JP2005505303A - 卵巣癌の検出方法 - Google Patents

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Abstract

対象由来の試料中のKLK9またはhK9の測定を含む、対象の卵巣癌の診断方法およびモニタリング方法が記載される。本発明は、卵巣癌の局在化方法または画像化方法、および本発明の方法を行うためのキットも提供する。本発明は、hK9タンパク質、該タンパク質をコード化する核酸分子、および/または該タンパク質の結合物質を使用する、卵巣癌治療方法も意図している。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、卵巣癌の検出方法に関する。
【0002】
発明の背景
卵巣癌は婦人科腫瘍学の偉大な臨床的挑戦を象徴する。多くの患者が該疾病が転移するまで無症候性であるため、3分の2が疾病が進行して診断される(1)。アメリカ合衆国においては、2000年に、およそ23,000人の卵巣癌の新たな患者および約14,000人の該疾病による死亡が予測され(2)、これは全婦人科悪性腫瘍のうち最も高い死亡率であった。
【0003】
現在、卵巣癌の管理において明確でかつ有効な働きをする唯一の腫瘍マーカーはCA125である。卵巣癌のスクリーニング、良性卵巣部分と悪性卵巣部分との区別、および予後診断において、血清CA125が調べられてきた(3〜6)。しかしながら、それは、診断、予後診断、または処置の決定において明らかな地位を占めてはいない(7、8)。卵巣癌に加えて、高レベルのCA125が、1%の正常群、6%の良性疾病患者、および28%の非婦人科系悪性腫瘍の患者で見られた。
【0004】
CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)および癌胎児性抗原(CEA)を含む多くの可能性のある新たな血清マーカーが、単独で、あるいはCA125と組合せて調べられた(7、10、11)。該新たなマーカーは現時点では明確な寄与はせず、超音波検査(untrasonography)とCA125の組合せのみが最も高い利用可能な感度および特異性を生じる(8)。
【0005】
カリクレイン(Kallirein)は、多様な生理機能を有するセリンプロテアーゼである。ヒトカリクレイン遺伝子ファミリーの12の新たなメンバーが、染色体19q13.3〜q13.4上に最近同定された(12〜21)。いくつかのグループが、多くのヒトカリクレイン遺伝子が様々な悪性腫瘍で差次的に発現すると示した(参考文献22で再検討)。PSAは前立腺癌に最適なマーカーである(23)。hK2(KLK2遺伝子によりコード化される)は、ある種の患者にとって有用なマーカーである(24〜27)。KLK10(NES1)は腫瘍抑制遺伝子であると分かった(28)。ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)は卵巣癌において異常な高レベルで発現すると示され(29)、そしてKLK5は卵巣癌のあまり良くない予後マーカーである(30)。2つの新たなカリクレインタンパク質であるhK6およびhK10は、卵巣癌腫の新規血清マーカーであると思われる(31、32)。
【0006】
KLK9(KLK−L3として以前知られていた)は、小脳、脊髄、精巣、前立腺、卵巣および皮膚を含む多くの組織で発現するヒトカリクレイン遺伝子フェミリーの新たに同定されたメンバーである(14、33)。KLK9は、ステロイドホルモン制御下の癌細胞株においても発見された(14)。興味深いことに、KLK9にフランキングする2つの遺伝子であるKLK8(腫瘍関連差次的発現遺伝子14;TADG−14/ニューロプシン)およびKLK10は、卵巣癌において差次的に発現すると分かった(34〜36)。加えて、非常に近くに位置する遺伝子KLK6も、初期の卵巣癌において差次的に発現する(19、31)。
【0007】
発明の要約
本発明は卵巣癌の新規生物マーカーに関する。本発明は、卵巣癌の診断および治療のための組成物および方法を提供する。
【0008】
KLK9、およびKLK9によりコード化されるタンパク質は、卵巣癌の検出において特に応用される。従って、KLK9は、卵巣癌の診断およびモニタリング(すなわち、進行または治療上の処置のモニタリング)のための新たな生物マーカーを構成する。
【0009】
本発明の態様をふまえて、KLK9は、早期卵巣癌患者(例えば、ステージIまたはII)、低悪性度の卵巣癌患者(悪性度1または2)、最適な減量手術をされた卵巣癌患者の診断、モニタリング、および予後診断に用いられ、かつそれは術前または再発後の生物マーカーとして用いられ得る。本発明の別の態様において、KLK9は非漿液性卵巣腫瘍の診断、モニタリング、および予後診断のために用いられる。
【0010】
KLK9およびそのフラグメント、hK9、およびhK9に結合する物質が卵巣癌の検出のために用いられ、かつ卵巣癌の診断評価、および該疾患の素因を有する対象の同定で用いられ得る。
【0011】
本発明の実施態様において、患者の卵巣癌と関連するhK9またはKLK9を検出する方法が提供され、該方法は、
(a)患者から試料を採取すること;
(b)試料中のhK9またはKLK9核酸を検出または同定すること;および
(c)検出した量を、標準試料について検出した量と比較すること、を含む。
【0012】
用語「検出すること」は、標的であるhK9、KLK9、そのサブユニット、または標的に結合する試薬の組合せ等の存在または非存在をアッセイすること、画像化すること、またはそうでなければ示すことを含むか、または卵巣癌、転移、ステージ、または類似の状態の1またはそれ以上の事実に基づく特徴を画像化し、確かめ、示し、またはそうでなければ測定するためにアッセイすることを含む。用語は、hK9およびKLK9の診断方法、予後診断方法、モニタリング方法を包含する。
【0013】
KLK9およびhK9の検出方法を用いてhK9およびKLK9核酸分子を検出することで、卵巣癌をモニタリングする。
【0014】
本発明の方法は、1またはそれ以上のポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、またはhK9をコード化するポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能な核酸分子を利用し得る。従って、KLK9の検出方法を用いてKLK9核酸分子を検出することで、卵巣癌をモニタリングできる。本発明の態様において、KLK9mRNAが検出される。
【0015】
従って、本発明は対象由来の試料中の卵巣癌の診断方法およびモニタリング方法に関し、該方法は、試料から核酸、好ましくは、mRNAを単離すること;および試料中のKLK9核酸を検出すること、を含む。ある実施態様において、標準試料または対照試料と比較して試料中のKLK9核酸レベルの増加は、早期の疾病、最適に減量手術されたもの、および/または予後診断良好、すなわち、より長期の無進行期間および全生存期間を示す。標準試料または対照試料は、進行期の卵巣癌と関連する量であり得る。
【0016】
本発明はまた、対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定する方法も提供し、該方法は、hK9をコード化する核酸分子にハイブリダイゼーションする試料中のポリヌクレオチドレベルを検出すること、事前に決定した標準値またはカットオフ値と該レベルを比較すること、およびこれにより、対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定すること、を含む。実施態様において、対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定する方法が提供され、該方法は(a)hK9をコード化する核酸分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと対象から得られた試料を接触させること;および(b)事前に決定した標準値またはカットオフ値と比べて、核酸分子にハイブリダイズする試料中のポリヌクレオチドレベルを検出すること、およびこれにより、対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定すること、を含む。
【0017】
ある実施態様において、mRNAであるポリヌクレオチドの量は、例えば、hK9をコード化する核酸分子、または該核酸分子の相補体にハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)の様な増幅反応を介して検出される。(PCR技術は、当該技術分野においてよく知られており、例えば、Mullisの米国特許番号第4,683、195号および4,683,202号を参照されたい)。他の実施態様においては、mRNAの量は、hK9または該核酸分子の相補体にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを利用するハイブリダイゼーション技術を用いて検出される。
【0018】
mRNA検出を用いる場合、方法は、標準的方法に記載のcDNAへ転写する試薬と単離mRNAを組み合わせること;核酸プライマーの適当な混合液を含む容器中で、増幅反応試薬(cDNA反応試薬のようなもの)で該転写cDNAを処理すること;容器の内容物を反応させて、増幅産物を生成すること;および増幅産物を分析して、試料中のKLK9マーカーの存在を検出すること、により行われ得る。mRNAの解析ステップは、卵巣のKLK9マーカーの存在を検出するためにノーザンブロット解析を用いて行われ得る。解析ステップはさらに、増幅産物中のKLK9マーカーの存在を定量的に検出すること、および同様のプライマーを用いてもたらされた正常組織および悪性組織中の既知の存在または非存在についの一連の予測値に対して、検出したマーカー量を比較することにより、なされ得る。
【0019】
それゆえ、本発明は、(a)試料からmRNAを単離すること、およびcDNAに転写する試薬とmRNAを組み合わせること;(b)増幅反応試薬およびhK9をコード化する核酸分子にハイブリダイズする核酸プライマーで、転写cDNAを処理し、増幅産物を生成すること;(d)増幅産物を解析して、hK9をコード化するmRNAの量を検出すること;および(e)同様の核酸プライマーを用いてもたらされた正常組織および悪性組織についての一連の予測値に対して検出した量と、mRNAの量を比較することにより、mRNAを検出する方法を提供する。
【0020】
本発明は、対象中の卵巣癌の診断方法およびモニタリング方法にさらに関し、該方法は、対象由来の試料中のhK9を測定することを含む。hK9は、hK9を検出するかまたはこれに結合する試薬、好ましくは、hK9またはその一部と特異的に反応する抗体を用いて測定され得る。
【0021】
本発明の態様において、卵巣癌について対象をスクリーニングする方法が提供され、該方法は、(a)対象から生物学的試料を得ること;(b)該試料中のhK9の量を検出すること;および(c)事前に決定された標準値と該検出したhK9の量を比較すること、ここで、標準値と異なるhK9レベルの検出が疾病を示す、を含む。ある実施態様において、検出hK9量が標準値のものより大きく、そしてこのことは、早期の疾病、最適に減量手術をされたもの、および/または予後診断良好、すなわち、より長期の無進行期間および全生存期間を示す。
【0022】
さらなる実施態様において、本発明は、患者の卵巣癌の存在または非存在を決定する方法を提供し、該方法は、ステップ(a)hK9タンパク質に特異的に結合する結合物質と患者から得られた生物学的試料を接触させること;および(b)事前に決定された標準値またはカットオフ値と比べて、結合物質に結合する試料中のタンパク質量を検出すること、そしてこれにより、患者の卵巣癌の存在または非存在を決定すること、を含む。
【0023】
ある実施態様において、本発明は、対象由来の生物学的試料中のhK9の定量による対象中の卵巣癌の診断方法およびモニタリング方法に関し、該方法は、(a)検出可能な物質で直接または非直接に標識されるhK9に特異的な抗体と、生物学的試料を反応させること;および(b)検出可能な物質を検出すること、を含む。
【0024】
別の態様において、本発明は、試料中のhK9タンパク質発現を検出するための、抗体を用いる方法を提供し、該方法は:(a)抗体:タンパク質複合体の形成を可能とする条件下で、試料とhK9に特異的な抗体を組み合わせること、および(b)試料中のタンパク質発現を示す形成複合体を検出すること、を含む。発現が標準値と比較され、そして卵巣癌の診断がなされる。
【0025】
本発明の方法の実施態様は、(a)酵素で直接または非直接に標識されるhK9に特異的な抗体と、対象由来の生物学的試料を反応させること;(b)選択した酵素基質を加え、それにより、基質または酵素と基質の反応産物が蛍光複合体を形成すること;(c)蛍光複合体の蛍光を測定することにより、試料中のhK9を定量すること;および(d)対象患者または対照患者由来の別の試料について得られたレベルと、定量レベルを比較すること、を含む。ある実施態様において、定量レベルは、後期の卵巣癌の対象について定量されたレベルに対して比較され、対照である対象と比較してhK9レベルの増加が、早期の疾病、最適に減量手術をされたもの、および/または、より長期の無進行期間および全生存期間を示す。
【0026】
本発明の特定の実施態様は、以下のステップ
(a)検出可能な物質で直接または非直接に標識されるhK9に特異的な1次抗体、および固定化されたhK9に特異的な2次抗体と、生物学的試料をインキュベートすること;
(b)2次抗体から1次抗体を分離して、1次抗体分画および2次抗体分画を提供すること;
(c)1次および2次抗体分画中の検出可能な物質を検出し、これにより、生物学的試料中のhK9を定量すること;および
(d)事前に決定された標準値と定量hK9を比較すること、
を含む。
【0027】
標準値は、後期の疾病である対照の対象由来の試料、または対象の別の試料について定量されたレベルに対応し得る。標準値と比較した際のhK9レベルの増加が、早期の卵巣癌、最適に減量手術をされたもの、および/または、より長期の無進行期間および全生存期間を示す。
【0028】
本発明は、複数の卵巣癌のマーカーを用いる本明細書に記載の方法も意図している。それゆえ、本発明は、hK9および卵巣癌の特異的な指標である他のマーカーの存在についての生物学的試料の解析方法を検討する。他のマーカーは、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、ハプトグロビンα、オステオポンチン、カリクレイン4(hk4)、カリクレイン5(hK5)、カリクレイン6(hK6)、カリクレイン8(hK8)、カリクレイン10、カリクレイン11、CA125、CA15−3、CA72−4、CA19−9、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)、クレアチンキナーゼBB、および癌胎児性抗原(CEA)のようなカリクレインに対するマーカーを含む。好ましくは、他のマーカーは、カリクレインに対するマーカーである。本発明の態様において、マーカーは、1またはそれ以上のhK4、hK5、hK6、hK8、HSCCE、およびCA125、またはそれをコード化する核酸である。本明細書において記載される方法は、マーカーまたはマーカーの核酸を検出するための試薬を含むことで変更され得る。
