JP2005503855A - ウエーブレット変換を用いる磁気心電図の非線形ノイズ低減 - Google Patents

ウエーブレット変換を用いる磁気心電図の非線形ノイズ低減 Download PDF

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Abstract

ウエーブレット変換を用いて複合信号中のノイズ寄与を減少する2部法が説明されている。この方法は、ダイナミックなプロセス(決定論的ノイズまたは信号自体)により形成された再構成された状態空間内のサブ空間の特定と、種々のサブ空間の分離と、確率的ノイズからのサブ区間の分離とを含む。この方法は、決定論的構造を特定および記述するために、ウエーブレット変換を用いて再構成された状態空間内で局部的投射を行うことにより磁気心電計時系列または心電計時系列の非直線ノイズ除去(NLD)を行うために用いられる。任意の決定論的プロセスにより発生されたサブ空間の場所が定められ、それの源とは独立に分離される。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は全体として磁気心電計検査および心電計検査の分野に関する。更に詳しくいえば、本発明はウエーブレット変換を用いる磁気心電図の非線形ノイズ低減に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気心電計検査(MCG)は心臓の筋肉の電気的に活性な細胞により、小さい電流から心臓によって発生された磁界を測定するものである。それはありふれた臨床診断にまだ導入されていない非侵襲診断法である。
【0003】
磁気心電計検査は、心臓内の電気生理学的過程により胴(または胎児の磁気心電計検査における母の腹部)の上部に生じた時間的に変化する磁界の測定より成る。胴の上部のそれらの磁界の測定によって、心電計検査により得られる胴の上部のそれらの磁界の測定を補う情報が得られ、それは心臓の機能の異常診断に特に用いられる。
【0004】
それらの信号の強度が極めて弱い(地磁気の100万分1またはそれ以下)ために、現在は超伝導量子干渉素子(SQUIDs)のみがそのような作業を行える。そのようなセンサは非常に低い温度(極低温)でのみ動作するので、特殊な容器(低温槽)内に置かねばならない。それの外壁は室温にあり、内部は、通常は低温度液体(冷却剤)を充填することにより、低温にされる。SQUIDセンサが設けられている低温槽は人体に接触することなしに、人体に近接して配置される。原理的には、高温超伝導SQUIDs(HTSQUIDs)およびグラジオメーター(gradiometer)を利用することにより、液体ヘリウムの代わりに液体窒素を使用することが可能であり、これは取扱いを極めて簡単にするが、今日まで発表されているHTSを基礎とするMCG装置は完全には実用になっていない。
【0005】
心電計検査と比較して磁気心電計検査にはいくつかの利点があるが、実際的な臨床使用のための飛躍的な進歩は依然としてなされていない。したがって、医師を納得させる魅力的な結果をもたらし、SQUIDシステムのコストを低減することが必要である。両方とも改良したノイズ打ち消し法を基にして達成できる。
【0006】
非常に強力な自然に存在する外部信号と人が発生する外部信号が存在することによって信号対ノイズ比の値が極めて低く(100万分の1より低い)なる。それらの信号は、外部信号(ノイズ)抑制法が採用されなければ、使用できない。
【0007】
最も効果的ではあるが、最も費用を要しかつ硬直したノイズ抑制法は高度に磁気遮蔽された部屋の内部でこの方法を実施することである。しかし、そのような部屋は心臓病学実地診療には受け容れることができないことが判明している。磁気遮蔽の外部で、高度に平衡されたSQUIDグラジオメーター装置なしで動作することが臨床での使用には重要である。したがって、最近の努力は、磁気遮蔽された部屋なしに使用できるMCG装置の開発に向けて傾注されている。使用されている主なノイズ抑制技術は高次のグラジオメトリー(gradiometry)である。
【0008】
診断応用では、心筋の病的な機能変化または器質的変化に起因する心臓の電気的活動の複雑な変化を特定するために、心臓の磁界を空間的と時間的との少なくとも一方で解析できる。それらは虚血、心筋梗塞、心室内の容積または圧力の変化、または不整脈から起きることがある。
【0009】
SQUIDセンサのアレイによる磁気心電計画像形成は虚血や心筋の活性(休止している組織と壊死している組織の識別)の診断と、不整脈の危険の分析とに使用するためにますます研究されている。興奮伝導系における病巣活動を識別するために、生物磁気発生場所特定を心臓学において使用できる。特に、Wolf‐Parkinnson‐White症候群 におけるように付属通路、心室性期外収縮または心室性頻脈の源の場所をミリメートルの精度で非侵襲的に定めることができる。
【0010】
MCGの潜在的な重要性は、それが完全な非侵襲の非接触診断および機能的画像形成法であって、その方法では、何百人もの心臓動脈疾患患者を対象としたいくつかの臨床研究において非常に高い感度および特効性が示されている。
【0011】
磁気遮蔽の外で測定された磁気心電計は心臓の信号に重畳された環境ノイズの悪影響を受ける。3つの種類のノイズ、すなわち、一様なノイズ(たとえば、地球の磁界)、確率的ノイズ(白色ノイズ、狭スペクトラムノイズ(colored noise)、1/fノイズ)、および決定論的ノイズ(たとえば、電力スペクトラムにおけるピークが50/60Hzにある電力線擾乱)、を識別できる。一様なノイズ成分および決定論的ノイズ成分は信号より何桁も大きいことがしばしばある。また、確率的ノイズおよび決定論的ノイズは時間的に変化するので適応ノイズ打ち消しが求められる。
【0012】
決定論的ノイズ成分は低周波、中間周波または高周波のことがある。低周波の決定論的ノイズ(0.1ないし1Hz)は運転中のエレベーター、動いている金属製ドア、動いている金属製椅子、またはその他の動いている金属(磁性)物体に通常起因する。除細動器、ペースメーカー、胸骨ワイヤまたは歯科治療材料などの磁性埋め込み物は患者の呼吸数で振動することがある。呼吸は磁性部材を動かし、その結果として通常は大きな振幅の心臓時系列がずれることになる。更に、人体内の磁性部材は心臓の機械的なポンプ作用によって震動することがある。そうするとその震動の数は心拍に強く相関させられて、「相関ノイズ」と一般に呼ばれているものが生ずることになる。
【0013】
中間周波の決定論的ノイズ(1ないし20Hz)は回っているファン、空調機、またはその他の臨床機器によって通常発生される。建物や装置自体の震動や磁束の急激な変化もこの中間周波範囲内で擾乱をひき起こすことがある。
【0014】
