JP2005502620A - 1型光線治療用の芳香族スルフェネート - Google Patents

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Abstract

本発明は、腫瘍および他の病変の光線治療のための新規スルフェネート誘導体およびそのバイオコンジュゲートを開示する。本発明のスルフェネートは、電磁スペクトルの低エネルギー紫外、可視、近赤外(NIR)領域で吸光するように設計される。光線治療効果は、スルフェネート部分の光分裂に際して産生される反応性中間体であるフリーラジカルと、対象組織との直接的相互作用に起因する。

Description

【0001】
技術分野
本発明は、新規の染料−スルフェネート(sulfenate)組成物およびこれらの組成物を使用する光線治療手法に関する。
【0002】
背景技術
臨床現場における可視および近赤外(NIR)光の使用は、急速に成長している。電磁スペクトルの可視または長波長(UV−A、>350nm)領域で吸光または発光する化合物は、光学的断層撮影、内視鏡的可視化および光線治療に潜在的に有用である。しかしながら、生物医学光学の主要な利点は、その治療的潜在能力にある。光線治療は、内外両側の各種表面病変の処置に安全かつ効果的な手法であると立証されてきた。その有効性は、放射線療法に類似するが、それは、有利なことに、重大な非標的器官に対する有害な放射性毒性を欠く。
【0003】
光線治療は多世紀に渡り存在し、様々な皮膚表面の病気の処置に使用されてきた。インドでは早くも紀元前1400年に、植物抽出物(ソラレン)が太陽光と組合せて白斑の処置に使用された。1903年、Von Tappeiner と Jesionek は、皮膚癌、皮膚の狼瘡および女性性器の湿疣を処置するために、光増感剤としてエオシンを使用した。長年に渡り、ソラレンと紫外線A(低エネルギー)照射の組合せは、乾癬、類乾癬、皮膚T細胞性リンパ腫、湿疹、白斑、円形脱毛症(areata)および新生児ビリルビン血症を含む幅広い皮膚科学的疾患および症状の処置に使用されてきた。癌の光線治療の可能性は1900年代初頭から認識されてきたが、安全性と有効性を立証する系統的な研究は、乳癌腫の処置で1967年にようやく始まった。1975年、Dougherty らは、光力学的治療(PDT)による長期治癒が可能であることを決定的に確立した。現在、光線治療的方法は、アテローム性動脈硬化症や血管再狭窄などのいくつかの心血管障害の処置、リウマチ性関節炎の処置、およびクローン病などのいくつかの炎症性疾患の処置のためにも研究されている。
【0004】
光線治療の手法は、高い吸光性を有する光増感剤(即ち、発色団)を必要とする。好ましくは、これらの化合物は、化学的に不活性であり、適切な波長の光による照射の際にのみ活性化されるべきである。光増感剤が直接的に、または生体活性担体への付着を介して標的組織に結合すると、選択的組織傷害が光で誘導され得る。さらに、光増感剤が化学療法剤でもあるならば(例えば、アントラサイクリン系抗腫瘍剤)、増強された治療効果を達成することができる。効果的な光線治療剤を設計するための重要な必要条件は:(a)大きいモル吸光係数、(b)長い三重項寿命、(c)高収率の一重項酸素および/または他の反応性中間体、即ち、フリーラジカル、ナイトレン(nitrene)、カルベン、カボニウム(cabonium)イオンなどの開殻(open-shell)イオン種など、(d)細胞成分への効率的なエネルギーまたは電子伝達、(e)水性環境で凝集を形成する傾向が低いこと、(f)効率的かつ選択的な病変標的化、(g)血液および非標的組織からの迅速なクリアランス、(h)低い全身的毒性、および(i)変異原性の欠如、である。
【0005】
光増感剤は、1型および2型と称する2つの別個のメカニズムを介して作用する。1型のメカニズムは、次のスキームで示される。
【化1】
Figure 2005502620
1型メカニズムは、光増感剤から細胞成分への直接的なエネルギーまたは電子の伝達を伴い、それにより細胞死を引き起こす。2型メカニズムは、次のスキームで示されるように2つの別個の段階を伴う:
【化2】
Figure 2005502620
第1段階で、三重項励起状態の光増感剤から組織周辺の酸素分子へのエネルギー伝達により、一重項酸素が生成される。第2段階で、一重項酸素と組織の衝突が組織損傷を進める。1型と2型の両メカニズムにおいて、増感剤の最低の三重項状態を介して光反応が進行する。故に、効果的な光線治療には、比較的長い三重項寿命が必要とされる。対照的に、光増感剤に起因する組織への光損傷を避けるには、比較的短い三重項寿命が必要とされる。
【0006】
腫瘍光線治療剤によりもたらされる組織傷害の生物学的根拠は、集約的研究の対象であった。これらの研究で採用された光増感剤のタイプと数は比較的少ないとはいえ、組織損傷についての各種の妥当な生化学的メカニズムが仮定されてきた。これらの生化学的メカニズムは、以下の通りである:a)癌細胞は低密度リポタンパク質(LDL)受容体の発現を上方調節し、光力学的治療(PDT)剤はLDLとアルブミンに選択的に結合する;(b)ポルフィリン様物質は、増加した新生血管構造に選択的に取込まれる;(c)腫瘍はしばしば数が増えた脂質体を含有し、従って疎水性光増感剤に結合できる;(d)「漏れ易い」腫瘍血管構造とリンパ排液の減少の組合せは、ポルフィリン蓄積をもたらす;(e)腫瘍細胞は、ポルフィリン凝集体の食作用または飲作用について、増大した能力を有し得る;(f)腫瘍関連マクロファージは、腫瘍における光増感剤濃縮の大部分を担い得る;そして(g)癌細胞は光増感剤に誘導されるアポトーシスを受け得る。これらのメカニズムの中で、(f)と(g)は最も一般的であり、これら2つの選択肢の中で、(f)がそれによりポルフィリン様化合物の光線治療効果が誘導される、一番もっともらしいメカニズムであるという一般的同意がある。
