JP2005506372A - プロゲニポエチンによる免疫応答性移植片の免疫活性を調節する方法 - Google Patents

プロゲニポエチンによる免疫応答性移植片の免疫活性を調節する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、一般的に、免疫細胞の集団の免疫活性を調節する方法に関し、より詳細には、免疫応答性移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする方法に関する。本発明の方法は、特に、異常な、望ましくない、または他の不適切な移植片の免疫活性によって特徴付けられる状態の処置および/または予防(例えば、同種異系幹細胞移植片レシピエントにおける移植片対宿主病の予防処置であるがこれに限定されない)において有用である。

Description

【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、免疫細胞の集団の免疫活性を調節する方法に関し、より詳細には、免疫応答性移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする方法に関する。本発明の方法は、とりわけ、異常な、望ましくない、または他の不適切な移植片の免疫活性によって特徴付けられる状態の処置および/または予防(例えば、同種異系幹細胞移植片レシピエントにおける移植片対宿主病の予防処置であるがこれに限定されない)において有用である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本明細書中で数字で引用される文献目録の詳細は、発明の詳細な説明の最後に総集されている。
【0003】
本明細書におけるいかなる先行技術への言及も、先行技術がオーストラリアにおいて共通の一般的知見の一部を形成することを承認するものでもまたはいかなる形態においても示唆するものではなく、およびそのように取られるべきでない。
【0004】
同種異系組織移植は、広範かつ日常的に実行されている技術である。特に、同種異系幹細胞移植は、現在、多数の悪性疾患および悪性でない疾患の処置において示されている。しかし、その手順の使用は、その深刻な複雑さによって制限されている。例えば、移植拒絶の問題に加えて、同種異系組織またはそれ自体免疫応答性である細胞集団(例えば、骨髄移植片、脾臓移植片、または幹細胞移植片)を受けた患者は、移植片対宿主病−潜在的に致死的な状態の発症のリスクを負う。従って、移植片レシピエントにおける移植片対宿主病の発症を最小化しながら、このような同種異系移植片の生存を促進するための方法を開発する必要が継続して存在している。
【0005】
本発明の糸口となった研究において、本発明者らは、移植片を収集する前の、移植組織またはドナーをプロゲニポエチン(G-CSFおよびFlt-3Lレセプターアゴニスト)での処理が、同種異系幹細胞移植に引き続く移植片対宿主病のダウンレギュレーションをもたらすことを決定した。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本明細書およびそれに従う特許請求の範囲を通して、文脈において別途要求していない限り、用語「含む(comprise)」およびそのバリエーション(例えば「含む(comprises)」および「含む(comprising)」)は、1つの言及した整数もしくは段階または複数の整数または段階の群を包含することを意味するが、任意の他の整数もしくは段階または任意の他の整数もしくは段階の群の排除を意味するものではないことが理解される。
【0007】
本発明の1つの局面は、免疫応答性移植片の免疫活性を調節する方法を目的とし、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と接触させる段階を含む。
【0008】
別の局面において、同種異系免疫応答性移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする方法が提供され、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と接触させる段階を含む。
【0009】
なお別の局面において、同種異系免疫応答性移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする方法が提供され、上記方法は、上記移植片を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物で前処理する段階を含む。
【0010】
なお別の局面において、本発明は、防御性免疫細胞の集団の生成に関し、上記方法は、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物とともに免疫応答性細胞の集団を培養する段階を包含し、ここで上記防御性免疫細胞は上記免疫応答性細胞の免疫活性をダウンレギュレートし、その免疫活性は同種異系標的細胞集団を指向する。
【0011】
本発明のさらなる局面は、同種異系免疫応答性移植片の異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の処置および/または予防に関連する本発明の使用に関する。このような免疫活性はまた、移植片対宿主病として言及される。この移植片対宿主病の発生は、同種異系免疫応答性移植片が、特定の型の癌のための処置に従っているようなレシピエントに移植されることが必要とされる任意の状況(ここでは骨髄移植が必要とされる)において起こり得る。
【0012】
本発明の別のさらなる局面は、免疫応答性移植片の異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の予防的および/または治療的処置のための方法を目的とし、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と、上記移植片の免疫活性をダウンレギュレーションするに十分な時間および条件で接触させる段階を含む。
【0013】
なお別のさらなる局面において、本発明は、被験体における、同種異系免疫応答性移植片の異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の予防的および/または治療的処置のための方法を目的とし、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と、上記移植片の免疫活性をダウンレギュレーションするに十分な時間および条件で接触させる段階を含む。
【0014】
別の局面において、本発明は、被験体における、同種異系免疫応答性移植片の異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の治療的および/または予防的処置のための方法を目的とし、上記方法は、上記哺乳動物に、本明細書中で以前に定義したような有効数の防御性免疫細胞を、上記移植片とともに投与する段階を含む。
【0015】
本発明のなお別の局面は、本明細書中で先に定義したような防御性免疫細胞、および以前に開示した方法に従うそれらの使用に関する。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、部分的には、移植片ドナーのプロゲニポエチン前処理が、同系異種免疫応答性移植片の受容に引き続く、移植片レシピエントにおける移植片対宿主病の発生を最小化するという判定を意味する。
【0017】
従って、本発明の1つの局面は、免疫応答性移植片の免疫活性を調節する方法を目的とし、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と接触させる段階を含む。
【0018】
「プロゲニポエチン」との言及は、その機能的誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物にまで特定されない程度までの、すべての型のプロゲニポエチンへの言及として理解されるべきである。これは、例えば、この分子のすべてのタンパク質型、またはそのすべての機能的等価物もしくは誘導体を含む(例えば、コードするmRNAの選択的スプライシングから生じ得る任意のアイソフォームを含む)。これは、この分子の機能的変異体、多型改変体、または相同体への言及を含む。これはまた、この分子の機能的類似体または等価物への言及を含む。本発明を1つの理論または作用の様式に限定することなく、知られている6つが存在する(プロゲニポエチン1-6と呼ばれるプロゲニポエチンの機能的改変体)。従って、「プロゲニポエチン」との言及は、これら6つの改変体への言及を含むと理解されるべきである。好ましくは、上記プロゲニポエチンは、プロゲニポエチン-1である。「プロゲニポエチン」との言及はまた、プロゲニポエチンをコードする遺伝的分子または上記核酸分子の誘導体、相同体、もしくは類似体への言及を含むと理解されるべきである。
【0019】
「免疫応答性移植片」との言及は、免疫細胞を含む細胞の集団への言及として理解されるべきである。「免疫細胞」は、免疫応答の1つまたはそれ以上の局面(例えば、抗原提示を容易にすること(例えば、樹状細胞、B細胞)、食作用(例えば、マクロファージ)、免疫エフェクターメカニズム(例えば、細胞傷害性T細胞、抗体依存性細胞傷害性細胞、顆粒球)、抗体産生(例えば、B細胞)、サイトカイン産生(例えば、Tヘルパー細胞、間質細胞、顆粒球)であるがこれらに限定されない)に、直接的または間接的に寄与する細胞を意味する。被験体の免疫細胞は任意の分化段階にあり得ることが理解されるべきである。従って、細胞は、未成熟であり得、それゆえに、さらなる分化の非存在下で機能的に不適格である。この点に関して、未成熟な細胞型または未成熟でない細胞型の範囲に分化する能力を保持する、高度に未成熟な細胞(例えば、幹細胞またはCFU-1)は、それにもかかわらず、適切な条件下で免疫細胞に分化するそれらの能力に起因して、本明細書中で使用されるような「免疫細胞」の定義を満足することが理解されるべきである。従って、例えば、幹細胞を含む移植片は、本発明の範囲における免疫応答性移植片である。本発明の免疫応答性移植片はまた、非免疫細胞成分を含み得ることがさらに理解されるべきである。このことは、例えば、未精製の骨髄または脾臓細胞移植片が移植の対象物である場合に予測される。なぜなら、このような移植片は、赤血球、線維芽細胞、血小板、脂肪細胞、および他のこのような非免疫細胞を含むことが予測され得るからである。
