JP2005500977A - 細胞移植改良のための細胞外基質分解酵素の使用 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野および背景
本発明は、細胞および遺伝子治療で有用な方法および細胞調製物に関する。
【0002】
細胞療法は、自家移植または同種異系移植による損傷した組織または生理学的系の生体機能の置換、修復、または増強を目的とした戦略である。ここ数年でこの分野は大きく進展している。骨髄、血液、または臍帯血由来の幹細胞の移植は、現在、種々の血液学的疾患、新生物、および遺伝性疾患のための最適な治療である。混合キメラ現象を誘導するための毒性の低い前処置を使用した移植により、自己免疫疾患への適用が可能となる(Thomas ED、Semin.Hematol.、1999、36(増補4版7)、95〜103)。細胞移植は、血管外遊出、遊走、および浸潤に依存する。
【0003】
細胞療法および遺伝子治療のための骨髄間質細胞(BMSC)の使用
骨髄間質細胞(BMSC)は、種々の間葉細胞に分化する潜在性を有する。過去数年内にBMSCは、細胞療法および遺伝子治療用の媒介物として調査されている。この細胞は、局所麻酔によって得ることができる骨髄の小吸引物から比較的容易に単離され、これらはまた培養によって比較的容易に拡大され、外因性ポリヌクレオチドで容易にトランスフェクトされる。現在、BMSCの治療での使用のためにいくつかの異なる戦略が実施されている。
【0004】
例えば、変形性関節症の治療では、変形性関節症患者の骨髄からBMSCを単離し、培養によってBMSCを拡大し、その後関節への直接注射により患者の関節表面の交換に使用することが提案された。あるいは、BMSCを治癒が不十分な骨に移植して、その修復プロセスを増強することができる。
【0005】
別の例では、遺伝子治療の傘下で、インスリン、エリスロポイエチンなどの分泌治療タンパク質を符号化する遺伝子を患者由来のBMSCに移入し、これらが骨髄または他の組織に戻り、治療タンパク質を分泌するように細胞を全身に注入することが提案された。さらなる例を本明細書中に記載する。
【0006】
細胞が骨髄に再集合するだけでなく、骨、肺、およびおそらく軟骨および脳などの他の組織の再集合のために子孫が得られる条件下でBMSCを全身に注入する。最近の実験により、大量の正常なマウス由来のドナーBMSCを衰弱した幼若マウスに注入する場合、これらは変異コラーゲン遺伝子を発現するので、正常なドナー細胞は、受容者マウスの骨、軟骨、および脳の細胞の30%まで置換することが示された。これらの結果は、I型コラーゲン遺伝子の変異によって発症する重症骨形成不全症の幼児に認められる骨欠損症の治療のために現在進行中の臨床試験の基本であった(Prockop DJ;Science、1997、276、71〜74)。
【0007】
以前は致命的と考えられていたリソソーム病の治療および潜在的な治癒は、過去10年間に現実のものとなっている。骨髄移植により、疾患に起因する酵素欠損の置換法が得られた。ドナー骨髄由来の細胞は、酵素を無期限に提供し続ける。異染性白質萎縮症、副腎脳白質ジストロフィ、ハーラー症候群(MPSI)、マトロー−ラミー症候群(MPS VI)、ゴーシェ病、およびフコース蓄積症などを罹患した患者のいくつかのスコアが、長期移植後に首尾よく治療されている。
【0008】
中枢神経系(CNS)疾患の発現もまた、正常なドナーからの移植後にこれらの疾患の動物モデルで予防または緩和される。小グリア細胞系は、骨髄移植後の酵素活性の最も可能性の高い媒介物と考えられている。成熟動物またはヒトの小グリア細胞は、新規に移植した骨髄に由来する。Krivitら、Cell Trans.、1995、4(4)、385〜92。動物モデルでは、BMSCを、レトロウイルスを使用してトランスフェクトし、in vitroおよびin vivoで高レベルの遺伝子発現を達成することができる(Lazarus HMら、Bone、Marrow Transpl.、1995、16、557〜64)。
【0009】
BMSCが多能性を喪失することなく広範に増殖することができるので(造血幹細胞での所見と対照的)、その遺伝子の操作および拡大により、造血性障害の遺伝子治療を容易にすることができる。
【0010】
骨髄への間質細胞移植が非常に困難なことは証明されており、免疫不全マウスに移植された間質細胞は、脾臓、肝臓、または肺で生存可能であるが、骨髄では生存できない(Lazarus HMら、Bone Marrow Transpl.、1995、16、557〜64)。
【0011】
細胞療法および遺伝子治療のためのCD34+前駆細胞の使用
重症複合免疫不全(scid)マウス変異の発見により、正常および悪性ヒト多能性造血細胞および間葉細胞のin vivo分析用ツールが得られた。照射scidマウスへのヒト骨髄細胞、臍帯血、またはG−CSFサイトカイン固定末梢血単核細胞(全てヒト造血幹細胞活性が豊富)の静脈内注射により、マウス受容者にヒト造血系が移植される。
【0012】
長期再生可能な幹細胞機能の真の基準は、骨髄細胞破壊受容者への移植能力、その造血系への再集合能力、およびin vivoでの長期多系統造血の維持能力である。ヒト多能性造血幹細胞(HSC)の定量分析は、幹細胞の増殖能力をサイトカインの種々の組み合わせ(クローン培養におけるコロニー形成細胞、敷石状領域形成細胞、および長期培養開始細胞)の存在を評価するin vitro検定法に歴史的に制限されているが、これらの代理検定法は幹細胞活性を正確に反映しない。過去30年間で、多数の研究者がヒト多能性造血幹細胞の発達および分化の定量研究のための宿主として動物の使用を試みてきた。動物モデル、特に小動物モデルの利点は明白である。in vivoでのみ同定することができるヒト細胞の発達、分化、および長期再生能力を、臨床研究を必要としない小動物モデルで確認することができる。
【0013】
このモデル系により、ヒト多能性幹細胞を詳細に同定および特徴付けることが可能であり、以前にこのモデルを使用して研究された鎌状赤血球貧血およびβサラセミアなどの遺伝子障害の遺伝子治療のin vivo分析に容易に利用可能であることが証明される。アデノシンデアミナーゼ欠損症などの体細胞ベースの障害の遺伝子治療研究へのNOD−SCIDモデルの拡大が最近報告されており、in vitro法のみの使用では現在不可能な幹細胞導入についてのin vivoでの情報が得られることが示されている。造血性キメラの確立のためのこのモデルの移植耐性研究および自己免疫への幹細胞の寄与の調査への拡大により、臨床へ適用するためのさらなる潜在的な達成手段が得られる。Dale Lら、Stem Cells、1998、16、166〜77。
【0014】
造血幹細胞(HSC)は、多能性(全ての造血系細胞およびリンパ系細胞を産生することができる)かつ自己再生性(本質的に生涯前駆細胞を産生することができる)を示すと定義されている。HSCは、骨髄、移動性末梢血、および臍帯血に由来し得る。CD34表面抗原を発現する細胞は、自己再生能力を有する始原幹細胞を含む造血細胞、ならびに骨髄系細胞、赤血球系細胞、およびリンパ系細胞の発達を担う前駆細胞の異種集団で構成される。CD34+幹細胞選択を利用した大規模デバイスが現在市販されている。自家移植では、CD34+選択末梢血幹細胞(PBSC)使用の主な利点は、PBSC調製時の腫瘍細胞の汚染が減少することである。それに対して、同種異系移植では、CD34+選択法を使用して、移植片対宿主疾患(GvHD)の発生数および重症度を減少させる。PBSC由来の自家選択CD34+細胞の移植により、迅速かつ安定に移植される。同種異系CD34+選択細胞は、HLA適合対間の巨大細胞用量効果によって免疫骨髄破壊受容者に首尾よく移植される。CD34+選択を遺伝子治療の標的として、癌免疫治療の樹状細胞供給源として、および自己免疫疾患患者の治療に使用することもできる(Watanabe T.ら、Haematologica、1999、84(2)、167〜76)。遺伝的に正常な同種異系HSC移植の経験形態により、造血細胞およびリンパ系細胞の多数の遺伝性疾患を治療することができることが証明されている。同種異系HSC移植片によって首尾よく治療された障害には、異常血色素症、白血球の産生または機能の欠損、免疫不全、リソソーム貯蔵疾患、およびファンコーニ貧血などの幹細胞欠損が含まれる。同種異系骨髄移植(BMT)が免疫学的に制限されるため、自家HSCを使用した遺伝子治療が考慮されている。移植片拒絶、GvHD疾患、および移植後免疫抑制の必要性などの免疫学的副作用を排除することができる。さらに、現在HSC遺伝子を改変する技術が利用可能であるので、HSCおよびその子孫に新規の好ましい特性(化学療法の骨髄抑制効果に対する耐性またはHIV−Iなどの作用因子による感染に対する耐性など)を操作することが可能である。
【0015】
ムコ多糖症などのリソソーム貯蔵疾患のマウスモデルを使用して、正常な類似遺伝子性骨髄または遺伝子治癒自家骨髄のいずれかにより多数の異常を改善し、CNS疾患発症に対して少なくとも一部の利点を得るために十分な関連酵素レベルを得ることができることが証明されている。
【0016】
HSCベースの疾患を標的とした多数の臨床試験が行われているにもかかわらず、最小の効率しか得られず、再構築したHSC形質導入の失敗が示唆される。遺伝子疾患の治癒のための標識としてHSCの使用は、導入遺伝子産物に対する免疫学的寛容の発生を誘導することができるという点で予期せぬ利点を得ることができる。移植細胞の移植のために骨髄中に「空間をつくる」ためのより一般的に考慮された用途に加えて、遺伝子形質導入HSCの移植前に望ましくない免疫応答を防止するための細胞減少薬を投与することができる。Tリンパ球同時刺激の遮断によって寛容を誘導するより新規の薬剤を、HSC移植で適用することもできる。
【0017】
HSC中に導入された遺伝子産物に対する寛容を誘導するための臨床的に適用可能なアプローチは、まもなく確立される。したがって、10年以上確立されなかったHSCにおける遺伝子導入による造血障害および免疫障害治療の夢は、ゆるやかに現実のものとなりつつある(Halene S. and Kohn DB、2000、Hum.Gene Ther.、11、1259〜67)。
【0018】
癌および単一遺伝子障害の治療のために300を超える第一相試験および第二相試験が世界中で行われた。最近、これらの試験が、エイズ治療に拡大され、より小さな規模で心血管疾患に拡大された。神経疾患、自己免疫疾患、アレルギー、および組織の再生のための同種異系組織および細胞移植を実行するための新規の遺伝子治療プログラムが進行中である。さらに、遺伝子免疫法と呼ばれる革新的なワクチンデザインのための強力なツールとして遺伝子導入テクノロジーが出現している。したがって、遺伝子導入テクノロジーの潜在的な治療法は膨大である。しかし、遺伝子治療プログラムの有効性には依然として問題がある。さらに、遺伝子送達の安全性についての問題が懸念されており、遺伝性遺伝子障害治療のための子宮遺伝子治療の臨床試験を開始する提案についての論議が始まっている。現在の遺伝子治療研究プログラムの観点は、科学者の冷静な楽観論ならびに癌、遺伝性または後天性単一遺伝子障害、およびエイズ治療のための臨床試験における遺伝子導入テクノロジーのより積極的な役割を明白に示す。実際、遺伝子治療は、実験医学における最も急速に成長している分野の1つである(Romano Gら、Stem Cells、2000、18、19〜39)。
