JP2005505275A - ヒトカリウムチャネルファミリーメンバーの33751を使用する方法 - Google Patents

ヒトカリウムチャネルファミリーメンバーの33751を使用する方法 Download PDF

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Abstract

ヒトカリウムチャネルファミリーメンバーをコードする、33751核酸分子と称される単離された核酸分子が開示される。本発明はまた、アンチセンス核酸分子、33751核酸分子を含む組換え発現ベクター、この組換え発現ベクターが導入された宿主細胞、および33751遺伝子が導入されたかまたは破壊されている非ヒトトランスジェニック動物を提供する。単離された33751タンパク質、融合タンパク質、抗原性ペプチドおよび抗33751抗体もまた、開示される。本発明は、とりわけ、33571の活性または発現を調節し、それによって、被験体における疼痛または侵害受容応答を調節する方法を提供する。本発明は、神経障害を処置、予防および診断する方法を、さらに提供する。

Description

【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
カリウム(K+)チャネルは、静止膜電圧の設定および細胞の電気的活性の調整に関連する遍在するタンパク質である。興奮性細胞において、K+チャネルは、電位波形、興奮頻度(firing frequency)、および神経伝達物質分泌を行う(Rudy,B.(1988)Neuroscience、25、729−749;Hille,B.(1992)Ionic Channels of Excitable Membranes、第二版)。非興奮細胞において、これらは、ホルモン分泌、細胞の容積調節に関連し、潜在的には、細胞増殖および細胞分化に関連する(Lewisら(1995)Annu.Rev.Immunol.、13、623−653)。
【0002】
K+チャネルの機能的多様性は、主に、孔形成サブユニットおよび他の会合する調節サブユニットをコードする多数の遺伝子の存在から生じる。孔形成サブユニットの2つの主要な構造的ファミリーが同定されている。第一のファミリーは、保存された疎水性コアを含む6回膜貫通ドメイン(TMD)を有するサブユニットからなる。これらのK+チャネルαサブユニットは、外部整流器電位依存型(Kv)K+チャネルおよびCa2+依存性K+チャネルの形成に関与する。第四のTMDは、これらのチャネルの電位ゲーティングに関連する(従って、これらの外部整流に関与する)反復正電荷を含む(Logothetisら(1992)Neuron 8:531−540;Bezanillaら、(1994)Biophys.J.66:1011−1021)。
【0003】
6つのTMD孔形成サブユニットファミリーにおいて、異なる遺伝子によりコードされる異なるサブユニットは会合して、新規のチャネルの特性を有するヘテロ四量体を形成し得る(Isacoffら(1990)Nature 345:530−534)。ヘテロポリマーチャネルの選択的形成は、各々の細胞が、その機能に適する最良のK+電流レパートリーを発生するのを可能にし得る。Kvチャネルの孔形成αサブユニットは、これらの配列類似性に従い、異なるサブファミリーに分類される(Chandyら(1993)Trends Pharmacol.Sci.14:434)。四量体化は、各々のサブグループのメンバー間で優先的に生じると考えられている(Covarrubiasら(1991)Neuron 7:763−773)。この選択的会合の原因であるドメインは、N末端領域に局在し、そして同じサブグループのメンバー間で保存される。このドメインは、サブファミリー内のヘテロ多量体アセンブリのために必要であるがホモ多量体アセンブリのためには必要ではなく、そしてサブファミリー間での同時アセンブリを防ぐ。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本明細書中で「33751」といわれる、イオンチャネルファミリーメンバーについてのヌクレオチド配列および対応するアミノ配列が開示される。33751をコードするcDNAのヌクレオチド配列が、配列番号1に示され、そして5433ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号2に示される。さらに、コード領域のヌクレオチド配列が、配列番号3に示される。33751タンパク質は、電位依存型カリウムチャネル遺伝子のファミリーのメンバーであり、電位依存型カリウムチャネル遺伝子のファミリーのメンバーとしては、eag遺伝子、erg遺伝子およびelk遺伝子が挙げられる。本出願人らは、ヒトおよびラットの脳、脊髄、および後根神経節(DRG)において、33751mRNAの発現を示した。従って、5433ポリペプチドの活性または発現の調節因子が、神経性障害(例えば、疼痛関連障害)を処置または予防するために用いられ得る。
【0005】
従って、1つの局面において、本発明は、33751タンパク質または33751ポリペプチド(例えば、33751タンパク質の生物学的に活性な部分)をコードする核酸分子を特徴とする。好ましい実施形態において、単離された核酸分子は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。他の実施形態において、本発明は、配列番号1、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を有する単離された33751核酸分子を提供する。なお他の実施形態において、本発明は、配列番号1、配列番号3に示されるヌクレオチド配列と実質的に同一である核酸分子(例えば、天然に存在する対立遺伝子改変体)を提供する。他の実施形態において、本発明は、本明細書中で記載されるストリンジェンシー条件下で、配列番号1、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズする核酸分子を提供し、ここで、この核酸分子は、33751全長タンパク質またはその活性フラグメントをコードする。
【0006】
関連する局面において、本発明は、本明細書中で記載される33751核酸分子を含む核酸構築物をさらに提供する。特定の実施形態において、本発明の核酸分子は、ネイティブの調節配列または異種調節配列に作動可能に連結されている。また、本発明の33751核酸分子を含むベクターおよび宿主細胞(例えば、33751核酸分子および33751ポリペプチドを産生するのに適するベクターおよび宿主細胞)も含まれる。
【0007】
別の関連する局面において、本発明は、33751をコードする核酸分子の検出のためのプライマーまたはハイブリダイゼーションプローブとして適切な核酸フラグメントを提供する。
【0008】
なお別の関連する局面において、33751をコードする核酸分子に対してアンチセンスである単離された核酸分子が提供される。
【0009】
別の局面において、本発明は、33751ポリペプチド、および例えば、33751媒介性障害または33751関連障害(例えば、神経性障害(例えば、疼痛関連障害))の処置および診断に適用可能なアッセイにおいて、試薬または標的として有用な、その生物学的に活性であるかまたは抗原性のフラグメントを特徴とする。別の実施形態において、本発明は、33751活性を有する33751ポリペプチドを提供する。好ましいポリペプチドは、少なくとも1つのイオン輸送タンパク質ドメイン、少なくとも1つのPASドメイン、少なくとも1つのPACモチーフ、および少なくとも1つのサイクリックヌクレオチド結合ドメインを含み、そして好ましくは33751活性(例えば本明細書中で記載されるような33751活性)を有する、33751タンパク質である。
【0010】
他の実施形態において、本発明は、33751ポリペプチド(例えば、以下のアミノ酸配列を有する33751ポリペプチドを提供する:配列番号2に示されるアミノ酸配列;配列番号2に示されるアミノ酸配列と実質的に同一なアミノ酸配列;または本明細書中で記載されるストリンジェンシー条件下で、配列番号1、配列番号3のヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸分子によりコードされるアミノ酸配列(ここで、この核酸は、33751全長タンパク質またはその活性フラグメントをコードする)。
【0011】
関連する局面において、本発明は、本明細書中で記載される33751核酸分子を含む核酸構築物をさらに提供する。
【0012】
関連する局面において、本発明は、非33751ポリペプチドに作動可能に連結されて融合タンパク質を形成している、33751ポリペプチドまたは33751フラグメントを提供する。
【0013】
別の局面において、本発明は、33751ポリペプチドまたはそのフラグメント(例えば、イオン輸送タンパク質ドメイン)と反応し、より好ましくはこれらを特異的に結合する、抗体およびその抗原結合フラグメントを特徴とする。
【0014】
別の局面において、本発明は、33751ポリペプチドまたは33751核酸の発現または活性を調節する化合物をスクリーニングする方法を提供する。
【0015】
なお別の局面において、本発明は、例えば、スクリーニングされた化合物を用いて、33751ポリペプチドまたは33751核酸の発現または活性を調節するためのプロセスを提供する。特定の実施形態において、本発明の方法は、33751ポリペプチドまたは33751核酸の異常な活性または発現に関連する状態(例えば、神経学的な状態または障害(例えば、疼痛応答もしくは侵害受容応答に関与する状態もしくは障害、異常な疼痛応答もしくは変化した疼痛応答、または疼痛関連障害))の処置を包含する。
【0016】
なお別の局面において、本発明は、細胞(例えば、33751発現細胞(例えば、神経細胞))の活性または被験体における応答(例えば、神経学的応答(例えば、疼痛応答または侵害受容応答))を調節する(例えば、補強または阻害する)方法を特徴とする。本発明の方法は、33751ポリペプチドまたは33751核酸の活性または発現を調節する薬剤(例えば、化合物)を、その活性または応答を調節するために有効な量で、細胞に接触させるか、または被験体に投与する工程を包含する。
【0017】
好ましい実施形態において、薬剤(例えば、化合物)、および33751ポリペプチドまたは33751核酸が、インビトロまたはエキソビボで接触される。好ましい実施形態において、接触させる工程は、例えば、治療プロトコルまたは予防的プロトコルの一部として、被験体においてインビボで達成される。接触させる工程または投与する工程は、繰り返され得る。
【0018】
好ましい実施形態において、この薬剤は、カリウムチャネルタンパク質活性を調節する(例えば、増大または低下させる)(例えば、ニューロンからの神経伝達物質放出を制御し、シナプス伝達を調節し、膜興奮性を調節し、そして/またはニューロン興奮の頻度もしくはパターンを調節する)。
【0019】
好ましい実施形態において、薬剤は、ペプチド、ホスホペプチド、低分子(例えば、コンビナトリアルライブラリのメンバー)、もしくは抗体、またはこれらの任意の組み合わせである。抗体は、細胞毒素、細胞傷害性薬剤および放射性金属イオンからなる群より選択される治療的部分に結合体化され得る。この薬剤(例えば、抗体)は、増殖因子(例えば、神経栄養因子または神経親和性因子(例えば、BDNF、NGF、NT−3))、ホルモンなどからなる群より選択される治療的部分に結合体化され得る。細胞殺傷が所望される実施形態において、治療的部分は、細胞毒素、細胞傷害性薬剤、および放射性金属イオンより選択される。
【0020】
他の実施形態において、薬剤は、33751核酸分子の発現を、例えば、転写、mRNA安定性などを調節することにより、調節する(例えば、増大または低下させる)。この薬剤は、アンチセンス分子、リボザイム、三重螺旋分子、もしくは33751核酸、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0021】
薬剤はまた、治療的薬剤(例えば、増殖因子(例えば、神経栄養因子または神経親和性因子(例えば、BDNF、NGF、NT−3)、ホルモンなど))と組み合わせて投与され得る。他の実施形態において、薬剤は、細胞傷害性薬剤である。
【0022】
好ましい実施形態において、細胞(例えば、33751発現細胞)は、中枢神経系細胞または末梢神経系細胞(例えば、疼痛制御に関連する領域における細胞(例えば、脊髄の膠様質における細胞、または水道周囲灰白質における細胞))である。
【0023】
好ましくは、被験体は、ヒト(例えば、本明細書中に開示される疼痛または疼痛関連障害を有する患者)である。例えば、被験体は、組織傷害(例えば、炎症、感染、虚血)から誘発された疼痛;骨格筋障害に関連する疼痛(例えば、関節の疼痛);歯の疼痛;頭痛(例えば、片頭痛(migrane));手術に関連する疼痛;炎症に関連する疼痛(例えば、過敏性腸症候群);または胸部疼痛を有する患者であり得る。被験体は、以下を有する患者であり得る:複合性局所疼痛症候群(CRPS)、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、カウザルギー、神経痛、中枢痛および知覚不全症候群、頸動脈圧痛、神経性疼痛、難治性頸腕疼痛症候群(refractory cervicobrachial pain syndrome)、筋筋膜疼痛症候群、頭蓋下顎痛機能障害症候群、慢性特発性疼痛症候群、コステン疼痛機能障害、急性胸部疼痛症候群、婦人科学的疼痛症候群、膝蓋大腿関節疼痛症候群、膝前部痛症候群、小児における再発性腹痛、仙痛、腰痛症候群、神経障害性疼痛、切断による幻痛、幻歯痛、または象徴不能の疼痛(pain asymbolia)。被験体は、癌患者(例えば、脳の癌、骨の癌、または前立腺癌を有する患者)であり得る。他の実施形態において、被験体は、非ヒト動物(例えば、実験動物(例えば、慢性疼痛の関節炎ラットモデル、神経病性疼痛の慢性絞扼性神経損傷(chronic constriction injury)(CCI)ラットモデル、またはフロイント完全アジュバント(FCA)の足底内注射による片側炎症性疼痛のラットモデル))である。
【0024】
別の局面において、本発明は、被験体における33751関連障害を処置または予防する方法を特徴とする。本発明は、被験体(例えば、33751関連障害の危険性があるか、または33751関連障害に悩む被験体)に、この障害を処置または予防するために有効な量で、33751ポリペプチドまたは33751核酸の活性または発現を調節する薬剤(例えば、本明細書中で記載されるような化合物)を投与する工程を包含する。
【0025】
好ましい実施形態において、障害は、神経学的障害(例えば、神経変性障害)または疼痛もしくは疼痛関連障害である。
【0026】
好ましい実施形態において、被験体は、本明細書中で記載されるような被験体(例えば、ヒト(例えば、神経学的障害(例えば、神経変性障害)を有する患者))または本明細書中に記載されるような疼痛もしくは疼痛関連障害に罹患した被験体である。
【0027】
なお別の局面において、本発明は、被験体における障害(例えば、本明細書中に開示される障害)の処置の有効性を評価するための方法を特徴とする。この方法は、被験体を、評価中のプロトコルを用いて処置する工程;33751核酸または33751ポリペプチドの発現を評価し、その結果、処置後の33751核酸または33751ポリペプチドのレベルの、処置前のレベルと比較した変化により、この障害のこの処置の有効性が示される工程を包含する。
【0028】
好ましい実施形態において、この障害は、神経学的障害(例えば、神経変性障害)または疼痛もしくは疼痛関連障害である。
【0029】
好ましい実施形態において、被験体は、本明細書中で記載されるような被験体(例えば、ヒト(例えば、神経学的障害(例えば、神経変性障害)を有する患者))または本明細書中に記載される疼痛もしくは疼痛関連障害に罹患した被験体である。
【0030】
本発明はまた、被験体における障害(例えば、本明細書中に開示される障害)を診断する方法を特徴とする。この方法は、33751核酸または33751ポリペプチドの発現または活性を評価し、その結果、33751核酸または33751ポリペプチドのレベルの、正常な被験体または正常な被験体のコホートと比較した差異がその障害を示す工程を包含する。
【0031】
好ましい実施形態において、この障害は、神経学的障害(例えば、神経変性障害)または疼痛もしくは疼痛関連障害である。
【0032】
好ましい実施形態において、被験体は、本明細書中で記載されるような被験体(例えば、ヒト(例えば、神経学的障害(例えば、神経変性障害)を有する患者))または本明細書中に記載されるような疼痛もしくは疼痛関連障害に罹患した被験体である。
【0033】
好ましい実施形態において、この評価する工程は、インビトロまたはエキソビボで行われる。例えば、サンプル(例えば、血液サンプル)が、被験体から得られる。
【0034】
好ましい実施形態において、この評価する工程は、インビボで行われる。例えば、被験体に、33751核酸または33751ポリペプチドと相互作用し、その結果、33751核酸または33751ポリペプチドの活性または発現のレベルに対するシグナルを発生する、検出可能に標識された薬剤を投与する工程を包含する。
【0035】
本発明はまた、生物学的サンプルにおける33751ポリペプチドまたは33751核酸分子の活性または存在もしくは不存在を決定するためのアッセイ(疾患の診断を含む)を提供する。
【0036】
さらなる局面において、本発明は、33751ポリペプチドまたは33751核酸分子における遺伝的変化の存在または不存在を決定するためのアッセイ(疾患の診断を含む)を提供する。
【0037】
なお別の局面において、本発明は、33751ポリペプチド(例えば、本明細書中で記載されるようなポリペプチド)の活性、または33751核酸(例えば、本明細書中で記載されるような33751核酸)の発現を調節する薬剤(例えば、化合物)を同定するための方法を特徴とし、この方法は、33751ポリペプチドまたは33751核酸を、試験薬剤(例えば、試験化合物)と接触させる工程:および33751ポリペプチドまたは33751核酸の活性に対する試験化合物の効果を決定することにより33751ポリペプチドまたは33751核酸の活性を調節する化合物を同定する工程、を包含する。
【0038】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドの活性は、カリウムチャネルタンパク質活性(例えば、以下のうち1つ以上に関連する活性:ニューロンからの神経伝達物質放出の制御、シナプス伝達の調節、膜興奮性の調節、疼痛応答の調節ならびに/またはニューロン興奮の頻度およびパターンの調節)。
【0039】
好ましい実施形態において、薬剤は、ペプチド、ホスホペプチド、低分子(例えば、コンビナトリアルライブラリのメンバー)もしくは抗体、またはこれらの任意の組み合わせである。
【0040】
さらなる好ましい実施形態において、薬剤は、アンチセンス、リボザイム、または三重螺旋分子、もしくは33751核酸またはこれらの任意の組み合わせである。
【0041】
別の局面において、本発明は、複数のアドレスを有する二次元のアレイを特徴とし、複数のアドレスの各々は、互いに複数の他のアドレスと位置的に区別可能であり、そして複数のアドレスの各々は、独特の捕捉プローブ(例えば、核酸配列またはペプチド配列)を有する。複数のうち少なくとも1つのアドレスは、33751分子を認識する捕捉プローブを有する。1つの実施形態において、捕捉プローブは、核酸(例えば、33751核酸配列に相補的なプローブ)である。別の実施形態において、捕捉プローブは、ポリペプチド(例えば、33751ポリペプチドに特異的な抗体)である。また、前述のアレイにサンプルを接触させ、そしてアレイへのサンプルの結合を検出することによってサンプルを分析する方法も特徴とする。
【0042】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかである。
【0043】
(詳細な説明)
約4113ヌクレオチド長であるヒト33751配列(実施例1に記載されるような、配列番号1を参照のこと)(非翻訳領域を含む)は、約3591ヌクレオチドの推定メチオニンで開始するコード配列(終止コドンを含む)を含む。このコード配列は、1196アミノ酸のタンパク質(実施例1に記載されるような、配列番号2を参照のこと)をコードする。
【0044】
ヒト33751は、以下の領域または他の構造的特徴を含む:
配列番号2のアミノ酸残基およそ450〜662に位置する1つの推定イオン輸送タンパク質ドメイン(PFAM登録番号PF00520);
配列番号2のアミノ酸およそ41〜60に位置する、1つの推定PASドメイン(PFAM登録番号PF00989);
配列番号2のアミノ酸およそ93〜120に位置する1つの推定PACドメイン(PFAM登録番号PF00785);
配列番号2のアミノ酸およそ760〜850に位置する、1つの推定サイクリックヌクレオチド結合ドメイン(PFAM登録番号PF00027);
配列番号2のアミノ酸およそ412〜433、453〜470、495〜513、549〜573、614〜630、および642〜666に位置する、6つの推定膜貫通セグメント;
配列番号2のアミノ酸およそ1〜411に位置する、1つの推定N末端細胞質ドメイン;
配列番号2のアミノ酸およそ667〜1196に位置する、1つの推定C末端細胞質ドメイン;
配列番号2のアミノ酸およそ471〜494および574〜613に位置する、2つの推定細胞質ループ;
配列番号2のアミノ酸およそ434〜452、514〜548、および631〜641に位置する、3つの推定細胞外ループ;
配列番号2のアミノ酸およそ102〜105、230〜233、338〜341、369〜372、600〜603、661〜664、736〜739、881〜884、905〜908、および1139〜1142に位置する、10個の推定N−グリコシル化部位(PS00001);
配列番号2のアミノ酸およそ171〜174、271〜274、346〜349、および893〜896に位置する、4つの推定cAMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位およびcGMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位(PS00004);
配列番号2のアミノ酸およそ74〜76、169〜171、187〜189、239〜241、269〜271、344〜346、354〜356、371〜373、392〜394、528〜530、582〜584、609〜611、639〜641、673〜675、869〜871、916〜918、922〜924、974〜976、985〜987、1096〜1098、および1099〜1101に位置する、21個の推定プロテインキナーゼCリン酸化部位(PS00005);
配列番号2のアミノ酸およそ55〜58、133〜136、209〜212、275〜278、317〜320、514〜517、609〜612、637〜640、793〜796、821〜824、829〜832、857〜860、879〜882、883〜996、899〜902、906〜909、939〜942、963〜966、985〜988、1020〜1023、1027〜1030、1091〜1094、1134〜1137、および1170〜1173に位置する、24個の推定カゼインキナーゼIIリン酸化部位(PS00006);
配列番号2のアミノ酸およそ92〜99、241〜248、および440〜446に位置する、3つの推定チロシンキナーゼリン酸化部位(PS00007);
配列番号2のアミノ酸およそ515〜520、524〜529、592〜597、660〜665、713〜718、748〜753、951〜956、958〜963、1018〜1023、および1129〜1134に位置する、10個のN−ミリスチル化部位(PS00008);ならびに
配列番号2のアミノ酸およそ595〜598に位置する、1つの推定アミド化部位(PS00009)。
【0045】
PFAM識別子、PSプレフィックスドメイン識別番号およびPFプレフィックスドメイン識別番号に関する一般的な情報について、Sonnhammerら(1997)Protein 28:405〜420およびhttp://www.psc.edu/general/software/packages/pfam/pfam.htmlを参照のこと。
【0046】
(表1.膜貫通ドメインの概要)
【0047】
【表1】
Figure 2005505275
33751タンパク質は、カリウムチャネルファミリーのメンバーに共通する多数の構造的特徴を含む。本発明のタンパク質分子および核酸分子をいう場合、用語「ファミリー」とは、共通の構造ドメインまたは構造モチーフを有し、かつ本明細書中に規定されるような十分なアミノ酸配列相同性またはヌクレオチド配列相同性を有する、2つ以上のタンパク質または核酸分子を意味する。このようなファミリーのメンバーは、天然に存在しても天然に存在しなくてもよく、そして同じ種または異なる種のいずれかに由来し得る。例えば、ファミリーは、ヒト起源の第1のタンパク質および他の別個のヒト起源のタンパク質を含み得るか、あるいは、非ヒト起源(例えば、ラットまたはマウス)のタンパク質のホモログを含み得る。ファミリーのメンバーはまた、共通の機能的特徴を有し得る。
【0048】
本明細書中で使用される場合、「カリウムチャネル」とは、電気により励起可能な細胞(例えば、ニューロン細胞または筋肉細胞)においてシグナルを受容、伝導、および伝達することに関与する、タンパク質またはポリペプチドを包含する。カリウムチャネルは、カリウムイオン選択的であり、そして膜興奮性(例えば、ニューロンが刺激に応答してその刺激をインパルスへと変換する能力)を決定し得る。カリウムチャネルはまた、膜の休止電位、作動電位の波形および周波数、ならびに励起閾値に影響し得る。カリウムチャネルは、代表的には、電気により励起可能な細胞(例えば、ニューロン、筋肉細胞、内分泌細胞、および卵細胞)において発現され、そしてヘテロマルチマー構造(例えば、孔隙形成aサブユニットおよび細胞質bサブユニットから構成される)を形成し得る。カリウムチャネルはまた、非励起性細胞(例えば、胸腺細胞)において見出され得、その細胞において、カリウムチャネルは、例えば、シグナル伝達において役割を果たし得る。カリウムチャネルタンパク質は、6回膜貫通ヘリックスを含み、このヘリックスにおいて、最後の2つのヘリックスは、カリウムイオン選択性を決定するループ(P−ループ)と隣接する。カリウムチャネルの例としては、(1)電位依存型カリウムチャネル、(2)リガンドゲートカリウムチャネル(例えば、神経伝達物質ゲートカリウムチャネル)、および(3)サイクリックヌクレオチド依存型カリウムチャネルが挙げられる。電位依存型カリウムチャネルおよびリガンド依存型カリウムチャネルは、脳において(例えば、脳幹モノアミン作動性ニューロンおよび前脳コリン作動性ニューロンにおいて)(脳において、これらのカリウムチャネルは、神経伝達物質の放出に関与している)発現されるか、または海馬細胞および新皮質錐体細胞の樹状突起(ここで、これらのカリウムチャネルは、学習プロセスおよび記憶形成に関与している)において発現される。カリウムチャネルの詳細な説明について、Kandel E.R.ら、Principles of Neural Science,第2版,(Elsevier Science Publishing Co.,Inc.,N.Y.(1985)(その内容は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。
【0049】
33751ポリペプチドは、eag遺伝子、erg遺伝子、およびelk遺伝子を含む、小さな電位依存型カリウムチャネル遺伝子ファミリーに属する(Shi,W.ら(1997)前出)。これらの遺伝子は、Drosophilaまたは哺乳動物のいずれかについて記載されている(Warmke J,Ganetzky B(1994)Proc Natl Acad Sci USA 91:3438〜3442;Ludwig J.ら(1994)EMBO J.13:4451〜4458;Warmke J,Drysdale R,Ganetzky B(1991)Science 252:1560〜1562;Titus SA,Warmke JW,Ganetzky B(1997)J Neurosci 17:875〜881)。この33751ポリペプチドは、以前に同定されたヒトerg1ならびにラットerg2およびラットerg3(Shi,W.ら(1997)前出)と非常に相同性である。これらのチャネルは、Kvクラス(Shaker関連)の電位依存型カリウムチャネルの6回膜貫通構造を共有するが、他の点ではKvクラスのチャネルと遠縁である。eag関連遺伝子によりコードされるチャネルは、Kvクラスカリウムチャネルと比較して、比較的ゆっくり活性化し(Ludwig J.ら(1994)前出)、そしてニューロンの閾値刺激特性の決定において重要である、ゆっくり活性化するカリウム電流といくらかの類似性を有する(Brown DA(1988)M currents.,Ion channels(Narahashi T編),pp55〜94.New York:Plenum;Yamada WMら(1989)Multiple channels and calcium dynamics.,Methods in neuronal modeling(Koch C,Segev I編),pp97〜133.Cambridge,MA:Bradford;Wang HS,McKinnon D(1996)J Physiol(Lond)492:467〜478)。これらのチャネルの生物物理学的特性から認識され得るように、Drosophilaのeag遺伝子またはerg遺伝子のいずれかにおける変異は、過剰興奮表現型を生じる(Titusら(1997)前出;Wangら(1997)前出)。
【0050】
従って、33751活性は、神経学的プロセス(以下により詳細に記載されるような、作動電位の増幅、シナプス伝達、ならびに侵害受容応答、および神経障害性疼痛に関係する、PLC媒介伝導を含む)に関与し得る。
【0051】
33751ポリペプチドは、「イオン輸送タンパク質ドメイン」または「イオン輸送タンパク質ドメイン」と相同な領域を含み得る。
【0052】
本明細書中で使用される場合、用語「イオン輸送タンパク質ドメイン」は、約150〜280アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含み、このアミノ酸配列は、そのイオン輸送タンパク質ドメインプロフィール(Pfam HMM)に対するそのアミノ酸配列のアライメントに関するビットスコア少なくとも50を有する。好ましくは、イオン輸送タンパク質ドメインは、少なくとも約180〜250アミノ酸を含み、より好ましくは約200〜220アミノ酸残基を含むか、または約213アミノ酸を含み、そしてそのイオン輸送タンパク質ドメイン(HMM)に対する配列のアライメントについてのビットスコア少なくとも60、好ましくは80、95、またはそれ以上を有する。このイオン輸送タンパク質ドメイン(HMM)は、PFAM登録番号PF00520(http://genome.wustl.edu/Pfam/.html)に割り当てられている。ヒト33751のイオン輸送タンパク質ドメイン(配列番号2のアミノ酸450〜662)と、隠れマルコフモデル由来のコンセンサスアミノ酸配列(配列番号4)とのアライメントを、図2に示す。
【0053】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、「イオン輸送タンパク質ドメイン」を有するか、あるいは少なくとも約150〜280アミノ酸残基、より好ましくは約180〜250アミノ酸残基、または約200〜220アミノ酸残基を含み、かつ「イオン輸送タンパク質ドメイン」と少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有する領域(例えば、ヒト33751のイオン輸送タンパク質ドメイン(例えば、配列番号2の残基450〜662))を有する。
【0054】
33751タンパク質配列中の「イオン輸送タンパク質ドメイン」の存在を同定するため、および目的のポリペプチドまたはタンパク質が特定のプロフィールを有するという決定を行うために、このタンパク質のアミノ酸配列が、デフォルトパラメーターを用いてHMMのPfamデータベース(例えば、Pfamデータベース、リリース2.1)に対して検索され得る(http://www.sanger.ac.uk/Software/Pfam/HMM_search)。例えば、hmmsfプログラム(サーチプログラムのHMMERパッケージの一部として入手可能)は、MILPAT0063についてのファミリー特異的なデフォルトプログラムであり、そしてスコア15は、ヒットを決定するためのデフォルト閾値スコアである。あるいは、ヒットを決定するための閾値スコアは、(例えば、8ビットに)下げられ得る。Pfamデータベースの記載は、Sonhammerら(1997)Proteins 28(3):405〜420に見出され得、そしてHMMの詳細な記載が、例えば、Gribskovら、(1990)Meth.Enzymol.183:146〜159;Gribskovら、(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:4355〜4358;Kroghら、(1994)J.Mol.Biol.235:1501〜1531;およびStulzら、(1993)Protein Sci.2:305〜314に見出され得る(これらの内容は、本明細書中に参考として援用される)。検索が、HMMデータベースに対して実施され、配列番号2の残基およそ450〜662で、ヒト33751のアミノ酸配列において「イオン輸送タンパク質ドメイン」の同定がもたらされた(図2を参照のこと)。
【0055】
33751ポリペプチドは、「PASドメイン」または「PASドメイン」と相同な領域をさらに含み得る。PASドメインは、古細菌、真正細菌および真核生物において存在する。PASドメインは、EAG様K+チャネルにおいて見出された。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「PASドメイン」は、リガンド−タンパク質相互作用および/またはタンパク質−タンパク質相互作用に関与する、約10アミノ酸残基長〜100アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含む。好ましくは、このPASドメインは、チャネル本体と相互作用し、ゲーティング、不活化、および/または電圧感度に影響する。好ましくは、このPASドメインは、33751ポリペプチドのN末端細胞質領域に位置する。用語「PASドメイン」は、約10〜100アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含み、このアミノ酸配列は、サイクリックヌクレオチド結合ドメイン(HMM)に対するその配列のアライメントについてのビットスコア少なくとも5を有する。好ましくは、PASドメインは、少なくとも約10アミノ酸〜100アミノ酸、より好ましくは約13アミノ酸残基〜50アミノ酸残基、または約17アミノ酸〜25アミノ酸を含み、そしてPASドメイン(HMM)に対するその配列のアライメントに関するビットスコア少なくとも6以上を有する。このPASドメイン(HMM)は、PFAM登録番号PF00989が割り当てられている(http://genome.wustl.edu/Pfam/html)。ヒト33751のPASドメイン(配列番号2のアミノ酸41〜60)と、隠れマルコフモデル由来のコンセンサスアミノ酸配列(配列番号5)とのアライメントが、図3Aに示される。
【0057】
33751タンパク質配列中の「PAS」ドメインの存在を同定するため、および目的のポリペプチドまたはタンパク質が特定のプロフィールを有するという決定を行うために、そのタンパク質のアミノ酸配列が、Schultzら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:5857およびSchultzら(200)Nucl.Acids Res 28:231に記載されるように、HMMのSMARTデータベース(Simple Modular Architecture Research Tool,http://smart.embl−heidelberg.de/)に対して検索され得る。このデータベースは、HMMer2サーチプログラムの隠れマルコフモデルを用いてプロファイリングすることにより同定されたドメインを含む(R.Durbinら(1998)Biological sequence analysis:probabilistic models of proteins and nucleic acids.Cambridge University Press.;http://hmmer.wustl.edu/)。このデータベースはまた、精度を増大するために、広範に注釈をつけられそして熟練者によりモニターされる。検索が、HMMデータベースに対して実施され、配列番号2の残基およそ41〜60で、ヒト33751のアミノ酸配列において「PAS」ドメインの同定がもたらされた(図3Bを参照のこと)。
【0058】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、「PASドメイン」を有するか、あるいは少なくとも約10〜100アミノ酸残基、より好ましくは約13〜50アミノ酸残基、または17〜25アミノ酸残基を含みかつ「PASドメイン」と少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有する領域(例えば、ヒト33751のPASドメイン(例えば、配列番号2の残基41〜60))を有する。
【0059】
33751ポリペプチドは、「PACドメイン」または「PACドメイン」と相同な領域をさらに含み得る。本明細書中で使用される場合、「PACドメイン」は、約10〜100アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含む。好ましくは、PACドメインは、PASドメインのフォールディングに寄与する。好ましくは、PACドメインは、33751ポリペプチド中のPASドメインのC末端に位置する。用語「PACドメイン」は、約10〜100アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含み、このアミノ酸配列は、サイクリックヌクレオチド結合ドメイン(HMM)に対するその配列のアライメントについてのビットスコア少なくとも10以上を有する。好ましくは、PACドメインは、少なくとも約10〜100アミノ酸、より好ましくは約20〜50アミノ酸残基、または約25〜30アミノ酸を含み、そしてPACドメインに対するその配列のアライメントについてのビットスコア少なくとも15以上を有する。PACドメイン(HMM)は、PFAM登録番号PF00785(http://genome.wustle.edu/Pfam/html)を割当てられている。ヒト33751のPACドメイン(配列番号2のアミノ酸93〜120)と、隠れマルコフモデル由来のコンセンサスアミノ酸配列(配列番号6)とのアライメントが、図3Aに示される。
【0060】
33751タンパク質配列中の「PAC」ドメインの存在を同定するため、および目的のポリペプチドまたはタンパク質が特定のプロフィールを有するという決定を行うために、そのタンパク質のアミノ酸配列が、Schultzら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:5857およびSchultzら(200)Nucl.Acids Res 28:231に記載されるように、HMMのSMARTデータベース(Simple Modular Architecture Research Tool,http://smart.embl−heidelberg.de/)に対して検索され得る。このデータベースは、HMMer2サーチプログラムの隠れマルコフモデルを用いてプロファイリングすることにより同定されたドメインを含む(R.Durbinら(1998)Biological sequence analysis:probabilistic models of proteins and nucleic acids.Cambridge University Press.;http://hmmer.wustl.edu/)。このデータベースはまた、精度を増大するために、広範に注釈をつけられそして熟練者によりモニターされる。検索が、HMMデータベースに対して実施され、配列番号2の残基およそ93〜120で、ヒト33751のアミノ酸配列において「PAC」ドメインの同定がもたらされた(図3Bを参照のこと)。
【0061】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、「PACドメイン」を有するか、あるいは少なくとも約10〜100アミノ酸残基、20〜50アミノ酸残基、または約25〜30アミノ酸残基を含み、かつ「PACドメイン」と少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有する領域(例えば、ヒト33751のPACドメイン(例えば、配列番号2の残基93〜120))を有する。
【0062】
33751分子は、サイクリックヌクレオチド結合ドメイン、または「サイクリックヌクレオチド結合ドメイン」と相同な領域をさらに含み得る。本明細書中で使用される場合、「サイクリックヌクレオチド結合ドメイン」は、約50〜200アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含み、このアミノ酸配列は、サイクリックヌクレオチド結合ドメイン(HMM)に対するその配列のアライメントについてのビットスコア少なくとも50を有する。好ましくは、サイクリックヌクレオチド結合ドメインは、サイクリックヌクレオチド(例えば、cAMPまたはcGMP)に結合可能であり、そして3つのI−ヘリックスと、個々の8本鎖アンチパラレルJ−バレル構造とから構成される。好ましくは、サイクリックヌクレオチド結合ドメインは、少なくとも約50〜200アミノ酸、より好ましくは約70〜120アミノ酸残基、または約85〜95アミノ酸を含み、かつ、サイクリックヌクレオチド結合ドメイン(HMM)に対するその配列のアライメントについてのビットスコア少なくとも75以上を有する。サイクリックヌクレオチド結合ドメイン(HMM)は、PFAM登録番号PF00027(http://genome.wustl.edu/Pfam/html)を割当てられている。ヒト33751のサイクリックヌクレオチド結合ドメイン(配列番号2のアミノ酸760〜850)と、隠れマルコフモデル由来のコンセンサスアミノ酸配列(配列番号7)とのアライメントが、図4Aに示される。
