JP2005508869A - 呼吸器合胞体ウイルス - Google Patents

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Abstract

【課題】 呼吸器合胞体ウイルス又はRSVは、ヒト及びその他の動物における気道感染症の原因である。ウイルスの複製は部分的には、ヌクレオカプシド(N)タンパク質のリンタンパク質(Pタンパク質)との会合に頼っている。
【解決手段】 本発明は、Pタンパク質と結合し、Nタンパク質とPタンパク質との相互作用を妨害するペプチド断片の同定及び配列決定を記載する。そのようなペプチドを用いて、RSVの複製を阻害し、RSVに感染した患者を治療してもよい。さらに、本発明の態様は、RSV感染の診断におけるそのようなペプチドの使用に関する。

Description

本発明は1つには、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)及び関連するウイルスの増殖及び複製を阻害する分子作用剤に関する。本発明は、詳しくは、排他的ではないが、RSVのペプチド阻害剤に関するものであり、さらにはとりわけ、RSV感染症の治療用剤及び試験試料におけるRSVの存在を診断する作用剤及びキットに関する。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、ヒト、特に乳児における下気道感染症の主要な原因であり、施設に収容された高齢者における呼吸不全の原因とみなされてきた。RSVによる感染は、成人ではインフルエンザ様の症状として発現し、通常、およそ3〜5日間持続する。先進国では、健康な成人であれば感染が死に至ることは希であるが、途上国では感染が成人において死を招く可能性はさらに高い。ウイルスの発生が自然界で循環する傾向があるために、ウイルスに対する抗体が母乳に存在しそうにないので、生後0〜6ヵ月の乳児も高リスク群である。
該ウイルスは、モノネガウイルス目、パラミクソウイルス科、ニューモウイルス属に分類され、経済的に重要な多数のウイルスと関連を持ち、ヒトRSV種のほかに、ウシ及びヒツジのRSV種が発見されており、関連するシチメンチョウの鼻気道炎ウイルス及び鳥類パラミクソウイルスは鳥類を冒す。
過去において、感染を予防する又は感染の重症度若しくは持続時間を軽減するようなウイルスに対する有効な治療を産み出すいくつかの試みがなされてきた。しかしながら、従来開発されてきたそのような治療はいずれも短所を有している。不活化したウイルスの予防接種は実際のところ、疾患の影響を悪化させることが判っている。ウイルスの表面抗原の突然変異速度が速いために広範に有効なワクチンの開発は遅れている。最も有効な現在の治療は、ヒト化抗体の患者への投与に頼っているが、この治療でさえ完全には有効ではなく、また比較的高価である。
RSV感染症に対する代わりの治療を提供することは本発明の目的のうちである。
RSVウイルスはRNAゲノムを有し、生体内では、複数コピーのヌクレオカプシド(N)タンパク質で被覆され、らせん構造を形成する。RNAゲノムの転写又は複製の間、Nタンパク質はゲノムRNAに会合したままであり、その他のウイルスタンパク質、中でも、転写酵素複合体を共に含むリンタンパク質(P)、M2(22k)及びLタンパク質とも会合する。Nタンパク質で被覆されている場合、ゲノムは転写又は複製のみを受けることができる。
遊離のNタンパク質はいかなるRNA分子とも非特異的に結合するが、Pタンパク質と複合体形成をすると、N−P複合体はゲノムRNAとのみ特異的に結合することも見い出されている。従って、Pタンパク質は遊離のNタンパク質と相互作用を行って非ウイルスRNAの周りのヌクレオカプシドの非正統的会合を妨げると考えられている。よって、Pタンパク質の機能の1つは分子シャペロンとしてであってもよい。
多数の研究者がその他のウイルス系におけるN−P相互作用を研究している。ノモネガウイルスの別々の科及び属によるPタンパク質の配列多様性及びサイズの差異にもかかわらず、Pタンパク質は共通の構造的特徴を共有している。センダイウイルスのPタンパク質は、遊離のNタンパク質と相互作用することが判っているカルボキシ末端の2つの部位及びアミノ末端の1つのドメインを有し、これらNタンパク質結合ドメインは異なった役割を有する。アミノ末端のドメインは、Pタンパク質のシャペロン機能を表すと思われ、一方、カルボキシ末端のドメインは、形成されたヌクレオカプシドにPタンパク質を結合するのに役立ち、転写酵素複合体の一部としての機能について重要である可能性がある。
RSVについては、Pタンパク質のC末端ドメインにおける2つのドメインがNタンパク質との相互作用に関与するということは、RSVのPタンパク質がおそらくその他のパラミクソウイルスに類似する構造的配置を有することを示唆している。RSVのPタンパク質のカルボキシ側20のアミノ酸がNタンパク質への結合に関与しているとみなされており、このドメインに隣接する領域を有するとして、たぶんアミノ末端の最初の40アミノ酸である。センダイウイルスに対する類似性によって、RSVのPタンパク質のアミノ末端はそのシャペロン機能に関与しているだろう。カルボキシ末端は、ポリメラーゼ複合体におけるPタンパク質の役割の一部として会合したヌクレオカプシドにPタンパク質を結合することに関与している可能性がある。
しかしながら、RSVのNタンパク質に関する類似の研究を行ったこれまでの試みではほとんど情報が得られなかった。RSVのNタンパク質はそれ自体突然変異誘発には役に立たないということは、Nタンパク質が誤った折り畳みに敏感な構造を有することを示唆しており、そのような操作の後、結果として不活性のタンパク質を生じる。
本発明は、出願人による、Pタンパク質と相互作用する能力を持つRSVのNタンパク質のアミノ酸配列に由来する多数のペプチド配列の発見、及びそのような相互作用がPタンパク質とNタンパク質との間の正常な相互作用を阻止するという予想外の発見を基にする。
本発明の第1の態様に従って、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する化合物を提供する。
従って、本発明の化合物は、RSVに対する抗ウイルス製剤として使用される可能性を有し、好適な形態及び量における本発明の化合物の患者への投与は、N−P複合体の形成を妨げることが期待され、従って、ウイルスの転写酵素複合体の形成を妨げることが期待されてもよい。従って、ウイルスは複製することができなくなる。
