JP2005509647A - エストロゲン応答性乳癌の治療方法 - Google Patents

エストロゲン応答性乳癌の治療方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、個体に対して治療上有効なエストラジオール阻害量のインタフェロンガンマ(IFN−γ)及び/又は腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニスト及び/又はインタ−ロイキン−1(IL−1)アンタゴニストを投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法に向けられている。該発明は、IFN−γ及び/又は腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニスト及び/又はインタロイキン−1(IL−1)アンタゴニストがヒト脂肪細胞内のエストラジオール産生を阻害するという驚くべき発見に基づいている。この発見は、それが、各々単独でか又は組合せた形でIFN−γ、TNFアンタゴニスト又はIL−1アンタゴニストを用いてエステロゲン依存性乳癌を治療及び/又は予防できるようにするという理由のみならず、例えばタモキシフェン及び/又はアロマターゼ阻害物質といった標準的な抗エストロゲン療法と合わせてIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストを使用することが可能であるという理由でも重要なものである。さらに、標準的な抗エストロゲン療法と組合せた場合に本発明によりエストロゲンレベルを低下させる能力は、それが抗エストロゲンの用量を低減できるようにし抗エストロゲン療法に伴って一般的に見られる副作用及び合併症の確率を低下するという点で、治療上の重要な選択肢を提供する。

Description

乳癌は、米国内及び世界中の女性にとって重大な健康上の問題である。この疾病の検出及び治療において進歩が見られたものの、乳癌は、女性における癌関連死の第2位の原因であり続けており、毎年アメリカで18万人以上の女性がこれに罹患している(Forbes, 腫瘍学セミナー、第24巻(1)、追補1、1997;psl−20−S1−35)。アメリカでは、女性がその生涯において(80才までに)この疾病を発生させる確率は8人中1人であり、一方女性が乳癌で死亡する生涯リスクは28人中1人である(Harris et al., Ed.「乳房疾患」、1996;p159−168)。
男性の乳癌はまれではあるものの、乳房の悪性腫瘍全体の約1%を占めている(Borgen PI,Wong GY, Vlamis V. et al:現行の男性乳癌の管理;104症例の再検討。Annals of Surgery215(5);451−459,1992)。診断時点の平均年令は60〜70才の間であるが、すべての年令の男性がこの疾病に罹患する可能性がある(Jaiyesimi IA, Buzdar AU, Sahin AA, et al; 男性の乳房の悪性腫瘍、Annals of Internal Medicine 117(9);771−777,1992)。リスク素因には、放射線被曝、エストロゲン投与及び肝硬変又はクラインフェルター症候群(Hultborn R. Hanson C, Kopf I, et al,: 男性の乳癌患者におけるクラインフェルター症候群の罹患率。Anticancer Research17(6D);4293−4298,1997)といったようなエストロゲン過剰症に付随する疾病が含まれるものと思われる。明確な家族的傾向も存在し、乳癌を有する女性の親類を数多く有する男性において、発生率の増大が見られる。
歴史的には、乳癌において内分泌治療が果たす役割を最初に発見したのは、1896年、閉経前女性における乳癌が卵巣摘除術の後に沈静化するということを観察したBeatsonであった。その後その他の科学者達により確認されたこの発見事実は、少なくとも1部の乳房腫瘍がその成長についてホルモンに直接依存しているという証拠を裏づけし、ホルモンの内因性供給源を除去する目的での内分泌器官の切除の治療的アプローチに対する関心を惹起した。乳癌のための外科的内分泌療法においては、エストロゲンの分泌に関与する器官は、エストロゲン依存性乳癌を退行させるために除去される。しかしながら、この結果として、エストロゲンのみならず、ステロイドホルモンを含む生命維持ホルモンの損失ももたらされ、生活の質に付随する数多くの問題が発生する。
現在、エストロゲンは、乳癌の発生において主要な役割を果たしている。閉経前の患者の約60%そして閉経後の患者の75%が、エストロゲン依存性腫瘍を有する。男性では、80%以上の乳房腫瘍組織がホルモンレセプターを含有し、約3分の2の男性がホルモン療法に応答する(Richard B. Everson 及びMarc E. Lippman.「男性の乳癌」、Breast Cancer第3巻中、William L. McGuire 編、New York:Plenum Plublishing Corporation, 1979)。
エストロゲン依存性乳癌の治療中、エストロゲンにより誘発される効果を大幅に削減するか又は可能であれば消失させることが重要となるだろう。この目的で、エストロゲンにより刺激されたレセプター部位を遮断することと同様、これらの部位で作用すべきエストロゲンの量を減少させることが望まれる。
卵巣摘除術の形での内分泌切除に加えて、エストロゲン依存性乳癌の現行の療法は、例えばタモキシフェンといったような抗エストロゲン化合物の使用に頼っている。しかしながら、これらの抗エストロゲン剤は、そのエストロゲン(アゴニスト)特性に起因して子宮内の或る癌細胞集団に対し刺激効果をもつ可能性があり、従ってこれらは、一部のケースにおいては逆効果となる。1つの理由は、内因性ホルモン産生が、視床下部−脳下垂体−生殖腺系の活動過剰を巻き込むということにある。
例えば、最も重大な副作用は、子宮内膜増殖症及び子宮内膜癌腫の発生率の実質的な増大(5年にわたるタモキシフェン投与後の3〜4倍のリスク増加)をひき起こす子宮内でのタモキシフェンのエストロゲン効果である(Goldhirsch et al., 乳癌の内分泌療法、Sem in Onc. 第23(4)巻、p494−505,1996)。このような理由及び長期に及ぶタモキシフェンの使用に伴う延命効果の改善の欠如のため、現在では、5年以上の長い期間に及ぶタモキシフェン療法は禁忌である。さらに、タモキシフェンは同様に、静脈血栓塞栓症の発生率の著しい増大、血管運動性症候又はホットフラッシュの発生率の著しい増大(16〜67%の範囲)、白内障形成及び、臨床的には確認されていないもののなおも(動物モデルにおいて実験的に観察された)肝細胞癌の可能性についての懸念を発生させるDNA−アダクツ形成とも結びつけられている。その上、データは、長期にわたるタモキシフェン露呈に伴い、乳房腫瘍細胞は、抗エストロゲン効果に対する耐性を細胞に発生させ代替的にそのエストロゲン特性に対し応答させるような変性を受けるということを示唆している(Santen, Editorial:長期タモキシフェン療法:アンタゴニストはアゴニストとなりうるか? J Clin Endo & Metab, 第81巻(6)pp.2027−2029,1996)。
