JP2005505338A - 筒ピンチファスナーおよびアプライア - Google Patents

筒ピンチファスナーおよびアプライア Download PDF

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Abstract

体腔を通る流体の流れを止めるための外科的ファスナー(100)が、開示され、外科的ファスナーは、その中に形成された少なくとも1対の半径方向スロット(110)を有する環状側壁(106)を有する外筒(102)、および外筒(102)に回転可能でかつ同心性に連結された内筒(104)を備える。内筒(104)は、外筒に形成された各半径方向スロット(110)に対応する、内筒に形成された半径方向スロット(122)を備える管状側壁(118)を有する。外科的ファスナー(100)は、外科的ファスナーの長さに沿って2つの位置で体腔を締め付ける。アプライア(200、500、600)が、外科的ファスナーを適用するために提供される。

Description

【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第60/327,338号(2001年10月5日出願)に対する優先権を主張する。米国仮特許出願第60/327,338号の内容の全ては、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、外科的ファスナーに関し、より詳細には、ある長さの脈管に沿って2つの位置において、脈管を通る流体の流れを同時に止めるためのファスナーに関する。さらに、本開示は、外科的ファスナーアプライアに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
脈管または動脈を通る血液の流れを停止させるために用いられる、多くの型の外科的ファスナー、クリップおよび/またはクランプが存在する。近年、これらのファスナー、クリップおよび/またはクランプは、女性の不妊手術手順のための管の結紮、および男性の不妊手術のための精管切除において用いられる。これらのファスナー、クリップおよび/またはクランプの多くは、脈管を通る流体の流れを完全に止めることはできず、それにより、脈管のピンチオフした領域を通る流体の漏出または滴りをもたらす。従って、外科医は代表的に、流体の漏出または滴りを防止するために、脈管上に2つのファスナーまたはクリップを並べて適用する。この漏出は望ましくなく、そして医学的合併症または望ましくないかもしくは予想外の結果をもたらし得る。例えば、男性および女性の両方の不妊手術の場合、男性および/または女性の脈管が流体流れに対して完全には封止されないならば、この女性が予想外に妊娠することとなり得る可能性が存在する。男性および女性の不妊に関連する上記の手順が示されているとはいえ、動脈または他の脈管が締め付けられる必要がある心臓および脈管の手順において用いられる、従来のファスナー、クリップおよび/またはクランプの使用について同様の欠点および不利な点が存在することが予期される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、クリップまたはクランプを含むことが理解され、脈管を通る流体流れを有効に止める、外科的ファスナーについての必要性が存在する。さらに、外科的ファスナーについての必要性が存在し、この外科的ファスナーは、外科医が光学的ガイダンスの下で、腹腔鏡手段によって患者の身体の内側を手術して、標的脈管を位置決定し、そしてその標的脈管における流体流れを止めるのを許容する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本開示は、体腔を通る流体の流れを止めるための外科的ファスナーに関する。この外科的ファスナーは、環状側壁に形成された少なくとも1対の半径方向スロットを備える環状側壁を有する外筒、およびこの外筒内に回転可能に連結された内筒を備える。好ましくは、この内筒は、外筒に形成された半径方向スロットのそれぞれ1つに対応する、環状側壁に形成された1対の半径方向スロットを備える環状側壁を有する。その外科的ファスナーは、内筒の半径方向スロットに対して外筒の半径方向スロットが半径方向に整列した偏った開口位置、およびこの外筒および内筒の半径方向スロットが、半径方向整列の外側にあり、その長さに沿って2つの位置で体腔を締め付ける偏った閉鎖位置を有する。好ましくは、このファスナーは、バネを備え、そしてこの外筒およびこの内筒は、閉鎖位置に偏っている。この外筒および内筒がそれらの開口位置において偏向され得ることが予期される。
【0006】
この外筒および内筒は各々、その近位端に提供された端壁を有し、かつ、各々、開口遠位端を有する。好ましくは、この外筒および内筒の各々におけるスロットは、それらの各開口端を通って延びる。
【0007】
1つの実施形態では、この外筒の端壁は、それを通って形成される中心開口部を備え、そして、この内筒の端壁は、端壁から中心開口部を通って外側に延びている止め金嵌合型係合部材を備える。好ましくは、この内筒の係合部材は、この外筒の端壁に形成された中心開口部に止め金嵌合されて係合される。
【0008】
好ましくは、この外科的ファスナーは、この内筒および外筒をこの閉鎖位置へと回転可能に偏らせるための止め金嵌合型係合部材の周辺に配置された回転可能な偏り要素をさらに備える。この偏り要素は、この内筒の端壁の外表面に形成されたポストを係合するための第1の脚部、および、この外筒の端壁の内表面に形成された止め部材に係合するための第2の脚部を備える。
【0009】
この外科的ファスナーは、この外筒および内筒の端壁の各々に形成された解放孔内に取り外し可能に受け入れられるように構成および寸法取りされた解放ロッドをさらに備える。従って、解放孔が互いに半径方向に整列され、そしてこの解放ロッドがこの解放孔内に受け入れられた場合、このファスナーの内筒および外筒は、開口位置に偏っている。
【0010】
代替の実施形態では、この外科的ファスナーは、この筒が開口位置に整列され、かつ偏っているのを維持するように、この外筒および内筒に作動的に連結された整列機構を備える。好ましくは、各外筒および内筒は、その近位端に提供された端壁を有し、そしてそれぞれの筒の半径方向スロットと連絡した開口遠位端を有する。より好ましくは、この整列機構は、各端壁に形成された孔を備え、ここでこれらの孔は、これらの筒が開口位置にある場合に、軸方向に整列可能である。整列機構が、筒が偏った開口位置にある場合に、それぞれの孔を通って通過して、これらの筒をこのような位置に取り外し可能に維持するように構成および寸法取りされたロッドを備えることが予期される。
【0011】
スロットが、矩形、テーパー状、螺旋形および涙滴形のいずれかである形状を有することが予期される。好ましくは、このスロットは、長手方向縁を有し、そして、この内筒および外筒のスロットの長手方向縁は、偏った閉鎖位置にある場合、締め付けられた管腔を通る流体流れを非外傷的に止める。
【0012】
代替の実施形態では、この外筒は、この端壁から近位に延びる環状リムを備える。この環状リムは、そこから半径方向に内側に延びる突出部を備え得、そしてその中の止め具を規定し得る。好ましくは、この止め具は、その中に形成されたアンダーカット(undercut)である。
【0013】
本実施形態では、この内筒の端壁が、端壁を通って形成された中心開口部およびこの端壁の近位表面から延びるナブを備える。好ましくは、このナブは、この外筒の端壁に形成された中心開口部内に受け入れられるように構成および寸法取りされる。
【0014】
本外科的ファスナーは、この内筒および外筒を閉鎖位置へと偏らせるためのこの内筒のナブの周囲に配置された偏り要素をさらに備える。この偏り要素は、該外筒の突出部によって規定されるスロットと作動的係合する第1の脚部、およびこの内筒のナブと作動的係合する第2の脚部を備え得る。
【0015】
