JP2005503890A - 復元力供給部材としてスロット付きベルビルワッシャを備えた人工椎間板 - Google Patents

Abstract

本発明は、人工椎間板に関するものであって、一対の対向プレート（３３０，４００）を具備している。これらプレートは、対向する椎体表面に対して着座するためのものである。好ましいスプリング機構は、螺旋スロット付きの少なくとも１つのベルビルワッシャである。いくつかの実施形態においては、ベルビルワッシャ（３３０ｂ）は、径方向に進むにつれて薄肉化するものまたは厚肉化するものとされる。２個のワッシャを使用する実施形態においては、ワッシャの外側端は、対向プレートに接触して着座する。いくつかの実施形態においては、ワッシャは、保持壁（３０６）とリング（３１０）とによって維持される、あるいは、円形凹所と保持シールドとによって維持される。単一のワッシャを使用する実施形態においては、ワッシャの内側端に、湾曲ソケット（３３２ｂ）が形成される。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、広義には、互いに隣接した椎骨どうしの間の椎間スペース内に埋設するための背骨埋設アセンブリであって、安定化と、継続したフレキシブルさと、適切な解剖学的可動性と、を同時にもたらし得るようなアセンブリに関するものである。より詳細には、復元力供給部材としてスロット付きベルビルワッシャ（スロット付きの皿型板ばね式座金）を使用したそのようなデバイスに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ヒトの成人の脊柱を構成している骨および関連組織は、２０個以上の個別の骨が、３部材型関節複合体を介して互いに順次的に連結されることによって形成されている。３部材型関節複合体は、１個の前方板と、２個の後方面関節と、を備えて構成されている。隣接する骨の前方板どうしは、椎間板と称される軟骨スペースによって緩衝されている。それら２０個以上の骨は、解剖学的には、頸骨、胸骨、腰骨、および、仙骨という、４つの分類の中のいずれかに分類される。背骨の中の頸骨部分は、背骨の上部において頭蓋骨の基部のところにまで位置しているものであって、最初の７個の脊椎を備えている。中間的な１２個の骨が、胸骨である。これら胸骨の下方には、５個の腰骨が連結されている。背骨の基部は、仙骨である（尾骨を含む）。頸骨をなす骨は、一般に、胸骨をなす骨よりも小さく、胸骨をなす骨は、腰骨をなす骨よりも小さい。仙骨は、骨盤に対して側面において連結されている。仙骨は、背骨の一部ではあるけれども、接骨手術という目的から本明細書においては、背骨という用語を、頸骨と胸骨と腰骨とだけを意味するものとする。
【０００３】
脊柱は、２０個以上の骨が互いに連結されているとともに、無数の末梢神経を有した神経系という重要な部材と循環器系部材とを互いに近接させつつ収容し保護しているという点において、高度に複雑である。このような複雑さにもかかわらず、背骨は、大いにフレキシブルな構造であって、ほぼすべての方向において大きく湾曲したり捻ったりすることができる。
【０００４】
遺伝的な不規則さや進行中の不規則さや外傷性傷害や慢性的応力や腫瘍や変形的摩耗は、手術を必要とするほどの背骨疾患をもたらし得る様々な原因のいくつかである。当該技術分野においては、脊柱内にまたは脊柱上に人工アセンブリを埋設することによって隣接した骨どうしを不動化および／または骨融合することを目的とした様々なシステムが、既に提案されている。背中のうちの、不動化が必要とされている部位によって、また、個人的な解剖学的変動によって、適切な手術手順と埋設アセンブリとが決定される。椎間板の破損に関しては、椎体間骨融合ケージに興味が持たれている。それは、背骨の前方部分内へと腹腔鏡的に埋設し得るからであり、これにより、手術時間を短縮でき、患者の回復時間を短縮することができ、切開度合いを小さくすることができる。
【０００５】
図１は、椎体間ケージを側方から見た斜視図であり、図２は、埋設後における脊柱を前方から見た斜視図である。ここでは、従来技術によるこのデバイスに関して説明する。ケージ（１０）は、全体的に、チューブ状金属ボディ（１２）から形成されている。ボディ（１２）の外面には、ネジ山（１４）が形成されている。ケージ（１０）は、隣接した椎体どうしの間の接合部分のところに円柱穴を形成するようにして、背骨（１６）の軸に対して横方向に挿入される（図２においては、一対をなす２つのケージ（１０）が、第５番目の腰骨（Ｌ５）の下面と仙骨（Ｓ１）の上面との間に挿入されている）。２つのケージ（１０）は、全体的に並置された状態で挿入されており、外面ネジ山（１４）が、腰骨（Ｌ５）の下面と仙骨（Ｓ１）の上面との間に拘束されている。ケージ（１０）は、複数の穴（１８）を備えており、これら穴を通して、隣接している骨が成長することができる。例えば骨グラフト誘発材料といったような付加的な材料を、ケージ（１０）の内部空間（２０）内に挿入することができ、これにより、ケージ内への骨組織の成長を誘発して加速することができる。多くの場合、ケージ（１０）内に骨グラフト材料を収容保持するために、端部キャップ（図示せず）が使用される。
【０００６】
従来技術によるこのようなケージは、骨融合を促進することにおいて、また、適切な椎間板高さを外見的に近似することにおいて、医療的に成功している。しかしながら、隣接している骨どうしの骨融合が、病気自体が治療されていないことのために進行中の病気に対しては不完全な解決手段でしかなく、骨どうしの安定的な架橋によって病気を単に遮蔽しているに過ぎないことに注目することが重要である。このような骨融合は、脊柱の全体的フレキシブルさを制限し、患者の日常的行動を人工的に制約する。この制約は、骨融合された関節によって本来的には付帯されているような付加的移動応力が面関節と椎間板とに伝達されることのために、患者の背骨に対して付随的な傷害を引き起こし得るものである。したがって、骨融合を促進するアセンブリではなく、天然の軟骨板の生体機械的動きをほぼ完全に模擬し得るような埋設アセンブリが提供されれば、当該技術分野においては大いなる進歩となる。なお、本出願人の知る限りにおいては、本出願に関連性を有する先行技術文献は存在しない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【０００７】
したがって、本発明の目的は、椎間スペースを横断しての骨融合を促進することなく背骨を安定化させ得るような、椎間スペーサを提供することである。
【０００８】
本発明の他の目的は、通常動作を可能としつつ背骨を安定化させ得るような、埋設デバイスを提供することである。
【０００９】
本発明の他の目的は、患者の背骨上において生体機械的応力の異常な分布を引き起こすがないような、椎間スペース内への埋設デバイスを提供することである。
【００１０】
本発明の他の目的は、初期埋設時においておよびその後において優秀な把持強度と保持強度とを有しているようなプレート取付デバイス（人工椎間板の複数のプレートを、人工椎間板の埋設対象をなす椎骨どうしの間に対して、取り付けるためのデバイス）を備えた人工椎間板を提供することである。
【００１１】
本発明の他の目的は、椎体どうしの間に人工椎間板を挿入する際に撓み得るような、人工椎間板のプレート取付デバイスを提供することである。
【００１２】
本発明の他の目的は、椎体の凹状表面に適合しているような、人工椎間板のプレート取付デバイスを提供することである。
【００１３】
本発明の他の目的は、人工椎間板を埋設し得る角度を制限することがないような、人工椎間板のプレート取付デバイスを提供することである。
【００１４】
本発明の他の目的は、引っ張り負荷を支持し得るような人工椎間板を提供することである。
【００１５】
本発明の他の目的は、移動中心を椎間スペースの中心位置に位置させ得るような人工椎間板を提供することである。
【００１６】
本発明のさらなる他の目的は、好ましい実施形態に関する以下の説明により、明瞭に理解されるであろう。
【００１７】
上記目的は、本発明によって得られ、本発明は、人工椎間板または椎間スペーサデバイスに関するものであり、一対をなす支持部材（例えば、互いに離間して配置された一対をなすプレート）を具備している。各支持部材は、外面を有している。人工椎間板が、隣接する椎体の対向表面どうしの間に配置されるべきものであることにより、両プレートは、それら外表面どうしが互いに反対側を向くようにして、実質的な平行平板構成として、配置される（あるいは、適切な脊柱傾斜に応じて互いにわずかにオフセット配置される）。両プレートは、椎体に対して相対回転し得ないようにして椎体に対して係合し、なおかつ、背骨構成要素の天然的な動きを模擬し得るよう、背骨構成要素どうしが互いに軸方向に圧縮されることと、背骨構成要素どうしが互いに相対的に曲がることと、を可能とする。この動きは、２つの固定されたプレート間に配置されたスプリングの性能によって、可能とされる。椎骨に対しての両プレートの固定は、好ましくは、例えば各プレートの外面に対して取り付けられた凸状メッシュといったようなものも含めた、椎体接触部材を使用することによって、得られる。各凸状メッシュは、周縁部分が、各プレートの外表面に対して、レーザー溶接によって、固定される。メッシュは、初期的な非撓み状態においては、ドーム形状とされる。しかしながら、メッシュは、椎体間への人工椎間板の挿入時には、必要に応じて撓むこととなる。人工椎間板が椎体間に着座した後においては、解剖学的負荷の作用によってメッシュが必要に応じて変形し、これにより、メッシュは、椎体がなす凹状表面に対して適合した形状へと変形する。すなわち、ワイヤメッシュは、解剖学的負荷の作用によって、椎体がなす凹状表面に対して適合した形状へと変形し、椎体表面に対して固定的に係合することができる。言い換えれば、ワイヤメッシュが凸形状とされていて、その周縁部においてプレートに対して固定されていることにより、ワイヤメッシュは、プレートから膨出する向きに付勢されているものの、プレートに向けて移動することができる（付勢力に打ち勝つような負荷が印加された時。そのような負荷は、例えば、椎体間スペース内の解剖学的負荷として、存在する）。これにより、ワイヤメッシュは、椎体間スペース内に配置されたときには、椎体表面に対して固定的に係合することとなる。これにより、メッシュを有したプレートは、他の人工椎間板製品と比較して、初期的埋設時の把持強度および保持強度という点において実質的に優位なものとなる。凸状メッシュは、さらに、究極的にはこのメッシュを通して骨組織を成長させ得るような骨結合性表面を提供する。このメッシュは、好ましくは、チタンから形成される。しかしながら、メッシュは、他の金属からおよび／または非金属から、形成することもできる。メッシュがドーム形状であることにより、メッシュは、人工椎間板を埋設し得る角度を制限しない。ここではフレキシブルドームが好ましくはワイヤメッシュであるとして説明されているけれども、非金属材料および／または他の金属材料からなるフレキシブル部材も含めた他のメッシュ部材や中実フレキシブル部材を使用することもできることは、理解されるであろう。また、フレキシブルさや撓み性や変形性は、フレキシブル材料によってもたらされる必要はなく、これに代えてあるいはこれに加えて、機械的にもたらすことも、また、他の手段によってもたらすことも、できる。
【００１８】
椎骨に対してのプレートの固定をさらに増強するために、いくつかの実施形態においては、プレートは、さらに、少なくとも１つの側方多孔性リング（この側方多孔性リングは、例えば、噴霧堆積層とすることや、あるいは、接着剤によって取り付けられたビーズ状金属層とすることや、あるいは、従来技術において公知の他の適切な多孔性コーティング層とすることができる）を備えている。この多孔性リングは、プレート内への椎骨の長期的内方成長を可能とし、これにより、プロテーゼを椎間スペース内に恒久的に固定することを可能とする。この多孔性層は、ドーム状メッシュの直下にも延出することができる。しかしながら、プレートのうちの、椎体に対して直接的に着座することとなる外表面の側方リムに対して、多孔性層が設けられていることが、重要な点である。
【００１９】