本発明の化合物は、RSVリンタンパク質の1又はそれより多くの領域と相互作用してもよい。好都合なことに、本発明の化合物は、RSVのリンタンパク質のカルボキシ末端に結合することが可能である。さらに好ましくは、そのような化合物は、リンタンパク質のC末端の20のアミノ酸に結合する(図10においてSEQ ID No.1として提供される)。この配列はN−P相互作用に関与するものの1つであると考えられる。しかしながら、Pタンパク質の追加の配列が重要であってもよく、本発明の化合物は当然、C末端の20の配列に加えて、又はその代わりに他の配列に結合することが可能であってもよい。前記C末端20のアミノ酸を含むペプチド、それに対して少なくとも75%、好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列相同性を有するペプチド、又は類似のアミノ酸配列に結合する化合物も本発明の範囲内に包含される。例えば、本発明の目的で、「類似する」アミノ酸配列は、以下の群の範囲内でアミノ酸の間で行われる保存的置換を有する配列を包含してもよい。
(i)アラニン、セリン及びスレオニン
(ii)グルタミン酸及びアスパラギン酸
(iii)アルギニン及びリジン
(iv)アスパラギン及びグルタミン
(v)イソロイシン、ロイシン及びバリン
(vi)フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン
好ましくは、本発明に係る化合物はペプチドを含む。そのようなペプチドは、SEQ ID No.2(図10、ペプチドN4で示される)として与えられる20のアミノ酸配列、又は上述のような保存的アミノ酸置換を持つ配列を含んでもよい。本発明のペプチドはもう1つの方法として、SEQ ID No.2に対する80%の相同性、又はさらに好ましくは90%の相同性、最も好ましくは95%の相同性を有してもよい。もう1つの方法として、本発明に係るペプチドは図10のSEQ ID No.3(ペプチドN22)として与えられるアミノ酸配列を含んでもよい。本発明のペプチドはさらに、図10に与えられるSEQ ID No.4、5又は6(ペプチドN4.6、N4.7、及びN4.10)として与えられる配列、又は上述のような保存的アミノ酸置換を持つ配列を含んでもよい。
さらに、ペプチドに由来する機能的に活性のある誘導体は本発明の範囲内に包含される。必要とされるペプチドは、生体内及び/又は試験管内にて、例えば、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、及び/又は翻訳後切断によって修飾することができ、従って、とりわけ、ペプチド、オリゴペプチド、タンパク質及び機能的に活性のあるこれらの誘導体はそれによって包含される。
もう1つの方法として、本発明の化合物は、抗体、さらに好ましくはモノクローナル抗体を含んでもよい。
本発明の態様に従って、呼吸器合胞体ウイルス感染症の治療のための薬物の調製における、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する化合物の使用を提供する。
本発明のさらなる態様に従って、生理的に許容可能なキャリアと組み合わせて、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する、薬学上活性のある量の化合物を提供する。
本発明のこの態様の実施形態の1つは、脂質膜に内包した活性のある化合物を提供する。そのような実施形態は、動物の細胞に融合し、細胞に活性のある化合物を送達することができる。
本発明のその上さらなる態様は、生理的に許容可能なキャリアと組み合わせて、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する、脂質膜に内包した、薬学上活性のある量の化合物を含む薬剤送達装置を提供する。
好ましくは、送達装置は、生理的に活性のある量の該化合物を患者の呼吸器系、好ましくは肺に投与するように設計される。例えば、送達装置は、前記化合物の噴霧処方を含有する定量吸入装置を含んでもよい。
本発明はその上さらに、試験試料における呼吸器合胞体ウイルスを検出するためのキットを提供し、該キットは、任意の必要な検出試薬及び洗浄試薬と組み合わせて、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する化合物を含む。
さらに本発明により提供されるのは、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する化合物であり、該化合物は、固体の支持体基板に固相化される。本発明の態様に従って、そのような基板/化合物の複合体をキットで使用してもよい。
本発明はその上さらに、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害するペプチドを発現する組換え細胞を提供する。そのような細胞は原核細胞であっても、真核細胞であってもよく、本発明の好ましい実施形態はそのようなペプチドを発現する細菌細胞又は哺乳類細胞を提供する。
本発明の一層さらなる態様に従って、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ前記リンタンパク質の呼吸器合胞体ウイルスヌクレオカプシドタンパク質への結合を阻害する化合物の同定においてSEQ ID No.1として与えられるアミノ酸配列を含むペプチドの使用を提供する。また、本発明に従って、そのような方法によって同定される化合物を提供する。例えば、そのような化合物は、競合アッセイ、抗体アッセイ、基板におけるペプチドの固相化、又は当業者に明らかなその他の方法によって同定されてもよい。
その上さらに、本発明に従って提供されるのは、呼吸器合胞体ウイルスに関連するウイルスのリンタンパク質に結合する化合物の同定において、SEQ ID No.1として与えられるものに少なくとも75%、好ましくは90%、さらに好ましくは95%の配列相同性を有する、又はそれに類似するアミノ酸配列を含むペプチドの使用である。
本発明の化合物は、RSVに対する抗ウイルス製剤として使用される可能性を有し、好適な形態及び量における本発明の化合物の患者への投与は、N−P複合体の形成を妨げることが期待され、従って、ウイルスの転写酵素複合体の形成を妨げることが期待されてもよい。従って、ウイルスは複製することができなくなる。
本発明のこれらの態様及びその他の態様をここに、以下の実施例を参照及び添付する図面を参照し、実例のみとして記載する。
図1.NHisタンパク質とPHisタンパク質の試験管内での結合に対するモノクローナル抗体αN003及びαN009の効果
図1a.プレートに固相化したNHisに対してαN003及びαN009を当てた。結合した抗体はHRPを連結した適当な二次抗体で検出した。