この外科的ファスナーは好ましくは、整列機構をさらに備え、この整列機構は好ましくは、この内筒および外筒の端壁の各々に形成された解放孔内に取り外し可能に受け入れられるように構成および寸法取りされた解放ロッドを備える。従って、この解放ロッドが、この解放孔内に受け入れられた場合、このファスナーは、偏った開口位置に維持される。
【0016】
好ましくは、本実施形態では、この外筒の端壁の中心開口部は、この中心開口部の内縁から半径方向に内側に延びる少なくとも1つの止め具を備え、ここで、この内筒のナブは、このナブから半径方向に外側に延びる少なくとも1つの突起を備える。好ましくは、この突起は、この内筒および外筒が互いに対して自由回転することを防止するために止め具と係合する。
【0017】
好ましい実施形態では、内筒がこの外筒に対して同心性であることが予期される。
【0018】
本開示はまた、外科的ファスナーを体腔へと適用するために外科的ファスナーアプライアに関する。1つの実施形態では、この外科的ファスナーアプライアは好ましくは、外側管状スリーブおよび内側プッシャーを備え、このスリーブは、開口近位端、開口遠位端およびそれらを通る管腔を備え、この内側プッシャーは、スリーブの遠位端に向かってファスナーを押し、そして、スリーブからファスナーを射出するために、外側管状スリーブの管腔内に相互に受け入れられるように構成および寸法取りされている。好ましくは、この外側管状スリーブの開口遠位端は、このスリーブの近位端に向って延びる少なくとも1つのアンダーカット(より好ましくは2つのアンダーカット)を備える。この外側管状スリーブが、その管腔内に少なくとも1つの外科的ファスナーを受け入れるように構成および寸法取りされていることが予期される。
【0019】
好ましくは、このスリーブの外径は、約15mmよりも小さく、より好ましくは約13mmよりも小さい。
【0020】
別の実施形態において、外科的ファスナーアプライアは、少なくとも1つの外科的ファスナー、外側管状スリーブ(この外側管状スリーブは、近位端および開口遠位端を備え、そしてスリーブの中に管腔を規定し、その管腔において少なくとも1つの外科的ファスナーを受容するように構成および寸法取りされている)、内側プッシャー(これは、スリーブの遠位端に向かってファスナーを押すために、外側管状スリーブの管腔内に往復運動可能に受容されるように構成および寸法取りされている)、およびファスナーを偏った開口位置に開口可能に維持するための、このファスナーに作動可能に連結可能な機構、を備える。この機構は、内側プッシャー内に往復運動可能に受容されるように、構成および寸法取りされ得る。この機構は、各外科的ファスナーは、外筒および回転可能な内筒を有するように、構成および寸法取りされ得ることが想定される。このファスナーは、少なくとも1対のスロットを規定し、このスロットは、内筒および外筒を通って延び、そして偏った開口位置(この位置で、これらのスロットは整列される)および偏った閉鎖位置(この位置で、これらのスロットは、整列から外れる)を有する。
【0021】
好ましくは、外側管状スリーブの開口遠位端は、この開口端部に形成され、そしてこの外側管状スリーブの近位端に向かって軸方向に延びる、1対の切込みを備える。
【0022】
外科的ファスナーアプライアの外側管状スリーブは、正反対に対向する切込みを備えることが想定される。これらの切込みは、好ましくは、外側管状スリーブの近位端に向かって軸方向に延び、そして外科的ファスナーがこのアプライアの外側管状スリーブの遠位端にて偏った開口位置に存在する場合に、この外科的ファスナーの内筒および外筒の整列したスロットと、半径方向に整列される。
【0023】
なお別の実施形態において、この外科的ファスナーアプライアは、管状スリーブ、複数の外科的ファスナー、内側プッシャーおよび整列機構を備え、この管状スリーブは、近位端、開口遠位端およびこのスリーブを通って延びる管腔を有し、この管腔は、スリーブの中に複数の外科的ファスナーを受容するように寸法取りされており、このスリーブの遠位端は、その中に対向する1対の切込みを有し、これらの切込みは、開口遠位端と連絡しており、そしてこのスリーブへと近位方向で延び、この複数の外科的ファスナーは、管状スリーブにおいて軸方向で整列され、このファスナーは、近位端および遠位端(この遠位端は、その中に対向する1対のスロットを有する)を有し、この内側プッシャーは、スリーブの管腔内に往復運動可能に受容されるように構成および寸法取りされ、この内側プッシャーは、外科的ファスナーの1つの近位端を係合するように構成および位置決めされた遠位端を有し、そしてこのスリーブの遠位端および外側へと、このファスナーを遠位に押出し、そしてこの整列機構は、最も遠位のファスナーがこのスリーブの遠位端にある場合に、これらのスロットが、管状スリーブの切込みと整列され、かつこれらの切込みと近位にあるように、この管状スリーブ中の外科的ファスナーを整列させるためのものである。
【0024】
好ましくは、この外科的ファスナーアプライアは、スリーブ中の整列された位置において、最も遠位のファスナーを保持するための保持手段を備える。この保持手段は、最も遠位のファスナーを起動または排出することが所望される場合に、この最も遠位のファスナーに関して、解放可能である。
【0025】
このアプライアは、さらに、複数のファスナーをその中に保持するように構成および寸法取りされた装填構造体を備えることが企図される。この装填構造体は、管状スリーブ内に取り外し可能に受容されるように構成および寸法取りされ、ここで、複数のファスナーは、このアプライアに同時に装填され得る。好ましくは、この装填構造体は、その遠位端に形成された、正反対に対向する1対の切込みを備える。この装填構造体の切込みは、管状スリーブ中に形成された1対の対向する切込みに対応することが好ましい。この装填構造体は、好ましくは、この装填構造体からファスナーを射出するために、この装填構造体中に内側プッシャーをスライド可能に受容するように、構成および寸法取りされる。
【0026】
本開示の他の目的および特徴は、以下の説明を、添付の図面と共に考慮することによって、明らかとなる。
【0027】
本発明の他の目的および特徴は、添付の図面と共に、以下の詳細な説明を考慮することによって、明らかとなる。しかし、これらの図面は、例示目的のみのために描かれ、本発明の限定の規定を記載するものとして描かれているのではないことが、理解されるべきである。
【0028】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで開示される筒ピンチファスナーおよびアプライアの好ましい実施形態は、図面を参照して、本明細書中に詳細に記載される。この図面において、類似の参照番号は、類似の要素または同一の要素を同定する。図面および以下の説明において、用語「近位」は、従来どおり、操作者に最も近い電気外科器具の末端を意味し、一方、用語「遠位」は、操作者から最も離れている器具の末端を意味する。
【0029】
ここで、図1〜3Aを詳細に参照すると、これらの図において、同様の参照番号は、類似の要素または同一の要素を同定し、本発明の開示に従う筒ピンチファスナーは、一般に、100として称される。図1に示すように、ファスナー100は、外筒102および外筒102内に同心性に回転可能に結合されるように適合される内筒104を備える。図2〜3Aは、外筒102内に回転可能に結合される内筒104を示す。好ましくは、内筒104は、外筒102に対して同軸である。
【0030】
外筒102は、端壁108によって第1の末端でキャップされ第2の末端で開口する環状側壁106を備える。環状側壁106は、好ましくは、端壁108から間隔をあけられて始まり、環状側壁106の開口端を通って延びる、一対の向かい合った切り出しまたは半径方向スルースロット110を備える。この実施形態において、各半径方向スルースロット110の長手方向軸は、外筒102の長手方向軸に平行な方向に向けられる。スロット110は、好ましくは、正反対にまたは半径方向に整列される。一対の半径方向スロット110が示されるが、任意の適切な構成の任意の数のスルースロットが提供され得ることが想定される。
