JP2005508101A - 電子ビーム励起超伝導アナログ・デジタル変換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】A/Dコンバータで、アナログ電圧シグナルをデジタル表現に高速に変換することためのシステムと方法が提供される。この発明は、N本の超伝導、好ましくはHTCの、伝送線で製造されたNビットのA/Dコンバータが教示される。N本の線は各々と並列に、かつ、隣接して配置される。各ラインには、2N−1個のジョセフソン接合素子が直列に埋め込まれている。前記ジョセフソン接合素子は前記N本の超伝導伝送線の構成上にマトリックスを構成し、前記ジョセフソン接合素子を、N桁のバイナリ番号をX方向に沿って生成し、さらに前記N桁のバイナリ番号がY方向に沿って整数順に並ぶように、置くものである。走査用電子ビームがこの配列に当てられるために生成される。このビームは、前記線を横切る方向に高周波数で走査され、適用された電圧信号によって線に沿う方向に偏向される。前記電子ビームはジョセフソン接合素子の一つに当たる状態で前記N本の超伝導伝送線のいずれか1つの上で電圧ステップを生成する。このようにビームを交差走査することで、Nビットステップの電圧パターンが前記線上に生成される。前記パターンは入力電圧信号の直接的なデジタル読取値となる。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ−ディジタル変換に関し、特に、高速アナログディジタル変換のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルプロセシングの進歩は、科学・技術およびデジタル処理アプリケーションにおける多くの努力にかなりの衝撃を与えている。デジタル方式の機器の能力を利用し処理するために高速のアナログ信号をデジタル表現に変換する必要がある場合が多くある。キーとなる要素は、多くのシステムの重大なフロントエンドであるアナログ・デジタル変換器(A/Dコンバータ)として知られているデバイスである。しかし、A/Dコンバータの性能はデジタル方式の処理装置より劣るため、それが、多数のアプリケーションについて、完全なデジタル化を図る上での障害となっている。
【0003】
約10ビットを超える分解能で、30MHz〜3GHzの間で動作するA/Dコンバータが望まれている。これらのA/Dコンバータは、レーダのフロントエンド、妨害レシーバ、画像処理、HDTV、その他の、構成要素として使用することができる。従来の半導体素子は、周知のシステム上の制限を有していたため、上記で要求される性能を満たすことができない。たとえば、現在のシリコンバイポーラ技術では1GHzで4ビット分解能を達成し、ガリウム砒素異質接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)では1GHzで6ビット分解能を達成すると予測される。これは、ジョゼフソン接合(JJ)技術が、最新のデジタルシステムに必要な性能を発揮する可能性が最も高いという余地を残すものである。液体He温度で作動する最速のジョゼフソン接合フラッシュA/Dコンバータは、1GHzで6ビット、10GHzで3ビットを達成した。これらの低臨界温度(Tc)回路は、高Tc(HTC)超電導を使用して再現することができない高い非線形を有する高品質のジョゼフソン接合を必要とする。従って、多くの周知の低Tcジョセフソン接合回路およびその概念は、HTC超電導内では実行できないと考えられる。したがって、この種の周知の技術が能力レベルにおいて基本的限界に達すると結論することは妥当であり、そして、新規な方法を追求することは正当化でありかつタイムリである。
【0004】
したがって、従来の低Tcジョセフソン接合素子を使用する事によって可能であると考えられていたよりも高い能力レベルのオーダを生成するHTC超電導に基づく、新しいA/D変換システムおよび方法に対する技術のニーズは以前として残る。特に、10ビットの分解能で10GHzを上回る帯域幅の能力を有するA/D変換システムに対するニーズがあり、そして、それは従来周知の技術によっては成し遂げることが不可能である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術の、上記で議論され、及びその他の問題および欠陥は、本発明のA/Dコンバータとして公知の、アナログ電圧信号をデジタル表現に変換するためのシステムと方法によるいくつかの方法や装置によって克服されるかまたは軽減される。
【0006】
