JP2005508924A - 抗ウイルス剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を探索し、同定することであり、またRNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を利用して抗ウイルス剤を提供することである。
【解決手段】 本発明は、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を有効成分として含有する抗ウイルス剤を提供する。

Description

本発明は、新規な薬理作用を示す抗ウイルス剤に関する。より具体的には、本発明は、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化に対して阻害作用機構を発揮する抗ウイルス剤に関する。さらに、本発明はまた、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化の阻害を評価することによる抗ウイルス剤のスクリーニング方法にも関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)は急性または慢性B型肝炎の原因となるものである。全世界に3億人以上のHBV保有者がいると見積もられており、HBV感染症であるB型肝炎は世界10大死亡原因の一つに挙げられている重篤な疾患である(World Health Organization warns of growing “crisis of suffering”
http://www.who.int/whr/1997/presse.htm)。HBV感染症を治療するための認可された唯一の治療法はインターフェロンの投与であったが、最近、ヌクレオシドアナログの抗ウイルス剤であるラミブジンがHBV感染症を治療するために認可され、そして多くの抗ウイルス剤が現在臨床開発中である。HBVはヒトとチンパンジーにしか感染増殖しないことから、HBVと同じヘパドナウイルス科に属するウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)やアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)は、ヘパドナウイルス感染の重要なモデルとして認識され、抗ウイルス剤の探索を含めヘパドナウイルスの複製の研究に用いられている。ヘパドナウイルスは自身のコア蛋白とポリメラーゼ(POL)をコードするプレゲノムRNA(pgRNA)を、POLの持つRNA依存性DNAポリメラーゼ活性によるそれ自身のウイルスDNAの複製のための中間体として使用する(Cell, Summers and Mason, Vol.29, 403-415 (1982))。POLはpgRNA上の5’末端近くに位置するRNAの2次構造であるεモチーフを認識して結合し、更にコア蛋白と一緒にカプシドに包まれることによりウイルスコア粒子が形成される(The EMBO J., Bartenschlager and Schaller, Vol.11, No.9, 3413-3420 (1992))。一方、εモチーフに結合したPOLは自身がウイルス遺伝子複製の先頭、すなわちプライマーとして機能し、POLとウイルスDNAのマイナス鎖が共有結合することが示されている(Cell, Wang and Seeger, Vol.71, 663-670 (1992))。この実験系では、DHBV POLをウサギ網状赤血球ライセートによる試験管内翻訳系にて発現させ、溶液中のPOL−εRNA複合体にデオキシヌクレオチド3リン酸(dNTP)を加えてプライミング反応を行った後に、標識dNTPと共有結合したPOLを検出する。この実験系を用い、dNTPと競合する3リン酸化されたヌクレオシドアナログの抗ウイルス活性を推し量る試みが既存の抗ウイルス剤でなされており、それぞれのヌクレオチドとの競合反応が示されている(Journal of Virology, Staschke and Colacino, Vol.68, No.12, 8265-8269 (1994); Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Seifer et al., Vol.42, No.12, 3200-3208)。更に最近の研究ではPOLはそのpgRNA上のεモチーフとの結合により活性化される事が示唆されている(Journal of Virology, Tavis et al., Vol.72, No.5, 5789-5796 (1998);及びJournal of Virology, Xingtai Wang and Jianming Hu, Vol.76, No.12, 5857-5865 (2002))。
しかしながら、pgRNAのεモチーフとの結合により生じるPOLの活性化を阻害する化合物についてはこれまでの所、報告がない。
本発明の目的は、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を探索し、同定することである。本発明の別の目的は、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を利用した抗ウイルス剤を提供することである。本発明のさらに別の目的は、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤のスクリーニング方法を提供することである。
従来の実験系では、POL−εRNA複合体の形成後に被検薬剤を添加し、dNTPとの競合作用を分析していた。本発明者らは上記目的を解決するために鋭意検討した結果、従来の実験系に改良を加え、POLとεRNAを別個に供給し、複合体形成前に被検薬剤を添加することにより、従来の実験系では阻害活性を示すことのなかった化合物に阻害活性を見出すことに成功した。本発明者らはまた、ウイルスポリメラーゼの新規な阻害メカニズムを同定することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を有効成分として含有する抗ウイルス剤が提供される。
好ましくは、RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化は、ウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合によるウイルスポリメラーゼ活性化である。
好ましくは、RNAはεRNAである。
好ましくは、薬物投与の停止後も薬効は持続される。
好ましくは、ウイルスはヘパドナウイルス科に属するウイルスであり、特に好ましくは、ウイルスはB型肝炎ウイルスである。
さらに別の好ましい態様によれば、薬剤が、下記一般式(I):
Figure 2005508924
(式中、R1は水酸基又はC1−C6のアルコキシ基を表し;R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルオキシメチル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基を表し;R4は水素原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたC1〜C4のアルキル基を表し;XはCH又は窒素原子を表す。)で表されるホスホナートヌクレオチド化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物である、抗ウイルス剤が提供される。
好ましくは、R1は水酸基又はメトキシ基である。