両プレートの間には、デバイスの外面上において、周縁壁を設けることができる。周縁壁は、弾性的なものとされていて、器官や組織がデバイスの内部へと侵入することを防止する。この周縁壁は、多孔性織物やあるいは不浸透性弾性材料とすることができる。フレキシブルさおよび持続性に関する単純な機械的要求を満たす適切な組織適合性材料は、心臓血管分野も含めた多くの医療分野において一般的である。そのような材料は、静脈壁や動脈壁の修復のために使用されたり、あるいは、人工弁の代替において使用されたり、する。これに代えて、適切なプラスチック材料が、筋肉や気管の全体的損傷の外科的修復において使用されている。ここで使用し得るさらに他の材料は、靭帯や腱の修復に関連して、整形外科の分野において見出すことができる。この領域における将来的進展が、本発明における使用に適した材料を生成することが予想される。本発明の範囲は、使用される材料の選択によって限定されるものではない。しかしながら、本発明においては、そのような周縁壁が必須ではないことは、理解されるであろう。いくつかの例においては、周縁壁は、設けられておらず、後述するいくつかの実施形態においても設けられていない。
【００２０】
両プレートの間に配置されるスプリングは、両プレートに対して圧縮性負荷が印加されたときには、強力な復元力をもたらす。スプリングは、また、２つのプレートの間の回転や傾斜をも可能とする。多様な人工椎間板の実施形態が想定されるけれども、以下においては、４つの実施形態について説明する。各実施形態は、好ましいタイプのスプリングとして、少なくとも１つのスロットが形成されているベルビルワッシャを備えている。
【００２１】
ベルビルワッシャは、径方向において全体的に弓形をなすワッシャである。より詳細には、ベルビルワッシャは、径方向に凸形状を有している（すなわち、ワッシャの高さは、径方向距離に関して直線的なものではなく、例えば放物線形状とすることができる）。ベルビルワッシャの復元力は、構成材料の弾性特性に比例する。ベルビルワッシャに対して圧縮負荷が印加されたときには、この圧縮力は、フープ応力へと変換され、ワッシャを拡径させるよう作用する。このフープ応力は、ワッシャの材料的強度によって相殺（あるいは、緩衝）され、材料を歪ませつつ、ワッシャの高さを変更する。言い換えれば、ベルビルワッシャは、圧縮的に撓むことによって、圧縮負荷に対応する。この際、フープ応力状態において、構成材料の弾性率に比例した復元力をもたらす。一般に、ベルビルワッシャは、スプリングとして強力な構成の１つであり、ヒトの成人の活動におけるかなりの繰返し負荷に耐えなければならないような椎間スペーサ部材において復元力供給サブアセンブリとして使用すること関して、大いに好適なものである。
【００２２】
本発明の第１実施形態においては、２つのベルビルワッシャが使用されて、各ワッシャの隆起円錐端における各開口どうしが互いに対向するような向きでもって、配置される。２つのワッシャ（少なくとも一方は、スロット付きのものとされている）の外方端部は、プレートの内表面に対して圧縮および／または結合されている。その結果、両プレートに対して印加された圧縮負荷は、両ベルビルワッシャを圧縮し、これにより、両プレートに対して印加される復元力を引き起こす。圧縮負荷に対する支持の大きさ、および、ベルビルワッシャによってもたらされる復元力は、ワッシャに形成されるスロットによって、（スロット無しのベルビルワッシャと比較して）変更することができる。上述したように、少なくとも一方のベルビルワッシャは、スロット付きとされる。好ましくは、ワッシャの周縁部を始点としさらに中心に向けて径方向内向きに延在する円弧に沿って延在した螺旋スロットを有したものとされる。ベルビルワッシャのスロットは、負荷を受けたときにはスロットが広がることによって拡径することができ、スプリングに対する負荷が解除されたときには非撓み形状へと復帰する。ワッシャにスロットが形成されていることにより、スロット付きのワッシャは、スロット無しのワッシャと比較して、ずっと弾性的に拡径して復帰する。両ベルビルワッシャが、それぞれがプレートに対してもたらす復元力に影響を及ぼすことなく、互いに回転可能かつ傾斜可能であることは、理解されるであろう。このようにして、両プレートは、隣接する椎骨に対しての一定の弾性性能を維持しつつ、互いに回転したり傾斜したりすることができる。
【００２３】
本発明の第２実施形態においては、螺旋スロット付きの単一の修正されたベルビルワッシャが、半球形突起（例えば、ボール形状ヘッドを頂部に有しているようなポスト部材）と関連させつつ、使用される。半球形突起上において、ベルビルワッシャは、所定角度範囲にわたって回転自由かつ傾斜自由とされる（よって、プレートどうしは、対応角度範囲にわたって、互いに回転可能かつ傾斜可能とされる）。より詳細には、この第２実施形態においては、互いに離間して配置された一対のプレートが使用され、これらプレートの一方は、単なるディスク形状部材とされ、フラットな、外面および内面（フラットな、外表面および内表面）を有している。他方のプレートは、同様の形状とされ、フラットな外面を有している。しかしながら、このプレートは、さらに、内面からほぼ直角に起立する短い中央ポスト部材を備えている。この短いポスト部材の上部には、ボール形状ノブが設けられている。このノブは、中心軸穴を、有している。この軸穴は、撓み防止部材（例えば、リベット、位置決めネジ、プラグ、あるいは、ダウエル、とすることができる。この例においては、位置決めネジが、一例として使用されている。軸穴には、位置決めネジを受領し得るよう、位置決めネジに対応したネジ山が形成されている。）を受領する。位置決めネジの挿入に先立って、ボール形状ヘッドを、径方向内向きに撓ませることができる（これにより、ボール形状ヘッドを縮径することができる）。位置決めネジの挿入は、この撓み可能性を消滅させる。
【００２４】
螺旋スロット付きのベルビルワッシャは、ヒトの通常的な背骨回転に対応した所定角度範囲（正常な椎間板の回転を模擬し得るような所定角度範囲）にわたって回転自由かつ傾斜自由であるようにして、ボール形状ノブに対して取り付けられる。ベルビルワッシャは、ポスト部材のボール形状部分を受領するための湾曲ソケット（例えば、ワッシャの中央において拡張された内側周縁部分によって形成される）を備えるように、修正される。より詳細には、拡張部分は、実質的に一定の曲率半径を有した湾曲容積を備えている。その曲率半径は、また、ポスト部材のボール形状ヘッドの半径に実質的に等しい。位置決めネジの装着前の時点においては、ポスト部材のボール形状ヘッドが撓み可能性を有していることにより、ボール形状ヘッドを、ベルビルワッシャの中央位置において湾曲容積内に挿入することができる。その後、ポスト部材の軸穴内に位置決めネジを挿入することにより、ヘッドの撓み性が禁止され、ヘッドは、湾曲ソケット内に固定される。この場合、ヘッドは、湾曲ソケット内において回転可能かつ傾斜可能とされているものの、湾曲ソケットから抜け出すことはできない。これにより、ワッシャを、脊柱として適切な所定角度範囲にわたって回転自由かつ傾斜自由とされた状態で、ボール形状ヘッドに対して固定することができる（いくつかの実施形態においては、位置決めネジを締め付けることによって、一方サイドの角度範囲に関して、ボール形状ヘッド上においてワッシャをロックすることができる）。このアセンブリは、軸方向圧縮負荷に対しては十分なスプリング的性能をもたらし、ヒトの正常な椎間板の軸方向の生体機械的性能を、長期的繰返しサイクル寿命にわたって模擬することができる。
【００２５】
本発明の第３実施形態においては、使用される螺旋スロット付きベルビルワッシャは、径方向において変化するような厚さを有している。いくつかのベルビルワッシャにおいては、半径方向外側に行くほど、厚さが厚くなる（厚さが、半径に対して直接的に比例している）。他のベルビルワッシャにおいては、半径方向外側に行くほど、厚さが薄くなる（厚さが、半径に対して反比例している）。いずれの場合においても、負荷に対しての解剖学的撓み特性に関して優秀な模擬性能が得られる。目的は、負荷に対して素速く撓むワッシャ部分と大きな負荷に対してしか撓むことがないような剛直部分とを設けることによって、非線形的な負荷撓みプロファイルを形成することである。径方向においてワッシャ材料の厚さを円滑に変化させることにより、この目的が達成される。
【００２６】
好ましくは、第３実施形態においては、螺旋スロット付きのベルビルワッシャが、半球形突起（例えば、ボール形状ヘッドを頂部に有しているようなポスト部材）と関連させつつ、使用される。第２実施形態の場合と同様に、半球形突起上において、ベルビルワッシャは、所定角度範囲にわたって回転自由かつ傾斜自由とされる。この第３実施形態における上側プレートは、第２実施形態における上側プレートと比較して、選択されたベルビルワッシャの外側端を内部に収容するために円形保持壁と保持リングとを備えている点において相違している。ワッシャを圧縮したり圧縮解除したりしたときには、環状保持壁は、ワッシャが接触している方のプレートの内面上において、所定境界範囲内にワッシャの外側端を維持する。環状保持壁は、ワッシャの外側端をプレート内面に対して当接させるように維持する。さらに、ベルビルワッシャは、第２実施形態におけるワッシャの場合と同様に、ポスト部材のボール形状部分を受領するための湾曲ソケット（例えば、湾曲容積を有した拡張部分）を備えるように、修正される。本発明の範囲を逸脱することなく、第３実施形態において使用されたタイプの下側プレートを第１実施形態や第２実施形態において使用し得ること、また逆に、第１および第２実施形態において使用されたタイプの下側プレートを第３実施形態において使用し得ること、については理解されるであろう。
【００２７】
第４実施形態においては、好ましくは、第１，第２，第３実施形態におけるプレートと同じ機能が得られるよう、また、上述したいずれのベルビルワッシャとも一緒に使用し得るよう、好ましくはシールド部材と関連しているような代替可能なプレートを備えている。より詳細には、第４実施形態における下側プレートは、プレートの内面（内方を向いた面）内に円形凹所を有している。この円形凹所は、上記環状保持壁と同じ目的および機能を有した周縁壁を有している。下側プレートは、また、（ベルビルワッシャが円形凹所内に配置されたときに）ベルビルワッシャの上方に配置されたシールド部材を使用している。シールド部材は、周縁部において、プレートに対して固定されている。このシールド部材は、上記環状保持リングと同じ目的および機能を有している。好ましくは、シールド部材は、円錐台形状とされている。これにより、シールドは、中央開口を有しており、組立時には、この中央開口を貫通させて、対向プレートのボール形状突起とポストとを配置することができる。複数の径方向スロットと軸穴（例えばリベットといったような撓み防止部材を受領するための軸穴）とを有した半球形突起が設けられている対向プレートは、下側プロファイルではあるものの、上記ボール形状ヘッド付きポスト部材と同様の機能をもたらす。双方のプレートは、好ましくは、隣接椎骨に対する固定のための上記凸状メッシュを有している。
【００２８】
いくつかのタイプのプレートと、いくつかのタイプのベルビルワッシャと、それらを連結し得るいくつかの手段と、を使用することによって、人工椎間板に関する様々な実施形態を組み立てることができる。多くの例について上述したけれども、本発明において想定されかつ本発明内に包含されている組合せであって上記において未だ特定されていない組合せが多く存在する。それらについては、本発明を理解することによって容易に認識することができる。
【００２９】
各アセンブリは、軸方向圧縮負荷に対してはスプリング的性能を利用している。これにより、ヒトの正常な椎間板の軸方向の生体機械的性能を、長期的繰返しサイクル寿命にわたって模擬することができる。ベルビルワッシャの複数のスロットは、負荷を受けたときにはスロットが広がることによって拡径することができ、スプリングに対する負荷が解除されたときには非撓み形状へと復帰する。ワッシャを圧縮したり圧縮解除したりしたときには、環状保持壁（あるいは、円形凹所壁）は、ワッシャが接触している方のプレートの内面上において、所定境界範囲内にワッシャの外側端を維持する。さらに、アセンブリは、外面上に印加された引っ張り負荷に耐えることができる。それは、環状保持リング（あるいは、保持シールド）が、ワッシャの外側端を、内面に対して維持するからであり、また、軸穴内の位置決めネジ（あるいは、リベット）が、半球形突起（あるいは類似物）の縮径を防止して、湾曲ソケットからの半球形状突起の抜出を防止するからである。したがって、両プレートが椎骨に対して固定された後には、アセンブリは、通常的に予想される背骨に対しての引っ張り負荷のもとでは、分離することはない。このことは、健全な天然の椎間板における引っ張り負荷耐性と同様である。