本発明は、N本の超伝導、好ましくはHTCの、伝送線によって作成されたN-ビットA/Dコンバータを教示する。前記N本の線は、互いに並列かつ近接して配置される。各線上には、2N - 1個のジョセフソン接合素子が直列的に埋め込まれる。従って、ジョセフソン接合素子は、N本の超伝導伝送線の構成上にマトリックスを構成し、それによって、前記伝送線を横切る方向に前記ジョセフソン接合素子がN桁の2進数を与え、長さ方向に沿って前記N桁の2進数が整数順に並ぶ。走査電子ビームが、この装置に当てるために生成される。このビームは高周波数で伝送線全体を横切ってスキャンされ、その一方で、それは印加電圧により線方向に沿って偏向される。ビームは、N個の伝送線の各線に電圧ステップを発生させ、N個のジョセフソン接合素子のいずれか1つを打つ状態にする。このようにして、各ビームの交さ走査により、Nビットステップの電圧パターンがその伝送線上に生成される。このパターンは、入力電圧シグナルの直接の読み取り数値となる。
【0007】
上記の議論されたおよびその他本発明の特徴および効果は、以下の詳細な説明および図面から当業者によって理解されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願明細書では、従来の低Tcジョゼフソン接合(JJ)素子を使用して可能であると思われていたものよりも高いパフォーマンス・レベル・オーダーを生成することができるHTC超電導弱リンク素子に基づく新規なA/Dコンバータ・システム及び方法が、開示される。このシステムは、2つの現象に依存する。第1に、電子ビームが数GHz周波数範囲内で偏向可能であること。第2に、ジョーゼフスン接合素子(JJ)は、適当な電子ビームが当たることで電圧状態に変換されること。この超高性能のA/Dコンバータは、電子ビームのインタラクションを、超伝導素子及び回路とともに利用する。特に、本願明細書において開示されたシステム及び方法は、10GHzを上回る帯域幅で、電子ビームを偏向させることができ、10ビットの分解能で10GHz帯域幅の性能を有するA/Dコンバータを提供できる。これは、従来の技術によって成し遂げるのが不可能であったものである。このハイブリッドのシステムは、また、超伝導伝送線の重要な低分離性という性質と、HTC弱リンクの超高速スイッチングによる利益を受ける。1の実施例において、500MHzから1GHzのアナログ帯域幅を有する12ビットA/Dコンバータが、実現可能である。これは、他の技術によれば高いオーダーである。他の実施例ではA/Dコンバータの性能を、12のビットで10GHzの性能まで向上させることが出来る。
【0009】
エネルギを有する電子ビームによって励起された場合、ジョゼフソン接合素子は、0電圧状態から有限の電圧状態にスイッチされる事は、よく知られている。このビームは、ジョーゼフスン電流を抑制する準粒子を生成する。図1は弱リンク・タイプのジョセフソン接合素子の現在の電圧特性であり、それは臨界電流Joを有し、それは、電流Igでバイアスされた電流である。電子ビームが印加された場合、JoはI’o(Igのより低い)に抑制され、素子を0電圧状態からVoまで切替えさせる。この素子は、電子ビーム励起を除去すると、0電圧状態にリセットされる。弱リンク・タイプ・ジョセフソン接合素子のスイッチング・スピードは、サブピコ秒のレンジであることは周知である。これを達成するために、電子ビームのエネルギーEeは、同時に、ジョーゼフスン・エネルギーEj=IoMo/2Bのオーダーになければならならず、ここでEeは超伝導凝結エネルギーよりも非常に小さくなければならない。ジョゼフソン素子を使用した場合、Ioを0.1〜ImAの範囲に、そして、電子ビーム電流及び電圧をそれぞれ、数μA及び数KVに、そして、ビーム励起パルス周期を1−10のピコ秒値域にするという条件は容易に満たすことができる。
【0010】
図2は、本願明細書において開示される複数ビットA/Dコンバータ・システムの構成要素としての伝送線20を示すものである。この伝送線20は、複数のジョセフソン接合22を連続的に含む(図2の断面によって示されるように)非分散HTC超伝導伝送線である。伝送線20は一般にZoの特性インピーダンス効果(数オーム)があり、そして、両端でマッチ(matched)されている。電流供給はIgでジョセフソン接合をバイアスし、そして、上に示したように、電子ビームがこれらの接合のいずれか一つにヒットした場合に、電圧パルスVoが生成され、線の出力端部に送られる。この伝送線は、左から右へ信号の伝達遅れ時間Tを定義する長さLを有し、ここで、Tは、Vpが伝送線位相速度であり、実際的な状況において、光速の1/3に等しい場合に、T=L/vpである。伝達遅れ時間は、一般にA/Dコンバータの分解能の帯域幅およびビットを制限する。
【0011】
