JP2005509537A - ベニヤ単板スライシング機械 - Google Patents
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Abstract
公知のベニヤ単板スライシング機械では、ナイフは常に、原木を緊締可能なテーブル平面に対して切刃が平行であるように配置されている。従って、最適な断面延いては最良のベニヤ単板品質を得るために、例えば若干の木種においては円錐形の木材バーの形状又は木目の延在に適合させることは不可能であるか、又は大きな手間をかけなければ可能ではない。本発明によるベニヤ単板スライシング機械は、木材バーの形状に適合させること、又は断面に影響を及ぼすために適合させることを容易に可能にしようとするものである。このことは、工具キャリッジ(1)が角度(α)でテーブル(17)の平面に対して斜めに当付け可能であることによって達成される。このためには、支持構造(6)と、レール(3)に沿って往復運動可能に支承されたガイド部材(5)との間に、少なくとも1つの枢着式の結合部が配置されている。
Description
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式のベニヤ単板スライシング機械に関する。
例えばヨーロッパ特許第0127175号明細書に基づき公知の典型的なベニヤ単板スライシング機械では、テーブル平面内にスライスしようとする原木が緊締されたテーブルが、垂直方向の平面内で昇降運動される。この場合、テーブルは滑り軌道及びガイド条片によって案内されている。原木からは、例えば下降運動中に、切刃がテーブル平面に対して平行に向けられた上向きのナイフによってベニヤ単板がスライスされる。ナイフは、プレッシャバーと一緒に工具キャリッジに組み込まれており、この工具キャリッジは一般にスライス中は定置である。テーブルの各運動周期内で、工具キャリッジはベニヤ単板の厚みに対応した送り運動を原木の方向で行う。ナイフの切刃延いては工具キャリッジのテーブルに面した側も、テーブル平面に対して平行である。
ドイツ連邦共和国特許第2548164号明細書には、垂直方向で又はほぼ垂直方向でガイドされるテーブルを備えた別の典型的なベニヤ単板スライシング機械が記載されており、この場合、前記テーブルは運転中、緊締された原木と一緒に昇降運動される。ナイフバー、プレッシャバー並びにベニヤ単板デリバリ用の搬送ベルトを備えた工具キャリッジは、テーブルに対して直角に当付け可能である。ナイフバーの切刃は下向きであり且つテーブル平面に対して平行である。スライシングはテーブルの上昇運動中に行われる。
テーブル及びナイフの別の装置を備えたベニヤ単板スライシング機械も公知であるが、これらのベニヤ単板スライシング機械は実地においては最早重要でない。
公知のベニヤ単板スライシング機械では、当付け角度、つまりナイフの切刃と、原木を緊締可能なテーブルの平面との間の角度が変更不能に0°で規定されている。つまり、テーブル平面と切刃とは平行である。従って、例えば円錐形の原木に対する、又は断面改良のための当付け角度の適合を行うことは制限されており、大きな作業手間を伴わなければ可能でない。このことは、ベニヤ単板の品質を低下させる。
本発明の課題は、スライス平面と原木の緊締平面との間の角度の適合を行い、これにより、ベニヤ単板の品質を著しく改善することを大きな手間無しで可能にするベニヤ単板スライシング機械を提供することである。
この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成手段によって解決されている。
原木を緊締可能なテーブルの平面と、ナイフの切刃との間の角度αを調節するための手段は、最早テーブルに対して平行に位置してはいない平面内でスライスする必要を生ぜしめる。前記角度はむしろ、有効範囲内で自由に調節可能である。これにより、スライスは容易に様々な状態に適合され得るので、ベニヤ単板品質に関して常に最適なスライス平面を選択することができる。
これにより、例えば最近ベニヤ単板製作のための利用が増大しつつある円錐形の樹幹を有する木種、又は幹を鋸断する前の予想とは異なって木目が延びている原木が、断面延いてはベニヤ単板品質に関して常に最適に加工されるようになる。このことは、特別な時間的又は作業技術的な手間無しで可能である。
請求項2以下は、本発明の有利な構成に関するものである。
