JP2005506059A - 180kDにおけるヒスチジン・フォスファターゼ相互作用タンパク質 - Google Patents

180kDにおけるヒスチジン・フォスファターゼ相互作用タンパク質 Download PDF

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Abstract

PHPIP−180のポリペプチドおよびポリヌクレオチド、ならびにかかるポリペプチドを組換え技術によって製造するための方法が開示される。また、診断アッセイにおいて、該PHPIP−180のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを使用する方法も開示される。

Description

【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、以降、時に、「新規タンパク質・ヒスチジン・ホスファターゼ・180kD反応パートナー(PHPIP−180)」と称する、新たに同定されたポリペプチド、およびかかるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、診断ならびに、治療において潜在的に有用なアゴニスト、アンタゴニストとなりえる化合物の同定におけるそれらの使用、ならびに、かかるポリヌクレオチドの製造に関する。
【0002】
(発明の背景)
機能的ゲノミクスは、ハイ・スループットおよび現に利用可能な多くの分子生物学データベースから、潜在的な重要性を有する遺伝子配列を同定するためのバイオインフォマティクスの様々なツールに、大きく頼っている。医薬探索の標的として、さらなる遺伝子およびその関連するポリペプチド/タンパク質を同定し、その特定を行うことが引き続き求められている。
【0003】
近年、最初のヒト・タンパク質・ヒスチジン・ホスファターゼ(PHP1)が同定された(Apperson et al. :J. Neurosci. 16 :p6839, 1996)。その酵素はウサギ肝臓抽出物から単離され、特徴付けられた。ヒト細胞株では、PHP1は細胞質において見られる。C.elegansにおけるオルソログタンパク質の機能の研究では、神経細胞の局在化を示した(Kennedy et al.: Trends Biochem. Sci, 20: p350, 1995) (Kennedy et al.: Trends Neurosci, 20: p264, 1997) (Kennedy et al.: Brain Res. Brain Res. Rev, 26: p243, 1998) (Kennedy et al.: Science, 290: p750, 2000) (Kornau et al.: Curr. Opin. Neurobiol, 7: p368, 1997)。PHP1のC.elegansホモログは、感覚運動および咽頭の感音性MC、M3およびI2に位置している。線虫の咽頭とヒトの心臓との類似性は示されており(PNAS 199895、5072−5)、従って、PHP1およびリガンドは様々な心疾患性の病気と関連がある。PHP1はさらに、骨格筋、腎臓、肝臓および脳において発現している。PHP1を参照とするさらなる参照文献としては以下のものを含む(Omkumar et al.: J. Biol. Chem, 271: p31670, 1996)(Ouyang et al.: J. neurosci, 19: p7823, 1999) (Walikonis et al.: J. Neurosci, 20: p4069, 2000) (Walikonis et al. :J. Neurosci, 21: p423, 2001) (Zang et al. :J. Neurosci, 19: p96, 1999 (Legouis et al. :Nature Cell Biol, 2: p415, 2000)。
【0004】
最近の適用においては、PHP1とタンパク質の相互作用の研究では、遺伝子配列と、リガンドであり分子レベルではPHP1の相互作用パートナーである遺伝子の機能とを定義するためにDNA配列技術と生物情報学(バイオインフォマティクス)とが併用されている。
【0005】
(発明の概要)
PHP1のタンパク質相互作用の研究においては、PHPIP−180はまだ公知の相互作用のパートナーとはなっていない。
【0006】
本発明は、PHPIP−180、特には、PHPIP−180ポリペプチドおよびPHPIP−180ポリヌクレオチド、組換え体およびその製造方法に関する。かかるポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、それらに限定はされないものの、自閉症:脂肪酸の基礎代謝にリンクする神経細胞の細胞膜活性の不良(Am J Med Genet. 4;96(6):765, 2000)、統合失調症(Psychiatre Q Winter;65:287 1994)、周期的に起こる家族性関節炎(Arthritis Rheum ;43:2041, 2000)、バルデー−ビードル症候群(BBS4) (Genomics;41:93, 1997)、先天性赤血球異形成貧血III型(Haematologica 85、 753、 2000)、および悪性線維性組織球種を含む、特定の疾患(以降、「本発明の疾患」と称する)を治療する方法に関連して、注目されている。さらなる形態において、本発明は、本発明により提供される材料を使用して、アゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、阻害剤)を同定するための方法、ならびにその同定された化合物を用いて、PHPIP−180の不均衡に関連する症状を治療するための方法に関する。さらに他の形態において、本発明は、不適当なPHPIP−180の活性および濃度に付随する疾患を検出するための診断アッセイにも関する。
【0007】
(発明の説明)
第1の形態において、本発明はPHPIP−180ポリペプチドに関する。かかるポリペプチドには、
(a)配列番号:1の配列を含んでなるポリヌクレオチドによってコードされる単離されたポリペプチド;
(b)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列を含んでなる単離されたポリペプチド;
(c)配列番号:2のポリペプチド配列を含んでなる単離されたポリペプチド;
(d)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する単離されたポリペプチド;
(e)配列番号:2のポリペプチド配列;ならびに
(f)配列番号:2のポリペプチド配列と比較して、0.95、0.96、0.97、0.98または0.99の同一性指標を有するポリペプチド配列を有するか、または含んでなる単離されたポリペプチド;
(g)(a)〜(f)に記載のかかるポリペプチドのフラグメントおよび変異体
が含まれる。
【0008】
本発明のポリペプチドは、PHPIP−180ファミリーのポリペプチドの一員であると考えられる。それらは、ヒト・タンパク質・ヒスチジン・ホスファターゼ(PHP1)であるために、PHPIP−180は興味がもたれている。ヒト・タンパク質・ヒスチジン・ホスファターゼ(PHP1)は最近WO00/52175に記載されており、その特徴とウサギ肝臓抽出物から単離されたタンパク質の該酵素との比較とによると、PHP1は特異的な脱リン酸ATP−シトレートリア−ゼであり、アセチルCoAおよびアセチルコリンの生合成に関与する重要な酵素であり、His−764位におけるリン酸化であると知られている。この基質特異性は脂肪酸のアセチルCoAの調製を介する生合成に役割を果たしている。従ってアセチルコリンの生合成は神経細胞において調節されている。
【0009】
哺乳類におけるヒスチジン・リン酸化は、多量体のタンパク質の複合体を介してシグナル伝達をもたらす。ヒト細胞株ではPHP1−リガンドは細胞質に存在する。C.elegansにおけるオルソログタンパク質のさらなる研究は独占的な神経細胞の局在化を示すが、しかしながら他の細胞のタイプではその位置の外側においても発現する。従って新しいリガンドは他の疾患および特に様々な心疾患性の病気に関連する。
【0010】
C.elegansのPHPIP180ホモログタンパク質LET−413は、接着接合部の集合を必要とする側底タンパク質として示されている(Legouis et al. Nature Cell Biol. 2000, 2:415)。このことは、let−413は、上皮細胞に輸送する極性化タンパク質に関与するアダプタータンパク質としての役割を果たすことを示唆している。該PHPIP−180の生物学的性質を、以降、「PHPIP−180の生物学的活性」、または「PHPIP−180活性」と称する。好ましくは、本発明のポリペプチドは、少なくとも1つのPHPIP−180の生物学的活性を示す。
【0011】
本発明のポリペプチドには、全ての対立遺伝子形およびスプライス変異体を含む、上記ポリペプチドの変異体もまた含まれる。かかるポリペプチドは、挿入、欠失、ならびに保存的または非保存的であってもよい置換、あるいはそれらの任意の組合せによって、基準のポリペプチドから変異している。特に好ましい変異体は、幾つかの、例えば、50〜30、30〜20、20〜10、10〜5、5〜3、3〜2、2〜1、または1個のアミノ酸が、任意の組合せで、挿入、置換または欠失されているものである。
【0012】
本発明のポリペプチドの好ましいフラグメントには、配列番号:2のアミノ酸配列に由来する、少なくとも30、50または100個の連続したアミノ酸を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド、あるいは配列番号:2のアミノ酸配列から、少なくとも30、50または100の連続したアミノ酸が末端から除去または欠失しているアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチドが含まれる。好ましいフラグメントは、PHPIP−180の生物学的活性をもたらす、生物学的に活性なフラグメントであり、類似する活性または改善された活性を有するか、あるいは望ましくない活性の低下したものも含まれる。また、動物、特に、ヒトにおいて抗原性または免疫原性である、それらのフラグメントも好ましい。