【0029】
本発明は、hK9タンパク質、該タンパク質をコード化する核酸分子、または該タンパク質に結合するか、または核酸分子にハイブリダイズするかまたは増幅する物質を含む、診断用組成物も提供する。
【0030】
ある実施態様において、組成物は、KLK9またはそのフラグメントに特異的にハイブリダイズするプローブを含む。別の実施態様において、ポリメラーゼ連鎖反応法を用いてKLK9を増幅できるKLK9に特異的なプライマーペアーを含む、組成物が提供される。なおさらなる実施態様において、組成物は、hK9またはそのフラグメントに結合する物質(例えば、抗体)を含む。プローブ、プライマー、および物質は、検出可能な物質で標識され得る。
【0031】
本発明の態様をふまえて、対象に、1またはそれ以上のカリクレインを標的とするように構築された物質を投与することを含む、生体内の方法が提供される。
【0032】
それゆえに、本発明は、哺乳類に、画像化のための標識物質を運び、そしてカリクレイン、好ましくは、hK9に結合する1またはそれ以上の物質を投与すること、および次に、哺乳類を画像化することを含む生体内の方法を意図している。
【0033】
本発明の好ましい態様によると、卵巣癌を画像化する生体内の方法が提供され、該方法は、
(a)卵巣癌の画像化のための標識物質を運ぶカリクレイン9に結合する物質を、患者に投入すること;
(b)物質が生体内でインキュベートされ、そして卵巣癌と関連するカリクレイン9に結合することを可能とすること;および
(c)卵巣癌の場所を示す標識物質の存在を検出すること、
を含む。
【0034】
本発明の実施態様において、物質はカリクレインを認識する抗体である。本発明の別の実施態様において、物質はカリクレインを認識する化学物質である。
【0035】
物質は、カリクレインを画像化するための物質を運ぶ。画像化に有用な標識物質の例は、放射標識、蛍光標識(例えば、フルオレッセインおよびローダミン)、核磁気共鳴活性標識、ポジトロン放出断層撮影(「PET」)スキャナーにより検出可能なポジトロン放出アイソトープ、ルシフェリンのような蛍光化学物質(chemiluminescer)、およびペルオキシダーゼおよびホスファターゼのような酵素マーカーである。短期間用の検出プローブにより検出可能なアイソトープの様な短期間放出エミッターも利用され得る。
【0036】
本発明は、卵巣癌の複数のマーカーを用いる本明細書に記載の場所を示す方法、または画像化する方法も意図している。例えば、卵巣癌を画像化する方法は、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、ハプトグロビンα、オステオポンチン、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン10、カリクレイン11、CA125、CA72−4、CA15−3、CA19−9、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)、クレアチンキナーゼBB、または癌胎児性抗原(CEA)に結合する1またはそれ以上の物質を患者に投入することをさらに含み得る。
【0037】
本発明は本発明の方法を行うキットにも関する。
なおさらに、本発明は、hK9タンパク質、該タンパク質をコード化する核酸分子、および/または該タンパク質の結合物質を利用する、卵巣癌の治療方法に関する。
【0038】
ある態様において、本発明は、1またはそれ以上のhK9タンパク質またはその一部、hK9またはhK9をコード化する核酸分子またはそのフラグメントに特異的な抗体、および薬理学的に許容される担体、添加剤または希釈剤を含む組成物に関する。対象の卵巣癌を処置または予防する方法も提供され、該方法は、それを必要とする患者に、hK9タンパク質またはその一部、hK9またはhK9をコード化する核酸分子またはそのフラグメントに特異的な抗体、または本発明の組成物を投与することを含む。
【0039】
本発明の別の態様では、卵巣癌を予防し、かつ/または、癌を処置するためのワクチンの調製での使用のため、hK9タンパク質、それからもたらされるペプチド、または化学的に生成(合成)されたペプチド、または該物質のいずれかの組合せを使用する。
【0040】
本発明は、ワクチンが投与される対象において、hK9タンパク質に向けられる抗体の生成を刺激または増強するためのワクチンを広く意図している。
【0041】
本発明は、対象でのhK9に向けられる抗体の生成を刺激する方法または増強する方法も提供する。方法は、抗体の生成を刺激または増強するのに有効な用量で、対象に本発明のワクチンを投与することを含む。
【0042】
本発明は、卵巣癌の再発の処置方法、予防方法、または遅らせる方法をさらに提供する。本発明は、癌の再発を処置、予防、または遅らせるのに有効な用量で、対象に本発明のワクチンを投与することを、含む。
【0043】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかであろう。しかしながら、詳細な説明、および本発明の好ましい実施態様を示す特定の実施例は、例示のために与えられているだけであって、様々な挑戦および変更が本発明の精神および範囲内にあることは、当該詳細な説明から当業者にとって明らかである。
【0044】
図面の説明
本発明はここで、以下の図面に関連して記載される。
図1は、リアルタイムPCRによるKLK9遺伝子発現の定量を示す。(A):蛍光シグナル(Y軸)対サイクル数(X軸)の対数プロット。卵巣癌由来の全RNA調製物の連続希釈を行い、そして希釈因子に基づく任意のコピー数をそれぞれの試料に対して指定した。試料それぞれを2通りで解析した。(B):標準cDNAの連続希釈の融解曲線の典型的グラフ。特異的産物は、92℃で融解する。該産物をアガロースゲルで泳動し、増幅の特異性を確認するために配列決定した。
図2は、KLK9発現の最適なカットオフ値の決定を示すグラフである。
【0045】
図3は、KLK9陽性および陰性卵巣腫瘍患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。PFS、無進行期間;OS、全生存期間、nは試料数。
図4は、腫瘍悪性度により分けられたKLK9陽性および陰性の腫瘍患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。PFS、無進行期間;OS、全生存期間、nは試料数。
図5は、腫瘍ステージにより分けられたKLK9陽性および陰性腫瘍の患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。PFS、無進行期間;OS、全生存期間、nは試料数。
図6は、減量手術の成功により分けられたKLK9陽性および陰性腫瘍の患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。PFS、無進行期間;OS、全生存期間、nは試料数。
【0046】
図7は、血清CA125とKLK9の発現レベルとの相関を示す。r=スペルマン相関係数。
図8は、漿液性卵巣癌腫のhK9の免疫組織学的局在を示す。核の染まっていない腫瘍細胞および陰性ストローマの細胞質陽性は中程度である。
【0047】
発明の詳細な説明
様々な方法が、KLK9およびhK9に関与する卵巣癌の診断評価および予後診断評価、および該疾患の素因を有する対象の同定のために利用され得る。該方法は、例えば、KLK9核酸およびそのフラグメント、およびペプチドフラグメントを含むhK9に向けられる結合物質(例えば、抗体)を利用し得る。具体的には、核酸および抗体は、例えば、(1)KLK9変異の存在の検出、または非疾患状態に比べて、KLK9mRNAの過剰発現または過小発現のいずれかを検出、またはある状態またはかかる状態に対する疑いと相関し得る選択的スプライスフォームのKLK9転写物の定性検出または定量検出;および(2)非疾患状態、または疾患状態または疾患状態への進行と相関する変更された(例えば、全長未満)hK9の存在と比べた際の、hK9の過剰異常または過小異常のいずれかの検出のため、用いられ得る。
【0048】
本明細書において記載の方法を用いて、例えば、宿主から取り除かれた新鮮な細胞群中の悪性細胞または前悪性細胞の存在確率を調べ得る。該方法を用いて、腫瘍を検出し、その成長を定量し、そして疾病の診断および予後診断において役立ち得る。該方法を用いて、癌転移の存在を検出し、ならびに、外科手術、化学療法、および/または放射線療法後に全腫瘍組織がないこと、または除去されたことを確認できる。それらをさらに用いて、癌化学療法および腫瘍再発をモニタリングできる。
【0049】
本明細書に記載の方法は、対象由来の生物学的試料中のhK9またはKLK9核酸の検出による卵巣癌の診断またはモニタリングに応用され得る。該方法は、対象由来の試料中で定量されたhK9またはKLK9核酸の量を、事前に決定された標準値またはカットオフ値と比較して、試験されることを必要とする。標準値は、別の試料、または対象由来の早期の試料について定量されたレベル、または対照試料について定量されたレベルに相当する。健常対象または卵巣癌対象由来の対照試料のレベルは、将来的な統計研究および/または遡及的な統計研究により示される。臨床的に明らかな疾病または異常のない健常対象が統計研究のために選ばれ得る。診断は、対照試料または同一対象について前に定量されたレベルと比較して、統計的に異なるレベルのhK9の発見によりなされ得る。
【0050】
用語「試料」、「生物学的試料」などは、KLK9またはhK9を発現または含有することが知られているか、または疑われる物質を意味する。試験試料は、供給源または試料の特徴を変更するための事前処理の後に得られる場合、直接用いられ得る。試料は、組織、抽出物、または細胞(例えば、腫瘍細胞)、細胞可溶化物を含む細胞培養液のようないずれかの生物学的供給源、および例えば、全血、血漿、血清、唾液、水晶体(ocular lens)液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水、滑液、腹膜液等のような生理液からもたらされ得る。試料は、動物、好ましくは、哺乳類、最も好ましくは、ヒトから得られ得る。試料は、例えば、血液から血漿を調製すること、粘液を希釈することの様に使用に先立って処理され得る。処理方法は、フィルタレーション、蒸留、抽出、濃縮、妨害成分の不活性化、試薬の添加等を含み得る。核酸およびタンパク質は、試料から単離され、そして本発明の方法において利用され得る。
【0051】
用語「hK9」または「hK9タンパク質」はヒトカリクレイン9を意味している。用語は、GeneBank受託番号AAD26427およびAF135026(配列番号2および3)のヒトカリクレイン9の全相同体、天然に存在する対立遺伝子変異体、アイソフォーム、および前駆体を含む。一般に、例えば、ヒトカリクレイン9の天然に存在する対立遺伝子変異体は、GenBank受託番号AAD26427およびAF135026(配列番号2および3)で示される配列に対して十分に相同性(70〜90%)である。対立遺伝子変異体は、本明細書に記載のhK9配列由来の保存的アミノ酸置換を含有し得るし、または例えば、マウスhK9相同体の様なhK9相同体の対応位置でのアミノ酸置換を含有する。
【0052】
「KLK9」または「KLK9核酸分子」は、hK9をコード化するポリヌクレオチド、好ましくは、GenBank受託番号AF135026(配列番号1)の配列を有するポリヌクレオチド、またはその変異体を意味する。好ましくは、変異体は、天然のカリクレイン9またはそのタンパク質をコード化するポリヌクレオチド配列に対して少なくとも約70%、好ましくは、約90%相同性を示す。ある変異体は、天然のKLK9遺伝子、またはその一部またはその相補体に対する実質的な相同体である。例えば、該変異体は、適度に厳密な条件下で、hK9タンパク質(または相補的配列)をコード化する天然に存在するDNA配列にハイブリダイズ可能である。適切な適度に厳密な条件は、5×SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)の溶液での事前洗浄;50℃〜56℃で20分間、0.1% SDSを含有する2×SSC、0.5×SSC、および0.2×SSCでそれぞれハイブリダイズさせることを含む。
【0053】
用語「KLK9」または「KLK9核酸分子」は、DNAおよびRNA(例えば、mRNA)を含むことを意図し、2本鎖または1本鎖のいずれかであり得る。ポリヌクレオチドは、必須ではないが、コード配列または非コード配列を追加で含み得るか、または必須ではないが、他の分子および/または担体、または支持物質に結合し得る。本発明の方法で使用する核酸分子は、特定の方法に適当な任意の長さのものであり得る。ある方法において、該用語は、アンチセンス核酸分子(例えば、センスKLK9分子に対して逆の向きのmRNAまたはDNA鎖)を意味している。
【0054】
用語「対象」または「患者」は、卵巣癌または本明細書に記載の状態に罹患している、罹患していると疑われる、またはスクリーニングされる哺乳類の様な温血動物を意味している。好ましくは、「対象」はヒトを意味する。
【0055】
核酸方法
本明細書において示すように、卵巣癌は、試料中のKLK9のレベルに従い検出され得る。ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)およびハイブリダイゼーションアッセイのような核酸分子を検出する技術は、当該技術分野において既知である。
【0056】
ハイブリダイゼーション技術でプローブを用いて、KLK9核酸分子を検出できる。技術は一般に、プローブが核酸の相補的配列に特異的にアニーリングするのに好ましい条件下で、プローブと患者由来の試料または他の細胞供給源から得られた核酸を接触させ、そしてインキュベートすることを含む。インキュベーション後、アニーリングしていない核酸は取り除かれ、そしてもしあれば、プローブにハイブリダイズした核酸の存在が検出される。
【0057】
