JP2005503107A - Asip関連タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明はASTP関連タンパク質をコードするcDNAを提供する。本発明はまた、cDNAの利用のために、自身の断片、補体、及び変異体を提供し、コードされたタンパク質の利用のために、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の診断及び治療のために自身の一部及び抗体を提供する。本発明はまた、タンパク質及び遺伝子組換モデルシステムの作成のための発現ベクターおよび宿主細胞をも提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ASIP関連タンパク質をコードするcDNAに関し、また、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌に於ける診断及び治療でcDNA及びコードされたタンパク質を用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
生物間系統発生学的関係は何回も実証されてきた。そして広範な原核細胞および真核細胞生物の研究により分子、生化学的メカニズム、生理学的メカニズム、代謝経路の多少の漸進的な進化が示されてきた。進化ストレスが異なるが、線虫、ハエ、ラット、ヒトのタンパク質には共通の化学的及び構造的特徴があり、一般的に同じ細胞機能を行う。構造と機能が公知である生物種での核酸とタンパク質配列の比較は、ヒト配列の研究を加速する。またヒトの症状、疾患または障害に対する診断と薬剤をテストするモデル系の発達を可能にする。
【0003】
プロテインキナーゼC(PKC)は、脂質誘導セカンドメッセンジャーを介した細胞内の情報伝達の役割を有する(Nishizuka (1995) FASEB J 9:484-496)。PKCの異なるアイソフォームは、異なった組織及び細胞下分布を有し、脂質及びカルシウムに対する特異な反応を示し、また異なった生理学的機能を供給しうる。PKCアイソフォームは、従来型、新型、及び異形の3つに分類される。異形PKC(aPKC)アイソフォームは、アフリカツメガエル卵成熟(Dominguezら(1992) Mol Cell Biol 12:3776-3783)、proliferation and survival of 線維芽細胞の増殖及び生存(Berra ら (1993) Cell 74:555-563)、differentiation of PC12及び白血病細胞の分化(Wootenら (1994) Cell Growth Differ 5:395-403; Waysら (1994) Cell Growth Differ 5:1195-1203)、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼの活性化及び遺伝子発現 (Berra ら (1995) EMBO J 14:6157-6163; Lozano ら (1994) J Biol Chem 269:19200-19202)、インシュリン誘発グルコース接種及び原形質膜に対するグルコース輸送体GLUT4のトランスロケーション(Kotaniら (1998) Mol Cell Biol 18:6971-6982)、及び細胞極性の確率及び/又はメンテナンス(Brazil及びHemmings (2000) Curr Biol 10:R592-594)において役割を有することが示されている。aPKCによる制御は、別のシグナリング分子を有するタンパク質−タンパク質相互作用を伴い、aPKCは異なるタンパク質複合体の数の点で影響を与えることが知られている(Moscat及びDiaz-Meco (2000) ENIBO Reports 1:399-403)。異なる複合体へのaPKCのレクリートメントは、特異的な骨格(scaffold)MyD88、TRADD、及びp62のようなアダプタタンパク質を含む。
【0004】
そのようなアダプタタンパク質は、異形型タンパク質キナーゼCイソ型特異相互作用タンパク質(ASIP)であってもよく、PKCζ及びPKCλを有するaPKCに結合しても良い (Izumiら (1998) J Cell Biol I :95-106)。ラットのASIPは、長さが1337のアミノ酸で、シグナル伝達複合体の組み立てに含まれるタンパク質-タンパク質相互作用を媒介しうる3PDZドメインを含む。アミノ酸712-936からのラットASIP領域はaPKCの結合部位を有する。ASIPの配列は、ミミズの胚中の非対照的細胞分裂に要求される線虫タンパク質、PAR-3の配列に類似する。ASIPは、哺乳類細胞における細胞極性の確立及び維持にも役割を有する。免疫蛍光顕微鏡検査法の研究は、結合複合体の構造及び機能中に含まれる、上皮性細胞内の密着結合及び粘着結合にてASIP及びaPKCが共存することを示している。密着結合は、バリアを尖端と側底の膜物質間の細胞の膜内拡散へと提供し、同様に上皮性シート内の細胞間の拡散へと提供することで不斉性を維持する。加えて、ASIPはPKCに関与する細胞シグナル伝達に別の役割を有してもよい。例えば、adiopocytesにおけるASEPの過剰発現は、グルコースの取り込みのインスリン刺激及びグルコース輸送体GLUT4のトランスロケーションを阻害する(Kotaniら (2000) J Biol Chem 275:26390-26395)。過剰なASIPが存在すると、サイトゾル画分におけるPKCλの量が減少し、低密度のミクロソーム及び原形質膜画分では増加する。ASIPは、PKCλの細胞内分布を乱し、恐らくその直接的PKCλとの相互作用のためにグルコースの取り込みにおけるPKCλの機能に干渉する。
【0005】
APKCによる細胞増殖の制御は、上皮性成長ファクター(EGF)を含む。EGFは、間葉細胞及び上皮細胞の増殖及び増加を促進させる。それは、線維芽細胞、上皮性、及び内皮性細胞のための分裂促進因子であり、上皮性発生を含み、血管新生を促進する(Kimら(1999) lEstol I-Estopathol 14:1175-1182、及びPutz ら (1999) Cancer Res 59:227-233)。EGFは乳ガン細胞において高く発現し、腫瘍の進行を促進させる(Artagaveytiaら (1997) J Steroid Biochem Mol Biol 60:221-228)。EGFは、erbB2としても知られるそのレセプターであるタンパク質チロシンキナーゼEGFレセプター(EGFR)に結合する(Carpenter (2000) Bioessays 22:697-707)。EGFRに対するEGFの連結は、結果としてEGFRのチロシンキナーゼドメインのアクチベーションや複数の基質のリン酸化となる。EGFがaPKCに関連する多量体シグナル複合体を調整してもよい。EGFで刺激された細胞では、PKCλが活性化され、増加したレベルのリン酸化を示し、サイトゾルにおける増加した濃度を示す(Akimotoら(1996) EMBO J.15:788-798)。EGFはまたPKCζの活性にも影響を与える。EGFに応じて、PKCζは、p7O S6キナーゼである細胞増殖の制御因子をリン酸化し、また活性化する(Romanelli ら (1999) Mol Cell Biol 19:2921-2928)。
【0006】
ASIP関連タンパク質をコードするcDNAの発見は、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の診断及び治療に有用な成分を提供することで、本技術分野の要求に応える。
【発明の開示】
【発明の効果】
【0007】
本発明は、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の診断・治療に有用な大腸癌マーカー(ARP)をコードするcDNAの発見に基づいている。
【0008】
本発明は、SEQ ID NO:1(ARP-1)及びSEQ ID NO:2(ARP-2)のアミノ酸配列、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する変異体、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2の抗原性エピトープ、及びSEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2の生物学的活性化部位を含む群から選択されるタンパク質またはその一部をコードする単離されたタンパク質またはその断片を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:20の核酸配列、SEQ ID NO:4乃至11から選択されたSEQ ID NO:3の断片もしくはSEQ ID NO:21乃至39から選択されたSEQ ID NO:20の断片、及びSEQ ID NO:12-19から選択されたSEQ ID NO:3もしくはSEQ ID NO:40-56から選択されたSEQ ID NO:20の変異体とを含む群から選択される単離されたcDNAまたはそのその相補体を提供する。更に本発明は、ARP-1もしくはARP-2をコードするcDNAまたはその相補体を含む組成物、基板、及びプローブを提供する。更に本発明は、このようなcDNAを含むベクター、このようなベクターを含む宿主細胞、及びこのようなcDNAを用いてARP-1もしくはARP-2を作製する方法を提供する。本発明はさらにARPをコードするcDNAを有するベクターを備えた遺伝子組み換え株化細胞及び生物を提供する。また本発明はさらにSEQ ID NO:3-56を含む群より選択された断片もしくはその補体を提供する。或る実施態様では、本発明は少なくとも一つのそれら断片を含む基板を提供する。第2の実施様態では、本発明は、検出法、スクリーニング法、及び精製法に用いることが可能な断片を含むプローブを提供する。更なる実施様態では、プローブは一本鎖相補RNAまたはDNA分子である。
【0009】
本発明はまた、cDNAを用いて、サンプルの核酸の発現変動を検出する方法であって、前記プローブと前記核酸とをハイブリダイズさせてハイブリダイゼーション複合体を形成し、そのハイブリダイゼーション複合体を標準と比較し、その比較によりサンプルにおける前記cDNAの発現変動が分かる方法を提供する。或る実施態様では、この検出方法は、ハイブリダイゼーションの前に前記核酸を増幅するステップを含む。別の実施態様では、この検出方法はcDNAの異なった発現が、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の診断に用いられることを示している。また別の側面では、cDNA若しくは断片、若しくは補体はエレメント若しくはアレイを含んでも良い。
【0010】
本発明はまた、cDNA、その断片またはその相補体を用いて、ライブラリ即ち複数の分子または化合物をスクリーニングしてそのcDNAと特異的に結合する少なくとも1つのリガンドを同定する方法であって、特異的な結合が許容される条件下で、そのcDNAを前記分子または化合物と結合させるステップと、前記cDNAに対する特異的な結合を検出して、前記cDNAと特異的に結合するリガンドを特定するステップとを含む方法を提供する。一実施態様では、このような分子または化合物として、アプタマー、DNA分子、RNA分子、ペプチド核酸、人工染色体作製物、ペプチド、転写因子、リプレッサー、及び調節分子が選択される。
【0011】
本発明はまた、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列と、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列と95%の同一性を有する変異体と、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2の抗原エピトープと、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2の生物学的に活性部分とからなる群から選択される精製された哺乳類タンパク質またはその一部を提供する。本発明はまた、前記精製されたタンパク質、若しくは医薬用担体に関連する前記タンパク質の部分を含む組成物を提供する。本発明は更に、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌を有する被験者を治療するためにARP-1もしくはARP-2を用い、そのような治療を必要とする患者に生成したタンパク質を含む合成物を投与する方法を提供する。本発明は更に、タンパク質を用いてライブラリ即ち複数の分子または化合物をスクリーニングして少なくとも1つのリガンドを特定する方法であって、特異的な結合が許容される条件下で、そのタンパク質を前記分子または化合物と結合させるステップと、特異的な結合を検出して、前記タンパク質と特異的に結合するリガンドを特定するステップとを含む方法を提供する。ある実施様態においては、分子または化合物はDNA分子、RNA分子、ペプチド核酸、ペプチド、タンパク質、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト、抗体、免疫グロブリン、インヒビター、及び薬剤から選択される。別の実施様態では、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の患者を治療するために前記リガンドを使用する。
【0012】
本発明は、タンパク質を用いて、被検サンプルをそのタンパク質に特異的に結合する抗体に対してスクリーニングする方法であって、前記被検サンプルから抗体を単離するステップと、特異的な結合が許容される条件下で、この単離した抗体を前記タンパク質とを結合させるステップと、結合した前記タンパク質から抗体を解離するステップと、抗体の存在或いは存在量からとりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の患者を診断できる抗体の量を既知の標準値と比較するステップとを含むスクリーニング法を提供する。
【0013】
本発明はまた、タンパク質を用いて抗体を作製及び精製する方法であって、抗体反応が起こる条件下でこのタンパク質によって動物を免疫するステップと、動物抗体を単離するステップと、基板にこのタンパク質を付着させるステップと、このタンパク質への特異的な結合が許容される条件下で、この基板を単離した抗体と接触させること、このタンパク質から抗体を分離して精製した抗体を得ることを含む方法を提供する。
【0014】
本発明は、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌において発現するタンパク質に特異的に結合する精製された抗体を提供する。本発明はまた、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌を診断する方法であって、抗体を混合して結合抗体量を既知の指標と比較するステップを含み、それによって、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の存在を証明する診断方法を提供する。本発明は更に、抗体を用いてとりわけ膀胱移行上皮癌のような癌を治療する方法であって、精製された抗体を含む医薬組成物をそのような治療が必要な患者に投与することを含む治療方法を提供する。
【0015】
本発明はまた、哺乳動物のゲノムDNAの中にマーカー遺伝子を挿入して、内在性ポリヌクレオチドの発現を阻害する方法を提供する。本発明はまた、cDNAを用いて哺乳動物モデル系を作製する方法であって、SEQ ID NO:2-34から選択されるcDNAを含むベクターを作製するステップと、そのベクターで胚性幹細胞を形質転換するステップと、形質転換された胚性幹細胞を選択するステップと、この形質転換された肺性幹細胞を哺乳動物胚盤胞の中に微量注入して、キメラ胚盤胞を形成するステップと、偽妊娠メスにキメラ胚盤胞を導入し、このメスが、生殖細胞系の中にcDNAを含むキメラ子孫を出産し、そのキメラ哺乳動物を交配して同型接合哺乳動物モデル系を作製するステップとを含む哺乳動物モデル系作製方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(本発明の記載について)
本発明は、ここに開示した特定の装置及び材料、方法に限定されず、その実施形態を変更できることを理解されたい。また、ここで用いられる用語は、特定の実施例のみを説明する目的で用いるものであり、後述の請求の範囲によってのみ限定され、本発明の範囲を限定することを意図したものではないということも理解されたい。本明細書及び請求の範囲において単数形を表す「或る」、「その(この等)」は、文脈で明確に示していない場合は複数形を含むことに注意されたい。従って、例えば「或る宿主細胞」は当業者には周知の複数の宿主細胞を含む。
【0017】
本明細書で用いた全ての科学技術用語は、別の方法で定義されていない限り、本発明の属する技術分野の一般的な技術者が普通に解釈する意味と同じである。本明細書に記載の全ての文献は、本発明に関連して使用する可能性のある文献に記載された細胞系、プロトコル、試薬、ベクターを記述し開示するために引用した。従来の発明を引用したからと言って、本発明の新規性が損なわれると解釈されるものではない。
【0018】
(定義)
「ARP」は、、天然、合成、半合成或いは組換え体など任意の哺乳動物種(ウシ、イヌ、マウス、ヒツジ、ブタ、げっ歯類、サルそして好ましくはヒトを含む)から得られる実質的に精製されたタンパク質を指す。
【0019】
「アレイ」は、基板上の少なくとも2つのcDNAの規則正しい配列を指す。cDNAの少なくとも1つが調節または標準を表す。そして他方が目的の診断のcDNA体を表す。基質上の2から約4万のcDNAの構成により、cDNAとサンプル核酸の間で形成される各標識ハイブリダイゼーション複合体の大きさ及びシグナル強度を確実に個別に区別できる。
【0020】