−10°〜+10°の角度αの大きさは、最早ベニヤ単板にスライスされ得ない原木の残りが許容し得る大きさで残るようにする。
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
図1から判るように、スライシング機械は主として工具キャリッジ1とテーブル装置2とから成っている。
テーブル装置2は、主として機械フレーム15、該機械フレーム15と不動に結合された複数の滑りガイド16、テーブル17及びモータ18を備えた駆動装置から成っている。テーブル装置2はベッド上で不動に固定されており且つ工具キャリッジ1に対して、出発位置においてナイフ8の切刃と、原木19を緊締可能なテーブル平面とが平行であるように配置されている。滑りガイド16は、それぞれ機械フレーム15と不動に結合されている。これらの滑りガイド16は、それぞれ垂線と相俟って鋭角を形成しており且つ機械フレーム15とは反対の側の面は、それぞれ1平面内に位置している。テーブル17は、複数の個別部材から構成された滑り条片20によって滑りガイド16に固定されており、しかも、テーブル17は駆動装置によって垂直方向平面内で滑りガイド16に沿って昇降運動可能である。原木19は、一般に液圧式で操作される爪(図示せず)によってテーブル17に緊締可能である。
テーブル17は、滑りガイド16に沿って滑り条片20を介して可動にガイドされている。これらの滑り条片20は、テーブル17に不動に且つ解離可能に結合されている。滑り条片20と滑りガイド16との間には、それぞれ摩耗部材が配置されている。これらの摩耗部材は、滑り条片20と滑りガイド16との間の遊びが調整可能であるように、解離可能に滑り条片20に固定されている。この場合、前記遊びはスライス精度を最適にするために、できるだけ小さく調整されている。
工具キャリッジ1は、ほぼ水平方向で平行に配置された、ベッドに固定された2本のレールに沿って、2つの液圧シリンダ21により矢印4で示したように往復運動可能である。各レールはガイドレール3aと支持構造3bとから成っている。液圧シリンダ21は、それぞれ一方の端部を支持部22を介して支持構造6に固定されており且つ他方の端部をレール3に固定されている。工具キャリッジ1は支持構造6に固定されたガイド部材5によって、原木19をベニヤ単板にスライスする間は、事実上、レール3に沿った運動しか可能でないように、最小の遊びを以て且つ相対回動不能にレール3に沿って案内されている。レール3及びガイド部材5は、ガイドシステムを形成している。
支持構造6の上にはナイフ8を備えたナイフ支持体7が、高さ調節可能且つ矢印9の方向で摺動可能に、且つナイフ8の下向きのほぼ水平な切刃を中心として回動可能に支承されているように固定されている。この場合、ナイフ8はテーブル装置2に対向位置するナイフ支持体7の側方に配置されている。以下で説明するプレッシャバー12に対するナイフ支持体7の位置調整のために必要な、矢印9,13,14に対応した支持構造6に対するナイフ支持体7の摺動性は、様々な液圧シリンダを介して保証されている。図面を見やすくするために、これらの液圧シリンダの内の2つだけを符号10,11を付して示してある。
ナイフ8の下位で該ナイフ8に対して平行に、支持構造6にプレッシャバー12が固定されている。このプレッシャバー12とナイフ8とは運転中、両者の間に短い間隔が保持されているように調整されている。
更に、支持構造6にはスライスされたベニヤ単板をデリバリするための装置(図示せず)が配置されている。
ここまでは、当該スライシング機械は従来技術に対応している。
図2から判るように、工具キャリッジ1は、ここでははっきりとさせるために実地で用いられるよりも拡大して図示した角度αだけ、テーブル装置2に対して、つまりテーブル17の垂直方向平面に対して斜めに当て付け可能である。この場合、工具キャリッジ1は、垂直方向のテーブル平面と、(ほぼ水平方向の)ナイフ8の切刃との間の水平面内で鋭角αが形成されているように、垂直方向軸線を中心として回動可能である。
次に、角度αの調節手段を図3〜図5に基づき説明する。
支持構造6の長辺側の各端部6a,6bにおいて、支持構造6と、レール3に対応配置されたガイド部材5との間には、それぞれ枢着式の結合部が配置されている。