【００３０】
ボールとソケットとからなるジョイントを有しているようなアセンブリにおいては、半球形突起が湾曲ソケット内において回転可能かつ傾斜可能に連結されていることのために、プレートどうしが互いに回転可能かつ傾斜可能なものとして形成されていることにより、椎間スペース内に中心を置いた動きをもたらす。そのような中心移動は、半球形突起内に位置したままであり、つまり、椎体どうしの間において中心を維持したままである。このことは、健全な天然の椎間板における中心移動と同様である。
【００３１】
最後に、例えば本発明によるデバイスの内部において起こり得るように、人体が受領した空間内に線維状組織を形成しようとする傾向を有していることのために、さらに、そのような線維状組織が、デバイスの安定性および／または所定機能を妨害しようとする傾向を有していることのために、本発明のいくつかの実施形態においては（好ましい実施形態ではないけれども）、大いに弾性的な弾性材料が充填される。そのような材料は、大いに生物学的に不活性であるべきであり、デバイス内部のスプリング機構によってもたらされる復元力を実質的に妨害すべきではない。適切な材料は、例えばコンタクトレンズにおいて使用されているものといったような親水性モノマーとすることができる。代替可能な材料としては、例えば化粧品において使用されているようなシリコーンゼリーやコラーゲンがある。多様な適切な代替可能な材料を有しているような上記外面周縁壁の場合と同様に、この領域における将来的進展が、本発明における使用に適した材料を生成することが予想される。そのような将来の材料であっても、本発明と一緒に使用することができる。本発明の範囲は、使用される材料の選択によって限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【００３２】
図１は、従来技術による椎体間骨融合デバイスを側方から示す斜視図である。
【００３３】
図２は、図１に示すタイプの２つの椎体間骨融合デバイスが対をなして埋設された後における、ヒトの背骨の腰骨から仙骨にわたる部分の前面領域を示す正面図である。
【００３４】
図３ａは、本発明の第１実施形態における上側対向プレートを示す側断面図であり、図３ｂは、本発明の第１実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【００３５】
図４は、本発明の第１実施形態における両対向プレートを組み合わせた状態を示す側断面図である。
【００３６】
図５ａは、本発明の第１実施形態における、螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す斜視図であり、図５ｂは、本発明の第１実施形態における、螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す平面図である。
【００３７】
図６は、本発明の第１実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図５ａおよび図５ｂに示すタイプの、螺旋スロット付きの、一対をなす２つのベルビルワッシャを使用している。
【００３８】
図７は、本発明の第２実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【００３９】
図８は、本発明の第２実施形態における、修正された螺旋スロットが形成されたベルビルワッシャを示す側断面図である。
【００４０】
図９は、本発明の第２実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図８に示すタイプの、修正された螺旋スロット付きの、単一のベルビルワッシャを使用している。
【００４１】
図１０ａは、本発明の第３実施形態における上側対向プレートを示す側断面図であり、図１０ｂは、本発明の第３実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【００４２】
図１１ａは、本発明の第３実施形態において使用されるような、径方向において厚さが変化しているとともに螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す断面図であって、このベルビルワッシャは、内側部分の方が外側部分よりも薄いものとされているスロット付きワッシャ形状を有している。図１１ｂは、本発明の第３実施形態において使用されるような、径方向において厚さが変化しているとともに螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す断面図であって、このベルビルワッシャは、内側部分の方が外側部分よりも厚いものとされているスロット付きワッシャ形状を有している。
【００４３】
図１２ａは、図１０ａの対向プレートを示す平面図であって、より詳細には、周縁スカートと保持リングとを有しているとともに、内部に図１１ａまたは図１１ｂのタイプのベルビルワッシャが配置されているような、プレートを示す平面図である。図１２ｂは、図１０ｂの対向プレートを示す平面図であって、より詳細には、ベルビルワッシャの中央開口内に着座するポスト部材を有しているプレートを示す平面図である。
【００４４】
図１３ａは、本発明の第３実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図１２ａに示すプレートと図１２ｂに示すプレートとの間に、図１１ａのベルビルワッシャが取り付けられている。図１３ｂは、本発明の第３実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図１２ａに示すプレートと図１２ｂに示すプレートとの間に、図１１ｂのベルビルワッシャが取り付けられている。
【００４５】
図１４ａは、本発明の第４実施形態における下側対向プレートを示す底面図であり、図１４ｂは、本発明の第４実施形態における下側対向プレートを示す側断面図であり、図１４ｃは、本発明の第４実施形態における下側対向プレートを示す平面図であり、円形凹所と複数のリベット穴とを有している。
【００４６】
図１５ａは、本発明の第４実施形態における上側対向プレートを示す底面図であり、図１５ｂは、本発明の第４実施形態における上側対向プレートを示す側断面図であり、図１５ｃは、本発明の第４実施形態における上側対向プレートを示す平面図であり、半球形突起を有している。
【００４７】
図１６ａは、本発明の第４実施形態において使用するための螺旋スロット付きベルビルワッシャを示す平面図であり、図１６ｂは、本発明の第４実施形態において使用するための螺旋スロット付きベルビルワッシャを示す上方から見た斜視図である。
【００４８】
図１７は、本発明の第４実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図１４ａ〜図１４ｃに示すプレートと図１５ａ〜図１５ｃに示すプレートとの間に取り付けられる湾曲ソケットを備えているような、螺旋スロット付きベルビルワッシャを使用している。
【００４９】
以下においては、本発明について、いくつかの特別の実施形態および実施方法を図示している添付図面を参照して、より詳細に説明するけれども、当業者であれば、本発明における機能や結果を得るに際して、本発明に対して変更を加え得ることは、理解されるであろう。したがって、以下の説明は、本発明がなす範囲の中の特定の構造や見地や特徴点を例示しているものとして理解されるべきであって、本発明がなす範囲を制限するものではない。添付図面の全体にわたって、同様の部材には同じ符号が付されている。
【００５０】
第１実施形態に関し、図３ａおよび図３ｂには、本発明の第１実施形態における上側および下側プレート（１００ａ，１００ｂ）が、側断面図によって示されている。（本明細書中におけるすべての実施形態においては、『上側』とか『下側』とかいう用語は、プレートの相対位置を例示するために構成を視覚的に例示するためのものに過ぎない。本発明が、『上側』プレートが下側プレートとして機能しかつ『下側』プレートが上側プレートとして機能するような実施形態をも包含することは、理解されるであろう。）より詳細には、上側プレート（１００ａ）と下側プレート（１００ｂ）とは、同一である。デバイスが、隣接した椎体の対向面どうしの間に配置され得るように構成されていることにより、両プレートは、対向する骨表面に対して着座することとなる実質的にフラットな表面部分（１０２ａ，１０２ｂ）を備えている。加えて、両プレートは、対向する骨表面に対して相対回転し得ないようにして、骨表面に対して係合するものとされている。したがって、両プレートは、椎体をなす骨組織が内部において成長することを可能とする多孔性コーティング（１０４ａ，１０４ｂ）を備えている。（プレートに対しての骨組織のこの限定的な融合が、椎間スペース全体にわたって延在するものではないことに、注意されたい。）付加的な穴（１０６ａ，１０６ｂ）が、各プレートに設けられている。これにより、必要に応じて、デバイスの内部に対して容易にアクセスし得るものとされている。
【００５１】
両プレート（１００ａ，１００ｂ）は、さらに、オフセットフランジ（１０８ａ，１０８ｂ）を有して構成された周縁スカートを備えている。この場合のオフセット量は、全体的アセンブリの前面（１１０ａ，１１０ｂ）および背面（１１１ａ，１１１ｂ）の向きに対応している。より詳細には、フランジ（１０８ａ，１０８ｂ）のオフセット特性は、各フランジが対応プレート（１００ａ，１００ｂ）を囲んだときに、各フランジがなす非一様な外形形状によって、もたらされている。このことは、フランジ（１０８ａ、１０８ｂ）のうちの、デバイスの背面（１１１ａ，１１１ｂ）に対応した部分の長さが、フランジ（１０８ａ、１０８ｂ）のうちの、デバイスの前面（１１０ａ，１１０ｂ）に対応した部分の長さよりも、短いことを意味している。
【００５２】
図４においては、第１実施形態が、部分的に組み立てられた状態で、側断面図によって示されている。この場合、図３ａおよび図３ｂのそれぞれに示された上側および下側プレート（１００ａ，１００ｂ）は、周縁壁（１２０）を介して連結されている。より詳細には、両プレート（１００ａ，１００ｂ）の間には、デバイスの外面上において、周縁壁（１２０）が介在している。周縁壁は、弾性的なものとされている。周縁壁は、器官や組織がデバイスの内部へと侵入することを防止する目的で、設けられている。周縁壁（１２０）は、多孔性織物やあるいは不浸透性弾性材料とされていることが好ましい。周縁壁（１２０）は、さらに、対応プレート（１００ａ，１００ｂ）のフランジ（１０８ａ，１０８ｂ）を連結し得るように構成されている。
【００５３】
図５ａおよび図５ｂにおいては、ベルビルワッシャ（１３０）が、それぞれ斜視図および平面図によって、示されている。ベルビルワッシャ（１３０）は、復元力供給部材であって、中央開口（１３２）を有しているとともに、径方向にアーチ形状をなすような円形形状とされている。（例えば円錐台形状といったような、径方向に直線状の部分を有したベルビルワッシャであっても、同様に使用可能であることは、理解されるであろう。）大部分のベルビルワッシャは、径方向凸部（１３４）を有している（すなわち、ワッシャ（１３０）の高さは、径方向距離に関して直線的なものではなく、例えば放物線形状とすることができる）。ベルビルワッシャの復元力は、構成材料の弾性特性に比例する。
【００５４】
ベルビルワッシャ（１３０）は、さらに、一連をなす複数のスロット（１３１）を備えている（必然的というわけではないものの、好ましくは、図示のような螺旋状スロット）。これらスロット（１３１）は、ベルビルワッシャの外周縁部分から、全体的にワッシャの中心へと向かっている円弧に沿って内方へと、延在している。スロット（１３１）は、デバイスの中心にまで完全には延在していない。好ましくは、スロットは、患者の要求に応じてまたデバイスの解剖学的要求に応じて、ワッシャの半径全体の４分の１〜４分の３にわたって延在している。
【００５５】