【0063】
33751タンパク質配列中の「サイクリックヌクレオチド結合」ドメインの存在を同定するため、および目的のポリペプチドまたはタンパク質が特定のプロフィールを有するという決定を行うために、そのタンパク質のアミノ酸配列が、Schultzら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:5857およびSchultzら(200)Nucl.Acids Res 28:231に記載されるように、HMMのSMARTデータベース(Simple Modular Architecture Research Tool,http://smart.embl−heidelberg.de/)に対して検索され得る。このデータベースは、HMMer2サーチプログラムの隠れマルコフモデルを用いてプロファイリングすることにより同定されたドメインを含む(R.Durbinら(1998)Biological sequence analysis:probabilistic models of proteins and nucleic acids.Cambridge University Press.)。このデータベースはまた、精度を増大するために、広範に注釈をつけられそして熟練者によりモニターされる。検索が、HMMデータベースに対して実施され、配列番号2の残基およそ760〜850で、ヒト33751のアミノ酸配列において「サイクリックヌクレオチド結合」ドメインの同定がもたらされた(図4Bを参照のこと)。
【0064】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、「サイクリックヌクレオチド結合ドメイン」を有するか、あるいは少なくとも約50〜200アミノ酸残基、より好ましくは約70〜120アミノ酸残基、または約85〜95アミノ酸残基を含み、かつ「サイクリックヌクレオチド結合ドメイン」と少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有する領域(例えば、ヒト33751のサイクリックヌクレオチド結合ドメイン(例えば、配列番号2の残基760〜850))を有する。
【0065】
33751タンパク質は、配列番号2のアミノ酸およそ1〜411に位置する推定N末端細胞質ドメインをさらに含む。本明細書中で使用される場合、「N末端細胞質ドメイン」は、約1〜600アミノ酸残基長、好ましくは約1〜500アミノ酸残基長、またはなおより好ましくは約1〜420アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含み、細胞の内側、すなわち細胞内に位置する。「N末端細胞質ドメイン」のC末端アミノ酸残基は、33751タンパク質中の膜貫通ドメインのN末端アミノ酸残基に隣接する。例えば、N末端細胞質ドメインは、配列番号2のアミノ酸残基およそ1〜411に位置する。
【0066】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、「N末端細胞質ドメイン」を有するか、あるいは少なくとも約1〜600アミノ酸残基、好ましくは約100〜420アミノ酸残基、そしてなおより好ましくは約411アミノ酸残基を含みかつ「N末端細胞質ドメイン」と少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有する領域(例えば、ヒト33751のN末端細胞質ドメイン(例えば、配列番号2の残基1〜411))を有する。
【0067】
別の実施形態において、33751タンパク質は、そのタンパク質の配列中に、「C末端細胞質ドメイン」(本明細書においてC末端細胞質テールとも呼ばれる)を含む。本明細書中で使用される場合、「C末端細胞質ドメイン」は、少なくとも約200アミノ酸残基、より好ましくは400アミノ酸残基以上の長さを有するアミノ酸配列を含み、細胞内または細胞の細胞質中に位置する。従って、「C末端細胞質ドメイン」のN末端アミノ酸残基は、天然に存在する33751タンパク質中の膜貫通ドメインのC末端アミノ酸残基に隣接する。例えば、C末端細胞質ドメインは、配列番号2のアミノ酸残基およそ667〜1196に見出される。
【0068】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、C末端細胞質ドメインを有するか、あるいは少なくとも約200アミノ酸残基、より好ましくは400アミノ酸残基以上を含みかつ「C末端細胞質ドメイン」と少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有する領域(例えば、ヒト33751のC末端細胞質ドメイン(例えば、配列番号2の残基667〜1196))を有する。
【0069】
33751タンパク質は、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、好ましくは6個の膜貫通ドメインをさらに含む。本明細書中で使用される場合、用語「膜貫通ドメイン」は、形質膜に広がる約10〜45アミノ酸残基長、好ましくは12〜30アミノ酸残基長、最も好ましくは15〜25アミノ酸残基長のアミノ酸配列を含む。より好ましくは、膜貫通ドメインは、少なくとも約17アミノ酸残基、18アミノ酸残基、19アミノ酸残基、22アミノ酸残基、または25アミノ酸残基を含み、形質膜に広がる。膜貫通ドメインは、疎水性残基が豊富であり、代表的には、α−ヘリックス構造を有する。好ましい実施形態において、膜貫通ドメインのアミノ酸のうちの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%以上が、疎水性(例えば、ロイシン、イソロイシン、チロシン、またはトリプトファン)である。膜貫通ドメインは、例えば、Zagotta,W.N.ら(1996)Annual Rev.Neurosci.19:235〜263(その内容は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。配列番号2のアミノ酸残基412〜433、453〜470、495〜513、549〜573、614〜630、および642〜666が、膜貫通ドメインである(図1を参照のこと)。従って、配列番号2のアミノ酸412〜433、453〜470、495〜513、549〜573、614〜630、および642〜666と少なくとも50〜60%の相同性、好ましくは約60〜70%の相同性、より好ましくは約70〜80%の相同性、約80〜90%の相同性、または約90〜100%の相同性を有するタンパク質は、本発明の範囲内にある。
【0070】
別の実施形態では、33751タンパク質は、少なくとも1個または少なくとも2個の細胞質ループ(本明細書中では、細胞質ドメインともいう)を含む。本明細書中で用いられる場合、「細胞質ループ」は、細胞内または細胞の細胞質内に位置する、少なくとも約10個、好ましくは約20個のアミノ酸残基の長さを有するアミノ酸配列を含む。例えば、細胞質ループは、配列番号2のおよそアミノ酸471〜494、または574〜613において見出される。
【0071】
好ましい実施形態では、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、少なくとも約10個、好ましくは少なくとも約20個のアミノ酸残基を含みかつ「細胞質ループ」(例えば、ヒト33751の少なくとも1つの細胞質ループ(例えば、配列番号2の残基471〜494、または残基574〜613))との少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または約100%の相同性を有する、少なくとも1つの細胞質ループまたは領域を有する。
【0072】
別の実施形態では、33751タンパク質は、少なくとも1個、少なくとも2個または少なくとも3個の細胞外ループを含む。本明細書中で定義される場合、用語「ループ」は、少なくとも約20〜70個のアミノ酸残基、そして好ましくは約30〜50個のアミノ酸残基の長さを有する、リン脂質膜の外側に存在し、そしてタンパク質またはポリペプチド内の2個の膜貫通ドメインを連結するアミノ酸配列を有する、アミノ酸配列を包含する。細胞外ドメインは、細胞の外側に位置する。従って、非細胞質ループのN末端アミノ酸は、33751タンパク質において膜貫通ドメインのC末端アミノ酸に隣接し、そして非細胞質ループのC末端アミノ酸は、33751タンパク質において膜貫通ドメインのN末端アミノ酸に隣接する。例えば、「細胞外ループ」は、配列番号2のおよそアミノ酸434〜452、およそアミノ酸514〜548、およびおよそアミノ酸631〜641に見出され得る。
【0073】
好ましい実施形態では、33751ポリペプチドまたは33751タンパク質は、少なくとも約5個のアミノ酸残基、好ましくは約5〜80個のアミノ酸残基、そしてより好ましくは約20〜50個のアミノ酸残基を含み、そして「非細胞質ループ」(例えば、ヒト33751の少なくとも1個の非細胞質ループ(例えば、配列番号2の残基403〜433、残基493〜540、および残基604〜645)との少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または約100%の相同性を有する、少なくとも1個、少なくとも2個または少なくとも3個の細胞外ループまたは領域を有する。
【0074】
従って、本発明の1つの実施形態では、33751は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、好ましくは少なくとも6個の膜貫通ドメイン、少なくとも1個もしくは2個の細胞質ループ、および/または少なくとも1個、2個、もしくは3個の非細胞質ループを含む。別の実施形態では、この33751は、N末端細胞質ドメインおよびC末端細胞質ドメインをさらに含む。
【0075】
33751ファミリーのメンバーは、少なくとも1個の推定イオン輸送タンパク質ドメイン、少なくとも1個の推定PASドメイン、少なくとも1個の推定PACドメイン、および少なくとも1個の推定サイクリックヌクレオチド結合ドメインを含み得る。さらに、33751ファミリーのメンバーは、以下を含み得る:少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または好ましくは10個の推定N−グリコシル化部位(PS00001);少なくとも1個、2個、3個、または好ましくは4個の推定cAMP依存性およびcGMP依存性のプロテインキナーゼリン酸化部位(PS00004);少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個または好ましくは21個の推定プロテインキナーゼCリン酸化部位(PS00005);少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、または好ましくは24個の推定カゼインキナーゼIIリン酸化部位(PS00006);少なくとも1個、2個、または好ましくは3個のチロシンキナーゼリン酸化部位(PS00007);少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または好ましくは10個の推定N−ミリスチル化部位(PS00008);および少なくとも1個の推定アミド化部位(PS00009)。
【0076】
本発明の33751ポリペプチドは33751媒介活性を調節し得るので、これらは、以下に記載のように、33751媒介障害または33751関連障害についての新規の診断剤および治療剤を開発するために有用であり得る。
【0077】
本明細書中で用いられる場合、「3751活性」、「33751の生物学的活性」または「33751の機能的活性」とは、インビボまたはインビトロで決定された場合、33751タンパク質分子、33751ポリペプチド分子または33751核酸分子によって、例えば、33751応答性細胞または33751基質(例えば、タンパク質基質)に対して発揮される活性をいう。1つの実施形態では、33751活性は、33751標的分子との会合のような、直接的活性である。「標的分子」、「基質」または「結合パートナー」は、33751タンパク質が天然で結合または相互作用する分子である。33751活性はまた、間接的活性(例えば、33751結合パートナーとの33751タンパク質の相互作用によって媒介される細胞シグナル伝達活性)であり得る。例示的な実施形態では、33751は、以下のうちの1つ以上を制御する:膜興奮性、ならびに/またはニューロンの興奮(neuronal firing)の頻度およびパターン。
【0078】
上記の配列類似性および下記の組織分布に基づいて、本発明の33751分子は、カリウムチャネルファミリーのメンバーと同様の生物学的活性を有すると推定される。従って、33751カリウムチャネルポリペプチドまたは33751サブ配列ポリペプチドまたは33751改変体ポリペプチドは、上記のドメインのうちの1以上を有し得、それゆえ、カリウムチャネルファミリーのメンバーに特有の1以上の活性または機能(以下を含むがこれらに限定されない)を有し得る:(1)ニューロンからの神経伝達物質の放出を制御する;(2)ニューロン細胞膜の再分極を調節する;(3)電位型カリウムチャネルの形成に寄与する;(4)サイクリックヌクレオチドに結合する;(5)侵害受容応答を調節する;(6)シナプス伝達を調節する;(7)疼痛応答もしくは炎症応答を調節する;または(8)ニューロンの興奮の頻度およびパターンを調節する。従って、33751分子は、カリウムチャネル関連障害を制御するための新規の診断標的および新規の治療剤として作用し得る。
【0079】
K+チャネルの活性化は、ニューロンの興奮の頻度およびパターンに影響を与える。いくつかの電位型K+チャネルは、侵害受容に関与するものを含め、感覚ニューロンのサブ集団において発現される。いくつかの電位依存型K+チャネルの発現が軸索切断後に後根神経節ニューロンにおいて減少すること、およびK+の流れのピークが、慢性炎症の間、感覚ニューロンにおいて低減していることが示されている。さらに、K+チャネルオープナーの投与は、I−2−アドレナリン作用性レセプターのアゴニストまたはモルヒネによって産生される抗侵害受容を増強した。
【0080】
添付の実施例において示すように、Taqman実験は、ヒト脳、続いて後根神経節(DRG)および脊髄における高レベルの33751 mRNA発現を示す(図5、表2)。ヒト33751のラットオルソログのmRNA発現を検出するTaqman実験は、ヒト遺伝子の発現パターンと同様の発現パターンを明らかにした。この結果は、33751遺伝子が、神経系特異的遺伝子であることを示す。さらに、ラットモデルにおけるTaqman実験は、CCI後および軸索切断後でのDRGにおける33751 mRNAの下方調節を示す。ラットモデルにおけるTaqman実験は、CFA注射後および軸索切断後での脊髄における33751 mRNAの下方調節を示す(図6Aおよび図6B、表3〜5)。ヒトプローブを用いたインサイチュハイブリダイゼーションは、サルおよびラットの脳、脊髄、およびDRGにおける33751 mRNAの発現を示す。サルの脊髄では、33751 mRNAは、脊髄視床ニューロンの可能性が最も高い、大きなサイズのニューロン中のV板において発現される。DRGでは、ニューロンの小さなサブ集団は、高レベルの33751 mRNAを発現した。感覚ニューロンの別のサブ集団は、ずっと低レベルの33751 mRNAを発現した。33751の下方調節は、軸索切断の14日後および28日後のインサイチュハイブリダイゼーションによって観察された。従って、33751は、異なる疼痛状態における過敏性に重要であり得、従って、疼痛についての独特の標的を表し得る。
【0081】
疼痛応答の動物モデルとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:軸索切断(軸索の切断または断絶);長期狭窄傷害(chronic constriction injury;CCI)(齧歯類(例えば、ラット)における坐骨神経の結紮を含む、神経障害性疼痛のモデル);または関節炎疼痛のモデルとしての足底内(intraplantar)フロイントアジュバント注射。疼痛応答の他の動物モデルは、例えば、ILAR Journal(1999)第40巻,第3号(この号全体)に記載される。ラット動物モデルにおけるTaqman実験は、DRGにおいて調節が存在しないことを示す。しかし、33751 mRNAは、CCI軸索切断後およびCFA足底内注射後に脊髄において上方調節される。これらの実験は、疼痛応答における33751分子についての役割を示す。
【0082】
それゆえ、33751関連障害は、疼痛応答の調節および調整;ならびに血管収縮応答およびそれに由来する疼痛に有害な影響を与え得る。本発明の33751分子が直接的または間接的に関与し得る33751関連障害の例としては、疼痛、疼痛症候群、および炎症性障害(炎症性疼痛を含む)が挙げられ、それゆえ、33751ポリペプチドの活性または発現の調節因子は、疼痛、疼痛障害、および炎症性障害を制御するための新規の診断剤および治療剤の開発に有用であり得る。
【0083】
疼痛状態の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:種々の形態の組織傷害(例えば、炎症、感染、および虚血)の間に誘発される疼痛;筋骨格障害に関連した疼痛(例えば、関節痛(joint pain)、すなわち、関節炎(arthritis));歯痛;頭痛(例えば、片頭痛(migrane));外科手術に関連した疼痛;炎症に関連した疼痛(例えば、過敏性腸症候群);胸部痛;または痛覚過敏(例えば、疼痛に対する過度の感受性)(例えば、Fields (1987)Pain,New York:McGraw−Hillに記載される)。疼痛障害または疼痛症候群の他の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:複合限局性疼痛症候群(CRPS)、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、カウザルギー、神経痛、中枢疼痛および知覚不全症候群、頸動脈圧痛、神経原性疼痛、不応性頸腕疼痛症候群、筋筋膜疼痛症候群、頭蓋下顎(craniomandibular)疼痛機能不全症候群、慢性特発性疼痛症候群、コステン疼痛機能不全、急性胸部疼痛症候群、非潰瘍性消化不良、間質性膀胱炎、婦人科学的疼痛症候群、膝蓋大腿(patellofemoral)疼痛症候群、膝前部疼痛症候群、小児における再発性腹部疼痛、疝痛、腰痛症候群、神経障害性疼痛、切断による幻想疼痛、幻想歯痛、または疼痛象徴不能(疼痛を感じることができないこと)。疼痛状態の他の例としては、分娩によって誘発される疼痛、すなわち分娩後疼痛が挙げられる。
【0084】
33751ポリペプチドまたは33751核酸の活性または発現を調節する薬剤を用いて、任意の医学的状態によって誘発される疼痛を処置し得る。この処置を受ける被験体は、第二の薬剤(例えば、抗炎症剤、抗生物質または化学療法剤)を用いてさらに処置されて、この状態がさらに改善され得る。
【0085】
この33751分子はまた、他の障害(例えば、癌(例えば、前立腺癌))によって引き起こされる疼痛を制御する、新規の診断標的および治療剤として作用し得る。従って、この33751分子は、細胞増殖性障害および/もしくは細胞分化性障害、またはそれらに由来する疼痛のうちの1以上を制御するための新規の診断標的および治療剤として作用し得る。
【0086】
この33751 mRNAは脳において高度に発現される(図5)ので、33751分子はまた、脳の障害についての新規の診断標的および治療剤として作用し得る。脳に関与する障害としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ニューロンに関与する障害、およびグリア(例えば、星状細胞、稀突起神経膠細胞、上衣細胞、および小グリア)に関与する障害;脳浮腫、上昇した頭蓋内圧およびヘルニア形成、ならびに水頭症;奇形および発生性疾患(例えば、神経管欠損、前脳奇形、後部窩奇形(posterior fossa anomaly)、ならびに脊髄空洞症および水脊髄症);周産期脳傷害;脳血管疾患(例えば、低酸素に関連した脳血管疾患、虚血に関連した脳血管疾患、および梗塞に関連した脳血管疾患)(低血圧、低灌流、および低流動状態(全脳虚血および局所脳虚血)を含む)、局所血液供給の閉塞による梗塞、頭蓋内出血(脳内(実質内)出血、くも膜下出血および破裂性漿果状動脈瘤を含む)、ならびに血管奇形、高血圧性脳血管疾患(裂孔梗塞、細隙出血、および高血圧性脳障害を含む);感染(例えば、急性髄膜炎(急性化膿性(細菌性)髄膜炎および急性無菌性(ウイルス性)髄膜炎を含む)、急性限局性化膿性感染(脳膿瘍、硬膜下蓄膿、および硬膜外膿瘍を含む)、慢性細菌性髄膜脳炎(結核およびマイコバクテリア症(mycobacterioses)を含む)、神経梅毒、および神経ボレリア症(ライム病)、ウイルス性髄膜脳炎(節足動物媒介性(Arbo)ウイルス脳炎を含む)、単純疱疹ウイルス1型、単純疱疹ウイルス2型、水痘−帯状疱疹(Varicalla−zoster)ウイルス(帯状疱疹)、サイトメガロウイルス、ポリオ、狂犬病、およびヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1髄膜脳炎(亜急性脳炎)、空胞ミエロパシー、AIDS関連ミオパシー、末梢神経障害および小児におけるAIDSを含む)、進行性多病巣性白質脳障害、亜急性硬化性汎脳炎、真菌性髄膜脳炎、神経系の他の感染性疾患;伝染性海綿状脳障害(プリオン疾患);脱髄疾患(多発性硬化症、異型多発性硬化症、急性播種性脳脊髄炎および急性壊死性出血性脳脊髄炎および脱髄についての他の疾患を含む);変性性疾患(例えば、大脳皮質に影響する変性性疾患(アルツハイマー病およびピック病を含む)、大脳基底核および脳幹の変性性疾患(パーキンソン症候群、特発性パーキンソン病(振せん麻痺(paralysis agitans))、進行性核上性麻痺、皮質基底部変性(corticobasal degenration)、多発性全身性萎縮(線条体黒質変性(striatonigral degenration)、シャイ−ドレーガー症候群、およびオリーブ橋小脳萎縮を含む)、ならびにハンティングトン病を含む);脊髄小脳変性(脊髄小脳性運動失調(フリートライヒ運動失調、および毛細血管拡張性運動失調(ataxia−telanglectasia)を含む)を含む)、運動ニューロンに影響する変性性疾患(筋萎縮性側索硬化症(運動ニューロン疾患)、延髄脊髄萎縮(ケネディ症候群)、および棘筋萎縮を含む);先天性代謝異常(例えば、白質萎縮(クラッベ病、異染性白質萎縮、副腎脳白質ジストロフィー、ペリツェーウス−メルツバッヒャー病、およびキャナヴァン病を含む)、ミトコンドリア脳ミオパシー(mitochondrial encephalomyopathies)(リー病および他のミトコンドリア脳ミオパシーを含む);毒性代謝疾患および後天性代謝疾患(ビタミン欠損(例えば、チアミン(ビタミンB1)欠損およびビタミンB12欠損)、代謝障害の神経学的後遺症(低血糖、高血糖、および肝性脳障害を含む)、毒性障害(一酸化炭素、メタノール、エタノール、および放射線(複合型メトトレキサートおよび放射線誘発性傷害を含む)を含む)を含む);腫瘍(例えば、神経膠腫(星状細胞腫(線維性(びまん性)星状細胞腫および多形性神経膠芽細胞腫(glioblastoma multiforme)、毛嚢腫性(pilocytic)星状細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫を含む)、ならびに脳幹神経膠腫、乏突起神経膠腫、ならびに上衣細胞腫および関連の室傍大量病変(paraventricular mass lesion)を含む)、ニューロン腫瘍、未分化型新生物(髄芽細胞腫を含む)、他の実質腫瘍(原発性脳リンパ腫(primary brain lymphoma)、生殖細胞腫瘍、および松果体実質腫瘍を含む)、髄膜腫、転移性腫瘍、新生物随伴症候群、末梢神経鞘腫瘍(神経鞘腫、神経線維腫、および悪性末梢神経鞘腫瘍(悪性神経鞘腫)を含む)、ならびに神経皮膚症候群(母斑症(phakomatoses))(神経線維腫症(neurofibromotosis)(1型神経線維腫症(NF1)および2型神経線維腫症(NF2)を含む)、結節硬化症、およびフォン・ヒッペル−リンダウ症候群を含む)。
【0087】
33751タンパク質、そのフラグメント、ならびにその配列番号2における配列の誘導体および他の改変体は、集合的に、「本発明のポリペプチドまたはタンパク質」あるいは「33751ポリペプチドまたは33751タンパク質」といわれる。このようなポリペプチドまたはタンパク質をコードする核酸分子は、集合的に、「本発明の核酸」または「33751核酸」といわれる。33751分子とは、33751核酸、33751ポリペプチド、および33751抗体をいう。
【0088】
本明細書中で使用する場合、用語「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、およびDNAまたはRNAのアナログを包含する。DNAまたはRNAのアナログは、ヌクレオチドアナログから合成され得る。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは、二本鎖DNAである。
【0089】
用語「単離された核酸分子」または「精製された核酸分子」は、核酸の天然の供給源に存在する他の核酸分子から分離された核酸分子を包含する。例えば、ゲノムDNAに関して、用語「単離された」は、そのゲノムDNAが天然で結合している染色体から分離された核酸分子を包含する。好ましくは、「単離された」核酸は、その核酸の由来となった生物のゲノムDNAにおいてその核酸に天然で隣接する配列(すなわち、この核酸の5’末端および/または3’末端に位置する配列)を含まない。例えば、種々の実施形態において、単離された核酸分子は、その核酸の由来となった細胞のゲノムDNAにおいて天然でその核酸分子に隣接する、約5kb未満、約4kb未満、約3kb未満、約2kb未満、約1kb未満、約0.5kb未満、または約0.1kb未満の5’側および/または3’側のヌクレオチド配列を含み得る。さらに、「単離された」核酸分子(例えば、cDNA分子)は、他の細胞物質、または組換え技術により生成される場合、培養培地を実質的に含まなくともよく、あるいは、化学合成される場合、化学前駆体も他の化学物質も実質的に含まなくともよい。
【0090】
本明細書中で使用される場合、用語「低ストリンジェンシー、中程度のストリンジェンシー、高ストリンジェンシー、または非常に高いストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズする」とは、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための条件を説明する。ハイブリダイゼーション反応を実施するための手引きは、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6(参考として援用される)において見出され得る。水性および非水性の方法は、その参考文献に記載され、そしてそのいずれもが使用され得る。本明細書中で言及される特定のハイブリダイゼーション条件は、以下の通りである:1)約45℃で6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中での低ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、その後の少なくとも50℃で0.2×SSC、0.1%SDS中での2回の洗浄(洗浄温度は、低ストリンジェンシーの条件について55℃まで上昇され得る);2)約45℃で6×SSC中での中程度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、その後の60℃で0.2×SSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄;3)約45℃で6×SSC中での高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件、その後の65℃で0.2×SSC、0.1%SDS中での1回以上の洗浄;そして好ましくは、4)非常に高ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件は、65℃で0.5Mリン酸ナトリウム、7%SDS、その後の65℃で0.2×SSC、1%SDS中での1回以上の洗浄である。非常に高ストリンジェンシー条件(4)が、好ましい条件であり、そして他にそうでないことが指定されない限り、使用されるべき条件である。
【0091】
好ましくは、本明細書中に記載されるストリンジェンシー条件下で、配列番号1または配列番号3の配列にハイブリダイズする本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対応する。
【0092】
本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」核酸分子は、天然で生じるヌクレオチド配列を有する、RNA分子またはDNA分子をいう。例えば、天然に存在する核酸分子は、天然のタンパク質をコードし得る。
【0093】
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」は、33751タンパク質をコードする少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含む核酸分子をいう。この遺伝子は、必要に応じて、非コード配列(例えば、調節配列およびイントロン)をさらに含み得る。好ましくは、遺伝子は、哺乳動物33751タンパク質またはその誘導体をコードする。
【0094】
「単離された」または「精製された」ポリペプチドまたはタンパク質は、そのタンパク質が由来する細胞または組織供給源由来の細胞物質も他の混入タンパク質も実質的に含まないか、あるいは化学合成された場合、化学前駆体も他の化学物質も実質的に含まない。「実質的に含まない」は、33751タンパク質の調製物が、少なくとも10%純粋であることを意味する。好ましい実施形態において、33751タンパク質の調製物は、約30%未満、約20%未満、約10%未満、およびより好ましくは、約5%未満(乾燥重量)の、非33751タンパク質(本明細書中で「混入タンパク質」とも呼ばれる)または化学前駆体もしくは非33751化学物質を有する。33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分が組換え産生される場合、それはまた、好ましくは、培養培地を実質的に含まない(すなわち、培養培地は、タンパク質調製物の容量の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満を占める)。本発明は、乾燥重量で、少なくとも0.01mg、0.1mg、1.0mg、および10mgの単離または精製された調製物を含む。
【0095】
「非必須」アミノ酸残基は、33751活性を喪失または実質的に変更することなく、33751の野生型配列から変更され得る残基である。好ましくは、この変更は、33751活性を実質的に変更しない(例えば、この活性は、野生型の少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも80%である)。「必須」アミノ酸残基は、33751の野生型配列から変更される場合、33751活性が喪失し、その結果、野生型活性の20%未満が存在するようになる残基である。例えば、33751において保存されたアミノ酸残基は、特に変更されにくいことが予想される。
【0096】
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるアミノ酸置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で規定されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が挙げられる。従って、33751タンパク質中の予測される非必須アミノ酸残基は、好ましくは、同一側鎖ファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換される。あるいは、別の実施形態において、変異は、33751コード配列の全てまたは一部に沿って無作為に導入され得(例えば、飽和変異誘発によって)、そして得られる変異体は、活性を保持する変異体を同定するために、33751生物学的活性についてスクリーニングされ得る。配列番号1または配列番号3の変異誘発の後、コードされるタンパク質は組換え発現され得、そしてタンパク質の活性が決定され得る。
【0097】
本明細書中で使用される場合、33751タンパク質の「生物学的に活性な部分」としては、相互作用(例えば、分子内相互作用)または分子間相互作用に関与する33751タンパク質のフラグメントが挙げられる。分子間相互作用は、特異的結合相互作用または酵素的相互作用であり得る(例えば、この相互作用は、一過性であり得、そして共有結合は、形成されるかまたは分解される)。分子間相互作用は、33751分子と非33751分子との間、または第1の33751分子と第2の33751分子との間(例えば、二量体化相互作用)であり得る。33751タンパク質の生物学的に活性な部分としては、全長33751タンパク質より少ないアミノ酸を含み、かつ33751タンパク質の少なくとも1つの活性を示す、33751タンパク質のアミノ酸配列に十分に相同であるかまたはそれに由来するアミノ酸配列(例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列)を含むペプチドが挙げられる。代表的に、生物学的に活性な部分は、33751タンパク質の少なくとも1つの活性(例えば、(1)ニューロンからの神経伝達物質の放出を制御する活性;(2)ニューロンの細胞膜の再分極を調節する活性;(3)電位依存型カリウムチャネルの形成に寄与する活性;(4)サイクリックヌクレオチドに結合する活性;(5)侵害受容応答を調節する活性;(6)シナプス伝達を調節する活性;(7)疼痛または炎症応答を調節する活性;あるいは(8)ニューロンの興奮の頻度およびパターンを調節する活性)を有するドメインまたはモチーフを含む。33751タンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、10、25、50、100、200またはそれ以上のアミノ酸長であるポリペプチドであり得る。33751タンパク質の生物学的に活性な部分は、33751媒介活性(例えば、(1)ニューロンからの神経伝達物質の放出を制御する活性;(2)ニューロンの細胞膜の再分極を調節する活性;(3)電位依存型カリウムチャネルの形成に寄与する活性;(4)サイクリックヌクレオチド依存型カリウムチャネルの形成に寄与する活性;(5)侵害受容応答を調節する活性;(6)シナプス伝達を調節する活性;(7)疼痛または炎症応答を調節する活性;あるいは(8)ニューロンの興奮の頻度およびパターンを調節する活性)を調節する薬剤を開発するための標的として使用され得る。
【0098】
配列間の相同性または配列同一性(これらの用語は、本明細書中で交換可能に使用される)の計算は、以下のように実施される。
【0099】
2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するために、これらの配列は、最適な比較目的で整列される(例えば、ギャップは、最適な整列のために、第1および第2のアミノ酸配列または核酸配列の一方または両方に導入され得、そして非相同配列は、比較目的で無視され得る)。好ましい実施形態において、比較目的で整列される参照配列の長さは、参照配列の少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、およびさらにより好ましくは、少なくとも70%、80%、90%、100%の長さである。次いで、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドが、比較される。第1の配列における位置が、第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、これらの分子は、その位置で同一である(本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と等しい)。
【0100】
2つの配列間のパーセント同一性は、それらの配列により共有される同一の位置の数の関数である(2つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要のあるギャップの数および各ギャップの長さが考慮される)。
【0101】
配列の比較および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを用いて達成され得る。好ましい実施形態において、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comから入手可能)においてGPAプログラムに組み込まれたNeedlemanおよびWunsch((1970)J.Mol.Biol.48:444−453)のアルゴリズムを用い、Blossum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスのいずれか、ならびにギャップウェイト16、14、12、10、8、6、または4およびレングスウェイト(length weight)1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。さらに別の好ましい実施形態において、2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、GCGソフトウェアパッケージ(http://www.gcg.comから入手可能)のGAPプログラムを用い、NWSgapdna.CMPマトリクスならびにギャップウェイト40、50、60、70、または80およびレングスウェイト1、2、3、4、5、または6を用いて決定される。特に好ましいセットのパラメータ(およびそうでないことが示されない限り使用されるべきパラメータ)は、Blossum 62スコアリングマトリクス(ギャップペナルティー12、ギャップエクステンドペナルティー4、およびフレームシフトギャップペナルティー5)である。
【0102】
2つのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE.MeyersおよびW.Miller((1989)CABIOS、4:11−17)のアルゴリズムを用い、PAM120ウェイトレジデューテーブル(weight redidue table)、ギャップレングスペナルティー12、およびギャップペナルティー4を用いて決定され得る。
【0103】
本明細書中に記載される核酸配列およびタンパク質配列は、「問い合わせ配列」として使用され、公のデーターベースに対してサーチが実施され得る(例えば、他のファミリーメンバーまたは関連配列を同定するために)。このようなサーチは、Altschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−10のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を用いて実施され得る。BLASTヌクレオチドサーチは、NBLASTプログラム、スコア=100、ワードレングス=12を用いて実施され得、本発明の33751核酸分子に相同なヌクレオチド配列が獲得される。BLASTタンパク質サーチは、XBLASTプログラム、スコア=50、ワードレングス=3を用いて実施され得、本発明の33751タンパク質分子に相同なアミノ酸配列が獲得される。比較目的でギャップアラインメント(gapped alignment)を獲得するために、Gapped BLASTが、Altschulら(1997)Nucleic Acids Res.25:3389−3402に記載のように使用され得る。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを使用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータが使用され得る。http://www.ncbi.nlm.nih.govを参照のこと。
【0104】
本発明の特に好ましい33751ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有する。アミノ酸配列の文脈で、用語「実質的に同一」は、i)第2のアミノ酸配列における整列されたアミノ酸残基と同一であるか、またはii)その保存的置換である十分な数または最小限の数のアミノ酸残基を含む第1のアミノ酸をいうよう本明細書中で使用され、その結果、第1および第2のアミノ酸配列は、共通の構造的ドメインおよび/または共通の機能的活性を有し得る。例えば、配列番号2に対して少なくとも約60%、または65%の同一性、おそらく、75%の同一性、よりおそらくは85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する共通の構造的ドメインを含むアミノ酸配列は、実質的に同一であると言及される。
【0105】
ヌクレオチド配列の文脈において、用語「実質的に同一」は、第2の核酸配列における整列されたヌクレオチドと同一のヌクレオチドの十分な数または最小限の数を含む第1の核酸配列をいうように本明細書中で使用され、その結果、第1および第2のヌクレオチド配列は、共通の機能的活性を有するポリペプチドをコードするか、または共通の構造的ポリペプチドドメインもしくは共通の機能的ポリペプチド活性をコードする。例えば、配列番号1または3に対して少なくとも約60%、または65%の同一性、おそらく、75%の同一性、よりおそらくは85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するヌクレオチド配列は、実質的に同一であると言及される。
