JP2005510204A - ヘアレス蛋白質発現を阻害するための核酸及びその使用方法 - Google Patents

ヘアレス蛋白質発現を阻害するための核酸及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断するDNAザイムおよびリボザイムを提供する。また、本発明は、ヘアレス蛋白質mRNAの翻訳を特異的に阻害するアンチセンス・オリゴヌクレオチドを提供する。また、本発明は、ヘアレス蛋白質の発現を阻害する様々な方法を提供する。最後に、本発明は、本願のDNAザイム、リボザイムおよびアンチセンス・オリゴヌクレオチドを活性成分として含有している薬学的組成物を提供する。

Description

本出願は、一部継続出願であって、2001年4月13日に出願された同時係属(copending)の米国仮出願番号60/283,618の優先権を主張するものである。この出願の内容は、本明細書中に参照によって援用される。
<ヘアレス遺伝子>
ヘアレスマウス(異なる皮膚科学的な実験に頻繁に用いられる被験者)は、分娩後(postpartum)の14日齢に始まり、上部眼瞼から尾部へと進行する毛髪の損失により特徴づけられる。このプロセスは、3週齢までに完了し、この時点でマウスは完全に裸になり、そして毛髪は再び成長することはない(Panteleyev et al. 1998b)。この表現型は、プロウイルスの統合、そして結果として生じるマウス・ヘアレス遺伝子における異常スプライシングから生じる。遺伝性の変異によるマウス・ヘアレス遺伝子の発現の欠如により、毛髪の完全なる損失〔無毛症(atrichia)として知られる〕を生じる。他の変異が他のマウス・ヘアレスアレレ、およびそのヒトでの対応物において同定されており、基本的に類似する表現型を生じる(Ahmad et al. 1998a; Ahmad et al. 1998b; Panteleyev et al. 1998a)。これらの研究は、毛嚢(hair follicle)におけるヘアレス発現が毛周期(hair cycling)、特に休止相(catagen phase)への移行に必要であることを実証した。
<触媒性核酸分子>
遺伝子治療は、おそらく現代医科学の最も注目される技術である。変異遺伝子を正常な遺伝子で置換する技術は、多くの疾患に関して決定的な療法を提供できる。しかしながら、新たな遺伝子の導入により治療することができない状態(conditions)(遺伝性および後天性も同様)が存在する。多くのケースにおいて、既に存在している遺伝子の切除(ablation)が期待されるであろう。多くの優性の遺伝性疾患において、変異遺伝子のノックアウトの成功は理論的には疾患の治癒に十分である。いくつかの他のケースにおいて、正常に機能している野生型遺伝子の排除が、治療上の遺伝子ターゲッティングのために必要であろう。
そのようなケースは、豊富な毛髪成長または多毛症(hirsutism)の場合であり、このケースでは毛髪成長を促進する遺伝子を阻害することが毛髪成長の減少を生じ、そしてそれ故に改善に至るであろう。目標とする一時的な遺伝子抑制(targeted, transient gene suppression)を達成する一様式は、リボザイムおよびDNAザイムの双方を含む触媒性核酸技術(catalytic nucleic acid technology)の使用によって成されると思われる。
リボザイムは、配列特異的で且つRNA結合能力と共に自己触媒性の酵素的機能を有するRNA構造であって、特異的なターゲット配列において他のRNA分子を切断する(cleaving)ことが可能である(Cech 1987)。単一塩基対ミスセンス変異を含む、異なるタイプの変異を保持しているターゲット配列を、選択的に認識することが可能なリボザイムを設計することに最近成功している(Parthasarathy et al. 1999 ; Sioud and Drlica 1991; Vaish et al. 1998)。
これらの有望な成果によって、選択的mRNA切除を用いる実験戦略に新たな展望が与えられる(Phylactou et al. 1998)。これまでに記載された異なるグループのリボザイム〔ヘアピンリボザイム、ハンマーヘッドリボザイムおよびグループI イントロンリボザイム(Bartel 1999)を含む〕は、スプライシングの機構、スプライシング効率およびターゲット特異性に関して異なる特性を有している。いくつかの研究は、RNAを選択的に切断するためにハンマーヘッドリボザイムを使用しており、なぜならこれらのリボザイムが優れたターゲット特異性を有しているからである(Long and Sullenger 1999; Phylactou et al. 1998; Vaish et al. 1998)。
リボザイムを外因性(exogenously)の様式で配送できる、即ちリボザイムはインビトロで合成される。彼等は、通常は担体分子(Sioud 1996)を用いるか又は担体なしで投与され、ヌクレアーゼ耐性を有するように特異的に修飾されたリボザイム(Flory et al. 1996)を用いて投与される。他の方法は内在性の配送であり、この方法ではリボザイムがベクター(通例はレトロウイルスベクター)内に挿入され、次にこれを使用してターゲット細胞をトランスフェクトする。いくつかの利用可能なカセット構築物が選択でき(Vaish et al. 1998)、これらには広く使用されているU1 snRNA発現カセットが含まれており、これらは様々な実験においてハンマーヘッドリボザイムの核発現に効率的であると証明された(Bertrand et al. 1997; Michienzi et al. 1996; Montgomery and Dietz 1997)。
最近の努力により、ハンマーヘッドリボザイムに類似した構造を有する小さいDNAオリゴヌクレオチドの開発に成功した(Santoro and Joyce 1997)。
これらの分子は、「デオキシ−リボザイム」、「デオキシリボザイム」および「DNAザイム」として知られ、そして事実上はハンマーヘッドリボザイムのDNA同等物である。彼等は、15bp触媒性コアと各々5-13bpの典型的長さを有する2つの配列特異的アームとからなる(Santoro and Joyce 1998)。デオキシ−リボザイムは、ハンマーヘッドリボザイムよりもより寛大な(lenient)コンセンサス切断サイト要求性を有しており、そしてインビボ適用に使用された場合に分解されにくい。これらの新規触媒性分子の最も広範に使用されるタイプは、「10-23」デオキシ−リボザイムとして知られており、この名称は開発者が使用した番号付けに由来するものである(Santoro and Joyce 1997)。デオキシ−リボザイムは、多くの利点を有するので、インビトロおよびインビボ適用の広範な領域において既に使用されている(Cairns et al. 2000; Santiago et al. 1999)。
発明の概要
本発明はヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する触媒性デオキシリボ核酸分子を提供し、該分子は:
(a)定義されたコンセンサス配列でmRNAを切断する触媒性ドメイン;
(b)前記触媒性ドメインの5’端(5'end)に近接(contiguous with)する結合ドメイン;および
(c)前記触媒性ドメインの3’端に近接する結合ドメイン;を含み、
この分子中で前記結合ドメインは、切断が望まれる前記ヘアレス蛋白質mRNA内の定義されたコンセンサス配列に隣接(flanking)している2つの領域と相補的である故に該領域とハイブリダイズし、且つこの分子中で各結合ドメインは少なくとも4残基の長さであり且つ両結合ドメインは少なくとも8残基の連結全体長(combined total length)を有する。
また、本発明はヘアレス蛋白質mRNAを特異
的に切断する触媒性リボ核酸分子(catalytic ribonucleic acid molecule)を提供し、該分子は:
(a)定義されたコンセンサス配列でmRNAを切断する触媒性ドメイン;
(b)前記触媒性ドメインの5’端に近接する結合ドメイン;および
(c)前記触媒性ドメインの3’端に近接する結合ドメイン;を含み、