好ましくは、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C22のアルキル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である。
好ましくは、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は2,2,2−トリフルオロエチル基である。
好ましくは、R4は水素原子又はメチル基である。
好ましくは、XはCHである。
特に好ましくは、R1は水酸基又はメトキシ基であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は2,2,2−トリフルオロエチル基であり、R4は水素原子であり、XはCHである。
特に好ましくは、薬剤は、2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル、2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン、2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン、又は2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステルである。
本発明の別の側面によれば、RNA結合によるウイルスポリメラーゼの活性化を評価する工程を含む、抗ウイルス剤のスクリーニング方法が提供される。
好ましくは、RNA結合によるウイルスポリメラーゼの活性化を評価する工程は、ウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合の程度を評価する工程である。
好ましくは、抗ウイルス剤のスクリーニング方法は、ウイルスポリメラーゼに被験薬剤を添加し、ウイルスRNAを添加し、そしてウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合の程度を評価する工程を含む。
好ましくは、抗ウイルス剤のスクリーニング方法は、ウイルスポリメラーゼに被験薬剤を添加し、ウイルスRNAを添加し、そして被験薬剤がウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合を阻害する場合に該被験薬剤が抗ウイルス剤であると判断する工程を含む。
好ましくは、RNAはεRNAである。
好ましくは、ウイルスはヘパドナウイルス科に属する。
好ましくは、ウイルスはB型肝炎ウイルスである。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明による抗ウイルス剤のスクリーニング方法により得られる抗ウイルス剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、本発明による抗ウイルス剤のスクリーニング方法を行って抗ウイルス物質を取得し、取得された抗ウイルス物質を化学合成により製造し、該抗ウイルス物質と薬学的に許容できる担体とを混合する工程によって得られる抗ウイルス剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、ヒトを含む哺乳動物に、ウイルスポリメラーゼがウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合により活性化される工程を阻害する薬学的に有効量の薬剤を投与することを含む、ウイルスを阻害する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、抗ウイルス剤の製造のための、ウイルスポリメラーゼがウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合により活性化される工程を阻害する薬剤の使用が提供される。
本発明の抗ウイルス剤は、ウイルスポリメラーゼがウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合により活性化される工程を阻害する薬剤を有効成分として含有することを特徴とするものであり、好ましくは、薬物投与の停止後も薬効が持続される。
薬剤の具体例としては、上記一般式(I)のホスホナートヌクレオチド化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物などが挙げられる。
上記一般式(I)において、R1で表されるC1−C6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)のホスホナートヌクレオチド化合物において、R2及びR3で表されるC1〜C22のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
2及びR3で表されるアシルオキシメチル基としては、アセチルオキシメチル基、フロピオニルオキシメチル基、ブチリルオキシメチル基、イソブチリルオキシメチル基、バレリルオキシメチル基、イソバレリルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基等が挙げられる。
2及びR3で表されるアシルチオエチル基としては、アセチルチオエチル基、プロピオニルチオエチル基、ブチリルチオエチル基、イソブチリルチオエチル基、バレリルチオエチル基、イソバレリルチオエチル基、ピバロイルチオエチル基等が挙げられる。
2及びR3で表される1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基において、ハロゲン原子の種類はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよい。1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基としては、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基等が挙げられる。特にエチル基の2位が置換されていることが好ましく、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。R2及びR3 の少なくとも一方は、1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基、特に2,2,2−トリフルオロエチル基であることが好ましい。
4で表されるC1〜C4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R4で表されるC1〜C4のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。R4で表される1以上のハロゲン原子で置換されたC1〜C4のアルキル基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等に結合したものが挙げられる。そのような基の具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、クロロエチル基、フルオロプロピル基、クロロプロピル基、フルオロブチル基、クロロブチル基等が挙げられる。
本発明の好ましい化合物の第一の条件は、R2及びR3がそれぞれ独立に水素原子、C1〜C22のアルキル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基であることである。本発明の好ましい化合物の第二の条件は、R2及びR3がそれぞれ独立に水素原子、C1〜C22のアルキル基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基であり、R4が水素原子またはメチル基であることである。