高周波ノイズ(>20Hz)は電源、モニタ周波数、またはその他の電子装置に起因するのがほとんどである。
【0015】
それら種々の決定論的ノイズ源は、磁気心電計検査解析のために求められる有 用で歪みのない磁気心電計検査[MCG]データを取出すことを困難にする。
【0016】
そのような望ましくないノイズを減少または信号から除去することを試みて多くの技術が利用されてきた。利用される最も一般的なノイズ減少法は、低域フィルタ、高域フィルタまたはノッチフィルタを用いる旧式の濾波に組合わせたハードウェアおよびソフトウェアのグラジオメトリー技術である。
【0017】
各種の旧式フィルタはこの領域では性能が良くなかった。フィルタは適応的ではなく、それらを使用すると、特にノッチフィルタの場合に、信号の保持が不十分になる結果となる。
【0018】
一次または高次のハードウェア・グラジオメトリーがより低い次数の一様な磁界または傾斜磁界を抑制するために利用されてきた。この方法は、たとえば、一様な地球磁界の影響を効率的に減少し、心臓の信号にほんの僅かな影響を及ぼすだけである。しかし、近くの源から生じ、空間的に大きく傾いている決定論的ノイズ成分および確率的ノイズ成分は、高精度の高次グラジオメーターによってさえも十分には抑制されない。また、そのグラジオメーターは製造が困難であり、したがって高価である。
【0019】
決定論的ノイズを除去するために最も成功した先行技術の方法は多数の基準センサを使用することである。相互相関技術を種々のやり方で適応的に適用することにより(Robinson、「生体磁気測定のための環境ノイズ打ち消し(Environmental Noise Cancellation For Biomagnetic Measurements)」(1989)、およびRueders他、「周波数依存グラジオメトリー:磁気心電計検査に応用した新規な改良した非侵襲ノイズ打ち消し法(Frequency Dependent Gradiometry:A New Non‐Imvasive Method Of Improved Noise Cancellation Applied To Magnetocardiography)(1989)」)、ノイズのピークが相関させられているならば、ノイズピークを信号センサから差し引くことが可能である。この文脈では、相関させられているというのは(決定論的)ノイズが自己相関させられているが、信号とは相関させられていないことを意味する。
【0020】
多重センサ技術での問題は、十分なノイズ傾き抑制のためには、少なくとも7個、および25個までの基準センサを必要とすることである。
【0021】
更に、多重基準センサは、相互相関信号処理に結び付けられたとしても、確率的ノイズの問題である、信号識別および解析における大きな問題を解決できない。確率的ノイズは、全く相関しないので、多数の基準センサ手法で取扱える。
【0022】
確率的ノイズを信号から減少または除去するために多くの試みが行われてきた。状態空間内での局部的投射と共分散マトリックスを用いる方法(「心電図用の非線形ノイズ減少(Nonlinear Noise Reduction For Electrocardiograms)」と題するSchreiber他の論文、Chaos 6:87、(1995)におけるように)が、確率的ノイズの減少に有用であることが示されている。この方法では、信号の特徴が状態空間内の場所に配置されて、共分散マトリックスの最大の固有値により示されているノイズなしサブ空間に投射される。この方法は良く機能するが、それは状態空間内の信号のサブ空間の次元が既知である時のみである。
【0023】
一般に、ノイズレベルが高い場合には、状態空間内の信号のサブ空間の次元は既知ではなく、固有値のスペクトラムは平坦である。
【0024】
磁気心電計検査(MCG)では、非線形ビーム形成器などの空間濾波に対する数学的手法、特に合成開口磁力計法、が、S.E.RobinsonおよびJ.Vrba、平均されていないMEGのためのSAMおよびMUSIC性能の比較(Comparison of SAM and MUSIC Performance for Unaveraged MEG)と、フィンランドHUT、Espooにおいて開催された、第12回国際生体磁気会議(12th International Conference on Biomagnetism)の生体磁気2000議事録(Proceedings of Biomag 2000)、所載の、J.VrbaおよびS.E.Robinson、合成開口磁力計法と線形ビーム形成器の違い(Differences between Synthetic Aperture Magnetometry and Li near Beamformers)に記述されているように、脳内の電気的活動源および磁気的活動源の場所を特定するために用いられてきた。
【0025】
そのような方法はノイズ分離のためにも役立つ。しかし、著者らによれば、合成開口磁力計法または類似の方法はMCGには容易に応用されそうもない。主な理由は人の心臓は、脳内の非常に局限された活動源とは異なって、少なくとも心臓サイクルのQRS期間とST期間においては、空間的に拡げられた電気源および磁気源を表すからである。
【0026】
したがって、現在までは、磁気心電計データ中のあらゆる種類のノイズを十分に減少するために満足できる技術は利用できなかった。
【0027】
この分野におけるいくつかの先行技術の特許および文献について以下に述べる。いくつかの特許は信号からノイズを除去するためにウエーブレット変換を利用する。
【0028】
ゼネラル・エレクトリック・カンパニーに譲渡された、超音波画像形成における点在ノイズ濾波(Speckle Noise Filtering InUltrasound Imaging)という名称の米国特許第5,497,777号で、Abdel‐Malek他は、ウエーブレット変換を用いて対象とする信号からノイズを濾波する方法を開示している。ノイズ成分が寄与するウエーブレット変換係数のいくつかが無くされ、真の信号に属する係数のみが逆変換される。その逆変換はノイズ成分の無い真の信号に近似するものを回復する。
【0029】
しかし、この手法は、ノイズと信号が種々の係数により表され、かつ、特に、いくつかの係数に重畳していないという仮定を基にしている。また、ノイズに属している係数のみを除去するためには、どの係数が信号情報を含んでおり、どの係数がノイズを含んでいるかについて知ることが求められる。
【0030】