この分子中で前記結合ドメインは、切断が望まれる前記ヘアレス蛋白質mRNA内の定義されたコンセンサス配列に隣接(flanking)している2つの領域と相補的である故に該領域とハイブリダイズし、且つこの分子中で各結合ドメインは、少なくとも4残基の長さであり且つ両結合ドメインは少なくとも8残基の連結全体長を有する。
また、本発明は、本願(instant)の触媒性リボ核酸分子またはデオキシリボ核酸分子および薬学的に許容される担体を含んでいる第1薬学的組成物を提供する。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する方法であって、前記mRNAを本願の触媒性核酸分子の何れかと、該分子が前記mRNAを切断することが可能な条件下において接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、細胞のヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する方法であって、前記mRNAを含有している細胞を本願の触媒性核酸分子の何れかと、前記細胞のヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断するように接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質を発現するであろう細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記細胞を本願の触媒性核酸分子の何れかと、前記細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するように接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の本願の触媒性核酸分子の何れかを投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の前記第1薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、毛髪産生細胞による毛髪産生を阻害する方法であって、前記細胞を効果的な量の本願の触媒性核酸分子の何れかと接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者の毛髪成長を阻害する方法であって、前記被験者に効果的な量の前記第1薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、発育相(anagen phase)から休止相(catagen phase)への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の本願の触媒性核酸分子または前記第1薬学的組成物の何れかと接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、本願の触媒性核酸分子の何れかをコードしている配列を含むベクターを提供する。
更に、本発明は、本願のベクターをその中に有している細胞を含む宿主ベクター系(a host-vector system)を提供する。なお更に、本発明は、本願の触媒性核酸分子の何れかを産生する方法であって、何れかの触媒性核酸分子をコードしている配列を含むベクターをその中に有している細胞を、該細胞による前記触媒性核酸分子の発現を可能とする条件下で培養することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質mRNAと、細胞内でその翻訳を阻害するように特異的にハイブリダイズする核酸分子を提供する。
更に、本発明は、(a)本願の核酸分子もしくは本願のベクターおよび(b)薬学的に許容される担体を含む第2薬学的組成物を提供する。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質を発現するであろう細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記細胞を本願の核酸分子と、前記細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するように接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の本願の核酸分子を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の前記第2薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、毛髪産生細胞(hair-producing cell)による毛髪産生を阻害する方法であって、前記細胞を効果的な量の本願の核酸分子と接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者の毛髪成長(hair growth)を阻害する方法であって、前記被験者に効果的な量の前記第2薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の本願の核酸分子または前記第2薬学的組成物と接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、本願の核酸分子を産生する方法であって、前記核酸分子をコードしている配列を含むベクターをその中に有している細胞を、該細胞による前記核酸分子の発現を可能とする条件下で培養することを含む方法を提供する。
最後に本発明は、非ヒト・トランスジェニック哺乳動物を提供し、該哺乳動物のゲノムは:
(a)プロモータと作動可能に連結したヒト・ヘアレス蛋白質をコードしているヌクレオチド配列が安定的に統合されており、このことにより前記ヌクレオチド配列が発現され;および
(b)発現可能な内在性のヘアレス蛋白質をコードしている核酸配列を欠如している。
発明の詳細説明
<定 義>
本明細書中に使用されるように、そして他に記載がなければ、次ぎの用語のそれぞれは以下に記載される定義を有する。
「投与(Administering)」は、当業者に既知の様々な方法および配送システムの何れかよって投与することを意味する。前記投与は、例えば、移植物を介して(via implant)、経粘膜的に(transmucosally)、経皮的に(transdermally)、および皮下的に(subcutaneously)実施することができる。好適な態様において、前記投与は、局所的(topical)及び好ましくは経皮的なものである。
「触媒性(Catalytic)」は、触媒としての薬剤、即ちそれ自身が永続的な構造変化を起すことなく化学反応の速度を増加させる薬剤の機能を意味している。
「コンセンサス配列」は、その間で触媒性の核酸の切断が生じる、少なくとも2残基の長さのヌクレオチド配列を意味する。例えば、コンセンサス配列は、「A: C」および「G: U」を含む。
「ヘアレス蛋白質」は、人為的なものであろうと天然に発生したものであろうと、図 1A〜1C (配列番号1)に示されるヌクレオチド配列によりコードされ且つ配列番号17に示されるアミノ酸配列を有する蛋白質、および任意のその変種(variants)を意味している。変種は、限定されることはなく、ホモログ、翻訳後修飾、変異体(例えば、T1022A、1256delC、1261del21、R620Q、2001delCCAG、2776+1G→A、N970K、Vl136D、3434delCおよび2147delCとして通例参照される変異体)、および多型(例えば、L526Pとして通例参照される多型)を含む。
「ヘアレス蛋白質mRNA」は、ヘアレス蛋白質をコードする配列を含んでいる任意のmRNA分子を意味する。ヘアレス蛋白質mRNAは、限定されることはなく、蛋白質コード配列と同様に5'および3'の蛋白質非コード配列を含む。ヘアレス蛋白質mRNAの例は、図1に示されるmRNA配列である。本明細書中に使用されるように、「ヘアレス蛋白質(Hairless Protein)」、「ヘアレス(Hairless)」、「ヘアレス蛋白質(hairless protein)」および「ヘアレス(hairless)」の用語は、他に記載がなければ、相互変換可能に使用される。