この条件を満たす具体的な好ましい化合物の例としては以下の化合物を挙げることができる:
2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリン;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリン;及び
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリン;
を挙げることができる。
本発明の好ましい化合物の第三の条件は、R2及びR3が2,2,2−トリフルオロエチル基であり、R4が水素原子又はメチル基であることである。この条件を満たす好ましい化合物の例としては、以下の化合物:
2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン;
2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;及び
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)プロピル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
を挙げることができる。
本発明の好ましい化合物の第四の条件は、R1が水酸基であり、R2及びR3がそれぞれ2,2,2−トリフルオロエチル基であり、R4が水素原子であることである。この条件を満たす好ましい化合物の例としては、以下の化合物:
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
2−アミノ−6−(3−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;及び、
2−アミノ−6−(2−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル;
を挙げることができる。
上記一般式(I)で表される本発明のホスホナートヌクレオチド化合物は塩として存在する場合があるが、上記化合物が形成する塩はいずれも本発明の抗ウイルス剤の有効成分として使用することができる。このような塩としては、例えば、医薬として許容され得る塩を挙げることができる。例えば、酸性基が存在する場合には、酸性基はリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、ジシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩などを形成することができる。また、アミノ基が存在する場合には、アミノ基は、塩酸塩、臭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸、メタリン酸塩等の鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、乳酸、ベシル酸、吉草酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラクトビオン酸、エチルコハク酸、セミコハク酸、酪酸、パルミチン酸、カルバミン酸、グルコン酸、ラウリル酸、サリチル酸、ラオクル酸、タンニン酸、ブチルスルホン酸塩等の有機酸塩を形成することができる。
上記一般式(I)で表されるホスホナートヌクレオチド化合物及びその塩は、水和物又は溶媒和物の形で存在することもある。上記一般式(I)で表されるホスホナートヌクレオチド化合物又はその塩が形成する任意の水和物又は溶媒和物は、いずれも本発明の薬剤において有効成分として使用できる。溶媒和物を形成し得る溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、ジイソプロピルエーテル等が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例を下記表1に示す(表中、Me−はメチル基、Et−はエチル基、i−Pr−はイソプロピル基、t−Bu−はtert−ブチル基を表す)。
Figure 2005508924
Figure 2005508924
Figure 2005508924
Figure 2005508924
一般式(I)の化合物の製造方法としては、一般式(I)の化合物のR2及びR3が共にC1〜C22のアルキル基又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である化合物の場合は、例えば下記反応ルート(1)又は(2)に従って合成することができる。下記スキーム中、R1、R4、及びXは既に定義したとおりであり、R5はC1〜C22のアルキル基又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基を表し、Wはハロゲン原子、パラトルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。
<反応ルート(1)>
Figure 2005508924
まず、上記一般式(II)の化合物を、上記一般式(III)の化合と10〜250℃、好ましくは130〜200℃の温度で、0.1〜100時間、好ましくは3〜24時間反応させる。上記反応により得られる上記一般式(IV)の化合物は、必要に応じて通常の分離精製手段、例えば蒸留、吸着、又は分配クロマトグラフィー等により分離精製することができる。上記一般式(IV)の化合物は上記のようにして分離精製してもよいが、そのまま精製することなく以下の反応で使用してもよい。上記一般式(IV)の化合物を、上記一般式(V)で表される化合物と、塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の存在下、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の適当な溶媒中、10〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で、0.1〜100時間、好ましくは1〜10時間反応させ、上記一般式(I’)の化合物を得る。
反応ルート(1)の原料である上記一般式(II)の化合物、上記一般式(III)の化合物、及び上記一般式(V)の化合物の原料は特に限定されない。例えば、試薬として市販されている化合物を使用してもよいし、それ自体既知の方法により適宜合成してもよい。例えば、上記一般式(V)の化合物は、後述の一般式(VI)の化合物と一般式(VIII)の化合物とを、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の適当な溶媒中で、50〜100℃の範囲で加熱することによって合成できる。
上記一般式(I’)の化合物は、下記の方法によっても製造できる。下記スキーム中、R1、R4、R5、X、及びWは既に定義したとおりである。
<反応ルート(2)>
Figure 2005508924
