JP2005507041A - 酸素分離及び動力発生を複合した方法 - Google Patents
酸素分離及び動力発生を複合した方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005507041A JP2005507041A JP2003537782A JP2003537782A JP2005507041A JP 2005507041 A JP2005507041 A JP 2005507041A JP 2003537782 A JP2003537782 A JP 2003537782A JP 2003537782 A JP2003537782 A JP 2003537782A JP 2005507041 A JP2005507041 A JP 2005507041A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxygen
- stream
- pressurized
- gas
- transport membrane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D53/00—Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
- B01D53/22—Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols by diffusion
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D63/00—Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
- B01D63/06—Tubular membrane modules
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D63/00—Apparatus in general for separation processes using semi-permeable membranes
- B01D63/08—Flat membrane modules
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B13/00—Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
- C01B13/02—Preparation of oxygen
- C01B13/0229—Purification or separation processes
- C01B13/0248—Physical processing only
- C01B13/0251—Physical processing only by making use of membranes
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01K—STEAM ENGINE PLANTS; STEAM ACCUMULATORS; ENGINE PLANTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; ENGINES USING SPECIAL WORKING FLUIDS OR CYCLES
- F01K3/00—Plants characterised by the use of steam or heat accumulators, or intermediate steam heaters, therein
- F01K3/18—Plants characterised by the use of steam or heat accumulators, or intermediate steam heaters, therein having heaters
- F01K3/185—Plants characterised by the use of steam or heat accumulators, or intermediate steam heaters, therein having heaters using waste heat from outside the plant
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D2313/00—Details relating to membrane modules or apparatus
- B01D2313/22—Cooling or heating elements
- B01D2313/221—Heat exchangers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D2313/00—Details relating to membrane modules or apparatus
- B01D2313/42—Catalysts within the flow path
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B2210/00—Purification or separation of specific gases
- C01B2210/0043—Impurity removed
- C01B2210/0046—Nitrogen
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B2210/00—Purification or separation of specific gases
- C01B2210/0043—Impurity removed
- C01B2210/0062—Water
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/10—Process efficiency
- Y02P20/129—Energy recovery, e.g. by cogeneration, H2recovery or pressure recovery turbines
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
- Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)
Abstract
酸素を分離し且つ動力を発生させる複合方法。酸素を含む流れを圧縮し、酸素輸送膜ユニット(25)中で前記の流れから酸素を分離し透過酸素と酸素希薄化滞留ガスとする。酸素輸送膜ユニット(25)のアノード側(26)を加圧過熱蒸気からなる加圧パージ流(42、42b)でパージする。透過酸素と蒸気を含む加圧酸素生成物流(20、20a)を酸素輸送膜(25)のアノード側(26)から排出する。加圧酸素生成物流(20、20a)をそれ自身又は酸素含有流で冷却する。加圧酸素生成物流(20、20a)はプロセス流体(46)との間接的熱移動によって凝縮するが、プロセス流体(46)は沸騰し、沸騰したプロセス流体からは動力を取り出すことができる。凝縮水(56)を酸素生成物流(20、20a)から分離し、分離した酸素を加圧生成物(3、3a)として取り出す。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素含有ガスから酸素を分離し且つ動力を発生させる複合方法に関する。より詳細には、過熱蒸気でパージされる酸素輸送膜によって酸素を分離し、且つランキンサイクルによって動力を発生させる複合方法に関する。更に詳細には、熱を酸素輸送膜によって生じた酸素生成物流からランキンサイクルで使用されるプロセス流体に伝達する複合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素輸送膜の使用を含む、動力及び酸素生成サイクルの統合は、熱効率の観点から特に興味のあるものである。なぜなら、酸素輸送膜は、多くの動力発生サイクルで必要とされる高温を含む温度領域で酸素を効率的に分離するからである。
【0003】
酸素輸送膜は、周知の各種セラミックス、例えばペロブスカイト及びペロブスカイト様材料から形成される。約400℃〜約1000度の高温で、このようなセラミックスは、酸素分子及び複合形態で酸素を含む物質に対する不浸透性を保持しながら、酸素イオンを伝導することができる。酸素輸送膜では、酸素含有ガス中の酸素が膜のカソード側でイオン化する。酸素イオンは、膜の両側に加えられた酸素分圧の実効比(positive ratio)を起動力として、膜を横切って移動することができる。反対側、すなわち膜のアノード側に現れた酸素イオンは再結合して、膜のカソード側で酸素をイオン化するのに使用される電子を放出する。混合伝導体として知られるある種の材料では、電子は、セラミック内を直接的にカソードに送り返される。複相伝導体では、電子は、金属層又はセラミックス内に配置された電子伝導セラミック相によって伝導される。
【0004】
酸素輸送膜のアノードに向流(滞留側流れの方向に対し)パージを加えると、膜の長さに沿った酸素分圧が低下し、酸素輸送のための推進力が向上する。これによって、より高い酸素回収、及び/又は、パージしなければ推進力を発生させるのに必要であったかもしれないカソード側ガス及びアノード側ガスの圧縮度を減少させ、加圧で酸素を引き出すことができる、より効率的なサイクルが可能となる。酸素輸送膜のアノード側出口における蒸気の酸素に対するモル比によって、酸素生成物を回収できる最大圧力が決まり、比が大きければ大きいほど可能な酸素生成物の圧力が大きい。残念ながら、アノードにおける酸素分圧を大幅に低下させ及び又は酸素生成物の圧力を高めるには、蒸気の酸素に対する比率を高める必要がある。例えば、滞留ガスすなわちカソード側の空気圧力が12バールの状態で、カソードすなわち滞留側入り口での酸素分圧は約2.4バールである。ピンチポイントにおける1.5バールの最小酸素分圧比(膜を通過するイオン輸送のための推進力)で、それに対応して必要となる透過物側の酸素分圧は約1.6バールである。例えば酸素を6バールの圧力で取り出すことが所望であれば、蒸気の酸素に対する比率は約(6−1.6)/1.6=2.75でなければならない。
【0005】
加圧下で酸素を回収するためには、蒸気及び酸素から構成される透過生成物流を、冷却水などのヒートシンクで冷却して蒸気を凝縮させる。残念ながら、大量の蒸気を生成させるための熱量が必要であるため、この方法は経済的に魅力のあるものではない。なぜなら、この凝縮潜熱を効率的には回収できないからである。蒸気−酸素混合物をタービン中で膨張させると、酸素は低圧で回収される。続いて加圧の酸素生成物を必要とし酸素を再圧縮する必要がある場合には、このことが問題となる。また、高真空レベルからの酸素圧縮を回避したい場合には、タービン中で回収可能な動力発生エネルギーのかなりの部分が失われる。
【0006】
例えば米国特許第5,562,754号では、空気を圧縮し、インライン燃焼器中で加熱している。酸素輸送膜中で空気から酸素を分離し、滞留ガスを生成させている。滞留ガスの流れを、空気圧縮機及び場合によっては発電機を駆動するのに使用されるガス膨張機中で膨張させる。アノード側で蒸気パージを使用し、給水の予熱に使用される酸素生成物含有蒸気を生成させる。例示のサイクルでは、このような予熱の他には凝縮潜熱が回収されず、そこでサイクルに逸散してしまう。米国特許第5,964,922号では、ポンプで水を加圧し、次いで酸素輸送膜用の蒸気パージとして使用している。透過酸素及び蒸気の双方を含む加圧酸素生成物を水冷又は空冷凝縮器で冷却し、蒸気を凝縮して水にし、再循環できるようにする。その結果、凝縮潜熱は冷却媒体に逸散してしまう。米国特許第5,954,859号には、酸素輸送膜の透過ガス側を蒸気を含む加圧パージガス流でパージして、酸素及び蒸気を含む加圧ガス流を生成させることが開示されている。得られた流れをタービンに導入し、軸仕事として回収する。従って、もしその後に蒸気又は蒸気の一部が加圧であることを要求される場合には、それに伴なうエネルギーを費やして再圧縮する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