【0031】
端壁108には、外筒102の長手方向軸と共に整列される貫通孔112がその中心に提供される。さらに、端壁108は、その内側表面から外筒102の内部に延びるバネポスト114を備える。ポスト114は、ポスト114と作動するように係合しているバネ134のアーム136を維持するためのバネ保持アンダーカット(示さず)を有する。端壁108はまた、その中に形成された解放孔116を備える。解放孔116は、貫通孔112と側壁106との間に半径方向に配置される。
【0032】
内筒104は、端壁120によって第1の末端でキャップされ、そして第2の末端で開口する環状側壁118を備える。側壁118は、端壁120の下からある距離をおいて始まって、環状側壁118の開口端を通って延びる、一対の向かい合った切り出しまたは半径方向スルースロット122を備える。各半径方向スルースロット122の長手方向軸は、内筒104の長手方向軸に対して平行な方向に向けられる。スロット112は、好ましくは、正反対にまたは半径方向に整列される。一対の半径方向スロット122が示されるが、任意の適切な構成の任意の数のスルースロットが提供され得ることが想定される。
【0033】
端壁120は、一体形成され、そして端壁120の中心から延びる割れピン124を備える。割れピン124は、内筒104の中心長手方向軸に沿って整列される。割れピン124は、胴部分125、胴部分125から延びる複数の(好ましくは一対の)脚部126、および各脚部126の端部に形成される拡大されたヘッド部分128を備える。胴部分125は、外筒102の端壁108中に形成された孔112の直径よりも小さい直径を有するが、このヘッド部分128は、圧縮される場合に、孔112の直径よりも大きい、合わせられた直径を有する。
【0034】
内筒104は、外筒102の内径よりもわずかに小さい外径を有する。従って、内筒104を外筒102に結合するために、内筒104のキャップされた端は、外筒104の開口端に挿入され、そして前方に押され、その結果、割れピン124は、張力バネ134の弓状の開口部に入り、その結果、割れピン124は、中心貫通孔112の内側リムと接触する。内筒104を外筒102の中にさらに押し付けることによって、各脚部126のヘッド128は、カムのように作用し、そして脚部126を割れピン124が孔112中に完全に挿入されるまでそらせる。このときに、各脚部126は、そのそらされていない方向に戻され、それによって内筒104を外筒102内にロック(すなわち、止め金嵌合式の結合)する。この様式において、内筒104および外筒102は、互いに自由に回転する。
【0035】
さらに、内筒104の端壁120は、その外側表面から延びるバネポスト130を備え、好ましくはまた、以前に説明した目的のためのアンダーカットまたはオーバーカットも有する。端壁120はまた、その中に形成された解放孔132も備える。孔132は、割れピン124と環状側壁118との間に半径方向に形成される。
【0036】
ねじれバネ134は、一対の外向きに延びるアーム136を備える。好ましくは、アーム136は接線方向に延びるが、これらは半径方向に延びてもよい。好ましくは、ねじれバネ134は、内筒104の割れピン124上に配置される。弾性円板、および圧縮バネもしくは伸長バネのような、回転式偏りを提供する、弾性手段または拘束手段としての他の型のバネが想定される。この様式において、内筒104が、外筒102中に挿入される場合、ねじれバネ134の第1のアーム136は、外筒102のバネポスト114を係合し、一方ねじれバネ134の第2のアーム136は、内筒104のバネポスト130を係合する。この様式において、内筒104が割れピン124の周りを回転する場合、バネポスト114および130は、ねじれバネ134、筒102および104ならびに筒ピンチファスナー100を、閉鎖位置に向けて偏らせる。
【0037】
筒ピンチファスナー100は、外筒102の半径方向スロット110が、内筒104の半径方向スロット122と共に整列している第1の偏った開口位置(図2、2A)、外筒102の半径方向スロット110および内筒104の半径方向スロット122が、互いに整列しておらず、それによって筒ピンチファスナー100を部分的に閉じておりそしてこれらの間に配置された脈管を部分的に閉鎖している、第2のそれほど偏っていない脈管閉塞位置、ならびに外筒102の半径方向スロット110が、内筒104の環状壁118によって「閉じられ」、そしてここで、内筒104の半径方向スロット122が、外筒102の環状壁106によって「閉じられる」、偏っていない最終的な閉鎖位置(図3、3A)を有する。この筒ピンチファスナー100は、好ましくは、外筒102中に形成される解放孔116、514と、内筒104中に形成される解放孔132とを整列させ、そしてその中を通って解放ロッド138、506(図1、7、8および9)を通過させることによって第1の偏った開口位置に維持される。筒ピンチファスナー100を作動させるために、解放ロッド138、506は、解放孔116、132、514から除去され、それによって、偏った外筒102および402ならびに内筒104および404を互いに回転させ、従って、半径方向スロット110および122、ならびに412、428が閉じられる。
【0038】
外科的手順に使用する場合、例えば、本発明の筒ピンチファスナーの第1の実施形態を参照すると、筒ピンチファスナー100は、解放ロッド138によってのように、第1の偏った開口位置に維持され、ここで、半径方向スロット110は、半径方向スロット122と整列される。次いで、脈管「V」(図3および3A)は、整列された半径方向スロット110および122中に挿入される。脈管「V」が筒ピンチファスナー100のスロット110、122の適所に収まると、解放ロッド138は、孔116、132から取り外され、それによって内筒102および外筒104は、これらの偏りの拘束から解放され、図3および3A中の矢印「A1」および「A2」によって示されるように、互いに反対の偏った方向に回転が可能になる。図3に見られるように、このように行なう際に半径方向スロット110および122の幅(すなわち、開口の程度)に対応する脈管は、脈管「V」のまわりで縮小され(すなわち、基本的に閉じられる)、それによって2つの正反対に向かい合う位置(左および右)にある脈管「V」を同時に締めつけるかまたは挟み、それによって脈管「V」を通る全ての流体流れを塞ぐかまたは止める。
【0039】
さらに、筒ピンチファスナー100は、内筒104および外筒102を有するように示され、これらの筒の各々は、それぞれ、半径方向スロット122、110を備え、これらのスロットは、平滑な縁部によって規定される。好ましくは、金属で作製されようとプラスチックで作製されようと、スロット110、122の縁部は、非外傷性であり(すなわち、丸みを帯びているかまたは平滑である)(図7を参照のこと)、そしてぎざぎざではない。それにもかかわらず、半径方向スロット110、122の長手軸方向縁部は、適合するかまたはずれている起伏またはへこみを有し得るか、あるいはその長さの一部または全体に沿って形成された、一連の歯、またはギャップおよび歯を備え得ることが予測される。この様式で、筒ピンチファスナー100は、標的脈管をより良好に把持し得、そしてこの脈管がこの筒ピンチファスナーの自由開口端を滑り出る可能性を妨害し得る。
【0040】