【0019】
樹状細胞
樹状細胞(DC)は、最も強力な抗原提示細胞であり、ナイーブT細胞に新規の抗原を提示することができる唯一の細胞である。DCは、臨床免疫治療のための有望な補薬であるプロ抗原提示細胞である。粘着性末梢血単球細胞(PBMC)またはCD34+前駆体のいずれかを使用した適切なサイトカインカクテルの存在下で多数のDCをin vitroで作製することができる。in vitroで分化したDCは、特異的免疫応答を誘導することができるリンパ系組織に局在することが好ましい。したがって、これらの細胞は、癌および他の疾患の治療における免疫治療アプローチと潜在的に関連する(Mackensen A.ら、Cancer Immunol.Immunother.、1999、48(2〜3)、118〜22)。3つの臨床試験により、今までのところ、癌の免疫療法のための有望なツールはDCであることが報告されている(Esche C.ら、Curr.Opin.Mol.Ther.、1999、1(1)、72〜81)。CD34+細胞由来樹状細胞の有効な遺伝子の改変により、癌、自己免疫障害、および感染症の免疫治療プロトコールの開発を有意に進歩させることができる(Evans JTら、Gene Ther.、2001、8(18)、1427〜35)。
【0020】
ヒト新生物細胞は、免疫原性が低いと考えられる。したがって、ヒト腫瘍の免疫治療への臨床アプローチの開発には、有効な補薬の同定が必要である。DCは、抗腫瘍免疫応答を惹起するための天然の補薬として使用することができる特殊な抗原提示細胞系である(Di Nicola M.ら、Cytokines Cell Mol.Ther.、1998、4(4)、265〜73)。
【0021】
末梢血前駆細胞移植を使用した高用量化学療法は、造血悪性疾患および固形腫瘍の両方を罹患した患者のための潜在的に治効のある治療である。しかし、多数の臨床研究に基づいて、高用量化学療法後に多数の患者で最終的に疾患が再発する微小残存病変(MRD)が残存している強力な証拠が存在する。したがって、MRD治療へのいくつかのアプローチ(樹状細胞ベースの癌ワクチンでの治療および養子免疫療法を含む)が現在評価されている(Brugger W.ら、Ann.NY Acad.Sci.、1999、872、363〜71)。
【0022】
養子免疫療法のための末梢血リンパ球の使用。養子免疫療法は、白血病、癌、自己免疫疾患、またはウイルス疾患の治療のための免疫担当細胞の受動輸送を意味する。ドナーリンパ球の注入を使用した同種異系骨髄移植後の白血病の再発治療の成功によって再び非常に関心が寄せられている。
【0023】
新生物および非新生物障害の治療のための同種異系骨髄および造血前駆体/幹細胞(樹状細胞)細胞の移植の使用が増加している。リンホカイン活性化キラー(LAK)および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は、70年代から主に末期固形腫瘍患者で使用されているが、これらの治療の臨床的利点は明白に報告されていない。TILはLAKよりも特異的且つ強力な細胞傷害性エフェクターであるが、一部の患者のみ(主に黒色腫および神経膠芽腫などの固形腫瘍)の臨床での使用は潜在的に有用であるとみなすことができる。
【0024】
末梢血ナチュラルキラー細胞(NK)の一部のサブセットである接着性NK細胞(A−NK)は固形腫瘍組織中で抗腫瘍効果を局在化および誘導する能力を有するが、大部分の循環非接着NK(NA−NK)細胞には不可能である。NA−NK細胞は、A−NK細胞よりも細胞傷害性が高いことが見出されている。したがって、固形腫瘍への移動および腫瘍へのエフェクター細胞の侵入の両方がその表面で発現する細胞接着分子およびエフェクター細胞に関連する酵素活性に関連し得る。A−NKとNA−NK細胞との相違は、固形腫瘍組織中の腫瘍標的細胞に侵入して死滅させる能力の相違を示し得る(Vujanovic NLら、J.Immunol.、1995、154(1)、281〜9)。
【0025】
プロテオグリカン(PG)
プロテオグリカン(以前はムコ多糖類と呼ばれていた)は、非常に複雑な分子であり、体内のあらゆる組織で見出される。これらは、互いに会合し、コラーゲンおよびエラスチンなどの他の主要な構造成分とも会合している。いくつかのPGは、フィブロネクチンおよびラミニンなどの一定の接着タンパク質と相互作用する。PGの多糖の鎖の伸長する性質(グリコサミノグリカン(GAG))およびゲル化する能力により、小分子は比較的自由に拡散されるが、巨大分子の通過は制限される。しばしば形成されるその伸長した構造および大きな巨大分子の集合体のため、これらはタンパク質に対して細胞外基質の大部分を占める(Murry RK and Keeley FW、Biochemistry、第57章、ページ667〜85)。
【0026】
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)
HSPGは、細胞膜および細胞外基質に会合した酸性多糖−タンパク質結合物である。HSPGは種々の生体エフェクター分子(細胞外基質成分、成長因子、成長因子結合タンパク質、サイトカイン、細胞接着分子、脂質代謝タンパク質、分解酵素、およびプロテアーゼインヒビターを含む)に強く結合する。これらの相互作用のために、HSPGは生物学において動的な役割を果たし、実際、プロテオグリカンのほとんどの機能は、多数の系における細胞−細胞相互作用ならびに細胞の成長および分化に寄与するヘパラン硫酸(HS)鎖に帰する。HSは組織の完全および内皮細胞機能を維持する。これは、接着分子として作用し、接着誘導サイトカイン(特に、ケモカイン)を提示し、白血球の局在化および活性化を促進する。HSは、炎症細胞によって分泌された酵素の活性化および作用を調整する。一連の免疫系の間のHS変化の機能は、HS代謝の変化および発現の相違およびHS結合分子間の競合による。Selvan RSら、Ann.NY Acad.Sci.、1996、797、127〜39。
【0027】
HSPGはまた、顕著な血管成分である(Wight TNら、Arteriosclerosis、1989、9、1〜20)。大きな血管では、HSPGのほとんどが血管内膜および中膜に集中しているが、毛細管では、HSPGは主に内皮細胞の増殖および移動を補助し、微小管壁の表面構造を安定化させる内皮下基底膜で見出される。HSPGがコラーゲン、ラミニン、フィブロネクチンなどの細胞外基質(ECM)高分子ならびに原形質膜常の異なる結合部位と相互作用する能力により、自己構築およびECM成分の不溶性ならびに細胞の接着および運動におけるこのプロテオグリカンの鍵となる役割が示唆される。
【0028】
ヘパラナーゼ−GAG分解酵素
一連のリソソーム加水分解酵素によってGAGの分解を行う。一定のGAGの異化作用に関連する1つの重要な酵素はヘパラナーゼである。これは、特異的な鎖間部位で切断するエンド−β−グルクロニダーゼである。
【0029】
グリコサミノグリカンの酵素分解は、Ernstら(Critical Reviews in Biochemistry and Molecular Biology、30(5)、387〜444、1995)に概説されている。GAG構造の共通の特徴は、ウロン酸およびヘキソサミンからなる反復ジサッカリド単位である。種々のGAGは、ジサッカリド単位の組成ならびに修飾の型およびレベル(C5エピマー化およびNまたはO硫酸化など)が異なる。硫酸化GAGには、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、およびケラタン硫酸が含まれる。ヘパラン硫酸およびヘパリンは、C5エピマー化、N硫酸化、およびO硫酸化などの修飾を受けるグルコサミンおよびグルクロン酸/イズロン酸の繰り返し単位から構成される。ヘパリンは、ヘパラン硫酸よりも高い修飾レベルによって特徴付けられる。
【0030】
GAGを、リアーゼ(EC 4.2.2.−)での切断除去または加水分解酵素(EC 3.2.1.−)での加水分解除去のいずれかによって酵素的に解重合することができる。しばしば、これらの酵素は、一定の修飾を有するポリサッカリド鎖中の残基に特異的である。GAG分解リアーゼは、主に細菌起源である。除去分解では、ウロン酸のC5水素が抽出されて不飽和C4−5結合を形成し、加水分解機構では、プロトンがグリコシドの酸素に供与されてO5オキソニウムイオンが作製され、その後水が付加されてオキソニウムイオンが中和され、全ての炭素が飽和する(Lindhartら、1986、Appl.Biochem.Biotech.、12、135〜75)。反応でウロン酸のカルボキシル基が関連するので、リアーゼは、ウロン酸の非還元部位上の結合のみを切断することができる。それに対して、加水分解は、反復ジサッカリド中の2つの結合のいずれかに特異的であり得る。概説の414および424頁の表8および14(Ernstら)では、公知のGAG分解酵素が列挙されている。これらの表は、基質特異性、分解機構、分解結合、生成物の長さ、および作用様式(内部/末端分解)が記載されている。ヘパラナーゼは、ヘパリンおよびヘパラン硫酸をグルクロン酸とグルコサミドとの間のβ1,4結合で切断するGAG加水分解酵素と定義されている。ヘパラナーゼは、内部分解酵素であり、生成物の平均的な長さは8〜12サッカリドである。他の公知のヘパリン/ヘパラン硫酸分解酵素は、末端分解酵素であるβ−グルクロニダーゼ、α−Lインデュロニダーゼ、α−Nアセチルグルコサミニダーゼであり、それぞれポリサッカリド鎖内の特定の結合を切断し、ジサッカリドを生成する。表8では、著者は、同一の基質および作用機構を共有する2つのヘパラナーゼ(血小板ヘパラナーゼおよび腫瘍ヘパラナーゼ)を列挙している。これら2つは、その後分子レベルで同一であることが見出された(Freemanら、Biochem.J.、1999、342、361〜368;Vlodavskyら、Nat.Med.5(7)、793〜802、1999;Hulletら、Nature Medicine、5(7)、803〜809、1999)。
【0031】
ヘパラナーゼ触媒加水分解によって生成したヘパリンおよびヘパラン硫酸フラグメントを、飽和非還元末端(N−アセチル−グルコースアミンの誘導体)によって遺伝的に特徴付ける。ヘパラナーゼ加水分解によって生成したヘパリンまたはヘパラン硫酸の還元糖は、炭素4に水酸基を含むので、232nmのUV照射で不活化される。
【0032】