配列表の核酸分子の「相補配列」は、完全長配列に完全に相補的なcDNAを指す。また高いストリンジェンシー条件下でcDNA或いはmRNAにハイブリダイズする。
【0021】
「cDNA」とは、単離したポリヌクレオチド、核酸分子或いはその任意の断片または相補配列を指す。それは組換えまたは合成された二本鎖または一本鎖であり、コード配列及び/または非コード5’及び3’配列を有する。
【0022】
「タンパク質をコードするcDNA」という語は、当分野で周知の分析により同定された保存された領域、モチーフ或いはドメインをコードする配列と密接にアラインメントする核酸配列を指す。これらの分析には、保存された領域内における同一性を特定するBLAST (Basic Local Alignment Search Tool)が含まれる(Altschul (1993) J Mol Evol 36: 290-300、Altschul ら(1990) J Mol Biol 215:403-410)。
【0023】
「誘導体」とは化学修飾されたcDNA或いはタンパク質を指す。cDNAの誘導体化にはクエオシン(queosine)或いはヒポキサンチンなどの類似体等非従来型塩基の置換が含まれ得る。これらの置換は当分野で周知である。タンパク質の誘導体化にはアセチル基、アシル基、アルキル基、アミノ基、ホルミル基またはモルホリン基による水素の置換が含まれる。分子誘導体は天然分子の生物学的活性を保持するが、長い寿命或いは強化された活性などの長所を付与し得る。
【0024】
「発現変動」とは、サンプル中の転写されたメッセンジャーRNA或いは翻訳されたタンパク質の量の存在の有無、もしくは少なくとも二倍の変更により検出される増加即ちアップレギュレーション又は存在、或いは減少即ちダウンレギュレーション又は不在を指す。
【0025】
「障害」とは、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌のような、cDNA及びARPが異なって発現されている場合の症状、疾患、または症候群を指す。
【0026】
「断片」とは長さが約200から約700塩基の連続したヌクレオチド鎖を指す。断片は、関連する核酸分子を同定するためにPCRまたはハイブリダイゼーション技術に、或いはリガンドをスクリーニングするための結合アッセイで使用され得る。核酸とそれらのリガンドはこのような方法で同定され、複製、転写、または翻訳を調節する治療として有用である。
【0027】
「ハイブリタイゼーション複合体」とは、例えば5'-A-G-T-C-3'と3'-T-C-A-G-5'との塩基対などのように1つの分子のプリンが相補的な分子ピリミジンと水素結合して、cDNAとサンプルの核酸との間で形成される。相補性の度合およびヌクレオチド類似体の使用が、ハイブリダイゼーション反応の効率とストリンジェンシーに影響を与える。
【0028】
「リガンド」とは、ポリヌクレオチド或いはcDNA分子上の相補部位、又はタンパク質若しくはエピトープに特異結合するあらゆる物質、分子、または化合物を指す。そのようなリガンドは、ポリヌクレオチドまたタンパク質の活性を安定化或いは調節し、核酸、タンパク質、炭水化物、脂肪、及び脂質を含む無機および/または有機物質から構成され得る。
【0029】
「オリゴヌクレオチド」とは、長さが約18から約60ヌクレオチドの一本鎖分子を指す。そしてハイブリダイゼーションや増幅技術において、または複製、転写、翻訳の調節において使用され得る。概ね等しい用語としては、アンプライマー、プライマー、及びオリゴマーが挙げられる。
【0030】
「部分」とは、あらゆる目的に使用されるタンパク質の任意の部分を指すが、特にリガンドのスクリーニングまたは抗体の生産に用いられるエピトープを指す。
【0031】
タンパク質の「翻訳後修飾」には、脂質化、グリコシル化、リン酸化、アセチル化、ラセミ化、及び蛋白分解性切断等が含まれ得る。これらのプロセスは、合成或いは生化学的に生じ得る。生化学的修飾は、細胞の位置、細胞型、pH、及び酵素環境などによって異なる。
【0032】
「プローブ」とは、サンプル中の少なくとも1つの核酸にハイブリダイズするcDNAを指す。標的が一本鎖である場合、プローブは相補的一本鎖である。プローブは、サザン法、ノーザン法、in situ法、ドットブロット法、及びアレイなどを含むハイブリダイゼーション反応またはスクリーニングアッセイで使用するためにレポーター分子で標識化することができる。
【0033】
「タンパク質」とは、ポリペプチド或いはその任意の部分を指す。タンパク質の「部分」とは、少なくとも1つの生物学的活性を保持し得るアミノ酸配列の長さ、PFAMまたはPRINTS分析によって同定されるドメイン、或いはPROTEAN プログラム(DNASTAR, Madison WI)のKyte-Doolittle アルゴリズムを使用して同定されたタンパク質の抗原エピトープを指す。「オリゴペプチド」は、抗体を産生させるために融合タンパク質の一部として使用される約5残基から約15残基までのアミノ酸配列である。
【0034】
「精製された」とは、自然環境から分離され、自然環境で会合していた他の化合物が約60%から約90%まで分離したあらゆる分子や化合物を指す。
【0035】
「サンプル」は、核酸、タンパク質、及び抗体等を含むとして、その最も広い意味で用いられる。サンプルは体液、細胞調製の可溶性分画、細胞が成長する培地のアリコット、染色体、細胞小器官、或いは細胞から単離または抽出された膜、溶液中のまたは基板に固定されたゲノムDNA、RNA、またはcDNAと、細胞、組織、組織プリント、フィンガープリント、口内細胞、皮膚、または髪等を含み得る。
【0036】
「特異的な結合」とは、構造、特に分子側鎖に依存する2つの分子間での特殊つ正確な相互作用を指す。例えば、調節タンパク質のDNA分子の主溝への挿入、2つの一本鎖核酸間の骨格に沿った水素結合、またはタンパク質のエピトープとアゴニスト、アンタゴニストまたは抗体との間の結合がある。
【0037】
配列に適用される「類似性」とは、Smith-Waterman アルゴリズム(Smith及びWaterman (1981) J Mol Biol 147:195-197)或いはBLAST2 (Altschul ら (1997) Nucleic Acids Res 25:3389-3402)などの標準化されたアルゴリズムを用いてアラインメントされた少なくとも2つの配列間で一致する分子或いは残基の定量化(通常は%)を指す。BLAST2は、アラインメントを最適化するために配列の1つでギャップを挿入するまた2つの配列をより有意に比較できる標準化された再現性のある方法で使用され得る。
【0038】
「基板」とは、cDNAまたはタンパク質が結合する任意の固体または半固体の支持体を指すものであって、膜、フィルタ、チップ、スライド、ウエハ、ファイバー、磁性または非磁性ビーズ、ゲル、毛管、またはその他のチューブ、プレート、ポリマー、微小粒子が含まれ、穴、溝、ピン、チャネル、孔等、様々な表面形態を有する。
【0039】
「変異体」とは、cDNAまたはそのcDNAがコードするタンパク質の認識できる変異した分子を指す。スプライス変異体は、スコアが少なくとも100、最も好ましいのは少なくとも400であるBLASTスコアにより決定し得る。対立遺伝子変異体は、cDNAに対して高い同一性のパーセントを有し、100塩基に付き約3塩基が異なり得る。「一塩基多型」(SNP)とは、欠失、挿入、または置換による単一塩基による変異を指す。この変異は、保存的(プリンからプリン)或いは非保存的(プリンからピリミジン)であり得、コードされたアミノ酸に変異が起こる可能性がある。
【0040】
(発明)
本発明は、ARPをコードするcDNAの発見と、癌の性質決定、診断、治療における、cDNAまたはその断片、およびタンパク質またはその部分をそのまま使用するか組成物として使用することに基づくものである。
【0041】
本発明のARP-1をコードする核酸は、アミノ酸配列のためのコンピュータサーチを用い、ヒト膀胱腫瘍cDNAライブラリ(BLADTUT04)よりインサイトクローン1555118内で最初に同定された。コンセンサス配列、SEQ ID NO:2は、追従するオーバーラッピング及び/又は拡張された核酸配列(SEQ ID NOs:4-11):インサイトクローン1555118H1 (BLADTUT04)、722739lH1 (BRAXTDR15)、70158486V1 (SGO000039)、70162686V1 (SGO000040)、70151326V1 (SGO000038)、70154198V1 (SGO000038)、2084238T6 (UTRSNOT08)、70155923V1 (SGO000038)、及びGenBank EST g6661750 (SEQ ID NO:57)、及びエディットされたGenscan配列GNN.g1O801482 edit (SEQ ID NO:58)に由来した。GNN.g1O801482 editのために、コーディング領域はゲノムGenscanDNAの解析によって推定された。g10801482は、Genscanが適用される配列のGenBank同定番号である。
【0042】
ある実施例では、本発明は図1A乃至1Kに示すようにSEQ ID NO: 1のアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドを包含する。ARP-1は長さが935のアミノ酸である。また、ARP-1は、N332、N502、N516、及びN778に存在する4つの潜在的Nグリコシル化部位、S141及びS745に存在する2つの潜在的環式 AMP-若しくは環式GMP-依存タンパク質キナーゼリン酸化部位、T196、S242、T334、T445、T521、S562、S635、S676、S745、S822、及びS927に存在する11の潜在的カゼインキナーゼIIリン酸化部位、S207及びS807に存在する2つの潜在的グリコサミノグリカン吸着部位、S162、S190、S225、S242、S352、S375、T442、S455、S512、T569、T6191、S620、S780及びS801に存在する14個の潜在的プロテインキナーゼCリン酸化部位、Y789に存在する一つの潜在的チロシンキナーゼリン酸化部位、及びG555からS562に存在する一つの潜在的ATP/GTP結合部位モチーフA (P-loop)を有する。PFAM解析は、T203からP290まで、K383からQ469まで、E498からR591までのARP-1領域がPDZドメインに類似することを示している。そのようなドメインは、シグナル伝達分子とのタンパク質−タンパク質インターアクションに関与する。図3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G,、3H、3I、及び3Jで示されているように、ARMはラットASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)及びヒトASIP(gSO37915; SEQ ID NO: 63)と化学的、構造的類似性を有する。とりわけ、ARP- 1とラットASIPとは41%の同一性を有し、ARP- 1及びヒトASIPは43%の同一性を有する。S708からF925までの領域は、ラットASIP及びヒトASIRの領域に結合するaPCKに類似する。3つのすべてのタンパク質は、3つの保存PDZドメイン及び9つの潜在的なプロテインキナーゼCリン酸化部位を有する。ARP-1の有用な抗原性エピドープは、R192からS222、K413からS455、K759からQ809に広がっている。また、ARP-1の生物学的に活性な部位は、T203からP290、K383からQ469まで、E498からR591まで、及びS708からF925に広がっている。ARP-1へ特異的に結合する抗体は、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌に対するアッセイにおいて有用である。
【0043】
本発明のARP-2をコードする核酸は、アミノ酸配列のためのコンピュータサーチを用い、ヒト膀胱腫瘍cDNAライブラリ(KIDNTUT13)よりインサイトクローン2582063内で最初に同定された。コンセンサス配列、SEQ ID NO:2は、追従するオーバーラッピング及び/又は拡張された核酸配列(SEQ ID NOs:4-11):インサイトクローン2582063HI (KIDNTUT13)、7246093Hl (PROSTMY01)、797842OH1、55040412Hl、2929484F6 (TLYMNOT04)、562732OR8 (PLACFER01)、3209128F6 (BLADNOT08)、349248HI (LVENNOT01)、7019961111 (PANCNON03)、6303175H2 (TLYMUNT02)、2549906F6 (LUNGTUT06)、1945452M (PITUNOT01)、2549906T6 (LUNGTUT06)、71009002V1 (SGO000308)、7100852lVl (SGO000308)、71010168V1 (SGO000308)、170090181VI (SGO000030)、6833928H1 (BRSTNON02)、70089663V1 (SGO000030)、及びGenBank EST g6993427 (SEQ DD NO:59)、g5529915 (SEQ ID NO:60)、及びg_1733437 (SEQ ID NO:61)に由来した。
【0044】
別の実施例では、本発明は図2A乃至2Sに示すようにSEQ ID NO: 2のアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドを包含する。ARP-2は長さが1356のアミノ酸である。また、ARP-2は、N112、N159、N208、N265、N391、N594、N608、N922、N1144、及びN1231に存在する10個の潜在的Nグリコシル化部位、S144、T468、S685、S715、S888、及びT1176に存在する6つの潜在的環式 AMP-若しくは環式GMP-依存タンパク質キナーゼリン酸化部位、S123、S154、S161、T243、S248、T258、S267、S370、T476、S523、T534、T569、T654、T705、S720、S780、S781、S827、S840、T865、S888、T947、S958、T965、T995、T1048、S1049、S1102、S1116、S1397、S1149、S1245、S1252、及びS1308に存在する34個の潜在的カゼインキナーゼIIリン酸化部位、S166、S187、S292、S372、S379、S428、T453、T476、S533、S604、T661、S742、S829、T847、S924、S955、S958、T988、T995、T1038、S1116、S1143、S1192、S1228、S1252、及びS1312に存在する26個の潜在的プロテインキナーゼCリン酸化部位、Y199、Y388、Y745、Y933、Y1080、及びY1321に存在する6つの潜在的チロシンキナーゼリン酸化部位、そして、G516からS523及びG647からS654に存在する2つの潜在的ATP/GTP結合部位モチーフA (P-loop)を有する。PFAM解析は、K273からA360まで、N461からQ547まで、及びE590からR683までARP-2領域がPDZドメインに類似することを示している。図3A乃至3Jで示されているように、ARP-2はラットASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)及びヒトASIP(gSO37915; SEQ ID NO: 63)と化学的、構造的類似性を有する。とりわけ、ARP- 2とラットASIPとは89%の同一性を有し、ARP- 1及びヒトASIPは93%の同一性を有する。R712からK936までのARP-2領域は、ラットASIP及びヒトASIRの領域に結合するaPCKに類似する。3つのすべてのタンパク質は、3つの保存PDZドメイン及び潜在的なプロテインキナーゼCリン酸化部位を有する。ARP-2の有用な抗原性エピドープは、K189からQ236、T895からM1023、R1207からN1267に広がっている。また、ARP-2の生物学的に活性な部位は、T273からA360、N461からQ547まで、E590からR683まで、及びS712からF936に広がっている。ARP-2へ特異的に結合する抗体は、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌に対するアッセイにおいて有用である。
【0045】
表1は、組織カテゴリーにかかるARP-1及びARP-2の発現を示すものである(実施例8にもリストされている)。表2は、膀胱組織、とりわけ移行上皮癌の患者よりのにおけるARPの発現を示す物である。ARPは、移行上皮癌の患者より摘出した膀胱組織よりのライブラリ(BLADTUT04)と、同一患者のマッチした顕微鏡学的に健康な組織よりのライブラリ(BLADNOT05)とを比較して、過発現を示す。表3は、マイクロアレイ解析によって決定されるように、EGFで処理されたヒトBT20乳癌細胞内のARP-2差動発現を示す物である。ARP-2は、4時間から48時間かけてEGFで処理されたBT20細胞中の、処置されていない細胞と比較して軽減された発現を示す。処置されたBT20細胞における最大に軽減された発現は、36時間五に現れた。故に、ARP-1もしくはARP-2をコードするDNAはとりわけ膀胱移行上皮癌のような癌の診断のアッセイに有用である。約1792から1836のヌクレオチド、約1905から1950のヌクレオチド、及び約2180から2230のヌクレオチドのARP-1をコードするcDNAの断片もまた、診断アッセイにおいて有用である。約585から635のヌクレオチド、約1670から1710のヌクレオチドのARP-2をコードするcDNAの断片もまた、診断アッセイにおいて有用である。
【0046】
