JP2005503027A - 改良された電極を備える高繰返率のレーザ - Google Patents
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Abstract
【選択図】図6
Description
【0001】
本発明は、放電レーザに関し、特に長寿命電極を備えるチャンバを有するレーザに関する。本発明は、2000年6月9日出願の米国特許出願シリアル番号第09/590,958号、2000年6月9日出願の米国特許出願シリアル番号第09/590,961号、2000年11月1日出願の米国特許出願シリアル番号第09/703,697号、2000年12月20日出願の米国特許出願シリアル番号第09/742,485号、2001年1月23日出願の米国特許出願シリアル番号第09/768,753号、2001年2月1日出願の米国特許出願シリアル番号第09/776,044号、2001年9月13日出願の米国特許出願シリアル番号第09/953,026号、2002年2月21日出願の米国特許出願シリアル番号第10/081,589号、及び2002年3月22日出願の米国特許出願シリアル番号第10/104,502号に優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
KrFエキシマレーザ
従来技術のKrFエキシマレーザシステムの主要な構成要素が図1、図2及び図3に示されている。このレーザシステムは、集積回路リソグラフィ用の光源として使用される。これらの構成要素はレーザチャンバ・ハウジング2を含む。ハウジングは、長さが約50cmで約20mmだけ間隔を置いて配置される2つの電極84及び83と、1000Hzから4000Hz、又はそれ以上の範囲のパルス繰返率で次に続くパルスに先立ち、1つのパルスからデブリを(2つの電極間の放電領域から)取り除くのに十分速い速度で電極間のレーザガスを循環させる送風機4と、該ファンによって及び電極間の放電によってレーザガスに加えられた熱を除去する1つ又はそれ以上の水冷フィン付熱交換器6とを含む。用語「デブリ」は、本明細書では、レーザパルス後のガスのどのような物理的状態をも定めるために使用され、これはパルス前のガスの状態とは異なる。チャンバはまた、チャンバの空気力学的形状を改善するバッフル及びベーンを含むことができる。レーザガスは、約0.1パーセントのフッ素、約1.0パーセントのクリプトン、及び残りがネオンである混合ガスからなる。図3の電気回路に示すように、各パルスは、パルス電力システム8を用いて電極間に極めて高電圧の電位を印加することにより生成され、これにより、約30ナノ秒続く放電(電極間で)が、高さ約20mm、幅約3mm、長さ約500mmの利得領域を生成する。各放電は、利得領域中に約2.5Jのエネルギを落とす。図2に示すように、レーザ発振は、共振空洞内で生成され、これは、出力カプラ2A、及び3プリズムビーム拡大器、同調ミラー、及びリトロー型配列の回折格子を含む回折格子ベースの狭線化ユニット(不釣り合いに大きく図示されており、狭線化パッケージ、すなわちLNPとも呼ばれる)2Bにより形成される。この従来技術のKrFリソグラフィレーザの出力パルス3のエネルギは、一般に約10mJである。
【0003】
このKrFレーザ光源は、約248nmの波長で狭帯域パルス化された紫外光ビームを生成する。これらのレーザは、通常、約1000から4000Hzの範囲のパルス繰返率でパルスバーストからなる、いわゆる「バーストモード」で作動する。各バーストは、例えば約80から300パルスのパルス数からなり、各バーストは、リソグラフィ機械がダイ区間の間で発光ビームをずらす一秒の何分の1かの休止時間によって分割されたバーストによりウェーハ上の1つのダイ区間を照射する。これとは別に、新しいウェーハが装填される時、数秒の長い休止時間がある。従って、生産中、例えば2000HzのKrFエキシマレーザは、約30パーセントの通電率で作動することが可能である。作動は、1日24時間、1週7日、1年52週である。30パーセントの通電率で「24時間休み無く」2000Hzで作動するレーザは、毎月15億を超えるパルスを蓄積する。生産のいかなる中断も極めて高コストとなる可能性がある。これらの理由により、リソグラフィ産業用に設計された従来技術のエキシマレーザは、モジュール式になっている。一般にモジュールは、保守点検による休止時間が最小になるように、数秒以内で交換することができる。これらのレーザのレーザ利用度は一般に99パーセントを超える。
【0004】
これらのレーザによって生成されるレーザビームを高品質に維持することは、これらのレーザ光源が使用されるリソグラフィシステムが、0.25ミクロン未満の特徴を備えた集積回路を作るために現在必要とされ、更に該特徴寸法が年毎により小さくなってきていることから、非常に重要である。その結果、レーザビームに設定される仕様は、個々のパルスエネルギの変動、一連のパルスの積算エネルギの変動、レーザ波長の変動、及びレーザビームのスペクトル帯域幅の大きさを制限する。
【0005】
従来技術の電極
上述のガス放電レーザの従来技術の電極は、一般に約50cmの長さであるが、約3cmの幅と図1の83及び84と同様の断面形状を有することができる。電極間の実際の放電は、一般に、数mmの幅(例えば3−4mm)である必要があり、この要求が電極の形状を決定する。図示された2つの電極は、双方の電極の中心領域(本明細書では放電フットプリント、又は放電面と呼ばれる)にある3−4mm幅の領域にわたる比較的高い電極電界を生成し、電極の間隔にほぼ等しい高さを持つ幅約3−4mmで、該放電領域の長さが約500cmである、ほぼ長方形の放電を生成する。これらの従来技術の電極に関する1つの問題点は、数10億パルスにわたる両方の電極の約3−4mm放電フットプリントポートの侵食が、電極の断面形状に変化を引き起こし、放電フットプリントに次々に影響を与える電界を変化させるため、放電形状はもはや均一でなく、実質的に拡大、狭窄、分割、或いは歪みが生じ、これによりレーザビーム品質に悪影響を与え、レーザ効率を低下させることである。
【0006】
放電と同じ幅を有する突出部分を電極上に設けることにより侵食の影響を最小限にするように意図された電極設計が提案されている。幾つかの実施例が、日本特許番号第2631607号で説明されている。しかしながら、これらの設計は、突出部が大きい場合にはガス流に悪影響をもたらし、突出部が小さい場合には、比較的迅速に侵食されて無くなるものである。
【0007】
他のリソグラフィレーザ
KrFレーザに非常に類似する、リソグラフィ光源として使用される他のガス放電レーザは、ArF(アルゴンフッ素)レーザ、及びF2(フッ素分子レーザ)である。ArFレーザでは、活性ガスは、主としてアルゴン及びフッ素と、バッファガスとしてのネオンとの混合ガスであり、出力ビームの波長は約193nmの範囲である。これらのArFレーザは、正に現在、集積回路製造用にかなりの程度まで使用されているが、これらのレーザの使用が急速に拡大することが予想される。集積回路製造用に将来広範に使用されることが予想されるF2レーザでは、活性ガスはF2であり、バッファガスはネオン又はヘリウム、或いは、ネオンとヘリウムの化合物とすることができる。これらのガス放電リソグラフィレーザの全ては、類似の電極を利用するが、これらの間の間隔はわずかに異なるものとすることができる。
【0008】
【特許文献1】
日本特許番号第2631607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
必要とされるのは、ガス流に悪影響を与えることがなく、レーザビームの品質に実質的な悪影響のない、数十億の放電に耐えることができる電極を有するガス放電レーザである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、フッ素含有レーザガス中で少なくとも120億の高電圧放電を生成するための少なくとも1つの長寿命型の細長い電極を有するガス放電レーザを供給する。好ましい実施形態において、電極の少なくとも1つは、比較的低い陽極侵食率を有する第1の材料と比較的高い陽極侵食率を有する第2の陽極材料からなる。第1の陽極材料は電極の所望の陽極放電領域に配置される。第2の陽極材料は、第1の材料の少なくとも2つの長い側部に沿って第1の陽極材料に隣接して設置される。レーザが作動している間、侵食は双方の材料に起きるが、第2の材料のより高い侵食率は、第2の材料に放電が広がるどのような傾向も該放電の拡大を止めるのに十分なほど迅速に第2の材料を侵食して無くすことを保証する。好ましい実施形態において、陽極は上述の通りであり、陰極はC26000黄銅である放電領域での第1の材料とC36000黄銅である第2の材料を有する2つの材料からなる電極である。パルス電力システムは、少なくとも1KHzの繰返率で電気パルスを供給する。送風機が少なくとも5m/sの速さで電極間のレーザガスを循環させ、熱交換器が送風機及び放電によって生じる熱を除去するために設けられる。
【0011】