【0007】
現在知られている光増感剤の殆どは、一般に光力学的治療(PDT)剤と呼ばれ、2型メカニズムを介して作用する。例えば、Photofrin II(ヘマトポルフィリン誘導体)は、米国食品医薬品局により、膀胱、食道および後期肺癌の処置に最近承認された。しかしながら、Photofrin II は、いくつかの欠点を有すると示されてきた:低モル濃度の吸光度(ε=3000M−1)、低い一重項酸素収量(Φ=0.1)、化学的不均一性、凝集および長時間の皮膚感光性。故に、より安全かつ効果的な光増感剤の開発において、Photofrin II と比較して改善された吸光特性、より良好なクリアランスおよび低減された皮膚感光性を示すPDTのために、相当な努力があった。これには、単量体ポルフィリン誘導体、コリン化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、フェノチアジン化合物、ローダミン化合物、ヒポクレリン(hypocrellin)化合物などが含まれる。しかしながら、これらの光線治療剤も、主に2型メカニズムを介して作用する。
【0008】
驚くべきことに、本来1型メカニズムは2型メカニズムよりも効率的であると思われるにも関わらず、1型光増感剤の開発に向けられた注意はあまり大きくなかった。第一に、2型と異なり、1型光増感剤は、細胞傷害を引き起こすのに酸素を必要としない。第二に、1型メカニズムは2段階(光励起と直接的エネルギー伝達)を伴い、一方2型メカニズムは3段階(光励起、一重項酸素生成およびエネルギー伝達)を伴う。さらに、ある種の腫瘍は、2型メカニズムを無効にする低酸素領域を有する。しかしながら、2型メカニズムに付随する欠点にも関わらず、1型メカニズムを通じて作用する化合物は、少数しか開発されてこなかった(例えば、アントラサイクリン抗腫瘍剤)。
【0009】
従って、1型メカニズムを介して作用する効果的な光線治療剤を開発する必要がある。励起状態の光増感剤が、励起した発色団より長い寿命を有し、相当な細胞傷害を引き起こすと示されてきた、フリーラジカル、ナイトレン、カルベンなどの反応性中間体を生成できれば、光線治療の有効性はさらに増強できる。
【0010】
発明の概要
本発明は、腫瘍および他の病変の光線治療のための、主に1型メカニズムで反応する新規芳香族スルフェネート化合物を開示する。ことさらに、本発明は、式
【化3】
Figure 2005502620
式中、Eは、ソマトスタチン、熱感受性バクテリオエンドトキシン、ニューロテンシン、ボンベシン、コレシストキニン、ステロイドおよび炭水化物受容体結合分子、並びにジヒドロキシインドールカルボン酸からなる群より選択される。Xは、−(R)NOC−、−(R)NOCCHO−、−(R)NOCCHCHO−および−HNC(=S)NHからなる群より選択される。RないしRは、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリール、C1−C10ポリヒドロキシアルキルおよびC1−C10ポリアルコキシアルキルからなる群より独立して選択される。Qは、単結合、またはオレフィン、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、フッ素化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導されるアルケニル、芳香族またはヘテロ芳香族基のいずれかである;そして、Arは、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族基である、
を有するスルフェネート化合物を開示する。
【0011】
本発明はまた、本発明のスルフェネート化合物を使用する治療手法の実施方法を開示する。式
【化4】
Figure 2005502620
を有するスルフェネート光増感剤の有効量を、対象に投与する。Eは、ソマトスタチン、熱感受性バクテリオエンドトキシン、ニューロテンシン、ボンベシン、コレシストキニン、ステロイドおよび炭水化物受容体結合分子、並びにジヒドロキシインドールカルボン酸からなる群より選択される。Xは、−(R)NOC−、−(R)NOCCHO−、−(R)NOCCHCHO−および−HNC(=S)NHからなる群より選択される。RないしRは、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリール、C1−C10ポリヒドロキシアルキルおよびC1−C10ポリアルコキシアルキルからなる群より独立して選択される。Qは、単結合、またはオレフィン、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導されるアルケニル、芳香族またはヘテロ芳香族基のいずれかである;Arは、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族基である。光増感剤は、標的組織に蓄積されるようになり、それを十分な力とフルエンス率を有する300ないし950nmの波長の光に曝し、光線治療手法を実施する。芳香族発色団の光励起は、迅速にスルフェネート基への分子内エネルギー伝達をもたらし、結合の破断と、細胞傷害を引き起こす2つの反応性フリーラジカルの産生に至る。
【0012】
本発明の化合物および方法のこれらおよび他の利点および実施態様は、以下の図面、説明および実施例に照らして明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明化合物の活性化の図解メカニズムである。
【図2】図2は、本発明に従うジオールの合成の図解メカニズムである。
【図3】図3は、アクリドン誘導体合成の図解メカニズムである。
【図4】図4は、アクリジンスルフェネート誘導体合成の図解メカニズムである。