【0106】
「誤発現または異常な発現」は、本明細書中で使用される場合、RNAまたはタンパク質のレベルでの遺伝子発現の非野生型パターンをいう。これらとしては、以下:非野生型レベルでの発現(すなわち、過剰発現または過少発現);遺伝子が発現される時点または段階の点で野生型と異なる発現パターン(例えば、予め決定された発達期または段階での増加または減少した発現(野生型と比較した場合));予め決定された細胞型または組織型において変更された(例えば、増加または減少した)発現(野生型と比較した場合)の点で野生型と異なる発現パターン;スプライシングサイズ、翻訳されるアミノ酸配列、翻訳後修飾、または発現されたポリペプチドの生物学的活性の点で野生型と異なる発現パターン;遺伝子の発現に対する環境的刺激または細胞外刺激の効果の点で野生型と異なる発現パターン(例えば、刺激の強度における増加または減少の存在下で増加または減少した発現パターン(野生型と比較した場合))、が挙げられる。
【0107】
「被験体」は、本明細書中で使用される場合、ヒトおよび非ヒト動物をいう。本発明の用語「非ヒト動物」は、全ての脊椎動物(例えば、哺乳動物(例えば、非ヒト霊長類(特に、高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類(例えば、マウスまたはラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ)、および非哺乳動物(例えば、ニワトリ、両生類、爬虫類)など)を含む。好ましい実施形態において、被験体は、ヒトである。別の実施形態において、被験体は、実験動物または疾患モデルとして適切な動物である。
【0108】
「細胞の精製調製物」は、本明細書中で使用される場合、細胞のインビトロ調製物をいう。多細胞生物(例えば、植物および動物)由来の細胞の場合、細胞の精製調製物は、その生物から獲得される細胞のサブセットであり、完全にインタクトな生物ではない。単細胞微生物(例えば、培養細胞および微生物細胞)の場合、それは、被験体細胞の少なくとも10%およびより好ましくは少なくとも50%の調製物からなる。
【0109】
本発明の種々の局面は、以下でさらに詳細に記載される。
【0110】
(33751核酸フラグメント)
本発明の核酸分子は、配列番号1または3の核酸配列の一部のみを含み得る。例えば、このような核酸分子としては、プローブもしくはプライマーとして使用され得るフラグメント、または33751タンパク質の一部(例えば、33751タンパク質の免疫原性部分または生物学的に活性な部分)をコードするフラグメントが挙げられ得る。フラグメントは、配列番号1のヌクレオチドを含み得、これは、ヒト33751のイオンチャネルドメインをコードする。33751遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、他の33751ファミリーメンバーもしくはそのフラグメント、ならびに多種由来の33751ホモログもしくはそのフラグメントを、同定および/またはクローニングする際の使用のために設計されたプローブおよびプライマーの生成を可能にする。
【0111】
別の実施形態において、核酸分子は、コード領域の一部または全部を含み、そして5’非コード領域もしくは3’非コード領域のいずれか(または両方)へと延びるヌクレオチド配列を含む。他の実施形態は、本明細書中に記載されるアミノ酸フラグメントをコードするヌクレオチド配列を含むフラグメントを含む。核酸フラグメントは、本明細書中に記載される特定のドメインもしくは部位、またはそのフラグメント(特に、少なくとも50アミノ酸長のフラグメント)をコードし得る。フラグメントはまた、上記の特定のアミノ酸配列またはそのフラグメントに対応する核酸配列を含む。核酸フラグメントは、本発明以前に開示され得たフラグメントを包含するとは解釈されるべきではない。
【0112】
核酸フラグメントは、本明細書中に記載されるドメイン、領域または機能的部位に対応する配列を含み得る。核酸フラグメントはまた、本明細書中に記載される1つ以上のドメイン、領域または機能的フラグメントを含み得る。従って、例えば、33751核酸フラグメントは、イオン輸送ドメイン、またはPASドメインに対応する配列を含み得る。
【0113】
33751プローブおよびプライマーが提供される。代表的に、プローブ/プライマーは、単離または精製されたオリゴヌクレオチドである。このオリゴヌクレオチドは、代表的に、本明細書中に記載されるストリンジェンシー条件下で、配列番号1もしくは配列番号3のセンス配列もしくはアンチセンス配列、または配列番号1もしくは配列番号3の天然に存在する対立遺伝子改変体もしくは変異体と、少なくとも約7、12、または15、好ましくは約20または25、より好ましくは約30、35、40、45、50、55、60、65、または75連続するヌクレオチドとハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含む。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、約200、150、120、または100ヌクレオチド長未満である。
【0114】
一つの実施形態において、このプローブまたはプライマーは、固体支持体(例えば、本明細書中に記載される固体支持体)に付着される。
【0115】
プライマーの一つの例示的なキットは、コード鎖にアニーリングする順方向プライマー、および非コード鎖にアリーニングする逆方向プライマーを含む。順方向プライマーは、開始コドン(例えば、配列番号2のアミノ酸残基1をコードする核酸配列)にアニーリングし得る。逆方向プライマーは、最終コドン(例えば、終止コドン(例えば、配列番号2のアミノ酸残基848をコードするコドン)の直前のコドン)にアリーリングし得る。好ましい実施形態において、順方向プライマーおよび逆方向プライマーのアニーリング温度は、5℃、4℃、3℃、または2℃未満異なる。
【0116】
好ましい実施形態において、この核酸は、少なくとも10、12、15、18、20および200未満、より好ましくは、100未満、または50未満のヌクレオチド長である、プローブである。この核酸は、本明細書中に開示された配列と、同一であるか、または1もしくは2、または5もしくは10ヌクレオチド未満で異なるべきである。アライメントが、比較のために必要とされる場合、この配列は、最大の相同性でアライメントされるべきである。欠失もしくは挿入、またはミスマッチ由来の「ループ(looped)」アウト配列は、差異とみなされる。
【0117】
プローブまたはプライマーは、イオン輸送タンパク質ドメイン(配列番号2のアミノ酸約450〜662)、PASドメイン(配列番号2のアミノ酸約41〜60)、PACドメイン(配列番号2のアミノ酸約93〜120)、またはサイクリックヌクレオチド結合ドメイン(配列番号2のアミノ酸約760〜850)をコードする核酸の、センス鎖またはアンチセンス鎖から誘導され得る。
【0118】
別の実施形態において、一連のプライマー(例えば、33751配列の選択された領域(例えば、本明細書中に記載される、ドメイン、領域、部位または他の配列)を増幅するために使用され得る、PCRにおいて使用するために適切なプライマー)が、提供される。このプライマーは、少なくとも、5、10、または50の塩基対長、100未満、または200未満の塩基対長であるべきである。このプライマーは、同一であるか、または本明細書中に開示される配列もしくは天然に存在する改変体と一つの塩基異なるべきである。例えば、以下の領域:イオン輸送タンパク質ドメイン(配列番号2のアミノ酸約450〜662)、PASドメイン(配列番号2のアミノ酸約41〜60)、PACドメイン(配列番号2のアミノ酸約93〜120)、またはサイクリックヌクレオチド結合ドメイン(配列番号2のアミノ酸約760〜850)、の全てまたはいずれか一部を増幅するのに適したプライマーが、提供される。
【0119】
核酸フラグメントは、本明細書中に記載されるポリペプチドのエピトープ保持領域をコードし得る。
【0120】
「33751ポリペプチドの生物学的に活性な部分」をコードする核酸フラグメントは、配列番号1または配列番号3のヌクレオチド配列の一部を単離すること(このヌクレオチド配列は、33751生物学的活性を有するポリペプチドをコードする(例えば、33751タンパク質の生物学的活性が、本明細書中に記載されている))、33751タンパク質のコード部分を(例えば、インビトロにおける組換え発現によって)発現すること、および33751タンパク質のコード部分の活性を評価することによって調製され得る。例えば、33751の生物学的に活性な部分をコードする核酸フラグメントは、イオン輸送タンパク質ドメイン(例えば、配列番号2のアミノ酸残基の約450〜662)を含む。33751ポリペプチドの生物学的に活性な活性部分をコードする核酸フラグメントは、300以上のヌクレオチド長を超えるヌクレオチド配列を含み得る。
【0121】
好ましい実施形態において、核酸は、約300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500以上のヌクレオチド長である、ヌクレオチド配列を含み、そして配列番号1または配列番号3の核酸分子に、本明細書中に記載されるストリンジェントな条件下でハイブリダイズする。
【0122】
好ましい実施形態において、核酸フラグメントは、GenBank登録番号AF032897の配列とは、少なくとも1、2、3、5またはそれ以上のヌクレオチドだけ異なる。差異は、長さまたは配列同一性の差異を含み得る。
【0123】
(33751核酸改変体)
本発明は、さらに、配列番号1または配列番号3に示されるヌクレオチド配列と異なる核酸分子を含む。このような差異は、遺伝的コードの縮重に起因し得、そして本明細書中に開示されるヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質と同一の33751タンパク質をコードする核酸を生じる。別の実施形態において、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2に示される少なくとも1個だが、5、10、20、50、または100個のアミノ酸残基未満で異なるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する。アライメントが、この比較に必要とされる場合、この配列は、最大の相同性でアライメントされるべきである。コードされたタンパク質は、5、4、3、2、または1個以下のアミノ酸が異なり得る。欠失もしくは挿入、またはミスマッチ由来の「ループ」アウト配列は、差異とみなされる。
【0124】
本発明者らの核酸は、特定の発現系に対して、好ましい、または好ましくない、コドンを有するように選択され得る。例えば、核酸は、少なくとも一つのコドン、好ましくは、コドンの少なくとも10%、または20%が、E.coli、酵母、ヒト、昆虫、またはCHO細胞中での発現に対して配列が最適化されるように変更された、核酸であり得る。
【0125】
核酸改変体は、天然に存在し得、例えば、対立遺伝子改変体(同一の遺伝子座)、ホモログ(異なる遺伝子座)、およびオルソログ(異なる生物)であり得るか、または天然に存在し得ない。天然に存在しない改変体は、ポリヌクレオチド、細胞、または生物に適用される技術を含む、変異誘発技術により作製され得る。この改変体は、ヌクレオチドの置換、欠失、転化および挿入を含み得る。改変体は、コード領域および非コード領域のいずれかまたは両方で生成し得る。この改変体は、保存的アミノ酸置換基および非保存的アミノ酸置換基(コードされた産物と比較した場合)の両方を生成し得る。
【0126】
好ましい実施形態において、核酸は、例えば、以下のように配列番号1または配列番号3の核酸と異なる:対象核酸における少なくとも1個のヌクレオチドだが、10、20、30、または40個未満のヌクレオチド;少なくとも1個のヌクレオチドだが、目的の核酸の1%、5%、10%または20%未満のヌクレオチド。この核酸は、5、4、3、2、または1個のヌクレオチド以下だけ異なり得る。この分析の必要性がある場合、この配列は、最大相同性でアライメントされるべきである。欠失、もしくは挿入、またはミスマッチ由来の「ループ」アウト配列は、差異とみなされる。
【0127】
オルソログ、ホモログ、および対立遺伝子改変体は、当該分野で公知の方法を使用して同定され得る。これらの改変体は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列またはその配列のフラグメントに対して、50%、少なくとも55%、代表的に、少なくとも約70〜75%、より代表的に、少なくとも約80〜85%、そして最も代表的に、少なくとも約90〜95%以上、同一である、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。このような核酸分子は、配列番号2に示されるヌクレオチド配列またはその配列のフラグメントに対して、本明細書中に記載されるストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るとして、容易に同定され得る。本発明の33751 cDNAのオルソログ、ホモログ、および対立遺伝子改変体に対応する核酸分子は、33751遺伝子と同一の染色体または遺伝子座にマッピングすることによって、さらに単離され得る。
【0128】
好ましい改変体としては、以下と相関する改変体が挙げられる:(1)ニューロンからの神経伝達物質の放出の制御;(2)ニューロンの細胞膜の再分極の調節;(3)電位依存型カリウムチャネルの形成への寄与;(4)サイクリックヌクレオチド依存型カリウムチャネルの形成への寄与;(5)侵害受容応答の調節;(6)シナプス伝達の調節;(7)疼痛または炎症応答の調節;あるいは(8)ニューロンの興奮の頻度およびパターンの調節。
【0129】
33751の対立遺伝子改変体(例えば、ヒト33751)は、機能的タンパク質および非機能的タンパク質の両方を含む。機能的対立遺伝子改変体は、基質に結合し、それらを加水分解する能力を維持する、ある集団内の33751タンパク質の天然に存在するアミノ酸配列改変体である。機能的対立遺伝子改変体は、代表的に、配列番号2の1つ以上のアミノ酸の保存的置換、またはこのタンパク質の非必須領域中の非必須残基の置換、欠失もしくは挿入のみを含む。非機能的対立遺伝子改変体は、(1)ニューロンからの神経伝達物質の放出を制御する能力;(2)ニューロンの細胞膜の再分極を調節する能力;(3)電位依存型カリウムチャネルの形成に寄与する能力;(4)サイクリックヌクレオチド依存型カリウムチャネルの形成に寄与する能力;(5)侵害受容応答を調節する能力;(6)シナプス伝達を調節する能力;(7)疼痛または炎症応答を調節する能力;あるいは(8)ニューロンの興奮の頻度およびパターンを調節する能力を有さない、集団内の33751の天然に存在するアミノ酸配列改変体(例えば、ヒト33751)タンパク質である。非機能的対立遺伝子改変体は、代表的に、配列番号2のアミノ酸の非保存的置換、欠失もしくは挿入、または未成熟短縮型、あるいはこのタンパク質の必須残基または必須領域における置換、挿入もしくは欠失を含む。
【0130】
さらに、他の33751ファミリーメンバーをコードする核酸分子(従って、配列番号1または配列番号3の33751配列と異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子)は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0131】
(アンチセンス核酸分子、リボザイムおよび改変された33751核酸分子)
別の局面において、本発明は、33751に対してアンチセンスである単離された核酸分子を特徴とする。「アンチセンス」核酸は、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖に対して相補的であるか、またはmRNA配列に対して相補的である、タンパク質をコードする「センス」核酸に対して相補的である、ヌクレオチド配列を含み得る。このアンチセンス核酸は、全33751コード鎖、またはその一部のみ(例えば、配列番号3に対応する、ヒト33751のコード領域)に対して相補的であり得る。別の実施形態において、アンチセンス核酸分子は、33751をコードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」(例えば、5’非翻訳領域および3’非翻訳領域)に対してアンチセンスである。
【0132】
33751 mRNAの全コード領域に対して相補的であるように、アンチセンス核酸が、設計され得るが、より好ましくは、33751 mRNAのコード領域または非コード領域の一部のみに対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、33751 mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域(例えば、目的の標的遺伝子ヌクレオチド配列の−10領域と+10領域との間)に対して相補的であり得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80以上のヌクレオチド長であり得る。
【0133】
本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を使用する化学合成および酵素学的ライゲーション反応を使用して、構築され得る。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチド、または分子の生物学的安定性を増加もしくはアンチセンス核酸とセンス核酸との間に形成された二重鎖の物理学的安定性を増加させるように設計された多様に改変されたヌクレオチドを使用して、化学的に合成され得る(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが、使用され得る)。アンチセンス核酸がまた、核酸がアンチセンス配向でサブクローニングされた発現ベクターを使用して生物学的に産生され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、以下の節でさらに記載されている、目的の標的核酸に対するアンチセンス配向である)。
【0134】
本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的に、これらのアンチセンス核酸分子が、33751タンパク質をコードする細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、または結合することによって、例えば、転写および/または翻訳を阻害することによって、タンパク質の発現を阻害するように、(例えば、組織部位での直接的な注入によって)被験体に投与されるか、またはインサイチュで産生される。あるいは、アンチセンス核酸分子を改変して、選択された細胞を標的し、次いで、全身に投与され得る。全身投与に関して、例えば、細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に、アンチセンス核酸分子を連結することによって、このアンチセンス分子が、選択された細胞表面上で発現されたレセプターまたは抗原に特異的に結合するように改変され得る。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中で記載されるベクターを使用して、細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するために、アンチセンス核酸分子が、強力なpol IIプロモーターまたはpol IIIプロモーターの制御下に置かれるベクター構築物が、好ましい。
【0135】
なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイブリッドを形成する。ここでは、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は互いに対して平行に走る(Gaultierら(1987)Nucleic Acids Res.15:6625−6641)。アンチセンス核酸分子はまた、2’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら(1987)Nucleic Acids Res.15:6131−6148)またはキメラRNA−DNAアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett.215:327−330)を含み得る。
【0136】
なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸は、リボザイムである。33751コード核酸に対して特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示される33751 cDNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1または配列番号3)に対して相補的な1以上の配列、ならびにmRNAの切断を担う公知の触媒配列を有する配列(米国特許第5,093,246号またはHaselhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:585−591を参照のこと)を含み得る。例えば、Tetrahymena L−19 IVS RNAの誘導体は、活性部位のヌクレオチド配列が33751コードmRNAにおいて切断されるべきヌクレオチド配列に対して相補的であるように構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号;およびCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは、33751 mRNAを使用して、RNA分子のプールから特異的なリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartel,D.およびSzostak,J.W.(1993)Science 261:1411−1418を参照のこと。
【0137】
33751遺伝子の発現は、標的細胞中で33751遺伝子の転写を阻害する三重ヘリックス構造を形成するために、33751の調節領域に相補的なヌクレオチド配列(例えば、33751プロモーターおよび/またはエンハンサー)を標的することによって阻害され得る。一般に、Helene,C.(1991)Anticancer Drug Des.6:569−84;Helene,C.i(1992)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27−36;およびMaher,L.J.(1992)Bioassays 14:807−15を参照のこと。三重ヘリックスの形成のために標的され得る潜在的な配列は、いわゆる「スイッチバック」核酸分子を作製することによって増加され得る。スイッチバック分子は、5’−3’,3’−5’変更方法で合成され、これらは、二重鎖のまず一方の鎖と、次いで他方の鎖と塩基対合し、プリンまたはピリミジンのいずれかのかなり大きな伸張が、二重鎖の一方の鎖上に存在することの必要性を排除する。
【0138】
本発明はまた、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ分子を提供する。代表的に、このような標識は、化学発光、蛍光、放射活性、または比色分析である。
【0139】
33751核酸分子を、塩基部分、糖部分またはホスフェート骨格において改変し、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解度を改善し得る。改変を有する合成オリゴヌクレオチドの非制限例として、Toulme(2001)Nature Biotech.19:17およびFariaら(2001)Nature Biotech.19:40−44を参照のこと。このようなホスホルアミダイトオリゴヌクレオチドは、有効なアンチセンス剤であり得る。
【0140】
例えば、核酸分子のデオキシリボースホスフェート骨格は、ペプチド核酸を生成するために改変され得る(Hyrup B.ら(1996)Bioorganic & Medicinal Chemistry 4:5−23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースホスフェート骨格が偽ペプチド骨格により置換され、そして4つの天然の核酸塩基(nucleobase)のみが保持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の骨格は、低イオン強度の条件下で、DNAおよびRNAに対する特異的ハイブリダイゼーションを可能にし得る。PNAオリゴマーの合成は、Hyrup B.ら(1996)前出、およびPerry−O’Keefeら、Proc.Natl.Acad.Sci.93:14670−675に記載のような、標準的固相ペプチド合成プロトコルを使用して実施され得る。
【0141】
33751核酸分子のPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。例えば、PNAは、遺伝子発現の配列特異的調節(例えば、転写または翻訳の停止を誘導すること、または複製を阻害することによる)のためのアンチセンス剤またはアンチジーン(antigene)剤として使用され得る。33751核酸分子のPNAはまた、例えば、PNA指向PCRクランピング(PNA−directed PCR clamping)による遺伝子内の一塩基対変異の分析において、他の酵素(例えば、S1ヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合の人工制限酵素として(Hyrup.B.ら(1996)、前出);またはDNA配列決定またはハイブリダイゼーションのプローブまたはプライマーとして(Hyrup.B.ら(1996)、前出;Perry−O’Keefeら、前出)使用され得る。
【0142】
他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、ペプチドのような他の付加基(例えば、インビボにおける宿主細胞レセプターを標的するため)、または細胞膜(例えば、Letsingerら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:6553−6556;Lemaitreら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:648−652;PCT公開番号WO88/09810を参照のこと)もしくは血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/10134を参照のこと)を通過する輸送を容易にする試薬を含み得る。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションにより誘発される切断試薬(例えば、Krolら(1988)Bio−Techniques 6:958−976を参照のこと)、挿入剤(例えば、Zon(1988)Pharm.Res.5:539−549を参照のこと)を用いて改変され得る。この目的のために、このオリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、またはハイブリダイゼーション誘発切断剤)に結合体化され得る。
【0143】
本発明はまた、本発明の33751核酸に対して相補的である少なくとも一つの領域を有する、分子ビーコンオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブ分子を含み、2つの相補的な領域は、一つが蛍光団を有し、そして一つがクエンチャーを有し、この分子ビーコンは、サンプル中で本発明の33751核酸の存在をクエンチするために有用である。分子ビーコン核酸は、例えば、Lizardiら、米国特許第5,854,033号;Nazarenkoら、米国特許第5,866,336号、およびLivakら,米国特許第5,876,930号に記載されている。
【0144】
(単離された33751ポリペプチド)
別の局面において、本発明は、抗33751抗体を惹起するか、または試験する(またはより一般的には、この抗体に結合する)免疫原または抗原として使用するための、単離された33751タンパク質、またはフラグメント(例えば、生物学的に活性な部分)を特徴とする。33751タンパク質は、標準的なタンパク質精製技術を使用して、細胞または組織供給源から単離され得る。33751タンパク質またはそのフラグメントを、組換えDNA技術によって産生または化学的に合成し得る。
【0145】
本発明のポリペプチドは、複数の遺伝子の存在の結果、代替の翻訳事象、代替のRNAスプライシング事象、ならびに代替の翻訳事象および翻訳後事象を惹起するポリペプチドを含む。ポリペプチドは、ポリペプチドがネイティブ細胞中で発現される場合に提示されるのと実質的に同一の翻訳後修飾を生じる系(例えば、培養細胞)において、またはネイティブ細胞中で発現される場合に提示されるの翻訳後修飾(例えば、グリコシル化または切断)の変更または欠損(omission)を生じる系において。
【0146】
好ましい実施形態において、33751ポリペプチドは、以下の特徴の一つ以上を有する:
(i)33751ポリペプチドは、ニューロンからの神経伝達物質の放出を制御する能力を有する;
(ii)33751ポリペプチドは、ニューロンの細胞膜の再分極を調節する能力を有する;
(iii)33751ポリペプチドは、電位依存型カリウムチャネルの形成に寄与する能力を有する;
(iv)33751ポリペプチドは、サイクリックヌクレオチド依存型カリウムチャネルの形成に寄与する能力を有する;
(v)33751ポリペプチドは、侵害受容応答を調節する能力を有する;
(vi)33751ポリペプチドは、シナプス伝達を調節する能力を有する;
(vii)33751ポリペプチドは、疼痛または炎症応答を調節する能力を有する;
(viii)33751ポリペプチドは、(好ましくは翻訳後修飾を全く無視した)ある分子量(例えば、推定分子量)、アミノ酸組成または配列番号2の他の物理的特徴を有する;
(ix)33751ポリペプチドは、配列番号2のポリペプチドと、少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、80%、90%または95%の全体的配列類似性を有する;そして
(x)33751ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基約450〜662と好ましくは約70%、80%、90%または95%である、イオン輸送タンパク質ドメインを有する。
【0147】
好ましい実施形態において、33751タンパク質、またはそのフラグメントは、配列番号2の対応する配列と異なる。一つの実施形態において、このタンパク質は、少なくとも1個のアミノ酸残基であるが、15個、10個または5個未満のアミノ酸残基だけ異なる。別の実施形態において、このタンパク質は、少なくとも1個の残基であるが、20%、15%、10%、または5%未満の残基だけ、配列番号2の対応する配列と異なり、これは、配列番号2の対応する配列と異なる。(この比較が、アライメントを必要とする場合、この配列は、最大相同性についてアライメントされるべきである。欠失もしくは挿入、またはミスマッチ由来の「ループ」アウト配列が、差異とみなされる)。この差異は、好ましくは、非必須残基または保存的置換基における差異または変化である。好ましい実施形態において、この差異は、イオン輸送タンパク質ドメイン(アミノ酸約450〜662)中の差異ではない。別の好ましい実施形態において、1以上の差異は、イオン輸送タンパク質ドメイン(アミノ酸約450〜662)における差異である。
【0148】
他の実施形態は、アミノ酸配列の一つ以上の変化(例えば、活性に関して本質的ではないアミノ酸残基の変化)を含有するタンパク質を含む。このような33751タンパク質は、配列番号2とはアミノ酸配列において異なるが、なお生物学的活性を保持する。
【0149】
一つの実施形態において、このタンパク質は、配列番号2に対して、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%以上の相同性のアミノ酸配列を含む。
【0150】
タンパク質またはフラグメントにおいて、少なくとも1個のアミノ酸残基であるが、15個、10個または5個未満のアミノ酸残基だけ配列番号2のアミノ酸の約1〜449または663〜848によって規定される領域において、配列番号2の配列と異なるが、配列番号2のアミノ酸の約450〜662によって規定される領域において、配列番号2と異ならない、33751タンパク質またはフラグメントが、提供される。(この比較が、アライメントを必要とする場合、この配列は、最大相同性についてアライメントされるべきである。欠失もしくは挿入、またはミスマッチ由来の「ループ」アウト配列が、差異とみなされる)。いくつかの実施形態において、この差異は、非必須残基にあるか、または保存的置換である一方で、他の実施形態においては、この差異は、必須残基にあるか、または非保存的置換である。
【0151】
一つの実施形態において、33751タンパク質の生物学的に活性な部分は、カリウムチャネルドメインを含む。さらに、他の生物学的に活性な部分(ここで、タンパク質の他の領域は、欠失される)は、組換え技術によって調製され得、そしてネイティブ33751タンパク質の機能的な活性の1以上について評価され得る。
【0152】
好ましい実施形態において、33751タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。他の実施形態において、33751タンパク質は、配列番号2と実質的に同一である。なお別の実施形態において、33751タンパク質は、配列番号2と実質的に同一であり、そして上記の節で詳細に記載したような、配列番号2のタンパク質の機能的な活性を保持する。
【0153】
好ましい実施形態において、フラグメントは、AF032897の配列と、少なくとも1個、2個、3個、5個以上のアミノ酸残基だけ異なる。差異は、長さの差異または配列同一性を含み得る。
【0154】
(33751キメラタンパク質または融合タンパク質)
別の局面において、本発明は、33751キメラタンパク質または融合タンパク質を提供する。本明細書中で使用される場合、33751「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、非33751ポリペプチドに連結した33751ポリペプチドを含む。「非33751ポリペプチド」は、33751タンパク質と実質的に相同性でないタンパク質(例えば、33751タンパク質と異なるタンパク質)および同一の生物または異なる生物由来のタンパク質に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。融合タンパク質の33751ポリペプチドは、全てまたは一部(例えば、本明細書中に記載の33751アミノ酸配列のフラグメント)に対応し得る。好ましい実施形態において、33751融合タンパク質は、33751タンパク質の少なくとも1個(または2個)の生物学的に活性な部分を含む。非33751ポリペプチドは、33751ポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0155】
この融合タンパク質は、リガンドに対して高度の親和性を有する部分を含み得る。例えば、この融合タンパク質は、33751配列がGST配列のC末端に対して融合される、GST−33751融合タンパク質であり得る。このような融合タンパク質は、組換え33751の精製を容易にし得る。あるいは、この融合タンパク質は、そのN末端において、異種シグナル配列を含む33751タンパク質であり得る。特定の宿主細胞(例えば、哺乳動物の宿主細胞)において、33751の発現および/または分泌は、異種シグナル配列の使用を介して増強され得る。
【0156】
融合タンパク質は、血清タンパク質(例えば、IgGの定常領域、またはヒトの血清アルブミン)の全てまたは一部を含み得る。
【0157】
本発明の33751融合タンパク質は、薬学的組成物に取り込まれ得、そしてインビボで被験体に投与され得る。33751融合タンパク質は、33751基質のバイオアベイラビリティーに影響を与えるために使用され得る。33751融合タンパク質は、例えば、以下の(i)、(ii)および(iii)によって生じる障害の処置のために治療学的に有用であり得る:(i)33751タンパク質をコードする遺伝子の異常な改変または変異;(ii)33751遺伝子の誤調節;および(iii)33751タンパク質の異常な翻訳後修飾。
【0158】
さらに、本発明の33751融合タンパク質は、被験体において抗33751抗体を産生して、33751リガンドを精製するための免疫原として使用され得、および33751と33751基質との相互作用を阻害する分子を同定するためのスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。
【0159】
融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をすでにコードする発現ベクターが、市販されている。A33751をコードする核酸は、このような発現ベクター中にクローニングされ得、その結果、融合部分が33751タンパク質にインフレームで連結される。
【0160】
(33751タンパク質の改変体)
別の局面において、本発明はまた、33751ポリペプチドの改変体(例えば、アゴニスト(模倣物)またはアンタゴニストとして機能する)を特徴とする。33751タンパク質の改変体は、変異誘発(例えば、不連続な点変異)、配列の挿入もしくは欠失、または33751タンパク質の短縮(truncation)によって作製され得る。33751タンパク質のアゴニストは、33751タンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性と実質的に同一の活性またはサブセットを残存し得る。33751タンパク質のアンタゴニストは、例えば、33751タンパク質の33751媒介活性を競合的に調節することによって、33751タンパク質の天然に存在する形態の活性の1つ以上を阻害し得る。よって、特定の生物学的効果は、種々の限定された機能を用いる処置によって誘導され得る。好ましくは、このタンパク質の天然に存在する形態の生物学的活性のサブセットを有する改変体を用いる被験体の処置は、33751タンパク質の天然に存在する形態での処置と比較して被験体におけるより少ない副作用を有する。
【0161】
33751タンパク質の改変体は、33751タンパク質の変異体(例えば、短縮型変異体)のコンビナトリアルライブラリーをアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性についてスクリーニングすることによって同定され得る。
【0162】
33751タンパク質をコードする配列のフラグメント(例えば、N末端フラグメント、C末端フラグメントまたは内部フラグメント)のライブラリーを使用して、33751タンパク質の改変体のスクリーニング、続く選択のための多彩なフラグメント集団を作製し得る。システイン残基が付加または欠失されている改変体、あるいはグリコシル化されている残基が付加または欠失されている改変体が、特に好ましい。
【0163】
点変異または短縮によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングする方法、および選択された特性を有する遺伝子産物についてcDNAライブラリーをスクリーニングするための方法が、当該分野において公知である。このような方法は、33751タンパク質のコンビナトリアル変異誘発によって作製された遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに適合可能である。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を高める新たな技術である機能的集合変異誘発(recursive ensemble mutagenesis)(REM)をスクリーニングアッセイと組合わせて使用して、33751改変体を同定し得る(ArkinおよびYourvan(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7811−7815;Delgraveら(1993)Protein Engineering 6:327−331)。
【0164】
多彩な33751ライブラリーを分析するために、細胞ベースのアッセイが利用され得る。例えば、発現ベクターのライブラリーが、細胞株(例えば、通常、基質依存的様式で33751に応答する細胞株)にトランスフェクトされ得る。次いで、トランスフェクトされた細胞は、33751と接触させられ、そして33751基質によるシグナル伝達に対する変異体発現の効果が、例えば、カリウムチャネル活性を測定することによって、検出され得る。次いで、プラスミドDNAは、33751基質によるシグナル伝達の阻害または増強を記録する細胞から回収され得、そして個々のクローンがさらに特徴付けられ得る。
【0165】
別の局面において、本発明は、33751ポリペプチド(例えば、非野生型活性を有するペプチド、例えば、天然に存在する33751ポリペプチドのアンタゴニスト、アゴニストもしくはスーパーアゴニスト、例えば、天然に存在する33751ポリペプチド)を作製する方法を特徴とする。本方法は、以下の工程を包含する:33751ポリペプチドの配列を変更する工程(例えば、本明細書中に開示される非保存領域、ドメインまたは残基の1つ以上の残基の置換または欠失によって配列を変更する工程);および所望の活性について変更されたポリペプチドを試験する工程。
【0166】
別の局面において、本発明は、天然に存在する33751ポリペプチドの生物学的活性を有する33751ポリペプチドのフラグメントまたはアナログを作製する方法を特徴とする。本方法は、以下の工程を包含する:例えば、1つ以上の残基の置換または欠失によって33751ポリペプチドの配列を変更する工程(例えば、本明細書中に記載される非保存領域またはドメインもしくは残基を変更する工程);および、所望の活性について変更されたポリペプチドを試験する工程。