TおよびBリンパ球、血小板、顆粒球、マクロファージ、および肥満細胞の内皮下細胞外基質(ECM)との相互作用は、ヘパラナーゼ活性によるヘパラン硫酸分解に関連する。種々の活性化シグナル(例えば、トロンビン、カルシウムイオノフォア、免疫複合体、抗原、およびマイトジェン)に応答して細胞内成分(例えば、リソソーム、特定の粒子)から酵素が放出され、これにより、炎症および細胞免疫における関与が限定されていることが示唆される。Vlodavsky I.ら、Invasion Metas.、1992、12(2)、112〜27。対照的に、種々の腫瘍細胞は、その転移可能性に相関する構成性様式でヘパリンを発現および分泌するようである。Nakajima M.ら、J.Cell.Biochem.、1988、2月、36(2)、157〜67。白血球による重要な組織侵入プロセスは、血管内皮の管腔表面への接着、血管内皮細胞層の通過、および一連の分泌および/または細胞表面プロテアーゼおよびグリコシダーゼ活性による基礎をなす基底膜および細胞外基質のその後の分解を含む。したがって、ヘパラナーゼによるHSの分解により内皮下ECMを分解することができるので、正常および悪性の血行性細胞の管外遊出の決定的役割を果たし得る(Vlodavsky I.ら、Inv.Metast.、1992、12、112〜27;Vlodavsky I.ら、Inv.Metast.、1995、14、290〜302)。
【0033】
ヘパラナーゼは細胞の移動および侵入で機能することができるだけでなく、間接的血管新生応答も惹起することができることが以前に証明されていた(Vlodavsky I.ら、Trends Biochem.Sci.、1991、16、268〜71)。ECM HSPGは、bFGFの天然の貯蔵所を提供する。したがって、活性なbFGFのECM内のその貯蔵所からのヘパラナーゼ媒介放出により、正常および疾患状態における新規の血管新生誘導機構が得られる(Vlodavsky I.ら、Cell.Molec.Aspects.、1993、Acad.Press.Inc.、327〜343;Thunberg L.ら、FEBS Lett.、1980、177、203〜6)。ヘパラナーゼによるヘパラン硫酸の分解により、他のヘパリン結合成長因子ならびにヘパラン硫酸によって基底膜、細胞外基質、および細胞表面に隔離された酵素および血漿タンパク質が放出される。Selvan RSら、Ann.NY Acad.Sci.、1996、797、127〜39。
【0034】
動物細胞中でのヘパラナーゼDNAの発現
安定にトランスフェクトされたCHO細胞は、構成性および安定な様式でヘパラナーゼ遺伝子産物を発現した。タンパク質ブロットおよび活性検定法によって同定したところ、いくつかのCHO細胞クローンは発現したヘパラナーゼで特に増殖性を示す。ヘパラナーゼDNAは、543アミノ酸の巨大タンパク質(推定分子量約65kDa)を符号化するが、結果は2つのタンパク質(一方は60〜68kDa、他方は約45〜50kDa)の存在が明白に証明されている。ヘパラナーゼ活性を有する45〜50kDaのタンパク質が胎盤(Goshen,R.ら、Mol.Human Reprod.、1996、2、679〜684)および血小板(Freeman and Parish Biochem.J.、1998、339、1341〜1350)から単離されたことが以前に示されている。したがって、65kDaのタンパク質は宿主細胞中で自然にプロセシングされて45kDaのタンパク質となるプロ酵素であるようである。p50は活性があり、p65タンパク質は活性がないことから、p50は活性酵素であり、p65はプロ酵素であることが示唆される。
【0035】
ヘパラナーゼは、患者への生体物質の導入を補助する
PCT/US00/03353(本明細書中で参考として援用される)は、外部から添加された場合、ヘパラナーゼは細胞に接着すると教示している。ヘパラナーゼが外部から接着した細胞によりヘパラナーゼが活性形態にプロセシングされる。ヘパラナーゼの活性形態が外部から接着した細胞は、接着したヘパラナーゼがその活性を妨害する条件下でその触媒活性を維持するように周囲の媒体から接着ヘパリンを保護する。ヘパラナーゼの活性形態が外部から接着した細胞(ヘパラナーゼを発現し、ヘパラナーゼが細胞外に存在するかこれを分泌するように遺伝子が改変された細胞または精製ヘパラナーゼが外部から添加された細胞のいずれか)は、外部接着ヘパラナーゼを欠く細胞と比較して、実験動物モデルの体内でさらにより容易に転移可能である。一旦細胞に接着すると、不活性プロヘパラナーゼを、内因性プロテアーゼのその活性形態への改変によってプロセシングすることができる。したがって、ヘパラナーゼを使用して、細胞および組織などの生体物質の患者の体内の所望の位置への導入を補助することができる。
【0036】
PCT/IL01/00950は、ヘパラナーゼでの移植可能な胚の被覆による胚移植の改良方法を教示している。
【0037】
ヘパラナーゼ、ヘパラナーゼ遺伝子、およびその使用に関するさらに詳細な記述を、例えば、PCT/US99/09256、PCT/US98/17954、PCT/US99/09255、PCT/US99/25451、PCT/IL00/00358、PCT/US99/15643、PCT/US00/03542、およびPCT/US99/06189、ならびに米国特許第6242238号、同第5968822号、同第6153187号、同第6177545号、および同第6190875号(その内容が本明細書中で参考として援用される)に見出すことができる。
【0038】
非常に限られた場合においてのみヘパラナーゼの細胞移植を改良する効率が試験されており、ヘパラナーゼおよび他のECM分解酵素が特定の場合(幹細胞、CD34+前駆細胞、骨髄間質細胞、樹状細胞、および末梢血リンパ球の移植など)で細胞移植を補助するかどうかは同定されていない。
【0039】
発明の概要
本発明の1つの態様によれば、幹細胞移植前に幹細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記幹細胞を必要とする受容者に前記幹細胞を移植する工程とを含む、幹細胞移植の改良方法が得られる。
【0040】
本発明の別の態様によれば、外因性細胞外基質分解酵素を保有する幹細胞を含む幹細胞調製物が得られる。
【0041】
本発明のさらに別の態様によれば、CD34+前駆細胞移植前にCD34+前駆細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記CD34+前駆細胞を必要とする受容者に前記CD34+前駆細胞を移植する工程とを含む、CD34+前駆細胞移植の改良方法が得られる。
【0042】
本発明のさらに別の態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有するCD34+前駆細胞を含むCD34+前駆細胞調製物が得られる。
【0043】
本発明のさらなる態様によれば、骨髄間質細胞移植前に骨髄間質細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記骨髄間質細胞を必要とする受容者に前記骨髄間質細胞を移植する工程とを含む、骨髄間質細胞移植の改良方法が得られる。
【0044】
本発明のさらに別の態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有する骨髄間質細胞を含む骨髄間質細胞調製物が得られる。
【0045】
本発明のなおさらなる態様によれば、樹状細胞移植前に樹状細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記樹状細胞を必要とする受容者に前記樹状細胞を移植する工程とを含む、樹状細胞移植の改良方法が得られる。
【0046】
本発明のさらに別の態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有する樹状細胞を含む樹状細胞調製物が得られる。
【0047】
本発明のなおさらなる態様によれば、末梢血リンパ球移植前に末梢血リンパ球を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記末梢血リンパ球を必要とする受容者に前記末梢血リンパ球を移植する工程とを含む、末梢血リンパ球移植の改良方法が得られる。
【0048】
本発明のさらに別の態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有する末梢血リンパ球を含む末梢血リンパ球細胞調製物が得られる。
【0049】
以下に記載の本発明の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞は自家起源である。
【0050】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞は同種異系起源である。
【0051】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、または局所で移植を行う。
【0052】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、移植は骨髄注射を介する。
【0053】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞は成体由来の細胞である。
【0054】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞は胚由来の細胞である。
【0055】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞は遺伝子改変細胞である。
【0056】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される。
【0057】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される。
【0058】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、接触の際、細胞外基質分解酵素は活性形態である。
【0059】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、接触の際、細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である。
【0060】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである。
【0061】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである。
【0062】
記載の好ましい実施形態のさらなる特徴によれば、ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである。
【0063】
本発明は、細胞移植効率を改善可能な方法および細胞調製物を得ることによって現在公知の構成の欠点に首尾よく取り組んでいる。
【0064】
図面の簡単な説明
本発明は、例示のみのために添付の図面を参照して記載している。詳細な図面を特に参照して、示した事項は、本発明の好ましい実施形態の例および例示的考察の例示を目的とし、本発明の原理および概念の最も有用且つ容易に理解される説明と考えられることを提示するために示したことを強調する。これに関して、本発明の基本的理解のために必要以上に本発明を詳細に示すことを意図せず、図面を使用した説明によりどのようにして本発明のいくつかの形態を実施することができるかが当業者に明白となる。
図1は、ヘパラナーゼでコートした脾細胞におけるヘパラナーゼの運命を示すウェスタンブロット分析を示す。ヘパラナーゼコートおよび非コート脾細胞(3×105細胞)を、抗p45ヘパラナーゼポリクローナル抗体を使用したウェスタンブロット分析に供した。