【図5】図5は、アントラキノン−スルフェネート誘導体合成の図解メカニズムである。
【図6】図6は、キサンテン誘導体合成の図解メカニズムである。
【図7】図7は、ステロイド−光増感剤コンジュゲート誘導体合成の図解メカニズムである。
【図8】図8は、生合成中間体への付着による、病変部位への光増感剤送達の図解メカニズムである。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明は、腫瘍および他の病変の光線治療のための、新規スルフェネート誘導体およびそれらのバイオコンジュゲート(bioconjugate)を開示する。
化合物は、一般式
【化5】
Figure 2005502620
式中、Eは、水素原子であるか、または抗体、ペプチド、ペプチド模倣物(peptidomimetic)、炭水化物、糖模倣物(glycomimetic)、薬剤、ホルモンまたは核酸からなる群より選択され;Xは、−(R)NOC−、−(R)NOCCHO−、−(R)NOCCHCHO−、−OCN(R)−、−HNC(=S)NH−、およびHNC(=O)NH−からなる群より選択され;Qは、単結合、またはオレフィン、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導されるアルケニル、芳香族またはヘテロ芳香族基のいずれかであり;RないしRは、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリール、C1−C10ポリヒドロキシアルキルおよびC1−C10ポリアルコキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArは、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族である、
を有する。
【0015】
ある実施態様では、本発明によるスルフェネートは、Eが、ソマトスタチン、熱感受性バクテリオエンドトキシン、ニューロテンシン、ボンベシン、コレシストキニン、ステロイドおよび炭水化物受容体結合分子、並びにジヒドロキシインドールカルボン酸からなる群より選択され、Xが、−(R)NOC−、−(R)NOCCHO−、−(R)NOCCHCHO−および−HNC(=S)NHからなる群より選択され;Qが、単結合または、アルケン、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導されるオレフィンまたは芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArが、ベンゼン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラキノン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族基である、上記の一般式を有する。
【0016】
別の実施態様では、本発明によるスルフェネートは、Eが、ソマトスタチン、熱感受性バクテリオエンドトキシン(ST)、ニューロテンシン、ボンベシン、コレシストキニン(CCK)、ステロイドおよび炭水化物受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−、および−(R)NOCCHO−であり;Qが、単結合であるか、またはベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、オキサゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択され;RないしRは、水素およびC1−C10アルキルからなる群より独立して選択され;そしてArが、ベンゼン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラキノン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族基である、上記の一般式を有する。
【0017】
これらの化合物は、図1に示すように、主に1型メカニズムにより作用する。図中、−O−SRは、光活性化に際してフリーラジカルを産生するスルフェネート部分であり、Arは、光増感を受ける芳香族発色団である。脂肪族および芳香族スルフェネートも光線治療に使用できるが、当分野で周知のように(J. Amaudrut and O. Wiest, The thermal sulfenate-sulfoxide rearrangement: A radical pair mechanism. Journal of the American Chemical Society, 2000, 122, 3367-3374, 出典明示により全体を本明細書の一部とする)、芳香族スルフェネートはより良好な材料処理特性を有する。Lは、発色団とエピトープとの間のリンカーである。エピトープ(E)は、細胞上の標的部位により認識され、そしてそれに結合する、分子の特定領域である。エピトープは通常、常にとは限らないが、生体分子と関連する。生体分子には、ホルモン、アミノ酸、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸、酵素、炭水化物、糖模倣物、脂質、アルブミン、モノおよびポリクローナル抗体、受容体、シクロデキストリンなどの封入化合物および受容体結合分子が含まれる。生体分子の特定の例には、乳房および前立腺病変の処置用のステロイドホルモン、神経内分泌腫瘍の処置用のソマトスタチン、ボンベシンおよびニューロテンシン受容体結合分子、肺癌の処置用のコレシストキニン受容体結合分子;結腸直腸癌の処置用の熱感受性バクテリオエンドトキシン(ST)受容体および癌胎児性抗原(CEA)結合分子、黒色腫用のジヒドロキシインドールカルボン酸および他のメラニン産生生合成中間体、血管疾患の処置用のインテグリン受容体およびアテローム性動脈硬化症斑結合分子、および脳病変の処置用のアミロイド斑結合分子が含まれる。