好ましい実施形態において、2つの材料からなる電極は、フッ素含有ガス放電レーザの陽極である。陽極の放電面に配置される陽極の部分は、作動中に陽極の放電面を覆う多孔性絶縁層を生成するように選択された他の金属と共に鉛を含有する陽極材料からなる。該層は、1つには他の金属のフッ化物と共に鉛フッ化物からなる絶縁層を生成する陽極表面のフッ素イオンスパッタリングによって生成される。特に好ましい実施形態において、陽極は2つの部分で作られ、第2の部分は上面に溝型の空洞を有する一般的な形状の従来技術の陽極を有する。この部分のC26000黄銅などの材料は、通常の放電レーザのガス環境で放電に曝されると侵食されるようになる。3%より大きい鉛含有量を有する黄銅からなる第1の部分は、溝内にはんだ付けされて、表面の約0.2mm程上に突出する。陽極がレーザに装着され。フッ素含有レーザガス環境でパルス放電に曝される場合、多孔性鉛フッ化物からなる絶縁層が、第1の部分の表面に形成され、重大な侵食から陽極を保護する。本出願人のコンピュータ電界モデルは、この絶縁層が陰極と陽極の間の電界に大きな影響を及ぼさないことを示した。全体的な電極の形状は、該電極による作動開始時に第2の部分からの大きな放電がないようにされる。第2の部分から放電が起こる限り、第2の部分からの放電を低減する効果を有する放電領域における陽極の高さを減少させる放電側で侵食が起こる。約50,000の小孔が第1部分上にある絶縁層に発達し、電子が陽極の金属表面を自由に行き来して流れるのを可能にする。しかしながら、絶縁層が発達した後では、陽極の金属表面上のフッ素イオンスパッタリングはかなり制限される。本出願人は、フッ素イオンのスッパッタリングの減少は、金属表面に到達するフッ素イオンの数の減少及び金属表面に到達するイオンエネルギの減少が原因であると確信する。
【0012】
本出願人による試験は、陽極の放電面の全てを実質的に覆う多孔性絶縁層が、従来技術の陽極設計に比べて、電極間の電界に大きな障害を与えず、かつチャンバの寿命にわたって放電をより空間的に均一にする放電形状を制御するのに役立つことを示した。放電形状において均一性が向上すると、チャンバの寿命にわたってレーザパルスの質を大いに向上させることになる。より良い放電形状はまた、直後のパルスの間、放電領域に反射する1つのパルスからの反射音波から生じるチャンバ内の音響障害の悪影響を最小限にする。
【0013】
本発明の実施形態は、バーンイン時間の低減、作動寿命の延長、及び改善されたレーザビームの品質、更にビームの安定性をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態は図面を参照することにより説明することができる。
【0015】
パルス電源システム
ガス放電レーザにおいて放電を発生するパルス電力を供給する電気回路8の主要構成要素が図3に示されている。このパルス電力システムは、標準208ボルトの3相電源で動作する。整流器22、インバータ24、変圧器26、及び整流器30を使用する電源は、充電コンデンサC042をレーザ制御処理装置(図示せず)の指示に従って約500−1200ボルトの電圧レベルに充電する。レーザ制御処理装置は、パルスが要求される場合、IGBTスイッチ46の閉成を指示し、これによりC0のエネルギがパルス電力システムの後続部分に放電される。C0の電荷は、引き続きインダクタ48を通ってコンデンサバンクC152へ、次に可飽和インダクタ54を通り、電圧変圧器56を通ってコンデンサバンクCp-162へ、次いで可飽和インダクタ64を通ってピーキングコンデンサバンクCp82へ移動される。図3に示すように、ピーキングコンデンサバンクCpは、電極84及び83と電気的に並列に接続される。
【0016】
図4Aは、コンデンサバンクC0、C1、Cp-1及びCpの電位をスイッチ42の閉成から開始してその後の9マイクロ秒の間の時間の関数として示している。図4Bは放電直前及び直後の800ナノ秒の時間スライスを示している。ピーキングコンデンサバンクCpが放電直前に約−15,000ボルトに充電されることに留意されたい。放電は約30ナノ秒続く。放電の間、電子は最初に、上部電極の陰極84から下部接地電極の陽極83へ流れる。図4Bに全て示すように、電流の「オーバーシュート」は、Cpを約+6,000ボルトの正の値まで充電し、この時点で電子の下向きの流れが反転し、その後、放電の最後の約15ナノ秒の間、電子は下部接地電極から上部電極へ流れる。
【0017】
新しい電極
図1に示すタイプの新しく製造された従来技術の黄銅電極の表面は非常に滑らかである。しかしながら、高倍率の顕微鏡の下で観察すると、実際の表面は、交互になった隆起と谷が約1から2ミクロンだけ離間して電極の長さにわたる縦列からなり、この谷の底は隆起の頂上よりも約1から2ミクロン低くなっている。顕微鏡下の表面は、機械加工作業の結果、長く狭い耕された畑のように見える。
【0018】
バーンインされた電極
新規のレーザシステムを組み立てる場合、又はレーザチャンバを再構築する場合の一般的な従来技術の方法は、チャンバが約5億パルスで作動される「バーンイン」段階にチャンバを曝すことである。これは、2000Hzでは約72時間かかる。この期間に、各電極の放電面にかなりのスパッタリングが生じる。放電面は各電極上で約3.5mm幅及び約545mm長さである。電極の放電面に発生するスパッタリング及び電極間の放電は、表面の放電部分上で電極表面を相当に変える。「耕された列」はもはや「バーンイン」後では見られないが、大部分は、比較的不規則に離間した、一般に深さ約5ミクロン及び幅約3から10ミクロンの浅いしみ状のくぼみによって置き換えられる。これらのしみ状のくぼみ又はクレーターは、陰極上で互いに近接した間隔で(又はわずかに重なって)配置される。これらは、一般に陽極上では幾分より離れているので、陽極と比較して陰極上では単位面積当たり約4倍程度多い。
【0019】
侵食
本出願人は、電極の侵食は両方の電極で発生するが、接地電極(陽極83)の侵食率は高電圧負電極(陰極84)の約4倍であることを見出した。電極侵食が問題となる、例えばフラッシュランプなどのほとんど全ての他のガス放電装置では、侵食の大部分が陰極で発生する。陽極侵食は通常は見られない。黄銅電極を用いてレーザを作動させると、金属フッ化物の絶縁層が陽極の部分に非常にゆっくりと層成されるようになる。本出願人は、層成されるフッ化物の程度は黄銅陽極の鉛含有量に関係することを見出した。例えば、1%より少ない鉛含有量のC26,000黄銅からなる陽極は、顕著なフッ化物層を生成しない。しかしながら、3から4%の鉛含有量のC36,000黄銅からなる陽極は、約100〜から200ミクロンの厚さで放電面全体を覆う比較的均一なフッ化物層を生成する。フッ化物層で覆われる領域において、放電電流は、一般に約20から150ミクロンの直径を有するほぼ円形の断面を持つ傾向にある小孔を通って流れる。フッ化物層で覆われた表面は、これ以上の顕著な侵食を受けることはないが、フッ化物層が均一でなければ、特に覆われていない表面積が減少する場合には、侵食率は覆われていない放電面上で増大する。小孔の位置にある覆われた表面上でいくらかの侵食があるように見えるが、この侵食は卑金属の侵食率よりも少なくとも1桁小さく、2桁小さい可能性もある。
【0020】
侵食率
本発明の実施形態において、電極は侵食率が互いに異なる2つの異なる材料からなる。侵食率が比較的低い材料は、例えば約3.5mm×545mmの長く薄い表面である電極の放電面の位置に配置される。侵食率がより高い材料は放電領域のより長い側の両方に沿って配置される。
【0021】
本明細書及び請求項において、本出願人が特定の電極に使用される2つの材料の侵食率を比較する場合、この比較は電界及び電流などの等しい条件下にある材料に基づく。低い侵食率の材料が、該低い侵食率の材料よりも高い電界及び放電電流に曝される場合、一定期間における実際の侵食率は、高い侵食率の材料よりも低い侵食率の材料における方が高くなることを留意されたい。しかしながら、本明細書で説明された電極設計を用いると、低侵食率材料のどのようなより大きな侵食も、周りにある高侵食率材料の電界に対して、該低侵食率材料の領域の電界を僅かに低下させることができる。
【0022】
しかしながら、周りのより高い侵食率材料に向けて望ましい電界パターンから該電界パターンがどのように移行しても、周りの材料の侵食率を増大させることになり、これは望ましい電界パターンを復元する傾向にある。従って、本明細書で説明される電極設計によって、電界パターン及び放電電流分布におけるどのような大きな変化も無く、数十億パルスを超えるかなりの侵食が生じる。
【0023】
スパッタリングされた金属イオン
良好なレーザ活性媒体を作り出すためには、電極間に均一な放電プラズマを作り出されなければならない。最初に、電極間の空隙におけるガスは、図1に示す予備電離器12で予備電離される。電極上で電圧が上昇するにつれて、イオンスパッタリングが電極表面に近い領域でプラズマを生成する。電極からスパッタリングされた金属原子は、ほとんどが蒸気の状態であって、金属原子のかなりの部分がイオン化されており、陰極表面に直近の正イオン陰極「降下」領域を形成するのを助けて、陰極からの電子の流れに寄与し、並びに陰極から離れる電子を加速する極めて大きな電界を作り出す。この処理は、各パルスの第1の部分の間、陰極84に最初に施される。しかし、図4Bに示すように、電極の極性がパルス全体のほぼ中央で切り換わるので、この影響はまたその時点で陰極(すなわち負極)として機能する陽極83でも生じる。パルスの間及びパルス後の両方で、金属イオンは、急速に変化する電界条件に応じて電極へ引き戻され得るが、放出された電極材料の一部がガス流の境界層を越えて運ばれるために、循環レーザガスによって該金属イオンの多くは吹き飛ばされる。本出願人は、陽極が高く正に帯電している場合に、陽極からの銅のかなりのスパッタリングが各放電の最初の部分の間で負のフッ素イオンによって生成されることを見出した。
【0024】
黄銅電極上のフッ化物層