したがって、A/Dコンバータは図2で示したN本の伝送線20を含む。動作原理は図3に示され、この実施例では3ビットのA/Dコンバータ30が示されている。この場合、3本の伝送線32a、32bおよび32cは、各々に隣接して配置されており、クロストークを最小にするために適切な距離だけ離間している。これらの伝送線32a、32bおよび32cはY方向に沿って設けられ、電子ビームはX方向に沿ってスィープまたはスキャンにされる。また、図3に示されるのは、23または8本の、Y0からY7によって示される行である。XY平面において、8つの行および3つのカラム(3つの伝送線32a、32bおよび32c)を有するマトリックスが形成される。各行の位置を表示しているビット・パターンは、各行のジョゼフソン接合(X)の番号によって示される。たとえば、第1の行、Yoは、ジョセフソン接合素子を有さず、Yo位置を表示しているビット・パターンは(0、0、0)である。他方で、Y7は3つのジョセフソン接合素子を有し、そして、ビット・パターンは(1、1、1)である。A/Dコンバータ機能を達成するため、これは、非常に速くXY平面方向で電子ビームをスキャンする能力を利用する。20GHZに近づく帯域幅の電子ビーム偏向が可能である。X方向において、電子ビームはサンプリング周波数fs(fs>10GHz)で、連続的にスィープされる。入力アナログ信号がY偏向システムに印加され、ビームをY方向に、入力アナログ信号の値に応じて、YoからY7の間の位置に向かって、偏向させる。たとえば、入力アナログ信号がゼロである場合、電子ビームは第1の行(Yo)を横切ってX方向にスィープされ、そして、この場合、この行にはジョゼフソン接合がないので、3つのラインの出力電圧はビット・パターン(0.0.0)である。入力電圧が最も高い場合、ビームは、第8の行(Y7)を横切ることができるようにY方向に偏向させられ、そして、3つのジョゼフソン接合がスイッチングを行い(図1および2に従って)、そして、出力はビット・パターン(1、1、1)である。もちろん、値がゼロと最高値の間にある場合、ビームは他の行を横切ってスィープすることになる。アナログ信号が変化するにつれて、出力ビット・パターンはサンプリング周波数fsでそれを反映するために変わる。本願明細書において当業者によって理解されるべきことは、ジョセフソン接合素子が"1"に割当てられそして"0"を無効にするように割り当てられるか、若しくはその逆に割当てられるかということは、任意であるということである。
【0012】
前記3ビットA/Dコンバータ30は、明らかに超伝導伝送線のゼロ抵抗及び非分散品質、前記ジョゼフソン接合の極めて高いスイッチング・スピードおよびXY方向に数GHzで電子ビームを偏向させる能力に依存している。
【0013】
図4において、Nビットの一般的なA/Dコンバータ40が示される。ここでは、当然、N本の伝送線42a、42b、42c...42N−1が必要である。前記行は周期pで、ジョセフソン接合素子の長さで繰り返し、そして、それはまたボイド、すなわちジョセフソン接合素子のないラインの最も短い部分、の部分の長さである。各伝送線の全長は、L=p2Nである。この関係は、Lが一定に保たれる場合、pの値が減少するにつれて、ビットの数が増加し、それによってより広いアナログ帯域幅が許容される。アナログ帯域幅は、伝送線42中の信号の伝搬遅延Tによって制限され、それは伝送線の長さに関連する。A/Dコンバータ40の帯域幅は、BW=1/2Tで表すことができる。
【0014】
サンプリング周波数は、電子ビームがX方向にスィープされる周波数であり、それは、システムの最大性能を決定するものである。システムの最大アナログ帯域幅BWは、1/2fsを超えることができない。図5に示すように、A/Dコンバータの性能は、3つの線若しくは領域によって一般的に区画される。
【0015】
平坦な領域は、Y-方向の電子ビーム偏向帯域幅、fsおよびBW=fs/2という関係によってに制限される。サンプリング間隔がほぼ3Tより長い場合に限り、アナログ帯域幅BW=fs/2は分解度を表すビットから独立している。P=0.5ミクロンでビーム・サイズが直径0.5ミクロンに等しい場合、fs=20GHZは最大アナログ帯域幅10GHZと最大ビット番号N=13を与える。
【0016】
光は領域を制限し、すなわち、N>13の場合、帯域幅はビットの数に対して以下の公式に示すように関連する:BW=(c/2np)x(1/2N)ここで、cは光の速度であり、nはcと比べて伝送線位相速度がどれくらい遅いかを反映するもので、個々では3であると過程され、そして、pはピッチである。この式から、1GHzのBWで、N=17ビットのものを得る。
【0017】
前記数式では、伝送線長さは無限に長くはないことから、図5に示す最大長さに関する限界が与えられる。経験による直感、マイクロ素子の製造のような実務的な制約、電子ビーム・スキャン距離、ビームのデフォーカス、その他に基づき、最大伝送線長は約10cmであり、この場合、A/Dコンバータの性能は500MHzの帯域幅で18ビットの分解能を有する。
【0018】
ピッチを0.5ミクロン以下にし、電子ビーム偏向帯域幅を20GHZよりも大きくすることにより、図5の破線の曲線で示すように、更に性能を向上させることが可能である。両方とも、電子ビーム偏向システムの精密な設計と共に、高度なリソグラフィおよびマイクロ素子の製造技術によって実現可能である。
【0019】