【0020】
レシピエントに移植される移植片、および本発明の方法に従って処理される移植片が、任意の適切な形態であり得ることが理解されるべきである。例えば、この移植片は、単一の細胞懸濁物として存在する細胞の集団を含み得るか、または組織試料フラグメントもしくは器官を含み得る。この細胞または組織は、任意の適切な供給源から提供され得る。例えば、細胞は、個体から、または存在する細胞株から単離され得る。細胞は、一次細胞または二次細胞であり得る。一次細胞は個体から単離されたものである。二次細胞は、その単離後に遺伝子操作のような何らかの形のインビトロ操作を行ったものである。対象の組織移植片もまた、個体に直接的に由来し得るか、または、インビトロで生成もしくは合成された組織試料もしくは器官のようなインビトロ供給源に由来し得る。対象の組織または器官はまた、ドナーからのその単離の後で操作され得る。
【0021】
本発明のプロセスは、好ましくは、同種異系の能力のあるレシピエントに導入されたか、または導入されるべきである移植片の免疫活性を調節するために利用される。すなわち、レシピエントと同じ種のドナーであるがMHC不適合性である場合である。本発明のプロセスはまた、「異種」移植の文脈において適用され得る。これは、ドナー細胞が、レシピエントのそれとは異なる種から単離されたことを意味する(例えば、ブタ細胞がヒトレシピエントに導入される場合)。好ましくは、本発明のプロセスは、同種異系移植の文脈において適用される。この点に関して、本明細書中以後の「同種異系」免疫応答性移植片との言及は、同種異系移植の文脈において利用されると提案される移植片への言及として理解されるべきである。本明細書中で詳細に述べられるように、移植片は、同種異系レシピエントへの移植後に、またはこの事象の発生の前に、プロゲニポエチンで処理され得る。
【0022】
より詳細には、同種異系免疫応答性移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする方法が提供され、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と接触させる段階を含む。
【0023】
好ましくは、上記プロゲニポエチンはプロゲニポエチン-1である。
【0024】
免疫応答性移植片の「免疫活性」との言及は、移植片を含む1つまたはそれ以上の免疫細胞の機能的活性への言及として理解されるべきである。ここで、上記機能的活性は、直接的または間接的に、移植片レシピエントに対して指向する免疫応答に寄与する。「移植片レシピエントに対して指向する」とは、移植片の免疫細胞によって、直接的または間接的に寄与される免疫応答が、移植片のドナー細胞とレシピエント細胞との間のMHCプロフィールの違いに照らして外来性であると認識されるこれらの細胞に起因して、レシピエントの1つまたはそれ以上の細胞を拒絶することを指向することを意味する。
【0025】
本発明の方法は、同種異系移植片組織のプロゲニポエチンでの前処理が、免疫応答性移植片がそれらの移植後に誘導する抗レシピエント免疫活性をダウンレギュレーションという判定を基礎としている。この点に関して、対象の移植片は、以下を含むがこれらに限定されない任意の適切な手段によってプロゲニポエチンと接触され得ることが理解されるべきである:
(i)移植片を採取する前に、移植片ドナーにプロゲニポエチンを投与すること;
(ii)ドナーから取り出した後であるが、移植の前である移植片組織へのプロゲニポエチンのインビトロ投与。この方法は、免疫応答性移植片が、保存された組織またはインビトロで生成された組織もしくは培養された組織に由来する場合に特に重要である;
(iii)移植片の移植の時点またはその周辺の時点で移植片レシピエントへのプロゲニポエチンの投与。
【0026】
対象の前処理は、当業者に周知である任意の適切な手段によって達成され得る。
【0027】
好ましくは、移植片は、移植に先立ってプロゲニポエチンで処理される。すなわち、上記の(i)または(ii)の点に詳述される方法に従う。この点に関して、移植前のプロゲニポエチンでの移植片の処理は、本明細書中では「前処理」と呼ばれる。
【0028】
この好ましい態様に従って、同種異系免疫応答性移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする方法が提供され、上記方法は、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物で上記移植片を前処理する段階を含む。
【0029】
好ましくは、上記プロゲニポエチンはプロゲニポエチン-1である。
【0030】
「誘導体」には、天然、合成、または組換えの供給源(融合タンパク質を含む)からのフラグメント、パート、ポーション、変異体、改変体、および模倣物が含まれる。パートまたはフラグメントには、例えば、プロゲニポエチンの活性領域が含まれる。誘導体は、アミノ酸の挿入、欠失、または置換に由来し得る。アミノ酸挿入誘導体には、アミノ末端および/またはカルボキシ末端融合物、ならびに単数または複数のアミノ酸の配列内挿入が含まれる。挿入アミノ酸配列改変体は、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基がタンパク質中のあらかじめ決定された部位に導入されるが、ランダムな挿入もまた、得られる生成物の適切なスクリーニングを用いて可能であるものである。欠失改変体は、配列からの1つまたはそれ以上のアミノ酸の除去によって特徴付けられる。置換アミノ酸改変体は、配列中の少なくとも1つの残基が除去され、異なる残基がその場所に挿入されたものである。置換アミノ酸改変体の例は、保存性アミノ酸置換である。保存性アミノ酸置換は、代表的には、以下のグループ中での置換を含む:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギンおよびグルタミン;セリンおよびスレオニン;リジンおよびアルギニン;ならびに、フェニルアラニンおよびチロシン。アミノ酸配列への付加は、他のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質との融合物を含む。
【0031】
プロゲニポエチンの化学的および機能的等価物またはそれをコードする核酸分子は、これらの分子の1つまたはそれ以上のいずれかの機能的活性を示す分子として理解されるべきであり、天然の生成物のスクリーニングのようなスクリーニングプロセスを介して化学的合成または同定されるような任意の供給源に由来し得る。
【0032】
プロゲニポエチンの誘導体には、特定のエピトープあるいはペプチド、ポリペプチド、または他のタンパク質性もしくは非タンパク質性分子に融合した全体の分子の一部を有するフラグメントが含まれる。
【0033】
本明細書中で意図されるプロゲニポエチンの類似体には、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質合成の間の側鎖の修飾、非天然アミノ酸の取り込み、および/またはそれらの誘導体、ならびに、架橋試薬の使用およびタンパク質性分子またはそれらの類似体上でのコンホメーションの制限を課す他の方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0034】
核酸配列の誘導体は、他の核酸分子との融合を含む、単一もしくは複数のヌクレオチドの置換、欠失、および/または付加に同様に由来し得る。本発明の核酸分子の誘導体には、オリゴヌクレオチド、PCRプライマー、アンチセンス分子、コサプレッションにおける使用のために適切な分子、および核酸分子の融合物が含まれる。核酸配列の誘導体はまた、縮重改変体を含む。
【0035】
本発明によって意図される側鎖修飾の例には、アミノ基の修飾(例えば、アルデヒドを用いる反応による還元的アルキル化、続いてNaBH4を用いる還元による);メチルアセチミデートを用いるアミド化;無水酢酸を用いるアシル化;シアン酸を用いるアミノ基のカルバモイル化;2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を用いるアミノ基のトリニトロベンゼン化;無水コハク酸および無水テトラヒドロフタル酸を用いるアミノ基のアシル化;ならびに、ピリドキサール-5-リン酸を用いるリジンのピリドキシル化、続いてNaBH4を用いる還元が含まれる。
【0036】
アルギニン残基のグアニジン基は、2,3-ブタンジオン、フェニルグリオキサール、およびグリオキサールのような試薬を用いる複素環式縮合生成物の形成によって修飾され得る。
【0037】
カルボキシル基は、O-アシリソウレア形成、続いてその後の誘導体化(例えば、対応するアミドまで)を介するカルボジイミド活性化によって修飾され得る。
【0038】
スルフヒドリル基は、ヨード酢酸またはヨードアセトアミドを用いるカルボキシメチル化;過ギ酸のシステイン酸への酸化;他のチオール化合物を用いる混合ジスルフィドの形成;マレイミド、無水マレイン酸、もしくは他の置換マレイミドを用いる反応;4-クロロ水銀安息香酸塩、4-クロロ水銀フェニルスルホン酸、フェニル水銀クロライド、2-クロロ水銀-4-ニトロフェノールおよび他の水銀剤を使用する水銀誘導体の形成;シアン酸塩をアルカリpHで用いるカルバモイル化のような方法によって修飾され得る。
