JP2005508992A - 凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、乾燥形態で高められた安定性および高いガラス転移温度を表す凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物を含んでなる改良された固体の製薬学的組成物に関する。本発明により、二糖およびヒドロキシエチルデンプンの組合せ剤より構成される安定化する賦形剤との混合状態の治療上有効なモノクローナル抗体もしくはそのフラグメントを含んでなる凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物が提供される。好ましくは、該モノクローナル抗体はアブシキシマブである。

Description

本出願は2001年11月9日出願の米国仮出願第60/342,063号明細書の優先権を主張する。
本発明は製薬学的組成物の分野ならびに凍結乾燥されたモノクローナル抗体および抗体フラグメント組成物の製造に関する。より具体的には、本発明はアブシキシマブ(abciximab)およびインフリキシマブ(infliximab)の凍結乾燥された組成物に関する。アブシキシマブはヒトにおける血小板凝集を阻害するキメラヒト−マウスモノクローナル抗体7E3のFabフラグメントである。インフリキシマブは腫瘍壊死因子に対するキメラヒト−マウスモノクローナル抗体である。該組成物は高いガラス転移温度および改良された安定性を表す。
タンパク質治療薬の開発において不可欠な一特徴は、患者への投与前の出荷および貯蔵の間に安定である製剤を設計することである。大部分の場合、水性製剤は製造者にとって取り扱うのが最も容易かつ最も経済的であり、また、患者に投与するのが最も容易である。従って大部分の製剤は液体状態で製造かつ保存される。しかしながら、多くのタンパク質組成物は水性液体状態で化学的分解(脱アミド化もしくは酸化による)ならびに/または物理的劣化(凝集および沈殿)の影響を受けるため、冷蔵および攪拌の最小化のような貯蔵条件の正確な制御が安定性を保持するために必要である。こうした条件はしばしば製品の商業的応用に対する欠点とみなされる。
水性溶液中で比較的不安定である生成物を凍結乾燥することは安定化される生成物をもたらす可能性があり、そして従って水性溶液よりも長い貯蔵寿命を有することが当該技術分野で既知である。(非特許文献1を参照されたい)。乾燥された固体中では分解反応は回避されるかもしくは十分に遅らされる可能性があり、その結果タンパク質治療薬は周囲温度で数ヶ月もしくは数年の間安定のまま留まる。従って、凍結乾燥として既知の技術が、水性溶液中で乏しい安定性を表す注入可能な医薬にしばしば使用される。この工程は凍結乾燥すること(freeze−drying)を必要とし、それにより氷が凍結された溶液から昇華して元の液体の固体の乾燥された成分のみを残す。該工程は、水性溶液を液体状態で加工しかつ投薬容器に充填し、低温で乾燥してそれにより有害な熱的影響を排除し、そしてそれがより安定でありうる乾燥された状態で保存し得るために多数の利点を有する。加えて、凍結乾燥された生成物は通常迅速に溶解可能であり、そして患者への投与前に容易に再構成される。
しかしながら、所望の特徴を有する凍結乾燥された生成物を達成するために、凍結乾燥工程での使用のための条件および賦形剤を選ぶのに適切な注意が払われなければならない。適切な安定化する賦形剤なしでは、大部分のタンパク質製剤は、凍結乾燥の間に遭遇される凍結および脱水の圧力により少なくとも部分的に変性される。加えて、乾燥された固体での長期貯蔵の間の安定性を保証する賦形剤を選ぶべきである。乾燥された固体中でのタンパク質の長期安定性を保証するには、タンパク質を含有する生成物中の無定形相のガラス転移温度(Tg’)が計画された貯蔵温度を越えなければならない。水は無定形相の可塑剤であるため、Tg’が発送および貯蔵の間に遭遇される最高温度より大きいことを保証するために低い残余水分が必要とされる。凍結乾燥前の液体状態のTg’は凍結乾燥における決定的に重要な因子であり、そして液体状態の賦形剤および容器の構成により決定される。ライオジェクト(Lyo−Ject)シリンジのような2室シリンジ(dualchamber syringe)が使用されるべきである場合には、高いTg’をもつ組成物はシリンジ設計の独自性と適合性であることが必要である。