試料中のKLK9核酸配列の検出で使用するヌクレオチドプローブは、当該技術分野において既知の通常の方法を用いて構築され得る。適当なプローブは、KLK9核酸領域由来の少なくとも5つの連続アミノ酸をコード化する核酸に従い、好ましくは、15から30ヌクレオチドを含む。ヌクレオチドプローブは、適当なシグナルを提供し、かつ例えば、32P、H、14Cのような十分な半減期を有する放射標識物質のような検出可能な物質で標識され得る。用いられ得る他の検出可能な物質は、特異的に標識された抗体、蛍光化合物、酵素、標識抗原に特異的な抗体、および蛍光化合物により認識される抗原を含む。適当な標識物質は、プローブが検出されるべきヌクレオチドにハイブリダイゼーション、および結合する割合、およびハイブリダイゼーションに利用可能なヌクレオチドの量を考慮して選択され得る。Sambrook et al, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2nd ed.)で一般に記載されている様に、標識プローブは、ニトロセルロースフィルター、またはナイロン膜のような固体支持体上の核酸分子にハイブリダイズし得る。核酸プローブを用いて、好ましくはヒト細胞において、KLK9核酸を検出し得る。ヌクレオチドプローブは、KLK9に関与する卵巣癌の診断、該疾患の進行のモニタリング、または治療上の処置のモニタリングにおいても有用であり得る。
【0058】
KLK9核酸の検出は、PCRのような増幅方法を用いて特定の遺伝子配列を増幅した後、当業者にとって既知の技術を用いて増幅された分子を分析することを含む。
【0059】
例えば、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーをPCRに基づくアッセイで使用し、試料由来のhK9コード化核酸分子の一部を増幅し得る。ここで、少なくとも、1つのオリゴヌクレオチドプライマーがhK9をコード化するポリヌクレオチドに特異的(すなわち、ハイブリダイズする)である。次に、増幅されたcDNAは、ゲル電気泳動の様な当該技術分野において既知の技術を用いて分離され、そして検出される。
【0060】
アッセイ条件下でのハイブリダイゼーションを最大にするために、本発明の方法で使用されるプライマーおよびプローブは、一般に、hK9をコード化するポリヌクレオチドの一部に対して少なくとも約60%、好ましくは、約75%、そしてより好ましくは、少なくとも約90%同一性を有する;つまり、それは、少なくとも約10ヌクレオチド長、好ましくは、少なくとも20ヌクレオチド長である。ある実施態様において、プライマーおよびプローブは、少なくとも約10〜40ヌクレオチド長である。
【0061】
本明細書に記載のハイブリダイゼーション技術および増幅技術を用いて、KLK9核酸発現の性質的側面および量的側面をアッセイし得る。例えば、RNAが、KLK9を発現すると知られている細胞型または組織型から単離され、そして、本明細書で言及するハイブリダイゼーション技術(例えば、標準的ノーザン分析)およびPCR技術を利用して試験され得る。
【0062】
プライマーおよびプローブは、上記の方法において、生検または切除より得られた患者組織の組織セクション(固定および/または凍結)で切片上、すなわち、直接用いられ得る。
【0063】
本発明の態様において、PCRが逆転写と組み合わせて応用されている逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)を使用する方法が提供される。一般に、RNAは標準的技術を用いて試料組織から抽出され(例えば、Chomcynski and Sacchi, Anal. Biochem. 162:156-159, 1987に記載される様なグアニジンイソチオネート抽出)、そして逆転写されてcDNAが生成される。cDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応法の鋳型として用いられる。cDNAは、少なくとも1つがhK9配列に対して特異的にデザインされている、1組のプライマーにハイブリダイズされる。プライマーと鋳型がアニーリングすると、DNAポリメラーゼが働いてプライマーより伸長され、鋳型のコピーが合成される。DNA鎖が変性され、そして該手順が、十分なDNAが生成されて、エチジウムブロマイド染色およびアガロース電気泳動により目に見えるようになるまで、何度も繰り返される。
【0064】
増幅反応は、卵巣癌が疑われる対象、および卵巣癌に罹患していないか、または進行期の疾病の個体から得られた試料で行われ得る。反応は、少なくとも2オーダーの大きさにわたっている、いくつかの希釈度のcDNAで行われ得る。非癌性試料または後期癌試料の同一希釈度と比較した場合、いくつかの希釈度の対象試料の発現の統計的に十分な差は、卵巣癌の存在が陽性であると考えられ得る。
【0065】
KLK9核酸由来のオリゴヌクレオチドまたはより長いフラグメントは、マイクロアレイの標的として用いられ得る。マイクロアレイを用いて、多数の遺伝子の発現レベルが同時にモニタリングされ、そして遺伝子変異体、突然変異体、および多型が同定され得る。マイクロアレイの情報を用いて、遺伝子機能を決定し、疾患の遺伝的基礎を理解し、疾患を診断し、そして治療剤の活性を発展させかつモニタリングし得る。
【0066】
マイクロアレイの調製、使用、および解析は、当業者にとってよく知られている(例えば、Brennan, T. M. et al. (1995) 米国特許番号第5,474,796号;Schena, et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619; Baldeschweiler et al. (1995)PCT出願番号第WO95/251116号;Shalon, D. et al. (I 995) PCT出願番号第WO95/35505号;Heller, R. A. et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94:2150-2155;およびHeller, M. J. et al. (1997)米国特許番号第5,605,662号を参照)。
【0067】
タンパク質方法
結合物質は、様々な診断方法およびアッセイ方法に用いられ得る。試料中の標的分子を検出するための結合物質を用いる、当該技術者に既知の様々なアッセイフォーマットが存在する(例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988を参照)。一般に、対象中の癌の存在または非存在は、(a)結合物質と対象由来の試料を接触させること;(b)結合物質に結合する試料中のポリペプチドレベルを測定すること;および(c)事前に決定した標準値またはカットオフ値とポリペプチドレベルを比較すること、により決定され得る。
【0068】
「結合物質」は、hK9タンパク質に特異的に結合するポリペプチドまたは抗体のような物質を意味している。物質が検出可能なレベルでhK9と反応し、かつ検出可能なレベルでは無関係の配列または別のカリクレインの配列を含有するペプチドと反応しなければ、hK9に「特異的に結合している」。結合特性は、当業者によりすぐに行われ得るELISAを用いて、評価され得る(例えば、Newton et al , Develop. Dynamics 197: 1-13, 1993を参照されたい)。
【0069】
結合物質は、ペプチド成分、RNA分子、またはポリペプチドを伴うかまたは伴わないリボソームであり得る。結合物質は、hK9配列を含むペプチド、そのペプチド変異体、または該配列の非ペプチド模倣物であり得る。例えば、hK9配列は、hK9により仲介される機能を調節できるhK9のペプチド部分であり得る。
【0070】
ある別の好ましい実施態様において、結合物質は抗体である。hK9タンパク質と特異的に反応する抗体、または酵素結合物または標識誘導体のような誘導体と特異的に反応する抗体を用いて、様々な試料中(例えば、生物学的材料)のhK9タンパク質を検出し得る。それらは、診断試薬または予後診断試薬として用いられ得るし、かつそれらを用いて、hK9発現レベルの異常、またはhK9の構造、および/または時間的位置、組織の位置、細胞の位置、または細胞下の位置の異常を検出し得る。抗体を用いて、hK9タンパク質に関与する疾患(例えば、卵巣癌)、および他の状態への影響を試験管内で測定するための可能性のある治療化合物もスクリーニングし得る。試験管内の免疫アッセイを用いて、特定の治療の効果を評価またはモニタリングすることもできる。
【0071】
ある態様において、本発明は、検出可能な物質で直接または非直接標識されているhK9に特異的な抗体と試料を反応させること、および検出可能な物質を検出することを含む、対象由来の生物学的試料のhK9の定量により、対象中の卵巣癌腫をモニタリングまたは診断する診断方法を提供する。
【0072】
ある実施態様において、本発明は、個体中の卵巣癌の進行をモニタリングする方法を意図し、該方法は、
(a)個体由来の試料とhK9タンパク質に結合する大量の抗体を接触させて、抗体と試料中のhK9抗体を含む2元複合体を形成すること;
(b)試料中の形成複合体の存在または量を測定または検出すること;
(c)より後の期間のある点で、ステップ(a)および(b)を繰り返すこと;および
(d)ステップ(c)の結果とステップ(b)の結果を比較すること、ここで、形成複合体の量の差が、該個体の卵巣癌のステージおよび/または進行を示す、を含む。
【0073】
複合体の量はまた、卵巣癌に対するリスクのない個体、または異なるステージの卵巣癌に罹患している個体由来の複合体量の相対値と比較され得る。
【0074】
抗体は、hK9タンパク質の抗原決定基と抗体との結合作用に基づく任意の既知の免疫アッセイにおいて用いられ得る。かかるアッセイの例は、ラジオイムノアッセイ、酵素免疫アッセイ(例えば、ELISA)、免疫蛍光、免疫沈降、ラテックス凝集、赤血球凝集、および組織化学的試験である。該用語は当業者によく理解される。当業者は、不必要な実験をすることなく、別の免疫アッセイフォーマットを認知するか、または容易に認めることができる。
【0075】
抗体を、例えば、細胞レベルおよび細胞下のレベルでの免疫組織化学分析で用いて、hK9タンパク質を検出し、特に卵巣癌細胞および組織、および細胞下の位置に対する場所を示し、かつ発現レベルを定量し得る。
【0076】
本発明で使用する抗体は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、免疫学的に活性なフラグメント(例えば、Fabフラグメントまたは(Fab)フラグメント)、抗体の重鎖、ヒト化抗体、抗体の軽鎖、一般的に設計された一本鎖F分子(Ladner et al,米国特許番号第4,946,778号)、キメラ抗体、例えば、マウス抗体の結合特異性を有するが、残りの部分がヒト起源、または酵素結合体または標識誘導体の様な誘導体のものである抗体を含む。
【0077】
モノクローナルおよびポリクローナル抗体、フラグメント、およびキメラを含む抗体は、当業者に既知の方法を用いて調製され得る。単離された天然のhK9または組み換えhK9を利用して、抗体を調製し得る。例えば、Kohler et al. (1975) Nature 256:495-497; Kozbor et al. (1985) J. Immunol Methods 81:31-42;Cote et al. (1983) Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030;およびモノクローナル抗体の調製のため、Cole et al. (1984) Mol Cell Biol 62:109-120;モノクローナルFabフラグメントの調製のため、Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281;および抗体を同定するためのファージミドまたはBリンパ球免疫グロブリンライブラリーの調製のため、Pound (1998) Immunochemical Protocols, Humana Press, Totowa, N.Jを参照されたい。本発明の方法で用いられるhK9に特異的な抗体は、科学的供給源、または商業的供給源からも得られ得る。
ある実施態様において、10−7Mより大きいかまたは等しいKaで結合するなら、抗体はhK9に対して反応性である。本発明のサンドウィッチ免疫アッセイにおいて、マウスポリクローナル抗体およびウサギポリクローナル抗体が利用され得る。
【0078】
hK9に結合する抗体が検出可能な物質で標識され、そして検出可能な物質の存在に基づいて、生物学的試料中の場所が決定され得る。検出可能な物質の例は、以下の:放射線同位体(例えば、H、14C、35S、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド蛍光体);ルミノールのような発光標識;酵素標識(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、アセチルコリンエステラーゼ)、ビオチニル基(印を付けたアビジン、例えば、光学方法または熱量測定方法により検出され得る蛍光マーカーまたは酵素活性を有するストレプトアビジンにより検出され得るもの);および2次レポーター(例えば、ロイシンジッパーペアー配列、2次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)により認識される事前に決定されたポリペプチドエピトープを含むが、これらに限定されない。ある態様において、標識物質は様々な長さのスペーサーアームを介して接触し、潜在的な立体障害を減少させる。抗体は、電子顕微鏡により容易に認識されるフェリチンまたはコロイド性の金のような高電子密度の物質にも結合し得る。
【0079】
主要な抗原抗体反応がhK9に対して反応性の抗体に対して特異性を有する2次抗体の導入により増幅される、直接的方法も使用され得る。例えば、hK9に対して特異性を有する抗体がウサギIgG抗体であるなら、2次抗体は本明細書に記載の検出可能な物質で標識されたヤギ抗ウサギγグロブリンであり得る。
【0080】
上記の抗体結合方法または標識法は、当業者に容易になされ得る(例えば、Inman, Methods In Enzymology, Vol. 34, Affinity Techniques, Enzyme Purification: Part B, Jakoby and Wichek (eds.), Academic Press, New York, p. 30, 1974;およびWilchek and Bayer, "The Avidin-Biotin Complex in Bioanalytical Applications,"Anal. Biochem. 171:1-32, 1988 re methods for conjugating or labelling the antibodies with enzyme or ligand binding partnerを参照)。
【0081】
光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて抗原の場所を決定する、当該技術分野において既知の細胞化学的技術を用いて、hK9タンパク質を検出し得る。一般に、抗体は検出可能な物質で標識され、そして検出可能な物質の存在に基づいて、hK9タンパク質が組織および細胞での場所を決定される。
【0082】