【0039】
トリプトファン残基は、例えば、N-ブロモスクシニミドを用いる酸化、または2-ヒドロキシ-5-ニトロベンジルブロミドもしくはスルフェニルハライドを用いるインドール環のアルキル化によって修飾され得る。他方、チロシン残基は、テトラニトロメタンを用いるニトロ化によって改変されて、3-ニトロチロシン誘導体を形成し得る。
【0040】
ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾は、ヨード酢酸誘導体を用いるアルキル化またはジエチルピロカーボネートを用いるN-カルボエトキシ化によって達成され得る。
【0041】
タンパク質合成の間に取り込む非天然アミノ酸および誘導体の例には、ノルロイシン、4-アミノ酪酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンタン酸、6-アミノヘキサン酸、t-ブチルグリシン、ノルバリン、フェニルグリシン、オルニチン、サルコシン、4-アミノ-3-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン酸、2-チエニルアラニン、および/またはアミノ酸のD-異性体の使用が含まれるがこれらに限定されない。本明細書中で意図される非天然アミノ酸のリストを表1に示す。
【0042】
(表1)
Figure 2005506372
Figure 2005506372
Figure 2005506372
【0043】
架橋試薬は、例えば、ホモ二官能性架橋試薬(例えば、n=1〜n=6の(CH2)nスペーサー基を有する二官能性イミドエステル、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシニミドエステル)および、通常アミノ反応性部分(例えば、N-ヒドロキシスクシニミドおよび別の基特異的な反応部分)を含むヘテロ二官能性試薬を使用して、三次元コンホメーションを安定化するために使用され得る。
【0044】
対象の免疫応答性移植片の検疫活性を「ダウンレギュレーションする」という表現は、上記活性を少なくとも部分的にダウンレギュレーションすることの言及として理解されるべきである。しかし、この活性の全体のダウンレギュレーションは、特定の防御性免疫細胞の活性をアップレギュレートすることによって機構的に達成され得ることが理解されるべきである。
【0045】
「有効量」または「有効数」とは、少なくとも所望の応答を部分的に得るため、または発症を遅らせるか、もしくは停止の進行を全体で阻害するために必要な量または数を意味し、特定の状態の発症または進行が処置される。その量は、処置される個体の健康および身体的な状態、処置される個体の分類学的な群、所望される防御の程度、組成物の処方、医学的状況の評価および他の関連する因子に依存して変化する。その量は、日常的な治験を通して決定され得る比較的広い範囲に合致することが予測される。
【0046】
この点に関して、本発明を1つの理論または作用の様式に限定することなく、本発明者らは、プロゲニポエチンによる移植片の前処理が、移植片対宿主病に対して防御的であるCD4+T細胞を含むがこれらに限定されない防御性免疫細胞の増殖および分化をアップレギュレートすることを判定した。従って、本発明は、防御的なドナーである免疫細胞集団の生成およびこれらの免疫細胞のレシピエントへの投与(ドナー由来の免疫応答性移植片より前に、その後で、またはそれと同時にのいずれかで)に拡張されることが理解されるべきである。
【0047】
従って、本発明の別の局面は、防御性免疫細胞の集団の生成を目的とし、上記方法は、免疫応答性細胞の集団を有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物とともに培養する段階を包含し、ここで上記防御性免疫細胞は、上記免疫応答性細胞の免疫活性をダウンレギュレートし、この免疫活性は同種異系標的細胞集団を指向する。
【0048】
好ましくは、上記プロゲニポエチンはプロゲニポエチン-1であり、上記免疫応答性細胞の集団は、幹細胞集団、骨髄集団、または脾臓細胞集団である。
【0049】
好ましくは、上記防御性免疫細胞の集団は、防御的CD4+T細胞の集団である。上記防御性免疫細胞は、選択的に、対象の培養物から精製され得る。
【0050】
本明細書中における「防御性免疫細胞」という表現は、プロゲニポエチン処理に従って生成され、免疫応答性細胞の免疫活性をダウンレギュレートするように機能する細胞に対する言及として理解されるべきである。この免疫応答性細胞は、防御的細胞に関して同系であるが防御の対象物である標的細胞集団に関して同種異系である。
【0051】
本明細書中における「樹状細胞」という表現は、樹状細胞の形態学、表現型、または機能的活性を示す細胞、およびその変異体もしくは改変体に対する言及を含むものとして読まれるべきである。樹状細胞の形態学的特徴には、長い細胞質突起または複数の微細な樹状突起を伴う大きな細胞が含まれるがこれらに限定されない。表現型的な特徴には、MHCクラスI、MHCクラスII、CD1、またはCD8のうちの1つまたはそれ以上の発現が含まれ得るがこれらに限定されない。機能的活性には、未処理の同種異系T細胞についての活性化能力が含まれるがこれらに限定されない。「改変体」には、樹状細胞の形態学的もしくは表現型的特徴または機能的活性のいくつかを示すがすべてを示すわけではない細胞が含まれるがこれらに限定されない。「変異体」には、トランスジェニックである樹状細胞が含まれるがこれらに限定されない。ここで、上記トランスジェニック細胞は、抗原、免疫調節因子もしくはサイトカイン、またはレセプターをコードする遺伝子のような1つまたはそれ以上の遺伝子を発現するように操作される。好ましくは、上記樹状細胞は、リンパ系樹状細胞であり、なおより好ましくは、CD8HI/DIM樹状細胞である。
【0052】
本発明を1つの理論または作用の様式に限定することなく、防御的CD4+T細胞集団がTh3型細胞の集団であることが考えられる。
【0053】
本発明のドナーおよびレシピエントは哺乳動物であり、ヒト、霊長類、家畜動物(例えば、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ロバ)、実験用動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ)、および捕獲した野生動物(例えば、キツネ、カンガルー、シカ)を含む。好ましくは、本発明の哺乳動物はヒトである。本発明は、実験用動物に関して本明細書中で例示しているが、これは、いかなる場合においても、本発明をヒトへの適用に限定するものとして理解されるべきではない。
【0054】
本発明のさらなる局面は、同種異系免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の治療および/または予防に関連する本発明の使用に関する。このような免疫活性はまた、移植片対宿主病と言われる。この移植片対宿主病の発生は、同種異系免疫応答性移植片が、特定の型の癌のための処置に従っているようなレシピエントに移植されることが必要とされる任意の状況(ここでは骨髄移植が必要とされる)において起こり得る。
【0055】
従って、本発明の別の局面は、免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の予防的および/または治療的処置のための方法を目的とし、上記方法は、上記移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と、上記移植片の免疫活性をダウンレギュレーションするに十分な時間および条件で接触させる段階を含む。
【0056】
より詳細には、本発明は、被験体における同種異系免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の予防的および/または治療的処置のための方法を目的とし、上記方法は、上記移植組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と、上記移植片の免疫活性をダウンレギュレーションするに十分な時間および条件で接触させる段階を含む。
【0057】
好ましくは、上記プロゲニポエチンはプロゲニポエチン-1である。
【0058】
より好ましくは、上記状態は移植片対宿主病である。
【0059】
なおより好ましくは、上記移植片は、骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である。
【0060】
さらにより好ましくは、上記移植片は上記プロゲニポエチンで前処理される。別の局面において、本発明は、被験体における同種異系免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の治療的および/または予防的処置のための方法を目的とし、上記方法は、上記移植片とともに、有効数の、本明細書中上記に定義したような防御性免疫細胞を上記哺乳動物に投与する段階を含む。
【0061】
好ましくは、上記状態は移植片対宿主病である。
【0062】
なおより好ましくは、上記防御性免疫細胞は、プロゲニポエチン-1処理した骨髄集団、脾臓組織集団、または幹細胞集団由来であり、上記防御性免疫細胞はCD4+T細胞である。なおより好ましくは、上記移植片は骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である。
【0063】