【0167】
(抗33751抗体)
別の局面において、本発明は、抗33751抗体、またはそのフラグメント(例えば、その抗原結合フラグメント)を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその免疫学的に活性な部分(すなわち、抗原結合部分)をいう。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、少なくとも1つ、好ましくは、2つの重鎖(H鎖)可変領域(本明細書中ではVHと略す)、および少なくとも1つ、好ましくは、2つの軽鎖(L鎖)可変領域(本明細書中ではVLと略す)を含むタンパク質をいう。VH領域およびVL領域はさらに、「フレームワーク領域」(FR)と呼ばれるより保存される領域で散在される「相補性決定領域」(「CDR」)と呼ばれる超可変領域に細分され得る。フレームワーク領域およびCDRの範囲は、正確に規定されている(Kabat,E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,U.S. Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242,およびChothia, C.ら(1987)J.Mol.Biol.196:901−917(これらは参考として本明細書中に援用される)を参照のこと)。VHおよびVLの各々は、3つのCDRおよび4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順番で整列される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
【0168】
抗33751抗体はさらに、重鎖定常領域および軽鎖定常領域を含み得、これによって、それぞれ重鎖免疫グロブリン鎖および軽鎖免疫グロブリン鎖を形成する。1つの実施形態において、抗体は、2つの重鎖免疫グロブリン鎖および2つの軽鎖免疫グロブリン鎖の四量体であり、ここで、重鎖免疫グロブリン鎖および軽鎖免疫グロブリン鎖は、例えば、ジスルフィド結合によって内部結合されている。重鎖定常領域は、3つのドメインCH1、CH2およびCH3から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLから構成される。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、通常、宿主の組織または因子(免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な補体系の第一成分(Clq)を含む)への抗体の結合を媒介する。
【0169】
本明細書中で使用される場合、用語「免疫グロブリン」は、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドから構成されるタンパク質をいう。認識されるヒト免疫グロブリン遺伝子は、κ定常領域遺伝子、λ定常領域遺伝子、α定常領域遺伝子(IgA1およびIgA2)、γ定常領域遺伝子(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、δ定常領域遺伝子、ε定常領域遺伝子およびμ定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子を含む。全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25KDaまたは214アミノ酸)は、NH2−末端(約110アミノ酸)で可変領域遺伝子によってコードされ、そしてCOOH−末端でκ定常領域遺伝子またはλ定常領域遺伝子によってコードされる。全長免疫グロブリン「重鎖」(約50KDaまたは446アミノ酸)は、同様に可変領域遺伝子(約116アミノ酸)および前述の他の定常領域遺伝子のうちの1つ(例えば、γ(約330アミノ酸をコードする))によってコードされる。
【0170】
本明細書中で使用される場合、用語抗体の「抗原結合フラグメント」(または単に「抗体部分」または「フラグメント」)は、抗原に特異的に結合する能力を残存する全長抗体の1つ以上のフラグメント(例えば、33751ポリペプチドまたはそのフラグメント)をいう。抗33751抗体の抗原結合フラグメントの例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:(i)VLドメイン、VHドメイン、CLドメインおよびCH1ドメインから構成される一価フラグメント、Fabフラグメント;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結される2つのFabフラグメントから構成される二価フラグメント、F(ab’);(iii)VHドメインおよびCH1ドメインから構成されるFdフラグメント;(iv)抗体の単一のアームのVLドメインおよびVHドメインから構成されるFvフラグメント;(v)VHドメインから構成されるdAbフラグメント(Wardら(1989)Nature 341:544−546);ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)。さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン(VLおよびVH)は、別々の遺伝子によってコードされるが、これらのドメインは、これらを単一のタンパク質鎖として作製させ得る合成リンカーによって組換え法を使用して連結され得る、ここで、VL領域およびVH領域は、対をなして一価分子(単鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Birdら(1988)Science 242:423−426;およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照のこと)を形成する。このような単鎖抗体はまた、用語抗体の「抗原結合フラグメント」内に含まれる。これらの抗体フラグメントは、当業者に公知の慣用的技術を使用して取得され、そしてこれらのフラグメントは、インタクトな抗体と同一の様式で、有用性についてスクリーニングされる。
【0171】
抗33751抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。他の実施形態において、抗体は、例えば、ファージディスプレイ法またはコンビナトリアル法によって組換え的に産生され得る。
【0172】
抗33751抗体を作製するためのファージディスプレイ法およびコンビナトリアル法は、以下に記載されるように当該分野において公知である:Ladnerら、米国特許第5,223,409号;Kangら、国際公開番号WO92/18619;Dowerら、国際公開番号WO91/17271;Winterら、国際公開番号WO92/20791;Marklandら、国際公開番号WO92/15679;Breitlingら、国際公開番号WO93/01288;McCaffertyら、国際公開番号WO92/01047;Garrardら、国際公開番号WO92/09690;Ladnerら、国際公開番号WO90/02809;Fuchsら(1991)Bio−Technology 9:1370−1372;Hayら(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81−85;Huseら(1989)Science 246:1275−1281;Griffthsら(1993)EMBO J 12:725−734;Hawkinsら(1992)J Mol Biol 226:889−896;Clacksonら(1991)Nature 352:624−628;Gramら(1992)PNAS 89:3576−3580;Garradら(1991)Bio/Technology 9:1373−1377; Hoogenboomら(1991)Nuc Acid Res 19:4133−4137;ならびにBarbasら(1991)PNAS 88:7978−7982(これら全ての内容は、本明細書中に参考として援用される)。
【0173】
1つの実施形態において、抗33751抗体は、完全なヒト抗体(例えば、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体を産生するように遺伝子操作されているマウスにおいて作製された抗体)、または非ヒト抗体(例えば、げっ歯類(マウスまたはラット)抗体、ヤギ抗体、霊長類(例えば、サル)抗体、ラクダ抗体)である。好ましくは、非ヒト抗体は、げっ歯類(マウス抗体またはラット抗体)である。げっ歯類抗体を産生するための方法は、当該分野において公知である。
【0174】
ヒトモノクローナル抗体は、マウス系以外にヒト免疫グロブリン遺伝子を保有するトランスジェニックマウスを使用して作製され得る。目的の抗原で免疫したこれらのトランスジェニックマウスからの脾臓細胞を使用して、ヒトタンパク質からのエピトープに対して特異的親和性を有するヒトmAbを分泌するハイブリドーマを産生する(例えば、Woodら、国際公開番号WO91/00906,Kucherlapatiら、PCT公開WO91/10741;Lonbergら、国際公開WO92/03918;Kayら、国際公開92/03917;Lonberg,N.ら 1994 Nature 368:856−859;Green,L.L.ら 1994 Nature Genet.7:13−21;Morrison,S.L.ら 1994 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−6855;Bruggemanら 1993 Year Immunol 7:33−40;Tuaillonら 1993 PNAS 90:3720−3724;Bruggemanら 1991 Eur J Immunol 21:1323−1326を参照のこと)。
【0175】
抗33751抗体は、可変領域またはその一部(例えば、CDR)が非ヒト生物(例えば、ラットまたはマウス)において作製される抗体であり得る。キメラ抗体、CDR移植された抗体、およびヒト化抗体は、本発明の範囲内である。非ヒト生物(例えば、ラットまたはマウス)において作製され次いでヒトでの抗原性を減少させるように(例えば、可変フレームワーク領域または定常領域において)改変された抗体は、本発明の範囲内である。
【0176】
キメラ抗体は、当該分野において公知の組換えDNA技術によって産生され得る。例えば、マウス(または他の種)モノクローナル抗体分子のFc定常領域をコードする遺伝子は、マウスFcをコードする領域を除去するために制限酵素で消化され、そしてヒトFc定常領域をコードする遺伝子の等価な部位が置換される(Robinsonら、国際特許出願PCT/US86/02269;Akiraら、欧州特許出願184,187;Taniguchi,M.,欧州特許出願171,496;Morrisonら、欧州特許出願173,494;Neubergerら、国際出願WO86/01533;Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Cabillyら、欧州特許出願125,023;Betterら(1988 Science 240:1041−1043);Liuら(1987)PNAS 84:3439−3443;Liuら、1987,J.Immunol.139:3521−3526;Sunら (1987)PNAS 84:214−218;Nishimuraら 1987,Canc.Res.47:999−1005;Woodら(1985)Nature 314:446−449;ならびにShawら 1988,J.Natl Cancer Inst.80:1553−1559を参照のこと)。
【0177】
ヒト化抗体またはCDR移植された抗体は、ドナーCDRと置換した少なくとも1つまたは2つ(しかし、一般に3つ全て)のレシピエント(重鎖免疫グロブリン鎖および/または軽鎖免疫グロブリン鎖の)CDRを有する。抗体は、非ヒトCDRの少なくとも一部と置換され得るか、またはCDRのいくつかのみが、非ヒトCDRで置換され得る。33751またはそのフラグメントに対するヒト化抗体の結合に必要とされるCDRの数を置換することだけが必要である。好ましくは、ドナーは、げっ歯類抗体(例えば、ラット抗体またはマウス抗体)であり、そしてレシピエントは、ヒトフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークである。一般に、CDRを提供する免疫グロブリンは、「ドナー」と呼ばれ、そしてフレームワークを提供する免疫グロブリンは、「アクセプター」と呼ばれる。1つの実施形態において、ドナー免疫グロブリンは、非ヒト(例えば、げっ歯類)である。アクセプターフレームワークは、天然に存在する(例えば、ヒト)フレームワークまたはコンセンサスフレームワーク、あるいはこれらに約85%以上、好ましくは、90%、95%、99%以上同一である配列である。
【0178】
本明細書中で使用される場合、用語「コンセンサス配列」は、あるファミリーの関連する配列において最も頻繁に生じるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列をいう(例えば、Winnaker,From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft,Weinheim,Germany 1987を参照のこと)。あるファミリーのタンパク質において、コンセンサス配列中の各位置が、そのファミリー中のその位置で最も頻繁に存在するアミノ酸によって占められる。2つのアミノ酸が同等に頻繁に生じる場合、いずれもコンセンサス配列中に含まれ得る。「コンセンサスフレームワーク」は、コンセンサス免疫グロブリン配列中のフレームワーク領域をいう。
【0179】
抗体は、当該分野において公知の方法によってヒト化され得る。ヒト化抗体は、抗原結合に直接関与しないFv可変領域の配列をヒトFv可変領域からの等価な配列で置換することによって生成され得る。抗体をヒト化するための一般的な方法は、Morrison,S.L.,1985,Science 229:1202−1207、Oiら、1986,BioTechniques 4:214、ならびにQueenら米国特許第5,585,089号,同第5,693,761号および同第5,693,762号(これらの全ての内容が、本明細書中に参考として援用される)によって提供される。これらの方法は、重鎖および軽鎖のうちの少なくとも1つからの免疫グロブリンFv可変領域の全てまたは一部をコードする核酸配列を単離する工程、操作する工程、および発現する工程を包含する。このような核酸の供給源は、当業者に周知であり、例えば、33751ポリペプチドまたはそのフラグメントに対する抗体を産生するハイブリドーマより取得され得る。次いで、ヒト化抗体をコードする組換えDNAまたはそのフラグメントは、適切な発現ベクター中にクローニングされ得る。
【0180】
ヒト化抗体またはCDR移植された抗体は、CDR移植またはCDR置換によって産生され得、ここで、免疫グロブリン鎖のCDRのうち1つ、2つまたは全てが置換され得る。例えば、米国特許第5,225,539号;Jonesら 1986 Nature 321:552−525;Verhoeyanら 1988 Science 239:1534;Beidlerら 1988 J.Immunol.141:4053−4060;Winter 米国特許第5,225,539号(これら全ての内容が本明細書中に参考として明らかに援用される)を参照のこと。Winterは、本発明のヒト化抗体を調製するために使用され得るCDR移植方法を記載する(1987年3月26日に出願されたUK特許出願GB2188638A;Winter 米国特許第5,225,539号(この内容は参考として明らかに援用される)。
【0181】
特定のアミノ酸が置換、欠失または付加されているヒト化抗体はまた、本発明の範囲内である。好ましいヒト化抗体は、例えば、抗原に対する結合を改善するようにフレームワーク領域にアミノ酸置換を有する。例えば、ヒト化抗体は、ドナーフレームワーク残基に同一のフレームワーク残基を有するか、またはレシピエントフレームワーク残基以外の別のアミノ酸に同一のフレームワーク残基を有する。このような抗体を生成するために、ヒト化免疫グロブリン鎖の選択された少数のアクセプターフレームワーク残基は、対応するドナーアミノ酸で置換され得る。好ましい置換の位置は、CDRに隣接するアミノ酸残基またはCDRと相互作用し得るアミノ酸残基を含む(例えば、米国特許第5,585,089号を参照のこと)。ドナーからアミノ酸を選択するための基準は、米国特許第5,585,089号(例えば、米国特許第5,585,089号の12〜16欄、例えば、米国特許第5,585,089号の12〜16欄(この内容は、本明細書中に参考として援用される))に記載される。ヒト化抗体のための他の技術は、Padlanら、EP519596 A1(1992年12月23日公開)に記載される。
【0182】
全長33751タンパク質または33751の抗原性ペプチドフラグメントは、免疫原として使用されても他の免疫原(例えば、細胞、膜調製物など)で作製した抗33751抗体を同定するために使用されてもよい。33751の抗原性ペプチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列の少なくとも8アミノ酸残基を含み、そして33751のエピトープを含む。好ましくは、抗原性ペプチドは、少なくとも10アミノ酸残基、より好ましくは、少なくとも15アミノ酸残基、さらにより好ましくは、少なくとも20アミノ酸残基、そして最も好ましくは、少なくとも30アミノ酸残基を含む。
【0183】
約72〜84、約285〜310または約782〜790の残基を含む33751のフラグメントは、例えば、免疫原として使用されるかまたは抗体の特異性を特徴付けるために使用されて、33751タンパク質の親水性領域に対する抗体を作製するために使用され得る。同様に、約125〜132、約380〜388または約782〜790の残基を含む33751のフラグメントは、33751タンパク質の疎水性領域に対する抗体を作製するために使用され得るか;約450〜662の残基を含む33751のフラグメントは、33751タンパク質のイオン輸送タンパク質ドメイン領域に対する抗体を作製するために使用され得るか;約41〜60の残基を含む33751のフラグメントは、33751タンパク質のPASドメイン領域に対する抗体を作製するために使用され得るか;約93〜120の残基を含む33751のフラグメントは、33751タンパク質のPACドメイン領域に対する抗体を作製するために使用され得るか;または、約760〜850の残基を含む33751のフラグメントは、33751タンパク質のサイクリックヌクレオチド結合ドメイン領域に対する抗体を作製するために使用され得る。
【0184】
これらの領域、または本明細書中で記載される他の領域もしくはドメインのいずれかと反応性である抗体、あるいはこれらの領域、または本明細書中で記載される他の領域もしくはドメインのいずれかに特異的な抗体が、提供される。
【0185】
ネイティブな33751タンパク質にのみ結合する抗体、変性されたかもしくはさもなくば非ネイティブな33751タンパク質にのみ結合する抗体、または両方に結合する抗体は、本発明の範囲内である。線状エピトープまたは立体配座のエピトープを有する抗体は、本発明の範囲内である。立体配座エピトープは、時折、ネイティブな33751タンパク質に結合するが変性された33751タンパク質には結合しない抗体を同定することによって同定され得る。
【0186】
抗原性ペプチドによって含まれる好ましいエピトープは、33751の領域であり、そして好ましくは、タンパク質の表面上(例えば、親水性領域、および高い抗原性を有する領域)に位置される。例えば、ヒト33751タンパク質配列のEmini表面確率分析を使用して、特に33751タンパク質の表面に位置される高い確率を有し、よって抗体産生を標的化するために有用な表面残基を構成する可能性のある領域を示し得る。
【0187】
抗33751抗体は、単鎖抗体であり得る。単鎖抗体(scFv)は、操作され得る(例えば、Colcher,D.ら(1999)Ann N Y Acad Sci 880:263−80;およびReiter,Y.(1996)Clin Cancer Res 2:245−52を参照のこと)。単鎖抗体は、同一の標的33751タンパク質の異なるエピトープに対する特異性を有する多価抗体を精製するために二量体化されても多量体化されてもよい。
【0188】
好ましい実施形態において、抗体は、エフェクター機能を有し、および/または補体を結合し得る。他の実施形態において、抗体は、エフェクター細胞を漸増させない;または補体を結合しない。
【0189】
好ましい実施形態において、抗体は、Fcレセプターを結合する能力が減少されているかまたはこの能力がない。例えば、抗体は、Fcレセプターに対する結合を支持しないアイソトープもしくはサブタイプ、フラグメント、または他の変異体であり、例えば、抗体は、変異誘発されたかまたは欠失されたFcレセプター結合領域を有する。
【0190】
好ましい実施形態において、抗33751抗体は、33751ポリペプチドのカリウムチャネルを変更(例えば、増加または減少)する。例えば、この抗体は、活性部位(例えば、配列番号2の約450〜662に位置する残基を含むエピトープ)に結合し得るか、またはその近位に結合し得る。
【0191】
抗体は、毒素(例えば、ポリペプチド毒素(例えば、リシンもしくはジフテリア毒素またはその活性なフラグメント))、または放射活性核、または画像化剤(例えば、放射活性な、酵素的な、もしくは他の画像化剤(例えば、NMR造影剤))に結合され得る。検出可能な放射活性放射または蛍光を産生する標識が好ましい。
【0192】
抗33751抗体(例えば、モノクローナル抗体)を使用して、標準的技術(例えば、アフィニティクロマトグラフィーまたは免疫沈降)によって33751を単離し得る。さらに、抗33751抗体を使用して、このタンパク質発現の多さおよびパターンを評価するために、(例えば、細胞溶解物または細胞上清において)33751タンパク質を検出し得る。抗33751抗体を診断的に使用して、臨床試験手順の一部として(例えば、所定の処置レジメンの効力を決定するために)組織中のタンパク質レベルをモニタリングし得る。検出は、抗体を検出可能な物質に結合する(すなわち、物理的に連結する)こと(すなわち、抗体標識)によって容易にされ得る。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、および放射活性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子団複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオロセイン、フルオロセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオロセイン、ダンシルクロリドまたはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げられ;そして適切な放射活性物質の例としては、125I、131I、35SまたはHが挙げられる。
【0193】
本発明はまた、抗33751抗体(例えば、本明細書中に記載される抗33751抗体)をコードする核酸を含む。この核酸を含むベクターおよびこの核酸で形質転換された細胞(特に抗体を産生するために有用な細胞(例えば、哺乳動物細胞(例えば、CHO細胞またはリンパ球)))もまた含まれる。
【0194】
本発明はまた、抗33751抗体(例えば、本明細書中に記載される抗体)を作製する細胞株(例えば、ハイブリドーマ)、および33751抗体を作製するためにこの細胞を使用する方法もまた、含まれる。
【0195】
(組換え発現ベクター、宿主細胞および遺伝子操作された細胞)
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるポリペプチドをコードする核酸を含むベクター、好ましくは、発現ベクターを含む。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」は、連結されている別の核酸を輸送し得る核酸分子をいい、プラスミド、コスミドまたはウイルスベクターを含み得る。ベクターは、自律的な複製を行い得るか、または宿主DNA内に組み込み得る。ウイルスベクターとしては、例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスが挙げられる。
【0196】
ベクターは、宿主細胞内での核酸の発現に適切な形態で33751核酸を含み得る。好ましくは、組換え発現ベクターは、発現されるべき核酸配列に作動可能に連結された1つ以上の調節配列を含む。用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサー、および他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含む。調節配列は、ヌクレオチド配列の構成的発現、ならびに組織特異的調節および/または誘導性配列を指向する配列を含む。発現ベクターの設計は、形質転換される宿主細胞の選択、所望されるタンパク質発現レベルなどのような因子に依存し得る。本発明の発現ベクターは、宿主細胞内に導入され得、これにより本明細書中に記載されるような核酸によってコードされるタンパク質またはポリペプチド(融合タンパク質または融合ポリペプチドを含む)(例えば、33751タンパク質、33751タンパク質の変異形態、融合タンパク質など)を産生し得る。
【0197】
本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における33751タンパク質の発現のために設計され得る。例えば、本発明のポリペプチドは、E.coli、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現ベクターを使用して)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、さらにGoeddel,(1990)Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,CAに議論される。あるいは、組換え発現ベクターは、(例えば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを使用して)インビトロで転写および翻訳され得る。
【0198】
原核生物におけるタンパク質発現は、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含むベクターを用いて、ほとんどE.coliにて行われる。融合ベクターは、多くのアミノ酸を、このベクター中にコードされるタンパク質に、通常、組換えタンパク質のアミノ末端に付加する。このような融合ベクターは、典型的に以下の3つの目的で働く:1)組換えタンパク質の発現を増加させるため;2)組換えタンパク質の可溶性を増加させるため;および3)アフィニティ精製におけるリガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製における補助のため。しばしば、タンパク質分解性切断部位が、融合部分と組換えタンパク質との連結部に導入され、そして組換えタンパク質の融合部分からの分離、続く融合タンパク質の精製を可能にする。このような酵素およびこれらの同族認識配列は、第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベクターとしては、pGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smith,D.B.およびJohnson,K.S.(1988)Gene 67:31−40),pMAL(New England Biolabs,Beverly,MA)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,NJ)(これらはそれぞれ、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはプロテインAを標的組換えタンパク質に融合する)が挙げられる。
【0199】
精製された融合タンパク質は、33751活性アッセイ(例えば、以下に詳細に記載される直接アッセイまたは競合アッセイ)において、または33751タンパク質に特異的な抗体を生成するために使用され得る。好ましい実施形態において、本発明のレトロウイルス発現ベクターにおいて発現される融合タンパク質を使用して、骨髄細胞を感染し、引き続いてこの細胞を、照射したレシピエントに移植し得る。次いで、被験体レシピエントの病理学は、十分な時間(例えば、6週間)が経過した後に試験される。
【0200】
E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化することは、その組換えタンパク質をタンパク質分解性切断する減弱した能力を有する宿主細菌中でタンパク質を発現することである(Gottesman,S.,(1990)Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,California 119−128)。別のストラテジーは、各アミノ酸に対する個々のコドンがE.coli中で優先的に利用されるものであるように、発現ベクター中に挿入されるべき核酸の核酸配列を変更することである(Wadaら(1992)Nucleic Acids Res.20:2111−2118)。本発明の核酸配列のこのような変更は、標準的DNA合成技術によって行われ得る。
【0201】
33751発現ベクターは、酵母発現ベクター、昆虫細胞内での発現のためのベクター(例えば、バキュロウイルス発現ベクター)または哺乳動物細胞内での発現に適切なベクターであり得る。
【0202】
哺乳動物細胞において使用される場合、発現ベクターの制御機能は、ウイルス調節エレメントによって提供され得る。例えば、一般に使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルスおよびシミアンウイルス40由来である。
【0203】
別の実施形態において、プロモーターは、誘導性プロモーター(例えば、ステロイドホルモンによって調節されるプロモーター)、ポリペプチドホルモンによって(例えば、シグナル伝達経路によって)、または非相同なポリペプチド(例えば、テトラサイクリン誘導系、「Tet−On」および「Tet−Off」(例えば、Clontech Inc.,CA,GossenおよびBujard(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547,ならびにPaillard(1989 Human Gene Therapy 9:983を参照のこと))である。
【0204】
別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型において優先的に核酸の発現を指向し得る(例えば、組織特異的調節エレメントが核酸の発現に使用される)。適切な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev.1:268−277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(1988)Adv.Immunol.43:235−275)、T細胞レセプターの特定のプロモーター(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO J.8:729−733)、および免疫グロブリン(Banerjiら(1983)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(1983)Cell 33:741−748)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;ByrneおよびRuddle(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら(1985)Science 230:912−916)、および乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清ホエープロモーター;米国特許第4,873,316号および欧州特許出願公開番号264,166号)が挙げられる。発生的に調節されるプロモーター(例えば、マウスhoxプロモーター(KesselおよびGruss(1990)Science 249:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(CampesおよびTilghman(1989)Genes Dev.3:537−546))がまた、含まれる。
【0205】
本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。種々の細胞型のアンチセンスRNAの、構成的発現、組織特異的発現、または細胞型特異的発現を指示する、アンチセンスの向きでクローニングされた核酸に対して作動可能に連結された調節配列(例えば、ウイルスプロモーターおよび/またはエンハンサー)が選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得る。
【0206】
本発明の別の局面は、本明細書中に記載された核酸分子(例えば、組換え発現ベクター内の33751核酸分子、または33751核酸分子が宿主細胞ゲノムの特定の部位中に相同的に組換えることを可能とする配列を含む33751核酸分子)を含有する宿主細胞を提供する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能に使用される。このような用語は、特定の被験細胞をいうのみでなく、そのような細胞の子孫または潜在的な子孫をいう。変異または環境的影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において存在し得るので、このような子孫は、実際、親の細胞と同一でなくてもよいが、なお、本明細書中で使用されるようなこの用語の範囲内に含まれる。
【0207】
宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、33751タンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母または哺乳動物細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)またはCOS細胞(アフリカミドリザル腎臓細胞CV−1を起源とするSV40細胞;Gluzman(1981)Cell 23:175−182))で発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0208】
ベクターDNAは、従来的な形質転換またはトランスフェクション技術を介して宿主細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための当該分野で認識される種々の技術をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈殿、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、またはエレクトロポレーションが挙げられる。
【0209】
本発明の宿主細胞を使用して、33751タンパク質を生成(すなわち、発現)し得る。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して33751タンパク質を生成するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、33751タンパク質が生成されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(この中に、33751タンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を培養する工程を、包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または宿主細胞から33751タンパク質を単離する工程を包含する。
【0210】
別の局面において、本発明は、細胞、または33751トランスジーン(導入遺伝子)を含有する細胞もしくはそれ以外に33751を誤って発現する(misexpress)細胞からの精製調製物を特徴とする。この細胞調製物は、ヒト細胞または非ヒト細胞(例えば、げっ歯類細胞(例えば、マウス細胞もしくはラット細胞)、ウサギ細胞、またはブタ細胞)からなり得る。好ましい実施形態において、細胞は33751トランスジーン(例えば、33751の異種形態、例えば、(非ヒト細胞の場合の)ヒト由来の遺伝子)を、含有する。この33751トランスジーンは、誤って発現(例えば、過剰発現または寡少発現(underexpress))され得る。別の好ましい実施形態において、細胞は、内在性33751を誤って発現する遺伝子(例えば、遺伝子発現が損なわれる遺伝子(例えば、ノックアウト))を含有する。このような細胞は、変異した33751対立遺伝子、または誤って発現された33751対立遺伝子に関係する障害を研究するためのモデル、または薬物スクリーニングにおける使用のためのモデルとして使用され得る。
【0211】
別の局面において、本発明は、本発明の33751ポリペプチドをコードする核酸で形質転換されたヒト細胞(例えば、血球幹細胞)を、特徴とする。
【0212】
また、細胞、好ましくはヒト細胞(例えば、ヒト血球系細胞または線維芽細胞)が提供され、この細胞中では、内因性33751が、正常では内因性33751遺伝子の発現を制御しない調節配列の制御下にある。細胞(例えば、細胞株または微生物)中の内因性遺伝子の発現特徴は、挿入された調節エレメントが内因性33751遺伝子に作動可能に連結されるように、細胞のゲノム中に異種性のDNA調節エレメントを挿入することによって改変され得る。例えば、「転写的にサイレント」(例えば、正常では発現されない)であるか、または極低レベルでのみ発現される内因性33751遺伝子を、その細胞中で正常に発現される遺伝子産物の発現を促進し得る調節性エレメントを挿入することによって、活性化し得る。標的化相同組換えのような技術を使用して、例えば、1991年5月16日に発行されたChappel、米国特許第5,272,071号;WO 91/06667に記載されるように、異種性DNAを挿入し得る。
【0213】
好ましい実施形態において、本明細書中に記載された組換え細胞は、被験体における置換治療のために使用され得る。例えば、誘導可能なプロモーター(例えば、ステロイドホルモンレセプター調節性プロモーター)に作動可能に連結された33751ポリペプチドをコードする核酸を、ヒト組換え細胞または非ヒト組換え細胞(例えば、哺乳動物組換え細胞、例えば、ブタ組換え細胞)に導入する。この細胞を培養し、そして生体適合性材料(例えば、ポリリジンアルギネート)中にカプセル充填し、続いて被験体中に移植する。例えば、Lanza(1996)Nat.Biotechnol.14:1107;Jokiら(2001)Nat.Biotechnol.19:35;および米国特許第5,876,742号を参照のこと。33751ポリペプチドの生成物を、被験体への因子(例えば、ステロイドホルモン)の投与によって、被験体中で調節し得る。別の実施形態において、移植された細胞は、33751ポリペプチドに特異的な抗体を発現および分泌する。この抗体は、本明細書中に記載される、任意の抗体または任意の抗体誘導体であり得る。
【0214】
(トランスジェニック動物)
本発明は、非ヒトトランスジェニック動物を提供する。このような動物は、33751タンパク質の機能および/または活性を研究するため、ならびに33751の活性の調節因子を同定および/または評価するために、有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物」は、その動物の細胞の1つ以上がトランスジーンを含有する、非ヒト動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットもしくはマウスにようなげっ歯類である。トランスジェニック動物の他の例としては、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などが挙げられる。トランスジーンとは、好ましくは、トランスジェニック動物の細胞のゲノム中に組み込まれるか、またはゲノム中に生じる、外因性DNAまたは再配置(例えば、内因性染色体DNAの欠失)である。トランスジーンは、トランスジェニック動物の1つ以上の細胞型もしくは組織においてコードされる遺伝子産物の発現を指令し得、他のトランスジーン(例えば、ノックアウト)は、発現を減少させる。従って、トランスジェニック動物は、内因性33751遺伝子が、例えば、内因性遺伝子と、その動物の発生前にその動物の細胞(例えば、動物の胚細胞)中に導入された外因性DNA分子との間の相同組換えによって、変更された動物であり得る。
【0215】
イントロン配列およびポリアデニル化シグナルはまた、トランスジーンの発現の効率を増加させるためにトランスジーン中に含まれ得る。組織特異的調節配列は、特定の細胞に対して33751タンパク質の発現を指向するために、本発明のトランスジーンに作動可能に連結され得る。トランスジェニック創始動物は、そのゲノムにおける33751トランスジーンの存在および/またはこの動物の組織もしくは細胞における33751 mRNAの発現に基づいて、同定され得る。次いで、トランスジェニック創始動物を使用して、トランスジーンを保有するさらなる動物を育種する。さらに33751タンパク質をコードするトランスジーンを保有するトランスジェニック動物は、さらに、他のトランスジーンを有する他のトランスジェニック動物と交配され得る。
【0216】