「ハイブリダイズ」は、配列相補性に基づいた、一方の単鎖核酸分子のもう一方の核酸分子へのアニーリングを意味する。核酸間のハイブリダイゼーションに関する性向(propensity)は、それらの環境(milieu)における温度およびイオン強度、核酸の長さ、並びに相補性の程度に依存する。ハイブリダイゼーションにおけるこれらのパラメータの効果は、当該技術において周知である(Sambrook, 1989を参照のこと)。
「阻害(Inhibit)」は、減速(slow)、停止、またはその他の妨害(impede)を意味している。「核酸分子(Nucleic acid molecule)」は、DNA、RNAおよびそのハイブリッドを含む任意の核酸分子を意味しており、限定されることはない。核酸分子を形成する核酸塩基は、塩基A、C、G、TおよびU、同様にその誘導体であってもよい。これらの塩基の誘導体は当該技術において周知であり、またPCRシステム、試薬および消耗品において例示されている(Perkin Elmer Catalogue 1996-1997, Roche Molecular Systems, Inc., Branchburg, New Jersey, USA)。
「薬学的に許容される担体」は、当業者に既知の任意の様々な担体を意味している。一態様において、前記担体は、アルコール、好ましくはエチレン・グリコールである。別の態様において、前記担体はリポソームである。以下の薬学的に許容される担体は、それらの最も普通に関連する配送システム(delivery systems)に関して、一例として記載される(本願の薬学的組成物は、好ましくは経皮的に配送されるという事実を記している)。
経皮的な配送システムは、例えば、水溶性および非水溶性のゲル、クリーム、複合乳剤(multiple emulsions)、ミクロ乳剤(microemulsions)、リポソーム、軟膏、水溶性および非水溶性の溶液、ローション(lotions)、エアロゾル(aerosols)、ハイドロカーボン基材および粉末(hydrocarbon bases and powders)を含み、且つそれは溶解剤(solubilizers)、浸透増強剤(permeation enhancers;例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコールおよびアミノ酸)などの賦形剤、および親水性のポリマー(例えば、ポリカルボフィルおよびポリビニールピロリドン)を含有することが可能である。一態様において、前記薬学的に許容される担体は、リポソームまたは経皮的な増強剤(transdermal enhancer)である。
本発明に使用できるリポソームの例には下記のものが含まれる、即ち:
(1)セルフェクチン(CellFectin)、陽イオン性脂質 N, NI, NII, NIII-テトラメチル -N, NI, NII, NIII−テトラパルミチル−スペルミンおよびジオレオイル・ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)(GIBCO BRL)の1: 1.5 (M/M)リポソーム製剤;
(2)サイトフェクチンGSV(Cytofectin GSV)、陽イオン性脂質およびDOPE(Glen Research)の2: 1 (M/M) リポソーム製剤;
(3)DOTAP (N- [1- (2, 3-ジオレオイルオキシ)-N, N, N-トリメチル−アンモニウムメチルサルフェート)(Boehringer Manheim);並びに
(4)リポフェクタミン(Lipofectamine)、ポリ陽イオン性脂質 DOSPAおよび中性脂質DOPE (GIBCO BRL)の3:1(M/M)リポソーム製剤。
経粘膜的な配送システムは、パッチ(patches)、錠剤、座剤、ペッサリー(pessaries)、ゲルおよびクリームを含み、溶解剤および増強剤(例えば、プロピレン・グリコール、胆汁酸塩およびアミノ酸)などの賦形剤、並びに他のビヒクル(例えば、ポリエチレン・グリコール、脂肪酸エステルおよび誘導体、並びにヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒアルロン酸などの親水性ポリマー)を含有することができる。
注射可能な薬物配送システムは、溶液、懸濁液、ゲル、ミクロスフェアおよびポリマー性の注射可能物質(polymeric injectables)を含み、また溶解性変更薬剤(solubility-altering agents)(例えば、エタノール、プロピレン・グリコールおよびスクロース)およびポリマー〔例えば、ポリカプリルアクトン(polycaprylactones)およびPLGA's〕などの賦形剤を含むことができる。移植可能なシステム(Implantable systems)は、ロッド(rods)およびディスク(discs)を含み、またPLGAおよびポリカプリルアクトンなどの賦形剤を含有することができる。
経口配送システムは、錠剤およびカプセル剤を含む。
これらは、結合剤〔例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、他のセルロース系材料(cellulosic materials)およびスターチ〕、希釈剤〔例えば、ラクトースおよび他の糖類、スターチ、リン酸二カルシウム(dicalcium phosphate)およびセルロース系材料〕、崩壊剤(例えば、スターチポリマーおよびセルロース系材料)および潤滑剤(例えば、ステアレートおよびタルク)などの賦形剤を含有できる。
ターゲットmRNA分子に対する1つの本願の触媒性核酸分子の作用に関する場合、「特異的に切断する(Specifically cleave)」は、触媒性核酸分子の2つの結合ドメインの何れかに相補的な配列が欠如している別のmRNA分子を切断することなく、前記ターゲットmRNA分子を切断することを意味している。
「被験者」は、ヒト、霊長類、マウス、ラット、モルモットまたはウサギなどの任意の動物を意味している。「ベクター」は、限定されることはなく、特異的な核酸配列を生物のゲノムに安定的に導入するために使用できる核酸分子を含む。
最後に、次ぎの略語は、下記に示される意味を有する、即ち:
「A」はアデニン(Adenine)を意味している;「bp」は塩基対を意味している;「C」はシトシン(Cytosine)を意味している;「DNA」はデオキシリボ核酸を意味している;「G」はグアニン(Guanine)を意味している;「mRNA」はメッセンジャーリボ核酸を意味している;「RNA」はリボ核酸を意味している;「RT-PCR」は逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を意味している;「RY」はプリン:ピリミジン(プリン:ピリミジン)を意味している;「T」はチミン(Thymine)を意味している;および「U」はウラシル(Uracil)を意味している。
発明の態様
本発明はヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する触媒性デオキシリボ核酸分子を提供し、該分子は、
(a)定義されたコンセンサス配列でmRNAを切断する触媒性ドメイン;
(b)前記触媒性ドメインの5’端に近接する結合ドメイン;および
(c)前記触媒性ドメインの3’端に近接する結合ドメイン;を含み、
この分子中で前記結合ドメインは切断が望まれる前記ヘアレス蛋白質mRNA内の定義されたコンセンサス配列に隣接している2つの領域と相補的である故に該領域とハイブリダイズし、且つこの分子中で各結合ドメインは少なくとも4残基の長さであり且つ両結合ドメインは少なくとも8残基の連結全体長を有する。好適な態様において、各々の結合ドメインは7残基の長さであり、且つ両方の結合ドメインは14残基の連結全体長を有する。
前記触媒性ドメインは、随意的にステム−ループ構造を触媒性活性に必要とされるヌクレオチドに加えて含有していてもよい。本願の触媒性デオキシリボ核酸分子の一態様において、前記触媒性ドメインは配列 ggctagctacaacga (配列番号18)を有し、且つmRNAをコンセンサス配列プリン:ピリミジンで切断する。好適な態様において、切断はヘアレス蛋白質mRNA(図1A-1Cおよび配列番号1に示される)の1以上の次ぎの切断サイトで生じ、ここで示されるヌクレオチド残基は切断サイトの直前を示しており、それは即ち:1594,1597,1641,1698,1732,1750,1801,1811,2028,2033,2047,2083,2269,2380および2395である。