本発明の方法の前後で、試料またはhK9の結合物質(例えば、抗体)が担体または支持体上に固定化され得る。適当な担体または支持体の例は、アガロース、セルロース、ニトロセルロース、デキストラン、セファデックス、セファロース、リポソーム、カルボキシメチルセルロース、ポリアシルアミド、ポリスチレン、ガブロ(gabbros)、濾紙、マグネタチト、イオン交換体レジン、プラスチック膜、プラスチックチューブ、ガラス、ポリアミン−メチルビニル−エチル−マレイン酸共重合体、アミノ酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、ナイロン、シルク等である。支持体の材料は、球状(例えば、ビーズ)、円柱状(例えば、試験チューブの内部表面または壁、または桿体の外部表面)、または扁平状(例えば、シート、テストストリップ)を含む可能な立体配置のいずれかを有し得る。従って、担体は、例えば、チューブ、試験プレート、ウェル、ビーズ、ディスク、球等の形であり得る。固定化された物質は、臭化シアンカップリングの様な既知の化学的方法または物理的方法を用いて、適当な不溶性の担体と物質を反応させることにより調製され得る。結合物質(例えば、抗体)は、抗体に特異的な2次抗体を用いて非直接的に固定化され得る。例えば、マウス抗hK9抗体は、担体または支持体を覆う抗体に特異的なヒツジ抗マウスIgG Fcフラグメントを用いて固定化され得る。
【0083】
放射標識が検出可能な物質として用いられる場合、hK9タンパク質はラジオオートグラフィーにより場所決定され得る。ラジオオートグラフィーの結果は、様々な光学方法または粒子のカウントによるラジオオートグラフの粒子密度の測定により定量され得る。
【0084】
時間分解蛍光測定法を用いて、シグナルを検出し得る。例えば、Christopoulos TK and Diamandis EP Anal Chem 1992:64:342-346に記載の方法が、通常の時間分解蛍光測定で用いられ得る。
【0085】
従って、本発明の実施態様をふまえて、hK9抗体が酵素で標識され、選択された酵素基質を加えて、それにより基質または酵素と基質の反応産物がランタニド金属と免疫複合体を形成する方法が提供される。ランタニド金属が加えられ、そして試料中のhK9が蛍光複合体の蛍光を測定することにより定量される。hK9に特異的な抗体は、酵素で直接または非直接標識され得る。酵素は、酵素基質または酵素と基質の反応産物の可能性に基づいて選択され、ユーロピウムおよびテルビウムのようなランタニド金属と複合体を形成する。
【0086】
該蛍光複合体を形成する酵素および酵素基質の例は、Diamandisの米国特許番号第5,312,922号に記載される。本発明のある態様において、酵素はアルカリホスファターゼまたはβガラクトシダーゼである。例えば、抗体がアルカリホスファターゼで直接または非直接標識されると、方法で使用される基質は4−メチルウンベリフェリルリン酸塩、5−フルオロサリチルリン酸塩、またはジフルニサールリン酸塩であり得る。複合体の蛍光感度は典型的には、時間分解蛍光測定法、例えば、CyberFluor 615 Imunoanalyzer(Nordion International, Kanata, Ontario)を用いて測定される。
【0087】
hK9抗体はまた、酵素で非直接標識され得る。例えば、抗体がリガンド結合ペアーの一方のパートナーに結合し、そして酵素がリガンド結合ペアーのもう一方に結合し得る。代表的な例は、アビジン−ビオチン、およびリボフラビン−リボフラビン結合タンパク質を含む。好ましくは、抗体はビオチン化され、そして酵素はストレプトアビジンに結合する。別の実施態様において、抗hK9抗体に特異的な抗体は酵素で標識される。
【0088】
実施態様により、本発明は、免疫アッセイでhK9を測定することにより、血清試料中のhK9を測定する方法を提供する。様々な免疫アッセイ法を用いて、血清中のhK9を測定できることは、当業者にとって明らかである。一般に、hK9免疫アッセイ法は競合的または非競合的であり得る。競合的方法は典型的には、hK9に対する(抗hK9)固定化抗体または固定化可能な抗体、およびhK9の標識形を使用する。試料のhK9と標識されたhK9は抗hK9に結合するために競合し合う。生じた抗hK9に結合した標識されたhK9(結合分画)を、未結合のままのもの(未結合分画)から分離後、結合分画または未結合分画いずれかの標識物質量が測定され、標準曲線との比較のようないずれかの通常の方法において、試験試料中のhK9の量と相関し得る。
【0089】
好ましくは、非競合的方法は、最も一般的な方法である「サンドウィッチ」法でのhK9の測定に用いられ得る。該アッセイにおいて、2つの抗hK9抗体が使用される。抗hK9抗体の一方が直接または非直接標識され(「検出抗体」として言及される時もある)、そしてもう一方が固定化されるか、または固定化可能である(「捕獲抗体」として言及される時もある)。捕獲抗体および検出抗体は、試験試料と同時または連続して接触させられる。連続方法は、試料と捕獲抗体をインキュベートし、そしてその後、事前に決定した時間で検出抗体を加えるか(「フォワード」法として言及される時もある);または検出抗体がまず、試料とインキュベートされ、そして次に捕獲抗体が加えられる(「リバース」法として言及される時もある)ことによりなされ得る。必要なインキュベーションがされてアッセイが完了した後、捕獲抗体が試験混合液から分離され、そして標識物質が、分離された捕獲抗体相または残りの試験混合液の少なくとも一部において測定される。一般に、捕獲抗体と検出抗体(の間の「サンドウィッチ」)により結合したhK9を含むので、捕獲抗体相で測定される。
【0090】
hK9についての典型的な2部位イムノメトリックアッセイにおいて、捕獲抗体および検出抗体の一方または両方がポリクローナル抗体であるか、または捕獲抗体および検出抗体の一方または両方がモノクローナル抗体である(すなわち、ポリクローナル/ポリクローナル、モノクローナル/モノクローナル、またはモノクローナル/ポリクローナル)。検出抗体に用いられる標識物質は、当該技術分野において既知のいずれかのものから選択され得る。該標識物質は、酵素または化学発光部分であり得るし、かつ放射性アイソトープ、フルオロフォア、検出可能なリガンド(例えば、標識されたリガンドの結合パートナーによる2次結合により検出可能である)等でもあり得る。好ましくは、抗体は、選択された基質を加えて、それにより、酵素と基質の反応産物が蛍光複合体を形成することにより、検出される酵素で標識される。捕獲抗体が選択され、残りの試験混合液から分離される方法を提供する。従って、捕獲抗体は、既に固定化された形または不溶性の形でアッセイに導入され得るか、または固定化可能な形、すなわち、固定化が、アッセイへの捕獲抗体の導入に連続してなされることを可能とする形であり得る。固定化捕獲抗体は、磁気粒子、ラテックス粒子、マイクロタイタープレート、ビーズ、キュベット、または他の反応容器の様な固体相に共有結合または非共有結合した抗体を含み得る。固定化捕獲抗体の例は、リガンド部分(例えば、ハプテン、ビオチン等)で化学的に変更された抗体であり、かつ固定化形のリガンドの結合パートナー(例えば、抗体、アビジン等)との結合により連続して固定化され得る抗体である。ある実施態様において、捕獲抗体は、固体相に結合する捕獲抗体に対する種特異的な抗体を用いて固定化され得る。
【0091】
本発明の特定のサンドウィッチ免疫アッセイ方法は、酵素標識されたhK9に対して反応する抗体に対して特異的な2次抗体、および酵素の蛍光発生基質である、hK9に対して反応する2つの抗体を使用する。ある実施態様において、酵素はアルカリホスファターゼ(ALP)であり、そして基質は5−フルオロサリチルリン酸塩である。ALPは、5−フルオロサリチルリン酸塩である基質の外側のリン酸塩を切断して、5−フルオロサリチル酸(FSA)を生成する。次に、5−フルオロサリチル酸は、時間分解蛍光測定法でのTb3+蛍光の測定により定量され得るFSA−Tb(3+)−EDTA形の高蛍光3元複合体を形成し得る。蛍光強度は、上記の時間分解蛍光測定法を用いて測定される。
【0092】
上記の免疫アッセイ法およびフォーマットは典型的なものであると意図され、かつ一般に、いずれかの免疫アッセイおよびフォーマットが本発明で用いられることが理解されるので、制限されない。
【0093】
画像化方法
hK9に結合する結合物質、特に抗体が、卵巣癌の管理での画像化方法において用いられ得る。本発明は、1またはそれ以上のカリクレイン、好ましくは、卵巣癌と関連するカリクレイン、最も好ましくはhK9と関連する腫瘍の画像化方法を提供する。
【0094】
本発明は、卵巣癌の複数のマーカーを用いる上記の画像化方法も意図している。例えば、卵巣癌の画像化方法は、ヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、ハプトグロビンα、オステオポンチン、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン10、カリクレイン11、CA125、CA15−3、CA19−9、CA72−4、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)、クレアチンキナーゼBB、または癌胎児性抗原(CEA)に結合する1またはそれ以上の物質を患者に投入することをさらに含み得る。好ましくは、それぞれの物質は標識され、それ故、画像化で区別され得る。
【0095】
ある実施態様において、該方法は生体内の方法であり、そして対象または患者は、画像化標識を運び、そしてカリクレインを標的とするか、またはカリクレインに結合できる1またはそれ以上の物質を投与される。物質は、生体内でインキュベートされ、そして腫瘍、好ましくは卵巣腫瘍と関連するカリクレインに結合可能とされている。標識物質の存在は、卵巣癌に対して場所が示され、そして場所が示された標識物質は、当業者に既知の画像化装置を用いて検出される。
【0096】
結合物質は、カリクレインを認識する抗体または化学物質であり得る。本発明の態様において、該物質はポリクローナルまたはモノクローナル抗体、またはそのフラグメント、または一本鎖抗体、二重特異的抗体、分子認識ユニット、およびペプチドを模倣したペプチドまたは成分を含むがこららに制限されないその構造物である。本発明の方法で用いられるカリクレインに特異的な抗体は、科学的供給源または商業的供給源から得られるか、または単離された天然のカリクレインまたは組み換えカリクレインを利用して、上記の抗体を調製し得る。
【0097】
物質は、カリクレインに特異的な抗体のエピトープを模倣して、カリクレインに結合するペプチドであり得る。ペプチドは、通常の固体化学反応を用いて、市販の合成機で製造され得る。例えば、チロシンリジンまたはフェニルアラニンのいずれかを含み、Nキレート剤と結合するペプチド調製され得る(米国特許番号第4,897,255号)。次に、抗カリクレインペプチド結合体は、放射線標識物質(例えば、過テクネチウム酸ナトリウム99mTcまたは過レニウム酸ナトリウム188Re)と結合し、そしてそれを用いて腫瘍生成カリクレインの場所を決定し得る。
【0098】
物質は標識物質を運び、そしてカリクレインを画像化する。該物質は、放射性核種画像化で使用するために標識され得る。具体的には、該物質は、放射線同位体で直接または非直接標識され得る。本発明で用いられ得る放射線同位体の例は、以下の:277Ac、211At、128Ba、131Ba、Be、204Bi、205Bi、206Bi、76Br、77Br、82Br、109Cd、47Ca、11C、14C、36Cl、48Cr、51Cr、62Cu、64Cu、67Cu、165Dy、155Eu、18F、153Gd、66Ga、67Ga、68Ga、72Ga、198Au、H、166Ho、111In、113mIn、115mIn、123I、125I、131I、189Ir、191mIr、192Ir、194Ir、52Fe、55Fe、59Fe、177Lu、15O、191m−191Os、109Pd、32P、33P、42K、226Ra、186Re、188Re、82mRb、153Sm、46Sc、47Sc、72Se、75Se、105Ag、22Na、24Na、89Sr、35S、38S、177Ta、96Tc、99mTc、201Tl、202Tl、113Sn、117mSn、121Sn、166Yb、169Yb、175Yb、88Y、90Y、62Znおよび65Znである。好ましくは、放射線同位体は、131I、125I、123I、111I、99mTc、90Y、186Re、188Re、32P、153Sm、67Ga、201Tl、77Br、または18Fであり、そして、ホトスキャニング装置で画像化される。
【0099】
放射線アイソトープで生物学的物質を標識する方法は、当該技術分野で一般に既知である。米国特許番号第4,302,438号は、トリチウム標識法を記載している。マウスモノクローナル抗体に特に適合させたヨウ素化法、トリチウム標識法、および35S標識法がGoding, J. W. (supra, pp 124-126)により記載され、そして本明細書に引用される。抗体、その結合部分、プローブ、またはリガンドの様な生物学的物質の別のヨウ素化法は、科学文献(Hunter and Greenwood, Nature 144:945 (1962), David et al., Biochemistry 13:1014-1021 (1974)、および米国特許番号第3,867,517号および4,376,110号を参照)に記載されている。物質のヨウ素化法は、Greenwood, F. et al., Biochem. J. 89:114-123 (1963); Marchalonis, J., Biochem. J. 113:299-305 (1969);およびMorrison, M. et al., Immunochemistry, 289-297 (1971)により記載されている。99mTc標識法は、Rhodes, B. et al. in Burchiel, S. et al. (eds.), Tumor Imaging: The Radioimmunochemical Detection of Cancer, New York: Masson 111-123 (1982)により記載され、そして本明細書に引用される。テクネチウム−99mでの抗体またはフラグメントの標識は、例えば、米国特許番号第5,317,091号、米国特許番号第4,478,815号、米国特許番号第4,478,818号、米国特許番号第4,472,371号、米国特許番号第Re32,417号および米国特許番号第4,311,688号でも記載されている。生物学的物質の111In−標識の適当な方法は、Hnatowich, D. J. et al., J. Immul. Methods, 65:147-157 (1983), Hnatowich, D. et al., J. Applied Radiation, 35:554-557 (1984),およびBuckley, R. G. et al., F.E.B.S. 166:202-204 (1984)により記載されている。