【0013】
本発明のポリペプチドのフラグメントは、対応する完全長型ポリペプチドをペプチド合成によって製造するために用いることができ;従って、これらの変異体は、本発明の完全長型ポリペプチドを製造するための中間体として用いることができる。本発明のポリペプチドは、「成熟型」タンパク質の形態であってもよく、あるいは、前駆体または融合タンパク質などの、より大きなタンパク質の一部であってもよい。分泌またはリーダー配列、プロ配列、精製に役立つ配列、例えば、反復するヒスチジン残基、あるいは組換え生産の間の安定性に利する付加配列が含まれる、付加的なアミノ酸配列を含むことは、しばしば、有益である。
【0014】
本発明のポリペプチドは、何れかの好適な方法、例えば、天然に存在する提供源や、発現システム(下記参照)を含んでなる遺伝子操作された宿主細胞からの単離、または、例えば、自動化されたペプチド合成機を使用した化学合成によって、あるいは、かかる方法の組合せによって、調製することができる。かかるポリペプチドを調製するための手段は、当該分野では十分に理解されている。
【0015】
さらなる形態において、本発明は、PHPIP−180ポリヌクレオチドに関する。かかるポリヌクレオチドには、
(a)配列番号:1のポリヌクレオチド配列に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド;
(b)配列番号:1のポリヌクレオチドを含んでなる単離されたポリヌクレオチド;
(c)配列番号:1のポリヌクレオチドに対して、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する単離されたポリヌクレオチド;
(d)配列番号:1の単離されたポリヌクレオチド;
(e)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド;
(f)配列番号:2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド;
(g)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する単離されたポリヌクレオチド;
(h)配列番号:2のポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド;
(i)配列番号:1のポリヌクレオチド配列と比較して、0.95、0.96、0.97、0.98または0.99の同一性指標を有するポリヌクレオチド配列を有するか、または含んでなる単離されたポリヌクレオチド;
(j)配列番号:2のポリペプチド配列と比較して、0.95、0.96、0.97、0.98または0.99の同一性指標を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有するか、または含んでなる単離されたポリヌクレオチド;ならびに
上記のポリヌクレオチドのフラグメントおよび変異体である、またはその全長にわたって、上記のポリヌクレオチドに対して相補的であるポリヌクレオチド
が含まれる。
【0016】
本発明のポリヌクレオチドの好ましいフラグメントには、配列番号:1の配列に由来する、少なくとも15、30、50または100の連続した塩基を有する塩基配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、あるいは配列番号:1の配列から、少なくとも30、50または100個の連続した塩基が末端から削除または欠失している配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチドが含まれる。
【0017】
本発明のポリヌクレオチドの好ましい変異体には、スプライス変異体、対立遺伝子変異体、および1つまたは複数の単一塩基多型(SNP)を有するポリヌクレオチドを含む多型体が含まれる。
【0018】
本発明のポリヌクレオチドには、配列番号:2のアミノ酸配列を含んでなり、かつ幾つかの、例えば、50〜30、30〜20、20〜10、10〜5、5〜3、3〜2、2〜1、または1個のアミノ酸残基が、任意の組合せで置換、欠失または付加されているポリペプチド変異体をコードするポリヌクレオチドもまた含まれる。
【0019】
さらなる形態において、本発明は、本発明のDNA配列のRNA転写物であるポリヌクレオチドを提供する。従って、
(a)配列番号:2のポリペプチドをコードするDNA配列のRNA転写物を含んでなる;
(b)配列番号:2のポリペプチドをコードするDNA配列のRNA転写物である;
(c)配列番号:1のDNA配列のRNA転写物を含んでなる;あるいは
(d)配列番号:1のDNA配列のRNA転写物であるRNAポリヌクレオチド;
ならびにそれらに対して相補的であるRNAポリヌクレオチド
が提供される。
【0020】
配列番号:1のポリヌクレオチド配列は、配列番号:2のポリペプチドをコードするcDNA配列である。配列番号:2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号:1の配列をコードするポリペプチドと同一であってもよく、あるいは遺伝子暗号の縮退(縮重性)の結果によって、同じく配列番号:2のポリペプチドをコードする、配列番号:1以外の配列であってもよい。
【0021】
本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、特に、それらの相同的なポリペプチドおよびポリヌクレオチドと類似する生物学的な機能/性質を有することが期待される。さらに、本発明の好ましいポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、少なくとも1つのPHPIP−180活性を有する。
【0022】
本発明のポリヌクレオチドは、心臓、骨格筋、肝臓、腎臓および脳の細胞中のmRNAに由来するcDNAライブラリーから標準的なクローニング技術およびスクリーニング技術を使用して取得することができる。しかしながら、PHP1は他のヒト組織から単離されうることもあり、そこでは低濃度で発現している。該基質特異性はアセチルCoAの調製を介して脂肪酸の生合成における役割を果たしている。従って、アセチルコリンの生合成は神経細胞において調節される(例えば、Sambrook 他、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989)参照)。本発明のポリヌクレオチドはまた、ゲノムDNAライブラリーなどの天然の供給源から取得することもでき、あるいは、周知の、市販の手法を使用して合成することもできる。
【0023】
本発明のポリヌクレオチドを、本発明のポリペプチドの組換え製造に使用する際には、該ポリヌクレオチドは、成熟型ポリペプチドのコード配列、それ自体、あるいはリーダーまたは分泌配列、プレ−、もしくはプロ−またはプレプロ−タンパク質配列、あるいは、他の融合ペプチド部分をコードするコード配列などの、他のコード配列と読み枠を合わせた成熟型ポリペプチドのコード配列を含むことができる。例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にする、マーカー配列がコードされていてもよい。本発明のこの形態の幾つかの好ましい実施態様において、該マーカー配列は、pQEベクター(Qiagen,Inc.)中に提供され、そしてGentz et al.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 (1989) 86:821〜824に記載されている、ヘキサ・ヒスチジン・ペプチド、あるいはHAタグである。該ポリヌクレオチドはまた、転写される非翻訳の配列、スプライシングならびにポリアデニレーション・シグナル、リボソーム結合部位、ならびにmRNAを安定化させる配列などの、非コードの5’ならびに3’配列を含んでもよい。
【0024】
配列番号:1のポリヌクレオチド配列に対して、同一であるか、または十分な同一性を有するポリヌクレオチドは、cDNAおよびゲノムDNAに対するハイブリダイゼーション・プローブとして、あるいは核酸増幅反応(例えば、PCR)用のプライマーとして、利用することができる。かかるプローブおよびプライマーは、本発明のポリペプチドをコードする完全長型cDNAおよびゲノム・クローンを単離するために、ならびに、配列番号:1に対して、高い配列類似性、典型的には、少なくとも95%の同一性を有する他の遺伝子(ヒトの供給源に由来するパラログ、ならびにヒト以外の種に由来するオルソログおよびパラログをコードする遺伝子を含む)のcDNAおよびゲノム・クローンを単離するために使用してもよい。好ましいプローブおよびプライマーは、一般に、少なくとも15塩基、好ましくは少なくとも30塩基を含み、そして少なくとも100塩基ではなくとも、少なくとも50塩基を有してもよい。特に好ましいプローブは、30〜50塩基を有するであろう。特に好ましいプライマーは、20〜25塩基を有するであろう。
【0025】
ヒト以外の種に由来するホモログをも含む、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号:1の配列、またはそのフラグメントを有する、好ましくは少なくとも15塩基の標識されたプローブを用いて、厳格なハイブリダイゼーション条件下で、ライブラリーをスクリーニングする過程;および前記ポリヌクレオチド配列を含有する完全長型cDNAクローンおよびゲノム・クローンを単離する過程を含んでなる工程によって取得してもよい。かかるハイブリダイゼーション技術は、当業者には周知である。好ましい厳格なハイブリダイゼーション条件は、50%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%のデキストラン硫酸および20マイクログラム/mlの変性させた剪断サケ精子DNAを含んでなる溶液中で、42℃、一晩インキュベーションし、その後、0.1×SSC中で、約65℃にてフィルターを洗浄することが含まれる。従って、本発明にはまた、配列番号:1の配列、またはそのフラグメントを有する、好ましくは少なくとも15塩基の標識されたプローブを用いて、厳格なハイブリダイゼーション条件下で、ライブラリーをスクリーニングすることによって取得される、単離されたポリヌクレオチド、好ましくは少なくとも100塩基の塩基配列を有する単離されたポリヌクレオチドも含まれる。