別の態様において、本願のデオキシリボ核酸分子は:
(a) cccatggggctagctacaacgagcagtcc (配列番号2);
(b) cggcccaggctagctacaacgaggtgcag (配列番号3);
(c) ctcaggaggctagctacaacgagcccctc (配列番号4);
(d) gggagcaggctagctacaacgagtccttg (配列番号5);
(e) ctccccaggctagctacaacgatctgggg (配列番号6);
(f) cagccagggctagctacaacgatgacctt (配列番号7);
(g) cagcggaggctagctacaacgagggtaag (配列番号8);
(h) cgcagaaggctagctacaacgagccagcg (配列番号9);
(i) tgcggggggctagctacaacgacaggggc (配列番号10);
(j) aggggtgggctagctacaacgaggggtca (配列番号11);
(k) cccggagggctagctacaacgaataccca (配列番号12);
(1) gcctaagggctagctacaacgatgaaggc (配列番号13);
(m) gcaaggaggctagctacaacgatctgctg (配列番号14);
(n) gttcccaggctagctacaacgacgcctgg (配列番号15);および
(o) cagctggggctagctacaacgaacccaag (配列番号16)、
からなる群から選択される配列を有する。
また、本発明はヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する触媒性リボ核酸分子を提供し、該分子は:
(a)定義されたコンセンサス配列でmRNAを切断する触媒性ドメイン;
(b)前記触媒性ドメインの5’端に近接する結合ドメイン;および
(c)前記触媒性ドメインの3’端に近接する結合ドメイン;を含み、
この分子中で前記結合ドメインは切断が望まれる前記ヘアレス蛋白質mRNA内の定義されたコンセンサス配列に隣接している2つの領域と相補的である故に該領域とハイブリダイズし、且つこの分子中で各結合ドメインは少なくとも4残基の長さであり且つ両結合ドメインは少なくとも8残基の連結全体長を有する。
本願の触媒性リボ核酸分子の一態様において、各々の結合ドメインは少なくとも12残基の長さである。好適な態様において、各々の結合ドメインは17残基以下の長さ(no more than 17 residues in length)である。別の態様において、両結合ドメインは、少なくとも24残基、且つ34残基以下の連結全体長を有する。
好ましくは、本願の触媒性デオキシリボ核酸分子はハンマーヘッドリボザイムである。ハンマーヘッドリボザイムは、Pley等 1994に記載されているように、文献(literature)において周知である。一態様において、前記コンセンサス配列は、配列5'-NUH-3'である(ここでNは任意のヌクレオチドであり、Uはウリジンであり且つHはグアニンを除く任意のヌクレオチドである)。かかる配列の例は、5'-アデニン:ウラシル:アデニン-3'である。別の態様において、前記触媒性ドメインは、配列 ctgatgagtccgtgaggacgaaaca (配列番号19)を有する。
本発明において、本願の触媒性核酸分子は、ヘアレス蛋白質mRNAを、その中の各々の且つ任意の前記コンセンサス配列で切断することができる。リボザイムおよびDNAザイム コンセンサス配列は知られており、またヘアレス蛋白質mRNA配列も知られているので、通常の知識を有する当業者は任意のヘアレス蛋白質mRNAコンセンサス配列に向けた触媒性核酸分子を、本願の明細書に基づいて容易に構築することができる。
好適な態様において、切断は、ヘアレス蛋白質mRNA(図1A-1Cおよび配列番号1に示される配列)における1以上の次の切断サイトで生じ、ここで示されるヌクレオチド残基は切断サイトの直前を示しており、それは即ち:-94,159,264,506,847および879である。番号-94は、図1に示される配列の5'端から上流のターゲットサイト(a target site upstream from the 5'end of the sequence shown in Figure 1)を示している(前記配列の5'非翻訳領域における)。
別の態様において、本願の触媒性リボ核酸分子は:
(a) cggccggcgggcgagctgatgagtccgtgaggacgaaacacgcgttctcc cgctct (配列番号20);
(b) gagtctggggtgctcagctgatgagtccgtgaggacgaaacacgcccctc caaaaagg (配列番号21);
(c) ttgctgcccagccagttctgatgagtccgtgaggacgaaacaccttcctc tccccatt (配列番号22);
(d) gctctgggggcaggccactgatgagtccgtgaggacgaaacacactaggt agggtggc (配列番号23);
(e) atgaacaaggcctggggctgatgagtccgtgaggacgaaacacaagcggg ccaggagg (配列番号24);および
(f) tcgcctggcccagcccactgatgagtccgtgaggacgaaacacgttgcca agagtatg (配列番号25)、
からなる群から選択される配列を有している。
本願の触媒性リボ核酸分子の代替の態様において、前記分子はヘアピンリボザイムである。ヘアピンリボザイムは、Fedor(2000)に記載されているように、文献において周知である。触媒性核酸分子は、ヘアレス蛋白質mRNA内、好ましくは前記mRNAの5'半分内の任意の切断サイトを標的とすることができる。一態様において、ヘアレス蛋白質mRNA内の切断サイトは、mRNAの5'末端(5'terminus)に続く最初の3000残基内に局在する。別の態様において、切断は最初の1500残基内で生じる。ここで、「続く(following)」は、5'末端の3'方向における(in the 3'direction of the 5'terminus)ことを意味している。
本願の触媒性核酸分子により切断されるヘアレス蛋白質mRNAは、任意の被験者に由来するものであってよい。一態様において、ヘアレス蛋白質mRNAは被験者から由来し、その被験者はヒト、サル、ラットおよびマウスからなる群から選択され、好適な態様においてはヒトである。好適な態様において、ヘアレス蛋白質mRNAは、図1A〜1Cに示される配列を有する。
また、本発明は、本願の触媒性リボ核酸分子またはデオキシリボ核酸分子および薬学的に許容される担体を含んでいる第1薬学的組成物を提供する。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する方法であって、前記mRNAを本願の触媒性核酸分子の何れかと、該分子が前記mRNAを切断することが可能な条件下において接触させることを含む方法を提供する。これらの条件は、当該技術において周知であり且つ複数の生理学的条件を含む。
更に、本発明は、細胞のヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する方法であって、前記mRNAを含有している細胞を本願の触媒性核酸分子の何れかと、前記細胞のヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断するように接触させることを含む方法を提供する。ヘアレス蛋白質mRNAを含有している細胞は、例えば、天然に発生した細胞またはトランスジェニック細胞であってもよい。好適な態様において、前記細胞はケラチノサイトである。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質を発現するであろう細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記細胞を本願の触媒性核酸分子の何れかと、前記細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するように接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の本願の触媒性核酸分子の何れかを投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の第1薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