考察されるように、本発明は、生成物流に含まれる蒸気の凝縮潜熱からの仕事の回収を考慮に入れた圧力で酸素生成物流を生成させる、エネルギー効率のよい方法を包含する。本発明の他の有利な態様は以下の考察から明らかになろう
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、酸素含有ガスから酸素を分離し且つ動力を発生させる複合方法に関する。本発明方法によれば、酸素輸送膜ユニットによって酸素含有ガスから酸素を分離し、透過酸素及び酸素希薄化滞留ガスとする。酸素輸送膜ユニットには、少なくとも1個の酸素輸送膜が含まれていて、酸素輸送膜は、高い作動温度で作動し且つカソード側及びアノード側を有する。少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側を、加圧過熱蒸気を含む加圧パージ流でパージする。加圧酸素生成物流を、少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側から排出させる。加圧酸素生成物流には透過酸素及び蒸気が含まれている。酸素生成物流中に含まれる蒸気の凝縮温度よりも低い沸騰温度で沸騰するプロセス流体に熱を移動することによって、加圧酸素生成物中の蒸気の少なくとも一部を凝縮させる。その結果、そのプロセス流体が沸騰し、加圧酸素生成物流内の蒸気の少なくとも一部が凝縮する。凝縮水を加圧酸素生成物流から分離し、プロセス流体からは軸仕事としてエネルギーを取り出す。
【0009】
好ましくは、酸素輸送膜ユニット内での酸素分離に付す前に、酸素含有ガスを加熱する。酸素希薄化滞留ガスを、インライン燃焼器中で、滞留ガス流に含まれる残存酸素の少なくとも一部によって支持された燃料の燃焼によって加熱し、加熱滞留ガス流を生成させることができる。加熱滞留ガス流からの間接的熱移動によって、酸素含有流の少なくとも一部を加熱する。
【0010】
酸素含有ガスは空気であってもよく、空気を圧縮して圧縮空気流を形成できる。酸素希薄化滞留ガスからなる滞留ガス流をガス膨張機中で膨張させることができる。また。滞留ガス流を冷却した後にガス膨張機中で膨張させることにより、より低コストの材料の使用を可能にし、その資本コストを低減することができる。次いで、ガス膨張機によって空気圧縮機を駆動し、酸素含有ガスを圧縮できることが好ましい。別法としては、動力出力を増加させるために、滞留ガス流をインライン燃焼器中の燃焼によって更に加熱し、次いでガス膨張機中で膨張させることができる。
【0011】
圧縮空気流を、第一空気分流及び第二空気分流に分割できる。第一空気分流を加圧酸素生成物流との間接的熱交換によって加熱することができ、第二空気分流を第一空気分流とは別個に加熱する。第一分流及び第二分流を合流させた後に酸素輸送膜に導入する。
【0012】
酸素含有流から酸素を分離すると、少なくとも1個の酸素輸送膜のカソード側に滞留ガスが生成する。酸素希薄化滞留ガスの少なくとも一部からなる滞留ガス流を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットに導入し、滞留ガス流から更なる酸素を分離し、更なる透過酸素を形成できる。
【0013】
再循環水と必要であれば補充水とから構成される水流を、少なくともパージ回路における圧力低下に打ち勝つに必要な程度までポンプで送り込む。この水流を気化させ、且つ少なくとも部分的に過熱して、加圧流を形成する。第一燃料流を燃焼させ、その燃焼熱を混合水流に移動することによって、この加圧流を気化し、少なくとも一部を過熱する。第二燃料を加圧流中に導入し、加圧流の少なくとも一部を更に加熱し、次いで酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットに導入すると、燃料は更なる透過酸素と反応し、熱及び燃焼生成物を発生させる。この熱は、燃焼生成物、及び間接的熱移動によって圧縮給気の少なくとも一部を少なくとも部分的に加熱するのに使用できる。好ましくは、燃焼生成物を加圧パージ流に添加して、前記酸素輸送膜のアノードをパージするためのガスの容積を増加させる。これによって、酸素輸送膜のアノードの酸素分圧が更に減少し、また、残存燃料及び酸素輸送膜燃焼器から持ち込まれた部分酸化生成物の完全酸化が可能となる。加圧パージ流を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットから取り出す。
【0014】
酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットは更なる酸素希薄化滞留ガスを生成する。更なる酸素希薄化滞留ガスからなる更なる滞留ガス流を第一滞留ガス分流及び第二滞留ガス分流に分割できる。第一滞留ガス分流をガス膨張機中で膨張させて前記の空気圧縮機を駆動するための動力を発生できる。第二滞留ガス流を加圧窒素生成物として回収できる。膨張の前にインライン燃焼器内での燃焼によって第一滞留ガス分流を更に加熱できる。第二空気分流の一部を第一滞留ガス分流とインライン燃焼器の上流で合流させて燃料の燃焼を支持し、それによって第一滞留ガス分流に更なる熱及び質量を与えた後に膨張させる。
【0015】
本発明の任意の実施形態において、プロセス流体は水でよく、加圧パージ流中の蒸気はプロセス流体よりも加圧でよい。次いで、ランキンサイクル中のプロセス流体から動力を取り出すことができ、ランキンサイクルでは、液体凝縮物の形態のプロセス流体をパージ流の圧力よりも低い圧力でポンプで送り込み加圧液体を作り出す。再沸騰器−凝縮器内で、パージ流中の凝縮する蒸気の少なくとも一部との間接的熱交換によってこの加圧液体を気化させる。プロセス流体を過熱し、過熱後に蒸気タービン中でそのプロセス流を膨張させることができる。タービン中で作り出された軸仕事から動力を取り出すことができる。その後、蒸気タービンから排出されるプロセス流体を凝縮させ液体凝縮物(復水)を作り出すことができる。
【0016】
加圧パージ流は、少なくとも再循環水及び必要なら補充水から構成され、水流を形成することができる。加圧パージ流に燃焼生成物を添加する場合には、燃焼生成物に由来する水によって水の過剰が生じることになり、この過剰を除去する必要があるかもしれない。
【0017】
水流を気化、過熱し加圧流を形成できる。水流の気化及び過熱に必要な熱の少なくとも一部は過熱ボイラー中での燃焼によって供給される。プロセス流体は過熱ボイラー内での燃焼によって過熱される。
【0018】
加圧流用の水をポンプで送り込み、気化させ、過熱して加圧流を作り出すことができる。このようにして作り出した加圧流をタービン中で膨張させ、更なる動力を生み出すことができる。膨張後、タービンの排気流としての加圧流を再熱し、少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側をパージするのに使用できる。加圧流は、前記第一空気分流と一緒に酸素生成物流によって間接的に加熱される。膨張してしまった後の加圧流に燃料を添加することができる。そのあと、この加圧流を反応性パージとして酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットに導入し、熱と燃焼生成物を発生させる。燃焼生成物は、前記の加圧流に含まれる蒸気と一緒になって加圧パージ流を形成し、少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側をパージするのに使用される。
【0019】
凝縮温度は凝縮器の冷媒の温度で制限されるだけなので、ランキンサイクルの蒸気タービンは約14.7psiよりもかなり低い排気圧で運転できる。前記パージ流を気化させ過熱するための熱の少なくとも一部は膨張機の排気からの熱回収によって供給できる。
【0020】
本発明では、加圧酸素生成物を単に膨張させて動力を取り出すのではなく、むしろランキンサイクルに熱を供給するために使用するので、水で飽和された加圧酸素生成物を生成させること、又は所望の蒸気/酸素モル比で加圧の酸素−蒸気混合物を生成させることができる。必要な場合には、水分飽和酸素流を通常の手段によって乾燥することができる。蒸気酸素混合物を、石炭ガス化又は自熱改質器(autothermal reformer)などの下流プロセスで使用することができる。生成物を加圧で取り出すと、資本及び莫大なエネルギーを消費する酸素圧縮が削減され又は無用になる。同時に、ランキン蒸気サイクルによってエネルギーを効率的に取り出すことができる。
【0021】
明細書は、発明者が自らの発明であると考える主題を明確に指摘している特許請求の範囲によって最終的に結論付けられるが、発明は付属図面と関連させた場合により理解し易いと考えられる。
【0022】
繰返しを避け、図面に関する考察を簡単にするために、類似の構成要素については異なる図面中でも同一の参照番号を用いて示した。更に、明瞭化する目的で、給水加熱器、給水処理装置、及びエコノマイザー熱交換器など、主要でないプロセス構成要素を図示せずに、全体装置を単純化して示した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に、酸素含有ガスから酸素を分離し且つ動力を発生させるための、本発明の複合方法を実施する際のプロセス流れ図を開示する。この複合方法には、ランキン蒸気サイクル2と統合された酸素分離装置1が含まれる。この統合によって、水で飽和された酸素生成物3及び参照番号4で示した配送用動力が生じる。
【0024】
酸素分離装置1については、酸素含有ガス、空気を空気圧縮機10で圧縮し、圧縮空気流12を生成させる。圧縮空気流12を、第一空気分流14及び第二空気分流16に分割する。第一空気分流14は、熱交換器18中での加圧酸素生成物流20との間接的熱交換によって加熱される。第二空気流16は、熱交換器22中で以後に考察予定の加熱滞留ガス流32との間接的熱交換によって加熱され、次いで第一空気分流18と合流する。
【0025】
次いで、この混合流を酸素輸送膜ユニット25のカソード側24に導入する。酸素輸送膜ユニット25には、膜を通過するイオン輸送によって酸素含有給気から酸素を分離する、1個又は複数のセラミックスの酸素輸送膜が含まれている。酸素含有給気内の酸素はカソード側でイオン化する。酸素イオンは膜を通して膜のアノード側に輸送され、そこで、酸素のイオン化に使用される電子を放出して酸素に再構成される。好ましくは、膜は混合伝導膜であり、酸素イオンと電子の双方を伝導する周知の金属酸化物から、又は、イオン伝導金属酸化物及び電子伝導金属酸化物若しくは金属の複相から構成される。先に触れたように、このような膜は、高温下で、それぞれカソード側及びアノード側の酸素分圧の分圧比を推進力として機能する。膜は、平面状又はチューブ状でよく、厚めの密な壁体又は多孔性基盤で支持された薄膜で形成できる。
【0026】
酸素輸送膜25中で酸素を分離し、膜のアノード側26で酸素に再構成する。酸素を分離することによって、酸素輸送膜ユニット25のカソード側24に酸素希薄化滞留ガスが生じる。このようにして形成された酸素希薄化滞留ガスには、若干の酸素ガス、典型的には約3%〜約8%の酸素が含まれている。滞留ガス流28をインライン燃焼器30に導入し、滞留ガス流28中の残存酸素によって燃料の燃焼を支持し、高温滞留ガス流32を形成する。高温滞留ガス流32を熱交換器22に導入し、第二空気分流16を加熱する。この加熱によって、熱漏出及び熱交換器18及び22の冷末端熱損失を補償する。高温滞留ガス流32は、熱交換器22で有用な熱を取り出した後、加圧窒素富化流34として系から排出される。