モノクローナル抗体は、選ばれたB細胞系を不死骨髄腫細胞系と融合してハイブリドーマ(該選択されたB細胞クローンの選択された抗体型のみを分泌する不死細胞)を生じさせることにより製造されるタンパク質分子である。構造的には、各抗体は2本の同一の「H」鎖および2本の同一のL鎖の相互作用により形成され、その全部が組み合わさってY字形を形成する(H鎖はY全体に、そしてL鎖は2本の腕のみにわたる。本発明の抗体は、限定されるものでないがHもしくはL鎖の最低1個の相補性決定領域(CDR)またはそのリガンド結合部分、H鎖もしくはL鎖可変領域、H鎖もしくはL鎖定常領域、枠組み領域あるいは本発明の抗体に組込み可能なそれらのいずれかの部分を挙げることができる免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含んでなる分子を含有するいかなるタンパク質もしくはペプチドも包含する。本発明の抗体は限定されるものでないがヒト、マウス、ウサギ、ラット、げっ歯類、霊長類もしくはそれらのいずれかの組合せなどを挙げることができるいかなる哺乳動物も包含もしくはそれらに由来し得る。本発明で使用されるところの抗体フラグメントは、Y字形抗体分子の「ヒンジ」領域で切断して2個のFabフラグメントを生じさせるプロテアーゼパパインでの抗体の切断により生成されるCDR抗原結合部位を含有するFabとして知られる免疫グロブリン分子のフラグメントを包含する。モノクローナル抗体はタンパク質分子であるため、それらは一般に注入のために水性溶液として処方される。であるから、それらは制限された貯蔵寿命を有し、そして上で論考されたところの制御された条件下で保存しなければならない。
モノクローナル抗体アブシキシマブ(レオプロ[REOPRO](R))はキメラヒト−マウスモノクローナル抗体7E3のFabフラグメントである。アブシキシマブはヒト血小板の糖タンパク質(GP)IIb/IIIa受容体に結合しそして血小板凝集を阻害する。アブシキシマブは血小板ならびに血管壁内皮および平滑筋細胞上で見出されるビトロネクチン(αβ)受容体にもまた結合する。それは心虚血性合併症の予防のための経皮的冠動脈介入に対する補助として指示される。アブシキシマブは静脈内の使用のために澄明無色の滅菌溶液として商業的に販売され、そして2ないし8℃の冷蔵条件下で保存されなければならない。アブシキシマブの詳細な記述は米国特許第5,770,198号明細書(結果として、引用することにより本出願明細書に組み込まれる)に開示されている。
モノクローナル抗体インフリキシマブ(レミケード[REMICADE](R))は149,100ダルトンのおよその分子量をもつキメラIgG1kモノクローナル抗体である。それはヒト定常およびマウス可変領域より構成される。インフリキシマブは1010−1の会合定数でヒト腫瘍壊死因子α(TNF(α))に特異的に結合する。インフリキシマブは連続灌流により培養される組換え細胞系により産生され、そしてウイルスを不活性化しかつ除去するための手段を包含する一連の段階により精製される。レミケード(REMICADE)は現在、静脈内注入のための滅菌の白色の凍結乾燥された粉末として供給されている。10mLの米国薬局方注射用滅菌水での再構成後に生じるpHはおよそ7.2である。各単一使用バイアルは100mgのインフリキシマブ、500mgのショ糖、0.5mgのポリソルベート80、2.2mgの第一リン酸ナトリウム一水和物および6.1mgの第二リン酸ナトリウム二水和物を含有する。保存剤は存在しない。インフリキシマブの詳細な記述は米国特許第5,656,272号明細書(結果として、引用することにより本出願明細書に組み込まれる)に開示される。
患者への投与前に、凍結乾燥された生成物は滅菌水で再構成されなければならない。これを行う一便宜的方法は、生成物をライオジェクト[Lyo−Ject](R)シリンジのような2室シリンジ中で交付することである。ライオジェクト(Lyo−Ject)はその場で凍結乾燥された薬物を伴う2室の予め充填されたシリンジである。凍結乾燥された薬物および希釈剤が同一シリンジ中の2室に含有されそして注入前に容易に再構成が可能である。しかしながら、該シリンジ設計の独自性により、発明者は高いガラス転移温度(Tg’)をもつ製剤を開発することが必要であることを見出した。述べられたとおり、Tg’は凍結乾燥において決定的に重要な因子であり、そして2室シリンジと適合性であるために−26℃より大きくあるべきである。
従って、本発明の目的は、水性溶液への凍結乾燥の適用による高められた安定性を伴うモノクローナル抗体組成物を提供することである。別の目的は、2室シリンジと適合性であるように高いTg’を表す凍結乾燥されたモノクローナル抗体生成物を提供することである。
"Remington’s Pharmaceutical Sciences"、第15版、マック パブリッシング カンパニー(Mack Publishing Co.)、フィラデルフィア州イーストン、pp 1483−1485