【0026】
当業者は、多くの場合において、該ポリペプチドをコードする領域は、5’末端に至るまで完全には伸長していない点で、単離されたcDNA配列は不完全であることもあることを理解している。これは、第1鎖のcDNA合成の際に、mRNAテンプレートのDNAコピーを完成させることができない、逆転写酵素、すなわち、本来、低い「プロセシング能」(ポリメリゼーション反応の間、テンプレートに結合した状態を維持する酵素の能力の指標)を有する酵素の結果である。
【0027】
完全長型cDNAを取得する、あるいは短いcDNAを伸長させるために利用でき、かつ当業者に周知の方法がいくつかあり、例えば、cDNA端の迅速な増幅(RACE)方法に基づく方法がある(例えば、Frohman et al.、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 85、 8998〜9002、 1988 参照)。例えば、Marathon(商標)法(Clontech Laboratories Inc.)で例示される、この技術の最近の改良は、より長いcDNAの探索を著しく簡単としている。Marathon(商標)法では、選択された組織から抽出されたmRNAと、その両端に連結された「アダプター」配列とから、cDNAが調製される。その後、遺伝子特異的なならびにアダプター特異的なオリゴヌクレオチドプライマーの組合せを使用して、cDNAの「失われている」5’端を増幅するために、核酸増幅(PCR)を実施する。その後、「ネスティッド(入れこ型)」プライマー、すなわち、増幅産物の内部にアニーリングするように設計されたプライマー(典型的には、アダプター配列においてさらに3’側にアニーリングするアダプター特異的なプライマー、および既知の遺伝子配列においてさらに5’側にアニーリングする遺伝子特異的なプライマー)を使用して、PCR反応を繰り返す。そして、この反応の生成物をDNA配列決定によって分析することができ、また、完全な配列を与えるように、既存のcDNAに該生成物を直接結合させる、あるいは、5’プライマーの設計のために新しい配列情報を利用して、別途に完全長のPCRを実施することのいずれかによって、完全長型のcDNAを構築することができる。
【0028】
本発明の組換えポリペプチドは、発現システムを含んでなる遺伝子操作された宿主細胞から、当該分野で周知の製法によって調製することができる。従って、さらなる形態において、本発明は、本発明のポリヌクレオチドの1つまたは複数を含んでなる発現システム、かかる発現システムで遺伝子操作されている宿主細胞、ならびに、組換え技術による本発明のポリペプチドの製造に関する。無細胞翻訳システムもまた、本発明のDNA構築物に由来するRNAを使用して、かかるタンパク質を製造するために使用することができる。
【0029】
組換え製造のために、宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチドに対する発現システムまたはその一部を取り込むように、遺伝子操作することができる。ポリヌクレオチドは、Davis et al.、Basic Methods in Molecular Biology (1986)及びSambrook et al.(前述)などの、多くの標準的な実験室マニュアルに記載されている方法によって宿主細胞中に導入することができる。ポリヌクレオチドを宿主細胞中に導入する好ましい方法には、例えば、リン酸カルシウム・トランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、トランスダクション、スクレイプ負荷、バリスティック導入または感染が含まれる。
【0030】
適当な宿主の代表的な例には、ストレプトコッカス属、スタフィロコッカス属、大腸菌、ストレプトミセス属ならびに枯草菌細胞などの細菌細胞;酵母細胞やアスペルギルス属細胞などの真菌細胞;ショウジョウバエ(Drosophila)S2細胞やSpodoptera Sf9細胞などの昆虫細胞;CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、HEK293ならびにBowesメラノーマ細胞などの動物細胞;および植物細胞が含まれる。
【0031】
非常に多様な発現システムを使用することができ、例えば、染色体、エピソームおよびウイルスに由来するシステム、例えば、細菌プラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、酵母エピソーム、挿入エレメント、酵母染色体エレメント、バキュロウイルス、パポバウイルス(SV40など)、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、偽狂犬病ウイルスやレトロウイルスなどのウイルスに由来するベクター、ならびに、コスミドやファージミドなどの、プラスミドおよびバクテリオファージの遺伝子エレメントから誘導されたものなどの、それらの組合せに由来するベクターを使用することができる。該発現システムは、発現を生じさせるとともに、調節をする制御領域を含有してもよい。一般に、宿主内において、ポリペプチドを生産するためのポリヌクレオチドを維持、増殖、または発現させることが可能である、システムまたはベクターはいずれも使用することができる。適切なポリヌクレオチド配列は、例えば、Sambrook et al.(前述)中に示されているものなどの、周知で慣用の手法種々のいずれかによって発現システムに挿入することができる。適当な分泌シグナルを、小胞体の内腔、ペリプラズム腔または細胞外環境への翻訳タンパク質の分泌を可能にするために、所望するポリヌクレオチドに組み込むことができる。これらのシグナルは、該ポリペプチドに対して内因性であってもよく、あるいは異種のシグナルであってもよい。
【0032】
スクリーニング・アッセイにおいて使用するために、本発明のポリペプチドを発現させる際には、該ポリペプチドは細胞の表面で産生されることが、一般に好ましい。この場合、スクリーニング・アッセイにおいて使用するに先立ち、細胞を集菌してもよい。該ポリペプチドが培地内に分泌される場合には、該ポリペプチドの回収および精製を行うため、培地を回収することができる。細胞内で産生される場合には、ポリペプチドを回収する前に、細胞を予め溶解しなければならない。
【0033】
本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈澱、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロース・クロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、アフィニティー・クロマトグラフィ、ヒドロキシルアパタイト・クロマトグラフィおよびレクチン・クロマトグラフィを含む、周知の方法によって組換え細胞培養物から回収および精製することができる。最も好ましくは、ハイ・パフォーマンス・液体クロマトグラフィが精製のために使用される。該ポリペプチドが、細胞内合成、単離および/または精製の間に変性する際には、周知のタンパク質のリフォールディング方法を、活性な立体配座を再生させるために使用することができる。
【0034】
本発明のポリヌクレオチドは、関連する遺伝子における変異の検出を通して、診断試薬として使用することができる。cDNA配列またはゲノム配列において、配列番号:1のポリヌクレオチドによって特定され、また、機能不全に関連している、変異体型遺伝子の検出は、その遺伝子の過少な発現、過剰発現、あるいは変更された空間的または時間的な発現に起因する、疾患または疾患に対する感受性の診断に付加、あるいは、確定させることができる診断ツールを提供する。遺伝子に変異を有する個体は、当該分野で周知な様々な手法によって、DNAレベルで検出することができる。
【0035】
診断に供する核酸は、対象の細胞、例えば、血液、尿、唾液、組織生検または剖検試料などから得ることできる。ゲノムDNAを、直接、検出のために使用してもよく、あるいは、分析に先立ち、PCR、好ましくはRT−PCR、または他の増幅技術を使用して、酵素的に増幅してもよい。RNAまたはcDNAもまた、同様な手順で使用することができる。欠失および挿入は、正常な遺伝子型と比較して、増幅産物のサイズにおける変化によって検出することができる。点変異は、増幅されたDNAを、標識されたPHPIP−180の塩基配列に対して、ハイブリダイゼーションさせることによって同定することができる。完全に一致する配列は、ミスマッチした二重鎖と、RNase消化、あるいは融解温度における差によって、弁別することができる。DNA配列の相違はまた、変性剤の存在下または非存在下での、ゲルにおけるDNAフラグメントの電気泳動移動度の変化によって、あるいは、直接的なDNA配列決定によって検出してもよい(例えば、Myers et al.、 Science、 (1985) 230:1242 参照)。特定の位置における配列の変化もまた、RNaseならびにS1保護などの、ヌクレアーゼ保護アッセイ、あるいは化学的な切断方法によって、明らかにすることもできる(Cotton et al.、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 (1985) 85:4397〜4401 参照)。
【0036】
PHPIP−180のポリヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含んでなるオリゴヌクレオチド・プローブのアレイを、例えば、遺伝子変異の効率的なスクリーニングを行うために構築することができる。かかるアレイは、好ましくは、高密度のアレイまたは格子状である。アレイ化技術の方法は、周知であり、一般的な適用性を有しており、また、遺伝子発現、遺伝子連鎖および遺伝子変動性を含む、分子遺伝学における様々な問題を解明するために使用することができ、例えば、M. Chee et al.、 Science、 274、 610〜613 (1996)およびそれに引用されている他の参考文献を参照する。
【0037】
