JP2005507995A - 抗抑制アッセイ - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の処置のための最近の治療法は一般に逆転写酵素およびタンパク分解酵素に焦点を当てている。しかし、エンベロープ糖タンパク質のようなHIVウイルスのいくつかのその他の遺伝子生成物も、感染に重要な役割を果たす。
【0002】
この糖タンパク質は前駆体gp160タンパク質のタンパク分解開裂により生成される、2種の非共有結合したサブユニット、gp120およびgp41から成る。それは3つのgp120と3つのgp41サブユニットの複合体としてウイルスの膜中に常在する。ウイルスと標的細胞の膜の融合を介して、HIVウイルスを新規細胞に感染させるのはgp41サブユニットである。gp120サブユニットは標的細胞の認識と受容体結合に関与する。
【0003】
gp41により仲介される膜融合の過程は糖タンパク中の構造変化を伴ない、3つのgp41サブユニットそれぞれのN−端末領域からのアルファヘリックス(N−ヘリックス)により形成される三量体コイルドコイルが標的の細胞膜中に露出される。このコイルドコイルはウイルス膜中に埋封された3つのgp41サブユニットのC−末端領域からのアルファヘリックス(C−ヘリックス)と相互反応する。gp41のN−ヘリックスとC−ヘリックス間に生成される六量体のアルファヘリックスの相互反応がウイルスと細胞の膜を融合させる。
【0004】
N36およびC34と呼ばれる六量体融合中間体の形成の原因となるgp41セグメントを同定するためにタンパク質分解の研究が使用された(引用により本明細書に取り入れられた非特許文献1)。おもしろいことには、N36およびC34領域内の残基はHIVゲノムのエンベロープコード領域のうちでもっとも高度に保護された残基のいくつかである。膜融合を阻害し、感染性を抑制するいくつかの突然変異体がこれらの領域にマッピングされる。更に、これらの領域に対応する、ナノモル濃度の合成ぺプチドが細胞培養中でのHIV感染およびシンシチア(syncytia)形成を抑制することが示され、それらがgp41−仲介膜融合の阻害剤として働くことを示唆している。これらの結果はN36およびC34領域からのアミノ酸配列を含んで成るペプチド間の単離複合体がgp41融合誘導中間体の優れたモデルとなるであろうことを示した。
【0005】
合成のN36およびC34ペプチドは適当なインビトロの条件下で、安定な六量体構造物を形成することが示され、これらの領域からのアミノ酸配列を含むペプチドが残り部分のgp41サブユニットの不在下で六量体のgp41コアを形成することができることを示した。N36/C34複合体のX−線結晶構造はD.C.Chan等により決定された(非特許文献1参照)。その構造はgp41のC−ヘリックスを表わす3つのC34ペプチドがN−ヘリックスを表わす3つのN36ペプチドに対して逆平行状に充填して、6本−ヘリックスの束を形成していることを示した。その構造はインフルエンザおよびMo−MLVウイルスからの膜融合中間体のものに類似しており、C34/N36複合体が膜融合中間体の優れたモデルであることを更に示している。
【0006】
C34とN36間の相互反応は主としてC34のaおよびd位の、そしてN36のeおよびg位の残基に関与する。とりわけ、N−ヘリックスは3本の疎水性溝(hydrophobic grooves)をもつ内部の、三量体コイルドコイルを形成する。疎水性の空洞はC−ヘリックスの3つの残基、Trp628、Trp631およびIle635で充填されている。それに対し、b、cおよびf位に配置される、Met629、Gln630およびArg633のようなC−ヘリックスの残基は六量体の外側に存在し、N−ヘリックスと接触しない。
【0007】
疎水性ポケットを形成するN−ヘリックス残基(残基565−577)はHIV株内に高度に保護される。これらの残基をコードするRNAはまた、ウイルスの生命周期に重要な著しく複雑な構造をもつRev−応答要素(Rev−response element)の一部である。
【0008】
C34ペプチドはHIV感染性および膜融合の強力な阻害剤であることが示されている。C34に対するアラニン突然変異導入の研究により、Trp628、Trp631もしくはIle635に対応する残基のアラニンへの突然変異は膜融合のC34阻害およびN36との複合体形成双方に対して有意な効果を有することが示された。N−ヘリックスと接触しない、Met629もしくはArg633いずれかのアラニン突然変異は膜融合もしくはC34/N36複合体形成のいずれに対しても有意な効果を有しなかった(引用により本明細書に取り入れられた非特許文献2参照)。これらのデータにより、N−ヘリックスの残基565−577およびC−ヘリックスの残基Trp628、Trp631およびIle635に関与する疎水性相互反応が膜融合のための六量体アルファヘリックスの束を安定化するのに重要な役割を果たすことが示された。
【0009】
この疎水性相互反応は候補のgp41阻害剤に対する魅力的な標的である。この相互反応はN36/C34ペプチド複合体中に存在するが、この複合体はN36が不溶性で、C34の不在下で凝集を受けるために、可能なgp41阻害剤のスクリーニングに理想的には適さない(非特許文献3および4参照)。従って、N36のC−端末の17残基およびGCN4−plQlの29残基を含んで成る可溶性融合ペプチドが構築された(2領域間に1残基の重複を伴ない、45残基の長さのペプチドを生成した)(引用により本明細書に取り入れられた非特許文献5参照)。IQN17と呼ばれるこのペプチドは配列
【0010】
【表1】
【0011】
(SEQ ID NO:1)を有し、アミノ酸565−581のgp41配列に下線を引かれている。IQN17は溶解度を改善するためにGCN4−plQl領域に表面残基の3個の突然変異体を含む。それはgp41N−ヘリックスとほとんど同様な超らせんパラメーターを伴なって完全にらせん状であり、溶液中で安定な三量体を形成する。環状ペプチド(D−ペプチド)との複合体中のIQN17のX−線結晶構造は残基565−577により形成された疎水性ポケットがN36のものとほとんど同様であることを示した(特許文献1参照)。
【0012】
特許文献1は候補のD−ペプチド膜融合阻害剤の同定のためにgp41のN−ヘリックス領域の模倣体としてのIQN17の使用につき記載している(特許文献1参照)。IQN17の結合ポケット中に疎水性部分を提供するようになっているD−ペプチド分子のライブラリーを鏡像ファージディスプレイ(mirror image phage display)を使用するスクリーニングアッセイにおいて試験した。しかし、今日まで、IQN17の使用はD−ペプチドに限られてきた。更に特許文献1は融合阻害化合物を同定するための簡単なアッセイを提供していない。
【0013】