本出願人は、電極寿命を100から130億パルスを超えるように改善する試みとして種々の電極材料について広範な試験を行った。黄銅電極では、陽極の放電面での侵食が常に電極寿命の主要な制限要素である。侵食は電極形状をその最適形状から変化させ、その結果レーザビームの品質に悪影響を及ぼす。これらの黄銅電極に関する本出願人の試験では、陽極の放電面に均一で安定したフッ化物層を生成する材料が使用された場合に最も長い寿命が得られることが示された。特に、1つの実施例において、C36,000黄銅(銅61.5%、亜鉛35.5%、鉛3%)からなる陽極は、レーザ性能のどのような劣化も伴うことなく130億パルスを生成した。(これらの電極の典型的な有効作動寿命は約50から60億パルスである。)130億パルスの後の該陽極の試験により、約100ミクロンの厚さのフッ化物層が約2cmの長さの領域を除いて全放電面を覆うことが明らかになった。この覆われていない領域は侵食が著しかった陰極の部分に面していた。本出願人は、この侵食が著しかった領域での陰極の侵食が非常に高い電界を生み出し、陽極の2cmの欠けている部分を焼き尽くした極めて高温の放電を生み出して、その結果130億パルスでの陰極の寿命につながったと推測する。フッ化物層はほとんどが銅と亜鉛フッ化物からなるが、鉛を含む陽極からの別の材料を含有するように見える。本出願人による該層の電気抵抗の測定値では、該層が高度に絶縁性であることが確認され、抵抗測定値は手持ち式のオーム計で無限大を示す。
【0025】
絶縁層は、陽極の金属表面上の底に達する、約20から150ミクロンの幅を持つ数千の小孔を含む。これらの孔は、陽極の放電面上で1平方mm当たり約20から30個の間隔で配置されている。3.5mm×545mmの放電面の孔の総数は、本出願人によると約50,000個であると推定され、該孔は放電面積の約5%から10%を表す。放電面積の残りの90%から95%は、負電子の表面電荷の急速な蓄積により負に帯電したフッ素イオンを反発することができる絶縁誘電材料からなる。
【0026】
本出願人は、例えばC26,000黄銅(銅69.7%、亜鉛29.6%、及び鉛が0.7%より少ない)などの幾つかの他のタイプの黄銅についても試験を行い、低鉛黄銅は一般的に陽極の放電領域に大きなフッ化物層を生成しないことを確認した。本出願人の結論は、陽極上に安定したフッ化物層を生成するには1%より大きい鉛濃度が必要であることである。
【0027】
第1の好ましい実施形態
本発明の第1の好ましい実施形態は、KrF、ArF、又はF2などのガス放電レーザであり、図6に示す断面の細長い陽極を有する。陽極は2つのタイプの黄銅からなり、陽極83の本体40は、長さが600mmのC26000黄銅(1%より少ない鉛含有量を有する)である。この陽極は、これらのガス放電レーザで広く使用されてきた従来技術の陽極を修正したものである。従来技術の陽極83は図5に示されるような断面を有する。底部の幅は1.2インチである。中央先端までの高さは0.380インチである。先端の半径は0.5インチである。底部表面からの肩高さは0.13インチである。傾斜面は底部表面に対して27.67度の角度の平坦面である。本出願人は、長年のレーザ年数の作動により、この一般的な陽極の形状が非常に良好なレーザガス流の適合性と共に、優れた電界特性及び優れた放電性能をもたらすことを証明した。図6に示す改良された電極において、長溝型の空洞が陽極83の上面に切り込まれている。空洞は、長さ545mm、上部で幅3mm、深さ2.5mm、及び底部で幅1.7mmである。空洞は、C36,000黄銅(約3−4%の鉛含有量を持つ)からなり、該空洞に正確に嵌合するように切断され、表面より上方に約0.2mmだけ延びる第2の黄銅部分42で充填される。第2の黄銅部分は、鉛/スズはんだにより空洞に結合することができる。
【0028】
陽極は、例えば1%のクリプトン、0.1%のF2、及び残りがネオンからなるレーザガスを用いた図1に示されるようなレーザに設置される。銅フッ化物、亜鉛フッ化物及び鉛フッ化物を含む多孔性のフッ化物層が、約5億パルスのレーザを作動させることによって、図6に示す第2の黄銅部分42の上部表面に形成される。これは、毎秒2000パルスで約3日を要する。この発達する多孔性絶縁層は、放電面の侵食を抑え、陽極が極めて適したこの形状を数十億の放電の間維持できるようにする。電子は鉛フッ化物層の約1,855mm2の面積(3.5mm×530mm)内で発達する約50,000個の小孔を通って容易に流れる。(これは1mm2当たりに約30個の孔となる。)一方、電子よりもはるかに重い個々のフッ素イオンは、スパッタリングを引き起こすのに十分なエネルギを有して下にある黄銅まで穴を通過する確率は低い。本出願の親出願の1つにおいて、本出願人は、本発明が陽極寿命を少なくとも2倍又は3倍にすることを可能にし、その結果、陽極侵食がもはやレーザチャンバの寿命を制限しないようになると推測する。本出願人によるこれに続く証明試験が、これらの予想を立証した。これらの試験は、電極試験に利用可能なレーザが毎秒約2500パルスしか作り出せないことからかなりの時間を費やす。毎秒2500パルスで130億パルスを蓄積するためには、約60日の試験期間を要する。本出願書類の提出時点では、図6に示すこの初期形状の陽極を備えたレーザチャンバは、検査のために取り除かれた時にレーザパルスの品質に重大な劣化を伴うことなく、135億パルスより多く蓄積していた。図1に示されるような従来技術の電極を備える従来技術のチャンバの老朽化は、レーザ効率を低下させ、レーザガス中のフッ素濃度を徐々に増大させ、又は標準放電電圧を上昇させて、一定のパルスエネルギ出力を維持することが必要となる。標準的な方法は、ビーム品質が最適となるようF2濃度を設定し、低下したレーザ効率を補償するよう作動電圧を上昇させることである。レーザビーム品質が許容可能なレベルより低下する場合、或いはフッ素濃度及び放電電圧が設計限界に達する場合に、チャンバは寿命に達する。
【0029】
図6Cは、図6の陽極の最初の試作品の試験チャンバ寿命に関して、電源電圧(放電電圧にほぼ比例する)をチャンバ寿命の関数として表したグラフである。また、図1に示すタイプの従来技術の電極を備えた同様のチャンバの同様のグラフも図6Cに示されている。図6Cに示すように、図6の試作品の寿命は従来技術の陽極の予想寿命のすでに2倍以上であり、更に、フッ素及び電圧値に基づくと、本出願人によればこの設計の陽極は、少なくとも約200億パルスまで優れた性能を継続できることが予想される。図6Cのグラフにおける明らかな効率の低下は陽極以外の部分の劣化の影響を含むことから、本出願人は、陽極自体の有効寿命は200億パルスをはるかに上回ることができると予想する。
【0030】
寿命に達したチャンバから取られた陽極を新しいチャンバに再利用することは非常に好適とすることができる。
【0031】
上記に説明された電極の寿命試験の間、本出願人は、該電極の詳細な検査を行うことが出来なかった。しかしながら、本出願人は、LNPを取り外し、チャンバウィンドウを介して電極を見ることにより該電極を定期的に観察した。電極が2,500Hzで放電している間に電極を観察することができる。可視光を透過し紫外光を遮るシールドにより、本出願人の眼が保護される。放電は本出願人によって「美しい」と説明され、130億パルス後でさえ完璧である。約5億パルスで多孔性のフッ化物層が初期に形成されるので、放電面は基本的には変化していないように見える。C26000黄銅部分のごく浅い溝が図6Aに示すように並んでいる。部分42の表面に層成される保護多孔性フッ化物被覆が図6Aの42Aに示される。陽極の部分40の上に層成される絶縁層はない。従って、放電が部分40まで拡大されると、放電は部分40の縁部で溝を侵食し、この領域からの放電が止まることになる。これにより、放電は陽極の部分42に限定される。
【0032】
図6Fは、上記に詳細に説明された試作品の陽極の放電面の断面を示す写真の複写である。この写真は、陽極がチャンバから取り出された直後に撮られた。該写真は、多孔性フッ化物の絶縁表面で覆われた幅3.5mmの放電面を示す。また、写真では2つのはんだ継ぎ目がはっきりと分かる。該写真は、電極の下流側の部分1上にフッ化物材料がいくらか堆積していることを示す。この堆積は非常に薄く、電極性能には影響を及ぼさない。
【0033】
鉛の重要性
本出願人による試験は、陽極の放電面に良好な安定性のある多孔性フッ化物層を生成するために、銅ベースの電極材料に少量の鉛を含有させると非常に有利であることを実証した。C36000黄銅は、銅−亜鉛のα相と、β相と、分離した純粋な鉛クラスターを含む3相合金である。レーザガス中でフッ素と接触することにより表面上の鉛原子がフッ化物を形成する。本出願人は、鉛フッ化物クラスターが、銅及び亜鉛フッ化物の堆積する場所に核生成点を形成すると推測する。鉛フッ化物は極めて安定した化合物であり、銅フッ化物及び亜鉛フッ化物よりも更に安定している。本出願人は、小さなほぼ円形をした何千もの孔が何故成長して存続するのかについては適切な説明を持たないが、これらの孔は明らかに成長して存続し、陽極の侵食をかなり抑えた状態で数10億のパルスの各々で約2.5ジュールの電気エネルギが該孔を通って流れるのを可能にする。
【0034】
本出願人は、優れた性能は約3−4%の鉛を含有することで達成されることを示した。1%より少ない鉛の含有では安定したフッ化物層を生成しない。本出願人は、鉛の含有量が最大約8%までは良好な結果が得られると予想するが、現時点ではこの予想を立証する有効な試験データを持っていない。
【0035】
第2の好ましい実施形態
本発明の第2の好ましい実施形態において、陽極は上記に説明される通りであり、陰極は同様に、望ましい陰極放電領域に配置される陰極侵食率の低い第1の陰極材料と、第1の陰極材料の2つの長い側面に沿って配置される陰極侵食率が比較的高い第2の陰極材料の、2つの材料からなる。本出願人は、黄銅電極を使っての数年間にわたる実験から、C36000黄銅は、フッ素含有ガス放電レーザにおける陰極電極として使用される場合、C26000黄銅の約2倍の速さで侵食すると結論付けた。この実施形態の陰極及び陽極の断面が、各々図7C及び図7Dに示されている。これは、本出願人及びその協働者によって設計及び構築されたレーザチャンバにあらかじめ初期設定されている、図7A及び図7Bに示す単一材料の陰極及び陽極設計と比較するものである。