かくして、タモキシフェンのような、かかる混合型エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、エストロゲン依存性乳癌の治療において有益な効果をもち、エストロゲン副作用は急性の生命に関わる状況では容認できるものであっても、理想的なものではない。
従って、エストロゲン依存性乳癌のためには外科手術及び抗エストロゲン療法が利用可能であるものの、単独で又はその他の抗エストロゲン剤と組合せた形で、現在使用されている抗エストロゲン療法の副作用を消失させるか又は減少させることになる作用物質を得ることが有用であると考えられる。
本発明は、IFN−γ及び/又は腫瘍壊死因子(TNF)アンタゴニスト及び/又はインターロイキン−1(IL−1)アンタゴニストがヒト脂肪細胞内のエストラジオール産生を阻害するという驚くべき発見に基づいている。この発見は、各々単独で又は組合せた形でのIFN−γ、TNFアンタゴニスト又はIL−1アンタゴニストを用いてエステロゲン依存性乳癌を治療及び/又は予防できるようにするという理由のみならず、例えばタモキシフェン及び/又はアロマターゼ阻害物質といった標準的な抗エストロゲン療法と合わせてIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストを使用することが可能であるという理由でも、重要なものである。さらに、標準的な抗エストロゲン療法と組合せた場合に本発明によりエストロゲンレベルを低下させる能力は、それが抗エストロゲンの用量を低減できるようにし抗エストロゲン療法に伴って一般的に見られる副作用及び合併症の確率を低下するという点で、治療上の重要な選択肢を提供する。
1実施形態においては、治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γ及び/又は1種以上のTNFアンタゴニスト及び/又は1種以上のIL−1アンタゴニストの投与を含んで成る、個体のエストロゲン応答性乳癌を治療及び/又は予防するための方法がここで提供されている。
第2の実施形態においては、本発明は、治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γ及び/又は1種以上のTNFアンタゴニスト及び/又は1種以上のIL−1アンタゴニストを抗エストロゲン剤と組合せた形で投与することを含んで成る、個体のエストロゲン応答性乳癌を治療及び/又は予防するための方法を提供する。タモキシフェン及び/又はアロマターゼ阻害物質が好ましい抗エストロゲン剤である。
本発明はさらに、エストロゲン応答性乳癌の治療及び/又は予防のための医薬組成物の調製における医薬として許容される担体と組合せた又は単独でのIFN−γ及び/又は1種以上のTNFアンタゴニスト及び/又は1種以上のIL−1アンタゴニストの使用を提供している。1変形実施形態では、該組合せは、標準的な抗エストロゲン剤を含む。タモキシフェン及び/又はアロマターゼ阻害物質が好ましい抗エストロゲン剤である。
本発明においては、IFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストの投与経路には、皮内、経皮(例えば徐放性製剤の形)、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所及び鼻腔内経路が含まれる。好ましい投与経路は、非経口投与である。静脈内、筋内及び皮下を含むあらゆる非経口投与が適したものでありうる。医薬として許容される担体以外に、本発明の組成物は、安定剤、賦形剤、緩衝液及び防腐剤といったようなわずかな量の添加剤をも含むことができる。
本発明の方法において有用なIFN−γは、天然IFN−γ、組換え型IFN−γ及び例えばその安定性を増大するべく、修飾されたIFN−γを包含する。
本発明の方法において有用であるTNFアンタゴニストには、可溶性TNFレセプター分子、抗TNF抗体及びTNFレセプターのシグナリングを防止及び/又は阻害する化合物が含まれる。脂肪細胞内のTNFによるエストラジオール誘発を阻害する小分子薬物、タンパク質、突然変異タンパク質、タンパク質由来のペプチド、模倣体(mimetics)も又、本発明において使用可能である。TNFアンタゴニストを単独で又はその他のTNFアンタゴニストと組合せた形で使用することが可能である。
本発明の方法において有用である特定のTNFアンタゴニストには、Serono SA からの組換え型ヒトTBP(r−hTBP、例えば米国特許第US6,225,300号に記載されている腫瘍壊死因子結合タンパク質);Immunex Corporation からのエタナセプト(Etanercept)(ENBRELTM);Centocor Incからのインフリキシマブ(Infliximab)(REMICADETM);Hoffman-LaRoche からのイエナセプト(Ienercept)(RO−45−2081,Tenefuse);可溶性TNFレセプターI型(Amgen Inc からのsTNF−R1);可溶性TNFレセプターを含有するその他の作用物質;Celltech Chiroscience からのCDP571(ヒト化モノクローナル抗TNFアルファ抗体);その他のモノクローナル抗TNFアルファ抗体;AbbottからのD2E7/アダリムマブ(adalimumab)(ヒト抗TNFmAb);サリドマイド;ホスホジエステラーゼ4(IV)阻害サリドマイド類似体;その他のホスホジエステラーゼIV阻害物質;及びTNFアルファ変換酵素が含まれる。
IL−1アンタゴニストには、IL−1レセプターアンタゴニスト、IL−1結合タンパク質、抗IL−1モノクローナル抗体、IL−1レセプター修飾タンパク質及び、IL−1の in vivo合成又は細胞外放出を遮断するその他の化合物及びタンパク質が含まれる。好ましい実施形態においては、IL−1アンタゴニストはIL−1βアンタゴニストである。
本発明は同様に、包装材料及びその中に収容された個体のエストロゲン依存性乳癌を治療又は予防するために治療上有効である薬剤を含む製品にも関する。該包装材料は、エストロゲン依存性乳癌を治療及び/又は予防するために該薬剤を使用することができるということを指示するラベルを含んでよい。該薬剤は、有効量のIFN−γ又は有効量のTNFアンタゴニスト又は有効量のIL−1アンタゴニストを含む。1実施形態においては、薬剤は、有効量のIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストの組合せを含む。もう1つの実施形態では、本発明は、IFN−γ、TNFアンタゴニスト及びIL−1アンタゴニストの組合せを含む。
