばボーラス注射または連続注入による)のために調製することができ、アンプル剤、プレフィルドシリンジ、少量注入の単位剤形で、または防腐剤を追加した複数回投与用容器で提供することができる。この組成物は、油性または水性賦形剤中の懸濁剤、液剤、または乳剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの調製剤を含むことができる。あるいは、有効成分は、使用前に適当な賦形剤、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水と構成させるための、滅菌固形物の無菌単離によってまたは溶液からの凍結乾燥によって得られた粉末形態とすることができる。
本発明による医薬合剤は、静脈内投与による中枢神経系への直接投与のために調製することもできる。さらに、心臓への投与を達成することができる。
表皮への局所投与のために、式Iの化合物は、軟膏剤、クリーム剤またはローション剤として、あるいは経皮パッチとして製剤化できる。こうした経皮パッチは、リナロオール、カルバクロール、チモール、シトラール、メントールおよびt−アネトールなどの浸透促進剤を含むことができる。軟膏剤およびクリーム剤は、例えば、適当な増粘剤および/またはゲル化剤を追加して、水性または油性基剤を用いて製剤化することができる。ローション剤は、水性または油性基剤を用いて製剤化することができ、一般には1種または複数の乳濁化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤も含む。
口腔内での局所投与に適した製剤には、風味付けした基剤、通常ショ糖およびアラビアゴムまたはトラガカントゴム中に有効成分を含むロゼンジ剤、ゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアラビアゴムなどの不活性基剤中に有効成分を含む香錠、ならびに適当な液状担体中に有効成分を含む含漱剤がある。
担体が固体である直腸投与に適した医薬製剤。別の実施形態では、それらを単回用量の坐剤として提供する。適当な担体には、カカオ脂および当技術分野で一般に使用されている他の材料があり、坐剤は好都合には、活性化合物を軟化または融解した担体と混合して、続いて冷却し、型で成形することによって形成することができる。
一実施形態によれば、膣投与に適した製剤は、有効成分の他に当技術分野で適切であると知られているような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム(泡)剤またはスプレー剤として提供する。
鼻腔内投与の場合、式(I)の化合物は、液体スプレー剤または分散性散剤として、あるいは滴剤の形で使用することができる。滴剤は、もう1種の分散剤、可溶化剤または懸濁化剤も含む水性または非水性基剤を用いて製剤化することができる。液体スプレー剤は、好都合には加圧パックから送達する。
吸入による投与の場合、式(I)の化合物は、好都合には、吹入器、ネブライザーまたは加圧パックあるいはエアロゾルスプレー剤を送達するのに好都合な他の手段から送達することができる。別の実施形態では、加圧パックはジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当なガスなどの適当な噴射剤を含む。別の実施形態では、加圧型エアロゾール剤の単位用量は、一定量を送達するためのバルブを備えることによって決定される。
あるいは、吸入または通気による投与の場合、本発明による式Iの化合物は、乾燥粉末組成物、例えば化合物と乳糖やデンプンなどの適当な粉末基剤との粉末混合物の形態である。別の実施形態では、粉末組成物は、例えば、吸入器または吹入器を用いて粉末を投与できるカプセル剤またはカートリッジまたは例えばゼラチンもしくはブリスターパックの単位剤形で提供する。
それが望ましい場合、有効成分の持続放出を提供するようになされた上述の製剤を使用することができる。
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を説明するために提供されるものであり、範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
それだけには限らないが、β−L OddCを含む式(I)の化合物を、Shire BioChem Inc.で先に記載の特許文献2〜4のようにして合成した。
芽球期慢性骨髄性白血病(CML−BP)の患者におけるβ−L−Oddcの活性を調べるために、予備研究を行った。予めCML−BPに対する化学療法を受けていないCML−BP患者に対して、β−L Oddc8mg/m2/日を毎日使用して5日間にわたり多施設治験を行った。CML−BPの治療として予め唯一グリベック治療を受けた患者も対象とした。患者26人、男性17人、26人の一般状態スコア(performance score)2以下、平均年齢54歳(範囲31〜84)が、これまで治験に参加した。13人(50%)の患者はCML−BPの最初の治療としてβ−L OddCの投与を受け、この13人(50%)は先のCML−BPのグリベック治療に失敗していた。応答の定義は以下の通りである。完全な血液学的応答(CHR)には、少なくとも4週間にわたって、末梢細胞数の正常化および骨髄芽球の差が5%以下であることが必要とされる。血液学的改善(HI)はCHRと同様であるが、血小板減少が100×109/L未満に維持され、未成熟末梢細胞がほとんどないことが必要とされる。部分的な血液学的応答(PHR)はCHRの通りであるが、50%以下が減少したものの、明白な脾腫大および血小板増多(血小板>450×109/L)の維持、あるいはわずかな未成熟末梢細胞の存在がみられた。第2慢性期(BCP)に戻るには、BP特徴が消失し慢性期CMLの特徴、すなわち末梢芽球<15%、末梢芽球+前骨髄球<30%、末梢好塩基球<20%および血小板>100×109/Lに戻ることが必要とされる。髄外疾患(EMD)の患者について、完全な応答(CR)には、CHRに加えて全EMDの消失が必要とされる。EMD患者のPRには、全EMDの少なくとも50%減少が必要とされる。