【0036】
陰極において、望ましい陰極放電領域に設置される第1の材料90はC26000黄銅であり、第2の材料92は電極の残りの部分を形成する。陰極として使用される場合には、これらの黄銅のいずれもが上述の多孔性絶縁層を形成しないが、しかしながら、C26000黄銅はC36000黄銅の約2分の1の侵食率で侵食する。従って、陰極のC36000の部分上に放電が拡大するどのような傾向によっても、該拡大領域においてC36000黄銅は急激に侵食されて無くなり、該拡大が止まる。上記に説明されるように、陽極に関して放電領域位置の第1の材料42はC36000黄銅であり、陽極の残りの部分40はC26000黄銅である。
【0037】
アニーリングの種類
本出願人は実験を通して、黄銅電極材料のアニーリングが陰極侵食率に大きな影響を及ぼすと結論付けた。一般に、本出願人は、侵食率がグレインサイズの広い範囲にわたってグレインサイズにほぼ反比例することを見出した。アニーリングはグレインサイズを小さくするので、材料をアニーリングすることによって陰極侵食を低減することができる。従って、別の陰極設計では第1の材料90としてアニールされた黄銅を利用し、第2の材料92としてアニールされていない黄銅を利用することができる。例えば、第1の材料を54ミクロンとし、第2の材料を13ミクロンとするように、第2の材料のグレインサイズを第1の材料のグレインサイズの約4分の1まで小さくなるよう、充分なアニーリングを行うのが好ましい。
【0038】
放電面の陽極酸化された層
第2の好ましい実施形態の陽極の断面が、図7に示される。絶縁材料46の多孔性層は、陽極がレーザチャンバに組み込まれる前に、従来技術の陽極の放電面を覆って配置される。ベース44陽極は鉛を1%より少なく含むC26000黄銅である。従って、上記のように限界多孔性層46を越えて拡大する何らかの放電によって絶縁層が生成されることは無く、実際、その領域に拡大するどのような放電も、C26000黄銅を侵食する傾向にあり、該領域内で放電を終了させて、放電を多孔性絶縁表面46の範囲内に止める。好ましい多孔性絶縁表面は、次の2つの実施形態に関して説明されるように、陽極酸化処理を用いて提供することができる。
【0039】
多孔性酸化物は陽極酸化と呼ばれる処理でアルミニウム上で成長する。高純度のアルミニウム箔が黄銅電極上に付着される。黄銅電極は電気化学電池の陽極として機能する。一般に、陽極酸化の目的は、陽極に均一な保護アルミナ薄膜を生成することである。適切な電解質及び作動電圧を使用すると、エッチングは自己組織化された多孔性構造の生成をもたらす。10から数百ミクロンの直径を有する孔は、陽極酸化処理のパラメータを変えることによって生成することができる。層の厚みは最大数百ミクロンとすることができるが、本出願では約100から1000ミクロンの厚みが好ましい。この層は、図7Eに示すように層46として用いることができる。別の方法は、黄銅の代わりに電極ベース材料としてアルミニウムを利用することである。これは陽極酸化処理を簡単にする。
【0040】
陽極酸化されたストリップを用いた試験結果
黄銅電極上に陽極酸化されたアルミナを用いた本出願人の実験は、F2ガスの高電圧放電環境では、陽極酸化されたアルミニウム中の酸素はC36000黄銅電極上に形成する多孔性層に類似のフッ化物層に置き換えられることを示している。従って本出願人は、この陽極酸化されたアルミニウム表面が優れた長寿命の放電面材料を生成すると確信している。幅3.5mmの放電領域の両側の材料は、望ましい3.5mmを越えて広がろうとする放電領域で侵食するように陽極酸化されないのが好ましい。
レーザの陽極として露出したアルミニウムはC26000黄銅陽極の約2倍の侵食率で侵食することが本出願人には周知であるので、幅3.5mmの陽極酸化ストリップが処理されたアルミニウム電極は優れた、安価な陽極を形成するはずである。
【0041】
C36000黄銅挿入物の多孔性アルミナ
図9に示されるような第3の好ましい実施形態において、図6に示すC36000黄銅である部分42の上面44は、部分42がC26000黄銅である部分40の空洞にはんだ付けされる前に多孔性アルミナで被覆される。この実施形態において、C36000黄銅は、多孔性アルミナが侵食されて無くなる場合、保護フッ化物層を断面で形成する。
【0042】
プラズマ溶射複合被覆
別の好ましい実施形態において、保護被覆が放電領域の陽極上に溶射される。好ましい方法は、アルミナ被覆を供給するために標準溶射トーチ(Hobart Torch,Incから入手可能)を使用することである。導電性の金属粒子を99%アルミナと混合するのが好ましい。金属の割合は、5%から50%の間が好ましい。約25%の割合が推奨される。金属粉末は、Cu、Ni、Al、PA、又はMgであってよい。この方法はまた、陰極の放電面の被覆に使用することができる。好ましいベース電極材料は、C36000又はC26000黄銅である。
【0043】
別の方法は、従来技術の黄銅電極の放電面をテクスチャし、次いでアルミナなどの絶縁被覆で表面をプラズマ溶射し、次に下にある黄銅の高い部分を露出させるのに十分なだけ被覆を研磨することである。テクスチャリングは、機械加工、ローレット加工、又は吹き付け加工のいずれでも可能である。被覆は、CVD、Al2O3、AIN、MgO、MgF又はCaFであってよい。
【0044】
微小絶縁粒子
第4の好ましい実施形態において、約100から300ミクロンの寸法のほぼ砂粒のような形をした微小絶縁粒子66は、図10A及び図10Bに示す断面形状を有する従来技術の黄銅電極の放電面にろう付けされる。この実施形態において、放電の幅は3.5mmである。粒子は、陽極断面の平面図の図10Bで示されるように、放電面の表面積の約95%を覆うのが好ましい。
【0045】
類似の実施形態において、Al2O3のような微小絶縁粒子は、C26000黄銅のような溶融黄銅と混合され、該混合物は、図6に示すような部分42の形状に成形される。結果として得られた部分は、図6に示される部分40などの部分に正確に嵌合するように機械加工される。好ましくは、粒子サイズは、20から150ミクロンであって、該粒子は、混合物の体積の約80−90%を構成する必要がある。数日の作動後、表面の黄銅はスパッタリングして無くなり、表面上に絶縁層を残すが、材料は表面下で導電性で維持することになる。図8A及び図8Bは、表面の黄銅がスパッタリングされて無くなった後の電極表面を示す図である。粒子は、黄銅の溶融点で安定しており、フッ素化学反応に耐性のある材料でなければならない。良好な選択は、Al2O3、CaF2及びMgF2である。図8Aに示される複合材料はまた、熱間プレス又は冷間プレスなどの粉末冶金技術を用いて形成することができる。
【0046】
他のフッ化物層
上記に説明される通り、本出願人は、驚くべき放電レーザ寿命の延長をもたらす陽極(C26000黄銅及びC36000黄銅放電挿入体を備える)を生成した。この実施形態は、陽極の寿命がもはやチャンバ寿命に影響しないように陽極の寿命が長くなる。現在では送風機軸受などの他の構成要素がチャンバ寿命を左右する。今後、これらの他の構成要素がこれらの寿命を延ばすように改良される場合には、陽極の寿命について更なる改良が要求される可能性がある。電極設計の変更が寿命を改善するか否かを立証することは、改善された寿命の唯一の確かな証拠が数ヶ月の高価なレーザの作動を必要とする寿命試験であることから、困難でコストのかかる作業である。
【0047】
本出願人は、上述の陽極よりも更に優れた陽極を生成する、C26000とC36000の組み合わせ以外の合金が存在し得ると確信する。また、電極が使用されるレーザの作動ガス混合物の代わりに異なるガス混合物を用いてより優れた多孔性絶縁層を作り出すことも恐らく可能である。従って、本発明の実施形態は、ガス放電レーザ電極にパッシベーションを生成するための特定の技術である。
【0048】
電極パッシベーション層技術
本発明の第5の実施形態は、電極パッシベーション用の特別なチャンバ構成を必要とする。好ましくはこのチャンバは、パッシベーション層を備える電極を形成するよう特別に適合された、使用された、又は改良されたレーザチャンバとすることができる。或いは、より大きなチャンバには幾つかの電極を同時にパッシベーションする手段を備えることができる。上記に開示されるものよりも良好な合金の組み合わせが存在するか否かを判断するためには、種々の元素を組み合わせた合金で実験を行う必要がある。例えば、銅、亜鉛及び鉛の様々な含有量の黄銅合金の組み合わせを試験する必要がある。スズのような他の元素も試験する必要がある。1つの実施形態において、いずれが最良のパッシベーション層を生成するかを決定するために、各々が異なる合金の組み合わせを有する幾つかのセグメントを備える単一の電極について試験することができる。電極の組成、微細構造(Pb分離)、チャンバのフッ素濃度、電極の電位、及び電流密度を調整することにより、パッシベーション被覆の成長率、厚み、及び多孔率の操作が可能である。パッシベーションはまた、特注の装置などを用いてレーザチャンバの内外に行うことができる。過去においては、多孔性のフッ化物絶縁層は場合によって形成されたり、形成されなかったりした。個別の合金組成を作り出すことにより、実験者は標準的な方法でフッ化物層の成長を促進させることができる。これは、冶金要因と材料組成の両方を調整することにより可能である(電流条件が一定の場合)。これまでのところ、本出願人の試験データは、銅、亜鉛、及び鉛が形成には重要であり、結果としてフッ素侵食の間に形成されるパッシベーション「礁」の構造をもたらすことを示している。合金の鉛含有量を増加することにより、礁の形成を促進することができる。