発明の要約
本発明は、乾燥形態で高められた安定性および高いガラス転移温度を表す凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物を含んでなる改良された固体の製薬学的組成物に関する。本発明により、二糖およびヒドロキシエチルデンプンの組合せ剤より構成される安定化する賦形剤との混合状態の治療上有効なモノクローナル抗体もしくはそのフラグメントを含んでなる凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物が提供される。
好ましくは、モノクローナル抗体はアブシキシマブである。
(a)容器にある抗体含量までモノクローナル抗体を充填する段階;
(b)容器中の液体溶液を約−40℃もしくはその下まで急速に凍結させること、および氷の完全な昇華まで適切な棚温度でチャンバー圧を低下させることにより、2%w/vもしくはそれ未満の残存水含量まで懸濁物を凍結乾燥する段階;ならびに
(c)凍結乾燥されたモノクローナル抗体の固体組成物を含有する容器を無菌的に封止する段階、
を含んでなる、該固体組成物の容易な一製造方法もまた本発明により提供される。
発明の詳細な説明
本発明の治療上有効な成分は上述されたところのモノクローナル抗体である。好ましくは、モノクローナル抗体は米国特許第5,770,198号および同第5,976,532号明細書(これにより本出願に引用することにより組み込まれる)に開示されるところのアブシキシマブである。
本発明での使用のためのモノクローナル抗体タンパク質は、当業者に公知であるいずれかの技術、例えば当該技術分野で公知のところの一細胞系、混合細胞系、不死化細胞もしくは不死化細胞のクローン集団からの精製により製造しうる。例えば、Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology、ジョン ワイリー アンド サンズ インク(John Wiley & Sons,Inc.)、ニューヨーク州ニューヨーク(1987−2001);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989);HarlowとLane、antibodies,a Laboratory Manual、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989);Colliganら編、Current Protocols in Immunology、ジョン ワイリー アンド サンズ インク(John Wiley & Sons,Inc.)、ニューヨーク(1994−2001);Colliganら、Current Protocols in Protein Science、ジョン ワイリー アンド サンズ(John Wiley & Sons)、ニューヨーク州ニューヨーク、(1997−2001)(それぞれそっくりそのまま引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。本発明で有用なモノクローナル抗体は上で論考されたアブシキシマブおよび抗TNFαキメラモノクローナル抗体(インフリキシマブ、レミケード[REMICADE](R))を包含する。
アブシキシマブモノクローナル抗体ポリペプチドの製造方法は米国特許第5,770,198号明細書(これにより本出願に引用することにより組み込まれる)に記述される。インフリキシマブモノクローナル抗体の製造方法は米国特許第5,656,272号明細書(これにより本出願に引用することにより組み込まれる)に記述される。
本発明により、凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物はおよそ5mg/mlのポリペプチドを含有する水性溶液から製造する。適切に大きさを決められたバイアル(好ましくは2〜10ml)を、バイアルあたり2ないし5mlの充填容量を伴い水性溶液で充填する。その後、バイアルを、凍結乾燥チャンバー中、好ましくは0.5°〜1℃/分の緩やかな速度でおよそ2時間、≦−40℃の温度までもしくは完全に凍結されるまで凍結させる。凍結乾燥チャンバーを冷却した後に圧を約100ミクロンHgもしくはそれ未満に低下させる。棚温度をその後−20℃〜+20℃に上昇させ、そして氷の昇華が実質的に完全になるまで保持する。棚温度をその後、好ましくは0.5℃/分の速度で30℃に緩やかに上昇させ、そして約2時間もしくはそれ以上保持する。その後、チャンバー圧を大気圧に上昇させそしてバイアルを無菌的に封止する。