図1b.固相化したPHisを用いたNHisの捕捉。PBS中にてPHisを微量プレートに一晩結合させた。ブロッキングした後、NHisを結合させ、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体により検出した。PRP658はプレートに結合したPHisを検出する。
図1c.モノクローナル抗体を用いたNHisの捕捉及びそれに続くPHisの結合。これまで記載されたようにモノクローナル抗体を微量プレートに結合させた。NHisを加え、結合させた。続いてPHisを加え、結合させた。結合したPHisをPRP658及びHRP連結の抗ウサギ抗体で検出した。
図1d.固相化したNHisに対するPHis及びモノクローナル抗体の結合。NHisを微量プレートに固相化した。飽和量にてPHisを加え、1時間結合させた。結合していないPHisを洗浄した後、モノクローナル抗体を加え、その結合をHRP連結抗マウス抗体を用いて検出した。PHisの結合はPRP658及びHRP連結の抗ウサギ抗体を用いて検出した。
NB: 実験ではいずれもELISA実験にて経験的に決定した飽和量のタンパク質を用いた(示さず)。
図2.感染細胞溶解物のRIPA
抗血清、NRP14又はPRP658、又はモノクローナル抗体、αN003又はαN009を用いて、[35S]メチオニンで標識したRSV感染細胞の溶解物で免疫沈降を行った。沈降したタンパク質で12%のSDS−PAGEを行った。放射性標識したタンパク質は、バイオラッドのパーソナルFXホスファーイメージャーを用いて検出した。分子量マーカーの位置を示す。
図3.N特異的ペプチドに対する組換えPHisタンパク質の反応性
4連一組にて、微量プレートのウエル(穴)を、PBS中のRSVのNペプチドで一晩コートした。ブロッキングした後、1μg/mlにてPHisを加え、室温にて1時間結合させた。HRPに連結した抗Hisタグ抗体(シグマ Sigma)を用いて捕捉されたPHisを検出した。バックグランド(PHis非存在下で検出される結合)は、各ペプチドについて測定し、OD405で0.2より低い結合は、ペプチドと抗His抗体との間の非特異的結合であるとした。
図4.ペプチドN4によるN−P結合の阻止
飽和量のPHisで微量プレートをコートし、PBS中にて一晩インキュベートした。種々の量(0〜100μg/ml)のペプチド、N4又はN16を1時間加えた。ペプチドの存在下、飽和量のNHisを加え、結合させた。結合したNHisは、記載したようにNRP14ポリクローナル抗体及びHRP連結抗ウサギ抗体を用いて検出した。「バックグランド」は、阻止アッセイからNHisを除外した場合の読み取りを表す。
図5.ペプチドN22によるN−P結合の阻止
図4に示す結果を生じた実験をペプチドN22により反復した。
図6.本研究でPHis又はモノクローナル抗体のいずれかに結合したペプチドの配列
太字で四角に囲ったアミノ酸は各ペプチドについて10の固有のアミノ酸を表す。隣接する領域は隣接するペプチドと共有されている。
(a)この研究で作製したモノクローナル抗体に対して反応するペプチド。
(b)PHisタンパク質に結合したペプチド。
図7.本研究で用いたペプチドの一覧
ペプチドは、RSV A2のNタンパク質配列の直鎖アミノ酸配列を表し、N1はアミノ末端であり、N26はカルボキシ末端である。ペプチドは、5つのアミノ酸が隣接するペプチドと重なり合う20量体である。
NB*=13は上手く合成できず、いかなるアッセイからも除外した。従って、連続性に関して10のアミノ酸、186〜195(Nタンパク質の長さの2.6%)が欠けている。
図8.作製したモノクローナル抗体及び種々の免疫アッセイにおける反応性の一覧
W/Blot=ウエスタンブロット IFA=免疫蛍光
「マップ済み」は、ELISAにおいてモノクローナル抗体の一部が反応したペプチドをいう。隣接するペプチドでは交差反応は見られなかった。
*=モノクローナル抗体、αN010は実際にはペプチドにマップすることができなかったが、Nタンパク質の欠失分析(データは示さず)は、それがNタンパク質のアミノ末端の最初の50アミノ酸におけるエピトープに結合することを示している。
図9.N−P相互作用に対するペプチドN4に由来する小さなペプチドの影響
図10.精選したペプチド配列
この図は、RSVのPタンパク質のC末端20のアミノ酸配列(SEQ ID No.1)、N4ペプチドの20のアミノ酸配列(SEQ ID No.2)、N22ペプチドの20のアミノ酸配列(SEQ ID No.3)、及びRSVのPタンパク質に対する結合活性を有するN4ペプチドに由来するさらに短い幾つかのペプチド(SEQ ID No.4、5及び6)を示す。
材料及び方法
細胞及びウイルス
CV−1細胞は、10%ウシ胎児血清を補完したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で維持した。本研究では通してRSVのA2株を用いた。70%集密のCV−1細胞に多重度0.1で感染させ、ウイルスを1時間結合させ、取り除き、2%ウシ胎児血清と共にDMEMを加えた。感染は33℃にてcpe(細胞変性効果)が明らかになるまで36〜48時間進めて、その後,RNAを回収し、タンパク質を標識し、又はウイルスのストックを作製する。
核酸の操作
サムブルークらにより記載されたように常法に従った。アンビオンの「トータルRNA」キットを用いて、感染した細胞からのRNAを単離し、−70℃にて水中に保存した。25μlの容積にてベーリンガーマンハイムのAMV RTキットと共にランダムヘキサマープライマーを用いて1μgの全RNAを逆転写した。pET16b(ノバゲン)にクローニングするために適当な制限部位を含有する、RSVのN遺伝子及びP遺伝子に特異的なプライマーを用いたRT−PCRにはこの1μlを用いた。プラスミド、pETN及びpETPを単離した。ビッグダイターミネーターサイクルシークエンスキット(パーキンエルマーアプライドバイオシステムズ)を用いて、ABIプリズム377自動シーケンサーにてインサートの配列を決定した。Nタンパク質のコンストラクトには、ジェンバンクデータベース(受入コードM74568及びそれに含有される参考文献)にて利用可能な配列からの変化はなかった。Pタンパク質のコンストラクトは、公開されているA2の配列からの変化を1つ(アミノ酸171)を有しており、イソロイシンがバリンに変わっていた。この変化によって、ウシ、ヤギ及びヒツジのRSVの株と比較した場合、ジェンバンクA2のM74568の配列をこの時点でのコンセンサス配列に答申する(データは示さず)。Nタンパク質及びPタンパク質の発現を生じたコンストラクトにはヒスチジンのタグを付け、次いで大腸菌BL21(DE3)pLysSを形質転換するのにそれを用いた。