前述の分析から、本発明の電子ビームA/Dコンバータが最も進んだジョセフソン接合回路よりも高い性能のオーダを有するものであることは明らかである。13ビットの分解能でアナログ帯域幅が10GHz、又は17ビットで1GHzを得る可能性は、他の技術を用いて企図することは不可能である。この種の極めて高い性能レベルを達成することへのキーファクターは、10GHzを超える帯域幅の電子ビーム偏向回路を製造する能力である。これは、S.M. Kocimski(IEEE Translations on Electron Devices,Vol.38.page 1524,June,1991)によって示されている。この新規な概念の重要な他の効果は、ジョゼフソン接合が、鋭準パーティクルトンネリングコンポーネントを有するトンネル接合ではなく、弱リンク・タイプのものであることが可能であるということである。弱リンクは、HTC超伝導材料を使用して直ぐに作ることができ、それにより図6で示すミニチュア冷凍器で77°Kまで冷却することができる。
【0020】
20GHz若しくはそれを超えるの偏向帯域幅を達成することとの主な問題は、N>10の場合に2Nを超えるダイナミック・レンジでの線形性に関係している。幸いにも、開示されたA/Dコンバータ・アーキテクチャは、超伝導チップでこれにアドレスすることができる。ピッチpで周期的に繰り返す行の代わりに、あるグループの行は、非線形の測定によって決定される可変スペースを有する。このスキームにより、したがって、非線形を最小にすることができる。
【0021】
超高性能なA/Dコンバータ・システム70の好適な実施例が、図7に略図で示される。A/Dコンバータ・システム70は、3つの大きなサブシステムを含む。電子ビームサブシステム76は、例えば、0.5ミクロンの直径、0.1μA、所望のアナログ帯域幅に応じて1〜5KVの範囲の電圧の電子ビームを発生し送ることが出来る能力を有する公知の電子ビーム発生器を有する。性能に応じて、XY方向偏向回路は、100MHz〜200GHzの範囲の帯域幅を達成するように設計されている。
【0022】
超伝導伝送線チップ76が、適切な絶縁体および抵抗器技術およびレギュレートされた電源と共に提供され、それは、図2〜4に関して説明されたように線形の送信を達成できる、高Tc超伝導伝送線および弱いリンク素子を利用するものである。チップ76は、好ましくは、室温エレクトロニクスをインタフェースするための広帯域幅増幅器を含む。上面側が真空状態であるように、チップ76は真空シール装置においてパッケージ化されなければならない、そして、他の表面が熱的に冷却のサブシステム78に接続すると共に、電子ビーム励起にさらされる。
【0023】
冷却のサブシステム78は電源のミリワットのフラクションの超伝導回路からの消失を補償するために提供される。したがって、冷却の制限は、厳しくない。たとえば、冷却は、図6に示されるミニチュアのスターリングサイクル冷凍器を使用して、簡単に成すことができ、それは周知である。
【0024】
追加の電子部品、図7に具体的には示していないが、具体的には、線形広帯域幅増幅器、同時性ジェネレータおよび室温インタフェース電子部品や、メモリバッファおよびプロセッサのようなものも、特定のアプリケーションのために必要に応じて含ませることができる。
【0025】
上記のさまざまな本発明の態様に対する修正は、単なる例示である。例示の実施例に対する他の修正が当業者に直ちに思いつくと理解される。全てのこの種の修正および変更は、特許請求の範囲に定義された本発明の要旨及び範囲内であるとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、弱リンク・ジョーゼフスン接合素子の電流−電圧特性を示すものである。
【図2】図2は、電子ビームで励起された分散性の低いHTC超伝導線であって、両端でマッチし、一連の弱リンクを含むものを示すものである。
【図3】図3は、3ビットの、電子ビーム励起超伝導A/Dコンバータを示すものである。
【図4】図4は、一般的な、Nビットの、ビーム励起超伝導A/Dコンバータを示すものである。
【図5】図5は、例として実施例の電子ビームA/Dコンバータの期待される能力を示すものである。
【図6】図6は、ミニチュアのスターリング・クローズド・サイクル冷凍器を示すものである。
【図7】図7は超高性能なアナログ−デジタル・コンバータシステムの概略図を示すものである。
【0001】
本発明は、アナログ−ディジタル変換に関し、特に、高速アナログディジタル変換のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルプロセシングの進歩は、科学・技術およびデジタル処理アプリケーションにおける多くの努力にかなりの衝撃を与えている。デジタル方式の機器の能力を利用し処理するために高速のアナログ信号をデジタル表現に変換する必要がある場合が多くある。キーとなる要素は、多くのシステムの重大なフロントエンドであるアナログ・デジタル変換器(A/Dコンバータ)として知られているデバイスである。しかし、A/Dコンバータの性能はデジタル方式の処理装置より劣るため、それが、多数のアプリケーションについて、完全なデジタル化を図る上での障害となっている。
【0003】