本発明の方法により製造された凍結乾燥された乾燥組成物は高められた安定性を表し、そして生成物の仕様に依存して6ヶ月もしくはそれ以上室温で保存が可能である。封止されたバイアルは適切な容量の注射用滅菌水での再構成後の単一用量製剤としての使用に意図される。充填されたバイアルはその場での水での再構成に際して固体組成物の迅速な分散を可能にして投与のための所望のモノクローナル抗体濃度の適切な無菌溶液を生じることができることを意図している。凍結乾燥された生成物は一般に白色粉末であり、これはバイアルをかき混ぜることによる約1〜5分の再構成を受ける。
利用されるバイアルは栓および上封止(overseal)によって密封するように封止されることにより無菌環境を維持することが可能であるべきである。バイアルは凍結乾燥された組成物の再構成に際して保持されるべき溶液の容量を考慮した適切な大きさのものであるべきであり;そして適切な素材、一般にはタイプIのガラスから作成すべきである。使用される栓手段、好ましくは滅菌ゴム栓(closure)もしくは同等物は、適切な封止を提供するべきであるが、しかし、再構成のために希釈剤を導入するという目的上の進入を可能にすべきである。
本発明の凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物は乾燥形態で高められた安定性および高いガラス転移温度を表し、そして二糖およびヒドロキシエチルデンプンの組合せ剤より構成される安定化する賦形剤の存在下でモノクローナル抗体を凍結乾燥することにより得られる。
本発明で使用されるヒドロキシエチルデンプン(HES)は天然のデンプンから部分的加水分解およびヒドロキシエチル基によるヒドロキシ基の置換後に得られる(E.Nitsch、Chemie der Hydroxyethystarke(HES)、Beitr.Anaesth.Intesivmed.、26(1988)15−26を参照されたい。本手順はHESを水中で可溶性にしてそれが多様な薬理学的用途に使用されることを可能にする。HESは生物学的物質の凍結乾燥における既知の安定剤であり、そしてモル置換度に依存して多様な商業的に入手可能な形態で提供される。好ましくは、HESは10,00〜200,000、好ましくは20,000〜60,000の平均分子量を有する。
二糖はショ糖、トレハロース、麦芽糖および乳糖のような既知の二糖から選択され、ショ糖のような非還元二糖が好ましい。
本発明により、HESおよび二糖の組合せ剤を凍結乾燥工程で使用する。二糖およびHESの比を調節することにより、所望のTg’および安定化効果を、使用されるモノクローナル抗体製剤のために特別に作成し得る。HESおよび二糖の組合せ剤は−26℃より大きいTg’および十分な安定化効果を提供するのに適切な比で使用する。好ましくは、モノクローナル抗体がアブシキシマブである場合、HESに対するショ糖の比は6:4であるが、しかし10:1ないし4:6の範囲を使用し得る。二糖およびHESは、好ましくは水性モノクローナル抗体溶液1ミリリットルあたり1mgより小さくない、より好ましくは3mgないし65mgの量で前記溶液中に含有されるべきである。二糖およびHESの組合せ剤は十分な安定性を提供し、凝集を最小限にし、凍結乾燥周期時間を短縮し、そして目視可能な粒子の形成を最小限にする。本発明に従って処方されるモノクローナル抗体製剤は、室温で6ヶ月もしくはそれ以上の貯蔵に際して長期安定性を表す。
本発明の凍結乾燥されたモノクローナル抗体生成物は一般に以下のとおり製造する:
適切な濃度のモノクローナル抗体を含有する水性溶液に、1mg/mlより小さくない、好ましくは5ないし65mg/mlの濃度を生じるのに十分な量の二糖HESを添加する。上で挙げられた任意の賦形剤もまた添加してもよい。治療的抗体生成物はその後、上で挙げられた手順に従って凍結乾燥する。
他の成分を本発明の生成物の製剤に包含してよいことが企図されている。これらは溶液のpHに影響を及ぼす緩衝剤、湿潤剤もしくは乳化剤、抗菌剤、保存剤、界面活性剤、等張剤などを包含してよい。また、重炭酸ナトリウム、乳糖、麦芽糖、マンニトール、ソルビトールもしくはD−ブドウ糖のような容積補充剤を、凍結乾燥ケーキの特徴を改良するために包含してもよい。上の多くの変形は他の適するベヒクルと一緒に前述の詳細な記述に照らして当業者にそれら自身を示唆するであろう。全部のこうした明らかな変形は本発明の範囲内にあることが企図されている。
本発明の凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物は、好ましくは、溶液として再構成される場合に静脈内投与のために処方される。