テーブル装置2から見て右側の支持構造6の端部6aの下方には、形状の安定した方形の薄板24が相対回動不能且つ不動に、例えば溶接によって固定されている。薄板24の主面は、支持構造6の対応する側壁の主面に対して直角であり且つ組込み状態では水平である。薄板24の長手方向軸線は、ナイフ8の切刃がテーブル17に対して平行である場合、つまりα=0°の場合、鉛直方向で見て対応するレール3の長手方向軸線と重なっている。薄板24の主面の中心には、該主面に対して垂直方向で貫通する円形の切欠きが設けられており、この切欠き内には、円形横断面を有するピン27が回転可能に最小遊びを以て、該ピン27の長手方向軸線が前記切欠きの長手方向軸線と一致し且つピン27の上部が薄板24の面と合致し、下部は薄板24から突出するように配置されている。ピン27は適当な方法で、切欠きから不本意に脱落しないように位置固定されている。薄板24の主面には、垂直方向で見て長辺付近に4つの貫通孔28が4組ずつ穿孔されている。
薄板24の下位には、上側の薄板24を支承している第2の薄板25が配置されている。この第2の薄板25は、上側の薄板24と同じ主要寸法を有しており且つ同様に、主としてピン27の突入する切欠きと孔28とを備えて構成されている。薄板24,25は、それぞれ一方の主面で接触し合っており且つα=0°に関しては、互いに同一平面上で整合している。
薄板24,25の組になった2つの孔28を通って、液圧式で負荷可能な緊締部材23のピストンがひとつずつ案内されている。この場合、孔28の直径の大きさは、緊締部材23のピストンに対して、それぞれ例えば15mmの十分な遊びが存在するように選択されている。
各緊締部材23は、例えば別の薄板を介して間接的に、又は直接に下側の薄板25に固定されている。各ピストンの、緊締部材23の作業シリンダに対向位置して薄板24の上面を越えて突出する自由端部にはねじ山が設けられており、このねじ山の外径はピストンの外径よりも小さい。ねじ山にはそれぞれ形状の安定したリングディスク29が装備されており、このリングディスク29は少なくとも1つのナット30によって、ピストンの自由端部に解離可能に固定されている。リングディスク29は、上側の薄板24に設けられた孔28の直径よりも大きな外径を有しているので、各リングディスク29はその下側の主面の外側部分を以て、それぞれ上側の薄板24に載着している。リングディスク29の開口を通って、それぞれピストンのねじ山が小さな遊びを備えて案内されている。
緊締部材23を用いて、緊締状態では事実上不動の結合が得られる一方、解離状態では薄板24,25の相互摺動及び/又は回動が可能であるように、薄板24,25を互いに圧着することができる。
支持構造6の左側の端部6bにおける枢着式の結合部は、上側の薄板24に設けられた切欠きとピン装置26とが異なって構成されていることを除いて、右側の端部6aと同様に構成されている。切欠きは、長手方向軸線が薄板24の長手方向軸線に対して直角に延びている長孔として形成されている。当該切欠き内にはディスク27aが配置されており、この場合、長辺に対する遊びは最小であり且つ幅側に対する遊びは数mmである。ディスク27aの中心開口にはピン27bが回転可能に支承されている。
テーブル平面とナイフ8の切刃との間の角度αの調節を除いては従来技術から公知のように進行する運転において、工具キャリッジ1は最初にテーブル装置2に対して可能な最大間隔をあけて、いわゆる休止位置に戻されている。原木19は爪によってテーブル17に緊締され、工具キャリッジ1は所要の傾斜位置に移動される。
このためには全ての緊締部材23が解離される。つまり、緊締部材23は最大長さに繰り出される。液圧シリンダ21の内の1つは角度α=0°に関して、例えば±100mmの予め選択された区間だけ進入又は進出される。これにより、支持構造6の片側が対応するレール3に沿って摺動し、この場合、支持構造6とレール3のガイドとの間のピン26b、27を中心とした回動が行われ、これにより、テーブル17の緊締平面に対する工具キャリッジ1の所望の傾斜位置が得られる。この場合、ピン装置26はピン26b,27間の結合線上で角度αの変化に基づき必要とされる長さ補償を可能にする。各角度αには、それぞれ液圧シリンダ21が進入又は進出しなければならない特定の区間が対応しており、該区間は工具キャリッジ1のジオメトリから得られる。工具キャリッジ1が所要の角度αに移動すると直ちに、全ての緊締部材23が液圧式で進入させられて、更に圧力負荷されるので、薄板24,25は互いに不動に圧着される。これにより、角度αの傾斜位置は事実上不動に位置固定され、支持構造6はガイド部材5に対して不動に保持されるので、工具キャリッジ1の精密なガイド延いては正確なスライシングガイドが得られる。