本発明の防御性免疫細胞および移植片は、好ましくは同時投与される。「同時投与された」によって、同じかもしくは異なる経路を介する、同じ処方物もしくは異なる処方物中での同時投与、または同じかもしくは異なる経路を介する、連続的投与が意味される。「連続的」投与によって、移植片の移植と防御性免疫細胞の投与との間の秒、分、時間、または日数の時間の違いが意味される。
【0064】
好ましくは、移植片および防御性免疫細胞は同時投与される。
【0065】
いかなる場合においても本発明を限定することなく、同種異系免疫応答性移植片の免疫活性のダウンレギュレーションは、現在、レシピエントへのより高濃度の移植片細胞の投与を容易にする。
【0066】
「治療的」および「予防的」処置という本明細書中での表現は、その最も広い意味として考慮されるべきである。「治療的」という用語は、被験体が全体の回復まで処置されることを必ずしも意味するものではない。同様に、「予防的」とは、被験体が最終的に疾患状態にかからないことを必ずしも意味するものではない。従って、治療的および予防的処置は、特定の状態の症候の寛解、または特定の状態の発症のリスクを妨害するかもしくはさもなくば減少させることを含む。用語「予防的」は、特定の状態の重篤度または発症を減少させるものとして考慮され得る。「治療的」もまた、存在する状態の重篤度を減少させ得る。
【0067】
本発明はさらに、治療剤の組み合わせ、例えば、前処理した移植片を、低用量の免疫抑制剤とともに投与することを意図する。
【0068】
本発明のなお別の局面は、本明細書上記に定義したように、防御性免疫細胞、および、以前に開示したような方法に従うそれらの使用に関する。
【0069】
本発明はさらに、以下の非限定的な実施例によって定義される。
【実施例】
【0070】
実施例1
プロゲニポエチン-1でのドナーの前処理は、同種異系細胞移植後の移植片対宿主病の予防においてG-CSFに優る
材料および方法
マウス
雌のC57BL/6(B6、H-2b、Ly-5.2+)、B6 PTRCA Ly-5a(H-2b、Ly-5.1-)およびB6D2F1(H-2b/d、Ly-5.2+)(Morse, H.C., Shen, F.W., Hamerling, U., Immunogenetics 25, 71, 1987)マウスを、Australian Research Centre(WA, Australia)から購入した。BMTレシピエントとして使用したマウスの齢は8週間〜14週間の間の範囲であった。マウスを、殺菌したマイクロアイソレーターケージで飼育し、そして濾過した水および通常の飼料を与えるか、またはオートクレーブした飲料水をBMT後最初の2週間に与えた。
【0071】
サイトカイン処理
組換えヒトG-CSF(Amgen, Thousand Oaks, CA)、プロゲニポエチン(Pharmacia, St Louis, MO)または対照希釈液を、注射前に、PBS中で1μg/mlに希釈したか、またはPBS中マウス血清アルブミンで希釈した。マウスに、G-CSF(10μg/動物/日)、ProGP-1(20μg/動物/日)、または希釈液で、-10日目〜-1日目まで皮下注射した。
【0072】
骨髄移植
マウスに、以前に記載された標準的なプロトコール(Pan L., Delmonte J., Jalonen C.K., Ferrara J.L.M., Blood 86, 4422-4429, 1995; Pan L., Teshima T., Hill G.R., Bungard D., Brinson Y.S., Reddy V.S., Cooke K.R., Ferrara J.L.M., Blood 93, 4071-4078, 1999)に従って移植を行った。手短に述べると、-1日目に、B6D2F1マウスに1100の全身照射(108cGy/分の137Cs源)を受容させ、胃腸毒性を最小化するために3時間で2回の線量に分けた。ドナー脾臓を切り刻み、コラゲナーゼおよびDNAseで消化し、次いで、分離していない脾臓細胞を0.25mlのLeibovitz's L-15培地(Gibco BRL, Gaithersburg MD)中に再懸濁し、そしてレシピエントに静脈内注射した。大部分の実験において、PTRCA Ly-5a(H-2b、ly-5.1+)動物をドナーとして使用した(以下を参照されたい)。生存を毎日モニターし、レシピエントの体重およびGVHD臨床スコアを毎週測定した。ドナーの細胞の移植を、移植後の末梢血または脾臓中のLy-5.1+/Ly5.2++Ly-5.1+細胞の集団を検査することによって判定した。
【0073】
GVHDの評価
全身のCVHDの程度を、5つの臨床パラメーター:体重減少、姿勢(ハンチング)、活動性、毛のきめ、および皮膚の完全性(最大指数=10)の変化を合計する点数付けシステムによって評価した(Hill G.R., Cooke K.R., Teshima T., Crawford J.M., Keith J.C.J., Brinson Y.S., Bungard D., Ferrara J.L.M., J. Clin. Invest. 102, 115-123, 1998; Cooke K.R., Kobzik L., Martin T.R., Brewer J., Delmonte J., Crawford J.M., Ferrara J.L.M., Blood 88, 3230-3239, 1996; Hill G.R., Crawford J.M., Cooke K.R., Brinson Y.S., Pan L., Ferra J.L.M. (1997) Blood 90, 3204-3213; Hill R.G., Teshima T., Gerbita A., Pan L., Cooke K.R., Brinson Y.S., Crawford J.M., Ferrara J.L.M., J. Clin. Invest. 104, 459-467, 1999)。個々のマウスに耳標を付け、処理した群の知識なしに各判断基準について0〜2で毎週評点を付けた。重篤な臨床的GVHDを有する動物(スコア>6)を、倫理的ガイドラインに従って屠殺し、死の日を次の日と見なした。
【0074】
脾細胞および樹状細胞調製物
樹状細胞精製を以前に記載されたように実行した(Vremec D., Pooley J., Hochrein H., Wu L., Shortman K., J. Immunol. 164, 2978, 2000)。手短に述べると、脾臓を切り刻み、コラゲナーゼおよびDNAseで消化した。軽い密度の細胞をnycodenz密度(1.077g/l)遠心分離によって選択した。非DC系統細胞を、B細胞(CD19)、T細胞(CD3、Thyl)、顆粒球(Gr-1)、および赤血球細胞(Ter-119)に対するラットIgG抗体を用いてコートすることにより枯渇させた。次いで、コートした細胞を、抗ラットIgGとカップリングした磁気ビーズ(Dynal ASA, Oslo, Norway)によって取り出した。いくつかの実験において、骨髄(CD4+)DC細胞もまた、抗CD4(GK1.5)の付加によって取り出した。この手順の最後には、これらの細胞集団の65-85%がDCであった(クラスII.DC11chi)。DCを、自己蛍光マクロファージを除去するためにプレソートし(表現型分析の前に)、次いで、FACSソート(FACSvantage, BD)を、フィコエリスリン(PE)CD11cおよびPE-Cy5 B220染色を使用して>98%純度まで行った。
【0075】
T細胞枯渇
脾細胞を、CD4(2.43)、CD8(3.155)、およびThy1.2(HO-13-4)を含むハイブリドーマ上清とともに40分間(4℃)のインキュベーションによりT細胞枯渇させた。次いで、細胞懸濁物をウサギ補体(Cederlane Laboratories, Ontario, Canada)とともに30分間、37℃でインキュベートし、このプロセスを反復した。得られる細胞懸濁物は<1%の夾雑している目に見えるCD3 T細胞を有した。
【0076】
FACS解析
フルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合体化されたマウスLy5.1抗原およびLy5.2抗原に対するモノクローナル抗体(mAb)、FITC結合体化されたCD4、CD8、11c、クラスII、CD3、GF-1、11b、B220、および、同一のPE結合体化された抗体を、PharMingen(San Diego, CA)から購入した。DC分析において、CyChrome CD4およびCD8抗体もまた、Pharmingen(San Diego, CA)から使用した。細胞を、最初に、mAb 2.4G2で4℃、15分間、次いで、関連物で結合体化したmAbで4℃、30分間ブロックした。最後に、細胞を、PBS/0.2% BSAで2回洗浄し、PBS/1%パラホルムアルデヒドで固定し、そしてFACScalibur(Becton Dickinson, San Jose, CA)によって分析した。ヨウ化プロポジウムを最終洗浄に加えて死滅した細胞を標識した。樹状細胞染色を、プレソートした細胞集団で実行した。ここでは、自己蛍光細胞は高速プレソーティング(FACSvantage)によって除去され、引き続く分析は固定していない細胞上で同じ日に実行した。
【0077】
細胞培養
