JP2005501959A - 添加剤パッケージを備えた磁気レオロジー流体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一実施例は、改善された耐久性を持つMR流体を含んでいる。該MR流体は、例えば大きいファンクラッチ等、流体が有意な遠心力を受ける装置で特に有用である。特定の実施例は、10乃至14重量パーセントの炭化水素ベースの液体と、86乃至90重量パーセントの2ピーク分布の磁化可能粒子と、0.05乃至0.5重量パーセントの乾式シリカと、パラフィンオイル、フェノール及び硫化物を含む添加剤パッケージと、を含む、磁気レオロジー流体を備える。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切な磁場にさらされたとき流れ抵抗の実質的な増加を示す流体材料に関する。そのような流体は、該流体のレオロジー的特性における磁場の劇的な効果の故に、磁気レオロジー流体と称されることがある。
【背景技術】
【0002】
磁気レオロジー(MR)流体は、それらの流れ特性を、印加された磁場の影響下で数ミリ秒のオーダーで数オーダーの大きさにより変化させる能力を示す実体である。これに類似した分類の流体は、印加された電場の影響下、それらの流れ特性又はレオロジー的特性を変化させる同様の能力を示す、電気レオロジー流体である。両方の例では。これらの誘起されたレオロジー的変化は完全に逆転する。これらの材料の有用性は、磁気レオロジー流体又は電子レオロジー流体を使用する、適切に構成された電子機械式アクチュエータが、コンピュータベースの検出又は制御と所望の機械的出力との間で高速応答の能動インターフェースとして機能することができるということである。自動車の用途に関しては、そのような材料は、制御可能なサスペンションシステム、制御可能な動力伝達装置内の振動ダンパー及びエンジン取り付け部のためのショックアブソーバー、並びに、多数の電子制御式力/トルク移送(クラッチ)装置内の有用な作用媒体としてみなされる。
【0003】
MR流体は、ベース担持液体中に分散された、細分割された(典型的には1乃至100ミクロン径)低い保磁力の磁化可能な固体、例えば鉄、ニッケル、コバルト及びそれらの磁気合金の非コロイドサスペンションである。このベース担持液体には、例えば、ミネラルオイル、合成炭化水素、水、シリコンオイル、エステル化脂肪酸、又は、他の適切な有機液体等がある。MR流体は、磁場の無い状態で受容可能に低い粘性率を有するが、それらが例えば1テスラの磁場を受けるとき、それらの動的降伏応力においてかなりの増大を示す。開発の現段階において、MR流体は、特に自動車の用途のため、ER流体を超えるかなりの利点を与えるように見える。MR流体は、そのような環境中に見られる共通の汚染物質に対して敏感性がより少なく、それらは、適度に印加された場の存在下でレオロジー的特性においてより大きな相違を示すからである。
【0004】
MR流体は、しばしば、それらが懸濁されている液相よりも7倍から8倍密度が高い非コロイド固体粒子を含むので、これらの粒子が、静止時に沈殿もしなければ、非可逆的に凝固して凝集体も形成しないように、流体相中の粒子の適切な分散を準備しなければならない。適切な磁気レオロジー流体の例は、例えば、「強磁性流体を含む磁気的に制御可能な結合」と題された、1990年9月18日に付与された米国特許番号4,957,644号、「磁場に応答する流体」と題された、1991年2月12日に発行された米国特許番号4,992,190号、「磁場に応答する流体」と題された、1992年12月1日に発行された米国特許番号5,167,850号、「磁場に応答する流体」と題された、1994年10月11日に発行された米国特許番号5,354,488号、並びに、「合金粒子に基づく磁気レオロジー的粒子」と題された、1995年1月17日に発行された米国特許番号5,382,373号に示されている。
【0005】
上記特許及びその他の文献で示唆されているように、磁場の存在しない状態の典型的なMR流体は、その媒体及び粒子の組成、粒子サイズ、粒子負荷、温度等々の関数である容易に測定可能な粘性率を持っている。しかし、印加した磁場が存在する状態では、懸濁された粒子は、整列又は密集し、流体は劇的に濃密になり又はゲル化するように見える。その有効な粘性率は、非常に高く、より大きな力、換言すれば降伏応力が、流体中の流れを促進することを必要とされている。
【特許文献1】
米国特許番号4,957,644号
【特許文献2】
米国特許番号4,992,190号
【特許文献3】
米国特許番号5,167,850号
【特許文献4】
米国特許番号5,354,488号
【特許文献5】
米国特許番号5,382,373号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した特許に記載されたもの等の従来技術の幾つかの態様に係るMR流体は、本発明の利点及び効果を例証している。MR流体を特徴付ける第1の観察点は、任意の印加磁場(等価には任意の与えられた磁束密度)に対して、磁気誘導降伏応力は、固体粒子の体積の割合と共に増大するということである。これは、MR効果を増大するため使用される、最も明白で最も広く用いられている、構成変数である。このことは、図1に示されている。図1は、ポリアルファオレフィン液体媒体内で分散されている純粋鉄微小球のサスペンションにおいて、体積の割合を増加させたときの1平方インチ当たりのポンド単位の降伏応力を記録した図である。印加された磁場の強度は1.0テスラである。降伏応力は、0.1の鉄微小球の体積割合で約34.5kPa(約5psi)から、0.55の体積割合で約124.1kPa(約18psi)の値まで次第に増大することが見て取れる。0.1の体積割合で約34.5kPa(5psi)から、その降伏応力を2倍にするためには、約0.45まで微小球の体積割合を増大させることが必要となる。しかし、固体の体積割合がオン状態で増大するとき、オフ状態における粘性率は、劇的に且つ遙かに急激に増大する。このことは、図2に示されている。図2は、センチポアズ単位の粘性率、対、同じサスペンション中の鉄微小球の体積割合の半対数プロットである。微小球の体積割合における小さい増大は、オフ状態にある流体の粘性率における劇的な増大を生じさせることが見て取れる。かくして、その体積割合を0.1から0.45まで増大させることにより、降伏応力を2倍にすることができる一方で、粘性率は、約15センチポアズから200超センチポアズまで増大する。このことは、1.0テスラにおけるターンアップ比率(「オフ」状態のせん断応力により割られた、「オン」状態のせん断応力の比率)が、実際には、10より大きい因子で減少することを意味している。
【0007】