これは、本出願人が礁の核形成の機構であると確信する、PbF2成長の核形成点の数が増大することに起因すると思われる。亜鉛は、フッ素によって侵食された場合に気相副生成物を形成しないので、礁体積を増大する役割を果たす可能性があるが、銅に対して優先的にフッ化する。礁の化学分析は、この礁が大部分は銅と亜鉛からなることを明らかにする。更に具体的には、CuF2、ZnF2、及びPbF4の核形成点である。スズは多くの安定した気相フッ化物を形成するので、元の合金のスズ含有量を変えることにより、恐らくは礁の多孔性(電気インピーダンス)を調整することができる。更に、アニーリングを通して金属粒子の構造を変えることによって礁の形成運動力学を変えることができる。本出願人は、アニーリングの間、Pbが高鉛銅合金において分離し、礁における大きな核形成点を生成する可能性があることを示してきた。もとの材料のグレインサイズ、Pb含有量、及びパッシベーション礁の成長時のアニーリング状態との相互作用があるとされる。統計最適化ソフトウェアパッケージを使用することによって、陽極のパッシベーション礁の体積、多孔率、及び表面の有効範囲を最適化することができる。ここでのトレードオフは、パッシベーション層の電気インピーダンスに対して侵食の保護である。更に、このインピーダンスは、被覆を通るフッ素移動が少なくとも礁形成の初期段階の間に成長率を規制するので、礁の成長に強い影響を与える可能性がある。本出願人は実験においてこれを観察し、電流密度(高いほど良い)もまた礁の形成に影響を与えることを認識している。
【0049】
プラズマ陽極酸化処理の変数は以下を含む。
A.鉛含有量:礁の厚さ、核形成/有効範囲、及び形態(粗さ)
B.スズ含有量:礁の多孔率
C.亜鉛含有量:礁の厚さ及び形態
D.銅含有量:礁の厚さ
E.元の材料のグレインサイズ:礁の形態、核形成/有効範囲
F.イオン電流:高い程礁が厚くなる
G.システム電圧
H.フォトン生成、フッ化物生成の向上
I.F2濃度:関係を決定する必要がある
J.元の金属表面の粗さ(核形成は吸収F2に依存する)
【0050】
礁形成を促進するためのアルミナの使用
本出願人は、陽極の放電面上に被着されるアルミナのパターンが優れた多孔性パッシベーションの成長を促進することを示した。本出願人は、アルミナはCOF2層が成長する核形成点を示すことを確信している。放電面上にアルミナのパターンを塗布する好ましい方法は、次の通りである。銅電極(C11000)の放電面(幅約3.5mm)をローレットがけして、わずかに(約1.5mm)隆起した規則正しい平行四辺形のローレットパターンを生成した。
【0051】
次いで、プラズマ溶射処理により表面をアルミナで被覆した。次に放電面を研磨して、平行四辺形のパターンのアルミナで被覆された表面の約10%を残して下にある銅の約90%を露出させた。次いで、電極をKrFレーザで作動し、約2日間の作動(2億パルス)の間に、良好なパターン形成された放電を生み出す放電面上を覆って優れた多孔性銅フッ化物層を形成した。本出願人は、この処理によりパッシベーションされた電極の寿命は100億パルスを越える極めて長い寿命を有すると推測する。
【0052】
アルミナに加えて、CaF2又はMgOなどの他の材料もまた、Al2O3の代わりに使用することができる。
【0053】
プラズマ電極
図13A、図13B、図13C、及び図14は、絶縁体表面上のプラズマが電極放電面として機能する本発明の実施形態を示す。このような電極は、これらのレーザチャンバで事実上無限の寿命を示すことが期待される。図13A、図13B、及び図13Cはプラズマ陰極を示す。陰極ユニット84Bと陽極ユニット83Bは共に、図7A及び図7Bに示される一般的な電極形状を有する。しかしながら、陰極84Bは、好ましくはアルミナである絶縁体87によって隔てられた、2つの部分84B1及び84B2に長手方向で分割されている。部分84B1は、通常放電中に最大約24,000ボルトのピーク電位の30ナノ秒の電気パルスを供給するコンデンサバンクCp1の高圧側に接続される。Cp1の電圧が上昇するにつれて、プラズマアーク(コロナ放電としても知られる)が図13Bに示すように陰極84Bの下側に形成され、このプラズマアークを通る電子の流れが、Cp1コンデンサの約10%の小さな静電容量を有するコンデンサバンクCp2を充電することになる。陰極84Bの電位が約20,000ボルトの範囲の放電電位に達すると、図13Cに示される放電(陰極84Bと陽極83B間)が始まり、図13Cに示すようにCp1とCp2が共に放電するまで続く。この実施形態において、陽極は上記に説明され、図7Dに示されるタイプのものである。
【0054】
図14は、陰極84Bと陽極83Cが共にプラズマ電極として設計される実施形態を示す。これらは図7A及び図7Bに示される電極形状を有するが、各々がアルミナ放電面を有する。この場合、パルス変圧器56Aは、図3の56で示されるものとほぼ同じものであるが、負の高電圧が陰極部分84B1に印加され、かつ正の高電圧が83C1に印加されるように変更されている。
【0055】
プラズマは両方の電極表面に発生し、上述のように、陰極と陽極間の放電は、2つの電極間に充分な電位差が生じた場合に起こる。
これらの実施形態の両方において、電極表面のプラズマが電極間の放電領域を予備電離するのに充分な紫外放射線を生成することから、図1の12に示されるような予備電離器は必要ではない。部分84B2及び83C2が2つの電極表面にプラズマを発生させるのに充分な自己静電容量を提供するので、特別なコンデンサバンクCp2及びCp3を必要としない点に留意されたい。
【0056】
図15はプラズマ電極の別の概念を示す。ここで陰極84Dは接地され、陽極は高電圧の正パルスで通電されている。絶縁体部分12Bは、内部に接地棒81Bを備えて、陽極の放電領域に配置される。各電気パルスが印加されている間、プラズマが絶縁体部分81Bの表面上に蓄積し、放電中に電子が陰極の絶縁体部分から陽極へ流れることができる。絶縁体12Bの表面に成長するコロナ領域は紫外放射線を生成するので、別個の予備電離器は必要ではない。
【0057】
多孔性誘電体の放電面及び誘電性フロースペーサを備えたブレード電極
図7Fは、別の長寿命電極の実施形態を示す。この場合、電極構成は、鈍いブレード10A3の形状の断面を有する導電性要素と、該導電性要素の両側に配置されたフロー形誘電性スペーサー10A5からなる。ブレード要素10A3の放電面は多孔性絶縁層で覆われるのが好ましい。この層は、F2レーザガス中に放電が存在する状態で多孔性絶縁層を生成する(C36000黄銅などの)材料をブレード要素10A3に選択することによって「所定の位置に」生成することができる。或いは、陽極酸化処理などの上述の方法の1つを用いて多孔性絶縁層をブレード要素上に塗布することができる。図7Fの設計の変形形態は、図7Fに破線10A3で示されるようにスペーサーの側面を延ばすことである。これは放電領域のガスの流れを更に改善する。
【0058】
この設計の1つの変形形態において、比較的厚い絶縁層が金属電極の放電面に塗布され、多くの小孔が絶縁層を貫いて該絶縁層の下にある導電性の金属まで開けられる。この方法は陽極又は陰極、或いはその両方に使用することができる。図7Fの電極では、絶縁スペーサーが放電面の側面に沿って配置されるが、別の方法では図1に示されるような従来型の電極を使用し、金属電極の表面全体を被覆するが、放電面にだけ孔を開けるようにする。更に別の変形形態としては、図1に示される一般的な形状を使用するが、放電面にだけ絶縁層を塗布した後、絶縁表面に小孔を開ける。エキシマレーザにより孔を開けるのが好ましい。隣接する被覆されていない金属表面にどのように放電が拡大しても、隣接する領域の金属は次第に侵食されて無くなり、その結果、放電の拡大が止まる。好ましい孔の主要断面寸法(ほぼ円形の穴の直径など)は、約10ミクロンから約150ミクロンなどの数ミクロンの範囲であり、最適な範囲は約30から80ミクロンである。孔が大きすぎる場合には、該孔を通るフッ化物又は電子の流れが過密になることによって穴が塞がり、侵食の過度な集中及びホットスポットをもたらすことになる。孔が小さすぎる場合には、孔を通る電流が不足する。約200ミクロンの範囲にある孔は、ある場合には、孔の周りに蓄積された好ましくない過剰なフッ化物による微視的な火山状の外観が成長するように見える。放電領域での好ましい孔の間隔は、1mm2当たりにつき約5から50個である。孔で構成されている放電領域を覆う表面の割合は約5から10%である。
【0059】
音響効果を低減する長寿命電極設計
レーザの各放電は衝撃波を発生し、該衝撃波は、レーザガスを通ってほぼ音速で伝わる。4000Hzの繰返率ではパルス間の時間は0.25ミリ秒である。この時間間隔に衝撃波は約5.8cm進む。本出願人は、パルス間に衝撃波が伝わる距離の2分の1に等しい距離で配置された反射面を実現可能な限り除去することが重要であることを見出した。これは、ある放電からの次の放電の30から50ナノ秒以内に放電領域に反射する衝撃波が、典型的には結果として生じるビームの品質に悪影響を及ぼすことに起因する。衝撃反射面の全てを完全に除去することは不可能である。従って本出願人は、反射する衝撃波の悪影響を最小限に抑える幾つかの方法を開発した。1つの方法は、レーザの長手方向に反射する衝撃波に関係する対称性を最小にすることである。これは、レーザの前方への衝撃波がチャンバの後方への反射波とは異なる時間で放電領域に反射することを意味する。別の方法は、電極の長手方向に対して様々な角度で衝撃波を分散させるように反射面を設計することである。
【0060】