培養培地添加物を、Gibco BRL(Gaithersburg, MD)から購入し、培地をSigma(St Louis, MO)から購入した。腹膜マクロファージを洗浄し、そして処理グループ中の個々の動物から、平底の96ウェルFalconプレート(Lincoln Park, NJ)中のウェルあたり1×105細胞で培養前に、LPSありまたはなしでプールした。細胞培養を、50単位/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、2mM L-グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム、0.1mM 非必須アミノ酸、0.02mM β-メルカプトエタノール、および10mM HEPES, pH 7.75を補充した2%FCS/DMEM中で、37℃で、5%CO2を補充した加湿インキュベーター中で実行した(7日間培養)。上清を、5時間でELISAによるTNFα分析のために収集した。移植7日後に動物から洗浄した腹膜マクロファージは、5.1染色から決定されるように>95%ドナーであった。残りの細胞培養を10%FCS/DMEM中で実行した。インビトロ実験において、精製したB6 T細胞を、丸底96ウェルプレート(Falcon, Lincoln Park, NJ)中で、105の照射した(2000Rad)F1腹膜マクロファージ(一次MLC)を用いて培養し、および上清を72時間で収集した。次いで、培養物を、3H-チミジン(ウェルあたり1μCi)でパルスし、そして増殖を1205Betaplateリーダー(Wallac, Turku, Finland)上で16時間後に測定した。二次MLCにおいては、精製したT細胞を、照射した(2000Rad)脾臓細胞を用いて平底24ウェルプレート(Falcon, Lincoln Park, NJ)中で培養した。6日後、細胞を取り出し、F1マクロファージで再刺激した。上清を24時間後に取り出し、3H-チミジンを上記と同様に加えた。エクスビボでのT細胞機能の実験においては、脾細胞を、移植の7〜10日後に動物から取り出し、3〜6の脾臓を各群から合わせた。これらの細胞を、プレートに結合したCD3およびCD28(両方とも10μg/ml)または未処置のF1(同種異系)動物から洗浄した、105照射(2000 Rad)腹膜マクロファージを伴って96ウェル平底プレートにプレートした。40時間で、培養物を、3H-チミジン(ウェルあたり1μCi)でパルスし、そして増殖を16時間後に測定した。分離実験において、CD4+細胞を、ミニMACSシステム(Miltenyi Biotech, Bergisch Gladbach, Germany)またはFluorescent Activated Cell Sorting(FACSvantage, BD)を使用して脾細胞集団からポジティブに選択した。選択後、ポジティブおよびネガティブな画分をFACS染色し、各画分は、CD4+細胞またはCD8+細胞に対する<1%の夾雑物を有した。次いで、精製したCD4+またはCD8+の集団を上記のようにプレートしかつ分析した。
【0078】
51Cr放出アッセイ法
2×106P815(H-2d)またはEL4(H-2b)腫瘍標的を、100μCuの51Crで2時間標識した。3回洗浄後、標識した標的をU底プレート(Costar, Cambridge, MA)中でウェルあたり104細胞でプレートした。同種異系BMTレシピエントからのCD8+脾細胞(上記のように磁気選択によって調製)を、変化させたエフェクターで標的の比率まで3つ組のウェルに加え、IL-2(10U/ml)の存在下で5時間インキュベートした。最大およびバックグラウンドの放出を、Triton-X(Sigma, St Louis,MO)の添加によって、または標的への培地単独によってそれぞれ測定した。5時間後に取られた上清の51Cr活性をシンチレーションカウンターにおいて測定し、そして溶解を最大の%として表現した。溶解を、溶解単位(1000/エフェクター:10%および20%の溶解を誘導する標的比)で表現した。
【0079】
サイトカインELISA
TNAα、IFNγ、IL-10、TGFβ、およびIL-4アッセイにおいて使用される抗体を、Pharmingen(San Diego, CA)から購入した。すべてのアッセイを、製造業者のプロトコールに従って実行した。手短に言えば、試料を、1:3〜1:24に希釈し、TNAα、IFNγ、IL-10、TGFβ、およびIL-4のタンパク質を、特異的な一次モノクローナル抗体(mAb)によって捕捉し、そしてビオチン標識二次mAb、続いてHRP-結合体化ストレプトアビジンによって検出した。ビオチン標識アッセイを、TMB基質(Kirkegaard and Perry laboratories, Gaithersburg, MD)を用いて発色させた。プレートを、マイクロプレートリーダー(Bio-Rads Labs, Hercules, CA)を使用して、450nmで読み取った。組換えサイトカイン(PharMingen)を、ELISAアッセイのための標準として使用した。試料を2連で実行し、そしてアッセイの感度は、TNFαについては16〜20pg/ml、IFNγについては0.063U/ml、ならびにIL-10およびIL-4については15pg/mlであった。上清を、TNFαについては培養の4〜5時間後、IL-4、IL-10、およびIFNγ分析については40時間後に収集した。血清を分析まで-70℃で保存した。腹膜細胞からのTNFαは、以前に記載されたように、105マクロファージあたりpgで発現した(Hillら、1997, 前出)。
【0080】
組織学
ホルマリン保存した末梢小腸を、パラフィンに包埋し、5μm厚切片を、組織学的検査のためにヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。スライドを冷却し、半定量的スコア付けシステムを使用して、GVHDに付随する既知の異常性について、1個人によってブラインド様式で検査した(ADC)(Hillら、1998,前出;Hillら、1997,前出;Krijanovsky, O.I., Hill, G.R., Cooke, K.R., Teshima, T., Brinson, Y.S., Ferrara, J.L.M., Blood (1999), 94: 825-31)。詳細には、7つのパラメーターの各々を小腸について点数付けした(絨毛切断、陰窩再生、陰窩上皮細胞アポトーシス、陰窩喪失、細胞細片の管腔脱落、固有層炎症細胞浸潤、および粘膜潰瘍形成)。各パラメーターについてのこの点数付けシステムは、以前にヒト(Snover, D.C., Weisdorf, S.A., Ramsay, N.K., McGlave, P., Kersey, J.H. Hepatology (1984); 4: 13-130; Snover, D.C., Weisdorf, S.A., Vercellotti, G.M., Rank, B., Hutton, S., McGlave, P. Human Pathol. (1985); 16: 387-392)、および実験的(Hillら、1998、前出;Hillら、1997、前出、Krijanoskiら、1999、前出)GVHD組織学において公表されたように、正常が0;限局的かつまれが0.5;限局的かつ軽度が1;拡散かつ軽度が2;拡散かつ中程度が3;および拡散かつ重篤が4を示す。点数は、総点28を提供するように加えられた。
【0081】
統計学的解析
生存曲線を、Kaplan-Meier推定を使用してプロットし、ログ−ランク分析によって比較した。Mann Mhitney-U検定を、サイトカインデータおよび臨床スコアの統計学的解析のために使用した。P<0.05を統計学的に有意であると見なした。
【0082】
実施例2
ProGP-1前処理は顕著なCD8hiDCの拡張を生じる
これらの研究において、ProGP-1およびG-CSFを用いるドナー前処理の、GVHDに対する効果を比較した。後者は、臨床的な実務において同種異系幹細胞の動員のために使用される現在のサイトカインである。対照希釈液、ProGP-1(20μg/動物)またはG-CSF(10μg/動物)を、毎日、10日間投与した。ProGP-1についてのこの投与レジメンは、予備的研究において、最近の報告と一致して、幹細胞およびDCの最大の増大を生じることが示された。G-CSF用量はキメラG-CSF/FLT-3L分子であるProGP-1の半分であった。この処理の期間の最後には、脾細胞の絶対数は、G-CSF群においては65%増加し、ProGP-1群においては700%増加した。図1に示されるように、DC、CD4、およびCD8 T細胞およびB細胞のパーセンテージは対照およびG-CSF処理動物におけるものと同様であった。このことは、本発明者らの以前の治験20と一致していた。対照的に、ProGP-1は、CD11chiおよびCD11cdim/B220hiDCのパーセンテージにおいて10倍の増加(図1および2B)およびT細胞のパーセンテージにおいて65%の減少を生じた。B220+/CD19+細胞の全体の割合における有意な(30%)減少もまた、ProGP-1投与後に注目された。予測されたように、顆粒球の比率は、G-CSFで処理した動物とProGP-1で処理した動物の両方で有意に増加した。DC増大に対するProGP-1の意味深い効果をより密接に試験するために、DC(CD11chi)を、以前に公表されたように24、精製しかつCD8およびCD4の増大に従って表現型付けした。CD11cdim/CD8hiDCのパーセンテージは、対照希釈液で処理したものと比較して、ProGP-1またはG-CSFのいずれかで処理した動物において増加した(図2)。これは、ProGP-1投与後に最も劇的であった。これは、脾臓のCD8 DCの比率において14倍の増加、およびこれらの細胞の絶対数において100倍の増加を生じた。ProGP-1処理ドナーにおけるDCは、CD8dimサブセット(これは、すべてCD11bloであった(CD4 DC CD11b増大と比較して))およびより大きなCD8hiサブセット(この大部分もまたCD11bloであった(75%))を含んだ。残りの25%はCD11bnegであった。同一の細胞比率および増大が、ProGP-1処理動物の末梢血において見られた。このことは、脾臓表現型が血液中のそれを表すことを確証する。