本発明で使用するための生体分子には、合成ポリマーも含まれ得る。合成ポリマーの例には、ポリアミノ酸、ポリオール、ポリアミン、ポリ酸、オリゴヌクレオチド、アボロール(aborol)、デンドリマー(dendrimer)およびアプタマー(aptamer)が含まれる。診断および放射線治療剤の生体分子への結合は、Hnatowich et al., Radioactive Labeling of Antibody: A simple and efficient method. Science, 1983, 220, 613-615; A. Pelegrin et al., Photoimmunodiagnosis with antibody-fluorescein conjugates: in vitro and in vivo preclinical studies. Journal of Cellular Pharmacology, 1992, 3, 141-145; および米国特許第5,714,342号(これらは各々全体を出典明示により本明細書の一部とする)に開示されるように、当分野で周知の方法により達成できる。抗体およびペプチドを使用して、腫瘍の診断イメージングのために蛍光染料を腫瘍へ成功裡に特異的に標的化したことは、例えば、S.A. Achilefu et al., Novel receptor-targeted fluorescent contrast agents for in vivo tumor imaging, Investigative Radiology, 2000, 35(8), 479-485; B. Ballou et al., Tumor labeling in vivo using cyanine-conjugated monoclonal antibodies, Cancer Immunology and Immunotherapy, 1995, 41, 247-263; K. Licha et al., New contrast agent for optical imaging: acid-cleavable conjugates of cyanine dyes with biomolecules, In Biomedical Imaging: Reporters, Dyes, and Instrumentation, D.J. Bornhop, C. Contag, and E.M. Sevick-Muraca (Eds.), Proceedings of SPIE, 1999, 3600, 29-35(これらは各々全体を出典明示により本明細書の一部とする)に記載のように、我々および他の人々により立証されてきた。従って、本発明の受容体標的化光線治療剤は、様々な病変の処置に有効であると予想される。
【0018】
図1で概説する過程において、芳香族発色団の光励起は、スルフェネート基への迅速な分子内エネルギー伝達をもたらし、結合破断および細胞傷害を引き起こす2つの反応性フリーラジカルの産生に至る。
【0019】
標的化のためにエピトープの外部付着が使用される。しかしながら、もし芳香族スルフェネート化合物自体が選択的に標的組織に蓄積するならば、付加的結合基が必要とされないことがある。例えば、Arがアントラサイクリン部分であるならば、それは癌細胞に直接結合し、標的化のためにエピトープを必要としない。
【0020】
スルフェネート誘導体の合成は、D.L. Pasto and F. Cottard, Demonstration of the synthetic utility of the generation of alkoxy radicals by the photo-induced, homolytic dissociation of alkyl 4-nitrobenzenesulfenates, Tetrahedron Letters, 1994, 35(25), 4303-4306(出典明示により全体を本明細書の一部とする)に開示された方法により達成される。この方法は、一般的に、有機塩基の存在下における塩化スルフェニルのアルコールとの縮合を含む。本発明のスルフェネート誘導体は、対象の様々な器官または組織へ選択的に送達されるように、様々なタイプの生体分子、合成ポリマーおよび有機的凝集体を付着するのに使用できる付加的な官能性を有する。
【0021】
ジオール1は、臭化メチルマグネシウムのメチル4−ヒドロキシ安息香酸塩との反応により調製される。図2を参照し、生じるフェノールのメチルブロモ酢酸塩を用いるアルキル化、塩化4−ニトロベンゼンスルフェニルを用いる第3アルコールの縮合、およびエステルの鹸化により、中間体の酸2を得る。次いで、この酸2を、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を使用して、対応する活性エステルに変換する。活性エステルを、いかなる所望の対象生体分子にも付着させることができ、芳香族スルフェネート3を形成できる。あるいは、自動化ペプチド合成機を使用して、酸2を任意の生体分子と直接縮合させることもできる。特に、本発明の生体分子は、結腸直腸、子宮頸、卵巣、肺および神経内分泌系の腫瘍に結合するものに属する。これらには、ソマトスタチン、コレシストキニン、ボンベシン、ニューロエンドクリンおよびST受容体結合化合物が含まれる。
【0022】