【0027】
本発明の実施形態の一つとして、流入する全ての空気をインライン燃焼器30によって膜の作動温度まで加熱して、セラミック膜ユニット25をその作動温度まで加熱するのを支持できることは当然である。この点で、例示した実施形態では、大部分をインライン燃焼器30によって系に加えられた熱によってセラミック膜ユニット25を高い作動温度に維持する。
【0028】
再循環凝縮液56及び漏出補償に必要なら補充水を含む水流36を、ポンプ38によって送り込み、燃料及び空気で燃焼している過熱ボイラー40内に導入し、過熱状態の加圧パージ流42を生成させる。必要な全ての加熱を空気燃焼過熱ボイラー40内で実施することも可能であるが、好ましくは、熱交換器18内で加圧パージ流42を膜の作動温度近くまで更に加熱する。
【0029】
加圧パージ流42によって酸素輸送膜ユニット25のアノード側26をパージし、加圧酸素生成物流20を生成させる。加圧パージ流42によって酸素輸送膜ユニット25の酸素輸送膜から透過してきた酸素を吹掃し、アノード側26の酸素分圧を低下させ、それによって圧縮の必要度を低減させる。実際、本発明の実施形態では、圧縮をほとんど必要としないことも可能である。同時に、加圧蒸気によって加圧化され加圧酸素生成物20となる。
【0030】
加圧酸素生成物流20を、熱交換器18内で部分的に冷却する。この流れを次いでボイラー凝縮器44に導入し、含まれていた蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、熱をプロセス流体を沸騰させるのに引き渡す。ランキン蒸気サイクル2では、有利には蒸気から構成されるプロセス流体流46を、燃料及び空気燃焼している過熱ボイラー40内で過熱し、蒸気タービン48内で膨張させ、配送用動力4を得る。好ましくは、プロセス流体流46を蒸気タービン内で高真空圧力レベル、典型的には0.5〜3psiまで膨張させ、動力の生産を最大にする。次いで、プロセス流体流46を、冷却水又は冷却空気で冷やした凝縮器50内で液体凝縮物として凝縮させ、次いでポンプ52を使用して加圧する。加圧後、プロセス流体流46を再沸騰器−凝縮器44内で蒸気に変換し、過熱ボイラー40中で過熱する。加圧酸素生成物流20は加圧であり、そのため再沸騰器−凝縮器44内のプロセス流体流46よりも温度が高く、その結果、加圧酸素生成物の蒸気部分を凝縮させる際の凝縮熱をプロセス流体側に移動させ、ランキンサイクル回路内の水を気化させることができる。
【0031】
好ましくは、加圧酸素生成物流20とプロセス流体流46の温度差を小さく、典型的には約3〜約10℃に保つ。熱伝達膜係数は沸騰水及び凝縮水で大きいので、温度差を少なくすることによって、大きな資本追加を負担することなしに再沸騰器−凝縮器44中でのエネルギーポテンシャルの大きな損失を防止できる。米国特許第3,384,154号に記載されているような多孔性沸騰面、並びに/又は、溝付き沸騰面及び凝縮面など、十分確立された技術によって沸騰水及び凝縮水に対する高い熱伝達膜係数を強化できる。ここで、溝付き沸騰面及び凝縮面は、液体給液又は凝縮物のそれぞれを好ましい溝に引き寄せ、それによって熱伝達領域の主要部分に液体薄膜を用意する液相の表面張力を利用して自己強化されるものである。
【0032】
液体の水を含むに至った酸素生成物流20を相分離器54に導入し、酸素生成物3と水流56とに分離できる。水流56には、必要なら補充水流58を混合して水流36とすることができる。補充水流58によって、ランキンサイクル回路からのあらゆる漏出を補償する。本発明の有利な点は、本発明を、制御されたモル比で酸素−蒸気混合生成物が生成するように構成することが極めて容易であることである。下流のプロセスが前以て定めた蒸気含有量を有する酸素−蒸気混合物を必要としている場合には、このことが特に重要になることがある。これに関しては、例示はしていないが、酸素生成物流20の制御された部分に再沸騰器−凝縮器44を迂回させ、次いで再沸騰器−凝縮器44の下流で酸素生成物流20に戻すことができる。バイパス又は迂回量を制御する場合には、酸素生成物流20の蒸気含量も制御する。
【0033】
図2には、本発明による別な実施形態に関するプロセス流れ図を示す。このプロセスでは、既知の酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60を利用して更に高純度の窒素流5を生成させる。更に、ガス膨張機62で空気圧縮機10を駆動するのに使用できる動力を発生させる。
【0034】
空気を空気圧縮機10内で約6〜20バールに圧縮して、圧縮空気流12を形成し、それを第一空気分流及び第二空気分流すなわち14及び16に分割する。供給空気の主要部分である第二空気分流16を熱交換器22a及び22b内で加熱し、次いで酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60内で酸素輸送膜ユニット25の温度より僅かに高い温度、すなわち約750℃〜約1000℃まで更に加熱する。次いで、第二空気分流16を第一空気分流14と合流させ、酸素輸送膜ユニット25のカソード側24に導入する。
【0035】
酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60には、そのカソード側65に、熱交換器22a及び22b内で加熱された後の第二空気分流16を更に加熱するための熱交換器64が含まれている。加圧流42aを熱交換器18中で予熱する。更に、加圧流42aに、熱交換器18の前又は後ろで燃料66を添加し、加圧流42aは、熱交換器18内で加熱した後に酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60のカソード側68に導入される。場合によっては、加圧流42aの一部に酸素輸送燃焼器60を迂回させることができる。
【0036】
酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60には、滞留ガス流28中の残存酸素を分離するのに有効なセラミックの酸素輸送膜が収められている。アノード側68内の透過酸素は、燃料を含有する加圧流42a中の燃料と反応し、そのアノード側での酸素分圧を非常に低いレベル、蒸気パージ単独で到達できるよりかなり低いレベルに低下させ、その結果、滞留ガスの残存酸素含有量を非常に低いレベルまで低減させることができる。場合によっては、アノード表面又はその近隣に配置した酸化触媒によってアノード側での反応を高めることができる。好ましくは、酸素の60〜80パーセントを酸素輸送膜ユニット25内で分離し、残りを酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60内で分離する。
【0037】
酸化生成物と一緒に加圧パージ流42bを燃焼脱酸素ユニット60のアノード側68から排出し、酸素輸送膜ユニット25のアノード側26に導入する。加圧パージ流42bはアノード側26から酸素をパージする役割を果たし、酸素及び蒸気の他に燃料の燃焼生成物を含有する加圧酸素生成物流20aを形成する。前の実施形態と同様、加圧酸素生成物流20aを再沸騰器−凝縮器44に導入すると、大部分の蒸気が凝縮するので、流れ20aを直ぐに相分離器54に導入し、水で飽和され燃料の燃焼に由来する二酸化炭素を含有する酸素生成物流3aが得られる。これに関して、酸素生成物流3aは、典型的には溶積で約90%の酸素と溶積で約10%の二酸化炭素を含むことができる。酸素生成物は、下流での応用に適合すればそのままで使用可能であり、あるいは既知の方法によって酸素と副生二酸化炭素に分離できる。
【0038】
滞留ガス流28を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60に導入し、非常に低濃度の酸素を含む滞留ガス流70とする。滞留ガス流70を熱交換器22aに導入し、好ましくは、特殊で高価な耐高温性部品を必要としないガス膨張機を使用できるように、約750℃まで冷却する。滞留ガス流70を第一滞留ガス分流及び第二滞留ガス分流、すなわち74及び72に分割する。更に、熱交換器22b内で第二滞留ガス分流72と第二空気分流16との間で熱を移動させ、高純度窒素生成物流5を形成する。同時に、第一滞留ガス分流74を、空気圧縮機10を駆動するガス膨張機62内で膨張させ、得られた排気流76を熱交換器77に導入し、揚水後の水流36を予熱及び部分的に気化させることができる。その後続いて、排気流76を低圧窒素生成物として系外に排出する。熱交換器77内で部分的に気化させた後の加圧水流36を、空気燃焼ボイラー40内で完全に気化させ且つ部分的に過熱し、加圧流42aを生成させる。加えて、加圧プロセス流体流46を空気燃焼ボイラー40内で過熱する。
【0039】
本発明の任意の実施形態において、滞留ガスを加圧生成物として部分的に回収すること、及び動力回収を目的として膨張させることができることに注意されたい。
【0040】
図3について、図2に示したと同様なプロセス流れ図によって本発明の方法を説明するが、本方法の目的は空気及び滞留ガスの膨張によって生じる動力を増加させることである。この実施形態では、補助空気圧縮機80を準備し、サイクルから抜き取られたガス溶積を補償するために第一空気分流14と合流させる補助空気流82を生成させる。更に、滞留ガス流28の一部84には燃焼脱酸素ユニット60を迂回させ、ガス膨張機62の上流に配置した燃焼器86に直接流し込む。場合によっては、空気流88及び90を、熱交換器22bのそれぞれ前及び後ろで滞留ガス流28の一部84に添加し、被膨張物の量を増加させる。図3に示す特定の実施形態では、過熱ボイラー40aへの熱入力はガス膨張機62からの排気流76内に含まれる熱によってのみ供給される。ガス膨張機62によって系の空気圧縮機を駆動し、更なる配布用動力を発生させることができる。当然のことであるが、本発明の任意の実施形態において、インライン燃焼器の使用によるタービンの上流への更なる熱の追加、及び系の分離器部分を迂回させた空気を利用できるかもしれない。
【0041】
図4では、ポンプ38によって水流36を約15〜約60バールの範囲のより高い圧力に送り込む。次いで、加圧化した後の水流36を、熱交換器77及び空気燃焼ボイラー40で予熱及び気化させ、加圧過熱蒸気からなる加圧流42aを発生させる。加圧流42aを、蒸気タービン92内で加圧から中圧まで膨張させ、蒸気タービン90からの排気を排気流94として、図2のプロセスと同様、更に加熱し燃料を噴射した後、酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60のアノード側68に導入する。加圧酸素生成物及びランキンサイクル回路のプロセス流体に関する残りの部分は図2に示したものと同様である。加圧流42aの過熱度は、タービンで膨張している間に液滴が形成されるのを防止するのに十分なものでなければならない。
【0042】
本発明を好ましい実施形態に関して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に示した本発明の主旨及び範囲から逸脱することなしに、多くの付加、省略及び変更をなし得ることは、当業者にとって当然理解できることである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明方法を実施するための装置に関するプロセス流れ概略図である。
【図2】酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットを組み込み、高純度窒素生成物の製造を見込んだ、本発明の他の実施形態に関する概略図である。