反応ルート(1)で得られた上記一般式(IV)の化合物を、上記一般式(VI)の化合物と塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の存在下、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の適当な溶媒中、10〜200℃、好ましくは50〜150℃の温度で、0.1〜100時間、好ましくは0.5〜10時間反応させ、上記一般式(VII)の化合物を得る。次いで、上記一般式(VII)の化合物を、上記一般式(VIII)で表されるメルカプタン又はその塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、トリエチルアミン塩等を、例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の適当な溶媒中で、場合によっては適当な3級アミンの存在下、10〜200℃、好ましくは70〜120℃の温度で、0.1〜100時間、好ましくは0.5〜12時間反応させ、上記一般式(I’)の化合物を得る。この一般式(I’)の化合物は、一般式(I)においてR2及びR3が共にC1〜C22のアルキル基又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である化合物に相当する。反応ルート(2)の原料である上記一般式(VI)の化合物の原料は特に限定されない。例えば、試薬として市販されているものを使用してもよいし、それ自体既知の方法により適宜合成してもよい。
上記一般式(I’)の化合物の燐酸エステル部分を更に変化させることにより、一般式(I’)の化合物のR5を他の置換基に変換した一般式(I)の化合物を得ることができる。例えば一般式(I)においてR2及びR3が共に水素原子である化合物は、上記一般式(I’)の化合物を加水分解して得ることができる。また、一般式(I)において、R3が水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基であり、R2がC1〜C22のアルキル基又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である化合物は、上記一般式(I’)の化合物と一般式(IX):R6OH(式中、R6は水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基,又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基を表す)で表される化合物とを、無溶媒又は適当な溶媒、例えばジクロロメタン等の塩素系溶媒、ピリジン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の中で、場合により酸またはアルカリの存在下で、10〜100℃、好ましくは20〜30℃の範囲の温度で、0.1〜100時間、好ましくは5〜12時間反応させて得ることができる。
Figure 2005508924
上記スキーム中、R1、R4、R5、R6及びXは、既に定義したとおりである。
一般式(I)において、R2及びR3がそれぞれ独立して水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基で表される化合物は、下記の方法によっても得られる。下記スキーム中、R1、R4、及びXは既に定義したとおりであり、R7及びR8はそれぞれ独立して水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基を表す。ただし、R7及びR8が同時に水素原子を表すことはない。
Figure 2005508924
まず上記一般式(I")の化合物を、トリメチルシリルジエチルアミンと、適当な溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム中において室温付近で1時間程度反応させる。このとき、トリメチルシリルジエチルアミンは、上記一般式(I”)の化合物1モルに対し2モル以上使用する。次いで、反応液を濃縮乾固した後、残渣を適当な溶媒、例えばジクロロメタン等の塩素系溶媒に溶かし、オキザリルクロリドを上記一般式(I”)の化合物1モルに対して2モル以上添加し、触媒量のジメチルホルムアミドの存在下に、氷冷下で約1時間、次いで室温付近で約1時間反応させる。
溶媒留去して得られる上記一般式(X)の化合物を、通常は精製することなく、適当な溶媒、例えばジクロロメタン等の塩素系溶媒、ピリジン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の中で、一般式(XI)の化合物及び/又は一般式(XII)の化合物と、10〜100℃、好ましくは20〜30℃の温度範囲で、0.1〜100時間、好ましくは5〜12時間反応させる。得られた一般式(XIII)の化合物は、一般式(I)においてR2及びR3それぞれ独立して水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である化合物に相当する(ただし、R2及びR3が同時に水素原子を表すことはない)。なお、上記反応で原料となる上記一般式(I”)の化合物は、既に述べた様に、一般式(I’)の化合物を加水分解して得ることもできるが、上記一般式(I’)においてR5がC1〜C22のアルキル基である化合物にトリエチルヨードシラン、トリメチルブロモシラン等を反応させると効率よく得られる。
一般式(I)においてR2及びR3が共にアシルオキシメチル基である化合物、又はR2及びR3の一方がアシルオキシメチル基であり、他方が水素である化合物は、上記一般式(I”)の化合物と下記一般式(XIV):R9Y(R9はアシルオキシメチル基、Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す)で表されるアシルオキシメチルハライドとを、塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、ジアザビシクロウンデセン、N,N’−ジクロヘキシル−4−モルホリンカルボキサミジン等の存在下、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の適当な溶媒中、0〜200℃、好ましくは10〜100℃の温度で、1〜300時間、好ましくは10〜200時間反応させて得ることができる。R2及びR3の双方がアシルオキシメチル基である化合物の場合には、一般式(I”)の化合物に対して一般式(XIV)の化合物を2倍モル反応させればよく、一方がアシルオキシメチル基である化合物の場合には等モル反応させればよい。
また、R2及びR3の一方がアシルオキシメチル基であり、他方がC1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である化合物は、先ずR2及びR3の一方がC1〜C22のアルキル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基であり、他方が水素原子である化合物を調製し、次いでこの化合物に対して上記方法により一般式(XIV)の化合物を反応させることにより製造できる。
一般式(I)で表わされる化合物の塩は、例えば、下記方法に従って合成することができる。一般式(I')の化合物を−10〜100℃、好ましくは10〜50℃の温度で、0.1〜20時間、好ましくは0.3〜1時間、酢酸エチル、イソプロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン等の適当な溶媒中、対応する酸と撹拌下、反応させることによって合成することができる。
なお、一般式(I)で表わされる化合物のうちR1が水酸基である化合物は、特願2000−54675号明細書(WO01/64693として公開)及びPCT/JP01/01412号明細書に記載されており、R1がC1−C6のアルコキシ基である化合物は、特開平9−255695号公報(特許第3148139号)に記載されている。これらの明細書に記載の内容は全て本明細書の開示の一部として本明細書に引用するものとする。