ARPをコードするcDNAの哺乳動物変異体は、デフォルトのパラメータ及びZOOSEQデータベース(Incyte Genomics)と共にBLAST2を用いて同定された。これら好適な変異体は、以下の表に示すように約80%から約100%の同一性を有する。第1列は、ヒトcDNAのためのSEQ ID(SEQ IDH)を示しており、第2列は、変異体cDNAのためのSEQ ID(SEQ IDvar)を示しており、第3列は変異体cDNAのためのクローン番号(Clonevar)を示しており、第4列は、ライブラリの名前を示しており、第5列は、ヒトcDNA(同じケースでヒトcDNAの異なった領域を含む、変異体cDNAの異領域配列を有する)に対する変異体の配列を示しており、そして第6列はヒトcDNAに対する同一性のパーセンテージを示している。
【0047】
Figure 2005503107
【0048】
これらcDNAは、ヒトの疾患を形成しそのような疾患の潜在的治療をテストする遺伝子組み換え細胞株若しくは生物体を生成するのにとりわけ有用である。
【0049】
遺伝的コード悪化の結果として、ARPをコードする複数のcDNA、既知のcDNAに対最小の類似性を有する複数のベアリング(bearing)、及び自然発生遺伝子が生成されても良いことは当業者が認識している。そのようなわけで、本発明は、可能なコドンに基づいたコンディションを選択することによってなされうるcDNAのすべての可能なバリエーションを意図するものである。これらバリエーションは、自然発生したARPをコードするポリヌクレオチドに適用されたような通常型の三重遺伝子コードに関連してなされ、それらすべてのバリエーションは特異的に開示されていると考えられる。
【0050】
cDNA及びその断片自身(SEQ ID NOs:3-56)は、SEQ ID NO: 3、20およびサンプル内の関連分子間で同定及び識別可能する合成、増幅、及びスクリーニング技術において用いられても良い。ほ乳類のcDNAは、遺伝子組み換え細胞株若しくは生物を生成するのに用いられ得る。それらは、ヒトの癌、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌のモデルシステムであり、潜在的な治療の毒性及び効果がテストされても良い。毒物学の学習、臨床試験、及び被験者/患者の処置のプロフィールは、cDNA、タンパク質、抗体、分子および化合物を用いて実行及びモニターされても良い。前記分子及び化合物は、本発明の分子及びcDNAやタンパク質を用いて識別されたものである。
【0051】
(本発明の特徴及び使用)
cDNA ライブラリ
ここに開示する特定の実施例では、当分野で周知の方法を用いて哺乳動物の細胞及び組織からmRNAを単離し、これを用いてcDNAライブラリを作製する。上記したインサイト社クローンは、哺乳動物cDNAライブラリから単離された。本発明の代表的な3つのライブラリの作製方法を以降に記載する実施例に示す。コンセンサス配列は、Phrap (P. Green, University of Washington, Seattle WA)及びAUTOASSEMBLERアプリケーション(Applied Biosystems, Foster City CA)などのコンピュータプログラムを用いて、インサイト社クローンを含む断片、伸長、及び/またはショットガン配列から化学的かつ/または電子的に構築した。クローン、伸長、及び/またはショットガン配列は、クラスタ及び/又はマスタークラスターへと電子的に集まる。
【0052】
シークエンシング
核酸をシークエンシングする方法は当分野で周知であり、そのような方法を用いて本発明の任意の実施例を実施することができる。これらの方法は、DNAポリメラーゼIであるクレノウフラグメント、SEQUENASE、Taq DNAポリメラーゼおよび熱耐性T7 DNAポリメラーゼ(Amersham Pharmacia Biotech (APB), Picataway NJ)、或いはELONGASE増幅システム(Life Technologies, Rockville MD)に用いられるような校正エクソヌクレアーゼとポリメラーゼとの組み合わせを用いることができる。配列の準備は、MICROLAB 2200(Hamilton, Reno NV)、及びDNA ENGINEサーマルサイクラー(PTC200; MJ Research, Watertown MA)などの装置を用いて自動的に行うのが望ましい。シークエンシングに用いる装置には、ABI 3700、377または373DNAシークエンシングシステム(Applied Biosystems)、及びMEGABACE 1000 DNAシークエンシングシステム(APB)等がある。当分野で周知の様々なアルゴリズムを用いて、シークエンシングした配列を解析することができる。これらのアルゴリズムは、Ausubelら(1997; Short Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York NY, unit 7.7) 及びMeyers(1995; Molecular Biology and Biotechnology, Wiley VCH, New York NY, pp. 856-853)に記載されている。
【0053】
ショットガン・シークエンシングは、目的の特定クローンインサートの配列を完成させるべく用いられ得る。ショットガン理論は、様々なサイズのセグメントに対するオリジナルインサートの破壊と、それら断片のベクターへのクローニングとをランダムに伴う。断片は、オリジナルインサートの全体配列が既知となるまで重複末端を用いて配列及び再構築される。ショットガンシークエンシング方法は当分野で周知であり、熱耐性DNAポリメラーゼや非熱耐性DNAポリメラーゼ、及び目的のcDNAに隣接する代表的な領域から選択されたプライマーを用いる。当分野で周知のCONSED(Gordon (1998) Genome Res. 8:195-202)などの様々なアルゴリズムやプログラムを用いて、組立てが未終了の配列(組立てが不完全な配列)を調べる。ベクターやキメラ配列、または欠失配列を含む汚染配列を除去して、組立てが未終了の配列を完全な配列に組み立てる。
【0054】
核酸配列の伸長
本発明の配列は、当分野で周知の様々なPCR法を用いた方法で伸長することができる。例えば、XL-PCRキット(Applied Biosystems)及び入れ子プライマー(nested primer)、市販のcDNAまたはゲノムDNAライブラリ用いてヌクレオチド配列を伸長することが可能である。全てのPCR系の方法に用いることができるように、プライマーは、OLIGO 4.06プライマー分析ソフトウェア(Molecular Biology Insights, Cascade CO)等の市販のソフトウェアを用いて、ヌクレオチドの長さが約22〜30個、GC含量が約50%以上、約55〜68℃の温度で標的配列とアニールするように設計することが可能である。調節エレメントを復活させるために配列を伸長する場合は、cDNAライブラリよりゲノムライブラリを用いる方が良い。
【0055】
ハイブリダイゼーション
cDNA及びその断片は、様々な目的のための様々なハイブリダイゼーション技術に用いることができる。プローブは、5'調節領域や非保存領域(すなわち、タンパク質の保存された触媒ドメインをコードする5’若しくは3’のヌクレオチド)等のユニークな領域から作製可能であり、ARP、対立遺伝子の変種、若しくは関連分子をコードする天然の分子を同定するためのプロトコルに用いることができる。通常は一本鎖であるDNA若しくはRNAからなるこのプローブは、任意のこの核酸配列、配列番号3−56と少なくとも50%の配列同一性を有することが望ましい。ハイブリダイゼーションプローブは、レポータ分子の存在下でのPCR増幅、オリゴ標識化、ニックトランスレーション法、または末端標識化を利用して作製することができる。このcDNAまたはその断片を含むベクターを用いて、RNAポリメラーゼ及び標識したヌクレオチドを加えてin vitroでmRNAプローブを作製することができる。これらの方法はAPBが販売するキットを用いて行うことができる。
【0056】
ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー(厳密性)は、プローブのGC含量、塩濃度、及び温度によって決まる。特に、塩濃度を下げる、またはハイブリダイゼーションの温度を上げて、ストリンジェンシーを高めることができる。ある膜系のハイブリダイゼーション用の溶液にホルムアミドなどの有機溶媒を加えて、反応が低い温度で起こるようにすることができる。ハイブリダイゼーションは、低いストリンジェンシーの緩衝液(5×SSC、1%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS))で、60℃で行うことができるが、核酸配列間に不適正塩基対を含む複合体の形成を許容し得る。続く洗浄は、45℃(中程度のストリンジェンシー)或いは68℃(高いストリンジェンシー)の何れかの温度、0.2×SSC、0.1%SDSなどの高いストリンジェンシーで行う。高いストリンジェンシーでは、ハイブリダイゼーション複合体は、完全に相補的な核酸分子部分のみが安定して保持される。ある膜系のハイブリダイゼーションにおいて、好ましくは35%、最も好ましくは50%のホルムアミドをハイブリダイゼーション溶液に加えて、ハイブリダイゼーションを行う温度を下げたり、または、SarkosylやTriton X-100(Sigma-Aldrich, St. Louis Mo.)などの界面活性剤及び変性したサケ精子DNAなどのブロッキング試薬を用いてバックグラウンドシグナルを低減することが可能である。ハイブリダイゼーションの条件や要素の選択については当分野で周知であり、Ausubel(前出) 及びSambrook他(1989)Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plainview NY.に記載されている。
【0057】
当分野で周知の方法でマイクロアレイを準備して分析することができる。オリゴヌクレオチドをマイクロアレイのプローブや標的として用いることができる。マイクロアレイを用いて、同時に極めて多数の遺伝子の発現レベルをモニタリングし、遺伝子変異体、突然変異及びSNP(一塩基多型)を同定することができる。このようなデータを用いて、遺伝子機能の解明や、症状及び疾患、または障害における遺伝子原理の解明や、症状及び疾患、障害の診断または治療、治療薬の開発、並びにこれらの治療薬の活性のモニタリングが可能である(例えば、Brennan他(1995) USPN 5,474,796; Schena他(1996) Proc. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619; Baldeschweiler他(1995) PCT出願 WO95/251116; Shalon他(1995) PCT出願WO95/35505; Heller他(1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94:2150-2155; and Heller他(1997) USPN 5,605,662を参照)。
【0058】
ハイブリダイゼーションプローブはまた、天然のゲノム配列のマッピングに有用である。このプローブは、(1)特定の染色体、(2)染色体の特定の領域、(3)ヒト人工染色体(HACs)や酵母人工染色体(YACs)、細菌人工染色体(BACs)、細菌P1作製物、若しくは単一クロモソームcDNAライブラリのような人工染色体作製物、にハイブリダイズすること可能である。
【0059】
発現
ARPをコードする複数のcDNAの何れか一つををベクターにクローニングして、このタンパク質若しくはその一部を宿主細胞で発現させることができる。この核酸配列を、DNAシャフリング(Stemmer and Crameri (1996) USPN5,830,721)や部位特異的変異誘発などの方法によって、新規の制限部位を作り出したり、グリコシル化パターンを変えたり、優先コドンを変えて特定の宿主における発現を増大させたり、スプライスバリアントを作り出したり、半減期を延長する等の操作が可能である。この発現ベクターは、特定の宿主における各要素の効率に基づいて選択された様々なサンプルに由来する転写及び翻訳調節エレメント(プロモーター及びエンハンサー、特定の開始シグナル、ポリアデニル化3'配列)を含み得る。in vitro組み換えDNA技術、合成技術及び/またはin vivo遺伝子組み換え技術を組み合わせて、このベクターにcDNAと調節エレメントをつなぐことができる。このような技術は、当分野で周知であり、Sambrook(前出、ch. 4, 8, 16 and 17)に記載されている。
【0060】
様々な宿主系を発現ベクターで形質転換することができる。以下に限定するものではないが、これらの中には組み換えバクテリオファージやプラスミド、またはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌と、酵母発現ベクターで形質転換された酵母と、バキュロウイルス発現ベクターで形質転換された昆虫細胞系と、ウイルスエレメント及び/または細菌エレメントを含む発現ベクターで形質転換された植物細胞系や動物細胞系が含まれる(Ausubel前出、unit 16)。例えば、アデノウイルス転写/翻訳複合体を哺乳動物細胞に用いることができる。配列をウイルスのゲノムのE1若しくはE3領域に結合させた後、この感染ウイルスを用いて形質転換させ、宿主細胞でタンパク質を発現させることができる。また、ラウス肉腫ウイルスエンハンサーやSV40、またはEBV系のベクターを用いてタンパク質を高発現させることができる。
【0061】
核酸配列のルーチンのクローニング及びサブクローニング、増殖は、多機能PBLUESCRIPTベクター(Stratagene, La Jolla CA)またはPSPORT1プラスミド(Life Technologies)を用いて行うことができる。核酸配列をこれらのベクターの多数のクローニング部位に導入すると、lacZ遺伝子が破壊され、形質転換された細菌を確認するための比色法によるスクリーニングが可能となる。更に、これらのベクターは、クローニングされた配列におけるin vitroでの転写及びジデオキシ法によるシークエンシング、ヘルパーファージによる一本鎖の調整、入れ子状欠失の作製において有用である。
【0062】
長期に渡って組み換えタンパク質を産生させるために、同一或いは別のベクター上の選択マーカー遺伝子或いは可視マーカー遺伝子と共にこのベクターを持続的に細胞株に形質転換することができる。形質転換後、細胞を強化培地で約1〜2日間増殖させてから選択培地に移す。選択マーカー、代謝拮抗物質、抗生物質、または除草剤耐性遺伝子は、関連する選択薬に対する抵抗性を与え、導入配列を確実に発現する細胞の増殖及び回収が可能となる。アントシアニン、緑色蛍光タンパク質(GFP)、βグルクロニダーゼ、ルシフェラーゼなどの可視マーカーの発現によって同定された、或いは選択培地に生存することによって同定された耐性クローンを、培養技術を用いて増殖することができる。また、可視マーカーを用いて、導入された遺伝子によって発現するタンパク質を定量することができる。宿主細胞が目的のcDNAを含むか否かの決定は、DNA-DNAまたはDNA-RNAハイブリダイゼーション、或いはPCR増幅技術に基づいて行うことができる。
【0063】
宿主細胞は、組み換えタンパク質を目的の形に修飾する能力に基づいて選択することができる。このような修飾には、アセチル化及びカルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、及びアシル化等が含まれる。「プレプロ」型を切断する翻訳後プロセシングを利用して、タンパク質のターゲッティング、折り畳み及び/または活性を特定することができる。翻訳後活性のための特定の細胞装置及び特徴的な機構を有するATCC(Manassas, MD)から得られる異なった宿主細胞が、組み換えタンパク質の適当な修飾及びプロセシングが確実に行われるようにするために選択され得る。
【0064】
細胞培地からのタンパク質の回収
精製を容易にするために、ベクターに導入する異種部分は、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、6-His、FLAG、MYC等を含む。GST及びCBP、6-Hisはそれぞれ、グルタチオン及びカルモジュリン、金属キレート樹脂が結合した市販のアフィニティーマトリックスを用いて精製される。FLAG及びMYCは、市販のモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を用いて精製される。精製に続く分離を容易にするために、タンパク質の分割部位をコードする配列は、タンパク質と異異形部分との間のベクターの一部であって良い。組み換えタンパク質の発現及び精製の方法はAusubel(前出、unit 16)に記載され市販されている。
【0065】
ペプチドの化学合成
タンパク質若しくはその一部は、組み換え方法以外の当分野で周知の化学的方法によって合成することもできる。固相技術を用いるペプチド合成は、バッチ式或いは連続的なフロープロセスによって行うことができる。連続的なフロープロセスでは、αアミノ保護及び側鎖保護アミノ酸残基をリンカーを介して不溶性の高分子支持物に連続的に追加する。メチルアミン誘導体化ポリエチレングリコールなどのリンカーを、ポリ(スチレン-co-ジビニルベンゼン)に結合させて支持レジンを形成する。このアミノ酸残基は、酸不安定Boc(t-butyloxycarbonyl)法若しくは塩基不安定Fmoc(9-fluorenylmethoxycarbonyl)法によって保護されたN-α-である。保護されたアミノ酸のカルボキシル基をリンカーのアミンに結合して、この残基を固相支持レジンに結合させる。Boc若しくはFmocを用いた場合、トリフルオロ酢酸若しくはピペリジンを用いて保護基を除去する。カップリング試薬若しくは予め活性化されたアミノ酸誘導体を用いて、追加する各アミノ酸を結合された残基に付加してから、レジンを洗浄する。完全長のペプチドは、連続的な保護の停止、即ち誘導体化アミノ酸を結合させて合成し、ジクロロメタン及び/またはN、N-ジメチルホルムアミドで洗浄する。このペプチドは、ペプチドカルボキシル末端とリンカーとの間で切断され、ペプチド酸またはペプチドアミドが作られる(Novabiochem 1997/98 Catalog and Peptide Synthesis Handbook, San Diego CA pp. S1-S20)。ABI 431 A ペプチドシンセサイザー(Applied Biosystems)などの装置を用いて、ペプチドを自動合成することができる。タンパク質またはその一部は調整用の高性能液体クロマトグラフィーによって精製し、その組成をアミノ酸解析またはシークエンシングによって確認することができる(Creighton (1984) Proteins. Structures and Molecular Properties, WH Freeman, New York NY)。