【図3】窒素滞留ガス及び空気の混合流をインライン燃焼器に供し、ガス膨張機によってその混合流からエネルギーを取り出す、図2の他の実施形態を示す図である。
【図4】配送用動力を発生させる仕事を行いながら、蒸気パージ流を膨張させる、図2の他の実施形態を示す図である。
【0001】
本発明は、酸素含有ガスから酸素を分離し且つ動力を発生させる複合方法に関する。より詳細には、過熱蒸気でパージされる酸素輸送膜によって酸素を分離し、且つランキンサイクルによって動力を発生させる複合方法に関する。更に詳細には、熱を酸素輸送膜によって生じた酸素生成物流からランキンサイクルで使用されるプロセス流体に伝達する複合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素輸送膜の使用を含む、動力及び酸素生成サイクルの統合は、熱効率の観点から特に興味のあるものである。なぜなら、酸素輸送膜は、多くの動力発生サイクルで必要とされる高温を含む温度領域で酸素を効率的に分離するからである。
【0003】
酸素輸送膜は、周知の各種セラミックス、例えばペロブスカイト及びペロブスカイト様材料から形成される。約400℃〜約1000度の高温で、このようなセラミックスは、酸素分子及び複合形態で酸素を含む物質に対する不浸透性を保持しながら、酸素イオンを伝導することができる。酸素輸送膜では、酸素含有ガス中の酸素が膜のカソード側でイオン化する。酸素イオンは、膜の両側に加えられた酸素分圧の実効比(positive ratio)を起動力として、膜を横切って移動することができる。反対側、すなわち膜のアノード側に現れた酸素イオンは再結合して、膜のカソード側で酸素をイオン化するのに使用される電子を放出する。混合伝導体として知られるある種の材料では、電子は、セラミック内を直接的にカソードに送り返される。複相伝導体では、電子は、金属層又はセラミックス内に配置された電子伝導セラミック相によって伝導される。
【0004】
酸素輸送膜のアノードに向流(滞留側流れの方向に対し)パージを加えると、膜の長さに沿った酸素分圧が低下し、酸素輸送のための推進力が向上する。これによって、より高い酸素回収、及び/又は、パージしなければ推進力を発生させるのに必要であったかもしれないカソード側ガス及びアノード側ガスの圧縮度を減少させ、加圧で酸素を引き出すことができる、より効率的なサイクルが可能となる。酸素輸送膜のアノード側出口における蒸気の酸素に対するモル比によって、酸素生成物を回収できる最大圧力が決まり、比が大きければ大きいほど可能な酸素生成物の圧力が大きい。残念ながら、アノードにおける酸素分圧を大幅に低下させ及び又は酸素生成物の圧力を高めるには、蒸気の酸素に対する比率を高める必要がある。例えば、滞留ガスすなわちカソード側の空気圧力が12バールの状態で、カソードすなわち滞留側入り口での酸素分圧は約2.4バールである。ピンチポイントにおける1.5バールの最小酸素分圧比(膜を通過するイオン輸送のための推進力)で、それに対応して必要となる透過物側の酸素分圧は約1.6バールである。例えば酸素を6バールの圧力で取り出すことが所望であれば、蒸気の酸素に対する比率は約(6−1.6)/1.6=2.75でなければならない。
【0005】
加圧下で酸素を回収するためには、蒸気及び酸素から構成される透過生成物流を、冷却水などのヒートシンクで冷却して蒸気を凝縮させる。残念ながら、大量の蒸気を生成させるための熱量が必要であるため、この方法は経済的に魅力のあるものではない。なぜなら、この凝縮潜熱を効率的には回収できないからである。蒸気−酸素混合物をタービン中で膨張させると、酸素は低圧で回収される。続いて加圧の酸素生成物を必要とし酸素を再圧縮する必要がある場合には、このことが問題となる。また、高真空レベルからの酸素圧縮を回避したい場合には、タービン中で回収可能な動力発生エネルギーのかなりの部分が失われる。
【0006】
例えば米国特許第5,562,754号では、空気を圧縮し、インライン燃焼器中で加熱している。酸素輸送膜中で空気から酸素を分離し、滞留ガスを生成させている。滞留ガスの流れを、空気圧縮機及び場合によっては発電機を駆動するのに使用されるガス膨張機中で膨張させる。アノード側で蒸気パージを使用し、給水の予熱に使用される酸素生成物含有蒸気を生成させる。例示のサイクルでは、このような予熱の他には凝縮潜熱が回収されず、そこでサイクルに逸散してしまう。米国特許第5,964,922号では、ポンプで水を加圧し、次いで酸素輸送膜用の蒸気パージとして使用している。透過酸素及び蒸気の双方を含む加圧酸素生成物を水冷又は空冷凝縮器で冷却し、蒸気を凝縮して水にし、再循環できるようにする。その結果、凝縮潜熱は冷却媒体に逸散してしまう。米国特許第5,954,859号には、酸素輸送膜の透過ガス側を蒸気を含む加圧パージガス流でパージして、酸素及び蒸気を含む加圧ガス流を生成させることが開示されている。得られた流れをタービンに導入し、軸仕事として回収する。従って、もしその後に蒸気又は蒸気の一部が加圧であることを要求される場合には、それに伴なうエネルギーを費やして再圧縮する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
考察されるように、本発明は、生成物流に含まれる蒸気の凝縮潜熱からの仕事の回収を考慮に入れた圧力で酸素生成物流を生成させる、エネルギー効率のよい方法を包含する。本発明の他の有利な態様は以下の考察から明らかになろう
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、酸素含有ガスから酸素を分離し且つ動力を発生させる複合方法に関する。本発明方法によれば、酸素輸送膜ユニットによって酸素含有ガスから酸素を分離し、透過酸素及び酸素希薄化滞留ガスとする。酸素輸送膜ユニットには、少なくとも1個の酸素輸送膜が含まれていて、酸素輸送膜は、高い作動温度で作動し且つカソード側及びアノード側を有する。少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側を、加圧過熱蒸気を含む加圧パージ流でパージする。加圧酸素生成物流を、少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側から排出させる。加圧酸素生成物流には透過酸素及び蒸気が含まれている。酸素生成物流中に含まれる蒸気の凝縮温度よりも低い沸騰温度で沸騰するプロセス流体に熱を移動することによって、加圧酸素生成物中の蒸気の少なくとも一部を凝縮させる。その結果、そのプロセス流体が沸騰し、加圧酸素生成物流内の蒸気の少なくとも一部が凝縮する。凝縮水を加圧酸素生成物流から分離し、プロセス流体からは軸仕事としてエネルギーを取り出す。
【0009】
好ましくは、酸素輸送膜ユニット内での酸素分離に付す前に、酸素含有ガスを加熱する。酸素希薄化滞留ガスを、インライン燃焼器中で、滞留ガス流に含まれる残存酸素の少なくとも一部によって支持された燃料の燃焼によって加熱し、加熱滞留ガス流を生成させることができる。加熱滞留ガス流からの間接的熱移動によって、酸素含有流の少なくとも一部を加熱する。
【0010】
酸素含有ガスは空気であってもよく、空気を圧縮して圧縮空気流を形成できる。酸素希薄化滞留ガスからなる滞留ガス流をガス膨張機中で膨張させることができる。また。滞留ガス流を冷却した後にガス膨張機中で膨張させることにより、より低コストの材料の使用を可能にし、その資本コストを低減することができる。次いで、ガス膨張機によって空気圧縮機を駆動し、酸素含有ガスを圧縮できることが好ましい。別法としては、動力出力を増加させるために、滞留ガス流をインライン燃焼器中の燃焼によって更に加熱し、次いでガス膨張機中で膨張させることができる。
【0011】
圧縮空気流を、第一空気分流及び第二空気分流に分割できる。第一空気分流を加圧酸素生成物流との間接的熱交換によって加熱することができ、第二空気分流を第一空気分流とは別個に加熱する。第一分流及び第二分流を合流させた後に酸素輸送膜に導入する。
【0012】
酸素含有流から酸素を分離すると、少なくとも1個の酸素輸送膜のカソード側に滞留ガスが生成する。酸素希薄化滞留ガスの少なくとも一部からなる滞留ガス流を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットに導入し、滞留ガス流から更なる酸素を分離し、更なる透過酸素を形成できる。
【0013】
再循環水と必要であれば補充水とから構成される水流を、少なくともパージ回路における圧力低下に打ち勝つに必要な程度までポンプで送り込む。この水流を気化させ、且つ少なくとも部分的に過熱して、加圧流を形成する。第一燃料流を燃焼させ、その燃焼熱を混合水流に移動することによって、この加圧流を気化し、少なくとも一部を過熱する。第二燃料を加圧流中に導入し、加圧流の少なくとも一部を更に加熱し、次いで酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットに導入すると、燃料は更なる透過酸素と反応し、熱及び燃焼生成物を発生させる。この熱は、燃焼生成物、及び間接的熱移動によって圧縮給気の少なくとも一部を少なくとも部分的に加熱するのに使用できる。好ましくは、燃焼生成物を加圧パージ流に添加して、前記酸素輸送膜のアノードをパージするためのガスの容積を増加させる。これによって、酸素輸送膜のアノードの酸素分圧が更に減少し、また、残存燃料及び酸素輸送膜燃焼器から持ち込まれた部分酸化生成物の完全酸化が可能となる。加圧パージ流を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットから取り出す。
【0014】
酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットは更なる酸素希薄化滞留ガスを生成する。更なる酸素希薄化滞留ガスからなる更なる滞留ガス流を第一滞留ガス分流及び第二滞留ガス分流に分割できる。第一滞留ガス分流をガス膨張機中で膨張させて前記の空気圧縮機を駆動するための動力を発生できる。第二滞留ガス流を加圧窒素生成物として回収できる。膨張の前にインライン燃焼器内での燃焼によって第一滞留ガス分流を更に加熱できる。第二空気分流の一部を第一滞留ガス分流とインライン燃焼器の上流で合流させて燃料の燃焼を支持し、それによって第一滞留ガス分流に更なる熱及び質量を与えた後に膨張させる。
【0015】
本発明の任意の実施形態において、プロセス流体は水でよく、加圧パージ流中の蒸気はプロセス流体よりも加圧でよい。次いで、ランキンサイクル中のプロセス流体から動力を取り出すことができ、ランキンサイクルでは、液体凝縮物の形態のプロセス流体をパージ流の圧力よりも低い圧力でポンプで送り込み加圧液体を作り出す。再沸騰器−凝縮器内で、パージ流中の凝縮する蒸気の少なくとも一部との間接的熱交換によってこの加圧液体を気化させる。プロセス流体を過熱し、過熱後に蒸気タービン中でそのプロセス流を膨張させることができる。タービン中で作り出された軸仕事から動力を取り出すことができる。その後、蒸気タービンから排出されるプロセス流体を凝縮させ液体凝縮物(復水)を作り出すことができる。
【0016】
加圧パージ流は、少なくとも再循環水及び必要なら補充水から構成され、水流を形成することができる。加圧パージ流に燃焼生成物を添加する場合には、燃焼生成物に由来する水によって水の過剰が生じることになり、この過剰を除去する必要があるかもしれない。
【0017】
水流を気化、過熱し加圧流を形成できる。水流の気化及び過熱に必要な熱の少なくとも一部は過熱ボイラー中での燃焼によって供給される。プロセス流体は過熱ボイラー内での燃焼によって過熱される。
【0018】