角度αに関する調節過程は、変更が必要な場合にのみ実施される。
回動運動の他に長手方向運動も可能にするピン装置26から著しく離れた液圧シリンダ21が傾斜位置を得るためだけに移動されると有利である。
今、工具キャリッジ1は2つの液圧シリンダ21の均等な進入に基づき、極めて小さな水平方向のギャップが原木19とナイフ8の切刃との間に残るように作業位置に進められる。テーブル17用の駆動装置が接続され、これによりテーブル17は昇降運動する。目標行程数に達した場合及びテーブル17が上昇運動する前に、工具キャリッジ1は両液圧シリンダ21によって、上昇運動中に原木19からベニヤ単板が調節可能な目標厚さでスライスされる程度に、原木19に向かって進められる。
テーブル17が上側の反転領域に到達すると、直ちに工具キャリッジ1は両液圧シリンダ21によって所定の短い区間を戻されるので、原木19が下降運動中にナイフ8に接触することはない。テーブル17の下側の反転領域内で工具キャリッジ1は再び所定の区間を進み、この場合、この区間は上で述べた戻り区間を含めてベニヤ単板の目標厚さに対応している。この過程は、最小限必要とされる原木19の残りがかろうじて残っている程度に多数のベニヤ単板が原木19からスライスされるまで、何度か繰り返される。
原木19の残りを取り外すためには、工具キャリッジ1が休止位置へ戻される。新たな原木19が緊締され、前記過程が最初から開始される。
運転全体にわたって角度αの調節を除いては、液圧シリンダ21はそれぞれ均等に負荷されるので、工具キャリッジ1はレール3上で正確に平行に移動される。
1 工具キャリッジ、 2 テーブル装置、 3 レール、 5 ガイド部材、 6 支持構造、 6a,6b 長辺側の端部、 7 ナイフ支持体、 8 ナイフ、 10,11 液圧シリンダ、 12 プレッシャバー、 15 機械フレーム、 16 滑りガイド、 17 テーブル、 18 モータ、 19 原木、 20 滑り条片、 21 液圧シリンダ、 22 支持部、 23 緊締部材、 24,25 薄板、 26 ピン装置、 27,27b ピン、 28 孔、 29 リングディスク、 30 ナット
Claims (6)
- ベニヤ単板スライシング機械であって、原木を緊締するための往復運動可能なテーブルが設けられており、該テーブルが滑りガイド内を滑り条片によってガイドされており、ナイフとプレッシャバーとを装備した工具キャリッジが設けられており、該工具キャリッジが、テーブルの運動平面に対して直角な線に沿って、液圧シリンダを用いたガイドシステムで前記運動平面に対して相対的に往復運動可能である形式のものにおいて、
原木(19)を緊締可能なテーブル(17)の平面と、ナイフ(8)の切刃との間の角度(α)を調節するための手段が配置されていることを特徴とする、ベニヤ単板スライシング機械。 - 前記角度(α)が−10°〜+10°の範囲内で調節可能である、請求項1記載のベニヤ単板スライシング機械。
- 少なくとも1つの枢着式の結合部が、工具キャリッジ(1)のガイドシステムと支持構造(6)との間に配置されている、請求項1又は2記載のベニヤ単板スライシング機械。
- ガイドシステムのガイド部材(5)が固定された下側の薄板(25)の主面に、支持構造(6)と固着された上側の薄板(24)が、これらの薄板(24,25)が両薄板(24,25)間の1平面内で回動可能であるように支承されており、この場合、前記薄板(24,25)の主面がほぼ水平である、請求項3記載のベニヤ単板スライシング機械。
- 角度(α)の調節が複数の液圧シリンダの内の1つ(21)によって行われる、請求項1から4までのいずれか1項記載のベニヤ単板スライシング機械。
- 上側の薄板(24)が所属の下側の薄板(25)に圧着可能であるように、多数の緊締部材(23)が薄板(24,25)に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のベニヤ単板スライシング機械。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060502 |