【0066】
抗体の準備及びスクリーニング
ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、及びヒト等を含む様々な宿主は、ARP若しくはその任意の一部を注入して免疫することができる。フロイントなどのアジュバント及びミネラルゲルと、リゾレシチン及びpluronic polyol、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)、ジニトロフェノールなどの表面活性物質とを用いて免疫反応を高めることができる。オリゴペプチドやペプチド、またはタンパク質の一部を用いて、少なくとも約5個のアミノ酸、より好ましくは10個の天然のタンパク質の一部と同一のアミノ酸を含む抗体を誘発させる。キメラ分子に対する抗体を産生させるために、オリゴヌクレオチドをKLHなどのタンパク質と融合させることができる。
【0067】
モノクローナル抗体は、培地の連続細胞株によって抗体を産生させる任意の技術を用いて準備する。以下に限定するものではないが、このような技術には、ハイブリドーマ技術及びヒトB細胞ハイブリドーマ技術、EBV-ハイブリドーマ技術が含まれる(例えば、Kohler他(1975) Nature 256:495-497; Kozbor他(1985) J. Immunol. Methods 81:31-42: Cote他(1983) Proc. Natl. Acad. Sci. 80:2026-2030; and Cole他(1984) Mol. Cell Biol. 62:109-120.を参照)。
【0068】
別法では、当分野で周知の方法を用いる上記した一本鎖抗体を生産する技術で、エピトープ特異的一本鎖抗体を生産する。タンパク質のエピトープに対して特異的に結合する部位を含む抗体断片を生産することが可能である。限定するものではないが、このような断片には、例えば、抗体分子のペプシン消化によって作製されたF(ab')2断片及びこのF(ab')2断片のジスルフィド架橋を減少させて作製したFab断片が含まれる。別法では、Fab発現ライブラリを作製して、目的の特異性を有するモノクローナルFab断片の高速かつ容易に同定できるようにする(例えば、Huse他(1989) Science 246:1275-1281を参照)。
【0069】
ARP若しくはその一部を用いて、ファージミドまたはBリンパ球免疫グロブリン・ライブラリをスクリーニングして、目的の特異性を有する抗体を同定する。確立された特異性を有するモノクローナル抗体或いはポリクローナル抗体のいずれか一方を用いる、競合的結合またはイムノアッセイの様々なプロトコルが当分野で周知である。このようなイムノアッセイは通常、このタンパク質とその特異的な抗体との複合体形成の測定を行う。2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いる2部位モノクローナル系イムノアッセイが好ましいが、競合的結合によるアッセイを用いることもできる(Pound (1998) Immunochemical Protocols. Humana Press, Totowa NJ)。
【0070】
アッセイのための分子の標識化
多様なレポータ分子及び接合技術が当分野で周知であり、様々な核酸やアミノ酸、及び抗体のアッセイに用いることができる。標識した分子の合成は、32P-dCTPまたはCy3-dCTP、Cy5-dCTP(Operon Technologies, Alameda CA)などの標識したヌクレオチドや35Sメチオニン(APB)などのアミノ酸を組み込むための市販のキット(Promega, Madison Wis)を用いて行うことができる。ヌクレオチド及びアミノ酸は、BIODIPYまたはFITC(Molecular Probes, Eugene OR)などの試薬を用いて分子中に存在するアミン及びチオール基または他の基に化学的に結合させることで、様々な物質(蛍光剤または化学発光剤、色素産生剤など)で直接標識することができる。
【0071】
(診断)
本cDNA、断片、オリゴヌクレオチド、相補的なRNA及びDNA分子、PNAを用いて、遺伝子発現の変化やmRNAの過剰な発現の不在/存在を検出及び定量、または治療期間中のmRNAレベルのモニタリングを行うことができる。IPと特異的に結合する同様の抗体は、タンパク質を定量化するのに用いられてもよい。発現変動に関連する疾患には、とりわけ膀胱移行上皮癌のような癌が含まれる。診断アッセイにハイブリダイゼーションまたは増幅技術を用いて、遺伝子発現の変化を検出するべく、患者からの生体サンプルの遺伝子発現レベルを標準的なサンプルの値と比較する。質的または量的なこのような比較法は当分野で周知である。
【0072】
例えば、本核酸分子またはプローブを標準的な方法で標識して、これをハイブリダイゼーション複合体の形成に好適な条件下で、患者からの生体サンプルに加える。インキュベーションの後、このサンプルを洗浄し、ハイブリダイゼーション複合体に関連する標識(シグナル)の量を定量して標準値と比較する。患者のサンプルに於けるコンプレクスフォーメーションが通常もしくは疾患標準値の何れかと著しく異なっている(高いまたは低い)場合は、疾患の存在を示唆する。
【0073】
差次的な発現を確立するための基準を設けるために、通常及び疾患発現プロファイルが確立される。この発現プロフィールは、ハイブリダイゼーションまたはに好適な条件下で、ヒト若しくは動物の正常被験体から採取したサンプルを、cDNAと結合させることによって確立される。標準的なハイブリダイゼーション複合体は、正常な被験体から得た値と、実質的に精製された配列を所定量用いた実験値とを比較することによって定量することができる。このように求めた標準値を、特定の症状や疾患、または異常症を示す患者のサンプルから得た値と比較することができる。標準値と特定の疾患に関連する値との偏差からその症状を診断する。
【0074】
またこのようなアッセイを用いて、動物実験や臨床検査における特定の治療計画の効果を評価したり、患者個人の治療をモニタリングすることができる。病態が確認されると治療プロトコルを開始し、通常ベースで診断アッセイを繰り返して、被験者における発現のレベルが正常な患者に示される値に近づき始めたか否かを調べることが可能である。連続して行ったアッセイの結果から、数日から数ヶ月に渡る期間の治療効果を調べることができる。
【0075】
免疫学的方法
特異的なポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体の何れかを用いるタンパク質の検出及び定量は当分野で周知である。このような技術には、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)及びラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光活性化セルソーター法(FACS)が含まれる。2つの非干渉エピトープに反応するモノクローナル抗体を用いる2部位モノクローナル系イムノアッセイが好ましいが、競合的結合アッセイを用いることもできる(例えば、Coligan 他 (1997) Current Protocols in Immunology, Wiley-Interscience, New York NY; および Pound 前出)。
【0076】
(治療)
図3A乃至3Jに示されているように、PDZドメイン及びaPKC結合領域に関連して、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラットASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒト ASIP (g8O37915; SEQ ID NO:63)の領域間に化学的及び構造的類似性が存在する。加えて、ARPの差次的発現は、表1及び2に示されているように、消化器系、女性生殖組織、血液及び免疫系、神経系、呼吸器系、及び尿路、及びとりわけ膀胱移行上皮癌のような癌に関連する。ARPはとりわけ膀胱移行上皮癌のような癌に際だった役割を果たす。
【0077】
ARPの増加発現に関する状況の治療では、発現若しくはタンパク質活性を減少させることは不可能である。ある実施例では、タンパク質の抑制遺伝子、アンタゴニスト、及び抗体が被験者に対して投与され、増加した発現及び活性に関するコンディションを治療する。別の実施例では薬剤キャリアに関連する抑制遺伝子、アンタゴニスト、及び抗体を含む薬剤成分が、被験者に対して投与され、内因性タンパク質の増加発現及び活性に関するコンディションを治療する。追加的な実施例では、cDNA若しくはその断片の補体を発現するベクターが、疾患の治療のために被験者に投与される。
【0078】
ARPの減少した発現に関連する症状の治療では、発現若しくはタンパク質活性を増加させることが出来ない。ある実施例では、タンパク質、アゴニスト、若しくはエンハンサが、被験者に投与され、減少した発現若しくは活性に関する症状を治療する。別の実施例では、薬剤のキャリアに関連して、タンパク質、アゴニスト、及びエンハンサを有する薬剤成分が被験者に対して投与され、内因性タンパク質の減少発現若しくは活性に関係する症状を治療する。さらなる実施例では、cDNAを発現するベクターが、疾患を治療する目的で被験者に投与される。
【0079】
本cDNA、またはそれに相補的な分子やその一部、そのタンパク質やその一部の内の任意のもの、これらの核酸分子やタンパク質を運ぶベクター、及びそれらのリガンドをその他の薬剤と共に投与することが可能である。併用療法に用いる薬剤の選択は、当業者が従来の薬学原理に従って行うことができる。薬剤を併用することによって、少量の各薬剤で特定の症状の予防または治療において相乗的な効果をあげることが可能である。
【0080】
核酸を用いる遺伝子発現の調節
遺伝子の発現は、ARPをコードする遺伝子の5’または3’調節領域、或いは他の調節領域に対して相補的或いはアンチセンス分子を設計することで調節することが可能である。転写開始部位に対して設計されたオリゴヌクレオチドが好ましい。同様に、ポリメラーゼ、転写因子、または調節分子の結合を阻止する三重螺旋塩基対合で遺伝子発現を阻止することができる(Gee 他 In: Huber and Carr (1994) Molecular and Immunologic Approaches, Futura Publishing, Mt. Kisco NY, pp. 163-177)。また、リボソームとmRNAとの結合を阻止して翻訳が行われないように、相補的な分子を設計することも可能である。或るいは、複数のcDNAまたはその断片のライブラリをスクリーニングして、翻訳されない調節配列に特異的に結合する核酸分子または断片を同定することも可能である。
【0081】
また、酵素活性をもつRNA分子であるリボザイムを用いて、RNAの特異的な切断を触媒してもよい。リボザイム作用のメカニズムは、まずリボザイム分子と相補的な標的RNAとの配列特異的なハイブリダイゼーションが起こり、次にGUAおよびGUU、GUCなどの部位においてヌクレオチド鎖が切断される。このような部位が一旦同定されたら、オリゴヌクレオチドを機能不全にしうる二次構造特性について、同じ配列を有するオリゴヌクレオチドを評価することができる。また、候補標的としての適合性は、RNA分解酵素保護アッセイを用いて、相補的なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを検査して評価することができる。
【0082】
本発明の相補的な核酸およびリボザイムは、固相ホスホラミダイト化学合成法を用いて、in vitroまたはin vivoでの組換え発現によって調製することが可能である。更に、RNA分子は、その5’および/または3’末端に隣接配列を付加して、或いは分子のバックボーン内のホスホジエステル結合の代わりにホスホロチオネートまたは2’O−メチルを用いて、細胞内の安定性および半減期が増大するように改変することができる。この改変はPNAの作製に固有であるが、他の核酸分子にも適用することができる。例えばイノシン、queosine、wybutosineなどの伝統的でない塩基を含めて、またはアセチル基、メチル基、チオ基でウリジン、アデニン、シチジン、グアニン、およびチミンを修飾して、内在性エンドヌクレアーゼに対する分子の有効性を低くする。
【0083】
スクリーニング及び精製のアッセイ
本ARPをコードするcDNAを用いて、分子若しくは混合物のライブラリをスクリーニングして特異的な結合親和性を調べることが可能である。このライブラリは、生物系においてcDNAの活性、複製、転写、または翻訳を調節するアプタマー、DNA分子、RNA分子、PNA、ペプチド、転写因子などのタンパク質、エンハンサー、リプレッサー、およびその他のリガンドを含み得る。このアッセイは、特異的な結合が許容される条件下で、cDNAまたはその断片を分子のライブラリと結合させるステップと、特異的な結合を検出して、一本鎖または適切ならば二本鎖分子と特異的に結合する少なくとも1つの分子を同定するステップとを含む。
【0084】
一実施例において、本発明のcDNAを複数の精製された分子または複合物と共にインキュベートすることが可能であり、電気泳動度移動アッセイ(USPN 6,010,849)または網状赤血球溶解物転写アッセイ等の当分野で公知である方法によって結合活性を測定することが可能である。別の実施例において、cDNAは生検そして/あるいは培養細胞と組織からの核抽出物と共にインキュベートすることが可能である。核抽出物のcDNAと分子あるいは化合物の間の特異結合は、最初ゲルシフトアッセイにより決定される。そして後にその分子または化合物を回収して、それに対する抗体を作製することによって確認することが可能である。これらの抗体がアッセイに加えられる時、電気泳動度移動アッセイにスーパーシフトが起きる。
【0085】
別の実施例では、cDNAは、当分野で公知であるアフィニティークロマトグラフィー方法を用いて分子あるいは化合物を精製するために使用される。一実施例では、cDNAは高分子樹脂またはゲル上で臭化シアン基と化学的に反応する。次にサンプルを通し、cDNAと反応あるいは結合させる。cDNAに結合する分子または化合物は、流動媒体の塩の濃度の上昇によりcDNAから放出され、回収される。
【0086】
更なる実施例において、タンパク質あるいはその部分をサンプルのリガンドを精製するために用いる可能性がある。リガンドを精製するためにタンパク質またはその部分を使用する方法には、特異結合を許容する条件下でタンパク質またはその部分をサンプルと結合すること、タンパク質とリガンド間の特異結合を検出すること、結合したタンパク質を回収すること、精製したリガンドからタンパク質を分離するために適切なカオトロピック剤を使用することが含まれる。
【0087】
好適な実施例では、ARPまたはその部分を多様なスクリーニングアッセイの任意の複数の分子または化合物をスクリーニングするために用い得る。そのようなスクリーニングで用いられたタンパク質の部分は、溶液中で遊離しているか、非生物的物質または生物的基質に固定させる(例えば細胞表面上に保持される)、あるいは細胞内に位置することになろう。例えば1つの方法では、組換え核酸で安定的に形質転換された、生きたまたは固定された原核宿主細胞で、細胞表面にペプチドを発現し局在させる細胞をスクリーニングアッセイで使用することが可能である。細胞を複数のリガンドあるいはリガンドのライブラリに対してスクリーニングする。そして発現したタンパク質とリガンドの間で結合の特異性または複合体の形成を測定し得る。タンパク質と分子間の特異結合を測定してもよい。スクリーニングされたライブラリの種類に応じて、アッセイをDNA分子、RNA分子、ペプチド核酸、ペプチド、タンパク質、擬態、アゴニスト、アンタゴニスト、抗体、免疫グロブリン、インヒビター、薬剤及び他のリガンドを同定するために用いる可能性があり、そしてタンパク質を特異結合する。
【0088】
或る実施態様において、本発明はUSPN 5,876,946に記載された非常に小さなアッセイ量と微少量を使用して試験化合物高い処理能力でスクリーニングするための方法を網羅する。当該文献は特に引用することを以って本明細書の一部となす。この方法は、特異結合により多数の分子と化合物をスクリーニングするために用いられる。別の実施様態において本発明は、タンパク質を結合することができる中和抗体が、タンパク質またはオリゴペプチドまたはその部分を結合するための試験化合物と特異的に競合する、競合的薬剤スクリーニングアッセイの使用も網羅する。スクリーニングによって同定された分子または化合物は、毒性、診断または可能性のある治療薬を評価するために哺乳動物モデル系で用いられ得る。
【0089】
薬理学
医薬組成物とは、所望の目的を達成するのに効果的な量の活性成分を含んでいる物質である。効果的な薬用量の決定は、当分野の技術者の能力による部分が大きい。どんな化合物であっても、初めは細胞培養アッセイ或いは動物モデルの何れかによって治療効果のある薬用量を推定する。また、動物モデルを使って、好適な濃度範囲および投与経路を決定する。次に、このような情報を用いて、ヒトへの効果的な投与経路および薬用量を決定する。