異常に、低下または増大しているポリペプチドまたはmRNAの発現レベルの検出もまた、本発明の疾患に対する、被験体の感受性を診断または検出するために使用することができる。低下、または増大した発現は、例えば、核酸増幅、例えば、PCR、RT−PCR、RNase保護、ノーザン・ブロットおよび他のハイブリダイゼーション法などの、当該分野で周知の、ポリヌクレオチドの定量方法のいずれかを使用して、RNAレベルで測定することができる。宿主に由来するサンプルにおける、本発明のポリペプチドなどのタンパク質レベルを決定するために使用することができるアッセイ手法は、当業者には周知である。かかるアッセイ方法には、放射免疫アッセイ、競合的結合アッセイ、ウエスタン・ブロット分析およびELISAアッセイが含まれる。
【0038】
したがって、別の形態において、本発明は、
(a)本発明のポリヌクレオチド、好ましくは、配列番号:1のヌクレオチド配列またはそのフラグメントもしくはそのRNA転写物;
(b)(a)の配列に対して相補的なヌクレオチド配列;
(c)本発明のポリペプチド、好ましくは、配列番号:2のポリペプチドまたはそのフラグメント;あるいは
(d)本発明のポリペプチド、好ましくは配列番号:2のポリペプチドに対する抗体
を含んでなる診断キットに関する。
【0039】
かかるキットの何れにおいても、(a)、(b)、(c)または(d)は、実質的な成分を構成することできることは理解される。かかるキットは、疾患または疾患に対する感受性、中でも、特に本発明の疾患を診断する際に有用である。
【0040】
本発明のポリヌクレオチド配列は、染色体局在化の研究に有益である。該配列は、個々のヒト染色体上の特定位置に対して、特異的に標的化されており、そして、ハイブリダイゼーションすることができる。本発明に従って、関連する配列を染色体にマッピングすることは、それらの配列を遺伝子関連疾患と相関させる上での、重要な最初の過程である。一度、配列を正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上における該配列の物理的な位置を、遺伝地図データと相関させることができる。かかるデータは、例えば、V. McKusick、ヒトにおけるメンデル遺伝(Johns Hopkins大学 Welch Medical Libraryを通してオンラインで利用可能である)中で、見出される。同じ染色体領域にマッピングされている、遺伝子と疾患と間の関係は、その後、連鎖解析(物理的に隣り合う遺伝子の同時遺伝)を通して、同定される。ゲノム配列(遺伝子フラグメントなど)に関する、正確なヒト染色体上の局在化は、放射ハイブリッド(RH)マッピングを使用して決定することができる(Walter, M.、 Spillett, D.、 Thomas, P.、 Weissenbach, J.およびGoodfellow, P.、 (1994)、ゲノム全体の放射ハイブリッド・マップを構築するための方法、Nature Genetics、7、22〜28)。多数のRHパネルを、Research Genetics (Huntsville、 AL、 米国)から、例えば、GeneBridge4 RHパネル(Hum. Mol. Genet.、1996, Mar; 5(3): 339〜46、ヒトゲノムの放射ハイブリッド・マップ。Gyapay G.、 Schmitt K.、 Fizames C.、 Jones H.、 Vega−Czarny N.、 Spillett D.、 Musele D.、 Prud' Homme J.F.、 Dib C.、 Auffray C.、 Morissette J.、 Weissenbach,J. およびGoodfellow,P.N.)を入手可能である。このパネルを使用して遺伝子の染色体上の位置を決定するためには、RH DNA上の関心のある遺伝子から設計されたプライマーを使用して、93回のPCRが行われる。これらのDNAのそれぞれは、ハムスターのバックグラウンド(ヒト/ハムスターのハイブリッド細胞株)中に維持された、ランダムなヒト・ゲノム・フラグメントを含んでいる。このようなPCRは、目的とする遺伝子のPCR産物の存在または非存在を示す、93のスコアをもたらす。これらのスコアは、既知の位置のゲノム配列に由来するPCR産物を使用して作製されたスコアと比較される。この比較は、http://www.genome.wi.mit.edu/において行われる。本発明の遺伝子はヒト染色体1p31にマッピングされる。
【0041】
本発明のポリヌクレオチド配列はまた、組織発現の研究に対する有益なツールである。かかる研究は、それらをコードするmRNAを検出することによって、コードされたポリペプチドの組織内の発現パターンに関する指標を与える、本発明のポリヌクレオチドの発現パターンの決定を可能とする。使用される技術は、当該分野では周知であり、また、cDNAマイクロアレイ・ハイブリダイゼーション(Schene et al.、Science、270、467〜470、1995およびShalon et al.、Genome Res.、6、639〜645、1996)などの、格子上に配列されたクローンに対する系内・ハイブリダイゼーション技術、ならびにPCRなどの塩基増幅技術を含む。好ましい方法は、Perkin Elmerから入手可能なTAQMAN(商標)法を使用する。これらの研究による結果は、生物におけるポリペプチドの正常な機能の指標を提供する。加えて、mRNAの正常な発現パターンと、同じ遺伝子の別の形態(例えば、潜在的または調節的な変異をコードするポリペプチドにおける変化を有するもの)によってコードされるmRNAの発現パターンとの比較研究は、本発明のポリペプチドの役割、または疾患におけるその不適切な発現の役割に対する有益な見識を提供することができる。かかる不適切な発現は、時間的、空間的または単に量的な性質のものであってもよい。
【0042】
本発明のポリペプチドは、心臓、骨格筋、肝臓、腎臓、および脳の組織において発現される。
【0043】
本発明のさらなる形態は、抗体に関する。本発明のポリペプチドまたはそのフラグメント、あるいはそれらを発現している細胞は、本発明のポリペプチドに対して免疫特異的である抗体を作製するための免疫原として、使用することができる。「免疫特異的」の用語は、抗体が、先行技術における他の関連するポリペプチドに対するそれらの親和性よりも、本発明のポリペプチドに対して、実質的により大きな親和性を有することを意味する。
【0044】
本発明のポリペプチドに対して生成される抗体は、慣用的なプロトコルを使用して、該ポリペプチドまたはエピトープ保持したフラグメント、あるいは細胞を、動物、好ましくは、非ヒト動物に、投与することによって取得することができる。モノクローナル抗体の調製には、継代的な細胞株培養物によって産生される抗体を提供する技術のいずれをも、使用することができる。例には、ハイブリドーマ技術(Kohler, G.およびMilstein, C.、 Nature (1975)、 256: 495〜497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al.、 Immunology Today (1983)、 4: 73)、およびEBV−ハイブリドーマ技術(Cole et al.、 Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、 77〜96、 Alan R. Liss,Inc.、 1985)が含まれる。
【0045】
米国特許第4,946,778号に記載されているものなどの、一本鎖抗体を製造するための技術もまた、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を製造する上で応用することができる。また、トランスジェニック・マウス、あるいは、他の哺乳動物を含む他の生物を、ヒト化抗体を発現させるために使用してもよい。
【0046】
上記抗体は、該ポリペプチドを発現するクローンを単離または同定するために、あるいはアフィニティー・クロマトグラフィによって該ポリペプチドを精製するために使用してもよい。本発明のポリペプチドに対する抗体は、また、中でも、本発明の疾患を治療するために使用することができる。
【0047】
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドはまた、ワクチンとして使用することができる。従って、さらなる形態において、本発明は、その疾患が個体において既に慢性化しているか否かに関わらず、前記動物を疾患から保護するために、抗体および/またはT細胞免疫応答(例えば、サイトカイン産生T細胞または細胞傷害性T細胞を含む)を生じさせるに適する、本発明のポリペプチドを哺乳動物に接種することを含んでなる、哺乳動物における免疫学的応答を誘導するための方法に関する。哺乳動物における免疫学的応答はまた、本発明にかかる疾患から前記動物を保護するための抗体を産生するような、かかる免疫学的応答を誘導するために、in vivoで、該ポリヌクレオチドの発現を支配し、かつ該ポリペプチドをコードしているベクターによって、本発明のポリペプチドを送達することを含んでなる方法によって誘導してもよい。該ベクターを投与する1つの方法は、粒子またはそれ以外のものの上へのコーティング物として、所望する細胞中へのそれを促進することによる。かかる核酸ベクターは、DNA、RNA、修飾型核酸またはDNA/RNAハイブリッドを含むことができる。用途によって、ワクチン、ポリペプチドまたは核酸ベクターは、通常、ワクチン配合物(組成物)として提供される。該配合物はさらに、適合するキャリアを含むことができる。ポリペプチドは胃において分解されることもあるため、それは、好ましくは非経口的に投与される(例えば、皮下、筋肉内、静脈内、あるいは皮内注射)。非経口投与に好適な配合物には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、ならびに配合物を接種者の血液と等張性にする溶質を含んでもよい、水性および非水性の無菌注射液;ならびに懸濁剤または増粘剤を含んでもよい、水性および非水性の無菌懸濁剤が含まれる。該配合物は、単位用量または多回用量容器、例えば、密封されたアンプルならびにバイアルに入れて提供することができ、また、使用直前に無菌の液体キャリアを添加するだけでよい、凍結乾燥状態で保存することができる。該ワクチン配合物はまた、水中油型システムや当該分野で既知のその他のシステムなどの、配合物の免疫原性を増強するためのアジュバント・システムを含むことができる。投与量は、該ワクチンの比活性に依存し、型どおりの実験によって容易に決定することができる。