好ましくは、半径方向のスロット110および122は、示されるように、平行な側縁部を有し、そして互いに平行である。しかし、いずれか一方または好ましくは両方の半径方向のスロット110および122は、改変された形状(例えば、図1A〜1Cに示される形状)を有し得ることが予測される。図1Aにおいて、代替の筒ピンチファスナー100aは、外筒102aおよび内筒(図示せず)に形成された、テーパ状のスロット110a、122aを備えて示される。図1Bにおいて、別の代替の筒ピンチファスナー100bは、外筒102bおよび内筒(図示せず)に形成された、螺旋状のスロット110b、122bを備えて示される。図1Cにおいて、なお別の代替の筒ピンチファスナー100cは、外筒102cおよび内筒(図示せず)に形成された、涙滴型のスロット110c、122cを備えて示される。好ましくは、筒ピンチファスナー100a〜110cの、成形されたスロット110a〜110cおよび122a〜122c(本明細書中以下において、簡単にするために、「成形されたスロット110、122」)丸みを帯びたかまたは非外傷性の遠位末端160を備える。
【0041】
好ましくは、成形されたスロット110、122は、外筒および内筒のそれぞれのキャップされる端部に向かって、またはその近くで、より大きい幅を有し、そして外筒および内筒の自由端または開口端の近くで、より小さい幅を有する。この様式で、外筒および内筒が、互いに回転して標的脈管を閉じると、各成形されたスロット110、122のより狭い遠位縁部表面は、この脈管を後方に、筒ピンチファスナー100a〜100cのキャップされた端部の方へと引きそして/または維持するように働き、そして成形されたスロット110、122のチップを、互いに当接させるかまたは重ねる。従って、脈管「V」は、筒ピンチファスナー100a〜100cの開口自由端から滑り出ることが防がれる。螺旋状、テーパ状または涙滴型の、成形されたスロット110、122は、組み合わせられた開口部の口を過度に制限せず、これらの遠位端における内筒と外筒との閉鎖をなお提供する。
【0042】
さらに、図2Aおよび3Aに破線によって示されるように、スロット110および122のそれぞれの協働するピンチング縁部は、筒ファスナーが間に脈管がない状態で閉鎖位置になお偏らされている場合に、これらのピンチング縁部の面が部分的にかまたは完全に、互いに重なるかまたは当接するように、互いに対して方向付けられ得る。スロット内に脈管がある状態で、協働するピンチング縁部の面は、部分的にかまたは完全に並列し、そしてこれらの面の間に、脈管を挟む。
【0043】
筒ピンチファスナー100は、任意の生物学的に不活性な材料(例えば、プラスチック、金属(すなわち、ステンレス鋼、チタン)など)から構成され得る。筒ピンチファスナー100はまた、生体吸収性材料から構成され得る。筒ファスナーの構成要素を作製する好ましい方法は、射出成形によることが予測される。
【0044】
ここで図6および7を参照すると、本開示の別の好ましい実施形態による筒ピンチファスナーが、一般に400として示される。図6において、筒ピンチファスナー400は、外筒402および内筒404を備え、これらの筒は、互いに軸方向に整列しており、そして外筒402の内部に同軸に回転可能に結合されるよう適合されている。図7において、外筒402および内筒404は、ねじれバネ406を介して互いに作動可能に係合している。
【0045】
外筒402は、環状側壁408を備え、この側壁は、第一の端部において端壁410でキャップされており、そしてその第二の端部は開口している。環状側壁408は、一対の対向する切り取りまたは半径方向スルースロット412を備え、これは、端壁410から間隔を空けた位置から開始し、そして環状側壁408の開口端部を通って延びる。上記実施形態においてと同様に、この本実施形態において、各半径方向スルースロット412の長手方向軸は、外筒402の長手方向軸に対して平行な方向に配向する。スロット412は、好ましくは、直径方向または半径方向に整列している。一対のスロット412が示されるが、任意の適切な構成の任意の数のスルースロットが提供され得ることが予測される。
【0046】
外筒402は、端壁410の中心に形成された中心貫通孔414を備え、この孔414は、外筒402の長手軸方向と整列し、そして環状リム416が、側壁408から軸方向に延びる。孔414は、一対の半径方向内向きに延びる直径方向に対向するスロット418(その縁部に沿って形成される)によって部分的に規定される。図6〜7Aに見られるように、そして図7Aに詳細に見られるように、リム416は、半径方向内向きに延びる突出部420を備え、これは、その内部に形成されたバネ保持スロットまたはアンダーカット422を有する。端壁410は、その内部に形成された解放孔424をさらに備える。解放孔424は、孔414トリム416との間で半径方向に位置している。
【0047】
内筒404は、環状側壁424を備え、この側壁は、第一の端部が端壁426によってキャップされており、そして第二の端部は開口している。側壁424は、一対の対向する切り取りまたは半径方向スルースロット428を備え、これは、端壁426に隣接して開始するか、または示されるように、この端壁から延び、そして環状側壁424の開口端を通る。各半径方向のスルースロット428の長手方向軸は、内筒404の長手方向軸に対して平行な方向に配向している。スロット428は、好ましくは、直径方向または半径方向に互いに整列する。一対のスロット428が示されるが、任意の数の任意の適切な構成のスルースロットが提供され得ることが予測される。
【0048】
図6および6Aに見られるように、端壁426は、端壁426の表面から軸方向に外向きに延びるナブ430を備える。ナブ430は、円筒形側壁431および少なくとも1つ、好ましくは一対の対向する突起432を有する。好ましくは、一対の対向する突起432は、直径方向に対向しており、そして側壁431から半径方向に延び、そして端壁426から軸方向に延びる。ナブ430は、好ましくは、中空であり、そして/または少なくとも1つの貫通孔434(側壁431の少なくとも1つの位置において、完全に半径方向に側壁431を通って延びる)を備える。孔434はまた、好ましくは、少なくとも1つ、好ましくは両方の突起432の外面壁433を通って延び、その結果、孔434は、好ましくは、少なくとも一方、好ましくは両方の突起432を、側壁431を通して延ばす。好ましくは、孔434は、一対の対抗する突起432を通過する。内筒404は、ナブ430と環状側壁424との間で端壁426に形成された、解放孔(図示せず)をさらに備える。
【0049】
内筒404は、外筒402の内径よりわずかに小さい外径を有する。従って、内筒404を外筒402に結合させるために、内筒404の閉端部が、外筒404の開口端部に挿入され、そしてナブ430が孔424に入るように、前方に押される。ナブ430は、中空または中実のいずれでもあり得ることが予測され、一方でナブ430は、円筒形であるように示されたが、ナブ430は、任意の適切な形状を有し得ることが予測される。
【0050】
ねじれバネ406は、一対のアームを備え、第一のアーム434は、ねじれバネ406の半径方向内向きに延び、そして第二のアーム436は、ねじれバネ406の接線方向外向きに延びる。内筒404が外筒402に挿入された状態で(図7)、バネ406の第一のアーム434は、ナブ430の側壁431に形成された貫通孔434に挿入され、そしてバネ406の第二のアーム436は、切り出し422と作動可能に結合され(すなわち、設置され)、ここでは、外筒402のリム416から半径方向内向きに延びる突出部420に形成されて示される。図7は、その開口位置に完全に偏らされた筒ピンチファスナー400を示す。
【0051】
作動の際に、内筒404は、外筒402の解放孔424が内筒404の解放孔(図示せず)と整列し、これによって、ねじれバネ406を偏るまで、外筒402内で回転する。先の実施形態においてと同様に、解放ロッド138は、解放孔424を通過して、筒ピンチファスナー400をその開口位置に偏る。解放孔424を整列させることによって、外側ハウジング402のスロット412もまた、内側ハウジング404のスロット428と整列する。内筒404は、解放ロッド138によって、およびナブ430に形成された突起432の、孔414のリムに沿って形成された止め具418との係合によって、筒402内で自由に回転することを妨げられる。突起432の止め具418との係合は、脈管閉塞位置の後でありかつバネがバネ保持スロット422から脱係合する前の任意の位置であり得ることが予測される。