【0090】
治療効果のある薬用量とは、症状または病態を改善するタンパク質またはインヒビターの量である。このような薬剤の薬用効果および毒性は、例えば、ED50(集団の50%に医薬的効果がある投与量)およびLD50(集団の50%に致命的である投与量)などの細胞培養または実験動物における標準的な製薬方法によって決定することができる。或る投与量における毒性効果と治療効果との比率が治療指数となり、LD50/ED50と示すことができる。高い治療指数を示す医薬組成物が好ましい。細胞培養アッセイおよび動物実験から得られたデータを用いて、ヒトへ適用する薬用量の範囲を決定する。
【0091】
(モデル系)
動物モデル系は生物学的検定法として用い得る。そこではヒトと類似の表現型反応を示し、また暴露条件が人体暴露と関連する哺乳動物は最も一般的なモデルであり、多くの感染体、癌、薬剤および毒性研究が、低費用、利便性、寿命、生殖可能性、豊富な参照文献ゆえにラットまたはマウス等の齧歯類で実施される。近交系また非近交系齧歯類は、目的遺伝子の過小発現と過剰発現の生理作用の結果の研究、および疾患の診断と治療のための方法開発のための便利なモデルを提供する。特定の遺伝子を過剰に発現する哺乳動物近交系(例えば乳汁内に分泌する)は、その遺伝子により発現する便利なタンパク質源となり得る。
【0092】
毒性研究
毒性研究は、生物系上での薬剤影響の研究である。多くの毒性研究は、ラットまたはマウスで実施される。生理学、行動、恒常性プロセスにおける定性または定量変更そしてラットまたはマウスの死亡率の観察は、毒性プロフィールを生み出し、薬剤への暴露の後にヒトの健康に及ぼす潜在的な因果関係を評価するために使われる。
【0093】
遺伝毒性研究により、内在性、自発的そして誘導された遺伝突然変異の率への薬剤の影響の同定と分析がなされる。遺伝毒性薬剤は、核酸との相互作用を促進する共通の化学的特性また物理的特性を通常は有する。また染色体の異常が子孫に伝達された時最も有害である。毒性研究により、受胎前に親に、妊娠中に母親にあるいは発達中の生物のいずれかに投与された場合子孫の組織中の構造的また機能的異常の頻度が増大する物質を同定することが可能である。マウスまたはラットは、これらの試験で最も頻繁に使用される。なぜなら生殖周期が短いので統計上の必要にかなう多数の生物の繁殖を可能にするからである。
【0094】
急性毒性試験は、症状改善または薬剤の致死率を決定するために被験動物に薬剤を1回投与することに基づいている。3回の実験が実施される。:1)初回投与量範囲を定める実験、2)有効量の範囲を狭める実験、3)用量反応曲線を確定するための最終実験。
【0095】
亜慢性毒性試験は、薬剤の連続投与に基づく。ラットとイヌはこれらの研究で一般的に用いられ、様々な属の種からのデータを提供する。発癌を除いて、3−4ヶ月の間、高投与量濃度で薬剤を毎日投与することにより、成獣における毒性の多くの形態を明らかにできることに関して相当の証拠がある。
1年以上の期間の慢性毒性試験により、毒性の不存在か薬剤による発癌の可能性を実証する。ラットによって研究が実行される時、最小限の3つの試験グループに加えて1つの対照グループが用いられる。実験当初および実験中は定期的に動物は調べられ、モニターされる。
【0096】
遺伝子組換え動物モデル
目的の遺伝子を過剰発現あるいは過小発現する遺伝子組換え齧歯類は近親交配され、ヒト疾患のモデル、または治療薬や毒性薬剤の試験のために用いられ得る。(USPN 5,175,383、USPN 5,767,337等を参照.)。場合によっては、導入された遺伝子は胎児の発育中または出生後の発育中の特定の時間に特定の組織のタイプで活性化され得る。導入遺伝子の発現は、薬物治療法実験への取り組み前、中、後に遺伝子組換え動物の表現型、組織特異的mRNA発現または血清と組織タンパク質レベルの分析によってモニターされる。
【0097】
胚性幹細胞
齧歯類の胚から単離された胚性幹細胞(ES細胞)は、胚組織を形成する可能性を保持する。ES細胞がキャリアーの胚内部に置かれた時、正常な発育を再開して、生きて生まれた動物の組織に寄与する。ES細胞は実験的ノックアウトとノックイン齧歯類の生成に用いられる好適な細胞である。129/SvJ細胞株等のマウスES細胞は初期のマウス胚に由来し、当分野で公知の培養条件下で増殖させることができる。遺伝子組換え類を産生するのに用いられたベクターには、疾患遺伝子候補と標識遺伝子が含まれる。後者は導入された疾患遺伝子の存在を同定することに役立つ。ベクターは当分野で公知の方法でES細胞に形質転換する。そして形質転換したES細胞を同定し、例えばC57BL/6マウス系等から採取したマウス細胞胚盤胞に微量注入する。胚盤胞を偽妊娠メスに外科的に導入し、得られるキメラ子孫の遺伝形質を決め、これを交配させてヘテロ接合性系またはホモ接合性系を作製する。
【0098】
ヒト胚盤胞由来のES細胞は、in vitro で少なくとも8つの別々の細胞系統に分化するよう操作することが可能である。これらの系統はin vitro 様々な細胞のタイプと組織の分化を研究するのに用いられ、例えば神経細胞、造血系統及び心筋細胞に分化する内胚葉、中胚葉及び外胚葉の細胞の種類を含む。
【0099】
ノックアウト分析
遺伝子ノックアウト分析では、哺乳動物遺伝子の領域はネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子(neo: Capecchi(1989) Science 244:1288-1292)等の非哺乳動物遺伝子を含むよう酵素処理で修飾される。修飾された遺伝子は、培養したES細胞に形質転換され、相同組換えにより内因性ゲノムに組み込まれる。挿入された配列は、内在性遺伝子の転写と翻訳を破壊する。形質転換細胞を齧歯類胞胚に注入し、その胞胚を偽妊娠メスに移植する。遺伝子組換え子孫は、哺乳動物遺伝子の機能複製を欠くホモ接合性近交系を得るために交配される。一例では、哺乳動物遺伝子はヒト遺伝子である。
【0100】
ノックイン分析
ES細胞を用いて、ヒト疾患の「ノックイン」ヒト化動物(ブタ)または遺伝子組換え動物モデル(マウスまたはラット)を作製することが可能である。ノックイン技術を用いて、ヒト遺伝子の或る領域を動物ES細胞に注入し、注入したヒト配列を動物細胞ゲノムに組み込ませる。形質転換細胞を胞胚に注入し、胞胚を上記のように移植する。遺伝子組換え子孫または近交系について研究し、可能性のある医薬品を用いて処理し、類似のヒトの症状の治療に関する情報を得る。これらの方法は、幾つかのヒト疾患をモデル化するために用いられてきた。
【0101】
ヒト以外の霊長類モデル
動物実験の分野では、生理学、遺伝学、化学、薬理学、統計学等の基礎科学のデータと方法論を扱う。これらのデータは、ヒトの健康に関連している可能性があるので、ヒト以外の霊長類での治療薬の影響を評価するのに非常に重要である。ワクチンと薬物の評価においてサルがヒトの代用に用いられる。またサルの反応が類似の条件下で人体暴露と関連される。このような調査では、カニクイザルとアカゲザル(それぞれMacaca fascicularisMacaca mulatta)、コモンマモセット(Callithrix jacchus)が最も一般的に用いられるヒト以外の霊長類(NHP)である。NHPのコロニーの発達と維持には多額の費用がかかるため、齧歯類のモデルで初期の調査と毒性研究が通常は実施される。薬物常用などの行動測定を利用する研究では、NHPが最初に実験動物に選ばれる。さらに、NHPと個々のヒトは多くの薬剤と毒素に異なる感受性を示す。またこれらの薬剤の「広範囲のメタボライザー」から「代謝不良体質」まで表現型の範囲として分類することが可能性である。
【0102】
別の実施例では、将来に開発される分子生物学技術で、現在知られているヌクレオチド配列の特性(限定はされないが、トリプレット遺伝コード、特異的な塩基対相互作用等を含む)に依存しているならば、このタンパク質をコードするcDNAにその新技術を用い得る。
【実施例】
【0103】
下記の実施例は、目的の本発明を説明するために提供するが、これは本発明を限定する目的はではない。実施例の目的のために、ヒト膀胱腫瘍(BLADTUT04)、及び標準化された乳房(BRSTNON02)ライブラリの準備について記載する。
【0104】
cDNA ライブラリの作製
膀胱腫瘍ライブラリ
BLADTUT04 cDNAライブラリは、左の膀胱壁に移行上皮癌を有する60歳の白人男性より摘出した膀胱腫瘍組織より作成された。POLYTRONホモジナイザー(Brinkmann Instruments, Westbury NJ)を使用して、凍結組織をホモジナイズして溶解させた。試薬及び抽出手順は、RNA単離キット(Stratagene)内で供給されるように用いられた。可溶化液は、室温、25000rpm、18時間に渡ってL8-70M超遠心機(Beckman Coulter, Fullerton CA)中でSW28ローターを用いることによって、5.7M CsClクッションで遠心分離される。RNAはpH 8.0のフェノールクロロホルムで二回、pH 4.7の酸フェノールで一回抽出され、0.3 Mの酢酸ナトリウム及び2.5 倍のエタノールを用いて沈殿され、水中で再懸濁され、また37℃で15分間に渡りDnase処理される。OLIGOTEX精製キット(QIAGEN, Chatsworth CA)を用いて、RNAが単離され、cDNAライブラリの構築に用いられた。
【0105】
これをcDNAライブラリの作製に用いた。このmRNAを、mRNAのポリ(A)尾部で一本鎖cDNAの合成を開始するように設計されたNotIプライマー−アダプターを含むSUPERSCRIPT プラスミドシステム(Life Technologies)の推奨プロトコルに従って処理した。二本鎖cDNAを平滑化し、EcoRIアダプターに結合し、NotI(New England Biolabs, Beverly MA)で消化した。このcDNAを、SEPHAROSE CL4Bカラム(APB)上で分画化し、400bpを越える大きさのcDNAを、pINCYプラスミド(Incyte Genomics)に結合させた。このプラスミドpINCYは、DH5αコンピテント細胞(Life Technologies)に形質転換された。
【0106】
標準化乳房
E. coliストレーンDH12Sコンピテント細胞内における、プールされたBRSTNOT34及びBRSTNOT35プラスミドライブラリの約1.2 x 106の独立クローンは、エレクトロポレーションによる形質転換に続くカルベニシリン(25 mg/1)及びメチシリン(1 mg/nil)選択条件下の液体培養液中で成長した。ライブラリ中の存在レベルに従って過剰なcDNA コピーの数を減少させるべく、cDNAライブラリは、Soaresら(1994; Proc Nad Acad Sci 91:9228-9232)、及びBonaldoらの手順に従って2ラウンドで標準化された。プライマエクステンション反応におけるテンプレート比に対するプライマーは、2:1から300:1へと増加した。アニーリングハイブリダイゼーションは13時間から48時間へと延長された。標準化ライブラリの単鎖DNA環はハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーによって精製され、ランダムな初回抗原刺激によって部分的に2重鎖へと変換され、pINCYプラスミド内へと結合され、DH12Sコンピテント細胞へと電気穿孔された(Life Technologies)。
【0107】
pINCY プラスミドの作成
プラスミドをEcoRI制限酵素(New England Biolabs, Beverly MA)と共にpSPORT1プラスミド(Life Technologies)を消化して、クレノウ酵素(New England Biolabs)と2'-デオキシヌクレオチド5'-3リン酸(dNTP)を用いて張出部(overhang)末端を占めるとにより作製した。プラスミドは自己連結反応して、細菌性宿主の大腸菌株JM109に形質転換した。
【0108】
バクテリア(pSPORT 1ΔRI)により産出した仲介プラスミドはEcoRIでは消化されず、Hind III (New England Biolabs)で消化され、張出部(overhang)末端は再びクレノウとdNTPで占めた。リンカー配列をリン酸化して、5'平滑末端上に連結反応させ、EcoRIで消化してから、自己連結反応させた。JM109宿主細胞への形質転換後に、プラスミドを単離してEcoRIとの優先的消化性を検査したが、Hind IIIとの優先的消化性を検査しなかった。この基準にかなう単一のコロニーを、pINCYプラスミドと名付けた。
【0109】
NotI、EcoRI 制限酵素を用いて準備したライブラリのcDNAを組み込む能力に関してプラスミドを試験した後に、幾つかのクローンを配列化して、多量のプラスミドを準備するための中から約0.8 kbの挿入を含む単一クローンを選択した。ライブラリ作製で使用するために、NotI、EcoRIで消化した後に、アガロースゲル上でプラスミドを単離して、QIAQUICKカラム(Qiagen)を用いて精製した。
【0110】
cDNA クローンの単離とシークエンシング
プラスミドDNAを細胞から放出して、MINIPREPキット (Edge Biosystems, Gaithersburg MD)またはREAL PREP 96 プラスミドキット(Qiagen)のいづれかを用いて精製した。このキットには、960精製のためリガンドでブロックする96-ウェルから成る。推奨されているプロトコルを下記の変更を除いて使用する。1)細菌を、カルベニシリン25 mg/lと0.4%のグリセロールの入った、殺菌したTERRIFIC BROTH(BD Biosciences, Sparks MD)1 mlで培養した。2) 接種後、細胞を19時間培養し、次いで0.3 mlの溶解バッファで溶解した。3) イソプロパノールによる沈殿の後、プラスミドDNAペレットを0.1 mlの蒸留水で再懸濁した。プロトコルの最終ステップ後に、サンプルを96-ウェルブロックに移して、4℃で保管した。
【0111】
cDNAをDNA ENGINE サーマルサイクラー(MJ Research)と併用してMICROLAB 2200システム(Hamilton)を使用して、シークエンシングのために調製した。cDNAをABI PRISM 377シークエンシングシステム(Applied Biosystems)またはMEGABACE 1000 DNAシークエンシングシステム(APB)を用いてSangerとCoulson(1975; J Mol Biol 94:441-448)の方法で配列化した。多くの単離は、溶液体積0.25x-1.0x濃度の標準ABIプロトコルとキット(Applied Biosystems)に従ってシークエンスされた。別法では、cDNAをAPBの溶液と色素を用いてシークエンスした。
【0112】
cDNA 配列の伸長
cDNAクローンとオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、cDNAを伸長した。一方のプライマーは既知の断片の5'伸長を開始するべく合成し、他方のプライマーは既知の断片の3'伸長を開始するべく合成した。開始プライマーは、OLIGOソフトウエア(Molecular Biology Insights)を用いて、約22個から約30個のヌクレオチドの長さで約50%以上のGC含量を有し、かつ約68〜72℃の温度で標的配列にアニールするように設計した。ヘアピン構造及びプライマー−プライマー二量体が生じないようにヌクレオチドを伸長した。
【0113】
配列を伸長するために、鋳型として選択されたcDNAライブラリを用いた。2段階以上の伸長が必要な場合には、付加的プライマー或いはプライマーのネステッドセットを設計した。好適なライブラリのサイズを選択して、更に遺伝子の5'または上流領域を有する配列を含めるために大きなcDNAとランダムプライマーを含めた。ゲノムライブラリを特に5'プロモーター結合領域への伸長する調節領域を得るために使用する。
【0114】
高忠実度の増幅をUSPN 5,932,451で開示された方法を利用したPCR法によって得た。 PCR法をDNA ENGINE サーマルサイクラー(MJ Research.)を用いて96穴プレート内で実施した。反応混合液は、鋳型DNA及び200 nmolの各プライマー、Mg +と(NH4)2SO4とβ−メルカプトエタノールを含む反応バッファ、Taq DNAポリメラーゼ(APB)、ELONGASE酵素(Life Technologies)、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を含む。 プライマーの組、PCI AとPCI B(Incyte Genomics)に対して以下のパラメータで増幅を行った。:ステップ 1:94℃で3分間、ステップ 2:94Cで15秒間、ステップ 3:60Cで1分間、ステップ 4:68Cで2分間、ステップ 5:ステップ2、3及び4を20回繰り返す。ステップ 6:68Cで5分間、ステップ 7:4℃で保管。別法では、プライマーの組、T7とSK+(Stratagene)に対して以下のパラメータで増幅を行った。ステップ 1:94℃で3分間、ステップ 2:94Cで15秒間、ステップ 3:57Cで1分間、ステップ 4:68Cで2分間、ステップ 5:ステップ2、3及び4を20回繰り返す。ステップ 6:68Cで5分間、ステップ 7:4℃で保管。
【0115】
各ウェルのDNA濃度は、1X TE及び0.5μlの希釈していないPCR産物に溶解した100μlのPICOGREEN定量試薬(1x TEの0.25%試薬、v/v; Molecular Probes)を不透明な蛍光光度計プレート(Coming Costar, Acton MA)の各ウェルに分配してDNAが試薬と結合できるようにして測定する。サンプルの蛍光を計測してDNAの濃度を定量するべくプレートをFluoroskan II (Labsystems Oy)でスキャンした。反応混合物のアリコート5〜10μlを1%アガロースミニゲル上で電気泳動法によって解析し、どの反応が配列の伸長に成功したかを決定した。