なお、上記の製造方法は一般式(I)の化合物を製造する方法の一例として示したものであり、本発明で用いる化合物の製造方法がこれらの方法に限定されることはない。なお、上記方法により製造される上記一般式(I)の化合物又はそれらの塩は、必要に応じて通常のヌクレオチドの分離精製手段、例えば再結晶、吸着、イオン交換、分配クロマトグラフィー等を適宜選択して適用することにより分離・精製することができる。
本発明の抗ウイルス剤の適用対象であるウイルスは特に制限されないが、対象ウイルスの具体例としては、ヒト免疫不全ウイルス、インフルエンザウイルス、C型肝炎ウイルス等のRNAウイルスや単純ヘルペスウイルスI、単純ヘルペスウイルスII、サイトメガロウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、B型肝炎ウイルス等のDNAウイルスが挙げられ、より好ましくはB型肝炎ウイルスが挙げられる。
本発明の抗ウイルス剤を医薬として用いる場合、一般式(I)の化合物自体を単独で投与してもよいが、薬学的に許容され得る製剤用添加物を用いて上記化合物を有効成分として含む医薬組成物を製造して投与するのが好適である。医薬組成物の組成は、化合物の溶解度、化学的特質、投与経路、投与計画等によって決定される。例えば、化合物は、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、硬シロップ剤、軟カプセル剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤、ゲル剤、ペースト剤、懸濁剤、リポソーム等の剤形にして経口的に投与するか、又は注射剤として静脈内投与、筋肉内投与又は皮下投与することができる。また、化合物は、注射用の粉末にして、使用前に溶液を調製してもよい。
薬学的に許容され得る製剤用添加物としては、経口、経腸、非経口もしくは局所投与に適した有機又は無機の固体又は液体の担体を用いることができる。固形製剤を製造する際に用いられる固体担体としては、例えば乳糖、ショ糖、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、塩化ナトリウム等が挙げられる。また経口投与のための液体製剤を製造する際に用いられる液体担体としては、例えばグリセリン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、生理食塩水、水等が挙げられる。上記の医薬組成物は、上記担体以外に、補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤、及び保存剤等を含むこともできる。また液体製剤は、ゼラチンのような吸収され得る物質のカプセル中に含ませて使用してもよい。非経口剤投与の製剤、即ち注射剤等の製造に用いられる溶剤又は懸濁化剤としては、例えば水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチン等が挙げられる。
既知化合物の性質より、一般式(I)の化合物、特に前記一般式(I’)で表されるエステル誘導体は高い経口吸収性を有することが容易に類推出来るので、経口投与は本発明の抗ウイルス剤の好ましい投与経路である。なお、上記各製剤の調製は、常法に従って行うことができる。本発明の抗ウイルス剤の臨床投与量は、経口投与により用いる場合には、化合物重量として、一般には成人1日あたり0.1〜500mg/kg、好ましくは1〜50mg/kgである。もっとも、上記投与量は、年齢、病状、症状、同時投与の有無等により適宜増減してもよい。前記1日投与量を1日に1回、または適当な間隔をおいて1日に2〜数回に分けて投与しても良いし、数日毎に間欠投与しても良い。一般式(I)の化合物を注射剤として用いる場合、投与量は、化合物重量として、成人1日あたり0.01〜50mg/kgであり、好ましくは0.1〜5mg/kgである。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の化合物番号は、表1における化合物番号に対応させてある。
合成例1:2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル(化合物No.3)の製造
2−クロロエチルクロロメチルエーテル87g(670mmol)をトリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスファイト200g(610mmol)と160℃で7時間反応させ、2−[ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスホニルメトキシ]エチルクロリドを定量的に得た。
2−(ホスホノメトキシ)エチルクロリドビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル206gをメチルエチルケトン2000mlに溶解し、ヨウ化ナトリウム270gを添加して、混合物を8時間還流した。反応後、混合物を室温まで冷却し、濃縮乾固した。残渣をクロロホルム/ヘキサンに溶解させてシリカゲルカラムに吸着させ、クロロホルム/ヘキサンにて溶出させ、2−(ホスホノメトキシ)エチルヨードビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステルを定量的に得た。
2−アミノ−6−クロロプリン15.0g(88mmol)をジメチルホルムアミド360mlに懸濁し、懸濁物を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン13.9ml(93mmol)と80℃で1時間反応させた。次に2−(ホスホノメトキシ)エチルヨードビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル23.8mlを上記反応液に加え、混合物を100℃で5時間反応させた。反応後、混合物を室温まで冷却し、濃縮乾固した。残渣をクロロホルムに溶解させてシリカゲルカラムに吸着させ、5%−メタノール−クロロホルムで溶出させ、2−アミノ−6−クロロ−9−[2−[ホスホノメトキシ]エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル23.3g(収率56%)を得た。
2−アミノ−6−クロロ−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエエチル)エステル2gを含むジメチルフォルムアミド溶液10mlに、ピリジン0.8mlと4―ヒドロキヒチオフェノール0.64gを添加し、混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮乾固した。
残渣をクロロホルムに溶解させてシリカゲルカラムに吸着させ、5%から20%メタノール−クロロホルムで溶出させ、2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル1.3g(収率55%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.85−3.88(m,2H)、4.14(d,J=8.1Hz,2H)、4.19−4.22(m,2H)、4.62−4.71(m,4H)、6.27(s,2H)、6.84(d,J=8.7Hz,2H)7.7(d,J=8.7Hz,2H)、7.89(s,1H)、9.85(s,1H)