別の実施形態においては、本発明は、単独で又は組合せた形でのIFN−γ、TNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストを含む第1のエストロゲン依存性癌治療又は予防剤、及び第2の治療剤を含んでなる組成物及びキットに関する。第2の治療剤は、IFN−γ、TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニストではない。これらの組合せは、個体におけるエストロゲン依存性乳癌を治療又は予防するのに有効である。タモキシフェン等の抗エストロゲン剤を包含するさまざまなクラスの治療剤が組成物中で使用可能である。1実施形態においては、第1のエストロゲン依存性癌治療又は予防剤には、有効量のIFN−γ及びTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1の組合せが含まれる。
以上の全般的記載及び以下の詳細な説明が共に本発明を例示するものにすぎず、請求されている通りの本発明の性質及び特徴を理解するための概要又は枠組を提供するよう意図されている、ということを理解すべきである。
本明細書に記載されている発明は、ヒト脂肪細胞からのエストラジオール産生が、IFN−γの付加によって又はIL−1アンタゴニスト、TNFアンタゴニストによりTNFを遮断することによって低減されるという予想外の結果を明らかに示している。理論により束縛されることは望まないものの、エストラジオール産生の減少はアロマターゼmRNAの誘発阻害の結果であると考えられている。その結果、本発明の1実施形態は、治療上有効なエストラジオール産生阻害量のIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストを単独で又は組合せた形で投与することを含んで成る、個体におけるエストロゲン応答性乳癌を治療及び/又は予防する方法を提供する。
もう1つの実施形態においては、本発明は、単独で又は組合せた形での治療上有効なエストラジオール産生阻害量のIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニスト、更に抗エストロゲン剤と組合せた形での投与を含んで成る、個体のエストロゲン応答性乳癌を治療又は予防するための方法に関する。好ましくは、抗エストロゲン剤は非ステロイド系である。タモキシフェンが好ましい抗エストロゲン剤である。
本発明のさらなる実施形態は、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療及び/又は予防のための医薬組成物の調製における医薬として許容される担体と組合せた又は単独のIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストの使用にある。医薬組成物は、同様に抗エストロゲン剤をも含み得る。
本発明において使用される活性成分は、TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニスト、IFN−γ及び抗エストロゲン剤である。TNFアンタゴニストは、2つの経路の1つでその活性を及ぼす。まず第1に、アンタゴニストは、TNFレセプター結合をつかさどるTNFエピトープを実質的に中和するのに充分な親和性及び特異性でTNF分子自体に結合するか又はこれを隔絶することができる(以下、隔絶アンタゴニストと呼ぶ)。代替的には、TNFアンタゴニストは、TNF結合の後に細胞表面レセプターにより活性化されるTNFシグナリング経路を阻害し得る(以下、シグナリングアンタゴニストと呼ぶ)。両方のアンタゴニスト群は共に、単独で又は合わさって、本発明に従ったエストロゲン応答性乳癌の療法において有用である。
TNFアンタゴニストは、TNFが増殖及びIg分泌をひき起こす例えばヒトB細胞といったin vitroの罹病性細胞株に対する天然TNFの活性に対する該アンタゴニストの効果について候補を常法によりスクリーニングすることによって容易に同定及び評定される。この検定は、検定中に使用されるTNFのモル量に対して候補アンタゴニストの希釈度が例えば0.1〜100倍に変動するTNF製剤と、TNFを全く伴わない又はアンタゴニストのみを伴う対照とを含んでいる(Tucci et al., ヒトB細胞検定内のIL−1及び腫瘍壊死因子阻害物質及び11のサイトカインの効果。J. Immunol. 1992年5月1日;148(9):2778−84)。
隔絶アンタゴニストは、本発明に従った好ましいTNFアンタゴニストである。隔絶アンタゴニストのうち、高い親和性でTNFと結合し低い免疫原性を有するポリペプチドが好ましい。可溶性TNFレセプター分子及びTNFに対する中和抗体は特に好ましい。例えば、本発明では、TNF−RI及びTNF−RHが有用である。レセプターの細胞外ドメイン又はその機能的部分を含むこれらのレセプターの切断形態(truncated form)が、本発明に従ったより特に好ましいアンタゴニストである。TNFレセプターの切断形態は可溶性であり、当初それぞれTBPI及びTBPIIと呼ばれていた30kDa及び40kDaのTNF阻害結合タンパク質として尿及び血清中で検出されてきた(Engelmann et al., ヒトの尿から精製された2つの腫瘍壊死因子結合タンパク質。細胞表面腫瘍壊死因子レセプターとの免疫学的交差反応についての証拠。J. Biol Chem. 1990 Jan 25;265(3):1531−6)。レセプター分子の誘導体、フラグメント、領域及び生物活性部分は、機能的に、本発明で使用され得るレセプター分子と似ている。レセプター分子のこのような生物活性等価物又は誘導体は、前記ポリペプチドの部分又はレセプター分子をコードする配列の部分であって、膜結合型TNFレセプターとの相互作用が阻害されるか又は遮断されるような親和性をもってTNFと結合でき、かつ、充分なサイズを有する部分を意味する。好ましい実施形態において、ヒト可溶性TNF−RIが患者に投与されるTNFアンタゴニストである。天然の及び組換え型の可溶性TNFレセプター分子及びその産生方法は、欧州特許出願第EP308,378号;第EP398,327号及び第EP433,900号、並びに米国特許及び米国特許出願第US5,359,037号;第US5,512,544号;第US5,695,953号;第US5,811,261号;第US5,981,701号;第US6,232,446号;第US6,262,239号及び第US20010019833A1号に記載されている。
TNFレセプター多量体分子及びTNF免疫レセプター融合分子、及びその誘導体又は部分は、本発明の方法に有用なレセプター分子の追加の例である。本発明において有用なTNFレセプター多量体分子は、1つ以上のポリペプチドリンカーを介して結合された2つ以上のTNFレセプターの細胞外ドメインの全部又は機能的部分を含む。多量体分子はさらに、多量体分子の発現を導くべく、分泌タンパク質のシグナルペプチドを含むことができる。