【0048】
本発明のポリペプチドは、1つまたはそれ以上の疾患状態、特に、既に記載した本発明の疾患に関連している、1つまたはそれ以上の生物学的機能を有する。従って、該ポリペプチドの機能または濃度を刺激または阻害する化合物を同定することは有用である。従って、さらなる形態において、本発明は、該ポリペプチドの機能または濃度を刺激または阻害する化合物を同定するために、化合物をスクリーニングする方法を提供する。かかる方法は、上記したような本発明の疾患に対する治療および予防目的のために使用することができる、アゴニストまたはアンタゴニストを同定する。化合物は、様々な供給源、例えば、細胞、無細胞調製物、化学的ライブラリー、化学化合物のコレクション、および天然産物混合物から同定することができる。このように同定される、かかるアゴニストまたはアンタゴニストは、場合によっては、ポリペプチド自体の、天然または修飾された基質、リガンド、受容体、酵素など;その構造的または機能的な模倣体(Coligan et al.、 Current Protocols in Immunology、 1(2):5章 (1991) 参照)あるいは小分子であってもよい。そのような小分子は好ましくは分子量が2000ダルトンより小さく、より好ましくは300〜1000ダルトンの間であり、さらに好ましくは400〜700ダルトンの間である。好ましくは、それらの小分子は有機分子である。
【0049】
該スクリーニング方法は、候補化合物に直接的または間接的に連結されている標識を利用して、該ポリペプチド、あるいは該ポリペプチドまたはその融合タンパク質を表出している細胞または膜に対する候補化合物の結合を単に測定することでもよい。代わりに、該スクリーニング方法は、標識された競合剤(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)に対して、候補化合物のポリペプチドに対する競合的な結合の(定性的または定量的に)測定または検出を含んでもよい。さらに、これらのスクリーニング方法では、該ポリペプチドを表出している細胞に適する検出システムを使用して、候補化合物がポリペプチドの活性化または阻害によって誘起されるシグナルをもたらすか否かを調べることでもよい。活性化の阻害剤は、一般には既知のアゴニストの存在下でアッセイされ、そして、候補化合物の存在による、アゴニストによる活性化に対する作用を観測する。さらに、該スクリーニング方法は、候補化合物を、本発明のポリペプチドを含有する溶液と混合して、混合体を形成させる工程、混合物におけるPHPIP−180活性を測定する工程、および混合物のPHPIP−180を、候補化合物を含有しないコントロール混合物と比較する工程を単に含んでなることでもよい。
【0050】
本発明のポリペプチドは、従来の低い容量のスクリーニング方法、そして、また、ハイ・スループットなスクリーニング(HTS)形態においても、使用することができる。かかるHTS形態には、十分に確立された、96−、また、最近では、384−ウエル・マイクロ・タイター・プレートの使用のみでなく、Schullek et al., Anal. Biochem., 246, 20〜29 (1997) に記載されている、ナノウエル法などの開発途上の方法もまた含まれる。
【0051】
既に記載したような、Fc部分およびPHPIP−180ポリペプチドから作製されるものなどの、融合タンパク質もまた、本発明のポリペプチドに対するアンタゴニストを同定するための、ハイ・スループットなスクリーニング・アッセイのために使用することができる(D. Bennett et al.、 J. Mol. Recognition、 8: 52〜58 (1995); ならびにK. Johanson et al.、 J. Biol. Chem.、 270 (16): 9459〜9471 (1995) 参照)。
【0052】
スクリーニング技術
本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および該ポリペプチドに対する抗体はまた、細胞内におけるmRNAおよびポリペプチドの産生に対する、添加された化合物の影響を検出するためのスクリーニング方法を形成するために使用することができる。例えば、当該分野で公知の標準的な方法によって、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を使用して、ポリペプチドの分泌または細胞結合している濃度を測定するために、ELISAアッセイを構築することができる。これは、適当に操作された細胞または組織からのポリペプチドの産生を阻害または増強することができる薬剤(また、それぞれアンタゴニストまたはアゴニストとも呼ばれる)を発見するために使用することができる。
【0053】
本発明のポリペプチドは、当該分野で公知の標準的な受容体結合手法を通して、存在する場合には、膜結合型または可溶性の受容体を同定するために使用することができる。これらには、それに限定されないものの、ポリペプチドを、放射性同位体(例えば、125I)で標識、化学修飾(例えば、ビオチン化され)、あるいは検出または精製に好適なペプチド配列と融合して、そして推定される受容体の供給源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液)とインキュベーションする、リガンド結合ならびにクロスリンク・アッセイが含まれる。他の方法には、表面プラズモン共鳴および分光測定法などの、生物物理学的技術が含まれる。これらのスクリーニング方法はまた、存在する場合には、ポリペプチドのその受容体に対する結合と競合する、該ポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを同定するために使用することができる。かかるアッセイを行うための標準的な方法は、当該分野では十分に理解されている。
【0054】
本発明のポリペプチドのアンタゴニストの例には、抗体、あるいは、ある場合には、該ポリペプチド自体のリガンド、基質、受容体、酵素などに密接に関連するオリゴヌクレオチドまたはタンパク質、場合により、例えば、該リガンド、基質、受容体、酵素などのフラグメント;あるいは本発明のポリペプチドに結合するものの、応答を誘発せず、その結果、ポリペプチドの活性が妨げられる、小分子が含まれる。
【0055】
スクリーニング方法はまた、トランスジェニック技術およびPHPIP−180遺伝子の使用を含んでもよい。トランスジェニック動物を構築する手法は、十分に確立されている。例えば、受精した卵母細胞の雌性前核へのマイクロインジェクション、移植前または移植後の胚へのレトロウイルス移入、エレクトロポレーションなどによって、遺伝子操作された胚性幹細胞の宿主胚盤胞への注入を通して、PHPIP−180遺伝子を導入することができる。特に有用なトランスジェニック動物は、その動物のゲノム内において、動物の遺伝子がヒトの等価体によって置き換えられている、所謂「ノック・イン」動物である。ノック・イン・トランスジェニック動物は、医薬探索のプロセスにおいて、化合物はヒトの標的に対して特異的であるという、標的の妥当性検証用に有用である。他の有用なトランスジェニック動物は、内因性DNA配列によってコードされている、本発明のポリペプチドに対する動物オルソログの発現が細胞内で部分的または完全に無効とされている、所謂「ノック・アウト」動物である。遺伝子のノック・アウトは、技術の限界の結果として、特異的な細胞または組織を対象とする、特定の細胞または組織においてのみ起きていてもよく、あるいは、動物内の全て、または実質的に全ての細胞において生じてもよい。トランスジェニック動物の手法はまた、導入された遺伝子が、本発明のポリペプチドを大量に供するために発現させられる動物全体の発現−クローニング・システムを提供する。
【0056】
上記方法において使用されるスクリーニング・キットは、本発明のさらなる形態をなす。かかるスクリーニング・キットは、
(a)本発明のポリペプチド;
(b)本発明のポリペプチドを発現している組換え細胞;
(c)本発明のポリペプチドを発現している細胞膜;または
(d)本発明のポリペプチドに対する抗体;
を含んでなり、好ましくは、前記のポリペプチドは、配列番号:2のものである。
【0057】
かかるキット何れの中においても、(a)、(b)、(c)または(d)は、実質的な構成要素を構成することは理解される。
【0058】
(用語集)
下記の定義は、本明細書中で既に頻繁に使用されているいくつかの用語の理解を容易にするために提供される。
【0059】
本明細書中に用いられる「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、キメラ、一本鎖、ならびにヒト化抗体、同様に、Fabフラグメントをも包含し、Fabまたは他の免疫グロブリンの発現ライブラリー生成物をも包含する。
【0060】
「単離(された)」は、その天然の状態から、「ヒトの手によって」変化していること、すなわち、自然界に存在する場合、その本来の環境から変化、または移動されているか、あるいは、その両方であることを意味する。例えば、生きた生物中に天然に存在するポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、「単離」されてはいないが、その天然状態の共存物質から分離された、同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、この用語の本明細書中での用法に従うと、「単離」されている。さらに、形質転換、遺伝子操作、または何らかの他の組換え方法によって、生物中に導入されているポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、その生物が生存または非生存かのいずれでも、前記生物中に依然として存在している場合でさえ、「単離」されている。
【0061】