約10ビットを超える分解能で、30MHz〜3GHzの間で動作するA/Dコンバータが望まれている。これらのA/Dコンバータは、レーダのフロントエンド、妨害レシーバ、画像処理、HDTV、その他の、構成要素として使用することができる。従来の半導体素子は、周知のシステム上の制限を有していたため、上記で要求される性能を満たすことができない。たとえば、現在のシリコンバイポーラ技術では1GHzで4ビット分解能を達成し、ガリウム砒素異質接合バイポーラ・トランジスタ(HBT)では1GHzで6ビット分解能を達成すると予測される。これは、ジョゼフソン接合(JJ)技術が、最新のデジタルシステムに必要な性能を発揮する可能性が最も高いという余地を残すものである。液体He温度で作動する最速のジョゼフソン接合フラッシュA/Dコンバータは、1GHzで6ビット、10GHzで3ビットを達成した。これらの低臨界温度(Tc)回路は、高Tc(HTC)超電導を使用して再現することができない高い非線形を有する高品質のジョゼフソン接合を必要とする。従って、多くの周知の低Tcジョセフソン接合回路およびその概念は、HTC超電導内では実行できないと考えられる。したがって、この種の周知の技術が能力レベルにおいて基本的限界に達すると結論することは妥当であり、そして、新規な方法を追求することは正当化でありかつタイムリである。
【0004】
したがって、従来の低Tcジョセフソン接合素子を使用する事によって可能であると考えられていたよりも高い能力レベルのオーダを生成するHTC超電導に基づく、新しいA/D変換システムおよび方法に対する技術のニーズは以前として残る。特に、10ビットの分解能で10GHzを上回る帯域幅の能力を有するA/D変換システムに対するニーズがあり、そして、それは従来周知の技術によっては成し遂げることが不可能である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術の、上記で議論され、及びその他の問題および欠陥は、本発明のA/Dコンバータとして公知の、アナログ電圧信号をデジタル表現に変換するためのシステムと方法によるいくつかの方法や装置によって克服されるかまたは軽減される。
【0006】
本発明は、N本の超伝導、好ましくはHTCの、伝送線によって作成されたN-ビットA/Dコンバータを教示する。前記N本の線は、互いに並列かつ近接して配置される。各線上には、2N - 1個のジョセフソン接合素子が直列的に埋め込まれる。従って、ジョセフソン接合素子は、N本の超伝導伝送線の構成上にマトリックスを構成し、それによって、前記伝送線を横切る方向に前記ジョセフソン接合素子がN桁の2進数を与え、長さ方向に沿って前記N桁の2進数が整数順に並ぶ。走査電子ビームが、この装置に当てるために生成される。このビームは高周波数で伝送線全体を横切ってスキャンされ、その一方で、それは印加電圧により線方向に沿って偏向される。ビームは、N個の伝送線の各線に電圧ステップを発生させ、N個のジョセフソン接合素子のいずれか1つを打つ状態にする。このようにして、各ビームの交さ走査により、Nビットステップの電圧パターンがその伝送線上に生成される。このパターンは、入力電圧シグナルの直接の読み取り数値となる。
【0007】
上記の議論されたおよびその他本発明の特徴および効果は、以下の詳細な説明および図面から当業者によって理解されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願明細書では、従来の低Tcジョゼフソン接合(JJ)素子を使用して可能であると思われていたものよりも高いパフォーマンス・レベル・オーダーを生成することができるHTC超電導弱リンク素子に基づく新規なA/Dコンバータ・システム及び方法が、開示される。このシステムは、2つの現象に依存する。第1に、電子ビームが数GHz周波数範囲内で偏向可能であること。第2に、ジョーゼフスン接合素子(JJ)は、適当な電子ビームが当たることで電圧状態に変換されること。この超高性能のA/Dコンバータは、電子ビームのインタラクションを、超伝導素子及び回路とともに利用する。特に、本願明細書において開示されたシステム及び方法は、10GHzを上回る帯域幅で、電子ビームを偏向させることができ、10ビットの分解能で10GHz帯域幅の性能を有するA/Dコンバータを提供できる。これは、従来の技術によって成し遂げるのが不可能であったものである。このハイブリッドのシステムは、また、超伝導伝送線の重要な低分離性という性質と、HTC弱リンクの超高速スイッチングによる利益を受ける。1の実施例において、500MHzから1GHzのアナログ帯域幅を有する12ビットA/Dコンバータが、実現可能である。これは、他の技術によれば高いオーダーである。他の実施例ではA/Dコンバータの性能を、12のビットで10GHzの性能まで向上させることが出来る。
【0009】