別の方法は、放電領域の長手方向に変化する放電形状を与えることである。例えば、図7Gは、陰極と陽極各々についての提案の放電面を示す。矢印7G1は放電領域の第1の位置にある放電形状を示し、矢印7G2は第2の放電領域における第2の放電形状を示す。このように、各放電から結果として生じた反射衝撃波はやがて分散され、ビームの品質に対する影響が低減されることになる。同様の方法は、陰極に対して陽極をわずかにオフセットさせ、垂直方向から約5から10度といったわずかな角度だけ逸れた放電を生成するようにさせることである。これはまた、反射音波の影響を低減する効果がある。
【0061】
電極端部の過剰な侵食に対する解決策
本出願人は、大半の電極セットの寿命は、該電極セットの一方端又は両端の2インチにわたって発生する電極侵食に起因することを見出した。過剰な侵食は通常、陽極及び陰極の両方で起こる。本出願人は、この平均より高い侵食が、少なくとも一つには電極端部において平均より電界がわずかに高いことにより生じると確信している。電極端部において比較的高い侵食率をもたらす可能性がある別の要因は、電極端部での電極間の循環ガス速度が中心部分よりもわずかに低いことである。
【0062】
本出願人は、この状況を改善するために幾つかのレーザチャンバの改良を行った。1つの解決策は、電極の端部に追加の傾斜部を設けることである。本出願人のこれまでの設計では電極の端部に半径0.75インチを用いている。電極の端部から約2インチで始まる緩やかな傾斜により、端部の電界が低減される。
【0063】
この問題に対する別の解決策では、放電領域の電極間の間隔が両端に対して一定に保たれるように、図16Bに示すように電極の一方又は両方の向きを両端で変える。1つの実施形態において、電極の一方は、図16Bに示される形状を有し、他方は図16Aに示されるような標準の形状を有する。別の実施形態では、両方の電極の両端が図16Bに示すような向きにされる。陰極と陽極はチャンバのそれぞれの端部で反対の方向を向くのが好ましい。端部の侵食問題に対する更に別の解決策は、電極の各端部で1つ又はそれ以上の電流帰還装置「リブ」を取り除くことである。従来技術の設計では、図7Fの10A8に示されるような電流帰還装置リブ(全体的に鯨骨のような形状を有する)が、電極の全長に沿って均一に配置されている。1つの従来技術の設計では、電流帰還装置構造は、1インチ間隔で配置される27リブで構成されていた。本出願人は、電流帰還装置構造の端部領域にあるリブ2、3、及び4、更に24、25、及び26を切除した。これにより放電領域におけるエネルギ分布に相当な改善がもたらされ、電極寿命が大幅に延びることが期待される。同様の結果が、図1に示すようなパルス電力システムから絶縁体を通って陰極84へ電流を導通させる貫通ロッドを除くことにより得ることができた。一般的な従来技術のレーザでは、約15の貫通ロッドが陰極の長さに沿って11/2インチの間隔で配置されている。過剰な端部侵食を低減する好ましい方法は、各端部の貫通ロッドの数を1から3ずつ減らすことである。これらの端部領域において貫通ロッドを減らす第2の利点は、これらのロッドに付随するシールが絶縁体とチャンバの上部壁間の熱膨張差に起因して、場合によっては漏れを生じる傾向があることである。
【0064】
冷却トラップを有するタングステンベースの電極
タングステンは非常に多くの用途向けの優れた電極材料として知られるが、以前はフッ素含有ガス放電レーザ用の電極としては避けられてきた。これは、タングステンとフッ素が結合してWF6というガスを形成し、これがレーザエネルギを吸収することによる。また、WF6の光解離によってタングステンがチャンバウィンドウをめっきする可能性がある。
【0065】
本発明の実施形態は電極にタングステン、タングステン合金、又はタングステン複合材を用いる。例えば、図6に示される部分42は、非常に低い侵食率のタングステン複合材とすることができる。WF6の悪影響を排除するため、或いは最小限にするために、本出願人は、図1に示される基本のレーザチャンバ設計にWF6浄化ループを追加した。従来技術のチャンバは、送風機(部分56)の高圧側で静電フィルター(図示されず)を通過する循環ガス流のわずかな割合を抽出し、ここで金属フッ化物粒子が除去される。浄化されたガスは、フィルターの2つの側から両方のレーザチャンバウィンドウのハウジングへ流れて、清浄なガスでウィンドウ領域(放電領域に対して)をわずかに加圧し、これによりデブリを含んだガスをウィンドウから遠ざける。(詳細は、引用により本明細書に組み込まれる米国特許5,018,162を参照のこと。)冷却トラップがフィルターループ内に配置されるのが好ましい。フィルター流のわずかな部分(約5から10%)だけが冷却トラップへ配向されて、液体窒素温度まで冷却されるのが好ましい。WF6は約17℃の温度で凝縮され、これによりフィルターを通過するガス流の部分から完全に除去される。WF6が気化し、ガス交換時にチャンバから除去できるようにヒーターが冷却トラップに含まれるのが好ましい。
【0066】
改良された予備電離器
通常、上述のタイプのガス放電レーザに用いられる従来技術の予備電離器は、基本的に1つ又は2つの円筒形アルミナ管(図2の実施例で1つだけが使用される[図12に示す])であり、管(又は複数の管)の軸に沿って配置される接地棒を備える。陰極84に接触し、該陰極と同電位にあるシムと呼ばれる薄い可撓性の導体(図示されず)が、円筒形管の外側表面を押圧する。各パルスの始まり付近で、コロナ放電が予備電離管の外側表面に沿って発生し、これが放電領域を予備電離する紫外光を生成して、電極間の安定した予測可能な放電を生じる。これまで本出願人は、シムと管表面の間の接触不良に関する幾つかの問題を経験してきた。
【0067】
本発明の実施形態において、Pt、Cu、Ni、又はAnといった導電性被覆が、予備電離管のアクティブ部分の約50cmの長さに沿う細いライン(幅約1mm)に永久的に塗布される。陰極に堅固に連結された可撓性の導電性シムは、薄い導電性被覆に接して予備電離管表面を押圧する。シムは、該シムと導電性被覆間の機械的接触を改善するよう、長さ約2から3インチのセグメントに分けられるのが好ましい。
【0068】
図17は、陰極83E、予備電離器12、接地棒12A、アルミナ管12B、導電性レーザ12C、可撓性の導電性シム12D、及び主絶縁体13を備える装置を示す。予備電離管は、引用により本明細書に組み込まれる米国特許5,771,258で説明されるように、3つの位置決めの部材(本明細書では図示せず)によって所定の位置に取り付けられる。
別の設計において、導体部分12Dは、陰極83Eと導体12Dが一体部品となるように陰極83Eの機械加工中に該陰極83Eの一部として作られる。シムは、幾らの可撓性を持たせるように極めて薄く(特に、予備電離管12に接する縁部近傍で)機械加工することができる。或いは、導体部分12Dの縁部は、予備電離管12の表面に一致するように凹形状に機械加工することができる。この場合、可撓力が予備電離管12の反対側に加えられ、導体部分12Dに対して管12を押しつけた状態で保持するのが好ましい。
【0069】
陽極−F2から保護されたガス
長寿命陽極を提供する本発明の別の実施形態が図18に示される。この場合、陽極は、C26000黄銅などの多孔性の焼結金属製である。KrFレーザは、放電面が常にF2のないガス層によって保護されるように、1%のクリプトンと99%のネオンの混合物が中心陽極から放出される。これは陽極のフッ素スパッタリングを防止する。本出願人は、厚みが約1/4ミクロンのF2の無い層がフッ素のスパッタリングを防止する大きさに充分であると結論づけた。少量のクリプトンとネオンを添加すると、F2濃度の減少をもたらし、これはF2を比較的多く含むレーザガス(1.0%F2、99%Kr、1.0%Neなど)を付加することで埋め合わせる必要があるが、既存のガス制御がチャンバ内のF2化学反応を通じてF2の損失を埋め合わせるのに既に利用できるので、これによって何の問題も生じることはない。
また上記の実施形態のように、部分42は焼結されたC36000黄銅から作られ、電極の残りの部分はC26000黄銅から作ることができる。従って、部分42のどの露出部も絶縁フッ化物レベルが向上する。この設計に類似した別の設計では、図6Aに示す部分42に上記多孔性焼結黄銅を使用すると共に、部分42にF2のないガス流を供給する。
【0070】
フローシェーピング
これらのガス放電レーザにおいては、次に続くパルスの前に、放電中に生成された全デブリを実質上放電から除去するのに充分なレーザガス循環を行う必要がある。現在製造されているレーザは、4000Hzのパルス繰返率で作動しており、これは幅約4mmの放電領域がパルス間の1/4000秒(0.25ミリ秒)の間に浄化されなければならないことを意味する。これは少なくとも16m/秒(約58km/h)の電極間ガス速度を必要とする。将来の計画として6,000Hzから10,000Hzのレーザがある。100km/hの範囲のこれらの速度は、極めて空気力学的設計がなされた放電領域を必要とする。図12Aは改良されたフローシェーピングを有する設計を示し、放電領域の構成要素が空気力学的なパラメータに実質的な改良を与えるようわずかに修正されている。この場合、予備電離器12Aは非円筒形の形状であり、接地棒12A1は下部表面での電子の蓄積を促進するように配置される。図12Bは別の空気力学的設計を示しており、ここで、予備電離器は空気力学を大きく改善するため主絶縁体に組み込まれる。接地棒81Bは主絶縁体82に挿入され、電極の全長に沿って並行に走る。予備電離化は、パルスの初めに絶縁体82の表面に沿って陰極84Aの基部から追跡してきて接地棒81Bに達しようとする高エネルギの電子によってもたらされる。追跡電子及び関連のプラズマは、高エネルギの紫外フォトンを生成し、これにより電気パルス周期において早期に放電を促進するため放電領域のガスをイオン化する。
【0071】
電流帰還装置