ベルビルワッシャに対して圧縮負荷が印加されたときには、この圧縮力は、フープ応力へと変換され、ワッシャを拡径させるよう作用する。このフープ応力は、ワッシャの材料的強度によって相殺され、材料を歪ませつつ螺旋状スロットを広げるのに必要な力が、ワッシャを高さ方向に撓ませる。言い換えれば、ベルビルワッシャは、圧縮的に撓むことによって、圧縮負荷に対応する。螺旋スロット付きのワッシャは、さらに、圧縮負荷によってワッシャ内のスロットを広げることによっても、圧縮負荷に対応する。したがって、スプリング（すなわち、ワッシャ）は、双方のフープ応力状態において、構成材料の弾性率に比例した復元力をもたらす。
【００５６】
図６においては、図４の実施形態が、完全に組み立てられた状態で、側断面図によって示されている。この実施形態においては、２つのベルビルワッシャ（１３０）（少なくとも一方は、螺旋スロット付きのものとされている）が、それらワッシャ（１３０）の隆起円錐端における各開口（１３２）どうしが互いに対向するような向きでもって、配置されている。ワッシャ（１３０）の外方端部は、デバイスの内部で、両プレート（１００ａ，１００ｂ）の内表面（１０３ａ，１０３ｂ）どうしの間において、圧縮的に保持されている。その結果、両プレート（１００ａ，１００ｂ）に対して印加された圧縮負荷は、両ベルビルワッシャ（１３０）を圧縮し、これにより、両プレート（１００ａ，１００ｂ）に対して印加される復元力を引き起こす。
【００５７】
図７には、第２実施形態における下側プレート（２００）が、側断面図によって示されている。このプレート（２００）は、上記第１実施形態におけるプレートと同様の形状とされている（すなわち、フラットな外表面（２０２）と、周縁フランジ（２０８）と、を備えている）。しかしながら、このプレート（２００）は、さらに、半球形突起（例えば、ボール形状ヘッド（２０７）を有しているような、中央に位置した短いポスト部材（２０４））を備えている。半球形突起は、内面（２０３）からほぼ直角に立ち上がっている。この短いポスト部材（２０４）の上部には、ボール形状ヘッド（２０７）が設けられている。このヘッド（２０７）は、ポスト部材（２０４）の内方へと延在した中心軸穴（２０９）を、有している。この穴（２０９）は、撓み防止部材（例えば、リベット、プラグ、ダウエル、とすることができる。この例においては、位置決めネジ（２０５）が、一例として使用されている。穴（２０９）には、位置決めネジ（２０５）を受領し得るよう、位置決めネジに対応したネジ山が形成されている。）を受領し得るよう構成されている。位置決めネジ（２０５）の挿入に先立って、ポスト部材（２０４）のボール形状ヘッド（２０７）を、径方向内向きに撓ませることができる（これにより、ボール形状ヘッドを縮径することができる）。位置決めネジ（２０５）の挿入は、この撓み可能性を消滅させる。
【００５８】
図８には、第２実施形態における、螺旋スロット付きの、修正されたベルビルワッシャ（２３０）が側断面図によって示されている。このベルビルワッシャ構成は、図５ａおよび図５ｂに関して上述したベルビルワッシャ構成と同様であるものの、付加的な特徴点を備えている。その付加的特徴点とは、上述した下側プレート（２００）のポスト部材（２０４）のボール形状ヘッド（２０７）を内部に受領するための湾曲ソケット（例えば、湾曲容積（２３３）を有するように拡張された中央開口（２３２））を備えているということである。より詳細には、湾曲容積（２３３）は、実質的に一定の曲率半径を有しており、この曲率半径は、また、ポスト部材（２０４）のボール形状ヘッド（２０７）の半径に実質的に等しい。螺旋状スロットは、中央開口までには延在すべきではなく、想定される解剖学的負荷のもとでワッシャ材料が強度的に塑性変形を引き起こすことがない程度でもって、開口へと接近すべきである。
【００５９】
図９には、第２実施形態が完全に組み立てられた状態で示されており、この場合、位置決めネジ（２０５）の挿入前における、ポスト部材（２０４）のボール形状ヘッドの撓み可能性により、ヘッド（２０７）を、修正されたベルビルワッシャ（２３０）の中心位置において、内部容積（２３３）内に挿入することができる。その後、ポスト部材（２０４）の軸穴（２０９）内へと位置決めネジ（２０５）を導入することにより、ヘッド（２０７）は、ベルビルワッシャ（２３０）から抜け出すことができなくなる。これにより、デバイスに対して、引っ張り負荷に対しての対抗性能が付与される。これにより、ヘッド（２０７）が、ソケット（２３３）内に取り付けられる。この場合、ヘッド（２０７）は、ソケット（２３３）内において、回転自由とされかつ傾斜自由とされる。
【００６０】
第３実施形態に関しては、図１０ａ，１０ｂには、第３実施形態における上側プレート（３００）および下側プレート（４００）が、それぞれ側断面図によって示されている。第２実施形態におけるプレート（１００ａ，２００）の場合と同様に、プレート（３００，４００）は、対向骨表面に対して着座することとなる実質的にフラットな外表面（３０２，４０２）と、椎体の骨組織を内方成長させ得る多孔性コーティング（３０４，４０４）と、を備えている。図１０ｃ，図１０ｄに示すように、大部分の望ましい上側プレートおよび下側プレートの表面多孔性特性は、撓み可能メッシュ（４０８）（好ましくは、金属から形成される）とされる。このメッシュ内においては、骨組織が容易に成長することができ、その場合、メッシュは、上側骨表面または下側骨表面がなす凹形状内に着座するように変形する。（プレートに対しての骨組織のこの限定的な融合が、椎間スペース全体にわたって延在するものではないことに、注意されたい。）このような特性は、好ましいけれども、必須というわけではない。プレートの表面多孔性特性としては、任意の実施形態のものを使用することができ、また、他の実施形態のものを使用することができ、また、他の椎間スペーサデバイス等におけるものを使用することができる。
【００６１】
図１２ａにも示すように、プレート（３００）は、さらに、保持壁として機能する周縁スカート（３０６）を備えている。この保持壁内に、ベルビルワッシャの外方端を着座させることができる。保持壁（３０６）の直径は、好ましくは、保持壁内にワッシャを導入した時にワッシャが径方向に拘束されることがないよう、非撓み状態のベルビルワッシャの直径よりも、わずかに大きなものとされる。保持壁（３０６）の内表面は、環状凹所を有している。この環状凹所内に、保持リング（３１０）を設けることができ、保持リング（３１０）は、ベルビルワッシャを所定位置に保持することができる（例えば、図１３ａ，１３ｂに示す組立状態を参照されたい）。
【００６２】
図１２ｂにも示すように、第３実施形態におけるプレート（４００）は、第２実施形態におけるプレート（２００）の場合と同様に、半球形突起（例えば、撓み可能なボール形状ヘッド（４１０）を上端部のところに有しているような、中央に位置したポスト部材（４０６））を備えている。この半球形突起は、径方向スロット（４１２）と、軸方向穴（４１４）と、を有している。この穴（４１４）は、撓み防止部材（例えば、リベット、プラグ、ダウエル、あるいは、位置決めネジ、とすることができる。この例においては、位置決めネジ（４１６）が、一例として使用されている。）を受領するためのものである。半球形突起は、プレート（４００）の内面（４０８）からほぼ直角に立ち上がっている。
【００６３】
図１１ａ，１１ｂには、２つのベルビルワッシャ（３３０ａ，３３０ｂ）が側断面図によって示されている。ベルビルワッシャ（３３０ａ，３３０ｂ）の各々は、第２実施形態におけるベルビルワッシャと比較して、形状および機能において同様ではあるけれども、ワッシャを形成している材料の厚さ（凹面と凸面との間の間隔）が、ワッシャの中央開口（３３２ａ，３３２ｂ）の近傍領域から、外周縁（３３４ａ，３３４ｂ）領域にかけて、変化しているという点において、大きく相違している。
【００６４】
より詳細には、図１１ａに示すワッシャ（図１２ａのプレート（３００）の周縁リング内において示されている）においては、ベルビルワッシャ（３３０ａ）は、外側エッジ（３３４ａ）における厚さの方が、内側エッジ（３３２ａ）における厚さよりも、厚い。ベルビルワッシャの復元力が、構成材料の弾性特性に比例することにより、および、構成材料の量に比例することにより、内側エッジ（３３２ａ）のところにおける材料の薄肉化は、ワッシャの内側部分を撓ませるのに要する負荷が外側部分を撓ませるのに要する負荷よりも小さいというような負荷／撓みプロファイルをもたらす。これにより、ワッシャは、軽い負荷によっても初期的には容易に圧縮され得るもののその直後には（直線状プロファイルとなるよりも早い時点で）硬い特性を示して撓みに対抗するようになるというようにして、圧縮される。このような負荷プロファイルは、健全な椎間スペース内に存在している軟骨成分が示す性能を模擬することに対して、解剖学的により関連したものである。ベルビルワッシャ（３３０ａ）は、さらに、一連をなす複数の螺旋スロット（３３８ａ）を備えている。これら螺旋スロットは、外側エッジ（３３４ａ）から内部開口（３３２ａ）にまで延在しており、形状および機能に関しては、第２実施形態におけるベルビルワッシャの螺旋スロットと同様である。
【００６５】
より詳細には、図１１ｂに示すワッシャ（図１２ａのプレート（３００）の周縁リング内において示されている）においては、ベルビルワッシャ（３３０ｂ）は、外側エッジ（３３４ｂ）における厚さの方が、内側エッジ（３３２ｂ）における厚さよりも、薄い。ベルビルワッシャの復元力が、構成材料の弾性特性に比例することにより、および、構成材料の量に比例することにより、外側エッジ（３３４ｂ）のところにおける材料の薄肉化は、ワッシャの外側部分を撓ませるのに要する負荷が内側部分を撓ませるのに要する負荷よりも小さいというような負荷プロファイルをもたらす。これにより、ワッシャは、軽い負荷によっても（外側エッジの撓みの結果として）初期的には容易に圧縮され得るもののその直後には（直線状プロファイルとなるよりも早い時点で）硬い特性を示して撓みに対抗するようになるというようにして、圧縮される。このような負荷プロファイルは、健全な椎間スペース内に存在している軟骨成分が示す性能を模擬することに対して、解剖学的により関連したものである。ベルビルワッシャ（３３０ｂ）は、さらに、一連をなす複数の螺旋スロット（３３８ｂ）を備えている。これら螺旋スロットは、外側エッジ（３３４ｂ）から内部開口（３３２ｂ）にまで延在しており、形状および機能に関しては、第２実施形態におけるベルビルワッシャの螺旋スロットと同様である。
【００６６】
各ベルビルワッシャ（３３０ａ，３３０ｂ）は、半球形突起を受領するための湾曲ソケットを有している。これに関しては、例えば、各ベルビルワッシャの中央開口が、下側プレート（４００）のポスト部材（４０６）のボール形状ヘッド（４１０）を内部に受領するための湾曲容積（３３６ａ，３３６ｂ）を備えている。湾曲容積は、形状および機能に関し、第２実施形態におけるベルビルワッシャの湾曲容積と同様である。
【００６７】
図１３ａ，１３ｂには、第３実施形態が完全に組み立てられた状態で、側断面図によって示されている。各構造は、１つのベルビルワッシャ（図１１ａ，１１ｂに示すワッシャから選択されている）を備えている。この場合、ワッシャの外側端が、保持リング（３１０）と保持壁（３０６）とによって、図１０ａのプレート（３００）に当接しつつ保持されている。中央開口（３３２ａ，３３２ｂ）は、（ヘッド（４１０）を、中央開口（３３２ａ，３３２ｂ）内に配置した後に）ヘッド（４１０）のネジ山付き穴（４１４）内に受領された位置決めネジ（４１６）によって、図１０ｂ，１２ｂのプレート（４００）のボール形状ヘッド（４１０）に対して、回転自由とされかつ傾斜自由とされて取り付けられている。この点に関しては、第２実施形態における組立と同様である。
【００６８】
第４実施形態に関しては、図１４ａ〜図１４ｃ，図１５ａ〜図１５ｃにおいて、本発明による人工椎間板において使用するための２つの代替可能なプレートが、底面図でもって（図１４ａおよび図１５ａ）、また、側断面図でもって（横断面と、横断面から見える表面部分と、が図示されている）（図１４ｂおよび図１５ｂ）、また、平面図でもって（図１４ｃおよび図１５ｃ）、示されている。より詳細には、図１４ａおよび図１４ｂは、代替可能な下側プレート（５００ａ）を、それぞれ底面図および側断面図によって示している。図１５ａおよび図１５ｂは、代替可能な上側プレート（５００ｂ）を、それぞれ底面図および側断面図によって示している。
【００６９】