エネルギを有する電子ビームによって励起された場合、ジョゼフソン接合素子は、0電圧状態から有限の電圧状態にスイッチされる事は、よく知られている。このビームは、ジョーゼフスン電流を抑制する準粒子を生成する。図1は弱リンク・タイプのジョセフソン接合素子の現在の電圧特性であり、それは臨界電流Joを有し、それは、電流Igでバイアスされた電流である。電子ビームが印加された場合、JoはI’o(Igのより低い)に抑制され、素子を0電圧状態からVoまで切替えさせる。この素子は、電子ビーム励起を除去すると、0電圧状態にリセットされる。弱リンク・タイプ・ジョセフソン接合素子のスイッチング・スピードは、サブピコ秒のレンジであることは周知である。これを達成するために、電子ビームのエネルギーEeは、同時に、ジョーゼフスン・エネルギーEj=IoMo/2Bのオーダーになければならならず、ここでEeは超伝導凝結エネルギーよりも非常に小さくなければならない。ジョゼフソン素子を使用した場合、Ioを0.1〜ImAの範囲に、そして、電子ビーム電流及び電圧をそれぞれ、数μA及び数KVに、そして、ビーム励起パルス周期を1−10のピコ秒値域にするという条件は容易に満たすことができる。
【0010】
図2は、本願明細書において開示される複数ビットA/Dコンバータ・システムの構成要素としての伝送線20を示すものである。この伝送線20は、複数のジョセフソン接合22を連続的に含む(図2の断面によって示されるように)非分散HTC超伝導伝送線である。伝送線20は一般にZoの特性インピーダンス効果(数オーム)があり、そして、両端でマッチ(matched)されている。電流供給はIgでジョセフソン接合をバイアスし、そして、上に示したように、電子ビームがこれらの接合のいずれか一つにヒットした場合に、電圧パルスVoが生成され、線の出力端部に送られる。この伝送線は、左から右へ信号の伝達遅れ時間Tを定義する長さLを有し、ここで、Tは、Vpが伝送線位相速度であり、実際的な状況において、光速の1/3に等しい場合に、T=L/vpである。伝達遅れ時間は、一般にA/Dコンバータの分解能の帯域幅およびビットを制限する。
【0011】
したがって、A/Dコンバータは図2で示したN本の伝送線20を含む。動作原理は図3に示され、この実施例では3ビットのA/Dコンバータ30が示されている。この場合、3本の伝送線32a、32bおよび32cは、各々に隣接して配置されており、クロストークを最小にするために適切な距離だけ離間している。これらの伝送線32a、32bおよび32cはY方向に沿って設けられ、電子ビームはX方向に沿ってスィープまたはスキャンにされる。また、図3に示されるのは、23または8本の、Y0からY7によって示される行である。XY平面において、8つの行および3つのカラム(3つの伝送線32a、32bおよび32c)を有するマトリックスが形成される。各行の位置を表示しているビット・パターンは、各行のジョゼフソン接合(X)の番号によって示される。たとえば、第1の行、Yoは、ジョセフソン接合素子を有さず、Yo位置を表示しているビット・パターンは(0、0、0)である。他方で、Y7は3つのジョセフソン接合素子を有し、そして、ビット・パターンは(1、1、1)である。A/Dコンバータ機能を達成するため、これは、非常に速くXY平面方向で電子ビームをスキャンする能力を利用する。20GHZに近づく帯域幅の電子ビーム偏向が可能である。X方向において、電子ビームはサンプリング周波数fs(fs>10GHz)で、連続的にスィープされる。入力アナログ信号がY偏向システムに印加され、ビームをY方向に、入力アナログ信号の値に応じて、YoからY7の間の位置に向かって、偏向させる。たとえば、入力アナログ信号がゼロである場合、電子ビームは第1の行(Yo)を横切ってX方向にスィープされ、そして、この場合、この行にはジョゼフソン接合がないので、3つのラインの出力電圧はビット・パターン(0.0.0)である。入力電圧が最も高い場合、ビームは、第8の行(Y7)を横切ることができるようにY方向に偏向させられ、そして、3つのジョゼフソン接合がスイッチングを行い(図1および2に従って)、そして、出力はビット・パターン(1、1、1)である。もちろん、値がゼロと最高値の間にある場合、ビームは他の行を横切ってスィープすることになる。アナログ信号が変化するにつれて、出力ビット・パターンはサンプリング周波数fsでそれを反映するために変わる。本願明細書において当業者によって理解されるべきことは、ジョセフソン接合素子が"1"に割当てられそして"0"を無効にするように割り当てられるか、若しくはその逆に割当てられるかということは、任意であるということである。
【0012】
前記3ビットA/Dコンバータ30は、明らかに超伝導伝送線のゼロ抵抗及び非分散品質、前記ジョゼフソン接合の極めて高いスイッチング・スピードおよびXY方向に数GHzで電子ビームを偏向させる能力に依存している。
【0013】
図4において、Nビットの一般的なA/Dコンバータ40が示される。ここでは、当然、N本の伝送線42a、42b、42c...42N−1が必要である。前記行は周期pで、ジョセフソン接合素子の長さで繰り返し、そして、それはまたボイド、すなわちジョセフソン接合素子のないラインの最も短い部分、の部分の長さである。各伝送線の全長は、L=p2Nである。この関係は、Lが一定に保たれる場合、pの値が減少するにつれて、ビットの数が増加し、それによってより広いアナログ帯域幅が許容される。アナログ帯域幅は、伝送線42中の信号の伝搬遅延Tによって制限され、それは伝送線の長さに関連する。A/Dコンバータ40の帯域幅は、BW=1/2Tで表すことができる。