【0052】
筒ピンチファスナー100のバネ(これは、内筒104および外筒102を逆回転方向に偏る)は、解放ロッド138を挟み、そして十分なバネ力の付与によって、筒ピンチファスナー100をスリーブ502内に保持または維持する。
【0053】
ここで図8および9を参照すると、筒ピンチファスナーアプライア500の伸長した遠位部分(例えば、内視鏡部分)501が示されている。伸長した遠位部分501は、外側管状スリーブ502(好ましくは、開口近位端502aおよび開口遠位端502bを有する)、内側プッシャー504(これは、スリーブ502内で往復し、そしてスリーブ502および解放ロッド506と同軸である)を有する。本明細書中で、管状とは、囲まれているかまたは実質的に囲まれていることを意味する。好ましくは、スリーブ502は、完全に囲まれているが、実質的に囲まれ得る(すなわち、完全には囲まれていないかもしれない)。例えば、円筒形スリーブについては、そのスリーブ部分は、約340°〜約360°の範囲内の適切な範囲で囲まれ得る。他の管状スリーブ502は、それを通る管腔を規定する。円筒形として示されるが、プッシャー504は、任意の所望の形状を有し得ることが予測される。
【0054】
スリーブ502は、各端部にて解放されており、かつ外筒102、402の外径よりもわずかに大きい内径を有しており、そして、好ましくは、例えば、腹腔内視鏡下手術用途または内視鏡用途のために、切開を通してトロカール(例えば、15mm〜13mmのトロカールまたは外科用ポート)を通過させかつ利用可能にするのに十分であり、かつその内部に複数の筒ピンチファスナー100、400を適合させるのに十分な長さを有する。スリーブ502は、近位端502aおよび遠位端502bを有し、そして好ましくは、その遠位端に形成された一対の真っ直ぐに対向する切込み508(図示せず)を備える。切込み508は、それぞれ外筒402および内筒404の整列されたスロット412および428の幅と、好ましくは少なくとも実質的に等しい幅を有する。スロット412、428は、互いに同じ幅である必要はないし、スリーブ502の切込み508と同じ幅である必要もないことが想定される。
【0055】
プッシャー504は、環状側壁510、ならびに遠位端壁および近位端壁512を備える(近位端壁が示される)。プッシャー504および端壁512は、それを通して形成される貫通孔またはチャネル開口部514を備え、これにより、この貫通孔またはチャネル開口部内に解放ロッド138、506が受容される。プッシャー504は、このプッシャーの内径から半径方向内向きに延びかつ開口部514を規定する1つ以上のループを有し得るか、またはプッシャー504は、解放ロッド138、506をチャネリングするために押出し壁510に結合されるかもしくはこの壁と一体となった、チャネルを有し得る。あるいは、プッシャー504は、突出部と対応する筒ピンチファスナーの外側表面に向けて半径方向内向きに延びる軸方向の溝、またはこのスリーブ502の内径から軸方向、上方向および半径方向に延びる鍵を有し得る。プッシャー504は、スリーブ502の内径よりもわずかに小さい外側表面を有する。端壁512に形成される開口部514は、側壁510から半径方向に間隔を空けており、その結果、開口部514は、外筒および内筒の端壁に形成される解放孔と、好ましくは軸方向に整列される。プッシャーの全長に延びるスルーボアを有する固体プッシャーが開示されているが、キャップ付き端部および/または解放ロッドを保持するのに適切な手段を有する中空押し出し機もまた使用され得ることが、想定される。この保持手段は、例えば、孔またはロッド構造(すなわち、ファスナーに形成された孔、およびそれを通って延びるロッド)、スロットおよび鍵構造などを備え得ることが意図される。
【0056】
アプライア500の伸長遠位部分501に装填するために、解放ロッド138、506(本明細書中以後、単純化するために、「解放ロッド506」)が、プッシャー504の開口部514を通して完全に挿入され、そしてその遠位端から伸長される。第一の筒ピンチファスナー100、400(本明細書中以後、単純化のために、「筒ピンチファスナー400」)は、外筒および内筒の解放孔を整列させて、筒ピンチファスナーの整列された解放孔内に解放ロッド506を滑動させることによって、解放ロッド506に連結される。任意の数の筒ピンチファスナー400が、整列され得、そして同じ様式で解放ロッド506に連結され得る。全ての筒ピンチファスナー400が解放ロッド506に連結されると、解放ロッド506およびその連結された筒ピンチファスナー400は、スリーブ502に挿入され、そして第一の筒ピンチファスナー400のスロット412と428が切込み508と整列されるまで、その遠位端まで前方に滑動させる。環状の解放孔が開示されているが、成形されたスロットは、対応して成形された解放ロッドを受容するように提供され得ることが想定される。
【0057】
外科用アプライア500の伸長遠位部分501を使用して筒ピンチファスナー400を適用するために、標的脈管がスリーブ502の切込み508、および筒ピンチファスナー400のスロット412または438に挿入される。次いで、または同時に、解放ロッド506が、第一の筒ファスナー400から方向「B」(図8を参照のこと)に引き戻されるか、またはプッシャー504が前方に押出され、それによって第一の筒ピンチファスナーを解放ロッド506から遠位に推進するかのいずれか、あるいはこれら2工程の組み合わせが利用され得る。第一の筒ピンチファスナー400がアプライア500から取り外されると、プッシャー504は、自動的にかまたはそれ以外で、最も遠位のファスナーまたは残りのファスナーのいずれかを、アプライア500の遠位端に向かって前方に推進し、その結果、次の(すなわち、最も遠位の)筒ピンチファスナー400が、その遠位端にて発射位置に据えられ、そして標的脈管に適用されるように準備される。
【0058】
筒ピンチファスナーの主な利点は、脈管上に二重シールを適用することであり、一方、筒ピンチファスナーを適用するために上で議論されるアプライアの主な利点は、従来型のアプライアよりも複雑ではなく、かつ製造するのにさほどお金がかからないことである。単一チューブおよびロッドを用いることによって、プッシャーを軸方向に駆動させるかまたは押出して、筒ピンチファスナーを解放ロッドおよびアプライアから押出すため、ならびに/または筒ピンチファスナーのそれぞれの筒の端壁の開口部からロッドを引き戻すために、圧力(squeeze force)はあまり必要とされない。
【0059】
本発明の筒ピンチファスナーの別の利点は、ファスナー用のファスナーアプライアの内視鏡部分が、13mmのトロカールに適合するために、より小さい直径を有し得ることである。従来型のクリップアプライアはしばしば、内視鏡部分の外側環状部分の半径方向外向きに延びて、結紮されるべき脈管上のファスナーのクリップを取り囲み圧迫する、ジョーを必要とするが、本発明の筒ピンチファスナーは、アプライアを有するより好ましい実施形態において、このようなジョーもより大きい直径のトロカールも必要としない。
【0060】
本発明の筒ピンチファスナーおよびアプライアのなお別の利点は、筒ピンチファスナーの遠位端および/またはアプライアの伸長部分の遠位端が、このアプライアの一部を損傷も変性もすることなく、筒ピンチファスナーを適用する前、適用している間または適用後の、組織のブラント切開のために有利に使用され得ることである。
【0061】
筒ピンチファスナーは、任意の適切な形状および配置で作製され得る。この筒ピンチファスナーの外側表面は、円柱状である必要はなく、多角形、直線、長楕円形、楕円形などであり得る。