基本的なレオロジー的特性の観点において、ターンアップ比率は、ゼロ磁束密度におけるせん断応力に対する、与えられた磁束密度におけるせん断応力の比率として定義される。相当の磁束密度において、1.0テスラのオーダーの例では、「オン」状態のせん断応力は、降伏応力により与えられ、その一方で、オフ状態では、せん断応力は、事実上、粘性率倍のせん断率である。図1を参照すると、0.55の体積割合に対して、1.0テスラでは、降伏応力は約124.1kPa(18psi)である。この流体は、2000cPの粘性率を持ち、これは、1000毎秒のせん断率を受けた場合(レオメーターにおけるように)、約2.07kPa(約0.3psi)(ここで1cP=1.45×10-7lbfs/m2)のオフ状態せん断応力を与える。かくして、1.0テスラでのターンアップ比率は、(18/0.3)、即ち60である。しかし、せん断率がより高く、例えば30,000秒-1である装置では、ターンアップ比率はたったの2.0である。
【0008】
固体の体積割合を増加させることによりオン状態での降伏応力を最大にしようとする意味でMR流体のオン及びオフ状態を連結した観察結果は、ターンアップ比率に大きなペナルティを課すということである。オフ状態における粘性率は、上記例により示されたように、同じ倍率で増大するからである。これは、一般に、従来技術において認知されており、例えば、米国特許番号5,382,373号のコラム3に明白に述べられている。所与の形式の磁化可能固体に関しては、経験によれば、例えば、流体の種類、固体表面処理、MR流体の降伏応力に体積割合の効果に類似した効果を及ぼす反沈殿剤等の、他の変数は、確認されなかった。このため、オン状態の降伏応力及びオフ状態の粘性率の相互依存を減少させる手段、及び、それらの固体体積割合上の互いの依存性を見出すことが必要となる。
【0009】
本発明によれば、この相互依存性の減少手段は、一定体積の割合において粘性率を最小にするため、粒子サイズの1ピーク分布の代わりに、その2ピーク分布を有する固体を使用することによって達成される。「2ピーク」により意味されるものは、流体中に用いられる固体強磁性粒子の数分布が、それらのサイズ又は直径において2つの異なる極大点を持つということであり、この極大点は、後述のように異なっている。
【0010】
好ましくは、これらの粒子群は、球状、又は、略球状であり、例えば、鉄ペンタカルボニル又は溶解金属の原子化又は溶解金属の前駆物質の分解により生成される。これらは、球状金属粒子の形態の金属へと還元され得る。本発明の実施例によれば、そのような2つの異なるサイズ分布の粒子群が選択される。即ち、小直径サイズと、大直径サイズと、である。大きい直径の粒子群は、平均直径のサイズの約2/3より大きくない標準偏差の該平均直径を持っている。小さい直径の粒子群は、平均直径値の約2/3より大きくない標準偏差の小さい平均直径を持っている。好ましくは、小さい粒子は、それらが浮遊され、磁気レオロジー的粒子として機能するように、直径にして少なくとも1ミクロンである。サイズに関する粒子の上限は、約100ミクロンである。より大きいサイズの粒子は、形状が球ではないとしても、他の形状の塊になる傾向を有するからである。しかし、本発明のプラクティスに関しては、大きい粒子群の平均直径又は最も一般的なサイズは、該平均直径又は最も一般的なサイズの5倍乃至10倍である。2つのグループの重量比率は、0.1乃至0.9の範囲内となろう。大きい粒子群及び小さい粒子群の組成は、同じであっても異なっていてもよい。カルボニル鉄粒子は、安価である。それらは、典型的に球形状を持ち、大きい粒子群及び小さい粒子群の両方に対して良好に機能する。
【0011】
一定の体積割合のMR粒子を備えた所与のMR流体の構成のオフ状態における粘性率は、2ピーク分布にある小さい粒子の割合に依存することが見出された。しかし、MR流体の磁気特性(例えば透磁率等)は、粒子サイズには依存せず、体積割合にのみ依存している。従って、2ピーク粒子の体積割合に基づくMR流体のための所望の降伏応力を得ることが可能となるが、オフ状態の粘性率は、適切な割合の小さい粒子を用いることにより減少させることができる。
【0012】
幅広い範囲のMR流体の組成のために、流体中で使用される2ピーク粒子サイズ材料の比率及び相対サイズを選択することにより、ターンアップ比率を調整することができる。これらの特性は、当該流体が真にMR流体である限り、液体又は媒体相の組成から独立している。即ち、固体は、本質的に非コロイドであり、単に、媒体内で浮遊しているに過ぎない。2ピークサイズの分布のファミリーにある、小さい粒子及び大きい粒子の夫々の割合を制御することにより、幅広い範囲内で、粘性率の寄与及び降伏応力の寄与を制御することができる。例えば、純粋鉄の微小球の場合では、体積にして大きい粒子が75%で小さい粒子が25%の2ピーク構成で、ターンアップ比率のかなりの改善が実現される。ここで、大きい粒子の算術的平均直径は、小さい粒子の平均直径の7倍乃至8倍となる。
【0013】
本発明の一実施例は、改善された耐久性を持つMR流体を含んでいる。MR流体は、例えば大型のファンクラッチ等、流体が相当の遠心力を受ける装置で特に有用となる。特定の実施例は、10乃至14重量パーセントの炭化水素ベースの液体と、86乃至90重量パーセントの2ピーク分布の磁化可能粒子と、0.05乃至0.5重量パーセントの乾式シリカと、を含む、磁気レオロジー流体を備える。
【0014】
本発明の別の実施例では、2ピーク分布の磁化可能粒子は、第1の範囲に亘る直径サイズを有する第1グループの粒子群であって、該第1の範囲の直径サイズでは、第1の平均直径を有し、該第1の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第1グループの粒子群と、第2の範囲に亘る直径サイズを有する第2グループの粒子群であって、該第2の範囲の直径サイズでは、第2の平均直径を有し、該第2の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第2グループの粒子群と、から事実上構成され、粒子サイズの大部分は、1乃至100ミクロンの範囲内にあり、第2グループに対する第1グループの重量比率は、約0.1乃至約0.9の範囲内にあり、第2の平均直径に対する第1の平均直径の比率は、5乃至10である。
【0015】
本発明の別の実施例では、前記粒子は、鉄、ニッケル及びコバルトのうち少なくとも1つから構成される。
本発明の別の実施例では、前記粒子は、1乃至10ミクロンの範囲の平均直径を有する、カルボニル鉄粒子から構成される。
【0016】
本発明の別の実施例では、前記第1及び第2グループの粒子群は、同一の組成を持っている。
本発明の別の実施例では、前記炭化水素ベースの液体は、ポリアルファオレフィンを含む。
【0017】
本発明の別の実施例では、前記炭化水素ベースの液体は、水素添加された1デセンのホモポリマーを含む。