カウンシル・オブ・サイエンティフィック&インダストリアル・リサーチ(Council of scientific & Industrial Research)に譲渡された、複素複合信号の識別と、複素複合信号の決定論的成分およびノイズ成分への分離との少なくとも一方を行う方法および装置(Method And An Apparatus For The Identification And/Or Separation Into Its Determinisitic And Noisy Components)という名称の米国特許第6,208,951号で、Kumar他が、ウエーブレット変換を用いて対象とする信号からノイズを濾波する方法をまた開示している。ウエーブレット変換の諸特性およびそれの種々の次元を用いてノイズ成分が無くされる前に、複合信号がウエーブレット変換されて真の信号とノイズ信号を分離し、所望の信号を回復する。
【0031】
この手法の問題は、ウエーブレット変換を実行する前に信号とノイズを分離することを要することである。これは、測定されるMCG時系列ではそうではない。したがって、ウエーブレット変換を実行するために信号とノイズを予め分離することを要しない技術を要する。必要とするものは、ウエーブレット変換を適用すると所望の分離(鋭い固有スペクトラム)を行えるようにするやり方で時系列を再編成する技術である。
【0032】
フォード・グローバル・テクノロジーズ社(Ford Global Technologies,Inc.)に譲渡された、信号中のパルス状成分および非パルス状成分の分離方法および装置(Method And Apparatus For Separation Of Impulsive And Non‐Impulsive Components In A Signal)という名称の米国特許第6,249,749号で、Tran他が、ウエーブレット変換係数に対して統計解析を行い、種々の信号へのそれの寄与を検出することにより、複合信号内の2つの信号を分離する方法を開示している。いずれかの信号に寄与する係数は、各信号を個々に回復するために別々に逆変換される。
【0033】
Kumar他のように、Tranは信号成分とノイズ成分を予め分離することを要する。それらの特許はノイズからの信号の分離のためにウエーブレット変換を使用する最も簡単なやり方を反映している。
【0034】
非特許文献にもノイズ減少技術が開示されている。L.Rebollo‐Neira、A.Costantinides、T.Stathakiが「フレームをベースとするウエーブレットによる圧縮およびノイズ減少のための信号表現(Signal Representation For Compression And Noise Reduction Through Frame‐ Basede Wavelets)」、IEEE Trans.Signal Processing 46(3):587−597(1998)において、ウエーブレット変換を用いるノイズ減少法について論じている。この論文は、信号がノイズで汚染されていることがあると仮定されているくつかのウエーブレットサブ空間の抑制について述べている。
【0035】
Leder他の「遮蔽されていない環境におけるHTS‐SQUID磁気心電計検査の再生可能性(Reproductivity of HTS‐SQUID Magnetocardiography in an Unshielded Environment)」が、高温超伝導(HTS)センサを用いて人の心臓の磁界を測定する技術を開示している。それらのセンサは液体窒素の温度で電磁遮蔽なしで動作させられる。この論文は依然として見付かっていない万能ノイズ打ち消し技術に対する需要を強調している。
【0036】
HTS SQUID技術は遮蔽の外部の磁気心電計を測定するためにはまだ適切ではない。いくつかの有望な結果は存在するが、高温超伝導体は低温超伝導体と比較して感度が低い(4〜5分の1)。これはシステムの性能を常に低下するので、拍動の磁気的特徴(signature)における詳細はHTS装置では現れない。それは胎児のMCGに対しては一層悪い。その理由は胎児のMCGの磁界の強さが成人におけるそれより少なくとも1桁弱いからである。
【0037】
Kochが、SQUID磁気心電計検査:現状および見通し(SQUID magnetocardiography:Status and perspectives)、IEEE Transactions on Applied Superconductivity 11:(1)49−51、第1部(2000年3月)で、改良したノイズ抑制技術などのSQUIDシステムにおける最近の進歩について詳述し、より高い磁界感度(特にHTSQUIDsに対して)、リアルタイム選択、ベクトル磁力計および新規な信号解析手法が、実用的な臨床使用への磁気心電計検査技術の実現を最近まで妨げてきた技術的制約を顕著に低減した。この論文はSQUID磁気心電計検査における現在の状態を要約している。
【0038】
Zhang他が、遮蔽されていない環境内での磁気心電計検査のための第2種 、高温超伝導グラジオメーター(Second‐Order,High‐Temperature Superconducting Gradiometer For Magnetocardiography In Unshielded Environment)、Applied Physics Letters 76:(7)906−908、2000年2月14日で、遮蔽されていない環境内での磁気心電計検査のための第2種、高温超伝導グラジオメーターを開示している。この高温SQUIDシステムは信号対ノイズ比、空間分解度、周波数帯域幅、環境擾乱の除去、および長期間安定性等についての諸考察の面で磁気心電計検査のために診断的に関連するものであることが示されている。Zhangは、患者のベッドで直接使用できる、携帯可能なデュワー内の遮蔽なし単一チャネルシステムを開示している。低温超伝導体SQUID性能と比較して、それは非常に弱い。しかし、それの性能は梗塞の患者におけるST‐セグメントに対するそれの狭い意図された使用には十分であるかもしれない。
【0039】
Robinsonが、生体磁気測定のための環境ノイズ打ち消し(Environmental Noise Cancellation For Biomagnetic Measurements)、生体磁気における進歩(Advances in Biomagnetisb)、Plenum Press,New York 1989で,生体磁気のノイズ除去技術の現状についての全般的な説明を行っている。この論文は基準センサの使用と、相互相関技術を基にしたノイズ打ち消しについて記述している。
【0040】
この論文は相互相関ノイズ除去のための主要な典拠である。この文献に記述されている手法はノイズ除去のために現在商業的に利用されている。この論文では、必要な基準センサの最少数は7であることが判明している。
【0041】