33751タンパク質または33751ポリペプチドは、トランスジェニック動物またはトランスジェニック植物において発現され得る(例えば、このタンパク質またはポリペプチドをコードする核酸が、動物のゲノム中に導入され得る)。好ましい実施形態において、この核酸を、組織特異的なプロモーター(例えば、母乳特異的プロモーターまたは卵特異的プロモーター)の制御下に配置し得、そして動物により産生される母乳または卵から回収され得る。適切な動物は、マウス、ブタ、ウシ、ヤギおよびヒツジである。
【0217】
本発明はまた、例えば、以下に考察されるような、トランスジェニック動物由来の細胞集団を包含する。
【0218】
(使用)
本明細書中に記載される核酸分子、タンパク質、タンパク質ホモログ、および抗体は、以下の方法の1以上に使用され得る:a)スクリーニングアッセイ;b)予測的な医薬品(例えば、診断アッセイ、予後アッセイ、臨床試験のモニタリング、および薬理遺伝学);ならびにc)処置方法(例えば、治療および予防)。
【0219】
本発明の単離された核酸分子を使用して、33751タンパク質を(例えば、遺伝子治療の適用における、宿主細胞中の組換え発現ベクターを介して)発現し得、(例えば、生物学的サンプル中の)33751 mRNAを検出し得、または33751遺伝子中の遺伝子の変更を検出し得、そして以下にさらに記載されるように、33751の活性を調節し得る。33751タンパク質を使用して、33751基質または33751インヒビターの不十分な生成または過剰な生成によって特徴付けられる障害を処置し得る。さらに、33751タンパク質を使用して、天然に存在する33751の基質についてスクリーニングし得、33751活性を調節する薬物または化合物をスクリーニングし得、ならびに、33751タンパク質の不十分な生成または過剰な生成、あるいは33751野生型タンパク質と比較して減少した活性、異常な活性または所望されない活性を有する33751タンパク質形態の生成によって特徴付けられる障害(例えば、疼痛)を、処置し得る。さらに、本発明の抗33751抗体を使用して、33751タンパク質を検出および単離し得、33751タンパク質の生物利用能を調節し得、そして33751活性を調節し得る。
【0220】
例えば、本発明の33751ポリペプチドと相互作用する(例えば、結合する)能力について化合物を評価する方法を提供する。この方法は、以下を包含する:本発明の33751ポリペプチドと化合物とを接触させる工程;および化合物がこの本発明の33751ポリペプチドと相互作用する(例えば、結合する)か、または複合体を形成する能力を評価する工程。この方法は、インビトロ(例えば、無細胞系)でか、またはインビボ(ツーハイブリッド相互作用トラップアッセイ)で実施され得る。この方法を使用して、本発明の33751ポリペプチドと相互作用する、天然に存在する分子を同定し得る。またこの方法を使用して、本発明の33751ポリペプチドの天然インヒビターまたは合成インヒビターを見出し得る。スクリーニング方法を、以下により詳細に考察する。
【0221】
(スクリーニングアッセイ)
本発明は、33751タンパク質に結合するか、例えば33751発現もしくは33751活性に対する刺激作用もしくは阻害作用を有するか、または例えば33751基質の発現もしくは活性化に対する刺激作用もしくは阻害作用を有する、モジュレーター、すなわち候補もしくは試験の化合物または因子(例えば、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、ペプトイド、低分子または他の薬物)を同定するための方法(本明細書中でスクリーニングアッセイともいわれる)を提供する。このように、同定された化合物を使用して、治療プロトコル中で標的遺伝子産物(例えば、33751遺伝子)の活性を調節し得るか、標的遺伝子産物の生物学的機能を調節し得るか、または正常な標的遺伝子の相互作用を無効化(distrupt)する化合物を、同定し得る。
【0222】
1つの実施形態において、本発明は、33751タンパク質もしくは33751ポリペプチド、またはその生物学的に活性な部分の基質である、候補化合物または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。別の実施形態において、本発明は、33751タンパク質もしくは33751ポリペプチド、またはその生物学的に活性な部分の活性に結合するかまたはその活性を調節する、候補化合物または試験化合物をスクリーニングするためのアッセイを提供する。
【0223】
本発明の試験化合物は、当該分野において公知のコンビナトリアルライブラリー方法(生物学的ライブラリー;ペプトイドライブラリー(ペプチドの機能を有するが、酵素的分解に対して耐性であるがそれでもなお生物学的に活性なままである、新規の非ペプチド骨格を有する分子のライブラリー;例えば、Zuckermann,R.N.ら(1994)J.Med.Chem.37:2678−85を参照のこと);空間的にアドレス可能な並行の固相または溶液相ライブラリー;デコンボルーション(deconvolution)を必要とする合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー方法を含む)における任意の多くのアプローチを使用して獲得され得る。生物学的ライブラリーアプローチおよび、ペプトイドライブラリーアプローチは、ペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーまたは化合物の低分子ライブラリーに適用可能である(Lam(1997)Anticancer Drug Des.12:145)。
【0224】
分子ライブラリーの合成のための方法の例は、例えば、以下において、当該分野で見出され得る:DeWittら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 90:6909;Erbら(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11422;Zuckermannら(1994)、J.Med.Chem.37:2678;Choら(1993)Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2059;Carellら(1994)Angew.Chem.Int.Ed.Engl.33:2061;およびGallopら(1994)J.Med.Chem.37:1233。
【0225】
化合物のライブラリーは、溶液中に存在し得るか(例えば、Houghten(1992)Biotechniques 13:412〜421)、ビーズ上(Lam(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor(1993)Nature 364:555〜556)、細菌上(Ladner、米国特許第5,223,409号)、芽胞上(Ladner、特許第5,223,409号)、プラスミド上(Cullら(1992)Proc Natl Acad Sci USA 89:1865〜1869)またはファージ上(ScottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwirlaら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.87:6378〜6382;Felici(1991)J.Mol.Biol.222:301〜310;Ladner 前出)であり得る。
【0226】
1つの実施形態では、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、ここで33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分を発現する細胞を、試験化合物と接触させ、そして試験化合物が33751活性を調節する能力を決定する。試験化合物が33751活性を調節する能力の決定を、例えば、カリウムチャネル活性をモニターすることによって成し得る。例えばこの細胞は、哺乳動物由来(例えば、ヒト)であり得る。
【0227】
試験化合物が化合物(例えば、33751基質)に結合する33751を調節する能力、または33751に結合する能力をまた、評価し得る。このことは、例えば、化合物(例えば、基質)を放射性同位体または酵素標識とカップリングさせることによって達成され得、その結果、複合体中の標識された化合物(例えば、基質)を検出することによって、化合物(例えば、基質)の33751への結合を決定し得る。あるいは、33751を放射性同位体または酵素標識とカップリングさせて、複合体中で試験化合物が33751基質に結合する33751を調節する能力をモニタリングし得る。例えば、化合物(例えば、33751基質)を、125I、35S、14C、またはHで、直接的または間接的のいずれかで標識し得、そしてこの放射性同位体が、放射線放射の直接的な計数によってか、またはシンチレーション計数によってかで検出され得る。あるいは、化合物は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に標識され得、そして適切な基質の産物への変換を検出することによって、この酵素標識を検出し得る。
【0228】
化合物(例えば、33751基質)が、任意の相互作用体(interactant)の標識化を有する33751またはこれを有さない33751と相互作用する能力を、評価し得る。例えば、微小生理機能測定器(microphysiometer)を使用して、化合物または33751のいずれかの、標識化を有さない33751との化合物の相互作用を検出し得る。McConnell,H.M.ら(1992)Science 257:1906−1912。本明細書中で使用される場合、「微小生理機能測定器」(例えば、Cytosensor)は、光でアドレス可能な電位差測定センサー(LAPS)を使用して、細胞がその環境を酸性化する速度を測定する、分析装置である。この酸性化速度の変化は、化合物と33751との間の相互作用の指標として使用され得る。
【0229】
なお別の実施形態において、33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させ、そして試験化合物が33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合する能力を評価する、無細胞アッセイを提供する。本発明のアッセイに使用するための33751タンパク質の好ましい生物学的に活性な部分としては、非33751分子と相互作用する役割を持つフラグメント(例えば、高い表面存在可能性スコアを有するフラグメント)が挙げられる。
【0230】
本発明の無細胞アッセイにおいて、単離したタンパク質(例えば、33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分)の可溶性形態および/または膜結合形態を、使用し得る。膜結合形態のタンパク質を使用する場合、可溶化剤を利用することが望ましい。このような可溶化剤の例としては、以下のような非イオン性界面活性剤が挙げられる:n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)(Isotridecypoly(ethylene glycol ether))、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(3−[(3−cholamidopropyl)dimethylamminio]−1−propane sulfonate)(CHAPS)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(3−[(3−cholamidopropyl)dimethylamminio]−2−hydroxy−1−propane sulfonate)(CHAPSO)、またはN−ドデシル=N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート。
【0231】
無細胞アッセイは、2つの成分が相互作用しそして結合し、従って除去および/または検出され得る複合体を形成し得る条件下かつそのために十分な時間をかけて、標的遺伝子タンパク質および試験化合物の反応混合物を調製する工程を、包含する。
【0232】
2つの分子間の相互作用をまた、例えば、蛍光エネルギー転移(FET)を使用して検出し得る(例えば、Lakowiczら、米国特許第5,631,169号;Stavrianopoulosら、米国特許第4,868,103号を参照のこと)。第1標識「ドナー」分子上のフルオロフォアは、その放射した蛍光エネルギーが、第2「アクセプター」分子上の蛍光標識によって吸収され、次いで吸収エネルギーに起因して蛍光発光し得るように、選択される。あるいは、この「ドナー」タンパク質分子は、単に、トリプトファン残基の天然の蛍光エネルギーを利用してもよい。異なる光波長を放射する標識を選択して、その結果、「アクセプター」分子標識は、「ドナー」分子標識から識別され得る。これら標識間のエネルギー転移の効率は、分子を隔てる距離の関係するので、これら分子間の空間関係を評価し得る。2つの分子間で結合が生じる状態では、このアッセイにおいて「アクセプター」分子標識の蛍光放射は最大となるはずである。FET結合事象を、当該分野で周知の標準的な蛍光検出手段を介して(例えば、蛍光測定器を用いて)、簡便に測定し得る。
【0233】
別の実施形態において、33751タンパク質が標的分子に結合する能力の決定を、リアルタイムの生体分子相互作用分析(Biomolecular Interaction Analysis)(BIA)を使用して達成し得る(例えば、Sjolander,S.およびUrbaniczky,C.(1991)Anal.Chem.63:2338〜2345、ならびにSzaboら(1995)Curr.Opin.Struct.Biol.5:699〜705を参照のこと)。「表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)」または「BIA」は、いずれの相互作用物(例えば、BIAcore)も標識することなく、リアルタイムで生体特異的相互作用を検出する。結合表面の質量の変化(結合事象を表す)は、表面付近の光の屈折率の変化(表面プラズモン共鳴の光学的現象(optical phenomenon)(SPR))を生じ、生物学的分子間のリアルタイム反応の指標として使用され得る、検出可能なシグナルを生じる。
【0234】
1つの実施形態において、標的遺伝子産物または試験基質を、固相上に係留する(anchor)。固相上に係留した標的遺伝子産物/試験化合物の複合体を、反応終了時に検出し得る。好ましくは、標的遺伝子産物を固相表面上に係留し得、そして(係留されていない)試験化合物を、本明細書中で考察される検出可能な標識で、直接的または間接的のいずれかで標識し得る。
【0235】
33751、抗33751抗体またはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両方の非複合体化形態からの複合体化形態の分離を容易にし、そしてこのアッセイの自動化に適用させることが、望ましくあり得る。試験化合物の33751タンパク質への結合、または候補化合物の存在下および非存在下での33751タンパク質の標的分子との相互作用は、これらの反応物を収容するのに適切な任意の容器内で成され得る。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管、および微小遠心管が挙げられる。1つの実施形態において、そのタンパク質の一方または両方をマトリックスに結合することを可能にするドメインを追加する融合タンパク質が、提供され得る。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/33751の融合タンパク質またはグルタチオン−S−トランスフェラーゼ/標的の融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上に吸着され得、次いで、これらを、試験化合物と混ぜ合わせるか、あるいは試験化合物および非吸着の標的タンパク質または33751タンパク質のいずれかと混ぜ合わせ、そしてこの混合物を、複合体形成に貢献する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートする。インキュベーション後、ビーズまたはマイクロタイタープレートウェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、例えば、上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれかで決定する。あるいは、複合体をマトリックスから解離させ得、そして33751結合レベルまたは33751活性レベルを標準的な技術を使用して決定し得る。
【0236】
33751タンパク質または標的分子のいずれかをマトリックス上に固定するための他の技術としては、ビオチンとストレプトアビジンとの結合体化を使用することが挙げられる。ビオチン化された33751タンパク質または標的分子を、当該分野において公知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド)から調製し得(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals、Rockford、IL)、そしてストレプトアビジンでコーティングした96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェル中に固定し得る。
【0237】
このアッセイを行うために、非固定化成分を、係留された成分を含むコーティングされた表面に添加する。反応の完了後、形成された任意の複合体が固相表面上で依然として固定化されているような条件下で、未反応成分を取り除く(例えば、洗浄によって)。固相表面上に係留された複合体の検出を、多く方法で達成し得る。これまで固定化されない成分を予め標識する場合、表面上に固定化された標識の検出は、複合体が形成されることを示す。これまで固定化されない成分が予め標識されない場合、間接標識を使用して、表面上に係留された標識を検出し得る:例えば、固定化成分に特異的な標識抗体の使用(次いで、この抗体は、直接的にか、または例えば標識された抗Ig抗体で間接的に標識され得る)。
【0238】
1つの実施形態において、33751タンパク質または標的分子と反応性であるが、33751タンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体を利用して、アッセイを実施する。このような抗体は、プレートのウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的または33751タンパク質が、抗体の結合体化によってウェル内にトラップされ得る。このような複合体を検出するための方法には、GST固定化複合体に関しての上記のものに加えて、33751タンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する複合体の免疫検出、ならびに33751タンパク質または標的分子に関する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイが挙げられる。
【0239】
あるいは、無細胞アッセイを液相中で行い得る。このようなアッセイにおいて、以下に挙げられる任意の多くの標準的な技術によって、反応生成物を未反応成分から分離するが、これらに限定されない:差次的遠心分離(例えば、Rivas,G.およびMinton,A.P.(1993)Trends Biochem Sci 18:284−7を参照のこと);クロマトグラフィー(ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー);電気泳動(例えば、Ausubel,F.ら、編、Current Protocols in Molecular Biology 1999,J.Wiely:New York.を参照のこと);および免疫沈降(例えば、Ausubel,F.ら、編(1999)Current Protocols in Molecular Biology,J.Wiely:New Yorkを参照のこと)。このような樹脂およびクロマトグラフィー技術は当業者に公知である(例えば、Heegaard,N.H.,(1998)J Mol Recognit 11:141−8;Hage,D.S.,およびTweed,S.A.(1997)J Chromatogr B Biomed Sci Appl.699:499−525を参照のこと)。さらに、蛍光エネルギー転移をまた、本明細書中に記載されるように、うまく使用して、溶液からの複合体のさらなる精製なしに結合を検出し得る。
【0240】
好ましい実施形態において、このアッセイは、33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分を、33751を結合する公知化合物と接触させてアッセイ混合物を形成する工程、アッセイ混合物を試験化合物と接触させる工程、および試験化合物が33751タンパク質と相互作用する能力を決定する工程を包含し、ここで、試験化合物が33751タンパク質と相互作用する能力を決定する工程は、公知化合物と比較した場合、試験化合物が、好ましく33751タンパク質またはその生物学的に活性な部分に結合する能力、または標的分子の活性を調節する能力を決定する工程を包含する。
【0241】
本発明の標的遺伝子産物は、インビボで、1つ以上の細胞性高分子または細胞外高分子(例えば、タンパク質)と相互作用し得る。この考察の目的のために、このような細胞性高分子および細胞外高分子は、本明細書中で、「結合パートナー」といわれる。このような相互作用を無効化する化合物は、標的遺伝子産物の活性を調節するのに有用であり得る。このような化合物としては、抗体、ペプチドおよび低分子のような分子が挙げられ得るが、これらに限定されない。この実施形態における使用のための好ましい標的遺伝子/生成物は、本明細書中で同定された33751遺伝子である。代替の実施形態において、本発明は、試験化合物が、33751標的分子の下流のエフェクターの活性の調節を介して、33751タンパク質の活性を調節する能力を決定するための方法を、提供する。例えば、これまでに記載されたように、適切な標的に対するエフェクター分子の活性を決定し得るか、または適切な標的に対するエフェクターの結合を決定し得る。
【0242】
標的遺伝子産物と、その細胞性結合パートナーまたは細胞外結合パートナーとの間の相互作用を妨害する化合物を同定するために、標的遺伝子産物および結合パートナーを含有する反応混合物を、2つの成分が複合体を形成し得るような条件下かつそのために十分な時間をかけて、調製する。阻害性因子を試験するために、反応混合物を試験化合物の存在下および非存在下で提供する。試験化合物は、最初に、反応混合物中に含まれ得るか、あるいは標的遺伝子およびその細胞性結合パートナーまたは細胞外結合パートナーを添加した時点で添加され得る。コントロールの反応混合物を、試験化合物なしでかまたはプラセボと一緒にインキュベートする。次いで、標的遺伝子産物と、細胞性結合パートナーまたは細胞外結合パートナーとの間の任意の複合体の形成を検出する。コントロール反応中で複合体を形成するが、試験化合物を含有する反応混合物中では複合体を形成しないことは、化合物が標的遺伝子産物と相互作用性結合パートナーとの相互作用を妨害することを示す。さらに、試験化合物および正常な標的遺伝子産物を含有する反応混合物中の複合体形成をまた、試験化合物および変異体標的遺伝子産物を含有する反応混合物中の複合体形成と比較し得る。この比較は、変異体標的遺伝子産物の相互作用を無効化するが、正常な標的遺伝子産物の相互作用は無効化しない化合物を同定することが望ましい場合に、重要であり得る。
【0243】
これらのアッセイは、不均一形式または均一形式で行われ得る。不均一系アッセイは、標的遺伝子産物またはその結合パートナーのいずれかを固相上に係留する工程、および反応終了時に固相上に係留された複合体を検出する工程を、包含する。均一系アッセイにおいて、全反応を液相中で実行する。別のアプローチにおいて、試験される化合物についての差次的な情報を獲得するために、反応物の添加の順序を変化し得る。例えば、標的遺伝子産物とその結合パートナーとの間の相互作用を、例えば、競合によって妨害する試験化合物を、試験基質の存在下で反応を行うことによって同定し得る。あるいは、形成された複合体を無効化する試験化合物(例えば、複合体から成分のうちの1つを置き換える、より高い結合定数を有する化合物)を、複合体が形成した後に反応混合物中に試験化合物を添加することによって試験し得る。種々の形式を、以下に簡潔に記載する。
【0244】
不均質のアッセイ系において、標的遺伝子産物または反応性(interactive)細胞結合パートナーもしくは細胞外結合パートナーのいずれかは、固体表面(例えば、マイクロタイタープレート)上に固着され、一方で非固着種が直接または間接的に標識される。固着種は、非共有結合または共有結合によって固定され得る。あるいは、固着される種に特異的な固定化抗体は、固体表面への種の固着のために使用され得る。
【0245】
アッセイを行うために、固定化種のパートナーは、試験化合物でコーティングされた表面か、試験化合物でコーティングされていない表面に曝露される。反応が完結した後、未反応の成分が除去され(例えば、洗浄によって)、そして任意の形成された複合体は、固体表面上に固定化されたままである。非固定化種が前標識される場合、表面上に固定化された標識の検出は、複合体が形成されたことを示す。非固定化種が前標識されていない場合、間接標識は、表面に固着された複合体を検出するために使用され得る;例えば、始めに非固定化種に特異的な標識抗体を用いて(次いで、抗体は、例えば、標識化抗Ig抗体で直接標識され得るかまたは間接的に標識され得る)。反応成分の添加の順番に依存して、複合体形成を阻害するか、または予め形成された複合体を破壊する試験化合物が、検出され得る。
【0246】
あるいは、この反応は、試験化合物の存在下または非存在下で液体層で実行され得、反応産物は、未反応成分から分離され、そして複合体が検出される;例えば、溶液中で形成される任意の複合体を固着させる結合成分の1つに特異的な固定化抗体、および固着された複合体を検出する他のパートナーに特異的な標識化抗体を用いて。再度、液相への反応物の添加の順番に依存して、複合体を阻害するか、または予め形成された複合体を破壊する試験化合物が、同定され得る。
【0247】
本発明の代替の実施形態において、均質のアッセイが使用され得る。例えば、標的遺伝子産物のおよび反応性細胞結合パートナー産物または細胞外結合パートナー産物の予め形成された複合体は、標的遺伝子産物が標識されるか、またはその結合パートナーが標識されるかのいずれかで調製されるが、標識によって生成されるシグナルは、複合体形成に起因してクエンチされる(このアプローチを免疫アッセイのために利用する米国特許第4,109,496号を参照のこと)。予め形成された複合体由来の種の1つと競合し、そして置換する試験物質の添加は、バックグラウンドを上回るシグナルの生成を生じる。この方法において、標的遺伝子産物結合パートナー相互作用を破壊する試験物質が、同定され得る。
【0248】
なお別の局面において、33751タンパク質は、ツーハイブリッドアッセイまたはスリーハイブリッドアッセイ(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら、(1993)Cell 72:223〜232;Maduraら(1993)J.Biol.Chem.268:12046〜12054;Bartelら(1993)Biotechniques 14:920〜924;Iwabuchiら(1993)Oncogene 8:1693−1696;およびBrent WO94/10300を参照のこと)において「ベイト(bait)タンパク質」として使用されて、33751(「33751−結合タンパク質」または「33751−bp」)と結合または相互作用し、そして33751活性に関する他のタンパク質を同定し得る。このような33751−bpは、例えば、33751媒介性シグナル伝達経路の下流エレメントのような、33751タンパク質または33751標的によるシグナルのアクティベーターまたはインヒビターであり得る。
【0249】
ツーハイブリッドシステムは、大半の転写因子のモジュラー性質に基づき、これは別個のDNA結合ドメインおよび活性化ドメインからなる。手短には、このアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。1つの構築において、33751タンパク質をコードする遺伝子は、公知の転写因子(例えば、GAL−4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他の構築において、同定されていないタンパク質(「プレイ(prey)」または「サンプル」)をコードするDNA配列のライブラリー由来のDNA配列は、公知の転写因子の活性化ドメインをコードする遺伝子に融合される。(あるいは:33751タンパク質は、活性化ドメインに融合され得る)。「ベイト」タンパク質および「プレイ」タンパク質がインビボで相互作用して33751依存性複合体を形成し得る場合、転写因子のDNA結合ドメインおよび活性化ドメインは、密接に近くにされる。このように近くにすることにより、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結したレポーター遺伝子(例えば、lacZ)の転写が可能になる。レポーター遺伝子の発現は検出され得、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーは、単離され得、そして33751タンパク質と相互作用するタンパク質をコードするクローン化遺伝子を得るために使用され得る。
【0250】
別の実施形態において、33751発現のモジュレーターが、同定される。例えば、細胞または細胞を含有しない混合物は、候補化合物と接触させられ、そして33751mRNAまたはタンパク質の発現は、候補化合物の非存在下で33751mRNAまたはタンパク質の発現のレベルに相関して上昇した。33751mRNAまたはタンパク質の発現が、候補化合物の非存在下よりもその存在下で大きい場合、候補化合物は、33751mRNAまたはタンパク質発現の刺激因子として同定される。あるいは、33751mRNAまたはタンパク質の発現が、候補化合物の非存在下よりもその存在下でより少ない(統計学的に有意に少ない)場合、候補化合物は、33751mRNAまたはタンパク質発現のインヒビターとして同定される。33751mRNAまたはタンパク質発現のレベルが、33751mRNAまたはタンパク質の検出について本明細書中に記載される方法によって決定され得る。
【0251】
別の局面において、本発明は、本明細書中に記載されるアッセイの2つ以上の組み合わせに関する。例えば、調節剤は、細胞ベースのアッセイまたは無細胞アッセイを用いて同定され得、そして33751タンパク質の活性を調節する因子の能力は、例えば、動物(例えば、疼痛についての動物モデル)においてインビボで確認され得る。
【0252】
本発明は、さらに上記のスクリーニングアッセイによって同定される新規薬剤に関する。従って、このような薬剤での処置の効果、毒性、副作用、または作用機構を決定するための適切な動物モデルにおいて、本明細書中で記載されるように同定された薬剤(例えば、33751調節剤、アンチセンス33751核酸分子、33751特異的抗体、または33751結合パートナー)をさらに使用することは本発明の範囲内である。さらに、上記のスクリーニングアッセイによって同定される新規薬剤は、本明細書中で使用される処置のために使用され得る。
【0253】
(検出アッセイ)
本明細書中で同定された核酸配列の一部またはフラグメントは、ポリヌクレオチド試薬として使用され得る。例えば、これらの配列は、以下のために使用され得る:(i)染色体上のその各々の遺伝子をマップするため(例えば、遺伝性疾患に関連する遺伝子領域を位置決めするため、または33751と疾患を関係付けるため);(ii)わずかな生物学的サンプルからの個体を同定するため(組織タイピング);および(iii)生物学的サンプルの法医学的同定における補助。これらの適用は、以下の小節に記載される。
【0254】
(染色体マッピング)
33751ヌクレオチド配列またはその一部は、33751遺伝子の位置を染色体上にマッピングするために使用され得る。このプロセスは、染色体マッピンングといわれる。染色体マッピングは、疾患と関連する遺伝子と33751配列との相関において有用である。
【0255】
手短には、33751遺伝子は、33751ヌクレオチド配列からPCRプライマー(好ましくは15〜25bp長)を調製することによって染色体にマッピングされ得る。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングについて有用であり得る。33751配列に対応するヒト遺伝子を含むこれらのハイブリッドのみが、増幅したフラグメントを産生する。
【0256】
各細胞株が、単一のヒト染色体、または少数のヒト染色体、および完全なセットのマウス染色体のいずれかを含む、体細胞ハイブリッドのパネルは、特定のヒト染色体に対する個々の遺伝子の容易なマッピングを可能にし得る(D’Eustachio P.ら(1983)Science 220:919−924)。
【0257】
他のマッピングストラテジー(例えば、インサイチュハイブリダイゼーション(Fan, Y.ら(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:6223−27に記載される)、標識化フローソート染色体でのプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーに対するハイブリダイゼーションによる事前選択)は、染色体の位置に対する33751のマッピングのために使用され得る。
【0258】
中期染色体拡散(spread)に対するDNA配列の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)は、1工程にて正確な染色体位置を提供するためにさらに使用され得る。このFISH技術は、500塩基または600塩基程度の短さのDNA配列を用いて使用され得る。しかし、1,000塩基よりも大きいクローンは、特有の染色体位置に結合する傾向が高く、簡単な検出のために十分なシグナル強度を有する。好ましくは、1,000塩基、より好ましくは2,000塩基が、適切な時間で良好な結果を得るために十分である。この技術の概説について、Vermaら、Human Chromosomes:A Manual of Basic Techniques((1988)Pergamon Press,New York)を参照のこと。
【0259】
染色体マッピングのための試薬は、単一の染色体またはその染色体の単一部位をマークするために個々に使用され得るか、または試薬のパネルが複数の部位および/または複数の染色体をマークするために使用され得る。遺伝子の非コード領域に対応する試薬は、実際にマッピングの目的のために好ましい。コード配列は、遺伝子ファミリー内でより保存されがちであり、従って、染色体マッピング中のクロスハイブリダイゼーションの機会を増加させる。
【0260】
一旦、配列が正確な染色体位置にマッピングされると、染色体上の配列の物理学的位置は、遺伝子マップデータと相関し得る(このようなデータは、例えば、V.McKusick,Mendelian Inheritance in Man,Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを介してオンラインで利用可能)。次いで、同じ染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患との間の関係は、例えば、Egeland,J.ら(1987)Nature,325:783−787に記載される、連鎖分析(物理学的に隣接した遺伝子の共同遺伝(co−inheritance))によって同定され得る。
【0261】
さらに、33751遺伝子に関する疾患に罹患した個体と罹患していない個体との間のDNA配列における相違が、決定され得る。変異が、いくつかまたは全ての罹患した患者において見出されるが、罹患していない患者では見出されない場合、変異は、特定の疾患の原因因子であるようである。罹患した個体および罹患していない個体の比較は、最初に一般に、染色体における構造的改変(例えば、そのDNA配列に基づくPCRを用いて染色体拡散から観察可能であるか、または検出可能である欠失または転座)を探すことを含む。最終的に、いくらかの個体由来の遺伝子の完全な配列決定は、変異の存在を確認するため、および多型から変異を区別するために実行され得る。
【0262】
(組織タイピング)
33751配列は、例えば、制限フラグメント長多型(RFLP)を用いて生物学的サンプルから個体を同定するために使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制限酵素で消化され、フラグメントは分離され(例えば、サザンブロットにて)、そしてプローブされて同定のためのバンドを産生する。本発明の配列は、RFLPのためのさらなるDNAマーカーとして有用である(米国特許第5,272,057号に記載される)。
【0263】
さらに、本発明の配列はまた、個体のゲノムの選択された部分の実際の1塩基ずつのDNA配列を決定するために使用され得る。従って、本明細書中に記載される33751ヌクレオチド配列は、その配列の5’末端および3’末端から2つのPCRプライマーを調製するために使用され得る。次いで、これらのプライマーは、個体のDNAを増幅し、次いでその配列を決定するために使用され得る。この様式で調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、特有の個体識別子を提供し得る。なぜならば、それぞれの個体は、対立遺伝子の差異に起因してこのようなDNA配列の特有のセットを有するからである。
【0264】
対立遺伝子改変体は、これらの配列のコード領域においてある程度まで生じ、そして非コード領域でかなりの程度生じる。いくつかの程度に対して、本明細書中に記載される配列の各々は、ある程度まで標準として使用され得、この基準に対して個体由来のDNAが同定の目的のために比較され得る。より多くの数の多型が、非コード領域で生じるために、より少ない配列しか、個体を区別するために必要でない。配列番号1の非コード配列は、それぞれ100塩基の非コード増幅配列を産生する約10〜1,000個のプライマーのパネルを用いて、ポジティブな個体の同定を提供し得る。予測されるコード配列(例えば、配列番号3の配列)が使用される場合、ポジティブな個体の同定のためにより適した数のプライマーは、500〜2,000である。
【0265】
本明細書中に記載される33751ヌクレオチド配列由来の試薬のパネルが、個体について特有の識別データベースを作成するために使用される場合、これらの同様の試薬が、個体から組織を同定するために後に使用され得る。特有の同定データベースを用いると、生きていても、死んでいても、個体のポジティブな同定は、非常に小さい組織サンプルからなされ得る。
【0266】
(法医学的生物学における部分的33751配列の使用)
DNAベースの同定技術はまた、法医学的生物学において使用され得る。このような同定をするために、PCR技術は、組織(例えば、毛髪および皮膚)、または体液(例えば、犯罪現場で見出された血液、唾液、もしくは精液)のような非常に小さい生物学的サンプルから得られたDNA配列を増幅するために使用され得る。次いで、増幅された配列は、標準と比較され得、これによって生物学的サンプルの起源の同定を可能にする。
【0267】
本発明の配列は、ポリヌクレオチド試薬(例えば、ヒトゲノム中の特定の遺伝子座に標的化されるPCRプライマー)を提供するために使用され得、これは、例えば、別の「同定マーカー」(すなわち、特定の個体に特有の別のDNA配列)を提供することによってDNAベースの法医学的識別子の信頼性を増強し得る。上述のように、実際の塩基配列情報は、制限酵素生成フラグメントによって形成されたパターンに対する正確な代替として、同定のために使用され得る。配列番号1の非コード領域に標的化された配列(例えば、少なくとも20塩基、好ましくは少なくとも30塩基の長さを有する配列番号1の非コード領域由来のフラグメント)は、特にこの使用に適切である。
【0268】
本明細書中に記載される33751ヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチド試薬(例えば、特定の組織を同定するために例えば、インサイチュハイブリダイゼーション技術で使用され得る標識化プローブまたは標識可能プローブ)を提供するためにさらに使用され得る。これは、法医学者が、未知の起源の組織が示される場合において非常に有用であり得る。このような33751プローブのパネルは、種および/または器官型によって組織を同定するために使用され得る。
【0269】
類似の様式において、これらの試薬(例えば、33751プライマーまたはプローブは、汚染について組織培養をスクリーニングするために使用され得る(すなわち、培養物中の異なる型の細胞の混合物の存在についてのスクリーニング)。
【0270】
(予測医学)
本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイおよび治験のモニタリングが、それによって個体を処置するために予後(予測)目的で使用される、予測医学の分野に関する。
【0271】
一般に、本発明は、被験体が、病巣に関連する障害についての危険性があるか、または33751をコードする遺伝子の誤発現か否かを決定する方法を提供する。
【0272】
このような障害としては、例えば、33751遺伝子の誤発現に関する障害が挙げられる。
【0273】
この方法は、以下の1つ以上を包含する:
被験体の組織において、33751遺伝子の発現に影響する変異の存在または非存在を検出する工程、または遺伝子の発現を制御する領域における変異(例えば、5’制御領域における変異)の存在または非存在を検出する工程;
被験体の組織において、33751遺伝子の構造を改変する変異の存在または非存在を検出する工程;
被験体の組織において、mRNAレベルで33751遺伝子の誤発現を検出する工程(例えば、非野生型のmRNAレベルを検出する工程);
被験体の組織において、タンパク質レベルで遺伝子の誤発現を検出する工程(例えば、非野生型の33751ポリペプチドレベルを検出する工程)。