これらの多量体分子及びその産生方法は、欧州特許出願第EP526,905号に記載されている。
本発明の方法において有用なTNF免疫レセプター融合分子は、1種以上の免疫グロブリン分子の少なくとも1部分、及び1種以上のTNFレセプターの全部又は機能的部分を含む。これらの免疫レセプター融合分子は、単量体又はヘテロ多量体又はホモ多量体として組立て得る。免疫レセプター融合分子は同様に一価又は多価であり得る。TNF免疫レセプター融合分子及びその産生方法は、PCT特許出願第WO94/06476号に対応する欧州特許出願第EP620,739号に記載されている。
本発明の方法において有用である隔絶アンタゴニストのもう1つのクラスは、 in vivoでのTNFに対する高い親和性及び低い毒性により特徴づけられるモノクローナル抗体、キメラヒト化抗体及び組換え型抗体及びそのフラグメントを包含する、抗TNF抗体によって代表される。本発明において使用可能な抗体は、ホルモン依存性乳癌について患者を治療する能力及び低い毒性によって特徴づけられる。中和抗体は、TNFでの免疫化によりウサギ又はマウスといったような動物の体内で容易に産生する。
免疫化されたマウスは、それ自体で抗TNFモノクローナル抗体を大量に産生するべく培養されるハイブリドーマの製造のためのB細胞供給源を提供するために特に有用である。キメラ抗体は、異なる動物種に由来する2つ以上のセグメント又は部分によって特徴づけられる免疫グロブリン分子である。一般に、キメラ抗体の可変領域は、マウスモノクローナル抗体といったような非ヒト哺乳動物抗体に由来し、免疫グロブリン定常領域は、ヒト免疫グロブリン分子に由来する。好ましくは、両方の領域及び組合せが、常法により決定される低い免疫原性を有する(Elliott et al.,「慢性関節リウマチ内のプラシーボに対する、腫瘍壊死因子アルファ(cA2)に対するキメラモノクローナル抗体の無作為化二重盲検比較」Lancet, 344;1105−1110(1994))。ヒト化抗体は、マウス抗原結合領域を保持する一方でマウス定常領域がヒトの対応物と置換される遺伝子工学技術によって作り出された免疫グロブリン分子である。結果として得られたマウス−ヒトキメラ抗体は、低減された免疫原性と改善された薬物動態学を有するはずである(Knight et al., マウス−ヒト キメラ抗TNF抗体の構築及び初期特徴づけ。Mol Immunol. 1993 Nov;30(16);1443−53)。本発明において有用である高親和性モノクローナル抗体及びそのキメラ誘導体の好ましい例は、欧州特許出願第EP186,833号;PCT特許出願第WO92/16553号及び米国特許第US6,090,923号に記載されている。
TNFアンタゴニストは、さまざまな方法で個体に投与され得る。投与経路としては、皮内、経皮(例えば徐放性製剤)、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所及び鼻腔内経路が含まれる。その他の治療上有効な投与経路、例えば上皮又は内皮組織を通した吸収、あるいはTNFアンタゴニストをコードするDNA分子を患者に(例えばベクターを介して)投与し、TNFアンタゴニストを in vivoで発現させ分泌させる遺伝子療法、のいずれも使用することができる。さらに、TNFアンタゴニストは、医薬として許容される表面活性剤、賦形剤、希釈剤又はその他のいずれかの担体といったような生物活性作用物質の他の成分と合わせて、投与することもできる。
クローニングされた遺伝子を取得、操作および発現するための技術を用いて、可溶性TNFレセプター等のTNFアンタゴニスト並びに本発明で有用な他のタンパク質の変異体及び類似体を作ることができる。突然変異タンパク質及びペプチド類似体を調製、改変および利用するための組換え型DNA方法、化学合成方法、酵素方法及び混合型方法が周知である。例えば、このような方法は、その全体が本明細書に参考として内含されるSambrook及びRusselの「分子クローニング:実験マニュアル、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.,(2001)に記されている。
当業者であれば、タンパク質のアミノ酸配列を改変するために、クローニングされた遺伝子を容易に操作できるということがわかるだろう。ヒトのTNFレセプターのためのクローニングされた遺伝子は、本発明に従って使用可能である、in vitro突然変異誘発のためのさまざまな周知の技術、なかでも本明細書中で突然変異タンパク質と呼ばれている天然に発生するヒトタンパク質の変異体を産生するための技術、によって操作可能である。
IL−1アンタゴニストのクラスとしては、以下で記載するようなIL−lraといったインターロイキン−Iレセプターアンタゴニスト(IL−1に対する細胞レセプターの活性化を特異的に防止する能力をもつあらゆる化合物);本明細書にその開示が参考として内含される抗IL−1レセプターモノクローナル抗体(例えば第EP623674号);可溶性IL−1レセプターといったようなIL−1結合タンパク質(例えば米国特許第US5492888号,第US5488032号、及び第US5464937号、第US5319071号及び第US5180812号);抗IL−1モノクローナル抗体(例えば第WO9501997号、第WO9402627号、第WO9006371号、米国特許第4,935,343号、第EP364778号、第EP267611号及び同EP220063号);IL−1レセプター修飾タンパク質(例えばWO96/23067)、及びIL−1のin vivo合成又は細胞外放出を遮断するその他の化合物及びタンパク質が含まれる。
IL−1レセプターアンタゴニスト(IL−1ra)はIL−1の天然の阻害物質として作用するヒトタンパク質である。好ましいレセプターアンタゴニストならびにその製造方法及び使用方法は、米国特許第US5075222号;第WO91/08285号;第WO91/17184号;第AU9173636号;第WO92/16221号;第WO93/21946号;第WO94/06457号;第WO94/21275号;第FR2706772号;第WO94/21235号;第DE4219626号;第WO94/20517号;第WO96/22793号及び第WO97/28828号に記載されている。タンパク質は、グリコシル化された、ならびにグリコシル化されていないIL−1レセプターアンタゴニストを包含する。