加圧流用の水をポンプで送り込み、気化させ、過熱して加圧流を作り出すことができる。このようにして作り出した加圧流をタービン中で膨張させ、更なる動力を生み出すことができる。膨張後、タービンの排気流としての加圧流を再熱し、少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側をパージするのに使用できる。加圧流は、前記第一空気分流と一緒に酸素生成物流によって間接的に加熱される。膨張してしまった後の加圧流に燃料を添加することができる。そのあと、この加圧流を反応性パージとして酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットに導入し、熱と燃焼生成物を発生させる。燃焼生成物は、前記の加圧流に含まれる蒸気と一緒になって加圧パージ流を形成し、少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側をパージするのに使用される。
【0019】
凝縮温度は凝縮器の冷媒の温度で制限されるだけなので、ランキンサイクルの蒸気タービンは約14.7psiよりもかなり低い排気圧で運転できる。前記パージ流を気化させ過熱するための熱の少なくとも一部は膨張機の排気からの熱回収によって供給できる。
【0020】
本発明では、加圧酸素生成物を単に膨張させて動力を取り出すのではなく、むしろランキンサイクルに熱を供給するために使用するので、水で飽和された加圧酸素生成物を生成させること、又は所望の蒸気/酸素モル比で加圧の酸素−蒸気混合物を生成させることができる。必要な場合には、水分飽和酸素流を通常の手段によって乾燥することができる。蒸気酸素混合物を、石炭ガス化又は自熱改質器(autothermal reformer)などの下流プロセスで使用することができる。生成物を加圧で取り出すと、資本及び莫大なエネルギーを消費する酸素圧縮が削減され又は無用になる。同時に、ランキン蒸気サイクルによってエネルギーを効率的に取り出すことができる。
【0021】
明細書は、発明者が自らの発明であると考える主題を明確に指摘している特許請求の範囲によって最終的に結論付けられるが、発明は付属図面と関連させた場合により理解し易いと考えられる。
【0022】
繰返しを避け、図面に関する考察を簡単にするために、類似の構成要素については異なる図面中でも同一の参照番号を用いて示した。更に、明瞭化する目的で、給水加熱器、給水処理装置、及びエコノマイザー熱交換器など、主要でないプロセス構成要素を図示せずに、全体装置を単純化して示した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に、酸素含有ガスから酸素を分離し且つ動力を発生させるための、本発明の複合方法を実施する際のプロセス流れ図を開示する。この複合方法には、ランキン蒸気サイクル2と統合された酸素分離装置1が含まれる。この統合によって、水で飽和された酸素生成物3及び参照番号4で示した配送用動力が生じる。
【0024】
酸素分離装置1については、酸素含有ガス、空気を空気圧縮機10で圧縮し、圧縮空気流12を生成させる。圧縮空気流12を、第一空気分流14及び第二空気分流16に分割する。第一空気分流14は、熱交換器18中での加圧酸素生成物流20との間接的熱交換によって加熱される。第二空気流16は、熱交換器22中で以後に考察予定の加熱滞留ガス流32との間接的熱交換によって加熱され、次いで第一空気分流18と合流する。
【0025】
次いで、この混合流を酸素輸送膜ユニット25のカソード側24に導入する。酸素輸送膜ユニット25には、膜を通過するイオン輸送によって酸素含有給気から酸素を分離する、1個又は複数のセラミックスの酸素輸送膜が含まれている。酸素含有給気内の酸素はカソード側でイオン化する。酸素イオンは膜を通して膜のアノード側に輸送され、そこで、酸素のイオン化に使用される電子を放出して酸素に再構成される。好ましくは、膜は混合伝導膜であり、酸素イオンと電子の双方を伝導する周知の金属酸化物から、又は、イオン伝導金属酸化物及び電子伝導金属酸化物若しくは金属の複相から構成される。先に触れたように、このような膜は、高温下で、それぞれカソード側及びアノード側の酸素分圧の分圧比を推進力として機能する。膜は、平面状又はチューブ状でよく、厚めの密な壁体又は多孔性基盤で支持された薄膜で形成できる。
【0026】
酸素輸送膜25中で酸素を分離し、膜のアノード側26で酸素に再構成する。酸素を分離することによって、酸素輸送膜ユニット25のカソード側24に酸素希薄化滞留ガスが生じる。このようにして形成された酸素希薄化滞留ガスには、若干の酸素ガス、典型的には約3%〜約8%の酸素が含まれている。滞留ガス流28をインライン燃焼器30に導入し、滞留ガス流28中の残存酸素によって燃料の燃焼を支持し、高温滞留ガス流32を形成する。高温滞留ガス流32を熱交換器22に導入し、第二空気分流16を加熱する。この加熱によって、熱漏出及び熱交換器18及び22の冷末端熱損失を補償する。高温滞留ガス流32は、熱交換器22で有用な熱を取り出した後、加圧窒素富化流34として系から排出される。
【0027】
本発明の実施形態の一つとして、流入する全ての空気をインライン燃焼器30によって膜の作動温度まで加熱して、セラミック膜ユニット25をその作動温度まで加熱するのを支持できることは当然である。この点で、例示した実施形態では、大部分をインライン燃焼器30によって系に加えられた熱によってセラミック膜ユニット25を高い作動温度に維持する。
【0028】
再循環凝縮液56及び漏出補償に必要なら補充水を含む水流36を、ポンプ38によって送り込み、燃料及び空気で燃焼している過熱ボイラー40内に導入し、過熱状態の加圧パージ流42を生成させる。必要な全ての加熱を空気燃焼過熱ボイラー40内で実施することも可能であるが、好ましくは、熱交換器18内で加圧パージ流42を膜の作動温度近くまで更に加熱する。
【0029】
加圧パージ流42によって酸素輸送膜ユニット25のアノード側26をパージし、加圧酸素生成物流20を生成させる。加圧パージ流42によって酸素輸送膜ユニット25の酸素輸送膜から透過してきた酸素を吹掃し、アノード側26の酸素分圧を低下させ、それによって圧縮の必要度を低減させる。実際、本発明の実施形態では、圧縮をほとんど必要としないことも可能である。同時に、加圧蒸気によって加圧化され加圧酸素生成物20となる。
【0030】
加圧酸素生成物流20を、熱交換器18内で部分的に冷却する。この流れを次いでボイラー凝縮器44に導入し、含まれていた蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、熱をプロセス流体を沸騰させるのに引き渡す。ランキン蒸気サイクル2では、有利には蒸気から構成されるプロセス流体流46を、燃料及び空気燃焼している過熱ボイラー40内で過熱し、蒸気タービン48内で膨張させ、配送用動力4を得る。好ましくは、プロセス流体流46を蒸気タービン内で高真空圧力レベル、典型的には0.5〜3psiまで膨張させ、動力の生産を最大にする。次いで、プロセス流体流46を、冷却水又は冷却空気で冷やした凝縮器50内で液体凝縮物として凝縮させ、次いでポンプ52を使用して加圧する。加圧後、プロセス流体流46を再沸騰器−凝縮器44内で蒸気に変換し、過熱ボイラー40中で過熱する。加圧酸素生成物流20は加圧であり、そのため再沸騰器−凝縮器44内のプロセス流体流46よりも温度が高く、その結果、加圧酸素生成物の蒸気部分を凝縮させる際の凝縮熱をプロセス流体側に移動させ、ランキンサイクル回路内の水を気化させることができる。
【0031】
好ましくは、加圧酸素生成物流20とプロセス流体流46の温度差を小さく、典型的には約3〜約10℃に保つ。熱伝達膜係数は沸騰水及び凝縮水で大きいので、温度差を少なくすることによって、大きな資本追加を負担することなしに再沸騰器−凝縮器44中でのエネルギーポテンシャルの大きな損失を防止できる。米国特許第3,384,154号に記載されているような多孔性沸騰面、並びに/又は、溝付き沸騰面及び凝縮面など、十分確立された技術によって沸騰水及び凝縮水に対する高い熱伝達膜係数を強化できる。ここで、溝付き沸騰面及び凝縮面は、液体給液又は凝縮物のそれぞれを好ましい溝に引き寄せ、それによって熱伝達領域の主要部分に液体薄膜を用意する液相の表面張力を利用して自己強化されるものである。
【0032】
液体の水を含むに至った酸素生成物流20を相分離器54に導入し、酸素生成物3と水流56とに分離できる。水流56には、必要なら補充水流58を混合して水流36とすることができる。補充水流58によって、ランキンサイクル回路からのあらゆる漏出を補償する。本発明の有利な点は、本発明を、制御されたモル比で酸素−蒸気混合生成物が生成するように構成することが極めて容易であることである。下流のプロセスが前以て定めた蒸気含有量を有する酸素−蒸気混合物を必要としている場合には、このことが特に重要になることがある。これに関しては、例示はしていないが、酸素生成物流20の制御された部分に再沸騰器−凝縮器44を迂回させ、次いで再沸騰器−凝縮器44の下流で酸素生成物流20に戻すことができる。バイパス又は迂回量を制御する場合には、酸素生成物流20の蒸気含量も制御する。
【0033】
図2には、本発明による別な実施形態に関するプロセス流れ図を示す。このプロセスでは、既知の酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60を利用して更に高純度の窒素流5を生成させる。更に、ガス膨張機62で空気圧縮機10を駆動するのに使用できる動力を発生させる。
【0034】
空気を空気圧縮機10内で約6〜20バールに圧縮して、圧縮空気流12を形成し、それを第一空気分流及び第二空気分流すなわち14及び16に分割する。供給空気の主要部分である第二空気分流16を熱交換器22a及び22b内で加熱し、次いで酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60内で酸素輸送膜ユニット25の温度より僅かに高い温度、すなわち約750℃〜約1000℃まで更に加熱する。次いで、第二空気分流16を第一空気分流14と合流させ、酸素輸送膜ユニット25のカソード側24に導入する。
【0035】
酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60には、そのカソード側65に、熱交換器22a及び22b内で加熱された後の第二空気分流16を更に加熱するための熱交換器64が含まれている。加圧流42aを熱交換器18中で予熱する。更に、加圧流42aに、熱交換器18の前又は後ろで燃料66を添加し、加圧流42aは、熱交換器18内で加熱した後に酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60のカソード側68に導入される。場合によっては、加圧流42aの一部に酸素輸送燃焼器60を迂回させることができる。
【0036】
酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60には、滞留ガス流28中の残存酸素を分離するのに有効なセラミックの酸素輸送膜が収められている。アノード側68内の透過酸素は、燃料を含有する加圧流42a中の燃料と反応し、そのアノード側での酸素分圧を非常に低いレベル、蒸気パージ単独で到達できるよりかなり低いレベルに低下させ、その結果、滞留ガスの残存酸素含有量を非常に低いレベルまで低減させることができる。場合によっては、アノード表面又はその近隣に配置した酸化触媒によってアノード側での反応を高めることができる。好ましくは、酸素の60〜80パーセントを酸素輸送膜ユニット25内で分離し、残りを酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60内で分離する。
【0037】