予備的な結果では、β−L−Oddc治療を合計40サイクル(範囲1から4)受けた21人の患者は、応答について評価可能であり、何らかの応答が4人の患者で認められた。この治験は完了しておらず、データは完全な分析として確かめられなかった。
in vitro試験におけるβ−L Oddcの評価
β−L Oddcを、in vitro増殖阻害(MTS)アッセイを用いて評価した。使用した細胞系の説明およびMTSアッセイの詳細を以下に記載する。
細胞系:2種類のヒトCML、Ph+、p210 Bcr−Abl発現細胞系、すなわちKBM−5およびKBM−7を使用した。KBM−5は、芽球期CMLの患者由来であり、それらは正常なc−ABLを欠くことが評価された。KBM−7は、ヒト近単相体細胞系であることが既に確認されている。これら2種類の細胞系は文献でさらに説明されており(例えば、非特許文献7〜9参照)、ここで参照により本明細書に組み込まれるものとする。
KBM−5およびKBM−7細胞は、STI−571に対するそれら固有の感受性およびSTI−571曝露に対するそれらの応答の点で異なる。これらの細胞を、10%ウシ胎児血清(Invitrogen Corp.、米国カルフォルニア州Carlsbad)を補充したイスコフ改変ダルベッコ培地(Iscove’s modified Dulbecco’s medium)中で、37℃、空気中5%CO2雰囲気で培養した。これらの細胞はまた、STI−571曝露に対するそれらの応答の点でも異なる。KBM5ではG0/G1細胞周期が停止することに対し、KBM7ではアポトーシスが起こる。
STI−571耐性のKBM5およびKBM7 Ph+細胞系の作製:以下に詳述するように、STI−571の濃度を増大させながら細胞を培養することによって、STI−571耐性細胞系を作出した。液体培地中で維持した細胞を、0.05μMの濃度からスタートして、0.1μMの割合で徐々に増大させながら、高濃度のSTI−571に曝露した。所与のSTI−571濃度で増殖させた細胞の生存率が80%に達したとき、一細胞の一部を凍結し、残りの細胞を次のより高い薬物レベルで増殖させた。このようにして、耐性のレベルが異なる細胞の亜集団を作製した(例えば、KBM5−STIR0.75は、0.075μMの用量でSTI−571に対して耐性があるKBM5細胞を示す)。耐性は、連続した所与の濃度のSTI−571存在下で細胞が生存(少なくとも80%生存)および無制限に増殖する能力として定義した。耐性細胞は、KBM7細胞よりもKBM5細胞でより早期に出現した。これは、最近報告されたように、これらの細胞の固有の感受性がより低いことを反映している。したがって、KBM5細胞は、実験を開始してから4カ月1.0μMのSTI−571中で生存することができたが、KBM7細胞は、10カ月後に初めて同様の耐性レベルに到達した。耐性が最も高レベルな亜系統であるKBM5−STIR1.0およびKBM7−STIR1.0は、対応する細胞系で計算した値よりも約20倍高いIC50を示した。
増殖阻害(MTS)アッセイ:白血病細胞に対するβ−L Oddcのin vitro 増殖阻害作用を、生細胞によるMTS(CellTiter 96(登録商標)Aqueous One Solution Reagent、Promega Corporation、米国ウィスコンシン州)色素吸光度を測定することによって決定した。簡単に説明すると、細胞を4×105細胞/mlの濃度で96ウェルマイクロタイタープレート(Falcon、USA)において三連で播種した。β−L Oddcに72時間曝露した後、各ウェルにMTS溶液20μlを加え、プレートをさらに37℃で4時間インキュベートし、490nmにおける吸光度を測定した。
図1〜4に示した結果は、3日間のMTSアッセイで、4種の細胞系(KBM−5、KBM−7、KBM5−STIRおよびKBM7−STIR)全てにおいてIC50値が0.5から1.0μMの間であることを示した。IC50値は、50%増殖阻害を起こす薬物濃度として定義される。したがって、これらの結果から、β−L Oddcに対する感受性は、KBM−5およびKBM−7細胞ならびにSTI−571耐性のKBM5およびKBM7細胞系で等しいと結論づけることができる。
MTSアッセイの結果を示すグラフである。 MTSアッセイの結果を示すグラフである。 MTSアッセイの結果を示すグラフである。 MTSアッセイの結果を示すグラフである。

Claims (31)

  1. 白血病の患者を治療するための方法であって、
    Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者に、式Iを有する化合物を治療有効量投与することを含むことを特徴とする方法。
    Figure 2005512984
    [式中、
    Bはシトシンまたは5−フルオロシトシンであり、
    RはH、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリールで置換されたカルボニル、および
    Figure 2005512984
    (式中、各Rcはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルおよびヒドロキシ保護基から選択される)
    から選択される]
  2. 白血病の患者を治療するための方法であって、
    メシル酸イマチニブ(STI−571)で予め治療を行い、メシル酸イマチニブ(STI−571)治療に耐性ができた患者に、式Iを有する化合物を治療有効量投与することを含むことを特徴とする方法。
    Figure 2005512984
    [式中、
    Bはシトシンまたは5−フルオロシトシンであり、
    RはH、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリールで置換されたカルボニル、および
    Figure 2005512984
    (式中、各Rcはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルおよびヒドロキシ保護基から選択される)