【0274】
好ましい実施形態において、この方法は、以下の少なくとも1つの存在を確証する工程を包含する:33751遺伝子由来の1つ以上のヌクレオチドの欠失;遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの挿入、点変異(例えば、遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換、遺伝子の全体の染色体再配列(例えば、転座、逆位、または欠失)。
【0275】
例えば、遺伝的病巣を検出するための工程としては、以下が挙げられ得る:(i)配列番号1由来のセンス配列もしくはアンチセンス配列または天然に存在するその変異体、または33751遺伝子と天然に会合する5’もしくは3’の隣接配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列の領域を含むオリゴヌクレオチドを含むプローブ/プライマー、を提供する工程;(ii)プローブ/プライマーを、組織の核酸に曝露する工程;ならびに核酸に対するプローブ/プライマーのハイブリダイゼーション(例えば、インサイチュハイブリダイゼーション)によって、遺伝的病巣の存在または非存在を検出する工程。
【0276】
好ましい実施形態において、誤発現を検出する工程は、以下の少なくとも1つの存在を確認する工程を包含する:33751遺伝子のメッセンジャーRNA転写のレベルにおける改変;遺伝子のメッセンジャーRNA転写の非野生型スプライシングパターンの存在;または非野生型の33751レベル。
【0277】
本発明の方法は、出生前か、または被験体の子孫が障害の危険性を有するか否かを決定するために使用され得る。
【0278】
好ましい実施形態において、本方法は、33751遺伝子の構造、障害の危険性について指標である異常な構造を決定する工程を包含する。
【0279】
好ましい実施形態において、本方法は、被験体由来のサンプルを、33751タンパク質に対する抗体またはその遺伝子と特異的にハイブリダイズする核酸と接触させる工程を包含する。これらおよび他の実施形態は以下に考察される。
【0280】
(診断および予後アッセイ)
本発明の診断および予後アッセイは、33751分子の発現レベルを評価するための方法および33751分子の配列中のバリエーションおよび変異を同定するための方法を包含する。
【0281】
(発現モニタリングおよびプロファイリング)
生物学的サンプル中の33751タンパク質または核酸の存在、レベル、または非存在は、試験被験体から生物学的サンプルを得ることおよび生物学的サンプル中で33751タンパク質または核酸の存在が検出されるように、その生物学的サンプルを33751タンパク質または33751タンパク質をコードする核酸(例えば、mRNA、ゲノムRNA)を検出し得る化合物または薬剤と接触させることによって評価され得る。用語「生物学的サンプル」は、被験体から単離された組織、細胞および生物学的流体、ならびに被験体中に存在する組織、細胞、および流体を含む。好ましい生物学的サンプルは、血清である。33751遺伝子の発現のレベルは、多くの方法で測定され得、この方法として以下が挙げられるがこれらに限定されない:33751遺伝子にコードされるmRNAを測定する方法;33751遺伝子にコードされるタンパク質の量を測定する方法;または33751遺伝子にコードされるタンパク質の活性を測定する方法。
【0282】
33751遺伝子に対応する細胞内のmRNAのレベルは、インサイチュ形式およびインビトロ形式の両方によって決定され得る。
【0283】
単離されたmRNAは、ハイブリダイゼーションアッセイあるいは増幅アッセイ(サザン解析またはノザン解析、ポリメラーゼ連鎖反応解析およびプローブアレイを含むがこれらに限定されない)において使用され得る。mRNAレベルの検出のための一つの好ましい診断方法は、単離されたmRNAを、検出される遺伝子によってコードされるmRNAにハイブリダイズし得る核酸分子(プローブ)と接触させる工程を包含する。核酸プローブは、例えば、全長の33751核酸(例えば、配列番号1の核酸)、またはその部分(例えば、少なくとも7、15、30、50、100、250、または500ヌクレオチドの長さであり、そしてストリンジェント条件下で33751mRNAまたは33751ゲノムDNAに特異的にハイブリダイズするために十分なオリゴヌクレオチド)であり得る。プローブは、アレイの番地(address)(例えば、下に記載のアレイ)において配置され得る。診断アッセイにおける用途のための他の適切なプローブが、本明細書中に記載される。
【0284】
一つの形式において、mRNA(またはcDNA)は、例えば、単離されたmRNAをアガロースゲルで電気泳動し、ゲルからニトロセルロースのような膜にmRNAを移すことによって表面に固定され、そしてプローブに接触させられる。別の形式において、例えば、下に記載の2次元遺伝子チップアレイにおいて、このプローブは、表面に固定され、そしてmRNA(またはcDNA)が、プローブに接触させられる。当業者は、33751遺伝子にコードされるmRNAのレベルを検出する用途のために、公知のmRNA検出方法を適合し得る。
【0285】
33751の1つにコードされるmRNAのサンプル中のレベルは、例えば、rtPCR(Mullis(1987)米国特許第4,683,202号)、リガーゼ連鎖反応(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189〜193)、自己持続性(self sustained)配列複製(Guatelliら、(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874〜1878)、転写性増幅システム(Kwohら、(1989)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173〜1177)、Q−Beta Replicase(Lizardiら、(1988)Bio/Technology 6:1197)、ローリングサークル複製(Lizardiら、米国特許第5,854,033号)または任意の他の核酸増幅方法による核酸増幅(当該分野で公知の技術を使用する増幅化分子の検出が続く)で評価され得る。本明細書中で使用される場合、増幅プライマーは、遺伝子の5’または3’領域(それぞれプラス鎖およびマイナス鎖、またはその逆も同様)にアニ−ルし得、そして間に短い領域を有する核酸分子の対として規定される。一般に、増幅プライマーは、約10〜30ヌクレオチド長であり、約50〜200ヌクレオチド長の領域に隣接する。このようなプライマーは、適切な条件下そして適切な試薬を用いて、プライマーに隣接されるヌクレオチド配列を含む核酸分子の増幅を可能にする。
【0286】
インサイチュ方法に関して、細胞サンプルまたは組織サンプルは、調製/処理され、そして支持体(代表的にはガラススライド)に固定され、そして次いで、解析される33751遺伝子をコードするmRNAにハイブリダイズし得るプローブと接触させられ得る。
【0287】
別の実施形態において、この方法は、コントロールサンプルを、33751mRNAまたはゲノムDNAを検出し得る化合物または薬剤と接触させ、そしてコントロールサンプル中の33751mRNAまたはゲノムDNAの存在を試験サンプル中の33751mRNAまたはゲノムDNAの存在と比較する工程をさらに含む。なお別の実施形態において、米国特許第5,695,937号に記載されるような遺伝子発現の連続解析が、33751転写物レベルを検出するために使用される。
【0288】
33751にコードされるタンパク質のレベルを決定するために、種々の方法が使用される。一般に、これらの方法として、サンプル中のタンパク質レベルを評価するために、このタンパク質に選択的に結合する薬剤(例えば、抗体)をサンプルと接触させる工程を含む。好ましい実施形態において、この抗体は、検出可能な標識を有する。抗体は、ポリクローナル、またはより好ましくは、モノクローナルであり得る。インタクトな抗体、またはそのフラグメント(例えば、FabまたはF(ab’))が使用され得る。プローブまたは抗体に関して、用語「標識された」は、検出可能な物質をプローブまたは抗体にカップリングする(すなわち、物理的に連結する)ことによるプローブあるいは抗体の直接標識、および検出可能な物質との反応性によるプローブあるいは抗体の間接標識を含むことが意図される。検出可能な物質の例は、本明細書中に提供される。
【0289】
この検出方法は、インビトロおよびインビボで生物学的サンプル中の33751タンパク質を検出するために使用され得る。33751タンパク質の検出のためのインビトロ技術としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、免疫蛍光、酵素免疫アッセイ(EIA)、放射性免疫アッセイ(RIA)、およびウエスタンブロット解析が挙げられる。33751タンパク質の検出のためのインビボ技術としては、被験体中に標識化抗33751抗体を導入する技術が挙げられる。例えば、この抗体は、被験体中の存在および位置が標準的な画像化技術によって検出され得る放射活性マーカーで標識され得る。別の実施形態において、このサンプルが標識され(例えば、ビオチン化され)、次いで、抗体(例えば、(下に記載されるように)抗体アレイ上に位置付けられた抗33751抗体)に接触させられる。このサンプルは、例えば、蛍光標識に結合されたアビジンを用いて検出され得る。
【0290】
別の実施形態において、この方法は、コントロールサンプルを33751タンパク質を検出し得る化合物あるいは薬剤と接触させ、そしてコントロールサンプル中の33751タンパク質の存在を、試験サンプル中の33751タンパク質の存在と比較する工程をさらに含む。
【0291】
本発明はまた、生物学的サンプルにおける33751の存在を検出するためのキットを含む。例えば、このキットは、生物学的サンプル中の33751タンパク質または33751mRNAを検出し得る化合物または薬剤;および標準物質を備え得る。この化合物または薬剤は、適切な容器に充填され得る。このキットは33751タンパク質または核酸を検出するためにキットを使用するための指示書をさらに備え得る。
【0292】
抗体ベースのキットに関して、このキットは、以下を備え得る:(1)本発明のマーカーに相当するポリペプチドに結合する(例えば、固体支持体に接着された)1次抗体、および、必要に応じて(2)ポリペプチドまたは1次抗体のいずれかに結合し、検出可能な薬剤に結合体化される異なる2次抗体。
【0293】
オリゴヌクレオチドベースのキットに関して、このキットは、以下を備え得る:(1)本発明のマーカーに相当するポリペプチドをコードする核酸配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド(例えば、検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド)、または(2)本発明のマーカーに相当する核酸分子を増幅するために有用なプライマーの対。このキットはまた、緩衝剤、防腐剤、またはタンパク質安定化剤を備え得る。このキットはまた、検出可能な薬剤(例えば、酵素または基質)を検出するために必要な構成要素を備え得る。このキットはまた、アッセイされ得、そして備えられた試験サンプルと比較され得る、コントロールサンプルまたはコントロールサンプルの系列を備え得る。このキットの各構成要素は、個々の容器内に封入され得、そして種々の容器は全て、このキットを使用して実施されるアッセイの結果を説明するための指示書とともに、単一の包装内であり得る。
【0294】
本明細書中に記載される診断方法は、誤って発現された(misexpressed)か、または異常であるか、もしくは望まれない33751発現もしくは33751活性に関連する、疾患または障害を有するか、あるいはこれらの疾患または傷害を発生する危険性が高い被験体を同定し得る。本明細書中で使用される場合、用語「望まれない」は、疼痛または制御を外れた(deregulated)細胞増殖のような生物学的応答に関連する望まれない現象を含む。
【0295】
一つの実施形態において、異常であるか、または望まれない33751発現もしくは33751活性に関連する疾患あるいは障害が同定される。試験サンプルが、被験体から得られ、そして33751タンパク質または核酸(例えば、mRNAまたはゲノムDNA)が評価される。ここで、33751タンパク質または33751核酸のレベル(例えば、存在または非存在)は、異常であるか、または望まれない33751発現もしくは33751活性に関連する疾患あるいは障害を有するか、あるいはこれらの疾患または傷害を発生する危険性が高い被験体について診断的である。本明細書中で使用される場合、「試験サンプル」は、目的の被験体から得られる生物学的サンプル(生物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、または組織を含む)をいう。
【0296】
本明細書中に記載される予後アッセイは、被験体が、異常であるか、または望まれない33751発現もしくは33751活性に関連する疾患あるいは障害を処置するための薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子、または他の薬物候補)を投与し得るかどうか決定するために使用され得る。例えば、このような方法は、被験体が疼痛関連障害のための薬剤で効果的に処置され得るかどうか決定するために使用され得る。
【0297】
別の局面において、本発明は、複数のデジタル形式でコードされたデータレコードを有するコンピューター媒体を特徴とする。各データレコードは、サンプル中の33751の発現のレベルおよびそのサンプルの記述子を表す値を備える。サンプルの記述子は、そのサンプル、そのサンプルが由来する被験体(例えば、患者)、診断、または処置(例えば、好ましい処置)の識別子であり得る。好ましい実施形態において、このデータレコードはさらに、33751以外の遺伝子(例えば、33751障害に関連する他の遺伝子、またはアレイ上の他の遺伝子)の発現のレベルを表す値を備える。このデータレコードは、表(例えば、関連型データベース(例えば、OracleまたはSybaseデータベース環境のSQLデータベース)のようなデータベースの部分である表)として構築され得る。
【0298】
サンプルの評価方法もまた特徴とする。この方法は、例えば、被験体由来のサンプルを提供する工程、およびそのサンプルの遺伝子発現プロフィールを決定する工程を包含し、ここで、このプロフィールは、33751発現レベルを表す値を含む。この方法は、その値またはそのプロフィール(すなわち、複数の値)と参照値または参照プロフィールとを比較する工程をさらに包含し得る。このサンプルの遺伝子発現プロフィールは、本明細書中に記載される任意の方法によって(例えば、サンプル由来の核酸を提供する工程およびこの核酸とアレイとを接触させる工程によって)得られ得る。この方法は、被験体における疼痛障害を診断するために使用され得、ここで、33751発現の増加は、その被験体が疼痛を有しているかまたは有する傾向にあることの指標である。この方法は、被験体における疼痛の処置をモニターするために使用され得る。例えば、遺伝子発現プロフィールは、処置された被験体由来のサンプルについて決定され得る。このプロフィールは、参照プロフィールまたは処置前もしくは障害の発症前の被験体から得たプロフィールと比較され得る(例えば、Golubら(1999) Science 286:531を参照のこと)。
【0299】
なお別の局面において、本発明は試験化合物の評価法(上記の「スクリーニングアッセイ」もまた参照のこと)を特徴とする。この方法は、細胞および試験化合物を提供する工程;その試験化合物を細胞と接触させる工程;接触された細胞についての被験体発現プロフィールを得る工程;ならびにその被験体発現プロフィールと1つ以上の参照プロフィールとを比較する工程、を包含する。このプロフィールは、33751発現レベルを表す値を含む。好ましい実施形態において、この被験体発現プロフィールは、標的プロフィール(例えば、正常細胞についてのプロフィールまたは所望の条件の細胞についてのプロフィール)とが比較される。この試験化合物は、被験体発現プロフィールが接触されなかった細胞から得た発現プロフィールよりも標的プロフィールにより類似しているかどうかを好都合に評価される。
【0300】
別の局面において、本発明は、被験体を評価する方法を特徴とする。この方法は、以下の工程を包含する:a)被験体(例えば、介護者(例えば、被験体からサンプルを得る介護者)からサンプルを得る工程;b)そのサンプルについての被験体発現プロフィールを決定する工程。必要に応じて、この方法は、以下の工程のいずれかまたは両方をさらに包含する:c)その被験体発現プロフィールを、1つ以上の参照発現プロフィールと比較する工程;およびd)被験体参照プロフィールに最も類似である参照プロフィールを選択する工程。この被験体発現プロフィールおよび参照プロフィールは、33751発現レベルを表す値を含む。種々の慣習的な統計学的測定が、2つの参照プロフィールを比較するために使用され得る。1つの考えられる測定基準は、2つのプロフィールの間の差異である、距離ベクター(distance vector)の長さである。被験体プロフィールおよび参照プロフィールの各々は、多次元ベクターとして表され、ここで、各次元は、プロフィール中の値である。
【0301】
この方法は、介護者に結果を伝達する工程をさらに包含する。この結果は、被験体発現プロフィール、被験体発現プロフィールと、別のプロフィール、最も類似の参照プロフィール、または前述の任意の記述子との比較の結果であり得る。この結果は、例えば、コンピュータ伝達(例えば、搬送波に包埋されるコンピュータデータ信号)の形態であり得る、コンピュータネットワークを通して伝達され得る。
【0302】
また、実行可能なコードを有するコンピュータ媒体も特徴とされ、このコンピュータ媒体は、以下の工程をもたらす:被験体の発現プロフィールを受信する;参照発現プロフィールのデータベースにアクセスする;そしてi)被験体発現プロフィールに最も類似のマッチング(matching)参照プロフィールを選択するかまたはii)少なくとも1つの参照プロフィールに対する被験体発現プロフィールの類似性についての少なくとも1つの比較スコアを決定する。この被験体発現プロフィールおよび参照発現プロフィール各々は、33751発現レベルを表す値を含む。
【0303】
(アレイおよびその使用)
別の局面において、本発明は、複数のアドレスを有する基質を含むアレイを特徴とする。その複数のアドレスのうち少なくとも1つのアドレスは、33751分子(例えば、33751核酸または33751ポリペプチド)に特異的に結合する捕捉プローブを含む。このアレイは、1cmあたり少なくとも10、50、100、200、500、1,000、2,000、または10,000以上のアドレスの密度を有し得、そしてこれらの範囲であり得る。好ましい実施形態において、複数のアドレスは、少なくとも10、100、500、1,000、5,000、10,000、50,000のアドレスを含む。好ましい実施形態において、この複数のアドレスは、10、100、500、1,000、5,000、10,000、または50,000以下のアドレスを含む。この基質は、スライドガラス、ウェーハ(例えば、シリカまたはプラスチック)、質量分析プレートのような二次元基質、またはゲルパッドのような三次元基質であり得る。複数のアドレスに加えて、アドレスがアレイ上に配置され得る。
【0304】
好ましい実施形態において、複数のアドレスのうちの少なくとも1つのアドレスは、33751核酸(例えば、センス鎖またはアンチセンス鎖)に特異的にハイブリダイズする核酸捕捉プローブを含む。1つの好ましい実施形態において、複数のアドレスのサブセットのアドレスは、33751に対する核酸捕捉プローブを有する。このサブセットの各アドレスは、33751核酸の異なる領域にハイブリダイズする捕捉プローブを含み得る。別の好ましい実施形態において、このサブセットのアドレスは、33751核酸に対する捕捉プローブを含む。このサブセットの各アドレスは、独特であり、33751の異なる改変体(例えば、対立遺伝子改変体、または全ての可能性のある仮定改変体)と重複しており、かつ相補的である。このアレイは、ハイブリダイゼージョンによる33751の配列決定のために使用され得る(例えば、米国特許第5,695,940号を参照のこと)。
【0305】
アレイは、種々の方法(例えば、写真平版(例えば、米国特許第5,143,854号;同第5,510,270号;および同第5,527,681号を参照のこと)、機械的方法(例えば、米国特許第5,384,261号に記載されるような正流法(directed−flow method))、ピンベース方法(pin−based method)(例えば、米国特許第5,288,514に記載される)、およびビーズベース技術(bead−based technique(例えば、PCT US/93/04145に記載される))によって作製され得る。
【0306】
別の好ましい実施形態において、複数のアドレスのうち少なくとも1つは、33751ポリペプチドまたはそのフラグメントに特異的に結合するポリペプチド補足プローブを含む。このポリペプチドは、天然に存在する、33751ポリペプチドの相互作用パートナーであり得る。好ましくは、このポリペプチドは、モノクローナル抗体または単鎖抗体のような抗体(例えば、本明細書中で記載される抗体(上記の「抗33751抗体」を参照のこと))であり得る。
【0307】
別の局面において、本発明は、33751の発現を分析する方法を特徴とする。この方法は、以下の工程を包含する:上記のようなアレイを提供する工程;このアレイを、サンプルと接触させる工程;およびこのアレイへの33751分子(例えば、核酸またはポリペプチド)の結合を検出する工程。好ましい実施形態において、このアレイは、核酸アレイであり得る。必要に応じて、この方法は、アレイとの接触の前または接触の間にサンプル由来の核酸を増幅させる工程をさらに包含する。
【0308】
別の実施形態において、このアレイは、アレイ中の遺伝子の組織特異性を確認するために、組織中の遺伝子発現(特に、33751の発現)をアッセイするために使用され得る。十分な数の多様なサンプルが分析される場合、クラスター化(例えば、階層クラスター化、k方法クラスター化(k−means clustering)、Bayesianクラスター化など)を使用して、33751と同時調節される他の遺伝子を同定し得る。例えば、このアレイは、多重遺伝子の発現の定量化のために使用され得る。従って、組織特異性のみならず、組織中の一連の遺伝子の発現レベルが確認される。定量データは、その組織発現自体に基づく群(例えば、クラスター)遺伝子およびその組織中の発現レベルに対して使用され得る。
【0309】
例えば、遺伝子発現のアレイ分析は、33751発現における細胞−細胞相互作用の影響を評価するために使用され得る。第1組織は摂動され得、そして第1組織と相互作用する第2組織由来の核酸が分析され得る。この脈絡において、生物学的刺激に対する応答における,別の細胞型に対する1つの細胞型の影響が決定(例えば、遺伝子発現レベルでの細胞−細胞相互作用の影響をモニターすること)され得る。
【0310】
別の実施形態において、細胞は、治療剤と接触される。この細胞の発現プロフィールはアレイを使用して決定され、そしてこの発現プロフィールは、薬剤と接触されない細胞などのプロフィールと比較される。例えば、このアッセイは、治療剤の望ましくない影響に基づく分子を決定または分析するために使用され得る。薬剤が、ある細胞型を処置するために治療的に投与されるが、別の細胞型に対しては望ましくない効果を有している場合、本発明は、この望ましくない効果に基づく分子を決定するためのアッセイを提供し、従って、反作用する薬剤を同時投与する機会、またはそうでなければ望ましくない効果を処置する機会を提供する。同様に、単一の細胞型内でさえも、望ましくない生物学的効果が分子レベルで決定され得る。従って、標的遺伝子以外の発現における薬剤の効果が確認され得、そして反作用され得る。
【0311】
別の実施形態において、アレイは、時間に対して、アレイ中の1つ以上の遺伝子の発現をモニターするために使用され得る。例えば、異なる時点で得られるサンプルは、アレイと共にプローブされ得る。このような分析は、33751関連疾患もしくは障害の発症を同定および/または特徴付け得;そして33751関連疾患もしくは障害と関連する細胞形質転換などを処理する。この方法はまた、33751関連疾患もしくは障害の処置および/または進行も評価し得る。
【0312】
このアレイはまた、正常細胞および異常細胞中の1つ以上の遺伝子の異なる発現パターンを確認するために有用である。このことは、診断処置または治療処置ための分子標的として作用し得る一連の遺伝子(例えば、33751を含む)を提供する。
【0313】
別の局面において、本発明は、複数のアドレスを有するアレイを特徴とする。この複数のアドレスの各々は特有のポリペプチドを含む。この複数のアドレスのうち少なくとも1つのアドレスは、その上に配置された33751ポリペプチドまたはそのフラグメントを有する。ポリペプチドアレイを産生する方法は、当業者によって、以下に記載される:例えば、De Wildtら(2000).Nature Biotech.18,989−994;Luekingら(1999).Anal.Biochem.270,103−111;Ge,H.(2000).Nucleic Acids Res.28,e3,I−VII;MacBeath,G.,およびSchreiber,S.L.(2000).Science 289,1760−1763;ならびにWO 99/51773A1。好ましい実施形態において、複数のアドレスの各々は、33751ポリペプチドまたはそのフラグメントに対して少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%または99%同一である、その上に配置されるポリペプチドを有する。例えば、33751ポリペプチドの多重改変体(例えば、対立遺伝子改変体、部位特異的変異体、ランダム変異体、またはコンビナトリアル変異体によってコードされる)は、複数の個々のアドレスに配置され得る。複数のアドレスに加えて、アドレスがそのアレイに配置され得る。
【0314】
このポリペプチドアレイは、33751結合化合物(例えば、33751ポリペプチドに特異的な、被験体由来のサンプル中の抗体)または33751結合タンパク質もしくはリガンドの存在を検出するために使用され得る。
【0315】
このアレイはまた、同一の細胞または異なる細胞中の他の遺伝子の発現に対する遺伝子発現の効果を確認する(たとえば、他の遺伝子の発現に対する33751発現の効果を確認する)ために有用であり得る。このことは、例えば、最終標的または下流標的が調節され得ない場合、治療介入のための代替分子標的の選択を提供する。
【0316】
別の局面において、本発明は、複数のプローブを分析する方法を特徴とする。この方法は、例えば、遺伝子発現を分析するために有用である。この方法は、以下の工程を包含する:複数のアドレスを有する、二次元アレイを提供する工程であって、複数のアドレスの各々は、特有の捕捉プローブを有する複数のアドレスを互いに位置的に区別可能であり、例えば、ここで、この捕捉プローブは、33751を発現する細胞または被験体由来であるかまたは、例えば、細胞と33751核酸もしくはタンパク質との接触、またはその細胞または被験体への33751核酸もしくはタンパク質の投与によって誘発された33751媒介性に応答する細胞もしくは被験体由来である、工程;複数のアドレスを有する二次元アレイを提供する工程であって、この複数のアレイの各々は、互いの複数のアドレスとは位置的に区別され、そして複数のアドレスの各々は、特有の捕捉プローブを有しており、例えば、ここで、この捕捉プローブは、33751を発現しない(または33751陽性の複数の捕捉プローブの場合のように高度に発現しない)細胞または被験体由来であるか、あるいは33751媒介性応答が誘発されていない(または第1のサンプル中よりもより少ない程度まで誘発されている)、細胞または被験体由来である、工程;このアレイと、1つ以上の問い合わせプローブ(好ましくは、33751核酸、ポリペプチド、または抗体以外)とを接触させる工程;およびそれによって複数の捕捉プローブを評価する工程。結合(例えば、核酸の場合、複数のアドレスにおける捕捉プローブとのハイブリダイゼーション)は、例えば、核酸、ポリペプチド、または抗体に結合された標識から生成される信号によって検出される。
【0317】
別の局面において、本発明は、複数のプローブまたはサンプルを分析する方法を特徴とする。この本発明の方法は、例えば、遺伝子発現を分析するために有用である。この方法は、以下の工程を包含する:複数のアドレスを有する二次元アレイを提供する工程であって、複数のアドレスの各々は、特有の捕捉プローブを有する複数のアドレスを各々に位置的に区別可能である、工程;そのアレイを、33751を発現するかもしくは誤発現する細胞もしくは被験体由来の第1サンプル、あるいは例えば、33751核酸もしくはタンパク質の細胞との接触、または細胞もしくは被験体への33751核酸もしくはタンパク質の投与によって33751媒介性応答が誘発された細胞もしくは被験体由来の第1サンプルと接触させる工程;複数のアドレスを有する二次元アレイを提供する工程であって、複数のアドレスの各々は、複数のアドレスを互いに位置的に区別可能であり、そしてその複数のアレイの各々は、特有の捕捉プローブを有している、工程;およびそのアレイを、33751を発現しない(または33751陽性の複数の捕捉プローブの場合のように高度に発現しない)細胞もしくは被験体由来の第2サンプル、あるいは33751媒介性応答が誘発されない(または第1サンプルよりもより少ない程度に誘発される)細胞もしくは被験体由来である第2サンプルと接触させる工程;および第1サンプルの結合と、第2サンプルの結合とを比較する工程。結合(例えば、核酸の場合、複数のアドレスにおける捕捉プローブとのハイブリダイゼーション)は、例えば、核酸、ポリペプチド、または抗体に結合された標識から生成される信号によって検出される。同一のアレイが、両方のサンプルのために使用され得るか、または異なるアレイが使用され得る。異なるアレイが使用される場合、捕捉プローブを有する複数のアドレスは、両方のアレイに存在しているべきである。
【0318】
別の局面において、本発明は、33751を分析する(例えば、構造、機能、または他の核酸配列もしくはアミノ酸配列との関連を分析する)方法を特徴とする。この方法は、以下の工程:33751核酸配列またはアミノ酸配列を提供する工程;この33751配列を、配列のコレクション(例えば、核酸配列データベースまたはタンパク質配列データベース)由来の1つ以上(好ましくは、複数)の配列と比較する工程を包含し、それによって33751を分析する。
【0319】
(改変体または変異体の検出)
本発明の方法はまた、33751遺伝子における遺伝性変化を検出するために使用され得、それによって、変更された遺伝子を有する被験体が、33751タンパク質の活性化における誤調節または核酸発現によって特徴付けられる障害(例えば、疼痛)についての危険性があるか否かを決定する。好ましい実施形態において、この方法は、被験体由来のサンプルにおいて、33751タンパク質をコードする遺伝子の強度に影響を及ぼす少なくとも1つの変化、または33751遺伝子の誤発現によって特徴付けられる、遺伝的変化の存在または非存在を検出する工程を包含する。例えば、このような遺伝的変化は、以下のうちの少なくとも1つの存在を確認することによって検出され得る:1)33751遺伝子由来の1つ以上のヌクレオチドの欠失;2)33751遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;3)33751遺伝子の1つ以上のヌクレオチドの置換;4)33751遺伝子の染色体再配置;5)33751遺伝子のメッセンジャーRNA転写のレベルにおける変化;6)ゲノムDNAのメチル化パターンのような、33751遺伝子の異常な改変;7)33751遺伝子のメッセンジャーRNA転写の非野生型スプライシングパターンの存在;8)33751タンパク質の非野生型レベル;9)33751遺伝子の対立遺伝子欠失;および10)33751タンパク質の不適切な翻訳後修飾。
【0320】
変化(alteration)は、ポリメラーゼ連鎖反応(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、または連結鎖反応(LCR)において、プローブ/プライマーなしに検出され得、これらの後者は、33751遺伝子における点変異を検出するのに特に有用であり得る。この方法は、以下の工程を包含し得る:被験体から細胞のサンプルを回収する工程;サンプルから核酸(例えば、ゲノム、mRNAまたはその両方)を単離する工程;ハイブリダイゼーションおよび33751遺伝子の増幅(存在する場合)が生じるような条件下で、核酸サンプルを、33751遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーと接触させる工程;および増幅産物の存在または非存在を検出する工程;または増幅産物のサイズを検出する工程およびコントロールサンプルと長さを比較する工程。PCRおよび/またはLCRが本明細書中に記載される変異を検出するために使用される任意の技術と組み合わせて、予備増幅工程として使用することが所望され得ることが予測される。あるいは、本明細書中に記載されるかまたは当該分野で公知の他の増幅法が、使用され得る。
【0321】
別の実施形態において、サンプル細胞由来の33751遺伝子中の変異が、制限酵素の切断パターンにおける変化を検出することによって同定され得る。例えば、サンプルおよびコントロールDNAが単離され、(必要に応じて)増幅され、1つ以上の制限エンドヌクレアーゼで消化され、フラグメント長サイズが、例えば、ゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルとコントロールDNAとの間のフラグメント長サイズの差異が、サンプルDNA中の変異を示す。さらに、配列特異的リボザイムの使用(例えば、米国特許第5,498,531号を参照のこと)は、リボザイム切断部位の発生または欠失による、特異的変異の存在についてのスコア付けのために使用され得る。
【0322】
他の実施形態において、33751中の遺伝的変異がサンプルおよびコントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA,二次元配列(例えば、チップベースアレイ(chip based array)))のハイブリダイゼーションによって同定され得る。このようなアレイは、複数のアドレスを含み、これらの各々は、互いに位置的に区別可能である。異なるプローブは、複数のアドレスの各々に配置される。プローブは、33751核酸またはその推定改変体(例えば、対立遺伝子改変体)の領域に相補的であり得る。プローブは、33751核酸の領域に対する1つ以上のミスマッチ(例えば、不安定化ミスマッチ)を有し得る。このアレイは、高密度のアドレスを有し得る(例えば、数百または数千のオリゴヌクレオチドプローブを含み得る)(Cronin,M.T.ら(1996)Human Mutation 7:244−255;Kozal,M.J.ら(1996)Nature Medicine 2:753−759)。例えば,33751における遺伝的変異は、Cronin,M.T.ら(前出)に記載されるような光生成DNAプローブを含む2次元アレイ中で同定され得る。簡単にいうと、プローブの第1ハイブリダイゼーションアレイは、連続的な重複プローブの線形アレイを作成することによって配列間の塩基変化を同定するために、サンプルおよびコントロール中のDNAの長い伸展を介して走査するために使用され得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程の後、検出される全ての改変体または変異体に相補的な、より小さく、特定化されたプローブアレイを使用することによって、特定の変異の特徴付けを可能にする第2ハイブリダイゼーションアレイが続く。各変異アレイは、平行プローブセットからなり、一方は、野生型遺伝子に相補的であり、そして他方は、変異遺伝子に相補的である。
【0323】
なお別の実施形態において、当該分野で公知である任意の種々の配列決定反応は、サンプル33751の配列と、対応する野生型(コントロール)配列との比較によって、33751遺伝子の直接的な配列決定および変異の検出に使用され得る。自動化配列決定手段は、診断アッセイ((1995)Biotechniques 19:448)を実施する場合に利用され得、質量分析による配列決定を含む。
【0324】
33751遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、RNA/RNAまたはRNA/DNAヘテロ二重鎖中のミスマッチ塩基を検出するために使用される切断剤からの保護する方法が挙げられる(Myersら(1985)Science 230:1242;Cottonら(1988)Proc.Natl Acad Sci USA 85:4397;Saleebaら(1992)Methods Enzymol.217:286−295)。
【0325】
なお別の実施形態において、このミスマッチ切断反応は、細胞のサンプルから得た33751cDNA中の点変異を検出およびマッピングするために規定された系において二重鎖DNA中のミスマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(「DNAミスマッチ修復」酵素とよばれる)を使用する。例えば、E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチにおいてAを切断し、そしてHeLa細胞由来のチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチにおいてTを切断する(Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657−1662;米国特許第5,459,039号)。
【0326】
他の実施形態において、電気泳動度における変化は、33751遺伝子中の変異を同定するために使用される。例えば、単鎖コンフォメーション多型(SSCP)は、変異体核酸と野生型核酸との間の電気泳動度の差異を検出するために使用され得る(Oritaら(1989)Proc Natl.Acad.Sci USA:86:2766,Cotton(1993)Mutat.Res.285:125−144もまた参照のこと;およびHayashi(1992)Genet.Anal.Tech.Appl.9:73−79)。サンプルおよびコントロールの33751核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性されそして再編成を可能にする。一本鎖核酸の2次構造は、配列に従って変化し、電気泳動度において生じる変化は、単一の塩基変化の検出さえも可能にする。DNAフラグメントは、標識化プローブを用いて標識または検出され得る。このアッセイの感受性は、(DNAよりもむしろ)RNAを使用することによって増強され得、2次構造は、配列における変化に対してより感受性である。好ましい実施形態において、対象方法は、電気泳動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離するためにへテロ二重鎖分析を利用する(Keenら(1991)Trends Genet 7:5)。
【0327】
なお別の実施形態において、変性の勾配を含むポリアクリルアミドゲルにおける変異体フラグメントまたは野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)を使用してアッセイされる(Myersら(1985)Nature 313:495)。分析法としてDGGEが使用される場合、DNAは、例えば、PCRによって約40bpの高融解性のGCリッチDNAのGCクランプを加えることによって完全に変性しないことを保証するために改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールおよびサンプルのDNAの移動度における差異を同定するために変性勾配の場所において使用される(RosenbaumおよびReissner(1987)Biophys Chem 265:12753)。
【0328】
点変異を検出するための他の技術の例としては、選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライマー伸長が挙げられるが、これらに限定されない(Saikiら(1986)Nature 324:163);Saikiら(1989)Proc.Natl Acad.Sci USA 86:6230)。点変異を検出するさらなる方法は、Xuら((2001) Nature Biotechnol 19:148)に記載されるようなオリゴヌクレオチドの化学結合である。隣接オリゴヌクレオチドのうちの1つは、問い合わせ部位に選択的にアニールし、サンプル核酸の問い合わせ部位におけるヌクレオチドが問い合わせオリゴヌクレオチドに相補的である場合、共に結合し;結合は、例えば、オリゴヌクレオチドに結合する蛍光色素によってモニターされ得る。
【0329】
あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子増幅技術は、本発明と組み合わせて使用され得る。特異的増幅のためのプライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドは、分子の中心(そのために、増幅は差次的ハイブリダイゼーションに依存する)(Gibbsら(1989)Nucleic Acids Res.17:2437−2448)またはプライマーの最後の3’末端において目的の変異を保有し得、ここで、適切な条件下において、ミスマッチは、ポリメラーゼ伸長を防止し得るかまたは減少させ得る(Prossner(1993)Tibtech 11:238)。さらに、切断ベースの検出を生じるために変異の領域に新規の制限部位を導入することが所望され得る(Gaspariniら(1992)Mol.Cell Probes 6:1)。特定の実施形態において、増幅がまた、増幅のためのTaqリガーゼを使用して実施され得ることが予測される(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci USA 88:189)。このような場合において、連結は、増幅の存在または非存在を探索することによって特異的部位における既知の変異の存在を検出することを可能にさせる5’配列の3’末端において完璧なマッチが存在する場合にのみ、生じる。