もう1つの側面において、薬物デザインの目標は当初は、特定の化合物に対する選択性および親和性、効力、毒性(治療的閾値/安全範囲)、薬物動力学および安定性の特徴付けを含んで成る。薬剤製造計画および発見の初期段階の1つは、広範囲の化学的化合物のなかで、可能な有効化合物を識別することに焦点を当てられる。可能な有効化学的構造物のこの識別はリガンド−結合アッセイにより適切に達成される。リガンド−結合アッセイは親和性および/もしくは、薬剤の、受容体と結合したままでいる度合いを測定する。分子構造物中で受容体の標的認識部位に対する特定の部分の親和性もしくは結合度は、一定の標的に対して有効な化合物を開発し、最適化する際に特に有用な情報である。更に、リガンド−結合アッセイは作用もしくは阻害の機序の解明に特に便利である。
【0014】
Jiang等はN36とC34の複合体を認識する抗体を使用するELISAアッセイにつき記載している(非特許文献6参照)。そのアッセイにおいて、C34ペプチドの添加前にN36をスクリーニング化合物とともに前以てインキュベートする。N36/C34複合体形成の程度は複合体形成過程の阻害剤の同定のための抗体により測定される。
【0015】
特定のペプチド阻害剤の配列および活性の間の相関については多数知られているが、多数の融合阻害剤の阻害機序はいまだ十分には確立されていない(非特許文献7、8、9、10、11参照)。
【0016】
Ryu等による研究において、C51ペプチドはTrx−Nに固く結合されて、Ec−gp41ecの溶解度を増加させた(非特許文献12参照)。naDP178はTrx−Nに非常に弱い結合アフィニティーを示したが、それはEc−gp41ecを有効に可溶化させた。C27ペプチドはTrx−Nに有意な結合性を示したが、しかしそれはEc−gp41ecの溶解度に影響を与えなかった。
【0017】
Cole等によるもう1つの例において、定温滴定熱量測定(isothermal titration calorimetry)により測定されたIQN17に対する特定のD−ペプチド(D10−p1−2K、D10−p5−2K、D10−p4−2K)のインビトロのアフィニティーからの結果はインビボの結果と相関しなかった(非特許文献13参照)。
【0018】
融合阻害剤のスクリーニングアッセイはしばらくの間使用可能であったが、gp41を標的にしたHIV融合阻害剤の力学的研究は、広範囲の結合度間を識別して、膨大な範囲の化合物を試験しないで残すことのできる、高感度な方法の欠如により妨げられてきた。
【0019】
より広範囲の融合抑制化合物をスクリーニングするための、高い感度と堅牢性を伴なう、リガンド−結合を直接測定するためのモデルおよび手段が所望される。更に、いくつかの適用に対しては、抗体に依存しないかもしくは抗体を使用せずに有効であることができる方法が所望される可能性がある。
【特許文献1】
国際公開第00/06599号パンフレット
【非特許文献1】
D.C.Chan et al.,Cell 89:263−273(1997)
【非特許文献2】
D.C.Chan et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A,95:15613−7(1998)
【非特許文献3】
M.Lu et al.Nat.Struct.Biol.2:1075−1082
【非特許文献4】
D.M.Eckerit et al.Cell 99:104
【非特許文献5】
D.M.Eckerit et al.Cell 99:105
【非特許文献6】
Jiang et al.,J.Med Chem 1999 Aug26;42(17):3203−9
【非特許文献7】
Wild et al,1992,PNAS 89
【非特許文献8】
Wild et al,1994,PNAS 91
【非特許文献9】
Jiang et al.,1993,Nature,365
【非特許文献10】
Wild et al.,1995,AIDS,Res.Hum.Retroviruses,11
【非特許文献11】
Neurath et al.,1995,Res.Hum.Retroviruses,11
【非特許文献12】
Ryu et al.,Biochemical and Biophysical Research Communications,1999,265
【非特許文献13】
Cole et al.,Biochemistry,2001,40
【発明の開示】
【0020】
驚くべきことに、C−末端ペプチド、とりわけC28およびC34は、IQN17に結合して、gp41のインビボにおけるプレ−ヘアピン中間体構造を模倣する複合体を形成できることが見いだされた。従って、Trp628、Trp631およびIle635を含有するC−ヘリックスペプチドと組み合わせたIQN17は,様々な化学組成物の候補のgp41−仲介膜融合阻害剤同定のための有用なモデルとなることが見いだされた。これらの複合体は具体的には、相互作用が様々な競合体分子により標的にされることができるような、正確な幾何学構造のgp41六量体膜融合中間体の重要な疎水性相互作用を提示する。これらの複合体は先行技術からは明白ではない。
【0021】
Trp628、Trp631およびIle635を含有するC−ヘリックスペプチドと組み合わせたIQN17の使用に加えて、測定のキャピラリーゾーン電気泳動(CZE)法の使用は有利には、このスクリーニングアッセイの感受性を増加し、より広範囲の化合物の検出および選別(discrimitation)を可能にし、新規の強力なHIV融合阻害剤の開発に有用であることができると考えられる重要な部分をもたらす。更に、キャピラリーゾーン電気泳動は少量の試料容量を必要とする、急速で、容易で、多目的に使用できる検出方法である。蛍光偏光測定法、蛍光共鳴エネルギー伝達法等のような結合を測定する当該技術分野で知られたその他の方法が存在するが、我々はCZEがIQN17−ヘリックス複合体形成の阻害剤のスクリーニングに特に適することを見いだした。これは、伝統的な方法ではノイズ比率に対し低いシグナルをもたらす、IQN17とgp41のC−ヘリックスペプチド間の比較的弱い結合によるものである。しかし、CZEにおいては、毛細管内部の高い静電気圧のためにそれらの相対的濃度が固定されながら、C−ヘリックスペプチドのIQN17結合形態と遊離形態とが分離される。これはほとんどゼロのバックグラウンドとスクリーニング化合物の存在下でのIQN17/C−ヘリックス複合体形成度の正確な決定を可能にする。場合によってはレーザー誘導蛍光検出法と組み合わせたキャピラリーゾーン電気泳動法の使用が更に前記の感受性を増加させる。
【0022】
その結果、本発明の一態様はIQN17の配列(SEQ ID NO:1)を含んで成る第1のらせんポリペプチドを提供すること;アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される(プロリンはアルファ−ヘリックス形成を破壊する)34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、試験組成物を提供すること、キャピラリーゾーン電気泳動法により試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較して、試験組成物が融合阻害剤であるか否かを決定すること、を含んで成る、融合阻害剤を同定する方法に関する。
【0023】