図2は、ヘパラナーゼで治療した同種異系脾細胞の養子導入後のマウス生存時間を示す生存グラフである。CB6F1マウスに、2×105ルイス肺癌細胞IVを注射した。4日後、マウスにハンクス溶液(コントロール)または107個の脾細胞(splen.)または107個のヘパラナーゼ処理脾細胞(splen.+Hepa.)のいずれかを注射した。動物の生存時間を記録し、所与の時間での生存動物の割合として示した。
図3は、3×105個のヘパラナーゼ処理(黒四角)、非処理(白円)CD34+細胞のヘパラナーゼ活性を示すグラフである。放射性ECM検定法を使用したゲル濾過によってヘパラナーゼ活性を分析した。結果をcpmで示す。
図4aは、ヒト幹細胞移植に対するヘパラナーゼの結果を示すグラフである。NOD−SCIDマウスに、ヘパラナーゼ処理(+)および非処理(−)ヒトCD34+細胞を移植した。8週間後、NOD−SCIDマウスの骨髄を、特異的FITC結合抗ヒトCD45モノクローナル抗体を使用したフローサイトメトリーによって分析した。マウス骨髄中のヒト白血球を、ヒトCD45陽性細胞の割合で示す。
図4bは、移植ヒト幹細胞の分化に対するヘパラナーゼの効果を示すグラフである。NOD−SCIDマウスに、ヘパラナーゼ処理(+)および非処理(−)ヒトCD34+細胞を移植した。8週間後、NOD−SCIDマウスの骨髄を、特異的FITC結合抗ヒトCD15モノクローナル抗体を使用したフローサイトメトリーによって分析した。マウス骨髄中のヒト白血球を、ヒトCD15陽性細胞の割合で示す。
図5は、ヒトCD34+細胞に対するヘパラナーゼの効果を示すグラフである。NOD−SCIDマウスに、ヘパラナーゼ処理(with hepa)および非処理(w/o hepa)ヒトCD34+細胞を移植した。6週間後、NOD−SCIDマウスの骨髄を、特異的FITC結合抗ヒトCD45モノクローナル抗体を使用したフローサイトメトリーによって分析した。マウス骨髄中のヒト白血球を、ヒトCD45陽性細胞の割合で示す。
図6は、ヘパラナーゼでコートしたBMSCにおけるヘパラナーゼの運命を示すウェスタンブロット分析を示す。ヘパラナーゼコートおよび非コートBMSC(105細胞)を、抗p45ヘパラナーゼポリクローナル抗体を使用したウェスタンブロット分析に供した。
図7は、BMSC移植に対するヘパラナーゼの効果を示すPCR分析を示す。γ照射した3週齢のルイスラットにヘパラナーゼ処理(レーン1〜6)、または非処理(レーン7〜12)のBMSCを静脈内注射した。2週間後、雌供与マウスの組織を液体窒素中で急速冷凍した。肝臓、肺、骨、脳、および心臓由来のDNAを調製した。次いで、DNAをsry2プライマーを使用したPCRに供した。sry遺伝子のPCR産物は、約350bpであった。
【0065】
好ましい実施形態の説明
本発明は、細胞療法および遺伝子治療で使用することができる方法および細胞調製物である。
【0066】
本発明の方法および調製物の原理および操作を、添付の図面および説明を参照してより良好に理解することができる。
【0067】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その出願において以下の説明で記載されるか実施例で例示された詳細に制限されないことが理解される。本発明は、他の実施形態を実施するか種々の方法で実施および実行することができる。また、本明細書中で使用した表現および専門用語は、本発明の説明を目的とし、本発明の制限とみなすべきではないと理解すべきである。
【0068】
本発明の1つの態様によれば、幹細胞移植前に幹細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記幹細胞を必要とする受容者に前記幹細胞を移植する工程とを含む、幹細胞移植の改良方法が得られる。
【0069】
本発明の別の態様によれば、外因性細胞外基質分解酵素を保有する幹細胞を含む幹細胞調製物が得られる。
【0070】
本発明のさらに別の態様によれば、CD34+前駆細胞移植前にCD34+前駆細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記CD34+前駆細胞を必要とする受容者に前記CD34+前駆細胞を移植する工程とを含む、CD34+前駆細胞移植の改良方法が得られる。
【0071】
本発明のさらに別の態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有するCD34+前駆細胞を含むCD34+前駆細胞調製物が得られる。
【0072】
幹細胞は、成体由来の細胞であり得る。あるいは、幹細胞は、胚由来の細胞であり得る。
【0073】
本明細書中で使用される、外因性細胞外基質分解酵素に関する用語「保有する」には、外因性細胞外基質分解酵素を負荷しているか、コートされているか、トランスフェクトされているか、形質転換されていることが含まれる。細胞に対する細胞外基質分解酵素の発現および分泌を誘導するためにex vivoで細胞をトランスフェクトおよび/または形質転換する方法は当該分野で周知であり、以下の実施例で列挙した引例でさらに説明されている。「保有する」は、負荷、コーティング、トランスフェクション、または形質転換前に酵素の全量がその内因性の量よりも多いことを意味する。
【0074】
CD34+前駆細胞などの幹細胞の移植効率の改良は、いくつかの疾患、症候群、および/または病態の治療において有利である。1つの例では、本明細書中に記載のように移植したCD34+前駆細胞を使用して、必要な受容者(骨髄破壊受容者など)の破壊されたか、欠損しているか、機能障害を有する造血系を再生し、in vivoでの長期多系列造血を維持することができる。遺伝的に正常な同種異系HSCの移植からの経験により、多数の造血細胞およびリンパ系細胞の遺伝子疾患が幹細胞移植によって治癒することができることが証明された。同種異系HSC移植片によって首尾よく治療された障害には、異常血色素症、白血球の産生または機能の欠損、免疫不全、ムコ多糖症などのリソソーム貯蔵疾患、およびファンコーニ貧血などの幹細胞欠損が含まれる。さらに、HSC遺伝子を改変する技術が利用可能であるので、HSCおよびその子孫に新規の好ましい特性(化学療法の骨髄抑制効果に対する耐性またはHIV−Iなどの作用因子による感染に対する耐性など)を操作することが可能である。
【0075】
本発明のさらなる態様によれば、骨髄間質細胞移植前に骨髄間質細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記骨髄間質細胞を必要とする受容者に前記骨髄間質細胞を移植する工程とを含む、骨髄間質細胞移植の改良方法が得られる。
【0076】
本発明のさらなる態様によれば、外因性細胞外基質分解酵素を保有する骨髄間質細胞を含む骨髄間質細胞調製物が得られる。
【0077】
骨髄間質細胞(BMSC)の移植効率の改良は、いくつかの疾患、症候群、および/または病態の治療において有利である。
【0078】
骨髄間質細胞(BMSC)は、種々の間葉細胞に分化する潜在性を有する。過去数年内にBMSCは、細胞療法および遺伝子治療用の媒介物として調査されている。この細胞は、局所麻酔によって得ることができる骨髄の小吸引物から比較的容易に単離され、これらはまた培養によって比較的容易に拡大され、外因性ポリヌクレオチドで容易にトランスフェクトされる。現在、BMSCの治療での使用のためにいくつかの異なる戦略が行われている。例えば、変形性関節症の治療では、変形性関節症患者の骨髄からBMSCを単離し、培養によってBMSCを拡大し、その後関節への直接注射により患者の関節表面の交換に使用することが提案された。あるいは、BMSCを治癒が不十分な骨に移植して、その修復プロセスを増強することができる。別の例では、遺伝子治療の傘下で、インスリン、エリスロポイエチンなどの分泌治療タンパク質を符号化する遺伝子を患者由来のBMSCに移入し、これらが骨髄または他の組織に戻り、治療タンパク質を分泌するように細胞を全身に注入することが提案された。細胞が骨髄に再集合するだけでなく、骨、肺、およびおそらく軟骨および脳などの他の組織の再集合のために子孫が得られる条件下でBMSCを全身に注入する。最近の実験により、大量の正常なマウス由来のドナーBMSCを衰弱した幼若マウスに注入する場合、これらは変異コラーゲン遺伝子を発現するので、正常なドナー細胞を、受容者マウスの骨、軟骨、および脳の細胞の30%まで置換することが示された。これらの結果は、I型コラーゲン遺伝子の変異によって発症する骨形成不全症の幼児に認められる骨欠損症の治療のために現在進行中の臨床試験の基本であった。以前は致命的と考えられていたリソソーム病の治療および潜在的な治癒は、過去10年間に現実のものとなっている。骨髄移植により、疾患に起因する酵素欠損の置換法が得られた。ドナー骨髄由来の細胞は、酵素を無期限に提供し続ける。異染性白質萎縮症、副腎脳白質ジストロフィ、ハーラー症候群(MPS I)、マトロー−ラミー症候群(MPS VI)、ゴーシェ病、およびフコース蓄積症などを罹患した患者のいくつかのスコアが、長期移植後に首尾よく治療されている。中枢神経系(CNS)疾患の発現もまた、正常なドナーからの移植後にこれらの疾患の動物モデルで予防または緩和される。小グリア細胞系は、骨髄移植後の酵素活性の最も可能性の高い媒介物と考えられている。成熟動物またはヒトの小グリア細胞は、新規に移植した骨髄に由来する。動物モデルでは、BMSCを、レトロウイルスを使用してトランスフェクトし、in vitroおよびin vivoで高レベルの遺伝子発現を達成することができる。
【0079】
本発明のなおさらなる態様によれば、樹状細胞移植前に樹状細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記樹状細胞を必要とする受容者に前記樹状細胞を移植する工程とを含む、樹状細胞移植の改良方法が得られる。
【0080】
本発明のさらなる態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有する樹状細胞を含む樹状細胞調製物が得られる。
【0081】
樹状細胞(DC)の移植効率の改良は、いくつかの疾患、症候群、および/または病態の治療において有利である。
【0082】
樹状細胞(DC)は、最も強力な抗原提示細胞であり、ナイーブT細胞に新規の抗原を提示することができる唯一の細胞である。DCは、臨床免疫治療のための有望な補薬であるプロ抗原提示細胞である。粘着性末梢血単球細胞(PBMC)またはCD34+前駆体のいずれかを使用した適切なサイトカインカクテルの存在下で多数のDCをin vitroで作製することができる。in vitroで分化したDCは、特異的免疫応答を誘導することができるリンパ系組織に局在することが好ましい。したがって、これらの細胞は、癌および他の疾患の治療における免疫治療アプローチと潜在的に関連する。CD34+細胞由来樹状細胞の有効な遺伝子の改変により、癌、自己免疫障害、および感染症の免疫治療プロトコールの開発を有意に進歩させることができる。ヒト新生物細胞は、免疫原性が低いと考えられる。したがって、ヒト腫瘍の免疫治療への臨床アプローチの開発には、有効な補薬の同定が必要である。DCは、抗腫瘍免疫応答を惹起するための天然の補薬として使用することができる特殊な抗原提示細胞系である。末梢血前駆細胞移植を使用した高用量化学療法は、造血悪性疾患および固形腫瘍の両方を罹患した患者のための潜在的に治効のある治療である。しかし、多数の臨床研究に基づいて、高用量化学療法後に多数の患者で最終的に疾患が再発する微小残存病変(MRD)が残存している強力な証拠が存在する。したがって、MRD治療へのいくつかのアプローチ(樹状細胞ベースの癌ワクチンでの治療および養子免疫療法(NK細胞を含む同種異系リンパ球の患者への受動輸送を意味する)を含む)が現在評価されている。