本発明の別の実施例は、10乃至14重量パーセントのポリアルファオレフィンの液体と、86乃至90重量パーセントの磁化可能粒子と、0.05乃至0.5重量パーセントの乾式シリカと、を含んだ磁気レオロジー流体を備える。磁化可能な粒子は、鉄、ニッケル及びコバルトをベースとした材料のうち少なくとも1つから構成される。当該粒子は、第1の範囲に亘る直径サイズを有する第1グループの粒子群であって、該第1の範囲の直径サイズでは、第1の平均直径を有し、該第1の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第1グループの粒子群と、第2の範囲に亘る直径サイズを有する第2グループの粒子群であって、該第2の範囲の直径サイズでは、第2の平均直径を有し、該第2の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第2グループの粒子群と、から事実上構成されたカルボニル鉄を含んでいてもよい。その全粒子のうち大部分のサイズは、1乃至100ミクロンの範囲内にあり、第2グループに対する第1グループの重量比率は、0.1乃至0.9の範囲内にあり、第2の平均直径に対する第1の平均直径の比率は、5乃至10である。
【実施例】
【0018】
本発明は、1997年9月16日にフォイスターに付与された米国特許番号5,667,715号に開示された磁気レオロジー流体(MRF)を超える改善点を有する。該米国特許番号の開示内容はここで参照したことにより本明細書に組み込まれる。本発明は、合成炭化水素ベースオイル、ミクロンサイズ範囲で特定の2ピーク分布をなす粒子、及び、乾式シリカ懸濁剤から構成されたMRFである。この流体が磁場にさらされたとき、MRFの降伏応力は、数オーダーの大きさで増大する。降伏応力におけるこの増大は、例えばクラッチ等における2つの回転部材の間の流体カップリングを制御するため使用することができる。降伏強度のこの変化は、急速に起こり(数ミリ秒内で起こる)、可逆的でもある。場コイルへの電流の印加により、磁場を急速に制御することができるので、流体の降伏応力及びかくしてクラッチトルクを、急速に変化させることができる。
【0019】
このMRFは、幾つかの方法で独自なものである。第1には、それは、約280から約300(MW<300)の範囲に亘る非常に低い分子重の合成炭化水素ベースの流体を使用し、それが使用されている装置が低い周囲温度(例えば、自動車では−40℃以下)でも満足に動作することを可能にする。第2には、MRFは、粒子のサイズ比率を使用して、異なるサイズの鉄粒子の特定の組み合わせを用いて作られている。この2ピーク分布は、オン状態時の降伏応力及び低い粘性率の最適な組み合わせを提供する。第3には、粒子沈殿の固有の問題は、乾式シリカの使用により克服される。乾式シリカを使用したとき、MRFは、容器内の重力及びクラッチ装置内の重力加速の両方に起因して、ベース流体及び鉄粒子の分離を遅らせるゲル状構造を形成する。粒子沈殿問題を克服するこの方法は、避けられない沈殿が発生した後に粒子の再分散をあからさまに当てにする、他のMRFで使用される方法と対照的である。更には、乾式シリカは、所望の効果を達成するため非常に低い濃度でのみ使用する必要がある。
【0020】
本明細書で説明されるMRFは、次の環境で作用するように設計されている。即ち、温度範囲=−40℃乃至+300℃(内部装置温度)、磁束密度=0乃至1.6テスラ、及び、重力場=1乃至1300gである。好ましい例では、典型的な作用環境(例えば自動車のファン駆動装置)は、65℃(150°F)の周囲温度、0.6テスラの磁束密度、及び、500gの重力場である。MRFは、周囲温度のみならず、クラッチの作動中に発生される遷移温度にも耐えなければならない。クラッチは内部で該遷移温度の指定範囲に到達することができる。MRFは、指定温度範囲の低い方の端点で低い粘性率を持ち、それにより例えばファン駆動装置等の装置が、エンジン冷却が必要とされないとき最小速度で作動するようにすることが重要である。当該流体は、例えば、冷却ファンを駆動するため十分なトルクを提供するように当該装置のための降伏応力の適切な範囲を提供しなければならない。当該流体に発揮される重力場は、当該装置の回転運動の結果であり、それは、鉄粒子をサスペンションから分離しようとする。サスペンションは、分離無しにこれらの人工的な重力に耐えるのに十分にロバストでなければならない。
【0021】
一般に、本発明のプラクティスは、MR流体の構成部品に幅広く適用可能である。例えば、当該流体中で使用するのに適した固体は、磁化可能であり、低い保磁力(磁場が除去されたとき、ほとんどか又は全く残留磁化が存在しない)の、鉄、ニッケル、コバルト、鉄ニッケル合金、鉄コバルト合金、鉄シリコン合金等の細かく分割された粒子である。これらの粒子は、形状において球状又はほとんど球状であり、約1乃至100ミクロンの範囲の直径を有する。これらの粒子が、非コロイドサスペンションで用いられているので、当該粒子は、適切な範囲の小さい方の端点にあり、好ましくは公称直径即ち粒子サイズにおいて1乃至10ミクロンの範囲にあることが好ましい。MR流体で使用された粒子は、より大きく、例えば10乃至100ナノメートル範囲にある直径を有する酸化鉄の非常に細かい粒子のコロイドサスペンションである「磁性流体」で使用される粒子よりも構成的に異なっている。磁性流体は、MR流体とは異なる機構により作用する。MR流体は、磁場内で整列又はクラスター化される傾向がある固体粒子からなるサスペンションであり、流体の有効粘性率又は流動性を劇的に増加させる。
【0022】
本発明は、任意の適切な液体媒体を利用するMR流体にも適用可能である。液体又は流体キャリア相は、当該粒子を浮遊させるように使用できるが、それ以外ではMR粒子とは反応しない任意の材料であってもよい。そのような流体は、水、炭化水素オイル、他のミネラルオイル、脂肪酸エステル、他の有機液体、ポリジメチルシロキサン等を含むが、これらに限定されるものではない。後述されるように、特別に適切で安価な流体は、比較的低い分子重の炭化水素ポリマー液体、並びに、適切な脂肪酸エステルであり、意図したMR装置の作動温度にある液体であり、オフ条件並びにMR粒子のサスペンションのために適切な粘性率を有する。
【0023】
MRFのための適切な媒体(液体相)は、水素添加されたポリアルファオレフィン(PAO)ベースの流体であり、これは、モビルケミカル社により製造されたSHF21として指定される。この材料は、水素添加された1デセンのホモポリマーである。それは、パラフィン形式の炭化水素であり、15.6℃で0.82の比重を有する。それは、沸騰温度が375℃乃至505℃の範囲にあり、流動点が−57℃である、無色、無臭の液体である。液相はMRFの10乃至14重量%で存在し得る。
【0024】
適切な磁化可能な固体相は、CMカルボニル鉄粉末と、HSカルボニル鉄粉末とを含み、両方ともBASF社により製造されている。カルボニル鉄粉末は、純粋な金属鉄から作られたグレー色の細かく分割された粉末である。カルボニル鉄粉末は、鉄ペンタカルボニルの熱分解により生成され、その液体は、蒸留により非常に純化された。球状粒子は、炭素、窒素及び酸素を含んでいる。これらの要素は、当該粒子に、高い機械的硬度を有する、コア/シェル構造を与える。CMカルボニル鉄粉末は、99.5重量%より大きい密度の鉄、0.05重量%より小さい密度の炭素、約0.2重量%の酸素、及び、0.01重量%より小さい密度の窒素を含んでおり、その粒子サイズ分布は、4.0μmで10%より小さく、9.0μmで50%より小さく、22.0μmで90%より小さく、その真の密度は、7.8g/cm3より大きい。HSカルボニル鉄粉末は、最小で97.3重量%の鉄、最大で1.0重量%の炭素、最大で0.5重量%酸素、最大で1.0重量%の窒素を含み、その粒子サイズ分布は、1.5μmで10%より小さく、2.5μmで50%より小さく、3.5μmで90%より小さい。指摘されているように、HSカルボニル粉末に対するCMの重量比率は、3:1から1:1までの範囲に亘り得るが、好ましくは、約1:1の比率である。全体的な固体相(カルボニル鉄)は、MRFの86重量%から90重量%で存在し得る。