組換えNHis及びPHisタンパク質の精製
pETN(NHisを発現する)又はpETP(PHisを発現する)のいずれかを入れたBL21(DE3)pLysS細菌を、100μg/mlのアンピシリン及び34μg/mlのクロラムフェニコールを含有する10mlの2xYT中にて一晩増殖させた。1mlを用いて、アンピシリン及びクロラムフェニコールを含有する100mlの2xYTに接種した。OD600で0.6〜0.8になるまで増殖させ、その後、1mMのIPTGで誘導し、発現を4時間続け、回収した。製造元の条件に従って、Hi−トラップカラムを用いた金属キレートクロマトグラフィ及びAKTAピューリファイア10(ファルマシア)を用いてHisタグの付いたタンパク質を精製した。タンパク質を含有する分画をプールし、PBSに対して透析し、セントリコン10濃縮器(ミリポア)を用いて1mg/mlに濃縮した。タンパク質試料は、15%v/vグリセロールに入れ4℃にて保存した。
モノクローナル抗体及びポリクローナル抗血清の作製
ニュージーランド白色ウサギにてNHis及びPHisに対するポリクローナル抗血清を作製した。ポリクローナル抗血清、NRP14はRSVのNタンパク質に対して反応性であり、Hisのタグには反応性を示さない。PRP658はRSVのPタンパク質に対するポリクローナル抗血清であり、Hisタグに対する交差反応は、NHisを発現するBL21(DE3)pLysSのアセトン粉末で吸収することにより除いた。Nタンパク質に対するモノクローナル抗体はBalb/cマウスで作製した。本研究で使用した抗体は、ハイブリドーマ上清からプロテインGHi−トラップカラム(ファルマシア)により精製した。
N特異的ペプチドの作製
島津の自動ペプチドシンセサイザーにて常法によりペプチドを調製した。FMOC化学薬品及びノババイオケム(スコットランド)を用いて、Nタンパク質のアミノ酸配列(RSV A2のNタンパク質は、391のアミノ酸の長さである 図7)の97%を表す25の重なり合う20量体を調製した。ファルマシアのHPLCシステムにより純度及びサイズについてペプチドを分析した。ペプチドは、溶解性について10%(v/v)の酢酸を必要とするN5、N8、N11、N15及びN17を除いて、凍結乾燥し、−20℃に保存し、必要な時に1mg/mlで水に再浮遊させた。
ELISA試験
ELISAに基づいたアッセイを用いて、試験管内でのNHisとPHisの結合を行った。飽和量の適当なタンパク質又は精製抗体で4℃にて一晩、微量プレート(イミュロン2、ディネックステクノロジーズ)をコートした。プレートを洗浄し、5%(w/v)の乾燥ミルク粉末(マーベル)により、遊離のタンパク質の結合部位をブロックした。タンパク質及び抗体を別々の順で加え(詳細は図の脚注参照のこと)、適当なポリクローナル又はモノクローナル抗血清で検出し、その結合は、HRP(シグマ)連結の抗マウス又は抗ウサギ抗体のいずれかを用いて検出した。pH4.0の50mMクエン酸中のABTS(1mg/ml、シグマ)着色試薬を各ウエルに加え、30分まで発色させた。洗浄及び結合はすべて、PBS+0.1%(v/v)ツイーン−20の中で行った。波長405nm(OD405)にてディネックスのプレートリーダーによりプレートを解析した。
ペプチドの走査
モノクローナル抗体のエピトープ及びPタンパク質の結合ドメインを部分的にマップするために、ペプチド走査プロトコールを用いた。6連一組にて4℃で、PBS中1μg/mlの濃度にてペプチドを用いて、微量プレートのウエルをコートした。洗浄及びブロッキングの後、抗体又はPHisタンパク質のいずれかを飽和量にて加え、室温にて1時間結合させた。結合したモノクローナル抗体にはHRP連結抗マウス抗体を、結合したPHisタンパク質を検出するにはHRP(シグマ)に連結した抗ヒスチジンタグ抗体を用いて、結合したリガンドを検出した。発色及び検出は上記のとおりである。
N−P結合のペプチドによる阻止
Hisタンパク質を用いて、4℃にて一晩、微量プレートのウエルをコートした。洗浄の後、10μg/ml〜100μg/mlの様々な濃度にてペプチドを加えた。各濃度は、6連一組で行った。1時間の結合の後、プレートを洗浄し、飽和量でNHisタンパク質を加え、PHisと相互作用させた。抗Nタンパク質ポリクローナル抗体NRP14、次いでHRP連結抗ウサギ抗体を用いて結合したタンパク質を検出した。発色は上記のとおりであった。
放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)
1時間の感染の後、RSV感染CV−1細胞を36時間メチオニン欠乏にさらし、100μCi/mlの[35S]−メチオニン(NEN)を加えた。3時間後、細胞を溶解緩衝液(50mMのトリスHCl、pH8.0、120mMのNaCl、0.5%v/vのNP40)で回収し、ベックマン卓上超遠心機における50,000xgの遠心により透明化した。各免疫沈降には50μl用いた。1μlのモノクローナル抗体又はポリクローナル抗血清を用いて、複合体を作らせた。パンソルビン細胞(カルビオケム)を用いて抗体−抗原の複合体を沈降し、溶解緩衝液にて5回洗浄し、SDS−PAGEにより解析した。結合及び洗浄の工程はすべて4℃にて行った。ゲルを固定し、乾燥して放射性標識した生成物をバイオラッドのパーソナルFXホスファーイメージャーを用いて検出した。
結果
Nタンパク質に対するモノクローナル抗体の作製
本研究のために、我々は、RSVのNタンパク質に対するモノクローナル抗体のパネルを作製した。GST−NはBL21(DE3)pLYsSから精製し、ゲルはS&Sバイオトラップを用いて精製し、Balb/cマウスを免疫にするのに抗原として使用した(詳細は示さず)。RSVに感染したCV−1細胞からNに対して反応する16のハイブリドーマが得られた。RSVが感染したCV−1細胞から調製した抗原を用いて、Nタンパク質を検出するその能力について、幾つかの免疫アッセイにてそれらをスクリーニングした(図8を参照のこと)。ウエスタンブロットアッセイにおいてモノクローナル抗体がすべて反応したということは、それらが、高次構造のエピトープではなく線形のエピトープに対するものであることを示唆している。
Nタンパク質におけるモノクローナル抗体エピトープのペプチドマッピング