【0100】
物質は、本発明の生体内での方法のため、常磁性同位体で標識され得る。磁気共鳴画像化で有用な元素の例は、ガドリニウム、テルビウム、スズ、鉄、またはその同位体を含む(例えば、インビボの核磁気共鳴イメージ化のため、Schaefer et al., (1989) JACC 14, 472-480; Shreve et al., (1986) Magn. Reson. Med. 3, 336-340; Wolf, G L., (1984) Physiol. Chem. Phys. Med. NMR 16, 93-95; Wesbey et al., (1984) Physiol. Chem. Phys. Med. NMR 16, 145-155; Runge et al., (1984) Invest. Radiol. 19, 408-415を参照)。
【0101】
放射線標識物質の場合、物質が患者に投与され、該物質が結合することでカリクレインを有する腫瘍の場所が決定され、例えば、ガンマカメラまたは放出断層撮影を用いる放射線核走査のような既知の技術を用いて、検出または生体内で画像化される(例えば、A. R. Bradwell et al., "Developments in Antibody Imaging", Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy, R. W. Baldwin et al., (eds.), pp. 65-85 (Academic Press 1985)を参照されたい)。Brookhaven National LaboratoryのPet VIの様なポジトロン放出断層撮影走査も、放射線物質がポジトロン(例えば、11C、18F、15O、および13N)を放出するところで、用いられ得る。
【0102】
放射線同位体で標識した物質を用いる全身の画像化技術は、原発性腫瘍および転移した腫瘍の両方の場所を決めるために用いられ得る。カリクレインに特異的な抗体または同一のエピトープ特性を有するそのフラグメントは、適当な放射線同位体またはその組合せと結合し、そして非経口で投与される。卵巣癌に関して、投与は好ましくは、静脈内投与である。標識物質の体内分布がシンチグラフィーによりモニタリングされ、そして蓄積した標識物質が卵巣癌細胞の存在と関係する。全身の画像化技術は、米国特許番号第4,036,945号および4,311,688号に記載されている。抗体および抗体フラグメントに結合できる、診断および治療上の使用に有用な物質の他の例は、メタロチオネインおよびフラグメントである(米国特許番号第4,732,864を参照)。該物質は、癌、具体的には卵巣癌の診断段階および視覚化において有用であり、故に、外科的治療および/または放射線治療のプロトコールがより効果的に用いられ得る。
【0103】
物質は生物発光標識物質または化学発光標識物質を運び得る。該標識物質は、蛍光、生物発光、または化学発光であると知られているポリペプチド、または特定の基質(試薬)の酵素として働くポリペプチド、または蛍光分子、生物発光分子または化学発光分子を生じ得るポリペプチドを含む。生物発光標識物質または化学発光標識物質の例は、ルシフェラーゼ、エクオリン、オベリン(obelin)、ニミオプシン(mnemiopsin)、ベロビン(berovin)、フェナントリジニウムエステル、およびそのバリエーションおよび組合せを含む。生物発光ポリペプチドまたは化学発光ポリペプチドの基質はまた、本発明の方法で利用され得る。例えば、化学発光ポリペプチドは、ルシフェラーゼおよびルシフェリン試薬であり得る。生物発光標識物質または化学発光標識物質の基質は、該物質の投与の前、投与と同時(例えば、同一製剤中)、または投与の後に投与され得る。
【0104】
物質は、メタロポルフィリンのような金属とキレートしたポリペプチドの様な常磁性化合物を含み得る。常磁性化合物は、ランタニド(例えば、Gd)または酸化鉄を含むナノ粒子のような単結晶ナノ粒子;またはランタニドを含む金属イオンも含み得る。「ランタニド」は、原子番号58〜70の元素、原子番号21〜29、42、または44の遷移金属、Gd(III)、Mn(II)、またはFe元素を含む分子を意味している。常磁性化合物は、酸化鉄ネオジム(NdFeO)または酸化鉄ジスプロシウム(DyFeO)も含み得る。磁気共鳴画像化において有用な元素の例は、ガドリニウム、テルビウム、スズ、鉄、またはその同位体を含む(例えば、生体内核磁気共鳴画像化の考察のため、Schaefer et al., (1989) JACC 14, 472-480; Shreve et al., (1986) Magn. Reson. Med. 3, 336-340; Wolf, G L., (1984) Physiol. Chem. Phys. Med. NMR 16, 93-95; Wesbey et al., (1984) Physiol. Chem. Phys. Med. NMR 16, 145-155; Runge et al., (1984) Invest. Radiol. 19, 408-415を参照されたい)。
【0105】
画像化は、本発明の方法では、コンピューター断層法(CAT)、磁気共鳴分光(MRS)画像化法、磁気共鳴画像化法(MRI)、ポジトロン放出断層法(PET)、単光子放出コンピュータ断層法(SPECT)、または生物発光画像化法(BLI)または同等のものによりなされ得る。
【0106】
当該技術分野においてよく知られているコンピュター断層法(CAT)およびコンピューター断層写真(CAT)システムおよび装置が、本発明の実施において利用され得る(例えば、米国特許番号第6,151,377;5,946,371;5,446,799;5,406,479;5,208,581;5,109,397号を参照)。本発明は、MicroCAT.TM.(ImTek, Inc.)のような動物画像診断法も利用し得る。
【0107】
当該技術分野においてよく知られている磁気共鳴画像化(MRI)システムおよび装置が、本発明の実施で利用される。磁気共鳴法および装置においては、静磁場が該領域の磁場整列の平行軸を定義するために、組織または体に適用される。次に、高周波の磁場が、静磁場方向と直角の方向で該領域に適用されて、該領域で磁気共鳴が生じる。次に、生じた高周波シグナルが検出され、そして処理され、そして発生した高周波の磁場が適用される。生じたシグナルは、組織または該体の領域に隣接して置かれている高周波コイルにより、検出される(MRI法および装置の記載について、米国特許番号第6,151,377;6,144,202;6,128,522;6,127,825;6,121,775;6,119,032;6,115,446;6,111,410;602,891;5,555,251;5,455,512;5,450,010;5,378,987;5,214,382;5,031,624;5,207,222;4,985,678;4,906,931;4,558,279号を参照されたい)。MRIおよび補助装置は、例えば、Bruker Medical GMBH; Caprius; Esaote Biomedica; Fonar; GE Medical Systems (GEMS); Hitachi Medical Systems America; Intermagnetics General Corporation; Lunar Corp.; MagneVu; Marconi Medicals; Philips Medical Systems; Shimadzu; Siemens; Toshiba America Medical Systems;(例えば、Silicon Graphicsによる画像化システムも含む)から市販されている。本発明は、マイクロMRIのような動物画像診断法も利用し得る。
【0108】
当該技術分野でよく知られているポジトロン放出断層撮影画像化(PET)システムおよび装置が、本発明の実施で利用され得る。例えば、本発明の方法は、Brookhaven National LaboratoryのPet VIと名付けられたシステムを利用し得る。PETシステムおよび装置の記載については、例えば、米国特許番号第6,151,377;6,072,177;5,900,636;5,608,221;5,532,489;5,272,343;5,103,098号を参照されたい。マイクロPET(Corcorde Microsystems, Inc.)のような動物画像化診断法も本発明において用いられ得る。
【0109】
当該技術分野でよく知られている単光子放出コンピュータ断層法(SPECT)システムおよび装置が、本発明の実施で利用され得る(例えば、米国特許番号第6,115,446;6,072,177;5,608,221;5,600,145;5,210,421;5,103,098号を参照)。本発明の方法は、マイクロSPECTのような動物画像診断法も利用する。
【0110】
生物発光画像化法は、生物発光、蛍光または化学発光、または生物発光、蛍光または化学発光を検出可能な別の光子検出システムを含む。高感度の光子検出システムを用いて、生物発光タンパク質または蛍光タンパク質を外から検出できる;例えば、Contag (2000) Neoplasia 2:41-52; Zhang (1994) Clin. Exp. Metastasis 12:87-92を参照されたい。本発明の方法は、該光子検出装置、またはそのバリエーションまたは同等なもののいずれかを用いて、または視覚化画像化法を含む既知の光子検出法のいずれかと組み合わせて行われ得る。例えば、画像処理プロセッサーと組み合わせた強化電荷結合素子(ICCD)カメラが本発明で用いられ得る(例えば、米国特許番号第5,650,135号を参照)。光子検出装置はXenogen, Hamamatsueからも市販されている。
【0111】
キット
本発明は、本発明の方法を行うキットも意図している。該キットは、典型的には、診断アッセイを行うのに必要な2またはそれ以上の構成要素を含む。該構成要素は、化合物、試薬、容器、および/または装置を含むが、これらに制限されない。
【0112】
本明細書に記載の方法は、少なくとも1つの特定のKLK9核酸または抗体のうち少なくとも1つを含む包装前の診断キットの利用により行われ、そして例えば、臨床現場でうまく用いられて、患者の診断およびスクリーニング、および該疾患を発生する素因を示す個体を同定し得る。
【0113】
ある実施態様において、キットを含む容器が上記の結合物質を含む。例えば、キットは、hK9に特異的な抗体、酵素で標識された抗hK9抗体に対する抗体、および酵素の基質を含み得る。キットは、マイクロタイタープレートウェル、標準物質、アッセイ希釈液、洗浄バッファー、接着性プレートカバー、および/またはキットを用いて本発明の方法を行う説明書を含む。
【0114】
本発明のある態様において、使用前にさらに希釈され得る濃度(凍結乾燥組成物を含む)、または1またはそれ以上の用量を含み得るバイアルの使用濃度のいずれかで、該キットは、カリクレイン9のエピトープに特異的に結合する抗体または抗体フラグメント、および腫瘍細胞と関連する該エピトープへの抗体結合を検出する方法を含む。キットが生体内での使用を意図される場合、必要量および必要濃度の物質を有する1用量は、清潔容器で提供され得る。該キットが生体内の画像化のための放射線標識された抗体調製物を含む場合のように、直接使用する剤形を提供する容器は、一般に、他の試薬を必要としない。
【0115】
キットを設計して、試料中のhK9コード化核酸分子レベルを検出し得る。該キットは、一般に、上記のhK9タンパク質をコード化するポリヌクレオチドにハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーを含む。該オリゴヌクレオチドは、例えば、PCRまたはハイブリダイゼーション法で用いられ得る。キット内に追加で存在し得る構成要素は、hK9タンパク質をコード化するポリヌクレオチドの検出を促進するための2次オリゴヌクレオチドおよび/または診断試薬を含む。
【0116】
治療方法
hK9は卵巣癌免疫療法の標的である。該免疫療法は、抗体を使用する治療、生体内ワクチン、および生体外免疫療法を含む。
【0117】
1つの態様において、本発明は、卵巣癌を処置するために全身性に用いられ得るhK9抗体を提供する。好ましくは、腫瘍細胞は標的とするが、隣接する非腫瘍細胞および組織は標的としない抗体が用いられる。従って、本発明は、hK9を発現する癌の影響を受けやすいか、または癌を有する患者を処置する方法を提供し、該方法は、患者にhK9に特異的に結合する有効量の抗体を投与することを含む。別の態様において、本発明は、hK9を発現する腫瘍細胞の成長を阻害する方法を提供し、該方法は、患者に、腫瘍細胞の成長を阻害するのに有効な量でhK9に特異的に結合する抗体を投与することを含む。hK9抗体は、hK9を発現する細胞の成長を選択的に阻害するかまたは傷害する方法でも用いられ、該方法は、細胞の成長を阻害するかまたは傷害するのに十分な量で、hK9抗体免疫複合体または免疫毒素を細胞と接触させることを含む。
【0118】
例えば、未結合のhK9抗体が患者に導入され、該抗体はhK9発現癌細胞に結合し、補体介在性細胞溶解、抗体依存性細胞傷害、hK9の生理機能の変化、および/またはリガンド結合またはシグナル伝達経路の阻害を含む作用により、該細胞および組織の成長阻害(破壊を含む)を仲介する。未結合のhK9抗体に加えて、治療物質に結合したhK9抗体(例えば、免疫複合体)も治療上用いられて、hK9発現腫瘍細胞に直接物質を運び、そしてそれにより、該腫瘍を破壊し得る。該物質の例は、アブリン、リシンA、Pseudomonas外毒素、またはジフテリア毒素;腫瘍壊死因子のようなタンパク質、インターフェロンα、インターフェロンβ、神経成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲンアクチベーター;およびリンホカイン、インターロイキン−1、インターロイキン−2、インターロイキン−6、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、または他の成長因子のような生物学的応答調節物質を含む。
【0119】
hK9抗体を用いる癌免疫療法は、大腸癌(Arlen et al., 1998, Crit Rev Immunol 18: 133-138)、多発性骨髄腫(Ozaki et al., 1997, Blood 90: 3179-3186; Tsunenati et al., 1997, Blood 90: 2437-2444)、胃癌(Kasprzyk et al., 1992, Cancer Res 52: 2771-2776)、B細胞性リンパ腫(Funakoshi et al., 1996, J Immunther Emphasis Tumor Immunol 19: 93-101)、白血病(Zhong et al., 1996, Leuk Res 20: 581-589)、結腸直腸癌(Moun et al., 1994, Cancer Res 54: 6160-6166; Velders et al., 1995, Cancer Res 55: 4398-4403)、および乳癌(Shepard et al., 1991, J Clin Immunol 11: 117-127)を含むがこられに制限されない癌のために、うまく利用されてきた様々な方法を利用し得る。