本発明のもう1つの態様は、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること;アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、試験組成物を提供すること、キャピラリーゾーン電気泳動法により試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較して、試験組成物が融合阻害剤であるか否かを決定すること、を含んで成る融合阻害剤を同定する方法に関する。
【0024】
更に、IQN17の配列(SEQ ID NO:1)を含んで成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、試験組成物を提供すること、キャピラリーゾーン電気泳動法により試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較すること(ここで、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較した、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の減少が、試験組成物をgp41−仲介膜融合の阻害剤として同定する)、を含んで成る、gp41−仲介膜融合の阻害剤を同定する方法が本発明の範囲内にある。
【0025】
本発明はまた、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、試験組成物を提供すること、キャピラリーゾーン電気泳動法により試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較すること(ここで、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較した、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の減少が、試験組成物をgp41−仲介膜融合の阻害剤として同定する)、を含んで成る、gp41−仲介膜融合の阻害剤を同定する方法を含む。
【0026】
本発明は更に、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、試験組成物を提供すること、キャピラリー電気泳動法により試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに測定された複合体形成度を、異なる試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較して、第1の試験組成物が同様なもしくは異なる阻害機序を有するかを決定すること、を含んで成る、融合阻害剤の阻害機序を同定する方法を含んで成る。
【0027】
具体的な態様において、本発明はまた、少なくとも1個の突然変異体を包含する、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、試験組成物を提供すること、キャピラリーゾーン電気泳動法により試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに測定された複合体形成度を、同一試験組成物の存在下での、野性型配列を包含する第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較すること(ここで、同一試験組成物の存在下での野性型配列を包含する第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較した、試験組成物の存在下での、少なくとも1個の突然変異体を包含する第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の減少が、試験組成物に対する突然変異体gp41−融合タンパク質の感受性を同定する)、を含んで成る、試験組成物に対する突然変異体gp41−融合タンパク質の耐性を測定する方法として適用することができる。
【0028】
本発明のもう1つの態様は、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチド;アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−I(ここで、X1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される)を含んで成る34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチド:を含んで成る、融合阻害剤を同定するためのキットである。
【0029】
前記の概説および次の詳細な説明は双方とも典型的で、説明のためだけのものであり、請求の範囲のように本発明を制約するではないことを理解することができる。
【0030】
本明細書に取り入れられ、その一部を構成する付記の図面は本発明の1種もしくは複数の態様を具体的に示し、説明と一緒になって本発明の原理を説明する役割をもつ。
【0031】
本明細書で使用されるこれらの用語は以下のように定義される:
本明細書で使用されるような、らせんポリペプチド(helical polypeptide)は水溶液中で、例えば74%、80%、85%、90%および95%のような、少なくとも70%のらせんを含むポリペプチドを意味する。らせん含有百分率は以前に記載されたように算定される(Sreerama et al.,Anal.Biochem.209:32−44(1993))。
【0032】
本明細書で使用されるような融合阻害剤は標的細胞と遊離ウイルスもしくはウイルス感染細胞間の膜融合を妨げるあらゆる化合物である。HIV融合阻害剤は例えば、gp41に結合し、融合誘導性の6本のらせんの束形成を妨げ、従ってgp41−仲介膜融合を減少させるあらゆる化合物であることができる。一態様において、融合阻害剤は複合体形成度もしくは結合アフィニティーを減少するあらゆる化合物である。もう1つの態様において、融合阻害剤は、例えばgp41のN−およびC−ヘリックスの複合体形成を破壊することを含むgp41−仲介膜融合を減少させるペプチド、誘導ペプチド、C−ペプチド、D−ペプチド、N−ペプチド、環状もしくは線状の低分子および高分子から選択される。
【0033】
C−ペプチドはHIVgp41配列の第2の7残基反復領域から誘導されたペプチドセグメントおよび、C34、C28、T20およびT1249を含むそれらの誘導体である。
【0034】
N−ペプチドはHIVgp41配列の第1の7残基反復領域から誘導されたペプチドセグメントおよびN36およびDP107を含むそれらの誘導体である。
【0035】
試験組成物はそれらに限定はされないが、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチド、タンパク質、低および高有機分子およびそれらの誘導体を含むあらゆる化合物を含んで成る。有機高分子は1000ダルトンを越える分子量をもつものである。
【0036】