【0025】
本発明の好ましい実施例では、乾式シリカは、MRFの重量%にして、約0.05乃至0.5、好ましくは0.5乃至0.1、及び、最も好ましくは、0.05乃至0.06で添加される。乾式シリカは、グラム当たりにして100乃至300平方メートルの範囲の表面積を有する、高温加水分解反応から作られた高い純度のシリカである。
(例1)
本発明の好ましい実施例は、11.2重量%のSFH21(アルファオレフィン)(モビルケミカル社)、44.4重量%のCMカルボニル鉄粉末(BASF社)、44.4重量%のHSカルボニル鉄粉末(BASF社)、0.06重量%の乾式シリカ(キャボット社)を含んでいる。
【0026】
提供された例1のMR流体は、約100mmの直径を有するクラッチにおいて性能を改善した。
図3は、例1のMRFの粘性率対温度のグラフである。認められるように、例1のMRFは、自動車の用途において作用流体のために−40℃で受容可能な粘性率を有する。
【0027】
図4は、例1(11MAG115のラインにより示されている)のものを含むMRFの様々な処方のための滑らかなローター牽引速度のグラフである。図2から認められるように、例1のMRFは、他の流体よりも非係合(磁場オフ)状態で遙かに低い牽引状態を形成した。
(耐久性テスト)
上記例1で記載されたMR流体は、耐久性テストを受けた。この耐久性テストは、MRFファンクラッチを使用して実行された。耐久性テストの手続きは、クラッチを、規定された入力速度と所望のファン速度とのプロフィールを生じさせた。電動モーターは、入力速度プロフィールに沿ってファンクラッチの入力を駆動させた。所望のファン速度のプロフィールは、クラッチに印加された電流を調整するフィードフォーワード+PIコントローラへの参照入力であった。印加された電流は、MR流体の降伏応力を変化させ、これによりファン速度の制御を可能にした。65℃(150°F)の一定テストボックス温度は、ファンクラッチにより典型的に経験される自動車のアンダーフード温度をシミュレートするため使用された。電流を低い状態から高い状態へ変化させ、再び低い状態へと戻らせる態様で、電流をファンクラッチを通して通過させた。対応するファン速度が測定された。最大入力電流は、5アンペアで設定された。所望の特定の最大ファン速度を達成するため必要とされる電流の量が測定された。電流の増加は、コントローラがMR流体における劣化を補償するためより高い電流レベルを指令することを指し示している。電流指令が5アンペアに達した場合、コントローラの出力が飽和され、コントローラはMR流体の特性における劣化をもはや補償することはできない。20分間の耐久性サイクルは、総合して500時間に亘って250回繰り返された。
(性能テスト)
耐久性テストをパスするための流体の基準は、性能テストの結果である。この性能テストは、固定した入力速度において一連のファン速度を指令し、実際の冷却ファン速度及び要求されたファン速度を達成するのに必要となる入力電流を測定する、各工程からなる。主要な要求は、指令されたファン速度の全てが達成され、特に、ファン速度の減少が10%より小さい状態で、最高のファン速度が達成されたということである。この性能テストは、耐久性テストの開始前(時刻ゼロで)、耐久性テストのおおよそ半工程のとき(約250時間経過後)、及び、耐久性テストの終了時(約500時間経過後)に定期的に実行される。性能テストの間、要求された電流レベルは、予想通り時間と共に増加するが、要求された最大電流は、全ての場合において4アンペアより少なかった。得られたファン速度は、3つの性能テスト全てに対して、このテストのため確立された10%の基準以内に全て収まった。かくして、例1のMR流体は、耐久性テストをパスした。
【0028】
本発明の好ましい実施例は、2,4,6−ビス(1,1−ジメチル エーテル)−フェノール及びジ−t−ブチルトリスルフィドと共にパラフィンオイルを含む、添加剤パッケージを備える。好ましくは、パラフィンオイルは、20乃至60個の炭素原子を内部に有する炭素鎖を備えた分子を含んでいる。フェノールはMRF内の鉄粒子の酸化を減少させると考えられており、硫化物は、MRFの耐久性を延ばすと考えられている。添加剤パッケージは、液体の全質量の0.5%乃至5%の間の濃度範囲で使用することができる。例1の組成と、パラフィンオイル、フェノール及び硫化物の添加剤パッケージと、を有するMR流体は、約113mmの直径を有する、より大きいファンクラッチにおいて改善された結果を提供した。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、1テスラの磁束密度における、単一ピークのサイズ分布のカルボニル粒子及びMR流体の混合物の、降伏応力(psi)対体積割合のグラフである。
【図2】図2は、その降伏応力が図1で表されるところのMR流体の同じファミリーに関する、粘性率対カルボニル鉄微小球の体積割合のグラフである。
【図3】図3は、本発明に係る、MR流体の、粘性率対温度のグラフである。
【図4】図4は、本発明に係るMR流体を含む様々なMR流体の低温電池の円滑ローター牽引速度のグラフであり、ファン速度対入力速度を表している。
【0001】
本発明は、適切な磁場にさらされたとき流れ抵抗の実質的な増加を示す流体材料に関する。そのような流体は、該流体のレオロジー的特性における磁場の劇的な効果の故に、磁気レオロジー流体と称されることがある。
【背景技術】
【0002】
磁気レオロジー(MR)流体は、それらの流れ特性を、印加された磁場の影響下で数ミリ秒のオーダーで数オーダーの大きさにより変化させる能力を示す実体である。これに類似した分類の流体は、印加された電場の影響下、それらの流れ特性又はレオロジー的特性を変化させる同様の能力を示す、電気レオロジー流体である。両方の例では。これらの誘起されたレオロジー的変化は完全に逆転する。これらの材料の有用性は、磁気レオロジー流体又は電子レオロジー流体を使用する、適切に構成された電子機械式アクチュエータが、コンピュータベースの検出又は制御と所望の機械的出力との間で高速応答の能動インターフェースとして機能することができるということである。自動車の用途に関しては、そのような材料は、制御可能なサスペンションシステム、制御可能な動力伝達装置内の振動ダンパー及びエンジン取り付け部のためのショックアブソーバー、並びに、多数の電子制御式力/トルク移送(クラッチ)装置内の有用な作用媒体としてみなされる。