【0330】
別の局面において、本発明は、オリゴヌクレオチドのセットを特徴とする。このセットは、複数のオリゴヌクレオチドを含み、それらの各々は、33751核酸に対して、少なくとも部分的に相補的(例えば、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%相補的)である。
【0331】
好ましい実施形態において、このセットは、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含む。この第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号1または配列番号1の相補体の、同一の位置または異なる位置にハイブリダイズし得る。異なる位置は、異なり得るが重複しているか、または同一の鎖において非重複であり得る。この第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、同一の鎖または異なる鎖における部位にハイブリダイズし得る。
【0332】
このセットは、例えば、SNPを同定するために、または33751の特異的対立遺伝子を同定するために有用であり得る。好ましい実施形態において、このセットの各オリゴヌクレオチドは、疑問位置において異なるヌクレオチドを有する。1つの実施形態において、このセットは、2つのオリゴヌクレオチドを含み、その各々は、例えば、二対立遺伝子(biallelic)の位置または多型位置において、異なる対立遺伝子に相補的である。
【0333】
別の実施形態において、このセットは、4つのオリゴヌクレオチドを含み、その各々は、疑問位置において異なるヌクレオチド(例えば、アデニン、グアニン、シトシン、またはチミジン)を有する。この疑問位置は、SNPまたは変異の部位であり得る。別の好ましい実施形態において、複数のオリゴヌクレオチドは、互いに配列において同一である(長さにおける差異を除いて)。このオリゴヌクレオチドは、ある対立遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが第2の対立遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと区別され得る信号を提供するように、異なる標識を用いて提供され得る。なお別の実施形態において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドのセットは、問い合わせ位置に加えて、ある位置にヌクレオチド変化(例えば、オリゴヌクレオチドのTを減少させるような不安定化変異)を有する。別の実施形態において、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドのセットは、非天然ヌクレオチド(例えば、イノシン)を有する。好ましい実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、固体支持体(例えば、アレイの異なるアドレスまたは異なるビーズもしくはナノ粒子)に結合される。
【0334】
好ましい実施形態において、このオリゴヌクレオチドのセットは、例えば、PCRによる特異的増幅、または33751核酸の検出のために使用され得る。
【0335】
本明細書中で記載される方法は、例えば、本明細書中に記載される少なくとも1つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キットを利用することによって実行され得、これは、例えば、33751遺伝子を含む疾患または疾病の症状または家族の病歴を示す患者を診断するための臨床設定において、便利に使用され得る。
【0336】
(代理マーカーとしての33751分子の使用)
本発明の33751分子はまた、障害または疾患状態のマーカーとして、疾患前駆状態についてのマーカーとして、疾患状態の素因のためのマーカーとして、薬物活性のマーカーとして、または被験体の薬理ゲノム学的プロフィールのマーカーとして有用である。本明細書中に記載される方法を使用して、本発明の33751分子の存在、非存在および/または量が検出され得、そしてインビボでの1つ以上の生物学的状態と相関され得る。例えば、本発明の33751分子は、1つ以上の障害または疾患状態についての代理マーカーあるいは疾患状態を導く状態についての代理マーカーとして作用し得る。本明細書中で使用される場合、「代理マーカー」は、疾患または障害の非存在もしくは存在、または疾患もしくは障害の進行(例えば、腫瘍の存在または非存在を伴う)と相関する客観的な生物学的マーカーである。このようなマーカーの存在または量は、疾患に依存しない。従って、これらのマーカーは、処置の特定のコースが、疾患状態または障害の減少において有効であるか否かを示すために作用し得る。代理マーカーは、疾患状態もしくは障害の存在もしくは程度が、標準的な方法論(例えば、初期段階腫瘍)を介して評価することが困難な場合、または疾患進行の評価が、潜在的に危険な臨床的終点が達成される前に所望される場合に特に使用される(例えば、心臓血管疾患の評価が、代理マーカーとしてコレステロールレベルを使用してなされ得、そしてHIV感染の分析が、心筋梗塞または十分に進行したAIDSの望ましくない臨床的結果の進行においても同様に、代理マーカーとしてHIV RNAレベルを使用してなされ得る)。当該分野における代理マーカーの使用の例としては、以下が挙げられる:Koomenら(2000)J.Mass.Spectrom. 35:258−264;およびJames(1994)AIDS Treatment News Archive 209。
【0337】
本発明の33751分子はまた、薬力学的マーカーとして有用である。本明細書中で使用される場合、「薬力学的マーカー」は、薬物の効果に特異的に関連する客観的な生化学的マーカーである。薬力学的マーカーの存在または量は、薬物が投与される疾患の状態または障害には関連せず、それ故、このマーカーの存在または量は、被験体における薬物の存在または活性を示す。例えば、薬力学的マーカーは、生物学的組織における薬物の濃度を示し得、この組織の中で、マーカーは、薬物のレベルに関連して、この組織の中で、発現するかもしくは転写されるか、または発現も転写もされないかのいずれかである。この様態において、薬物の分布または摂取は、薬力学的マーカーによってモニターされ得る。同様に、薬力学的マーカーの存在または量は、薬物の代謝生成物の存在または量に関連し得、その結果、マーカーの存在または量は、インビボでの薬物の相対的分解速度を示す。薬力学的マーカーは、薬物効果の検出の感度の増加において、特に薬物が低用量で投与される場合に、特に有益である。少量の薬物でさえ、マーカー(例えば33751マーカー)の転写または発現を、複数回活性化するために十分であり得るので、増幅されたマーカーは、薬物そのものよりも容易に検出される量で存在し得る。また、マーカーは、マーカーそのものの性質に起因してより容易に検出され得;例えば、本明細書中に記載される方法を使用して、抗33751抗体は、33751タンパク質マーカーのための免疫ベースの検出系に使用され得るか、または33751特異的放射標識プローブは、33751 mRNAマーカーを検出するために使用され得る。さらに、薬力学的マーカーの使用は、直接観測が可能な範囲を超える薬物処置に起因する危険性の機構ベースの予測を提供し得る。当該分野における薬力学的マーカーの使用の例としては、Matsudaら、米国特許第6,033,862号;Hattisら、(1991)Env.Health Perspect.90:229−238;Schentag(1999)Am.J.Health−Syst.Pharm.56 補遺3:S21−S24;およびNicolau(1999)Am,J.Health−Syst.Pharm.56 補遺3:S16−S20が挙げられる。
【0338】
本発明の33751分子はまた、薬力学的マーカーとして有用である。本明細書中で使用される場合、「薬力学的マーカー」は、被験体における特定の臨床的薬物応答または薬物感受性と関連する客観的な生物学的マーカーである(例えば、McLeodら、(1999)Eur.J.Cancer 35:1650−1652を参照のこと)。薬力学的マーカーの存在または量は、薬物の投与前に、特定の薬物または薬物のクラスに対して予測される被験体の応答に関連する。被験体における1つ以上の薬力学的マーカーの存在または量を評価することによって、被験体に対して最も適切であり、またはより大きな成功の程度を有すると予測される薬物療法が、選択され得る。例えば、被験体における特定の腫瘍マーカーに対する、RNAまたはタンパク質(例えば、33751タンパク質またはRNA)の存在または量に基づいて、被験体中に存在する可能性のある特定の腫瘍の処置に対して最適化された、薬物または処置の過程が選択され得る。同様に、33751 DNAにおける特定の配列の変異の存在または非存在は、33751薬物応答に関連し得る。従って、薬力学的マーカーの使用によって、治療を施与する必要なしに、各被験体に対して最も適切な治療の適用が可能になる。
【0339】
(薬学的組成物)
本発明の核酸およびポリペプチド、これらのフラグメント、ならびに抗33751抗体(本明細書中では、「活性化合物」ともいわれる)は、薬学的組成物に組込まれ得る。このような組成物は、代表的には、核酸分子、タンパク質、または抗体および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的投与と適合する、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。補充活性化合物はまた、組成物に組込まれ得る。
【0340】
薬学的組成物は、その意図される投与の経路に適合するように処方される。投与経路の例としては、非経口投与(例えば、静脈投与)、皮内投与、皮下投与、経口(例えば、吸入)投与、経皮(局所的)投与、経粘膜投与、および直腸投与が挙げられる。非経口適用、皮内適用、または皮下適用に使用される溶液または懸濁物は、以下の成分を含み得る:滅菌希釈液(例えば、注射用の水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒);抗菌剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム);キレート剤(例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸);緩衝液(例えば、酢酸、クエン酸またはリン酸)および張度の調整のための薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)で調整され得る。非経口調製物は、アンプル、使い捨てシリンジまたはガラスもしくはプラスチック製の複数用量バイアル中に封入され得る。
【0341】
注射用途に適する薬学的組成物は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または滅菌分散物および滅菌注射可能な溶液または分散物の即席調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与について、適切なキャリアは、生理学的食塩水、静菌性水、Cremophor ELTM(BASF,Parsippany,NJ)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む。全ての場合において、組成物は、滅菌状態でなければならず、容易に注射可能である程度の流体であるべきである。この組成物は、製造および貯蔵の状態下で安定であるべきであり、細菌および真菌のような微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適切な混合物を含む溶媒または分散剤であり得る。適切な流動性は、例えば、コーティング(例えば、レシチン)の使用、分散物の場合、必要な粒子径の維持および界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロザールなど)によって達成され得る。多くの場合、等張剤(例えば、糖、ポリアルコール(例えば、マンニトール(manitol)、ソルビトール)、塩化ナトリウム)を組成物中に含むことが好ましい。注射可能な組成物の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、ステアリン酸モノアルミニウムおよびゼラチン)を組成物中に含有することによって、引き起こされる。
【0342】
滅菌注射可能な溶液は、上に列挙される成分の1つまたは組み合わせを含む適切な溶媒中に、必要な量で活性な化合物を組込むことによって(必要な場合、その後、濾過滅菌することによって)調製され得る。一般的に、分散物は、基本分散剤および上に列挙される成分からの他に必要とされる成分を含有する滅菌ビヒクルに、活性な化合物を組込むことによって調製される。滅菌注入可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これらは、前に濾過滅菌されたその溶液から、活性な成分および任意のさらに所望される成分の粉末を得る。
【0343】
経口組成物は、一般的に、不活性希釈物または食用キャリアを含む。経口治療投与の目的について、活性な化合物は、賦形剤に組込まれ、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤(例えば、ゼラチンカプセル剤)の形態で使用され得る。経口組成物はまた、うがい薬としての用途のための流体キャリアを使用して、調製され得る。薬学的に適合可能な結合剤および/またはアジュバント物質は、組成物の一部として含有され得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の成分または類似した性質の化合物のいずれかを含み得る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例えば、スターチまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸)、Primogel、またはコーンスターチ;潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはSterote);流動促進剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味料(例えば、スクロースまたはサッカリン);あるいは香料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、または、オレンジ香料。
【0344】
吸入による投与について、化合物は、加圧された容器またはディスペンサーからエアロゾルスプレーの形態で送達され、これは適切な噴射体(例えば、二酸化炭素のような気体)、または噴霧器を備える。
【0345】
全身投与はまた、経粘膜的手段または経皮的手段によってであり得る。経粘膜的投与または経皮的投与について、浸透されるべき障害に適切な浸透剤は、処方物において使用される。このような浸透剤は、一般的に当該分野で公知であり、例えば、経皮的投与のための界面活性剤、胆汁塩、およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜的投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用を介して達成され得る。経皮的投与について、活性な化合物は、当該分野で一般的に公知のものとして、軟膏(ointment)、軟膏剤(salve)、ゲル、またはクリーム中に処方される。
【0346】
化合物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、従来の坐剤基剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリド)を有する)または停留浣腸の形態で投与され得る。
【0347】
1つの実施形態において、活性な化合物は、キャリアと共に調製され、このキャリアは、身体からの迅速な除去に対して化合物を保護し、例えば、徐放性処方物(移植片および微小カプセル化送達系を含む)である。生体分解性、生体適合性ポリマー(例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸)が、使用され得る。このような処方物の調製方法は、当業者に明らかである。これらの材料はまた、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から市販入手され得る。リポソーム懸濁物(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞に対して標的化されたリポソームを含む)はまた、薬学的受容可能なキャリアとして使用され得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるような、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0348】
投与の容易さおよび投与用量の一様性のために、投与単位形態での経口的組成物または非経口的組成物を処方することは有利である。本明細書中で使用される場合、投与単位形態は、処置される被験体に対する単一投与量として適切な、物理的に別個の単位をいい;各単位は、必要な薬学的なキャリアに関連する所望の治療効果を生成するように計算された所定の量の活性な化合物を含む。
【0349】
このような化合物の毒性および治療効率は、例えば、LD50(集団の50%において致死である用量)およびED50(集団の50%における治療有効用量)を決定することについて、細胞培養物または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、そしてこの比は、比LD50/ED50として示され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。毒性副作用を示す化合物が使用され得る一方で、非感染細胞に対する潜在的な傷害を最小化するための罹患組織の部位にこのような化合物を標的化する送達システムを設計するために配慮し、それによって副作用を減少するべきである。
【0350】
細胞培養物アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける用途のための投与量範囲を処方することにおいて使用され得る。このような化合物の投与量は、好ましくは、毒性がほとんどかまたは全く有さずに、ED50を含む循環濃度の範囲内に入る。投与量は、使用される用量形態または使用される投与経路に依存して、この範囲内で変化し得る。本発明の方法において使用される任意の化合物について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから見積もられ得る。用量は、動物モデルにおいて処方され得、細胞培養物において決定されるIC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成する。このような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
【0351】
本明細書中に定義される場合、治療有効量のタンパク質またはポリペプチド(すなわち、有効投与量)は、約0.001〜30mg/体重1kg、好ましくは約0.01〜25mg/体重1kg、より好ましくは約0.1〜20mg/体重1kg、およびさらにより好ましくは約1〜10mg/体重1kg、2〜9mg/体重1kg、3〜8mg/体重1kg、4〜7mg/体重1kg、または5〜6mg/体重1kgの範囲にある。このタンパク質またはポリペプチドは、1週間に1回、約1〜10週間の間、好ましくは2〜8週間の間、より好ましくは3〜7週間、およびさらにより好ましくは約4、5または6週間投与され得る。当業者は、特定の因子が、効率的に被験体を処置するために必要な投与量およびタイミングに影響し得、これらの因子としては、疾患または障害の重篤度、以前の処置、全体的な健康状態および/または被験体の年齢、および他に存在する疾患が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、治療有効量のタンパク質、ポリペプチド、または抗体での被験体の処置は、単一処置を含み得るか、または好ましくは、一連の処置を含み得る。
【0352】
抗体について、好ましい投与量は、0.1mg/体重1kg(一般的に、10mg/kg〜20mg/kg)である。抗体が脳において作用する場合、50mg/kg〜100mg/kgの投与量が、通常適切である。一般的に、特定のヒト抗体および完全なヒト抗体は、人体内で他の抗体より長い半減期を有する。従って、より低い投与量およびより少ない投与頻度は、しばしば可能である。改変(例えば、脂質化)は、抗体を安定化させ、そして取り込みおよび組織浸透(例えば、脳への)を強化するために使用され得る。抗体の脂質化のための方法は、Cruikshankら、((1997)J.Acquired Immune Deficiency Syndromes and Human Retrovirology 14:193)によって記載される。
【0353】
本発明は、発現または活性を調節する薬剤を包含する。薬剤は、例えば低分子であり得る。例えば、このような低分子としては、ペプチド、ペプチド模倣物(例えば、ペプトイド)、アミノ酸、アミノ酸類似物、ポリヌクレオチド、ポリヌクレオチド類似物、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似物、1モル当たり約10,000gより低い分子量を有する有機化合物または無機化合物(すなわち、ヘテロ有機化合物および有機金属化合物を含む)、1モル当たり約5,000gより低い分子量を有する有機化合物または無機化合物、1モル当たり約1,000gより低い分子量を有する有機化合物または無機化合物、1モル当たり約500gより低い分子量を有する有機化合物または無機化合物、ならびにこのような化合物の塩、エステル、および他の薬学的に受容可能な形態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0354】
例示的な用量は、被験体1kgまたはサンプル1kg当たりの低分子のミリグラムまたはマイクログラム量を含む(例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、または約1μg/kg〜約50μg/kg)。さらに、低分子の適切な用量は、調節されるべき発現または活性という点で低分子の有効性に依存する。1つ以上のこれらの低分子が本発明のポリペプチドまたは核酸の発現または活性を調節するために動物(例えば、ヒト)に投与される場合、医師、獣医師、または研究者は、例えば、まず相対的に低い用量を、続いて適切な応答が得られるまで用量を増加して処方し得る。さらに、任意の特定の動物被験体に対する特定の用量レベルが、使用される特定の化合物の活性、被験体の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事、投与時間、投与経路、排泄速度、任意の薬物の組み合わせ、ならびに調節されるべき発現または活性の程度を含む種々の因子に依存することが理解される。
【0355】
抗体(またはそのフラグメント)は、治療部分(例えば、細胞毒、治療剤または放射性イオン)に結合体化され得る。細胞毒または細胞毒性剤は、細胞に有害な任意の薬剤を含む。例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、メイタンシノイド(例えば、メイタンシノール(米国特許第5,208,020号を参照のこと)、CC−1065(米国特許第5,475,092号、同第5,585,499号、同第5,846,545号を参照のこと)およびこれらの類似物質またはホモログが挙げられる。治療剤としては、代謝拮抗物質(例えば、メトキサレート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)クロラムブシル、CC−1065、メルファラン、カルムスチン(BSNU)およびロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾシン(streptozotocin)、マイトマイシンC、およびシス−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前は、ダウノマイシン)およびドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前は、アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC))、および抗分裂薬剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソールおよびメイタンシノイド)が挙げられるがこれらに限定されない。放射性イオンとしては、ヨウ素、イットリウム、およびプラセオジムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0356】
本発明の結合体は、所定の生物学的応答を調節するために使用され得、薬物部分は、古典的な化学的治療剤に限定されると解釈されるべきではない。例えば、薬物部分は、所定の生物学的応答を有するタンパク質またはポリペプチドであり得る。このようなタンパク質としては、例えば、トキシン(例えば、アブリン、リシンA、シュードモナス外毒素、またはジフテリアトキシン);タンパク質(例えば、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経増殖因子、血小板由来増殖因子、組織プラスミノゲン活性化因子;または生物学的応答変更因子(例えば、リンホカイン、インターロイキン−1(「IL−1」)、インターロイキン−2(「IL−2」)、インターロイキン−6(「IL−6」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)、顆粒球コロニー刺激因子(「G−CSF」)、あるいは他の増殖因子が挙げられ得る。
【0357】
あるいは、抗体は、二次抗体と結合され、Segal(米国特許第4,676,980号)によって記載されるような抗体へテロ結合体を形成し得る。
【0358】
本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、遺伝子治療ベクターとして使用され得る。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈注射、局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)または定位注射(例えば、Chenら、(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:3054−3057を参照のこと)によって、被験体に送達され得る。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、受容可能な希釈剤中に遺伝子治療ベクターを含み得るか、または遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれる徐放マトリクスを含み得る。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターが組換え細胞(例えば、レトロウイルスベクター)からインタクトで産生され得る場合、薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1つ以上の細胞を含み得る。
【0359】
薬学的組成物は、投与のための指示書と共に容器、パック、またはディスペンサー中に含まれ得る。
【0360】
(治療方法)
本発明は、障害の危険性(またはそれに対して感受性である)被験体あるいは異常型または望まれない33751の発現または活性に関連する障害を有する被験体を処置する予防法または治療法の両方を提供する。本明細書中に使用される場合、用語「処置」は、患者に対する治療剤の適用または投与、あるいは、患者から単離された組織または細胞株に対する治療剤の適用または投与として定義され、この患者は、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を有し、この目的は、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を、治療、回復、緩和、軽減、改変、矯正、好転または作用することである。治療剤としては、低分子、ペプチド、抗体、リボザイムおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0361】
処置の予防法および治療法の両方に関して、このような処置は、薬理ゲノム学の分野から得られる知識に基づいて、特別に合わせられるかまたは改変され得る。本明細書中で使用される場合、「薬理ゲノム学」は、ゲノミクス技術(例えば、遺伝子配列決定)、統計遺伝学、および臨床的開発および市場においての薬物に対する遺伝子発現分析の適用をいう。より具体的には、この用語は、患者の遺伝子が薬物に対する彼または彼女の応答(例えば、患者の「薬物応答表現型」または「薬物応答遺伝子型」)をどのように決定するかの研究をいう。従って、本発明の別の局面は、個体の薬物応答遺伝子型に従って、本発明の33751分子または33751調節因子のいずれかでの個々の予防処置または治療処置を調整するための方法を提供する。薬理ゲノム学は、臨床医または医師が、最も治療の恩恵を受ける患者に対する予防処置または治療処置を標的とし得、そして毒性薬物関連副作用を受ける患者の処置を避け得るようにする。
【0362】
1つの局面において、本発明は、33751または33751発現または少なくとも1つの33751活性を調節する薬剤を被験体に投与することによって、被験体における異常なまたは望まれない33751の発現または活性に関連する疾患または状態を予防する方法を提供する。異常なまたは望まれない33751の発現または活性によって引き起こされるまたはそれに起因する疾患に対する危険性にある被験体は、例えば、本明細書中に記載されるような診断アッセイまたは予後アッセイのいずれかまたは組み合わせによって同定され得る。予防剤の投与は、33751異常型の症状特性の発症の前に生じ得、その結果、疾患または障害は、予防されるか、あるいは、その進行が遅延される。33751の異常型(例えば、33751、33751アゴニストまたは33751アンタゴニスト)の型に依存して、薬剤が、被験体を処置するために使用され得る。適切な薬剤は、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイに基づいて決定され得る。
【0363】
いくつかの33751障害は、異常なレベルの遺伝子産物または異常な活性を示す遺伝子産物の存在によって、少なくとも部分的に引き起こされ得る。そういうものとして、このような遺伝子産物のレベルおよび/または活性の減少は、障害の症状の改善を引き起こす。
【0364】
33751は、代謝または疼痛障害の調節において重要な役割を果たし得る。代謝不均衡の疾患としては、肥満、神経性食欲不振、悪質液、脂質障害および糖尿病が挙げられるが、これらに限定されない。疼痛障害の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:種々の形態の組織損傷(例えば、炎症、感染および虚血)の間に誘発され、通常は痛覚過敏といわれる疼痛応答(例えば、Fields,H.L.(1987)Pain,New York:McGraw−Hillに記載される);筋骨格障害に関連する疼痛(例えば、関節痛);歯痛;頭痛;手術に関連する疼痛;過敏性腸症候群に関連する疼痛;または胸部痛。
【0365】
議論されるように、33751障害の首尾よい処置は、標的遺伝子産物の発現または活性を阻害する役目を果たす技術によって、もたらされ得る。例えば、ネガティブな調節性活性を示すことが証明されている化合物(例えば、上記のアッセイを使用して同定される因子)が、本発明に従って使用され、33751障害の症状を予防および/または回復し得る。このような分子としては、以下が挙げられ得るがこれらに限定されない:ペプチド、ホスホペプチド、有機低分子または無機低分子、あるいは抗体(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗イディオタイプ抗体、キメラ抗体、または単鎖抗体、ならびにFab、F(ab’)およびFab発現ライブラリーフラグメント、scFV分子、ならびにそれらのエピトープ結合フラグメントを含む)。
【0366】
さらに、標的遺伝子の発現を阻害するアンチセンス分子およびリボザイム分子もまた、本発明に従って使用され、標的遺伝子発現レベルを低下させ得、それによって、標的遺伝子活性レベルは、効果的に減少される。なおさらに、三重らせん分子が、標的遺伝子活性レベルを低下させる際に利用され得る。アンチセンス分子、リボザイム分子および三重らせん分子は、上で議論されている。
【0367】
変異体遺伝子発現を低下または阻害するための、アンチセンス分子、リボザイム分子および/または三重らせん分子の使用もまた、正常な標的遺伝子の対立遺伝子によって産生されるmRNAの転写(三重らせん)および/または翻訳(アンチセンス、リボザイム)を低下または阻害し得、その結果、存在する正常な標的遺伝子産物の濃度が、正常な表現型で必要とされる濃度よりも低くあり得る可能性がある。このような場合、正常な標的遺伝子活性を示す標的遺伝子ポリペプチドをコードおよび発現する核酸分子は、遺伝子治療法によって、細胞に導入され得る。あるいは、この標的遺伝子が細胞外タンパク質をコードする例において、正常な標的遺伝子タンパク質を、細胞または組織に同時に投与して、必要な細胞活性レベルまたは組織標的遺伝子活性レベルを維持することが、好ましくあり得る。
【0368】
核酸分子が、33751発現によって特徴付けられる疾患を処置または予防する際に利用され得る別の方法は、33751タンパク質に特異的なアプタマー分子の使用を介する。アプタマーは、三次構造を有する核酸分子であり、これは、タンパク質リガンドに特異的に結合し得る(例えば、Osborneら、(1997)Curr.Opin.Chem Biol.1:5−9;およびPatel,D.J.(1997)Curr Opin Chem Biol 1:32−46を参照のこと)。核酸分子は、多くの場合において、治療タンパク質分子が標的細胞に導入されるよりも、より簡便に標的細胞に導入されるので、アプタマーは、多能性効果を有し得る薬物または他の分子を導入することなく、33751タンパク質活性が特異的に低下し得る方法を提供する。
【0369】
標的遺伝子産物に特異的であり、かつ標的遺伝子産物活性を低下させる抗体が、作製され得る。従って、このような抗体は、ネガティブな調節技術が、33751障害の処置に適している場合に投与され得る。抗体の記載については、上記の抗体の節を参照のこと。
【0370】
抗体産生を刺激するために、33751タンパク質またはエピトープで、動物またはヒト被験体を注射することが、被験体に対して有害である環境下において、抗イディオタイプ抗体の使用によって、33751に対する免疫応答を生じさせることが可能である(例えば、Herlyn,D.(1999)Ann Med 31:66−78;ならびにBhattacharya−Chatterjee,M.およびFoon,K.A.(1998)Cancer Treat Res.94:51−68を参照のこと)。抗イディオタイプ抗体が哺乳動物またはヒト被験体に導入される場合、33751タンパク質に特異的であるべき、抗−抗イディオタイプ抗体の産生が刺激されるはずである。33751発現によって特徴付けられる疾患に対するワクチンもまた、この様式で作製され得る。
【0371】
標的抗原が細胞内であり、かつ全抗体が使用される例において、内部移行抗体が好ましくあり得る。リポフェクチンまたはリポソームを使用して、標的抗原を細胞内に結合するFab領域の抗体またはフラグメントを送達し得る。抗体のフラグメントが使用される場合、標的抗原に結合する最小の阻害性フラグメントが、好ましい。例えば、抗体のFv領域に対応するアミノ酸配列を有するペプチドが、使用され得る。あるいは、細胞内標的抗原に結合する単鎖中和抗体もまた、投与され得る。このような単鎖抗体は、例えば、標的細胞集団内の単鎖抗体をコードするヌクレオチド配列を発現させることによって、投与され得る(例えば、Marascoら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:7889−7893を参照のこと)。
【0372】
標的遺伝子発現、合成および/または活性を阻害する、同定された化合物は、33751障害を予防、処置または回復するのに治療学的に有効な用量で、患者に投与され得る。治療学的に有効な用量とは、その障害の症状を回復させるのに十分な、化合物の量をいう。このような化合物の毒性および治療効果は、上記のような標準的な薬理学的手順によって、決定され得る。
【0373】
細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投薬量範囲を処方する際に、使用され得る。このような化合物の投薬量は、好ましくは、毒性をほとんど有さないかまたは全く有さないED50を含む循環濃度範囲内にある。投薬量は、用いられる投薬形態および用いられる投与経路に依存して、この範囲内で変化し得る。本発明の方法において使用される任意の化合物について、治療学的に有効な用量は、細胞培養アッセイから、最初に確立され得る。用量は、動物モデルにおいて処方され得、細胞培養物中で決定されるようなIC50(すなわち、症状の最大半減阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環プラスマ濃度範囲に達する。このような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定し得る。プラズマレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって、測定され得る。
【0374】
個体に対する有効な用量を決定する別の例は、試験被験体の血清中の「遊離」化合物および「結合」化合物のレベルを直接的にアッセイする能力である。このようなアッセイは、分子のインプリンティング技術によって作製される抗体模倣物および/または「バイオセンサ」を使用し得る。33751活性を調節し得る化合物は、テンプレート、または「インプリンティング分子」として使用され、この化合物の触媒試薬を用いた重合化の前に、重合可能なモノマーを空間的に組織化する。インプリントされた分子のその後の除去は、化合物の繰り返し「ネガ(negative image)」を含むポリマーマトリクスを残し、そして生物学的アッセイ条件下で、分子に選択的に再結合することができる。この技術の詳細な総説は、Ansell,R.J.ら(1996)Current Opinion in Biotechnology 7:89−94およびShea,K.J.(1994)Trends in Polymer Science 2:166−173において参照され得る。このような「インプリントされた」アフィニティーマトリクスは、リガンド結合アッセイに適合し、これによって、固定化モノクローナル抗体の構成要素は、適切にインプリントされたマトリクスによって置き換えられる。この方法における、このようなマトリクスの使用の例は、Vlatakis,G.ら(1993)Nature 361:645−647において参照され得る。同位体標識の使用によって、33751の発現または活性を調節する化合物の「遊離」濃度は、容易にモニタリングされ得、そしてIC50の算出に使用され得る。
【0375】
このような「インプリントされた」アフィニティーマトリクスはまた、光子放射特性が標的化合物の局在性および選択的結合によって測定可能に変化する蛍光群を含むように設計され得る。これらの変化は、適切な光ファイバーデバイスを使用し、次いで、試験被験体における用量を、その個々のIC50に基づいて迅速に最適化することによって、実時間で容易にアッセイされ得る。このような「バイオセンサ」の基本的な例は、Kriz,D.ら(1995)Analytical Chemistry 67:2142−2144において議論されている。
【0376】
本発明の別の局面は、治療目的のための、33751発現または活性を調節する方法に関する。従って、例示的な実施形態において、本発明の調節方法は、細胞を、33751またはこの細胞に関連する33751タンパク質活性の1つ以上の活性を調節する因子と接触させる工程を包含する。33751タンパク質活性を調節する因子は、本明細書中に記載されるような因子(例えば、核酸またはタンパク質、33751タンパク質の天然に存在する標的分子(例えば、33751基質またはレセプター)、33751抗体、33751アゴニストまたはアンタゴニスト、33751アゴニストもしくはアンタゴニストのペプチド模倣物、または他の低分子)であり得る。
【0377】
1つの実施形態において、この因子は、1つ以上の33751活性を刺激する。このような刺激性因子の例としては、活性な33751タンパク質および33751をコードする核酸分子が挙げられる。別の実施形態において、この因子は、1つ以上の33751活性を阻害する。このような阻害因子の例としては、アンチセンス33751核酸分子、抗33751抗体、および33751インヒビターが挙げられる。これらの調節方法は、インビトロにおいてか(例えば、この因子とともに細胞を培養することによって)、またはインビボにおいて(例えば、この因子を被験体に投与することによって)行われ得る。このように、本発明は、33751タンパク質または核酸分子の、異常なまたは望ましくない発現または活性によって特徴付けられる疾患または障害に罹患している個体を処置する方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、因子(例えば、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される因子)、または33751発現もしくは活性を調節する(例えば、アップレギュレートするかまたはダウンレギュレートする)因子の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実施形態において、この方法は、33751タンパク質または核酸分子を、低下した、異常なまたは望ましくない33751発現または活性を補償する治療として、投与する工程を包含する。