詳しく、各々同じDNAコード配列から誘導されるつの好ましいIL−1ra形態(IL−1ra.アルファ,IL−1ra.ベータ及びIL−1rax)が米国特許第US5,075,222号に開示され、記載されている。IL−1アンタゴニスト、特にIL−1raを産生するための方法は同様に上記特許第US5,075,222号にも開示されている。特定の実施形態においては、IL−1raは、E. coli での発現の結果としてN末端メチオニル基を含有している。本発明は、修飾されたIL−1rasをも包含する。修飾されたIL−1rasには、例えば、天然の阻害物質のアミノ酸配列内の1種以上の部位でシステイン残基がアミノ酸により置換されているような阻害物質の突然変異タンパク質が含まれる。このような突然変異タンパク質は次に、官能化されたポリエチレングリコール(PEG)単位又は他のスルフヒドリル含有ポリエーテルと部位選択的に反応させられてIL−1raPEG種を作り出すことができる。WO92/16221は、一定数の修飾されたIL−1ra種及びかかるPEG修飾された阻害物質の製造方法を開示している。
IL−1アンタゴニストの追加のクラスとしては、IL−1に対する細胞レセプターの活性化を特異的に防止する能力をもつ化合物が含まれる。かかる化合物には、可溶性レセプター及びモノクローナル抗体といったようなIL−1結合タンパク質が含まれる。かかる化合物は、レセプターに対するモノクローナル抗体をも包含する。
インターロイキン−1アンタゴニストのさらなるクラスには、IL−1の in vivo合成及び/又は細胞外放出を遮断する化合物及びタンパク質が含まれる。かかる化合物には、IL−1 遺伝子の転写又はIL−1タンパク質前駆体のプロセッシングに影響を及ぼす作用物質が含まれる。
本発明において有用なTNF及びIL−1レセプターの突然変異タンパク質の一次構造の変異には、欠失、付加及び置換が含まれうる。置換は、保存的であっても非保存的であってもよい。天然タンパク質と突然変異タンパク質の差は、一般に、望ましい性質を保存し、望まれない性質を軽減又は削除し、望ましい又は新しい性質を付加するものである。本発明では、一般に、突然変異タンパク質は抗TNF活性又は抗IL−1活性を維持又は増加させる突然変異タンパク質である。特に、TNF及びIL−1レセプターの突然変異タンパク質は、エストラジオール誘発の阻害を維持又は増大させるTNF及びIL−1レセプターのアミノ酸配列変異体である。
同様に、大きいタンパク質から(一次配列において)由来して該大きいタンパク質の活性を示す、より小さなオリゴペプチド及びポリペプチドを作るための技術は、周知であり、当該技術分野において常法になっている。したがって、それぞれTNF又はIL−1アンタゴニスト活性を示す可溶性TNF又はIL−1レセプターのペプチド類似体といったような本発明のタンパク質のペプチド類似体も同様に、本発明において有用である。
模倣体(mimetics)も同様に、乳癌を予防するか又は治療するために、本発明に従って使用可能である。模倣体の設計は、当業者にとって既知であり、一般に、それらがモデルとする大きい分子(往々にしてタンパク質である)の活性と同一又は類似の活性をもった比較的小さい他の分子又はペプチドであると理解されている。
脂肪細胞におけるTNFにより誘発されるエストラジオール産生を阻害する上述のタンパク質、突然変異タンパク質、タンパク質由来模倣体などの以外の化合物も、本発明において有用であり得る。かかる化合物の中には、模倣体でありうる或る種の小さな有機分子が含まれる。かかる小さい分子の例としては、PCM(Omega Pharmaceuticals Inc.)、SH−636(Shering AG, Germany)、NPI−1302(Hensler et al. 議事録中の摘要;米国癌研究協会;サイトカインと癌;規則、血管新生及び臨床的応用;Vail, Colorado, 2000年9月20〜24日;及び1515−104838(Isis Pharmaceuticals, Inc., Carlsbad, CA)が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
生物学的に活性であることが示されている全ての形態のヒトIFN−γを、本発明に従って使用することができる。これらの形態には、天然の供給源から得られるか、化学的に合成されるか又は組換え型DNA技術により産生されるかの如何に関わらず、成熟型、pro型、met型及び/又はdes(1−3)型(des−Cys−Tyr−Cys IFN−γとも呼ばれる)形態が含まれる。そのcDNA及びアミノ酸配列を含む組換え型ヒトIFN−γ(rhuIFN−γ)の調製の完全な記載は、例えば米国特許第US4,727,138号;第US4,762,791号;第US4,925,793号;第US4,929,554号;第US5,582,824号;第US5,096,705号;第US4,855,238号;第US5,574,137号及び第US5,595,888号に開示されている。さまざまな形で切断された(truncated)誘導体を内含する、CysTyrCysが欠如した組換え型ヒトIFN−γは、例えば米国特許第US5,582,824号に開示されている。本発明において有用であるIFN−γには当該技術分野において既知であるか又は将来において入手可能になろうとしているかに関わらず、さまざまな形でグリコシル化された形態及びその他の変異体(例えばアミノ酸配列変異体)及びその天然(野生型)IFN−γの誘導体が含まれる。かかる変異体の例としては、対立遺伝子及び、残基が欠失、挿入及び/又は置換されている部位特異的突然変異誘発の産物がある(例えば上述の米国特許US5,582,824を参照のこと)。本発明において有用なIFN−γは、さまざまな商業的供給源から入手可能であり、数多くの適応症の治療のために承認されている。
本発明に従って使用されるIFN−γは、天然供給源からのものであってよいが、好ましくは組換え型産物である。本発明に有用なIFN−γには、IFN−γ活性を有するポリペプチド又はそのフラグメント及び、なかでも米国特許US5,593,667及びUS5,594,107の中で開示されているような、例えばその生物活性の性質に影響を及ぼすことなく安定性を増強するために、配列修飾が導入されたIFN−γのキメラ形態又は突然変異体形態も含まれる。例えば、本発明に有用なIFN−γは、商業用製剤 Actimmune(登録商標)(Genetech, Inc. South San Francisco, CA)の活性成分である組換え型ヒトIFN−γ種(140個のアミノ酸を含有する組換え型ヒトインターフェロンガンマ−1b、rhIFN−γ−1b)であり得る。
「医薬として許容される」という定義は、活性成分の生物活性の有効性を妨げず、それが投与される宿主に対し有毒でない何れの担体をも包含することを意味している。例えば、非経口投与のためには、TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニスト及び/又はIFN−γは、食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミン及びリンガー液といったようなビヒクル中の注入のための単一用量形態で製剤されうる。