【0003】
MR流体は、ベース担持液体中に分散された、細分割された(典型的には1乃至100ミクロン径)低い保磁力の磁化可能な固体、例えば鉄、ニッケル、コバルト及びそれらの磁気合金の非コロイドサスペンションである。このベース担持液体には、例えば、ミネラルオイル、合成炭化水素、水、シリコンオイル、エステル化脂肪酸、又は、他の適切な有機液体等がある。MR流体は、磁場の無い状態で受容可能に低い粘性率を有するが、それらが例えば1テスラの磁場を受けるとき、それらの動的降伏応力においてかなりの増大を示す。開発の現段階において、MR流体は、特に自動車の用途のため、ER流体を超えるかなりの利点を与えるように見える。MR流体は、そのような環境中に見られる共通の汚染物質に対して敏感性がより少なく、それらは、適度に印加された場の存在下でレオロジー的特性においてより大きな相違を示すからである。
【0004】
MR流体は、しばしば、それらが懸濁されている液相よりも7倍から8倍密度が高い非コロイド固体粒子を含むので、これらの粒子が、静止時に沈殿もしなければ、非可逆的に凝固して凝集体も形成しないように、流体相中の粒子の適切な分散を準備しなければならない。適切な磁気レオロジー流体の例は、例えば、「強磁性流体を含む磁気的に制御可能な結合」と題された、1990年9月18日に付与された米国特許番号4,957,644号、「磁場に応答する流体」と題された、1991年2月12日に発行された米国特許番号4,992,190号、「磁場に応答する流体」と題された、1992年12月1日に発行された米国特許番号5,167,850号、「磁場に応答する流体」と題された、1994年10月11日に発行された米国特許番号5,354,488号、並びに、「合金粒子に基づく磁気レオロジー的粒子」と題された、1995年1月17日に発行された米国特許番号5,382,373号に示されている。
【0005】
上記特許及びその他の文献で示唆されているように、磁場の存在しない状態の典型的なMR流体は、その媒体及び粒子の組成、粒子サイズ、粒子負荷、温度等々の関数である容易に測定可能な粘性率を持っている。しかし、印加した磁場が存在する状態では、懸濁された粒子は、整列又は密集し、流体は劇的に濃密になり又はゲル化するように見える。その有効な粘性率は、非常に高く、より大きな力、換言すれば降伏応力が、流体中の流れを促進することを必要とされている。
【特許文献1】
米国特許番号4,957,644号
【特許文献2】
米国特許番号4,992,190号
【特許文献3】
米国特許番号5,167,850号
【特許文献4】
米国特許番号5,354,488号
【特許文献5】
米国特許番号5,382,373号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した特許に記載されたもの等の従来技術の幾つかの態様に係るMR流体は、本発明の利点及び効果を例証している。MR流体を特徴付ける第1の観察点は、任意の印加磁場(等価には任意の与えられた磁束密度)に対して、磁気誘導降伏応力は、固体粒子の体積の割合と共に増大するということである。これは、MR効果を増大するため使用される、最も明白で最も広く用いられている、構成変数である。このことは、図1に示されている。図1は、ポリアルファオレフィン液体媒体内で分散されている純粋鉄微小球のサスペンションにおいて、体積の割合を増加させたときの1平方インチ当たりのポンド単位の降伏応力を記録した図である。印加された磁場の強度は1.0テスラである。降伏応力は、0.1の鉄微小球の体積割合で約34.5kPa(約5psi)から、0.55の体積割合で約124.1kPa(約18psi)の値まで次第に増大することが見て取れる。0.1の体積割合で約34.5kPa(5psi)から、その降伏応力を2倍にするためには、約0.45まで微小球の体積割合を増大させることが必要となる。しかし、固体の体積割合がオン状態で増大するとき、オフ状態における粘性率は、劇的に且つ遙かに急激に増大する。このことは、図2に示されている。図2は、センチポアズ単位の粘性率、対、同じサスペンション中の鉄微小球の体積割合の半対数プロットである。微小球の体積割合における小さい増大は、オフ状態にある流体の粘性率における劇的な増大を生じさせることが見て取れる。かくして、その体積割合を0.1から0.45まで増大させることにより、降伏応力を2倍にすることができる一方で、粘性率は、約15センチポアズから200超センチポアズまで増大する。このことは、1.0テスラにおけるターンアップ比率(「オフ」状態のせん断応力により割られた、「オン」状態のせん断応力の比率)が、実際には、10より大きい因子で減少することを意味している。
【0007】
基本的なレオロジー的特性の観点において、ターンアップ比率は、ゼロ磁束密度におけるせん断応力に対する、与えられた磁束密度におけるせん断応力の比率として定義される。相当の磁束密度において、1.0テスラのオーダーの例では、「オン」状態のせん断応力は、降伏応力により与えられ、その一方で、オフ状態では、せん断応力は、事実上、粘性率倍のせん断率である。図1を参照すると、0.55の体積割合に対して、1.0テスラでは、降伏応力は約124.1kPa(18psi)である。この流体は、2000cPの粘性率を持ち、これは、1000毎秒のせん断率を受けた場合(レオメーターにおけるように)、約2.07kPa(約0.3psi)(ここで1cP=1.45×10-7lbfs/m2)のオフ状態せん断応力を与える。かくして、1.0テスラでのターンアップ比率は、(18/0.3)、即ち60である。しかし、せん断率がより高く、例えば30,000秒-1である装置では、ターンアップ比率はたったの2.0である。
【0008】
固体の体積割合を増加させることによりオン状態での降伏応力を最大にしようとする意味でMR流体のオン及びオフ状態を連結した観察結果は、ターンアップ比率に大きなペナルティを課すということである。オフ状態における粘性率は、上記例により示されたように、同じ倍率で増大するからである。これは、一般に、従来技術において認知されており、例えば、米国特許番号5,382,373号のコラム3に明白に述べられている。所与の形式の磁化可能固体に関しては、経験によれば、例えば、流体の種類、固体表面処理、MR流体の降伏応力に体積割合の効果に類似した効果を及ぼす反沈殿剤等の、他の変数は、確認されなかった。このため、オン状態の降伏応力及びオフ状態の粘性率の相互依存を減少させる手段、及び、それらの固体体積割合上の互いの依存性を見出すことが必要となる。
【0009】
本発明によれば、この相互依存性の減少手段は、一定体積の割合において粘性率を最小にするため、粒子サイズの1ピーク分布の代わりに、その2ピーク分布を有する固体を使用することによって達成される。「2ピーク」により意味されるものは、流体中に用いられる固体強磁性粒子の数分布が、それらのサイズ又は直径において2つの異なる極大点を持つということであり、この極大点は、後述のように異なっている。
【0010】