続いて、ELISAで反応性を示した10のモノクローナル抗体のうち7を、Nタンパク質の97%を表す20量体のパネルに対してマップした(図7)。このペプチドを作る試みが上手く行かなかったので、186〜195のアミノ酸は除外した。Nタンパク質には2つの免疫的に主要な領域があることが明らかである。群Iは(ペプチドN2)を含めてアミノ酸21〜30を表し、群IIはアミノ酸331〜365を表す。群IIはペプチドN23及びN24の中に含有される配列によって表される少なくとも2つの免疫的な部位を含む。ペプチドN2、N23及びN24の配列を図6に示す。実際のモノクローナル抗体のエピトープをこれらのペプチドに細かくマップするにはさらなるマッピングが必要である。
モノクローナル抗体の存在下におけるN−Pの結合
N−P結合を解析するツールとしてのモノクローナル抗体の使用を調査した。さらなる解析のために2つの群からそれぞれ1つのモノクローナル抗体を選択した。Hi−トラップ プロテインGカラムでのFPLCによりハイブリドーマ上清からモノクローナル抗体αN003及びαN009を精製し、ELISAに基づいたアッセイを用いて、Pタンパク質の結合に対するNタンパク質のドメインを調査するのに使用した。
(1)NHisの検出。
飽和量のNHisでELISAプレートをコートし、結合したタンパク質をモノクローナル抗体(αN003及びαN009)又は抗Nタンパク質ポリクローナル抗体(NRP14)で検出した。図1aから、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体がNHisとの良好な反応性を示すのは明らかである。その他のHisタグのタンパク質との交差反応性も調査した。PHis又はその他のHisタグのタンパク質との検出可能な交差反応性はなかった(データは示さず)。
(2)NHisに結合するPHisは、モノクローナル抗体によるNHisタンパク質への接近を妨害する。
我々の精製したタンパク質が試験管内で結合能を保持していることを調査するために、飽和量のPHisでELISAプレートを一晩コートした。マーベルにより微量プレート上での遊離のタンパク質の結合部位をブロックした後、飽和濃度にてNHisを加えた。固相化されたPHisへのNHisの結合をポリクローナル抗体NRP14により検出した。しかしながら、図1bは、NRP14ポリクローナル抗体に比べてモノクローナル抗体との反応性に有意な低下があることを示しており、このことは、Pタンパク質へのNタンパク質の結合はモノクローナル抗体との相互作用を阻害することを示唆している。従って、これらのモノクローナル抗体は実際、Pタンパク質への結合に関与する、又は結合部位に極めて近接する、Nタンパク質の領域を表していると思われる。
(3)モノクローナル抗体は試験管内でN−P相互作用を阻止する。
HisへのPHisの結合をモノクローナル抗体が阻止するかどうかを確定するために、アッセイを効果的に入れ換えた。モノクローナル抗体、αN003及びαN009を微量プレートに固相化し、NHisを捕捉するのに用いた。次いでPHisタンパク質を、捕捉されたNHisに結合させ、抗Pタンパク質ポリクローナル抗体、PRP658を用いて検出した。図1cは、PHisの結合はモノクローナル抗体の存在下で急激に低下すると思われ、Pタンパク質がαN003及びαN009の近傍に結合する、又はPタンパク質がモノクローナル抗体と同じ結合部位を共有することを裏付けていることを例証している。
(4)モノクローナル抗体とPHisは同一結合部位を共有するのではない。
飽和量のNHisを用いてELISA用微量プレートをコートした。PHisを加え、結合させた。結合していないPHisを洗い流した後、モノクローナル抗体を加えた。同一試料セットの範囲内で、モノクローナル抗体の結合は、結合したPHisの存在下で示すことができた(PRP658により検出することができる結合)。この実験の変異によって、添加の順を入れ換え(先ず、モノクローナル抗体、次いでPHis)、又は2つのリガンドを同時に加えることになった。N結合種を添加する順とは無関係に、1つの結合は明らかに他の存在に影響されなかった。例えば、図1dは、モノクローナル抗体、αN003又はαN009の反応性は、PHisの存在下で低下しないことを立証している。前のELISA実験におけるN−P相互作用又はN−抗体の相互作用に関する明らかに矛盾する阻止は、2つの方法のいずれかで説明することができる。先ず、NHis分子は、NHisタンパク質の異なった領域を暴露する又は隠すいくつかの配向性でプレートに固相化される可能性がある。これにより、NHisの別々の分子におけるモノクローナル抗体の標的部位又はPHisの標的部位のいずれかに結合が独占的になる可能性がある。それに対して、阻止が認められた前のアッセイでは、PHis又は抗Nモノクローナル抗体を用いて溶液からNHisを捕捉した。この例では、いかなる標的部位も隠されそうにはなく、PHis又はモノクローナル抗体の双方が、あらゆるNHis分子と相互作用する可能性がある。従って、これらの実験で認められた競合は、PHisとモノクローナル抗体の結合部位は、立体障害が起きうるほど有意に近接しているが、(図1dと合わせて)、にもかかわらず同一ではないことを示唆している。
モノクローナル抗体、αN003及びαN009を用いた放射性免疫沈降
RIPAアッセイにおいてモノクローナル抗体、αN003及びαN009を用いて、それらが、ウイルス感染した細胞からN及びPを共免疫沈降するかどうかを割り出した。前に記載したように、RSVのA2株をCV−1細胞に感染させた。感染させた細胞を[35S]−メチオニンにより放射性標識し、RIPA緩衝液にて溶解物を調製した。Nタンパク質に対するモノクローナル抗体、又はN又はPタンパク質に対するポリクローナル抗体により、N及びPを沈降した後、SDS−PAGEにより解析した。ゲルを乾燥し、バイオラッドのパーソナルFXホスファーイメージャーを用いて視覚化した。図2から、双方のモノクローナル抗体、αN003及びαN009はNタンパク質を沈降したが、ポリクローナル抗体(NRP14及びPRP658)とは異なって、それらは、感染した細胞溶解物からPタンパク質を共沈降しなかった。RIPAは、αN003及びαN009は、Pタンパク質と複合体形成をしていないRSVのNタンパク質のみを認識するという試験管内の結合データを裏付けている。これらの実験の間に成された観察は、RIPA緩衝液の塩濃度がNタンパク質とのPタンパク質の共沈降に影響を及ぼしうるということであった。高い塩の緩衝液による実験では(120mMの塩に比べて150mM)、N−P複合体は崩壊し易かった。高い塩濃度のもとでは、ポリクローナル抗体もまた、N−P複合体の共沈降を実証することはできなかった(データは示さず)。この塩依存性の相互作用がN−P結合の性質の現れであるかどうかは今後の課題である。幾つかの緩衝液条件を用いたが、αN003及びαN009は感染した細胞溶解物からNタンパク質と共にPタンパク質を決して共沈降しなかった(データは示さず)。