以下の実施例は本発明の固体組成物の製造方法を詳細に記述する。多くの改変(方法および物質の双方)を本開示の目的および意図から離れることなく実施しうることが当業者に明らかであろう。前述の記述および下記の実施例から、当業者は最も完全な程度まで本発明を使用することが可能であると考えられる。
およそ2mg/mlの総抗体を含有するアブシキシマブモノクローナル抗体組成物は、米国特許第5,770,198号明細書のCollerら、米国特許番号に概説される手順に従って製造する。
5mg/mlの濃度のアブシキシマブを含有する水性溶液に、2mg/mlより小さくない、好ましくは5ないし65mg/mlの濃度を生じるのに十分な量のショ糖HESを添加し、そして結果として生じる溶液をその後滅菌濾過する。上で挙げられた至適の賦形剤もまた添加してもよい。治療的抗体生成物はその後以下の手順に従って凍結乾燥する:
2mlの薬物生成物を含有する5mlバイアルを充填し、そして凍結乾燥チャンバーに入れる。棚温度を0.5°〜1℃/分で−40℃に低下させ、そして−40℃より下で2時間保持する。チャンバー圧をその後100ミクロンHgに低下させ、棚を0.5℃/分で0℃まで傾斜させかつ48時間保持する。その後、棚温度を0.5℃/分でおよそ+30℃に上昇させかつ12時間保持する。その後、乾燥窒素でチャンバーを大気圧にし、そしてバイアルに栓をし、そしてチャンバーから取り出しかつ封止する。
治療での使用前に、バイアル内容物を5mlの注射用滅菌水、生理学的生理的食塩水もしくは注入可能なブドウ糖溶液で再構成してバイアル中で元の濃度の固形物を生じる。
ショ糖およびHESの多様な組合せ剤を使用して実施例1に従って製造された凍結乾燥されたアブシキシマブモノクローナル抗体組成物をガラス転移温度(Tg’)について試験し、そして結果を表1に示す:
Figure 2005508992
データの検討は、本発明の凍結乾燥された組成物が優れたTg’を表しそして従って2室シリンジ中での使用に適することを示す。該生成物は長期安定性もまた表す。

Claims (16)

  1. 二糖およびヒドロキシエチルデンプンの混合物の存在下で凍結乾燥されたモノクローナル抗体組成物。
  2. モノクローナル抗体がアブシキシマブおよびインフリキシマブから選択される、請求項1記載の組成物。
  3. モノクローナル抗体がアブシキシマブである、請求項1記載の組成物。
  4. 二糖がショ糖、麦芽糖および乳糖から選択される、請求項1記載の組成物。
  5. 二糖がショ糖である、請求項1記載の組成物。
  6. アブシキシマブが水性溶液として2mg/mlの濃度である、請求項3記載の組成物。
  7. HESが10,000〜200,000の平均分子量を有する、請求項1記載の組成物。
  8. HESが20,000〜60,000の平均分子量を有する、請求項1記載の組成物。
  9. −26℃より大きいガラス転移温度を有する、請求項1記載の組成物。
  10. 二糖/HESが10:1ないし4:6の重量比である、請求項1記載の組成物。
  11. 前記凍結乾燥された組成物が:
    (a)容器に所望の抗体含量までモノクローナル抗体を充填する段階;
    (b)容器中の懸濁物を約−40℃もしくはその下まで急速に凍結させること、および氷の完全な昇華まで適切な棚温度でチャンバー圧を低下させることにより、5%w/vもしくはそれ未満の残存水含量まで溶液を凍結乾燥する段階;ならびに
    (c)凍結乾燥されたモノクローナル抗体の固体組成物を含有する容器を無菌的に封止する段階、
    を含んでなる方法により製造される、二糖およびHESの混合物を含有する凍結乾燥されたモノクローナル抗体の固体組成物。
  12. 投与のために滅菌水で再構成される、請求項1記載の凍結乾燥物組成物を含んでなる製薬学的組成物。
  13. 投与のための所望のモノクローナル抗体組成物の意図された容量の溶液を与えるために水での再構成を可能にするのに十分な大きさの単一用量バイアル容器手段中の請求項1記載の凍結乾燥された組成物を含んでなる単一用量製剤。
  14. 凍結乾燥された組成物がおよそ5mg/mlの抗体を含んでなる、請求項4記載の単一用量製剤。
  15. 前記組成物が投与のための溶液を提供するように4mlの水で再構成される、請求項5記載の単一用量製剤。
  16. 二糖およびHESを水性モノクローナル抗体溶液に添加すること、生じる溶液を凍結させて凍結組成物を生じさせること、ならびに該凍結組成物を減圧下で乾燥して凍結乾燥された組成物を製造することを含んでなる、モノクローナル抗体組成物の製造方法。
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