【0116】
伸長させたクローンは、脱塩及び濃縮して384穴プレートに移し、CviJIコレラウイルスエンドヌクレアーゼ(Molecular Biology Research, Madison WI)を用いて消化し、pUC 18ベクター(APB)への再連結反応前に音波処理またはせん断した。ショットガン・シークエンシングのために、消化したヌクレオチド配列を低濃度(0.6〜0.8%)のアガロースゲル上で分離し、断片を切除し、寒天をAGARACE酵素(Promega)で消化した。伸長させたクローンをT4DNA(New England Biolabs)を用いてpUC 18ベクター(APB)に再連結し、Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)で処理して制限部位の張出部(overhang)を満たし、大腸菌細胞に形質移入した。形質移入した細胞を選択して抗生物質を含む培地に移し、それぞれのコロニーを切りとってLB/2Xカルベニシリン培養液の384ウェルプレートに37℃で一晩培養した。
【0117】
細胞を溶解して、Taq DNAポリメラーゼ(APB)及びPfu DNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いて以下の手順でDNAをPCR増幅した。ステップ 1:94℃で3分間、ステップ 2:94Cで15秒間、ステップ 3:60Cで1分間、ステップ 4:72Cで2分間、ステップ 5:ステップ2、3及び4を29回繰り返す。ステップ 6:72Cで5分間、ステップ 7:4℃で保管。上記したようにPICOGREEN量的試薬(Molecular Probes)でDNAを定量化した。DNAの回収率が低いサンプルは、上記と同一の条件を用いて再増幅した。サンプルは20%ジメチルスルホキシド(DMSO; 1:2, v/v)で希釈し、DYENAMIC エネルギートランスファー シークエンシングプライマー、及びDYENAMIC DIRECTサイクルシークエンシングキット(APB)またはABI PRISM BIGDYE ターミネーターサイクル シークエンシング反応キット(Applied Biosystems)を用いてシークエンシングした。
【0118】
cDNA クローンの相同性検索と推定タンパク質
配列表のcDNAまたは推定アミノ酸配列を用いて、GenBank、SwissProt、BLOCKSなどのデータベースに問合せした。BLASTかBLAST2(前出のAltschulら;前出のAltschul) を用いて前もって同定した、またアノテーションが付けられた配列あるいはドメインを含むこれらのデータベースを検索して、アラインメントを生成し、どの配列が厳密に一致するか、または相同的かを決定した。アラインメントを原核(細菌性)または真核(動物、カビあるいは植物)生物のシ−クエンシングした。別法として、SmithとSmith (1992, Protein Engineering 5:35-51)で説明されているようなアルゴリズムを用いて、一次配列パターンと二次構造ギャップペナルティで処理することが可能であった。この出願で開示されているすべての配列は、少なくとも49ヌクレオチドの長さを有し、不要な塩基は1.2%に過ぎない(A、C、GまたはTよりもNが記録されている)。
【0119】
前出のKarlinで詳説されているように、問合せ配列とデータベース配列の間のBLAST一致を統計的に評価して、ヌクレオチドに10-25、ペプチドに10-25の閾値を満たす時のみ報告した。下記のように計算して積スコアによって、相同性も評価した。BLASTのヌクレオチドあるいはアミノ酸の一致率[問い合わせ配列と参照配列間]に%最大限BLASTスコアを乗じ[問い合わせ配列と参照配列の長さに基づく]、次いで100で除する。実験室で用いるハイブリダイゼーション法と比較して、厳密な一致の電子ストリンジェンシーを約40の下限(不要な塩基のために1-2%のエラーがある)から70の100%一致まで設定した。
【0120】
無料で入手可能な配列比較アルゴリズムであるBLASTソフトウエア一式(NCBI, Bethesda MD、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.html)には、核酸分子をアラインメントする「blastn」、核酸分子またはアミノ酸分子を対で直接比較するために用いるBLAST 2など多種の配列分析プログラムが含まれる。BLASTプログラムは、一般的には、ギャップ及びデフォルト設定に設定された他のパラメータと共に用いる。例えば:Matrix:BLOSUM62; Reward for match:1; Penalty for mismatch:-2; Open Gap5 及びExtension Gap:2 penalties; Gap x drop-off:50; Expect:10; Word Size:11; 及びFilter:on同一性は配列全体またはより小さいその部分の長さにより測定する。Brenner (1998; Proc Natl Acad Sci 95:6073-6078, 文献は、引用することをもって本明細書の一部とする)は配列同一性によって構造的相同性を同定する能力に関してBLASTを分析した。少なくとも150残基の配列アラインメントには信頼できる閾値は30%の同一性であり、少なくとも70残基のアラインメントに関しては40%であることがわかった。
【0121】
推定上ASIP関連タンパク質は、公共のゲノム配列データベース(例えば、gbpriやgbhtg)においてGenscan遺伝子同定プログラムを実行して初めに同定された。Genscanは、様々な生物に由来するゲノムDNA配列を分析するための汎用遺伝子同定プログラムである(Burge, C. および S. Karlin (1997) J. Mol. Biol. 268 : 78-94、Burge, C. および S. Karlin (1998) Curr. Opin. Struct. Biol. 8 : 346-354を参照)。このプログラムは推定エキソンを連結して、メチオニンから停止コドンまで伸長した組み立てcDNA配列を構築する。GenscanによりJ得られる配列は、FASTAデータベースのポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列になる。Genscanによって一回で解析できる配列の最大長さは30kbに設定されている。これらのGenscan推定cDNA配列の内、どの配列がASIP関連タンパク質をコードするかを決定するために、コードされたポリペプチドをPFAMモデルにおいてASIP関連タンパク質について問合たて分析した。潜在的なASIP関連タンパク質が、ASIP関連タンパク質としてアノテーションが付けられたインサイトcIDNA配列に対する相同性を基に同定された。次に、これらの選択されたGenscan推定配列を、BLAST解析を用いてgeneptおよびgbpri公共データベースの配列と比較した。必要に応じて、Genscan推定cDNA配列を、geneptにおいてBLASTで最もヒットした配列と比較して、Genscan推定配列における余分なエキソンや省いてしまったエキソンなどのエラーを修正し、編集した。BLAST解析を用いてGenscan推定cDNA配列を含むインサイトcDNAまたは公共のcDNAを見つけ出すことにより、転写の証H拠が得られる。インサイトcDNAがGenscan推定cDNA配列を含む場合、この情報を用いてGenscan推定配列を修正或いは確認できる。完全長ポリヌクレオチド配列は、実施例3に説明した組み立て方法でGenscan推定コード配列とインサイトcDNAおよび/または公共のcDNA配列を組み立てて作製した。別法では、完全長ポリヌクレオチド配列は、その全てが編集した或いは未編集のGenscan推定コード配列から作製した。
【0122】
この出願のcDNAをアセンブルしたコンセンサス配列あるいはLIFESEQ GOLDデータベースで見つけた鋳型と比較した。cDNA、伸長、全長およびショットガン・シークエンシングプロジェクトの構成エレメント配列をPHRED分析にかけて、クオリティスコアを指定した。クオリティスコアが許容できるすべての配列を多様なプリプロセシングとエディテイングの経路にかけ、低質の3' 末端、ベクターとリンカー配列、ポリAテイル、Alu 繰返し、ミトコンドリア及びリボゾーム配列、細菌汚染配列を除去する。編集した配列は少なくとも長さが50 bpであり、ジヌクレオチド反復、Alu反復などの情報に乏しい配列と反復エレメントを"Ns"あるいはマスクしたものに置換した。
【0123】
編集した配列は、構築処理にかけられ、配列が遺伝子ビンに割り当てられた。各配列は1つのビンにのみ所属でき、各ビンの配列を構築して、鋳型を作製した。BLASTとCROSSMATCHを用いて、新たにシークエンスした部分を既存のビンに加えた。前記の部分配列をビンに加えるために、150以上のBLAST質のスコアと少なく82%の局所同一性のアラインメントを有しなければならない。PHRAPを用いて、各ビンの配列を構築した。DEEP PHRAPを用いて、幾つかの重畳部分配列を有するビンを構築した。部分配列の数と配向に基づいて、各鋳型の配向を決定した。
【0124】
ビンを互いに比較して、少なくとも82% の局所類似性を有するビンを結合して、再構築した。95%以下の局所同一性である鋳型を有するビンを分離した。STITCHER/EXON MAPPERアルゴリズムによって鋳型を分析にかけ、スプライス変異体、或いはスプライスエキソン、スプライス接合部、組織のタイプや疾患状態全体の選択的スプライシングされた遺伝子の示差発現などの存在の確率を分析した。構築処理を周期的に繰り返した。そしてBLASTを用いてGbpriなどのGenBankデータベースに対して鋳型にアノテーションを付けた。厳密な一致について、200の塩基対に対して95%の局所同一性から100の塩基対に対して100%の局所同一性を有すると定義した。また相同一致については、E-value (または確率値)<1 x 10-8を有すると定義した。鋳型をGENPEPTに対するフレームシフト型FASTx にもかけた。相同一致をE-value <1 x 10-8を有すると定義した。鋳型分析と構築については1999年3月25日に提出したUSSN 09/276,534に記載されている。
【0125】
構築に続いて、鋳型をBLAST、モチーフその他の機能的分析にかけて、1997年3月6日に提出したUSSN 08/812,290、USSN 08/811,758、1997年10月9日に提出したUSSN 08/947,845、1998年3月4日に提出したUSSN 09/034,807等に記載されているタンパク質階層に分類した。3つの全フォワードリーディングフレームで各鋳型を翻訳することにより、またHMMER ソフトウエアパッケ−ジ(Washington University School of Medicine, St. Louis MO; http://pfam.wustl.edu/)を用いて隠れマルコフモデル(HMM)を基にした保存されたタンパク質ファミリードメインのPFAMデータベースに対する各翻訳を検索することにより鋳型を分析した。MACDNASIS PROソフトウエア(Hitachi Software Engineering)とLASERGENEソフトウエア(DNASTAR)を用いてcDNAを更に分析した。そして公共のデータベース、例えばGenBankのげっ歯類、哺乳動物、脊椎動物、原核生物、真核生物のデータベースと、SwissProt、BLOCKS、PRINTS、PFAMそしてPrositeに問い合わせた。
【0126】
6 染色体マッピング
スタンフォード・ヒトゲノムセンター(SHGC)、ホワイトヘッド・ゲノム研究所(WIGR)、Genethon等の公的な情報源から入手可能な放射線ハイブリッド及び遺伝地図データを用いて、配列表に存在するcDNAが前もってマッピングされたかを測定した。マッピングされたKSRCCをコードするcDNAの断片は、すべての関連する調節配列とコード配列を同じ位置に割り当てる。遺伝地図上の位置は、ヒト染色体の範囲または間隔として表される。cM間隔の地図上の位置は、染色体のpアームの末端に関連して測定する(ヒト中のDNAの1メガベース(Mb)にほぼ等しい)。
【0127】
7 ハイブリダイゼーション技術と分析
基質上での cDNA の固定
下記の方法の1つによってcDNAを基質に適用する。ゲル電気泳動法によりcDNAの混合を分画し、キャピラリー転移によりナイロン膜に転移する。別法として、cDNAを個々にベクターに連結反応させ、細菌性宿主細胞に挿入してライブラリを形成する。次に下記の方法の1つによってcDNAを基質に配置する。最初の方法では、個々のコロニーを含む細菌細胞をロボット利用して切りとり、ナイロン膜に配置する。膜を選択培地(用いられたベクターに依存してカルベニシリン、カナマイシン、アンピシリンまたはクロラムフェニコール)を含むLB寒天に置き、37℃で16時間インキュベートする。寒天から膜を取り除き、コロニーを上側にして、10% SDS、変性溶液(1.5 M NaCl, 0.5 M NaOH )、中和溶液(1.5 M NaCl, 1 M Tris, pH 8.0)、2xSSC(2回)に各10分、連続的に膜を置く。次に膜をSTRATALINKER UV架橋剤(Stratagene)でUV 照射する。
【0128】
2番目の方法では、インサートに隣接するベクター配列に相補的なプライマーを用いて、cDNAを30サイクルのPCRで細菌ベクターから増幅する。PCR増幅で1〜2ngの初期量の核酸から5μgより大きい最終量まで増大する。SEPHACRYL-400 ビーズ(APB)を用いて長さが400 bpから約5000 bpまで増幅した核酸を精製する。手であるいはドット/スロットブロット法マニホールドと吸気装置を用いて精製核酸をナイロン膜に置く。そして上述した変性、中和、UV照射により固定する。USPN 5,807,522に記載されている方法を用いて、精製した核酸を、ロボットで配置して、ポリマーコートされたスライドグラス上に固定する。顕微鏡スライドグラス(Corning, Acton MA)を良く洗って0.1%のSDS中で超音波をかけ、4%フッ化水素酸(VWR Scientific Products, West Chester PA)中でエッチングし、95%エタノール中で0.05%アミノプロピルシラン(Sigma Aldrich)を用いてコーティングする、そして110℃のオブンで硬化させることにより、ポリマーコートされたスライドグラスを準備する。スライドグラスを処理前後で蒸留水中で広範囲にわたって洗浄する。核酸をスライドグラス上に置き、次にSTRATALINKER UV架橋剤(Stratagene)を用いてアレイをUV照射に暴露することにより固定する。アレイを室温において0.2%SDSで洗浄し、蒸留水で3度洗浄する。リン酸緩衝生理食塩水 (PBS)(Tropix, Inc., Bedford MA)中の0.2%カゼイン中において60℃で30分間アレイをインキュベートした後、0.2%SDS及び蒸留水で洗浄することにより、非特異結合部位をブロックする。
【0129】
膜ハイブリダイゼーションのプローブ調製
配列表のcDNAに由来するハイブリダイゼーションのプローブを使用して、膜系ハイブリダイゼーションでcDNA、mRNAまたはゲノムDNAをスクリーニングする。cDNAを45 μl TE バッファーの濃度40-50 ngに希釈し、5分間100℃に加熱して変性させ、短時間遠心分離して、プローブを調製する。次に変性したcDNAをREDIPRIME 試験管(APB)を加え、青色が均一に分布するまで軽く混合して、次に短時間遠心分離した。5μlの[32P]dCTPをその試験管に加え、内容物を37℃で10分インキュベートする。5 μl の0.2M EDTAを加えて標識化反応を停止する。そしてPROBEQUANT G-50 microcolumn (APB)を用いてプローブを組み込まれていないヌクレオチドから精製する。精製したプローブを5分間100℃に加熱する、そして2分間氷上で急速に冷却して、下記に記載した膜系ハイブリダイゼーションで使用する。
【0130】
ポリマーコートされたスライドハイブリダイゼーションのプローブ調製
サンプルから分離したmRNAに由来するハイブリダイゼーションのプローブを使用して、アレイベースのハイブリダイゼーションで配列表のcDNAをスクリーニングする。9 μl TE バッファーで濃度200 ngにmRNAを希釈し、5 μl 5× バッファー、1μl 0.1 M DTT、3 μl Cy3またはCy5標識化混合液、1 μl RNアーゼ阻害因子、1 μl 逆転写酵素、5 μl 1× 酵母調節mRNAを加え、GEMbrightキット(Incyte Genomics)を用いてプローブを調製する。非コード酵母ゲノムDNAからin vitro 転写により酵母調節mRNAを合成する(W. Lei, 未発表)。定量用対照として、サンプルmRNAに0.002 ng、0.02 ng、0.2 ng、2 ngでの対照mRNAの1つの設定をそれぞれ1:100,000、1:10,000、1:1000、1:100 (w/w)の比で逆転写反応混合液に希釈する。mRNA示差発現パターンを調べるために、対照mRNAの2番目の設定を1:3, 3:1, 1:10, 10:1, 1:25, また25:1 (w/w)の比で逆転写反応混合液に希釈する。反応混合液を混合して、37℃で2時間インキュベートする。次に反応混合液を20分間、85℃でインキュベートする。そして2つの連続するCHROMA SPIN+TE 30 カラム(Clontech, Palo Alto CA)を利用してプローブを精製する。精製したプローブは、プローブをDEPC処理水の90 μl に希釈させ、2 μl 1mg/ml グリコーゲン、60 μl 5 M 酢酸ナトリウム、300 μl 100% エタノールを加えて、エタノール析出させた。プローブを20分間、20,800xgで遠心分離する。そしてペレットを12 μlの再懸濁バッファーで再懸濁し、5分間65℃に加熱してから、充分に混合する。プローブを加熱して、以前のように混合して、氷上に保管する。以下に詳述するように、プローブを高密度アレイベースのハイブリダイゼーションにおいて使用する。