各プレート（５００ａ，５００ｂ）は、外表面（５０８ａ，５０８ｂ）を備えている。本発明による人工椎間板が、隣接する椎体の対向表面どうしの間に配置されるべきものであることにより、人工椎間板において使用される２つのプレートは、それら外表面どうしが互いに反対側を向くようにして、配置される（後述の図１７において明瞭に図示されている）。２つのプレートは、椎体に対して相対回転し得ないようにして椎体に対して係合し、なおかつ、背骨構成要素の天然的な動きを模擬し得るよう、背骨構成要素どうしが互いに軸方向に圧縮されることと、背骨構成要素どうしが互いに相対的に曲がることと、を可能とする。この動きは、２つの固定されたプレート間に配置されたベルビルワッシャの性能（上述）によって、可能とされる。椎体に対してのプレートの係合について、また、プレート間に対してのベルビルワッシャの適用について、以下説明する。
【００７０】
より詳細には、各プレート（５００ａ，５００ｂ）は、フラットなプレートである（好ましくは、例えばチタンといったような、金属から形成されている）。各プレートは、係合対象をなす椎体面の全体的形状に対して係合するような、全体的形状を有している。さらに、各プレート（５００ａ，５００ｂ）は、椎体接触部材（例えば、凸状メッシュ（５０６ａ，５０６ｂ）（好ましくは、楕円形状）を備えている。この椎体接触部材は、プレート（５００ａ，５００ｂ）の外表面（外側表面あるいは外面）（５０８ａ，５０８ｂ）に対して取り付けられ、椎体接触表面を提供する。メッシュ（５０６ａ，５０６ｂ）は、このメッシュの周縁部分が、プレート（５００ａ，５００ｂ）の外表面（５０８ａ，５０８ｂ）に対して、レーザー溶接によって、固定される。メッシュは、初期的な非撓み状態においては、ドーム形状とされる。しかしながら、メッシュは、椎体間への人工椎間板の挿入時には、必要に応じて撓むこととなる。人工椎間板が椎体間に着座した後においては、解剖学的負荷の作用によってメッシュが必要に応じて変形し、これにより、メッシュは、椎体がなす凹状表面に対して適合した形状へと変形する。これにより、メッシュを有したプレートは、他の人工椎間板製品と比較して、初期的埋設時の把持強度および保持強度という点において実質的に優位なものとなる。メッシュは、さらに、究極的にはこのメッシュを通して骨組織を成長させ得るような骨結合性表面を提供する。メッシュは、好ましくは、チタンから形成される。しかしながら、メッシュは、本発明の範囲を逸脱することなく、他の金属からおよび／または非金属から、形成することができる。
【００７１】
各プレート（５００ａ，５００ｂ）は、さらに、少なくとも１つの側方リング（５１０ａ，５１０ｂ）を備えている。側方リング（５１０ａ，５１０ｂ）は、骨結合性のものであって、例えば、噴霧堆積層とすることや、あるいは、接着剤によって取り付けられたビーズ状金属層とすることや、あるいは、他の適切な多孔性コーティング層とすることができる。この多孔性リング（あるいは、側方リング）は、プレート内への椎体の長期的内方成長を可能とし、これにより、プロテーゼを椎間スペース内に恒久的に固定することを可能とする。この多孔性層（５１０ａ，５１０ｂ）を、ドーム状メッシュ（５０６ａ，５０６ｂ）の直下にも延出し得ることは、理解されるであろう。しかしながら、プレート（５００ａ，５００ｂ）のうちの、椎体に対して直接的に着座することとなる外表面（５０８ａ，５０８ｂ）の側方リムに対して、多孔性層が設けられていることが、重要な点であることは、理解されるであろう。
【００７２】
上述したような凸状メッシュ取付デバイスや方法は、上述したようなあるいは参照したような人工椎間板とか人工椎間板プレートとかに対してのみ使用可能なだけではなく、限定するものではないけれども例えば当該技術分野において現在知られているものも含めた他の人工椎間板とか人工椎間板プレートとかに対しても使用可能であることは、理解されるであろう。したがって、上述したようなあるいは参照したような人工椎間板とか人工椎間板プレートとかに対して使用されている上述したようなメッシュ取付デバイスや方法は、メッシュ取付デバイスの適用範囲および／または有効性を制限するものではないとして、解釈されるべきである。
【００７３】
これら２つのプレートの間にベルビルワッシャを配置することに関し、各プレート（５００ａ，５００ｂ）は、これらプレートに対してのベルビルワッシャの適用に関する特徴点を備えている。様々な適用方法については後述する。より詳細には、下側プレート（５００ａ）は、内向き面（内側表面あるいは内面）（５０４ａ）を備えている。この内向き面（５０４ａ）は、ベルビルワッシャの外側端部を回転可能に収容するための円形凹所（５０２ａ）を有している。円形凹所は、ベルビルワッシャが圧縮されたときには、ベルビルワッシャの外側端部が、拘束されることなく拡径することを、可能としている。内向き面（５０４ａ）は、さらに、保持部材（例えば、シールド（５１８ａ））（シールドの目的および適用については、図１７を参照して後述する）を固定し得るよう、固定手段（例えば、ネジ、プラグ、ダウエル、あるいは、リベット、とすることができる。この例においては、リベット（５１６ａ）が、一例として使用されている。）（図１７参照）を受領する。
【００７４】
上側プレート（５００ｂ）は、内向き面（５０４ｂ）を備えている。この内向き面（５０４ｂ）は、内向きに突出した半球形（例えば、ボール形状）の突起（５０２ｂ）を有している。このボール形状突起（５０２ｂ）は、一連をなす複数のスロット（５２０ｂ）を有している。これらスロット（５２０ｂ）は、径方向圧力に対応して（あるいは、ボール形状突起に対して印加された圧力の径方向成分に対応して）ボール形状突起（５０２ｂ）が径方向に拡縮することを可能とする。ボール形状突起（５０２ｂ）は、さらに、軸穴（５２２ｂ）を有している。この軸穴（５２２ｂ）は、撓み防止部材（例えば、リベット、プラグ、ダウエル、あるいは、位置決めネジ、とすることができる。この例においては、リベット（５２４ｂ）が、使用されている。）（図１７参照）を受領する。（ネジが使用される場合には、穴には、そのネジを受領するためのネジ山を形成することができる。）リベット（５２４ｂ）の挿入に先立って、スロット（５２０ｂ）を径方向圧力によって狭めることにより、ボール形状突起（５０２ｂ）を、径方向内向きに撓ませることができる。リベット（５２４ｂ）の挿入は、この撓み可能性を消滅させる。したがって、リベット（５２４ｂ）の受領前には、ボール形状突起（５０２ｂ）を圧縮することによって、ベルビルワッシャの湾曲ソケット内への着座を容易なものとすることができる。湾曲ソケット内へとボール形状突起（５０２ｂ）を着座させた後には、リベット（５２４ｂ）を軸穴（５２２ｂ）内へと挿入することができ、これにより、湾曲ソケット内においてボール形状突起（５０２ｂ）を所定に保持することを保証することができる。必要が生じたときにデバイスの内部へと容易にアクセスし得るよう、このプレートに対向して配置されるプレートには、穴を設けることができる。ボール形状突起の特定の寸法や、ボール形状突起を径方向に圧縮するための特定の機構や、ボール形状突起の径方向圧縮を禁止するための特定の機構は、上記の例に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく変更し得ることは、理解されるであろう。
【００７５】
図１６ａ，１６ｂには、第４実施形態において使用するためのベルビルワッシャが、それぞれ平面図および上方から見た斜視図によって示されている。より詳細には、ベルビルワッシャ（６００）は、湾曲ソケット（６３３）（例えば、上記ベルビルワッシャに関して上述したタイプの湾曲ソケット）と、複数の螺旋スロット（６３８）と、を備えている。ベルビルワッシャ（６００）は、複数の螺旋スロットを有していることにより、上記ベルビルワッシャと同様の拡径特性や復元特性を示す。
【００７６】
図１７には、第４実施形態が完全に組み立てられた状態において側断面図によって示されている。この構造は、図１６ａ，図１６ｂに示すような螺旋スロット付きベルビルワッシャ（６００）（上述したような他のベルビルワッシャであっても、同様に使用することができる）を備えている。この場合、ワッシャの外側端が、ベルビルワッシャ（６００）の外側端部を包囲している保持部材（例えば、シールド（５１８ａ））によって、図１４ａ〜図１４ｃのプレート（５００ａ）に当接しつつ保持されている。より詳細には、ベルビルワッシャの外側端は、ベルビルワッシャが圧縮された際に膨出し得るだけの空間的余裕を有した状態で、円形開口（５０２ａ）内に適合している。円形開口の直径が、ベルビルワッシャの外側端の直径よりも大きいことにより、プレートに対しての、ベルビルワッシャの非拘束回転が可能とされており、人工椎間板に対しての圧縮性負荷（すなわち、ベルビルワッシャに対しての圧縮性負荷）の印加が、ベルビルワッシャの非拘束的径方向変形へと変換され、これにより、これら双方が、必要に応じた解剖学的レスポンスをもたらすことができる。人工椎間板に対して引っ張り負荷が印加された際に円形凹所からベルビルワッシャの外側端が抜け出すことを防止し得るよう、シールド（５１８ａ）が、ベルビルワッシャの外方に配置されており、固定手段（例えば、リベット（５１６ａ））によって固定されている。シールド（５１８ａ）は、好ましくは、円錐台形状とされている。これにより、シールドは、中央開口（５２０ａ）を有しており、この中央開口を貫通させて、ベルビルワッシャの湾曲ソケットと、対向プレートのボール形状突起と、を配置することができる。これにより、人工椎間板の実質的な組立を可能とすることができる。シールド（５１８ａ）は、これに代えてあるいはこれに加えて、複数のシールド部材から形成することができる。ベルビルワッシャの内方端（湾曲ソケットを有している端部）に関しては、上述したのと同様に、対向プレート上のボール形状突起に対して、回転可能かつ曲げ可能に取り付けられる。
【００７７】
ボールとソケットとからなるジョイントを有しているような上記各実施形態においては、ボール形状突起が、ボール形状突起の径方向圧縮を禁止し得るようにして軸穴内に配置されたリベットまたは位置決めネジによって、湾曲ソケット内に保持されていることにより、人工椎間板は、適切な解剖学的レスポンスのためには必須であるような、プレートを引っ張るような負荷に対する耐性を有している。より詳細には、引っ張り負荷がプレートに対して印加されたときには、湾曲ソケット内においてボール形状突起は、径方向に縮径して、湾曲ソケットの開口から抜け出そうとする。しかしながら、ボール形状突起の軸穴内のリベットまたは位置決めネジが、そのような縮径を禁止し、湾曲ソケットからのボール形状突起の抜出を防止する。また、引っ張り負荷が印加されたときには、ベルビルワッシャの外側端は、プレートから離間しようとする。この際、保持リング（すなわち、シールド）が、この保持リングまたはシールドの内表面によってベルビルワッシャを押圧することにより、そのような離間を阻止する。したがって、通常的に予想される範囲内の引っ張り負荷のもとでは、アセンブリが分離することはない。このことは、運動時や他の活動時に患者が伸びを行ったりあるいはぶら下がったりした時にでも、アセンブリをなす個々の部品のいずれもが、椎体間から飛び出したり抜け出したりしないことを保証する。よって、メッシュドームを介しての、隣接椎体に対しての、プレートの固定とも組み合わせて、椎間板アセンブリは、健全な天然の椎間板における引っ張り負荷耐性と同様の、引っ張り負荷耐性を有している。
【００７８】
さらに、いくつかの実施形態においては、ボール形状突起が湾曲ソケット内において回転可能かつ傾斜可能に連結されていることのために、プレートどうしが互いに回転可能かつ傾斜可能なものとして形成されていることにより、椎間板アセンブリは、ボール形状突起内に中心を置いた動きをもたらす。したがって、そのような実施形態においては、椎間板アセンブリのそのような中心移動が、椎体どうしの間において中心を維持したままである。このことは、健全な天然の椎間板における中心移動と同様である。
【００７９】
例えば本発明によるデバイスの内部において起こり得るように、人体が受領した空間内に線維状組織を形成しようとする傾向を有していることのために、さらに、そのような線維状組織が、デバイスの安定性および／または所定機能を妨害しようとする傾向を有していることのために、本発明の好ましい実施形態においては、大いに弾性的でありかつ生体適合性を有した不活性弾性材料が充填される。適切な材料としては、例えばコンタクトレンズにおいて使用されているものといったような親水性モノマーがある。代替可能な材料としては、例えば化粧品において使用されているようなシリコーンゼリーやコラーゲンがある。