効果的な量の本願の薬学的組成物を決定することは、ルーチンの計算方法を用い動物データに基いて実施できる。一態様において、前記効果的な量は、皮膚の平方センチメータあたり約10ngおよび約100μgの間の本願の核酸分子を含有する。別の態様において、前記効果的な量は、皮膚の平方センチメータあたり約100ngおよび約10μgの間の前記核酸分子を含有する。更なる態様において、前記効果的な量は、皮膚の平方センチメータあたり約1μgおよび約5μgの間の、好ましくは約2μgの前記核酸分子を含有する。
更に、本発明は、毛髪産生細胞による毛髪産生を阻害する方法であって、前記細胞を効果的な量の本願の触媒性核酸分子の何れかと接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者の毛髪成長を阻害する方法であって、前記被験者に効果的な量の前記第1薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
毛嚢は、成長およびリモデリングの制御されたサイクルを介して毛髪を産生する動的構造体(dynamic structure)である。毛嚢は、静止(telogen)、成長〔発育(anagen)〕および復帰〔休止(catagen)〕の間を循環している。更に、本発明は、発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の本願の触媒性核酸分子または前記第1薬学的組成物の何れかと接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、本願の触媒性核酸分子の何れかをコードしている配列を含むベクターを提供する。
更に、本発明は、本願のベクターをその中に有している細胞を含む宿主ベクター系を提供する。なお更に、本発明は、本願の触媒性核酸分子の何れかを産生する方法であって、何れかの触媒性核酸分子をコードしている配列を含むベクターをその中に有している細胞を、該細胞による前記触媒性核酸分子の発現を可能とする条件下で培養することを含む方法を提供する。
発現を可能とするための細胞を培養する方法および発現を可能とする条件は、当該技術において周知である。例えば、Sambrook等(1989)を参照のこと。かかる方法は、更に核酸産物を回収する工程を随意的に含んでいてもよい。
本発明は、ヘアレス蛋白質mRNAと、細胞内でその翻訳を阻害するように特異的にハイブリダイズする核酸分子を提供する。
一態様において、本願の核酸はリボ核酸である。別の態様において、前記核酸はデオキシリボ核酸である。
更に、本発明は、(a)本願の核酸分子もしくは本願のベクターおよび(b)薬学的に許容される担体を含む第2薬学的組成物を提供する。
更に、本発明は、ヘアレス蛋白質を発現するであろう細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記細胞を本願の核酸分子と、前記細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するように接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の本願の核酸分子を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の前記第2薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、毛髪産生細胞による毛髪産生を阻害する方法であって、前記細胞を効果的な量の本願の核酸分子と接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、被験者の毛髪成長を阻害する方法であって、前記被験者に効果的な量の前記第2薬学的組成物を投与することを含む方法を提供する。
更に、本発明は、発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の本願の核酸分子または前記第2薬学的組成物と接触させることを含む方法を提供する。
更に、本発明は、本願の核酸分子を産生する方法であって、前記核酸分子をコードしている配列を含むベクターをその中に有している細胞を、該細胞による前記核酸分子の発現を可能とする条件下で培養することを含む方法を提供する。
最後に本発明は、非ヒト・トランスジェニック哺乳動物を提供し、該哺乳動物のゲノムは:
(a)プロモータと作動可能に連結したヒト・ヘアレス蛋白質をコードしているヌクレオチド配列が安定的に統合されており、このことにより前記ヌクレオチド配列が発現され;および
(b)発現可能な内在性のヘアレス蛋白質をコードしている核酸配列を欠如している。
好適な態様において、前記トランスジェニック哺乳動物はマウスである。本願のトランスジェニック哺乳動物は、ヘアレス蛋白質発現を阻害することにより機能する毛髪除去製品(hair removal products)を試験するためのモデルとして有用である。
本発明において、被験者、薬学的に許容される担体、用量(dosages)、細胞タイプ、投与経路およびターゲット核酸配列の様々な態様が、本願の核酸分子、薬学的組成物および方法の各々に関して構想(envisioned)される。
そのうえ、本発明において、方法、被験者、薬学的に許容される担体、用量、細胞タイプ、投与経路およびターゲット核酸配列の様々な態様が、ヘアレス蛋白質の発現を阻害する全ての非核酸薬剤に関して構想される。かかる非核酸薬剤は、限定されることはなく、ポリペプチド、炭水化物および小さい有機化合物を含む。
本発明は以下の実施例を参照することに更に理解される。当業者は、詳細に説明される特定の実験が、本願の特許請求の範囲においてより完全に記載される本発明の単なる例であることを容易に理解する。
<パートI 触媒性核酸>
[緒 言]
触媒性核酸技術は、配列特異的な様式でmRNAを標的とするために使用され、従って細胞または組織の発現パターンを変化させるため広く使用される。mRNAターゲッティングのゴールは通例は遺伝性疾患に関する遺伝子治療を念頭においた変異体mRNAの切断であるが、ある種の例では野生型遺伝子のターゲッティングが治療上使用できる。
遺伝性の変異によるマウス・ヘアレス遺伝子の発現の欠如は、毛髪の完全なる損失(無毛症として知られる)を生じる。本試験は、制限される様式においてヘアレス表現型を再現(recapitulate)するよう設計され、マウス・ヘアレスmRNAを特異的に切断するためのデオキシ−リボザイム分子の局所投与により実施された。病理サンプル(治療領域から異なる時間に採取された)は、毛嚢数の減少、残存した嚢の退縮(involution)、真皮乳頭(dermal papillae)の分離、および真皮シスト(dermal cysts)の存在を示し、通常C57B1/6Jマウスの皮膚に存在しない全てのヘアレス表現型の特性を示した。
本試験において、ヘアレス表現型は、マウス・ヘアレスmRNAを切断するために設計されたターゲット特異的な触媒性オリゴヌクレオチドの局所的投与を用いて良好に再現される。それ故、本発明は、リボザイムおよびデオキシ−リボザイム技術を用いて、局所投与を介して皮膚における遺伝子発現を変更する及び永続的な毛髪除去を提供する可能性を実証する。
[材料および方法]
《デオキシ−リボザイム設計およびインビトロ試験》