【0062】
筒ピンチファスナーは、この筒の回転に対する位置で維持または保持され、その結果、それらのスロットは、任意の適切な手段(例えば、スリーブの内側表面上の内部移動止めまたはバルジ、および筒ファスナーの外側の協働スロットまたは陥没部を含む)によって、スリーブ502の切込み508と軸方向および半径方向に整列される。別のセットの解放孔および別のロッドは、他のロッドではない、この筒ピンチファスナーの対向する四分円上でそれを通過し、外側スリーブに対してその回転を防止し得ることもまた、想定される。また、外側スリーブおよび内側スリーブ上に協働摩擦表面が提供され得ることが、想定される。スリーブ502は、適切な手段(例えば、半径方向内向きに突出したリップまたは1つ以上の移動止め)を備え、最も遠位のファスナーがスリーブの末端から不注意に離れるのを防止する。
【0063】
ここで、図4、4Aおよび5を参照すると、筒ピンチファスナー100は、解放ロッドとともに操作するように記載されているが、本開示に従う筒ピンチファスナーは、外科用ファスナーアプライアの補助を用いて操作または適用され得ることもまた想定される。本開示の代替の実施形態に従う外科用ファスナーアプライアは、一般に、200として示される。アプライア200は、本体部分202、開口位置においてバネ偏向された一対のハンドル204、ジョー取り付け具205および一対のジョー206を備え、このジョーは、ハンドル204が離れて間隔を空けた開口位置にある場合、閉鎖位置に偏る。操作の際に、ハンドル204が閉鎖位置まで一緒に締められる場合、ジョー206は、開口位置まで離れる。
【0064】
ジョー206の各々は、脚部分208およびこの脚部分208に直交して延びる足部210を備える。各足部210は、互いに配向される。ジョー206は、本明細書中に開示される筒ピンチファスナーの半径スロットの幅よりもわずかに小さい厚み(すなわち、高さ)を有する。
【0065】
従って、本開示に従う筒ピンチファスナーと共に使用される場合、筒ピンチファスナーの内筒および外筒は、それぞれに形成された半径方向スロットをそれぞれ整列するように回転する。アプライア202のハンドル204は、一緒に強く握られ、それによりジョー206の対を開く。筒ピンチファスナーは、アプライア200から離れるように配向された筒ピンチファスナーの開口端を有するジョー206の対の間に挿入され、そして各半径方向スロットは、それぞれのジョー206と、それぞれのジョー206と整列した各半径方向スロットとの間に挿入される。次いで、ハンドル204は、解放され、その結果、ジョー206の対の足部210が、半径方向スロットに入り、それにより筒ピンチファスナーを開口位置に維持する。
【0066】
操作中、外科医は、その上またはその中に筒ピンチファスナーを備えるアプライア200を、標的脈管に向かって進め、その結果、この標的脈管は、内筒および外筒の整列したスロット中に入る。外科医が、標的脈管に対する筒ピンチファスナーの位置決めに満足した場合、この外科医は、アプライア200のハンドル204を強く握り、それにより、このジョー206の対は筒ピンチファスナーを解放し、ねじれバネが内筒および外筒と反対方向に回転させる。この回転により、スロットは、標的脈管が、2つの別個の位置で、並行して、全体的に挟まれるまで狭くなり、従って、脈管中の全ての流体の流れを止める。
【0067】
図5に示されるように、本開示に従う代替的な筒ファスナーアプライアが、300として示される。筒ピンチファスナーアプライア300は、遠位端301を有し、この遠位端301は、その端面306に形成された対向する一対の凹部304を有する外側スリーブ302、および端面306の中心を通って延び、かつテーパー状の平坦な遠位端部310を有する中心シャフト308を備える。図5に示される外側スリーブ302および中心シャフト308は、回転可能であるように示されることが意図され、そして互いに独立して回転可能であり、ここで、中心シャフト308は、外側スリーブ302内に引き込められ得る。
【0068】
筒ピンチファスナーアプライア300は、上に開示される筒ピンチファスナー100の改変されたバージョンと共に作動し得る。この改変された筒ピンチファスナー(図5には示されず)は、一対の対向する突出(図1の破線)を備え得、この突起312は、外筒102の末端壁108から外側に延びている(図1を参照のこと)。各突出312は、外側スリーブ302の凹部304中に挿入されるように構成および適合されている。さらに、中心シャフト308の平坦な遠位端部310は、割れピン124の脚部126の対によって規定されるスロットと係合するように構成および適合されている(図1)。
【0069】
従って、本開示に従う筒ピンチファスナーと共に使用される場合、このように改変された筒ピンチファスナー100は、筒ピンチファスナーアプライア300の端部に連結され、その結果、割れピン124は、中心シャフト308の平坦な前方部310と係合する。内筒104が適所に保持された場合、外筒102は、対向する突起312の対が外側スリーブ302に形成された凹部304と整列するまで回転され、次いで、凹部304中に挿入され、それにより、外筒102は、内筒104に対して偏った位置で、かつ半径方向スロット110および122が互いに整列した状態で維持される。次いで、外科医は、アプライア/ファスナーの組合せを標的脈管に向かって進め、その結果、この標的脈管は、内筒および外筒の整列したスロットに入る。外科医が標的脈管に対する筒ファスナーの位置決めに満足した場合、この外科医は、中心シャフト308を引き戻し、平坦な遠位端部310を割れピン124から効率的に外す。この平らな遠位端部310が取り外されると、売り側筒104は、ねじれバネ134の作用に起因して自由に回転し、それにより、半径方向スロット110と122との間の脈管を挟む。
【0070】
この手順は、完全に逆にすることができ、それにより脈管「V」から筒ピンチファスナーが取り外される。筒ピンチファスナーを取り外すために、一旦、ファスナーアプライア300の凹部304が外筒102の突出312に嵌合すると、平坦な前方部310は、割れピン124の頭部または脚部126の間のスロットと整列し、そしてこのスロット中に挿入され、そして中心シャフト308は回転されて、それにより半径方向スロット110および122は互いに再整列され、それにより脈管が解放される。
【0071】
図10に示されるように、多数の、好ましくは整列された筒ピンチファスナー400が、予備装填カートリッジ、マガジンまたは他の装填構造体600中またはその上に設けられ得、複数のファスナー400を有するアプライア(例えば、アプライア500)の迅速な装填、予備装填または再装填を容易にすることが想定される。装填構造体600は、スリーブの形状に対応し得、そしてその中のポケット中に配置され得る。好ましくは、装填構造体600の遠位端602は、その中に対立するかまたは他の場合には整列される切込み604を有し、この切込み604は、スリーブ中の切込みに対応するか、またはスリーブが切込みを有さない場合には、装填構造体600の切込みがスリーブの遠位端を越えて延び得、そして装填構造体600から閉塞されるべき脈管への直接的なファスナー400の適用を可能にするように働く。
【0072】
一旦、装填構造体600が、これらのファスナー400全てを空にすると、新たな装填構造体600が、アプライア500中に装填され得る。このようにして、アプライア500は、使用されたおよび/または使用済みの装填構造体600を単に取り外し、そしてこれを、その中にファスナー400の完全な一致を有する新たな装填構造体600で置き換える。
【0073】
使用中、本発明の筒ファスナーは、高い流体圧が予測されるか、より弾性の脈管が挟まれるべきである場合、より大きなバネ定数を有するねじれバネがこの筒ファスナーに使用され得ることもまた、想定される。偏った構造は、好ましくは、増加する力または偏りを提供するが、一定の力を提供する代替の偏り構造が用いられ得ることが理解される。さらに、ねじれバネが開示および記載されるが、他の偏り手段または回転手段が、内筒を外筒に対して回転させるために使用され得ることが想定される。例えば、弾性円板が、取り付けられ得、そして筒を互いに偏らせるために使用される。