「ポリヌクレオチド」は、一般には、非改変型または改変型のRNAあるいはDNAであってもよい、任意のポリリボヌクレオチド(RNA)またはポリデオキシリボヌクレオチド(DNA)を指す。「ポリヌクレオチド」には、限定ではないものの、一本鎖および二本鎖のDNA、一本鎖と二本鎖の領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖のRNA、ならびに一本鎖と二本鎖の領域の混合物であるRNA、一本鎖、または、より典型的には、二本鎖の、あるいは、一本鎖と二本鎖の領域の混合物であってもよい、DNAおよびRNAを含んでなるハイブリッド分子が含まれる。加えて、「ポリヌクレオチド」は、RNAまたはDNA、あるいはRNAとDNAとの両方を含んでなる三重鎖領域をもいう。用語「ポリヌクレオチド」はまた、1つまたは複数の修飾された塩基を含有するDNAまたはRNA、および安定性または他の理由のために修飾された骨格を有するDNAまたはRNAを含む。「修飾(された)」塩基には、例えば、トリチル化された塩基、ならびに、イノシンなどの非通常型の塩基が含まれる。様々な修飾をDNAおよびRNAに対して行うことができ、従って、「ポリヌクレオチド」は、ウイルスおよび細胞に特徴的なDNAおよびRNAの化学的形態と同様に、自然界に典型的に見出されるような、ポリヌクレオチドの化学的、酵素的または代謝的に修飾された形態をも包含する。「ポリヌクレオチド」はまた、しばしばオリゴヌクレオチドと称される、比較的短いポリヌクレオチドをも包含する。
【0062】
「ポリペプチド」は、ペプチド結合または修飾されたペプチド結合(すなわち、ペプチド等配電子体)によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸を含んでなるポリペプチドのいずれをも指す。「ポリペプチド」は、ペプチド、オリゴペプチドまたはオリゴマーと広く呼ばれる短い鎖、ならびに、一般にはタンパク質と呼ばれる、より長い鎖の双方ともをいう。ポリペプチドは、遺伝子によってコードされる20種のアミノ酸とは異なるアミノ酸を含有することができる。「ポリペプチド」には、翻訳後プロセシングなどの天然のプロセス、あるいは当該分野で周知の化学的な修飾方法のいずれかによって、修飾がなされたアミノ酸配列が含まれる。かかる修飾は、基本的な教本、およびより詳細な専門書、ならびに数多くの研究文献中に、広く記載されている。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含む、ポリペプチド内のいずれの位置に生じさせることもできる。同じタイプの修飾が、所与ポリペプチド内のいくつかの部位に同じ程度または異なる程度で存在してもよいことが理解される。また、所与のポリペプチドは、多くのタイプの修飾を含んでもよい。ポリペプチドは、ユビキチン化の結果として分枝がなされてもよく、また、分枝を有する、または有していない、環状であってもよい。環状、分枝状および分枝した環状のポリペプチドは、翻訳に続く天然のプロセスに起因しても、あるいは合成的方法によって作製されてもよい。修飾には、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、ビオチン化、フラビンの共有結合、ヘム成分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスホチジルイノシトールの共有結合、クロス・リンク形成、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPI・アンカー形成、ヒドロキシ化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化などのアミノ酸のタンパク質へのトランスファー・RNA媒介付加、ならびユビキチン化が含まれる(例えば、Proteins-Structures and Molecular Properties、第2版、T. E. Creighton,W. H. Freeman and Company、New York、1993; Wold,F.、翻訳後のタンパク質修飾:全体像および展望、1〜12、Post-translational Covalent Modification of Proteins、B. C. Johnson編、Academic Press、New York、1983; Seifter et al.、「タンパク質修飾および非タンパク質補助因子の分析」、Meth. Enzymol.、182、626〜646、1990; Rattan et al.、「タンパク質合成:翻訳後修飾およびエージング」、Ann. NY Acad. Sci.、 663、 48〜62、 1992 参照)。
【0063】
ポリペプチド配列の「フラグメント」は、基準の配列よりも短いものの、基準となるポリペプチドと同一の生物学的な機能または活性を本質的に保持しているポリペプチド配列をいう。ポリヌクレオチド配列の「フラグメント」は、配列番号:1の基準配列よりも短いポリヌクレオチド配列をいう。
【0064】
「変異体」は、基準となるポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは異なるものの、その本質的な性質を保持しているポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。ポリヌクレオチドの典型的な変異体は、基準となるポリヌクレオチドに対して、塩基配列に相違がある。変異体の塩基配列における変異は、基準となるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させても、させなくてもよい。ヌクレオチドの変化は、下記に説明するように、基準の配列によってコードされるポリペプチド中における、アミノ酸の置換、付加、欠失、融合および末端の短縮化を引き起こしてもよい。ポリペプチドの典型的な変異体は、基準となるポリペプチドに対して、アミノ酸配列に相違がある。一般に、改変は、基準となるポリペプチドおよび変異体の配列が全体的には非常に類似し、そして多くの領域において同一となるように制限される。変異体ならびに基準となるポリペプチドは、アミノ酸配列において、1つまたは複数の置換、挿入、欠失の任意の組合せによって相違してもよい。置換または挿入されるアミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードされるアミノ酸残基であっても、なくてもよい。典型的な、保存的置換には、Gly、Ala; Val、Ile、Leu; Asp、Glu; Asn、Gln; Ser、Thr; Lys、Arg; ならびにPheおよびTyrが含まれる。ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、対立遺伝子などの天然に存在するものであってもよく、あるいは天然では存在することが知られていない変異体であってもよい。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの天然には存在しない変異体は、変異誘発方法によって、あるいは直接合成によって作製することもできる。また、1つまたは複数の翻訳後の修飾、例えば、グリコシル化、リン酸化、メチル化、ADP−リボシル化などを有するポリペプチドも、また変異体には含まれる。実施態様には、N末端アミノ酸のメチル化、セリンおよびトレオニンのリン酸化、ならびにC末端グリシンの修飾が含まれる。
【0065】
「対立遺伝子」は、ゲノム中の所与の遺伝子座に存在する遺伝子の、2つまたはそれ以上の選択的な形態の1つをいう。
【0066】
「多型」は、集団内における、ゲノムにおける所与の位置における塩基配列(仮に関連する場合には、コードされるポリペプチド配列)の変動をいう。
【0067】
「単一塩基多型」(SNP)は、集団内においてゲノム内の1つの塩基位置における、塩基変動の発生をいう。SNPは、遺伝子内で、あるいはゲノムの遺伝子間領域内で起こってもよい。SNPは、対立遺伝子特異的増幅(ASA)を使用してアッセイすることができる。該プロセスには、少なくとも3つのプライマーが必要とされる。共通プライマーが、アッセイされる多型に対して、逆方向に相補となるように使用される。この共通プライマーは、多型な塩基から50bpから1500bpの間で隔たったものとできる。それ以外の2つ(またはそれ以上)のプライマーは、最後の3’塩基が、多型を構成する2つ(またはそれ以上)の対立遺伝子の1つと一致するように変化している点を除いて、互いに同一である。そして、それぞれ、共通プライマーおよび1つの対立遺伝子特異的プライマーを使用して、2つ(またはそれ以上)のPCR反応を、サンプルDNAについて行う。
【0068】
本明細書中で使用されている「スプライス変異体」は、同じゲノムDNA配列から一旦転写され、ただし、択一的なRNAスプライシングを受けている、RNA分子から作製されたcDNA分子をいう。択一的なRNAスプライシングは、一般には、イントロンを除くために、一次RNA転写物がスプライシングを受ける際に生じ、それぞれ、異なるアミノ酸配列をコードしてもよい、1つ以上のmRNA分子の産生を引き起こす。スプライス変異体の用語はまた、上記のcDNA分子によってコードされるタンパク質をもいう。
【0069】
「同一性」は、その配列を比較することによって決定される、2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列の間における相互関係を反映している。一般に、同一性は、対比がなされている配列の長さにわたって、2つのポリヌクレオチド配列、あるいは2つのポリペプチド配列の、それぞれ塩基毎またはアミノ酸毎の厳密な一致をいう。
【0070】
「%同一性」−正確な一致が存在しない配列については、「%同一性」を決定することができる。一般に、対比すべき2つの配列を、配列間で最大の相関を与えるようにアラインメントされる。これには、アラインメントの程度を高めるために、「ギャップ」をいずれか一方の配列または両方の配列に挿入することを含んでもよい。%同一性は、比較されている配列のそれぞれの全長にわたって、決定してもよく(所謂、全体的なアラインメント)、同じ長さまたは非常に類似する長さの配列に対して、特に適している;あるいは、より短い、限定された長さにわたって、決定してもよく(所謂、局所的なアラインメント)、不ぞろいな長さの配列において、より好適である。
【0071】
「類似性」は、2つのポリペプチド配列の間における関係に対する、より精巧な、さらなる尺度である。一般に、「類似性」は、残基毎に基づき、(同一性に関してと、同様に)比較されている配列それぞれからの、相互に対をなす残基間における正確な一致だけでなく、正確な一致が存在しない場合にも、進化的な基準に基づいて、1つの残基は、他方に対する適当な置換であるかどうかをも考慮する、2つのポリペプチド鎖のアミノ酸間での比較を意味する。この蓋然性は、付随した「スコア」を有し、2つの配列の「%類似性」は、それに基づき決定することができる。