本明細書で使用されるような複合体形成もしくは結合アフィニティーは、少なくとも2種の実体、例えば少なくとも2種のペプチドの、例えば水素結合およびファンデルワールス相互作用によるような、相互に作用する能力を表わす。従って2種のペプチドの複合体形成度は2種のペプチド間の相互作用の程度であると考えられる。このパラメーターは0〜100%の間にわたり、100%は1種のペプチドが実験的濃度において他のペプチドに完全に結合される。
【0037】
第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの結合アフィニティーは単独でも、そして試験組成物の存在下でも、当該技術分野で知られたあらゆる方法により測定することができる。例えば、結合アフィニティーは固定濃度の第1のらせんポリペプチドに対して第2のらせんポリペプチドを滴定することによりまたはその逆により測定することができる。
【0038】
複合体形成度は第1および第2のらせんポリペプチドの固定濃度における第2のらせんポリペプチドの総量に対する結合された第2のらせんポリペプチドの百分率を測定する。複合体形成度から結合アフィニティーを計算することはできるが、可能な大きい誤差のために通常はこれを推奨されない。複合体形成度と結合アフィニティー間の差は、結合アフィニティーは通常1結合成分の固定濃度、および第1の結合成分が完全に結合されるまでの第2の結合成分の増加する濃度における複合体形成度の一連の測定値により決定されることである。滴定曲線はこのように得られる。
【0039】
標識物は組成物もしくは、例えばタンパク質を含む化合物の分離および/もしくは同定を容易にする。標識物の例には、それらに制約はされないが、放射性標識物、発色団、蛍光団、ローダミン、Cy−3、Cy−5、テトラメチルローダミン、ルシファーイエロー、C6−NBD、DIO−Cn−(3)、BODIPY−FL、エオシン、プロピジウムヨウジド、Dil−Cn−(3)、リッサミン(lissamine)ローダミンB、Dil−Cn−(5)、アロフィコシアニン、テキサスレッドのような蛍光標識物、ビオチンのようなELISA型標識物、および酵素基質型標識物(enzymatic substrate)が含まれる。好ましい蛍光標識物は非特異的結合を誘発しないものである。
【0040】
前記のように、本発明はIQN17の配列(SEQ ID NO:1)を含んで成る第1のらせんポリペプチドを提供することを含んで成る。第1のらせんポリペプチドのサイズは第1のらせんポリペプチドが下記の第2のらせんポリペプチドに結合することができる限りどんな数のアミノ酸をも含んで成ることができる。一態様において、第1のらせんポリペプチドは例えば21未満のアミノ酸および例えば18未満のアミノ酸のような、29未満のアミノ酸を含んで成る。
【0041】
本発明の配列および組成物を記載する際の「本質的にそれから成る」の句の使用により、それは第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの結合を禁じない、IQN17の配列および組成物に対するあらゆる変化物、変更物、誘導体、付加物、挿入物および突然変異体を含むことを意味する。
【0042】
一態様においては、IQN17の配列および組成物の変化物、変更物、誘導体および突然変異体は例えば、配列SEQ ID NO.4(W571A):
【0043】
【表2】
【0044】
が含まれる。
【0045】
一態様において、IQN17の配列および組成物に対する挿入物および付加物の例には同一のGCN4−plQlペプチドをgp41配列のより長いセグメントに、とりわけN36−17残基セグメントおよび−−XLLQLTVWGIKQLQARILのようなgp41のN−末端に向かう更なる残基に融合させることにより生成することができるかあるいは、−−LLQLTVWGIKQLQARILXのような17残基セグメントのgp41のC−末端に向かう更なる残基を付加することもできる、より大きい配列を含む。
”−−”の記号はGCN4−plQlペプチドとの結合部位を表わす。挿入物および付加物のこれらの例に対して、XはN36の17−残基セグメントの両端の傍らにあるgp41からのアミノ酸の配列を表わす。前記のアミノ酸配列は1種もしくは複数のアミノ酸を含んで成る。前記の配列は更に、それらが第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの結合を禁止しない限り、あらゆる変化物、変更物、誘導体、付加物、挿入物および突然変異体を含む。
【0046】
一態様において、本発明は、本質的に、例えば90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のような、少なくとも約90%の前記のIQN17との配列同一性を有する配列から成る第1のらせんポリペプチドを提供することを含んで成る。
【0047】
配列の同一性もしくは相同性は、配列の機能もしくは活性が破壊されないように当業者に周知の置換体、挿入体、除去体、透間等により修飾された配列と定義される。例えば、第1のらせんポリペプチドにおいて、そのらせんポリペプチドの類似のポリペプチドは第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの検出可能な結合をいまだ許す。配列同一性はFASTAおよびBLASTのような当業者に知られた演算手順を使用して決定することができる。あるいはまた、2配列間の類似性もしくは配列同一性の度合いはアミノ酸配列の直接的比較により評価することができる。
【0048】
第1のらせんポリペプチドのその他の例には、それらに限定はされないが、IQN17の突然変異体および変異体(variations)が含まれる。
【0049】
第1のらせんポリペプチドは例えば約0μM〜約1mMの範囲の濃度で、もしくは例えば約1μM〜約4μMの範囲の濃度で提供することができる。
【0050】
本発明はまたアミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立に、らせん形成を破壊するプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供することを含んで成る。一態様において、34未満のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドは本質的にアミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iから成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される。一態様においては、アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−IはWMEWDREI(SEQ ID NO:2)である。X1、X2、X3、X4、X5のうちの1つはそれぞれプロリンと異なるアミノ酸であり、あらゆるこのようなアミノ酸はあらゆるその他のこれらのアミノ酸と異なるかもしくは同一であるか制約されない。言い換えれば、XiおよびXj、i≠j,はi、j=1、2、3、4、5に対して、XiおよびXjがプロリンでない限り、Xi=XjもしくはXi≠Xj、であるように選択される。この選択は本明細書中で「ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される」として簡明に言及されている。