【0074】
本発明のアプライアは、最遠位ファスナーをスリーブ中の整列位置に保持するための保持手段を備え得ることが理解され、この保持手段は、最も遠位のファスナーを作動または排出することが望まれる場合、この最遠位ファスナーに対して解放可能である。本明細書中で、保持手段とは、アプライアが1つ以上のファスナーの内筒および外筒を整列させて保持する(例えば、ファスナーとファスナー、スロットとスロット、および好ましくはまたスロットと切込みを含む)、本明細書中で開示される手段、構造体および/またはメカニズム、ならびにそれらの等価物を意味する。
【0075】
種々の改変が本明細書中で開示される実施形態に対してなされ得ることがさらに理解される。従って、上記の記載は、限定として解釈されるべきではなく、好ましい実施形態の単なる例示であると解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲および精神内の他の改変を想定する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、本開示に従う筒ピンチファスナーの分解斜視図である。
【図1A】図1Aは、図1の筒ピンチファスナーの側面立面図であり、内筒および外筒において形成される半径方向スロットの代替的実施形態を示す。
【図1B】図1Bは、図1の筒ピンチファスナーの側面立面図であり、内筒および外筒において形成される半径方向スロットのなお別の代替的実施形態を示す。
【図1C】図1Cは、図1の筒ピンチファスナーの側面立面図であり、内筒および外筒において形成される半径方向スロットのなお別の代替的実施形態を示す。
【図2】図2は、組み立てられ、そして開口位置にて示された、図1の筒ピンチファスナーの垂直断面図である。
【図2A】図2Aは、組み立てられ、そして開口位置にて示された、筒ピンチファスナーの垂直断面図であり、これは、そのそれぞれのスロットに沿って協働的な挟み縁部を備える。
【図3】図3は、組み立てられ、そしてその中を管が通過している、閉鎖位置にて示された、図1の筒ピンチファスナーの垂直断面図である。
【図3A】図3Aは、組み立てられ、そしてその中を管が通過している、図2Aの筒ピンチファスナーの垂直断面図である。
【図4】図4は、本開示に従う例示的な筒ピンチファスナーアプライアの斜視図である。
【図4A】図4Aは、図4に示されるアプライアの遠位端の斜視図であり、このアプライアに作動可能に連結されて示される図1〜3Aの筒ピンチファスナーを備える。
【図5】図5は、本開示に従う筒ピンチファスナーアプライアの代替的実施形態の遠位端の拡大斜視図である。
【図6】図6は、本開示に従う筒ピンチアプライアの別の実施形態の拡大斜視図である。
【図6A】図6Aは、図6の領域「6A」の拡大斜視図であり、内筒の端部壁に提供されたナブを示す。
【図7】図7は、組み立てられ、開口位置で示された、図6の筒ピンチファスナーの拡大斜視図である。
【図7A】図7Aは、図7の領域「7A」の拡大斜視図であり、外筒の受容突出部に形成されたアンダーカット内のねじればねの係合を示す。
【図8】図8は、本開示の代替的実施形態に従う筒ピンチファスナーアプライアの伸長した本体部分の上部斜視図である。
【図9】図9は、図8に示される筒ピンチファスナーアプライアの伸長した本体部分の構成要素の分解図である。
【図10】図10は、本開示に従う装填構造体の拡大斜視図であり、その中に複数のファスナーを備えている。

Claims (34)

  1. 体腔を通じる流体の流れを止めるための外科的ファスナーであって、以下:
    外筒であって、該外筒中に形成された少なくとも1対の半径方向スロットを備える環状側壁を有する、外筒;ならびに
    該外筒内に回転可能に連結された内筒であって、該内筒は、該内筒中に形成された1対の半径方向スロットを備える環状側壁を有し、該内筒の側壁に形成された該組になった各半径方向スロットは、該外筒に形成された半径方向スロットのそれぞれに対応する、内筒、
    を備え、
    ここで、該外科的ファスナーは、該外筒の半径方向スロットが、該内筒の半径方向スロットと半径方向で整列する偏った開口位置、ならびに、該外筒および該内筒の半径方向スロットが、半径方向で整列しておらず、かつ、その長さに沿って2つの位置で該体腔を締め付ける偏った閉鎖位置を有する、外科的ファスナー。
  2. 前記ファスナーが、バネをさらに備え、かつ、前記外筒および前記内筒が、前記閉鎖位置に偏っている、請求項1に記載の外科的ファスナー。
  3. 前記ファスナーが、バネをさらに備え、かつ、前記外筒および前記内筒が、前記開口位置に偏っている、請求項1に記載の外科的ファスナー。
  4. 前記外筒および前記内筒の各々が、その近位端に提供された端壁を有し、かつ、開口遠位端を有する、請求項1に記載の外科的ファスナー。
  5. 前記外筒および前記内筒の各々におけるスロットが、該外筒および内筒の各開口端を通って延びる、請求項4に記載の外科的ファスナー。
  6. 請求項4に記載の外科的ファスナーであって、前記外筒の端壁が、該端壁を通って形成された中心開口を備え、かつ、前記内筒の端壁が、該端壁から該中心開口を通って外側に延びている止め金嵌合型係合部材を備えることによって、該内筒の係合部材が、該外筒の端壁の中心開口に止め金嵌合し、そして係合される、ファスナー。
  7. 請求項6に記載の外科的ファスナーであって、該外科的ファスナーは、前記内筒および外筒を前記閉鎖位置に回転可能に偏らせるための止め金嵌合型係合部材に配置された回転可能な偏り要素をさらに備え、該偏り要素は、該内筒の端壁の外表面に形成された止め部材に係合するための第1の脚部、および、該外筒の端壁の内表面に形成された止め部材に係合するための第2の脚部を備える、外科的ファスナー。
  8. 請求項6に記載の外科的ファスナーであって、前記外筒および内筒の端壁の各々に形成された解放孔内に取り外し可能に受け入れられるように構成および寸法取りされた解放ロッドをさらに備え、該解放孔は、互いに半径方向に整列され、かつ、該解放ロッドが該解放孔内に受け入れられ、前記開口位置に偏ったファスナーの内筒および外筒を維持する、外科的ファスナー。
  9. 前記外筒および内筒に作動的に連結された整列機構が備えられ、前記筒が開口位置に整列されかつ偏るのを維持される、請求項1に記載の外科的ファスナー。
  10. 請求項8に記載の外科的ファスナーであって、外筒および内筒の各々が、その近位端に提供された端壁、および該それぞれの筒の半径方向スロットと連絡する開口遠位端を有し、かつ、ここで、前記整列機構が、各端壁に形成された孔を備え、該孔は、該筒が前記開口位置にある場合に、軸方向に整列可能である、外科的ファスナー。
  11. 請求項9に記載の外科的ファスナーであって、前記整列機構が、前記筒が偏った開口位置にある場合に、前記それぞれの孔を通って通過するように構成および寸法取りされたロッドを備え、該筒を該偏った開口位置に取り外し可能に維持する、外科的ファスナー。
  12. 前記スロットの形状が、矩形、テーパー状形、螺旋形および涙滴形からなる群より選択される、請求項1記載の外科的ファスナー。
  13. 請求項12に記載の外科的ファスナーであって、前記スロットが、長手方向縁を有し、かつ、偏った閉鎖位置にある場合に、前記内筒および外筒のスロットの長手方向縁が、締め付けられた管腔を通る流体流れを非外傷的に止める、外科的ファスナー。
  14. 請求項6に記載の外科的ファスナーであって、前記外筒が、前記端壁から近位に延びる環状リムを備え、かつ、該環状リムが、そこから半径方向に内側に延びかつその中の止め具を規定する突出を備える、外科的ファスナー。