【0072】
2つ以上の配列の同一性および類似性を比較するための方法は、当該分野では周知となっている。従って、例えば、ウイスコンシン配列分析パッケージ バージョン 9.1(Devereux J. et al.、Nucleic Acids Res.、12、387〜395、1984; Genetic Computer Group、Madison、Wisconsin、米国)中の利用可能なプログラム、例えば、BESTFIT およびGAP プログラムを、2つのポリヌクレオチド間の%同一性、ならびに2つのポリペプチド配列間の%同一性および%類似性を決定するために使用してもよい。BESTFITは、SmithおよびWatermanの「局所的相同性」アルゴリズム(J. Mol. Biol.、147、195〜197、1981、Advances in Applied Mathematics、2、482〜489、1981) を使用して、2つの配列間における、類似性の最も良い1つの領域を見出す。BESTFITは、長さが類似していない2つのポリヌクレオチド配列または2つのポリペプチド配列の比較に対してより適しており、該プログラムは、より短い配列は、より長いものの一部を表すことを仮定している。一方、GAPは、NeddlemanおよびWunschのアルゴリズム(J. Mol. Biol.、 48、 443〜453、 1970) に従って、「最大の類似性」を見出しつつ、2つの配列をアラインメントする。GAPは、ほぼ同じの長さであり、また、アラインメントが長さ全体にわって期待される配列の比較に対してより適している。好ましくは、比較されるものを、最適にアラインメントするための、各プログラムにおいて使用される「ギャップ加重」および「長さ加重」のパラメーターは、それぞれ、ポリヌクレオチド配列に対しては、50および3であり、ポリペプチド配列に対しては、12および4である。好ましくは、比較されている2つの配列を最適にアラインメントした上で、%同一性および類似性を決定する。
【0073】
配列間の同一性および/または類似性を決定するための他のプログラムもまた、当該分野では知られており、例えば、BLASTファミリーのプログラム(Altschul S.F. et al.、 J. Mol. Biol.、 215、 403〜410、 1990; Altschul S. F. et al.、 Nucleic Acids Res.、 25: 389〜3402、 1997; National Center for Biotechnology Information (NCBI) (Bethesda、Maryland、米国) から入手することができ、またwww.ncbi.nlm.nih.gov のNCBIのホームページからアクセス可能である)、およびFASTA(Pearson WR、 Methods in Enzymology、 183、 63〜99、 1990; Pearson W.R. およびLipman D.J.、 Proc. Nat. Acad. Sci. USA.85、 2444〜2448、 1988;ウイスコンシン配列分析パッケージの一部として入手可能である)。
【0074】
好ましくは、BLOSUM62 アミノ酸置換行列(Henikoff S and Henikof JG、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、 89、 10915〜10919、 1992) を、比較の前に、ヌクレオチド配列をアミノ酸配列に予め翻訳する場合をも含み、ポリペプチド配列の比較において使用する。
【0075】
好ましくは、プログラム BESTFITが、基準とするポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に関して、検討するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の%同一性を決定するために使用され、前記したように、検討と基準とする配列とは、最適にアラインメントされ、また、プログラムのパラメーターは、暫定の値に設定されている。
【0076】
「同一性指標」は、候補配列(ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)と基準の配列とを比較するために使用することができる、配列関連性の尺度である。すなわち、例えば、基準とするポリヌクレオチド配列と比較して、例えば0.95の同一性指標を有する候補ポリヌクレオチド配列は、該候補ポリヌクレオチド配列は、基準の配列の各100塩基あたり平均して5個までの相違を含んでもよい点を除いて、基準の配列と同一である。かかる相違は、少なくとも1つの塩基欠失、トランジションおよびトランスバージョンを含む置換、または挿入からなる群から選択される。これらの相違は、基準となるポリヌクレオチド配列の5’または3’末端部位に、あるいはこれら末端部位の間の任意な位置で、基準配列内の塩基間に個々に、あるいは基準配列内において1つまたは複数の連続した群中で点在して、起こってもよい。換言すると、基準となるポリヌクレオチド配列と比較した際、0.95の同一性指標を有するポリヌクレオチド配列を得るためには、既に記載したように、基準配列内の塩基100個毎に、平均して5個までが、任意の組合せで、欠失、置換または挿入されていてもよい。同じことが、同一性指標の他の値、例えば、0.96、0.97、0.98および0.99についても、必要に応じて変更して適用される。
【0077】
同様に、ポリペプチドの場合には、基準のポリペプチド配列と比較したときに、例えば、0.95の同一性指標を有する候補ポリペプチド配列は、基準の配列の各100アミノ酸あたり、平均して5個までの違いを該ポリペプチド配列が含んでもよいことを除いて、基準の配列と同一である。かかる相違は、少なくとも1つのアミノ酸の欠失、保存的ならびに非保存的な置換を含む置換、または挿入からなる群から選択される。これらの相違は、基準となるポリペプチド配列のアミノ末端またはカルボキシ末端部位に、あるいはこれら末端部位間の任意の位置に、基準配列内のアミノ酸間に個々に、あるいは基準配列内において1つまたは複数の連続した群中に点在して、起こってもよい。換言すると、基準のポリペプチド配列と比較した際、0.95の同一性指標を有するポリペプチド配列を得るためには、既に記載したように、基準配列内のアミノ酸の100個毎に、平均して5個まで、任意の組合せで、欠失、置換または挿入がなされてもよい。同じことが、同一性指標の他の値、例えば、0.96、0.97、0.98および0.99についても、必要に応じて変更して適用される。
【0078】
塩基またはアミノ酸の相違数と同一性指標との関係は、下記の式で表記でき、
a≦xa−(xa・I)
式中、
aは、塩基またはアミノ酸の相違数であり、
aは、配列番号:1あるいは配列番号:2における塩基またはアミノ酸のそれぞれの総数であり、
Iは、同一性指標であり、
・は、乗算演算子に対する記号であり、
その際、xaとIとの非整数の積は、xaから減ずるに先立ち、最も近い整数に切り捨てられる。
【0079】
「ホモログ」は、基準の配列に対して、高度の配列関連性を有するポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列を示すために、当該分野で使用されている一般的な用語である。かかる関連性は、既に定義されているように、2つの配列間の同一性および/または類似性の程度を決定することによって、定量化することもできる。この総称的な用語には、「オルソログ」および「パラログ」の用語が含まれる。「オルソログ」は、別の種中における、該ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの機能的等価体であるポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。「パラログ」は、機能的に類似している、同じ種内にあるポリヌクレオチドまたはポリペプチドをいう。
【0080】
「融合タンパク質」は、2つの、関連しない、融合された遺伝子またはそのフラグメントによってコードされるタンパク質をいう。その例が、米国特許第5541087号、米国特許第5726044号に開示されている。Fc−PHPIP−180の場合、融合タンパク質の一部として、免疫グロブリンのFc領域の使用は、治療に使用する際のかかる融合タンパク質の薬物動態学的性質を改善するため、ならびに、二量体型のPHPIP−180を形成させるために、Fc−PHPIP−180または該PHPIP−180の断片の機能的発現を行う上で好都合である。Fc−PHPIP−180のDNA構築物は、5’から3’の方向に、分泌カセット、すなわち、哺乳動物細胞からの細胞外への輸送を誘起するシグナル配列、融合パートナーとして、免疫グロブリンのFc領域フラグメントをコードするDNA、およびPHPIP−180をコードするDNAまたはその断片を含んでなる。ある用途では、融合タンパク質の残部には手を触れることなく、機能的なFc側を変異させ、その固有的な機能的性質(補体結合、Fc受容体結合)を変える、あるいは発現後にFc部分を完全に除くことを可能とすることが望ましい。
【0081】
特許および特許出願に限らず、これらを含む、本明細書中で引用されている刊行物および参考文献の全ては、十分に述べているように、個々の刊行物または参考文献を、参照して組み込むために、明示的かつ個別的に示唆されているように、その全部を、参照することで、本明細書中に組み込まれる。本出願が優先権を主張する特許出願はいずれも、先に刊行物および参考文献に関して記載したと同様に、その全部を、参照することで、本明細書中に組み込まれる。
【0082】
(さらなる実施例)
プラスミド構築
(すべてのプラスミドは配列表により検証された。)
pDBLeu−PHP1のクローニング
PHP1をコードするcDNAを、プライマーHispase−Sal−up(配列番号:3、プライマー1)およびHisapase−Not−low(配列番号:4、プライマー2)を用いてPCR増幅を行い、ベクターpCR2.1TOPO(Invitrogen製)に連結した。続いて、ベクターを、Sal1およびNot1を用いて切断し、PHP1コード化断片をpDBLeuに連結した。