【００８０】
人工椎間板の様々な特定の実施形態について例示し説明したけれども、当業者であれば、本願発明の広範な精神および原理を逸脱することなく、様々な変形や修正を行い得ることは、理解されるであろう。したがって、本発明は、上記特定の実施形態によって限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【００８１】
【図１】従来技術による椎体間骨融合デバイスを側方から示す斜視図である。
【図２】図１に示すタイプの２つの椎体間骨融合デバイスが対をなして埋設された後における、ヒトの背骨の腰骨から仙骨にわたる部分の前面領域を示す正面図である。
【図３ａ】本発明の第１実施形態における上側対向プレートを示す側断面図である。
【図３ｂ】本発明の第１実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【図４】本発明の第１実施形態における両対向プレートを組み合わせた状態を示す側断面図である。
【図５ａ】本発明の第１実施形態における、螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す斜視図である。
【図５ｂ】本発明の第１実施形態における、螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す平面図である。
【図６】本発明の第１実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図５ａおよび図５ｂに示すタイプの、螺旋スロット付きの、一対をなす２つのベルビルワッシャを使用している。
【図７】本発明の第２実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【図８】本発明の第２実施形態における、修正された螺旋スロットが形成されたベルビルワッシャを示す側断面図である。
【図９】本発明の第２実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図８に示すタイプの、修正された螺旋スロット付きの、単一のベルビルワッシャを使用している。
【図１０ａ】本発明の第３実施形態における上側対向プレートを示す側断面図である。
【図１０ｂ】本発明の第３実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【図１０ｃ】本発明の第３実施形態における上側対向プレートの変形例を示す側断面図である。
【図１０ｄ】本発明の第３実施形態における下側対向プレートの変形例を示す側断面図である。
【図１１ａ】本発明の第３実施形態において使用されるような、径方向において厚さが変化しているとともに螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す断面図であって、このベルビルワッシャは、内側部分の方が外側部分よりも薄いものとされているスロット付きワッシャ形状を有している。
【図１１ｂ】本発明の第３実施形態において使用されるような、径方向において厚さが変化しているとともに螺旋的なスロットが形成されたベルビルワッシャを示す断面図であって、このベルビルワッシャは、内側部分の方が外側部分よりも厚いものとされているスロット付きワッシャ形状を有している。
【図１２ａ】図１０ａの対向プレートを示す平面図であって、より詳細には、周縁スカートと保持リングとを有しているとともに、内部に図１１ａまたは図１１ｂのタイプのベルビルワッシャが配置されているような、プレートを示す平面図である。
【図１２ｂ】図１０ｂの対向プレートを示す平面図であって、より詳細には、ベルビルワッシャの中央開口内に着座するポスト部材を有しているプレートを示す平面図である。
【図１３ａ】本発明の第３実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図１２ａに示すプレートと図１２ｂに示すプレートとの間に、図１１ａのベルビルワッシャが取り付けられている。
【図１３ｂ】本発明の第３実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図１２ａに示すプレートと図１２ｂに示すプレートとの間に、図１１ｂのベルビルワッシャが取り付けられている。
【図１４ａ】本発明の第４実施形態における下側対向プレートを示す底面図である。
【図１４ｂ】本発明の第４実施形態における下側対向プレートを示す側断面図である。
【図１４ｃ】本発明の第４実施形態における下側対向プレートを示す平面図であり、円形凹所と複数のリベット穴とを有している。
【図１５ａ】本発明の第４実施形態における上側対向プレートを示す底面図である。
【図１５ｂ】本発明の第４実施形態における上側対向プレートを示す側断面図である。
【図１５ｃ】本発明の第４実施形態における上側対向プレートを示す平面図であり、半球形突起を有している。
【図１６ａ】本発明の第４実施形態において使用するための螺旋スロット付きベルビルワッシャを示す平面図である。
【図１６ｂ】本発明の第４実施形態において使用するための螺旋スロット付きベルビルワッシャを示す上方から見た斜視図である。
【図１７】本発明の第４実施形態を完全に組み立てた状態で示す側断面図であって、図１４ａ〜図１４ｃに示すプレートと図１５ａ〜図１５ｃに示すプレートとの間に取り付けられる湾曲ソケットを備えているような、螺旋スロット付きベルビルワッシャを使用している。
【符号の説明】
【００８２】
１００ａ 上側プレート
１００ｂ 下側プレート
１０３ａ 内表面
１０３ｂ 内表面
１３０ ベルビルワッシャ（復元力供給部材）
１３１ スロット
２００ 下側プレート
２０３ 内面
２０４ ポスト部材
２０５ 位置決めネジ（撓み防止部材）
２０７ ボール形状ヘッド（球形突起）
２０９ 中心軸穴
２３０ ベルビルワッシャ
２３２ 中央開口
２３３ 湾曲容積（湾曲ソケット）
３００ 上側プレート
３０２ 外表面
３０４ 多孔性コーティング
３０６ 周縁スカート（保持壁）
３１０ 保持リング
３３０ａ ベルビルワッシャ
３３０ｂ ベルビルワッシャ
３３２ａ 内側エッジ
３３２ｂ 内側エッジ
３３４ａ 外側エッジ
３３４ｂ 外側エッジ
３３６ａ 湾曲容積
３３６ｂ 湾曲容積
３３８ａ 螺旋スロット
３３８ｂ 螺旋スロット
４００ 下側プレート
４０２ 外表面
４０４ 多孔性コーティング
４０６ ポスト部材
４１０ ボール形状ヘッド（半球形突起）
４１２ 径方向スロット
４１４ 軸方向穴
４１６ 位置決めネジ（撓み防止部材）
５００ａ 下側プレート
５００ｂ 上側プレート
５０２ａ 円形凹所
５０２ｂ ボール形状突起
５０４ａ 内面
５０４ｂ 内面
５０６ａ 凸状メッシュ
５０６ｂ 凸状メッシュ
５０８ａ 外表面
５０８ｂ 外表面
５１６ａ リベット（撓み防止部材）
５１８ａ シールド（保持部材）
５２０ｂ スロット（径方向スロット）
５２２ｂ 軸穴
５２４ｂ リベット（撓み防止部材）
６００ ベルビルワッシャ
６３３ 湾曲ソケット
６３８ 螺旋スロット

Claims (84)

1. 椎間スペーサデバイスであって、
   第１プレート部材および第２プレート部材であるとともに、これらプレート部材が、第１プレート部材の表面と第２プレート部材の表面とが対向するようにして配置され、それら対向面が、それぞれの内面とされ、各プレート部材の反対側に位置している表面が、外面とされるような、第１プレート部材および第２プレート部材と；
   前記第１および第２プレート部材の間に配置される少なくとも１つの復元力供給部材であるとともに、前記第１プレート部材および前記第２プレート部材の前記外面に対して印加された圧縮性負荷を緩衝し得るようにして配置され、さらに、スロット付きの少なくとも１つのベルビルワッシャを備えているような、少なくとも１つの復元力供給部材と；
   を具備していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
2. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   さらに、前記第１および第２プレート部材の各周縁の近傍においてそれら周縁の間に配置されたフレキシブルな周縁スカートを具備し、
   これにより、前記第１および第２プレート部材の間には、前記椎間スペーサデバイスの内部容積が形成され、
   この内部容積内に、前記少なくとも１つの復元力供給部材が収容されていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
3. 請求項２記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記フレキシブルな周縁スカートが、弾性材料を備えていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
4. 請求項２記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記フレキシブルな周縁スカートが、多孔性とされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
5. 請求項２記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記フレキシブルな周縁スカートによって形成された前記内部容積の少なくとも一部が、線維状組織の内方成長を防止し得るような充填材料を備えていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
6. 請求項５記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記充填材料が、弾性的であることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
7. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、内側端と外側端とを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
8. 請求項７記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、前記外側端が前記第１および第２プレート部材の前記各内面に対して当接しているような、向きで配置されていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
9. 請求項７記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
   前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、一対をなす２つのベルビルワッシャとされ、
   これらベルビルワッシャが、それぞれの内側端どうしを互いに当接させかつ前記外側端を前記第１および第２プレート部材の前記各内面に対して当接させているような、向きで配置されていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
10. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、少なくとも１つの螺旋スロットを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
11. 請求項１０記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記少なくとも１つの螺旋スロットが、互いに離間した複数の螺旋スロットとされ、
    各スロットが、前記少なくとも１つのベルビルワッシャの周縁エッジ上の地点から、前記周縁エッジから径方向内側の地点までにわたって、延在していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
12. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、湾曲ソケットをなす中央開口を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
13. 請求項１２記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方が、その内面上に、前記湾曲ソケットに対して結合可能とされた半球形突起を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
14. 請求項１３記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記半球形突起が、この半球形突起に対して径方向内向き力が印加された時に、径方向に撓むことを可能とし得るよう動作する少なくとも１つの径方向スロットを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
15. 請求項１４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記半球形突起が、さらに、軸穴を有し、
    この軸穴内には、前記半球形突起の前記径方向撓みを禁止するための撓み防止部材が配置可能とされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
16. 請求項１５記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記撓み防止部材が、リベットを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
17. 請求項１３記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記半球形突起が、前記湾曲ソケットに対して回転可能かつ傾斜可能な態様で取り付け得るものとされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
18. 請求項１７記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記半球形突起が、径方向に撓み可能な半球形部分を有し、
    前記湾曲ソケットが、内部容積と、この内部容積に対して連通する開口と、を有し、
    前記湾曲ソケットが、前記半球形部分を、内部において回転自由かつ傾斜自由として受領し、
    前記半球形部分が、径方向に撓んだときにのみ、前記開口を通して抜け出すことができ、
    前記半球形部分が、この半球状部分に対して装着した時には前記開口を通しての前記半球形部分の抜出を防止し得るような撓み防止部材を装着し得るよう構成されていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
19. 請求項１８記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記撓み防止部材が、リベットを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
20. 請求項１３記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記半球形突起が、前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方の前記内面から起立して延在するポスト構造によって形成され、
    このポスト構造が、ボール形状ヘッドを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
21. 請求項２０記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記ポスト構造が、さらに、前記第１および第２プレート部材の前記少なくとも一方の前記内面に向けて軸方向に延在する軸穴を有し、
    この軸穴が、内部に、撓み防止部材を受領し、
    この場合、前記撓み防止部材の前記軸穴内への装着前の時点では、前記軸穴は、前記ボール形状ヘッドが径方向内向きに圧縮されることを可能とし、なおかつ、前記撓み防止部材の前記軸穴内への装着後には、前記ボール形状ヘッドが容易には径方向に圧縮され得ないものとされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
22. 請求項２１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記撓み防止部材が、位置決めネジを有し、
    前記軸穴が、前記位置決めネジと螺合するためのネジ山を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
23. 請求項２１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記湾曲ソケット内に前記半球形部分を配置しさらに前記撓み防止部材を配置した後においては、前記湾曲ソケットが、前記半球形部分を、内部において回転自由かつ傾斜自由として受領することを特徴とする椎間スペーサデバイス。
24. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、径方向において変化する厚さを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
25. 請求項２４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    径方向において変化する厚さを有した前記少なくとも１つのベルビルワッシャにおいては、内側部分における厚さの方が、外側部分における厚さよりも、厚いものとされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
26. 請求項２４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    径方向において変化する厚さを有した前記少なくとも１つのベルビルワッシャにおいては、外側部分における厚さの方が、内側部分における厚さよりも、厚いものとされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
27. 請求項２４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記径方向において変化する厚さは、連続的に変化するものであることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
28. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方が、保持部材を備え、
    この保持部材が、前記少なくとも１つのベルビルワッシャの外側端を、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面の近傍に維持することを特徴とする椎間スペーサデバイス。
29. 請求項２８記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記保持部材が、前記外側端の近傍に位置する保持壁を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
30. 請求項２９記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    さらに、保持リングを具備し、
    この保持リングと、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面と、の間に、前記外側端を位置させることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
31. 請求項２８記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記保持部材が、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面上に、円形凹所を有し、
    この円形凹所内に、前記少なくとも１つのベルビルワッシャの前記外側端を位置させることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
32. 請求項３１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記保持部材が、さらに、保持シールドを備え、
    この保持シールドと、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面と、の間に、前記外側端を位置させることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
33. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方が、その外面上に、解剖学的負荷によって変形的に再成形可能とされた部材を備え、
    これにより、そのプレート部材が、椎骨の接触対象面に対して固定的に係合可能とされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
34. 請求項３３記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記部材が、メッシュであることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
35. 請求項３４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記メッシュが、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方から凸状に膨出するドーム形状をなす静止形状を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
36. 請求項３４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記メッシュが、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方に対して、レーザー溶接されていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
37. 請求項３４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記メッシュが、チタンを含有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
38. 請求項３４記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    さらに、前記メッシュに隣接して骨結合特性部材が配置されていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
39. 請求項３８記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記メッシュに隣接した前記骨結合特性部材が、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の表面上に、多孔性表面を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
40. 請求項１記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記外面の少なくとも一方が、骨結合特性部材を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
41. 請求項４０記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記骨結合特性部材が、多孔性コーティング膜を有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