【0083】
実施例3
ProGP-1でのドナー前処理は、GVHDの重篤度を減少させる上でG-CSFに優る
ProGP-1動員の効果を、十分に確立されているマウスSCTモデル(B6 Lys5a→B6D2F1)において試験した。これは、GVHDに、メジャーおよびマイナーな組織適合性抗原を誘導する。このモデルは、末梢血ではなく、幹細胞供給源としての脾臓を利用するが、その有効性は、後で臨床的に確証された、GVHDとGVLの両方でG-CSFの有益な効果を示す情報を与えるデータによって検証された。予備的な実験において、延長された10日間のG-CSFの経過は、GVHDを予防する際に、少なくとも、臨床的実務において使用される標準の6日間の経過と等価であったことが確証された。70日における生存は、G-CSFの10日間(n=10)対6日間(n=10)で処理したドナーからの脾細胞のレシピエントにおいて50%対30%であった(P=0.49)。さらに、臨床的スコアは、移植後最初の50日間においては統計学的に異なっていなかったが(P>0.12)、より後の時点でのG-CSFの10日間の経過の、レシピエントにおけるより少ないGVHDについての傾向が存在した。従って、G-CSFの10日間のドナーの前処理は、後の実験におけるProGP-1に対する関連する対照として使用された。これらの実験において、同種異系ドナーB6動物は、対照希釈液、G-CSF、またはProGP-1のいずれかの日々の注射を受容し、そして脾細胞を11日目に収集した。B6D2F1レシピエントマウスを、TBIの1100cGyで照射し、そしてそれぞれのドナーからの107脾細胞を移植した。ProGP-1レシピエントにおけるT細胞用量の減少を補償するために、さらなるレシピエントのコホートにProGP-1脾細胞を移植し、ここで、群にわたってT細胞用量(3×106T)を釣り合わせるために、さらなる精製したProGP-1 T細胞を加えた。図3に示されるように、および以前に記載されたように、このモデルにおいて誘導されたGVHDは重篤であり、対照脾細胞のすべてのレシピエントは、GVHDの特徴(体重減少、ハンチング、毛の乱れなど)を伴って2週間以内に死んだ。対照的に、T細胞枯渇同種異系脾細胞を移植した非GVHD対照の100%が生存した。このことは、この脾細胞用量は致死的に照射されたレシピエントをレスキューするのに十分な幹細胞を含んでいたこと、およびGVHDがドナーT細胞によって媒介されることを確証する。G-CSF脾細胞の同種異系SCTレシピエントは、同種異系対照脾細胞のレシピエントと比較して、70日目で有意に生存を改善した(50%対0%、P<0.001)。ProGP-1脾細胞のレシピエントは、70日目で90%を超えて生存し、これは、G-CSF脾細胞のレシピエントよりも有意に良好であった(P<0.05)。さらなるT細胞のProGP-1脾細胞への付加は、GVHDの死亡率を増加しなかったが(図3)、臨床的GVHDスコアは有意に増加した(データ示さず)。G-CSFを用いて見られたものを超える、ProGP-1動員によって生じる防御の強度をさらに確立するために、動物のコホートに、ProGP-1またはG-CSFのいずれかで処理したドナーからの脾細胞の用量を増加させて移植した。図4Aにおいて実証されるように、ProGP-1処理したドナーからの106脾細胞(1.2×106T細胞)のレシピエントの生存は、4×106〜100×106(1.2×106〜30×106T細胞)の範囲のG-CSFドナーからの脾細胞用量のレシピエントよりも優れていた。予測されるように、GVHD死亡率は、両方の群の脾細胞用量に依存した。図4Bに示されるように、60×106のProGP-1処理した脾細胞(7.2×106T細胞)のレシピエントの生存は、10×106のG-CSF脾細胞(3×106T細胞)のレシピエントにおいて見られるものよりも優れていた(75%対40%、P<0.03)。しかし、100×106のProGP-1脾細胞(12×106T細胞)の用量を10×106のG-CSF脾細胞(3×106T細胞)と比較した場合には、生存は同様であった(P=0.26)。さらに、GVHD臨床的スコア(図4C)は、10×106のG-CSF脾細胞(3×106T細胞)および60×106のProGP-1処理した脾細胞(7.2×106T細胞)の生存するレシピエントで同様であった。これが表すT細胞用量の差異を仮定すると、これらのデータは、ProGP-1を用いるドナーの前処理は、G-CSFを用いて可能であるものを超えて、T細胞用量の2倍〜4倍の上昇を可能にする。
【0084】
SCTの7日後のドナーの脾臓におけるT細胞移植は、対照脾細胞のレシピエントにおいて94.7%±1.4%、G-CSF脾細胞のレシピエントにおいて95.4%±0.7%、およびProGP-1脾細胞のレシピエントにおいて96.5%±0.1%であった。SCTの75日後でのG-CSF脾細胞およびProGP-1脾細胞のレシピエントの末梢血中のドナー細胞の比率は、それぞれ、99.4%±0.6%および99.2%±0.4%であった。T細胞枯渇脾細胞のレシピエントにおいて、末梢血細胞の81%±3.2%がドナーであった(P<0.05対G-CSFおよびProGP-1)。このことは、同種異系G-CSFおよびProGP-1処理した脾細胞後の生存の延長は、安定な混合されたドナー−宿主キメラ現象の存在に起因するのでなかったことを確証する。
【0085】
実施例4
ProGP-1を用いるドナーの前処理は、GVHDを誘導する能力が減少した細胞表現型を生じる
これらのモデルにおいて誘導されたGVHDは、T細胞機能に依存し、それゆえに、T細胞表現型および機能に対するG-CSFおよびPriGP-1投与の効果を調べた。ProGP-1処理したドナーからのCD3+CD4+およびCD3+CD8+T細胞は、L-セレクチン発現のほぼ完全な損失を実証したが、一方G-CSF処理動物からのT細胞は、L-セレクチン損失の中間のパターンを実証した(図5)。発現の同様のパターンは、G-CSFおよびProGP-1で処理したドナーの末梢血からのT細胞において実証された(データ示さず)。L-セレクチン発現の減少は、CD44hiT細胞の比率の増加と一致しなかった(図5)。このことは、L-セレクチンの損失が記憶T細胞の増大に起因するものではなかったことを示唆する。この点に関して、ProGP-1およびG-CSFは、CD25(図5)およびCD69発現(データ示さず)によって評価されるようなT細胞活性化を誘導しなかった。移植の4日後での対照脾細胞およびProGP-1脾細胞のレシピエントからの脾臓T細胞でのL-セレクチンおよびCD44発現は等価であった(それぞれ、40%および90%)。このことは、移植前のこれらの分子の発現の損失が一過性であったことを示す。T細胞機能の研究において、CD3+CD4+T細胞を、記載するように精製し、そしてマイトジェンを用いてインビトロで刺激した。表1に示されるように、サイトカイン処理は増殖応答を変化させなかったが、ProGP-1とG-CSFの両方が2型サイトカインであるIL-4およびIL-10の産生を有意に増加し、一方IFNγ産生は変化しなかった。SCT後のインビボの同種異系抗原に対するT細胞応答を研究するために、動物に、図1と同様に、対照、G-CSF、またはProGP-1処理したドナーからの脾細胞を移植した。ドナーCD4およびCD8 T細胞を、数日後に動物の脾臓から精製した。表2に示すように、ProGP-1(および、より少ない程度のG-CSF)で処理した脾細胞の同種異系SCTレシピエントから単離したCD4 T細胞は、宿主抗原に対して増殖することに失敗した。サイトカイン生成(IFNγ、IL-4、およびIL-10)もまた損なわれた。この増殖の障害は、MLCへの外因性IL-2の付加(50U/ml)によって矯正されなかった(対照、123,963cpm±11,289cpm;G-CSF、31,382cpm±1991cpm;ProGP-1、28,832cpm±2368cpm)。しかし、ドナーCD8集団中の宿主抗原に対する細胞傷害性は顕著に変化した(表2)。SCT前後でのT細胞応答の違いは、ProGP-1およびG-CSFがインビボで優勢的にT細胞機能を調節し、これはおそらく損傷したT細胞ホーミングおよび/またはさらに増大したドナー細胞画分もしくはその生成物の効果に起因する。
【0086】
実施例5
ProGP-1処理した動物からのCD11chiまたはCD11cdim/B220hiのいずれのドナーDCもGVHDからの防御を提供しない
高度に精製されたドナーDCの、GVHDからの防御を提供する能力を試験した。動物に、全体のProGP-1処理脾臓に存在する比率を反映した数で(図1を参照されたい)、FACSソートした(>98%純度)CD11chi脾臓DC(優勢的にCD8ポジティブ)で補充した対照処理B6脾臓またはProGP-1処理したドナーからのCD11cdim/B220hiDCを移植した。図6に示されるように、これらの細胞集団を受容したすべての動物が、対照動物と同様の比率で死んだ。このことは、単離したいずれの集団もGVHDの防御を提供しなかったことを示唆する。
【0087】
実施例6
ProGP-1は、インビトロで、IL-10およびTGFβ産生を増強し、TNFα生成を減少する
T細胞機能は、GVHDにおいて決定的な役割を果たすことが知られている22,32プロ炎症性および抗炎症性の両方のサイトカインによってインビボで変化され得る。対照、G-CSF、またはProGP-1処理ドナーからのサイトカイン産生を調べるために、分離していない脾臓細胞を、インビトロで、培養上清中で測定したLPSおよびIL-10およびTGFβで刺激した。図7に示されるように、ProGP-1脾臓は、対照およびG-CSF脾臓と比較して、大量のIL-10およびTGFβを産生した。これらの細胞集団の移植後、TNFαの大きな減少は、ProGP-1処理した脾臓のレシピエントからのマクロファージの培養中で実証された(図7c)。G-CSF処理した脾臓のレシピエントからのマクロファージは、中程度の量のTNFαを産生した。これらのデータは、ProGP-1を用いるドナーの前処理は、抗炎症性サイトカイン産生を好む移植片組成物を生じることを確証する。