【0120】
本発明の方法を実施する際には、hk9を発現する癌細胞の成長を阻害できる抗hK9抗体が、腫瘍がhK9を発現しているかまたは過剰発現している癌患者に、治療上有効な量で投与される。本発明の抗体療法は、化学療法および放射線療法を含む他の治療法と組み合わせられ得る。
【0121】
患者は、腫瘍中のhK9発現および過剰発現の存在およびレベルについて、好ましくは、腫瘍組織の免疫組織化学評価、上記の定量的hK9画像化法、またはhK9発現の存在または程度を確実に示すことができる他の技術を用いて、調べられる。腫瘍生検または外科標本の免疫組織化学解析が、該目的のために使用され得る。
【0122】
癌の処置に有用な抗hK9抗体は、腫瘍に対して有効な免疫応答を開始できるもの、および細胞毒性を支持できるものを含む。これと関連して抗hK9抗体が、共に、エフェクター細胞のFc受容体部位との相互作用のための免疫グロブリン分子のインタクトFc部分または補体タンパク質を必要とする、補体介在性または抗体依存性細胞傷害(ADCC)作用のいずれかにより、腫瘍細胞の溶解を導き得る。加えて、腫瘍細胞の成長に生物学的に直接作用する抗hK9抗体が、本発明の実施で有用である。該抗体は、作用を及ぼすための完全免疫グロブリンを必要としない。該直接細胞傷害性抗体が働き得ることによる可能性のある作用は、細胞成長の阻害、細胞分化の調節、腫瘍血管形成誘導因子の調節、およびアポトーシスの誘導を含む。特定の抗体が抗腫瘍作用を発揮することによる作用は、ADCC、抗体依存性マクロファージ介在性細胞毒性(ADMMC)、補体介在性細胞溶解、および当該技術分野で既知のものを測定するためにデザインされた任意の数の試験管内アッセイを用いて、調べられ得る。
【0123】
特に抗hK9抗体の抗腫瘍活性、または抗hK9抗体との組合せが、適当な動物モデルを用いて生体内で調べられ得る。ヒト癌移植片または継代された異種移植片組織がヌードマウスまたはSCIDマウスの様な免疫易感染性動物に導入される異種間癌モデルが、利用され得る。
【0124】
本発明の方法は、1つの抗hK9抗体、異なるエピトープまたは別のカリクレインを認識するような異なる個体の抗体の組合せ、または「カクテル」の投与を意図している。該カクテルは、異なるエピトープまたはカリクレインに結合するか、かつ/または異なるエフェクター作用を有効に使うか、または免疫エフェクター作用性による抗体と、細胞傷害性抗体を直接結合させる抗体を含有するため、ある有利さを有する。該抗体の組合せは、治療の相互作用を示し得る。加えて、抗hK9抗体の投与は、化学療法物質、アンドロゲンブロッカー、および免疫調節因子(例えば、IL2、GM−CSF)を含むがこれらに制限されない他の治療薬と組合せられ得る。抗hK9抗体は、「未感作」または未結合形で投与され得るか、またはそれらに結合した治療物質を有し得る。
【0125】
本発明の方法の実施において用いられる抗hK9抗体は、所望の輸送方法に適当な担体を含む医薬組成物へと製剤され得る。適当な担体は、抗体と結合した際、抗腫瘍機能は保持されるが、対象の免疫系とは反応しない任意の物質を含む。例えば、清潔なリン酸緩衝食塩水溶液、殺菌水等の様な多くの標準的医薬担体のいずれかを含む(一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences 16.sup.th Edition, A. Osal., Ed., 1980を参照)。
【0126】
抗hK9抗体製剤は、腫瘍部位へと抗体を運ぶことが可能ないずれかのルートを経由して投与され得る。投与ルートは、静脈内ルート、腹腔内ルート、筋肉内ルート、腫瘍内ルート、皮内ルート等を含むが、これらに制限されない。好ましくは、投与ルートは静脈内注射によるものである。抗hK9抗体製剤は凍結乾燥され、そして、清潔な散剤として、好ましくは真空下で保管され、続いて投与の前に、例えば、ベンゼンアルコール防腐剤を含む殺菌水、または清潔な水で再構成され得る。
【0127】
処置は一般に、静脈内注射(IV)の様な適当な投与ルートを経由した、有効用量の抗体製剤の繰り返し投与を含む。用量は、当業者により一般的に認められている、癌タイプおよび重症度、癌の悪性度、またはステージ、用いられる抗体の結合親和性および半減期、患者のhK9発現量、循環hK9抗原の程度、所望の定常状態の抗体濃度レベル、処置の頻度、および本発明の処置方法と組み合わせて用いられるいずれかの化学療法物質の影響を含む様々な因子に依存する。一日当たりの用量は、約0.1〜100mg/kgであり得る。一週間当たりより高い用量でさえ適当でありかつ/許容性が良好であるが、1週間当たり10〜500mgの範囲の抗体用量が有効でありかつ許容性が良好であり得る。適当な用量を明らかにする際の決定因子は、特定の状況において、治療上有効であることを必要とする特定の抗体の量である。繰り返し投与は、腫瘍阻害または抗体を達成するために必要とされる。hK9の直接投与は可能でもあり、かつある状況下では利点があり得る。
【0128】
患者は、最も有効な投与計画および関連因子の決定の際に助けとするために血清hK9について調べられ得る。上記のhK9アッセイ方法、または類似のアッセイが、処置前に、患者の循環hK9レベルを定量するためになされる。該アッセイは、治療の間中モニタリングするためにも用いられ得るし、血清hK9レベルの様な他のパラメーターの評価と組み合わせて治療の成功を判断するのに有用であり得る。
【0129】
本発明は、hK9タンパク質またはそのフラグメントを含有するように調剤されたワクチンをさらに提供する。ある実施態様において、本発明は、個体にhK9に対するワクチン接種する方法を提供し、該方法は、活性を失っているhK9タンパク質またはそのフラグメントを個体に接種すること、ここで該接種が個体の免疫応答を引き起こし、それにより、hK9に対して個体をワクチン接種することを含む。
【0130】
液性免疫および細胞介在性免疫を生じるためのワクチン中の腫瘍抗原の抗癌療法での使用はよく知られており、かつ例えば、ヒトPSMAおよびげっ歯類PAP免疫原(Hodge et al., 1995, Int. J. Cancer 63: 231-237; Fong et al., 1997, J. Immunol. 159: 3113-3117)を用いて、前立腺癌において使用されてきた。該方法は、hK9タンパク質、またはそのフラグメント、またはhK9コード化核酸分子、発現可能な組み換えベクターの使用、およびhK9免疫原の適切な提示によりなされ得る。
【0131】
例えば、ウイルスの遺伝子輸送システムを用いて、hK9コード化核酸分子を運び得る。本発明の該態様の実施において用いられ得る様々なウイルスの遺伝子輸送システムは、ワクシニアウイルス、鶏痘ウイルス、カナリア痘ウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、ポリオウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、およびシンドビス(sindbus)ウイルスを含むが、これらに制限されない(Restifo, 1996, Curr. Opin. Immunol. 8: 658-663)。非ウイルス性の輸送システムも、患者に導入(例えば、筋肉内)されるhK9タンパク質をコード化するネイキッドDNAまたはそのフラグメントを用いて利用され、抗腫瘍応答を誘導し得る。
【0132】
様々な生体外のストラテジーも使用され得る。ある方法は、患者の免疫系にhK9抗原を提示するための細胞の使用を含む。例えば、MHCクラスIおよびIIを発現する自己の樹状細胞が、MHC分子に結合可能であり、それにより、癌(例えば、卵巣癌)患者の免疫系を刺激するhK9またはそのペプチドでパルスされ得る(例えば、Tjoa et al., 1996, Prostate 28: 65-69; Murphy et al., 1996, Prostate 29: 371-380を参照)。
【0133】
抗イディオタイプ抗hK9抗体も、抗癌療法において、hK9タンパク質を発現する細胞に免疫応答を誘導するためのワクチンとして用いられ得る。抗イディオタイプ抗体は当該技術分野においてよく知られており、hK9タンパク質のエピトープを変更した抗イディオタイプの抗hK9抗体を生成するために容易に応用され得る(例えば、Wagner et al., 1997, Hybridoma 16: 33-40; Foon et al., 1995, J Clin Invest 96: 334-342; Herlyn et al., 1996, Cancer Immunol Immunother 43: 65-76)。該抗体は、腫瘍抗原に対する別の抗イディオタイプ抗体で現在行われる様な抗イディオタイプ療法において用いられ得る。
【0134】
一般的な免疫方法を利用して、hK9を発現する癌細胞に対する予防上または治療上の液性免疫および細胞性免疫応答を生じ得る。hK9コード化DNA分子を用いて、hK9タンパク質/免疫原をコード化するDNA、および適当な制御配列を含む構造物が個体の筋肉または皮膚に直接注入され、故に、筋肉または皮膚の細胞が構造物を取り込み、そしてコード化hK9タンパク質/免疫原を発現する。hK9タンパク質/免疫原は、細胞表面タンパク質として発現されるか、または分泌され得る。hK9タンパク質/免疫原の発現は、癌に対する予防上または治療上の液性免疫および細胞性免疫を生じる。当該技術分野で既知の様々な予防上および治療上の遺伝子免疫技術が用いられ得る。
【0135】
本発明は、hK9発現細胞の細胞活性(例えば、細胞増殖、活性、または伝搬)を阻害する方法をさらに提供する。該方法は、細胞と本発明の免疫複合体(例えば、異種混合物または同種混合物)を接触させ、hK9タンパク質が免疫複合体と複合体を形成することを含む。腫瘍または腫瘍発生前の状態の患者は、細胞活性の阻害が細胞死を生じる場合、処置され得る。
【0136】
別の態様において、本発明は、細胞を阻害するのに十分な量で、細胞と本発明の免疫複合体のいずれか1つ、または組合せを反応させることにより、hK9発現細胞を選択的に阻害する方法を提供する。当該量は、細胞を傷害するのに十分であるか、または細胞の成長または増殖を阻害するのに十分なものを含む。
【0137】
レトロウイルス、ヘルペスウイルス、またはワクシニアウイルス由来、または様々な細菌プラスミド由来のベクターを用いて、hK9コード化核酸分子を標的器官、組織、または細胞群に運び得る。当業者によく知られいる方法を用いて、hK9のアンチセンス核酸分子を発現する組み換えベクターを構築し得る(例えば、the techniques described in Sambrook et al (supra) and Ausubel et al (supra)を参照)。
【0138】
細胞または組織にベクターを導入する方法は、上記の方法および生体内、試験管内、および生体外の治療に適当な方法を含む。生体外での治療のために、ベクターが患者から得られた幹細胞に導入され、そして同一患者への自己移植のためにクローン増殖され得る(例えば、米国特許番号第5,399,493号および5,437,994号を参照)。形質導入およびリポソームによる送達は当該技術分野においてよく知られている。
【0139】
hK9タンパク質をコード化する遺伝子は、所望のhK9コード化フラグメントを高レベルで発現するベクターで細胞または組織を形質導入することにより、オフにされ得る。該構造物は、翻訳不可能なセンス配列またはアンチセンス配列でいっぱいである。DNAへの取り込みがない場合でさえ、該ベクターは、全コピーが内在性ヌクレアーゼにより無能とされるまで、RNA分子を翻訳し続けることができる。
【0140】
遺伝子発現の変更は、hK9をコード化する遺伝子の制御領域、すなわち、プロモーター、エンハンサー、およびイントロンに対してアンチセンス分子、DNA、RNA、またはPNAをデザインすることにより得られ得る。好ましくは、オリゴヌクレオチドは転写開始部位、例えば、リーダー配列の前10と後ろ10の間の領域からもたらされる。アンチセンス分子もデザインされ、リボソームの結合から転写物を守ることにより、mRNAの翻訳を防ぐ。阻害は、「3本鎖らせん体」塩基対形成法を用いてなされ得る。3本鎖らせん体塩基対形成は、2本鎖らせん体が、ポリメラーゼ、転写因子、または制御分子に結合するのに十分オープンである能力を損なう。3本鎖DNAを用いる治療進行は、Gee J E et al (In: Huber B E and B I Carr (1994) Molecular and Immunologic Approaches, Futura Publishing Co, Mt Kisco N.Y.)により示されている。
【0141】
リボザイムは、RNAの特異的な切断を触媒する酵素RNA分子である。リボザイムは、相補的標的RNAにリボザイムが配列と特異的にハイブリダイゼーションすることで作用し、続いてヌクレオチド鎖を切断する。それゆえ、本発明は、hK9タンパク質をコード化する配列のヌクレオチド鎖切断を特異的にかつ効果的に触媒できる、操作されたハンマーヘッド型リボザイム分子を意図している。
【0142】
可能性のあるRNA標的のいずれかにある特異的なリボザイム切断部位は、以下の配列GUA、GUUおよびGUCを含むリボザイム切断部位の標的分子を走査することにより、まず同定される。該部位が同定されると、切断部位を含む標的配列の領域に対応する15から20の間のリボヌクレオチドの短いRNA配列が、オリゴヌクレオチドを切断できないものとする2次構造について調べられる。適切な触媒標的は、リボヌクレアーゼプロテクションアッセイを用いて、相補的なオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーションする接触性を試験することによっても、決定され得る。
【0143】
hK9タンパク質および該タンパク質をコード化する核酸、およびそのフラグメントが対象中の卵巣癌の処置において用いられ得る。該タンパク質および核酸が、卵巣癌に罹患している対象への投与のため、組成物に製剤され得る。それゆえに、本発明は、hK9タンパク質または該タンパク質をコード化する核酸、またはそのフラグメント、および薬理的に許容される担体、添加剤または希釈剤を含む該組成物にも関する。hK9タンパク質または該タンパク質をコード化する核酸、または本発明の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、対象中の卵巣癌を処置または予防する方法も提供される。
【0144】