【0014】
サンプリング周波数は、電子ビームがX方向にスィープされる周波数であり、それは、システムの最大性能を決定するものである。システムの最大アナログ帯域幅BWは、1/2fsを超えることができない。図5に示すように、A/Dコンバータの性能は、3つの線若しくは領域によって一般的に区画される。
【0015】
平坦な領域は、Y-方向の電子ビーム偏向帯域幅、fsおよびBW=fs/2という関係によってに制限される。サンプリング間隔がほぼ3Tより長い場合に限り、アナログ帯域幅BW=fs/2は分解度を表すビットから独立している。P=0.5ミクロンでビーム・サイズが直径0.5ミクロンに等しい場合、fs=20GHZは最大アナログ帯域幅10GHZと最大ビット番号N=13を与える。
【0016】
光は領域を制限し、すなわち、N>13の場合、帯域幅はビットの数に対して以下の公式に示すように関連する:BW=(c/2np)x(1/2N)ここで、cは光の速度であり、nはcと比べて伝送線位相速度がどれくらい遅いかを反映するもので、個々では3であると過程され、そして、pはピッチである。この式から、1GHzのBWで、N=17ビットのものを得る。
【0017】
前記数式では、伝送線長さは無限に長くはないことから、図5に示す最大長さに関する限界が与えられる。経験による直感、マイクロ素子の製造のような実務的な制約、電子ビーム・スキャン距離、ビームのデフォーカス、その他に基づき、最大伝送線長は約10cmであり、この場合、A/Dコンバータの性能は500MHzの帯域幅で18ビットの分解能を有する。
【0018】
ピッチを0.5ミクロン以下にし、電子ビーム偏向帯域幅を20GHZよりも大きくすることにより、図5の破線の曲線で示すように、更に性能を向上させることが可能である。両方とも、電子ビーム偏向システムの精密な設計と共に、高度なリソグラフィおよびマイクロ素子の製造技術によって実現可能である。
【0019】
前述の分析から、本発明の電子ビームA/Dコンバータが最も進んだジョセフソン接合回路よりも高い性能のオーダを有するものであることは明らかである。13ビットの分解能でアナログ帯域幅が10GHz、又は17ビットで1GHzを得る可能性は、他の技術を用いて企図することは不可能である。この種の極めて高い性能レベルを達成することへのキーファクターは、10GHzを超える帯域幅の電子ビーム偏向回路を製造する能力である。これは、S.M. Kocimski(IEEE Translations on Electron Devices,Vol.38.page 1524,June,1991)によって示されている。この新規な概念の重要な他の効果は、ジョゼフソン接合が、鋭準パーティクルトンネリングコンポーネントを有するトンネル接合ではなく、弱リンク・タイプのものであることが可能であるということである。弱リンクは、HTC超伝導材料を使用して直ぐに作ることができ、それにより図6で示すミニチュア冷凍器で77°Kまで冷却することができる。
【0020】
20GHz若しくはそれを超えるの偏向帯域幅を達成することとの主な問題は、N>10の場合に2Nを超えるダイナミック・レンジでの線形性に関係している。幸いにも、開示されたA/Dコンバータ・アーキテクチャは、超伝導チップでこれにアドレスすることができる。ピッチpで周期的に繰り返す行の代わりに、あるグループの行は、非線形の測定によって決定される可変スペースを有する。このスキームにより、したがって、非線形を最小にすることができる。
【0021】
超高性能なA/Dコンバータ・システム70の好適な実施例が、図7に略図で示される。A/Dコンバータ・システム70は、3つの大きなサブシステムを含む。電子ビームサブシステム76は、例えば、0.5ミクロンの直径、0.1μA、所望のアナログ帯域幅に応じて1〜5KVの範囲の電圧の電子ビームを発生し送ることが出来る能力を有する公知の電子ビーム発生器を有する。性能に応じて、XY方向偏向回路は、100MHz〜200GHzの範囲の帯域幅を達成するように設計されている。
【0022】
超伝導伝送線チップ76が、適切な絶縁体および抵抗器技術およびレギュレートされた電源と共に提供され、それは、図2〜4に関して説明されたように線形の送信を達成できる、高Tc超伝導伝送線および弱いリンク素子を利用するものである。チップ76は、好ましくは、室温エレクトロニクスをインタフェースするための広帯域幅増幅器を含む。上面側が真空状態であるように、チップ76は真空シール装置においてパッケージ化されなければならない、そして、他の表面が熱的に冷却のサブシステム78に接続すると共に、電子ビーム励起にさらされる。
【0023】
冷却のサブシステム78は電源のミリワットのフラクションの超伝導回路からの消失を補償するために提供される。したがって、冷却の制限は、厳しくない。たとえば、冷却は、図6に示されるミニチュアのスターリングサイクル冷凍器を使用して、簡単に成すことができ、それは周知である。