ソフトしきい値形成法によるノイズ除去(Denoise By Soft‐Threshholding),IEEE Trans.Inform.Theory 41:613,(1995)、はウエーブレット係数のハードしきい値またはソフトしきい値が、Effern他、「事象に関連する可能性へ応用する過渡信号の非線形ノイズ除去(Nonlinear Denoising Of Transient Signals With Application To Event Related Potentials)」、Physics D 140(3−4)、6月15日(2000)により記述されているように、状態空間内でさえも信号回復に良く適する。
【0042】
この論文はEEG時系列から過渡事象を除去することを提案している。患者に刺激を加えることにより事象に関連する可能性(ERPs)がひき出される。脳内の対応する領域が特定の応答波形を示す。その波形はそれの極性および事象後の時間に従って、分類される。Effernは、信号対ノイズ比(SNR)が1よりはるかに小さい非常に弱い波であるP300を解析した。P300は通常は何ミリ秒かの間だけ生ずるのでノイズ除去は非常に困難である。
【0043】
Effernの重要な概念はいわゆる円形埋め込みである。彼は、彼が単一のP300時系列の全てを1つの「大きな」時系列に連続して加え合わせることによりつくった人工時系列を埋め込むためにTakenの理論を用いた。埋め込まれたベクトルのウエーブレット変換は過渡事象を彼が識別することを支援し、その後で彼はそれを除去した。
【0044】
上記先行技術の明確な長所、特徴および利点がどのようなものであっても、先行技術のいずれも磁気心電計データ中のあらゆる種類のノイズを十分に減少するための共通の技術を開示していない。
【0045】
それの他の用途に加えて、胎児の磁気心電計検査に使用するためにそのような手法を開発することが極めて望ましい。胎児の磁気心電計検査は代わりの胎児監視法としての可能性を持つ。胎児の心臓信号は成人のそれの10分の1弱いので、より高い磁界分解度が求められる(成人では<10ft/Hz1/2対<50ft/Hz1/2)。幸いなことに、25Hzというようなかなり限られた信号帯域幅で通常十分である。
【0046】
これまでは、磁気遮蔽されている部屋(MSR)の内部での胎児の磁気心電計検査のみが文献に納得できるようにして示され、報告されてきた。遮蔽なしでグラジオメーター、特にHTSグラジオメーター、を使用する試みは、これまで、あまり成功しなかった。妊娠の第3の3か月では、腹腔リードを用いて電気的活動を測定することは確実には可能ではない。その理由は、この期間中は胎児上に電気絶縁層、vernix caseosa、が存在するからである。磁界は体 組織を通じて余り乱されることなく伝播するので、胎児の磁気心電計検査を胎児のECGよりも一層精密に記録することが可能である。
【0047】
胎児の磁気心電計検査は信号の形、心臓時間間隔および心拍可変性を調べるために使用できる。こうすると胎児の心臓興奮伝導系、不整脈、先天性心臓疾患、成長、自律神経系の発達、アシドーシスおよび胎児のストレスを評価できる。
【0048】
胎児の磁気心電計検査を基にした胎児の心臓診断の現在の状態の概観が、1999年9月26日にドイツ、Jenaにおいて開催された第4回Hans Berger会議(4th Hans Berger Conference)のサテライト・シンポジウム(SATELLITE Symposium)のA.L.Pastuzark編の胎児の健康最前線における胎児生体磁気(FetalBiomagnetism in Frontiers in Fetal Health)1:(5)に与えられている。
【0049】
胎児の磁気心電計検査の重要性はそれの独特のモニタ性能および診断性能に存する。胎児の磁気心電計検査の種々の報告された可能な診断用途は2つの適用期間、すなわち、妊娠中と分娩時、に分けることができる。
【0050】
妊娠中は胎児の磁気心電計検査は、1]特に心臓不整脈または興奮伝導系の擾乱(AVブロック)が疑われる時の、心臓の律動の解析、2]胎児におけるPR間隔の解析および危険状態にある(紅斑性狼瘡、自己免疫疾患、等)胎児個体の第1度AVブロックの診断、3]QRSコンプレックス(QRS complex)の振幅の解析と心室が肥大している胎児(糖尿病の母親、ステロイドを投与されている等の母親の胎児)の診断および追跡診断、4]再分極段階(repolarization phase)(たとえば、胎児の虚血に関連するSTセグメント変化)の解析、5]良好な胎児(心拍数が可変である)の評価、および6]胎児の磁気心電計検査が利用できる唯一の方法であるような長いQT症候群から危険である胎児の検出、に使用できる。
【0051】
分娩期間中は胎児の磁気心電計検査を1]分娩の種々の段階中に良好な胎児の評価(HRV研究)、2]良好である/苦しんでいる胎児についての有用な情報を得るためにAV伝導(PR間隔)の直接解析、および3]胎児が苦しんでいる間の心臓虚血についての有用な情報を得るためにSTセグメント解析、に使用できる。
【0052】
したがって、本発明の目的は妊娠期間中および分娩期間中に胎児の健康を診断および解析するための手法を得ることである。
【0053】
また、本発明の目的は、測定された磁気心電計時系列または心電計時系列から決定論的ノイズおよび確率的ノイズをほとんど無くす効果的な装置および方法を得ることである。
【0054】
本発明の目的は、磁気心電計検査または心電計検査から得られた信号のノイズ除去に特に関して、適応ノイズ打ち消し法を得ることである。
【0055】
本発明の別の目的は確率的ノイズを除去するためにただ1つの基準センサを利用する適応ノイズ打ち消し法を得ることである。
【0056】
本発明の目的は状態空間内の信号サブ空間が既知でないような適応ノイズ打ち消し法を得ることである。
【0057】
本発明の別の目的は、時系列の簡単なウエーブレット変換が、ノイズ成分からの信号の分離を通常妨げるものである平坦な固有スペクトラムを持つような場合の適応ノイズ打ち消し法を得ることである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0058】
本発明は、測定された磁気心電計または心電計からの決定論的ノイズまたは確率的ノイズを、既知の先行技術方法よりも効果的にほとんど無くす装置および方法を提供するものである。それは、信号がほぼ決定論的であることを要するのみである。これは、持続時間が4秒またはそれより長い磁気心電計または心電計の時間セグメントが使用されるような場合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
私は、ウエーブレット係数のハードしきい値またはソフトしきい値が、状態空間内での信号回復に良く適していることを発見し、この技術を磁気心電計時系列信号または心電計時系列信号のノイズ除去に適用した。
【0060】