【0083】
本発明のなおさらなる態様によれば、末梢血リンパ球移植前に末梢血リンパ球を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記末梢血リンパ球を必要とする受容者に前記末梢血リンパ球を移植する工程とを含む、末梢血リンパ球移植の改良方法が得られる。
【0084】
本発明のなおさらに別の態様では、外因性細胞外基質分解酵素を保有する末梢血リンパ球を含む末梢血リンパ球細胞調製物が得られる。
【0085】
本発明で使用される細胞は、自家起源または同種異系であり得る。このような細胞を、十分に確立されたプロトコールを使用して被験体またはドナーから採取することができる。このような細胞を、末梢血、骨髄、および/または臍帯血から得ることができる。このような細胞を、好ましくは、必要とする受容者に、静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、もしくは局所、または骨髄への注射によって投与する。
【0086】
治療される病態に依存して、本発明の細胞は、遺伝子改変細胞であり得る。遺伝子改変した細胞は、外因性ポリヌクレオチドをそのゲノムに移入するために遺伝子操作された細胞である。このようなポリヌクレオチドには、典型的には、タンパク質を符号化する配列およびその発現を調節する調節配列が含まれる。タンパク質の例には、インスリンおよび成長ホルモンなどのホルモン、グルコセレブロシダーゼ、β−グルコロニダーゼ、およびアデノシンデアミナーゼなどの酵素、ならびにβ−グロビン、CFTRなどの他のタンパク質が含まれる。細胞の遺伝子改変方法および改変細胞のex vivo増殖法は当該分野で周知であり、例えば、以下の実施例で列挙した引例に記載されている。
【0087】
異なる細胞型によって輸送される活性ヘパラナーゼは細胞の異なる体内組織へのより良好な溢出を補助することを以下の実施例で示す。ヘパラナーゼは、細胞外基質分解酵素である。したがって、コラゲナーゼなどの他の細胞外基質分解酵素、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼなどのグリコサミノグリカン分解酵素はこれに関してヘパラナーゼと類似の様式で機能することが認識される。これらの酵素および他の酵素は、種々の供給源由来の富化形態で利用可能である。組換え酵素が利用可能であるか容易に作製することができるようにこれらの酵素を符号化する遺伝子をクローニングした。
【0088】
上記の酵素は細胞によって天然に産生され、その後細胞外基質に分泌されてその酵素活性を発揮する。このような酵素は、典型的には、成熟活性形態またはほとんど活性を示さないか活性を示さないプロ酵素として利用可能である。本発明の実施の際、一旦ex vivoで細胞に適用すると、プロヘパラナーゼはその活性形態(成熟ヘパラナーゼ)にタンパク質分解されることが見出された。
【0089】
したがって、本発明の実施の際、上記の任意の細胞外基質分解酵素の成熟(活性形態)またはプロ酵素(不活性形態)を使用することができる。
【0090】
本発明のさらなる目的、利点、および新規の特徴は、制限を意図しない以下の実施例の試験により当業者に自明である。さらに、上で詳述し、且つ特許請求の範囲に記載の本発明の種々の実施形態および態様はそれぞれ以下の実施例で実験的に支持される。
【0091】
実施例
引例は上記説明と共に以下の実施例に合わせて作成されており、非限定的様式で本発明を例示する。
【0092】
一般に、本明細書中で使用した命名法および本発明で使用した実験手順には、分子、生化学、微生物学、および組換えDNA技術が含まれる。このような技術を、文献で完全に説明されている。例えば、「分子クローニング:実験マニュアル」、Sambrookら、1989;「現代の分子生物学プロトコール」、第I〜III巻、Ausubel R.M.編、1994;Ausubelら、「現代の分子生物学プロトコール」、John Wiley and Sons、Baltimore、Maryland、1989;Perbal、「分子クローニング実践ガイド」、John Wiley & Sons、New York、1988;Watsonら、「組換えDNA」、Scientific American Books、New York;Berrenら編、「ゲノム分析:実験マニュアルシリーズ」、第1〜4巻、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York、1998;米国特許第4666828号、同第4683202号、同第4801531号、同第5192659号、および同第5272057号に記載の方法;「細胞生物学:実験ハンドブック」、第I〜III巻、Cellis,J.E.編、1994;「動物細胞培養−基本技術マニュアル」、Freshney、Wiley−Liss、N.Y.、1994、第3版、「現代の免疫学プロトコール」、第I〜III巻、Coligan J.E.編、1994;Stitesら編、「基本的および臨床免疫学」、第8版、Appleton & Lange、Norwalk,CT.、1994;Mishell and Shiigi編、「細胞免疫学法の選択」、W.H.Freeman and Co.、New York、1980を参照のこと;利用可能な免疫検定法は特許および化学文献に広範に記載されており、例えば、以下を参照のこと;米国特許第3791932号、同第3839153号、同第3850752号、同第3850578号、同第3853987号、同第3867517号、同第3879262号、同第3901654号、同第3935074号、同第3984533号、同第3996345号、同第4034074号、同第4098876号、同第4879219号、同第5011771号、および同第5281521号;「オリゴヌクレオチド合成」、Gait,M.J.編、1984;「核酸ハイブリッド形成」、Hames,B.D. and Higgins S.J.編、1985;「転写と翻訳」、Hames,B.D. and Higgins S.J.編、1984;「動物細胞培養」、Freshney、R.I.編、1986;「固定細胞および酵素」、IRL Press、1986;「分子クローニング実践ガイド」、Perbal,B.、1984および「酵素学的方法」、第1〜317巻、Academic Press;「PCRプロトコール:方法と応用ガイド」、Academic Press、San Diego、CA、1990;Marshakら、「タンパク精製と特徴付けの戦略実験マニュアル」、CSHL Press、1996(その全てが本明細書中で全て記載されているかのように参考として援用される)。本書類のいたるところで他の一般的な引例を提供する。本明細書中に記載の手順は当該分野で周知と考えられ、読者の便宜上記載している。本明細書中に含まれる全ての情報は、本明細書中で参考として援用される。
【0093】
実施例1
導入したヘパラナーゼ処理免疫担当細胞の移植片対腫瘍(GVT)効果
本実施例では、導入したヘパラナーゼ処理免疫担当細胞の移植片対腫瘍(GVT)効果を評価した。
【0094】
材料および実験手順
ヘパラナーゼ:全ての実験でCHO−p65ヘパラナーゼ(1.693mg/ml;バッチ番号11−1)を使用した。CHO−p65ヘパラナーゼを、WO01/7297に記載のプロトコールにしたがって調製した。酵素を、DMEM+10%FCS、2mMグルタミン、40μg/mlゲンタマイシン、1:85(ヘパラナーゼの最終濃度は20μg/ml)で希釈した。
【0095】
細胞:本研究で原発性腫瘍由来のルイス肺癌(D122)を使用した。これらの癌細胞を、8%CO2下で37℃の10%FCS、2%グルタミン、ゲンタマイシンを補足したDMEM成長培地中でサブコンフルエントまで培養した。本実験でBalb/C−ヌードマウス由来の脾細胞も使用した。脾細胞を、5%CO2下で37℃の10%FCSを補足したRPMI成長培地中で107細胞/mlまで培養した。
【0096】
マウス:本研究でHarlan Laboratories Israel,Ltd.(レホボト、イスラエル))から入手したCB6F1(7〜9週齢)およびBalb/C−雄ヌードマウス(10〜12週齢)を使用した。到着してすぐに本研究で使用する動物の健康状態を試験した。健康状態の良好な動物のみを実験条件に馴化した。研究期間中、動物を動物施設内に収容した。動物を、固体の底を取り付け、床敷きとして木の削りくずを敷いたポリプロピレンケージ(43×27×18cm3)中に最大8匹のマウスの群およびポリプロピレンケージ(29×19×12cm3)中に最大5匹のマウスの群を維持した。動物に市販の齧歯類用飼料(Harlan Teklad TRM Ra/Mouse Diet)を自由に与え、ステンレススチールのシッパーチューブを具備したポリエチレンボトルを介して各ケージに供給した飲料水に自由にアクセスさせた。自動制御環境条件を、室温20〜24℃、相対湿度30〜70%、12時間明所/12時間暗所サイクル、および研究室の十分な換気/時間を維持するように設定した。CB6F1雄マウスを、番号を付した金属の耳輪を使用してマークした。ケージカードは、治療群に関する研究名および備考を含んでいた。研究終了後、動物を頸部脱臼によって屠殺した。
【0097】
転移誘導実験:D122細胞(2×105細胞/0.2mlPBS)を、CB6F1マウス(0日目)の尾静脈に静脈内注射した。
【0098】
脾細胞の調製:3日目に、以下のプロトコールに従って脾細胞を調製した:10匹のBalb/C−ヌードマウス由来の脾細胞を滅菌様式で得た。細胞を、メッシュを使用して滅菌PBSに搾り出した。細胞をプールし、洗浄し、赤血球溶解緩衝液(細胞体積の10倍)(155mM NH4Cl、10mM KHCO3、0.1mM EDTA(pH7.3))と20〜25℃で5分間インキュベートした。次いで、細胞を、洗浄緩衝液(2mM EDTA、PBS(pH7.2)、0.5%BSA)で2回洗浄した。細胞を計数し(3.6×108個の単核細胞)、75mlのフラスコに分注した。細胞(107細胞/ml)を、5%CO2下でRPMI(Beit Haemek)+10%FCS(Beit Haemek)+22nM組換えマウスIL−2(R&D)中で37℃で12時間インキュベートした。4日目に、脾細胞を含む1つのフラスコを、5%CO2下で20μg/mlのp65−ヘパラナーゼと37℃で4時間インキュベートした。
【0099】
脾細胞の注射:4日目に、脾細胞を含む0.25mlのハンクス液を、0日目にD122細胞を注射したCB6F1マウスに静脈内注射した。群Aに、0.25mlのハンクス液のみを注射し、群Bに脾細胞を注射し、群Cにヘパラナーゼ処理脾細胞を注射した。
【0100】