42. 請求項４０記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記骨結合特性部材が、前記少なくとも一方の外面に対して取り付けられたワイヤメッシュを有していることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
43. 請求項４２記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記ワイヤメッシュが、撓み可能とされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
44. 請求項４２記載の椎間スペーサデバイスにおいて、
    前記ワイヤメッシュが、凸形状とされていることを特徴とする椎間スペーサデバイス。
45. 人工椎間板であって、
    互いに対向配置されたそれぞれの内面とそれぞれの外面とをもたらすようにして配置された第１プレート部材および第２プレート部材と；
    前記第１プレート部材および前記第２プレート部材の前記外面に対して印加された圧縮性負荷を緩衝し得るようにして、前記内面どうしの間に配置された、スロット付きの少なくとも１つのベルビルワッシャと；
    を具備し、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、湾曲ソケットをなす中央開口を有し、
    前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方が、その内面上に、前記湾曲ソケットに対して回転可能かつ傾斜可能な態様で結合された半球形突起を有し、
    これにより、前記第１および第２プレート部材が、互いに回転可能かつ傾斜可能とされていることを特徴とする人工椎間板。
46. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    前記半球形突起が、径方向に撓み可能な半球形部分を有し、
    前記湾曲ソケットが、内部容積と、この内部容積に対して連通する開口と、を有し、
    前記湾曲ソケットが、前記半球形部分を、内部において回転自由かつ傾斜自由として受領し、
    前記半球形部分が、径方向に撓んだときにのみ、前記開口を通して抜け出すことができ、
    前記半球形部分が、この半球状部分に対して装着した時には前記開口を通しての前記半球形部分の抜出を防止し得るような撓み防止部材を装着し得るよう構成されていることを特徴とする人工椎間板。
47. 請求項４６記載の人工椎間板において、
    前記半球形突起が、この半球形突起に対して径方向内向き力が印加された時に、径方向に撓むことを可能とし得るよう動作する少なくとも１つの径方向スロットを有していることを特徴とする人工椎間板。
48. 請求項４７記載の人工椎間板において、
    前記半球形突起が、さらに、軸穴を有し、
    この軸穴内には、前記半球形突起の前記径方向撓みを禁止するための撓み防止部材が配置可能とされていることを特徴とする人工椎間板。
49. 請求項４８記載の人工椎間板において、
    前記撓み防止部材が、リベットを有していることを特徴とする人工椎間板。
50. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    前記半球形突起が、前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方の前記内面から起立して延在するポスト構造によって形成され、
    このポスト構造が、ボール形状ヘッドを有していることを特徴とする人工椎間板。
51. 請求項５０記載の人工椎間板において、
    前記ポスト構造が、さらに、前記第１および第２プレート部材の前記少なくとも一方の前記内面に向けて軸方向に延在する軸穴を有し、
    この軸穴が、内部に、撓み防止部材を受領し、
    この場合、前記撓み防止部材の前記軸穴内への装着前の時点では、前記軸穴は、前記ボール形状ヘッドが径方向内向きに圧縮されることを可能とし、なおかつ、前記撓み防止部材の前記軸穴内への装着後には、前記ボール形状ヘッドが容易には径方向に圧縮され得ないものとされていることを特徴とする人工椎間板。
52. 請求項５１記載の人工椎間板において、
    前記撓み防止部材が、位置決めネジを有し、
    前記軸穴が、前記位置決めネジと螺合するためのネジ山を有していることを特徴とする人工椎間板。
53. 請求項５１記載の人工椎間板において、
    前記湾曲ソケット内に前記半球形部分を配置しさらに前記撓み防止部材を配置した後においては、前記湾曲ソケットが、前記半球形部分を、内部において回転自由かつ傾斜自由として受領することを特徴とする人工椎間板。
54. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    さらに、前記第１および第２プレート部材の各周縁の近傍においてそれら周縁の間に配置されたフレキシブルな周縁スカートを具備し、
    これにより、前記第１および第２プレート部材の間には、前記人工椎間板の内部容積が形成され、
    この内部容積内に、前記少なくとも１つのベルビルワッシャが収容されていることを特徴とする人工椎間板。
55. 請求項５４記載の人工椎間板において、
    前記フレキシブルな周縁スカートが、弾性材料を備えていることを特徴とする人工椎間板。
56. 請求項５４記載の人工椎間板において、
    前記フレキシブルな周縁スカートが、多孔性とされていることを特徴とする人工椎間板。
57. 請求項５４記載の人工椎間板において、
    前記フレキシブルな周縁スカートによって形成された前記内部容積の少なくとも一部が、線維状組織の内方成長を防止し得るような充填材料を備えていることを特徴とする人工椎間板。
58. 請求項５７記載の人工椎間板において、
    前記充填材料が、弾性的であることを特徴とする人工椎間板。
59. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、内側端と外側端とを有していることを特徴とする人工椎間板。
60. 請求項５９記載の人工椎間板において、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、前記外側端が前記第１および第２プレート部材の前記各内面に対して当接しているような、向きで配置されていることを特徴とする人工椎間板。
61. 請求項５９記載の人工椎間板において、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、一対をなす２つのベルビルワッシャとされ、
    これらベルビルワッシャが、それぞれの内側端どうしを互いに当接させかつ前記外側端を前記第１および第２プレート部材の前記各内面に対して当接させているような、向きで配置されていることを特徴とする人工椎間板。
62. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、少なくとも１つの螺旋スロットを有していることを特徴とする人工椎間板。
63. 請求項６２記載の人工椎間板において、
    前記少なくとも１つの螺旋スロットが、互いに離間した複数の螺旋スロットとされ、
    各スロットが、前記少なくとも１つのベルビルワッシャの周縁エッジ上の地点から、前記周縁エッジから径方向内側の地点までにわたって、延在していることを特徴とする人工椎間板。
64. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    前記少なくとも１つのベルビルワッシャが、径方向において変化する厚さを有していることを特徴とする人工椎間板。
65. 請求項６４記載の人工椎間板において、
    径方向において変化する厚さを有した前記少なくとも１つのベルビルワッシャにおいては、内側部分における厚さの方が、外側部分における厚さよりも、厚いものとされていることを特徴とする人工椎間板。
66. 請求項６４記載の人工椎間板において、
    径方向において変化する厚さを有した前記少なくとも１つのベルビルワッシャにおいては、外側部分における厚さの方が、内側部分における厚さよりも、厚いものとされていることを特徴とする人工椎間板。
67. 請求項６４記載の人工椎間板において、
    前記径方向において変化する厚さは、連続的に変化するものであることを特徴とする人工椎間板。
68. 請求項２記載の人工椎間板において、
    前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方が、保持部材を備え、
    この保持部材が、前記少なくとも１つのベルビルワッシャの外側端を、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面の近傍に維持することを特徴とする人工椎間板。
69. 請求項６８記載の人工椎間板において、
    前記保持部材が、前記外側端の近傍に位置する保持壁を有していることを特徴とする人工椎間板。
70. 請求項６９記載の人工椎間板において、
    さらに、保持リングを具備し、
    この保持リングと、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面と、の間に、前記外側端を位置させることを特徴とする人工椎間板。
71. 請求項６８記載の人工椎間板において、
    前記保持部材が、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面上に、円形凹所を有し、
    この円形凹所内に、前記少なくとも１つのベルビルワッシャの前記外側端を位置させることを特徴とする人工椎間板。
72. 請求項７１記載の人工椎間板において、
    前記保持部材が、さらに、保持シールドを備え、
    この保持シールドと、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方の前記内面と、の間に、前記外側端を位置させることを特徴とする人工椎間板。
73. 請求項２記載の人工椎間板において、
    前記第１および第２プレート部材のうちの少なくとも一方が、その外面上に、解剖学的負荷によって変形的に再成形可能とされた部材を備え、
    これにより、そのプレート部材が、椎骨の接触対象面に対して固定的に係合可能とされていることを特徴とする人工椎間板。
74. 請求項７３記載の人工椎間板において、
    前記部材が、メッシュであることを特徴とする人工椎間板。
75. 請求項７４記載の人工椎間板において、
    前記メッシュが、前記第１および第２プレート部材のうちの前記少なくとも一方から凸状に膨出するドーム形状をなす静止形状を有していることを特徴とする人工椎間板。
76. 請求項７４記載の人工椎間板において、
    前記メッシュが、前記外面の少なくとも一方に対して、レーザー溶接されていることを特徴とする人工椎間板。
77. 請求項７４記載の人工椎間板において、
    前記メッシュが、チタンを含有していることを特徴とする人工椎間板。
78. 請求項７４記載の人工椎間板において、
    さらに、前記メッシュに隣接して骨結合特性部材が配置されていることを特徴とする人工椎間板。
79. 請求項７８記載の人工椎間板において、
    前記メッシュに隣接した前記骨結合特性部材が、前記外面の少なくとも一方上に、多孔性表面を有していることを特徴とする人工椎間板。
80. 請求項４５記載の人工椎間板において、
    前記外面の少なくとも一方が、骨結合特性部材を有していることを特徴とする人工椎間板。
81. 請求項８０記載の人工椎間板において、
    前記骨結合特性部材が、多孔性コーティング膜を有していることを特徴とする人工椎間板。
82. 請求項８０記載の人工椎間板において、
    前記骨結合特性部材が、前記少なくとも一方の外面に対して取り付けられたワイヤメッシュを有していることを特徴とする人工椎間板。
83. 請求項８２記載の人工椎間板において、
    前記ワイヤメッシュが、撓み可能とされていることを特徴とする人工椎間板。
84. 請求項８２記載の人工椎間板において、
    前記ワイヤメッシュが、凸形状とされていることを特徴とする人工椎間板。