【0024】
追加の電子部品、図7に具体的には示していないが、具体的には、線形広帯域幅増幅器、同時性ジェネレータおよび室温インタフェース電子部品や、メモリバッファおよびプロセッサのようなものも、特定のアプリケーションのために必要に応じて含ませることができる。
【0025】
上記のさまざまな本発明の態様に対する修正は、単なる例示である。例示の実施例に対する他の修正が当業者に直ちに思いつくと理解される。全てのこの種の修正および変更は、特許請求の範囲に定義された本発明の要旨及び範囲内であるとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、弱リンク・ジョーゼフスン接合素子の電流−電圧特性を示すものである。
【図2】図2は、電子ビームで励起された分散性の低いHTC超伝導線であって、両端でマッチし、一連の弱リンクを含むものを示すものである。
【図3】図3は、3ビットの、電子ビーム励起超伝導A/Dコンバータを示すものである。
【図4】図4は、一般的な、Nビットの、ビーム励起超伝導A/Dコンバータを示すものである。
【図5】図5は、例として実施例の電子ビームA/Dコンバータの期待される能力を示すものである。
【図6】図6は、ミニチュアのスターリング・クローズド・サイクル冷凍器を示すものである。
【図7】図7は超高性能なアナログ−デジタル・コンバータシステムの概略図を示すものである。
Claims (6)
- 電圧信号のサイズに関する情報を得るシステムであって、
始点を有する超伝導伝送線と、
1又は2以上のジョセフソン接合素子であって、前記超伝導伝送線に埋め込まれ、前記始点から所定の間隔で並んでいる、前記ジョセフソン接合素子と、
電子ビームであって、前記超伝導伝送線に当てられるものであり、この電子ビームは電圧信号の大きさに比例する量だけ超伝導伝送線の方向に沿って変位するように受光されるものであり、そして、前記電子ビームは、前記1以上ジョセフソン接合素子のうちのいずれか1つに当たる状態で、前記超伝導伝送線上に電圧ステップを生成するものである、前記電子ビームと
を有するシステム。 - 請求項1のシステムであって、更に、
N−1本の追加の超伝導伝送線であって、このN−1本の追加の超伝導伝送線は、近接して配置され、実質的にお互いに並行であり、前記超伝導伝送線と共に、N本の実質的に同一の超伝導伝送線からなる構成を与え、その構成は2つの特徴的な方向、すなわち前記伝送線に沿う方向のY方向と、伝送線を横切るX方向を有する、前記追加の伝送線と、
N本の超伝導線構成上に埋め込まれたジョセフソン接合素子のマトリックスであって、このマトリックスは、N本の超伝導線の各一上の2N−1個のジョセフソン接合素子から形成され、ここで、前記ジョセフソン接合素子は、N桁のバイナリ番号がX方向に沿って、さらに前記N桁のバイナリ番号がY方向に沿って数値順に並ぶようになっている、マトリックスと、
電子ビームが周期的にN本の超伝導伝送線のそれぞれに当たるよう、前記電子ビームをx方向に偏向させる電圧走査と
からなる。 - 請求項2記載のシステムにおいて、前記超伝導伝送線は、HTC超伝導体材料で形成されているシステム。
- 請求項3記載のシステムにおいて、
前記HTC超伝導体材料が抵抗なしで電流を導通させる環境を提供する冷却サブシステムと、
吸引装置システムをさらに有する電子ビーム・サブシステムと
をさらに有するシステム。 - 時間変動電圧信号のNビットのデジタルサンプルを採る方法であって、
N本の超伝導伝送線を供給する工程であって、このN本の追加の超伝導伝送線は、互いに近接して配置され、実質的に互いに並行であり、2つの特徴的な方向、すなわち前記伝送線に沿う方向のY方向と、伝送線を横切るX方向とを有する構成を与えるものである、前記工程と、
N本の各超伝導線構成上に連続的に2N−1個のジョセフソン接合素子を埋め込む工程であって、前記ジョセフソン接合素子は前記N本の超伝導伝送線の構成上にマトリックスを構成し、前記ジョセフソン接合素子を、N桁のバイナリ番号をX方向に沿って生成し、さらに前記N桁のバイナリ番号がY方向に沿って整数順に並ぶように、置くものである、前記工程と、
前記N本の超伝導伝送線の配列上に電子ビームを当てる工程であって、前記電子ビームは走査電圧によってX方向に偏向され、前記電子ビームは周期的にN本の超伝導伝送線のそれぞれに当たるようになっており、前記電子ビームはまた時間変動電圧信号のサイズに比例してY方向に偏向されるように受光され、前記電子ビームはジョセフソン接合素子の一つに当たる状態で前記N本の超伝導伝送線のいずれか1つの上で電圧ステップを生成し、これによりN本の線上の前記電圧ステップは前記時間変動電圧信号をデジタル的に表すものとなる、前記工程と、
を有する方法。 - 請求項5記載の方法において、超伝導伝送線を構成するためのHTC超伝導体材料を選択する工程をさらに含む方法。
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