【0083】
pLexA−MCS−PHP1のクローニング
オリゴヌクレオチドのプライマー3(Y2H−MCS1(配列番号:5))およびプライマー4(Y2H−MCS2(配列番号:6)をアニーリングし、EcoR1およびSal1により制限されたベクターpLexA(Clontech)に連結して、EcoR1、Sal1、Xho1およびNot1の各制限部位を1つだけ含むベクターpLexA−MCSを作製した。
【0084】
PHP1をコードするフラグメントを、Not1およびSal1を使用してベクターpDBLeu−PHP1から単離し、ベクターpLexA−MCSに連結して、pLexA−MCS−PHP1を作製した。すべてのベクターは配列決定により確認された。
【0085】
融合タンパク質
Gal4タンパク質およびC末端に連結された全長のPHP−1タンパク質配列を含むGal4−PHP1融合タンパク質のペプチド配列が配列番号7に開示されている。
【0086】
LexA−PHP−1融合タンパク質の対応するペプチド配列はLexAタンパク質配列およびC末端に連結された全長のPHP−1タンパク質配列を含む。該配列は配列番号8に開示されている。
【0087】
PHP1相互作用タンパク質を選択するための酵母ツーハイブリッドスクリーニング
酵母ツーハイブリッドスクリーニング方法は、技術的にシンプルであり非常に迅速であるため、ほんの数日で数百万ものクローンライブラリーをスクリーニング可能である。そのシステムの全ての要素は購入可能である。そのスクリーニングにおいて、Gal4(AA1−147)ドメインおよびSB40ラージのNLAに融合されるGal4トランス活性化ドメイン(AA768−881)を結合するDNAが、受容体ヒスチジン・フォスファターゼおよびタンパク質リガンドの相互作用により接触されている場合、His3指標遺伝子が活性化されるだけである。このスクリーニングから単離されたリガンドはヒスチジン・フォスファターゼに結合するが、その結合パートナーは第2の違い−LexAベース酵母ツーハイブリッド選択スキーム−において確認されている。もし、両方のスクリーニング手段が同時に実行されるならば、得られたリガンドは他のシステムでテストされる。
【0088】
pDBLeu−PHP1をおとり構築物としておよびHELAベースのcDNAライブラリーをえものとして使用する酵母ツーハイブリッドスクリーニング(Proquest、Life Technologies)を記載の通りに行った(セレクションは、25mMの3−アミノトリアゾールを含有する−Trp、−Leu、−His最少培地において行われた)。相互作用は、製造者のプロトコルに記載されるように、ウラシル、トリプトファンおよびロイシンを含まない培地によって確認された。
【0089】
PHPIP−180を代表する1つの陽性クローンが単離され、配列決定された。
【0090】
LexAベース酵母ツーハイブリッド選択スキームを使用するPHPIP−180リガンドの相互作用の確認:
異なるセレクションスキームにおける相互作用を確認するために、Matchmaker LexAツーハイブリッドシステム(Clontech)を製造者の条件に従って使用した。ベクターpLexA−MCS−PHP−1をおとりとして使用した。ベクターpPC86−PHPIP180は、Gal4ベースの酵母ツーハイブリッドシステムにおいて上記のように単離されたが、これをえものとして使用した。
【0091】
p53およびラージT抗原の相互作用をS.cerevisiae strain EGY48−pSH18−32においてはポジティブコントロールとして用いられる。
【0092】
コンピューター上での分析
上記記載の酵母ツーハイブリッドスクリーニングにおいて同定されたPHP1リガンドの遺伝子はヒト染色体1p31に位置している。上記同定された遺伝子は571AA長のタンパク質をコードし、他の公知のタンパク質との重要な配列同一性を示さない。この遺伝子の部分的な配列および対応する仮想的なORF予測がデータバンクに収められている一方で、本研究において明らかにされたタンパク質の機能は今まで示されていなかった。

Claims (11)

  1. (a)配列番号:1の配列を含んでなるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド;
    (b)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド配列を含んでなるポリペプチド;
    (c)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド;
    (d)配列番号:2のポリペプチド配列、および
    (e)(a)〜(d)に記載のかかるポリペプチドのフラグメントおよび変異体
    からなる群から選択されるPHPIP−180ポリペプチドであり、上記(a)〜(d)のPHPIP−180リガンドは、サバイビンおよびその変異体に対して特異的に結合する能力を有する。
  2. 配列番号:2のポリペプチド配列を含んでなる、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 配列番号:2のポリペプチド配列である、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. (a)配列番号:1のポリヌクレオチド配列に対して、少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド;
    (b)配列番号:1のポリヌクレオチドに対して、少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチド;
    (c)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド;
    (d)配列番号:2のポリペプチド配列に対して、少なくとも95%の同一性を有するポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、
    (e)配列番号:1の配列または少なくとも15塩基長を有するそのフラグメントを有する、標識されたプローブを用いて、厳格なハイブリダイゼーション条件下でライブラリーをスクリーニングすることによって得られる、少なくとも100塩基長の塩基配列を有するポリヌクレオチド;
    (f)(a)〜(e)のポリヌクレオチドのRNA等価体であるポリヌクレオチド;
    (g)(a)〜(f)のいずれか1つの前記ポリヌクレオチドに対して相補的なポリヌクレオチド配列、および
    (h)(a)〜(g)のいずれか1つのポリヌクレオチドの変異体またはフラグメントであるか、あるいは前記のポリヌクレオチドに対して、その全長にわたって相補的であるポリヌクレオチド
    からなる群から選択されるポリヌクレオチド。
  5. (a)配列番号:1のポリヌクレオチドを含んでなるポリヌクレオチド;
    (b)配列番号:1のポリヌクレオチド;
    (c)配列番号:2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド、および
    (d)配列番号:2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    からなる群から選択される、請求項4に記載のポリヌクレオチド。
  6. 該発現ベクターが適合性宿主細胞に存在する際、請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドの生産が可能なポリヌクレオチドを含んでなる発現システム。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドを発現している、請求項6に記載される発現ベクターを含んでなる組換え宿主細胞またはその膜。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドを製造するための方法であって、
    請求項7に記載される宿主細胞を前記ポリペプチドの産生に十分な条件下で培養して、該培養培地から該ポリペプチドを回収する工程を含んでなる方法。
  9. 免疫グロブリンのFc領域と請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドとからなる融合タンパク質。
  10. 請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドに対して免疫特異的な抗体。
  11. 請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドの機能または濃度を刺激または阻害する化合物を同定するためのスクリーニング方法であって、
    (a)該ポリペプチド(または該ポリペプチドを発現している細胞もしくは膜)あるいはその融合タンパク質に対する、候補化合物の結合を、該候補化合物に直接的または間接的に結合している標識によって、定量的または定性的に測定または検出すること;
    (b)標識された競合剤の存在下で、該ポリペプチド(または該ポリペプチドを発現している細胞あるいは膜)あるいはその融合タンパク質に対する、候補化合物の結合の競合を測定すること;
    (c)該ポリペプチドの活性化または阻害により発生するシグナルを、該候補化合物がもたらすか否かを、該ポリペプチドを発現している細胞または細胞膜に適合している検出システムを使用して試験すること;
    (d)候補化合物を、請求項1〜3のいずれか一項に記載されるポリペプチドを含有する溶液に混合して、混合物を作製し、該混合物中の該ポリペプチドの活性を測定し、そして、何らの候補化合物をも含有しないコントロールの混合物に対して、該混合物の活性を比較すること、または
    (e)細胞中における前記ポリペプチドをコードするmRNAまたは前記ポリペプチドの産生に対する候補化合物の作用を、例えば、ELISAアッセイを使用して検出すること、
    からなる群から選択される方法と、
    (f)生物工学的または化学的な標準的な手法に従って、前記化合物を製造すること
    とを含んでなる方法。
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