    から選択される]
  3. RはHであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. Bはシトシンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. RはHであり、Bはシトシンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記式Iの化合物は(+)型を少なくとも95%含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記式Iの化合物は(+)型を少なくとも97%含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記式Iの化合物は(+)型を少なくとも99%含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記式Iの化合物は実質的に(−)型の鏡像異性体であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記式Iの化合物はβ−L Oddcであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 前記白血病は慢性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記白血病は急性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記白血病は芽球期慢性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. RはHであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  15. Bはシトシンであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  16. RはHであり、Bはシトシンであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  17. 前記式Iの化合物は(+)型を少なくとも95%含まないことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  18. 前記式Iの化合物は(+)型を少なくとも97%含まないことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  19. 前記式Iの化合物は(+)型を少なくとも99%含まないことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  20. 前記式Iの化合物は実質的に(−)型の鏡像異性体であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  21. 前記式Iの化合物はβ−L Oddcであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  22. 前記白血病は慢性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  23. 前記白血病は急性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  24. 前記白血病は芽球期慢性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  25. 患者の白血病を治療するための方法であって、
    Brc−Ablチロシンキナーゼ阻害剤で予め治療を行った患者に、少なくとも1種の一般式Iの化合物
    Figure 2005512984
    [式中、
    Bはシトシンまたは5−フルオロシトシンであり、
    RはH、一リン酸エステル、二リン酸エステル、三リン酸エステル、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜10アリールで置換されたカルボニル、および
    Figure 2005512984
    (式中、各Rcはそれぞれ独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルおよびヒドロキシ保護基から選択される)
    から選択される]、および
    ヌクレオシド類似体、化学療法剤、多剤耐性克服剤、および生物学的応答調節剤から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤
    を治療有効量投与することを含むことを特徴とする方法。
  26. 前記白血病は慢性骨髄性白血病および急性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記白血病は急性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  28. 前記白血病は芽球期慢性骨髄性白血病であることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  29. 前記式Iの化合物および前記さらなる治療剤は逐次投与されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  30. 前記式Iの化合物および前記さらなる治療剤は同時に投与されることを特徴とする請求項25に記載の方法。
  31. メシル酸イマチニブ(STI−571)で予め治療を行い、メシル酸イマチニブ(STI−571)治療に耐性ができた患者に、前記式Iの化合物を、1日当り30分間にわたる静脈内注入8mg/m2の投与量で5日間にわたって投与することを特徴とする請求項2に記載の方法。
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