非経口(例えば静脈内、皮下、筋内)投与のためには、TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニスト及び/又はIFN−γは、医薬として許容される非経口ビヒクル(例えば水、食塩水、デキストロース溶液)及び等張性(例えばマンニトール)又は化学的安定性(例えば防腐剤及び緩衝液)を維持する添加剤と関連する溶液、懸濁液、エマルジョン又は凍結乾燥粉末として製剤可能である。製剤は、一般に用いられる技術により滅菌される。
TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニスト及び/又はIFN−γの治療上有効なエストラジオール阻害量は、数多くの変数の関数である。これらの変数としては、TNFアンタゴニスト又はIL−1アンタゴニストのタイプ、TNF又はIL−1に対するアンタゴニストの親和性、アンタゴニストが示す何らかの残留細胞毒性活性、投与経路、患者の臨床状態(内因性TNF活性、IL−1活性又はIFN−γ活性の非毒性レベルを維持することの望ましさを含む)、及び例えば抗体といった隔絶剤内の多数のTNF又はIL−1組合せ部位の存在、がある。
「治療上有効なエストラジオール阻害量」というのは、投与時にTNFアンタゴニスト、TNFアンタゴニスト又はIFN−γが脂肪細胞からのエストラジオール産生の減少を結果としてもたらすようなものである。50%の減少が好ましい。より好ましくは、エストラジオール産生の減少は75%、最も好ましくは95%である。単回投与又は複数回投与として個体に投与される用量は、化合物の薬物動態学的特性、投与経路、患者の状態及び特徴(姓別、年令、体重、健康、サイズ)、症候の規模、併用治療、治療の頻度及び所望される効果を含めた多様な要因に応じて変動することになる。設定された用量範囲の調整及び操作は、エストラジオールの阻害を決定するin vitro及び in vivoの方法と同様、当業者の能力の範囲内に充分入るものである。
乳癌のリスク因子、例えばBRCA1及びBRCA2遺伝子内の突然変異といった遺伝的因子または疾病の家族履歴をもつ患者においては、TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニスト及び/又はIFN−γは、乳癌の予防のためのその他の抗エストロゲン療法と別々に、同時に又は逐次的に、予防を目的として投与することができる。IFN−γ、TNFアンタゴニスト又はIL−1アンタゴニストがその他の治療剤と同時に投与される場合、これらは、同じ又は異なる組成で投与可能である。
抗エストロゲン剤の例としては、ラロキシフェン及びタモキシフェンにより代表される2−フェニル−3−ベンゾチオフェン及び1−(アルキルアミノエトキシフェニル)−1−フェニル−2−フェニルブト−1−エン;4−ヒドロキシタモキシフェン;クロミフェン;ナフォキシジン(Upjohn & Co.,700 Portage Road, Kalamazoo, MI);米国特許第US5,567,831号に記載されているような非ステロイド系スルファターゼ阻害化合物;米国特許第US5,571,933号に記載されている3−アミノ化合物であるエストラ−1,3,5(10)トリエン−17−オンの誘導体;米国特許第US6,288,050号に記載されている抗エストロゲンステロイドスルファターゼ阻害が含まれるが、これらに制限されるわけではない。本発明で考慮されているその他の抗エストロゲン剤は、トレミフェン、ドロロキシフェン、TAT−59、イドキシフェン、EM139、クロミフェン、MER−25、DES、ナフォキシデン、CP−336,156、GW5638、LY139481、LY353581、ズクロミフェン、エンクロミフェン、エタモキシトリフェトール、デルマジノンアセテート、ビスホスホネートなどである。
例えば、ラロキシフェンを用いた乳癌治療は、米国特許第US4,418,068号で記載されている。ドロロキシフェン(3−ヒドロキシタモキシフェン)は、米国特許US5,047,431で乳癌治療において有効であるものとして報告されている。
エストロゲン活性が欠如した幾つかのステロイド系抗エストロゲン剤が合成されてきた。この中に含まれているのはICI164,384、ICI182,780及びRU58668である。例えばICI164,384に関するWakeling et al., J Steroid Biochem.31:645−653(1988);ICI182,780に関する、Wakeling et al.,Cancer Res. 51:3867−3873(1991)、及びWakeling et al.,J.Steroid Biochem, Molec.Biol.37:771−774(1990)、そしてRU58668に関するVan de Velde et al., Ann. N.Y. Acad, Sci.761:164−175(1995),Van de Velde et al., Pathol, Biol42:30(1994)、及びNique et al., Drugs Future 20:362−366(1995)を参照のこと。
米国特許第US6,281,205号で提供されている抗エストロゲン剤も、本発明でも考慮される。本発明において有用な抗エストロゲン剤には、例えば限定されることなくラロキシフェン、ドロロキシフェン、トレミフェン、4′−ヨードタモキシフェンおよびイドキシフェンを包含する米国特許第US6,300,367号に記載されているエストロゲンレセプターモジュレータも含まれ、ゲニステイン、ダイドゼイン、ビオカニンA、ホルモノネチン及びその天然のグルコシド及びグルコシド結合体の中から選択された少なくとも1つのイソフラボンと同時投与される。さらに、既知のアロマターゼ阻害物質が、抗エストロゲン剤として考慮される。かかるアロマターゼ阻害物質の例としては、MPV−2213adというコードでも知られている1−〔1−(4−シアノフェニル)−3−(4−フルオロフェニル)−2−ヒドロキシプロピル〕−1,2,4−トリアゾール、ジアステレオ異性体a+dといったような国際特許出願公報WO94/13645中の構造式(I)が含まれる。その他の適切なアロマターゼ阻害物質としては、アミノグルテチミド、アナストロゾール、CGS16949A、4−ヒドロキシアンドロステンジオン(4−OHA)、ファドロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ログレチミド、アタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、YM−511(4−[N−(4−ブロモベンジル)−N−(4−シアノフェニル)アミノ]−4H−1,2,4−トリアゾール)、ZD−1033(アリメデックス)及びNKS−01(14−アルファ−ヒドロキシアンドロスト−4−エン−3,6,17−トリオン)及びそれらの立体異性体が含まれるが、これらに制限されるわけではない。