マウス・ヘアレスmRNAをターゲットするために、一連のデオキシ−リボザイムを、前記mRNA配列におけるコンセンサス切断サイト5'-RY-3'に基づいて設計した(GenBank Accession# : AF039196) (Ahmad et al. 1998a)。RNAフォールディングソフトウェアRNADRaw 2.1による前記mRNAのオープンループ上に局在する潜在的な切断サイトのみが標的とされた(Matzura and Wennborg 1996)。デオキシ−リボザイム設計には以前に記載された構造(Santoro and Joyce 1997; Santoro and Joyce 1998)が利用され、この構造はマウス・ヘアレスmRNA配列に基づいて2つの配列特異的アームが触媒性コアに付与されている。前記デオキシ−リボザイムは、カスタム合成された(Life Technologies)。市販のマウス脳ポリA-RNA(Ambion)を、インビトロ切断反応における鋳型として使用して前記デオキシ−リボザイムの効率を試験した。800ng RNA鋳型を20mM Mg2+およびRNAse Out RNAse 阻害剤(Life Technologies)の存在下pH 7.5で、2μgデオキシ−リボザイムと1時間インキュベートした。インキュベーション後、反応のアリクウォットをRT-PCRの鋳型として使用して標的とされた切断サイトを含んでいる領域を増幅した。RT-PCR産物をエチジウムブロマイド含有2%アガロース・ゲル上でUVライト下で視覚化し、そして前記産物の染色強度を上記に記載のように決定した(図3)。標的のマウス・ヘアレスmRNAを最大効率で切断することが可能なこれらのデオキシ−リボザイムを、インビボ実験に使用した(図3、レーン1、3)。
《デオキシ−リボザイム処理スケジュール》
C57B1/6Jの新生児マウスを、デオキシ−リボザイム製剤で一日に2回治療した(配送後の最初の日に開始した)。マウスの毛髪が成長を開始した際に、毛幹(hair shafts )を電気クリッパー(electric clipper)を用いて規則的に短くして、皮膚表面を接触可能にし、そして治療製剤の浸透を増強した。各治療に対して、2μg デオキシ−リボザイム(85%EtOHおよび15%エチレン・グリコールのビヒクルに溶解させた)を背(back)の1平方センチメータの領域に適用した。適用している間およびその後15分間、マウスを一時的に拘束して製剤が除去されるのを防止した。コントロール動物を、同じ長さであるがランダムな配列のオリゴヌクレオチドを含有しているビヒクルで治療した。マウスを評価のために殺傷するまで、治療を継続した。
《バイオプシー手順および病理学》
マウスを治療の28日、35日または8週後に人道的な手段で安楽死させた。治療領域全体(皮膚の同等サイズの隣接する非治療領域と共に)を、摘出し、ホルマリン溶液中で固定し、包埋し、そして標準手順を用いた病理検査のために処理した。
[結 果]
毛嚢で発現する遺伝子の選択的な切除のための、局所的に適用されるデオキシ−リボザイムの使用の可能性を評価するために、モデル系を使用してヘアレスマウス表現型を再現した。二次構造に基いたターゲット-サイト選択の後に、新規のインビトロ切断アッセイ(Cserhalmi-Friedman等、原稿準備中)を用いてオリゴヌクレオチドのターゲッティングに関して選択を狭めた。全長マウス・ヘアレスmRNAをインビトロで最も効率的に切ることが証明された3つのデオキシリボザイムが、インビボ実験のために使用された。
継続的な治療の後、20日目までに、治療した動物の毛髪は、治療領域上で視覚的に希薄(sparse)になった。28日目に治療領域から採った病理標本(図2A〜2Dを参照)は、(i)毛嚢数の減少、(ii)いくつかの密集し、好塩基性(basophilic)の細胞群の真皮乳頭に相当する真皮(dermis)における存在(形態および局在による)、および(iii)周囲を取り巻く上皮毛嚢組織および関連する毛嚢の不存在、を示した。残存している毛嚢は、静止相(telogen phase)にあり、周囲を取り巻く非治療皮膚および非治療コントロール動物の皮膚の進展した発育嚢(the advanced anagen follicles)とは著しい対照を示すものであった。
35日目に治療領域から採られたサンプルは、異なる結果を示した。静止相にあるいくつかの嚢を観察できたが、それらは周囲の非治療領域において又は非治療コントロール動物から採ったサンプルにおいてより希薄であった。治療部位の真皮において、無定形物質(amorphous material)で満たされた大きな上皮シストが認められた(これは真皮シストに相当する)。これらの特性〔毛周期のアレスト、毛嚢の退縮、真皮乳頭の脱離(detachment)および真皮シストの発生〕は、C57B1/6Jマウスには通常存在していないが、ヘアレスマウスの皮膚の主要な特徴を代表する特性である。
局所的に適用される触媒性オリゴヌクレオチドを用いることによって、毛嚢制御の主要な作用因子を排除することが可能であり及び毛嚢サイクリングを崩壊させることが可能であることを、ここに示されたデータは示している。これらの結果は、毛髪除去に関するこのアプローチの将来的な使用のための原理を立証することのみならず、mRNAレベルで毛嚢細胞の遺伝子発現パターンを良好に変化させ、そしてそれ故に毛髪表現型に影響する局所的な触媒性核酸技術の使用の可能性を示すことにも寄与する。
<パートII アンチセンス核酸>
アンチセンス・オリゴデオキシヌクレオチドを、ヘアレスmRNA配列(配列番号1)に基づき、ヘアレス発現の阻害を目的に合成した。Cos-1細胞を、pEGFP全長ヘアレス構築物でトランスフェクトし、そして細胞をトランスフェクションの16時間後に収穫した。トータルの蛋白質ライセートを、10% SDS PAGEゲルで分析し、そしてニトロセルロースに転写した。ヘアレス蛋白質を、C-末端ペプチドに対して作成された抗ヘアレスポリクローナル抗体を用いて検出した。ネガティブコントロールにおいて、全長ヘアレス構築物でトランスフェクトされなかった細胞は、如何なるヘアレス発現も示さなかった。ヘアレス発現は、アンチセンス・オリゴデオキシヌクレオチドが添加されなかったポジティブコントロール実験において明瞭に観察された。抗ヘアレス・アンチセンス・オリゴヌクレオチド〔即ち、ODN1: 5' GCTGGGCATACTCTCCAT 3' (配列番号26)およびODN2: 5' CATCACTCTCCTGCCCTC 3' (配列番号27)〕が培地に40μMの濃度でトランスフェクション前に添加された実験は、ヘアレス発現の欠如を明瞭に示し、この結果はヘアレス遺伝子産物のアンチセンス・オリゴデオキシヌクレオチド阻害を実証している(図4を参照のこと)。
参照文献
Figure 2005510204
Figure 2005510204
Figure 2005510204
Figure 2005510204
ヒトのヘアレス蛋白質のmRNA配列を示す図である。 ヒトのヘアレス蛋白質のmRNA配列を示す図である。 ヒトのヘアレス蛋白質のmRNA配列を示す図である。 C67BL/Jマウスの病理標本の顕微鏡写真である(2A〜2D)。 2B〜2Dは、抗ヘアレス蛋白質デオキシリボザイムで治療したC67BL/Jマウスの病理標本を示している。2Aは非特異的なデオキシリボザイムで治療したコントロール領域を示している。 エチジウムブロマイド含有2%アガロース・ゲル上でUVライト下で視覚化した逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応の産物を示す電気泳動写真である。 ターゲットであるマウス・ヘアレス蛋白質mRNAを最大効率で切断することが可能なそれらのデオキシリボザイムが、レーン1(「702」)およびレーン3(「754/sht」)に示されるように、インビボ実験に関して使用された。 Cos-1細胞におけるヘアレス蛋白質発現のアンチセンス・オリゴヌクレオチド阻害を示す写真である。 レーン1は、細胞が全長ヘアレス構築物でトランスフェクトされなかったネガティブコントロールである。レーン2は、アンチセンス・オリゴヌクレオチドが導入されなかったポジティブコントロール実験におけるへアレス発現を示す。レーン3および4は、それぞれ抗ヘアレス・アンチセンス ODN1 (配列番号26)およびODN2 (配列番号27)が培地に40μMの濃度でトランスフェクション前に添加された場合のヘアレスの阻害を示す。
【配列表】
Figure 2005510204
Figure 2005510204
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Claims (77)

  1. ヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する触媒性デオキシリボ核酸分子であって:
    (a)定義されたコンセンサス配列でmRNAを切断する触媒性ドメイン;
    (b)前記触媒性ドメインの5’端に近接する結合ドメイン;および
    (c)前記触媒性ドメインの3’端に近接する結合ドメイン;を含み、