酸化生成物と一緒に加圧パージ流42bを燃焼脱酸素ユニット60のアノード側68から排出し、酸素輸送膜ユニット25のアノード側26に導入する。加圧パージ流42bはアノード側26から酸素をパージする役割を果たし、酸素及び蒸気の他に燃料の燃焼生成物を含有する加圧酸素生成物流20aを形成する。前の実施形態と同様、加圧酸素生成物流20aを再沸騰器−凝縮器44に導入すると、大部分の蒸気が凝縮するので、流れ20aを直ぐに相分離器54に導入し、水で飽和され燃料の燃焼に由来する二酸化炭素を含有する酸素生成物流3aが得られる。これに関して、酸素生成物流3aは、典型的には溶積で約90%の酸素と溶積で約10%の二酸化炭素を含むことができる。酸素生成物は、下流での応用に適合すればそのままで使用可能であり、あるいは既知の方法によって酸素と副生二酸化炭素に分離できる。
【0038】
滞留ガス流28を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60に導入し、非常に低濃度の酸素を含む滞留ガス流70とする。滞留ガス流70を熱交換器22aに導入し、好ましくは、特殊で高価な耐高温性部品を必要としないガス膨張機を使用できるように、約750℃まで冷却する。滞留ガス流70を第一滞留ガス分流及び第二滞留ガス分流、すなわち74及び72に分割する。更に、熱交換器22b内で第二滞留ガス分流72と第二空気分流16との間で熱を移動させ、高純度窒素生成物流5を形成する。同時に、第一滞留ガス分流74を、空気圧縮機10を駆動するガス膨張機62内で膨張させ、得られた排気流76を熱交換器77に導入し、揚水後の水流36を予熱及び部分的に気化させることができる。その後続いて、排気流76を低圧窒素生成物として系外に排出する。熱交換器77内で部分的に気化させた後の加圧水流36を、空気燃焼ボイラー40内で完全に気化させ且つ部分的に過熱し、加圧流42aを生成させる。加えて、加圧プロセス流体流46を空気燃焼ボイラー40内で過熱する。
【0039】
本発明の任意の実施形態において、滞留ガスを加圧生成物として部分的に回収すること、及び動力回収を目的として膨張させることができることに注意されたい。
【0040】
図3について、図2に示したと同様なプロセス流れ図によって本発明の方法を説明するが、本方法の目的は空気及び滞留ガスの膨張によって生じる動力を増加させることである。この実施形態では、補助空気圧縮機80を準備し、サイクルから抜き取られたガス溶積を補償するために第一空気分流14と合流させる補助空気流82を生成させる。更に、滞留ガス流28の一部84には燃焼脱酸素ユニット60を迂回させ、ガス膨張機62の上流に配置した燃焼器86に直接流し込む。場合によっては、空気流88及び90を、熱交換器22bのそれぞれ前及び後ろで滞留ガス流28の一部84に添加し、被膨張物の量を増加させる。図3に示す特定の実施形態では、過熱ボイラー40aへの熱入力はガス膨張機62からの排気流76内に含まれる熱によってのみ供給される。ガス膨張機62によって系の空気圧縮機を駆動し、更なる配布用動力を発生させることができる。当然のことであるが、本発明の任意の実施形態において、インライン燃焼器の使用によるタービンの上流への更なる熱の追加、及び系の分離器部分を迂回させた空気を利用できるかもしれない。
【0041】
図4では、ポンプ38によって水流36を約15〜約60バールの範囲のより高い圧力に送り込む。次いで、加圧化した後の水流36を、熱交換器77及び空気燃焼ボイラー40で予熱及び気化させ、加圧過熱蒸気からなる加圧流42aを発生させる。加圧流42aを、蒸気タービン92内で加圧から中圧まで膨張させ、蒸気タービン90からの排気を排気流94として、図2のプロセスと同様、更に加熱し燃料を噴射した後、酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット60のアノード側68に導入する。加圧酸素生成物及びランキンサイクル回路のプロセス流体に関する残りの部分は図2に示したものと同様である。加圧流42aの過熱度は、タービンで膨張している間に液滴が形成されるのを防止するのに十分なものでなければならない。
【0042】
本発明を好ましい実施形態に関して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に示した本発明の主旨及び範囲から逸脱することなしに、多くの付加、省略及び変更をなし得ることは、当業者にとって当然理解できることである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明方法を実施するための装置に関するプロセス流れ概略図である。
【図2】酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニットを組み込み、高純度窒素生成物の製造を見込んだ、本発明の他の実施形態に関する概略図である。
【図3】窒素滞留ガス及び空気の混合流をインライン燃焼器に供し、ガス膨張機によってその混合流からエネルギーを取り出す、図2の他の実施形態を示す図である。
【図4】配送用動力を発生させる仕事を行いながら、蒸気パージ流を膨張させる、図2の他の実施形態を示す図である。
Claims (10)
- 酸素含有ガスから酸素(3)を分離し且つ動力(4)を発生させる複合方法であって、該方法が、
高い作動温度で作動する少なくとも1個の酸素輸送膜を含み且つカソード側(24)及びアノード側(26)を有する酸素輸送膜ユニット(25)中で、酸素含有ガス(14、16)から酸素を分離して透過酸素流と酸素希薄化滞留ガス流にすること、
少なくとも1個の酸素輸送膜のアノード側(26)を加圧過熱蒸気を含む加圧パージ流(42、42b)でパージすること、
前記の透過酸素と前記の蒸気を含む加圧酸素生成物流(20、20a)を、前記の少なくとも1個の酸素輸送膜の前記アノード側から排出すること、
前記加圧酸素生成物流(20、20a)中の少なくとも一部の蒸気を、加圧酸素生成物流中に含まれる蒸気の凝縮温度よりも低い沸騰温度で沸騰するプロセス流体への熱伝達によって凝縮(44)し、その結果として、プロセス流体(46)を沸騰させ且つ加圧酸素生成物流(20、20a)内の蒸気の少なくとも一部を凝縮させること、
前記の加圧酸素生成物流(20、20a)から凝縮水(56)を分離(54)すること、及び、
プロセス流体から軸仕事(4)としてエネルギーを取り出すこと、を含む複合方法。 - 前記の酸素含有ガスが空気であり、
該空気を圧縮して圧縮空気流(12)を形成し、
該圧縮空気流を第一空気分流及び第二空気分流(14、16)に分割し、
該第一空気分流(14)を加圧酸素生成物流(20、20a)との間接的熱交換によって加熱し、
該第二空気分流(16)を第一空気分流(14)とは別個に過熱し、且つ
該第一空気分流及び第二空気分流(14、16)を酸素輸送膜ユニット(25)に導入する前に合流させる、請求項1に記載の方法。 - 酸素含有流から酸素を分離することによって、少なくとも1個の酸素輸送膜の前記カソード側(24)に滞留ガスを残し、
少なくとも酸素希薄化滞留ガスの一部から構成される滞留ガス流(28)を、酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット(60)に導入することにより、前記滞留ガス流(20)から更に酸素を分離し、更なる透過酸素を生成させ、
少なくとも再循環水から形成される水流(36)をポンプで送り込み、
前記水流(36)を気化させ且つ少なくとも部分的に過熱して加圧流(42a)を形成し、
第一燃料流を燃焼させること及び燃焼熱を水流(36)に伝達することによって、該水流(36)を気化させ且つ少なくとも部分的に過熱し、
第二燃料(66)を前記の加圧流(42a)に導入し、
該加圧流(42a)を更に加熱し、次いで前記の酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット(60)に導入することにより、燃料を前記の更なる透過酸素と反応させて熱及び燃焼生成物を発生させ、且つ
該加圧パージ流(42b)を酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット(60)から排出する、
請求項2に記載の方法。 - 前記の酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット(60)によって更なる酸素希薄化滞留ガスを発生させ、
更なる酸素希薄化滞留ガスから構成される更なる滞留ガス流(70)を、第一滞留ガス分流及び第二滞留ガス分流(74,72)に分割し、
該第一滞留ガス分流(74)を、ガス膨張機(62)中で膨張させて前記の空気圧縮機(10)を駆動するための動力を発生させ、及び
前記の第二滞留ガス分流(72)を加圧窒素生成物(5)として回収する、
請求項3に記載の方法。 - 前記の酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット(60)によって更なる酸素希薄化滞留ガスを発生させ、
更なる酸素希薄化滞留ガスから構成される更なる滞留ガス流(70)を、第一滞留ガス分流及び第二滞留ガス分流(74,72)に分割し、
該第一滞留ガス分流(74)を、インライン燃焼器(86)内での燃焼によって加熱し、且つ
該第一滞留ガス分流(74)を、ガス膨張機(62)中で膨張させて前記の空気圧縮機(10)を駆動するための動力を発生させる、
請求項4に記載の方法。 - 前記第二空気分流(16)の一部(88)を、前記インライン燃焼器(86)の上流で前記第一滞留ガス分流(74)と合流させて燃料の燃焼を支持し、それによって膨張前の前記第一滞留ガス分流(74)に更なる熱と物質を付加する、請求項5に記載の方法。
- 前記のプロセス流体(46)が水であり、
前記加圧パージ流(42、42b)中の前記蒸気の圧力が前記プロセス流体(46)の圧力より高く、且つ
液体凝縮物の形態の前記プロセス流体(46)を、ポンプ(52)で前記パージ流(42)より低い圧力で送り込み、加圧液体を作り出すこと、
再沸騰器−凝縮器(40)中で前記凝縮パージ流(20)の少なくとも一部との間接的熱交換によって前記加圧液体を気化させること、
前記プロセス流体(40)を過熱すること、
過熱後の前記プロセス流を蒸気タービン(48)中で膨張させ、前記タービン(48)中で作り出された軸仕事(4)から前記の動力を取り出すこと、
及び、膨張後のプロセス流体を凝縮させて前記液体凝縮物を生成させること(50)を含む、
ランキンサイクル(2)中のプロセス流体から前記の動力を引き出す、
請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6に記載の方法。 - 前記加圧パージ流(42,42b)を少なくとも再循環水から構成して、水流(36)を形成し、
前記水流(36)を気化、過熱して、前記加圧パージ流(42a)を形成し、
前記水流を気化及び過熱するのに必要な熱の少なくとも一部を過熱ボイラー(40、40a)中での燃料の燃焼によって供給し、且つ
前記プロセス流体を過熱ボイラー(40、40a)内での燃料の燃焼によって過熱する、
請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6に記載の方法。 - 膨張後に、排気流(94)としての加圧流(42a)を再加熱し、パージガスとして酸素輸送膜燃焼脱酸素ユニット(60)内に導入する、請求項5に記載の方法。
- 前記蒸気タービン(48)を約14.7psiより低い排気圧で作動させる、請求項7に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/963,492 US6562105B2 (en) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | Combined method of separating oxygen and generating power |