アクリドン誘導体は、図3に従って調製する。開始物質4は、K. Matsumura, 1-Aminoacridine-4-carboxylic acid., Journal of the American Chemical Society, 1938, 32, 591-592(出典明示により全体を本明細書の一部とする)に開示のように、当業者に既知の標準的方法に従い調製する。アミノアクリドン4を、アミノ基のジアゾ化、続く塩酸ナトリウムによるジアゾニウム基の置換という標準的な方法により、フェノールに変換する。フェノール5を対応するp−ニトロベンゼンスルフェネートに変換し、次いで自動化ペプチド合成機を使用して直接的に、または活性エステル経路により間接的に生体分子に結合させ、本発明のアクリジン誘導体6を形成する。
【0023】
アクリジン−スルフェネート誘導体の典型的な調製を、図4に概説する。チオール7を既知の開始物質9−クロロアクリドンから調製する。それを対応する塩化スルフェニルに変換し、メチル3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸塩と縮合し、酸8に鹸化する。スルフェネート−酸を、以前に記載した方法により所望の生体分子と縮合する。
【0024】
アントラキノン−スルフェネート誘導体は、図5に従い合成できる。二酸塩化物10をフリーデル−クラフツ条件下でラクトン11と反応させ、続いて対応するヒドロキシアントラキノン12に鹸化する。次いで、それをp−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物と縮合し、所望の生体分子に直接結合させて本発明の誘導体14を形成する。あるいは、ラクトン10を酸に加水分解し、次いで常套の方法により生体分子に結合させることができる。
【0025】
キサンテン誘導体は、図6に従い調製できる。キサントンベンジルエーテル15を既知の4−ヒドロキシキサントンから、臭化ベンジルによるアルキル化により調製する。化合物15を3段階でエーテル16に変換する:臭素化、蟻酸エチルによるグリニャール反応、臭化メチルマグネシウムによるグリニャール反応。HClによるt−ブチル基の脱保護、続くメチルブロモ酢酸によるアルキル化により、第3アルコール17を得る。次いで、第3アルコール17をp−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物と縮合し、鹸化し、前述の所望の生体分子に結合させる。
【0026】
本発明の新規組成物は、企図する適用に応じて幅広く変化し得る。腫瘍には、生体分子は、ソマトスタチン、ボンベシン、ニューロテンシン、コレシストキニン、熱感受性バクテリオエンドトキシン、エストロゲンおよびプロゲステロン受容体結合化合物を含むがこれらに限定されるわけではない腫瘍マーカーのクラスから選択される。血管の病変には、生体分子は、インテグリン、セレクチン、血管内皮増殖因子、フィブリン、組織プラスミノゲン活性化因子、トロンビン、LDL、HDL、シアリルルイス(Sialyl Lewis)およびその模倣物並びにアテローム性動脈硬化症斑結合化合物のクラスから選択され得る。ステロイド−光増感剤コンジュゲートの典型的な合成スキームを図7に示す。エストロゲンをt−ブチルエーテル19として保護し、ホウ化水素ナトリウムでモノ保護エストラジオール20に還元し、次いでそれをp−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物と縮合する。t−ブチル基の脱保護により、ステロイド−光増感剤コンジュゲート21を得る。
【0027】
先に記載したように、いくつかの化合物は、生体活性担体の補助なしで腫瘍または他の病変に蓄積する。ポルフィリン生合成の中間体であるδ−アミノレブリン酸の投与は、正常組織と比較して腫瘍において2倍のポリフィン取込みをもたらす。同様に、メラニン生合成の中間体であるジヒドロキシインドール−2−カルボン酸の投与は、正常細胞と比較して黒色腫細胞においてメラニンレベルの実質的な上昇をもたらす。従って、図8に示すように、光増感剤は、生合成中間体への付着により病変部位へ送達され得る。モノスルフェネート23は、p−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物22のエチレングリコールとの反応により調製し、インドール誘導体24と縮合させる。二酢酸の加水分解により、コンジュゲート25を得る。
【0028】
本発明の化合物を用いる治療手法の実施方法も開示される。医薬的に許容し得る製剤中の本発明化合物の有効量を、患者に投与する。例えば、非経腸投与には、約1nMないし約0.5Mの範囲の濃度で、光増感剤の滅菌水性溶液または懸濁液を含有するのが有利である。好ましい非経腸製剤は、1μMないし10mMの濃度を有する。かかる溶液はまた、医薬的に許容し得る緩衝剤、乳化剤、界面活性剤、および場合により塩化ナトリウムなどの電解質を含有し得る。経腸投与用製剤は、当分野で周知のように幅広く変化し得る。一般に、かかる製剤は、複合体の有効量を水性溶液または懸濁液中に含む液体である。かかる経腸組成物は、場合により緩衝剤、界面活性剤、乳化剤、チキソトロープ剤などを含み得る。経口投与用化合物は、官能的な品質を高めるために、着香料および他の成分も含有し得る。局所送達用製剤はまた、光増感剤の浸透を助けるために、液体または半固体の賦形剤を含有し得る。化合物はまた、エーロゾルスプレー剤で送達され得る。光増感剤の用量は、0.1ないし500mg/kg体重、好ましくは0.5ないし2mg/kg体重で変動し得る。光増感剤は対象の領域に蓄積されるようになり、続いて病変部位に300ないし1200nm、好ましくは350ないし850nmの波長の光を照射する。病変が皮膚表面にあるならば、光増感剤を直接照射できる。そうでなければ、光源を備えた内視鏡カテーテルを採用して光線治療効果を達成し得る。照射の強度、力、期間および光の波長は、病変の位置および部位に応じて幅広く変化し得る。光の波長は、300ないし1200nmで変化し得る。フルエンス率は、常にとは限らないが、好ましくは、熱的効果を最小限にするために200mW/cmより低く維持される。適する力は、病変の大きさ、深度および病理に依存する。本発明の新規化合物は、腫瘍、炎症過程および障害された血管構造の光線治療を含むが、これらに限定されるわけではない、広範な臨床有用性を有する。