本発明は同様に、包装材料及び、その中に収納された個体のエストロゲン依存性乳癌を治療又は予防するために治療上有効である薬剤を含む製品にも関する。該包装材料には、エストロゲン依存性乳癌を治療及び/又は予防するために該薬剤を使用できることを指示するラベルが含まれてよい。該薬剤には、有効量のIFN−γ又は有効量のTNFアンタゴニスト又は有効量のIL−1アンタゴニストが含まれる。1実施形態においては、該薬剤は、有効量のIFN−γ及びTNFアンタゴニストの組合せを含む。さらにもう1つの実施形態においては、該薬剤は、有効量のIFN−γ及びTNFアンタゴニスト及びIL−1アンタゴニストの組合せを含む。
別の実施形態においては、本発明は、IFN−γ及び/又はTNFアンタゴニスト及び/又はIL−1アンタゴニストを含む第1のエストロゲン依存性癌治療又は予防剤、及び第2の治療剤を含んでなる組成物及びキットに関する。第2の治療剤は、IFN−γ、TNFアンタゴニスト、IL−1アンタゴニストではない。これらの組成物は、個体におけるエストロゲン依存性乳癌を治療又は予防するのに有効である。タモキシフェンなどの抗エストロゲン剤を包含する様々なクラスの治療剤が組成物に使用可能である。1実施形態において、第1のエストロゲン依存性癌治療又は予防用の薬剤は、有効量のIFN−γ及びTNFアンタゴニストの組合せを含む。他の実施形態において、第1のエストロゲン依存性癌治療又は予防用の薬剤は、有効量のIFN−γ及びTNFアンタゴニスト及びIL−1アンタゴニストの組合せを含む。
本発明についてここで、いかなる形であれ制限的な意味をもたず以下の図面を参考にした例を用いて説明する。
例1
ヒト皮下培養脂肪細胞及び前駆脂肪細胞カタログ番号SP−1012、SP−1024、SP−1096、SP−75又はSP−25をZen-Bio, Inc(Research Triangle Park, NC)から購入し、該メーカーの説明書に従ってこれを培養した。
前駆脂肪細胞の培地に、図1に示されているように増大する濃度のTNF−α又はTNF−βのいずれか及び0.1μg/mlのIFN−γを補給した。メーカーの説明書に従ってActiveTMエストラジオールEIAキット(カタログ番号DSL−10−4300、Diagnostic Systems Laboratories, Inc., Webster, TX)を用いてエストラジオール濃度を測定した。図1の楕円形により示されるように、TNF−α及びTNF−βは両方ともエストラジオール量を著しく増大させた。しかしながら、細胞にIFN−γが与えられたときは、三角形により示されるように、インターフェロンガンマ(IFN−γ)が、ヒトの脂肪細胞における腫瘍壊死因子ベータ(TNF−β)及び腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)により誘発されるエストラジオール産生を阻害する。
例2
脂肪細胞を、IL−1−β、IFN−γ、TNF−α、並びにIL−1−βとIFN−γの組合せ及びTNF−αとIFN−γの組合せで処理した。その結果、培養された脂肪細胞由来の全RNAが、従来の方法を用いて単離された。アロマターゼ特異的プライマを用いて、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施した。RT−PCRによって産生された増幅したアロマターゼcDNAフラグメントをアガロースゲル上で分離した。図2に示されているように、IL−1β及びTNF−αは単独では、未処理の対照に比べアロマターゼmRNAの転写を誘発した。しかしながら、IFN−γの投与がIL−1β又はTNF−αと合わせて行われる場合には、アロマターゼmRNAの転写を阻害する。下の図は、構成的に発現されるハウスホールド遺伝子であるグリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の転写を示している。対照レーンは、脂肪細胞内のアロマターゼmRNA発現の基本レベルを示している。脂肪細胞によるエストラジオール産生は、アロマターゼmRNAレベルを示すゲル写真の下にピコグラム/ml(pg/ml)として示されている。
例3
単離されたヒト脂肪細胞を同様に、異なるインターフェロンファミリー構成員すなわちIFN−α、−β及び−γで処理した。図3に示されているように、ヒト脂肪細胞中のアロマターゼmRNAの発現は、IFN−α及び−βの添加により著しく増大したが、一方、IFN−γは、内因性アロマターゼmRNA発現を阻害する。エストラジオールの産生は、(アロマターゼmRNAレベルを示すゲル写真の上に培地1mlあたりのエストラジオールpg数単位で示されているように)IFN−αによる誘発により約6倍増加し、IFN−βによる誘発により約16倍増大した。
例4
単離されたヒト脂肪細胞は、図4に正方形で示されているように、変動する濃度のTNF−α及びTNF−βの存在下で増殖した。米国特許第6,225,300号(TBP)に記載されているような可溶性TNFレセプターであるTNF−R1(TBP)及びTNF−αの両方の存在下で、又は並列のウェル内でTNF−β及びTBPの存在下で、脂肪細胞を成長させたときは、図4に三角形で示されているように、エストラジオールの産生は完全に遮断された。
前記の各例は、例示的なものとして評価されるべきものであり、本発明の範囲を制限するものとして意図されていない。
本明細書で引用された全ての刊行物及び特許出願は、あたかも各々個々の刊行物又は特許出願が特定的及び個別に参考として包含されるべく指示されているかのごとく、本明細書に参考として包含される。上述の発明は、明確に理解できることを目的として例示及び例を用いて詳細に記載されてきたが、当業者には、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく或る種の変更及び修飾をそれに加えることができるということが容易に明らかとなるだろう。
IFN−γがヒトの脂肪細胞内の腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)及び腫瘍壊死因子ベータ(TNF−β)により誘発されるエストラジオール産生を阻害することを示す。 インターロイキン−1β(IL−1β)又はTNFにより転写が誘発される場合のアロマターゼmRNAの転写をインターフェロンガンマ(IFN−γ)が阻害することを示す。下の図は、ハウスホールド遺伝子グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)の転写を示す。IL−1β又はTNF±INF−γにより調節されるエストラジオールレベルも同じくpg/ml単位で示されている。対照レーンは、脂肪細胞内のアロマターゼmRNA発現の基本レベルを示す。 ヒトの脂肪細胞内のアロマターゼmRNAの発現に対するインターフェロン(IFN)α、β及びγの効果の差を示す。エストラジオール産生は、IFN−γ誘発により約6倍、IFN−β誘発により約16倍誘発され、IFN−γにより完全に遮断される。 ヒト脂肪細胞内のTNF−レセプターの活性化が、エストラジオール産生をつかさどること、及び可溶性TNF結合タンパク質、TNF−R1(TBP)がTNF−α及びTNF−βにより誘発されるエストラジオール産生を完全に遮断することを示す。