Nタンパク質におけるP結合部位のペプチドマッピング
モノクローナル抗体をマップするのに前に用いたNペプチドを用いて、Pタンパク質の結合に寄与するNタンパク質のアミノ酸配列を同定した。前に記載したようにペプチドを用いて微量プレートをコートした。飽和量にてPHisタンパク質を加え、1時間結合させた。プレートを洗浄し、アミノ末端のヒスチジンのタグを検出する抗His抗体を用いて結合したPHisを検出した。幾つかの実験から、OD405で0.2未満の結合値を持つペプチドは、主として抗His抗体とペプチドとの交差反応により生じるバックグランド結合を示すことが確定された。図3から、PHisが、OD405で0.2を越えるペプチド、N4、N8、N11及びN17と結合することは明らかである。PHisに結合するペプチドの配列を図6に示す。ペプチドの分布によって、Nタンパク質におけるPタンパク質の結合部位には、Nタンパク質における幾つかの異なった領域が関与し、それが折り畳まれて単一のPタンパク質結合ドメインを形成するという考え、又はもう1つの方法として、それらが別々にPタンパク質を結合する別個の領域であるという考えに導かれる。
Hisの結合は異なったペプチドの間(N4〜N17を比べて)で変動するということは、Nタンパク質の種々の領域が異なった比率でN−P相互作用の親和性定数に寄与することを示唆している。RSVのPタンパク質は幾つかのNタンパク質結合部位を有し、Nタンパク質がヌクレオカプシドにて複合体形成しているか、又は可溶性形態(N)であるかどうかによって、それらが異なった機能に関して使われていると思われる。これによってNタンパク質における幾つかのPタンパク質結合部位を説明してもよい。
RSVのN−P相互作用のNペプチドによる阻害
Hisタンパク質に結合するペプチドのいずれかがPHisタンパク質に対するNHisタンパク質の結合を阻害できるのかどうかを調査するのは興味深かった。ペプチドN8、N11及びN17による最初の試みは、好適ではない緩衝液(1μg/mlの濃度において0.01%v/vの酢酸を含有する)を使用することが必要であるという、水における溶解性の問題により問題があることが判った。これらの緩衝液条件は、ペプチドの非存在下でさえ、N−P結合を妨害する。従って、N4だけが、PBSに可溶であり、PHisに結合するので(図3)好適であった。陰性対照ペプチドとして、PHisに結合しないN16を用いた(図3を参照のこと)。
Hisを用いて微量プレートをコートした。洗浄し、遊離のタンパク質の結合部位をブロックした後、異なった量のN4又はN16(0μg/ml<100μg/ml)と共に室温にて1時間、プレートをインキュベートした。飽和量のNHisをウエルに室温にて1時間加えた。抗Nタンパク質ウサギポリクローナル抗体、NRP14及びHRP連結抗ウサギ抗体を用いて、結合したNHisタンパク質を検出した。図4は、固相化されたPHisタンパク質に対するNHisの結合においてペプチドN4の存在が大幅な低下を引き起こすことを示している。結合は相対的に低い濃度でバックグランドレベルまで低下しており、結合における大きな低下は10μg/ml(およそ4.5x10−6M)で起きている。N16は、試験管内でのPタンパク質へのNの結合に影響しない。従って、このアッセイでは、ペプチドN4は、N−P結合に対して阻止活性を有すると思われる。ペプチドN4は、PHisの結合部位へのNHisによる接近を妨害してPHisに結合する可能性があるかもしれない。N4ペプチドはRSVのN−P相互作用に決定的な配列を包含する可能性がある。
N16、N18、N21、N22及びN23と共に同様の実験を繰り返したが、その結果を図5に示す。これらの結果は、ペプチドN22もN−P相互作用を妨害することが可能であることを実証している。
考察
Nタンパク質に対するモノクローナル抗体及びNタンパク質のアミノ酸配列の97%を表す一連のペプチド(図7)を用いて、RSVのNタンパク質とPタンパク質との間の相互作用を試験管内で調査した。
GST−N融合タンパク質(詳細は示さず)に対して幾つかのモノクローナル抗体を作製し、RSVのNタンパク質の構造的解析に供した。RSVを感染させたCV−1細胞で生産されたNタンパク質に対しての反応性について、幾つかの免疫アッセイにおいてそれらを調査した(図8)。ウエスタンブロットアッセイにおいていずれも反応性であったということは、それらが線形エピトープを標的とする可能性が最も高いことを示している。利用可能な16のうち、7について2つのドメインのうち1つにマップすることができた(ペプチドN2:a/a16〜35、N23:a/a331〜350及びN24:a/a346〜365、図6および8)。モノクローナル抗体が隣接するペプチドと反応しないということは、実際のエピトープが各ペプチドに固有の10アミノ酸の範囲内にあることを示唆している。ペプチド走査によりマップしたモノクローナル抗体のほとんど(5/7)がカルボキシドメインに位置していた。抗ヌクレオカプシドタンパク質ポリクローナル抗血清、αNRP14もRSVのNタンパク質のカルボキシ末端に結合する(データは示さず)ということは、RSVのNタンパク質のカルボキシドメインが優性B細胞エピトープを含有することを示している。RSVのNタンパク質のアミノ末端及びカルボキシ末端は、回復期の患者において有力な免疫学的な標的であることがこれまでに明らかにされている。部分的にマップされたモノクローナル抗体の性状分析については、さらに研究中である。モノクローナル抗体は、ヌクレオカプシドの会合におけるNタンパク質の構造的研究に役立つはずである。
さらに短いペプチドを用いてさらなるマッピングを行い、ペプチドN4の中に実際のエピトープの位置を決定したが、その結果を図9に示す。これは、3つのさらに短いペプチド、N4.6、N4.7及びN4.10がN−P相互作用に有意な効果を及ぼすことを示している。N4.9は有意な効果を及ぼさないさらに短いペプチドの一例として示され、一方N20は、陰性対照に加えられた。活性のあるペプチドすべてに共通するのは、10のアミノ酸配列、KLCGM LLITEであることが認められている。