合成例2:2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンメチル(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル(化合物No.9)の製造
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル(化合物No.3)100mgを0.35Nアンモニアメタノール溶液に溶かし、混合物を室温で40分放置後、溶媒を溜去し、目的物を得た。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.66(d,J=4.5Hz,3H)、3.83−3.87(m,2H)、4.00(d,J=8.1Hz,2H)、4.18−4.22(m,2H)、4.52−4.60(m,2H)、6.23(s,2H)、6.83(d,J=8.4Hz,2H)、7.37(d,J=8.4Hz,2H)、7.89(s,1H)、9.81(s,1H)
合成例3:2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン2,2,2−トリフルオロエチルエステル(化合物No.18)の製造
2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス2,2,2−トリフルオロエチルエステル(化合物No.3)60mgを1Nアンモニア水溶液に溶かし、混合物を室温で3時間放置後、溶媒を溜去し、目的物を得た。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.51−3.54(m,2H)、3.74−3.77(m,2H)、4.03−4.12(m,2H)、4.14−4.16(m,2H)、6.20(s,2H)、6.82(d,J=8.4Hz,2H)、7.12(b,3H)、7.36(d,J=8.4Hz,2H)、8.00(s,1H)、9.81(s,1H)
合成例4:2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(化合物No.24)の製造
合成例1においてトリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスファイトに代えてトリイソプロピルホスファイトを用いる他は同様にして、2−アミノ−6−クロロ−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビスイソプロピルエステルを得た。
2−アミノ−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]−6−クロロプリンビスイソプロピルエステル3.7gを含むアセトニトリル溶液37mlにブロモトリメチルシラン4.1mlを添加し、混合物を25℃で16時間撹拌した。その後、溶媒を減圧溜去し、残留物をアセトン45ml−水15mlから結晶化し、2−アミノ−6−クロロ−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン2.4gを得た。得られた化合物308mgを含むDMF溶液5mlに、4―ヒドロキシチオフェノール304mgとピリジン0.32mlを加え、混合物を100℃で4時間加熱した。溶媒を溜去後、高速液体クロマトグラフィーで目的化合物を単離した。
1H−NMR(DMSO−d6,δ):3.57−3.60(m,2H)、3.81−3.84(m,2H)、6.83(d,J=8.7Hz,2H)、7.38(d,J=8.7Hz,2H)、7.96(s,1H)
試験例
(1)RNAの調製
本試験に用いたプラスミドコンストラクトの模式図を図1に示す。それぞれのプラスミドコンストラクトは目的とするRNAをコードする領域の上流にT7、T3、またはSp6プロモーター領域を持つ。各プラスミドコンストラクトを制限酵素で切断後、RiboMAXTMLarge Scale RNA Production Systems(Promega)を製造者推奨の方法にて使用し、目的とするRNAを得た。従来法に用いるコンストラクトではPOLをコードする領域とεモチーフの両者が同一のRNA上に存在する。また、改良法にて用いるコンストラクトはPOLをコードするRNAとεモチーフを持つRNAはそれぞれ別個に合成した。遊離ヌクレオチドは、得られたRNA生成物からMicroSpin S-300HRカラム(Amersham)により除去し、RNAの濃度はヌクレアーゼを含まない水で調整した。
(2)従来法による薬剤評価試験
Staschke and Colacino(1994)の方法に変更を加え実施した。図1Aに示すコンストラクトから得られたRNAと Rabbit Reticulocyto Lysate System, nuclease treated(Promega)を用い試験管内翻訳反応を行い、目的とする POL−εRNA複合体を得た。POL−εRNA複合体2.5μlに終濃度50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)、15mM NaCl、10mM MgCl2を加え、更にdNTPと被検薬剤を加え終容量を5μlの混合物を調製し、30℃で30分間保温した。各試験で、[α32P]標識されたdATPまたはdGTPのいずれかを比活性400〜1000Ci/mmolに調製して使用した。反応混合物を保温後、常法にてSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、ゲルを乾燥し、イメージングプレート(富士フイルム)に露出した。露光したイメージングプレートをBAS-5000(富士フイルム)を用いて読み取り、標識されたPOLを検出し、各レーンごとにバックグラウンド値を差し引いて放射活性を測定した。標識化合物を薬剤の競合作用を、dNTP終濃度2〜0.1μMでのキネティクスにより分析した。従来法での試験結果を図2に示す。Phosphonomethoxyethyl adenine(PMEA;一般名アデフォビル)の経口プロドラッグは現在、抗HBV剤として臨床試験中であり、PMEAの2リン酸化体(PMEApp)がdATPと競合し、PMEAの活性代謝物であることが判明している。本実験系においても、PMEApp、即ちPMEAの2リン酸化体はdATPとの競合を示すことが確認された。しかし、化合物A(2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン)(特開平9−255695号公報(特許第3148139号)に記載)は本実験系では阻害活性を示さなかった。
(3)改良法の確立
従来法では見出せなかった、POL−εRNA結合阻害剤やPOLへのdNTPの共有結合の阻害等の新規な作用メカニズムで薬効を示す化合物を見出すべく、従来の実験系の改良を行った。図1Bに示すコンストラクトから得られたRNAとRabbit Reticulocyto Lysate System, nuclease treated(Promega)を用いて試験管内翻訳反応を行い、POL蛋白を単独で得て、終濃度1mMでシクロヘキシミドを添加して翻訳反応を停止した。同様に、翻訳を停止しない試料も作製した。続いて、溶液中に図1Cに示すコンストラクトから得られたεRNAを終濃度500〜5.12nM、1/10容量で添加し、混合物を30℃で60分保温した。上記で得られた反応混合物2.5μlに、終濃度50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)、15mM NaCl、10mM MgCl2を加え、更に[α32P]-dGTP(600 Ci/mmol)を終濃度1.6μMにて添加し、終容量5μlの混合物を調製し、30℃で30分間保温した。反応液を保温後、常法にて0.1%SDS7.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、ゲルを乾燥し、イメージングプレート(富士フイルム)に露光した。露光したイメージングプレートをBAS-5000(富士フイルム)を用いて読み取り、標識されたPOLを検出し、各レーンごとのバックグラウンド値を差し引いて放射活性量を測定した。結果を図3に示す。図3Bの両逆数プロット(Lineweaver & Burk plot)の結果からPOLとεRNA濃度に明白な相関が認められる。POL−εRNA結合阻害等の新規なメカニズムを有する化合物を評価することが可能となった。またシクロヘキシミド添加の有無によりシグナル強度に差が見られることから、シクロヘキシミド非添加時にはεRNA結合反応時点において翻訳反応が更に継続していることが考えられた。よって、非特異的な翻訳阻害剤による擬似陽性を防ぐために、薬剤添加、εRNA添加以前のシクロヘキシミド添加による翻訳反応の停止が必要と考えられた。