本発明は、決定論的構造を特定および記述するためにウエーブレット変換を用いて、再構成された状態空間内で局部的な投射を行うことにより、磁気心電計時系列信号または心電計時系列信号の非線形ノイズ除去(NLD)方法および装置を提供するものである。したがって、目標はそれの源(心臓のノイズまたは信号 であろうとも)とは独立に任意の決定論的なプロセスにより発生されたサブ空間の場所を特定し、分離することである。この方法はサブ空間を確率的ノイズからまず分離することより成る。
【0061】
観察される系のダイナミックな諸特性を表すためには、時間領域の代わりに再構成された状態空間内で動作することが有用である(F.Takens、「擾乱している奇妙な誘因物の検出(Detecting Strange Attractors in Turbulence)」、Lecture notes in math.,New York、1981)(図1のa))。少なくとも近似的な決定論的システムは密に存在している軌道になり、かつサブ空間(図1のb))に制約され、一方、確率的プロセスが全状態空間内で無作為に分布させる。決定論的信号に白色ノイズを重畳すると密に存在している主軌道が歪まされる(図1のc))。
【0062】
状態空間内で決定論的構造を特定および記述するためには、状態空間ベクトルを適切な基準システムに変換すると有用である。「適切な」というのは基準関数を見出すことを試みることを意味する。それは存在する特定の決定論的構造に最も良く適応する。
【0063】
向き情報を圧縮できるという事実のために、新しい基準システムの領域内でほんのわずかな係数によって決定論を記述することが可能である。対照的に、確率的ノイズは圧縮できず、したがって、完全な基準係数のセットを再現することを必要とする。
【0064】
ウエーブレット変換はウエーブレットと呼ばれる多数の非常に適応的な基準関数を提供する。信号x(t)でたたみこまれた基準関数(ウエーブレット)の翻訳と拡張によりそれは定められる。付加換算係数(ほとんどは2の冪)がウエーブレット変換を数学的顕微鏡のように機能させる;それは種々の尺度にある1つの観察信号情報をそれの場所に依存させる。正確にはこの特性は有用である。その理由はウエーブレット領域内で状態空間ベクトルの多重分解度表現を得るからである(図1のd))。
【0065】
ウエーブレット変換の一般的な数学的背景は周知であって、多重分解度信号分解理論:ウエーブレット表現(A Theory For Multireso lution Signal Decomposition:The Wavelet Representation),IEEE Trans.Pat.Rec.Mach.Intel. 11:674,(1989)、という標題のMallat他の論文に概略を見出すことができる。利用できる文献およびウエーブレット応用を包含している包括的なデータベースがAmara Grapsウエブサイト:http://www.amara.com/current/wavelet.html.に提示されている。
【0066】
最適なウエーブレットを選択することは重要である。最適に選択されたウエーブレット(解析関数)は信号を最も良く表すものである。たとえば、高速フーリェ変換では、解析関数正弦波および余弦波である。純正弦波に適用すると、高速フーリェ変換はスペクトラム中に1つのピークを生ずる。しかし、長方形パターンに高速フーリェ変換を適用するには、このパターンを適切に記述するために膨大な数の係数を要する。このことはウエーブレットでも同じであって、ウエーブレットが対象とする関数(ここでは心臓の鼓動)に良く合致するほど良い。問題指向ウエーブレットを構成することが可能であり、それはウエーブレット変換の大きな利点である。本発明の目的のために、この場合の最良の選択はフィルタ次数6を用いる周知のCoifletである。Haarウエーブレットタイプ、Morletウエーブレットタイプ、Mexican Hatウエーブレットタイプ,双直交スプライン・ウエーブレットタイプ、Daubechiesウエーブレットタイプ、Malvarウエーブレットタイプ、Lemarieウエーブレットタイプ、Meyerウエーブレットタイプ、およびSymletウエーブレットタイプなどの他のCoifletウエーブレット変換を使用することができる。
【0067】
最適に選択されたウエーブレットは信号に関連する向きを表すウエーブレット係数に高いエントリを与え、確率的ノイズに関連する向きを表すウエーブレット係数に低いエントリを与える(図1のe))。これによって、信号の決定によりひき起こされる最大分散の向きへ向かって投射するための収縮条件を定めることができるようにされる。最後に、逆ウエーブレット変換が、挟雑物をなくされた時系列を再構成できるものである状態空間ベクトルを回復する。
【0068】
決定論的ノイズが付加サブ空間を充たす。それは多様な信号から分離すべきである。ノイズに関連するサブ空間は、ノイズを付加基準センサに記録し、状態空間ベクトルをウエーブレット基準システムに変換することにより、場所を定められかつ記述される。その後で、源センサの時系列中の状態空間ベクトルの特徴が特定され、状態空間内での簡単な差し引きが実行される。この手順は一般の相互相関技術より優れている。その理由は決定論的ノイズのダイナミックな諸特性が考慮されているためである。この目的のためにはウエーブレット変換は決して用いられておらず、特に基準センサに結び付いては用いられなかったと信ぜられる。
【0069】
説明しているノイズ減少法は磁気心電計から有用なデータを得るのに特に有用である。挟雑物をなくされた信号の特に有益な使用は妊娠している母親の、特に人の、体内の胎児の良好な状態の判定にある。妊娠のある段階中は胎児のECGを記録することは、胎児の絶縁脂肪層のために、非常に困難である。組織の透磁率は自由空間内のそれであるので、胎児のMCGはその困難を免れる。しかし、これまでは、胎児の信号が非常に弱いことと、使用できないほど低い信号対ノイズ比のために、遮蔽の外部のSQUID装置を使用しての胎児の心臓異常の存在を診断することは不可能であった。ここで説明している技術を用いると、母親から受けた信号を胎児のそれから分離することと、胎児の心拍異常を判定することが今や可能である。
【0070】
開示されているNLD技術はSQUID技術とともに大きな利点を提供もする。SQUID磁気心電計検査では遮蔽室は不要である。しかし遮蔽がないとノイズが増加して、ここで説明しているような強力なノイズ打ち消し技術を要する結果となる。
【0071】
本発明の方法の重要な面の1つは適応しきい値化を使用することである。ここで使用しているように、しきい値化とはウエーブレット係数の固有スペクトラムを分割することである。
【0072】
時系列を状態空間内に埋め込んだ後で、単一の状態空間ベクトル「x」のおのおのに対して最も近いものの探索が行われ、ウエーブレット変換が適用される。その後で、「x」に最も近いものである変換された全てのベクトルから平均を求 めることにより、質量中心ウエーブレットがつくられる。