【0088】
実施例7
ProGP-1を用いるドナーの前処理後のGVHDの阻害はT細胞に対する効果を通して媒介される
GVHDはT細胞依存的なプロセスであるので、GVHDを減少させるProGP-1の能力がドナーのT細胞に対する効果を通して媒介されたか否かが決定された。単離した処理した動物からのT細胞の、GVHDを誘導する能力を比較するために、すべての移植レシピエントは、対照、G-CSF、またはProGP-1のいずれかで処理されたドナーからの同数の精製した脾臓T細胞とともに、T細胞枯渇対照脾細胞を受容した。図8Aに示されるように、対照T細胞枯渇脾臓のレシピエントの100%が生存し、一方精製した対照T細胞で補充した対照T細胞枯渇脾臓のレシピエントの100%が20日目までにGVHDで死んだ。対照的に、メジアン生存は、精製したG-CSF処理T細胞で補充した対照T細胞枯渇脾細胞のレシピエントにおいて40日まで増加し、70日目の生存は25%まで増加した(P<0.001対 対照T細胞のレシピエント)。精製したProGP-1処理したT細胞で補充した対照T細胞枯渇脾細胞のレシピエントは、いずれの群よりも有意に少ないGVHDを有し、70日目で90%の生存であった(P<0.0001対G-CSFおよび対照T細胞のレシピエント)。生存している動物におけるGVHDの重篤度はまた、臨床的スコアによって決定されるように、精製したG-CSF処理したT細胞と比較して、精製したProGP-1処理したT細胞のレシピエントにおいて有意に減少した(図8B)。これらのデータは、G-CSFとProGP-1の両方が、ドナーT細胞の、GVHDを誘導する能力を変化させること、およびProGP-1処理した同種異系移植片のレシピエントの生存の増強はT細胞効果に関連することを示す。
【0089】
実施例8
ProGP-1処理したドナーからのT細胞は、同種異系SCT後に消化管の損傷および全身のTNFα産生を誘導することに失敗する
表IIにおけるエクスビボのデータがインビボでのT細胞機能を表したことを確証するために、IFNγレベルを、移植5日後の動物の血清中で測定した。IFNγレベルは、G-CSFで処理したT細胞およびProGP-1で処理したT細胞の両方のレシピエントで有意に減少した(63±6.4U/ml対46.4±8.0U/mlおよび44.4±5.3U/ml)。これは、エクスビボのデータと一致していた。この移植モデルにおけるGVHDの死亡率はTNFα依存性であり22、主として消化管に由来する細菌由来の抗原による刺激の後、IFNγが単核細胞をプライムし、高レベルのTNFαを産生する。図9Aに示されるように、ProGP-1およびG-CSF処理ドナーからのT細胞は、対照処理T細胞のレシピエントと比較して、消化管の重篤なGVHDを誘導することに失敗した。インビボでは、ProGP-1 T細胞のレシピエントの血清中のTNFαレベルは、対照T細胞のレシピエントにおけるものよりも10倍低く、非GVHD対照から区別できなかった(図9B)。G-CSF処理T細胞のレシピエントは、対照のレシピエントとProGP-1 T細胞のレシピエントとの間の中間のTNFαレベルを有した。これは、この群において見られる死亡率と一致していた。
【0090】
当業者は、本明細書中に記載した本発明が、具体的に記載されたもの以外のバリエーションおよび修飾を行うことが可能であることを認識する。本発明はまた、このようなすべてのバリエーションおよび修飾を含むことが理解されるべきである。本発明はまた、本明細書中に、個別にまたは集合的に言及されているかまたは示されている段階、特色、組成、および化合物のすべてを含み、かつ、上記の段階または特色のいかなる2つまたはそれ以上のいずれかおよびすべての組み合わせを含む。
【0091】
文献目録
Figure 2005506372
Figure 2005506372
【0092】
(表I) 初代培養物中のCD4+T細胞応答
Figure 2005506372
未処置のB6(H2b)マウスは、方法において記載したように、対照希釈液、G-CSF、またはProGP-1を受容した。脾臓CD4+T細胞は、磁気分離またはFACSによって精製し(方法において記載したように)、そしてプレート結合したCD3およびCD28(両方とも10μg/ml)により初代培養物中で刺激した。結果は、3連のウェルの平均±SEを表す。P<0.05対対照T細胞。増殖応答(×103)は3Hの取り込みによって測定した。IFNγ(U/ml)、IL-4(pg/ml)、およびIL-10(pg/ml)をELISAによって培養上清中で測定した。
【0093】
(表II) エクスビボドナーT細胞応答
Figure 2005506372
マウスに、方法に記載するように移植を行った。7日後、脾臓CD4+T細胞を、磁気分離またはFACSによって精製し、そしてプレート結合したCD3およびCD28(両方とも10μg/ml)または同種異系抗原(照射したB6D2F1腹膜マクロファージ)により培養物中で刺激した。同種異系抗原に対するエクスビボ応答を、MLC中で決定した。結果は、3連のウェルの平均±SE、および3回の同様の実験の1つを表す。P<0.05対対照T細胞。増殖応答(×103)は3Hの取り込みによって測定した。刺激指数(S.I.)は、同種異系抗原/未刺激培養物に対する増殖である。IFNγ(U/ml)、IL-4(pg/ml)、およびIL-10(pg/ml)をELISAによって培養上清中で測定した。IL-4(pg/ml)およびIL-10(pg/ml)はMLC培養物において検出レベル以下であり、未刺激培養物からはサイトカインは検出不可能であった。細胞傷害性は溶解単位として表す(10%および20%の特異的溶解が記録されるエフェクター:標的比率)。ドナー型標的に対する溶解は<2%であった。データは3回の実験の1つであり、ここで、細胞傷害性の一貫した違いは群間で実証され得なかった。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、脾臓表現型上のドナーの前処理の効果の図解的説明である。未処置のB6マウスを、対照希釈液(白棒)、G-CSF(10μg/動物/日、10日間、斜線付き棒)、またはProGP-1(20μg/動物/日、10日間、黒棒)で処理した。脾臓を11日目に収集し、切り刻み、消化し、そして表現型決定した。DCはCD11cdim/B220hiまたはCD11chiのいずれかであった。(A)脾臓あたりの系統細胞の比率。(B)脾臓あたりの系統細胞の絶対数。*P<0.05が対照と比較された。
【図2】図2は、脾臓樹状細胞表現型に対するサイトカイン前処理の効果の図解的説明である。未処置のB6マウスを、上記のように、希釈液、G-CSF、またはProGP-1で処理した。DCを記載するように富化させ、自己蛍光マクロファージを除去するためにプレソートし(A)、そしてCD11cおよびB220で染色した(B)。対照脾臓(C)からのCD11chiDC(R1)、G-CSF脾臓(D)およびProGP-1脾臓(E)を、CD4およびCD8発現についてさらに分析した。
【図3】図3は、GVHDの重篤度を減弱するProGP-1でのドナーの前処理の図解的説明である。2つの同様の実験からプールしたKaplan-Meier分析による生存曲線。ドナーのB6マウスを、G-CSF(10μg/動物/日、10日間)、ProGP-1(20μg/動物/日、10日間)、または対照希釈液で処理した。対照(対照同種異系、n=15)、G-CSF(G-CSF同種異系、n=20)、およびProGP-1(ProGP-1同種異系、n=15)で処理したドナーからの脾細胞(107)を11日目に収集し、そして致死的に照射された(1100cGy)B6D2F1レシピエントマウスに移植した。さらなるProGP-1 T細胞を、群にわたってT細胞用量を釣り合わせるためにProGP-1(ProGP-1同種異系調整、n=13)コホートに加えた。対照で処理したT細胞枯渇した脾臓(TCD同種異系、n=8)を、非GVHD対照として移植した。生存:すべての他の同種異系に対して対照同種異系についてP<0.0001、ProGP-1同種異系に対してG-CSF同種異系についてP=0.05。
【図4】図4は、G-CSfを用いるドナー前処理で可能である上記の移植片細胞用量の増大を可能にするpro-GPを用いるドナー前処理の図解的説明である(AおよびB)。Kaplan-Meier分析による生存曲線を、3つの同様の実験からプールした。ドナーB6マウスを図3と同様に処理した。脾細胞を11日目に収集し、そして致死的に照射されたB6D2F1レシピエントマウスに以下の用量で移植した:4×106/動物(G-CSF群のみ、n=10)、10×106/動物(n=10-20)、60×106/動物(n=10-15)、および100×106/動物(n=10)。これは、G-CSF処理ドナーにおいて1.2×106、3.0×106、18×106、および30×106、ならびに、pro-GP処理ドナーにおいて1.2×106、7.2×106、および12×106に等しい。ProGP-1に対するすべてのG-CSFについてP<0.03であった(10×106および60×106)。ProGP-1(100×106)に対するG-CSF(10×106)について*P=0.26であった。(C)方法において記載されるGVHD臨床スコアを、生存動物におけるGVHD重篤度の尺度として測定した。示された時間の点において、G-CSF(10×106)対ProGP-1(60×106)について*P<0.05、およびG-CSF(10×106)対ProGP-1(10×106)について**P<0.01であった。