【0029】
本発明の化合物は、経腸、非経腸、局所または皮膚投与のための診断または治療組成物に製剤できる。光増感剤の局所または皮膚送達はまた、エーロゾル製剤、クリーム、ゲル、溶液などを含み得る。化合物は所望の診断または治療効果を達するのに効果的な用量で投与される。かかる用量は、採用される特定の複合体、検査される器官または組織、臨床手法で採用される設備、達成される処置の効力などに応じて幅広く変化し得る。これらの組成物は、企図する投与タイプに適する常套の医薬担体および賦形剤と共に、有効量の光線治療剤を含有する。これらの組成物はまた、安定剤および皮膚浸透促進剤を含んでもよい。
【0030】
以下の実施例は、生体活性ペプチドであるボンベシン、および光線治療分子であるスルフェネートに由来する典型的なバイオコンジュゲートの調製および特性に関係する、発明の特定の実施態様を例示説明する。
【0031】
実施例
スルフェネート−ボンベシン(7−14)コンジュゲートの合成
Applied Biosystems 販売のペプチド合成機(Model 432A SYNERGY Peptide Synthesizer)を用いて、フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相ペプチド合成戦略によりペプチドを調製した。第一のペプチドカートリッジは、25−μモルスケールのアミドレジンを予め載せた Wang レジンを含有した。アミノ酸カートリッジをペプチド合成機に設置し、CからN末端位置へ生成物を合成した。Fmoc保護アミノ酸(75μモル)のレジン結合遊離末端アミン(25μモル)への結合は、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸(HBTU、75μmol)/N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、75μmol)で実行した。固体支持体上の各Fmoc保護基は、次のアミノ酸がそれに結合する前に、ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンで除去した。最後のカートリッジは、スルフェネート酸を含有し、それは自動的にペプチドに結合され、従って合成後の操作の必要が回避された。
【0032】
合成完了後、トリフルオロ酢酸(85%):水(5%):フェノール(5%):チオアニソール(5%)を含有する切断混合物を6時間用いて、生成物を固体支持体から切断した。ペプチド−スルフェネートコンジュゲートをt−ブチルメチルエーテルで沈殿させ、水/アセトニトリル(2:3)混合物中で凍結乾燥した。コンジュゲートをHPLCにより精製し、LC/MSで分析した。スルフェネート−ボンベシン(7−14)コンジュゲートは、以下の分子構造を有した:p−アジドテトラフルオロベンゾイル−Gln−Trp−Ala−Val−Gly−His−Leu−Met−NH
【0033】
当業者に明らかなように、様々な変更および改変が可能であり、記載した発明の範囲内で企図されている。明細書中に示し、記載した本発明の実施態様は、当業者である発明者の特定の実施態様にすぎず、どのようにも限定的ではない。従って、発明の精神および以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施態様に対する様々な改変、修正または変更を為し得、あるいは再分類し得る。引用した参照文献は、出典明示により本明細書の一部とする。例えば、本発明の組成物は主として治療を対象としているが、多環式芳香族発色団を含有する化合物の殆どは、光学的診断イメージング目的にも使用できる。

Claims (36)


  1. Figure 2005502620
    式中、Eは、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子、ステロイド受容体結合分子および炭水化物受容体結合分子、並びにジヒドロキシインドールカルボン酸からなる群より選択され;
    Xは、−(R)NOC−、−(R)NOCCHO−、−(R)NOCCHCHO−および−HNC(=S)NHからなる群より選択され;
    ないしRは、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリール、C1−C10ポリヒドロキシアルキルおよびC1−C10ポリアルコキシアルキルからなる群より独立して選択され;
    Qは、単結合、またはオレフィン、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導されるアルケニル、芳香族またはヘテロ芳香族基のいずれかであり;そして、
    Arは、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族である、
    を有するスルフェネート化合物。