【0073】
ノイズと信号により占められているサブ空間を完全に分離することが可能であるならば、強力なしきい値化を実行できる。その場合にはノイズに属する全ての係数が零にセットされ、残りがそのまま保たれる。しかし、一般に、サブ空間は重なり合っているので、適応しきい値化を求められる。それはある係数が信号情報とノイズ情報を含んでいるという事実を説明する。
【0074】
ソフトしきい値化では、ノイズ係数は零(ハード)にはセットされず、ある値、たとえば、平均値(ソフト)、にセットされる。これはそれら特定の係数のある情報を保持するがそれの重要性は減ずる。信号のサブ空間と重なり合うノイズが多いとそれらを分離することが一層困難であり、適応しきい値化が一層重要となる。
【0075】
NLDの数学的方法論を支える概念は、決定論的信号構造を特定および記述するためにウエーブレット変換を用いる再構成された状態空間内の局部的な投射の性能である。目標は、それの源(それが心臓のノイズであれ、信号であれ)とは独立な任意の決定論的プロセスにより発生されたサブ空間の場所を定め、分離することである。この手順は、(1)確率的ノイズからのサブ空間の分離、(2)種々のサブ空間の分離、の2つの部分より成る。それらについては下で説明する。
【0076】
観察されているシステムのダイナミックな諸特性を表現するためには、時間領域の代わりに再構成された状態空間内で動作すると有用である。図1のa)は標本時系列のx成分の時間領域のグラフを示す。それは
【0077】
【数1】
Figure 2005503855
【0078】
として知られており次のように定義される。
【0079】
n+1=1.4−xn 2+0.3yn
n+1=xn
明らかに、基礎を成す(決定論的)システムのいかなるダイナミック特性も認識することが困難である。
【0080】
【数2】
Figure 2005503855
【0081】
の時間遅延埋め込みによって次の状態空間ベクトルが導かれる。
【0082】
【数3】
Figure 2005503855
【0083】
ここにτは時間遅延を示し、mは埋め込みの次元を示す。
【0084】
【数4】
Figure 2005503855
【0085】
の状態空間は図1のb)に与えられている。ここで、τ=1とm=2を用いると状態空間ベクトルの成分が、成分xn+τをxnに対して描くことにより二次元グラフで示されている。少なくとも近似的な決定論的システムが密に存在する軌道を導き、それは、確率的過程が状態空間全体にわたって無作為な分布を行わせるようなサブ空間に制約される。
【0086】
決定論的信号に白色ノイズを重ねると密に存在する主軌道が歪まされる。図1のc)の左のグラフは図1のb)のいくつかの(集められた)軌道の抜粋したものを示す。ノイズをこの抜粋に重ねた効果が図1のc)の右の部分に示されている。
【0087】
次のステップは状態空間内で決定論的構造を特定しかつ記述することである。この目的のためには、状態空間ベクトルを適切な基準システムに変換すると有用である。「適切」というのは決定論的構造に最も良く適応する基準関数を見出すことを試みることを意味する。この場合には新しい基準システムの領域内で僅かな係数によって決定論を記述することが可能である。これは、向き情報を圧縮できるという事実による。対照的に、確率論的ノイズは圧縮できず、したがって、基礎係数の完全なセットを再生する必要がある。
【0088】
ウエーブレット変換はウエーブレットと呼ばれる多数の極めて適応的な基準関数を与える。それは信号x(t)でたたみこまれた基準関数(ウエーブレット)の翻訳と拡張により定められる。付加換算係数(ほとんどは2の冪)がウエーブレット変換を数学的顕微鏡のように機能させる;それは種々の尺度にある1つの観察信号情報をそれの場所に依存させることを意味する。正確にはこの特性は有用である。その理由はウエーブレット領域内で状態空間ベクトルの多重分解度表現を得るからである(図1のd))。
【0089】
最適に選択されたウエーブレットで、信号に関連する向きを表すウエーブレット係数内の高いエントリと、確率的ノイズに関連する向きを表すウエーブレット係数内の低いエントリを期待できる(図1のe))。これによって、信号の決定論によりひき起こされる最大分散の向きへ向かって投射するための収縮条件を定めることができるようにされる。最後に、逆ウエーブレット変換が、挟雑物をなくされた時系列を再構成できるものである状態空間ベクトルを回復する。
【0090】
ウエーブレット係数の適応(ハードまたはソフト)しきい値化が、状態空間内 においても信号回復に良く適しており、かつMCG時系列信号またはECG時系列信号のノイズ除去において重要である。
【0091】
決定論的ノイズが付加サブ空間を充たす。それは多様な信号から分離すべきである。MCGへの適用においては、ノイズに関連するサブ空間は、ノイズを付加基準センサに記録し、かつ状態空間ベクトルをウエーブレット基準システムに変換することにより、場所を定められかつ記述される。その後で、源センサの時系列中の状態空間ベクトルの特徴が特定され、状態空間内での簡単な差し引きが実行される。この手順は一般の相互相関技術より優れている。その理由は決定論的ノイズのダイナミックな諸特性が考慮されているためである。
【0092】
NLDの重要性は、信号の徹底的な平均化と濾波(両方とも測定すべき信号を歪ませる)に頼ることなく、何桁も強いノイズから弱い有用な生体電気や生体磁気を分離できる潜在的なそれの性能にある。
【0093】
この新規なノイズ除去法の効果を示すために、主センサにより記録された純粋な信号として200Hzで記録された、健康な患者の心電計データを用いて模擬された信号にそれを適用した。
例 1
健康な心臓の5秒間ECG記録から出発して、模擬された信号にNLDが適用され、200Hzの帯域幅で記録され、主センサから純粋な信号として取られた。このECGは50Hzノッチフィルタと100Hzの第2種低域フィルタにより予め濾波された(図2aと図2b)。
【0094】
それに続いて、心電計の分散と呼ばれている30%の振幅の分散と、決定論的ノイズが白色ノイズに加えられる。決定論的ノイズの周波数ピークは16 2/3Hz、50Hz(ヨーロッパにおけるレール電源および低調波)、および60Hz(信号解析システム)で、振幅分散は100%であった。
【0095】
決定論的ノイズの周波数ピークは16 2/3Hz、50Hz(ヨーロッパにおける電源および低調波)、および60Hz(信号解析システム)で、振幅分散は100%であった(図2cおよび図2d参照)。上記パラメータと同じパラメータを用いるが、更に、決定論的ノイズ成分に対して振幅の分散と一定の位相推移がある、基準ノイズ時系列がつくられた。
【0096】