好ましくは、これらの粒子群は、球状、又は、略球状であり、例えば、鉄ペンタカルボニル又は溶解金属の原子化又は溶解金属の前駆物質の分解により生成される。これらは、球状金属粒子の形態の金属へと還元され得る。本発明の実施例によれば、そのような2つの異なるサイズ分布の粒子群が選択される。即ち、小直径サイズと、大直径サイズと、である。大きい直径の粒子群は、平均直径のサイズの約2/3より大きくない標準偏差の該平均直径を持っている。小さい直径の粒子群は、平均直径値の約2/3より大きくない標準偏差の小さい平均直径を持っている。好ましくは、小さい粒子は、それらが浮遊され、磁気レオロジー的粒子として機能するように、直径にして少なくとも1ミクロンである。サイズに関する粒子の上限は、約100ミクロンである。より大きいサイズの粒子は、形状が球ではないとしても、他の形状の塊になる傾向を有するからである。しかし、本発明のプラクティスに関しては、大きい粒子群の平均直径又は最も一般的なサイズは、該平均直径又は最も一般的なサイズの5倍乃至10倍である。2つのグループの重量比率は、0.1乃至0.9の範囲内となろう。大きい粒子群及び小さい粒子群の組成は、同じであっても異なっていてもよい。カルボニル鉄粒子は、安価である。それらは、典型的に球形状を持ち、大きい粒子群及び小さい粒子群の両方に対して良好に機能する。
【0011】
一定の体積割合のMR粒子を備えた所与のMR流体の構成のオフ状態における粘性率は、2ピーク分布にある小さい粒子の割合に依存することが見出された。しかし、MR流体の磁気特性(例えば透磁率等)は、粒子サイズには依存せず、体積割合にのみ依存している。従って、2ピーク粒子の体積割合に基づくMR流体のための所望の降伏応力を得ることが可能となるが、オフ状態の粘性率は、適切な割合の小さい粒子を用いることにより減少させることができる。
【0012】
幅広い範囲のMR流体の組成のために、流体中で使用される2ピーク粒子サイズ材料の比率及び相対サイズを選択することにより、ターンアップ比率を調整することができる。これらの特性は、当該流体が真にMR流体である限り、液体又は媒体相の組成から独立している。即ち、固体は、本質的に非コロイドであり、単に、媒体内で浮遊しているに過ぎない。2ピークサイズの分布のファミリーにある、小さい粒子及び大きい粒子の夫々の割合を制御することにより、幅広い範囲内で、粘性率の寄与及び降伏応力の寄与を制御することができる。例えば、純粋鉄の微小球の場合では、体積にして大きい粒子が75%で小さい粒子が25%の2ピーク構成で、ターンアップ比率のかなりの改善が実現される。ここで、大きい粒子の算術的平均直径は、小さい粒子の平均直径の7倍乃至8倍となる。
【0013】
本発明の一実施例は、改善された耐久性を持つMR流体を含んでいる。MR流体は、例えば大型のファンクラッチ等、流体が相当の遠心力を受ける装置で特に有用となる。特定の実施例は、10乃至14重量パーセントの炭化水素ベースの液体と、86乃至90重量パーセントの2ピーク分布の磁化可能粒子と、0.05乃至0.5重量パーセントの乾式シリカと、を含む、磁気レオロジー流体を備える。
【0014】
本発明の別の実施例では、2ピーク分布の磁化可能粒子は、第1の範囲に亘る直径サイズを有する第1グループの粒子群であって、該第1の範囲の直径サイズでは、第1の平均直径を有し、該第1の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第1グループの粒子群と、第2の範囲に亘る直径サイズを有する第2グループの粒子群であって、該第2の範囲の直径サイズでは、第2の平均直径を有し、該第2の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第2グループの粒子群と、から事実上構成され、粒子サイズの大部分は、1乃至100ミクロンの範囲内にあり、第2グループに対する第1グループの重量比率は、約0.1乃至約0.9の範囲内にあり、第2の平均直径に対する第1の平均直径の比率は、5乃至10である。
【0015】
本発明の別の実施例では、前記粒子は、鉄、ニッケル及びコバルトのうち少なくとも1つから構成される。
本発明の別の実施例では、前記粒子は、1乃至10ミクロンの範囲の平均直径を有する、カルボニル鉄粒子から構成される。
【0016】
本発明の別の実施例では、前記第1及び第2グループの粒子群は、同一の組成を持っている。
本発明の別の実施例では、前記炭化水素ベースの液体は、ポリアルファオレフィンを含む。
【0017】
本発明の別の実施例では、前記炭化水素ベースの液体は、水素添加された1デセンのホモポリマーを含む。
本発明の別の実施例は、10乃至14重量パーセントのポリアルファオレフィンの液体と、86乃至90重量パーセントの磁化可能粒子と、0.05乃至0.5重量パーセントの乾式シリカと、を含んだ磁気レオロジー流体を備える。磁化可能な粒子は、鉄、ニッケル及びコバルトをベースとした材料のうち少なくとも1つから構成される。当該粒子は、第1の範囲に亘る直径サイズを有する第1グループの粒子群であって、該第1の範囲の直径サイズでは、第1の平均直径を有し、該第1の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第1グループの粒子群と、第2の範囲に亘る直径サイズを有する第2グループの粒子群であって、該第2の範囲の直径サイズでは、第2の平均直径を有し、該第2の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する該第2グループの粒子群と、から事実上構成されたカルボニル鉄を含んでいてもよい。その全粒子のうち大部分のサイズは、1乃至100ミクロンの範囲内にあり、第2グループに対する第1グループの重量比率は、0.1乃至0.9の範囲内にあり、第2の平均直径に対する第1の平均直径の比率は、5乃至10である。
【実施例】
【0018】
本発明は、1997年9月16日にフォイスターに付与された米国特許番号5,667,715号に開示された磁気レオロジー流体(MRF)を超える改善点を有する。該米国特許番号の開示内容はここで参照したことにより本明細書に組み込まれる。本発明は、合成炭化水素ベースオイル、ミクロンサイズ範囲で特定の2ピーク分布をなす粒子、及び、乾式シリカ懸濁剤から構成されたMRFである。この流体が磁場にさらされたとき、MRFの降伏応力は、数オーダーの大きさで増大する。降伏応力におけるこの増大は、例えばクラッチ等における2つの回転部材の間の流体カップリングを制御するため使用することができる。降伏強度のこの変化は、急速に起こり(数ミリ秒内で起こる)、可逆的でもある。場コイルへの電流の印加により、磁場を急速に制御することができるので、流体の降伏応力及びかくしてクラッチトルクを、急速に変化させることができる。
【0019】