別の好ましい実施形態において、レーザの電流帰還装置が図11に示す形状に作られる。この場合、電流帰還装置の中心部分76は、構造の中心に沿って極めて高い電界を生成するように従来技術の陽極断面と類似の断面を有する。この極めて高い電界は、幅約3.5mmで、幅約3.5mmの放電領域を定め、この電界は放電領域の両側で急激に減少する。多孔性絶縁層78は放電領域を覆うように生成される。この層は上述のいずれの方法を用いても生成することができる。例えば、電流帰還装置は図6Aに示す放電領域でC36000挿入体を備えたC26000黄銅から機械加工することができる。好ましい実施形態では、電流帰還装置は両側に約40の鯨骨状構造80を有する。電流帰還装置の上部はチャンバ上部にボルトで固定され、電極部分は堅固な電極支持部にボルト締めすることができる。本発明の他の実施形態に関して、電流帰還装置材料は、幅3.5mmの放電領域の両側の材料が該放電面を形成する材料よりも侵食が速い材料であるように選択される。
【0072】
陰極放電面の多孔性被覆
現在までのところは、これらのガス放電レーザの陰極侵食は、陽極が陰極の侵食率の約4倍の速度で侵食されていたことから問題とされていなかった。好ましい実施形態においては、陰極放電面もまた、多孔性絶縁材料で覆われる。陰極が放電パルス時間の主要部分の間に負に帯電したフッ素イオンを反発することから、鉛フッ化物層が陰極上に自然に発達することはない点を理解されたい。しかしながら、陽極として動作する陰極によりF2環境において被覆された陰極を生成することができる。また、放電領域を覆う多孔性絶縁層を有する陰極を生成するために、陽極用に多孔性絶縁層を提供する上述の他の方法を使用することができる。これらの層は、上記の陽極保護層が陽極を負のフッ素イオン衝撃から遮蔽するのと同様の方法で正のイオン衝撃から陰極を保護する。上述のように、放電面の両側の材料は放電面の材料よりも速く侵食する。
【0073】
本発明は、好ましい実施形態の観点から特殊性を持って上記で説明されてきたが、多くの修正及び変更が本発明の精神から逸脱することなく行うことができる点を理解され、認識されたい。上記に示すように2つの電極材料は、第1の材料の侵食率が第2の電極材料の侵食率の約1/4から1/2であるように選択することができるが、第1の材料に比べて極めて高い(例えば10から20倍高い)侵食率を有する第2の材料を使用してもよい。これはビームが広がろうとするどのような傾向も迅速に取り除かれることを保証する。次のパルスの前に放電デブリの空隙を清浄にするため、電極間の空隙に良好な流れの状態を維持することは重要である。多孔性絶縁層の幅は、好ましくは、レーザビームの所望の幅に等しいか、又は該ビーム幅よりわずかに大きいことが好ましい放電面の幅に一致すべきである。絶縁層の厚さは、好ましくは約20ミクロンから300ミクロンの間であるべきであり、最も好ましい範囲は約50から150ミクロンである。しかし、本出願人の試験陽極の厚みの幾つかは、最大約1mmまで及んでいたが、深刻な問題は起こらなかった。電極作製時に、放電面の両方の縁に沿って2つの溝を設けることができる。これは、侵食によってレーザ作動中に該溝が自然に形成されてしまうのを防止する。上記に説明されていないが、2つの材料の電極の別の利点は、第1の(低侵食率の)材料の量を大幅に減らすことができるという点におけるコスト削減の考え方とすることができる。これにより、放電面において非常に高価な低侵食率材料を経済的に使用することができ、更に電極の残りの部分に高価な材料を使用する必要はない。第1の材料(例えば図6の42)を第2の材料構造40に取り付けるために幾つかの良好な方法を使用することができる。例えば、焼き嵌め、溶接、ろう付け、又は小さなねじによる止め付けを行うことができる。部分42は、アルミナのような絶縁材料の薄板(例えば0.1mm)の約35枚の積層体から切り取ることができる(各薄板は銅などの導電材料の非常に薄い層が塗布されている)。(積層体は、部分42を切り出す前に、各層を共に溶融するように熱処理することができる。)部分42は、長さが約50cm、高さ約5mm、幅が約3.5mmとなるように切断される。この部分は次に、図6に示すように部分40に挿入されるが、この場合は部分42の断面は矩形である。作動中、電流はアルミナシート間の銅層を通って部分40の導体材料に流れる。従来技術の幾つかの状況で使用される電極は放電領域で円形又は他の弓形の表面を有していた。これらの弓形の表面は、数百万パルス後には侵食により平坦になる傾向にある。これは、通常、本出願人のレーザではバーンイン期間中に発生する。本出願人は、電極作製時にこの弓形表面の電極が平坦化される場合に、このバーンイン期間を短縮できることを見出した。図12Aに示す予備電離管は、主絶縁体に組み込まれた対応する形状のホルダーに一致する平坦部分を備えることができ、これにより前記予備電離器のどのような回転も防ぐことができる。これは、導電性被覆の場合に、シムと被覆の間に常に接触があることを保証する。また、一致する平らな表面は、シムの摩耗を引き起こす可能性のある予備電離器の回転運動を防止することができる。従って、本発明の範囲は、添付の請求項及びこれらの法的な均等なものによって決定付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】従来技術のガス放電レーザのチャンバの断面図を示す。
【図2】従来技術のレーザの他の特徴を示す。
【図3】従来技術のガス放電レーザのパルス電力システムの主要な特徴を示す。
【図4A】図3のパルス電力システムの電気パルス形状を示す。
【図4B】図3のパルス電力システムの電気パルス形状を示す。
【図5】従来技術の陽極の断面図である。
【図6】好ましい陽極の断面図を示す。
【図6A】好ましい陽極の断面図を示す。
【図7A】好ましい陽極の断面図を示す。
【図7B】好ましい陽極の断面図を示す。
【図7C】好ましい陽極の断面図を示す。
【図7D】好ましい陽極の断面図を示す。
【図7E】好ましい陽極の断面図を示す。
【図8A】本発明の好ましい実施形態を示す。
【図8B】本発明の好ましい実施形態を示す。
【図9】好ましい陽極の断面図を示す。
【図10A】好ましい陽極の断面図を示す。
【図10B】図10Aの陽極の平面図である。
【図11】電流帰還装置の陽極ユニットを示す。
【図12A】空気力学的に設計されたチャンバの断面図を示す。
【図12B】空気力学的に設計されたチャンバの断面図を示す。
【図13A】プラズマ電極を示す。
【図13B】プラズマ電極を示す。
【図13C】プラズマ電極を示す。
【図14】プラズマ電極を示す。
【図15】プラズマ電極を示す。
【図16A】従来技術の電極と好ましい実施形態との比較を示す。
【図16B】従来技術の電極と好ましい実施形態との比較を示す。
【図17】より良い予備電離化における改良された電極構成を示す。
【図18】陽極侵食を引き起こすフッ素を低減する方法を示す。
【符号の説明】
【0075】
40 陽極部分
42 第2の黄銅部分
42A 保護多孔性フッ化物被覆
Claims (52)
- A)フッ素を含むレーザガスを収容するレーザチャンバと、
B)少なくとも120億の高品質放電を生成するように放電領域を定める、離間して配置された2つの長寿命型の細長い電極手段と、
C)毎秒1000パルスを超えるパルス繰返率で電気パルスを供給して前記放電を生成するパルス電力システムと、
D)毎秒1000パルスを越えるパルス繰返率で作動する時に、次の後続の放電の前に、該放電によって生成される実質的に全てのデブリを除去するのに十分な速度で前記2つの電極間の前記レーザガスを循環させる送風システムと、
E)前記送風システム及び前記放電によって生成された熱を前記レーザガスから除去するのに十分な容量を有する熱交換器と、
を備えるガス放電レーザ。 - 前記電極手段が、陰極と陽極を定める2つの長寿命型の細長い電極要素を含み、前記陰極及び陽極の各々が、前記電極要素間の前記放電幅を定めるように選択された所定幅を有する長く狭い放電領域を有し、前記陽極が、
a)第1の陽極侵食率を定め、2つの長い縁部を形成する前記放電領域において、前記陽極の長く狭い放電領域に配置された第1の陽極材料と、
b)前記2つの長い縁部に沿い、前記陽極の長く狭い放電領域に隣接して該陽極の長く狭い放電領域の少なくとも2つの側部に配置された第2の陽極材料と、
を含み、前記第1及び第2の陽極材料が、第2の陽極侵食率が前記第1の陽極侵食率よりも少なくとも50%高くなるように選択され、前記第2の陽極材料の高い侵食率が、前記放電の幅の相当な長期間にわたるどのような拡大をも防止することを特徴とする請求項1に記載のレーザ。 - 前記第1の陽極材料がC36000黄銅であり、前記第2の陽極材料がC26000黄銅であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記第1の陽極材料が少なくとも1パーセントの鉛を含む黄銅であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記第1の陽極材料が少なくとも3パーセントの鉛を含む黄銅であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記第1の陽極材料が、フッ素含有ガス中で陰極からの放電に曝される場合に各々が多孔性絶縁層を生成することが知られている材料のグループから選択されることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記第1の陽極材料が、フッ素含有ガス中で陰極からの放電に曝される場合に各々が多孔性フッ化物層を生成することが知られている材料のグループから選択されることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記第1の陽極材料が多孔性絶縁層を含むことを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記多孔性絶縁層が金属フッ化物からなることを特徴とする請求項8に記載のレーザ。