図2cは白色ノイズが重畳されている信号を示し、図2dは結果としてのノイズスペクトラムを示す。基準時系列は、上記パラメータと同じパラメータを用いるが、更に、決定論的ノイズ成分に対して振幅の分散と一定の位相推移があるノイズをつくることにより発生される。
【0097】
ウエーブレット変換と状態空間内での差し引きの後で、図2eは挟雑物のない時系列を示す。基準時系列は、上記パラメータと同じパラメータを用いるが、更に、決定論的ノイズ成分に対して振幅の分散と一定の位相推移があるノイズをつくることにより発生される。図2fは、ウエーブレット変換と状態空間内での差し引きの後の心電図の周波数スペクトラムを示す。
【0098】
心拍(ノイズ除去の質の良い指標)の間の基線にはノイズがほとんど無いことを推論できる。したがって、本発明の方法は信号保持とかなりのノイズ減少を行った。
例 2
測定される信号データの例として、研究用HTSQUID装置を用いて遮蔽室の外部で記録された、健康な患者の磁気心電計から得られたデータが図3に示されている。図3aに示されているように、[5]秒の磁気心電計信号が得られた。患者の心拍は図3aではかろうじて見えるだけである。同時に記録されたノイズ時系列が図3cに示されているように記録された。
【0099】
図3aに示されている信号の周波数スペクトラムが図3bに示されている。図3cに示されている信号の周波数スペクトラムが図3dに示されている。スペクトラム中の50Hzピークの幅のためにノッチフィルタは使用しなかった。
【0100】
この測定のために、基線が7cmである第1種の2つの軸線方向グラジオメーターを7cmの高さを隔てて相互に上下に配置した。この例では、上のグラジオメーターが基準信号を記録した(図3cと図3d)。
【0101】
図3eと図3fは時系列を、このノイズ除去法の結果として得られたそれの対応するフーリェスペクトラムと共に示す。図3eの再構成された磁気心電図(MCG)では、心拍のかなりの詳細が明らかにされている。また、心拍の間の基線にはノイズがほとんど無い。
例 3
図4a〜4bは先行技術のノイズ除去技術の1つに対する本発明の装置および方法の優秀性を示す。
【0102】
この方法を基にした例2のデータセットの解析が図4aと図4bに示されている。「非線形時系列解析(Nonlinear Time Searies Analysis(TISEAN),)という標題のHegger他の論文、参照することによりここに含まれる、に記述されているツール「ghkss」がそのデータセットを解析するために用いられる。これは「心電図用非線形ノイズ減少(Nonlinear Noise Reduction For Electrocardiograms)」(Chaos6:87,1995)のアルゴリズム形式である。
【0103】
ツール「ghkss」はそのデータセットに適用され、図4cと図4dに示されている結果を得た。明らかに、NLDはこの場合にはより良好なノイズ減少質に到達し、それはそれぞれの残留物により明らかにされている(図4eと図4f参照)。これは、「ghkss」が状態空間内で重なり合っているサブ空間を分離できないという事実による。これはNLDの最も重要な特徴の1つである。
【0104】
これを示すために、同じデータの解析が、「心電図用非直線ノイズ減少(Nonlinear Noise Reduction For Electrocardiograms)」(Chaos6:87,1995)という標題のSchreiber他の論文、参照することによりここに含まれる、に記述されている技術を基にして実行される。要約した形式で、この方法は共分散マトリックスを用いて状態空間内の局部的投射を行うことにより確率的ノイズを減少する。信号の特徴の場所が状態空間内で定められて、共分散マトリックスの最大固有値により示されているノイズなしサブ空間上に投射される。この方法は良く機能するが、状態空間内の信号のサブ空間の次元が既知である場合に限られる。
【0105】
解析の結果が図4cと図4dに示されている。NLDはこの場合により良好な質のノイズ減少に到達する。これはそれぞれの残留ノイズによっても示されている(図4eと図4f)。NLDの残留物は「ghkss」のそれよりはるかに少ない。その理由は、NLDとは対照的に、「ghkss」は状態空間内の重なり合っているサブ空間を分離できないが、NLDはできる、という事実による。そ の分離性能はNLDの最も重要な特徴である。
【0106】
NLDを他の既存の技術とも比較した。周波数依存グラジオメトリー(FDG)とNLDを同じMCG資料に適用したが、NLDははるかに優れたノイズ除去を行ったことが判明した。
例 4
この例はMCGを用いた胎児の心拍の測定へのこの方法の適用可能性を示す。図5aは、遮蔽内でのLTSQUIDによる妊娠中の女性から記録された時系列の3秒間の抜粋を示す。図5bでは50Hzにおける典型的なノイズピークが失われている。これは遮蔽室の使用を示す。最初のNLDステップでは決定論的ノイズ成分が除去される。
【0107】
図5cは第2のNLDステップ後の結果を示す。母親のMCGは人の低頻度(呼吸)動作で依然として汚染されていることを見ることができる。それは、観察時間を長くすることにより除去できる。図5dにおけるそれのパワースペクトラムにはノイズのピークはなく、白色ノイズのレベルが低下させられたことを示す。
【0108】
母親のMCGを時系列から除去し、NLDを再び適用すると、胎児のMCGのQRS複合物が図5eに示されているように得られる。以前に重ね合わされていた心拍でも分離されることに注目されたい。図5fに示されている胎児のMCGのスペクトルエネルギーははるかに小さいが、図5dに示されている母親のそれのスペクトルエネルギーと同じ帯域幅内に含まれている。これは極めて適応性に富むノイズ除去法の重要性を更に示すものである。
【0109】
この発明のプログラミングはデジタル信号処理技術の当業者によって実現できる。
【0110】
上記例はウエーブレット変換を用いての磁気心電図の非線形ノイズ除去法の効果的な実現を示すものである。種々の好適な実施形態を示しかつ説明したが、そのような開示により本発明を限定する意図はなく、むしろ、添付した特許請求の範囲で規定されているように、本発明の要旨および範囲内に入るあらゆる変更および代替構造を含めることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】a)時間的に見た観察されている系を表す。b)再構成された状態空間に関して見た観察されている系を表し、少なくとも近似的に決定論的な系の密に存在する軌道を示す。c)信号にノイズが混じる前および混じった後の図1bの状態空間の一部を示す。d)ウエーブレット領域内の状態空間ベクトルの多重分解表現である。e)信号に関連する向きを表すウエーブレット係数における高エントリと確率的ノイズに関連する向きを表すウエーブレット係数における低エントリを示す。