【0378】
33751活性の刺激は、33751が異常にダウンレギュレートする状況、および/または33751活性の増加が有利な効果を有するようである状況において、望ましい。例えば、33751活性の刺激は、33751がダウンレギュレートする状況、および/または33751活性の増加が有利な効果を有するようである状況において、望ましい。同様に、33751活性の阻害は、33751が異常にアップレギュレートする状況、および/または33751活性の低下が有利な効果を有するようである状況において、望ましい。
【0379】
(薬理ゲノム学(pharmacogenomics))
本発明の33751分子、および因子、または本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定されるような、33751活性(例えば、33751遺伝子発現)に対する刺激効果もしくは阻害効果を有するモジュレーターは、異常な33751活性または望ましくない33751活性に関連する疼痛に関連する33751を(予防的にかまたは治療的に)処置するために、個体に投与され得る。このような処置とともに、薬理ゲノム学(すなわち、個体の遺伝子型と、外来性化合物もしくは薬物に対するその個体の応答との間の関係の研究)が、考慮され得る。治療の代謝における差異は、薬理学的に活性な薬物の用量と血液濃度との間の関係を変更することによって、毒性または治療不全を与えるように導き得る。従って、医師または臨床医は、33751分子または33751モジュレーターを投与するか否かを決定し、そして33751分子または33751モジュレーターでの処置における、投薬量および/または治療レジメンを変更する際に、等価な薬理ゲノム学研究において得られた知識を考慮し得る。
【0380】
薬理ゲノム学は、変更された薬物配置および罹患した個人の異常な活性に起因する薬物に対する応答における、臨床学的に有意な遺伝的変異を処置する。例えば、Eichelbaum,M.ら、(1996)Clin.Exp.Pharmacol.Physiol.23:983−985およびLinder,M.W.ら、(1997)Clin.Chem.43:254−266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学条件は、異なり得る。遺伝的条件は、薬物が身体に作用する様式を変更する(変更された薬物作用)単一因子として普及したか、または遺伝的条件は、身体が薬物に作用する様式を変更する(変更された薬物代謝)単一因子として普及した。これらの薬理ゲノム学条件は、稀なゲノム欠損としてかまたは天然に存在する多型としてかの、いずれかとして生じ得る。例えば、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ欠損(G6PD)は、一般的な遺伝性酵素病であり、ここで、主な臨床学的合併症は、酸化薬剤(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの消費後の溶血である。
【0381】
「ゲノムワイドアソシエーション(genome−wide association)」として知られている、薬物応答を予測する遺伝子を同定するための、1つの薬理ゲノム学アプローチは、すでに知られているゲノム関連マーカー(例えば、「二座対立遺伝子」遺伝子マーカーマップ(これは、60,000〜100,000の多型またはヒトゲノム上の可変性部位からなり、これらの各々が、2つの改変体を有する))からなるヒトゲノムの高解像度マップに、主に依存する。このような高解像度ゲノムマップは、特定の観察された薬物応答または副作用に関連したマーカーを同定するために、第II期/第III期の薬物試行に参加した統計学的に有意な数の患者の各々のゲノムのマップと比較され得る。あるいは、このような高解像度マップは、ヒトゲノムにおいて、数憶の公知の一塩基多型(SNP)の組み合わせから生じ得る。本明細書中で使用される場合、「SNP」は、DNAの伸張において、単一ヌクレオチド塩基において生じる一般的な変更である。例えば、SNPは、DNAの1000塩基毎に1回起こり得る。SNPは、疾患プロセスに関与し得るが、大部分は、疾患に関連し得ない。このようなSNPの発生に基づくゲノムマップが与えられると、個体は、個々のゲノムにおいて、SNPの特定のパターンに依存して、ゲノムのカテゴリーに分類され得る。このような様式において、処置レジメンは、ゲノム学的に類似の個体の間で共通であり得る特性を考慮して、このようなゲノム学的に類似の個体の群に対して変更され得る。
【0382】
あるいは、「候補遺伝子アプローチ」と呼ばれる方法は、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために用いられ得る。この方法に従って、薬物の標的をコードする遺伝子が既知である場合(例えば、本発明の33751タンパク質)、その遺伝子の全ての共通の改変体は、その集団においてかなり容易に同定され得、そして別の遺伝子バージョンに対する1つの遺伝子バージョンが特定の薬物応答に関連するか否かが決定され得る。
【0383】
あるいは、「遺伝子発現プロファイリング」と呼ばれる方法が、薬物応答を予測する遺伝子を同定するために用いられ得る。例えば、薬物(例えば、本発明の33751分子または33751モジュレーター)を投薬された動物の遺伝子発現は、毒性に関連する遺伝子経路が変化するか否かの指標を与え得る。
【0384】
1より多い上記薬理ゲノム学アプローチから得られる情報を使用して、個体の予防的処置または治療的処置のための、適切な投薬量および処置レジメンを決定し得る。この知識は、投薬または薬物選択に適用される場合、有害反応または治療不全を回避し得、それによって、33751分子または33751モジュレーター(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニングアッセイのうちの1つによって同定されるモジュレーター)で被験体を処置する場合、治療効果または予防効果を増強させる。
【0385】
本発明はさらに、本発明の33751遺伝子の1つ以上によってコードされる遺伝子産物の1つ以上の活性を調節する因子の同定に基づく、新たな因子、または組み合わせを同定するための方法を提供し、ここで、これらの産物は、治療因子に対する細胞の耐性に関連し得る。詳細には、本発明の33751遺伝子によってコードされるタンパク質の活性は、因子の耐性を克服するために、因子を同定するための基礎として使用され得る。耐性タンパク質の1つ以上の活性をブロックすることによって、標的細胞(例えば、ヒト細胞)は、未改変標的細胞に耐性である因子を用いた処置に対して感受性になる。
【0386】
33751タンパク質の発現または活性に対する、因子(例えば、薬物)の影響のモニタリングが、臨床試験において適用され得る。例えば、33751遺伝子発現、タンパク質レベル、またはアップレギュレートした33751活性を増加させるために、本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイによって決定される因子の効果は、33751遺伝子発現、タンパク質レベル、またはダウンレギュレートした33751活性の低下を示す被験体の臨床試験において、モニタリングされ得る。あるいは、33751遺伝子発現、タンパク質レベル、またはダウンレギュレートした33751活性を低下させるために、スクリーニングアッセイによって決定される因子の効果は、33751遺伝子発現、タンパク質レベル、またはアップレギュレートした33751活性の増加を示す被験体の臨床試験においてモニタリングされ得る。このような臨床試験において、33751遺伝子の発現または活性、好ましくは、例えば、33751関連障害に関与している他の遺伝子の発現または活性は、「読み出し(read out)」または特定の細胞の表現型のマーカーとして、使用され得る。
【0387】
(33751情報科学)
33751分子の配列は、その使用を容易にするように、種々の媒体において提供される。配列は、単離された核酸分子またはアミノ酸分子ではなく、製品(33751を含む)として提供され得る。このような製品は、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列(例えば、オープンリーディングフレーム)を、天然においてかまたは精製された形態で存在している場合、ヌクレオチド配列もしくはアミノ酸配列、またはそれらのサブセットを試験するのに直接的に適用可能ではない手段を使用した製造試験を可能にする形態で、提供し得る。この配列情報はまた、33751全長ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列、部分的なヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列、多型配列(単一ヌクレオチド多型を含む(SNP))、エピトープ配列などを含み得るがこれらに限定されない。好ましい実施形態において、この製品は、機械読み取り可能な媒体(例えば、磁気情報記憶デバイス、光学情報記憶デバイス、化学情報記憶デバイスまたは機械情報記憶デバイス)である。
【0388】
本明細書中で使用される場合、「機械読み取り可能な媒体」とは、機械(例えば、デジタルコンピューターまたはアナログコンピューター)によって直接的に読み取りおよびアクセスされ得る、任意の媒体をいう。コンピューターの非限定的な例としては、デスクトップPC、ラップトップ、メインフレーム、サーバ(例えば、ウェブサーバ、ネットワークサーバ、またはサーバファーム(server farm))、ハンドホールドデジタルアシスタント、ページャー、携帯電話などが挙げられる。コンピューターは、スタンドアローン型であり得るか、またはコミュニケーションネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(例えば、VPNまたはイントラネット))、ワイドエリアネットワーク(例えば、ExtranetまたはInternet)、またはテレホンネットワーク(例えば、ワイヤレス、DSL、またはISDNネットワーク)に接続され得る。機械読み取り可能な媒体としては、以下が挙げられるがこれらの限定されない:磁気記憶媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープ);光学記憶媒体(例えば、CD−ROM);電子記憶媒体(例えば、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなど);およびこれらの分類のハイブリッド(例えば、磁気/光学記憶媒体)。
【0389】
種々のデータ記憶構造体は、本発明のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を記憶する機械読み取り可能な媒体を作製する当業者に利用可能である。データ記憶構造体の選択は、一般に、記憶情報にアクセスするように選択される手段に基づく。さらに、種々のデータプロセッサプログラムおよびフォーマットを使用して、本発明のヌクレオチド配列情報をコンピューター読み取り可能な媒体に記憶し得る。配列情報は、市販のソフトウェア(例えば、WordPerfectおよびMicrosoft Word)にフォーマットされた、ワードプロセシングテキストファイルに表示され得るか、またはデータベース適用(DB2、Sybase、Oracleなど)に記憶されたASCIIファイルの形態で表示され得る。当業者は、データプロセッサ構造フォーマット(例えば、テキストファイルまたはデータベース)の任意の数を容易に適用して、本発明のヌクレオチド配列情報を記憶するコンピューター読み取り可能な媒体を獲得し得る。
【0390】
好ましい実施形態において、配列情報は、リレーショナルデータベース(例えば、SybaseまたはOracle)に記憶される。このデータベースは、配列(核酸配列および/またはアミノ酸配列)情報を記憶するための第一のテーブルを有し得る。この配列情報は、テーブルの列の1つの領域(例えば、第一欄)に記憶され得、そしてその配列についての識別子は、テーブルの列の別の領域(例えば、第二欄)に記憶され得る。このデータベースは、第二のテーブル(例えば、記憶アノテーション(annotation))を有し得る。第二のテーブルは、配列識別子についての領域、記述子についての領域、またはアノテーションテキストを有し得る(例えば、記述子は、配列の機能性、アノテーションが参照する配列における初期の位置についての領域、およびアノテーションが参照する配列における最終的な位置についての領域をいい得る)。核酸配列に対するアノテーションについての非限定的な例としては、多型(例えば、SNP)翻訳調節部位およびスプライス接合部が挙げられる。アミノ酸配列に対するアノテーションについての非限定的な例としては、ポリペプチドドメイン(例えば、本明細書中に記載されるドメイン);活性部位および他の官能性アミノ酸;ならびに改変部位が挙げられる。
【0391】
コンピューター読み取り可能な形態の、本発明のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を提供することによって、当業者は、種々の目的についての配列情報に慣習的にアクセスし得る。例えば、当業者は、コンピューター読み取り可能な形態の本発明のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を使用して、標的配列または標的構造モチーフを、データ記憶手段内に記憶された配列情報と比較し得る。検索を使用して、特定の標的配列または標的モチーフに一致する、本発明の配列のフラグメントまたは領域を同定する。この検索は、BLAST検索または他の慣用的な配列比較(本明細書中に記載される検索)であり得る。
【0392】
従って、1つの局面において、本発明は、33751を分析する方法(例えば、構造、機能、または1種以上の他の核酸配列もしくはアミノ酸配列に対する関連性を分析する方法)を特徴に持つ。本発明は、以下の工程を包含する:33751核酸配列またはアミノ酸配列を提供する工程;33751配列を第二の配列(例えば、配列の集合(例えば、核酸配列データまたはタンパク質配列データベース)由来の、1つ以上、好ましくは、複数の配列)と比較して、それによって33751を分析する工程。この方法は、機械(例えば、コンピューター)においてかまたは当業者によって手動で、行われ得る。
【0393】
この方法は、33751配列とデータベースの配列との間の配列同一性を評価する工程を包含し得る。この方法は、第二のサイトにおいて、例えば、Internetを通じて、データベースにアクセスすることによって、行われ得る。
【0394】
本明細書中で使用される場合、「標的配列」は、6つ以上のヌクレオチドまたは2つ以上のアミノ酸の、DNA配列またはアミノ酸配列のいずれかであり得る。当業者は、標的配列が長くなれば、標的配列が、データベースにおいてランダムな発生率として表されないようであることを、容易に認識し得る。標的配列の代表的な配列長は、約10〜100アミノ酸であるか、または約30〜300ヌクレオチド残基である。しかし、商業的に重要なフラグメント(例えば、遺伝子発現およびタンパク質プロセシングに関与する、配列フラグメント)は、より短い長さのフラグメントであり得ることが十分認識されている。
【0395】
コンピューターソフトウェアは、公的に利用可能であり、これにより、当業者は、分析および他の配列との比較のために、コンピューター読み取り可能な媒体に提供された配列情報にアクセスすることができる。種々の公知のアルゴリズムは、公開されており、そして検索手段を行うための種々の市販のソフトウェアが、本発明のコンピューターベースのシステムにおいて使用されており、そして使用され得る。このようなソフトウェアの例としては、MacPattern(EMBL)、BLASTNおよびBLASTX(NCBI)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0396】
従って、本発明は、33751配列の配列のコンピューター読み取り可能な記憶を行う方法を特徴とし、この方法は、コンピューター読み取り可能なマトリクスに配列を記憶させる工程を包含する。好ましい実施形態において、この記憶は、以下の1つ以上を含む:ORFの同定;ドメイン、領域、または部位の同定;転写の開始の同定;転写ターミネーターの同定;タンパク質の全長アミノ酸配列;またはそれらの成熟形態;翻訳領域の5’末端。
【0397】
別の局面において、本発明は、配列を分析する方法を特徴とする。この方法は、33751配列、または記録を、機械読み取り可能な形態で提供する工程;第二の配列を33751配列と比較する工程;それによって、配列を分析する工程、を包含する。比較は、配列同一性について配列を比較する工程、または1つの配列が他の配列内に含まれるか否かを決定する工程(例えば、33751配列が比較される配列を含むか否かを決定する工程)を包含し得る。好ましい実施形態において、33751配列または第二の配列は、例えば、第一のサイトにて、第一のコンピューターに記憶され、そして比較が行なわれ、読み取られるか、または例えば、第二のサイトにて、第二のコンピューターに記憶される。例えば、33751配列または第二の配列は、1つのコンピューターにおいて、公的なデータベースまたは特許データベースに記録され得、そして結果の比較が行われ、読み取られるか、または第二のコンピューターに記憶される。好ましい実施形態において、この記憶は、以下の1つ以上を含む:ORFの同定;ドメイン、領域、または部位の同定;転写の開始の同定;転写ターミネーターの同定;タンパク質の全長アミノ酸配列、またはそれらの成熟形態;翻訳領域の5’末端。
【0398】
別の局面において、本発明は、被験体が33751関連疾患または33751関連障害、あるいは33751関連疾患または33751関連障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を実施するための命令を保持する、機械読み取り可能な媒体を提供し、ここで、この方法は、被験体に関連する33751配列情報を決定する工程、および33751配列情報に基づいて、被験体が33751関連疾患または33751関連障害、あるいは33751関連疾患または33751関連障害の素因を有するか否かを決定する工程、ならびに/あるいはこの疾患、障害または素因の状態について、特定の処置を推奨する工程、を包含する。
【0399】
本発明はさらに、電子システムおよび/またはネットワークにおいて、被験体が33751関連疾患もしくは障害、または33751関連疾患に対する素因を有するか否かを決定する決定する方法を提供し、ここで、この方法は、被験体に関する33751配列情報を決定する工程、そして33751配列情報に基づいて、被験体が33751関連疾患もしくは障害、または33751関連疾患もしくは障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、および/あるいは疾患、障害または素因の状態について特定の処置を推奨する工程を包含する。好ましい実施形態において、この方法はさらに、被験体に関する情報(例えば、表現型情報または遺伝子型情報)を入手する工程、および/または被験体に関する表現型情報をネットワークから得る方法を包含する。この方法は、データベース(例えば、リレーショナルデータベース)に蓄積され得る。別の実施形態において、この方法はさらに、データベース(例えば、他の被験体に関する記録について)を評価する工程、この被験体の33751配列をデータベース中の33751配列と比較し、これによりこの被験体が33751関連疾患または33751関連障害であるか否か、あるいは33751関連疾患または33751に関連する障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、を包含する。
【0400】
本発明はまた、被験体が33751関連疾患または33751関連障害を有するか否か、あるいは33751関連疾患または33751関連障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を、ネットワークで提供し、本方法は、この被験体から33751配列情報および/もしくはそれに関する情報を受ける工程、この被験体に関する表現型情報を受ける工程、33751に対応するネットワークおよび/または33751関連疾患もしくは33751関連障害(例えば、疼痛)に対応するネットワークから情報を入手する工程、そして、1つ以上の表現型情報、33751情報(例えば、配列情報および/またはそれに関連する情報)、および入手された情報に基いて、この被験体が33751関連疾患もしくは33751関連障害を有するか否かまたは33751関連疾患もしくは33751関連障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、を包含する。本方法はさらに、疾患状態、障害状態または疾患前状態に対する特定の処置を推奨する工程を包含する。
【0401】
本発明はまた、被験体が33751関連疾患もしくは33751関連障害を有するか否か、または33751関連疾患もしくは33751関連障害に対する素因を有するか否かを決定するための方法を提供し、本方法は、33751に関連する情報を受ける工程(例えば、配列情報および/またはそれに関連する情報)、被験体に関する表現型情報を受ける工程、33751に関連するネットワークおよび/または33751関連疾患もしくは33751関連障害に関連するネットワークから情報を入手する工程、そして表現型情報、33751情報および入手した情報に基いて、この被験体が33751関連疾患もしくは33751関連障害を有するか否かまたは33751関連疾患もしくは33751関連障害に対する素因を有するか否かを決定する工程、を包含する。本方法はさらに、疾患状態、障害状態または疾患前状態に対する特定の処置を推奨する工程を包含する。
【0402】
本発明はさらに、限定と解釈されるべきではない以下の実施例によって例示される。本出願を通して引用される全ての参考文献、特許および公開された特許出願の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【実施例】
【0403】
(実施例1:ヒト33751cDNAの同定および特徴付け)
ヒト33751核酸配列を、以下に列挙する:
【0404】
【化1】
Figure 2005505275
Figure 2005505275
Figure 2005505275
ヒト33751配列(図1;配列番号1)は、約4113ヌクレオチド長である。この核酸配列は、開始コドン(ATG)および終止コドン(TAA)を含み、上記においてこれらに下線を付す。開始コドンと終止コドンとの間およびそれらを含む領域は、約3591ヌクレオチドのメチオニンで開始されるコード配列であり、終止コドン(配列番号1;配列番号3の「コード(coding)」と示されるヌクレオチド)を含む。このコード配列は、1196アミノ酸のタンパク質(配列番号2)をコードし、これを以下に列挙する:
【0405】
【化2】
Figure 2005505275
(実施例2:TaqMan分析による33751mRNAの組織分布)
内因性ヒト33751遺伝子発現を、TaqMan技術を使用するPerkin−Elmer/ABI7700 Sequence Detection Systemを用いて測定した。簡単には、TaqMan技術は、5’末端に結合した蛍光色素(典型的には、6−FAM)および3’末端に結合したクエンチ色素(quenching dye)(典型的には、TAMRA)を有する第3の遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(プローブという)の添加を用いる標準的なRT−PCRに依存する。蛍光的にタグ化したオリゴヌクレオチドがインタクトな場合、5’色素からの蛍光シグナルはクエンチされている。PCRが進むにつれて、Taqポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性は、標識されたプライマーを消化し、蛍光シグナルとしてここで検出される、6−FAMで標識された遊離ヌクレオチドを生成する。蛍光がまず放出および検出される場合、PCRサイクルは、試験サンプル中の目的の遺伝子の開始量に直接比例し、よって、最初のテンプレート濃度の定量的測定を提供する。サンプルは、5’末端が異なる発蛍光団(典型的には、VIC)で標識されているハウスキーピング遺伝子(例えば、GAPDH)に特異的な、第2のセットのプライマー/プローブの添加によって内的に制御され得る。
【0406】
種々のヒト組織中の33751のレベルを決定するために、プライマー/プローブセットを設計した。総RNAを、QiagenからのRNeasyキットを使用して一連のヒト組織から調製した。第一鎖cDNAを、オリゴ−dTプライマーおよびSuperscript II逆転写酵素(Gibco/BRL)を使用して1□gの総RNAから調製した。約50ngの総RNAから得られたcDNAを、TaqMan反応ごとに使用した。
【0407】
図5は、ヒト組織のパネルにおける33751 RNAの発現を示す棒グラフである。Taqman実験は、33751の発現が脳において観察されたことを示す。33751 mRNAの相対的組織分布は、表2において表形態で示す。ラットパネルを用いる、33751 mRNAの相対的組織分布は、表3〜5において表形態で示す。
(表2)
【0408】
【表2】
Figure 2005505275
Figure 2005505275
(表3)
【0409】
【表3】
Figure 2005505275
(表4)
【0410】
【表4】
Figure 2005505275
(表5)
【0411】
【表5】
Figure 2005505275
Figure 2005505275
(実施例3:ノーザン分析による、33751 mRNAの組織分布)
種々のRNAサンプルとのノーザンブロットハイブリダイゼーションを、標準的な条件下で実施し得、そしてストリンジェントな条件(すなわち、65℃で0.2×SSC)下で洗浄し得る。33751 cDNA(配列番号1)の全てまたは一部に対応するDNAプローブを使用し得る。このDNAを、Prime−It Kit(Stratagene,La Jolla,CA)を、業者の指示に従って使用して、32P−dCTPで放射性標識した。マウス造血組織および内分泌組織、ならびに癌細胞株由来のmRNAを含むフィルタ(Clontech,Palo Alto,CA)を、ExpressHybハイブリダイゼーション溶液(Clontech)中でプローブし得、そして製造者の推奨に従って高いストリンジェンシーで洗浄し得る。
【0412】
(実施例4:細菌細胞における33751の組換え発現)
この実施例において、33751は、組換えグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合ポリペプチドとしてE.coli中で発現され、そしてこの融合ポリペプチドは、単離され、そして特徴づけられる。具体的には、33751は、GSTに融合され、そしてこの融合ポリペプチドは、E.coli(例えば、株PEB199)において発現される。PEB199におけるGST−33751融合タンパク質の発現は、IPTGによって誘導される。この組換え融合ポリペプチドは、グルタチオンビーズでのアフィニティクロマトグラフィーによって、誘導されたPEB199株の粗製細菌溶解物から精製される。細菌溶解物から精製されたポリペプチドのポリアクリルアミドゲル電気泳動分析を使用して、得られた融合ポリペプチドの分子量が決定される。
【0413】
(実施例5:COS細胞における組換え33751タンパク質の発現)
COS細胞(例えば、CV−1起源のSV40細胞であるCOS−7細胞;Gluzman(1981)Cell 23:175−182)において33751遺伝子を発現させるために、Invitrogen Corporation(San Diego,CA)のpcDNA/Ampベクターを使用する。このベクターは、SV40複製起点、アンピシリン耐性遺伝子、E.coli複製起点、CMVプロモーター、それに続くポリリンカー領域、ならびにSV40のイントロンおよびポリアデニル化部位を含む。全長33751タンパク質およびこのフラグメントの3’末端にインフレームで融合したHAタグ(Wilsonら、(1984)Cell 37:767)またはFLAGタグをコードするDNAフラグメントを、このベクターのポリリンカー領域にクローニングし、それによって、組換えタンパク質の発現を、CMVプロモーターの制御下におく。
【0414】
このプラスミドを構築するために、33751 DNA配列を、2つのプライマーを使用してPCRによって増幅する。5’プライマーは、目的の制限部位、続いて、開始コドンから開始する33751コード配列の約20ヌクレオチドを含む;3’末端配列は、目的の他の制限部位の相補配列、翻訳終止コドン、HAタグまたはFLAGタグ、および33751コード配列の少なくとも20ヌクレオチドを含む。PCR増幅フラグメントおよびpCDNA/Ampベクターを、適切な制限酵素で消化し、そしてこのベクターを、CIAP酵素(New England Biolabs,Beverly,MA)を使用して脱リン酸化する。好ましくは、33751遺伝子が正しい方向で挿入されるように、選択される2つの制限部位は異なる。連結混合物を、E.coli細胞(Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CAから入手可能な株HB101、DH5α、SUREが使用され得る)中に形質転換し、形質転換した培養物を、アンピシリン培地プレート上に置き、そして耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを、形質転換体から単離し、そして正確なフラグメントの存在について、制限分析によって試験する。
【0415】
引き続き、COS細胞を、リン酸カリウムまたは塩化カリウム同時沈殿法、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、リポフェクションまたはエレクトロポレーションを使用して、33751−pcDNA/AmpプラスミドDNAでトランスフェクトする。宿主細胞をトランスフェクトするために適切な他の方法は、Sambrook,J.,Fritsh,E.F.およびManiatis,T.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual.第二版、Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYに見出され得る。33751ポリペプチドの発現を、放射性標識(NEN,Boston,MAから入手可能な35S−メチオニンまたは35S−システインが使用され得る)およびHA特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降(Harlow,E.およびLane,D.(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY)によって検出する。簡潔には、35S−メチオニン(または35S−システイン)を用いて、細胞を8時間標識する。次いで、この培養培地を回収し、そして細胞を、界面活性剤(RIPA緩衝液、150mM NaCl、1% NP−40、0.1% SDS、0.5% DOC、50mM Tris、pH7.5)を使用して溶解する。細胞溶解物および培養培地の両方を、HA特異的モノクローナル抗体で沈殿させる。次いで、沈殿したポリペプチドを、SDS−PAGEによって分析する。
【0416】
あるいは、33751コード配列を含むDNAを、適切な制限部位を使用して、pCDNA/Ampベクターのポリリンカーへと直接クローニングする。得られたプラスミドを、上記の様式でCOS細胞にトランスフェクトし、そして33751ポリペプチドの発現を、放射性標識および33751特異的モノクローナル抗体を使用する免疫沈降によって検出する。
【0417】
(等価物)
当業者は、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多数の等価物を認識するか、または慣用にすぎない実験を使用して確認し得る。このような等価物は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0418】
【図1】図1は、ヒト33751のヒドロパシープロットを示す。相対的に疎水性の残基を、水平の点線より上に示し、そして相対的に親水性の残基を、水平の点線より下に示す。システイン残基(Cys)を、ヒドロパシートレースの真下の短い垂線で示す。ヒト33751のアミノ酸配列における位置に対応する数字を示す。本発明のポリペプチドは、以下を含むフラグメントを含む:疎水性配列(すなわち、点線より上の配列)の全てまたは一部(例えば、配列番号2のほぼアミノ酸125〜132、ほぼアミノ酸380〜388、およびほぼアミノ酸782〜790の配列);親水性配列(すなわち、点線より下の配列)の全てまたは一部(例えば、配列番号2のほぼアミノ酸72〜84、ほぼアミノ酸285〜310、およびほぼアミノ酸880〜902の配列);Cys、またはグリコシル化部位を含む配列。
【図2】図2は、ヒト33751のイオン輸送タンパク質ドメインと、PFAMからの隠されたマルコフモデル(HMM)から導かれたコンセンサスアミノ酸配列とのアラインメントを示す。上側配列は、コンセンサスアミノ酸配列(配列番号4)であり、一方、下側アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸450〜662に対応する。
【図3】図3A〜図3Bは、ヒト33751とPFAMおよびSMARTからの隠されたマルコフモデル(HMM)から導かれたコンセンサスアミノ酸配列とのアラインメントを示す。図3Aにおいて、上側配列は、PFAMからのモデルPASドメインおよびモデルPACドメインについてのコンセンサスアミノ酸配列(それぞれ配列番号5および配列番号6)であり、一方で下側アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号2のアミノ酸41〜60、93〜120に対応する。図3Bにおいて、上側配列は、SMARTからのPASドメインおよびPACドメインについてのコンセンサスアミノ酸配列であり、一方、下側アミノ酸配列は、それぞれ、配列番号2のアミノ酸20〜87およびアミノ酸93〜135に対応する。
【図4】図4A〜図4Bは、ヒト33751とPFAMおよびSMARTからの隠されたマルコフモデル(HMM)から導かれたモデルサイクリックヌクレオチド結合ドメインについてのコンセンサスアミノ酸配列とのアラインメントを示す。図4Aにおいて、上側配列は、PFAMからのモデルサイクリックヌクレオチド結合ドメインについてのコンセンサスアミノ酸配列(配列番号7)であり、一方で下側アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸760〜850に対応する。図4Bにおいて、上側配列は、SMARTからのサイクリックヌクレオチド結合ドメインについてのコンセンサスアミノ酸配列であり、一方、下側アミノ酸配列は、配列番号2のアミノ酸745〜863に対応する。
【図5】図5は、TaqMan分析を用いて検出される、ヒト組織(副腎、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺、乳腺、膵臓、胎盤、前立腺、唾液腺、筋肉、小腸、脾臓、胃、精巣、胸腺、気管、子宮、脊髄、脊髄神経節(DRG)、および皮膚を含む)のパネルにおける33751mRNAの発現を示す棒グラフである。33751mRNAは、脳、次いで、DRGおよび脊髄において、高度に発現された。33751mRNAの相対的な組織分布を、表の形態で、表2に示す。
【図6】図6A〜図6Bは、ラットパネルを用いるTaqman発現実験の結果を示す。図6Aにおいて、ラット33751mRNAの発現が、DRG、脳、SCG、脊髄、視神経、および甲状腺において観察された。図6Bにおいて、ラットパネルフェーズIIを用いるTaqman実験は、CCIおよび軸索切断の後の、DRGにおける33751のダウンレギュレーションを示す。ラットパネルフェーズIIIを用いるTaqman実験は、CFA注射後および軸索切断の後の、脊髄における33751のダウンレギュレーションを示す。33751mRNAの相対的組織分布を、表の形態で、表3〜5に示す。
【図7】図7A〜図7Cは、33751ポリペプチドの電気生理学的特徴を示す。図7Aは、ヒト33751およびそのラットオルソログの電位依存性不活化の特徴的パターンを示す(Shi,W.ら、(1997)J.Neurosci.第17巻(24):9423)。図7Bは、−10mV未満の中程度の脱分極に維持されたCHOK1細胞中で発現された33751のコンダクタンスを示す。33751ポリペプチドは、不活化なしで持続した電流を示した。図7Cは、33751で一過性トランスフェクトされた911細胞対ベクター単独で一過性トランスフェクトされた911細胞の膜電位に対するドフェチリド(dofetilide)の効果を示す。この実験において、911細胞を、1ウェルあたり8,000細胞で配置し、そしてMP色素を、37℃で40分間、充填した。ベースラインを読み取った3分後に、10×30mM KClまたは0.3〜3μMの(アッセイ緩衝液中に作製された)ドフェチリドを添加した。

Claims (9)

  1. ある状態または障害に関連する核酸分子を同定するための方法であって、該方法は、以下:
    a)核酸分子を含むサンプルを、配列番号1または3の少なくとも25連続するヌクレオチドを含むハイブリダイゼーションプローブと接触させる工程;および該プローブにハイブリダイズする該サンプル中の核酸分子の存在を検出する工程、ならびに
    b)核酸分子を含むサンプルを、第一の増幅プライマーおよび第二の増幅プライマーと接触させる工程であって、該第一のプライマーは、配列番号1または3の少なくとも25連続するヌクレオチドを含み、そして該第二のプライマーは、配列番号1または3の相補体由来の少なくとも25連続するヌクレオチドを含む、工程;核酸増幅を可能にする条件下で該サンプルをインキュベートする工程;ならびに該サンプル中の増幅された核酸分子の存在を検出する工程、
    からなる群より選択され、それによって、ある状態または障害に関連する核酸分子を同定する、
    方法。
  2. ある状態または障害に関連するポリペプチドを同定する方法であって、該方法は、以下の工程:
    a)ポリペプチドを含むサンプルを、33751結合物質と接触させる工程;および
    b)該33751結合物質に結合する、該サンプル中のポリペプチドの存在を検出する工程を包含し、
    それによってある状態または障害に関連するポリペプチドを同定する、方法。
  3. ある状態または障害を有するか、あるいはある状態または障害を発症する危険性のある被験体を同定する方法であって、該方法は、以下:
    a)該被験体から得られた、核酸分子を含むサンプルを、配列番号1または3の少なくとも25連続するヌクレオチドを含むハイブリダイゼーションプローブと接触させる工程;および該プローブにハイブリダイズする、該サンプル中の核酸分子の存在を検出する工程;ならびに
    b)該被験体から得られた、核酸分子を含むサンプルを、第一の増幅プライマーおよび第二の増幅プライマーと接触させる工程であって、該第一のプライマーは、配列番号1または3の少なくとも25連続するヌクレオチドを含み、そして該第二のプライマーは、配列番号1または3の相補体由来の少なくとも25連続するヌクレオチドを含む、工程;核酸増幅を可能にする条件下で該サンプルをインキュベートする工程;ならびに該サンプル中の増幅された核酸分子の存在を検出する工程、
    からなる群より選択され、それによって、ある状態または障害を有するか、あるいはある状態または障害を発症する危険性のある被験体を同定する、
    方法。
  4. ある状態または障害を有するか、あるいはある状態または障害を発症する危険性のある被験体を同定する方法であって、該方法は、以下:
    a)該被験体から得たポリペプチドを含むサンプルを、33751結合物質と接触させる工程;および
    b)該33751結合物質に結合する、該サンプル中のポリペプチドの存在を検出する工程を包含し、
    それによって、ある状態または障害を有するか、あるいはある状態または障害を発症する危険性のある被験体を同定する、方法。
  5. 異常な33751ポリペプチド活性または異常な33751核酸発現によって特徴付けられる状態または障害を有する被験体、あるいは該状態または障害を処置するための方法であって、該方法は、該被験体に33751調節因子を投与する工程を包含し、それによって、該状態または障害を有する該被験体を処置する、方法。
  6. 前記調節因子が、有機低分子、ペプチド、ポリヌクレオチドおよび抗体からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記状態または障害が、疼痛および有痛の障害からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 33751ポリペプチドに結合する薬剤を検出する方法であって、該方法は、以下の工程:
    a)有機低分子、ペプチド、ポリヌクレオチドおよび抗体からなる群より選択される薬剤を合わせる工程;ならびに
    b)該33751ポリペプチドに対する薬剤の結合に適切な条件下で、該薬剤と該33751ポリペプチドとの間の複合体の形成を検出または測定する工程、
    を包含し、それによって、該33751ポリペプチドに結合する薬剤を同定する、方法。
  9. 前記薬剤が、33751ポリペプチド活性の調節因子である、請求項7に記載の方法。
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