【図5】図5は、脾臓T細胞表現型へのサイトカイン前処理の効果の図解的説明である。未処理のB6を、図3の説明文に記載されるように、対照希釈液、G-CSF、またはProGP-1で処理した。脾細胞を収集し、消化し、CD3ポジティブT細胞を、CD4、L-セレクチン、CD44、およびCD25の発現について、3色のカラーフローサイトメトリーによって試験した。
【図6】図6は、GVHDからの防御を付与し損ねる、ProGP-1によって増大されたドナーDC集団の図解的説明である。2つの同様の実験からプールしたKaplan-Meier分析による生存曲線。ドナーのB6マウスを、ProGP-1または対照希釈液で処理した。脾細胞を11日目に収集し、そして対照脾細胞を、致死的に照射されたB6D2F1レシピエントマウスに10/動物の用量で(同種異系、n=10)移植した。ProGP-1増大CD11chi(同種異系+CD8 DC、n=10)またはCD11cdim/B220hi(同種異系+B220 DC、n=5)を、分離していないProGP-1脾臓(106CD11chiおよび2.5×105CD11cdim/B220hi)におけるものと等しい数で、対照脾臓細胞に加えた。同系脾臓(同系、n=3)を非GVHD対照と同様に移植した。
【図7】図7は、同種異系SCT後の、IL-10およびTGFβを産生しかつTNFα産生を阻害する、ProGP-1によって増大された脾臓の図解的説明である。対照(白棒)、G-CSF(影付き棒)、またはProGP-1(黒棒)で処理したドナーからの分画していない脾臓細胞を、LPSでインビトロ刺激した。IL-10(A)およびTGFβ(B)を、48時間培養物の上清中で、ELISAによって測定した。結果は、3連のウェルの平均±標準偏差であり、3つの同一の実験の1つを表す。(C)全体の対照脾臓(白棒、n=4)、G-CSF脾臓(影付き棒、n=4)、またはProGP-1脾臓(黒棒、n=4)を、図1と同様に動物に移植した。腹膜のマクロファージをSCTの7日後の動物から収集し、LPSで刺激した。TNFαを、5時間培養物の上清中で、ELISAによって測定した。結果を、CD11b染色に基づいて、105マクロファージあたりの産生に標準化した。*P<0.05対対照脾臓。NDは検出されなかったことを示す。
【図8】図8は、インビボでのT細胞アロ反応性を抑止する、ProGP-1でのドナーの前処理の図解的説明である。(A)2つの同様の実験からプールしたKaplan-Meier分析による生存曲線。ドナーのB6マウスを、図3と同様に処理した。脾細胞を11日目に収集し、そして対照脾細胞をT細胞枯渇させた。対照脾臓(対照、同種異系T、n=25)からのT細胞、G-CSF脾臓(G-CSF同種異系T、n=12)からのT細胞、およびProGP-1脾臓(ProGP-1同種異系T、n=15)からのT細胞を精製し、そしてT細胞枯渇対照脾臓(7×106)に同数で(3×106)再び加えた。T細胞枯渇対照脾臓(TCD同種異系、n=5)を非GVHD対照として移植した。これらの移植片を、致死的に照射されたB6D2F1レシピエントマウスに移植した。生存:P<0.001、G-CSF B6 T対対照B6 T;P<0.0001、G-CSF同種異系T対ProGP-1同種異系Tである。(B)方法において記載されるGVHD臨床スコアを、生存動物におけるGVHD重篤度の尺度として測定した。示された時間の点において、G-CSF TおよびProGP-1 T曲線間で*P<0.05であった。
【図9】図9は、胃腸管損傷および炎症性サイトカイン生成を減少させる、SCT後のProGP-1でのドナーの前処理の図解的説明である。レシピエントマウスに、図6と同様に移植を行った。(A)胃腸管組織学を、対照T細胞(白棒、n=6)、G-CSF T細胞(影を付けた棒、n=5)、ProGP-1 T細胞(黒棒、n=5)、またはT細胞枯渇脾臓(点描した棒、n=4)のレシピエントにおいて、方法に記載するように、半定量的組織学によって決定した。(B)移植10日後、TNFαを、対照T細胞(白棒、n=7)、G-CSF T細胞(影を付けた棒、n=5)、ProGP-1 T細胞(黒棒、n=5)、またはT細胞枯渇脾臓(点描した棒、n=3)のレシピエントの血清中で、方法に記載するようにELISAによって決定した。**対照B6 Tに対してP<0.01

Claims (32)

  1. 免疫応答性移植片の免疫活性を調節する方法であって、移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその機能的な誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と接触させる段階を含む方法。
  2. 調節がダウンレギュレーションである、請求項1記載の方法。
  3. プロゲニポエチンがプロゲニポエチン-1である、請求項2記載の方法。
  4. 移植片が同種異系移植片である、請求項2または3に記載の方法。
  5. 移植片が骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 防御性免疫細胞の集団を生成する方法であって、免疫応答性細胞の集団を有効量のプロゲニポエチンまたはその機能的な誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物とともに培養する段階を含み、該防御性免疫細胞が、該免疫応答性細胞の免疫活性をダウンレギュレートする、方法。
  7. プロゲニポエチンがプロゲニポエチン-1である、請求項6記載の方法。
  8. 免疫活性が同種異系標的細胞集団を指向する、請求項6または7に記載の方法。
  9. 免疫応答性細胞の集団が骨髄集団、脾臓細胞集団、または幹細胞集団である、請求項7または8に記載の方法。
  10. 防御性免疫細胞がCD4T細胞である、請求項6〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の予防的および/または治療的処置のための方法であって、該移植片組織を、有効量のプロゲニポエチンまたはその機能的な誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物と、該移植片の免疫活性をダウンレギュレーションするのに十分な時間および条件で接触させる段階を含む方法。
  12. プロゲニポエチンがプロゲニポエチン-1である、請求項11記載の方法。
  13. 移植片が同種異系移植片である、請求項12記載の方法。
  14. 移植片が骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である、請求項11〜13のいずれか一項記載の方法。
  15. 状態が移植片対宿主病である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 移植片がプロゲニポエチンで前処理される、請求項15記載の方法。
  17. 被験体中の同種異系免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の治療的および/または予防的処置のための方法であって、該哺乳動物に、該移植片に先立って、該移植片の後で、または該移植片と同時に、請求項6〜10のいずれか一項記載の方法に従って生成された有効数の防御性免疫細胞を投与する段階を含む方法。
  18. プロゲニポエチンがプロゲニポエチン-1である、請求項17記載の方法。
  19. 移植片が同種異系移植片である、請求項17または18に記載の方法。
  20. 状態が移植片対宿主病である、請求項19記載の方法。
  21. 移植片が骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である、請求項18〜20のいずれか一項記載の方法。
  22. 移植片がプロゲニポエチンで前処理される、請求項17〜21のいずれか一項記載の方法。
  23. 移植片の処理のための組成物の製造におけるプロゲニポエチンまたはその機能的な誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物の使用であって、該処理が移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする、使用。
  24. プロゲニポエチンがプロゲニポエチン-1である、請求項23記載の使用。
  25. 移植片が同種異系移植片である、請求項23または24に記載の使用。
  26. 移植片が骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である、請求項23、24、または25に記載の使用。
  27. 免疫応答性移植片の、異常な、望ましくない、または他の不適切な免疫活性によって特徴付けられる状態の処置のための医薬品の製造におけるプロゲニポエチンまたはその機能的な誘導体、相同体、類似体、化学的等価物、もしくは模倣物の使用であって、該処置が該移植片の免疫活性をダウンレギュレーションする、使用。
  28. プロゲニポエチンがプロゲニポエチン-1である、請求項27記載の使用。
  29. 移植片が同種異系移植片である、請求項27または28に記載の使用。
  30. 状態が移植片対宿主病である、請求項29記載の方法。
  31. 移植片が骨髄移植片、脾臓細胞移植片、または幹細胞移植片である、請求項27〜30のいずれか一項記載の使用。
  32. 移植片がプロゲニポエチンで前処理される、請求項27〜31のいずれか一項記載の使用。
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