【0131】
膜系ハイブリダイゼーション
1% Sarkosylと1x 高リン酸バッファ(0.5 M NaCl, 0.1 M Na2HPO4, 5 mM EDTA, pH 7) を含むハイブリダイゼーション溶液で、55℃で2時間、膜を前もってハイブリダイズする。15 mlの新鮮なハイブリダイゼーション溶液中で希釈されたプローブを次に膜に加える。膜をプローブと共に55℃で、16時間、ハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション後、1mM Tris (pH 8.0), 1% Sarkosylで15分間、25℃で膜を洗浄し、さらに1mM Tris (pH 8.0)で、各回15分間、25℃で4回洗浄する。ハイブリダイゼーション化合物を検出するために、XOMAT-ARフィルム (Eastman Kodak, Rochester NY)を膜に一晩70℃で暴露する。そして現像してから、視覚で確認する。
【0132】
ポリマーコートされたスライドハイブリダイゼーション
プローブを5分間65℃に加熱してから、5415Cマイクロ遠心分離で5分間、9400 rpmで遠心分離する(Eppendorf Scientific, Westbury NY)。そして18 μl のアリクォットをアレイ表面に置き、カバーガラスで覆う。アレイは、顕微鏡用スライドより僅かに大きい空洞を有する防水チェンバーに移す。チェンバーのコーナーに140μlの5×SSCを加えることにより、チェンバー内部を湿度100%に保持する。このアレイを含むチャンバーを、60℃で約6.5時間インキュベートする。アッセイを1xSSC, 0.1% SDS中で、45℃で10分間洗浄し、次に0.1xSSCで、45℃で10分間の洗浄を3回繰り返した後に、乾燥させた。
【0133】
ハイブリダイゼーション反応を絶対的または示差ハイブリダイゼーションフォーマットで実施する。絶対ハイブリダイゼーションフォーマットでは、1つのサンプルのプローブをアレイエレメントにハイブリダイズし、ハイブリダイゼーション複合体形成後のシグナルを検出する。シグナル強度は、サンプル中のプローブmRNAレベルと相関する。示差ハイブリダイゼーションフォーマットでは、2つの生物サンプルでの遺伝子のセットの示差発現を分析する。2つのサンプルのプローブを調製して、異なる標識成分で標識化する。2つの標識されたプローブの混合液をアレイエレメントにハイブリダイズし、2つの異なる標識からの発光を個々に検出可能な条件下で2つの異なるシグナルを調べる。両方の生物サンプルから由来した実質的に同数のプローブにハイブリダイズするアレイ上のエレメントは、特有の結合した蛍光を出す(Shalon WO95/35505)。
【0134】
ハイブリダイゼーション複合体は、Cy3の励起のためには488nm、Cy5の励起のためには632nmでスペクトル線を発生し得るInnova 70混合ガス10 Wレーザ(Coherent, Santa Clara CA)を備えた顕微鏡で検出する。20×顕微鏡対物レンズ(Nikon, Melville NY)を用いて、アレイ上に励起レーザ光の焦点を当てる。アレイを含むスライドを顕微鏡のコンピュータ制御のX-Yステージに置き、20μmの解像度で対物レンズを通過してラスタースキャンする。示差ハイブリダイゼーションフォーマットで、レーザにより2つの蛍光色素を同時に励起する。発光された光は、波長に基づき分離され、2つの蛍光色素に対応する2つの光電子増倍管検出器(PMT R1477, Hamamatsu Photonics Systems, Bridgewater NJ)に送られる。アレイと光電子増倍管間に設置された好適なフィルターを用いて、シグナルをフィルターする。用いる蛍光色素の最大発光の波長は、Cy3では565nm、Cy5では650nmである。プローブ混合液に加えた酵母対照mRNAによって生み出されるシグナル強度を用いてスキャンの感度を較正する。アレイ上の特定の位置には相補的DNA配列を含め、その位置におけるシグナルの強度がハイブリダイズする種の重量比1:100,000に相関するようにする。
【0135】
光電子増倍管の出力は、IBMコンパチブルPCコンピュータにインストールされた12ビットRTI-835Hアナログ−ディジタル(A/D)変換ボード(Analog Devices, Inc., Norwood MA)を用いてディジタル化される。ディジタル化されたデータは、青色(低シグナル)から赤色(高シグナル)までの擬似カラー範囲へのリニア20色変換を用いてシグナル強度がマッピングされたようなイメージとして表示される。データは、定量的にも分析される。2つの異なる蛍光色素を同時に励起及び測定する場合には、各蛍光色素の発光スペクトルを用いて、データは先ず蛍光色素間の光学的クロストーク(発光スペクトルの重なりに起因する)を補正する。グリッドが蛍光シグナルイメージ上に重ねられ、それによって各スポットからのシグナルはグリッドの各エレメントに集められる。各エレメント内の蛍光シグナルは統合され、シグナルの平均強度に応じた数値が得られる。シグナル分析に用いるソフトウェアは、GEMTOOLSプログラム(Incyte Genomics)である。
【0136】
8 電子分析
BLASTを用いて、GenBankやLifeSeqデータベース(Incyte Genomics)において同一または関連分子を検索した。ヒト及びラットの配列の積スコアを下記のようにして計算した。BLASTスコアにヌクレオチド一致率を乗じ、積を(2つの配列の短い方の長さのの5倍)で除し、短い配列の長さへの100%アラインメントが積スコアを100にする。積スコアは2つの配列間の類似性の程度と配列一致の長さの両方を考慮する。例えば、積スコア40では一致はエラ−が1%から2%以内の厳密さになり、少なくとも積スコア70では一致は厳密となる。類似または関連する分子は、通常、積スコアが8から40の間を示す分子を選択して同定する。
【0137】
電子ノーザン分析を、図1及び2において示すように積スコア70で実施した。LIFESEQデータベースのすべての配列とcDNAライブラリを系、器官/組織、細胞のタイプにより分類した。分類には、心血管系、結合組織、消化器系、胎芽構造、内分泌系、外分泌腺、女性生殖器、男性生殖器、生殖細胞、血液及び免疫系、肝、筋骨格系、神経系、膵臓、呼吸器系、感覚器、皮膚、顎口腔系、非分類性/混合性または尿路がある。各カテゴリーでは、配列が発現したライブラリの数を数えて、そのカテゴリー内のライブラリの総数を示した。非ノーマライズしたライブラリでは、2つ以上の発現レベルが有意である。
【0138】
9 相補的分子
cDNAに相補的な分子、約5 (PNA)から5000 bp (cDNAインサートの相補体)を用いて、遺伝子発現を検出あるいは阻害する。これらの分子をOLIGOプライマ解析ソフトウエア(Molecular Biology Insights)を使用して選択した。検出については、実施例7に記載されている。プロモーターが結合するのを妨げることにより転写を阻害するため、相補的分子を最も固有な5' 配列に結合し、オープンリーディングフレームの開始コドンの5' UTR上流のヌクレオチドを含むよう設計する。相補的分子は、ゲノム配列(エンハンサーまたはイントロン等)を含み、ポリメラーゼ、転写因子または調節分子の結合のために十分に開くような二重らせんの能力に影響を及ぼす「三重らせん」塩基対の形成に用いられる。翻訳を阻害するためには、相補的分子を設計して、リボソームが哺乳動物タンパク質をコードするmRNAに結合するのを阻害する。
【0139】
相補的分子を発現ベクターに置いて、一過性或いは短期治療向けに効果を試験するために細胞株を器官、腫瘍、滑腔また脈管系に用い、あるいは長期或いは安定した遺伝子治療向けに幹細胞、酵素または他の再生系統に形質転換するために用いる。非複製ベクターで一過性発現は1ヶ月以上続く、また形質転換/発現系でベクター複製を誘導する適切なエレメントが用いられる場合は3ヶ月以上続く。
【0140】
相補的分子をコードするベクターを有する適切な分裂する細胞の安定的な形質転換によって、遺伝形質転換した細胞株、組織または生命体を産生する(USPN 4,736,866)。安定した組込みを可能にする十分な量のベクターを同化、複製する細胞も哺乳動物タンパク質をコードするcDNAの活性に影響を及ぼすか完全に除くための十分な相補的分子を生成する。
【0141】
10 配列、マイクロアレイ試薬、及び使用の選択
インサイトクローンは、LIFESEQ GOLDの構築(assembled)されたヒト配列データベース(Incyte Genomics)に由来するテンプレート配列を示すものである。特定のテンプレートに対して1より多いクローンが利用可能であるケースでは、マイクロアレイにテンプレート中の5'-mostクローンが用いられる。HUMAN GENOME GEMシリーズ1-3マイクロアレイ(Incyte Genomics)は、28,626個のアレイエレメントを含み、それは10,068個のannotatedクラスタ及び18,558個のunannotatedクラスタを示す。UNIGEMシリーズのマイクロアレイ(Incyte Genomics)の為には、インサイト社のクローンは非重複性の単一遺伝子クラスタ(Unigene database (build 46), NCBI; Shuler (1997) J Mol Med 75:694-698)にマッピングされた。また、最も強いBLAST配列(少なくとも90%同一、及び100 bpのオーバーラップ)を有する5'クローンが、選択され、検証され、またマイクロアレイの合成で用いられる。UNIGEM Vマイクロアレイ(Incyte Genomics)は、7075のアレイエレメントを有し、それは4610個のannotated遺伝子及び2,184個のunannotatedクラスタを示す。
【0142】
マイクロアレイを構築するためには、cDNAは、cDNA挿入断片をフランキングするベクター配列に対するプライマーの相補性を用いることで細菌細胞から増幅された。30サイクルのPCRは、初期量のcDNA、1〜2ngから最終量のcDNA5μgより多くなるまで増量された。増幅されたcDNAは、次にSEPHACRYL-400カラム(APB)を用いて精製された。精製されたcDNAは、ポリマーコートされたガラススライド上で固定化された。ガラス顕微鏡のスライド(Corning, Corning N.Y.)は、0.1% SDS及びアセトン中で超音波洗浄され、洗浄前後に多量の蒸留水で洗浄された。スライドガラスは、4%フッ化水素酸(VWR Scientific Products, West Chester PA)中でエッチングし、蒸留水中で広範囲にわたって洗浄し、95%エタノール中の0.05%アミノプロピルシラン(Sigma Aldrich)でコーティングする。コーティングしたスライドガラスは、110℃のオーブンで硬化させる。米国特許第5,807,522号に記載されている方法を用いて、コーティングしたガラス基板にcDNAを付加する。平均濃度が100ng/μlのcDNA1μlを高速機械装置により開放型キャピラリープリンティングエレメント(open capillary printing element)に充填する。次にこの装置が、スライド毎に約5nlのcDNAを分注する。
【0143】
マイクロアレイには、STRATALINKER UVクロスリンカー(Stratagene)を用いてUV架橋する。マイクロアレイは、室温において0.2%SDSで1回洗浄し、蒸留水で3回洗浄する。非特異的な結合部位は、リン酸緩衝生理食"塩水(Tropix, Inc., Bedford MA)における0.2%カゼイン中で60℃で30分間マイクロアレイをインキュベートし、その後上述したように0.2%SDS及び蒸留水で洗浄することによってブロックする。
【0144】
11 サンプルの調合
ヒト BT20 細胞
標本サンプル、ヒトBT20細胞は、in vitroでの74歳の老人男性より単離した腫瘤の薄いスライスを遊出させた細胞に由来する乳ガンの株化細胞である。BT20細胞は、4、8、12、24、36、及び48時間に渡って濃度50ng/mlのEGFで処理された。すべてのケースで、未処置のBT20細胞からのmRNAが同時に処理された。
【0145】
12 ARP の発現
哺乳動物細胞発現系か昆虫細胞発現系のどちらかを用いて、タンパク質の発現と精製を達成する。pUB6/V5-His ベクター系(Invitrogen, Carlsbad CA)を用いて、CHO細胞のCCMを発現する。ベクターは選択可能bsd遺伝子、多数のクローニング部位、ヒトユビキチン C遺伝子のプロモーター/エンハンサー配列、抗-V5抗体での抗体検出のためのC-末端V5エピトープ、PROBOND 樹脂(Invitrogen)上での急速な精製のためのC-末端ポリヒスジン(6xHis)配列を含む。形質移入した細胞を選択してブラストサイジンを含む培地に移す。
【0146】
Spodoptera frugiperda(Sf9)昆虫細胞を組換えAutographica californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)で感染させる。相同組換えによって多角体遺伝子をcDNAと置換する。多角体プロモーターによりcDNAの転写が行われる。上述の精製を可能にする6xhisで、融合タンパク質としてタンパク質を合成する。精製したタンパク質を次の活性で用いて、抗体を作製する。
【0147】
13 抗体の産生
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いてARPを精製して、マウスやウサギを免疫化するために使用する。下記のプロトコルを用いて抗体を産生する。或いは、レーザGENEソフトウェア(DNASTAR)を用いてARPのアミノ酸配列を解析し、免疫原性の高い領域を決定する。通常C-末端付近或いは隣接する親水性領域内で見られる抗原性エピトープを選択して、合成し、抗体を生成するために用いられる。 通常は、長さ約15残基のエピトープを、Fmocケミストリを用いるABI 431A ペプチドシンセサイザ(Applied Biosystems)を用いて生成し、N-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)を用いた反応によってKLH(Sigma-Aldrich)に結合させて、免疫原性を高める。
【0148】
完全フロイントアジュバントにおいてエピトープ-KLH複合体を用いてウサギを免疫化する。不完全フロイントアジュバントにおいて免疫化を間隔を置いて反復する。マウスには最低7週間、ウサギには最低12週間後、抗血清を抽出して、抗ペプチド活性のために検査した。検査には、ペプチドをプラスチックに結合すること、1%のウシ血清アルブミンでブロックすること、ウサギ抗血清と反応させて洗浄すること、さらに放射性ヨウ素標識されたヤギ抗ウサギIgGと反応させることが関係する。当分野で公知の方法を用いて、抗体価と形成複合体の量を決定する。
【0149】
14 特異的抗体を用いる天然タンパク質の精製
タンパク質を特異結合する抗体を用いて、イムノアフィニティークロマトグラフィにより天然あるいは組換えタンパク質を精製する。イムノアフィニティーカラムは、CNBr-活性化SEPHAROSE樹脂(APB)に抗体を共有結合させることにより形成する。タンパク質を含む培養液をイムノアフィニティーカラムに通し、タンパク質を優先的に吸着する条件下(例えば洗浄剤が存在する高イオン強度緩衝液)でカラムを洗浄する。結合後、そのタンパク質を、抗体とタンパク質との結合を切るために、例えば、pH2〜3のバッファ、或いは高濃度の尿素またはチオシアン酸塩イオンを用いてカラムから溶出させ、タンパク質を回収する。
【0150】
15 cDNA またはタンパク質と特異結合するためのスクリーニング分子
cDNAまたはその断片、タンパク質またはその部分を32P-dCTP、Cy3-dCTPまたはCy5-dCTP (APB)あるいはBIODIPYかFITC (Molecular Probes, Eugene OR)で標識化する。前もって基質上に配置した候補分子または複合体のライブラリを標識したcDNAまたはタンパク質の存在下でインキュベートする。核酸配列かアミノ酸配列のための条件下でインキュベート後、基質を洗浄し、標識を保持する基質上の、特異結合か複合体成形を示す任意の位置がアッセイされ、リガンドを同定する。異なる濃度の核酸またはタンパク質を用いて得られたデ-タを使用して、標識された核酸かタンパク質と結合した分子の間の親和性を計算する。
【0151】
16 2 つのハイブリッドスクリーン
酵母2ハイブリッドシステム、MATCHMAKER LexA 2ハイブリッドシステム(Clontech Laboratories, Palo Alto CA)を使用して、本発明のタンパク質を結合するペプチドをスクリーニングする。タンパク質をコードするcDNAをpLexAベクター、リガンドの多数のクローニング部位に挿入して、大腸菌に形質転換する。mRNAから調製したcDNAをpB42ADベクターの多数のクローニング部位に挿入して、ライゲーションし、cDNAライブラリを作製するために大腸菌に形質転換する。pLexAプラスミドとpB42AD-cDNAライブラリ作製を大腸菌から単離し、ポリエチレングリコール/リチウムアセテートプロトコルを用いて形質転換受容性をもつ酵母EGY48[p8op-lacZ]細胞に同時形質転換するために比率2:1で使用する。形質転換した酵母細菌を、ヒスチジン(-His)、トリプトファン(-Trp)、ウラシル(-Ura)を含まない合成ドロップアウト(SD)培地で培養する、そしてコロニ-が成長して数えられるまで、30℃でインキュベートする。コロニ-を最小限の容積の1x TE (pH 7.5)で集め、2% ガラクトース(Gal), 1% ラフィノース(Raf)、80 mg/ml 5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル β-d-ガラクトピラノシド(X-Gal)で補われるSD/-His/-Leu/-Trp/-Ura 培地で再培養する。次いで青色コロニ-の成長を検査する。発現したタンパク質とcDNA融合タンパク質間の相互作用により、EGY48のLEU2レポーター遺伝子を活性化し、ロイシン(-Leu)を含まない培地でコロニ-成長を起こす。相互作用はまた、X-Galで成長するコロニ-に青色を産生するp8op-lacZレポーター作成物からのβ-ガラクトシダーゼの発現を活性化する。