【図2a】主センサにより記録された純粋な信号として200Hzに記録されている5秒間の心電計データを表す。
【図2b】50Hzノッチフィルタおよび100Hz第2種低域フィルタによる事前濾波後の心電計の周波数スペクトラムを示す。
【図2c】白色ノイズが重畳されている図2bの信号を示す。
【図2d】図2cの結果としてのノイズスペクトラムを示す。
【図2e】図2cの信号の状態空間内でのウエーブレット変換および差し引き後の、挟雑物のない時系列を示す。
【図2f】状態空間内でのウエーブレット変換および差し引き後の心電計周波数スペクトラムを示す。
【図3a】遮蔽室外で記録された、心臓信号の主成分(R波)のみが見える、5秒間の磁気心電計信号を表す。
【図3b】図3aの信号の周波数スペクトラムを示す。
【図3c】図3aの同時に記録された5秒間のノイズ信号を表す。
【図3d】図3cに示されている信号のフーリェスペクトラムを表す。
【図3e】このノイズ除去法の結果得られた時系列を示す。
【図3f】図3eの時系列に対応するフーリェスペクトラムを示す。
【図4a】例1のデータを用いる元の時系列を示す。
【図4b】図4aの信号の周波数スペクトラムを示す。
【図4c】ghkssによるノイズ減少後の時系列を示す。
【図4d】図4cの信号のパワースペクトラムを示す。
【図4e】このノイズ除去法を用いる図4aの信号中の残留ノイズを示す。
【図4f】「ghkss」でのノイズ減少後の図4aの信号中の残留ノイズを示す。
【図5a】遮蔽内での低温SQUIDによる妊娠中の女性から記録された3秒間の時系列の抜粋を示す。
【図5b】遮蔽室の使用を示す、50Hzにおける失われている典型的なノイズピークのいくらかを示す。
【図5c】観察時間を長くすることにより除去できる、見えるが、人の低頻度(呼吸)動作で汚染されている母親のMCGを示す、NLD適用後の結果を示す。
【図5d】白色ノイズレベルが低下していることを示す、ノイズピーク無しのパワースペクトラムを示す。
【図5e】時系列からの母親のMCGの除去とNLDの再度の適用後の胎児のMCGのQRS複合物のスペクトラムを示して、以前に重ね合わされた心拍が分離されていることを示す。
【図5a】母親のMCGのスペクトルエネルギーを示す。
【図5f】母親のMCGのスペクトルエネルギー(図5d)よりもはるかに低いが、母親のMCGのスペクトルエネルギー(図5d)と同じ帯域幅内にあり、非常に適応性に富むノイズ除去法の重要性を示す、胎児のMCGのスペクトルエネルギーを示す。

Claims (15)

  1. 決定論的な構造を特定および記述するためにウエーブレット変換を用いて局部的投射を再構成された状態空間内で実行することを備える、磁気心電計または心電計の時系列信号のノイズを非線形的に除去する方法。
  2. 状態空間内で磁気心電計または心電計に関連するサブ空間を特定および記述するためにウエーブレット変換を適用することを備える、磁気心電計または心電計の時系列信号のノイズを非線形的に除去する方法。
  3. 磁気心電計または心電計からの多様な信号から決定論的ノイズを除去する方法であって、
    信号を主信号センサと、主信号センサとは別の少なくとも1つの基準センサとに記録することと、
    Takens理論を用いて、測定された時系列に働きかける状態空間を再構成することと、
    状態空間ベクトルをウエーブレット基準システムに変換することと、
    基準センサの時系列中のノイズの状態空間ベクトルの特徴を特定し、この特徴を源(信号)センサの時系列内に再び配置することと、
    状態空間内のノイズの状態空間ベクトルを差し引くことと、
    挾雑物を除かれた磁気心電計信号を再構成することと、
    を備える磁気心電計または心電計からの多様な信号から決定論的ノイズを除去する方法。
  4. 信号の源が磁気心電計装置または心電計装置内に適切に配置されている適当なセンサからのものである請求項1に記載の方法。
  5. 複合信号のウエーブレット特定ステップと複合信号の分離ステップとの少なくとも一方が個別の双直交および連続ウエーブレットに対して使用される請求項1に記載の方法。
  6. 使用されるウエーブレットが、Haarウエーブレットタイプと、Morletウエーブレットタイプと、Mexican Hatウエーブレットタイプと、双直交スプライン・ウエーブレットタイプと、Daubechiesウエーブレットタイプと、Malvarウエーブレットタイプと、Lema rieウエーブレットタイプと、Coifletウエーブレットタイプと、Meyerウエーブレットタイプと、Symletウエーブレットタイプとより成る群から選択される請求項1に記載の方法。
  7. 使用されるウエーブレットタイプがCoifletウエーブレットタイプである請求項6に記載の方法。
  8. 使用されるウエーブレットタイプがフィルタ次数6を用いるCoifletウエーブレットタイプである請求項6に記載の方法。
  9. 複数の複合信号の特定と分離との少なくとも一方を、信号をいくつかのサブインターバル信号に分割し、回帰ウエーブレット変換を各サブインターバル信号に適用することにより行う請求項1に記載の方法。
  10. 確率的かつ決定論的ノイズを含んでいる磁気心電計または心電計からの標本化された複合信号をそれの信号成分とノイズ成分とに分離する方法であって、
    (a)信号を主信号センサと、主信号センサとは別の少なくとも1つの基準センサとに記録することと、
    (b)サブ空間を確率的ノイズから分離することと、
    (c)個々のダイナミック・プロセスに属している種々のサブ空間を分離することと、
    (c)状態空間ベクトルをウエーブレット基準システムに変換することと、
    (d)源センサの時系列中のノイズの状態空間ベクトルの特徴を特定することと、
    (e)再構成されたノイズを信号時間系列から差し引くことと、
    (f)挾雑物を除かれた磁気心電計信号を再構成することと、
    を備える確率的かつ決定論的ノイズを含んでいる磁気心電計または心電計からの標本化された複合信号をそれの信号成分とノイズ成分とに分離する方法。
  11. SQUID磁気心電計装置から受けた信号のノイズを除去するための請求項10に記載の方法。
  12. 遮蔽されていない磁気心電計からの信号のノイズを除去するための請求項1に記載の方法。
  13. 不整脈と、心筋梗塞と、虚血とで構成されている群から選択された心臓疾患によってつくられた状態空間内にサブ空間が存在することを決定するための請求項1に記載の方法の使用方法。
  14. 携帯型心電計を用いて24時間記録するための請求項1に記載の方法の使用方法。
  15. 母と胎児との磁気心電計からの信号を分離するための請求項1に記載の方法の使用方法。
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