ヘパラナーゼ活性および被覆細胞の発現:処理および非処理脾細胞を、例えば、米国特許第5968822号(本明細書中で参考として援用される)に記載のプロトコールを使用してECMおよびウェスタンブロット分析に供した。
【0101】
実験条件:CB6F1(7〜9週齢)の雄マウスにルイス肺癌(D122)細胞を注射した。その結果、動物にハンクス液またはまたは脾細胞(脾細胞の腫瘍の発達を防止する能力に対するヘパラナーゼの効果を試験するために静脈注射前のヘパラナーゼ処理または非処理の10〜12週齢のBalb/C−雄ヌードマウス由来)のいずれかを注射した。以下の実験条件に従って2つの独立した試験を行った。
【0102】
【0103】
いずれの動物も30日までに死亡しなかったので、これらの動物の肺に転移しているかを観察するためにコントロール群Aの2匹の動物を頸部脱臼によって屠殺した。一方の動物は転移が認められなかったが、他方の動物は肺に巨大な転移が認められた。したがって、実験を継続した。死亡した動物または呼吸困難もしくは体重減少を示す動物を頸部脱臼によって屠殺し、その体重および肺重量を測定した。56日目に実験を終了させた。依然として生存している群Bの2匹の動物および群Cの2匹の動物を頸部脱臼によって屠殺し、その体重および肺重量を測定した。
【0104】
【0105】
動物の体重を毎週測定した。17日目に第1の動物が死亡した時点で実験を終了し動物を頸部脱臼によって屠殺した。肺を切り出し、その重量を測定した。転移を検出するために肺を顕微鏡で観察した。
【0106】
実験番号2における肺転移の評価では、0は転移なしを示し、1は肺転移の存在を示した。ヘパラナーゼ処理群およびヘパラナーゼ非処理群中の動物数を比較した。
【0107】
実験結果
ヘパラナーゼ被覆脾細胞はp65およびp50ヘパラナーゼ形態を示し、これは、外因性p65−ヘパラナーゼが脾細胞に結合し、これらによりp50−ヘパラナーゼ活性形態にプロセシングされることが示唆された(図1)。DMB検定法によって示したヘパラナーゼ被覆脾細胞保有高ヘパラナーゼ活性を表1にまとめた。
【0108】
【表1】
【0109】
実験番号1:群Aの全動物(5/5、30日目に2匹の動物を屠殺した)は、44日目までに死亡した。脾細胞処理群の動物(2/7)は、研究が終了する56日目まで死亡しなかった。結果を図2に示す。ヘパラナーゼ処理群(C)の1匹の動物は、肺転移が認められなかった。コントロール群(A)および脾細胞コントロール群(B)の肺は、ヘパラナーゼ処理脾細胞群(C)と比較した場合に肺重量に反映したより多数でより大きな転移が認められた。
【0110】
【表2】
【0111】
CB6F1マウスに2×105個のルイス肺癌細胞をIV注射した。4日後、マウスにハンクス液(コントロール)、107個の脾細胞(Sp)、または107個のヘパラナーゼ処理脾細胞(SpH)を注射した。死亡日に肺を切り出し、秤量した。
【0112】
実験番号2:コントロール群(A)の動物は全て肺転移が進行した。脾細胞コントロール群(群BおよびC)では、16匹中15匹の動物で肺転移が進行するが、ヘパラナーゼ処理群(群DおよびE)では16匹中9匹しか肺転移が進行しなかった(16匹中7匹の動物で微視的肺転移が進行しなかった)。結果を表3にまとめる。
【0113】
【表3】
【0114】
結論
コントロール群における肺転移を有する動物数と処理群における肺転移を有する動物数とを比較した場合、実験番号2から得られた結果により、コントロール群と処理群との間に有意差が認められる(すなわち、移植前のヘパラナーゼ処理により免疫担当細胞のGVT効果が実質的に改良される)ことが示唆される。コントロール群における死亡日の肺重量と処理群の肺重量とを比較した場合、実験番号1から得られた結果により、コントロール群と処理群との間に有意差が認められる(すなわち、移植前のヘパラナーゼ処理により免疫担当細胞のGVT効果が実質的に改良される)ことが示唆される。生存期間で有意な効果は認められなかったが、これはおそらく動物を罹患直後に屠殺し、必ずしも自然死を待たないという人道的事実による。
【0115】
実施例2
幹細胞移植に対するヘパラナーゼの効果
本実施例では、幹細胞移植に対するヘパラナーゼの効果を研究した。
【0116】
材料と実験手順
ヘパラナーゼ:CHO−p65ヘパラナーゼ(1.693mg/ml;バッチ番号11−1)を全ての実験で使用した。WO01/7297に記載のプロトコールに従って、CHO−p65ヘパラナーゼを調製した。酵素を、DMEM+10%FCS、2mMグルタミン、40μg/mlゲンタマイシンで85倍に希釈した(ヘパラナーゼの最終濃度は20μg/ml)。
【0117】
細胞:ヒト臍帯血CD34+前駆細胞/幹細胞を、5%CO2下で10%FCSを補足したRPMI成長培地(106細胞/ml)にて37℃で培養した。
【0118】
マウス:本研究でHarlan Laboratories Israel,Ltd.(レホボト、イスラエル)から入手したNOD−SCID(2月齢)を使用した。本研究で使用する動物の健康状態を試験した。健康状態の良好な動物のみを実験条件に馴化させた。研究期間中、動物を動物施設内に収容した。動物を、固体の底を取り付け、床敷きとして木の削りくずを敷いたポリプロピレンケージ(29×19×12cm3)中に最大5匹のマウスの群を飼育した。動物に市販の齧歯類用飼料(Harlan Teklad TRM Ra/Mouse Diet)を自由に与え、ステンレススチールのシッパーチューブを具備したポリエチレンボトルを介して各ケージに供給した飲料水に自由にアクセスさせた。自動制御環境条件を、室温20〜24℃、相対湿度30〜70%、12時間明所/12時間暗所サイクル、および研究室の十分な換気/時間を維持するように設定した。ケージカードは、治療群に関する研究名および備考を含んでいた。研究終了後、動物を頸部脱臼によって屠殺した。
【0119】
動物の照射:0日目に、マウスにWeizmann Institute(レホボト、イスラエル)の照射ユニットで375Gyのγ照射を行った。
【0120】
ヒト臍帯血CD34+細胞分離:0日目に、Ichilov病院、Tel−Aviv、Israelの血液学部門から抗凝固臍帯血サンプル(6)を入手した。サンプルを2mM EDTAを含むPBSで4倍に希釈した。35mlの希釈細胞懸濁液を、15mlのFicoll−Paque(Pharmacia)に重層し、20℃、400×gで35分間遠心分離した。層間細胞を回収し、PBS−EDTAで2回洗浄した(20℃、200×gで10分間遠心分離した)。次いで、製造者のプロトコール(Miltenyi Biotec)に従って「CD34前駆細胞分離キットの単離」およびMINI−MACS分離器を使用してCD34+細胞を分離した。次いで、少量の細胞サンプルをCD34−FITC抗体で染色した。CD34+細胞の%を、FACSを使用して評価した(「FACS分析」を参照のこと)。75%を超えるCD34細胞を含む調製物のみを試験に使用した。
【0121】
ヘパラナーゼでのヒト臍帯血CD34+細胞被覆:分離CD34+細胞を、2つの35mmウェルに分注した。ヘパラナーゼ(最終濃度20μg/ml)を、ウェルの1つに添加した。細胞を、5%CO2下で10%FBSを補足したRPMI成長培地中、37℃で16時間インキュベートした。
【0122】
ヒト臍帯血CD34+細胞注射:1日目に、CD34+細胞(2×105細胞/0.5ml RPMI+10%FBS)を、照射SCID−NODマウスに尾静脈を介して静脈内注射した(以下の試験条件を参照のこと)。
【0123】
ヒトCD34+を移植したマウス骨髄のFACS分析:研究終了時に(6週間後)、マウスを頸部脱臼によって屠殺した。脛骨および大腿骨を採取し、骨髄を300μlのRPMIで洗浄した。その後、細胞を4℃で45分間種々の結合モノクローナル抗体とインキュベートし、PBSで2回洗浄し、200μLのPBSに再懸濁した。FACS Calibur(Becton Dickinson、San Jose、CA、USA)でのフローサイトメトリー分析を行い、10,000個の細胞についてのデータを得た。生存リンパ球を分析するように前方散乱光閾値を設定した。使用したモノクローナル抗体は、抗ヒトCD19−APC(Caltag、Burlingam、CA、USA)、抗ヒトCD45−PerCP(Becton Dickinson、Lexington、KY、USA)、抗ヒトCD15−FITC(Caltag、Burlingam、CA、USA)、および抗ヒトCD3−PE(Caltag、Burlingam、CA、USA)であった。
【0124】
ヘパラナーゼ活性および被覆細胞の発現:処理および非処理CD34+細胞を、例えば、米国特許第5968822号(本明細書中で参考として援用される)に記載の確立されたプロトコールを使用して、ECM分析に供した。
【0125】
実験条件:
【0126】
【0127】
統計分析:CD34+細胞移植に対するヘパラナーゼの効果の統計分析に対応のないスチューデントT検定を使用した。実験番号2では、処理群(3+)での動物の骨髄内のヒト細胞の%が平均値−2標準偏差値よりも小さいので、これを統計分析から排除した。
【0128】
実験結果
ECM検定法で示すように、ヘパラナーゼ処理CD34+細胞(2×105細胞)は、高ヘパラナーゼ活性を示した(図3)。
【0129】
実験番号1:マウス骨髄中のヒト白血球の%を、フローサイトメトリーによる特異的抗ヒトCD45を使用して分析した。結果を、表4および図5にまとめる。
【0130】
【表4】
【0131】
実験番号2:マウス骨髄中のヒト白血球の%を、フローサイトメトリーによる特異的抗ヒトCD45を使用して分析した。ヒトB細胞、T細胞、および骨髄性細胞の%を、それぞれ抗ヒトCD19、抗ヒトCD3、および抗ヒトCD15を使用して分析した。結果を、表5および図4aおよび4bにまとめる。
【0132】
【表5】
【0133】
結論
実験番号2では、ヒトCD45を発現するマウス骨髄中の細胞の%を反映するので、ヘパラナーゼはNOD−SCIDマウスモデルでヒトCD34+細胞の移植を有意に(p<0.04)改良した。実験番号1では、結果は統計的に有意ではないが、傾向は明白である。さらに、マウス骨髄でCD15を発現するヒト細胞の%はヘパラナーゼ処理群で有意に高く、これによりヘパラナーゼの一過性発現が骨髄性細胞の分化を誘導することが示唆される。
【0134】
実施例3
ラットモデルにおける骨髄間質細胞移植に対するヘパラナーゼの効果
本実施例では、骨髄間質細胞(BMSC)移植に対するヘパラナーゼの効果を研究した。
【0135】
ヘパラナーゼ:全試験でCHO−p65ヘパラナーゼ(1.693mg/ml;バッチ番号11−1)を使用した。CHO−p65ヘパラナーゼを、WO01/7297に記載のプロトコールにしたがって調製した。酵素を、DMEM+10%FCS、2mMグルタミン、40μg/mlゲンタマイシンで170倍(ヘパラナーゼの最終濃度10μg/ml)に希釈した。
【0136】
細胞:8%CO2下の10%FCSを補足した低グルコースDMEM成長培地にて37℃でコンフルエントまでBMSCを成長させた。
【0137】