PCT/US2002/030190 WO2003035223A1 (en) | 2001-09-27 | 2002-09-24 | Combined oxygen separation and power generation method |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005507041A true JP2005507041A (ja) | 2005-03-10 |
Family
ID=25507320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003537782A Abandoned JP2005507041A (ja) | 2001-09-27 | 2002-09-24 | 酸素分離及び動力発生を複合した方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6562105B2 (ja) |
EP (1) | EP1432496A1 (ja) |
JP (1) | JP2005507041A (ja) |
CN (1) | CN1592649A (ja) |
BR (1) | BR0212821A (ja) |
CA (1) | CA2461604A1 (ja) |
WO (1) | WO2003035223A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008014481A1 (en) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | Rollins William S Iii | High efficiency integrated gasification combined cycle power plant |
JP2012031862A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | General Electric Co <Ge> | Co2を回収するためのシステム及び方法 |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7967878B2 (en) * | 2002-01-04 | 2011-06-28 | Meggitt (Uk) Limited | Reformer apparatus and method |
US8177868B2 (en) | 2002-01-04 | 2012-05-15 | Meggitt (Uk) Limited | Reforming apparatus and method |
US6913636B2 (en) * | 2002-12-17 | 2005-07-05 | Hamilton Sundstrand Corporation | Low power nitrogen enriched air generation system |
US7122072B2 (en) * | 2003-11-17 | 2006-10-17 | Air Products And Chemicals, Inc. | Controlled heating and cooling of mixed conducting metal oxide materials |
US7118612B2 (en) * | 2003-12-30 | 2006-10-10 | Praxair Technology, Inc. | Oxygen separation method utilizing an oxygen transport membrane reactor |
DE102006035790B3 (de) * | 2006-07-28 | 2008-03-27 | Siemens Ag | Verfahren zum Betrieb einer Kraftwerksanlage mit integrierter Kohlevergasung sowie Kraftwerksanlage |
US7947115B2 (en) * | 2006-11-16 | 2011-05-24 | Siemens Energy, Inc. | System and method for generation of high pressure air in an integrated gasification combined cycle system |
EP2026004A1 (de) * | 2007-08-07 | 2009-02-18 | Siemens Aktiengesellschaft | Verfahren zum Betrieb einer Verbrennungsanlage sowie Verbrennungsanlage |
US7771509B1 (en) * | 2007-09-07 | 2010-08-10 | Cryogenic Group, Inc. | Magnetic oxygen concentrator for air streams |
US7954458B2 (en) * | 2007-11-14 | 2011-06-07 | Alstom Technology Ltd | Boiler having an integrated oxygen producing device |
FR2924755B1 (fr) * | 2007-12-05 | 2014-06-13 | Air Liquide | Cycle combine a reacteur ceramique membranaire d'oxycombustion refroidi a l'eau. |
US20130269631A1 (en) * | 2010-12-21 | 2013-10-17 | Inbicon A/S | Steam Delivery System for Biomass Processing |
US20140004470A1 (en) * | 2012-06-29 | 2014-01-02 | L'air Liquide Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude | Method and System for Injecting Low Pressure Oxygen from an Ion Transport Membrane into an Ambient or Super Ambient Pressure Oxygen-Consuming Process |
DE102013202713A1 (de) | 2013-02-20 | 2014-08-21 | Technische Universität Dresden | Vergasungsverfahren zur Erzeugung von Synthesegas mit integrierter Bereitstellung des Vergasungsmittels |
WO2014134246A2 (en) * | 2013-02-28 | 2014-09-04 | Air Products And Chemicals, Inc. | Process and apparatus for producing oxygen and nitrogen using ion transport membranes |
DE102014115849A1 (de) * | 2014-10-30 | 2016-05-04 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Verfahren und Anordnung zur Erzeugung und thermischen Kompression von Sauerstoff |
EP3015660B1 (de) * | 2014-10-31 | 2018-12-05 | Orcan Energy AG | Verfahren zum betreiben eines thermodynamischen kreisprozesses |
DE102015119915A1 (de) * | 2015-11-18 | 2017-05-18 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Verfahren und Vorrichtung zum Betrieb einer Gasturbine mit nasser Verbrennung |
ES2770149B2 (es) * | 2018-12-31 | 2023-02-23 | Kerionics S L | Procedimiento e instalación para la separación selectiva de gases en un proceso de oxicombustión mediante membranas permeables de oxígeno |
US11491443B2 (en) * | 2019-04-04 | 2022-11-08 | Hamilton Sundstrand Corporation | Process water gas management of electrochemical inert gas generating system |
Family Cites Families (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3384154A (en) * | 1956-08-30 | 1968-05-21 | Union Carbide Corp | Heat exchange system |
US5565017A (en) * | 1993-12-17 | 1996-10-15 | Air Products And Chemicals, Inc. | High temperature oxygen production with steam and power generation |
US5562754A (en) | 1995-06-07 | 1996-10-08 | Air Products And Chemicals, Inc. | Production of oxygen by ion transport membranes with steam utilization |
US5837125A (en) * | 1995-12-05 | 1998-11-17 | Praxair Technology, Inc. | Reactive purge for solid electrolyte membrane gas separation |
US6117210A (en) * | 1997-04-29 | 2000-09-12 | Praxair Technology, Inc. | Solid electrolyte systems for producing controlled purity oxygen |
US5865878A (en) * | 1997-04-29 | 1999-02-02 | Praxair Technology, Inc. | Method for producing oxidized product and generating power using a solid electrolyte membrane integrated with a gas turbine |
US6149714A (en) * | 1997-06-05 | 2000-11-21 | Praxair Technology, Inc. | Process for enriched combustion using solid electrolyte ionic conductor systems |