【0051】
第2のらせんポリペプチドもまたC28のアミノ酸配列を含んで成ることができる。あるいはまた、第2のらせんポリペプチドは本質的にC28、WMEWDREINNYTSLIHSLIEESQNQQEK(SEQ ID NO:3)のアミノ酸配列から成ることができる。第2のらせんポリペプチドは同様にC28、WMEWDREINNYTSLIHSLIEESQNQQEK(SEQ ID NO:3)のアミノ酸配列から成ることができる。
【0052】
第2のらせんポリペプチドはまた、例えばアミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成ることができ、ここでWおよびI残基はこの第2のらせんポリペプチドのヘリックスのa位およびd位にある。例えばCole and Garsky,Biochemistry,40,5633−5641(2001)を参照されたい。
【0053】
前記のように、アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−IのX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリン以外のあらゆるアミノ酸から選択することができる。例えば一態様においては、X1、X2、X3、X4およびX5はAla、Asx、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、IlE、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、TyrおよびGlxから選択することができる。もう1つの態様において、X1、X2、X3、X4およびX5は場合によっては、それらがヘリックス形成に影響を与えない限りにおいて、トランス−ジメチル1−アミノシクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、ジメチルL−グルタミン酸、エチルシクロロイシン、N−トシル−1−アミノシクロペンタン−トランス−1,3−ジカルボン酸のような非天然アミノ酸から選択することができる。
【0054】
第2のらせんポリペプチドは例えば、約0μM〜約1mMの範囲の濃度で、もしくは例えば約1μM〜約11μMの範囲の濃度で提供することができる。
【0055】
一態様において、第1のらせんポリペプチドは本質的にSEQ ID NO:1のアミノ酸配列から成り、第2のらせんポリペプチドは本質的にSEQ ID NO:2のアミノ酸配列から成る。もう1つの態様においては、第1のらせんポリペプチドは本質的にSEQ ID NO:1のアミノ酸配列か成り、第2のらせんポリペプチドは本質的にSEQ ID NO:3のアミノ酸配列から成る。
【0056】
もう1つの態様において、第1のらせんポリペプチドはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列から成り、第2のらせんポリペプチドはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列から成る。もう1つの態様においては、第1のらせんポリペプチドはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列から成り、第2のらせんポリペプチドはSEQ ID NO:3のアミノ酸配列から成る。
【0057】
本発明の方法の実施においては、試験組成物もまた提供される。一態様において、試験組成物は線状もしくは環状のC−ペプチド、D−ペプチド、N−ペプチドのようなペプチドを含んで成ることができる。もう1つの態様においては、試験組成物は例えばジペプチド、トリペプチド、ポリペプチドおよびそれらの誘導体を含んで成ることができる。もう1つの態様においては、試験組成物は有機低分子および高分子を含んで成ることができる。
【0058】
当業者はアッセイを1種もしくは複数の第1のらせんポリペプチドで、1種もしくは複数の第2のらせんポリペプチドで、1種もしくは複数の試験組成物で実施することができることを認めるであろう。
【0059】
一態様において、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの複合体形成度が測定される。次に試験組成物の存在下で実験を反復し、実験の複合体形成度を比較することができる。もちろん、試験の順序を変更することができるか、もしくは第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの複合体形成度を知って、試験組成物の存在下での複合体形成度と比較するための基礎として使用することができる。本発明の方法はまた、多数の試験組成物が第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの複合体形成度に対するそれらの影響について評価される高処理スクリーニングアッセイの一部として使用するかもしくはそれを含んで成ることができる。更に、本発明の方法は異なるウイルスの突然変異体のエンベロープ遺伝子の耐性を評価するために使用することができる。従って、IQN17、N36およびN−ペプチドのような第1のらせんポリペプチドは突然変異体を包含することができ、第2のらせんポリペプチドへのその結合能は前記のように評価することができる。
【0060】
本発明の一態様において、第1のらせんポリペプチド、第2のらせんポリペプチドおよび試験組成物を標識することができる。
【0061】
複合体形成度もしくは結合アフィニティーの測定法には第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの結合度の変化を検出するのに十分な感度を有するあらゆる方法が含まれる。一態様においては、結合を測定する好ましい方法はキャピラリーゾーン電気泳動である。
【0062】
キャピラリーゾーン電気泳動は例えば、より大きい感度と検出限界を与えることができ、かつ少量の試料を必要とする。その方法は更に、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの結合アフィニティーもしくは複合体形成の抑制を測定するために使用することができる。半抑制濃度(IC50)は1nMと500μMの間にわたることができる。例えばキャピラリーゾーン電気泳動のような高い感度をもつ方法は第1のらせんポリペプチドおよび第2のらせんポリペプチドの少なくとも1種の結合および非結合形態双方の検出を可能にすることができる。もう1つの態様において、キャピラリーゾーン電気泳動のような高感度な方法は結合アフィニティーおよび/もしくは弱い結合物質、例えば低い解離定数、KDをもつ分子の僅かな変化を検出することができる。
【0063】