ラット:本研究で、Harlan Laboratories Israel,Ltd.(レホボト、イスラエル)から入手した雄(6週齢)(3匹)および雌(3週齢)(18匹)のルイスラットを使用した。本研究で使用する動物の健康状態を試験した。健康状態の良好な動物のみを実験条件に馴化させた。研究期間中、動物を動物施設内に収容した。動物を、固体の底を取り付け、床敷きとして木の削りくずを敷いたポリプロピレンケージ(43×27×18cm3)中に最大5匹のラットの群を維持した。動物に市販の齧歯類用飼料(Harlan Teklad TRM Ra/Mouse Diet)を自由に与え、ステンレススチールのシッパーチューブを具備したポリエチレンボトルを介して各ケージに供給した飲料水に自由にアクセスさせた。自動制御環境条件を、室温20〜24℃、相対湿度30〜70%、12時間明所/12時間暗所サイクル、および研究室の十分な換気/時間を維持するように設定した。ケージカードは、治療群に関する研究名および備考を含んでいた。研究終了後、動物を頸部脱臼によって屠殺した。
【0138】
動物の照射:0日目に、ラットにWeizmann Institute(レホボト、イスラエル)の照射ユニットで450Gyのγ照射を行った。
【0139】
BMSC:2匹の雄ルイスラット(45日齢)またはC57BLマウス由来の大腿骨および脛骨を、滅菌様式でHarlan Biotech Israel,Ltd.(レホボト、イスラエル)から入手した。骨髄を洗浄し、10%FCS(Gibco BRL、Rockville、MD、USA)、ゲンタマイシン、2mMグルタミン(全てBeit Haemek、イスラエルから購入)を補足した低グルコース(1g/L)DMEMで培養した。培養物を、加湿した8%CO2で37℃のインキュベーターに維持した。3日間のインキュベーション後、非接着細胞を洗浄し、接着細胞を、完全DMEM培地で再培養した。その後培地を1週間に2回交換した。
【0140】
ヘパラナーゼでのBMSC被覆:BMSC培養物がコンフルエントに達した時点で、いくつかの細胞を10μg/mlのp65−ヘパラナーゼ(最終濃度)と37℃で3時間インキュベートした。その後、細胞はトリプシン処理され計数された。
【0141】
BMSC注射:1日目に、BMSC(3×106細胞/0.3mlPBS)(以下の実験条件を参照のこと)を、照射ラットに尾静脈を介して静脈注射した。
【0142】
雌組織由来のDNA抽出物:研究終了時に、動物を麻酔し、以下の器官および組織を採取した:脳、骨、心臓、脾臓、肺、肝臓、および骨髄。各器官の半分を液体窒素中で凍結し、残りの器官をパラホルムアルデヒドに保存した。製造者のプロトコールに従って、「高純度PCRテンプレート調合キット」(Roche Diagnostics, GmbH、マンハイム、ドイツ)を使用してDNAを凍結組織から抽出した。
【0143】
PCR分析:各PCR反応に250ngのDNAを使用した。PCRプログラムを以下であった:95℃−5分間、40×(95℃−1分間、62℃−30秒間、72℃−1分間)、72℃−7分間。以下のプライマーを使用した。
sry2R:5’−AGG CAA CTT CAC GCT GCA AAG TA−3’(配列番号1)
sry2F:5’−AGC TTT CGG ACG AGT GAC AGT TG−3’(配列番号2)
βアクチンR:5’−AGG CAG CTC ATA GCT CTT CTC−3’(配列番号3)
βアクチンF:5’−GAT CAT GTT TGA GAC CTT CAA C−3’(配列番号4)
sry1R:5’−CTT CAG TCT CTG CGC CTC CT−3’(配列番号5)
sry1F:5’−GGA GAG AGG CAC AAG TTG GC−3’(配列番号6)
【0144】
ヘパラナーゼ活性および被覆細胞の発現:処理および非処理細胞を、例えば、米国特許第6190875号(本明細書中で参考として援用される)に記載のプロトコールを使用してDMBおよびウェスタンブロット分析に供した。
【0145】
【0146】
4日目に、尾を損傷した処理群(H)由来の動物が死亡した。13日目および14日目に、群C由来の3匹の動物および群H由来の2匹の動物が死亡した。14日目に、群Cの全動物に頻呼吸、立毛、流涙、および無関心が認められたので、ラットをネンブタールの腹腔内注射によって安楽死させ、死後分析を行った。
【0147】
実験結果
顕微鏡観察(黄疸肝臓、青白い脾臓、黄色い骨髄、炎症を起こした肺、および青白い膜)により、動物は照射による損傷を負い、処理群(H)は損傷は小さいことが示唆された。
【0148】
ウェスタンブロット分析によって示されるように、BMSC細胞(105細胞)はp65−ヘパラナーゼに結合し、そのp50活性形態にプロセシングされた(図6)。DMB検定法によって示されるように、細胞は高いヘパラナーゼ活性を示した(表6)。
【0149】
【表6】
【0150】
受容者雌の組織内の雄特異的(y染色体)sry遺伝子の発現を、PCRを使用して分析した(図7)。sry遺伝子は、処理群(BMSC+ヘパラナーゼ、群H)の6匹中4匹の動物の肺およびコントロール群(BMSC、群C)の6匹中1匹の動物の肺に存在した。肺および骨中にsry遺伝子が存在する動物数は、両群で類似していた。BMSC+ヘパラナーゼ処理動物のそれぞれ3匹および1匹が心臓および脳でsry遺伝子を発現したが、コントロール動物では発現されなかった。いずれの群でも骨髄および脾臓ではヘパラナーゼは発現されなかった。PCR反応で使用した各動物由来のDNA量を、β−アクチンプライマーを使用したサンプルのPCR分析と比較したが、類似していた(示さず)。
【0151】
結論
ヘパラナーゼは、主に照射ラットの肺へのBMSC移植を改良する。
【0152】
明白にするために個別の実施形態の文脈で記載した本発明の一定の特徴を1つの実施形態に組み合わせて提供することもできることが認識される。対照的に、簡潔にするために1つの実施形態の文脈で記載した本発明の種々の特徴を、個別または任意の適切な小さな組み合わせで提供することもできる。
【0153】
本発明は特定の実施形態と併せて記載しているが、多数の変更形態、修正形態、変形形態が当業者に明らかであることが証明される。したがって、すべてのこのような変更形態、修正形態、および変形形態が添付の特許請求の範囲の精神および広範な範囲内に含まれることが意図される。本明細書中に記載の全ての刊行物、特許、および特許出願は、各刊行物、特許、または特許出願が具体的且つ個別に本明細書中で参考として援用されるのと同一の程度に本明細書中で参考として援用される。さらに、本出願中の任意の参考文献の引用または同一性は、このような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であると解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】ヘパラナーゼでコートした脾細胞におけるヘパラナーゼの運命を示すウェスタンブロット分析を示す。
【図2】ヘパラナーゼで治療した同種異系脾細胞の養子導入後のマウス生存時間を示す生存グラフである。
【図3】3×105個のヘパラナーゼ処理(黒四角)、非処理(白円)CD34+細胞のヘパラナーゼ活性を示すグラフである。
【図4】図4aは、ヒト幹細胞移植に対するヘパラナーゼの結果を示すグラフである。図4bは、移植ヒト幹細胞の分化に対するヘパラナーゼの効果を示すグラフである。
【図5】ヒトCD34+細胞に対するヘパラナーゼの効果を示すグラフである。
【図6】ヘパラナーゼでコートしたBMSCにおけるヘパラナーゼの運命を示すウェスタンブロット分析を示す。
【図7】BMSC移植に対するヘパラナーゼの効果を示すPCR分析を示す。
Claims (132)
- 幹細胞移植前に幹細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記幹細胞を必要とする受容者に前記幹細胞を移植する工程とを含む、幹細胞移植の改良方法。
- 前記幹細胞は自家起源である請求項1の方法。
- 前記幹細胞は同種異系起源である請求項1の方法。
- 前記移植は静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、または局所で行われる請求項1の方法。
- 前記移植は骨髄注射を介して行われる請求項1の方法。
- 前記幹細胞は成体由来の幹細胞である請求項1の方法。
- 前記幹細胞は胚由来の幹細胞である請求項1の方法。
- 前記幹細胞は遺伝子改変幹細胞である請求項1の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項1の方法。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項9の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項1の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であるか、又は細胞によって活性形態に活性化可能である請求項1の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項1の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項13の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟活性ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項13の方法。
- 外因性細胞外基質分解酵素を保有する幹細胞を含む幹細胞調製物。
- 前記幹細胞は自家起源である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記幹細胞は同種異系起源である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記幹細胞は成体由来の幹細胞である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記幹細胞は胚由来の幹細胞である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記幹細胞は遺伝子改変幹細胞である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項16の幹細胞調製物。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項22の幹細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項16の幹細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項16の幹細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項26の幹細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項26の幹細胞調製物。
- CD34+前駆細胞移植前にCD34+前駆細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記CD34+前駆細胞を必要とする受容者に前記CD34+前駆細胞を移植する工程とを含む、CD34+前駆細胞移植の改良方法。