US5888272A (en) * | 1997-06-05 | 1999-03-30 | Praxair Technology, Inc. | Process for enriched combustion using solid electrolyte ionic conductor systems |
NO308398B1 (no) | 1997-06-06 | 2000-09-11 | Norsk Hydro As | Fremgangsmate for utforelse av katalytiske eller ikke-katalytiske prosesser hvori oksygen er ±n av reaktantene |
US6077323A (en) * | 1997-06-06 | 2000-06-20 | Air Products And Chemicals, Inc. | Synthesis gas production by ion transport membranes |
US5837034A (en) * | 1997-06-23 | 1998-11-17 | Praxair Technology, Inc. | Process for reducing carbon production in solid electrolyte ionic conductor systems |
US6106591A (en) * | 1997-06-23 | 2000-08-22 | Praxair Technology, Inc. | Process for reducing carbon production in solid electrolyte ionic conductor systems |
US5935298A (en) * | 1997-11-18 | 1999-08-10 | Praxair Technology, Inc. | Solid electrolyte ionic conductor oxygen production with steam purge |
US5976223A (en) * | 1997-11-18 | 1999-11-02 | Praxair Technology, Inc. | Solid electrolyte ionic conductor systems for oxygen, nitrogen, and/or carbon dioxide production with gas turbine |
US5954859A (en) | 1997-11-18 | 1999-09-21 | Praxair Technology, Inc. | Solid electrolyte ionic conductor oxygen production with power generation |
US5964922A (en) | 1997-11-18 | 1999-10-12 | Praxair Technology, Inc. | Solid electrolyte ionic conductor with adjustable steam-to-oxygen production |
US6010614A (en) * | 1998-06-03 | 2000-01-04 | Praxair Technology, Inc. | Temperature control in a ceramic membrane reactor |
US6114400A (en) * | 1998-09-21 | 2000-09-05 | Air Products And Chemicals, Inc. | Synthesis gas production by mixed conducting membranes with integrated conversion into liquid products |
US6293084B1 (en) * | 2000-05-04 | 2001-09-25 | Praxair Technology, Inc. | Oxygen separator designed to be integrated with a gas turbine and method of separating oxygen |
US6406518B1 (en) * | 2000-08-21 | 2002-06-18 | Praxair Technology, Inc. | Gas separation process using ceramic membrane and regenerators |
-
2001
- 2001-09-27 US US09/963,492 patent/US6562105B2/en not_active Expired - Lifetime
-
2002
- 2002-09-24 CN CNA028234197A patent/CN1592649A/zh active Pending
- 2002-09-24 BR BR0212821-7A patent/BR0212821A/pt not_active Application Discontinuation
- 2002-09-24 CA CA002461604A patent/CA2461604A1/en not_active Abandoned
- 2002-09-24 JP JP2003537782A patent/JP2005507041A/ja not_active Abandoned
- 2002-09-24 EP EP02778316A patent/EP1432496A1/en not_active Withdrawn
- 2002-09-24 WO PCT/US2002/030190 patent/WO2003035223A1/en not_active Application Discontinuation
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008014481A1 (en) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | Rollins William S Iii | High efficiency integrated gasification combined cycle power plant |
JP2012031862A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | General Electric Co <Ge> | Co2を回収するためのシステム及び方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6562105B2 (en) | 2003-05-13 |
BR0212821A (pt) | 2004-10-13 |
US20030056647A1 (en) | 2003-03-27 |
CA2461604A1 (en) | 2003-05-01 |
EP1432496A1 (en) | 2004-06-30 |
CN1592649A (zh) | 2005-03-09 |
WO2003035223A1 (en) | 2003-05-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005507041A (ja) | 酸素分離及び動力発生を複合した方法 | |
EP1070830B1 (en) | Method and apparatus of converting heat to useful energy | |
JP2954527B2 (ja) | 熱力学サイクルを実施する方法および装置 | |
KR940002718B1 (ko) | 직접 연소식(direct fired)동력 사이클을 수행하는 장치 및 방법 | |
EP0652368B1 (en) | Method and apparatus for converting heat from geothermal liquid and geothermal steam to electric power | |
EP0505758B1 (en) | Method and apparatus for converting thermal energy into electric power | |
JP2933854B2 (ja) | 熱エネルギーを機械的および電気的動力に変換するシステムおよび装置 | |
JP3961058B2 (ja) | 有効エネルギーへの熱変換方法およびその装置 | |
US6009711A (en) | Apparatus and method for producing power using geothermal fluid | |
US6694740B2 (en) | Method and system for a thermodynamic process for producing usable energy | |
KR101398312B1 (ko) | 저온 열 소스의 열 에너지를 기계 에너지로 변환하기 위한 방법 및 장치 | |
JP2001523546A (ja) | 酸素選択性イオン輸送膜を組込む熱的に駆動される酸素/窒素プラント | |
US6216436B1 (en) | Integrated gasification combined cycle power plant with kalina bottoming cycle | |
US20090117024A1 (en) | Process for the Production of Hydrogen with Co-Production and Capture of Carbon Dioxide | |
US20060010870A1 (en) | Efficient conversion of heat to useful energy | |
JP4388067B2 (ja) | 熱力学サイクルの実施方法と装置 | |
RU2468214C2 (ru) | Устройство с паровой турбиной и конденсатором и способ его работы | |
JPH025963B2 (ja) | ||
JP2009221961A (ja) | バイナリー発電システム | |
CN112703300A (zh) | 一种用于使用组合动力循环来产生机械能的装置 | |
JPH11319464A (ja) | 蒸気パージを使用する個体電解質イオン導体酸素製造 | |
US6623714B2 (en) | Oxygen separation method using a ceramic membrane unit | |
KR101917430B1 (ko) | 발전장치 | |
US7373904B2 (en) | Stratified vapor generator | |
US4535594A (en) | Method and apparatus for generating power and low pressure saturated or near saturated steam |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050912 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20060411 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060411 |