融合阻害剤とgp41タンパク質間のアフィニティーの間接的なインビトロの検出のその他の通常の方法には、それらに限定はされないが、通常の電気泳動、定温滴定熱量測定法、蛍光共鳴エネルギー伝達法(FRET)、ファージディスプレイ、クロマトグラフィー親和性法、円偏光二色法、直接蛍光アッセイ、ELISA型アッセイ、NMR重水素−陽子交換法、酵素的もしくは化学的残基修飾法が含まれる。もう1つの態様において、結合アフィニティーは定温滴定熱量測定法により測定することができる。
【0064】
好ましい態様において、結合アフィニティーは例えば、図1に示すようなキャピラリーゾーン電気泳動により測定することができる。電気泳動は電界中のイオンの移動性に基づく分離法である。陽性に帯電したイオンは陰性の電極の方向に移動し、陰性に帯電したイオンは陽性電極の方向に移動する。細い毛細管は生成される熱を効率的に分散させるために、小直径の毛細管中で電気泳動を実施することは非常に強い電界の使用を可能にする。電界を増強すると、非常に効率のよい分離をもたらし、分離時間を短縮する。キャピラリーゾーン電気泳動装置は高電圧供給体(図1のA)、電極(図1の陽極および陰極、BおよびC)、バッファー(D)および毛細管(E)を含んで成る。キャピラリーゾーン電気泳動における検出装置にはとりわけ、吸収、蛍光、電気化学的および質量分光分析法が含まれる。図1において、Fは光源検出装置(280nm)に相当し、Gは光線受容器に相当し、そしてHは記録装置をもつコンピューターに相当する。キャピラリーゾーン電気泳動に使用のための毛細管のサイズはまた、その他のパラメーターを指示する。例えば一態様において、75μmの内径の毛細管を使用することができ、毛細管のサイズの変更はアッセイのその他の条件を変化させることができる。毛細管の長さは5cmと100cmの間、好ましくは10cmと80cmの間、より好ましくは20cmと55cmの間で変動させることができる。毛細管は石英ガラスから製造することができる。シリカは好ましくは疎水性被覆材を含むように誘導される。ポリアクリルアミドもしくはポリビニルアルコールで前以て被覆された毛細管を使用することもできる。
【0065】
一態様において、本発明の方法に使用されるpH範囲は第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチドの結合のために必要な条件を提供するように調整することが必要かも知れない。一態様において、pHは例えば約8.5のような約5〜約9の範囲にある。
【0066】
本発明はまた、本発明の方法により同定される融合阻害剤および、本発明の方法により同定される融合阻害剤に関して生成される、リスト、分析もしくはその他の情報を含んで成る報告物をも包含する。本発明のもう1つの態様は、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドおよびアミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−I(ここで、X1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される)を含んで成る34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチド、を含んで成るキットである。このキットは更に、本発明の方法を実施するために必要なあらゆる試薬および結合アフィニティーもしくは複合体形成度を測定するために必要な機器のような、本発明の方法を実施するために必要なあらゆる機器もしくは装置を含んで成ることができる。
【0067】
当業者の一人が即座に認めると考えられるように、それらに限定はされないが、細胞アッセイを含む、試験化合物が有効なgp41−仲介膜融合阻害剤であるか否かを確証するために使用することができると考えられる更なる試験を実施することもできる。
【0068】
別記されない限り、明細書および請求の範囲中に使用される成分、反応条件等の量を表わすすべての数値はすべての場合に、「約」の用語で修飾されると理解することができる。従って、反対の言葉で表わされない限り、下記の明細書および付記の請求の範囲中に使用される数値パラメーターは本発明により得ることを追求される所望の特性に応じて変動することができる近似値である。最低限でも、そして請求の範囲と同等物の原理の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメーターは有意な数字、通常の切り捨ての取り組み並びに報告され、請求される測定値の周知の、理解された誤差および変動を考慮して解釈しなければならない。
【0069】
広範囲の本発明を表わしている数値範囲およびパラメーターが近似値であるにもかかわらず、具体的な実施例中に示した数値はできるだけ正確に報告されている。しかし、あらゆる数値はそれらそれぞれの試験測定値に認められる標準偏差から必然的にもたらされる特定の誤差を固有に含む。
【0070】
本発明の方法の段階の順序はもちろん、変更することができる。当業者の一人は段階の順序のどの変更が適用可能であるかを決定することができると考えられる。
【0071】
本発明のその他の態様は本明細書に開示された本発明の明細および実施を考慮すると、当業者により明白であろう。明細および実施例は例としてのみ考慮されることが意図され、本発明の真の範囲および精神は下記の請求の範囲により記述される。
【実施例】
【0072】
1.キャピラリーゾーン電気泳動を使用する競合的結合アッセイ:
GP41(C28)の第2の7残基領域からの28−残基ペプチドの結合アフィニティーを、N−末端にGCN4のセグメントおよびC−末端にHIV−1 GP41の第1の7残基反復領域の17残基を含むキメラペプチド(IQN17)を使用して測定した。Echert et al.,Cell 99,103−115(1999).そのカルボキシル末端でC28を蛍光分子、Alexa−430(Molecular Probes)で標識した(Alexa−C28)。結合をIQN17による、標識C28の滴定により測定した。結合および未結合C28の濃度をキャピラリーゾーン電気泳動により測定した。
試薬およびバッファー。ホウ酸ナトリウムおよびホウ酸をSigmaから購入した。結合および分離バッファーは同一であった。等重量のホウ酸ナトリウムおよびホウ酸を超純水(Ω<16MΩ)中で混合し、pHを8.5に調整することによりバッファーを調製した。ジメチルスルホキシドをSigmaから購入した。
ペプチド。IQN−17は他で説明されている。Echert et al.,Cell 99,103−115(1999).IQN−17をAnaspec,Inc.から購入した。Fmoc/TBTU化学および溶媒としてジメチルホルムアミドを使用してRainin 430Aペプチド合成装置上で13種のペプチドを合成した。樹脂からの開裂後、0.05%のトリフルオロ酢酸の存在下で水−アセトニトリル勾配を使用するC18Vydac分取カラム上の逆相高速液体クロマトグラフィー(Varian,Inc.)により精製し、次に凍結乾燥した。すべてのペプチドの期待分子量はVoyager−DE BioSpectrometry Work Station上でMALDI−TOFにより確認され、次に分析HPLC(Varian,Inc.)上で試料の均一性を分析した。ペプチドの分子量を確認した。ペプチドC28をMolecular ProbesからのAlexa−430を使用して蛍光標識した。