- 前記多孔性絶縁層が、F2を含むガス環境で前記陽極を放電に曝すことにより生成されることを特徴とする請求項8に記載のレーザ。
- 前記多孔性絶縁層が多孔性アルミナ層を含むことを特徴とする請求項8に記載のレーザ。
- 前記多孔性アルミナ層が陽極酸化されたアルミナ層であることを特徴とする請求項8に記載のレーザ。
- 前記多孔性絶縁層が電気絶縁体材料からなる粒子で構成されていることを特徴とする請求項8に記載のレーザ。
- 前記絶縁体材料がセラミックであることを特徴とする請求項13に記載のレーザ。
- 前記絶縁体材料がフッ化物であることを特徴とする請求項13に記載のレーザ。
- 前記絶縁体材料がAl2O3、MgF2及びCaF2からなるグループから選択されたセラミックからなることを特徴とする請求項13に記載のレーザ。
- 前記多孔性絶縁層が多数の孔からなることを特徴とする請求項8に記載のレーザ。
- 前記多数の孔が50,000を越えることを特徴とする請求項16に記載のレーザ。
- 前記多数の孔の大部分が20ミクロンから250ミクロンの幅を有することを特徴とする請求項17に記載のレーザ。
- 前記陽極が、該陽極の中心線に沿って前記陽極の放電領域を形成する約3.5mmの幅にわたる高い電界を生成し、前記陽極放電領域の両側で前記電界の急激な低下を有するように選択される断面を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記電極要素の少なくとも1つが放電面を定め、該放電面の2つの側部に沿って縦方向に走る溝を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記放電を所望の形状に形成するように構成された電流帰還装置構造と、前記放電領域を通過しかつこれを越えるガス流を導く絶縁スペーサーとを更に備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記多孔性絶縁層が金属に埋め込まれた絶縁粒子からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記金属が黄銅であることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
- レーザで使用する細長い電極を製造する方法であって、
a)1つ又はそれ以上の電気伝導材料からなり、少なくとも50cmの長さと少なくとも3cmの幅を有する細長い電極構造を作る段階と、
b)少なくとも3mmの幅を有する放電領域を定めるように、前記細長い電極の一部分に多孔性絶縁層を生成する段階と、
を含む方法。 - 前記1つ又はそれ以上の電気伝導材料が1パーセントより多い鉛含有量を有する、鉛が豊富な黄銅を含み、前記多孔性電気絶縁層を作り出す段階が、前記鉛が豊富な黄銅上に多孔性絶縁層が蓄積されるのを可能にするようにフッ素含有レーザガス中で前記電極を作動させる段階を含む請求項25に記載の方法。
- 前記多孔性絶縁層を生成する前記段階が、前記細長い電極構造の放電領域に絶縁粒子を拡散させる段階を含む請求項25に記載の方法。
- 前記多孔性絶縁層を生成する前記段階が、
a)前記細長い電極において充填金属と前記絶縁粒子を含む放電区域を生成するために、溶融金属に絶縁粒子を混合する段階と、
b)前記充填金属の一部分がスパッタリングして無くなり、前記放電領域を覆う多孔性絶縁層を残すことができるように、前記細長い電極をフッ素含有レーザガス環境で作動させる段階と、
を含む請求項25に記載の方法。 - 前記絶縁粒子が、約50から150ミクロンの範囲の寸法を有することを特徴とする請求項28に記載の方法。
- 前記粒子が約50から150ミクロンの範囲の寸法を有することを特徴とする請求項28に記載の方法。
- 多孔性絶縁層を生成する前記段階が、
a)前記放電面に複数の核形成点を生成する段階と、
b)前記多孔性絶縁層が前記放電面上に成長するのを可能にするようにフッ素ガス含有レーザ中で前記電極を作動させる段階と、
を含む請求項25に記載の方法。 - 前記陰極が、
a)第1の陰極侵食率を定め、2つの長い縁部を定める前記領域において、前記陰極の長く狭い放電領域に設置された第1の陰極材料と、
b)第2の陰極侵食率を定め、前記2つの長い縁部に沿い、前記陰極の長く狭い放電領域に隣接して前記陰極の長く狭い放電領域の少なくとも2つの側部に配置された第2の陰極材料と、
を含み、前記第1及び第2の陰極材料が、前記第2の陰極侵食率が前記第1の陰極侵食率よりも少なくとも50パーセント高くなるように選択されることにより、前記レーザ作動中に、前記第2の陰極材料の高い侵食率が、前記放電の相当な長期間にわたるどのような拡大をも防止することを特徴とする請求項1に記載のレーザ。 - 前記第1の陰極材料がC26000黄銅を含み、前記陰極材料がC36000黄銅を含むことを特徴とする請求項32に記載のレーザ。
- 前記第1の陰極材料と前記第2の陰極材料が各々、前記第1の陰極材料の平均グレインサイズが前記第2の陰極材料の平均グレインサイズより70パーセント小さくなるように定めることを特徴とする請求項32に記載のレーザ。
- 前記第1の陰極材料が該第2の陰極材料より大きな程度までアニールされることを特徴とする請求項34に記載のレーザ。
- 第1及び第2の陰極材料が、前記第2の陰極侵食率が前記第1の陰極侵食率の少なくとも4倍であるように選択されることを特徴とする請求項32に記載のレーザ。
- 第1及び第2の陽極材料が、前記第2陽極侵食率が前記第1の陽極侵食率の少なくとも4倍であるように選択されることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 第1及び第2の陰極材料が、前記第2の陰極侵食率が前記第1の陰極侵食率の少なくとも10倍であるように選択されることを特徴とする請求項32に記載のレーザ。
- 第1及び第2の陽極材料が、前記第2陽極侵食率が前記第1の陽極侵食率の少なくとも10倍であるように選択されることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
- 前記電極手段が少なくとも1つのプラズマ電極を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記少なくとも1つのプラズマ電極が、第1の黄銅部分と第2の黄銅部分を含み、前記第2の黄銅部分が前記第1の黄銅部分から絶縁体部分によって隔てられており、前記絶縁体部分の一部がプラズマ放電面を定めることを特徴とする請求項39に記載のレーザ。
- 前記2つのプラズマ電極の各々が、第1の黄銅部分と第2の黄銅部分を含み、前記第2の黄銅部分が前記第1の黄銅部分から絶縁体部分によって隔てられており、前記絶縁体部分の一部がプラズマ放電面を定めることを特徴とする請求項40に記載のレーザ。
- 前記電極手段が多孔性電極を含み、該多孔性電極の放電面に実質的にフッ素のないガス層を供給するために、前記多孔性電極を通る実質的にフッ素のないガス流を供給するガス供給手段を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記電極手段が、少なくとも1つの電極を含み、該電極が電極方向を定める細長い部分を有し、前記電極方向から20から40度の範囲の角度で延びる端部分を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記電極手段が、2つの電極を含み、各々が前記電極方向から20から40度の範囲の角度で延びる端部分を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記電極手段が、絶縁体を有する陽極と、接地電位の細長い陰極とを備え、陽極が細長い絶縁体部分を有し、細長い導体部分が前記絶縁体部分の内側に配置され、前記パルス電力システムが、前記陽極の細長い導体部分に高電圧の正電気パルスを供給するように構成され、前記細長い絶縁体部分の表面上及び前記細長い陽極と前記細長い陰極間の放電にコロナプラズマを発生させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記細長い電極手段がタングステンを含み、前記レーザが更にWF6ガスを閉じ込めるための冷却トラップを含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記電極手段が、前記電極の一部として機械加工された導体シムを含む少なくとも1つの電極を備え、前記電極が予備電離管に前記シムが接するように取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 非円形断面を有する予備電離管を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
- 前記予備電離管が平坦な表面を含み、前記予備電離器のどのような回転運動をも防止するように別の表面に取り付けられることを特徴とする請求項49に記載のレーザ。
- 前記予備電離管の表面に電流を流すためのセグメントに分けられたシムを更に含むことを特徴とする請求項49に記載のレーザ。
- 少なくとも1つの端にノッチを有する予備電離管を更に備え、該管が回転するのを防ぐために前記ノッチに適合するタブを備えた固定接地棒を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
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