  2. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがベンゼン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  3. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがベンゼン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  4. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがベンゼン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  5. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアントラセン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  6. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアントラセン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  7. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアントラセン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  8. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアクリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  9. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアクリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  10. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアクリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  11. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがフェナントリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  12. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがフェナントリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  13. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがフェナントリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項1に記載の化合物。
  14. Eが、ホルモン、アミノ酸、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸、酵素、炭水化物、糖模倣物、脂質、アルブミン、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、受容体、封入化合物、受容体結合分子、ポリアミノ酸、ポリオール、ポリアミン、ポリ酸、オリゴヌクレオチド、アボロール、デンドリマーおよびアプタマーからなる群より選択される生体分子を伴う、請求項1に記載の化合物。
  15. (a)式
    Figure 2005502620
    式中、Eは、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子、ステロイド受容体結合分子および炭水化物受容体結合分子、並びにジヒドロキシインドールカルボン酸からなる群より選択され;Xは、−(R)NOC−、−(R)NOCCHO−、−(R)NOCCHCHO−および−HNC(=S)NHからなる群より選択され;RないしRは、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリール、C1−C10ポリヒドロキシアルキルおよびC1−C10ポリアルコキシアルキルからなる群より独立して選択され;Qは、単結合、または、オレフィン、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導されるアルケニル、芳香族またはヘテロ芳香族基のいずれかであり;そして、Arは、ベンゼン化合物、ナフタレン化合物、ナフトキノン化合物、ジフェニルメタン化合物、フルオレン化合物、アントラセン化合物、アントラキノン化合物、フェナントレン化合物、テトラセン化合物、ナフタセンジオン化合物、ピリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、ピラゾール化合物、ピラジン化合物、プリン化合物、ベンズイミダゾール化合物、フラン化合物、ベンゾフラン化合物、ジベンゾフラン化合物、カルバゾール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、フェナントリジン化合物、チオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フラボン化合物、クマリン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族またはヘテロ芳香族である、
    を有するスルフェネート光増感剤の有効量を動物内の標的組織に投与すること;および、
    (b)該標的組織を、十分な力とフルエンス率を有する300ないし950nmの波長の光に曝し、光線治療手法を実施すること、
    の段階を含む、光線治療手法の実施方法。