このMRFは、幾つかの方法で独自なものである。第1には、それは、約280から約300(MW<300)の範囲に亘る非常に低い分子重の合成炭化水素ベースの流体を使用し、それが使用されている装置が低い周囲温度(例えば、自動車では−40℃以下)でも満足に動作することを可能にする。第2には、MRFは、粒子のサイズ比率を使用して、異なるサイズの鉄粒子の特定の組み合わせを用いて作られている。この2ピーク分布は、オン状態時の降伏応力及び低い粘性率の最適な組み合わせを提供する。第3には、粒子沈殿の固有の問題は、乾式シリカの使用により克服される。乾式シリカを使用したとき、MRFは、容器内の重力及びクラッチ装置内の重力加速の両方に起因して、ベース流体及び鉄粒子の分離を遅らせるゲル状構造を形成する。粒子沈殿問題を克服するこの方法は、避けられない沈殿が発生した後に粒子の再分散をあからさまに当てにする、他のMRFで使用される方法と対照的である。更には、乾式シリカは、所望の効果を達成するため非常に低い濃度でのみ使用する必要がある。
【0020】
本明細書で説明されるMRFは、次の環境で作用するように設計されている。即ち、温度範囲=−40℃乃至+300℃(内部装置温度)、磁束密度=0乃至1.6テスラ、及び、重力場=1乃至1300gである。好ましい例では、典型的な作用環境(例えば自動車のファン駆動装置)は、65℃(150°F)の周囲温度、0.6テスラの磁束密度、及び、500gの重力場である。MRFは、周囲温度のみならず、クラッチの作動中に発生される遷移温度にも耐えなければならない。クラッチは内部で該遷移温度の指定範囲に到達することができる。MRFは、指定温度範囲の低い方の端点で低い粘性率を持ち、それにより例えばファン駆動装置等の装置が、エンジン冷却が必要とされないとき最小速度で作動するようにすることが重要である。当該流体は、例えば、冷却ファンを駆動するため十分なトルクを提供するように当該装置のための降伏応力の適切な範囲を提供しなければならない。当該流体に発揮される重力場は、当該装置の回転運動の結果であり、それは、鉄粒子をサスペンションから分離しようとする。サスペンションは、分離無しにこれらの人工的な重力に耐えるのに十分にロバストでなければならない。
【0021】
一般に、本発明のプラクティスは、MR流体の構成部品に幅広く適用可能である。例えば、当該流体中で使用するのに適した固体は、磁化可能であり、低い保磁力(磁場が除去されたとき、ほとんどか又は全く残留磁化が存在しない)の、鉄、ニッケル、コバルト、鉄ニッケル合金、鉄コバルト合金、鉄シリコン合金等の細かく分割された粒子である。これらの粒子は、形状において球状又はほとんど球状であり、約1乃至100ミクロンの範囲の直径を有する。これらの粒子が、非コロイドサスペンションで用いられているので、当該粒子は、適切な範囲の小さい方の端点にあり、好ましくは公称直径即ち粒子サイズにおいて1乃至10ミクロンの範囲にあることが好ましい。MR流体で使用された粒子は、より大きく、例えば10乃至100ナノメートル範囲にある直径を有する酸化鉄の非常に細かい粒子のコロイドサスペンションである「磁性流体」で使用される粒子よりも構成的に異なっている。磁性流体は、MR流体とは異なる機構により作用する。MR流体は、磁場内で整列又はクラスター化される傾向がある固体粒子からなるサスペンションであり、流体の有効粘性率又は流動性を劇的に増加させる。
【0022】
本発明は、任意の適切な液体媒体を利用するMR流体にも適用可能である。液体又は流体キャリア相は、当該粒子を浮遊させるように使用できるが、それ以外ではMR粒子とは反応しない任意の材料であってもよい。そのような流体は、水、炭化水素オイル、他のミネラルオイル、脂肪酸エステル、他の有機液体、ポリジメチルシロキサン等を含むが、これらに限定されるものではない。後述されるように、特別に適切で安価な流体は、比較的低い分子重の炭化水素ポリマー液体、並びに、適切な脂肪酸エステルであり、意図したMR装置の作動温度にある液体であり、オフ条件並びにMR粒子のサスペンションのために適切な粘性率を有する。
【0023】
MRFのための適切な媒体(液体相)は、水素添加されたポリアルファオレフィン(PAO)ベースの流体であり、これは、モビルケミカル社により製造されたSHF21として指定される。この材料は、水素添加された1デセンのホモポリマーである。それは、パラフィン形式の炭化水素であり、15.6℃で0.82の比重を有する。それは、沸騰温度が375℃乃至505℃の範囲にあり、流動点が−57℃である、無色、無臭の液体である。液相はMRFの10乃至14重量%で存在し得る。
【0024】
適切な磁化可能な固体相は、CMカルボニル鉄粉末と、HSカルボニル鉄粉末とを含み、両方ともBASF社により製造されている。カルボニル鉄粉末は、純粋な金属鉄から作られたグレー色の細かく分割された粉末である。カルボニル鉄粉末は、鉄ペンタカルボニルの熱分解により生成され、その液体は、蒸留により非常に純化された。球状粒子は、炭素、窒素及び酸素を含んでいる。これらの要素は、当該粒子に、高い機械的硬度を有する、コア/シェル構造を与える。CMカルボニル鉄粉末は、99.5重量%より大きい密度の鉄、0.05重量%より小さい密度の炭素、約0.2重量%の酸素、及び、0.01重量%より小さい密度の窒素を含んでおり、その粒子サイズ分布は、4.0μmで10%より小さく、9.0μmで50%より小さく、22.0μmで90%より小さく、その真の密度は、7.8g/cm3より大きい。HSカルボニル鉄粉末は、最小で97.3重量%の鉄、最大で1.0重量%の炭素、最大で0.5重量%酸素、最大で1.0重量%の窒素を含み、その粒子サイズ分布は、1.5μmで10%より小さく、2.5μmで50%より小さく、3.5μmで90%より小さい。指摘されているように、HSカルボニル粉末に対するCMの重量比率は、3:1から1:1までの範囲に亘り得るが、好ましくは、約1:1の比率である。全体的な固体相(カルボニル鉄)は、MRFの86重量%から90重量%で存在し得る。
【0025】
本発明の好ましい実施例では、乾式シリカは、MRFの重量%にして、約0.05乃至0.5、好ましくは0.5乃至0.1、及び、最も好ましくは、0.05乃至0.06で添加される。乾式シリカは、グラム当たりにして100乃至300平方メートルの範囲の表面積を有する、高温加水分解反応から作られた高い純度のシリカである。
(例1)
本発明の好ましい実施例は、11.2重量%のSFH21(アルファオレフィン)(モビルケミカル社)、44.4重量%のCMカルボニル鉄粉末(BASF社)、44.4重量%のHSカルボニル鉄粉末(BASF社)、0.06重量%の乾式シリカ(キャボット社)を含んでいる。
【0026】
提供された例1のMR流体は、約100mmの直径を有するクラッチにおいて性能を改善した。
図3は、例1のMRFの粘性率対温度のグラフである。認められるように、例1のMRFは、自動車の用途において作用流体のために−40℃で受容可能な粘性率を有する。
【0027】
図4は、例1(11MAG115のラインにより示されている)のものを含むMRFの様々な処方のための滑らかなローター牽引速度のグラフである。図2から認められるように、例1のMRFは、他の流体よりも非係合(磁場オフ)状態で遙かに低い牽引状態を形成した。
(耐久性テスト)