本研究で作製された2つのモノクローナル抗体、一方はアミノドメインからのもの(αN009)、他方はカルボキシ領域からのもの(αN003)を用いて、我々はPタンパク質へのRSVのNタンパク質の結合を調査した。これまでの報告は、Pタンパク質とのNタンパク質の相互作用には3つのドメインのそれぞれに対する役割が関係するとみなされていた。我々は、これらのモノクローナル抗体によるN−P相互作用の阻止(図1b及び1c)を認めたが、それはこれまでの知見と一致している。クリシュナムルシー及びサーマル(J.Gen.Virol., 79:1399-1403, 1998)は、酵母2ハイブリッド系を用いてウシのRSVのN−P相互作用を調査した。カルボキシ末端における小さな欠失(31までのアミノ酸)は、アミノ末端の別の40アミノ酸の欠失がそうであったように、Pタンパク質の結合喪失を生じた。しかしながら、アミノ末端とカルボキシ末端の双方を同時に欠失させると結合は回復した。これらの結果は、RSVのNタンパク質の末端は、N−Pの結合に役割を担っているが、Pタンパク質の結合部位を表しているのではなく、Nタンパク質のほかの要素がPタンパク質の結合に関与していることを示している。末端は、構造的な役割を担っている可能性があり、1つを除くとNタンパク質の中で好ましくない高次変化を生じ、N−P相互作用を妨害するのかも知れない。他方の末端における第2の欠失は、Nタンパク質の代償的高次再構成を生じ、RSVのNタンパク質におけるPタンパク質結合部位に接近することができる。我々の抗体は、αN009と同様に、クリシュナムルシー及びサーマルが欠失させたドメインの中に、又はαN003と同様にその近傍にマップされる。NHisタンパク質がモノクローナル抗体と相互作用すると(図1cを参照のこと)、N−P相互作用の阻止を観察することができる。αN003又はαN009を用いたNHisの捕捉は、NHisがPHisと相互作用するのを妨害した。同様に、固相化されたPHisによるNHisの捕捉は、モノクローナル抗体による接近を妨害すると思われ、さらに、Nタンパク質に対するポリクローナル抗血清(NRP14)は、NHisが実際にPHisタンパク質により捕捉されたことを示している(図1b)。図2におけるRIPAはモノクローナル抗体の阻止活性を裏付けている。Nタンパク質とPタンパク質は、Nタンパク質に対するポリクローナル抗血清(NRP14)又はPタンパク質に対するポリクローナル抗血清(PRP658)のいずれかによって共沈降される。しかしながら、モノクローナル抗体はNタンパク質とPタンパク質を共免疫沈降しない。G.テイラー(英国、コンプトン、家畜衛生研究所)に供与されたNタンパク質に対するモノクローナル抗体もNタンパク質と共にPタンパク質を沈降する(データは示さず)。このモノクローナル抗体が結合するところは確定されていない。図2においてαN003とαN009によって沈降されるタンパク質は、Pタンパク質と複合体を形成していない、又はPタンパク質がモノクローナル抗体に置き換えられたNタンパク質を表している可能性がある。Nタンパク質からのPタンパク質の置き換えはこれまでに、抗hPIVIのNモノクローナル抗体について記載されている(Ryan, Portner & Murti, Virology, 193:376-384, 1993)。図1b及び1cのELISAデータは、我々が競合種の変換を見ていないので、観察された相互の阻止活性に対する置き換えの説明を支持することにはならない。モノクローナル抗体のエピトープもPタンパク質の結合部位を表すということも度外視することができる。図1dは、微量プレートに固相化されたNHisに結合させるのにモノクローナル抗体が使用された場合に得られるデータの例を表す。競合リガンドの添加の順にかかわらず、阻止活性が認められなかったということは、固相化NHisのおそらく異なった分子上における別の結合部位を示唆している。
我々の解釈は、Nタンパク質のアミノ末端とカルボキシ末端がPタンパク質結合部位の近傍で折り畳まれているというものである。モノクローナル抗体又はPHisタンパク質がNHisタンパク質を捕捉する際に認められる相互の阻止は、モノクローナル抗体の結合ドメインとPタンパク質の結合ドメインが極めて近接していることによる。従って、立体障害によって競合リガンドに対する接近が阻止される(図1b及び図1c)。我々は、一方のリガンドへの結合の影響がNタンパク質の中で高次変化を引き起こし、その結果、他方の結合部位を隠してしまうということを度外視することはできない。このデータは、クリシュナムルシー及びサーマルのデータと共に、RSVのNタンパク質のアミノ末端とカルボキシ末端における変化が、おそらくPタンパク質の結合部位を妨害するNタンパク質内での高次移動によるN−P結合に対する有害効果を有することを示唆している。
ペプチド走査プロトコールを用いて、RSVのN−P結合の相互作用に関与するNタンパク質における配列を同定した。ペプチド結合のデータは、PHisがNペプチドのサブセット、N4、N8、N11及びN17に強く結合することを示している(図3)。ペプチドがNタンパク質アミノ酸配列(a/a46〜360、図7)のおよそ314アミノ酸の領域にわたるということは、Pタンパク質の結合部位がNタンパク質の広い範囲の領域を一緒に折り畳むことにより形成されうることを示唆している。PHisと相互作用するペプチドを用いて、ペプチド阻止実験においてそれらがN−P相互作用を阻害できるかどうかを確定しようと試みた。残念なことに、酸性緩衝液(0.01%v/vの酢酸)を必要とするという溶解性の問題のために、N8、N11およびN17は阻止試験に好適ではなかった。N8、N11及びN17で表される領域をカバーするさらに小さなペプチドを合成することによってこの問題が解決される可能性がある。しかしながら、阻止アッセイに用いると、ペプチドN4は固相化PHisへのNHisの結合を妨害した(図4)。ペプチドN4はPタンパク質を結合するのに関与する配列を含有する可能性がある。また、このデータは、モノクローナル抗体はN−P相互作用を阻止するが、Pタンパク質と同一部位には結合しないという図1dの観察を裏付けている。
その他のウイルス系でのN−P相互作用の解析は、センダイウイルス、hPIVI及びVSVのN−P結合においてNタンパク質のカルボキシ末端の役割が関係するとみなされている。