(4)改良法による薬剤評価試験
改良法による試験は、上記の方法でPOLを作製し、終濃度1mMでシクロヘキシミドを添加後、被検薬剤を添加し30℃で15分〜30分間保温することにより行った。本発明で用いた被験薬剤は、化合物A(2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン)(特開平9−255695号公報(特許第3148139号)に記載)及び化合物B(2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(化合物No.24))である。化合物A及び化合物Bの構造を以下に示す。
Figure 2005508924
続いてεRNAを添加し、混合物を更に30℃で60分間保温した。得られた反応液2.5μlに終濃度50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)、15mM NaCl、10mMMgCl2を加え、更にdNTPを加え終容量5μlの溶液を調製し、30℃で30分間保温した。各試験で[α32P]標識されたdATPまたはdGTPのいずれかを比活性400〜1000 Ci/mmolに調製して使用した。反応液を保温後、常法にて0.1%SDS7.5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、ゲルを乾燥し、イメージングプレート(富士フイルム)に露出した。露光したイメージングプレートをBAS-5000(富士フイルム)を用いて読み取り、標識されたPOLを検出して、各レーンごとにバックグラウンド値を差し引いて放射活性量を測定した。図4はεRNAのキネティクスの分析の結果を示し、図5は、POL自身をrabbit reticulocyto lysate で1、1/2、1/3、1/4、1/5に希釈し、薬剤を添加して、εRNAとの結合反応を行った結果を示す。化合物Aは従来法では阻害活性を示さなかったが(図2)、改良法では阻害活性が認められた。従来法と改良法を用いた試験結果を以下に示す(表2)。
Figure 2005508924
(5)POLのターミナルプロテイン(TP)と逆転写酵素(RT)領域の分割によるTP-ΔTP POL-εRNA複合体の形成の研究
図1Aに示す通り、デオキシヌクレオチドが結合するターミナルプロテイン(TP)領域、逆転写酵素活性を有する逆転写酵素(RT)領域、及び鋳型RNAを消化するRNaseH領域が、ヘパドナウイルス科ウイルスのPOL上に存在する。上記(4)のPOL競合アッセイにおいては、POLの各領域の翻訳は独立に制御することはできず、阻害反応の基質に対応する領域は同定できない。従って、TP領域及びPOL上のTP以外の領域(ΔTP POL)を、図1D及びEに示すコンストラクトを用いて別個のRNAから翻訳し、TP-ΔTP POL-εRNA複合体の形成を調べた。
図1Eのコンストラクトに由来するRNAの最終濃度を1.0μg/μlに固定し、図1Dのコンストラクトに由来するRNAの最終濃度を1.0〜0.2μg/μlに調整して、インビトロ同時翻訳反応を、Rabbit reticulocyto Lysate system, nuclease treated (Promega)を用いて実施した。得られた溶液に、図1Cのコンストラクトから得たεRNAを、600〜20nMの最終濃度で1/10容量で添加し、混合物を30℃で60分間保温した。得られたTP-ΔTP POL-εRNA 複合体の反応混合物3μlに、50mM Tris-HCl 緩衝液(pH7.5)、15mM NaCl 及び10mM MgCl2 (各濃度は最終濃度である)を添加した。さらに、[α32P]-dATP (600 Ci/mmol)、及び非放射性のdTTP、dCTP 及びdGTPを最終濃度1.0μMで添加し、最終容量を5μlに調整し、混合物を30℃で80分間保温した。保温後、反応溶液を常法に従って0.1%SDS-12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、ゲルを乾燥して、イメージングプレート(富士フイルム)に露出した。結果を図6に示す。TP濃度又はεRNA濃度に依存したTPへのデオキシヌクレオチドの結合反応が確認された。
(6)TP-ΔTP POL-εRNA複合体の形成に対する薬剤の阻害活性
100nMの濃度でεRNAに結合する被験薬剤の存在下で上記翻訳を行い、デオキシヌクレオチド結合反応及びTPを検出することにより、TP-ΔTP POL-εRNA複合体の形成に対する薬剤の阻害活性を分析した。化合物A、化合物B、PMEA及びPMEG(9−(2−ホスホノメトキシエチル)グアニン)を被験薬剤として使用した。図7に示す通り、2−アミノプリン誘導体である化合物A、化合物B及びPMEGは、デオキシヌクレオチドのTPへの結合を阻害したが、PMEAは同一条件下で強い阻害を示さなかった。
(7)ウッドチャック慢性肝炎モデルによる評価
WHVに慢性感染したウッドチャック各群4匹に、化合物C又はプラセボを2.5mg/体重kg/日、又は10mg/体重kg/日を一日2回に別けて28日間経口投与した。化合物Cの構造を以下に示す。
Figure 2005508924
薬効を判定するためのマーカーとして血清WHV DNA量をスロットブロット法にて測定した。WHV DNA量(pg/ml)を対数変換して正規化後、各時点における各群の平均値とプラセボ対照群との間のDunnett's検定によりp値を得た。結果を以下の表3に示す。28日で休薬後も、10mg/体重kg/日投与群では、観察を終了した112日まで有意なWHV DNA量の減少を示した。
表:各時点での血清におけるWHV DNA量の平均log力価のプラセボ対照群に対するP値
Figure 2005508924
パラメトリック・ダンネット2−テイル試験(parametric Dunnett two-tailed test)
値は全て、症状発現前試験バージョン4.1のSASパッケージを用いて計算した。
N=4 本試験の開始からの全群
N=3 84日目から10mgの化合物Cを投与した。
以上の結果から、化合物A、B及びCは、PMEAとその活性本体PMEAppと異なるプロファイルを有することから、これらの化合物はdNTPとの競合作用とは異なる新たな作用メカニズムを有するポリメラーゼ阻害剤である。これらの化合物はヘパドナウイルス複製開始の最初期に作用することで、POL−εRNA複合体形成によるポリメラーゼの活性化を阻害していると考えられる。既存のdNTP競合型の抗ウイルス剤では休薬後のウイルス量のリバウンドが問題となっているが、ポリメラーゼを不活性化する作用が示唆される本薬剤は、休薬後においても持続した薬効を有することが期待される。