【0152】
発現したタンパク質とcDNA融合タンパク質間の陽性の相互作用が、個々の陽性コロニ-を単離して、30℃で1から2日間、SD/-Trp/-Ura 液体で成育することにより確認できる。培地のサンプルをSD/-Trp/-Ura培地で培養し、コロニ-が出現するまで30℃でインキュベートする。サンプルをSD/-Trp/-UraとSD/-His/-Trp/-Ura プレートで複製培養する。ヒスチジンを含まない培地では成育せず、ヒスチジンを含むSDで成育するコロニーは、pLexAプラスミドを失っている。ヒスチジンを必要とするコロニーをSD/Gal/Raf/X-Gal/-Trp/-Urで成育する。そして白色コロニーを単離して、増殖する。タンパク質と物理的に相互作用するタンパク質をコードするcDNAを含むpB42AD-cDNAプラスミドを酵母細胞から単離して、特徴付ける。
【0153】
17 ARP アッセイ
ARP活性は、125I標識ARPの存在条件下で、aPKC、PKCζ、及びPKCλのような候補リガンド分子を用いてリガンド結合アッセイで決定される。ARPを、125Iボルトンハンター試薬で標識する(例えば、Bolton A.E.及びW.M. Hunter (1973) Biochem. J. 133:529-539を参照)。マルチウェルプレートの穴の中に予め配列しておいた候補分子を、標識したARPと共にインキュベートして洗浄し、標識したARP複合体を有する全ての穴をアッセイする。ARP濃度を変えて得たデータを用いて、候補分子とのARPの数、親和性及び会合の値を計算する。
【0154】
本明細書において記載した全ての特許出願、刊行物は、言及することをもって本明細書の一部とする。当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本発明の記載した方法及びシステムの種々の改変を行い得る。本発明について説明するにあたり特定の好適実施例に関連して説明を行ったが、本発明の範囲が、そのような特定の実施例に不当に制限されるべきではないことを理解されたい。実際に、分子生物学または関連分野の専門家には明らかな、本明細書に記載されている本発明の実施方法の様々な改変は、特許請求の範囲内にあるものとする。
【0155】
(表の簡単な説明)
表1及び2は、LIFESEQ Goldデータベース(Incyte Genomics, Palo Alto)を用いて作成されたARP-1及びARP-2のノーザン分析を示すものである。表1では第1列が組織カテゴリを示す。第2列は、組織カテゴリ内のトータルクローン数を示す。第3列は、少なくとも一つの転写物が見られるライブラリの数と全体のライブラリ数との比率を示す。第4列は、転写の絶対クローン発生量を示す。第5列は転写の発生量のパーセンテージを示す。表2は、膀胱組織内のARP発現を示すものである。第1列は、ライブラリ名をリストしている。第2列はライブラリのために配列されたクローンの数を示している。第3列はライブラリが誘導された組織について記載している。第4列は転写の絶対的な発生量を示す。第4列は、転写の発生量のパーセンテージを示す。
【0156】
表3は、マイクロアレイ解析によって決定されるように、未処置細胞と比較したEGF処理ヒトBT20乳癌細胞内のARP-2の差次的発現を示す。第1列は、1og2 DE (処理細胞/未処理細胞)として示される平均的な差次的発現(DE)をリストしたものである。第2列は蛍光性の緑色素Cy3でラベルされた未処理の制御サンプルをリストしたものである。第3列は、蛍光性の赤色素Cy5でラベルされたサンプルの処理をリストするものである。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1−A】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−B】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−C】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−D】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−E】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−F】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−G】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−H】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−I】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−J】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図1−K】図は、cDNA(SEQ ID NO:3)によってコードされたARP-1(SEQ ID NO: 1)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering, South San Francisco CA.)によってなされた。
【図2−A】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−B】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−C】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−D】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−E】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−F】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−G】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−H】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−I】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−J】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−K】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−L】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−M】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−N】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−O】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−P】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−Q】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−R】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図2−S】図は、cDNA(SEQ ID NO:20)によってコードされたARP-2(SEQ ID NO: 2)を示している。翻訳は、MACDNASIS PRO software (Hitachi Software Engineering.)によってなされた。
【図3−A】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−B】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−C】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−D】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−E】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−F】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−G】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−H】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−I】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【図3−J】図は、ARP-1 (1555118; SEQ ID NO: 1)、ARP-2 (2582063; SEQ ID NO:2)、ラット ASIP (g3868778; SEQ ID NO:62)、及びヒトASIP (g8037915; SEQ ID NO:63)の配列及びドメイン間の化学的、構造的類似性を示している。翻訳は、LASERGENE software のMEGALIGN プログラム(DNASTAR, Madison WI)によってなされた。
【0158】
【表1】
Figure 2005503107
【0159】
【表2】
Figure 2005503107
【0160】
【表3】
Figure 2005503107

Claims (30)

  1. SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする単離されたcDNA。
  2. SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする単離されたcDNA。
  3. SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする単離されたcDNA。
  4. 単離されたcDNAであって、
    (a)SEQ ID NO:3もしくはSEQ ID NO:20の核酸配列、若しくはその補体と、
    (b)SEQ ID NO:4乃至11から選択されたSEQ ID NO:3の断片、若しくはその補体、または、SEQ ID NO:21乃至39から選択されたSEQ ID NO:20の断片、若しくはその補体と、
    (c)SEQ ID NO:12乃至19から選択されたSEQ ID NO:3の変異体、および、SEQ ID NO:40乃至56から選択されたSEQ ID NO:20の変異体とから選択される単離されたcDNA。
  5. 前記請求項1のcDNA若しくはその補体を有する組成物。
  6. 前記請求項1のcDNAを含むベクター。
  7. 前記請求項6のベクターを有する宿主細胞。
  8. タンパク質を生成するためにcDNAを用いる方法であって、
    (a)タンパク質発現の条件下で、前記請求項7の宿主細胞を培養する過程と、
    (b)前記宿主細胞の培養から前記タンパク質を回収する過程とを含む方法。
  9. サンプル中の核酸の発現を検出するのにcDNAを用いる方法であって、
    (a)前記サンプルの核酸に前記請求項5の組成物をハイブリダイズし、ハイブリダイゼーション複合体を生成する過程と、
    (b)ハイブリダイゼーション複合体形成物と標準物質とを比較する過程であって、前記比較過程が前記サンプル中の前記cDNAの発現を示すことを特徴とする過程とを含む方法。
  10. さらに、ハイブリダイゼーションの前に、前記サンプルの前記核酸を増幅させる過程を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記組成物が基質に取りつけられることを特徴とする請求項9の方法。
  12. 前記cDNAが前記標準物質と比較される場合に差動的に発現され、膀胱移行上皮癌の指標となることを特徴とする請求項9の方法。
  13. 複数の分子若しくは混合物をスクリーニングするためにcDNAを用いる方法であって、
    特異的な結合を可能とするための条件下で、前記請求項1のcDNAと複数の分子若しくは混合物とを組み合わせる過程と、
    特異的な結合を検出し、それにより前記cDNAに特異的に結合する分子若しくは混合物を同定する過程とを含む方法。
  14. 前記分子若しくは混合物が、DNA分子、RNA分子、ペプチド核酸、人工クロモソーム構造、ペプチド、転写要素、リプレッサー、及び調節分子から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 精製されたタンパク質若しくはその一部であって、
    (a)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2のアミノ酸配列と、
    (b)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2の抗原性エピトープと、
    (c)SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2の生物学的活性部位とから選択される精製されたタンパク質若しくはその一部。
  16. 前記請求項15のタンパク質を含む組成物。
  17. 少なくとも一つのリガンドを同定するべく、複数の分子若しくは混合物をスクリーニングするためにタンパク質を用いる方法であって、
    特異的な結合を可能とするための条件下で、前記請求項15のタンパク質と前記分子若しくは混合物とを結合させる過程と、
    特異的な結合を検出し、それにより前記タンパク質に特異的に結合するリガンドを同定する過程とを含む方法。
  18. 前記分子若しくは混合物が、DNA分子、RNA分子、ペプチド核酸、ペプチド、タンパク質、mimetic、アゴニスト、アンタゴニスト、抗体、免疫グロブリン、阻害剤、及び薬剤から選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する精製された哺乳動物タンパク質。
  20. 前期請求項19のタンパク質に特異的に結合する精製された抗体。
  21. 前記請求項20の抗体の特異性を有する多クローン性抗体を調整し精製する方法であって、
    (a)抗体反応を誘発する条件下で、SEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のタンパク質で動物を免疫する過程と、
    (b)動物の抗体を単離する過程と、
    (c)前記タンパク質を基質に取りつける過程と、
    (d)前記タンパク質に対する特異的結合が可能となるような条件下で、前記基質と単離した抗体とを接触させる過程と、
    (e)前記抗体を前記タンパク質より解離させ、それによって精製された多クローン性抗体を獲得する過程とを含む方法。
  22. 前記請求項21の方法によって生成された多クローン性抗体。
  23. 前期請求項20の抗体の前記特異性を有する単クローン性抗体を調整するための方法であって、
    (a)抗体反応を誘発する条件下でSEQ ID NO:1もしくはSEQ ID NO:2のタンパク質で動物を免疫する過程と、
    (b)前記動物より抗体生成細胞を単離する過程と、
    (c)培養内で前記抗体生成細胞と不死化細胞とを融合させ、ハイブリドーマ細胞を生成する単クローン性抗体を形成する過程と、
    (d)前記ハイブリドーマ細胞を培養する過程と、
    (e)培養より単クローン性抗体を単離する過程とを含む方法。
  24. 前記請求項23の方法によって生成された単クローン性抗体。
  25. 抗体を用いて、タンパク質を免疫精製するための方法であって、
    (a)基質に請求項20の抗体を付着させる過程と、
    (b)抗体:タンパク質複合体を形成可能とする条件下で、タンパク質を有するサンプルに対して前記抗体を露出させる過程と、
    (c)前記複合体より前記タンパク質を分離させる過程と、
    (d)前記精製タンパク質を回収する過程とを含む方法。
  26. 抗体を用いて、サンプル内でタンパク質の発現を検出するための方法であって、
    (a)前記抗体:タンパク質複合体の形成が可能な条件下で、前記請求項20の抗体とサンプルとを結合させる過程と、
    (b)前記サンプル内で前記タンパク質の発現を示すことを特徴とする複合体形成物を検出する過程とを有する方法。
  27. 複合体形成物が基準物質と比較され、また、膀胱移行上皮癌と診断されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 請求項20の抗体及び標識部分を含む組成物。
  29. 請求項20の抗体及び薬剤を含む組成物。
  30. 前記請求項29の成分の、そのような治療を必要とする患者に対する投与を含む膀胱移行上皮癌の治療方法。
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