我々は、Nタンパク質のカルボキシ末端部分におけるペプチドへのPタンパク質の有意な結合を認めなかった(図3)。これは、RSVのNタンパク質のカルボキシ末端における39までのアミノ酸を欠失してもPタンパク質の結合活性を保持するという、クリシュナムルシー及びサーマル並びにガルシア・バレノら(J.Virol., 70:801-808, 1996)に一致する。タカクスら(Proc.Natl.Acad.Sci, USA, 90:10375-9, 1993)は、哺乳類の2ハイブリッド系を用いて、VSVのNタンパク質とPタンパク質との相互作用を調べた。VSVのN−P相互作用は、VSVのNタンパク質のカルボキシ末端の後から10アミノ酸を欠失させる及び/又は突然変異誘発することによって激しく乱れた。しかしながら、VSVのPタンパク質のこれらアミノ酸への結合は実証されなかった。センダイウイルス、hPIVI及びRSVにおけるこれまでの研究は、Pタンパク質の結合が乱されるという分析に依存していた。これらドメインへの積極的な結合は実験的には証明されていなかった。従って、欠失による解析は、これらの系においてNタンパク質の誤った高次の折り畳みを誘導し、その結果、機能的ではないタンパク質生成物を生じている可能性がある。しかしながら、N−P相互作用におけるNタンパク質のカルボキシ末端の役割は明らかである。それが、Pタンパク質との直接的な結合に関与する可能性もあるが(これまでの研究で関係するとみなされたように)、最も確かなことは、Nタンパク質におけるPタンパク質結合部位の整合性を維持する構造的役割を有することである。Nタンパク質がウイルス成分及び細胞成分といかにして相互作用するのかという見識は、ウイルスの複製を理解するのに役立つ可能性がある。
1aから1dはそれぞれNHisタンパク質とPHisタンパク質の試験管内での結合に対するモノクローナル抗体αN003及びαN009の効果を示した図 感染細胞溶解物のRIPAを示した図 N特異的ペプチドに対する組換えPHisタンパク質の反応性を示した図 ペプチドN4によるN−P結合の阻止を示した図 Nタンパク質のカルボキシ末端由来のペプチドの阻害効果を示した図 6aおよび6bはそれぞれ本研究でPHis又はモノクローナル抗体のいずれかに結合したペプチドの配列を示した図 本研究で用いたペプチドの一覧を示した図 作製したモノクローナル抗体及び種々の免疫アッセイにおける反応性の一覧を示した図 N−P相互作用に対するペプチドN4に由来する小さなペプチドの影響を示した図 精選したペプチド配列を示した図

Claims (28)

  1. 呼吸器合胞体ウイルス(RSV)のリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害する化合物。
  2. 化合物がRSVのリンタンパク質のカルボキシ末端に結合する請求項1に記載の化合物。
  3. 化合物がリンタンパク質のC末端の20アミノ酸に結合する請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 化合物が配列SEQ ID No.1を有するペプチドに結合する請求項1に記載の化合物。
  5. 化合物がSEQ ID No.1に少なくとも75%の配列相同性を有するペプチドに結合する請求項1に記載の化合物。
  6. 化合物がSEQ ID No.1に少なくとも90%の配列相同性を有するペプチドに結合する請求項5に記載の化合物。
  7. 化合物がSEQ ID No.1に少なくとも95%の配列相同性を有するペプチドに結合する請求項6に記載の化合物。
  8. 化合物がペプチドを含む上記請求項のいずれかに記載の化合物。
  9. ペプチドがSEQ ID No.2のアミノ酸配列を含む請求項8に記載の化合物。
  10. ペプチドがSEQ ID No.2に80%の相同性を有する配列を含む請求項8に記載の化合物。
  11. ペプチドがSEQ ID No.2に90%の相同性を有する配列を含む請求項10に記載の化合物。
  12. ペプチドがSEQ ID No.2に95%の相同性を有する配列を含む請求項11に記載の化合物。
  13. ペプチドがSEQ ID No.3のアミノ酸配列を含む請求項8に記載の化合物。
  14. ペプチドが、SEQ ID No.4、5又は6のアミノ酸配列、若しくはこれらの保存的アミノ酸置換を持つ配列を含む群から選択される請求項8に記載の化合物。
  15. 化合物が抗体を含む請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  16. 呼吸器合胞体ウイルス感染症の治療用の薬物の調製における、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害する化合物の使用。
  17. 生理的に許容可能なキャリアと組み合わせた、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害する、薬学上活性のある量の化合物を含む配合。
  18. 活性のある化合物が脂質膜に内包される請求項17に記載の配合。
  19. 呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻止する、脂質膜に内包され、そのための生理的に許容可能なキャリアと組み合わせた、化合物の薬学上活性量を包含する薬剤送達装置。
  20. 送達装置が、薬学上活性のある量の化合物を患者の呼吸器系に投与するように設計される請求項19に記載の薬剤送達装置。
  21. 前記化合物の噴霧処方を含有する定量吸入装置を含む請求項20に記載の薬剤送達装置。
  22. 試験試料において呼吸器合胞体ウイルスを検出するキットであって、リンタンパク質への化合物の結合を検出する試薬と組み合わせて、呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害する該化合物を含むキット。
  23. 呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害する化合物であって、固体の支持体基板に固相化された化合物。
  24. 呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害するペプチドを発現する組換え細胞。
  25. 呼吸器合胞体ウイルスのリンタンパク質に結合し、且つ、呼吸器合胞体ウイルスのヌクレオカプシドタンパク質への前記リンタンパク質の結合を阻害する化合物の同定における、SEQ ID No.1のアミノ酸配列を含むペプチドの使用。
  26. 呼吸器合胞体ウイルスに関連するウイルスのリンタンパク質に結合する化合物の同定における、SEQ ID No.1のアミノ酸配列に少なくとも75%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含むペプチドの使用。
  27. アミノ酸配列がSEQ ID No.1の配列に少なくとも90%の配列相同性を有する請求項26に記載のペプチドの使用。
  28. アミノ酸配列がSEQ ID No.1の配列に少なくとも95%の配列相同性を有する請求項27に記載のペプチドの使用。
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