本発明の抗ウイルス剤は、優れた抗ウイルス活性を有し、高い経口吸収性と生体に対する高い安全性を有している。また、ポリメラーゼを不活性化する作用を有する本発明の抗ウイルス剤は、休薬後、即ち、薬物投与の停止後も、持続した薬効を有する。
本願は日本出願番号2001−262437に基づく優先権を主張するものであり、この出願は本願の開示の一部として本明細書中に引用により取り込まれるものとする。
図1は、プラスミドコンストラクトの模式図を示す。図1において、Aは、従来法で用いたDHBV POL3'εを示し、Bは、POLの作製のために改良法で用いたDHBV POLε(-) を示し、Cは、εRNAとして改良法で用いたDHBV 5'εを示し、Dは、ターミナルプロテイン(TP)の作製のために改良法で用いたDHBV HIS-TPを示し、Eは、TP欠失POLの作製のために改良法で用いたDHBV ΔTP-POL ε(-) を示す。 図2は、従来法で得られた試験結果を示す。 図3は、改良法によるRNA濃度依存性に関する試験結果を示す。 図4は、改良法により得られたεRNA競合試験の結果を示す。 図5は、改良法によるPOL濃度依存性の分析の試験結果を示す。 図6は、TP又はεRNA濃度依存性の検討結果を示す。 図7は、TP-ΔTP POL-εRNA 複合体の形成中におけるプロテインプライマーとしてのTPに対する薬剤の阻害活性の結果を示す。

Claims (23)

  1. RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化を阻害する薬剤を有効成分として含有する抗ウイルス剤。
  2. RNA結合によるウイルスポリメラーゼ活性化が、ウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合によるウイルスポリメラーゼ活性化である、請求項1に記載の抗ウイルス剤。
  3. RNAがεRNAである、請求項1又は2に記載の抗ウイルス剤。
  4. 薬物投与の停止後も薬効が持続される、請求項1から3の何れか1項に記載の抗ウイルス剤。
  5. ウイルスがヘパドナウイルス科に属するウイルスである、請求項1から4の何れか1項に記載の抗ウイルス剤。
  6. ウイルスがB型肝炎ウイルスである、請求項1から5の何れか1項に記載の抗ウイルス剤。
  7. 薬剤が、下記一般式(I):
    Figure 2005508924
    (式中、R1は水酸基又はC1−C6のアルコキシ基を表し;R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C22のアルキル基、アシルオキシメチル基、アシルチオエチル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基を表し;R4は水素原子、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のヒドロキシアルキル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたC1〜C4のアルキル基を表し;XはCH又は窒素原子を表す。)で表されるホスホナートヌクレオチド化合物若しくはその塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物である、請求項1から6の何れかに記載の抗ウイルス剤。
  8. 1が水酸基又はメトキシ基である、請求項7に記載の抗ウイルス剤。
  9. 2及びR3がそれぞれ独立に水素原子、C1〜C22のアルキル基、又は1以上のハロゲン原子で置換されたエチル基である、請求項7に記載の抗ウイルス剤。
  10. 2及びR3がそれぞれ独立に水素原子又は2,2,2−トリフルオロエチル基である、請求項7に記載の抗ウイルス剤。
  11. 4が水素原子又はメチル基である、請求項7に記載の抗ウイルス剤。
  12. XがCHである、請求項7に記載の抗ウイルス剤。
  13. 1が水酸基又はメトキシ基であり、R2及びR3がそれぞれ独立に水素原子又は2,2,2−トリフルオロエチル基であり、R4が水素原子であり、XがCHである、請求項7に記載の抗ウイルス剤。
  14. 薬剤が、2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリンビス(2,2,2−トリフルオロエチル)エステル、2−アミノ−6−(4−メトキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン、2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン、又は2−アミノ−6−(4−ヒドロキシフェニルチオ)−9−[2−(ホスホノメトキシ)エチル]プリン(2,2,2−トリフルオロエチル)エステルである、請求項1に記載の抗ウイルス剤。
  15. RNA結合によるウイルスポリメラーゼの活性化を評価する工程を含む、抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  16. RNA結合によるウイルスポリメラーゼの活性化を評価する工程が、ウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合の程度を評価する工程である、請求項15に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  17. ウイルスポリメラーゼに被験薬剤を添加し、ウイルスRNAを添加し、そしてウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合の程度を評価する工程を含む、請求項15又は16に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  18. ウイルスポリメラーゼに被験薬剤を添加し、ウイルスRNAを添加し、そして被験薬剤がウイルスRNAとウイルスポリメラーゼとの結合を阻害する場合に該被験薬剤が抗ウイルス剤であると判断する工程を含む、請求項15から17の何れか1項に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  19. RNAがεRNAである、請求項15から18の何れか1項に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  20. ウイルスがヘパドナウイルス科に属するウイルスである、請求項15から19の何れか1項に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  21. ウイルスがB型肝炎ウイルスである、請求項15から20の何れか1項に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法。
  22. 請求項15から21の何れか1項に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法により得られる抗ウイルス剤。
  23. 請求項15から21の何れか1項に記載の抗ウイルス剤のスクリーニング方法を行って抗ウイルス物質を取得し、取得された抗ウイルス物質を化学合成により製造し、該抗ウイルス物質と薬学的に許容できる担体とを混合する工程によって得られる抗ウイルス剤。
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