上記例1で記載されたMR流体は、耐久性テストを受けた。この耐久性テストは、MRFファンクラッチを使用して実行された。耐久性テストの手続きは、クラッチを、規定された入力速度と所望のファン速度とのプロフィールを生じさせた。電動モーターは、入力速度プロフィールに沿ってファンクラッチの入力を駆動させた。所望のファン速度のプロフィールは、クラッチに印加された電流を調整するフィードフォーワード+PIコントローラへの参照入力であった。印加された電流は、MR流体の降伏応力を変化させ、これによりファン速度の制御を可能にした。65℃(150°F)の一定テストボックス温度は、ファンクラッチにより典型的に経験される自動車のアンダーフード温度をシミュレートするため使用された。電流を低い状態から高い状態へ変化させ、再び低い状態へと戻らせる態様で、電流をファンクラッチを通して通過させた。対応するファン速度が測定された。最大入力電流は、5アンペアで設定された。所望の特定の最大ファン速度を達成するため必要とされる電流の量が測定された。電流の増加は、コントローラがMR流体における劣化を補償するためより高い電流レベルを指令することを指し示している。電流指令が5アンペアに達した場合、コントローラの出力が飽和され、コントローラはMR流体の特性における劣化をもはや補償することはできない。20分間の耐久性サイクルは、総合して500時間に亘って250回繰り返された。
(性能テスト)
耐久性テストをパスするための流体の基準は、性能テストの結果である。この性能テストは、固定した入力速度において一連のファン速度を指令し、実際の冷却ファン速度及び要求されたファン速度を達成するのに必要となる入力電流を測定する、各工程からなる。主要な要求は、指令されたファン速度の全てが達成され、特に、ファン速度の減少が10%より小さい状態で、最高のファン速度が達成されたということである。この性能テストは、耐久性テストの開始前(時刻ゼロで)、耐久性テストのおおよそ半工程のとき(約250時間経過後)、及び、耐久性テストの終了時(約500時間経過後)に定期的に実行される。性能テストの間、要求された電流レベルは、予想通り時間と共に増加するが、要求された最大電流は、全ての場合において4アンペアより少なかった。得られたファン速度は、3つの性能テスト全てに対して、このテストのため確立された10%の基準以内に全て収まった。かくして、例1のMR流体は、耐久性テストをパスした。
【0028】
本発明の好ましい実施例は、2,4,6−ビス(1,1−ジメチル エーテル)−フェノール及びジ−t−ブチルトリスルフィドと共にパラフィンオイルを含む、添加剤パッケージを備える。好ましくは、パラフィンオイルは、20乃至60個の炭素原子を内部に有する炭素鎖を備えた分子を含んでいる。フェノールはMRF内の鉄粒子の酸化を減少させると考えられており、硫化物は、MRFの耐久性を延ばすと考えられている。添加剤パッケージは、液体の全質量の0.5%乃至5%の間の濃度範囲で使用することができる。例1の組成と、パラフィンオイル、フェノール及び硫化物の添加剤パッケージと、を有するMR流体は、約113mmの直径を有する、より大きいファンクラッチにおいて改善された結果を提供した。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、1テスラの磁束密度における、単一ピークのサイズ分布のカルボニル粒子及びMR流体の混合物の、降伏応力(psi)対体積割合のグラフである。
【図2】図2は、その降伏応力が図1で表されるところのMR流体の同じファミリーに関する、粘性率対カルボニル鉄微小球の体積割合のグラフである。
【図3】図3は、本発明に係る、MR流体の、粘性率対温度のグラフである。
【図4】図4は、本発明に係るMR流体を含む様々なMR流体の低温電池の円滑ローター牽引速度のグラフであり、ファン速度対入力速度を表している。
Claims (11)
- 磁気レオロジー流体であって、
10乃至14重量パーセントの炭化水素ベースの液体と、
86乃至90重量パーセントの2ピーク分布の磁化可能粒子と、
0.05乃至0.5重量パーセントの乾式シリカと、
パラフィンオイル、フェノール及び硫化物を含む添加剤パッケージと、
を含む、磁気レオロジー流体。 - 前記2ピーク分布の磁化可能粒子は、
第1の範囲に亘る直径サイズを有する第1グループの粒子群であって、該第1の範囲の直径サイズでは、第1の平均直径を有し、該第1の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する、前記第1グループの粒子群と、
第2の範囲に亘る直径サイズを有する第2グループの粒子群であって、該第2の範囲の直径サイズでは、第2の平均直径を有し、該第2の平均直径の値の約2/3より大きくない標準偏差を有する、前記第2グループの粒子群と、
から事実上構成され、
全ての前記粒子のうち大部分のサイズは、1乃至100ミクロンの範囲内にあり、前記第2グループに対する前記第1グループの重量比率は、0.1乃至0.9の範囲内にあり、前記第2の平均直径に対する前記第1の平均直径の比率は、5乃至10である、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。 - 前記粒子は、鉄、ニッケル及びコバルトのうち少なくとも1つから構成される、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記粒子は、1乃至10ミクロンの範囲の平均直径を有する、カルボニル鉄粒子から構成される、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記第1及び第2グループの粒子群は、同一の組成を持つ、請求項2に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記炭化水素ベースの液体は、ポリアルファオレフィンを含む、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記炭化水素ベースの液体は、水素添加された1デセンのホモポリマーを含む、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記パラフィンオイルは、20乃至60炭素原子を内部に有する炭素鎖を備える分子を含む、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記フェノールは、2,4,6−ビス(1,1−ジメチル エチル)−フェノールを含む、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記硫化物は、ジ−t−ブチルトリスルフィドを含む、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
- 前記添加剤パッケージは、前記流体の全液体質量のうち0.5乃至5パーセントの範囲に亘る濃度で存在する、請求項1に記載の磁気レオロジー流体。
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