  15. 前記止め具が、該止め具の中に切込みを備える、請求項14に記載の外科的ファスナー。
  16. 請求項5に記載の外科的ファスナーであって、前記内筒の端壁が、該端壁を通って形成された中心開口および該端壁の近位表面から延びるナブを備え、該ナブが、前記外筒の端壁に形成された中心開口内に受け入れられるように構成および寸法取りされる、外科的ファスナー。
  17. 請求項16に記載の外科的ファスナーであって、該外科的ファスナーは、前記内筒および外筒を前記閉鎖位置に偏らせるための該内筒のナブに配置された偏り要素をさらに備え、該偏り要素は、該外筒の突出によって規定されるスロットと作動的係合する第1の脚部および該内筒のナブと作動的係合する第2の脚部を備える、外科的ファスナー。
  18. 請求項17に記載の外科的ファスナーであって、該外科的ファスナーは、前記内筒および外筒の各端壁に形成された解放孔内に取り外し可能に受け入れられるように構成および寸法取りされた解放ロッドをさらに備え、ここで、該解放ロッドが、該解放孔内に受け入れられる場合、該ファスナーは、前記偏った開口位置に維持される、外科的ファスナー。
  19. 前記スロットの形状が、矩形形、テーパー状形、螺旋形および涙滴形からなる群より選択される、請求項18に記載の外科的ファスナー。
  20. 請求項19に記載の外科的ファスナーであって、前記スロットが、長手方向縁を有し、偏った閉鎖位置における前記内筒および外筒のスロットの長手方向縁が、締め付けられた管腔を通る流体流れを非外傷的に止める、外科的ファスナー。
  21. 請求項17に記載の外科的ファスナーであって、前記外筒の端壁の中心開口が、該中心開口の内縁から半径方向に内側に延びる少なくとも1つの止め具を備え、ここで、前記内筒のナブが、該ナブから半径方向に外側に延びる少なくとも1つの突起を備え、ここで、該突起が、該内筒および該外筒が互いに対して自由回転することを防止するように止め具と係合する、外科的ファスナー。
  22. 前記内筒が、前記外筒に対して同心性である、請求項1に記載の外科的ファスナー。
  23. 外科的ファスナーを体腔に適用するための外科的ファスナーアプライアであって、該アプライアは、以下:
    外側管状スリーブであって、該スリーブは、開口近位端、開口遠位端および該スリーブを通る管腔を備え、該開口遠位端は、該スリーブの近位端に向って延びる少なくとも1つの切込みを備え、該外側管状スリーブが、その管腔内に少なくとも1つの外科的ファスナーを受け入れるように構成および寸法取りされている、外側管状スリーブ;ならびに
    内側プッシャーであって、該スリーブの遠位端に向かって該ファスナーを押し、そして、該スリーブから該ファスナーを取り出すために、該外側管状スリーブの管腔内に相互に受け入れられるように構成および寸法取りされた、内側プッシャー、
    を備える、外科的ファスナーアプライア。
  24. 前記スリーブの外径が、約15mmよりも小さい、請求項23に記載の外科的ファスナーアプライア。
  25. 前記スリーブの外径が、約13mmよりも小さい、請求項24に記載の外科的ファスナーアプライア。
  26. 外科的ファスナーを体腔に適用するための外科的ファスナーアプライアであって、該アプライアは、以下:
    少なくとも1つの外科的ファスナーであって、該ファスナーは外筒および回転可能な内筒を有し、該ファスナーは、該内筒および外筒を通って延びる少なくとも1対のスロットを規定し、該ファスナーは、該スロットが整列している偏った開口位置、および、該スロットが整列していない偏った閉鎖位置を有する、外科的ファスナー;
    外側管状スリーブであって、該スリーブは、近位端および開口遠位端を備え、かつ、該スリーブを通る管腔を規定し、該外側管状スリーブは、その管腔に該少なくとも1つの外科的ファスナーを受け入れるように構成および寸法取りされる、外側管状スリーブ;
    内側プッシャーであって、該スリーブの遠位端に向かってファスナーを押すために、該外側管状スリーブの管腔内に相互に受け入れられるように構成および寸法取りされている、内側プッシャー;ならびに
    該偏った開口位置に該ファスナーを取り外し可能に維持するために、ファスナーに作動的に連結可能な機構、
    を備える、外科的ファスナーアプライア。
  27. 前記機構が、前記内側プッシャー内に相互に受け入れられるように構成および寸法取りされている、請求項26に記載の外科的ファスナーアプライア。
  28. 請求項26に記載の外科的ファスナーアプライアであって、前記外側管状スリーブの開口遠位端が、該スリーブ内に形成され、かつ、該外側管状スリーブの近位端に向かって軸方向に伸びる1対の切込みを備える、外科的ファスナーアプライア。
  29. 請求項26に記載の外科的ファスナーアプライアであって、前記外側管状スリーブが、正反対に対向する切込みを備え、かつ、該切込みが、該アプライアの該外側管状スリーブの遠位端における偏った開口位置にある場合に、該切込みは、該外科的ファスナーの内筒および外筒の整列されたスロットとともに半径方向に整列されるために、該外側管状スリーブの近位端に向かって軸方向に延びる、外科的ファスナーアプライア。
  30. 外科的ファスナーを適用し、体腔を閉塞させるための外科的ファスナーアプライアであって、以下:
    管状スリーブであって、該スリーブは、近位端、開口遠位端および該スリーブを通って延びる管腔を有し、かつ、該スリーブ内に該外科的ファスナーを受け入れるように構成されており、該スリーブの遠位端は、該スリーブ内に1対の対向する切込みを有し、そして、該切込みは、該開口遠位端と連絡し、かつ、該スリーブへと近位方向に延びる、管状スリーブ;
    複数の外科的ファスナーであって、該ファスナーは該管状スリーブに軸方向に整列され、該ファスナーは、近位端および遠位端に1対の対向するスロットを有する遠位端を備える、複数の外科的ファスナー;
    内側プッシャーであって、該プッシャーは、該スリーブ内の管腔内に相互に受け入れられるように構成および寸法取りされており、該内側プッシャーは、該1つの外科的ファスナーの近位端に係合するように構成および寸法取りされ、かつ、該外科的ファスナーを該スリーブの遠位端へと遠位側に押し、該スリーブから押し出す遠位端を有する、内側プッシャー;ならびに
    整列機構であって、該最遠位ファスナーが、該スリーブの遠位端にある場合に、該ファスナーのスロットが、該管状スリーブの切込みとともに整列され、かつ並列されるように、該管状スリーブ内に該外科的ファスナーを整列させるための整列機構、
    を備える、外科的ファスナーアプライア。
  31. 請求項29に記載のアプライアであって、前記スリーブにおける整列位置に前記最遠位ファスナーを保持するための保持手段が備えられ、該保持手段は、該手段が、最遠位ファスナーを作動させるか、または、排出することを望まれる場合に、最遠位ファスナーに対して解放可能である、アプライア。
  32. 請求項30に記載のアプライアであって、該アプライアは、該アプライアの中に複数のファスナーを保持するように構成および寸法取りされた装填構造体をさらに備え、該装填構造体は、前記スリーブ内に取り外し可能に受け入れられるように構成および寸法取りされており、ここで、複数のファスナーは、該アプライアへと同時に装填され得る、アプライア。
  33. 請求項32に記載のアプライアであって、前記装填構造体は、該構造体の遠位端に形成された1対の正反対に対向する切込みを備え、ここで、該装填構造体の切込みが、前記管状スリーブに形成された対の対向する切込みに対応する、アプライア。
  34. 前記装填構造体が、前記内側プッシャーを該構造体に滑動可能に受け入れるように構成および寸法取りされ、該構造体から前記ファスナーを放出する、請求項33に記載のアプライア。
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