    前記結合ドメインが、切断が望まれる前記ヘアレス蛋白質mRNA内の定義されたコンセンサス配列に隣接している2つの領域と相補的である故に該領域とハイブリダイズし、且つ各結合ドメインが、少なくとも4残基の長さであり且つ両結合ドメインが少なくとも8残基の連結全体長を有する、
    触媒性デオキシリボ核酸分子。
  2. 請求項1に記載の触媒性デオキシリボ核酸分子であって、前記触媒性ドメインが、配列 ggctagctacaacga(配列番号18)を有し且つmRNAをコンセンサス配列プリン:ピリミジンで切断する触媒性デオキシリボ核酸分子。
  3. 請求項2に記載の触媒性デオキシリボ核酸分子であって、前記分子が:
    (a) cccatggggctagctacaacgagcagtcc (配列番号2);
    (b) cggcccaggctagctacaacgaggtgcag (配列番号3);
    (c) ctcaggaggctagctacaacgagcccctc (配列番号4);
    (d) gggagcaggctagctacaacgagtccttg (配列番号5);
    (e) ctccccaggctagctacaacgatctgggg (配列番号6);
    (f) cagccagggctagctacaacgatgacctt (配列番号7);
    (g) cagcggaggctagctacaacgagggtaag (配列番号8);
    (h) cgcagaaggctagctacaacgagccagcg (配列番号9);
    (i) tgcggggggctagctacaacgacaggggc (配列番号10);
    (j) aggggtgggctagctacaacgaggggtca (配列番号11);
    (k) cccggagggctagctacaacgaataccca (配列番号12);
    (1) gcctaagggctagctacaacgatgaaggc (配列番号13);
    (m) gcaaggaggctagctacaacgatctgctg (配列番号14);
    (n) gttcccaggctagctacaacgacgcctgg (配列番号15);および
    (o) cagctggggctagctacaacgaacccaag (配列番号16)、
    からなる群から選択される配列を有する、
    触媒性デオキシリボ核酸分子。
  4. ヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する触媒性リボ核酸分子であって:
    (a)定義されたコンセンサス配列でmRNAを切断する触媒性ドメイン;
    (b)前記触媒性ドメインの5’端に近接する結合ドメイン;および
    (c)前記触媒性ドメインの3’端に近接する結合ドメイン;を含み、
    前記結合ドメインが、切断が望まれる前記ヘアレス蛋白質mRNA内の定義されたコンセンサス配列に隣接している2つの領域と相補的である故に該領域とハイブリダイズし、且つ各結合ドメインが、少なくとも4残基の長さであり且つ両結合ドメインが少なくとも8残基の連結全体長を有する、
    触媒性リボ核酸分子。
  5. 請求項4に記載の触媒性リボ核酸分子であって、前記分子がハンマーヘッドリボザイムである触媒性リボ核酸分子。
  6. 請求項4に記載の触媒性リボ核酸分子であって、前記触媒性ドメインが、配列 ctgatgagtccgtgaggacgaaaca (配列番号19)を有し且つmRNAをコンセンサス配列 5'-NUH-3'で切断する触媒性リボ核酸分子。
  7. 請求項6に記載の触媒性リボ核酸分子であって、前記触媒性リボ核酸分子が:
    (a) cggccggcgggcgagctgatgagtccgtgaggacgaaaca cgcgttctcccgctct (配列番号20);
    (b) gagtctggggtgctcagctgatgagtccgtgaggacgaaa cacgcccctccaaaaagg (配列番号21);
    (c) ttgctgcccagccagttctgatgagtccgtgaggacgaaa caccttcctctccccatt (配列番号22);
    (d) gctctgggggcaggccactgatgagtccgtgaggacgaaa cacactaggtagggtggc (配列番号23);
    (e) atgaacaaggcctggggctgatgagtccgtgaggacgaaa cacaagcgggccaggagg (配列番号24);および
    (f) tcgcctggcccagcccactgatgagtccgtgaggacgaaa cacgttgccaagagtatg (配列番号25);からなる群から選択される配列を有する、
    触媒性リボ核酸分子。
  8. 請求項4に記載の触媒性リボ核酸分子であって、前記分子がヘアピンリボザイムである触媒性リボ核酸分子。
  9. 請求項1または4に記載の触媒性核酸分子であって、前記ヘアレス蛋白質mRNA内の切断サイトが、前記mRNAの5’末端に続く最初の3000残基内に局在する触媒性核酸分子。
  10. 請求項9に記載の触媒性核酸分子であって、前記ヘアレス蛋白質mRNA内の切断サイトが、前記mRNAの5’末端に続く最初の1500残基内に局在する触媒性核酸分子。
  11. 請求項1または4に記載の触媒性核酸分子であって、前記ヘアレス蛋白質mRNAが、ヒト、サル、ラットおよびマウスからなる群から選択される被験者に由来する触媒性核酸分子。
  12. 請求項1または4に記載の触媒性核酸分子であって、前記ヘアレス蛋白質mRNAが、図1A〜1C(配列番号1)に示される配列を有する触媒性核酸分子。
  13. 請求項1または4に記載の触媒性核酸分子および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
  14. 請求項13に記載の薬学的組成物であって、前記担体がアルコールである薬学的組成物。
  15. 請求項14に記載の薬学的組成物であって、前記担体がエチレン・グリコールである薬学的組成物。
  16. 請求項13に記載の薬学的組成物であって、前記担体がリポソームである薬学的組成物。
  17. ヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する方法であって、前記mRNAを請求項1または4に記載の触媒性核酸分子と、該分子が前記mRNAを切断することが可能な条件下で接触させることを含む方法。
  18. 細胞のヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断する方法であって、前記mRNAを含有している細胞を請求項1または4に記載の触媒性核酸分子と、前記細胞のヘアレス蛋白質mRNAを特異的に切断するように接触させることを含む方法。
  19. ヘアレス蛋白質を発現するであろう細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記細胞を請求項1または4に記載の触媒性核酸分子と、前記細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するように接触させることを含む方法。
  20. 被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の請求項1または4に記載の触媒性核酸分子を投与することを含む方法。
  21. 被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の請求項13に記載の薬学的組成物を投与することを含む方法。
  22. 毛髪産生細胞による毛髪産生を阻害する方法であって、前記細胞を効果的な量の請求項1または4に記載の触媒性核酸と接触させることを含む方法。
  23. 被験者における毛髪成長を阻害する方法であって、前記被験者に効果的な量の請求項13に記載の薬学的組成物を投与することを含む方法。
  24. 発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の請求項1または4に記載の触媒性核酸と接触させることを含む方法。