キャピラリー電気泳動による分離。キャピラリー電気泳動実験をBeckman Coulter P/ACEシステムMDQおよびSpectrumedix 9610HTS上で実施した。Beckman Coulterで使用した毛細管は75μmの内径、50cmの有効長さおよび石英ガラスの内面を有した。30kVの適用電圧で分離を実施した。Spectrumedix 9610HTSに使用した毛細管は50μmの内径、50cmの有効長さおよび石英ガラスの内面を有した。13kVの適用電圧により分離を実施した。分離バッファーは20mMのホウ酸ナトリウム、pH=8.5であった。蛍光検出装置を通過移動するペプチドは488nmで放射するレーザーにより励起された。ピークを機器会社により供給されたソフトウェアパッケージを使用して分析した。IQN17およびAlexa−C28の個々の実行のデータを図2に示す。図において、RFUは相対蛍光単位を表わす。
IQN17に対するC28の結合:ペプチド濃度は重量で決定した。ペプチドを結合バッファーに溶解させた。IQN−17に対するC28の結合アフィニティーをキャピラリー電気泳動により決定した(図3)。Alexa−C28およびIQN−17ペプチドをCZEによる測定の前少なくとも1時間放置結合させた。
【0073】
キャピラリーゾーン電気泳動により、IQN−17の増加していく濃度におけるAlexa−C28ピークの面積をIQN−17不在下でのAlexa−C28の面積に比較して分析した。3μMのC28および8μmのIQN17において、約80%のC28がIQN17に結合した。
C34およびC34突然変異体によるC28の結合抑制:3成分の結合アッセイがIQN−17上の結合部位からAlexa−C28を置き換えるためのC34に基づいたペプチド(C34、W1A、M2A、W4A、18A)の能力を測定した。
【0074】
【表2】
【0075】
ジメチルスルホキシドに溶解されたC−34およびC−34突然変異体を除いて、ペプチドを結合バッファーに溶解させた。結合は別記されない限り、3μMのAlexa−C28および8μMのIQN−17の溶液中で測定された。バッファー、IQN−17、C−34に基づいたペプチドおよびAlexa−C28をその順に混合した。DMSOを添加して、5容量%の最終溶液濃度をもたらした。3種のペプチドをCZEによる測定の前に少なくとも1時間放置結合させた。一定濃度のIQN−17および変動濃度におけるC−34−に基づいたペプチドにおけるAlexa−C28ピークの面積を、C−34およびIQN−17不在下におけるAlexa−C28の面積に比較して分析した。
【0076】
非標識ペプチドに対しては、IQN17に対して50%のAlexa−C28の結合を抑制する量がそのペプチドのIC50値を与える(図4および図5)。本発明との関連で実施された実験は、C34の末端が2個のトリプトファンを含む時に、疎水性ポケットへの結合が好ましく達成されることを示した。同様な実験が、2個のトリプトファンがC34のN−末端に存在する時の結合に比較して、C34の8番目の位置におけるイソロイシンの存在がこれらの結合への寄与が少ないことを示した。更に、本発明に関連して実施された実験において、抑制能はいくつかの態様においては、2番目のメチオニンのアラニンへの突然変異により影響を受けないことが認められた。この観察に一貫した1つの説明はこの残基がIQN17に対する結合においてほとんどもしくは全く役割を果たさないということである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】キャピラリー電気泳動システムの1例である。キャピラリーゾーン電気泳動装置は高電圧供給体(A)、電極(それぞれ陽極および陰極、BおよびC)、バッファー(D)および毛細管(E)を含んで成る。Fは光源検出装置(280nm)に対応し、Gは光線受容体、Hは記録装置を伴なうコンピューターに相当する。
【図2】IQN17およびC28のキャピラリー電気泳動の電気泳動図。同一実験条件下で泳動されたIQN17およびAlexa−C28(C28*)のピークを示す。
【図3】IQN17による5μMのAlexa−C28の滴定。曲線は具体的に示す目的で両軸を重ねられている。IQN17の濃度を増加すると、右側の比較的広いピークにより表わされる未結合IQN17量は100%〜0%に減少した。
【図4】C34ペプチドによるIQN17/C28複合体形成の抑制。IQN17およびAlexa−C28の濃度はそれぞれ3および10μMであった。C34の濃度を増加すると、IQN17に対するC34の競合的結合のために、より大量のC28が未結合になった。これはC34のように働く可能な融合阻害剤の検出の基礎を示す。異なる濃度のC34のデータを具体的に示すために両軸上に重ねられている。
【図5】C34およびC34ペプチド突然変異体(W1A、M2A、W4A、18A)によるIQN17/Alexa−C28結合の抑制。実験はすべて同一条件および同一ペプチド濃度下でCZEで実施された。IQN17およびAlexa−C28の濃度はそれぞれ3および10μMであった。
Claims (26)
- 本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること;
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、
試験組成物を提供すること、
キャピラリーゾーン電気泳動法を使用して、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに
測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度と比較して、試験組成物が融合阻害剤であるか否かを決定すること、
を含んで成る融合阻害剤を同定する方法。 - IQN17の配列(SEQ ID NO:1)を含んで成る第1のらせんポリペプチドを提供すること;
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、
試験組成物を提供すること、
キャピラリーゾーン電気泳動法を使用して、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに
測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度と比較して、試験組成物が融合阻害剤であるか否かを決定すること、
を含んで成る融合阻害剤を同定する方法。 - 本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、
試験組成物を提供すること、
約5〜約9の範囲のpHでキャピラリーゾーン電気泳動法を使用して、試験組成物の存在下での、第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに
測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度と比較すること(ここで、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較した、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の減少が、試験組成物をgp41−仲介膜融合の阻害剤として同定する)、
を含んで成る、gp41−仲介膜融合の阻害剤を同定する方法。 - IQN17の配列(SEQ ID NO:1)を含んで成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、
試験組成物を提供すること、
約5〜約9の範囲のpHでキャピラリーゾーン電気泳動法を使用して、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに
測定された複合体形成度を、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度と比較すること(ここで、試験組成物の不在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較した、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の減少が、試験組成物をgp41−仲介膜融合の阻害剤として同定する)、
を含んで成る、gp41−仲介膜融合の阻害剤を同定する方法。 - 本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、
試験組成物を提供すること、
キャピラリー電気泳動法により、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに
測定された複合体形成度を、異なる試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度と比較して、第1の試験組成物が同様なもしくは異なる阻害機序を有するかを決定すること、
を含んで成る、融合阻害剤の阻害機序を同定する方法。 - 少なくとも1個の突然変異体を包含する、本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドを提供すること、
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される、34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチドを提供すること、
試験組成物を提供すること、
キャピラリーゾーン電気泳動法により、試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度を測定すること、並びに
測定された複合体形成度を、同一試験組成物の存在下での、野性型配列を包含する第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度と比較すること(ここで、同一試験組成物の存在下での野性型配列を包含する第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度に比較した、試験組成物の存在下での少なくとも1個の突然変異体を包含する第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の減少が、試験組成物に対する突然変異体gp41−融合タンパク質の感受性を同定する)、
を含んで成る、試験組成物に対する突然変異体gp41−融合タンパク質の耐性を測定する方法。 - 試験組成物の存在下での第1のらせんポリペプチドと第2のらせんポリペプチド間の複合体形成度の測定がレーザー誘導蛍光検知を伴なうキャピラリーゾーン電気泳動法を使用して実施される、請求項1〜6の方法。
- 第1のらせんポリペプチドが29未満のアミノ酸を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 第1のらせんポリペプチドが21未満のアミノ酸を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 第1のらせんポリペプチドが18未満のアミノ酸を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 第2のらせんポリペプチドがアミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−Iを含んで成り、ここでX1、X2、X3、X4、X5がAla、Asx、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、IlE、Lys、Leu、Met、Asn、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr、Glxおよび非天然アミノ酸から選択されるアミノ酸である、請求項1〜6の方法。
- 第2のらせんポリペプチドがSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 第1のらせんポリペプチドが更に標識物(label)を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 第2のらせんポリペプチドが更に標識物(label)を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 標識物が蛍光標識物である、請求項13および14の方法。
- 複合体形成度の代わりに、第2のらせんポリペプチドの固定濃度に対して第1のらせんポリペプチドを滴定することにより結合アフィニィーが測定される、請求項1〜6の方法。
- 試験組成物がペプチドを含んで成る、請求項1〜6の方法。
- ペプチドがC−ペプチド、D−ペプチドおよびN−ペプチドから選択されるいずれか1つである、請求項17の方法。
- ペプチドが線状もしくは環状である、請求項18の方法。
- 試験組成物が低分子を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 試験組成物が高分子を含んで成る、請求項1〜6の方法。
- 請求項1〜4の方法により同定された融合阻害剤を含んで成るレポート。
- 請求項5の方法により同定された融合阻害剤の作用機序を含んで成るレポート。
- 請求項6の方法により同定された、少なくとも1種の融合阻害剤の耐性を含んで成るレポート。
- 請求項1〜4の方法により同定された融合阻害剤。
- 本質的にIQN17の配列(SEQ ID NO:1)から成る第1のらせんポリペプチドおよび
アミノ酸配列W−X1−X2−W−X3−X4−X5−I(ここで、X1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれ独立にプロリンを除くあらゆるアミノ酸から選択される)を含んで成る34以下のアミノ酸の第2のらせんポリペプチド、
を含んで成る、融合阻害剤を同定するためのキット。
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