活性化物質は、注射(皮下、静脈内など)、経口投与、吸入、経皮吸収、または直腸投与のような通常の方法で投与され得る。投与のルートに依存して、該物質を不活性化し得る酵素、酸および他の天然の条件の作用から、該物質を保護するための原料でコーティングされ得る。
【0145】
上記の組成物は、有効量の活性化物質が薬理学的に許容される賦形剤と組み合わされて、対象に投与され得る薬理学的に許容される組成物の本来既知の製剤方法により製剤され得る。適当な賦形剤は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., USA 1985)に記載されている。これに基づき、該組成物は、1またはそれ以上の薬理学的に許容される賦形剤または希釈剤と関連し、かつ適当なpHおよび生理液と等浸透圧の緩衝溶液に含まれる該活性化物質溶液を含むが、これに制限されない。
【0146】
該組成物は、単独で、または他の治療物質または別の処置形態(例えば、化学療法または放射線療法)と組み合わせた治療物質として示される。本発明の組成物は、別の治療物質、または別の治療と同時、別々、または続けて投与され得る。
【0147】
以下の実施例は、本発明の例示のためであり、これに制限されない。
実施例1
材料および方法
研究対象群
本研究において、Department of Genecological Oncology at the University of Turin, Turin Italyで上皮性卵巣癌の外科的処置を受けている168人の継続中の患者由来の腫瘍標本を挙げる。選択基準には、組織病理学による診断の確認を含んでいる。手術前にいずれかの処置を受けた患者はいない。
【0148】
患者の年齢は25歳から82歳であり、平均59歳であった。手術後の残存腫瘍のサイズは0cmから9cmであり、平均2cmであった。追跡情報は166人の患者から入手でき、うち91人(55%)が再発し、そして56人(34%)が死亡していた。組織型によると、82の腫瘍が漿液性乳頭状腺癌、31が類内膜癌、27が未分化癌、13が粘液性癌、および14が明細胞癌であった。残存腫瘍のサイズは、0cmから9cmであり、平均1.0cmであった。
【0149】
組織型の分類は、World Health Organizatiの基準に従った(37)。全患者を、International Federation of GynecologyおよびObstetrics staging systemによりステージ決定した(38)。悪性度の情報は167人の患者から入手でき、うち59人(35%)が悪性度1〜2の卵巣腺癌、および108人(65%)が悪性度3の卵巣腺癌であった。悪性度を、Day et al.(39)の基準によりそれぞれの卵巣腫瘍について確認した。術後に、全患者を白金化学療法で処置した。1次化学療法の計画は、94人(56%)の患者でのシスプラチン、50人(30%)の患者でのカルボブラチン、69人(41%)の患者でのシクロホスファミド、12人(7%)の患者でのドキソルビジン、20人(12%)の患者でのエピルビシン、27人(16%)の患者でのパクリタキセル、および2人(1%)の患者でのメトトレキサートを含む。悪性度1およびステージIの患者は、さらに処置を受けていない。化学療法に対する応答は、以下の様に評価した:完全応答は少なくとも1ヶ月間疾患の根拠がないとして定義され;新たな病変が生じず、全測定可能な病変の少なくとも50%の減少(少なくとも1ヶ月間続く)が部分応答を意味する。安定な疾病を全測定可能な病変の直径の25%未満の減少として定義し、少なくとも25%の増加を進行期疾病として定義した。Helsinki declarationに従って調べ、そしてInstitute of Obstetrics and Gynecology, Turin, Italyにより示された。腫瘍標本を、外科手術後、直ちに液体窒素に簡易凍結した。解析まで保存すると選択されるべき>80%の腫瘍細胞を含有する各腫瘍の代表的な部分の凍結切片解析である組織学的検査を手術の間で行った。
【0150】
全RNA抽出およびcDNA合成
試料を運び、そして−80℃で保存した。続いて、それをドライアイス上でメスで細かくし、そして直ちに、2mlポリプロピレンチューブに移した。続いて、ホモジェナイズし、全RNAを製造元の指示に従いTrizol[登録商標]試薬(Gibco BRL, Gaithersburg, MD)を用いて抽出した。RNA濃度および純度を分光光度法により測定した。2μgの全RNAをSuperscript[登録商標]preamplification system(Gibco BRL)を用いてファーストストランドcDNAに転写した。最終容量は20μlであった。
【0151】
定量的リアルタイムRT−PCR分析
KLK9の公開ゲノム配列(GenBank受託番号AF135026)に基づき、2つの遺伝子特異的プライマーをデザインした(L2−3:5’CAA GAC CCC CCT GGA TGT GG3’[配列番号4]および5L2:5’AGT TTT CAG AGT CCG TCT CGG3’[配列番号5])。該プライマーは、ゲノムDNAのコンタミをさけるために2つ以上のエキソンにわたっている。
【0152】
PCR反応のリアルタイムのモニタリングを、LightCycler[登録商標]システム(Roche Molecular Systems, Indianapolis, IN, USA)、および2本鎖DNAに選択的に結合するサイバーグリーン(SYBR green)I色素を用いて行った。PCR産物の濃度に比例する蛍光シグナルを各サイクルの最後で測定し、そして直ちにコンピュータースクリーンに示し、これにより、PCR産物のリアルタイムのモニタリングが可能となった(40)。反応は、一定のサイクル数の後に蓄積したPCR産物の量よりむしろ、PCR産物の増幅を最初に検出したサイクルのポイントにより特徴付けられる。開始時の鋳型の量がより多ければ多いほど、蛍光の有意な増加をより早く観察する(41)。閾値のサイクルを、蛍光がベースレインより上の固定閾値を通過するサイクル数として定義した(42)。
【0153】
内在性対照
各試料について、標的の量および内在性対照(βアクチン、ハウスキーピング遺伝子)の量を、検量線を用いて測定した(以下を参照)。続いて標的分子の量を内在性の基準値で割り、標準化した標的の値を得た(41)。
【0154】
検量線
アクチンおよびKLK9についての別々の検量(標準)線を、既に記載されている様に(41、42)、Clontech, Palo Alto, CAから購入した正常ヒト卵巣組織由来の全cDNAの連続希釈液を用いて、構築した。標準曲線キャリブレーターを、各実施で加えた。LightCycler[登録商標]ソフトウエアは、標準試料の開始時の希釈と閾値のサイクルをプロットすることにより標準曲線を自動で計算し、そして次に試料濃度を、それから計算する(図1)。KLK9およびアクチンのRNAにつていの標準値を、開始時の濃度を任意で考慮して定義し、そして連続希釈液(希釈因子により定義された濃度)を用いて、標準曲線を構築した。
【0155】
PCR増幅
PCR反応をLightCycler[登録商標]システムで行った。各実施に対して、1μlのcDNA、2μlのLC DNA Master SYBR Green I mix、50ngのプライマーおよび1.2μlの25mM MgClを含有する主要混合液を氷上で調製した。最終容量をHOで2μlに調節した。反応混合液をガラスキャピラリーチューブに添加した後、以下のサイクル条件:94℃で10分間の最初の変性、次に、94℃で0秒間の変性、55℃で10秒間のアニーリング、および72℃で30秒間の伸長を45サイクル行った。温度の遷移速度を、1秒毎に20℃でセットした。蛍光産物を、各サイクルの後、86℃でシグナル取得モード(single acquisition mode)により測定した。
【0156】
融解曲線
非特異的産物およびプライマーダイマーから特異的なものを区別するために、70℃を30秒間維持した後、段階毎に上記のシグナル取得モードで測定しつつ、0.1℃/秒の割合で99℃へ温度を徐々に上昇させた(44)(図1)。融解曲線の結果を示すために、代表的試料のPCR産物を1.5%アガロースゲルで泳動し、精製し、そして製造元の指示によりpCR 2.1-TOPOベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)にクローニングした。インサートをベクターに特異的なプライマーを用いて、自動DNAシークエンサーで配列決定した。
【0157】
統計解析
ステージ、悪性度、組織型、および残存腫瘍のような臨床病理パラメーターとKLK9発現との関連を、適切な場合、カイ2乗検定またはフィッシャーの直接確率検定により解析した。生存率分析について、2つの異なるエンドポイント、癌の再発(局所再発または遠隔転移)および死亡を用いて、無進行期間および全生存期間をそれぞれ計算した。無進行での生存を、手術の日から再発または転移性疾病を同定した日の間の期間として定義した。全生存期間を、手術の日から死亡日の間の期間として定義した。
【0158】
Coxの単変量および多変量比例ハザード回帰モデル(45)を用いて、危険率(KLK9陽性群の再発および死亡の相対リスク)を調べた。多変量解析において、モデルを、KLK9発現、臨床ステージ、組織の悪性度、残存腫瘍および年齢について修正した。
【0159】
カプランマイヤー生存曲線(46)を、KLK9陽性患者およびKLK9陰性患者について構築した。さらなる解析のため、患者を、腫瘍悪性度(悪性度1〜2対悪性度3)腫瘍ステージ(ステージI〜II対ステージIII〜IV)、または減量手術の成功(最適対最適には及んでいない減量手術群)のいずれかにより、2群へ分割した。各カテゴリーで、生存率(無疾患の生存期間および全生存期間)を、KLK9陽性群とKLK9陰性群とで比較した。2群の間の生存曲線の違いを、ログランク(log rank)法により試験した(47)。
【0160】
免疫組織化学
ウサギポリクローナル抗体を、標準的方法により、hK9ペプチド配列:NH−CPHPGFNKDLSANDHN−CONH[配列番号6]に対して作成した。簡単に言うと、パラフィン包埋組織セクション(4μm)を、固定して脱脂した。内在性ペルオキシダーゼを、3%の過酸化水素溶液で15分間ブロックした。続いて、セクションを42℃で5分間、pH2で0.4%のペプシンで処理し、そして20%のタンパク質ブロッカー(Signet Labs)で、10分間ブロッキングした。続いて1次抗体を、室温で1時間、1:6000で加えた。洗浄後、ビオチン化抗ウサギ抗体(Signet Labs)を加え、抗体希釈バッファー(Dako)で4倍希釈し、インキュベーションして洗浄のあと、ストレプトアビジン標識西洋わせびペルオキシダーゼを室温で30分間加えた。洗浄後、アミノエチルカルバゾール(AEC)で5〜10分間検出した。続いて、スライドをヘマトキシリンで対比染色し、そしてカバーガラスで覆った。
【0161】
細胞株およびホルモン刺激実験
上皮性卵巣癌細胞株BG−1および乳癌細胞株BT−474およびT−47D、およびMCF−7細胞株を、American Type Culture Collection (ATCC), Rockville, MDより購入した。細胞を、グルタミン(200mmol/l)、ウシインスリン(10mg/l)、ウシ胎児血清(10%)、抗生物質および抗真菌剤を添加したRPMI培地(Gibco BRL, Gaithersburg, MD)で、プラスチックフラスコ内でほぼ一杯まで培養した。続いて、細胞を24ウェル培養プレートに分け、そして50%の密集度まで培養した。実験の24時間前に、培養液を、10%のcharcoal-strippedウシ胎児血清を含むがフェノールレッドを含まない培地に変えた。刺激実験のため、100%エタノールに溶解した様々なステロイドホルモンを、最終濃度10−8Mで培養液に加えた。100%エタノールで刺激した細胞を対照とした。細胞を24時間培養し、続いてmRNA抽出のために回収した。
【0162】
結果
KLK9発現と他の変数との相関
まず、最適なカットオフ値をKLK9の値の可能性に基づくχ2解析により定義して、研究対象群のOSを予測した。図2に示す様に、1.84の値(これは単位のない比である)が、最適なカットオフ値(χ2 =8.54、p=0.003)であると分かった。該カットオフ値(54パーセント)が、46%の患者をKLK9陽性と同定した。
【0163】
表1は、臨床ステージ、悪性度、組織型、残存腫瘍のサイズ、閉経状態、および化学療法の応答と関連して、卵巣腫瘍組織のKLK9発現(陽性または陰性)の分布を示す。KLK9は、進行期(IIIまたはIV)と比較して早期(IまたはII)の患者、および最適な減量手術をされた患者において優位に高かった。また、陽性KLK9発現を伴う患者の十分に高いパーセンテージが、悪性度3(44%)と比較して悪性度1または2(46%)の患者で見られるが、この差は統計的に優位なものではなかった(p=0.49)。また、KLK9発現は、化学療法に完全反応または部分反応する患者を、無反応か疾病の進行を伴う患者と比較した場合(それぞれ、46%対37%)、および残存腫瘍のない患者(56%)を残存腫瘍のある患者(38%)と比較した場合、高かった。一方、KLK9発現と、異なる組織型または閉経状態との間の優位な関連はなかった。
【0164】
生存期間の解析
個々の予測因子と無進行期間または全生存期間との間の関連の強さを、表2の単変量解析で示す。疾病のステージ、組織の悪性度および残存腫瘍のサイズは、癌の再発および死亡との強い関連を示した(p<0.001)。KLK9発現はまた、無進行期間(PFS)および全生存期間(OS)(それぞれ、0.45と0.49の危険率、および<0.001および0.019のP値)の有効な予測因子であると分かった。カプランマイヤー生存曲線(図3)も、KLK9陽性腫瘍の患者が、KLK9陰性腫瘍の患者と比較して、優位に長いPFSおよびOS(それぞれ、p<0.001、p=0.016)であることを示す。
【0165】
全予測因子をCoxモデル(多変数解析、表2)で挙げる場合でも、疾病ステージおよび残存腫瘍のサイズは診断上重要なままである。KLK9発現は、PFSについては診断上重要なままであるが、OSについてはそうでない(PFS、OSそれぞれ、危険率0.58および0.71、およびp値0.025および0.28)。
【0166】
Cox比例ハザード回帰解析を患者の群に適用すると(表3)、KLK9発現が、悪性度1または2(HR=0.13、p=0.0015)(表3)、ステージIまたはII(HR=0.099、p=0.045)、および最適な減量手術がされた(HR=0.26、p=0.012)患者の群で無進行生存期間の優位な予測因子であると分かった。他の既知の診断上の変数に合わせた後も、KLK9はこの群の患者の全てで独立した診断上の価値を維持していた。全生存基期間を考慮して、KLK9発現は、悪性度1または2の腫瘍を有する患者群にとって好ましい診断マーカーであり、そして他の既知の診断上可変のものに合わせた後も、独立した診断上の価値を維持した(HR=0.20、p=0.038)(表3)。