  25. 発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の請求項13に記載の薬学的組成物と接触させることを含む方法。
  26. 請求項18に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  27. 請求項19に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  28. 請求項20に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  29. 請求項21に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  30. 請求項22に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  31. 請求項20に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。
  32. 請求項21に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。
  33. 請求項23に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。
  34. 請求項20に記載の方法であって、前記触媒性核酸分子が局所的に投与される方法。
  35. 請求項34に記載の方法であって、前記触媒性核酸分子が経皮的(dermally)に投与される方法。
  36. 請求項21に記載の方法であって、前記薬学的組成物が局所的に投与される方法。
  37. 請求項36に記載の方法であって、前記薬学的組成物が経皮的(dermally)に投与される方法。
  38. 請求項23に記載の方法であって、前記薬学的組成物が局所的に投与される方法。
  39. 請求項38に記載の方法であって、前記薬学的組成物が経皮的(dermally)に投与される方法。
  40. 請求項1または4に記載の触媒性核酸分子をコードしている配列を含むベクター。
  41. 請求項40に記載のベクターをその中に有している細胞を含む宿主ベクター系。
  42. 請求項1または4に記載の触媒性核酸分子を産生する方法であって、前記触媒性核酸分子をコードしている配列を含んでいるベクターをその中に有している細胞を、該細胞による前記触媒性核酸分子の発現を可能とする条件下で培養することを含む方法。
  43. ヘアレス蛋白質mRNAと、細胞内でその翻訳を阻害するように特異的にハイブリダイズする核酸分子。
  44. 請求項43に記載の核酸であって、前記核酸がリボ核酸である核酸。
  45. 請求項43に記載の核酸であって、前記核酸がデオキシリボ核酸である核酸。
  46. 請求項43に記載の核酸分子であって、該分子が前記ヘアレス蛋白質mRNA内の該mRNAの5’末端に続く最初の3000残基内に局在するサイトとハイブリダイズする核酸分子。
  47. 請求項46に記載の核酸分子であって、該分子が前記ヘアレス蛋白質mRNA内の該mRNAの5’末端に続く最初の1500残基内に局在するサイトとハイブリダイズする核酸分子。
  48. 請求項43に記載のリボ核酸分子であって、前記ヘアレス蛋白質mRNAが、ヒト、サル、ラットおよびマウスからなる群から選択される被験者に由来するリボ核酸分子。
  49. 請求項43に記載のリボ核酸分子であって、前記ヘアレス蛋白質mRNAが、図1A〜1C(配列番号1)に示される配列を有するリボ核酸分子。
  50. 請求項43に記載の核酸分子をコードしている配列を含むベクター。
  51. 請求項50に記載のベクターをその中に有している細胞を含む宿主ベクター系。
  52. (a)請求項43に記載の核酸分子または請求項50に記載のベクターおよび(b)薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
  53. 請求項52に記載の薬学的組成物であって、前記担体がアルコールである薬学的組成物。
  54. 請求項53に記載の薬学的組成物であって、前記担体がエチレン・グリコールである薬学的組成物。
  55. 請求項52に記載の薬学的組成物であって、前記担体がリポソームである薬学的組成物。
  56. ヘアレス蛋白質を発現するであろう細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記細胞を請求項43に記載の核酸分子と、前記細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するように接触させることを含む方法。
  57. 被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の請求項43に記載の核酸分子を投与することを含む方法。
  58. 被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害する方法であって、前記被験者に前記被験者細胞のヘアレス蛋白質の発現を特異的に阻害するために効果的な量の請求項52に記載の薬学的組成物を投与することを含む方法。
  59. 毛髪産生細胞による毛髪産生を阻害する方法であって、前記細胞を効果的な量の請求項43に記載の核酸分子と接触させることを含む方法。
  60. 被験者における毛髪成長を阻害する方法であって、前記被験者に効果的な量の請求項52に記載の薬学的組成物を投与することを含む方法。
  61. 発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の請求項43に記載の核酸分子と接触させることを含む方法。
  62. 発育相から休止相への毛嚢の移行を阻害する方法であって、前記嚢を効果的な量の請求項52に記載の薬学的組成物と接触させることを含む方法。
  63. 請求項56に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  64. 請求項57に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  65. 請求項58に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  66. 請求項59に記載の方法であって、前記細胞がケラチノサイトである方法。
  67. 請求項57に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。
  68. 請求項58に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。
  69. 請求項60に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。
  70. 請求項57に記載の方法であって、前記核酸分子が局所的に投与される方法。
  71. 請求項70に記載の方法であって、前記核酸が経皮的(dermally)に投与される方法。
  72. 請求項58に記載の方法であって、前記薬学的組成物が局所的に投与される方法。
  73. 請求項72に記載の方法であって、前記薬学的組成物が経皮的(dermally)に投与される方法。
  74. 請求項60に記載の方法であって、前記薬学的組成物が局所的に投与される方法。
  75. 請求項74に記載の方法であって、前記薬学的組成物が経皮的(dermally)に投与される方法。
  76. 請求項43に記載の核酸分子を産生する方法であって、前記核酸分子をコードしている配列を含んでいるベクターをその中に有している細胞を、該細胞による前記核酸分子の発現を可能とする条件下で培養することを含む方法。
  77. 非ヒト・トランスジェニック哺乳動物であって、該哺乳動物のゲノムは:
    (a)プロモータと作動可能に連結したヒト・ヘアレス蛋白質をコードしているヌクレオチド配列が安定的に統合されており、このことにより前記ヌクレオチド配列が発現され;および
    (b)発現可能な内在性のヘアレス蛋白質をコードしている核酸配列を欠如している、
    非ヒト・トランスジェニック哺乳動物。
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