Claims (29)

  1. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γを投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  2. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γを投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  3. 治療上有効なエストラジオール阻害量のTNFアンタゴニストを投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  4. 治療上有効なエストラジオール阻害量のTNFアンタゴニストを投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  5. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γとTNFアンタゴニストの組合せを投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  6. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γとTNFアンタゴニストの組合せを投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  7. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIL−1アンタゴニストを投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  8. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIL−1アンタゴニストを投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  9. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γを抗エストロゲン剤と組合せて投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  10. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γを抗エストロゲン剤と組合せて投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  11. 治療上有効なエストラジオール阻害量のTNFアンタゴニストを抗エストロゲン剤の同時、逐次又は個別投与と組合せて投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  12. 治療上有効なエストラジオール阻害量のTNFアンタゴニストを抗エストロゲン剤の同時、逐次又は個別投与と組合せて投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  13. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γ及びTNFアンタゴニストを抗エストロゲン剤の同時、逐次又は個別投与と組合せて投与することを含んでなる、個体のエストロゲン応答性乳癌の治療方法。
  14. 治療上有効なエストラジオール阻害量のIFN−γ及びTNFアンタゴニストを抗エストロゲン剤の同時、逐次又は個別投与と組合せて投与することを含んでなる、癌のリスクのある個体のエストロゲン応答性乳癌の予防方法。
  15. 抗エストロゲン剤がタモキシフェンである、請求項9、10、11、12、13又は14に記載の方法。
  16. エストロゲン応答性乳癌の治療又は予防のための医薬組成物の調製における医薬として許容される担体と合わせたIFN−γの使用。
  17. エストロゲン応答性乳癌の治療又は予防のための医薬組成物の調製における医薬として許容される担体と合わせたTNFアンタゴニストの使用。
  18. エストロゲン応答性乳癌の治療又は予防のための医薬組成物の調製における医薬として許容される担体と合わせたIL−1アンタゴニストの使用。
  19. エストロゲン応答性乳癌の治療又は予防のための医薬組成物の調製における医薬として許容される担体と合わせたIFN−γ及びTNFアンタゴニストの使用。
  20. 抗エストロゲン剤をさらに含んで成る請求項16、17、18又は19に記載の使用。
  21. 抗エストロゲン剤がタモキシフェンである、請求項20に記載の使用。
  22. i)個体のエストロゲン応答性乳癌を治療又は予防するため有効な用量で充分な期間、薬剤を投与できることを指示するラベルを含む包装材料;及び
    ii)医薬として許容される担体と合わせてIFN−γを含んで成る、前記包装材料内に含まれた薬剤、
    を含んで成る製品。
  23. i)個体のエストロゲン応答性乳癌を治療又は予防するため有効な用量で充分な期間、薬剤を投与できることを指示するラベルを含む包装材料;及び
    ii)医薬として許容される担体と合わせてTNFアンタゴニストを含んで成る、前記包装材料内に含まれた薬剤、
    を含んで成る製品。
  24. i)個体のエストロゲン応答性乳癌を治療又は予防するため有効な用量で充分な期間、薬剤を投与できることを指示するラベルを含む包装材料;及び
    ii)医薬として許容される担体と合わせてIFN−γ及びTNFアンタゴニストの組合せを含んで成る、前記包装材料内に含まれた薬剤、
    を含んで成る製品。
  25. TNFアンタゴニストが、腫瘍壊死結合タンパク質、可溶性TNFレセプタ分子又は抗TNF抗体から成る群より選択される、請求項3、4、5、6、9、10、11又は12に記載の方法。
  26. 治療上有効な量のIL−1アンタゴニストの投与をさらに含んで成る、請求項1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、13又は14に記載の方法。
  27. 治療上有効な量のIFN−γ及び/又はTNFアンタゴニストを投与する段階をさらに含んで成る、請求項7又は8に記載の方法。
  28. i)個体のエストロゲン応答性乳癌を治療又は予防するため有効な用量で充分な期間、前記調合薬を投与できることを指示するラベルを含む包装材料;及び
    ii)医薬として許容される担体と合わせてIL−1アンタゴニストを含んで成る、前記包装材料内に含まれた薬剤、
    を含んで成る製品。
  29. 前記薬剤がさらにIL−1アンタゴニストを含んで成る、請求項22、23又は24に記載の製品。
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