  16. 該光増感剤を該標的組織に蓄積させる段階をさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがベンゼン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  18. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがベンゼン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  19. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがベンゼン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  20. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアントラセン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  21. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアントラセン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  22. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアントラセン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  23. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアクリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  24. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアクリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  25. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがアクリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  26. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが単結合であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがフェナントリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  27. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qがオレフィンから誘導されるアルケニル基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがフェナントリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  28. Eが、ソマトスタチン受容体結合分子、熱感受性バクテリオエンドトキシン受容体結合分子、ニューロテンシン受容体結合分子、ボンベシン受容体結合分子、コレシストキニン受容体結合分子およびステロイド受容体結合分子からなる群より選択され;Xが、−(R)NOC−および−(R)NOCCHO−からなる群より選択され;Qが、ベンゼン化合物、フラン化合物、ピロール化合物、イミダゾール化合物、チオフェン化合物、アントラキノン化合物、キノリン化合物、インドール化合物、アクリジン化合物、アクリドン化合物、キサンテン化合物、キサントン化合物、フェナントリジン化合物およびアントラサイクリン化合物からなる群より選択される化合物から誘導される芳香族基であり;RないしRが、水素、C1−C10アルキル、C5−C10アリールおよびC1−C10ポリヒドロキシアルキルからなる群より独立して選択され;そしてArがフェナントリジン化合物から誘導される芳香族基である、請求項15に記載の方法。
  29. Eが、ホルモン、アミノ酸、ペプチド、ペプチド模倣物、タンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、核酸、酵素、炭水化物、糖模倣物、脂質、アルブミン、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、受容体、封入化合物、受容体結合分子、ポリアミノ酸、ポリオール、ポリアミン、ポリ酸、オリゴヌクレオチド、アボロール、デンドリマーおよびアプタマーからなる群より選択される生体分子を伴う、請求項15に記載の方法。
  30. 標的組織に投与されるスルフェネート光増感剤の有効量が、約0.1mg/kg体重ないし約500mg/kg体重の範囲にある、請求項29に記載の方法。
  31. 標的組織に投与されるスルフェネート光増感剤の有効量が、約0.5mg/kg体重ないし約2mg/kg体重の範囲にある、請求項30に記載の方法。
  32. スルフェネート光増感剤が、スルフェネート光増感剤、並びに医薬的に許容し得る緩衝剤、乳化剤、界面活性剤および電解質からなる群より選択される物質を含む製剤において、非経腸的に標的組織に投与される、請求項15に記載の方法。
  33. 製剤が約1nMないし約0.5Mの範囲の濃度で非経腸的に標的組織に投与される、請求項32に記載の方法。
  34. スルフェネート光増感剤が、スルフェネート光増感剤、並びに緩衝剤、界面活性剤、乳化剤およびチキソトロープ剤からなる群より選択される物質を含む製剤において、経腸的に標的組織に投与される、請求項15に記載の方法。
  35. スルフェネート光増感剤が、スルフェネート光増感剤、並びに液体の賦形剤または半固体の賦形剤からなる群より選択される物質を含む製剤において、局所的に標的組織に投与される、請求項15に記載の方法。
  36. スルフェネート光増感剤が、エーロゾルスプレー、クリーム、ゲルおよび溶液からなる群より選択される形態で投与される、請求項15に記載の方法。
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