- 前記CD34+前駆細胞は自家起源である請求項29の方法。
- 前記CD34+前駆細胞は同種異系起源である請求項29の方法。
- 前記移植は静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、または局所で行われる請求項29の方法。
- 前記移植は骨髄注射を介して行われる請求項29の方法。
- 前記CD34+前駆細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項29の方法。
- 前記CD34+前駆細胞は遺伝子改変CD34+前駆細胞である請求項29の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項29の方法。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項36の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項29の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項29の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項29の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項40の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項40の方法。
- 外因性細胞外基質分解酵素を保有するCD34+前駆細胞を含むCD34+前駆細胞調製物。
- 前記CD34+前駆細胞は自家起源である請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記CD34+前駆細胞は同種異系起源である請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記CD34+前駆細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記CD34+前駆細胞は遺伝子改変CD34+前駆細胞である請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項48のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項43のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項52のCD34+前駆細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項52のCD34+前駆細胞調製物。
- 骨髄間質細胞移植前に骨髄間質細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記骨髄間質細胞を必要とする受容者に前記骨髄間質細胞を移植する工程とを含む、骨髄間質細胞移植の改良方法。
- 前記骨髄間質細胞は自家起源である請求項55の方法。
- 前記骨髄間質細胞は同種異系起源である請求項55の方法。
- 前記移植は静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、または局所で行われる請求項55の方法。
- 前記移植は骨髄注射を介して行われる請求項55の方法。
- 前記骨髄間質細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項55の方法。
- 前記骨髄間質細胞は遺伝子改変骨髄間質細胞である請求項55の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項55の方法。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項62の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項55の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項55の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項55の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項66の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項66の方法。
- 外因性細胞外基質分解酵素を保有する骨髄間質細胞を含む骨髄間質細胞調製物。
- 前記骨髄間質細胞は自家起源である請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記骨髄間質細胞は同種異系起源である請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記骨髄間質細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記骨髄間質細胞は遺伝子改変骨髄間質細胞である請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項74の骨髄間質細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項69の骨髄間質細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項78の骨髄間質細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項78の骨髄間質細胞調製物。
- 樹状細胞移植前に樹状細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記樹状細胞を必要とする受容者に前記樹状細胞を移植する工程とを含む、樹状細胞移植の改良方法。
- 前記樹状細胞は自家起源である請求項81の方法。
- 前記樹状細胞は同種異系起源である請求項81の方法。
- 前記移植は静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、または局所で行われる請求項81の方法。
- 前記移植は骨髄注射を介して行われる請求項81の方法。
- 前記樹状細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項81の方法。
- 前記樹状細胞は遺伝子改変樹状細胞である請求項81の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項81の方法。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項88の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項81の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項81の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項81の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項92の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項92の方法。
- 外因性細胞外基質分解酵素を保有する樹状細胞を含む樹状細胞調製物。
- 前記樹状細胞は自家起源である請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記樹状細胞は同種異系起源である請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記樹状細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記樹状細胞は遺伝子改変樹状細胞である請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項100の樹状細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記接触前に、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項95の樹状細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項104の樹状細胞調製物。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項104の樹状細胞調製物。
- 末梢血リンパ球細胞移植前に末梢血リンパ球細胞を有効量の細胞外基質分解酵素と接触させる工程と、前記末梢血リンパ球細胞を必要とする受容者に前記末梢血リンパ球細胞を移植する工程とを含む、末梢血リンパ球細胞移植の改良方法。
- 前記末梢血リンパ球細胞は自家起源である請求項107の方法。
- 前記末梢血リンパ球細胞は同種異系起源である請求項107の方法。
- 前記移植は静脈内、気管内、子宮内、腹腔内、局部、または局所で行われる請求項107の方法。
- 前記移植は骨髄注射を介して行われる請求項107の方法。
- 前記末梢血リンパ球細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項107の方法。
- 前記末梢血リンパ球細胞は遺伝子改変末梢血リンパ球細胞である請求項107の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素は、コラゲナーゼ、グリコサミノグリカン分解酵素、およびエラスターゼからなる群から選択される請求項107の方法。
- 前記グリコサミノグリカン分解酵素は、ヘパラナーゼ、結合組織活性化ペプチド、ヘパリナーゼ、グルクロニダーゼ、ヘパリチナーゼ、ヒルロニダーゼ、サルファターゼ、およびコンドロイチナーゼからなる群から選択される請求項114の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は活性形態である請求項107の方法。
- 前記接触の際、前記細胞外基質分解酵素は不活性形態であり、プロテアーゼによって活性形態に活性化可能である請求項107の方法。
- 前記細胞外基質分解酵素はヘパラナーゼである請求項107の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼである請求項118の方法。
- 前記ヘパラナーゼは成熟ヘパラナーゼに切断可能なプロヘパラナーゼである請求項118の方法。
- 外因性細胞外基質分解酵素を保有する末梢血リンパ球細胞を含む末梢血リンパ球細胞調製物。
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- 前記末梢血リンパ球細胞は骨髄、末梢血、または臍帯血由来である請求項121の末梢血リンパ球細胞調製物。
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