【0167】
同一結果を、KLK9がPFSおよびOS(それぞれ、p<0.001および0.016)の独立した好ましい診断マーカーであると分かっている、カプランマイヤー生存曲線によっても示された。図4において示すのは、組織の悪性度1〜2、または3の癌患者の無進行の生存曲線および全生存曲線である。KLK9陽性腫瘍の患者は、KLK9陰性腫瘍の患者より優位に長い無進行生存期間および全生存期間であった(それぞれ、p<0.001および0.021)。この差は、悪性度3の腫瘍患者では見られない。疾病のステージを考慮すると、ステージIまたはIIのKLK9陽性患者は、優位に長いPFS(p=0.007)を有するが、OSは有さない(図5)。同様に、最適な減量手術を受けたKLK9陽性腫瘍の患者は、KLK9陰性腫瘍の患者(p=0.013)より長いPFS(OSは違う)の確率を有する(図6)。無進行生存期間または全生存期間の差は、減量手術が最適に及ばない場合にはない(図6)。
【0168】
若干の逆相関が、血清CA125の発現レベルとKLK9 mRNAレベルとの間である(r =0.350、p=0.002)(図7)。
【0169】
hK9の免疫組織化学的局在化
図8で示す様に、hK9は細胞質で見られるが、正常卵巣および卵巣癌組織の上皮細胞の核では見られず、このことが上皮起源のタンパク質の存在を明らかとし、そして事前の報告がタンパク質が分泌タンパク質であることを示している。該結果は、上皮細胞の細胞質に位置する別のカリクレインタンパク質の事前の結果と一致する。
【0170】
hK9のホルモン制御
KLK9発現を、BG−1上皮性卵巣癌細胞株およびBT−474、T47−DおよびMCF−7乳癌細胞株において研究した。KLK9は、ステロイドホルモン、特にエストロゲンおよびプロゲスチンによりアップレギュレートされると分かった。より高い発現レベルを、ホルモン刺激の48時間後に得た。KLK9レベルの優位な変化は、受容体のないBT−20細胞株では見られなかった。
【0171】
考察
対象群のスクリーニングは、卵巣癌の予後診断の改善に画期的である。レベルがステージIの卵巣癌患者の約半分でのみ調べられるので、CA125は1つのマーカーとしては限界である。卵巣癌の新規生物マーカーの発生は、CA125の診断力/予後診断力を改善するのを助け得る。新たに同定された卵巣癌のマーカーはも単独では十分ではないが、複数のパラメーターのストラテジーで一緒に用いられ得るマーカーのパネルの発生は、1つの解決方法であり得る(48)。Jacobs et al(49)は、3年間の多様式スクリーニングでの1次研究を最近報告した。新たに同定されたいくつかの別のカリクレインと共に、KLK9は、この方法の良い候補物質であり得る(31、32)。
【0172】
最近の研究は、CA125が、ステージIIIの腫瘍のみであるが、最適な原発腫瘍細胞の減少の予測に用いられ得ることを示した(8)。KLK9発現レベルは、最適な細胞減少と最適には及ばない細胞減少した患者、および該疾病の早期の患者と後期の患者で優位に差があるため(表3および図5、6)、かかる方法についても試験され得る。加えて、追跡研究でのCA125の働きおよび予後診断の予測ははっきりとしない(7)。好ましい診断因子であるKLK9(図3)は、この点で適用性を示し得る。
【0173】
KLK9は卵巣癌の好ましい診断因子である。hK9の酵素活性は、一連の血管新生、成長因子の活性化または不活性化、受容体、サイトカインなどのようなある生物学的現象を開始または終結し得る。カリクレインと密接に関連するhK3(PSA)は血管新生活性を有し、そして該活性は、セリンプロテアーゼとしての作用と関連し得る(51)。この研究は、カリクレインの複数遺伝子ファミリーの他のメンバーも、血管新生活性の可能性について調べられることを示す。別の研究は、PSAがMCF−7乳癌細胞株の成長を阻害し、そしてPC−3前立腺癌細胞株の倍増時間を長くすることを示した。
【0174】
KLK9は、ステロイドホルモン、主にプロゲステロンおよびエストロゲンによりアップレギュレートされる。本研究において、KLK9が卵巣癌の好ましい診断因子であると分かった。卵巣癌は、内分泌関連悪性腫瘍の1つであり(54)、そして経口避妊薬のピルの投与が卵巣癌のリスクを減少する(1)。さらに、卵巣腺癌細胞株の成長はエストロゲン感受性である。プロゲステロンは細胞分化およびアポトーシスを促進し、そしてDNA合成および細胞分裂を阻害すると分かっていた(56)。最近の研究は、プロゲステロン受容体(PR)の好ましい予後診断値、および卵巣癌での発現レベルを支持し、そしてPR陰性状態が悪性度3の卵巣腫瘍でより異常となることを示した(54、57)。一緒に取り上げると、これらのデータは、プロゲスチンおよびエストロゲンが卵巣癌の病因に関与することをから、KLK9が下流の標的の候補物質であることを示す。
【0175】
KLK9発現レベルは血清CA125濃度と逆相関し(図7)、より高いCA125レベルが卵巣癌の良くない予後診断と関連することを示す事前の研究と一致する(58)。高いCA125の発現レベルは漿液性腫瘍および類内膜腫瘍と関連した(58)。ここで、等レベルのKLK9発現は、漿液性腫瘍および非漿液性腫瘍(45%対42%、p=0.39)において見られた(表1)。このことは、CA125が普通は参考とならない非漿液性の卵巣癌の患者の群において、診断評価について利用され得る。
結論として、より高いKLK9発現は、卵巣癌の好ましい診断値と関連する。
【0176】
本発明は、好ましい実施例であるとここで考えられるものを参考として記載される一方で、本発明が開示された実施例に制限されないことは理解されるべきである。反対に、本発明は、添付の請求項の精神および範囲に含まれる様々な変更および同等のものをカバーすることを意図している。
【0177】
全ての公開公報、特許、および特許出願が、個々の公開公報、特許または特許出願が、全体として引用により取り込まれるべきであると特異的にかつ別々に示されたなら、同程度で全体として引用により本明細書に取り込まれる。
以下の全引例は、本明細書において言及された引例について示される。
【0178】
表1.182人の卵巣癌患者におけるKLK9の状態と他の変化との関係
【表1】
Figure 2005505303
【0179】
χ試験
フィッシャーの直接確率検定
OD;性的な減量手術(0〜1cm)、SO;最適状態に及ばない減量手術(>1cm)
CTX;化学療法、NC;異常なし、PD;進行期疾病、CR;完全応答、PR;部分応答、NE;所見なし
x.状態不明
【0180】
表2.無進行生存期間および全生存期間と関連する、KLK9発現の単変量解析および多変量解析
【表2】
Figure 2005505303
【0181】
Coxの比例ハザード回帰モデルから推定した危険率(HR)
推定HRの信頼区間
漿液性対他
【0182】
表3.患者群のCox比例ハザード回帰解析
【表3】
Figure 2005505303
【0183】
Coxの比例ハザード回帰モデルから推定した危険率(HR)
推定HRの信頼区間
疾病のステージ、残存腫瘍、組織型、および年齢について調製された多変数モデル
腫瘍悪性度、残存腫瘍、組織型、および年齢について調製された多変数モデル
疾病のステージ、腫瘍悪性度、組織型、および年齢について調製された多変数モデル
【0184】
本明細書で記載の全引例
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【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1A】図1は、リアルタイムPCRによるKLK9遺伝子発現の定量を示す。
【図1B】図1は、リアルタイムPCRによるKLK9遺伝子発現の定量を示す。
【図2】図2は、KLK9発現の最適なカットオフ値の決定を示すグラフである。
【図3】図3は、KLK9陽性および陰性卵巣腫瘍患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。
【図4】図4は、腫瘍悪性度により分けられたKLK9陽性および陰性の腫瘍患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。
【図5】図5は、腫瘍ステージにより分けられたKLK9陽性および陰性腫瘍の患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。
【図6】図6は、減量手術の成功により分けられたKLK9陽性および陰性腫瘍の患者のカプランマイヤー生存曲線を示す。
【図7】図7は、血清CA125とKLK9の発現レベルとの相関を示す。
【図8】図8は、漿液性卵巣癌腫のhK9の免疫組織学的局在を示す。

Claims (23)

  1. 患者の卵巣癌と関連するhK9またはKLK9を検出する方法であって、
    (a)患者から試料を採取すること;
    (b)試料中のhK9またはhK9をコード化する核酸分子を検出または同定すること;
    (c)検出した量を、標準試料について検出した量と比較すること、
    を含む方法。
  2. 対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定するか、または対象中の卵巣癌を処置する方法であって、対象由来の試料中のhK9をコード化する核酸分子を検出すること、および検出した量を卵巣癌の存在と関係付けることを含む方法。
  3. 検出する核酸分子がmRNAである、請求項2に記載の方法。
  4. (a)hK9をコード化する核酸分子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと試料を接触させること;および
    (b)事前に決めた標準値またはカットオフ値と関連する、核酸分子にハイブリダイズするポリヌクレオチドの試料中のレベルを検出すること、そしてそれから対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定すること、
    により核酸分子を検出する、請求項2に記載の方法。
  5. mRNAを増幅反応法を用いて検出する、請求項3に記載の方法。
  6. 増幅反応法が、hK9をコード化する核酸分子、またはかかる核酸分子の相補体にハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応法である、請求項5に記載の方法。
  7. hK9をコード化する核酸分子、またはかかる核酸分子の相補体にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを使用するハイブリダイぜーション技術を用いてmRNAを検出する、請求項3に記載の方法。
  8. (a)試料からmRNAを単離すること、そしてmRNAをcDNAへ転換する試薬と組み合わせること;(b)増幅反応試薬およびhK9をコード化する核酸分子にハイブリダイズする核酸プライマーで転換されたcDNAを処理し、増幅産物を生成すること;(d)増幅産物を解析し、hK9をコード化するmRNAの量を検出すること;および(e)同様の核酸プライマーを用いてもたらされた正常組織および悪性組織の予測値パネルに対して検出した量と、mRNAの量を比較することによりmRNAを検出する、請求項3に記載の方法。
  9. 対象の卵巣癌を診断およびモニタリングする方法であって、試料中の核酸、好ましくはmRNAを対象から単離すること;および試料中のKLK9核酸を検出すること、ここで、標準値または対照値と比較して、試料中のKLK9核酸レベルの増加の存在が早期の疾患、最適に減量手術されたもの、および/または予後診断の良好なものを示す、方法。
  10. 標準値または対照値が進行期の卵巣癌対象について測定された量である、請求項9に記載の方法。
  11. 対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定する方法であって、対象由来の試料中のhK9を検出すること、そして検出した量を卵巣癌の存在と関連付けること、を含む方法。
  12. (a)hK9またはその一部と特異的に結合する結合物質と対象から得た生物学的試料を接触させること;および
    (b)事前に決めた標準値またはカットオフ値と関連する、結合物質に結合する試料中のhK9の量を検出すること、そしてそらから対象中の卵巣癌の存在または非存在を決定すること、
    を含む請求項11に記載の方法。
  13. 結合物質が抗体である、請求項12に記載の方法。
  14. 組織、抽出物、細胞培養液、細胞可溶化物、または生理液から試料を得る、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 腫瘍組織から試料を得る、請求項14に記載の方法。
  16. 1またはそれ以上のヒト角質層キモトリプシン酵素(HSCCE)、ハプトグロビンα、オステオポンチン、カリクレイン4、カリクレイン5、カリクレイン6、カリクレイン8、カリクレイン10、カリクレイン11、CA125、CA15−3、CA19−9、CA72−4、OVX1、リゾホスファチジン酸(LPA)、クレアチンキナーゼBB、または癌胎児性抗原(CEA)を検出することをさらに含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. hK9に結合するか、またはhK9をコード化する核酸分子にハイブリダイズする物質を含む、診断に用いる組成物。
  18. 生体内で卵巣癌を画像化する方法であって、
    (a)卵巣癌を画像化する標識物質を運ぶ、hK9に結合する物質を患者に投入すること;
    (b)物質が生体内でインキュベーションされ、そして卵巣癌と関連するhK9に結合することを可能とすること;および
    (c)卵巣癌の場所を決定する標識物質の存在を検出すること、
    を含む方法。
  19. 物質がhK9と特異的に反応する抗体である、請求項18に記載の方法。
  20. 標識が、放射標識、蛍光標識、核磁気共鳴活性標識、ポジトロン放出断層撮影(「PET」)走査により検出可能なポジトロン放出同位体、化学発光、または酵素マーカーである、請求項18に記載の方法。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の方法を行うキット。
  22. 対象中の卵巣癌の存在を検出するキットであって、カリクレイン9に特異的に結合する既知量の結合物質(ここで、結合物質は検出可能な物質を含むか、または検出可能な物質に直接または非直接結合する)を含むキット。
  23. 対象中の卵巣癌の存在を検出するキットであって、hK9をコード化する核酸分子にハイブリダイズする既知量のオリゴヌクレオチド(ここで、オリゴヌクレオチドは検出可能な物質で直接または非直接標識されている)を含むキット。
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